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JP2008014148A - 噴流発生装置及び電子機器 - Google Patents

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JP2008014148A
JP2008014148A JP2006183134A JP2006183134A JP2008014148A JP 2008014148 A JP2008014148 A JP 2008014148A JP 2006183134 A JP2006183134 A JP 2006183134A JP 2006183134 A JP2006183134 A JP 2006183134A JP 2008014148 A JP2008014148 A JP 2008014148A
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jet
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Yoshio Muraoka
祥雄 村岡
Hiroyuki Yoshitaka
弘幸 良尊
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

【課題】ヘルムホルツ共鳴の発生を抑制して、騒音を低減することができる噴流発生装置及びこの噴流発生装置を搭載した電子機器を提供すること。
【解決手段】噴流発生装置10は、筐体5、振動アクチュエータ15及びノズル体2を備えている。振動アクチュエータ15は、対向して配置された2つのマグネット4及び6、これらのマグネット4及び6の間に配置されたスペーサ7、スペーサ7の周囲に配置された駆動コイル12、駆動コイル12が装着された振動板9、振動板9の周囲に装着され振動板9を支持する弾性支持部材11、マグネット4及び6にそれぞれ接続されたヨーク14及び16を有している。振動板9を含む振動系の固有振動数が、この筐体5及びノズル体2の構造によるヘルムホルツ共鳴周波数から外れるように設計されることにより、騒音が低減される。
【選択図】図3

Description

本発明は、気体の合成噴流を発生する噴流発生装置及びこの噴流発生装置を搭載した電子機器に関する。
従来から、PC(Personal Computer)の高性能化に伴うIC(Integrated Circuit)等の発熱体からの発熱量の増大が問題となっており、様々な放熱の技術が提案され、あるいは製品化されている。
その放熱方法として、空気を脈流で吐出して合成噴流を生成し、この合成噴流を、放熱フィン(ヒートシンク)等に供給し、熱を持つ放熱フィンの表面に形成される温度境界層を効率良く破壊して放熱する方法がある(例えば、特許文献1参照。)。このような噴流発生装置は、開口を有する筐体と、その筐体内の空気に圧力変化を起こす振動板とを有している。振動板が振動することで筐体内に圧力変化が生じ、開口を介して空気が脈流として吐出することで合成噴流が発生する。
合成噴流は、次のような原理で発生する。筐体の開口から空気が吐出されるときに空気の流れが生じることにより、筐体外の開口の周囲の気圧が低下し、これにより、当該周囲の空気が開口から吐出される空気に巻き込まれて合成噴流が発生する。
また、特許文献1に記載の噴流発生装置は、2つのチャンバから交互に空気が吐出され、つまり逆位相で空気が吐出されるので、各チャンバや開口(ノズル)から発生する音が弱め合う。これにより騒音が低減される。
特開2005−256834号公報(段落[0079]、図1)
ところで、このような噴流発生装置では、その筐体及びその筐体に設けられた空気を吐出させる開口(またはノズル)の構造や寸法等に応じてヘルムホルツ共鳴(共振)周波数が決まってくる。例えば、図1に示すような開口86が設けられた筐体85があるとする。ここで、容積V=1.5×10−5[m3]、開口86の断面積S=7.4×10−5[m2]、l=1.3×10−2[m]、音速c=344[m/s]とすると、ヘルムホルツ周波数は、1.09[kHz]と算出される。なお、開口86を形成するノズル87の長さl’、上記開口断面が円形状の場合(S=πr)の当該円の半径rとした場合に、l=l’+rとされる。
図1に示すような筐体が噴流発生装置に用いられる場合、筐体内の振動板の固有振動数が、ヘルムホルツ共鳴の条件を満たすような振動数となる場合、騒音が増大するという問題がある。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、ヘルムホルツ共鳴の発生を抑制して、騒音を低減することができる噴流発生装置及びこの噴流発生装置を搭載した電子機器を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る噴流発生装置は、開口を有し、気体が含まれた筐体と、前記筐体内に配置された振動板を有し、固有振動数が前記筐体のヘルムホルツ共鳴周波数から外れるように構成され、前記振動板が振動することで前記開口を介して前記気体を筐体外に吐出させる振動系と、前記振動板を駆動する駆動部とを具備する。
本発明では、振動系の固有振動数が筐体のヘルムホルツ共鳴周波数から外れるように構成されているので、たとえ駆動部により振動系が固有振動数で振動しても、静音性を維持することができる。
本発明では、前記振動板の材質は、マグネシウムでなる。本発明は、例えば、上述した筐体(容積V=1.5×10−5[m3]、開口の断面積S=7.4×10−5[m2]、l=1.3×10−2[m])が用いられる場合に、特に有利となる。この場合、本発明では、例えば振動板が樹脂の場合に比べ、振動板の剛性が高められるので、ヘルムホルツ共鳴周波数1[kHz]付近に比べ、振動系の固有振動数を上げることができる。これにより、騒音を低減することができる。しかしながら、筐体の構造、形状等に応じて、振動板の材質は、ヘルムホルツ共鳴周波数を避ける固有振動数を有した、樹脂、ゴム、または紙であってもよい。
本発明では、前記振動板は、リムを有する。本発明は、例えば上記の筐体が用いられる場合に、特に有利となる。この場合、本発明では、例えば振動板が平板状に構成される場合に比べ、振動板の剛性が高められるので、ヘルムホルツ共鳴周波数1[kHz]付近に比べ、振動板の固有振動数を上げることができる。
本発明では、前記振動板は、第1の厚さを有する第1の領域と、前記第1の厚さより厚い第2の厚さを有する第2の領域とを有していてもよい。
本発明に係る電子機器は、発熱体と、開口を有し、気体が含まれた筐体と、前記筐体内に配置された振動板を有し、固有振動数が前記筐体のヘルムホルツ共鳴周波数から外れるように構成され、前記振動板が振動することで前記開口を介して前記気体を前記発熱体に向けて吐出させる振動系と、前記振動板を駆動する駆動部とを具備する。
以上のように、本発明によれば、ヘルムホルツ共鳴の発生を抑制して、騒音を低減することができる。
図2は、本発明の一実施の形態に係る噴流発生装置を示す斜視図である。図3は、図2に示す噴流発生装置の断面図である。
噴流発生装置10は、筐体5、振動アクチュエータ15及びノズル体2を備えている。筐体5は、上カバー1及び下カバー3により構成され、内部に空気を含んでいる。上カバー1と下カバー3は、例えばネジ、接着剤、圧着、溶着、超音波接合、またはレーザ接合等により接合することができる。あるいはその他の接合方法であってもよい。
ノズル体2には、複数の空気の流路2aが上段に1列に設けられ、また、複数の空気の流路2bが下段に1列に設けられている。上下の流路2a及び2bの間には、仕切り板2cが、Y方向に並んだ流路2a(または2b)の数の分だけ設けられている。後述するように、噴流発生装置10が動作するとき、上下の流路2a及び2bにおいて、常に風向きが逆になる。この仕切り板2cが設けられることにより、例えば流路2bから吐出された空気が流路2aから吸い込まれにくくなり、効率良く空気が吐出されるようになる。
仕切り板2cは複数設けられているが、このような形態に限らず、横長の1枚の板で構成されていてもよい。しかしながら、図2等に示すように仕切り板2cが複数に分割されていることにより、例えば図19に示すヒートシンク146を構成する各放熱フィンの間に各仕切り板2cを嵌め込むことができる。これにより、噴流発生装置10とヒートシンクとを容易かつ正確に位置決めすることができる。
なお、筐体5に含まれる気体は、空気に限られず、窒素やヘリウム等の他の気体であってもよい。
振動アクチュエータ15は、対向して配置された2つのマグネット4及び6、これらのマグネット4及び6の間に配置されたスペーサ7、スペーサ7の周囲に配置された駆動コイル12、駆動コイル12が装着された振動板9、振動板9の周囲に装着され振動板9を支持する弾性支持部材11、マグネット4及び6にそれぞれ接続されたヨーク14及び16を有している。
2つのマグネット4及び6は、その対向方向(Z方向)であり、同じ極性同士が向かい合うように、すなわち両マグネット4及び6の磁界が互いに反発するように、それぞれ着磁されている。これにより、両マグネット4及び6は反発磁界を形成する。振動板9の中央には下方に突出したコイルボビン9aが設けられ、このコイルボビン9aに駆動コイル12が巻回されている。また、コイルボビン9a内には穴9bが設けられ、この穴9b内にスペーサ7が配置されている。駆動コイル12は、Z方向にほぼ垂直な方向に流れる反発磁界を受ける位置に配置される。つまり、マグネット4及び6が配列されるZ方向の中央位置に駆動コイル12が配置され、振動板9もその中央位置に配置される。この場合、マグネット4及び6が同じ磁束を発生するマグネットであることが望ましい。コイルボビン9aを含む振動板9、弾性支持部材11及び駆動コイル12によって振動系が構成される。
弾性支持部材11は、開口8aを有する矩形のフレーム8の当該開口8aに装着され(図5参照)、フレーム8は、上カバー1及び下カバー3に挟まれるように装着される。
磁性材料でなるヨーク14及び16は、例えば円板状をなし、マグネット4及び6のX−Y平面内での幅より大きい幅を有する。円板状に限られず、平板状であればどのような形であってもよい。ヨーク14は、上カバー1の一部を構成している。具体的には、上カバー1が開口され、その開口部にヨーク14が装着されている。ヨーク16についても同様に、下カバー3の一部を構成している。ヨーク14及び16が設けられることにより、筐体5の外側へのマグネット4及び6の漏れ磁束を効果的に抑制することができる。また、ヨーク14及び16が、平板状でなるため振動アクチュエータ15の厚さが薄くなり、さらにヨーク14及び16が筐体5の一部を構成するので、噴流発生装置10の薄型化を実現することができる。
なお、ヨーク14及び16は必ずしも必要ない。あるいは、ヨーク14及び16がない場合に、上カバー1及び下カバー3のうち少なくとも一方が磁性材料で、磁気遮蔽の機能を有していてもよい。
筐体5の内部は、振動板9、弾性支持部材11及びフレーム8によって二分され、チャンバ5a及び5bが形成される。上部に形成されたチャンバ5aは、上記流路2aを介して筐体5の外部と連通し、下部に形成されたチャンバ5bは、上記流路2bを介して筐体5の外部と連通している。
なお、本実施の形態では、筐体5とノズル体2とが別体であるが、一体であってもよい。あるいは、ノズル体2がなく、ノズル体2の流路2a及び2bの代わりとして、筐体5に複数の開口が形成されていてもよい。言い換えると、「流路2a」及び「流路2b」は、「開口」の概念に含まれる。
図4は、振動板9及び弾性支持部材11の拡大断面図である。弾性支持部材11は、このように山11a及び谷11bが1つずつ設けられたベローズ状をなしている。この例では、山11aが外周側に設けられ、谷11bが内周側に設けられている。しかし、山11aが内周側に設けられ、谷11bが外周側に設けられていてもよい。
図5は、振動板9、弾性支持部材11及びフレーム8を個々に示した斜視図である。弾性支持部材11は穴11cを有し、振動板9この穴11cを塞ぐように弾性支持部材11の内周部11dに接続されている。さらに、上記したように、フレーム8は開口8aを有し、弾性支持部材11は、この開口8aを塞ぐように該弾性支持部材11の外周部11eにおいてフレーム8に装着される。フレーム8が平板状であることにより、組み立てが容易、すなわち製造が容易となる。
弾性支持部材11は、ゴムまたは樹脂でなる。フレーム8と弾性支持部材11とは、一体成型により作製されても構わない。すなわち、予め用意されたフレーム8が、例えば弾性支持部材11の成型用の型内に配置された状態で、ゴムや樹脂等でなる弾性支持部材が成型される。一体成型により、製造工程が少なくなることはもちろん、弾性支持部材11とフレーム8との位置精度、ひいては弾性支持部材11と筐体5との位置精度が位置精度が著しく向上する。あるいは、弾性支持部材11と振動板9とが一体成型されてもよい。
振動板9は、例えば樹脂、紙、または金属でなる。例えば、筐体5(及びノズル体2)の構造の条件が、図1で説明したように、容積V=1.5×10−5[m3]、ノズル体2の流路2a及び2bの開口の断面積S=7.4×10−5[m2]、l=1.3×10−2[m]で、ヘルムホルツ共鳴周波数が1[kHz]付近である場合、振動板9は、マグネシウム、あるいは、これと同等の剛性や比重がある材料で構成されることが望ましい。これにより、振動系の固有振動数が、1[kHz]のヘルムホルツ共鳴周波数から外れ、ヘルムホルツ共鳴の発生が抑制され、騒音が低減する。これについては、後に詳述する。また、振動板9がマグネシウムで構成されることにより、他の金属と比べ、軽量で射出成形が可能という利点もある。振動板9が軽量であることにより、振動アクチュエータ15の駆動時の消費電力を低減することができる。
また、例えば振動板9が紙でなることにより、非常に軽量化される。紙は、樹脂ほど任意な形状に作製しにくいが、軽量化では有利である。振動板9が紙の場合も、上記振動系の固有振動数が1[kHz]のヘルムホルツ共鳴周波数から外れ、騒音が低減することが予想される。振動板9が樹脂の場合、成形により任意の形状に作製しやすい。振動板9の平面形状(X−Y平面内での形状)は、円、楕円、矩形、あるいはこれらの組み合わせ等の形状が考えられる。
筐体5は、例えば、樹脂、ゴム、または金属でなるが、樹脂やゴムは成形で作製しやすく量産向きである。また、筐体5が樹脂やゴムの場合、振動アクチュエータ15の駆動により発生する音、あるいは振動板9が振動することにより発生する空気の気流音等を抑制することができる。つまり、筐体5が樹脂やゴムの場合、それらの音の減衰率も高くなり、騒音を抑制することができ、さらに、軽量化に対応でき、低コストとなる。樹脂等の射出成形で筐体5が作製される場合は、上述したようにノズル体2と一体で成形することが可能である。しかし、図3に示すように、筐体5とノズル体2とは別体の方が、噴流発生装置10の作製が容易になる。筐体5が熱伝導性の高い材料、例えば金属でなる場合、振動アクチュエータ15から発せられる熱を筐体5に逃がして筐体5の外部に放熱することができる。金属としては、アルミニウムや銅が挙げられるが、ヨーク14及び16等が設けられる場合は、筐体5の材料はそのヨーク14及び16と異なる材料、すなわち非磁性材料であることが好ましい。熱伝導性を考慮する場合、金属に限らず、カーボンであってもよい。金属としては、射出成形が可能なマグネシウム等も用いることができる。さらに、高温での使用や、特殊用途ではセラミックスの筐体であってもよい。
スペーサ7が、例えば磁性材料でなる場合、駆動コイル12が配置される領域の磁束密度を増やすことができ、振動板9を効率良く振動させることができるので、消費電力を抑えることができる。しかし、スペーサ7は非磁性材料でもよい。非磁性材料として、例えば、樹脂、アルミニウム、銅、ゴム等が挙げられるが、これら以外の非磁性材料であってもよい。極論にはスペーサ7はなくてもよい。
スペーサ7、マグネット4及び6の形状は円筒形状としたが、これに限られず、例えば、角柱形状としてもよい。あるいは、スペーサ7、マグネット4及び6の平面形状(X−Y平面内での形状)は、すべて同じ形状であることが望ましいが、必ずしもそうでなくてもよく、ばらばらでもよい。
以上のように構成された噴流発生装置10の動作について説明する。
駆動コイル12に例えばサイン波の交流電圧が印加されると、振動板9は正弦波振動を行う。これにより、チャンバ5a及び5b内の容積が増減する。チャンバ5a及び5bの容積変化に伴い、それらチャンバ5a及び5bの圧力が交互に増減し、これに伴い、空気がそれぞれ流路2a及び2bを介して交互に脈流として吐出される。流路2a及び2bから空気が吐出されるときに筐体5やノズル体2の周囲の気圧が低下することにより、当該周囲の空気が流路2a及び2bから吐出される空気に巻き込まれ、合成噴流が発生する。この合成噴流が、図示しない発熱体や高熱部に吹き付けられることにより、当該発熱体を冷却することができる。
なお、発熱体としては、自ら発熱するもの、熱伝導により受熱して発熱するものを問わない。例えば、IC、コイル、抵抗等の電子部品、あるいは放熱フィン(ヒートシンク)等が挙げられるが、これらに限られず発熱するものなら何でもよい。
一方、流路2a及び2bから空気が吐出されるときに、各流路2a及び2bから独立して、特に気流音による騒音が発生する。しかしながら、各流路2a及び2bで発生する各音波は逆位相の音波であるため互いに弱められる。これにより、ある程度騒音が抑制され、静音化を図ることができる。特に、流路2a及び2bの開口面積(気流の方向にほぼ垂直な面、つまり流路断面積)やそれらの数を同じにすることで、Z方向での対称性が向上し、より騒音が低減する。
次に、上記したヘルムホルツ共鳴周波数の発生を防止することを目的とした振動板9の構造、形状等について説明する。
図6は、図1で説明した、容積V=1.5×10−5[m3]、ノズル体2の流路2a及び2bの開口の断面積S=7.4×10−5[m2]、l=1.3×10−2[m]、音速c=344[m/s]の条件下での、噴流発生装置の騒音の測定結果を示す。横軸は周波数、縦軸はA補正の騒音レベルを示している。この図6から分かるように、1[kHz]付近のスペクトルのピークからも明らかであり、発生する騒音の大きさを下げるためには、この1[kHz]付近のピークの大きさを下げる必要ある。
図7は、例えば従来のポリカーボネイトの振動板の振動モードについての測定結果を示す。図7(A)のグラフは周波数応答関数の測定値の絶対値(=√(Re2+Im2), logスケール)、図7(B)ののグラフは位相(-180〜180度)を示す。また、図7(A)のグラフの縦軸は周波数応答(=出力信号/入力信号)の大きさを相対的に示すものである。(この周波数応答関数の計算に用いる入力信号は、駆動部の磁気回路に入力した電圧波形であり、出力信号はレーザドップラ振動計の出力値(表面節点(測定点)の速度)が用いられた。)図7から分かるように、振動板の1次共振点は1[kHz]付近に存在し、その振動モードの形状は図8に示すようなバタフライモードである。図8は、レーザドップラ振動計を用いて振動板9の振幅を測定して作成された振動モード形状を示す。この図8を理解するために、図9を参照する。図8において、中央の緑(G)の8角形、内側の四角形、中の四角形、外側の四角形は、それぞれ、図9において下記のように対応している。
緑の8角形:in_e1〜4を含む円形の穴縁上の8点を繋げた線
内側の四角形:out_c1〜4, out_e1〜4を含む振動板9の外周縁付近の16点(各1辺あたり5点) を繋げた線
中の四角形:振動板9の外周に装着されたゴムでなる弾性支持部材11上の16点を繋げた線
外側の四角形:中側の四角形を示す点よりもさらに外側に位置する弾性支持部材11上の16点を繋げた線。
また、図8において、色の違いは、振幅の違いを表し、青(B)<緑(G)<赤(R)である。なお、図8では、中央の緑の8角形が傾いていたり、中と外側の四角形の振幅が大きかったりするが、これは、本発明者が測定で使用したレーザの反射の具合に影響されるもので、内側の四角形の変形の形状を評価目的とした。
本発明者は、従来の振動板を含む振動系の固有振動数を変化させるため、ここではFEM(有限要素法)を用いたシミュレーション解析を行った。図10(A)は、そのFEM解析のモデルとされる振動板を示す斜視図である。図10(B)は、図10(A)に示す振動板を下から見た斜視図である。この図10(A)及び(B)に示す振動板の1[kHz]付近の振動モード形状は、図11(A)に示すようになる。したがって、FEM解析にても、図8と同様のバタフライモードが確認される。図11(B)は、図11(A)を2値化したものである。
図12は、図9に示す振動板9の周波数応答の解析結果を示す。ここで示す周波数応答解析とは、任意の周波数で振動板9が加振された場合の、各節点における振幅について計算した結果である。ここでは、図9に示すように、振動板9の表面の外周および内周付近の12点での応答値を合わせてプロットした。図12において、これらの線a〜dのプロット位置は下記の通りである。
波形a:4隅out_c1〜c4に対応する値が重なりあった線、
波形b:短辺中央2点:out_e1とe3とに対応する値が重なり合った線
波形c:内周円上4点in_e1〜e4が重なり合った線
波形d:長辺中央2点:out_e2とe4とが重なり合った線。
この図12から、実際に噴流発生装置が使用されるときの振動板9を含む振動系の実質的な固有振動数は、1[kHz]付近であることが分かる。ここでいう周波数応答とは、駆動コイル12を駆動方向に、ある一定の振幅にて加振させた場合における、振動板上の任意点の変位振幅の大きさを表現したものであり、図12において振幅の単位はmmになるが、振幅の大きさに絶対的な意味はない。以下の図13、図15、図18についても同様である。
次に、この振動系の固有振動数を1[kHz]から外すための手段についての各実施形態について説明する。
1次バネ-マス系モデルの固有振動数f0=[1/(2π)]・(k/m)1/2(k:バネ定数、m:質量)の定義式より明らかなように、振動系の固有振動数を変化させるためには、剛性(またはバネ定数)及び重さのうち少なくとも一方を変化させる方法が有効である。
そこで、振動板9の形状はそのままで、上記したように、材質をポリカーボネイトからマグネシウムに変更する。マグネシウムはポリカーボネイトと比べて、ヤング率が約18.7倍、比重が約1.5倍であるため、振動系の固有振動数は大幅に増加することが予想される。図13は、マグネシウムでなる振動板9の周波数応答解析結果を示す。図13から分かるように、1[kHz]付近に見られた振動モードの周波数は2.4[kHz]付近まで変化した。
振動板の他の実施の形態として、例えば振動板の材質はポリカーボネイトのままで、図8に示すバタフライモードの変形に対する剛性を高めるため、図14に示すような振動板19が考えられる。図14(A)は、その振動板19の斜視図であり、図10(A)と同様の構成であるが、この振動板19は、図14(B)に示すように、振動板の裏面の外周に沿ってリム19cが設けられている。この振動板19の周波数応答解析結果を図15に示す。図15から分かるように、1[kHz]付近に見られた振動モードの周波数が1.4[kHz]付近まで変化している。また、周波数応答ピーク値の6.5[dB]程度の低下が確認されている。
このリム19cの厚さ(水平面に平行な方向での厚さ)、形状、または配置等は、図14(B)に示す形態に限られず、適宜変更可能である。例えば、リム19cは振動板19の裏面側ではなく、表面側に設けられていてもよいし、裏面及び表面の両方に設けられていてもよい。
図16は、従来のポリカーボネイトの振動板、上記マグネシウム材の振動板及びリム付きの振動板が搭載されたそれぞれの噴流発生装置から発生する騒音の測定結果を示す。1[kHz]付近の騒音ピークの大きさは、マグネシウム材の振動板が用いられることで9[dB]、リム付きの振動板が用いられることで4[dB]抑制されたことから、振動系の固有振動数の変化により、騒音が抑制できたことが確認できる。
図17は、さらに別の実施の形態に係る振動板を示す斜視図である。図17(B)に示すように、この振動板29は、振動板の厚さ(振動方向での厚さ)が部分的に異なるように構成されている。具体的には、この振動板29は、コイルボビン29aを囲う中央の円輪領域29cの板厚が、その円輪領域29cの内側の領域29e及び円輪領域29cの外側の領域29dの板厚より厚く構成されている。これにより、振動板29の剛性が高められる。この振動板29の周波数応答解析結果を図18に示す。図18から分かるように、1[kHz]付近に見られた振動モードの周波数が1.8[kHz]付近まで変化している。また、周波数応答ピーク値の12.1[dB]程度の低下が確認されている。
図17(B)において、上記板厚が厚い領域(円輪領域)29cの大きさ、形状、板厚、または配置は、図17(B)に示すような形態に限られず、適宜設計可能である。また、振動板29における、円輪領域29c、他の部分の領域29d及び29eの各板厚の比も、適宜設定可能である。
図19は、上記した噴流発生装置10が電子機器としてPC150に搭載された状態を示す斜視図である。噴流発生装置10から供給される合成噴流がヒートシンク146に吹き付けられ、ヒートシンク146の背後に設けられたPC筐体の排気口151から、熱を持つ空気が排出される。
本発明は以上説明した実施の形態には限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
図2及び図3に示した振動アクチュエータ15は、図示したような形態に限られず、筐体5側から振動板に装着された駆動コイルに給電線が配線される構造であれば、どのような振動アクチュエータであってもよい。また、噴流発生装置10の筐体5やノズル体2の構造も、上記した例に限られない。
図19において、電子機器としてPCを例に挙げたが、デスクトップ型のPCでもよい。PCに限らず、PDA(Personal Digital Assistance)、電子辞書、カメラ、ディスプレイ装置、オーディオ/ビジュアル機器、プロジェクタ、携帯電話、ゲーム機器、カーナビゲーション機器、ロボット機器、その他の電化製品等が挙げられる。
ヘルムホルツ共鳴を説明するための図であって、噴流発生装置の筐体を示す模式図である。 本発明の一実施の形態に係る噴流発生装置を示す斜視図である。 図2に示す噴流発生装置の断面図である。 振動板及び弾性支持部材の拡大断面図である。 振動板、弾性支持部材及びフレームを個々に示した斜視図である。 図1で説明した所定の筐体の構造の条件下での、噴流発生装置の騒音の測定結果を示す図である。 従来のポリカーボネイトの振動板の振動モードのスペクトルを示す図である。 レーザドップラ振動計を用いて振動板の振幅を測定して作成された振動モード形状を示す図である。 FEM解析において、振動板上の測定点を示す図である。 (A)は、そのFEM解析のモデルとされる振動板を示す斜視図であり、(B)は、その振動板を下から見た斜視図である。 図11(A)は、図10に示す振動板の1[kHz]付近の振動モード形状を示す図である。図11(B)は、図11(A)の2値化レベルの図である。 図9に示す振動板の周波数応答の解析結果を示すグラフである。 マグネシウム材でなる振動板の周波数応答解析結果を示すグラフである。 (A)は、リム付きの振動板を示す斜視図であり、(B)は、その振動板を下から見た斜視図である。 図14に示す振動板の周波数応答解析結果を示すグラフである。 従来のポリカーボネイトの振動板、上記マグネシウム材の振動板及びリム付きの振動板が搭載されたそれぞれの噴流発生装置から発生する騒音の測定結果を示すグラフである。 (A)は、板厚の異なる領域を有する振動板を示す斜視図であり、(B)は、その振動板を下から見た斜視図である。 図17に示す振動板の周波数応答解析結果を示すグラフである。 噴流発生装置が電子機器としてPCに搭載された状態を示す斜視図である。
符号の説明
2…ノズル体
2a、2b…流路
2b…流路
4、6…マグネット
5…筐体
9、19、29…振動板
10…噴流発生装置
12…駆動コイル
14…ヨーク
15…振動アクチュエータ
16…ヨーク
19c…リム
29c…円形領域
29d…その他の領域
146…ヒートシンク
150…PC

Claims (5)

  1. 開口を有し、気体が含まれた筐体と、
    前記筐体内に配置された振動板を有し、固有振動数が前記筐体のヘルムホルツ共鳴周波数から外れるように構成され、前記振動板が振動することで前記開口を介して前記気体を筐体外に吐出させる振動系と、
    前記振動板を駆動する駆動部と
    を具備することを特徴とする噴流発生装置。
  2. 請求項1に記載の噴流発生装置であって、
    前記振動板の材質は、マグネシウムでなることを特徴とする噴流発生装置。
  3. 請求項1に記載の噴流発生装置であって、
    前記振動板は、リムを有することを特徴とする噴流発生装置。
  4. 請求項1に記載の噴流発生装置であって、
    前記振動板は、
    第1の厚さを有する第1の領域と、
    前記第1の厚さより厚い第2の厚さを有する第2の領域と
    を有することを特徴とする噴流発生装置。
  5. 発熱体と、
    開口を有し、気体が含まれた筐体と、
    前記筐体内に配置された振動板を有し、固有振動数が前記筐体のヘルムホルツ共鳴周波数から外れるように構成され、前記振動板が振動することで前記開口を介して前記気体を前記発熱体に向けて吐出させる振動系と、
    前記振動板を駆動する駆動部と
    を具備することを特徴とする電子機器。
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