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JP2008017515A - アダプティブアレイ基地局における送受信系調整方法およびアダプティブアレイ無線装置 - Google Patents

アダプティブアレイ基地局における送受信系調整方法およびアダプティブアレイ無線装置 Download PDF

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JP2008017515A JP2007219572A JP2007219572A JP2008017515A JP 2008017515 A JP2008017515 A JP 2008017515A JP 2007219572 A JP2007219572 A JP 2007219572A JP 2007219572 A JP2007219572 A JP 2007219572A JP 2008017515 A JP2008017515 A JP 2008017515A
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Abstract


【課題】各アンテナにおける送信系と受信系の特性差を検出して、最適なアダプティブビームフォーミングとアダプティブヌルスティアリングを行うことを可能とするアダプティブアレイ基地局における送受信系調整方法を提供すること。
【解決手段】制御部32は、例えば無線周波数部の温度を監視し、これの温度がΔT°Cだけ変化すると、モデム部30に対して通話チャネルのモニタ指示を行う。モデム部30は指定キャリアにおける通話チャネルのモニタ指示があると(S100)、指定されたキャリアにおける受信電界強度が40dB以下かどうかを検出し(S102)、キャリブレーションデータが有効かどうかを判断する(S104)。そして、受信電界強度が40dB以下でありかつキャリブレーションデータが有効であれば、キャリブレーションを実行する(S106)。
【選択図】図1

Description

本発明は移動体通信端末の無線基地局、より具体的にはアダプティブアレイ技術を備えたアダプティブアレイ基地局における送受信系の調整方法に関する。
移動体通信端末であるPHS端末は、通話料金が安く、しかも小型・軽量であるため、発売当初から多くのユーザを獲得することができた。しかし、携帯電話機の通話料金の引下げや、小型・軽量化が実現したことにより、PHS端末のメリットが薄れ、逆にデメリットがクローズアップされてPHS端末から携帯電話機に切り換えるユーザもでてきている。
すなわち、PHS端末は、携帯電話機に比べてクリアな音声通話ができるとともに高速データ通信が可能ありかつ電力消費が少ない等のメリットがあるが、携帯電話機に比べて通話エリアが狭く、呼の途中切断が移動中に発生し易く、また電話がかかりにくい等のデメリットがあった。そこで、PHS端末のこのような問題を解決する次世代PHS基地局として、干渉を抑圧することによってサービスできるエリアを拡大すると同時に、通話品質を改善することができるアダプティブアレイ基地局が開発された。
アダプティブアレイ基地局とは、アダプティブビームフォーミング(AdaptiveBeam Forming)およびアダプティブヌルスティアリング(Adaptive Null Steering)のアダプティブアレイ技術を搭載した基地局を意味する。ここで、アダプティブビームフォーミングは通信を行う希望PHS端末に対して最大の送信電力で送信することを可能にする機能である。また、アダプティブヌルスティアリングは通信を行わない与干渉PHS端末に対して影響を与えないようにヌル送信する機能である。
図4はアダプティブアレイ基地局におけるこれら機能の概略を示した説明図である。
図4において、基地局40はアダプティブアレイ基地局であり、基地局50は通常のPHS基地局である。PHS端末PS1はアダプティブアレイ基地局40と通信を行っており、PHS端末PS2は電波500により基地局50と通信を行っている。また、PHS端末PS1とPHS端末PS2は同じ周波数で同一タイムスロットを使用して基地局との通信を行っているものとする。
アダプティブアレイ基地局40はPHS端末PS1と通信を行う場合、アダプティブビームフォーミング機能により、希望PHS端末であるPHS端末PS1に対して最大の送信電力になるように電波の吹き方(振幅と位相)を制御する。アダプティブアレイ基地局40はまた、アダプティブヌルスティアリング機能を用いて、与干渉PHS端末であるPHS端末PS2からの上りの干渉(点線520)を抑圧するように電波の振幅と位相を制御する。
その結果、アダプティブアレイ基地局40はPHS端末PS1に対して電波400に示すような最大の送信電力で、かつPHS端末PS2に影響を与えないように振幅と位相を制御して電波を吹く。このような電波400でPHS端末と通信を行うことにより、上りと下りの干渉抑圧によってC/I(希望レベルと干渉レベルの比)が改善され、希望PHS端末との通話品質を著しく向上させることができる。また、アダプティブアレイ基地局では、このように干渉抑圧能力があるので、従来のPHS基地局と比較して著しく周波数有効利用率を向上させることができ、その結果、トラヒックキャパシティを向上させることができる。
以上説明したようにアダプティブアレイ基地局では、電波を均等に輻射するのでは無く、アダプティブビームフォーミング機能とアダプティブヌルスティアリング機能により電波の振幅と位相を制御して出力する。これにより、希望PHS端末には最大の送信電力で送信でき、かつ与干渉PHS端末に対してはヌル送信になるように電波に指向性を持たせることができる。
しかしながら、アダプティブアレイ基地局に例えばアンテナが4本あった場合、各アンテナにおける送信系と受信系のハードウェアの特性のバラツキにより、4本のアンテナから送出される無線周波数(RF)の振幅と位相が希望するものとズレてしまう。また、このようなハードウェア特性は温度によっても影響を受けるので、温度変化に応じて各アンテナにおける送信系と受信系の振幅と位相の特性差を検出してこれを調整する必要がある。したがって、各アンテナの送信系と受信系のハードウェアの特性のバラツキを考慮することなく、同じように電波の振幅と位相により出力制御を行うと、最適なアダプティブビームフォーミングとアダプティブヌルスティアリングを行うことができないという問題があった。
本発明はこのような従来技術の課題を解決し、各アンテナにおける送信系と受信系の特性差を検出して、最適なアダプティブビームフォーミングとアダプティブヌルスティアリングを行うことを可能とするアダプティブアレイ基地局(無線装置)における送受信系調整技術を提供することを目的とする。
本発明は上述の課題を解決するために、通信を行う移動体通信端末に対しては最大の送信電力で通信するアダプティブビームフォーミングを行い、通信を行っていない与干渉移動体通信端末に対しては影響を与えないようにするアダプティブヌルスティアリングを行う、第1のアンテナから第nのアンテナを備えたアダプティブアレイ基地局(無線装置)において、これら各アンテナにおける送信系と受信系の特性差を検出し、この検出結果に基づいて送信系と受信系を調整することを特徴とする。
より具体的な調整方法は、第1のアンテナから第nのアンテナまで、1本ずつ順番に既知の振幅と位相で微弱な電波を送信し、電波を送信したアンテナ以外のアンテナでこの送信した電波を受信することで、第1のアンテナから第nの各アンテナにおける無線周波数の送信系と受信系の振幅と位相の特性差をキャリブレーションデータとして求める。そして、このキャリブレーションデータから各アンテナにおいて送出される無線周波数が最適な位相と振幅になるように計算するキャリブレーションを実施し、第1のアンテナから第nのアンテナのアダプティブビームフォーミングおよびアダプティブヌルスティアリングの精度を向上させる。
以上、詳細に説明したように本発明によれば、最適な振幅と位相によりアダプティブビームフォーミングとアダプティブヌルスティアリングを行うことが可能となる。また、各アンテナにおける無線周波数の特性をキャリブレーションとして定期的に計算することで、各アンテナから送信される無線周波数の振幅と位相を最適になるように制御できるので、常に最適な振幅と位相によりアダプティブビームフォーミングとアダプティブヌルスティアリングを行うことが可能となる。
次に添付図面を参照して本発明によるアダプティブアレイ基地局における送受信系調整の方法と装置の実施の形態を詳細に説明する。
図2を参照すると、本発明によるアダプティブアレイ基地局をPHS基地局に適用したときの実施の形態を示す機能ブロック図が示されている。
なお、本実施の形態では本発明によるアダプティブアレイ基地局をPHS基地局に適用するが、本発明は特にPHS基地局に限定されるものではなく、例えばPDC(Personal Digital Cellular) やCDMA(Code Division Multiple Access) 等の基地局にも同様に適用可能である。また、図2に示したアダプティブアレイ基地局はアダプティブアレイ無線装置を基地局に適用したものであり、以下、本実施の形態におけるアダプティブアレイ基地局の説明は本発明によるアダプティブアレイ無線装置の実施の形態をも説明するものとする。
図2において、本実施の形態によるアダプティブアレイ基地局10は、4つのアンテナANT1〜ANT4を備え、これらアンテナANTが送受信切り替えスイッチ12に接続されている。送受信切り替えスイッチ12は、これらアンテナANT1〜ANT4を時分割で制御して送信と受信との切り替え制御を行っている。送受信切り替えスイッチ12には受信系モジュール14と送信系モジュール22とが接続されている。
受信系モジュール14は、各アンテナANT毎に備えた、4つのローノイズ増幅器(LNA)16、ダウンコンバータ(D/C)18、A/Dコンバータ(A/S)20により構成されている。受信系モジュール14はまた、モデム部30に接続され、ローノイズ増幅器16、ダウンコンバータ18およびA/Dコンバータ(A/S)20は、信号経路である送受信切り替えスイッチ12からモデム部30に向かってこの順番で接続されている。
送信系モジュール22は、同様に、各アンテナANT毎に備えた、4つのD/Aコンバータ(D/A)24、アッパコンバータ(U/C)26、電力増幅器(P/A)28により構成されている。送信系モジュール22はまた、モデム部30に接続され、D/Aコンバータ24、アッパコンバータ26および電力増幅器28は、信号経路であるモデム部30から送受信系切り替えスイッチ12に向かってこの順番で接続されている。
モデム部30は、複数のCPUから構成されており、送受信データの変復調およびデジタル信号処理による位相制御を行なっている。具体的には以下の5つの制御を行う。
1.受信系モジュール14の最終段で変換されたディジタル信号の例えばD/U(Desire/Undesire: 希望波/妨害波)が最大となるように合成し復調する。
2.アンテナANTでの受信の位相を算出して、送信時にはアンテナ端で同等の位相になるように制御する。
それによって、通信を行うPHS端末の方向に送信/受信とも指向性を持たせることができる。
3.干渉波と遅延波の到来方向にヌル点を作ることによって抑圧する。
4.n本のアンテナに供給する信号の位相を制御することによって、任意の方向に指向性を持たせてビームを絞って送信することを可能とする。
5.周囲の基地局や通話中、あるいはデータ(通信)のやりとりをしているPHS端末以外のPHS端末に対して、下り方向に与える干渉を減少させる。
このモデム部30は制御部32に接続されている。
制御部30は複数のCPUから構成され、アダプティブアレイ基地局10全体の制御を行う。
具体的には以下の2つの制御を行う。
1.モデム部30に対して必要なパラメータおよびタイミングを指示し、モデム部30が受信したデータを処理する。
また、空中に輻射すべきデータを作成してモデム部30に渡す。
さらに、キャリブレーションによって計算された重み付けによる送信出力の制御を指示する。
2.ISDN回線に接続され、これとのインタフェースの処理を実行する。
電源部34は100Vの電源の供給を受け、アダプティブアレイ基地局10に電力を供給する電源部である。なお、モデム部30および制御部32によりデジタル信号処理部が形成される。アダプティブアレイ基地局では、N(Nは2以上の自然数)本のアンテナから受信した受信情報(振幅と位相)を元にして、各アンテナに対しそれぞれ所定の重み付けで送信する。それによって、アダプティブビームフォーミングとアダプティブヌルスティアリングを可能とする。しかしながら、各アンテナとケーブルは例えばアイソレーションや損失等の異なる特性を持つため、デジタル信号処理部から送信系モジュール等の無線周波数(RF)送信部に所定の重み付けで送信をしたとしても、各アンテナ端では必ずしもその期待した重み付けで送信されるわけでは無い。
一般的にアダプティブヌルスティアリングはアダプティブビームフォーミングに比べて、より精度の高い振幅および位相の制御を各アンテナで実施することが要求される。
したがって、各アンテナと各ケーブル等の特性をキャリブレーションによって認識して、実際の重み付け送信に反映させる必要がある。以下、図3を用いてその原理を簡単に説明する。なお、図3において、アンテナの数は物理的には4本であるが、図2に示した送受信切り替えスイッチ12によって論理的に8本になるので、ここでは受信系と送信系とを合わせた論理的な数のアンテナが示されている。
デジタル信号処理部では、各4本のアンテナから受信した振幅と位相情報からなる complex WR と、各4本のアンテナに対応した4つの無線周波数の送信部に指定する振幅と位相情報からなる complex WT については既知である。実際には各アンテナで順番に1本づつ指定したバーストだけ等しい振幅と位相の微弱な電波を送信させて、その時の各アンテナでの受信情報を元にキャリブレーションを行う。
図1において、無線周波数送信部(Tx#0〜Tx#3)および無線周波数受信部(Rx#0〜Rx#3)での特性ベクトルをそれぞれT,Rとする。
また、アンテナ端での送受信のベクトルは、送受信の可逆性から共に等しいはずなのでこれをWとすると、以下の式が成立する。
W=T×WT ...(1)
WR =R×W ...(2)
ここで、Tはケーブルも含めた無線周波数送信部の特性をベクトルで表したもので、Rはケーブルを含めた無線周波数受信部の特性をベクトルで表したものである。式(1)、(2)より,
WT =W/T=(WR /R)/T=W/R・T...(3)
すなわち、キャリブレーションによって、R(R1 ,R2 ,R3 ,R4 )×T(T1 ,T2 ,T3 ,T4 )を求める。Ri =ni exp(jφi ),Ti =ni exp(jφi )とすると、
Figure 2008017515
となる。
実際に各アンテナでは既知の振幅と位相で送信をするので、アンテナiで送信した場合のアンテナj(i≠j)の受信信号は各アンテナ間の距離が分かっているので予測できる。したがって、アンテナ1から4まで順に1本づつ送信することによって12個の方程式が得られる。その結果、上記のR・Tを求めることができ、実際の送信に無線周波数の特性を反映させることが可能となる。
図1は図2に示したアダプティブアレイ基地局における送受信系調整方法の実施の形態の動作を示すフローチャートである。本実施の形態では、無線周波数部の送受信特性を定期的に把握し、実際の送信に反映させることによって、アダプティブビームフォーミングとアダプティブヌルスティアリングの精度を向上させる。特にアンテナ間隔を広くとることによって、アンテナ間の相関性を低くした基地局では、形成させるビームやヌル点が急峻になる。そのため、ビームの収束時間は短縮できるが、ヌル点に関しては特に精度が要求されるので、無線周波数の送受信のキャリブレーションは必須となる。
キャリブレーション方法としては、n(nは2以上の自然数)本のアンテナからなる基地局であれば、アンテナ1からアンテナnまで1本づつ順番に、既知の振幅と位相で微弱な電波を受信スロットで送信させた場合、それ以外のn−1本のアンテナでの受信情報を使って実施する。
その際、それ以外のアンテナでの受信が飽和しないようにする。
キャリブレーションの実施方法として、図1の動作フローに示したように、通話チャネルの事前キャリアセンス(TCHモニタ)と連動して実施する。すなわち、制御部32から指定されたキャリアで通話チャネルモニタを実施するように指示されると、モデム部30は通話チャネルモニタを実施する(S100)。そして、そのキャリアでキャリブレーションを実施する必要がある場合は、先ず通話チャネルモニタの結果を見る。もし、指定したキャリアにおける受信スロットの受信電界強度が40dBμVより大きければ、あるPHS端末がそのキャリアをすでに使用しているので、そのPHS端末に干渉を与えないようにするため、キャリブレーションを実施しない(S102)。なお、ここでは本発明をPHS基地局に適用したため、受信スロットの受信電界強度を40dBμVとしたが、PDC基地局またはCDMA基地局に本発明を適用した場合の受信電界強度の数値は異なる値となる。
一方、受信スロットの受信電界強度が40dBμV以下であれば、前述の受信情報を元に無線周波数の送信系と受信系の振幅と位相の特性差として求めたキャリブレーションデータが有効かどうかを判断する(S104)。その結果、キャリブレーションデータが有効であればキャリブレーションを実行して(S106)、通話チャネルモニタの応答を制御部32に出力する。
キャリブレーションデータの有効の有無の判断は以下のことを考慮して決める。
すなわち、キャリブレーションを頻繁に実施する方が、より正確に無線周波数の送受信部の特性を送信に反映させることができる。
しかし、いくら微弱な電波しか送信しないとはいえ、隣接の基地局の受信スロットに対して干渉を及ぼす可能性があるので、なるべく頻度は少ない方がシステムとしては望ましい。
また、無線周波数の送受信部の特性は温度と周波数に依存している。
実験の結果全ての周波数でキャリブレーションを実施する必要がない事が判明した。
したがって、使用する全キャリアをn個のキャリアからなるm個のグループに分けて、無線周波数部の温度が或る閾値以上変化した場合に、そのm個のキャリアの何れかのキャリアでキャリブレーションを実施する。
具体的には、各キャリアグループ毎にキャリブレーション有効フラグを持ち、キャリブレーションデータを更新してから無線周波数部の温度が或る閾値以上変化した場合にキャリブレーション有効フラグを無効に設定する。
そして、通話チャネルモニタと連動してモニタした結果、受信電界強度が40dBμV以下であればキャリブレーションを各グループ独立に実施する。
キャリブレーションは受信スロットで実施し、各受信スロットでキャリブレーションの結果を共有する。送信スロットで実施しない理由は、一般に基地局の電波はPHS端末より強い為、周囲の他の基地局が同じキャリアを使用している場合に当該基地局でもその電波を受信するので正確なキャリブレーションができないためである。
キャリブレーションを実施する条件の一つである無線周波数部の温度の閾値はぎりぎりに設定するのではなく、或る程度マージンを設ける。例えば、無線周波数の送受信部の特性を最大20℃の変化でキャリブレーションしなくてはいけない場合、10℃のマージンを設けて10℃の温度変化でキャリブレーションを実施するようにする。そうすることによって、(1)キャリブレーションの更新が新しい通話に間に合わない場合と、(2)キャリブレーションが失敗した場合において古いキャリブレーションデータを使用しても性能の著しい劣化を防ぐことができる。
各キャリブレーション毎にキャリブレーションの値をリアルタイムでチェックして、もしキャリブレーションに失敗した場合、その値を棄却して従来の値を使う。そしてまた、当該グループの周波数で再度キャリブレーションを実施する。もし、k回連続でキャリブレーションに失敗した場合、アンテナコンフィグレーションに何等かの異常が発生した可能性があるので、ネットワークセンターにその旨を通知して適切な処置が取られるようにする。
以上、詳細に説明したように本実施の形態によるアダプティブアレイ基地局によれば、N(Nは2以上の自然数)本のアンテナから受信した受信情報(振幅と位相)を元に、各アンテナにおける無線周波数の特性をキャリブレーションとして計算し、それを加味した重み付けにより各アンテナから送信される無線周波数が最適な振幅と位相になるようにする。
このようなキャリブレーションを定期的に実施することによって、アダプティブビームフォーミングとアダプティブヌルスティアリングの精度を向上させることができる。無線周波数の特性は温度依存性があるので、キャリブレーションを無線周波数部の温度があらかじめ決められた温度ΔT°Cだけ変化したときのみ実施するようにする。その結果、キャリブレーションを実施する頻度が少なくなるので、隣接する基地局に対する影響を少なくできる。
無線周波数の特性は使用するキャリアの周波数によって異なる。そこで、全キャリアをn個からなるm個のグループに分けて、各グループではキャリブレーション結果を共有するようにする。すなわち、n個の周波数のうち、何れか1つの周波数でキャリブレーションを行えばよい。公衆基地局では、PHS端末にキャリア(スロット)を割り当てる際に、PHS端末との通信が成立する確率を高めることを目的として、あらかじめ空いているキャリアを検索するために、通常、通話チャネルのキャリアセンスを実施する。キャリブレーションとこの通話チャネルモニタとを組み合わせることによって、キャリブレーションを定期的かつ全キャリアに対して偏ること無く実施することが可能となる。
キャリブレーションを受信スロットで実施する。これは、一般に基地局の電波はPHS端末よりも強いため、送信スロットを使用すると、周囲の他の基地局が同じキャリアを使用している場合に当該基地局でもその電波を受信するので、正確なキャリブレーションができないためである。キャリブレーションを実施するにあたり、制御部32はモデム部30に通話チャネルモニタを実施する周波数を指定される。通話チャネルモニタの結果、受信電界強度が40dBμVより大きければ、PHS端末に干渉を与えないようにするために、キャリブレーションは実施しない。
各キャリブレーション毎にキャリブレーションの値をチェックして、もしキャリブレーションに失敗した場合、その値を棄却して従来の値を使用する。そしてまた、当該グループの周波数で再度キャリブレーションを実施する。もし、k回連続でキャリブレーションに失敗した場合、アンテナコンフィグレーションに何らかの以上が発生した可能性があるので、ISDN回線で接続されているネットワークセンタ(図示せず)にその旨を通知し、適切な処置がとられるようにする。
本発明によるアダプティブアレイ基地局における送受信系調整方法の実施の形態を示す動作フロー。 本発明によるアダプティブアレイ基地局をPHSの基地局に適用したときの機能ブロック図。 キャリブレーション動作を説明するための論理的構成図。 アダプティブアレイ基地局におけるアダプティブビームフォーミングとアダプティブヌルスティアリングの説明図。
符号の説明
10 アダプティブアレイ基地局
12 送受信切り替えスイッチ
14 受信系モジュール
22 送信系モジュール
30 モデム部
32 制御部
34 電源部

Claims (9)

  1. 通信を行う移動体通信端末に対しては最大の送信電力で通信するアダプティブビームフォーミングを行い、通信を行っていない与干渉移動体通信端末に対しては影響を与えないようにするアダプティブヌルスティアリングを行う、第1のアンテナから第nのアンテナを備えたアダプティブアレイ基地局における送受信系調整方法において、
    前記第1のアンテナから第nのアンテナまで、1本ずつ順番に既知の振幅と位相で微弱な電波を送信し、
    前記電波を送信したアンテナ以外のアンテナでこの送信した電波を受信することで、前記第1のアンテナから第nの各アンテナにおける無線周波数の送信系と受信系の振幅と位相の特性差をキャリブレーションデータとして求め、このキャリブレーションデータから各アンテナにおいて送出される無線周波数が最適な位相と振幅になるように計算するキャリブレーションを実施し、
    前記第1のアンテナから第nのアンテナのアダプティブビームフォーミングおよびアダプティブヌルスティアリングの精度を向上させることを特徴とするアダプティブアレイ基地局における送受信系調整方法。
  2. 請求項1に記載のアダプティブアレイ基地局における送受信系調整方法において、
    当該アダプティブアレイ基地局の無線周波数部の温度があらかじめ決めた温度よりも変化したときに、前記キャリブレーションを実行することを特徴とするアダプティブアレイ基地局における送受信系調整方法。
  3. 請求項1に記載のアダプティブアレイ基地局における送受信系調整方法において、
    前記無線周波数で使用する全キャリアをn個(nは2以上の自然数)からなるm個(mは2以上の自然数)のグループに分け、グループ毎に同じキャリブレーションを適用することを特徴とするアダプティブアレイ基地局における送受信系調整方法。
  4. 請求項1に記載のアダプティブアレイ基地局における送受信系調整方法において、
    当該基地局は移動体通信端末との通話を成立させる確率を高めるため、予め空いているキャリアを検索する通話チャネルのモニタを実施し、
    前記キャリブレーションと前記モニタとを組み合わせることによって、このキャリブレーションを定期的かつ全キャリアに対して偏ることなく実施することを特徴とするアダプティブアレイ基地局における送受信系調整方法。
  5. 請求項1に記載のアダプティブアレイ基地局における送受信系調整方法において、
    当該基地局は移動体通信端末との通話を成立させる確率を高めるため、予め空いているキャリアを検索する通話チャネルのモニタを実施し、
    前記モニタの結果、その通話チャネルの受信電界強度が所定の値よりも大きければ、前記移動体通信端末への干渉を与えないために前記キャリブレーションを実施しないことを特徴とするアダプティブアレイ基地局における送受信系調整方法。
  6. 請求項1に記載のアダプティブアレイ基地局における送受信系調整方法において、
    各キャリブレーション毎にキャリブレーションの値をチェックし、もしキャリブレーションに失敗した場合にはその値を破棄して従来の値を使用して再度キャリブレーションを実施し、
    連続して所定の回数前記キャリブレーションに失敗した場合には異常がある旨を通知することを特徴とするアダプティブアレイ基地局における送受信系調整方法。
  7. 請求項1に記載のアダプティブアレイ基地局における送受信系調整方法において、
    前記送信する微弱な電波は受信スロットで実施し、各受信スロットでキャリブレーション結果を共有することを特徴とするアダプティブアレイ基地局における送受信系調整方法。
  8. 通信を行う移動体通信端末に対しては最大の送信電力で通信するアダプティブフォーミングを行い、通信を行っていない与干渉移動体通信端末に対しては影響を与えないようにするアダプティブヌルスティアリングを行う、第1のアンテナから第nのアンテナを備えたアダプティブアレイ無線装置において、
    前記各アンテナにおける送信系と受信系の特性差を検出する検出手段と、
    前記検出手段の検出結果に基づいて前記送信系と受信系を調整する調整手段とを有することを特徴とするアダプティブアレイ無線装置。
  9. 請求項8に記載の無線装置において、前記検出手段は前記各アンテナにおける送信系と受信系の振幅と位相の特性差を検出し、
    前記調整手段はこの検出結果に基づいて前記各アンテナにおいて送信される無線周波数を最適な振幅と位相にすることを特徴とするアダプティブアレイ無線装置。
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