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JP2008022187A5 - - Google Patents

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JP2008022187A5
JP2008022187A5 JP2006191051A JP2006191051A JP2008022187A5 JP 2008022187 A5 JP2008022187 A5 JP 2008022187A5 JP 2006191051 A JP2006191051 A JP 2006191051A JP 2006191051 A JP2006191051 A JP 2006191051A JP 2008022187 A5 JP2008022187 A5 JP 2008022187A5
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受信装置
本発明は、受信したRF信号または中間周波数にダウンコンバートされたIF信号からI成分及びQ成分のデジタル直交信号を生成する直交信号生成手段と、生成されたデジタル直交信号からベースバンド信号を出力するデジタル検波手段を備えてなる受信装置に関する。
AM放送信号を受信してDSP等のデジタル信号処理デバイスにより復調する場合、サンプリング周波数の低い安価なADコンバータが採用できるように、周波数変換手段により予めRF信号を低域のIF信号にダウンコンバートすることによりサンプリング周波数を低減させるように構成される。
例えば、前記RF信号または中間周波数にダウンコンバートされたIF信号に対して、零IF方式によりベースバンド周波数にダウンコンバートして、〔数1〕に示すようなI成分及びQ成分のアナログ直交信号を生成する直交復調手段を備え、生成された前記アナログ直交信号がAD変換手段によりデジタル直交信号に変換される。
しかし、さらに部品点数の削減等により安価に構成すべく、前記直交復調手段には、RF信号またはIF信号から位相及び周波数がキャリアと同期した基準信号を抽出するキャリア抽出回路を備えて、抽出されたキャリアと前記RF信号または前記IF信号とを乗積してベースバンド周波数にダウンコンバートするのではなく、キャリアとほぼ同じ周波数の基準信号をローカルで生成する基準信号発信器を設けて、当該基準信号と前記RF信号または前記IF信号とを乗積してベースバンド周波数にダウンコンバートするように構成される。
Figure 2008022187
ここに、Aは振幅、Mは変調度、X(t)はベースバンド信号、φ(t)はキャリアと基準信号のずれによる信号成分である。
その結果、生成されたI成分およびQ成分のアナログ直交信号には、キャリアと基準信号との周波数誤差や位相のずれに起因する低周波信号φ(t)が重畳されることになる。このような低域のIQ信号をAD変換したデジタル直交信号からベースバンド信号を得るために一般に広いロック範囲を持つ同期検波方式を用いる場合には、位相の同期をとるのが極めて困難となるため、実用に供されるのが困難であった。
そこで、基準信号を用いずにデジタル直交信号からベースバンド信号を取り出すため、〔数2〕に示すように、I成分及びQ成分の夫々の信号成分の自乗和の平方根を演算導出して、その値からDC成分を除去するフィルタ演算処理を行なうことにより、ベースバンド信号X(t)を取り出す非同期検波方式が採用されていた。
Figure 2008022187
ところで、参考文献として特許文献1には、同期検波あるいはPLL周波数検波を切り替えて行える検波回路であって、入力された被変調波に対して同期検波を行う同期検波手段と、入力された被変調波に対してPLL周波数検波を行うPLL周波数検波手段と、状況に応じて上記同期検波手段とPLL周波数検波手段とを切り替えるスイッチ手段とを有し、上記同期検波手段とPLL周波数検波手段とが、少なくとも電圧制御発振器(VCO)および乗算器を共用することを特徴とし、フェージングによるビット誤り率が大きくなった場合に、前記スイッチ手段により上記PLL周波数検波手段に切り替える検波回路が提案されている。
特開平9−69861号公報
しかし、非同期検波方式を採用する場合には、変調度Mが1以下の場合には好ましい検波特性を示すが、変調度Mが1を超えた過変調が生じると再生波に歪が生じる結果、検波特性が大きく劣化するという問題があった。そこで、過変調にも対応可能な同期検波方式の実用化が望まれていた。
尚、特許文献1に記載された技術は、変形コスタスループ及びPLLを用いてキャリアから基準信号を抽出する同期検波方式で、フェージング等に起因するキャリアのダイナミックな変動に対処するべく両検波方式の何れかに切り替える技術であり、キャリア周波数と局発周波数とのスタティックなずれに起因する問題に効果的に対処できるような示唆がなされるものではない。
本発明の目的は、上述の従来欠点に鑑み、デジタル直交信号に重畳された周波数または位相のずれ成分φ(t)を精度良く検出して良好に同期検波できる受信装置、さらには、同期が取れない場合であっても確実にベースバンド信号を取り出せる受信装置を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による受信装置の第一の特徴構成は、受信したRF信号または中間周波数にダウンコンバートされたIF信号からI成分及びQ成分のデジタル直交信号を生成する直交信号生成手段と、生成されたデジタル直交信号からベースバンド信号を出力するデジタル検波手段を備え、前記デジタル検波手段に、前記ベースバンド信号の帯域下限値以下の発振周波数の範囲で動作するPLLにより前記デジタル直交信号に重畳された周波数または位相のずれ成分φ(t)に同期した基準信号を生成する基準信号生成手段と、生成された基準信号と前記デジタル直交信号とを乗積する同期検波手段を備えて構成されている点にある。
直交信号生成手段により生成され、RF信号またはIF信号のキャリアと局発の周波数または位相のずれ成分φ(t)が重畳したデジタル直交信号の周波数スペクトルを観察すると、周波数0から僅かにずれた位置に存在するずれ成分の周波数fΔを基準としてその両側にベースバンド信号の帯域が分布している。そこで、ずれ成分φ(t)に同期した基準信号を生成する基準信号生成手段を、ベースバンド信号の帯域下限値以下の発振周波数の範囲で動作するPLLで構成することにより、容易に基準信号を生成することができるようになるのである。好ましくは、基準信号生成手段の前段に前記帯域下限値近傍を遮断周波数とするLPFを備えることにより、さらに容易に基準信号を生成することができるようになる。
さらなる特徴構成は、上述の特徴構成に加えて、前記デジタル検波手段に、前記基準信号を用いずに前記ベースバンド信号を取り出す非同期検波手段を備え、同期検波手段が正常に動作するまでの間は前記非同期検波手段から前記ベースバンド信号を出力し、前記同期検波手段が正常に動作した後には前記同期検波手段から前記ベースバンド信号を出力するように、前記同期検波手段または非同期検波手段からの出力を選択的に切り替えて後段に出力する出力切替手段を備えている点にある。
上述の構成によれば、同期検波手段が正常に動作するまでの間は出力切替手段により非同期検波手段から出力されるように、また、同期検波手段が正常に動作した後には出力切替手段により同期検波手段から出力されるように切り替えることにより高品位なベースバンド信号を再生することができるようになる。
以上説明した通り、本発明によれば、デジタル直交信号に重畳された周波数または位相のずれ成分φ(t)を精度良く検出して良好に同期検波できる受信装置、さらには、同期が取れない場合であっても確実にベースバンド信号を取り出せる受信装置を提供することができるようになった。
以下に、本発明による受信装置の実施形態を説明する。
本発明による受信装置は、音声信号が50Hzから4500Hzに帯域制限されるAM放送波の受信装置であり、図2に示すように、AM放送のRF信号を受信する受信アンテナ1と、所望のキャリア周波数を通過させるバンドパスフィルタ2と、バンドパスフィルタ(以下、「BPF」と記す。)2を通過したRF信号を増幅する低雑音アンプ10aを備えたRF増幅手段10と、増幅されたRF信号をIF信号にダウンコンバートする周波数変換手段20と、前記IF信号を増幅する低雑音アンプ3aを備えたIF増幅手段3と、零IF方式により前記IF信号からベースバンド信号の周波数にダウンコンバートしてI成分及びQ成分のデジタル直交信号を生成する直交信号生成手段30と、生成されたデジタル直交信号からAMのベースバンド信号を出力するデジタル検波手段40とを備えて構成されている。
前記周波数変換手段20は、前記RF信号の周波数と前記IF信号の周波数との差の周波数の信号を発生させる第一局部発振回路21と、前記RF信号と前記第一局部発振回路21の出力信号とを乗積する混合器22とを備えて構成されている。尚、図には示されていないが、前記混合器22の後段には乗積により生じる高調波を除去するローパスフィルタ(以下、「LPF」と記す。)が備えられていることは言うまでも無い。
前記直交信号生成手段30は、前記RF信号またはIF信号を零IF方式によりベースバンド周波数にダウンコンバートしてアナログ直交信号を生成する直交復調手段300と、前記アナログ直交信号をデジタル直交信号に変換するAD変換手段5,7で構成されている。
前記直交復調手段300は、前記IF信号の周波数と同じ周波数の信号を発生させる第二局部発信回路31と、前記第二局部発信回路31の出力信号を90度シフトさせる移相器32と、前記IF信号と前記第二局部発信回路31の出力信号とを乗積してアナログ直交信号のI成分を出力する混合器33と、前記IF信号と前記移相器32の出力信号とを乗積して、アナログ直交信号のQ成分を出力する混合器34と、各混合器33,34の出力から高調波成分を除去するLPF4,6とを備えて構成され、前記LPF4,6を通過したアナログ直交信号が前記AD変換手段5,7によりI成分Q成分のデジタル直交信号に変換される。
前記デジタル検波手段40は、デジタルシグナルプロセッサ(以下、「DSP」と記す。)及びその周辺回路で構成され、図3に示すように、前記デジタル直交信号I,Qに基づいてAMのベースバンド信号を出力する同期検波手段42と、同期検波された直交信号のうち、Q成分が零となるように補正する補正手段43と、非同期検波手段44を備え、前記同期検波手段42または前記非同期検波手段44の何れか一方の出力を選択的に切り替えて後段に出力する出力切替手段48等を備えて構成されている。ここで、図3に示す信号ラインの太線は前記デジタル直交信号I,Qの双方に対してなされる処理であることを示すものである。
前記同期検波手段42は、前記ベースバンド信号の帯域下限値つまり50Hz以下の発振周波数の範囲で動作するPLL412を備え、前記デジタル直交信号に重畳された周波数または位相のずれ成分φ(t)に同期した基準信号を生成する基準信号生成手段41と、生成された基準信号と前記デジタル直交信号とを乗積する混合器421とから構成されている。
前記PLL412は、位相検波器414と、50Hz以下の発振周波数の範囲で動作するように調整された電圧制御発振器415と、周波数分周器413により構成され、前記ベースバンド信号の帯域下限値を遮断周波数とするLPF411を通過したずれ成分φ(t)を示す信号と、前記周波数分周器413により分周された信号との位相差が前記位相検波器414により検出され、当該位相差が一致するように前記電圧制御発振器415がフィードバック制御されて前記基準信号が生成される。
当該基準信号と前記直交信号I,Qが前記混合器421で乗積されて、ずれ成分φ(t)が除去される。
つまり、図1(a)に示すように、前記受信アンテナ1で受信されたキャリア周波数fRFの両側に音声信号であるベースバンド信号の帯域LSB,USBが分布するRF信号が、図1(b)に示すように、前記周波数変換手段20により中間周波数fIFのIF信号にダウンコンバートされ、さらに、零IF方式を採用する前記直交信号生成手段30により、図1(c)に示すように、周波数0の両側にベースバンド信号の帯域LSB,USBが分布する直交信号I,Qが生成される。
しかし、前記第二局部発信回路31の出力信号はローカル信号でありIF信号から抽出されるものではく、IF信号とは周波数や位相が僅かにずれているため、そのような出力信号とIF信号とを乗積した零IF信号である前記直交信号I,Qには、〔数3〕及び図1(d)に示すように、IF信号との周波数または位相のずれ成分φ(t)である周波数fΔの極めて低い信号が重畳されている。つまり、コンスタレーションで表すと、図4(b)に示すように、ずれ成分φ(t)に起因する位相Φだけずれた状態で前記直交信号のI成分及びQ成分が得られるのである。
Figure 2008022187
ここに、Aは振幅、Mは変調度、X(t)はベースバンド信号、φ(t)はIF信号の周波数と基準信号のずれによる信号成分である。
そこで、前記同期検波手段42によりずれ成分φ(t)が除去されるのである。理想的には、図4(a)に示すように、前記同期検波手段42から出力された直交信号のうちQ成分は零となるのであるが、前記PLL412のずれがあると僅かではあるがQ成分が残存する。
前記補正手段43は、このような僅かに残存したQ成分を除去するブロックであり、前記同期検波手段42から出力されたデジタル直交信号のQ成分を2乗する自乗器431と、入力信号の周波数と同じ周波数の信号を出力するために周波数調整を行うPLL432と、前記同期検波手段42から出力された前記直交信号I,Qと前記PLL432の出力信号とを乗積する混合器433とを備えて構成されている。当該PLL432も、位相検波器4435と電圧制御発振器4436と周波数分周器434により構成されている。尚、前記自乗器431は必ずしも必要なものではなく、混合器433の出力であるQ成分を直接前記PLL432にフィードバックするものであってもよい。
その結果、〔数4〕に示すようなI成分の直交信号が出力され、直流成分Aを除去するハイパスフィルタ(以下、「HPF」と記す。)53を通して直流成分が除去されてベースバンド信号が出力される。
Figure 2008022187
一方、前記非同期検波手段44は、前記基準信号を用いずに前記ベースバンド信号を取り出すブロックであり、前記AD変換手段5、7から出力されたI,Q夫々の直交信号を2乗演算する混合器441,442と、前記混合器441,442の出力を加算演算する加算器443と、加算値の平方根を算出する平方根演算器444とを備えて構成されており、演算の結果、〔数3〕に示すI,Q成分の直交信号から〔数5〕に示すDCオフセットを有するベースバンド信号が取り出され、HPF54を通して直流成分が除去されてベースバンド信号が出力される。
Figure 2008022187
上述の同期検波手段42では、RF信号の受信強度の変動等に起因して前記直交信号生成手段30により生成されたI,Q直交信号に重畳されるずれ成分φ(t)の周波数fΔが大きく変動する場合には、前記LPF411を通過した信号にベースバンド信号成分が大きく含まれ、前記PLL412によりスムーズに同期に引き込むことができなくなるという不都合があり、上述の非同期検波手段44では、変調度Mが1以下の場合には好ましい検波特性を示すが、変調度Mが1を超えた過変調が生じると再生波に歪が生じる結果、検波特性が大きく劣化するという不都合がある。
そこで、前記出力切替手段48により前記同期検波手段42または前記非同期検波手段44の何れか一方の好ましい出力を選択的に切り替えて後段に出力するように構成されている。
以下、前記同期検波手段42を安定動作させるための構成、及び、前記出力切替手段48による切替動作について詳述する。
図2及び図3に示すように、前記デジタル検波手段40を構成するDSP及びその周辺回路には、さらに、前記直交信号I,Qからずれ成分φ(t)の影響を受けない受信信号の電力を演算する電力算出手段45(49a)と、前記帯域下限値近傍である約50Hzを遮断周波数とするLPF46(49a)を備えており、前記LPF46(49a)を通過した電力の直流成分が所定レベルとなるように前記IF増幅手段3のゲインを調整する自動ゲイン制御手段(以下、「AGC」と記す。)47が設けられ、前記出力切替手段48は前記AGC47の出力レベルに基づいて出力を切り替えるように構成されている。
前記電力算出手段45(49a)は、前記AD変換手段5、7から出力されたデジタル直交信号のI,Q成分を夫々2乗するための一対の混合器と、夫々の混合器の出力を加算して〔数6〕に示すような電力Pを算出する加算器(図示せず)を備えて構成され、加算出力が前記LPF46(49a)を通過すると電力の直流成分A、つまりキャリアの振幅の2乗値が出力される。
Figure 2008022187
前記AGC47は、前記電力の直流成分が予め設定された目標レベルに維持されるように、前記IF増幅手段3のゲインを調整するフィードバック制御部として機能し、前記電力の直流成分と前記目標レベルの偏差が大きいときには、偏差が小さくなるように前記IF増幅手段3のゲインを可変制御する。
例えば、図5に示すように、初期に前記電力の直流成分が前記目標レベルより小さいときには前記IF増幅手段3のゲインが大きくなるようにAGC出力レベルが上昇し、その結果、前記電力の直流成分が前記目標レベルより大きくなれば前記IF増幅手段3のゲインが小さくなるようにAGC出力レベルが下降する。このような動作を繰り返して次第に前記電力の直流成分が前記目標レベルに近づくように収束する時点、つまり、前記AGC47の出力レベルのレベル変動幅が所定変動幅Lthより小さくなる時点T以降に安定期に到る。
このようなAGC出力レベルをモニタするAGC出力判定手段52が設けられ、前記AGC出力判定手段52によりAGC47が安定期に達すると判定された時点で、前記出力切替手段48に対して前記非同期検波手段44からベースバンド信号が出力されている状態から前記同期検波手段42からベースバンド信号が出力されるように切り替える。つまり、AGC47が安定期に達すると、前記直交信号生成手段30により生成されたI,Q直交信号に重畳されるずれ成分φ(t)の周波数fΔが小さくなり、前記PLL412が適正に作動する状態になったと判断するものである。
さらに、前記デジタル検波手段40を構成するDSPには、前記デジタル直交信号I,Qから電力を演算する一対の電力算出手段45(49a,49b)と、前記帯域下限値近傍を遮断周波数とする一対のLPF46(49a,49b)を備え、前記出力切替手段48は、前記電力算出手段45(49a)により演算され前記LPF46(49a)を通過した電力信号の直流成分と、前記LPF46(49b)を通過した前記デジタル直交信号I,Qから前記電力算出手段45(49b)により算出された電力の値に基づいて出力を切り替えるように構成されている。
詳述すると、前記デジタル検波手段40は、前記AD変換手段5、7から出力された直交信号I,Qから高周波成分を除去するためのLPF50と、前記電力算出手段45の後段に前記LPF46を設けた第一電力算出手段49aと、前記LPF46の後段に前記電力算出手段45を設けた第二電力算出手段49bと、前記第一電力算出手段49aと前記第二電力算出手段49bにより算出された電力値を比較する比較手段51を備えている。
前記第一電力算出手段49aでは、先ず、前記電力算出手段45(49a)により前記直交信号I,Qからずれ成分φ(t)の影響を受けない受信信号の電力、つまり、図1(c)に示すような周波数スペクトルに対応する電力が算出され、前記帯域下限値近傍(50Hz)を遮断周波数とする前記LPF46(49a)により零Hzつまり直流成分の電力値が算出される。
前記第二電力算出手段49bでは、先ず、前記帯域下限値近傍(50Hz)を遮断周波数とする前記LPF46(49b)により前記直交信号I,Qのうち±50Hzの範囲の信号が得られ、その信号に対して前記電力算出手段45(49b)により電力が算出される。
前記第二電力算出手段49bにより算出される電力は、前記ずれ成分φ(t)の周波数fΔが±50Hzより小さいときには、図1(d)に示す周波数スペクトルのうち、±50Hzの範囲のスペクトルに対応する電力が求まり、前記ずれ成分φ(t)の周波数fΔが±50Hzより大きいときには、図1(e)に示す周波数スペクトルのうち、±50Hzの範囲のスペクトルに対応する電力が求まる。つまり、前記ずれ成分φ(t)の周波数fΔが±50Hzより小さいときには前記第一電力算出手段49aにより求められる電力値とほぼ等しいか若干大きな値となり、前記ずれ成分φ(t)の周波数fΔが±50Hzより大きいときには前記第一電力算出手段49aにより求められる電力値より極めて小さな値となる。
従って、前記比較手段51は前記第一電力算出手段49aにより求められる電力値と前記第二電力算出手段49bにより求められる電力値を比較することにより、前記ずれ成分φ(t)の周波数fΔが±50Hzより小さいか大きいかを判別することができ、前記ずれ成分φ(t)の周波数fΔが±50Hzより小さいときに、前記出力切替手段48に対して、前記非同期検波手段44からベースバンド信号が出力されている状態から前記同期検波手段42からベースバンド信号が出力されるように切り替える。つまり、前記ずれ成分φ(t)の周波数fΔが±50Hzより小さくなれば、前記PLL412が適正に作動する状態になったと判断するものである。
尚、上述の構成は、前記基準信号生成手段41がベースバンド信号の帯域下限値以下の発振周波数(50Hz)の範囲で動作するPLL412で構成されているため、前記ずれ成分φ(t)の周波数fΔが前記電圧制御発振器415の発振周波数の範囲内である場合は容易に基準信号が生成されて同期に引き込まれるが、前記ずれ成分φ(t)の周波数fΔが前記電圧制御発振器415の発振周波数の範囲外である場合は、容易に基準信号が生成されないため、同期検波することができないという課題に対応するものであり、仮に前記電圧制御発振器415がベースバンド信号の帯域下限値以上の幅の広い発振周波数の範囲で動作するように構成される場合には、もはや同期をとるのは極めて困難となる。
本実施形態において、前記受信装置の電源投入時において、前記出力切替手段48は、前記非同期検波手段44からベースバンド信号が出力されるように設定され、前記AGC出力判定手段52及び前記比較手段51の双方がともに前記同期検波手段42からベースバンド信号が出力されるように切り替える旨の切替信号を出力したときに、前記同期検波手段42からベースバンド信号が出力されるように切り替えるように構成されている。
以下、別実施形態について説明する。
上述の実施形態では、前記同期検波手段42からの出力を後段に出力するか否かを切り替える出力切替手段48が、前記AGC47の出力レベル、及び、デジタル直交信号I,Qの電力の双方に基づいて切り替えられる構成を説明したが、前記AGC47の出力レベル、または、デジタル直交信号I,Qの電力の何れかに基づいて切り替えられるものであってもよい。
上述の実施形態では、受信したAM放送のRF信号を、RF信号より十分小さくゼロより大きい所定の中間周波数のIF信号にダウンコンバートする周波数変換手段20を備えた構成について説明したが、前記中間周波数はRF信号より十分小さければ特に制限されるものではない。
また、RF信号をIF信号にダウンコンバートする周波数変換手段20を設けることなく、前記RF信号を直接的に零IF方式によりベースバンド周波数にダウンコンバートしてアナログ直交信号を生成する直交復調手段を構成することも可能である。
この場合には、例えば、図6に示すように、前記直交復調手段300は、前記RF信号の周波数と同じ周波数の信号を発生させる局部発信回路である零周波数発振回路331と、前記零周波数発振回路331の出力信号を90度シフトさせる移相器332と、前記RF信号と前記零周波数発振回路331の出力信号とを乗算させて、前記アナログ直交信号のI成分を出力する混合器333と、前記RF信号と前記移相器332の出力信号とを乗積して、前記アナログ直交信号のQ成分を出力する混合器334等を備えて構成すればよく、前記AGC47は、前記IF増幅手段3の代わりに前記RF増幅手段10のゲインを調整するように構成すればよい。
上述の構成は、キャリア周波数を直接ゼロにダウンコンバートするものであるため、前記周波数変換手段20やIF信号を増幅させるためのIF増幅手段3が不要となり回路構成を単純化できる。
上述の実施形態では、直交信号生成手段30を、周波数変換手段20によりダウンコンバートされたIF信号を零IF方式によりベースバンド周波数にダウンコンバートしてアナログ直交信号を生成する直交復調手段300と、前記アナログ直交信号をデジタル直交信号に変換するAD変換手段5,7を備えて構成するものを説明したが、図7に示すように、直交信号生成手段30を、周波数変換手段20によりダウンコンバートされたIF信号をデジタル信号に変換するAD変換手段5と、変換されたデジタルIF信号からデジタル直交信号I,Qを生成する直交信号生成手段310を備えて構成するものであってもよい。
このように、デジタル変換されたIF信号からデジタル信号処理によりデジタル直交信号を生成することにより、アナログ回路で構成される直交復調手段300を削除して回路構成を簡略化することが可能になる。
上述の実施形態では、非同期検波手段44は、混合器442と加算器443と平方根演算器444とを備えて構成されており、これらの構成要素の演算によってキャリアと基準信号のずれによる信号成分φ(t)を排除してベースバンド信号を演算導出する構成について説明したが、前記非同期検波手段44による演算構成はこれに限定されるものではなく、I,Q直交信号からベースバンド信号を生成するものであれば、他の演算方法を採用するものであってもよい。
上述の実施形態では、出力切替手段48は、同期検波手段42からの出力を後段に出力するか、非同期検波手段44からの出力を後段に出力するかを排他的に切り替える構成について説明したが、前記デジタル検波手段40に前記同期検波手段42のみ設ける場合において、前記同期検波手段42からの出力を後段に出力するか否かを切り替えるように構成されるものであってもよい。
具体的には、図8に示すように、前記AGC47の出力レベルに基づいて前記同期検波手段42からの出力を後段に出力するか否かを切り替える出力切替手段48を備え、前記AGC出力判定手段52により前記AGC47が安定域に達したと判断された場合に前記同期検波手段42からの出力を後段に出力して、前記AGC47が安定域に達していないと判断された場合に前記同期検波手段42からの出力を後段に出力しないように切り替える構成であってもよい。
また、前記デジタル直交信号から電力を演算する電力算出手段45と、前記帯域下限値近傍を遮断周波数とするLPF46を備え、前記LPF46を通過した電力の直流成分と前記LPF46を通過した前記デジタル直交信号から前記電力算出手段45により算出された電力の値を比較する比較手段51と、比較結果に基づいて前記同期検波手段42からの出力を後段に出力する出力切替手段48を備え、両電力の差分値が予め設定された所定電力値以下である場合は、前記同期検波手段42からの出力を後段に出力して、両電力の差分値が予め設定された所定電力値より大きい場合は、前記同期検波手段42からの出力を後段に出力しないように構成するものであってもよい。
さらには、前記AGC出力判定手段52と前記比較手段51の双方を備え、共に前記同期検波手段42からの出力を後段に出力すると判定したときにのみ前記同期検波手段42の出力が後段に出力されるように前記出力切替手段48を切り替えるように構成するものであってもよい。
尚、上述した実施形態は本発明の一例に過ぎず、本発明の作用効果を奏する範囲において各ブロックの具体的構成等を適宜変更設計できることは言うまでもない。
(a)は、RF信号の周波数スペクトルを示し、(b)は、IF信号の周波数スペクトルを示し、(c)は、ずれ成分の周波数が帯域下限値以下の場合の周波数スペクトルを示し、(d)は、ずれ成分の周波数が帯域下限値より大きい場合の周波数スペクトルを示す説明図 本発明による受信装置前段部分の機能ブロック構成図 本発明による受信装置後段部分の機能ブロック構成図 (a)は、Q成分がゼロの場合を示し、(b)は、Q成分がゼロでない場合を示す直交信号をIQ座標上で表現した説明図 AGC出力レベルのレベル変動を示す説明図 零IF方式における受信装置前段部分の機能ブロック構成図 AD変換後に直交信号を生成する受信装置の機能ブロック構成図 別実施形態を示す受信装置の機能ブロック構成図
3:IF増幅手段
5:AD変換手段
7:AD変換手段
10:RF増幅手段
20:周波数変換手段
23:直交復調手段
30:直交信号生成手段
40:デジタル検波手段
41:基準信号生成手段
412:PLL
42:同期検波手段
43:補正手段
44:非同期検波手段
45:電力算出手段
46:LPF
47:AGC
48:出力切替手段

Claims (8)

  1. 受信したRF信号または中間周波数にダウンコンバートされたIF信号からI成分及びQ成分のデジタル直交信号を生成する直交信号生成手段と、生成されたデジタル直交信号からベースバンド信号を出力するデジタル検波手段を備え、
    前記デジタル検波手段に、前記ベースバンド信号の帯域下限値以下の発振周波数の範囲で動作するPLLにより前記デジタル直交信号に重畳された周波数または位相のずれ成分φ(t)に同期した基準信号を生成する基準信号生成手段と、生成された基準信号と前記デジタル直交信号とを乗積する同期検波手段を備えて構成されている受信装置。
  2. 前記同期検波手段から出力された直交検波信号に対して直交成分が零となるようにPLL制御する補正手段を備えている請求項1記載の受信装置。
  3. 前記デジタル直交信号から電力を演算する電力算出手段と、前記帯域下限値近傍を遮断周波数とするLPFを備え、前記LPFを通過した電力の直流成分が所定レベルとなるように前記RF信号を増幅するRF増幅手段または前記IF信号を増幅するIF増幅手段のゲインを調整するAGCを備えている請求項1または2記載の受信装置。
  4. 前記AGCの出力レベルが安定したときに前記同期検波手段からの出力を後段に出力する出力切替手段を備えている請求項3記載の受信装置。
  5. 前記デジタル直交信号から電力を演算する電力算出手段と、前記帯域下限値近傍を遮断周波数とするLPFを備え、前記LPFを通過した電力の直流成分と前記LPFを通過した前記デジタル直交信号から前記電力算出手段により算出された電力の値に基づいて前記同期検波手段からの出力を後段に出力する出力切替手段を備えている請求項3または4記載の受信装置。
  6. 受信したRF信号または中間周波数にダウンコンバートされたIF信号からI成分及びQ成分のデジタル直交信号を生成する直交信号生成手段と、
    生成されたデジタル直交信号からベースバンド信号を出力するデジタル検波手段と、を備えるとともに、
    前記デジタル検波手段に、
    前記ベースバンド信号の帯域下限値以下の発振周波数の範囲で動作するPLLにより前記デジタル直交信号に重畳された周波数または位相のずれ成分φ(t)に同期した基準信号を生成する基準信号生成手段と、
    生成された基準信号と前記デジタル直交信号とを乗積する同期検波手段と、
    記基準信号を用いずに前記ベースバンド信号を取り出す非同期検波手段と、
    記同期検波手段または非同期検波手段からの出力を選択的に切り替えて後段に出力する出力切替手段と、を備え、
    前記出力切替手段は、前記同期検波手段が正常に動作するまでの間は前記非同期検波手段から前記ベースバンド信号を出力し、前記同期検波手段が正常に動作した後には前記同期検波手段から前記ベースバンド信号を出力するように切り替えるように構成されている受信装置。
  7. 前記デジタル直交信号から電力を演算する電力算出手段と、前記帯域下限値近傍を遮断周波数とするLPFを備え、前記LPFを通過した電力の直流成分が所定レベルとなるように前記RF信号を増幅するRF増幅手段または前記IF信号を増幅するIF増幅手段のゲインを調整するAGCが設けられ、前記出力切替手段は前記AGCの出力レベルに基づいて出力を切り替える請求項6記載の受信装置。
  8. 前記デジタル直交信号から電力を演算する電力算出手段と、前記帯域下限値近傍を遮断周波数とするLPFを備え、前記出力切替手段は前記LPFを通過した電力の直流成分と前記LPFを通過した前記デジタル直交信号から前記電力算出手段により算出された電力の値に基づいて出力を切り替える請求項6または7記載の受信装置。
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