JP2004261139A - 酸性豆乳飲料およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】大豆特有の苦味や渋味が改善され、かつ優れた安定性を有する嗜好上十分満足し得る酸性豆乳飲料を提供すること。
【解決手段】安定剤としてペクチンまたはカルボキシメチルセルロースナトリウムを含有し、そのpHが4.5〜5.2に調整されたことを特徴とする苦味および渋味の抑制された酸性豆乳飲料。
【選択図】 なし
【解決手段】安定剤としてペクチンまたはカルボキシメチルセルロースナトリウムを含有し、そのpHが4.5〜5.2に調整されたことを特徴とする苦味および渋味の抑制された酸性豆乳飲料。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸性豆乳飲料に関し、更に詳細には、豆乳飲料の酸性領域において生じる大豆特有の苦味や渋味を改善した、嗜好上十分満足することができ、かつ優れた安定性を有する酸性豆乳飲料およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、消費者の健康への関心が高まっていることから、体に良いものを毎日の食生活の中で手軽にかつ豊富に摂取できる方法が求められており、このために、様々な機能・効果を有する素材を利用した食品が数多く商品化されている。
【0003】
その中でも、大豆は、良質のタンパク質を豊富に含有する栄養価に優れた食品素材として注目されており、これを用いた加工食品や発酵食品が数多く考案され、その利用分野も広範囲に及んでいる。
【0004】
特に近年では、デザート感覚で栄養価の高い大豆を手軽に摂取する方法として、大豆から得られる豆乳を利用したヨーグルト様の酸性豆乳食品が数多く提案されている。豆乳は、牛乳等と同様にその主成分がタンパク質であるため、酸性化することによってタンパク質の凝集が起こり、これを破砕することによって上記食品を容易に得ることができる。
【0005】
しかしながら、このようにして得られる酸性豆乳食品は、凝集、沈殿および分離等の品質劣化を生じ易く、保存時の外観等に問題があった。このような安定性の問題に対し、これまで種々の安定剤を添加すること(例えば、特許文献1〜3参照)が提案されており、更に、種々の安定剤を添加する方法に加え、pH領域を通常よりも高めに設定する方法(例えば、特許文献4参照)或いはタンパク質粒子を細かく破砕する方法(例えば、特許文献5および6参照)等も提案されている。
【0006】
一方で、豆乳を原料とする食品には、牛乳や加工乳等とは異なる大豆特有の苦味や渋味等の違和感を覚える風味が残ってしまう問題がある。そして、このような大豆特有の苦味や渋味は、通常の酸性食品の酸性領域(pH3.5〜4.2)においてより強調されるために、豆乳を酸性食品に利用することが妨げられる傾向にある。
【0007】
このような問題に対し、これまで大豆由来の苦味や渋味を改善する方法として、種々の糖質を添加する方法(例えば、特許文献7および8参照)や特定の微生物を利用して豆乳を発酵する方法(例えば特許文献9および10参照)が提案されている。
【0008】
また、上記両課題を同時に解決する方法として、豆類のタンパク質を乳酸発酵する際にアルギン酸プロピレングリコールエステルを添加する方法(例えば、特許文献11参照)が提案されている。しかしながら、アルギン酸プロピレングリコールエステルは、風味が悪く、加熱すると安定化効果が低下する性質を持つため、安定剤として酸性豆乳に添加した場合であっても上記両課題を解決するには十分でなく、安定化向上を目的とする安定剤と風味改善を目的とする糖質および香料等をそれぞれ添加しているのが現状である。
【0009】
【特許文献1】
特開昭54−525754号公報
【特許文献2】
特開昭59−151837号公報
【特許文献3】
特開平9−266779号公報
【特許文献4】
特開昭58−183060号公報
【特許文献5】
特開平5−43号公報
【特許文献6】
特開2001−190220号公報
【特許文献7】
特開平10−66516号公報
【特許文献8】
特開平11−318373号公報
【特許文献9】
特開平6−276979号公報
【特許文献10】
特開平10−201416号公報
【特許文献11】
特開昭54−84068号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このように酸性豆乳飲料に係る風味や品質に関する問題において、従来の方法では風味と品質劣化の両方の課題を同時に改善することはできなかった。従って本発明は、大豆特有の苦味や渋味が改善され、かつ優れた安定性を有する嗜好上十分満足し得る酸性豆乳飲料を提供することを課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、酸性豆乳飲料の製造の際に、安定剤としてペクチンまたはカルボキシメチルセルロースナトリウムを用い、更に豆乳飲料を特定のpHに調整することにより、酸性領域において生じる大豆特有の苦味や渋味が改善され、かつ優れた安定性を有する嗜好上十分満足し得る酸性豆乳飲料が製造できることを見出し、本発明を完成した。
【0012】
すなわち、本発明は安定剤としてペクチンまたはカルボキシメチルセルロースナトリウムを含有し、そのpHが4.5〜5.2に調整されたことを特徴とする苦味および渋味の抑制された酸性豆乳飲料を提供するものである。
【0013】
また、本発明は豆乳飲料に安定剤としてペクチンまたはカルボキシメチルセルロースナトリウムを添加する工程、pHを4.5〜5.2に調整する工程を含むことを特徴とする苦味および渋味の抑制された酸性豆乳飲料の製造方法を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の酸性豆乳飲料は、安定剤としてペクチンまたはカルボキシメチルセルロースナトリウムを含有せしめると共に、そのpHを4.5〜5.2に調整することにより、酸性領域において生じる大豆特有の苦味や渋味を改善し、且つ優れた安定性を得るものである。
【0015】
本発明の酸性豆乳飲料は、豆乳に果汁、有機酸および無機酸等の酸味剤を添加したものや豆乳に微生物を作用させて得られる発酵豆乳等の豆乳飲料のpHを酸性領域に調整した酸性豆乳飲料、酸性の冷菓、酸性デザート等の酸性を帯びた食品を含む。
【0016】
具体的な豆乳飲料としては、常法により大豆や脱脂大豆、フレーク大豆等から得られる豆乳や大豆粉、濃縮大豆タンパク、分離大豆タンパクなどの大豆タンパクを水に分散させて得られる分散液等(以下、これらを「豆乳等」という)に果汁、有機酸および無機酸等の酸味剤を添加して得られる酸性豆乳あるいはこれらの豆乳等に微生物を作用させて得られる発酵豆乳(以下、これを「発酵豆乳」という)が挙げられるが、特に微生物を作用させて得られる発酵豆乳は豆乳の呈味改善効果を有するため好ましい。
【0017】
上記の発酵豆乳の製造のために豆乳等に作用させる微生物としては、通常の発酵食品に使用されるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ラクトバチルス属、ラクトコッカス属、ストレプトコッカス属、ロイコノストック属等の乳酸菌、ビフィドバクテリウム属等のビフィズス菌、サッカロミセス属、キャンディダ属等の酵母類あるいは、アスペルギルス属、ユウロチウム属等の糸状菌類などを挙げることができ、これらの単独もしくは2種類以上を組合わせて使用することができる。豆乳に微生物を作用させる条件は、通常の発酵条件で行えばよく、特に限定されないが、使用する微生物に適した条件(温度、時間、攪拌、通気或いは嫌気)を適時決定して行えばよい。
【0018】
一方、本発明の豆乳飲料に含有させる安定剤としては、ペクチンまたはカルボキシメチルセルロースナトリウム(以下、これを「CMC」という)が挙げられる。
【0019】
このうち、ペクチンは全ガラクチュロン酸のうちメチルエステルとして存在するガラクチュロン酸の割合(エステル化度)が69%以上の高メトキシルペクチン(以下、「HMペクチン」という)の使用が好ましく、特にpH4.5〜5.2の範囲で、大豆風味を損なうことなく、大豆タンパク質の優れた分散安定化効果を示す70〜74%のものが好ましい。HMペクチンの含有割合は、最終製品に対して0.1〜0.6質量%が好ましく、特に0.2〜0.5質量%が好ましい。ペクチンの添加量が0.1質量%以下の場合では、十分な安定性を得ることができず、0.6質量%以上の場合では、粘性が強くなりすぎて良好な食感が得られないため風味嗜好上好ましくない。
【0020】
また、CMCはエーテル化度が0.6〜1.0のものが好ましく、特にpH4.5〜5.2の範囲で、大豆風味を損なうことなく、大豆タンパク質の優れた分散安定化効果を示す0.6〜0.8が好ましい。CMCの含有割合は、最終製品に対して0.2〜1.0質量%が好ましく、特に0.4〜0.8質量%が好ましい。CMCの添加量が0.2質量%以下の場合では、十分な安定性を得ることができず、1.0質量%以上の場合では、粘性が強くなりすぎて良好な食感が得られないため風味嗜好上好ましくない。
【0021】
上記安定剤の添加時期は特に限定されず、pHを調整する前に豆乳飲料に添加してもよいし、pHを調整した後の豆乳飲料に添加してもよい。また、安定剤は例えばシロップ等と混合して添加してもよい。
【0022】
上記のように、安定剤を含有せしめた豆乳飲料は、そのpHを4.5〜5.2、好ましくは4.6〜5.0になるように調整される。このpHの調整は、豆乳飲料が豆乳等の場合には、果汁、有機酸、無機酸等の、通常食品に添加される酸味剤(以下、これらを「酸味剤」という)を使用して行えばよい。一方、豆乳飲料が発酵豆乳の場合には、前記酸味剤の使用、発酵の進行によるpHの低下の利用またはこれらを併用してpHを調整してもよい。pHの調整に使用される酸味剤としては、リンゴ、ブルーベリー、柑橘類の各種果汁、これらの抽出エキスまたはこれらの混合物等の果汁、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、コハク酸等の有機酸、リン酸等の無機酸が挙げられる。
【0023】
以上のようにして得られる本発明の酸性豆乳飲料は、大豆固形分が4.0質量%以上含有されることが好ましく、特に4.0〜9.0質量%が好ましく、更に5.0〜8.0質量%が好ましい。固形分が4.0質量%以下の場合は、十分な大豆の風味を得ることができず、保存安定性も悪いため好ましくない。この大豆固形分を設定するには、豆乳飲料の固形分を最終製品の固形分が4.0質量%以上となるように設定すればよい。
【0024】
更に、本発明の酸性豆乳飲料は大豆タンパク質の粒子径の中央値が3.0〜8.0μmのものが好ましく、特に4.0〜7.0μmのものが好ましい。これに対し、大豆タンパク質の粒子径の中央値が2.0μm以下である場合には、糊っぽい食感を有し、逆に、大豆タンパク質の粒子径の中央値が9.0μm以上である場合には、粉っぽい食感を有するため好ましくない。なお、大豆タンパク質の粒子径の中央値とは、大豆タンパク質の粒度分布をレーザー回析/散乱法により測定し、そのメディアン値(全タンパク粒子径の中央値)のことであり、本発明では、測定粒子の屈折率が1.60〜0.10に設定された島津レーザー回析式粒度分布測定装置SALD−2000((株)島津製作所製)で測定した。
【0025】
この大豆タンパク質の粒子径は、豆乳飲料が発酵豆乳の場合であれば、培養過程での攪拌開始時期の設定や攪拌強度の設定により容易に設定できる。例えば、上記粒子径は、培養過程においてpHが6.0未満、好ましくはpH5.1〜pH5.9になった時点で攪拌を開始し、pHが4.7〜4.9になるまで培養することにより容易に設定することができる。また、酸味剤によってpHを調整する場合であっても、十分に攪拌しながら酸味剤や安定剤を添加することにより容易に設定することができる。
【0026】
また更に、本発明の酸性豆乳飲料は、上記安定剤と水溶性大豆多糖類、好ましくはペクチンと水溶性大豆多糖類を併用して含有させることにより、酸性領域で生じる大豆特有の苦味や渋味を相乗的に改善し、且つ優れた安定性を有する嗜好上満足し得る酸性豆乳飲料を得ることができる。水溶性大豆多糖類はいずれを使用してもよく特に限定されるものではないが、ラムノース、フコース、アラビノース、キシロース、ガラクトース、グルコースおよびガラクチュロン酸等で構成された糖質が好ましい。この水溶性大豆多糖類を併用する場合、最終製品に対して、水溶性大豆多糖類を0.2〜0.6質量%の割合で添加することが好ましい。水溶性大豆多糖類の添加量が0.1質量%以下の場合は、大豆特有の苦味や渋味を相乗的に改善する効果が得られず、0.7質量%以上の場合は、粘度感が強く、風味的に良好ではないため好ましくない。
【0027】
本発明の酸性豆乳飲料には、上記で言及した以外の成分を任意成分として配合することもできる。この任意成分としては、シロップ等の甘味料の他、それ以外の各種食品素材、例えば、各種糖質や乳脂肪、乳化剤、酸味料等が挙げることができる。具体的には、ショ糖、異性化糖、グルコース、フルクトース、パラチノース、ラクトース、キシロース、麦芽糖、オリゴ糖等の糖類、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、パラチニット、還元水あめ、還元麦芽糖水あめ等の糖アルコール、アスパルテーム、ソーマチン、スクラロース、アセスルファムK、ステビア等の高甘味度甘味料、クリーム、バター等の乳脂肪、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン糖脂肪酸エステル、レシチン等の乳化剤が挙げられる。その他にも、ビタミンA、ビタミンB類、ビタミンC、ビタミンE等のビタミン類やカルシウム、鉄、亜鉛等のミネラル類を配合することができ、酸性領域において生じる大豆特有の苦味や渋味が改善され、且つ優れた安定性を有する風味嗜好上十分満足し得る酸性豆乳飲料を得ることができる。
【0028】
本発明における酸性豆乳飲料の調製は常法に従って行えばよく、特に制約はないが、例えば以下の手順で作成することができる。
【0029】
豆乳飲料として発酵豆乳を使用した酸性豆乳飲料の製造:
まず、豆乳にブドウ糖果糖液糖を0.2質量%添加した後、133℃で3秒間加熱殺菌し、予め豆乳培地で培養したビフィドバクテリウム属およびラクトバチルス属の種菌をそれぞれ0.1質量%、1.0質量%接種し、pHが5.9以下になった時点から攪拌してpH4.7〜4.9まで培養して発酵豆乳を製造する。次いで、別途調整した上記安定剤を含有するシロップと発酵豆乳とを混合し、更に香料等を加えて10℃以下で攪拌することで本発明の酸性豆乳飲料が製造される。なお、この後、加熱殺菌処理を行えば、無菌タイプの酸性豆乳飲料となる。
【0030】
豆乳飲料として豆乳を使用した酸性豆乳飲料の製造:
豆乳を133℃で3秒間加熱殺菌し、冷却した。次いで、別途加熱殺菌、冷却した上記安定剤を含有するシロップと発酵豆乳とを混合し、10℃以下にて十分に攪拌混合する。更にpH4.7〜4.9になるまで果汁、有機酸および無機酸を混和し、必要に応じて高圧ホモジナイザーにより均質化処理を行うことで、本発明の酸性豆乳飲料が製造される。
【0031】
以上のようにして得られた酸性豆乳飲料は、酸性領域において生じる大豆特有の苦味や渋味が改善され、且つ優れた安定性を有する風味嗜好上十分満足し得るものである。
【0032】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら制約されるものではない。
【0033】
実 施 例 1
pH安定性の検討:
大豆固形分を11%に調整した豆乳にブドウ糖果糖液糖を0.2質量%添加した後、133℃で3秒間加熱殺菌した。豆乳培地で前培養したビフィドバクテリウム ブレーベおよびラクトバチルス マリの菌株をそれぞれ0.1質量%および1.0質量%で豆乳に接種し、培養した。培養中、pHが5.9付近になった時点で攪拌を開始し、pHが4.0〜5.5となるまで培養して3種類の豆乳飲料を製造した。
【0034】
これを最終製品の大豆固形分が5.5質量%となるよう、別途調整したシロップ、香料、調整水を添加、混合して、酸性豆乳飲料を得た(製品1〜6)。製品1〜3に使用したシロップは、最終製品に対してペクチン(シービー・ケルコ ジャパン製(エステル化度:70〜74%))0.4質量%、ショ糖2.0質量%、スクラロース0.01質量%となるような配合比、量で使用した。また、製品4〜6に使用したシロップは、ペクチンの変わりにCMC(ダイセル化学工業(株)製(エーテル化度:0.6〜0.8))を使用したものである。
【0035】
上記で製造した6種類の酸性豆乳飲料とこれらを10℃で14日間保存したものを以下の基準に従い10人のパネラーで風味評価すると共に、品質劣化の指標となるタンパク質の沈殿・分離の程度についても考察した。その結果を表1に示す。なお、風味の評点は、10人のパネラーの平均値で示した。この考察においては製品の沈殿が目視で厚い膜状のものが見られない程度(評点においては、−〜+まで)であって、分離の値が製品の外観を損なわない程度、すなわち5mm以下であるとき、良好な安定性を有するものとした。なお、分離計測は、直径約4cmの円筒状のプラスチック容器に、製品を約125ml充填した場合に起こる分離(発酵乳のホエイ分離に相当)について、その上清部の厚さ(mm)を計測した。
【0036】
< 風 味 評 価 >
評点 評価内容
0 : 風味が悪い
1 : 普通
2 : 風味がやや良い
3 : 風味がよい
【0037】
< 沈 殿 量 の 判 定 >
評点 評価内容
++ : 瓶底に厚く膜状に沈殿あり
+ : 瓶底に薄く膜状に沈殿あり
± : 瓶底に若干、沈殿あり
− : 沈殿無し
【0038】
【表1】
【0039】
表1の結果から、安定剤としてペクチンを使用した製品1〜3は、製品化直後では沈殿や分離といった品質劣化は見られないが、保存後ではpHの高い製品3に著しい分離が見られた。また、風味においてはpHの低い製品1で大豆特有の苦みや渋味が強く感じられ風味上好ましくなかった。一方、安定剤としてCMCを使用した製品4〜6においても製品化直後では品質劣化は見られないが、pHが低いほど品質安定性は高いが風味上好ましいものではなく、pHが高いものは風味上好ましいものではあるが品質安定性が悪いことが認められた。
【0040】
実 施 例 2
大豆固形分量の検討:
実施例1と同様に、pHを4.7〜4.9に調整した豆乳飲料について、その最終製品の大豆固形分がそれぞれ2.2、5.5、7.7質量%となるよう、別途調整したシロップ、香料、調整水を添加、混合して、酸性豆乳飲料を得た(製品7〜9)。得られた3つの酸性豆乳飲料は、大豆タンパク粒子径の中央値が6.6μmであった。なお、別途調整したシロップは、最終製品に対してペクチン(シービー・ケルコ ジャパン製(エステル化度:70〜74%))0.4質量%、ショ糖2.0質量%、スクラロース0.01質量%となるような配合比、量で使用した。
【0041】
上記で製造した3種類の酸性豆乳飲料とこれらを10℃で14日間保存したものを実施例1と同様の基準に従い評価した。その結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
表2の結果から、大豆固形分の割合が少ないもの(製品7)は、品質の安定化に十分な効果が得られず、風味においても水っぽさが強くしっかりとした大豆の風味を得ることができず好ましいものではなかった。一方、大豆固形分の割合が増えるほど(製品8および9)、品質が十分に安定化され、風味的にも苦みや渋味が無く程良い大豆の風味が感じられる製品が得られた。
【0044】
実 施 例 3
大豆タンパク粒子径の検討:
実施例1と同様に、攪拌培養の開始時をそれぞれ、pH4.8〜5.0、pH5.6〜5.9およびpH6.0〜6.3の3つに設定し、pH4.7〜4.9まで培養して豆乳飲料を得た。得られた豆乳飲料を最終製品の大豆固形分が5.5質量%となるよう、別途調整したシロップ、香料、調整水を添加、混合して、酸性豆乳飲料を得た(製品10〜12)。なお、別途調製したシロップは、最終製品に対して、ペクチン(シービー・ケルコ ジャパン製(エステル化度:70〜74%))0.4質量%、ショ糖2.0質量%、スクラロース0.01質量%となるような配合比、量で使用した。また、得られた3つの酸性豆乳飲料のタンパク粒子径は、それぞれ表3の通りであった。
【0045】
【表3】
【0046】
上記の通り製造した3種類の酸性豆乳飲料を実施例1と同様に風味評価すると共に、タンパク質の沈殿、分離の程度についても観察した。その結果を表4に示す。
【0047】
【表4】
【0048】
表4の結果から、大豆タンパク質の粒子径が小さい(製品10)ほど品質の安定化に十分な効果が得られるが、風味上大豆特有の苦みや渋味が感じられることに加え、糊状感が強く好ましいものは得られないことが示された。また、大豆タンパクの粒子径が大きすぎる(製品12)と品質の十分な安定化効果は得ることはできず、風味においても粉っぽいものとなるため好ましいものではなかった。
【0049】
実 施 例 4
ペクチンのエステル化度の検討:
実施例1と同様に、攪拌培養の開始時をpH5.4〜5.6に設定し、pH4.7〜4.9まで培養して豆乳飲料を得た。得られた豆乳飲料を最終製品の大豆固形分が7.5質量%となるように、表5に示す種々のエステル化度のペクチン(いずれもシービー・ケルコ ジャパン製)含むシロップ、香料、調整水を添加、混合して、酸性豆乳飲料を得た(製品13〜15)。得られた3つの製品のタンパク粒子径の中央値は4.7μmであった。なお、別途調製したシロップは、最終製品に対してペクチン0.4質量%、ショ糖2.0質量%、スクラロース0.01質量%となるような配合比、量で使用した。
【0050】
上記の通り製造した3種類の酸性豆乳飲料を実施例1と同様に風味評価すると共に、タンパク質の沈殿、分離の程度についても観察した。その結果を表5に示す。
【0051】
【表5】
【0052】
表5の結果から、安定剤としてエステル化度の高いペクチンを添加することにより保存後の品質安定化に優れ、大豆特有の苦みや渋味を感じることのない風味上好ましい製品を得ることができることが示され、特にエステル化度が70〜74%のものを使用することが望ましいことが示された。なお、ペクチンは一般にpH3.6〜4.2に調整された乳飲料の分散安定性に優れた効果を示すことが知られているが、豆乳ベースの飲料においては、製品のpHが4.9付近に調整されたものであってもエステル化度を限定することにより十分な分散安定化効果を得られることが認められた。
【0053】
実 施 例 5
CMCのエーテル化度の検討:
実施例1と同様に、攪拌培養の開始時をpH5.4〜5.6に設定し、pH4.7〜4.9まで培養して豆乳飲料を得た。得られた豆乳飲料を最終製品の大豆固形分が7.5質量%となるよう、表6に示す種々のCMC(いずれもダイセル化学工業(株)製)を含むシロップを用いて、酸性豆乳飲料を得た(製品16〜18)。得られた6つの酸性豆乳飲料は、タンパク粒子径の中央値が4.7μmであった。なお、シロップは、最終製品に対してショ糖2.0質量%、スクラロース0.01質量%およびCMC0.6質量%となる配合比、量で使用した。
【0054】
上記の通り製造した3種類の酸性豆乳飲料を実施例1と同様に風味評価すると共に、タンパク質の沈殿、分離の程度についても観察した。その結果を表6に示す。
【0055】
【表6】
【0056】
表6の結果から、安定剤としてエーテル化度の低いCMCを添加することにより保存後の品質安定化に優れ、大豆特有の苦みや渋味を感じることのない風味上好ましい製品を得ることができることが示され、特にエーテル化度が0.6〜1.0のものを使用することが望ましいことが示された。なお、CMCは、一般にpH4.0〜4.7に調整された乳飲料の分散安定性に優れた効果を示すことが知られているが、豆乳ベースの飲料においては、製品のpHが4.9付近に調整されたものであってもエーテル化度を限定することにより十分な分散安定化効果を得られることが認められた。
【0057】
実 施 例 6
ペクチンと多糖類との併用の検討:
実施例1と同様に、攪拌培養の開始時をpH5.9付近に設定し、pH4.7〜4.9まで培養して豆乳飲料を得た。得られた豆乳飲料を最終製品の大豆固形分が5.5質量%となるように、ペクチン(シービー・ケルコ ジャパン製(エステル化度:70〜74%))および水溶性大豆多糖類を含むシロップ、香料、調整水と混合して、酸性豆乳飲料を得た(製品19〜21)。得られた3つの酸性豆乳飲料は、タンパク粒子径の中央値が8.0μmであった。また、比較としては、水溶性大豆多糖類の変わりに、グアーガム(日本エヌエスシー(株)製)および加工澱粉(不二製油(株)製)を用いた。なお、シロップは、表7に示すペクチンおよび多糖類量の他、ショ糖2.0質量%、スクラロース0.01質量%となる配合比および量で用いた。
【0058】
上記の通り、製造した5種類の酸性豆乳飲料を実施例1と同様に風味評価すると共に、タンパク質の沈殿、分離の程度についても観察した。その結果を表7に示す。
【0059】
【表7】
【0060】
表7の結果から、タンパク粒子径の中央値が8μm程度では、安定剤としてペクチンのみを用いた場合に品質の安定化に対する効果が低くなる傾向が見られた。これに対し、大豆多糖類を併用して使用することにより、風味を損なうことなく優れた品質安定化を有する酸性豆乳飲料が得られることが示された。また、ペクチンと他のものを併用した比較品1および2と比較してもその効果は明らかであった。
【0061】
【発明の効果】
本発明は、豆乳に、安定剤としてペクチンまたはCMCを含有せしめると共に特定の酸性領域に調整することにより、酸性領域において生じる大豆特有の苦味や渋味が改善され、且つ優れた安定性を有する嗜好上十分に満足し得る酸性豆乳飲料を得ることができる。
【0062】
また、酸性豆乳飲料にペクチンと水溶性大豆多糖類を併用して含有させることによって、大豆特有の苦味や渋味およびタンパクの安定性が相乗的に改善された酸性豆乳飲料を得ることができる。
以 上
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸性豆乳飲料に関し、更に詳細には、豆乳飲料の酸性領域において生じる大豆特有の苦味や渋味を改善した、嗜好上十分満足することができ、かつ優れた安定性を有する酸性豆乳飲料およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、消費者の健康への関心が高まっていることから、体に良いものを毎日の食生活の中で手軽にかつ豊富に摂取できる方法が求められており、このために、様々な機能・効果を有する素材を利用した食品が数多く商品化されている。
【0003】
その中でも、大豆は、良質のタンパク質を豊富に含有する栄養価に優れた食品素材として注目されており、これを用いた加工食品や発酵食品が数多く考案され、その利用分野も広範囲に及んでいる。
【0004】
特に近年では、デザート感覚で栄養価の高い大豆を手軽に摂取する方法として、大豆から得られる豆乳を利用したヨーグルト様の酸性豆乳食品が数多く提案されている。豆乳は、牛乳等と同様にその主成分がタンパク質であるため、酸性化することによってタンパク質の凝集が起こり、これを破砕することによって上記食品を容易に得ることができる。
【0005】
しかしながら、このようにして得られる酸性豆乳食品は、凝集、沈殿および分離等の品質劣化を生じ易く、保存時の外観等に問題があった。このような安定性の問題に対し、これまで種々の安定剤を添加すること(例えば、特許文献1〜3参照)が提案されており、更に、種々の安定剤を添加する方法に加え、pH領域を通常よりも高めに設定する方法(例えば、特許文献4参照)或いはタンパク質粒子を細かく破砕する方法(例えば、特許文献5および6参照)等も提案されている。
【0006】
一方で、豆乳を原料とする食品には、牛乳や加工乳等とは異なる大豆特有の苦味や渋味等の違和感を覚える風味が残ってしまう問題がある。そして、このような大豆特有の苦味や渋味は、通常の酸性食品の酸性領域(pH3.5〜4.2)においてより強調されるために、豆乳を酸性食品に利用することが妨げられる傾向にある。
【0007】
このような問題に対し、これまで大豆由来の苦味や渋味を改善する方法として、種々の糖質を添加する方法(例えば、特許文献7および8参照)や特定の微生物を利用して豆乳を発酵する方法(例えば特許文献9および10参照)が提案されている。
【0008】
また、上記両課題を同時に解決する方法として、豆類のタンパク質を乳酸発酵する際にアルギン酸プロピレングリコールエステルを添加する方法(例えば、特許文献11参照)が提案されている。しかしながら、アルギン酸プロピレングリコールエステルは、風味が悪く、加熱すると安定化効果が低下する性質を持つため、安定剤として酸性豆乳に添加した場合であっても上記両課題を解決するには十分でなく、安定化向上を目的とする安定剤と風味改善を目的とする糖質および香料等をそれぞれ添加しているのが現状である。
【0009】
【特許文献1】
特開昭54−525754号公報
【特許文献2】
特開昭59−151837号公報
【特許文献3】
特開平9−266779号公報
【特許文献4】
特開昭58−183060号公報
【特許文献5】
特開平5−43号公報
【特許文献6】
特開2001−190220号公報
【特許文献7】
特開平10−66516号公報
【特許文献8】
特開平11−318373号公報
【特許文献9】
特開平6−276979号公報
【特許文献10】
特開平10−201416号公報
【特許文献11】
特開昭54−84068号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このように酸性豆乳飲料に係る風味や品質に関する問題において、従来の方法では風味と品質劣化の両方の課題を同時に改善することはできなかった。従って本発明は、大豆特有の苦味や渋味が改善され、かつ優れた安定性を有する嗜好上十分満足し得る酸性豆乳飲料を提供することを課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、酸性豆乳飲料の製造の際に、安定剤としてペクチンまたはカルボキシメチルセルロースナトリウムを用い、更に豆乳飲料を特定のpHに調整することにより、酸性領域において生じる大豆特有の苦味や渋味が改善され、かつ優れた安定性を有する嗜好上十分満足し得る酸性豆乳飲料が製造できることを見出し、本発明を完成した。
【0012】
すなわち、本発明は安定剤としてペクチンまたはカルボキシメチルセルロースナトリウムを含有し、そのpHが4.5〜5.2に調整されたことを特徴とする苦味および渋味の抑制された酸性豆乳飲料を提供するものである。
【0013】
また、本発明は豆乳飲料に安定剤としてペクチンまたはカルボキシメチルセルロースナトリウムを添加する工程、pHを4.5〜5.2に調整する工程を含むことを特徴とする苦味および渋味の抑制された酸性豆乳飲料の製造方法を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の酸性豆乳飲料は、安定剤としてペクチンまたはカルボキシメチルセルロースナトリウムを含有せしめると共に、そのpHを4.5〜5.2に調整することにより、酸性領域において生じる大豆特有の苦味や渋味を改善し、且つ優れた安定性を得るものである。
【0015】
本発明の酸性豆乳飲料は、豆乳に果汁、有機酸および無機酸等の酸味剤を添加したものや豆乳に微生物を作用させて得られる発酵豆乳等の豆乳飲料のpHを酸性領域に調整した酸性豆乳飲料、酸性の冷菓、酸性デザート等の酸性を帯びた食品を含む。
【0016】
具体的な豆乳飲料としては、常法により大豆や脱脂大豆、フレーク大豆等から得られる豆乳や大豆粉、濃縮大豆タンパク、分離大豆タンパクなどの大豆タンパクを水に分散させて得られる分散液等(以下、これらを「豆乳等」という)に果汁、有機酸および無機酸等の酸味剤を添加して得られる酸性豆乳あるいはこれらの豆乳等に微生物を作用させて得られる発酵豆乳(以下、これを「発酵豆乳」という)が挙げられるが、特に微生物を作用させて得られる発酵豆乳は豆乳の呈味改善効果を有するため好ましい。
【0017】
上記の発酵豆乳の製造のために豆乳等に作用させる微生物としては、通常の発酵食品に使用されるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ラクトバチルス属、ラクトコッカス属、ストレプトコッカス属、ロイコノストック属等の乳酸菌、ビフィドバクテリウム属等のビフィズス菌、サッカロミセス属、キャンディダ属等の酵母類あるいは、アスペルギルス属、ユウロチウム属等の糸状菌類などを挙げることができ、これらの単独もしくは2種類以上を組合わせて使用することができる。豆乳に微生物を作用させる条件は、通常の発酵条件で行えばよく、特に限定されないが、使用する微生物に適した条件(温度、時間、攪拌、通気或いは嫌気)を適時決定して行えばよい。
【0018】
一方、本発明の豆乳飲料に含有させる安定剤としては、ペクチンまたはカルボキシメチルセルロースナトリウム(以下、これを「CMC」という)が挙げられる。
【0019】
このうち、ペクチンは全ガラクチュロン酸のうちメチルエステルとして存在するガラクチュロン酸の割合(エステル化度)が69%以上の高メトキシルペクチン(以下、「HMペクチン」という)の使用が好ましく、特にpH4.5〜5.2の範囲で、大豆風味を損なうことなく、大豆タンパク質の優れた分散安定化効果を示す70〜74%のものが好ましい。HMペクチンの含有割合は、最終製品に対して0.1〜0.6質量%が好ましく、特に0.2〜0.5質量%が好ましい。ペクチンの添加量が0.1質量%以下の場合では、十分な安定性を得ることができず、0.6質量%以上の場合では、粘性が強くなりすぎて良好な食感が得られないため風味嗜好上好ましくない。
【0020】
また、CMCはエーテル化度が0.6〜1.0のものが好ましく、特にpH4.5〜5.2の範囲で、大豆風味を損なうことなく、大豆タンパク質の優れた分散安定化効果を示す0.6〜0.8が好ましい。CMCの含有割合は、最終製品に対して0.2〜1.0質量%が好ましく、特に0.4〜0.8質量%が好ましい。CMCの添加量が0.2質量%以下の場合では、十分な安定性を得ることができず、1.0質量%以上の場合では、粘性が強くなりすぎて良好な食感が得られないため風味嗜好上好ましくない。
【0021】
上記安定剤の添加時期は特に限定されず、pHを調整する前に豆乳飲料に添加してもよいし、pHを調整した後の豆乳飲料に添加してもよい。また、安定剤は例えばシロップ等と混合して添加してもよい。
【0022】
上記のように、安定剤を含有せしめた豆乳飲料は、そのpHを4.5〜5.2、好ましくは4.6〜5.0になるように調整される。このpHの調整は、豆乳飲料が豆乳等の場合には、果汁、有機酸、無機酸等の、通常食品に添加される酸味剤(以下、これらを「酸味剤」という)を使用して行えばよい。一方、豆乳飲料が発酵豆乳の場合には、前記酸味剤の使用、発酵の進行によるpHの低下の利用またはこれらを併用してpHを調整してもよい。pHの調整に使用される酸味剤としては、リンゴ、ブルーベリー、柑橘類の各種果汁、これらの抽出エキスまたはこれらの混合物等の果汁、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、コハク酸等の有機酸、リン酸等の無機酸が挙げられる。
【0023】
以上のようにして得られる本発明の酸性豆乳飲料は、大豆固形分が4.0質量%以上含有されることが好ましく、特に4.0〜9.0質量%が好ましく、更に5.0〜8.0質量%が好ましい。固形分が4.0質量%以下の場合は、十分な大豆の風味を得ることができず、保存安定性も悪いため好ましくない。この大豆固形分を設定するには、豆乳飲料の固形分を最終製品の固形分が4.0質量%以上となるように設定すればよい。
【0024】
更に、本発明の酸性豆乳飲料は大豆タンパク質の粒子径の中央値が3.0〜8.0μmのものが好ましく、特に4.0〜7.0μmのものが好ましい。これに対し、大豆タンパク質の粒子径の中央値が2.0μm以下である場合には、糊っぽい食感を有し、逆に、大豆タンパク質の粒子径の中央値が9.0μm以上である場合には、粉っぽい食感を有するため好ましくない。なお、大豆タンパク質の粒子径の中央値とは、大豆タンパク質の粒度分布をレーザー回析/散乱法により測定し、そのメディアン値(全タンパク粒子径の中央値)のことであり、本発明では、測定粒子の屈折率が1.60〜0.10に設定された島津レーザー回析式粒度分布測定装置SALD−2000((株)島津製作所製)で測定した。
【0025】
この大豆タンパク質の粒子径は、豆乳飲料が発酵豆乳の場合であれば、培養過程での攪拌開始時期の設定や攪拌強度の設定により容易に設定できる。例えば、上記粒子径は、培養過程においてpHが6.0未満、好ましくはpH5.1〜pH5.9になった時点で攪拌を開始し、pHが4.7〜4.9になるまで培養することにより容易に設定することができる。また、酸味剤によってpHを調整する場合であっても、十分に攪拌しながら酸味剤や安定剤を添加することにより容易に設定することができる。
【0026】
また更に、本発明の酸性豆乳飲料は、上記安定剤と水溶性大豆多糖類、好ましくはペクチンと水溶性大豆多糖類を併用して含有させることにより、酸性領域で生じる大豆特有の苦味や渋味を相乗的に改善し、且つ優れた安定性を有する嗜好上満足し得る酸性豆乳飲料を得ることができる。水溶性大豆多糖類はいずれを使用してもよく特に限定されるものではないが、ラムノース、フコース、アラビノース、キシロース、ガラクトース、グルコースおよびガラクチュロン酸等で構成された糖質が好ましい。この水溶性大豆多糖類を併用する場合、最終製品に対して、水溶性大豆多糖類を0.2〜0.6質量%の割合で添加することが好ましい。水溶性大豆多糖類の添加量が0.1質量%以下の場合は、大豆特有の苦味や渋味を相乗的に改善する効果が得られず、0.7質量%以上の場合は、粘度感が強く、風味的に良好ではないため好ましくない。
【0027】
本発明の酸性豆乳飲料には、上記で言及した以外の成分を任意成分として配合することもできる。この任意成分としては、シロップ等の甘味料の他、それ以外の各種食品素材、例えば、各種糖質や乳脂肪、乳化剤、酸味料等が挙げることができる。具体的には、ショ糖、異性化糖、グルコース、フルクトース、パラチノース、ラクトース、キシロース、麦芽糖、オリゴ糖等の糖類、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、パラチニット、還元水あめ、還元麦芽糖水あめ等の糖アルコール、アスパルテーム、ソーマチン、スクラロース、アセスルファムK、ステビア等の高甘味度甘味料、クリーム、バター等の乳脂肪、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン糖脂肪酸エステル、レシチン等の乳化剤が挙げられる。その他にも、ビタミンA、ビタミンB類、ビタミンC、ビタミンE等のビタミン類やカルシウム、鉄、亜鉛等のミネラル類を配合することができ、酸性領域において生じる大豆特有の苦味や渋味が改善され、且つ優れた安定性を有する風味嗜好上十分満足し得る酸性豆乳飲料を得ることができる。
【0028】
本発明における酸性豆乳飲料の調製は常法に従って行えばよく、特に制約はないが、例えば以下の手順で作成することができる。
【0029】
豆乳飲料として発酵豆乳を使用した酸性豆乳飲料の製造:
まず、豆乳にブドウ糖果糖液糖を0.2質量%添加した後、133℃で3秒間加熱殺菌し、予め豆乳培地で培養したビフィドバクテリウム属およびラクトバチルス属の種菌をそれぞれ0.1質量%、1.0質量%接種し、pHが5.9以下になった時点から攪拌してpH4.7〜4.9まで培養して発酵豆乳を製造する。次いで、別途調整した上記安定剤を含有するシロップと発酵豆乳とを混合し、更に香料等を加えて10℃以下で攪拌することで本発明の酸性豆乳飲料が製造される。なお、この後、加熱殺菌処理を行えば、無菌タイプの酸性豆乳飲料となる。
【0030】
豆乳飲料として豆乳を使用した酸性豆乳飲料の製造:
豆乳を133℃で3秒間加熱殺菌し、冷却した。次いで、別途加熱殺菌、冷却した上記安定剤を含有するシロップと発酵豆乳とを混合し、10℃以下にて十分に攪拌混合する。更にpH4.7〜4.9になるまで果汁、有機酸および無機酸を混和し、必要に応じて高圧ホモジナイザーにより均質化処理を行うことで、本発明の酸性豆乳飲料が製造される。
【0031】
以上のようにして得られた酸性豆乳飲料は、酸性領域において生じる大豆特有の苦味や渋味が改善され、且つ優れた安定性を有する風味嗜好上十分満足し得るものである。
【0032】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら制約されるものではない。
【0033】
実 施 例 1
pH安定性の検討:
大豆固形分を11%に調整した豆乳にブドウ糖果糖液糖を0.2質量%添加した後、133℃で3秒間加熱殺菌した。豆乳培地で前培養したビフィドバクテリウム ブレーベおよびラクトバチルス マリの菌株をそれぞれ0.1質量%および1.0質量%で豆乳に接種し、培養した。培養中、pHが5.9付近になった時点で攪拌を開始し、pHが4.0〜5.5となるまで培養して3種類の豆乳飲料を製造した。
【0034】
これを最終製品の大豆固形分が5.5質量%となるよう、別途調整したシロップ、香料、調整水を添加、混合して、酸性豆乳飲料を得た(製品1〜6)。製品1〜3に使用したシロップは、最終製品に対してペクチン(シービー・ケルコ ジャパン製(エステル化度:70〜74%))0.4質量%、ショ糖2.0質量%、スクラロース0.01質量%となるような配合比、量で使用した。また、製品4〜6に使用したシロップは、ペクチンの変わりにCMC(ダイセル化学工業(株)製(エーテル化度:0.6〜0.8))を使用したものである。
【0035】
上記で製造した6種類の酸性豆乳飲料とこれらを10℃で14日間保存したものを以下の基準に従い10人のパネラーで風味評価すると共に、品質劣化の指標となるタンパク質の沈殿・分離の程度についても考察した。その結果を表1に示す。なお、風味の評点は、10人のパネラーの平均値で示した。この考察においては製品の沈殿が目視で厚い膜状のものが見られない程度(評点においては、−〜+まで)であって、分離の値が製品の外観を損なわない程度、すなわち5mm以下であるとき、良好な安定性を有するものとした。なお、分離計測は、直径約4cmの円筒状のプラスチック容器に、製品を約125ml充填した場合に起こる分離(発酵乳のホエイ分離に相当)について、その上清部の厚さ(mm)を計測した。
【0036】
< 風 味 評 価 >
評点 評価内容
0 : 風味が悪い
1 : 普通
2 : 風味がやや良い
3 : 風味がよい
【0037】
< 沈 殿 量 の 判 定 >
評点 評価内容
++ : 瓶底に厚く膜状に沈殿あり
+ : 瓶底に薄く膜状に沈殿あり
± : 瓶底に若干、沈殿あり
− : 沈殿無し
【0038】
【表1】
【0039】
表1の結果から、安定剤としてペクチンを使用した製品1〜3は、製品化直後では沈殿や分離といった品質劣化は見られないが、保存後ではpHの高い製品3に著しい分離が見られた。また、風味においてはpHの低い製品1で大豆特有の苦みや渋味が強く感じられ風味上好ましくなかった。一方、安定剤としてCMCを使用した製品4〜6においても製品化直後では品質劣化は見られないが、pHが低いほど品質安定性は高いが風味上好ましいものではなく、pHが高いものは風味上好ましいものではあるが品質安定性が悪いことが認められた。
【0040】
実 施 例 2
大豆固形分量の検討:
実施例1と同様に、pHを4.7〜4.9に調整した豆乳飲料について、その最終製品の大豆固形分がそれぞれ2.2、5.5、7.7質量%となるよう、別途調整したシロップ、香料、調整水を添加、混合して、酸性豆乳飲料を得た(製品7〜9)。得られた3つの酸性豆乳飲料は、大豆タンパク粒子径の中央値が6.6μmであった。なお、別途調整したシロップは、最終製品に対してペクチン(シービー・ケルコ ジャパン製(エステル化度:70〜74%))0.4質量%、ショ糖2.0質量%、スクラロース0.01質量%となるような配合比、量で使用した。
【0041】
上記で製造した3種類の酸性豆乳飲料とこれらを10℃で14日間保存したものを実施例1と同様の基準に従い評価した。その結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
表2の結果から、大豆固形分の割合が少ないもの(製品7)は、品質の安定化に十分な効果が得られず、風味においても水っぽさが強くしっかりとした大豆の風味を得ることができず好ましいものではなかった。一方、大豆固形分の割合が増えるほど(製品8および9)、品質が十分に安定化され、風味的にも苦みや渋味が無く程良い大豆の風味が感じられる製品が得られた。
【0044】
実 施 例 3
大豆タンパク粒子径の検討:
実施例1と同様に、攪拌培養の開始時をそれぞれ、pH4.8〜5.0、pH5.6〜5.9およびpH6.0〜6.3の3つに設定し、pH4.7〜4.9まで培養して豆乳飲料を得た。得られた豆乳飲料を最終製品の大豆固形分が5.5質量%となるよう、別途調整したシロップ、香料、調整水を添加、混合して、酸性豆乳飲料を得た(製品10〜12)。なお、別途調製したシロップは、最終製品に対して、ペクチン(シービー・ケルコ ジャパン製(エステル化度:70〜74%))0.4質量%、ショ糖2.0質量%、スクラロース0.01質量%となるような配合比、量で使用した。また、得られた3つの酸性豆乳飲料のタンパク粒子径は、それぞれ表3の通りであった。
【0045】
【表3】
【0046】
上記の通り製造した3種類の酸性豆乳飲料を実施例1と同様に風味評価すると共に、タンパク質の沈殿、分離の程度についても観察した。その結果を表4に示す。
【0047】
【表4】
【0048】
表4の結果から、大豆タンパク質の粒子径が小さい(製品10)ほど品質の安定化に十分な効果が得られるが、風味上大豆特有の苦みや渋味が感じられることに加え、糊状感が強く好ましいものは得られないことが示された。また、大豆タンパクの粒子径が大きすぎる(製品12)と品質の十分な安定化効果は得ることはできず、風味においても粉っぽいものとなるため好ましいものではなかった。
【0049】
実 施 例 4
ペクチンのエステル化度の検討:
実施例1と同様に、攪拌培養の開始時をpH5.4〜5.6に設定し、pH4.7〜4.9まで培養して豆乳飲料を得た。得られた豆乳飲料を最終製品の大豆固形分が7.5質量%となるように、表5に示す種々のエステル化度のペクチン(いずれもシービー・ケルコ ジャパン製)含むシロップ、香料、調整水を添加、混合して、酸性豆乳飲料を得た(製品13〜15)。得られた3つの製品のタンパク粒子径の中央値は4.7μmであった。なお、別途調製したシロップは、最終製品に対してペクチン0.4質量%、ショ糖2.0質量%、スクラロース0.01質量%となるような配合比、量で使用した。
【0050】
上記の通り製造した3種類の酸性豆乳飲料を実施例1と同様に風味評価すると共に、タンパク質の沈殿、分離の程度についても観察した。その結果を表5に示す。
【0051】
【表5】
【0052】
表5の結果から、安定剤としてエステル化度の高いペクチンを添加することにより保存後の品質安定化に優れ、大豆特有の苦みや渋味を感じることのない風味上好ましい製品を得ることができることが示され、特にエステル化度が70〜74%のものを使用することが望ましいことが示された。なお、ペクチンは一般にpH3.6〜4.2に調整された乳飲料の分散安定性に優れた効果を示すことが知られているが、豆乳ベースの飲料においては、製品のpHが4.9付近に調整されたものであってもエステル化度を限定することにより十分な分散安定化効果を得られることが認められた。
【0053】
実 施 例 5
CMCのエーテル化度の検討:
実施例1と同様に、攪拌培養の開始時をpH5.4〜5.6に設定し、pH4.7〜4.9まで培養して豆乳飲料を得た。得られた豆乳飲料を最終製品の大豆固形分が7.5質量%となるよう、表6に示す種々のCMC(いずれもダイセル化学工業(株)製)を含むシロップを用いて、酸性豆乳飲料を得た(製品16〜18)。得られた6つの酸性豆乳飲料は、タンパク粒子径の中央値が4.7μmであった。なお、シロップは、最終製品に対してショ糖2.0質量%、スクラロース0.01質量%およびCMC0.6質量%となる配合比、量で使用した。
【0054】
上記の通り製造した3種類の酸性豆乳飲料を実施例1と同様に風味評価すると共に、タンパク質の沈殿、分離の程度についても観察した。その結果を表6に示す。
【0055】
【表6】
【0056】
表6の結果から、安定剤としてエーテル化度の低いCMCを添加することにより保存後の品質安定化に優れ、大豆特有の苦みや渋味を感じることのない風味上好ましい製品を得ることができることが示され、特にエーテル化度が0.6〜1.0のものを使用することが望ましいことが示された。なお、CMCは、一般にpH4.0〜4.7に調整された乳飲料の分散安定性に優れた効果を示すことが知られているが、豆乳ベースの飲料においては、製品のpHが4.9付近に調整されたものであってもエーテル化度を限定することにより十分な分散安定化効果を得られることが認められた。
【0057】
実 施 例 6
ペクチンと多糖類との併用の検討:
実施例1と同様に、攪拌培養の開始時をpH5.9付近に設定し、pH4.7〜4.9まで培養して豆乳飲料を得た。得られた豆乳飲料を最終製品の大豆固形分が5.5質量%となるように、ペクチン(シービー・ケルコ ジャパン製(エステル化度:70〜74%))および水溶性大豆多糖類を含むシロップ、香料、調整水と混合して、酸性豆乳飲料を得た(製品19〜21)。得られた3つの酸性豆乳飲料は、タンパク粒子径の中央値が8.0μmであった。また、比較としては、水溶性大豆多糖類の変わりに、グアーガム(日本エヌエスシー(株)製)および加工澱粉(不二製油(株)製)を用いた。なお、シロップは、表7に示すペクチンおよび多糖類量の他、ショ糖2.0質量%、スクラロース0.01質量%となる配合比および量で用いた。
【0058】
上記の通り、製造した5種類の酸性豆乳飲料を実施例1と同様に風味評価すると共に、タンパク質の沈殿、分離の程度についても観察した。その結果を表7に示す。
【0059】
【表7】
【0060】
表7の結果から、タンパク粒子径の中央値が8μm程度では、安定剤としてペクチンのみを用いた場合に品質の安定化に対する効果が低くなる傾向が見られた。これに対し、大豆多糖類を併用して使用することにより、風味を損なうことなく優れた品質安定化を有する酸性豆乳飲料が得られることが示された。また、ペクチンと他のものを併用した比較品1および2と比較してもその効果は明らかであった。
【0061】
【発明の効果】
本発明は、豆乳に、安定剤としてペクチンまたはCMCを含有せしめると共に特定の酸性領域に調整することにより、酸性領域において生じる大豆特有の苦味や渋味が改善され、且つ優れた安定性を有する嗜好上十分に満足し得る酸性豆乳飲料を得ることができる。
【0062】
また、酸性豆乳飲料にペクチンと水溶性大豆多糖類を併用して含有させることによって、大豆特有の苦味や渋味およびタンパクの安定性が相乗的に改善された酸性豆乳飲料を得ることができる。
以 上
Claims (8)
- 安定剤としてペクチンまたはカルボキシメチルセルロースナトリウムを含有し、そのpHが4.5〜5.2に調整されたことを特徴とする苦味および渋味の抑制された酸性豆乳飲料。
- 大豆固形分が、4.0質量%以上である請求項第1項記載の苦味および渋味の抑制された酸性豆乳飲料。
- 大豆タンパク質の粒子径の中央値が3.0〜8.0μmの範囲内である請求項第1項記載の苦味および渋味の抑制された酸性豆乳飲料。
- ぺクチンのエステル化度が、69%以上である請求項第1項ないし第3項の何れかの項記載の苦味および渋味の抑制された酸性豆乳飲料。
- カルボキシメチルセルロースナトリウムのエーテル化度が、0.6〜1.0である請求項第1項ないし第3項の何れかの項記載の苦味および渋味の抑制された酸性豆乳飲料。
- 更に、水溶性大豆多糖類を含有したことを特徴とする請求項第1項ないし第5項の何れかの項記載の苦味および渋味の抑制された酸性豆乳飲料。
- 豆乳飲料が、豆乳に微生物を作用させて得られる発酵豆乳飲料である請求項第1項ないし第6項の何れかの項記載の苦味および渋味の抑制された酸性豆乳飲料。
- 豆乳飲料に安定剤としてペクチンまたはカルボキシメチルセルロースナトリウムを添加する工程およびpHを4.5〜5.2に調整する工程を含むことを特徴とする苦味および渋味の抑制された酸性豆乳飲料の製造方法。
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