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JP2008029279A - オカラ成分含有飲料 - Google Patents

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JP2008029279A
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beverage
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Masako Ashikari
匡子 芦刈
Takako Nakayama
孝子 中山
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Suntory Ltd
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Abstract

【課題】オカラ成分を含有する「複雑味」を有する大豆飲料を提供する。
【解決手段】オカラ成分を含有する大豆飲料において、全粒大豆粉に乳酸菌を発酵させた「全粒大豆発酵乳」を用い、安定剤、糖を加え、pH及び粘度を指標として、pHが3.5〜5.0、粘度が20〜200mPa・sの範囲に調整する。
【効果】大豆の不快臭がなく、かつ大豆本来のコク味や旨味を有しながらも単調な味わいでない、いわゆる「複雑味」を有する飲料が得られる。
【選択図】なし

Description

発明の詳細な説明
発明の属する技術分野
本発明は、オカラ成分を含有する大豆飲料に関する。
従来の技術
大豆は、良質の植物性タンパク質や脂質の含有量が多く、それらの構成アミノ酸や脂肪酸のバランスに優れ、カルシウム、ビタミンなどのミネラルが多く含まれている栄養素に富む食品である。近年の健康志向の高まりから、この植物性タンパク質を多量に含む大豆食品の評価が高まり、特に、1999年10月米国食品医薬品局(FDA)が25g以上/日の大豆タンパクを摂取すれば、低飽和脂肪酸及び低コレステロールの食事療法につながり、心臓病の危険性を低減するという表示を認可したことにより、豆乳などの大豆加工品の需要が大幅に拡大している。
豆乳は、通常、全粒大豆を水に浸漬した後、これを摩砕、加熱し、オカラ成分を分離した後、均質化して製造されている。ここで、分離されるオカラ成分には大豆由来の優良な栄養分が多く含まれているので、オカラ成分を分離するのは栄養源としては大きな損失である。
これら豆乳では、大豆自体が持つ特有の青豆臭、苦渋味等を低減することが課題となっており、n−ヘキサナールに由来する青豆臭、サポニン由来の苦渋味、イソフラボン由来の収斂味等を乳酸菌醗酵によって改善する研究が数多くなされている(特許文献1〜3)。
また、最近では、大豆の栄養素をまるごと摂取することを目的として、全粒大豆を原料として、多量の食物繊維やミネラル成分を含むオカラ成分を分離しないで製造する大豆飲料、すなわちオカラ含有飲料も提案されている(特許文献4、5)。また、喉越しや舌触りが滑らかで風味が良好で、さらには栄養価が高い大豆全粒粉発酵製品の製造方法も提案されている(特許文献6、7)。そして、この大豆全粒粉発酵製品(飲料)が、滑らかな喉ごしの食感および風味であるに加えて、均一白濁乳化状態(pH:約4.5、粘度約10cP(B型粘度型による)、乳化粒子の平均粒子径:約5μm、乳化安定性:遠心分離器(3000回転/1分)で殆ど沈殿を生じない)を有したものであることが記載されている(特許文献7、段落番号[0050]参照)。
特開平5−184320号公報 特開平10−201415号公報 特開平11−243894号公報 特開2004−141155号公報 特開2004−16120号公報 特開2003−159020号公報 特開2004−290012号公報
発明が解決しようとする課題
上記のとおり、大豆を原料とする飲料として、豆乳、発酵豆乳、全粒大豆飲料、全粒大豆発酵飲料など種々提案されている。しかしながら、これら公知の方法では、大豆の不快臭のマスキングが不十分であったり、発酵フレーバーがあまり好ましいものではなかったり、または大豆本来のコク味や旨味が消された製品になってしまうという問題を呈していた。
本発明は、上記の現状に鑑み、大豆臭を感じず、かつ大豆本来のコク味や旨味を有する大豆飲料を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、オカラ成分を含有する大豆飲料において、pH及び粘度を指標として、pHが3.5〜5.0(好ましくは4.0〜4.6)、粘度が20〜200mPa・s(好ましくは30〜100mPa・s)となるように調整することにより、大豆の不快臭をマスキングでき、大豆本来のコク味や旨味を有しながらも、単調な味わいでない、いわゆる「複雑味」を有し、飲料の美味しさを形成するコク味が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、オカラ成分を含有し、pHが3.5〜5.0(好ましくは4.0〜4.6)、10℃における粘度が20〜200mPa・s(好ましくは30〜100mPa・sで)ある大豆飲料に関する。
また、本発明は、オカラ成分の含量が、0.4〜2.0重量%であり、pHが3.5〜5.0(好ましくは4.0〜4.6)、10℃における粘度が20〜200mPa・s(好ましくは30〜100mPa・sで)である大豆飲料に関する。
さらに、本発明は、オカラ成分を含有し、pHが3.5〜5.0(好ましくは4.0〜4.6)、10℃における粘度が20〜200mPa・s(好ましくは30〜100mPa・sで)ある大豆飲料であって、乳酸を含有する前記飲料に関する。
また、本発明は、少なくとも工程(a)及び(b)、場合によりさらに工程(c)及び(d)を経て得られる大豆飲料に関する:
(a)全粒大豆に乳酸菌を作用させて大豆発酵物を調製する工程;
(b)前記大豆発酵物に、糖類、果汁、水、安定剤から選ばれる少なくとも一つを混合して調合液を調製する工程;
(c)調合液を殺菌又は滅菌処理する殺菌工程;
(d)殺菌後、均質化処理を行う工程。
本発明は、前記飲料が容器に充填された形態である飲料に関する。
発明の実施の形態
(1)オカラ成分含有大豆飲料
本発明の大豆飲料は、オカラ成分(大豆不溶性固形)を含有し、且つ特定のpHと粘度を有することを特徴とする。
本発明の大豆飲料は、オカラ成分を含有することにより、大豆由来の優良な栄養分が多く含まれる。また、オカラ成分を含有することにより、香味に大豆のコク味(いわゆる「ボディー感」)を有する飲料が得られる。大豆飲料の大豆本来のコク味や旨味の観点から、本発明の大豆飲料中、オカラ成分は大豆不溶性固形分として、0.4%以上2.0%以下(好ましくは1.5%以下)となるようにするのが好ましい。オカラ成分含量(すなわち大豆不溶性固形分)が0.4%を下回ると、大豆本来のコク味や旨味が満足されない飲料となることがある。また、オカラ成分含量が2.0%を超えると、飲料の粘度が高くなり飲料として摂取に不都合が生じる原因となり、またボディー感や飲みごたえの点から適量を飲むにも飲みづらいと感じることがあり、味わいとしても劣ったものとなることがある。
本発明の大豆飲料のpHは、3.5〜5.0(好ましくは4.0〜4.6)の範囲である。オカラ成分を含有する大豆飲料において、pHを3.5〜5.0(好ましくは4.0〜4.6)とすることで、大豆本来の味わいに加えて味に奥行きが生まれ、単調な大豆の味わいでなくなることは、本発明者らによって初めて見出された知見である。pHが3.5を下回ると、本発明の課題とする大豆本来のコク味や旨味を味わうことができないことがある。また、pHが5.0を超える場合には、味が単調になって、いわゆる「複雑味」が少なくなり、飲料の美味しさを形成するコク味が得られなくなる。
また、本発明の大豆飲料の粘度は、10℃における粘度(東機産業社製、ビスコメーターTVB−10による)が20〜200mPa・s(好ましくは30〜100mPa・s)の範囲内である。粘度が、20mPa・sを下回ると、ボディー感がなく飲みづらい飲料となる。粘度が200mPa・sを超えると、糊状感を有することとなり、飲料として摂取に不都合を生じる(飲みづらい)ことがある。
本発明の大豆飲料は、pH調整のために添加される酸味料、粘度調整のためのペクチン等の増粘剤、および乳酸発酵等による乳酸を含むことができる。さらに、本発明の大豆飲料は、上記の添加物のほか、水、糖類、果汁、安定剤、界面活性剤、香料などの飲料の製造に通常用いられる各種の添加剤を適宜添加することもできる。
本発明の大豆飲料は、大豆の栄養素を含有しながらも、大豆本来のコク味や旨味を有する良好な香味を有するものであるから、健康食品として継続的に摂取することが可能である。本発明の大豆飲料は、容器に充填される。充填する容器としては、大豆飲料に風味劣化などの悪影響を及ぼす光、酸素などをできるだけ遮断することができる仕様とするのがよく、これによって、長時間、沈殿やオフフレーバーの発生しにくい大豆飲料製品を得ることができる。
(2)オカラ成分含有飲料の製造方法
本発明の大豆飲料の原料となる大豆は、品種・産地等何ら制限されるものではなく、どのようなものでも使用できる。また、大豆の剥皮についても制限されず、食物繊維の摂取や工程の簡便化を目的として皮付きのまま用いることもできるし、大豆の汚れなど安全性や食感の観点から剥皮操作を行った皮無しの大豆を用いることもできる。
本発明の大豆飲料の調製方法は、何ら制限されるものではなく、当業者が考え得る方法を用いて調製することができる。すなわち、本発明の特性を有する大豆飲料を調製できる方法であれば何ら制限はなく、例えば、1)全粒大豆を原料として調製した大豆飲料に、pH調整のための酸味料と、必要に応じて粘度調整のための増粘剤を添加して所望のpH及び粘度を有する大豆飲料を調製する方法、2)全粒大豆に乳酸菌を作用させて全粒大豆の乳酸菌発酵物を調製し、この全粒大豆の乳酸菌発酵物に、必要に応じてpH調整のための酸味料と、必要に応じて粘度調整のための増粘剤を添加して所望のpH及び粘度を有する大豆飲料を調製する方法、3)オカラ成分を分離して製造された豆乳(豆乳飲料を含む)に、オカラ又はオカラ発酵物含有食品を添加し、さらにpH調整のための酸味料と、必要に応じて粘度調整のための増粘剤を添加して所望のpH及び粘度を有する大豆飲料を調製する方法、4)オカラ成分を分離して製造された豆乳(豆乳飲料を含む)に乳酸菌を作用させて発酵豆乳を調製し、この発酵豆乳にオカラ又はオカラ発酵物含有食品を添加し、さらに必要に応じてpH調整のための酸味料と、必要に応じて粘度調整のための増粘剤を添加して所望のpH及び粘度を有する大豆飲料を調製する方法、等が挙げられる。
上記1)〜4)の製造法の中でも、上記2)に記載の方法は、大豆の栄養素を実質的に全て含有し、かつ大豆本来のアミノ酸や脂肪酸のバランスなどを維持できるだけでなく、大豆の持つ機能と乳酸菌の有する機能とを相乗的に発揮することが期待でき、調製方法が簡便であるため、好適な方法である。ここで、全粒大豆の乳酸菌発酵物は、通常、全粒大豆を粉砕して水に浸漬して懸濁液を調製し、これに乳酸菌を作用させて発酵し、均質化処理を行うことにより得られる。発酵を行う際には、まず発酵助剤となるグルコース、フルクトース、果糖ブドウ糖液糖、ブドウ糖果糖液糖の資化糖質を添加し、これを殺菌処理した後、乳酸菌を接種して培養するのがよい。ここで、用いる乳酸菌としては、全粒大豆粉乳を発酵しうるものであれば特に制限されず、大豆由来の青臭さが少なくなるものなど、所望の香味となるように適宜選択すればよいが、例えば、ストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)、ストレプトコッカス・クレモリス(Streptococcus cremoris)、ストレプトコッカス・ラクチス(Streptococcus lactis)、ラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidphilus)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)等が挙げられる。発酵条件は、スターターの種類、液状発酵乳製品の種類等に応じて適宜設定すればよい。また、発酵の前又は後の任意のタイミングで、上記増粘剤等の添加剤を加えてもよい。なお、全粒大豆発酵乳は、特開2003−159020号公報(特許文献6)や特開2004−16120号公報(特許文献5)に記載の方法により製造することもできる。このようにして製造される全粒大豆の乳酸菌発酵物は、固形分として5〜25%、好ましくは8〜20%程度全粒大豆を含有するのがよい。また、全粒大豆の乳酸菌発酵物の乳酸酸度は、0.5〜2.0%程度である。
本発明の大豆飲料のpHは、3.5〜5.0(好ましくは4.0〜4.6)の範囲であり、必要に応じ、例えば酸味料の添加により調整することができる。用いられる酸味料としては、特に制限はなく、一般に飲食品に使用されているものを用いることができる。酸味料の制限的でない例として、具体的には、クエン酸、乳酸、酢酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸等の酸味料の他、果汁などの酸味料を含有する原料が挙げられる。
本発明の大豆飲料の10℃における粘度(東機産業社製、ビスコメーターTVB−10による)は、20〜200(好ましくは30〜100mPa・s)の範囲であり、必要に応じ調整される。粘度は、均質化処理による粒径の制御により調整することができ、また増粘剤等の添加により調整することもできる。均質化処理による粒径の制御は、均質機(ホモジナイザー)で処理することにより行うことができる。均質機としては、例えば高圧型均質機、超音波均質機、遠心型均質機などが挙げられる。粘度調整の目的で添加しうる増粘剤は、一般に飲食品において使用されているものを用いることができ、具体的には、例えば、寒天、キサンタンガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、グアーガム、ジェランガム、カードラン、グルコマンナン、ゼラチン、プルラン、アルギン酸ナトリウム、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、ペクチン等の多糖類; 馬鈴薯、じゃがいも、コーン、ワキシーコーン、タピオカ由来の澱粉類(加工したもの、アルファ化処理したものを含む)が例示できるが、中でも、本発明の効果を得るためには、特にペクチンを用いることが望ましい。ペクチンは、メトキシル基の含量により、ハイメトキシペクチン(HMペクチン)及びローメトキシペクチン(LMペクチン)がある。なかでもHMペクチンは大豆飲料中に含まれるタンパク質の凝集を抑制する効果がある。また、増粘作用と共に乳化安定化、保水性に寄与する。ペクチンの添加量には、0.05〜10重量%が好ましく、0.1〜8重量%がさらに好ましく、0.2〜5重量%がより好ましい。添加量が0.05重量%以下の場合、乳化安定化効果が得られにくく、また、10重量%以上の場合、口溶け、食感が悪くなるため、好ましくない。
上記1)〜4)の方法等により製造された大豆飲料を殺菌せず、必要に応じて均質化処理を行うことにより、生菌タイプの製品とすることができ、製品中の乳酸菌を殺さぬよう、低温下で充填・流通・販売することができ、継続摂取がしやすい形態となる。
また、上記1)〜4)の方法等により製造された大豆飲料を殺菌することで、殺菌タイプの製品とすることができる。このとき、殺菌方法としては公知の方法を用いることができ、殺菌温度および殺菌時間は、特に限定されない。殺菌タイプの製品は、ホットパック充填あるいはホットフィリングと称する方法、あるいは無菌化した雰囲気内で容器に充填する無菌充填と称する方法により、製造することができる。ホットパック充填を行う場合は、例えば、大豆飲料を間接式殺菌機や直接式殺菌機(スチームインジェクション又はスチームフュージョン)を用いて8 5 ℃ 〜 9 8 ℃ に加熱して殺菌し、高温(60〜80℃)で保持したまま必要に応じて均質化処理を行い、容器に充填してから冷却して製品とする。また、無菌充填を行う場合は、大豆飲料を加熱殺菌処理し、必要に応じて均質処理を行ってから速やかに冷却し、無菌化した雰囲気内で容器に充填して製品とする。殺菌タイプの製品は、主として、常温下で流通・販売される。なお、上記の均質化は、公知の方法、例えば15〜30MPa程度の条件で行うことができる。
なお、上述のように、本発明の大豆飲料は、上記の添加物のほか、水、糖類(蔗糖、異性化糖、グルコース、フラクトース、パラチノース、トレハロース、ラクトース、キシロース等の糖類;ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、ラクトール、パラチニット、還元水飴、還元麦芽糖水飴等の糖アルコール、アスパルテーム、ステビア、ソーマチン、ラフィノース等)、果汁、安定剤、界面活性剤(ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、レシチン等)、香料(ヨーグルト系、ベリー系、オレンジ系、花梨系、シソ系、シトラス系、アップル系、ミント系、グレープ系、ペア、カスタードクリーム、ピーチ、メロン、バナナ、トロピカルフルーツ、ハーブ系、紅茶、コーヒー系、ゴマ系等)などの飲料の製造に通常用いられる各種の添加剤の1種または2種以上を適宜添加することもできる。
本発明を実施例によってさらに詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらのみに限定されるものではない。
実施例
(実施例1)
原料として、剥皮した大豆を粉砕した全粒大豆粉を乳酸菌で発酵させた「全粒大豆発酵乳」を用いた。この「全粒大豆発酵乳」は、その物性は、固形分:18.5%、酸度(乳酸換算):0.71%、pH4.3、大豆固形分9.2%、粘度(10℃)49mPa・sである。
表1に示す処方により、全粒大豆発酵乳に糖類(砂糖)、安定剤(ペクチン)、香料を添加して調合液を調製し、瓶に充填した後、85℃10分間の浸漬殺菌を行い、容器詰め大豆飲料を得た。
比較例として、全粒大豆発酵乳の代わりに、この全粒大豆発酵乳に乳酸菌発酵を施していない全粒大豆乳(固形分18.6%、pH6.8、粘度47.0mPa・s)及び豆乳に乳酸菌を作用させて発酵させた発酵豆乳(不二製油株式会社製、商品名:発酵豆乳)を用い、調合、充填、殺菌処理を行い、大豆飲料を調製した。また、比較例として、市販の豆乳(株式会社紀文フードケミファ、商品名:無調整豆乳)及び全粒大豆乳(大塚食品株式会社、商品名:スゴイダイズ)も使用した。
これら各種大豆飲料について、専門パネラー3名による官能評価を実施した。官能の評価は、複雑味/単調でない味わいがある、厚み/ボディー感がある味わいがある、おいしさ(=総合評価)に分けて評価した。各々の評価点は1点から5点まで1点刻み、5点満点で評価した。
各種大豆飲料の配合、粘度、pHを表1に示す。官能評価結果は表2に示す。粘度は、東機産業社製のビスコメーターTVB-10を用いて品温10℃で測定した。
Figure 2008029279
Figure 2008029279
全粒大豆発酵乳を原料として使用した大豆飲料(サンプル1)は香味に複雑な味わい、厚み/ボディー感がある味わいで、美味しく評価点が高かった。一方、全粒大豆乳を原料として使用した大豆飲料(サンプル2)は、厚み/ボディー感はある味わいであるが甘みが強く複雑味が少なく、美味しさの評価は低かった。また、大豆の不溶性成分を除去している発酵豆乳を使用した豆乳飲料(サンプル3)は香味にボディー感がなく飲みづらい味わいという評価であった。さらに、豆乳(サンプル4)は、香味が単調で複雑味がなく、厚み/ボディー感もない味わいで飲みづらい味わいであり、全粒大豆乳(サンプル5)は、ボディー感はあるが同じく香味が単調という評価であった。
この結果から、オカラ成分(大豆不溶性固形)を含有するものは香味に飲料の美味しさを形成するコク味(いわゆる「ボディー感」)を有すること、pHが酸性のものは味が単調でなく、いわゆる「複雑味」を有することが示唆された。
(実施例2)
実施例1と同様の、「全粒大豆発酵乳」を用い、表3に示す処方のとおり調合液を調整し、実施例1と同様に充填・殺菌処理を行って、各種大豆飲料を調製し、官能評価を実施した。
Figure 2008029279
Figure 2008029279
表3に粘度及びpHの測定結果、並びに表4に官能評価結果を示す。この結果より、以下のことがわかった。
サンプル1、6および7より、pHが4.0〜4.6の範囲では、良好な香味(複雑味、ボディー感)を有する。
サンプル1、8および9より、粘度がおよそ30〜100mPa・sの範囲では、良好な香味(複雑味、ボディー感)を有する。全粒大豆発酵乳を原料とした場合、粘度は、安定剤により付与(増粘)したものでも味わいに変化はない。
サンプル1および9より、大豆不溶性固形分が0.4〜1.3%の範囲では、良好な香味(複雑味、ボディー感)を有する。
発明の効果
本発明によれば、大豆の不快臭がマスキングされ、大豆本来のコク味や旨味を有しながらも、単調な味わいでない、いわゆる「複雑味」を有する飲料が提供される。

Claims (8)

  1. オカラ成分を含有し、pHが3.5〜5.0、10℃における粘度が20〜200mPa・sであることを特徴とする大豆飲料。
  2. オカラ成分の含量が、0.4〜2.0重量%である、請求項1に記載の大豆飲料。
  3. pHが4.0〜4.6である、請求項1または2記載の大豆飲料。
  4. 10℃における粘度が30〜100mPa・sである、請求項1〜3のいずれか一項記載の大豆飲料。
  5. 乳酸を含有する、請求項1〜4のいずれか一項記載の大豆飲料。
  6. 少なくとも工程(a)及び(b)を経て得られる、請求項1〜5のいずれか一項記載の大豆飲料:
    (a)全粒大豆に乳酸菌を作用させて大豆発酵物を調製する工程;
    (b)前記大豆発酵物に、糖類、果汁、水、安定剤から選ばれる少なくとも一つを混合して調合液を調製する工程。
  7. さらに、工程(c)及び(d)を経て得られる、請求項6記載の大豆飲料:
    (c)調合液を殺菌又は滅菌処理する殺菌工程;
    (d)殺菌後、均質化処理を行う工程。
  8. 容器に充填された飲料である、請求項1〜7のいずれかに記載の大豆飲料。
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