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JP2007538257A - ポイント・オブ・ヘパリン測定システム - Google Patents

ポイント・オブ・ヘパリン測定システム Download PDF

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JP2007538257A JP2007527296A JP2007527296A JP2007538257A JP 2007538257 A JP2007538257 A JP 2007538257A JP 2007527296 A JP2007527296 A JP 2007527296A JP 2007527296 A JP2007527296 A JP 2007527296A JP 2007538257 A JP2007538257 A JP 2007538257A
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Abstract

血液中のヘパリン濃度をポイント・オブ・ケア測定するための方法と機器。プロタミンイオン選択性電極(ISE)と基準電極とを含んだカートリッジ、およびカートリッジ中のヘパリン濃度を自動的に測定するためのシステムが提供されている。幾つかのシステムでは、全てのヘパリンを結合させるのに十分な量のプロタミンボーラスに血液を加え、過剰のプロタミンが残る。過剰のプロタミンの濃度は、電極電位の変化率の初期勾配を測定し、その勾配値を既知のプロタミン濃度の勾配値と比較することによって求めることができる。幾つかのカートリッジにおいては、振動圧力供給源により、血液-プロタミン混合物が、プロタミンISEを横切って前後に移動する。幾つかのシステムはさらに、ヘパリンを除去もしくは分解させてブランクの基準サンプルとした第2の血液サンプルを使用する。プロタミンISEは、ポリウレタンポリマー、DNNS、イオノフォア、およびNPOE可塑剤を含んでよい。ポリウレタンは、ハードセグメントとソフトセグメントを含んでよく、このときハードセグメントとソフトセグメントは共に、実質的にエステル基またはエーテル基を持たない環状脂肪族部分と直鎖脂肪族部分を含んでよい。ハードセグメントによっては、メチレンジフェニル基を含んでよい。基準電極によっては、測定電極と同じポリマー、可塑剤、およびイオノフォアを有するが、イオノフォアの濃度は異なっている。

Description

本発明は、一般には医療用の患者ケアシステムに関する。さらに詳細には本発明は、溶液中のポリイオンのレベルを測定するためのシステムに関する。さらに詳細には本発明は、血液中のヘパリン(低分子量ヘパリンと断片化ヘパリンを含む)のレベルを測定するためのシステムに関する。
ヘパリンは、一部の外科的処置において一般的に使用されている抗凝固薬である。ヘパリンは、ほとんどの開胸心臓処置(open-chest heart procedures)において高用量で使用されている。開胸心臓処置の2つの最も一般的なタイプは、停止した心臓の外科的処置(この場合は、患者が心肺バイパス機器上に横たえられる)と鼓動している心臓の外科的処置である。ヘパリンは、患者の血液の凝固(clotting)と凝集(coagulation)を著しく減少させる。
処置が終われば、前と同じように、血液の通常の凝固が起こるのが望ましい。患者の血液からヘパリンを効率的に取り出すために、プロタミンが加えられる。プロタミンがヘパリンに結合し、これによりヘパリンが不活性化される。次いでヘパリン-プロタミン錯体が、肝臓によって体から除去される。
患者の血液中のヘパリン量を幾つかの時点で測定することが必要である。患者によっては、既にシステム中にヘパリンを有しているので、ベースラインのヘパリン濃度の初期測定が必要とされることがある。ヘパリンを加えた後、ヘパリンの濃度を測定して、ヘパリンが適切に加えられていることを確認する。患者がヘパリンで治療されている間、ヘパリンの濃度をモニターして、ヘパリンの濃度が閾値レベルより上に保持されていることを確認する。ヘパリンを不活性化させるために加えるプロタミンの適切な量を決定するためには、ヘパリンの濃度を測定しなければならない。プロタミンを加えた後、再びヘパリンの濃度を測定して、ヘパリンが適切に不活性化されていることを確認する。
現在、ヘパリンの濃度を決定もしくは推定する幾つかの方法が使用されている。1つの方法では、患者の血液を抜き取って研究所に送る。試験所において、ヘパリンが全てプロタミンに結合するまで、ヘパリンをプロタミンで滴定することができる。次いでヘパリンの濃度を、使用したプロタミン滴定剤の化学量論の関数として決定することができる。プロタミンの化学量論は、標準的なヘパリンサンプルに対する滴定によって決定することができる。この方法は、結果を得る上でのタイムラグのために、処置医にタイムリーなフィードバックがもたらされないという点で、使用するには理想から程遠い。
中央研究所のセッティングでのヘパリン測定に対してより一般的に使用されている方法は、比色分析による抗因子Xa(Fxa)アッセイである。このアッセイは、幾つかの分析器における標準的な機能であり、血漿サンプルに対して行われる。このアッセイは、FXaの阻害がヘパリンで媒介される、という原理を利用する。このアッセイの欠点は、ペパリン供給源(これが変量である場合)に関してだけでなく、ヘマトクリットに関しても補正する必要がある(アッセイが血漿に対して行われるので)ことである。このアッセイは、多数のサンプルを試験するのにより適しており、幾つかのサンプルを試験するのには適していない。もう一つの重大な欠点は、ターンアラウンド・タイムが長い(中央研究所で試験するため)ことである。
他の方法においては、活性凝固時間(ACT)試験が使用される。この試験では、患者の血液が凝固するのに必要な時間を測定し、この時間を使用して、ヘパリンのレベルを推定する。この方法は間接的であり、ACT値が血液希釈や低体温症によって影響を受けることがあるので誤った結果を招きやすい。この方法はヘパリンを直接測定せず、精度が限定される。
さらに他の方法においては、ヘパリン-プロタミン相互作用を利用することによって、多数のプロタミンサンプルを使用して、ヘパリンの濃度をある範囲に限局化する。プロタミンの量が、ヘパリンを厳密に結合するのに必要とされる化学量論量に近づくと、ヘパリンとプロタミンが結合するのに必要な時間が最少になる。プロタミンの量が不十分であるか又は過剰であると、凝固時間はより長くなる。メドトロニック社(Medtronic,Inc.)(ミネソタ州ミネアポリス)から市販のヘプコン・ヘモスタシス・マネジメント・システム(HEPCON Hemostasis Management System;HMS)は、こうした特性を利用している。
HMSアッセイシステムは、プロタミンの滴定に基づいており、終点の検出に対しては血塊形成を使用する。このアッセイは、希薄なトロンボプラスチン(血塊形成を促進させるためのもの)のほかに、異なった量のプロタミンを含有する4〜6のチャンネルを収容したカートリッジにて行う。滴定の終点は血塊形成の検出時点であり、これは、各カートリッジにおけるプランジャー・メカニズムの落下速度を測定することによって決定される。ヘパリンを完全に中和する最少量のプロタミンを含有するチャンネルが、最も短い凝固時間を示す。ヘパリンの濃度は、当該チャンネル中のプロタミンの量から測定される(ヘパリン-プロタミンの化学量論に基づいて)。したがって各ヘプコン・カートリッジにより、限定された範囲の血液濃度が調べられる。
HMSシステムは、異なった既知量のプロタミンを収容した異なったカートリッジを最大で12個使用することができる。処置医は、予測される範囲のヘパリンを推定することができ、この範囲における限られた数のカートリッジを選定することができる(カートリッジの範囲から、名目上は2つ)。血液が充填されたシリンジを、選定したカートリッジ中に血液を注入する機器に挿入する。終点の検出に対しては血塊形成が使用される。数分以内に、適切な量のプロタミンを有するカートリッジが、ヘパリンの濃度と共に自動的に示される。この機器を使用するには、ヘパリンの正確な初期濃度を知る必要があり、作動させる上で数分が必要とされ、プロタミンの滴定分析に基づいた、別々の範囲のヘパリン濃度に限定された精度を有する。全範囲の推定されるヘパリン濃度が測定可能である場合は、数多くのカートリッジを備えて置かなければならない。これらのカートリッジは保存寿命が限定されており、保存寿命内に使用されない場合は廃棄しなければならない。
プロタミンによるヘパリンの滴定は、学問的な実験室環境において研究されているが、処置医にタイムリーなヘパリン濃度をもたらすために使用できるような、あらゆる患者に対するポイント・オブ・ケア機器にはなっていない。理想的なポイント・オブ・ケア・ヘパリン測定機器を提供するためには、幾つかの障害を克服しなければならない。迅速で正確な測定センサー、正確な基準決定システムもしくはベースライン決定システム、適切な使い捨てカートリッジ、および上記の全てを操作・分析するためのシステムが求められているが、これらは未だに開発されていない。
本発明は、血液等の流体中のヘパリン(低分子量ヘパリンと断片化ヘパリンを含む)の濃度を自動的に測定するための方法と機器を提供する。本発明の機器と方法は、ポイント・オブ・ケア機器において使用することができ、患者の血液中のヘパリン濃度の迅速で自動的な測定を可能にする。
プロタミンイオン選択性電極(ISE)と基準電極を含んだカートリッジ、およびカートリッジ中のヘパリン濃度を自動的に測定するためのシステムが提供される。幾つかのシステムでは、全てのヘパリンを結合させるのに十分な量のプロタミンボーラスに血液を加え、過剰のプロタミンを残存させる。過剰のプロタミン濃度は、電極電位の変化率の初期勾配を測定し、この勾配値を既知のプロタミン濃度に対する勾配値と比較することによって測定することができる。幾つかのカートリッジにおいては、圧力供給源を変動させることで、血液-プロタミン混合物が、プロタミンISEを横切って前後に移動する。
本発明の1つの方法においては、既知容量の血液サンプルを、カートリッジのサンプルポートから抜き取るか、又はカートリッジのサンプルポート中に注入し、このときカートリッジには、血液サンプル中に存在すると推定される全てのヘパリンを結合させるのに十分な、過剰なプロタミンの既知量のボーラスがあらかじめ装入されている。プロタミンは、プロタミンと血液とが混ざり合うように、サンプルポート中に配置しても、あるいは流体通路中に配置してもよい。ミキシングは、圧力ポートを介して、種々の圧力(または変動圧力)をカートリッジの流体通路に加えることによって幾つかの方法で行われる。圧力ポートは、サンプルポートと同じポートであっても、あるいは異なったポートであってもよい。モーター駆動のシリンジを通して種々の圧力を加えて、流体通路に対する減圧および/または正圧を変化させることができ、これにより、血液サンプルとプロタミンがカラム中にて前後に移動させてミキシングを達成することができる。
血液-プロタミン組み合わせ物(blood-protamine combination)を、加圧もしくは減圧することによりカートリッジ中の流体通路のプロタミンISE区域に移動させ、プロタミンISEを湿潤させる。流体カラムにおける前後の移動を再び始めることができ、幾つかの方法でEMFの変化を約1分間にわたって測定することができる。新たに取り替えた流体を移動させてから約30秒後においてEMFの測定を数回行い、EMF対時間の勾配を求めることができる。類似のカートリッジと方法を使用して、既知濃度のヘパリンに関してあらかじめ採取してある一組の較正値を使用することで、未知であるヘパリン濃度を知ることができる。
1つの方法においては、既知のヘパリン濃度を有する血液サンプルが、機器を使用して測定された初期勾配を有する。初期勾配の対数vs.ヘパリン濃度のプロットにより、実質的に直線が得られる。ヘパリンの濃度が高くなるほど、残存プロタミンの濃度は低くなり、したがってプロタミンISEのEMFの変化率はより小さくなる(曲線の傾きがより小さくなる)。初期勾配の較正対数プロットにより、初期勾配の対数をヘパリン濃度に関係づける実質的な直線が得られる。したがって、初期勾配の対数が求められれば、較正データを使用することによって、未知であるヘパリン濃度を知ることができる。
プロタミンISEは、ポリウレタンポリマー、DNNSイオノフォア、およびNPOE可塑剤を含んでよい。ポリウレタンは、ハードセグメントとソフトセグメントを含んでよく、このときハードセグメントとソフトセグメントは共に、実質的にエステル基とエーテル基を持たない環状脂肪族部分と直鎖状脂肪族部分を含んでよい。一部のハードセグメントがメチレンジフェニル基を含んでもよい。ある種の基準電極は、測定電極と同じポリマー、可塑剤、およびイオノフォアを有するが、イオノフォアの濃度が異なっている。
本発明の1つの態様においては、プロタミンによるヘパリンの自動滴定をより速やかに行うための方法が提供される。このような方法の1つは、ヘパリンを含有するサンプル中に、プロタミンを滴下にて第1の速度で計量供給しつつ、プロタミンの濃度に応答するイオン選択性電極からの出力を測定することを含む。電極の出力が第1の閾値を超えた後に、第1の速度より低い第2の速度にてプロタミンを計量供給することができる。停止条件が満たされたときに、そしてプロタミンの全量が測定サンプル中に計量供給されたときに〔一般には、停止時点(stop point time)より前の時点〕、計量供給を停止することができる。ヘパリンの濃度は、サンプル中に計量供給された全プロパミン量の関数として求めることができる。停止条件は、時間に対する電位の変曲点もしくは最大変化率を通り過ぎた、と決定されることである場合が多い。
1つの方法は、電極の出力が第2の閾値を超えた後に、第2の速度より低い第3の速度にてプロタミンをサンプル中に計量供給することをさらに含む。幾つかの方法においては、時間に対する電極出力の変化率を調べ、最大変化率を追跡する。この最大変化率を通り過ぎて、変化率が変化閾値(a change threshold)未満(最大変化率未満)に低下したら、滴定を停止してよい。幾つかの方法においては、計量供給は、プロパミンの液滴を計量供給すること、および液滴をカウントすることを含む。
本発明の他の態様においては、サンプル中の初期ヘパリン濃度を測定するための方法(滴定を必要としない)が提供される。この方法では、サンプル中の推定ヘパリンを全て結合させるのに十分な量のプロタミンのボーラスをサンプルに加える。ヘパリンとプロタミンを混合し、互いに結合させることができる。次いで、サンプル中に残存しているプロタミンの量を、プロタミンイオン選択性電極からの電位を使用して求めることができる。サンプル中の初期ヘパリン濃度は、プロタミン結合の化学量論、残存しているプロタミンの量、消費されたプロタミンの量、およびプロタミンの初期の量を使用して算出することができる。残存プロタミンは、センサー膜の起電力を安定化させるための適切な時間を置いた後に、電気化学的センサーから読み取る電圧の勾配を測定することによって求められる。
他の方法においては、当該サンプルを複数のサンプルに分け、これら複数のサンプルに幾つかの異なった濃度のプロタミンを加えることができる。サンプルと連通状態にある複数のプロタミンイオン選択性電極からの電極電位を求めることができる。複数の電極における測定値の間としての中間出力を有する電極を選択することができる。最初のサンプル中のヘパリン濃度は、少なくともある程度は、こうした電極出力の関数として求めることができる。1つの方法においては、観察される最大電極出力と最小電極出力との間の中点に最も近い値を有する電極を選択する。
本発明のさらに他の態様においては、測定しようとする血液サンプルを使用してブランクサンプルを作製することによって、ヘパリン濃度のより正確な測定値を得る。この方法では、血液サンプル中のヘパリンの実質的に全てを中和するか、結合させるか、あるいは分解させて基準サンプルを作製する。基準サンプルに第1のイオン選択性電極対をさらした後に、第1のイオン選択性電極対の出力を測定する。ヘパリンが不活性化されていないか、ヘパリンが結合されていないか、あるいはヘパリンが分解されていない血液サンプルに、第2のイオン選択性電極対をさらす。1つの不活性化法においては、不活性化することは、固体マトリックス(たとえば、セファローズビーズや磁気ビーズ)上に固定化されたポリカチオンにヘパリンを結合させることを含む。
最初のヘパリン濃度は、第1の電極対の出力を使用して第2の電極対の出力を補正することによって求められる。最初の血液サンプルを2つの流れに分け(一方はヘパリンを含み、もう一方はヘパリンを含まない)、両方を同じ時点で測定する。この方法は、イオン選択性電極に対するヘパリンの寄与がない点を補正することによって、ヘパリン測定の精度を向上させることができる。本発明のこの態様は、マトリックスに関連した効果(たとえば血液希釈は、電極対によって測定される終点の変動を引き起こすことがある)を取り除くことができる。
関連した方法においては、第1の電極対の場合とは異なった血液サンプルを含有する次の血液サンプルに第2の電極対をさらす。この方法では、先ず、ヘパリンが除去されているか又は不活性化されている患者の血液に対して基準のベースライン信号を得ることができ、次いで、第1のブランクサンプルの測定値を使用して補正される一連のヘパリン測定値に対して基準のベースライン信号を得ることができる。このような測定は、固定化されたプロタミン、ポリ(リシン)、ポリマーA〔架橋PEI(ポリエチレンイミン)〕、または類似物〔ヘパリンと強く結合することができる他のポリカチオン(たとえばポリブレン)〕を使用してヘパリンを結合させることを含んでよい。この方法のバリエーションにおいては、ヘパリナーゼ酵素を使用してヘパリンを分解させることができる。
本発明のさらに他の態様においては、改良された設計の基準電極が使用される。ポリマー、可塑剤、および第1の無視しうる濃度にて存在するイオノフォアを含んだイオン感応性膜を有する第1の電極を含むポリイオン選択性電極対を使用することができる。ポリマー、可塑剤、および第1のイオノフォア濃度より高い第2の濃度にて存在するイオノフォアを含んだイオン感応性膜を有する第2の電極も組み込まれている。より高い濃度で存在するイオノフォアを含有する電極を基準電極として使用することができ、これを使用して、サンプルのマトリックス効果からの起こり得るドリフトを補正することができる。幾つかのイオン選択性電極対においては、ポリマーはポリウレタンであり、イオノフォアはジノニルナフタレンスルホナート(DNNS)を含み、可塑剤は2-ニトロフェニルオクチルエーテル(NPOE)を含む。
第1の電極を溶液にさらして、第1の電位を得ることを含む方法において、改良された基準電極を使用することができる。さらに、第2の基準電極を溶液にさらして、第2の電位を得ることができる。ポリイオンの濃度は、2つの電極間の電位差によって求めることができる。一般には、作用電極と基準電極との差から、一方の電極電位だけが測定される。
本発明は、ハードポリウレタンセグメントとソフトポリウレタンセグメントを交互に含んだ、プロタミンに対して感応性のイオン選択性電極(ISE)を使用することを含む。幾つかのポリマーにおいては、ソフトセグメントは、ウレタン基によって連結された直鎖脂肪族基と環状脂肪族基を含む。直鎖脂肪族基と環状脂肪族基は、親油性の主鎖を構成するエーテル基またはエステル基をもたないのが好ましい。このようなポリウレタンソフトセグメントにおいては、ソフトセグメントは、ジイソシアネートダイマーとブタンジオールおよび/またはダイマージオールとの反応生成物として形成される。
ポリウレタンハードセグメントは、メチレンジフェニルイソシアネート部分とジオール部分(たとえば、ブタンジオールおよび/またはダイマージオール)を交互に含んでよい。したがって、イソシアネート誘導基間のハードセグメント領域は、水素であっても、直鎖脂肪族炭化水素であっても、あるいは環状部分から垂れ下がった直鎖脂肪族基もしくは水素を有してよい環状脂肪族炭化水素であってもよい。
幾つかの実施態様においては、上記のハードセグメントとソフトセグメントを有するポリウレタンは、1種以上の他のポリウレタン〔たとえばペレタン(Pellethane)〕と混合もしくはブレンドすることができる。ポリマーブレンドは、ブレンドされるそれぞれのポリウレタン単独より改良された性能もたらす。さらに他の実施態様においては、上記のソフトセグメントとハードセグメント、ならびに1種以上の他のポリウレタン(たとえばペレタン)において見られるセグメントで形成されるコポリマーが、望ましい特性を有する単一のポリマー主鎖をもたらすことがある。
プロタミンに対して感応性のイオン選択性電極(ISE)は、上記の特殊化したポリウレタンポリマーの1種以上を含んでよい。電極によっては、可塑剤NPOEおよび/またはイオノフォアDNNSを含んでよい。
本発明のさらに他の態様においては、測定用電極対を横切って滴定剤とサンプルを混合するのに、流体カラム攪拌混合法とそれに関連したカートリッジが使用される。1つの実施態様においては、検体サンプルカートリッジが、本体、本体内に配置されたサンプルチャンバー、および本体内に配置されていて、サンプルチャンバーと連通しているイオン選択性電極を含む。さらに、基準電極が本体内に配置されていて、サンプルチャンバーと連通している。サンプルチャンバーは、サンプルチャンバーの第1の側に配置されていて、圧縮可能な流体を収容するブラインドキャビティ(a blind cavity)を有してよい。サンプルチャンバーは、サンプルチャンバーの第2の側に、ブラインドキャビティに対向して配置されたポートをさらに有してよい。このポートは、変動圧力供給源に連結することができる。変動圧力供給源は、変動圧力供給源とブラインドキャビティとの間に配置された液体サンプルに対し、変動圧力供給源に反応して、サンプルチャンバー中にて電極上での前後の移動引き起こすことがある。エアカラムを変動圧力供給源として使用することができる。本発明の幾つかの機器において、磁気攪拌バーまたは磁気攪拌ビーズの代わりに、流体カラムによる攪拌を使用することができる。さらに、攪拌作用の量を増大させるために、流体カラムによる攪拌と、攪拌子や攪拌ビーズ等の可動メカニカルエレメントとを組み合わせて使用することができる。
本発明の他の態様においては、プロタミン滴定剤を正確に且つ繰り返し計量供給する(たとえば注入方式で)ためのプロタミン滴定剤ディスペンサーが組み込まれる。プロタミン溶液を収容したフレキシブルポーチを、ポーチの周囲を密閉した状態の剛体ハウジング内に配置することができる。ハウジングの内部で且つポーチの外側に揮発性の液体を配置することができる。ポーチと連通していて、ハウジング中にて気密シールを通して延在している計量供給チューブを組み込むことができる。この揮発性液体が、密閉されたハウジング中において、液体含有ポーチに逆らって蒸気圧をもたらす。この液体蒸気圧は、液体の温度の関数である。ハウジングを加熱するための制御可能な加熱機器を組み込み、これを制御器に連結することができる。このように、ハウジングを加熱することで液体の蒸気圧が増大し、これによってポーチに対する圧力が増大し、これにより計量供給チューブを介して流体の圧力が増大する。計量供給チューブの測定圧力、密閉ハウジング内の圧力、および/または、密閉ハウジングの内側温度もしくは外側温度を使用して、密閉ハウジングに対向して配置されている加熱エレメントにフィードバック制御をもたらすことができる。制御された圧力をリー弁(a Lee valve)と連動させて使用して、滴定剤を滴下方式にて計量供給することができる。このような蒸気圧源を使用することにより、幾つかの滴定に対して現在使用されているシリンジポンプを置き換えることができる。
本発明による1つの機器においては、それぞれ同じ濃度を有してよい幾つかの乾燥プロタミンアリコートが、チューブ状通路に沿った幾つかの箇所に供給される。乾燥プロタミンはアリコートとして使用することができる。それぞれのアリコート中の乾燥プロタミンの量が、既知量のヘパリンを中和するのに必要とされる量に相当する(たとえば、各アリコートは、0.5ユニットのヘパリンを中和するのに十分な5ugのプロタミンに相当する)。プロタミンの多数のアリコートは、アリコート間に配置されたイオン選択性電極を通路中に有することができ、このときイオン選択性電極はプロタミンに対して感応性である。所定量の血液サンプルを、通路を介して強制的に入れ込むことができ、血液サンプルとプロタミンアリコートとが逐次的に出会い、血液サンプル(ヘパリンを含有)とプロタミンアリコートが混ざり合う。溶解したプロタミンに結合した状態のヘパリンを幾らか有する血液サンプルが、第1のプロタミン測定用電極対上を過ぎて続いていく。電極対のレスポンスは、サンプル中の遊離プロタミンの濃度に比例する。プロタミンの量がサンプル中のヘパリンを完全に中和するのに不十分である場合は、無視しうる程度の電極レスポンスが観察される。血液サンプルが第2のプロタミンアリコートへと続いていき、次のアリコートと混ざり合い、プロタミンが血液サンプル中のさらなるヘパリンと結合する。第2のアリコートからの、プロタミンでさらに結合された初期ヘパリンを有する血液サンプルが、次いで第2のプロタミンセンサーに続いていき、そこで再びレスポンスが測定される。血液サンプルが多数のプロタミンアリコートの全てを貫流し、アリコートと混ざり合い、そしてプロタミン測定用電極の全てを横切って通過するまで上記のことが続き、各センサーのレスポンスが逐次的に記録される。
多数のプロタミン感応性電極の全てからの電極電位を分析することができる。極めて低い値と極めて高い値との間の中間値を有する電極を使用して、逐次的なプロタミンアリコートによる、ヘパリン含有血液サンプルの滴定において見られる類似点を見積もることができる。1つの方法においては、最も高い電極電位出力と最も低い電極電位出力との間の中点に最も近い値を有する電極が、この“滴定”における変曲点として使用される。
他の方法においては、血液サンプルを、並行した多数の等体積流れに分けることができ、このときそれぞれの流れが、実質的に同じ時間に異なったプロタミンアリコートを通過し、混ざり合う。したがってそれぞれの流れが、逐次的に増大する、種々の既知所定量のプロタミンに出会う。幾つかの方法においては、このプロタミンは、測定用カートリッジの流路中にあらかじめ装入されている乾燥プロタミンである。それぞれの流路は、個別のプロタミンアリコートと混ざり合った後に、それぞれの流路内に配置された電極対と出会う。全ての多数のプロタミン感応性電極対からの値を並行して分析することができ、このとき電極対は、滴定“変曲点”における電位を見積もるのに使用する上で、極めて高い値と極めて低い値との間の中間値を有する。この流路内のプロタミンの量を使用して、当該プロタミンサンプル-ヘパリンのタイプに関して既知の、通常のヘパリン-プロタミン化学量論関係により、サンプル中の初期ヘパリン濃度を求めることができる。
さらに他の方法においては、曲がりくねった通路に沿って単一の電極対と多数のプロタミンアリコートを有する機器が使用される。それぞれのプロタミンアリコートは同じ濃度を有する。ヘパリン含有サンプルを、サンプルポートを介して入れることができ、押し出し/引き込みを行って(たえば、正圧/負圧を加えることにより)、電極対を横切ってサンプルを進めることができる。ベースラインの読み取りを行った後、サンプルを、第1のプロタミンスラグ(protamine slug)を横切って進めることができ、このとき前後の動きが、サンプル中のプロタミンとの混合を促進する。スラグからの溶解プロタミンが、第1のプロタミンスラグを溶解させたサンプル中のヘパリンを中和し、この中和物を電極対に後退させて、再び測定することができる。サンプル中の遊離プロタミンの程度に対する電位差レスポンスを記録する。サンプル中のヘパリンを中和するのに、プロタミンの量が不十分である場合は、ベースラインレスポンスから変化は全く見られない。これは、変曲点に達するまで、あるいは使用する方法によってはプラトーに達するまで、それぞれの引き続いたプロタミンスラグに対して繰り返すことができ、最後のスラグに達したときに停止することができる。
1つの方法においては、乾燥プロタミンを、サンプルチャンバー中にあらかじめ装入する。次いでヘパリン含有流体を加え、作用ISEと基準電極との間の電位の初期変化を測定する。サンプル中のヘパリン濃度と、電位差/時間の変化の対数〔すなわち、log(dEMF/dt)〕との間の直線的な関係を使用して、サンプル中のヘパリンの量を求めることができる。このシステムは、既知量のヘパリンを含有するサンプルを使用することによって、そして未知のサンプルを測定するのに使用されるものと類似の電極対を使用して、時間に対する種々の電位差の変化を測定することによって較正することができる。
本発明の幾つかの電極対は、異なったプロタミンISE組成物を使用する。この膜により、作用ISEのポリマー材料中にヘパリンを含むことができる。ヘパリンがプロタミンに極めて効率的に結合することから、DNNSの代わりに使用することができる。さらに、プロタミンをヘパリンISEに使用してヘパリンを結合させ、それに応じた電位差を生じさせることができる。プロタミンとヘパリンはそれぞれ、ポリアニオンアッセイとポリカチオンアッセイに対するイオン交換体として使用することができる。プロタミンとヘパリンは、ポリマーマトリックス中に固定化することができ、そして幾つかの態様においては、ポリマー主鎖に(たとえばポリウレタンに)連結することもできる。
図1は、プロタミン滴定剤を使用して血液中のヘパリン濃度を測定するためのシステム50を概略的に示している。システム50は、血液もしくは他の体液中のヘパリン濃度を直接測定するための速やかで非凝固ベースの方法をもたらすことのできる、ポイント・オブ・ケアシステムとして組み込むことができる。この方法はさらに、比色アッセイでは測定不能な有色または濁ったサンプル(たとえば血液)だけでなく、凝固因子を欠いているかまたは凝固因子が不十分で(たとえば、血小板の少ない水性血漿)、凝固アッセイでは測定不能なサンプルに対しても広く適用することができる。システム50は、後述の種々の実施態様に関して説明しているように、本発明の実施態様に応じて変わる。
システム50は、ディスプレイ機器53に連結された制御器52を含む。制御器52は、幾つかの実施態様においては、個別のアナログ部品とデジタル部品で形成される配線接続された電子機器であってよい。他の実施態様においては、制御器52は、少なくとも1つのマイクロプロセッサを有する、マイクロプロセッサをベースとするプログラム可能な機器である。さらに他の実施態様においては、制御器52は、本発明の実施するための制御アルゴリズムを実行する汎用コンピュータ(たとえばデスクトップコンピュータ)である。1つのこのような制御器は、Lab View(登録商標)コンピュータ・プログラムを実行する汎用コンピュータである。ディスプレイ53は、機器に対する特殊用途の専用ディスプレイであってもよいし、あるいは汎用コンピュータ用ディスプレイ(たとえば、CRTモニターやLCDモニター)であってもよい。他の種々の入力デバイス(たとえば、ボタン、スイッチ、ノブ、キーボード、およびカーソル制御デバイスなど)も制御器52に連結することができるが、図1には示されていない。
システム50は、サンプルチャンバーまたは反応チャンバーとして見なすこともできるカートリッジ54を含む。カートリッジ54は、システム50の非使い捨て部分に容易に連結できる使い捨てカートリッジであるのが好ましい。システム50はさらに、滴定剤供給源58、滴定剤制御弁68、および滴定剤圧力供給源60を含む。滴定剤は、一般には、あらかじめ定められた一定の濃度で使用されるプロタミンである。弁68は、幾つかの実施態様においては、Lce(登録商標)弁(あるいは、この種の高精度流体計量供給弁)である。他の実施態様においては、滴定剤圧力供給源60および滴定剤供給源58の代わりに、シリンジポンプもしくは他の高精度流体計量供給機器を使用することができる。カートリッジ54は一般に、測定電極62、基準電極64、およびミキシング・エレメント66を収容する。ミキシング・エレメント66だけでなく電極62と64も、たとえばワイヤ70によって制御器52に電気的に連結することができる。制御器52に連結される部品の1つは高出力インピーダンス緩衝増幅器であり、これにより、測定電極62と基準電極64との間の、起電力(EMF)の差を電位差測定することが可能となる。血液供給源56も示されており、これによりカートリッジ54に血液が供給される。滴定の目的に適うよう、一般には、血液サンプルの量が一定であることが重要である。
本発明の1つの実施態様の、高度に概略的な使用形態においては、既知重量もしくは既知容量の血液がカートリッジ54に注入される。この血液を、他の非滴定化学物質〔たとえば、クエン酸ナトリウムやEDTA(エチレンジアミン四酢酸)二ナトリウム〕と混合することができる。これら2つの化学物質は、血液サンプルが凝固するのを防ぐための抗凝固化学物質であり、ヘパリン化されたフレッシュな全血がサンプルとして(一般には液体形態にて)使用されるときに有用である。ミキシング・エレメント66を作動させて、血液と非滴定化学物質とを、ならびにその後に加えられる滴定剤とを混合することができる。
ヘパリンのプロタミン滴定においては、制御器52が、弁68を介した一定速度でのプロタミン滴定剤の添加を調整し、電極62と64から出力される電位の差をモニターする。一般的なヘパリン-プロタミン滴定においては、S字状滴定曲線における変曲点を通過するまでプロタミンを加えることができる。滴定曲線の変曲点において加えるプロタミンの量(濃度)は、滴定剤(プロタミン)の濃度、滴定剤の注入速度、およびサンプルの容量を知ることによって決定することができる。滴定の変曲点に達するのに必要な、そしてヘパリンを中和するのに必要なプロタミンの量は、最初のサンプル中におけるヘパリンの量の関数である。プロタミンは、一定の化学量論にてヘパリンと結合するので、サンプル中のヘパリン濃度は、変曲点に達するのに必要とされるプロタミンの濃度から算出することができる。したがって、ヘパリンを中和するのに必要とされるプロタミンの量を知ることにより、サンプル中のヘパリンの算出が可能となる。
普通のやり方では、電位の変曲点を通り過ぎて、変曲点を超えるようになるまで、滴定剤を一定の速度で加えることができる。サンプル中のヘパリンの速やかな測定を可能にするために、プロタミンの勾配注入(a gradient infusion)を使用することができる。このような方法においては、プロタミン滴定剤を、第1のレベルの電位に達するまでは速やかに加え、次いで当該電位閾値を超えるより遅い添加速度にて加えることができる。他の方法においては、第2の閾値を超えた後に、プロタミンン滴定剤を第3のさらに遅い速度で加える。滴定の終点近くにおいて、より遅いプロタミン注入速度を使用することで、ヘパリン濃度のより良好な分析結果を達成することができる。さらに、サンプル中のヘパリン濃度のより速やかな測定が可能となる。
臨床サンプルにおけるヘパリンの測定は、“絶対的(absolute)”であっても、あるいは“較差的(differential)”であってもよい。ヘパリンレベルの絶対的測定においては、サンプルに対して1回だけの滴定が行われる。あらゆる非ヘパリン寄与物(non-heparin contributions)(マトリックス効果)に対して、終点にいかなる補正も施されない。“較差アプローチ”においては、血液が少なくとも2つの流れに分けられ、このとき1つの流れは、カートリッジに入る前に、ヘパリンが完全に除去、中和、もしくは結合されている。したがって、“ブランク”血液を、まだヘパリンを含んでいる血液と並行して滴定することができ、これにより非ヘパリン寄与物に対して電位を補正することが可能となる。下記する別の幾つかの方法は、上記の一般的な方法に対するバリエーションを提供する。1つの方法においては、圧力供給源60は、滴定剤58を、弁を通して既知圧力にて(したがって既知速度にて)滴下方式で送り出すために使用される制御されたガス圧力供給源である。幾つかのシステムにおいては、液体は、狭いオリフィスを通して押し出される。1つの方法では、圧力供給源60は、閉じた空気袋中の滴定剤を硬質のキャニスター内に配置して形成されており、この硬質キャニスターは、空気袋の外側ではあるが硬質キャニスターの内部に配置された揮発性液体-蒸気混合物を有する。したがって、硬質キャニスターの温度を制御することで液体-蒸気混合物の蒸気圧が制御され、空気袋に伝えるのにもたらされる圧力が制御され、これによって滴定剤の圧力供給源が制御される。
幾つかの方法においては、ミキシング・エレメント66は、磁気駆動ビーズまたは他のエレメントである。幾つかの方法においては、ミキシング・エレメント66は、後述するエアカラム・ミキシングデバイスである。
1つの方法においては、前述の滴定法とは異なり、血液中の推定ヘパリンを完全に中和するのに足る量の滴定剤のボーラスをカートリッジ54に加える。残留しているプロタミンの濃度を電極62と64から求め、消費されたプロタミンを算出し、これを使用して血液中に存在していたヘパリンの初期量を求める。このボーラス法については、より詳細に後述する。
カートリッジ設計物
図2Aは、滴定法またはボーラス法を使用してヘパリン濃度を求めるのに使用することができる1つのカートリッジ100を示している。カートリッジ100は、カートリッジボディ102とカートリッジストッパーもしくはカートリッジセプタム104を含む。カートリッジボディ102はガラスで作製することができ、ストッパー104はシリコーンゴムもしくはクレイトン(Kraton)(登録商標)で作製することができる。カートリッジボディ102は、バキュテイナー・チューブ内に作製することができる。バキュテイナー・チューブ(a vacutainer tube)は、当業者によく知られているEDTAで被覆することができる。カートリッジ100は、プロタミンセンサー106と基準電極108を有してよい。プロタミンセンサー106は、銀(Ag)/塩化銀(AgCl)リード線の全体にわたって被覆された〔浸漬被覆または滴下被覆(drop-coated)された〕プロタミン感応性のポリマー膜で構成されてよい。プロタミン感応性膜の好ましい組成については、他のセクションにおいて説明する。基準センサー108は、サンプルに直接さらされるAg/AgClリード線からなっていてよい。プロタミンシリンジ110が、ストッパー104を貫通して示されている。
使用にあたって、カートリッジは、一定体積のバキュテイナー・チューブで作製されていてよく、センサー電極と基準電極がキャップもしくはセプタム中に、およびボディ中に埋め込まれていてよい。血液サンプルは、注射針を使用してキャップを刺し通すことによって供給することができる。吸引により減圧にして、正確なサンプル容量で抜き取ることができる。電極がシステムと接触し、ミキシング・エレメント112で開始されるミキシングにより、ヘパリンとプロタミンと血液との混合物がかき混ぜられるように、カートリッジを機器中に配置することができる。次いで、プロタミンシリンジがキャップを刺し通し、プロタミンが注入されて滴定が開始される。カートリッジ100においては、前述したプロタミン圧力供給源がプロタミンシリンジ110である。
図2Bは、プロタミンがサンプル中に注入される時間に対する、作用電極と基準電極との間の電位差を示している。
図3Aは、他のカートリッジ114を示している。カートリッジ114は、図2Aに関して前述したような電極108と106を有する。ストッパー104とミキシング・エレメント112も、前述したとおりである。カートリッジ114は、ヘパリンが存在する第1の部分116(“サンプルチャンバー”)と、ヘパリンが除去される第2の部分115(“ブランクチャンバー”)を含む。ヘパリンは、第2の部分115から、ヘパリナーゼまたは他の任意の分解酵素を使用して除去することができる。他の方法においては、血液が“ブランクチャンバー”カートリッジの第2の部分115に注入される前に、固定化された基質(たとえばプロタミン)、ポリリシン、ポリブレン、またはこれらの組み合わせ物を使用して、実質的に全てのヘパリンを結合させることができる。いずれの場合においても、カートリッジの第2の部分115内に存在する流体は実質的にヘパリンを含有せず、非ヘパリン寄与物からの寄与(たとえば、血液希釈や他の薬物を含めたマトリックス効果)を明らかにするのに使用できる対照標準またはブランクとなる。プロタミンシリンジ118は、カートリッジの第1の部分116に挿入される第1の部分119と、カートリッジの第2の部分115に挿入される第2の部分117を有する。前述したように、幾つかの実施態様においては、2つの異なった注入チャンネルを使用することができ、このとき一方の注入チャンネルが、ヘパリンを効果的に結合もしくは不活性化させるためのヘパリナーゼまたは結合プロタミンを有する。
図3Bは、ブランクサンプル(左側の曲線)とヘパリン含有サンプル(右側の曲線)に関して、それぞれのチャンバーにプロタミンを注入したときの時間に対する作用電極と基準電極との電位差を示している。ブランクチャンバーの左側曲線の終点がマトリックス効果に相当する。サンプルチャンバーの左側曲線の終点が〔マトリックス効果+ヘパリン〕に相当し、終点を引き延ばしている。
図4Aは、同軸のチューブ状プロタミンセンサーと基準電極とを有する他のカートリッジ120を示している。カートリッジ120は、前述のようなプロタミンシリンジ110とストッパー104を含む。カートリッジ120はさらに、同軸の測定電極と基準電極を単一のチューブ状電極対121中に一緒に有する、EDTAで被覆されたバキュテイナー・チューブ122を含む。電極対121は、絶縁体128内に配置されたプロタミン感応性電極リード線126を含み、この絶縁体128が、絶縁体125内に配置されているチューブ状の基準電極124内に配置されている。絶縁体層125と128は、基準電極リード線とプロタミンセンサー・リード線が露出されるよう選択的にはがすことができる。プロタミン感応性のポリマー膜を、露出されたプロタミンセンサー・リード線126の底部先端に選択的に計量供給する、又は底部先端に被覆することができる。電極対121は、両方が同じ電極ケーブル中に組み込まれるので、製造しやすいという利点を提供する。
図4Bは、電極対121の横断面を示している。外から内に向かって、外側の絶縁体層125に次いで、基準電極として使用されるAg層124があり、次いで絶縁体層128があり、次いで作用電極として使用されるAg導体126がある。外側の絶縁体層125を、上部から底部に向かって剥ぎ取って基準電極を形成させることができ、次いで内側の絶縁体層128を剥ぎ取ってからイオン選択性電極(ISE)膜で被覆して、作用電極を形成させることができる。
図4Cは、同軸設計物の他の代替バージョンの上部横断面図を示しており、電極対390が、絶縁体391、基準電極リード線393、および測定電極リード線392を有する。図4Dに示すように、リード線392と393は、絶縁体391内にて平行に延びており、末端の近くで絶縁体が剥ぎ取られている。基準電極リード線393は、実施態様に応じて、ISE膜のコーティング394を有していてもよいし、あるいは未コーティングのままであってもよい。センサーリード線392は、ISE膜のコーティング394を有してよい。
図5A〜5Dは、平面状のプロタミンセンサーとカートリッジ設計物を示している。図5Aは、上から見たときの、スクリーン印刷された平面状プロタミンセンサー130を示している。センサー130は、スクリーン印刷、あるいは当業者によく知られている他の蒸着技術もしくは層化技術を使用して製造することができる。図5Aと図5Bを参照すると、プロタミンチャンネルだけでなく、センサーリード線と基準電極リード線が基材中に組み込まれている。この基材は、熱可塑性ポリマーであっても、ポリカーボネートであっても、アクリル樹脂であっても、あるいは他のいかなる適切な基材であってもよい。基材132は、基材中に埋め込まれたプロタミン供給チャンネル136を有してよい。幾つかの実施態様においては、チャンネル136は、ニードルもしくはルーメン(lumen)である。プロタミン供給チャンネル136は、基材の底部において表面に対して開いている。プロタミン供給チャンネル136は、プロタミンをサンプルに供給するよう、プロタミン供給メカニズム(たとえばシリンジポンプ)と接続している。
連続した上向きの導電性金属ストリップを基材上に配置することができ、このとき第1の導電性ストリップ133がプロタミン感応性電極に対して配置され、第2の導電性ストリップ134が基準電極に対して配置されている。導電性ストリップ133と134は、銀/塩化銀で作製することができる。導電性ストリップは、スクリーン印刷、スパッタリング、または化学蒸着等の適切な方法によって配置することができる。絶縁層135を導電性ストリップ上に配置して、それらを電気的に絶縁することができる。電気接点133と134のためにリード線を露出したままにしておいて、データ収集装置と接続することができる。プロタミン感応性ポリマー膜137を導体133上に配置して、作用電極として機能させることができる。部分138を導体134上にAg/AgClとして残しておいて、基準電極として機能させることができる。
図5Cと5Dに示すように、実際には、センサー130は、封入容器もしくはサンプルチャンバー139のサイド(a side)として組み込むことができる。2つの電極(137と138)およびプロタミン供給チャンネル136より上のレベルにまで、チャンバーに血液(またはサンプル)を充填する。測定時には、供給チャンネル136を介してプロタミンを供給する。図5Aと5Bに示すようなプロタミン供給チャンネルを持たない類似の機器を使用することができる。これらの類似機器においては、異なった方法(たとえば、カートリッジ中の他の箇所に組み込まれた別個のニードルもしくはチャンネル)を使用して、プロタミンを供給することができる。
図6は、測定電極142と基準電極144を含んだ電極対140を示している。電極対140は、測定電極のための導体通路146と基準電極のための別の導体通路154を有する基材143を含む。導体通路146と154は、銀もしくは他の適切な任意の導体で作製することができる。測定電極142は、図示の実施態様においては、塩化銀で作製された第1の層147を含む。ヒドロゲルを含んだ第2の層148が、塩化銀層上の全体にわたって配置されている。ヒドロゲル層148は、幾つかの実施態様においては、電極を、湿潤した水和状態(使用前に水和を全く必要としない)に保持するために使用することができる。第3の層149はISE層を含む。後述するように、1つのISE層が、ポリマー、可塑剤、およびサンプル中の特定の検体に対する選択的なレスポンスを可能にするイオノフォアを含む。後述するように、幾つかの電極は、ポリマーの主鎖中にエーテル基やエステル基を実質的に有しない脂肪親油性のポリウレタンを使用する。ポリマーは、芳香族部分の主鎖だけでなく、直鎖脂肪族部分や環状脂肪族部分の主鎖をウレタン基間に含んでよい。一組の電極は、DNNSを、プロタミンを検出するためのイオノフォアとして使用する。幾つかの電極は、NPOEを可塑剤として使用する。トップ層150も含んでよく、この層は、他の層に対する保護層となる。この保護層は、閾値分子量未満の分子だけをイオン選択性電極層149と接触させるために、高分子量のカットオフを有するよう設計することができる。
基準電極144は、本発明の種々の実施態様に応じて変わる。図6に示す実施態様においては、基準電極144は、塩化銀で作成される第1の層155、ヒドロゲルで作製される第2の層156、ポリマーで作製される第3の層157、および保護材料で作製される第4の層158を含む。層155、157、および158は、上記の層147、149、および150と類似していてよい。ポリマー層157は、幾つかの実施態様においては、ISE層149および測定電極142と同じポリマーで作製することができる。基準電極144は、測定電極142と実質的に同様のポリマー層157を有してよいが、ポリマー層157はイオノフォアを含まない。一方、ISE層149はイオノフォアを含む。幾つかの実施態様においては、保護層150と158は、大きな分子の下層への拡散を可能にするために、層中に形成される細孔を有してよい。図6に記載されている種々の層は、当業者によく知られている多くの方法〔たとえば、スクリーン印刷、キャスティング、スパッタリング、化学蒸着、プラズマ蒸着、および/またはドロップワイズ蒸着(drop wise deposition)〕を使用して基材上に配置することができる。このような技術の幾つかは、特殊化されたインク、染料、および/また化学物質を使用するインクジェット印刷法を使用する。このインクジェットタイプの印刷を使用して、印刷装置や層化装置を介して供給される基材上に、材料を層状にして繰り返し付着させることができる。
本発明の幾つかの実施態様は、基準電極中のAgCl層上に膜もしくはポリマー層を持たない。本発明の幾つかの実施態様は、基準電極中のAgCl層上の膜もしくはポリマー層中にイオノフォアを含むが、その濃度は、測定電極中に存在する場合とは実質的に異なった濃度である(この点については、より詳細に後述する)。
図7Aと7Bは、多数の検体を検知する能力を有するプロタミンセンサー140を示している。センサー140は一般に、図5A〜2DDに関して説明したように、流路を内部に有していて、密閉されていてよい上部141、およびカートリッジまたはサンプルチャンバー部分にさらされる流路を有してよい下部142を含む。図7Bは、トップ部分141とボトム部分142の一部を斜視図にて示しており、曝露されるキャリブラント供給チャンネル147と曝露されるプロタミン供給チャンネル146が示されている。前述したように、ニードルチャンネルと供給チャンネルを使用して、サンプルをサンプルチャンバーとボトム部分142に導入することができる。プロタミンセンサー148がチャンネル147中に示されており、このとき基準電極と他のセンサー(図7Aに示されている)もチャンネル147中に配置することができる。チャンネル146と147は、前述したように、基材(ここでは、ボトム部分143とトップ部分もしくはカバー144を有する)中に形成させることができる。
センサー140は、多検体センサーである。図示の例においては、センサー140は、基準電極150、pHセンサー151、ナトリウムセンサー152、カリウムセンサー153、およびプロタミンセンサーもしくは電極148を含む。他の検体センサーや電極も、センサー140中に組み込むことができる。センサーは、キャリブラントチャンネル147中のキャビティ中に配置することができる。プロタミンセンサー以外のセンサーは、使用する前に、応答勾配(response slope)に関してあらかじめ較正することができる。
センサー140は、キャリブラントチャンネル147を介してキャリブラントを供給するためのアクチュエータ155、およびプロタミンチャンネル146を介してプロタミンを供給するためのプロタミンアクチュエータ156を含んでよい。本特許出願のほかの箇所で説明されている他のプロタミン供給源を使用して、幾つかのシステムにてプロタミンを供給することができる。
使用時、サンプルを導入する前に、既知濃度の各イオンを含有するキャリブラント溶液を、キャリブラントチャンネル147を介して供給し、センサー上に通すことができる。キャリブラント溶液の容量は、サンプルの容量よりはるかに少なくてよい(たとえば、サンプル容量の5%未満)。このことは、センサーのためのベースライン応答を確立するのに役立つ。いったんセンサーが安定した読み取り値に達したら、センサーの値を読み取って記録する。
サンプルをカートリッジ中に導入して、センサーのボトム部分142と接触させることができ、このとき本特許出願のほかの箇所で説明されているミキシング法と機器が使用される。プロタミンセンサー以外のセンサーの出力変化は検体の濃度に基づいており、このとき応答の変化は検体の濃度に正比例しているので、ネルンストの式を使用して検体の濃度を算出することができる。プロタミンセンサーおよび他の任意のポリイオンセンサーの応答は、本特許出願のほかの箇所で説明されているように分析することができる。プロタミン滴定(すなわちボーラスの注入)を開始し、プロタミンセンサー出力の応答を分析して、上記のようにしてプロタミンの濃度を求めることができる。チャンネル146からのプロタミンとサンプルとのミキシングを確実に行うために、滴定中はサンプルミキシングを継続して行って、センサーの区域において検知しなければならない。
図8A、8B、および8Cはいずれも、サンプルを保持するためのチューブ状容器中に形成されている、基材に沿った平面状センサーを示している。図8Aは、センサーリード線164と基準リード線167を上に配置させた基材162を示しており、接触パッド165と168、基準パッド163、およびイオン(たとえばプロタミン)検出パッド166を含んでいる。リード線は、本特許出願のほかの箇所で説明されているスクリーン印刷または他の方法を使用して配置することができる。誘電体層169を、リード線を覆うようにして(参照番号161で示されている区域を除いて)配置することができる。プロタミン選択性膜のようなイオン選択性膜を配置して、パッド161を覆うような形でパッド171を形成させることができる。
図8Bは、チューブ形状に丸められた基材162を示しており、センサー電極163と基準電極166がチューブ壁の内側に配置されている。
図8Cは、側方から見た8Bのチューブを示しており、電極163と166を有する基材162が再び示されている。トップからボトムに向かって、トップシール170があり、次いでEDTA被覆された幾つかの磁気ビーズ174を含んだサンプル溶液172がある(EDTA被覆された磁気ビーズは、サンプル導入の前に既にチューブ中に組み込まれている)。被覆磁気ビーズを使用してサンプルを混合または攪拌することができる。ボトムプラグ176も示されており、これはクレイトン(登録商標)から作製することができる。クレイトンをプラグ材料として使用して、カートリッジを完全にシールして、サンプルを吸い込むための真空を確実に形成させることができる。クレイトンは針によって容易に刺し通され、針の周りを密封状態にし、これによりサンプルの漏出が防止される。プラグ176を穿刺するための針178が示されている。プロタミン供給源180が極めて概略的に示されており、圧力供給源182により針178を介して強制的に送り込まれる。圧力供給源182は、シリンジ等のリニア・アクチュエータであってよい。滴定が完了したら、針を引き抜いてよい。
図8Dは、図8A〜8Cのカートリッジと類似のカートリッジを示しており、前述のように、サンプル溶液172を収容する基材壁162を有する。図8A〜8Cの電極等は図8Dには示されていない。内部にルーメン186を有する中空のかかり又は針185が示されており、プロタミンを収容するポーチ187(クレイトンで作製することができる)に相対して配置されている。ポーチ187を針185突き当てるためのリニア・アクチュエータ188が概略的に示されている。針185は、31個以上のゲージ(より小さな直径)を有してよい。
使用時、滴定が始まると、リニア・アクチュエータ188がポーチ187をかかり185中に押し込み、ポーチが穿刺される。プロタミンを、ポーチに対して加えられる圧力と針ゲージとの関数として排出させることができる。ポーチは、破裂を防ぐために適度な厚さを有していなければならない。
図9は、ロータリー・スターラーもしくは平面状スターラーと連結された平面状センサー設計物を含んだヘパリン-プロタミン・センサーシステム190を示している。システム190は、ヘパリンを含有する血液を収容するための第1のサンプルチャンバー191、およびブランクサンプル(ヘパリンを含有しない血液)を収容するための第2のサンプルチャンバー192を含む。第1のチャンバー191は、導体196に連結されたプロタミンセンサー電極195を含み、導体196がパッド197に連結されている。サンプルチャンバー191はさらに、導体ストリップ193に連結された基準電極201を含み、導体ストリップ193がパッド194に連結されている。サンプルチャンバーの内容物を攪拌するための平面状スターラー198が、サンプルチャンバー191内に配置されている。ロータリー・スターラーは、チャンバーの内容物を混合するよう回転することができる、成形された磁気攪拌エレメントであってよい。
同様に、第2のサンプルチャンバー192は、プロタミンセンサー200、基準センサー202、およびロータリーもしくは平面状スターラー203を含む。チャンバー191と192は、それぞれテフロン(Teflon)(登録商標)膜プラグ216と215を介して通気することができる。この設計物は、サンプルの充填に対して自己調整法が可能である。使用者が、サンプルチャンバー中の空気またはガスによってサンプルを押し出すときに、空気またはガスがテフロンプラグを介して排出される。液体サンプルがプラグに当たると、プラグの特性により、液体のさらなる導入が困難となる。テフロンプラグは、一般には、薄い膜もしくはテープの形態をとっている。こうした構造にて、テフロンプラグは、一般には微孔質であり、良好なガスベントとして機能する。テフロンの湿潤性が低いこと、およびその孔径が小さいことから、液体の漏出が防げる。これに反して、ソリッドのテフロンはこうした特性を持たない。
血液エントリーポート205が、第1のサンプルチャンバー191に供給する第1のチャンネル206を介して直接連結されている。第2のチャンネル207が、血液エントリーポート205からヘパリン除去もしくはヘパリン不活性化チャンバー208へと延びており、このヘパリン不活性化チャンバー208が第2のサンプルチャンバー192に通じている。ヘパリン除去もしくはヘパリン不活性化チャンバー208は、結合ヘパリナーゼ、移動性ヘパリナーゼ(mobile heparinase)、結合ポリ(リシン)もしくは結合プロタミン、ポリアルギニン、ポリブレン、または他のヘパリン結合性ポリカチオンを含んでよく、これらの物質はいずれも、血液が第2のサンプルチャンバー192に入る前に、ヘパリンを除去、不活性化、分解、もしくは中和することができる。ヘパリナーゼまたはポリ(リシン)は、サンプルの流れに対する抵抗が低い適切な支持体(たとえば、セルロースや他の適切な多孔質マトリックス)上に固定化することができる。
プロタミン溶液供給源212も同様に、チャンネル213を介して第1のサンプルチャンバーに、そしてチャンネル214を介して第2のサンプルチャンバーに連結されている。他の実施態様においては、T字形のカップリングがなく、代わりに、それぞれの加圧プロタミン供給源からの個別のプロタミン注入チャンネルを有する。リニア・アクチュエータもしくは他の圧力供給源210を使用して、プロタミン溶液を第1と第2のサンプルチャンバー中に送り込むことができる。ブランクサンプルとヘパリン化サンプルとを組み合わせて使用するこのようなディファレンシャル測定法は、サンプル中のヘパリン濃度のより正確な測定値をもたらす。なぜなら、マトリックス効果によって引き起こされるセンサー応答の変動をなくすからである。ヘパリンを含有する血液サンプルチャンバーとブランクサンプルチャンバーを使用して、非ヘパリン寄与物に対する電極電位を調整することによって、より正確なヘパリン測定値を得ることができる。
図10Aと10Bは、多数の電極と多数の乾燥プロタミン寄与物アリコート(dried protamine contributions aliquots)を使用するヘパリン測定システム220を示している。システム200は、曲がりくねった流路226に連結された血液供給源もしくは血液供給ポート224を有する基材222を含み、曲がりくねった流路226は、最終的にサンプル抜き取りポートもしくはサンプル吸引ポート234に連結されている。血液サンプル流路226は、多くのプロタミン測定電極対もしくはプロタミン測定センサー228を通して延びている。プロタミンアリコート230(それぞれ同じ濃度を有するのが好ましい)を、センサー228間に配置することができる。システム220は、実質的に血液を含有していない区域234を含んだリーディングフロント235につながっている血液含有チャンネル区域232を有していると理解することができる。本発明の幾つかの例においては、プロタミン含有区域230が乾燥プロタミンを含有しており、この乾燥プロタミンが、進行していく血液流れと混ざり合い、そして引き続き下流のプロタミン測定センサー228に運ばれていく。本発明の幾つかの実施態様においては、流路226により、流れることから生じる血液とプロタミンとの通常のミキシングが行われる。他の例においては、流れ向上寄与物(flow-enhancing contributions)(たとえば、乱流インラインミキサー、超音波処理、または磁気移動ビーズなど)を使用して、ミキシングを向上させることができる。
図10Bは、1つのプロタミン測定センサー228をより詳細に示しており、プロタミンイオン選択性電極237を有する血液流路236と基準電極238を含む。
システム222は、プロタミンのアリコートによる血液サンプルの段階的な滴定を行うものと見なすことができる。こうした段階的な滴定においては、最初のプロタミンアリコートは、ヘパリンとの結合において完全に消費されるようである。したがって、最初のプロタミンセンサーの前後の電位は極めて低いはずである。さらなるプロタミンアリコートを加えるにつれて、ある時点において、加えられたプロタミンが、ヘパリンを結合するのに必要とされる量を超え、このためプロタミン測定センサーからの電位の上昇が起こる。プロタミンのさらなる添加により、連続的なプロタミンセンサーの応答が徐々に高くなり、最終的には、プロタミンセンサーからの測定応答の変化が実質的にプラトーになる。中間値を有するプロタミンセンサーからの測定値を使用して、血液中のヘパリン濃度をひとくくりにすることができる。滴定の変曲点、または時間の変化による電位の最大変化は、正確には位置特定できないが、こうした特定は、マルチプルセグメントセンサーシステム(multiple segment sensor system)の1または2つのセグメント内に位置決めすることができる。中間の電位値を有するプロタミンセンサーの前において幾つかのアリコートから加えられたプロタミンの合計量を使用して、最終的な当該ポイントまで加えられる全プロタミンの量を求めることができる。次いで、プロタミンの化学量論的な結合比を使用して、最初のサンプル中のヘパリン濃度を求めることができる。
使用時、一定の体積のサンプルをサンプル入口ポートに導入することができる。吸引器具と弁とを組み合わせて使用して、血液の体積を調節することができる。血液サンプルを、第1のセンサーパッド上に進める。作用電極と基準電極との間の応答差を記録する。第1のセンサーパッドの応答はベースライン応答であり、この時点では、血液サンプル中にプロタミンは存在しない。幾つかの方法においては、サンプルを第1のセンサーパッド上にて前後に移動させて、センサーをより典型的なサンプルに曝露する。
次いで、サンプルを第1のプロタミンスラグ上に進める。プロタミンがサンプル中に溶解し、ヘパリンが存在する場合は、存在する限られた量のプロタミンによって可能な程度にまでヘパリンを中和する。再び、サンプルをスラグ上にて前後に移動させて、より良好なミキシングを得ることができる。次いで、サンプルを第2のセンサーパッド上に進め、作用電極と基準電極との間の応答差を記録する。実施態様に応じて、サンプルを、任意もしくは全てのプロタミンスラグまたはセンサーパッド上にて前後に移動させる。再び実施態様に応じて、サンプルが最後のセンサーを通過するまで、飽和が観察されるまで、あるいは変曲点が観察されるまで、サンプルのこの進行を繰り返す。
図10Cは、低いヘパリン濃度と高いヘパリン濃度を有する2つのサンプルに対する、図10Aと10Bのセンサーからの滴定結果の予測的な例(a prophetic example)を示している。個々のポイントがセンサー番号で標識付けされており、センサー#1が第1のセンサーであって、第1のプロタミンアリコートの前に配置されている。低いヘパリン濃度を有する第1の血液サンプルに対する滴定曲線が240にて示されている。この例では、直列になっている第3のプロタミンセンサーが、時間に関して大きな電位変化率を有する中間値を記録している。第3のセンサーの前に加えられた2つのアリコートの合計プロタミンを使用して、ひとくくりにした範囲内のヘパリン濃度を求めることができる。プロタミンの添加を続けると、244におけるプラトーになる。
より高いヘパリン濃度を有する第2の血液サンプルに対する滴定曲線が242で示されている。センサー1〜4において応答が無いのは、ヘパリンを中和するのに全てのプロタミンが使用されていることを示している。第5のセンサーにおいて応答が観察されるのは、アリコート5において導入されるプロタミンが、サンプル中の全てのヘパリンを中和した後において過剰に存在している、ということを示している。第5のセンサーにおいては、幾らかのプロタミンが残存している。第6のプロタミンセンサーにおける最大勾配が243で示されている。その後のプロタミンの添加により、センサー8〜10からの応答が飽和状態になり、245で示されるように実質的にプラトーになる。サンプル中のヘパリン濃度は、電位差vs.センサー番号の最大変化付近のセンサーに比例する。システム220では、シリンジポンプを配置する必要性がなくなる。なぜなら、センサーの下流で加えられる吸引によってサンプルの前進を果たすことができるからである。幾つかのシステムにおいては、正圧と負圧を使用して、サンプルをセンサー上にて前後移動させることができる。
図11は、マルチプルセンサーシステム(たとえば、図10Aに示されているシステム)を含んだ他のセンサーシステム260を示している。例示のセンサーシステム260は、図10Aに示したシステムに幾らか類似した8つのシステムを示している。システム260は、第1のセンサーパッドアレイ(sensor pad array)262、第2のセンサーパッドアレイ264、および第3のセンサーパッドアレイ266を含む。8つのセンサーパッドアレイはそれぞれ、第1の端部272と第2の端部270を有する、曲がりくねったもしくはコイル状の混合・測定用流路273を含んでよい。いったん測定が完了したら、センサーアレイを回転して次のセンシングアレイ(sensing array)を曝露し、サンプルプロセスを繰り返す。このような回転が矢印268にて示されている。図10Aに関して前述したような測定センサーとプロタミンアリコートが多数示されている。
図12Aは、図10Aに示したシステムと幾らか類似している他のマルチプルセンサーシステム280を示している。システム280は並列で作動するが、図10Aのシステム220は直列で作動する。システム280は、サンプルエントリーポート282、サンプル分配マニホルド区域284、サンプル吸引もしくはサンプル抜き取りポート298に繋がっている多数の通路を含む。図12Aのシステム280は、8つのサンプル流路286〜288を含む。8つのプロタミンアリコート290〜292も示されている。チャンネルの数(8)は代表的な数に過ぎない。実際には、これより多いほうが良い。多数のプロタミン付与区域290〜292のそれぞれが、段々増大していく量のプロタミンを含んでよい。最後に、8つのプロタミン測定センサー294〜296も図12Aに示されている。中間の電位値を記録する、294〜296間のセンサーのアレイからのプロタミン測定センサーを使用して、ヘパリンのプロタミン“滴定”の変曲点をひとくくりにすることができる。
図12Bは、マルチプルセンサーアレイが8つより多いチャンネルを並列で有しているという点以外は、図12Aに示したアレイと類似のマルチプルセンサーアレイを使用して得られる予測的な結果を示している。図12Bは、300において、プロタミン濃度vs.センサー番号のプロットを含む。段々増大する濃度のプロタミンと混合されている血液サンプルに、各センサーが曝露される。低濃度のヘパリンを有する第1の血液サンプルに対する滴定曲線が302に示されており、第3の最も低いプロタミン濃度のチャンネルが最も大きな電位変化率を有する。より高いヘパリン濃度を有する第2の血液サンプルに対する滴定曲線が304にて示されており、第6の最も低いプロタミン濃度のチャンネルが最も大きな変化率を有する。マルチセンサーアレイシステム280は、図10Aのシステム220より多くの血液を必要とする。しかしながら、図12Aのパラレルアレイシステムは、チューブ壁面への接着によってサンプルの消失がより少ない点で有利であり、そしてさらに、センサーのウェットアップ回数(wet-up times)という累積的問題(センサーが、直列ではなく、並列に配置されていることによる)が避けられることがある。並列設計であることから、直列設計よりも比較的短い時間でサンプルの測定を行うことができる。
図13Aは、プロタミンの添加によってヘパリンの濃度を測定するための、さらに他のマルチプルセンサーシステム310を示している。システム310は、弁313を介して連結されている、血液サンプルを導入するためのサンプル入口312、プロタミンリザーバ314、およびセンサー窓336を収容する測定チャンバー318を含む。弁335を介して連結されている吸引もしくは正圧ポート334を使用して、血液サンプルを、サンプル入口312から測定チャンバー318を通して進めることができる。センサーテープ315は、多くの新たなセンサー316を含み、これらがサンプルチャンバー318を通過して使用済みセンサー326になる。センサースプール322はセンサーを載せたテープ315を送ることができ、巻き取りスプール324によってテープが巻き取られる。テープ315を測定チャンバー318に移送するためのキャプスタン320が示されている。
サンプル間、および前進していく新たなセンサー316の使用間において、測定チャンバー318を清浄にするために使用される洗浄液を収容する洗浄リザーバ328が示されている。廃物リザーバ332を使用して、洗浄リザーバ328からの使用済み洗浄液を収容することができる。
図13Bは、多数のプロタミン測定センサー316を移送するテープ315を示している。図13Cは、前述のようなプロタミン感応性電極317と基準電極319とを含んだ1つのプロタミン測定センサー316を示している。図13Eは、互いに後退している状態の測定チャンバー318とキャプスタン320を示しており、スプール322と324を回転させて、使用済みセンサー326を取り除き、未使用のセンサー316を測定チャンバー318に進めることができる。
図13Dは、測定チャンバー318をより詳細に示している。測定チャンバー318は、
血液サンプルをチャンバー318中に吸い込むための吸引ポート342(図13Aのポート334に連結されている)に連結されたサンプルポート340(図13Aの入口312に連結されている)を含んでよい。血液サンプルは、窓336を通ってチャンバー中に吸い込まれる。サンプルチャンバーがセンサー窓336を含んでいて、このセンサー窓にて、センサーを位置決めし、サンプルの測定時にキャプスタン320によってセンサーを保持することができる。洗浄・プロタミンエントリーポート344(図13Aの327に繋がっている)が廃物ポート346(図13Aの331に繋がっている)に連結されている。センサー316を使用することによってヘパリン濃度を測定するために、測定チャンバー318に、プロタミンリザーバ314からプロタミンが供給され、次いで、センサーヘッドを清浄にするための洗浄液が、洗浄リザーバ328から供給される。
1つの実施態様においては、サンプル入口ポート340、廃物ポート346、および滴定剤/洗浄ポート344の全てが、サンプルチャンバーの底部に配置されている。サンプル操作ポート342は、サンプルチャンバーの上部に配置されている。センサーとの電気接触をセンサーの背部から行うことができ(電気的インターフェースがキャプスタンメカニズム320中に収容されている)、このこともセンサー316を窓336の上に配置するのに役立つ。
使用時、アッセイを開始する前に、センサーをサンプルチャンバー窓に位置決めすることができ、チャンバー窓をシールする。幾つかの機器においては、シールは、キャプスタン320によってセンサーテープを窓内に押し込むことによって行われる。プロタミンセンサー316は、窓336に突き当てて押されるように示されている。サンプル入口弁とサンプル吸引/吹き込み弁を開放して、サンプルの移動を始動させることができる。
吸引ポートを介して吸引を開始して、サンプルをサンプルチャンバー中に吸い込むことができる。サンプルの体積は、弁の開放時間、計量、吸引体積、または他の適切な方法によって制御することができる。サンプルがチャンバー中に吸い込まれた後に、弁を閉じることができる。次いで滴定剤/洗浄ポートに対する弁を開いて、プロタミン滴定を開始することができる。リニア・アクチュエータまたは他の供給源により、サンプルチャンバー中にプロタミンが計量供給され、滴定が行われる。いったん滴定が完了したら、滴定剤/洗浄ポートに対する弁を閉じることができる。試験されたサンプル溶液を、廃物リザーバ332に押し動かすことができる。これは、廃物ポートおよび吸引/吹き込みポートに対する弁を開き、サンプルチャンバーをパージすることによって行うことができる。吹き込みポート(blowing port)から圧力を加えて、サンプルをチャンバーから押し出すことができる。次いで、吸引/吹き込みポートおよび滴定剤/洗浄ポートに対する弁を開いて、チャンバーを洗浄することができる。吸引ポートを介して吸引を施して、サンプルチャンバー中に洗浄溶液を吸い込むことができる。攪拌棒または他のミキシングエレメントを回転させて、洗浄プロセスを促進させることができる。次いで、サンプルチャンバーを洗浄溶液でパージすることができ、サンプルチャンバーをパージするのに使用したのと同じ作業を行うことによって乾燥することができる(洗浄溶液は、廃物リザーバ332に押し出される)。メカニズムとインターフェースするセンサーは後退させることができ、これによってセンサーを引き離すことができる。次いでセンサースプールを、窓中にて次のセンサーパッドが位置決めされるよう進めて、チャンバーをシールすることができる。
図13Aの吸引/吹き込みポート334を(図13Eに示すように)使用して、測定チャンバー318を通して血液を引き込むための吸引力と、次いで測定ヘッド318から洗浄液を吹き込むのに使用される正圧とを交互に供給することができる。したがって、吸引力と正圧を逐次的に使用して、測定ヘッドに血液流れを供給し、そしてその後のサンプルのために測定ヘッドを洗浄およびブロー乾燥することができる。
したがってシステム310は、サンプルを収容するための再使用可能なウェルと、使い捨てセンサーを収容する前進用スプールを含む。カセットは、洗浄液と廃液を収容することができ、逐次的に開く弁により始動される吸引もしくは吹き込みメカニズムによって作動させることができる。この設計物は、インライン式のサンプリングおよび多数サンプルのハンドリングに適合している。必要に応じて、センサーの能力を拡張することもできる。
図14Aは、乾燥プロタミンアリコートを使用してヘパリン濃度を測定するための他のシステム360を示している。システム360は、図10Aのシステム220に類似しており、同じプロタミン濃度を有する多数のスラグ365、366、367などが、チャンネル369に沿って位置している。しかしながら、測定を行うのにセンサーパッド360が1つだけ存在している、という点が異なる。この場合においてはさらに、サンプル364が、同じ方向に進行するのではなく、センサー363とプロタミンスラグとの間で前後に移動する。サンプルは、入口ポート361を介して導入することができ、入口ポート361と第2のポート362との間に加えられる正圧/負圧によって前後に移動させることができる。
使用時においては、サンプルをサンプルポート361に導入する。一定体積のサンプルをチャンネル369中に吸い込ませる。サンプルがセンサーパッド363上を流れ、測定(ベースライン応答)を行う。サンプル364を第1のプロタミンスラグ365に進め、ここでプロタミンがサンプル中に溶解する。プロタミンがサンプル中のヘパリンを中和する(ヘパリンが存在する場合)。サンプルスラグを適切に操作して、良好なミキシングを確実に行うことができる。サンプルをセンサーパッド363に押し戻し、測定を行う。プロタミンの量がサンプル中のヘパリンの量より多いと、センサーは、ベースラインより上の応答を示すことがある。次いで、サンプルを第2のプロタミンスラグ366に進め、混合する。このプロセスを繰り返し、サンプルをセンサーパッドに戻して測定を行う。この引き戻し/押し進めのプロセスを繰り返す。スラグごとに、より多くのプロタミンがサンプル中に溶解する。最終的には、プロタミンがサンプル中のヘパリンを超えるようになる。滴定曲線は、サンプルが曝露されたスラグの数vs. 応答(dE)をプロットして得られる。この設計物に対する滴定曲線は、x軸が、センサーの数ではなくスラグの数に相当しているという点以外は、図10Aのシステム220の滴定曲線に類似している。
図14Bは、プロタミンの添加を使用してヘパリン濃度を測定するためのシステム370を示している。システム370は、第1のサンプルポート371、センサーパッド373、曲がりくねったチャンネル379、第2のポート372、およびプロタミンスラグ375、376、377を含む。システム360は、図14Bのシステム370と類似しているが、曲がりくねったチャンネルを持たない。システム370は、システム360と同じやり方で使用することができる。
図15Aと15Bは、幾つかのチャンネル382(それぞれが内部にプロタミンスラグを有する)と流体連通状態にあるサンプルポート/センサーパッド381を有する他のシステム380を示している。これらのチャンネルは、各チャンネルにおいて徐々に増大する量のプロタミンを有する。これによって得られる方法は、従来の方法より速やかである。なぜなら、全てのチャンネル中のプロタミンが同時に溶解されるからである(それぞれが逐次的に溶解されるのとは対照的に)。測定における分析時間のほとんどが、サンプルを溶解すること、および溶解したサンプルをセンサーに対して前後に移動させることに費やされる。ここでは、それをより速やかにするプロセスは含まれていない。
第1の工程(サンプルの導入・混合工程)においては、全てのチャンネルに一定体積のサンプルが充填され、このサンプルにより各チャンネル中のプロタミンアリコートが溶解する。第2の工程においては、センサー上をサンプルが逐次的に通過する。このプロセスでは、チャンネル-1からの“プロタミン溶解”サンプルを先ずセンサー上に通し、応答を記録する。この後に、チャンネル-2からのサンプルを通し、その応答を記録する。こうした操作を繰り返す。サンプルの通過順序は、プロタミンの濃度が増大していく順序である。前述の設計物の場合もそうであるが、ある特定のチャンネル中のプロタミンアリコートがサンプル中のヘパリン濃度をいったん超えると、センサーが、当該チャンネル中の遊離プロタミンに対応した応答を示す(そして、引き続いたチャンネルに対して応答が増大していく)。このプロセスは、徐々に増える量のプロタミンをサンプルに加えていくことと類似している。
各チャンネルはさらに、テフロンを含んだガス透過可能なベント383を有してよい。システム380の上部は、個別にアドレス可能で且つ制御可能な幾つかの弁384を有する弁マニホルド385(これにより、サンプルを個々のチャンネルに引き込んで、プロタミンアリコートと接触させることができる)を含んでよい。システム380は、図12Aのシステム280に類似しており、プロタミンアリコートを、直列ではなく並列で溶解させることができるという特徴を有している。しかしながら、多数のセンサーの代わりに1つだけのセンサーが組み込まれている。この点では、図14Aのシステム360に類似している。
システム380においては、プロタミンスラグは、各チャンネルを横切る方向で濃度が増大する。カートリッジは、ガス透過可能ではあるが液体に対して不透過であるベントプラグを有するように設計することができる。テフロンフィルムを使用すると、この作用を達成することができる。この特徴により、各チャンネルに一定量のサンプルが確実に充填される。これとは別に、ポンプを使用して、サンプルをそれぞれのチャンネル中に吸い込ませることもできる。各チャンネルは、弁(機器中の)のシステムを使用して個別にアドレス可能である。吸引力/圧力を使用してサンプルを操作することができる。これらチャンネルの合流点に単一のセンサーパッド381が存在している。センサーパッド381は、プロタミンセンサーと基準電極を含んでいる。
使用時には、サンプルをサンプル入口ポート381に計量供給する。一定体積のサンプルを各チャンネル中に吸い込ませる(または押し出す)。それぞれのチャンネルにおいて、サンプルとプロタミンとを混合する。適切な補助手段を使用してミキシング効率を高めることができる。各チャンネルに個別にアドレスして、サンプルをセンサーパッド上に押し進める。プロタミン濃度が増大していく順序でチャンネルを押す。センサーの応答を記録する。滴定は、それぞれの(プロタミンが溶解した)サンプルをセンサー上で逐次的にプッシュし、応答を測定することによって行う。センサーの応答vs.チャンネルをプロットすることで滴定曲線が得られる。サンプル中のヘパリンが、変曲点が観察されるチャンネルに対応する。この方法により、サンプルの測定を比較的短い時間で行うことができる。
図15Cは、円形であること以外は、図15Aのシステム380に類似した他のシステム390を示している。システム390は、多数のチャンネル392に連結した中央のサンプルポート/センサーパッド391を含み、多数のチャンネルのそれぞれが、徐々に増大するプロタミンアリコート394と、個別にアドレス可能な弁393を有する。
プロタミンボーラス法
前述したように、血液中のヘパリンは、プロタミンを使用してヘパリンとプロタミンとの結合を滴定することによって、次いでプロタミン感応性の電気化学的センサーを使用して滴定終点をモニターすることによって測定することができる。この検出法においては、プロタミンをサンプル溶液中に徐々に導入し、導入したプロタミンとサンプル中のヘパリンとの間の均一な結合が確実に得られるに足る攪拌を行う。プロタミン滴定剤を注入/計量供給するために、ヘパリンとプロタミンを混合するために、そして滴定の進歩に従うために、比較的複雑なシステムが必要とされる。
他の方法においては、プロタミンのボーラスをカートリッジ中に予備装入する。このプロタミンボーラスは、血液サンプル中の最大推定ヘパリンを完全に中和するのに十分な量のプロタミンを含んでいなければならない。プロタミンボーラスを、たとえばシールされたカートリッジ中に予備装入し、シールを通して既知量の血液を注入し、振盪または混合を行うことができる。適切な時間を置いた後、ヘパリン-プロタミン含有溶液を、プロタミン感応性電極を含んだ第2のカートリッジ中に注入することができる。したがって、使用されるイオン選択性電極から離してミキシングと反応を行って、プロタミンの濃度を測定することができる。
較正は、本特許出願のほかの箇所で説明されている方法を使用して果たすことができる。たとえば、時間vs.電位差の最大変化率、時間vs.電位の最大変化率、および時間vs.電位の初期変化率の対数を、既知濃度のプロタミンまたはヘパリンを有するサンプルに対してあらかじめ得られている較正値と組み合わせて使用することができる。
したがって、スタート時のプロタミン濃度、最終的に残存しているプロタミン濃度、およびプロタミン溶液の既知化学量論を使用して、最初のプロタミンと結合したヘパリンの量を求めることができる。このボーラス法はさらに、ミキシング部材がプロタミン感応性電極の近くに位置する場合に、プロタミンイオン感応性電極を収容するカートリッジ中に既知過剰量のプロタミンを予備装入または注入することによって使用することができる。
予備装入した乾燥プロタミンを使用することで、複雑なプロタミン注入/計量供給システムを不要にすることができ、したがって計器装備が飛躍的に単純化される。この方法はさらに、改良された感応性をもたらすことがある。センサーの応答は拡散の程度に依存するので、より典型的な滴定においては、検体のボーラスは、小さな増分の検体添加の場合より多くの拡散フラックスをもたらす。したがって本出願者らは、ボーラス法のほうがより感応性が高いと考えている。
感応性の向上と共に、ヘパリンが中和された後に過剰の高濃度のプロタミンが残存している限り、サンプルを攪拌しなくても、有意の信号をもたらすのに十分な、センサー中へのフラックスが存在する。したがって攪拌システムを取り除くことができるので、センサーシステムはさらに小型化される。
この方法はさらに、同じカートリッジに対して多数の試験を実施するのに使用することができ、したがってオンボード・キャリブレーション(on board calibration)と並列試験を行うことができる。攪拌棒もしくは攪拌エレメントが設計物から取り除かれれば、各チャンバーに対して同じそれぞれの攪拌棒を制御する必要がなくなる。チャンバー数の減少、またはチャンネルサイズの減少により、並列試験はより実際的なものとなる。
流体カラムの攪拌
図16A〜16Cは、測定電極を横切って溶液を混合・攪拌するためのシステムを示している。ヘパリンのプロタミン滴定時にヘパリン/プロタミン混合物を混合するために、磁気攪拌棒と磁気攪拌プレートが使用されている。しかしながら、この混合法は、システムの小型化を制限することがある。本発明は、ヘパリン/プロタミン混合物を混合するための振動流体カラムを含み、こうしたカラムを使用することで、電極を収容しているサンプルチャンバー内の磁気攪拌部材が不要となる。さらに、これにより、サンプル測定カートリッジのさらなる小型化が可能となる。
図16Aは、サンプル測定カートリッジ421、振動流体圧力供給源422、および電極測定システム424を含んだシステム420を示している。カートリッジ421は、サンプルチャンバー426を内部に含み、サンプルチャンバー426は、ワイヤ433を介して測定システム424に連結されている電極対432を収容している。サンプルチャンバー426は、3つの部分、すなわち圧縮可能な流体もしくはガス充填部分440、液体検体含有部分438、および振動圧力部分436を含むように示されている。振動圧力供給源422は、チューブ434を介してポート428に連結されており、ポート428は、サンプルチャンバー426の振動圧力部分436と連通している。振動圧力供給源422は空気を含んでよく、この空気は、チューブ434を介してサンプルチャンバー436に種々の圧力で供給することができる。サンプルチャンバー部分440中の圧縮可能な流体もしくはガスは空気であってよい。血液サンプルとプロタミンをサンプルチャンバー426中に注入するのに使用できるサンプル導入ポート430が示されている。幾つかの応用例においては、ポート430を介してプロタミン滴定剤を注入することができる。部分440は、実際にはブラインドキャビティであり、圧縮可能な流体もしくはガスが充填されているので、チューブ434を介して供給される種々の圧力に対応して収縮したり、膨張したりする。移動を引き起こす種々の圧力が矢印441で示されている。部分440には、電極と検体の測定に悪影響を及ぼさないあらゆる液体、ガス、または他の圧縮可能な物質を使用することができる。
一定圧力の滴定剤供給源
電磁弁をベースとする液体ディスペンサーを使用する滴定システムは、液体を計量供給するための駆動力もたらすべく正確な圧力供給源を必要とする。同じ弁開放パラメーターと一定圧力のもとで、ナノリットルまでの正確な液滴体積を計量供給することができる。こうした応用例に対しては、使い方が簡単で、保守が容易で、そして低コストの圧力供給源が有用である。本発明においては、このシステムは、計量供給されるプロタミン滴定剤の量を正確に制御することによって、ヘパリンの滴定に使用することができる。現在の機器による滴定体積の計量供給には、シリンジポンプを使用することが多い。他の機器は、液体を収容する滴定剤ポーチを加圧ガスチャンバー中に使用しており、この場合、ガスの圧力はガスポンプによって保持される。使い方がより簡単で、より低コストで、そして制御がより容易な滴定剤圧力供給源が有利である。特に、制御されたシリンジポンプを必要としないシステムが有用である。
図17Aと17Bは、化学的蒸気ポンプを使用するシステム460を示している。化学的蒸気圧で駆動される流体供給源は、現在、メドトロニック社(ミネソタ州ミネアポリス)製造のIsomed(登録商標)インプランタブル薬物送達システムで使用されている。
図17Aは、底部464と、底部464にネジで固定されている上蓋464とを含む密閉容器を含んだシステム460を示している。流体を充填した滴定剤含有ポーチ462が、密閉容器内に配置されている。揮発性の液体、たとえばフルオロカーボンFC87(ミネソタ州ミネアポリスの3M社から市販)を密閉ハウジング内に組み込むこともできる。この揮発性液体は、液相では471で、そして気相では470で示されている。揮発性液体によって供給され、上に位置するポーチ462にもたらされる圧力は、密閉ハウジング内の液体の温度の関数である。ハウジング内の液体温度の変化は、ハウジング部分464の周りに巻き付けたコイル472を加熱することによってもたらすことができる。ハウジングを密閉状態で貫通しているデリバリーチューブ468を介して、ポーチ内容物を密閉ハウジングから外に供給することができる。
チューブ468内の圧力は、本発明の実施態様に応じて、幾つかのやり方で直接的もしくは間接的に制御することができる。圧力トランスミッタもしくは圧力トランスデューサ474を使用して、供給される滴定剤の圧力を直接測定することができる。これとは別に、圧力トランスデューサ476を密閉ハウジング内に配置して、密閉ハウジング内の圧力を直接測定することもできる。この圧力信号も、密閉状態にてハウジングを通過することができる。さらに他の方法においては、ハウジングの内部またはハウジングそれ自体の温度を、温度トランスデューサ478によって測定することができる。供給速度を調節するのに圧力測定値が使用されようと、または温度測定値が使用されようと、いずれにしても滴定剤の供給速度を使用してシステムを較正しなければならない。滴下式の滴定剤デリバリーシステムを、システム460と組み合わせて使用することができる。
図17Bは、滴定剤を468に送るための圧力供給源を制御するための極めて概略的な制御システムを示している。トランスデューサ480(圧力トランスデューサであっても、あるいは温度トランスデューサであってもよい)は、測定信号を制御器482(たとえば、PID制御器であってよい)に伝えることができる。制御器482は、望ましい圧力もしくは温度が与えられるセットポイント484を受け入れることができる。制御器482は、密閉ハウジングの周囲の488での抵抗加熱器による加熱を制御するのに使用される制御信号486を出力することができる。
液体リザーバを液体の沸点より高く加熱することによって、飽和蒸気圧を生成させることができる。飽和蒸気は、同じチャンバー中において液相と平衡に達する。液体ポーチから計量供給しようとする容量が計量供給によって減少すると、蒸気体積の自己調整が起こる。したがって、ある一定の駆動圧力が常に存在する。
ポリイオン電気化学センサー用の基準電極設計物
電位差センサーは、カリウム、ナトリウム、塩化物、およびpHなどを測定するために、臨床検査室において広く使用されている。センサーの性能(たとえば、精度、正確さ、および耐用年数など)は基準電極に大きく依存する。特に、基準電極の安定性と耐用年数に依存する。全血試験に電位差センサーを使用する場合、作用電極と基準電極へのタンパク質吸収により、両方の電極に関して電位のドリフトが引き起こされ(作用電極と基準電極との間の電位差が測定されるとしても)、また両方の電極は通常、材料と設計が異なっている。しかしながら、電位のドリフトは相殺されない。ポリイオン電位差センサーの場合、たとえそれが特殊なタイプの電位差センサーであるとしても、性能が良好であるかどうかは、基準電極の性能に極めて大きく依存する。
作用電極と基準電極との間の測定値の差による信号は、実際の検体/作用/濃度の差による寄与、ならびに釣り合わないタンパク質吸収、細胞接着、および電極水和などからの寄与が組み合わさったものである。タンパク質吸収と細胞接着によるこうした寄与は、一般には、ほとんどの状況において制御不能であり且つ再生不可能である。
本発明の他の態様においては、作用電極と基準電極との間の、この釣り合わないドリフトの成分は、ポリイオン電位差センサーのユニークな応答メカニズムを利用することによって考察される(そして少なくともある程度は解明される)。驚くべきことに、イオン選択性膜に異なった量のイオン交換体をドーピングすると、ポリイオンセンサーの応答時間が大幅に異なるようになる。イオン交換体の濃度が高くなるほど、サンプル溶液中の同量のポリイオン検体に対して、より大きな時間の遅れが観察される。先行技術のシステムにおいては、同じ一対のセンサー基材(たとえば、現在のやり方では、ポリエステル上に2つの同じ銀/塩化銀トレース)を使用して開始する場合、銀/塩化銀の作用電極だけが、イオン交換体を含有するイオン選択性ポリマー膜を含む。
本発明のこの態様においては、作用電極と基準電極の両方が、同じポリマーカクテル(polymer cocktail)で被覆されている(しかしながら、異なった濃度のイオン交換体を含有している)。基準電極は、より高い濃度のイオン交換体を有する溶液で被覆されるのが好ましく、したがって、サンプル溶液中の同量の検体に対して応答時間が大幅に遅れるようになる。このようにすると、作用電極と基準電極の表面物質がほとんど同じであるので(すなわち、同じポリマーと可塑剤を有する)、タンパク質吸収と細胞接着がほとんど同じになり、これらを相殺することができる。こうした設計を使用する作用電極と基準電極に対しては、センサーの水和プロセスも類似している。比較すると、従来の設計と製造のもとでは、大幅な電位のドリフトは、作用電極と基準電極との間の表面物質の差によって生じる。本発明のこの態様の他の特性は、製造における(特に、ポリマー膜の配置における)あらゆるバリエーションと変量が、類似のポリマーカクテルを両方の電極上に配置することによって相殺されるようである、という点である。
種々の実施態様においては、基準電極におけるイオノフォア濃度は、実施態様に応じて、作用電極もしくは測定電極におけるイオノフォア濃度の少なくとも4倍、5倍、または10倍である。
プロタミン感応性センサーシステムに対するデジタル化滴定・制御例
本発明は、プロタミンイオン選択性電極を使用して、プロタミンによる滴定によって血液サンプル中のヘパリン濃度を自動的に測定して滴定終点を決定するための、自動デジタル化滴定制御システムを提供する。1つの実施態様においては、本発明は、精度を保持もしくは向上させつつ滴定時間を短縮させる、自動ヘパリン-プロタミン滴定システムを提供する。このシステムは、前述の図1に関して視覚化することができる。使い捨てカートリッジにプロタミンを連続的に供給するのにシリンジポンプを使用するのではなく、デジタル化滴定は、シリンジポンプを液体マイクロディスペンサー(Lee弁)で置き換えることによって達成される。液体マイクロディスペンサーは、プロタミン溶液を液滴の形態(この例では、1滴当たり30ナノリットル未満)でサンプル中に個別的に射出することができる。全ての液滴の体積を、電磁弁の開放時間とプロタミンリザーバに加える背圧によって制御することができる。図1は、制御器52で制御されている弁68に繋がっているプロタミンリザーバ58に対する圧力60を示している。このLee弁の制御は簡単であり、計量供給ユニットのコストは、シリンジポンプのコストより大幅に低い。各試験に対して計量供給されるプロタミンのトータル量は、センサーの応答に基づいて制御することができ、弁の開放パルスをモニターするカウンターによって決定することができる。
図18は、自動滴定を行うのに使用できる1つの方法を示している。この方法は、図1に示したシステムと類似のシステムを使用して実施することができる。図18に示されているメソッド500は、専用のマイクロプロセッサ制御機器により実行可能なファームウェアとしての、および/または汎用コンピュータで実行されるコンピュータプログラムとしての、個別のアナログおよび/またはデジタル成分にて実施することができる。メソッド500は、この場合、汎用コンピュータによって実行可能なLab Viewプログラムとして実行された。
ステップ502から始まって、DPS(drop per second;1秒当たりの液滴数)カウンターをクリアする。ステップ504において、データ収集を開始しなければならない場合は、ステップ506が実行され、そうでない場合は、ステップ504でのプログラムループは、データ収集が開始するのを待つ。ステップ506において、ベースラインデータ(たとえば、電位差プロットの最初のフラット部分)を収集する。
ステップ508に進むと、指示されれば滴定を開始する。1つの例においては、あらかじめ設定した時間(たとえば5秒)が経過した後に、滴定を開始することができる。実行がステップ510に進むと、滴定を開始し(たとえば、1秒当たり10滴にて)、DPSカウンターにより液滴のカウントを開始する。ステップ512においては、作用電極もしくは測定電極と基準電極との間の電位差をモニターする。電位差の変化率を追跡する。したがって、電位差測定値の絶対値と、電位差測定値の時間に対する変化率の両方を追跡する。ステップ514に進んだとき、センサーの応答が少なくとも10ミリボルトの電位差を示したら、ステップ516において滴定速度を5滴/秒にまで遅くする。電位差がまだ10ミリボルトにならない場合は、再びステップ512を実行する。ステップ518においては、電位差と電位差の時間に対する変化率に関してモニタリングを続ける。ステップ520において、電位差が少なくとも15ミリボルトを示したら、滴定速度をさらに2滴/秒にまで遅くし、そうでない場合は再びステップ518を実行する。
ステップ524においては、電位差と電位差の変化率に関してモニタリングを続ける。
ステップ526においては、電位差が少なくとも20ミリボルトになったら、ステップ528において滴定速度を1滴/秒に減少させ、そうでない場合は再びステップ524を実行する。ステップ530においては、センサーの応答とセンサー応答の変化率のモニタリングを続ける。電位差の変化率は、いろいろな方法でモニターし、記録することができる。1つのノイズの出やすい方法によれば、変化率を、2つの連続した箇所にわたる変化率として考える。他のノイズの出にくい方法によれば、多数の連続した箇所の上を覆うようにして引き窓で蓋をすることができ、引き窓の長さ全体にわたって、引き窓における最初の箇所から引き窓における最後の箇所まで変化率のデータをとる。多くのフィルタリング・アルゴリズム(filtering algorithms)も同様に使用することができる。ある箇所において、変化率がピークに達し、次いで減少していく。最大変化率をメモリーに保存することができる。当該変化率が、最大変化率の閾値より小さい閾値にまで低下したときに、滴定を停止してよい。ピークまたは最大変化率を捕捉することが532に示されている。ステップ534において、変化率がピーク値の30%に達したときに、滴定を停止する。ステップ536においては、ピーク変化率における時間を使用して、このピーク時間にて加えられたプロタミンのトータル量を求めることができる。1つの方法においては、それぞれの時間間隔におけるトータルの液滴数を、当該タイムスロットに対する微分測定値、ならびに当該タイムスロットに対する時間による測定値の変化率と共に記録する。ピーク変化率におけるプロタミンのトータル量が得られれば、プロタミンの化学量論に基づく結合特性を使用して、当該ピークにおいて結合したヘパリンを求めることができる。これにより、サンプル中のヘパリンの量が求められる。
図19は、プロタミンイオン選択性電極対に対する測定電極と基準電極との間の電位差を、時間に対してプロットしたものである。電位差が550にてプロットされており、最大変化率が554で示されている。電位差の時間に対する変化率が552にてプロットされており、最大変化率が556で示されている。変化率は“一次導関数(first derivative)”と呼ばれることもあるが、一般には個別の箇所を使用して測定される。第1の電位差閾値が558にて示されている。図18に関して前述したように、電位差が10ミリボルトに達したら、滴定速度を10滴/秒から5滴/秒に減少させる。電位差が560にて第2の閾値(15ミリボルト)に達したら、滴定速度を5滴/秒から2滴/秒に減少させる。562にて第3の閾値(20ミリボルト)に達したら、滴定速度を1滴/秒に減少させる。これにより、閾値に達するまでは速やかな注入が可能となり、時間に対する電位差の最大変化率(箇所554における)をより正確に捕捉するために滴定はより遅くなる。
図20は、ヘパリンが存在しないサンプル中へのプロタミンの注入に対するプロタミンイオン選択性電極の応答を示す実験結果を示している。1滴/秒に関する電位差vs.時間のプロットを580にて示す。推定されるように、これは、最大変化率およびプラトーに達するのに最も長い時間を要する。5滴/秒に関するプロットを582にて、そして10滴/秒に関するプロットを586にて示す。図18のメソッド500に記載の調節可能な滴定速度に関するプロットを584にて示す。予測されるように、10滴/秒の添加が最初にプラトーになり、最初にピーク変化率に達した。しかしながら、ピーク変化率への接近がより遅くなるにつれて、この箇所はより正確に求めることができるようになる。
図21は、6ユニットのヘパリンをプロタミンで滴定した場合の、プロタミンイオン感応性電極の応答を示している。1滴/秒のプロットを590にて、5滴/秒のプロットを592にて、10滴/秒のプロットを594にて、そしてメソッド500の調節可能な滴定速度のプロットを596にて示す。調節可能な滴定速度は、時間に関して10滴/秒の結果と類似の結果が得られる。
図22は、1滴/秒と図18の調節可能な方法を使用した場合の、種々のヘパリン量に関する電位差vs.時間を示す他の実験結果を示している。0ユニットのヘパリンに対して1滴/秒を使用したときの滴定を示すプロットを603にて、1ユニットのヘパリンに対して1滴/秒を使用したときの滴定を示すプロットを602にて、3ユニットのヘパリンに対して1滴/秒を使用したときの滴定を示すプロットを601にて、そして6ユニットのヘパリンに対して1滴/秒を使用したときの滴定を示すプロットを600にて示す。調節可能な滴定速度の方法使用したときのプロットは、0ユニットのヘパリンに対しては604にて、1ユニットのヘパリンに対しては605にて、3ユニットのヘパリンに対しては606にて、そして6ユニットのヘパリンに対しては607にて示す。図22からわかるように、調節可能な滴定速度を使用すると、試験時間が大幅に短縮された。たとえば、6ユニットのヘパリンが存在する場合、1滴/秒を使用すると、ピーク変化率は約6分付近に位置したが、一方、調節可能な方法を使用すると、対応するピーク変化率は約1分付近に位置した。
図23は、1ユニット、3ユニット、および6ユニットのヘパリンを滴定したときの、調節可能な計量供給速度vs.5滴/秒の固定速度、の実験結果を示している。調節可能な計量供給速度の方法は、より高い精度を有する結果もたらした。図23から、0ユニットのヘパリンの場合、ピーク変化率に達するには、調節可能な方法を使用すると154滴で済むが、5滴/秒では262滴が必要とされる、ということがわかる。0ユニットではない場合においては、この結果からオーバーシュートまたは精度の低下が推測される。0ユニットの場合に関しては、これは、得られるイオンフラックスが異なっていることによるものであり、オーバーシュートまたは精度の低下を示しているわけではない。第3欄においては、1ユニット、2ユニット、および6ユニットのヘパリンに対する液滴数は、0ユニットのヘパリンに対して必要とされる液滴数によって補正されている。図23の第4欄には、3ユニットと6ユニットに対して必要とされる液滴数と、1ユニットに対して必要とされる液滴数との比が示されており、これは、調節可能な滴定速度のほうが、固定された速い計量供給速度より真実に近い比(a truer ratio)をもたらすことを示している(すなわち、1、3、および6.7という数値は、1、6、および11.8という数値と比較して、1U、3U、および6Uのヘパリンにより近い)。
本発明のシステムを使用することによって、高濃度におけるヘパリンの滴定を2分以内に行うことができる。データ分析とデータ表示は、センサーの応答とマイクロディスペンサーの計量供給速度とを関係付けることによって、および計量供給された液滴数をカウントすることによって簡単化される。固定された高い計量供給速度を使用して得られる結果を比較することによって、変えられた計量供給速度スキームは、より正確な結果もたらすことがある。
プロタミンイオン感応性電極
図24Aと24Bは、多数のイオノフォアもしくはイオン交換分子622を含んだプロタミンイオン感応性電極620を示している。図24Aは、プロタミンが結合する前の膜を示しており、図24Bは、プロタミンが結合した後の膜を示している。好ましいイオノフォアはDNNSであって、SO3 -ペンダント基を有する。DNNSイオノフォアは、624にてナトリウムイオンと錯形成していることが示されている。プロタミンのようなポリカチオンが626にて示されている。図24Bの下部において、プロタミン626と錯形成したイオノフォア622を有する膜620が示されている。こうした錯形成によって正電位が生じ、膜620の正電荷から直接測定されるか、あるいはナトリウムイオン624を追い払うことによって測定される。次いで導体の電位を増大させ、測定回路を通る電流フローを起こさせる。
固定化されたポリイオンを使用する電位差ポリイオンセンサー
現在、ポリイオンセンサーに関しては、ポリマー膜に、適切な親油性アニオン交換体もしくは親油性カチオン交換体がドーピングされている〔たとえば、ポリアニオンに対してはトリドデシルメチルアンモニウム(TDMA)、ポリカチオンに対してはジノニルナフタレンスルホネート(DNNS)〕。センサーの応答は、DNNSもしくはTDMAと膜内部のポリイオンとの間の静電相互作用に基づいている。しかしながら、これらの結合は有効ではなく、トータルの電圧変化が比較的小さい。本発明の1つの態様は、新たな種類のイオン交換体を含む。固定化されたポリイオン、たとえばポリマーマトリックス分子の主鎖中のプロタミンやヘパリンを、それぞれポリアニオンアッセイとポリカチオンアッセイのためのイオン交換体として使用することができ、トータルの電位変化を増大させ、検出限界を下げる。
DNNSまたはTDMAと比較して、この新たなタイプのイオン交換体は幾つかの特徴をもたらす。まず第一に、固定化されたプロタミンもしくはヘパリンと他のポリイオンとの間の相互作用はかなり強力であって、高い結合定数を有する。このことは、ポリイオンセンサーのトータルの電位変化を増大させる。第二に、イオン交換体がポリマーマトリックス中に固定化されるので、膜中におけるイオン対の拡散係数が減少し、したがって低い検出限界を得ることができる。結合定数が大きいので、この新たな種類のセンサーは、高い電圧変化を示し、全血サンプルでのポリイオン測定に対して信号対ノイズ比を増大させる。
プロタミンISEの較正
従来の方法においては、プロタミン感応性センサーを収容する使い捨てカップ中の1ミリリットルのリン酸塩緩衝液中に、先ず種々の量のヘパリンを別々に加える。カップ中にプロタミンを1滴ずつ注入することによってプロタミン滴定を行う。この新たな方法においては先ず、種々の量のプロタミンと1ミリリットルのリン酸塩緩衝液とを使い捨てカップ中にて混合し、次いでセンサーをカップ中に置く。これは実際の応用シナリオによく似ており、この場合、既知量のプロタミンが先ず、未知量のヘパリンを含有するサンプルと混ざり合い、次いでセンサーを使用してプロタミン量の減少を測定する。この方法は、本特許出願における他のところでボーラス法と呼ばれている。
図25は、上記の従来法を使用して得られる実験結果を示している。時間に対する電位の変化が、種々の量のヘパリンに関して示されている。図25のx軸は時間を表示しているが、時間よりはむしろ、加えたプロタミンの累加的な量として見なすこともできる。ここでは、プロタミンの注入に対する滴定速度が一定であると仮定している。0ユニットのヘパリンに関して時間に対する電位の増大が638にて、0.25ユニットのヘパリンに関して時間に対する電位の増大が636にて、0.50ユニットのヘパリンに関して時間に対する電位の増大が634にて、そして1ユニットのヘパリンに関して時間に対する電位の増大が630にて示されている。
図26は、新規方法を使用して得られる実験結果を示している。この新規方法においては、一定量のプロタミンをカップに加え、そして種々の量のヘパリンを加える。図26においては、示されている全てのヘパリン濃度に関して、全てのサンプルカップ中に同じ量のプロタミンが存在している。1ミリリットルのリン酸塩緩衝液に種々の量のプロタミンを加える。5μgのプロタミンを1ミリリットルのリン酸塩緩衝液に加えたときの結果が660にて示されている。6μg、7μg、8μg、10μg、および14μgのプロタミンを1ミリリットルのリン酸塩緩衝液に加えたときの結果が、それぞれ658、656、654、652、および650にて示されている。
図26Aは、プロタミン濃度を変えたときの試験システムの結果を示している。図26Aの結果は、ボーラス法による電極の出力を解釈する際に使用することができる。図26Aに関して得られている結果は、プロタミン感応性電極に曝露されるプロタミンの濃度を変えた場合の結果にすぎず、時間の経過に対する電位の変化が測定されている。したがって図26Aにおけるx軸は単に時間であり、何らかの物質の注入量、あるいは他のいかなる物質の累加的注入も含まれていない。図26Aは、類似のプロタミンイオン感応性電極を、異なったプロタミンスタンダード(protamine standards)中に同時に挿入していると見なすことができ、その結果が記録されている。
最も高濃度のプロタミン(1ミリリットルのリン酸塩緩衝液中14μg)を650にて示す。これは、最も速やかな電位上昇を達成している。最も遅い電位上昇は、プロタミンイオン感応性電極を最も希薄なプロタミンサンプル(1ミリリットルのリン酸塩緩衝液中5μg)中に挿入した場合に見られ、660にて示す。高濃度(14μg)のプロタミンサンプルは、約15秒にて最大変化率を達成しており、最も希薄(5μg)なプロタミンサンプルは、約100秒にて最大変化率を達成している。
図26Aにはピーク変化率も示されており、651は、リン酸塩緩衝液1ミリリットル当たりプロタミン14μgに対して、プロット650の変化率もしくは一次導関数を表わしている。10μgに対する電位変化率のプロットが653にて、8μgに対する電位変化率のプロットが654にて、7μgに対する電位変化率のプロットが656にて、6μgに対する電位変化率のプロットが658にて、そして5μgに対する電位変化率のプロットが661にて示されている。
図26A中の差し込み図のプロット670は、プロタミン濃度vs.ピーク時間(秒)のプロットを示している。したがって、サンプルのプロタミン濃度は、電位vs.時間のピーク変化率を達成するのに必要とされる時間から求めることができる。他の方法においては、サンプルのプロタミン濃度は、曲線の最大勾配(すなわち、変曲点における勾配)から求めることができる。たとえば、“一次導関数”のプロット(651〜661の奇数番号プロット)を調べ、プロタミン濃度によるピーク高さの変化を記録する。
プロタミンの濃度を求めるためのこの方法を使用して、ヘパリンの濃度を求めることができる。これは、本発明の“ボーラス”法を使用して行うことができる。サンプル中に存在すると推定されるヘパリンを完全に結合させるのに十分な、そして過剰のプロタミンを溶液中に残すのに十分なプロタミンのボーラスを加えることができる。
プロタミンイオン選択性電極を過剰のプロタミンに曝露し、電位変化率のピークに達するまでの時間を記録する。この時間を670などの較正曲線と組み合わせて使用して、サンプル中の残存プロタミンの量を求めることができる。最初の既知プロタミン量、およびヘパリンへの既知プロタミンの化学量論的結合を使用して、サンプル中のヘパリン濃度を算出することができる。この方法は滴定を必要としない。この方法はさらに、既知量のプロタミンがあらかじめ装入されているサンプルカートリッジ(カートリッジに注入されるヘパリンをいつでも受け取れるようなっている)と組み合わせて使用することができる。
log(DEMF/dt)ボーラス法
図26Bと26Cは、実験結果およびボーラス法と共に使用してサンプル中のヘパリン濃度を求めることができる方法を示している。
ヘパリンの検出は、計量供給システム〔たとえば、圧力ポンプとミクロ弁(micro-valve)〕を使用して標準プロタミン溶液をサンプル溶液中に連続的に加える、ヘパリンの自動化電位差滴定によって行うことができる。しかしながら計器装備が複雑であり、小型化が簡単ではない。
こうした計量供給システムを取り除くべく、本出願者らは、サンプル中のヘパリンを中和するための一定量の乾燥プロタミンをカートリッジ中にあらかじめ装入すること、および余分の遊離プロタミンによって生じる電極電位の応答を測定することを含む方法を開発した。この方法においては、応答プロセスを記録し、最大応答速度を達成するのに必要とされる時間をヘパリンの定量化に使用する。しかしながら、この定量的方法は、特に、高濃度のヘパリンを含有するサンプルに対しては、応答曲線を得るのに多大の時間を必要とする。さらに、測定される終点時間と、サンプル中のヘパリン濃度との間に直線的な関係が認められない(図26Aを参照)。
ここでは我々は、乾燥プロタミンのボーラスという考え方に基づいた新規の定量的方法を説明する。この方法では、初期の電位応答速度(dEMF/dt)を測定し(図26Bを参照)、ヘパリン濃度とdEMF/dtの対数との間の良好な直線関係を使用してヘパリンの較正を行う(図26Cを参照)。
この方法を使用すると、全ての応答プロセスが終わるまで待つ必要がなく、初期の応答だけを記録すればよい。したがって、全体の分析作業を速やかに完了することができる。さらに、ヘパリン測定のための最適直線範囲は、サンプルの攪拌速度を変えることによって容易に調節できる、と本出願者らは考えている。攪拌速度が高いと、直線範囲は狭くなるが、低濃度のヘパリンに対しては高い分析能を有する(Catherter Labでの使用に適している)。一方、攪拌速度が低いと、直線範囲は広くなるが、分析能が比較的低くなり、CVORにおいて使用することができる。
ボーラス法を使用するヘパリンアッセイ・カートリッジシステムの例
図29Aは、流体の移送と攪拌のための、容積移送式の二方向流体ポンプ730を使用する、カートリッジベースのシステム700の主要エレメントの概略図を示している。システム700は、カートリッジ750、サンプルアプリケータ740、およびコンピュータ728で示されるコントローラ/アナライザを含む。
カートリッジ750は、流体通路756を収容するカートリッジボディ752を含む。流体通路756は、サンプルチャンバーまたはサンプルポート754から延びて、第1のセンサーチャンバー758を通って、任意の第2のセンサーチャンバー759を通って、圧力ポート760に達する。流体通路756は、サンプルポート754と、センサーチャンバー758および759との間に配置された第1の部分720、およびこれらのセンサーチャンバーと圧力ポートとの間に配置された第2の部分722を含む。第1のセンサー762は、ISEを流体通路756と接触させるように、センサーチャンバー758中に挿入されている。幾つかのシステムにおいては、ISEは、ポリエステル基材上にスクリーン印刷されており、センサーチャンバーは、最初はボトムに対して開放されている。ISEを、接着剤によってセンサーチャンバーのボトムに貼り付け、センサーチャンバーをシールする。ISEは、プロタミンISEと基準ISEを含んでよく、また第2のISEと対応する基準ISEを含んでよい(この場合、第2のISEを使用して異なった検体を測定することができる)。サンプルチャンバー758は、サンプル中に存在すると推定される最大量のヘパリンを中和するに足る量の乾燥プロタミンを収容してよい。
二方向ポンプ730は、圧力ライン734を介して、流体通路の最も遠位の箇所にて圧力ポート760に連結している。二方向ポンプは、ポンプモーター736によって、直線状移動(732で示す)の個別の増分が制御可能である。ポンプモーター736はモーター・コントローラ回路738によって制御することができ、モーター・コントローラ回路は、幾つかのシステムにおけるモーター・コントローラ・ケーブル739によって、コンピュータ728中にインストールされている研究室機器インターフェース回路に接続されている。
センサーチャンバー758は、カートリッジ流体通路756を通る中途に配置することができ、プロタミン感応性センサー762を収容してよい。このセンサーは、センサーコネクタ708を介してセンサー増幅器724に連結することができ、このセンサー増幅器は、高インピーダンスセンサーからの信号を緩衝・増幅することができる。センサー増幅器724は、センサー増幅器ケーブル726によって、コンピュータ728中にインストールされている研究室機器インターフェース回路に接続することができる。コンピュータ728は、データ収集と制御機器を一般的に表わすのに使用されている。このような機器を使用して、ポンプ730を駆動し、センサー762をモニターすることができる。あらゆる適切な専用機器、プログラム可能な機器、もしくはマイクロコントローラを、こうした機器として使用することができる。
ヘパリンを含有するサンプルの計量体積を、サンプルアプリケータ740を使用して、サンプルチャンバーもしくはサンプルポート754に導入することができる。二方向ポンプ730を作動させて、サンプルをチャンバーから流体通路756に繰り返し吸い込み、次いでサンプルをチャンバーに戻して、攪拌を行い、プロタミンをサンプル中に溶解することができる。この作業は、センサーによって自動的に開始させることもできるし、あるいは作業者がキーを押すことによって開始させることもできる。
プロタミンがサンプル中に溶解した後、二方向ポンプ730がサンプルをセンサーチャンバー754中に吸い込む。サンプルはセンサーチャンバー中にて約30秒静止していて、センサー762中のセンサー膜を“湿潤”させ、このときコンピュータがセンサー信号をモニターする。次いで二方向ポンプ730により、サンプルチャンバー758を横切ってサンプルを前後振動にて動かしつつ、コンピュータがセンサー信号をモニターし続ける。こうした振動により、センサー膜へのイオンの拡散が容易になると共に、コンピュータがセンサーの応答を測定する。ヘパリンの濃度は、振動を開始してから1分または2分以内に、遊離プロタミンに対する応答曲線の勾配から求めることができる。
ボーラス法の1つの例
予備装入の乾燥プロタミンとクエン酸塩ボーラスとを含んだカートリッジシステムを使用してヘパリンを測定するための1つの方法を以下に説明する。この例では、本発明による a bread boarded, prototype embodiment にインターフェースしたコンピュータプログラムにて動作するLabviewプログラムを使用した。図29Aのシステムに類似したシステムを使用した。
1. 血液サンプル(0.15ml)をサンプルリザーバに加えたら、オペレータが、キーボード上の“Start Measurement”をクリックする。シリンジポンプのピストンにより、サンプルをカートリッジチャンネル中に吸い込み、サンプルを約1分前後に動かして、チャンネル中に予備装入されている乾燥プロタミンとクエン酸塩を混合する。
2. 次いで、得られたサンプル溶液をセンサーチャンバー中に吸い込み、Labviewプログラムを作動させてセンサー膜の電位を記録する(毎秒測定する)。サンプル溶液をセンサーの表面上に、30秒という湿潤時間にわたって保持する。
3. 湿潤後、ポンプにより振動が開始され、膜相中への急速なプロタミン拡散によって膜電位が急激に増大する。
4. 振動を30秒行ってから測定を終える。
5. 次の測定のために、ポンプのピストンを、その最初の位置に戻す。
6. 初期の応答速度(dEMF/dt,直線状曲線の勾配)は、33秒、34秒、35秒、36秒、および37秒にて測定した5つの電位を使用することによって算出することができる。幾つかの方法においては、初期応答の勾配は、3点(中間点の両側のラインセグメントが、2つの外側点の間のラインに最も近いか、あるいは中間点と、中間点の両側の2点を通って引かれたラインとの間の距離が最小である)で画定される部分において測定する。言い換えると、測定点間のラインセグメントの勾配の平均を初期勾配として使用する。
7. 血液中のヘパリンの濃度がより高いと、カートリッジ中のより多くのプロタミンが中和され、したがって応答がより少なくなる(図30Aを参照)。各濃度に関してdEMF/dtを対数変換した後、直線状の較正曲線を得ることができる(図30Bを参照)。
2センサー型カートリッジ
図29B〜29Dはさらに、2つのISEセンサーチャンバーを有するカートリッジ750を示している。図29Bはカートリッジの上面図であり、図29Cはカートリッジの下部斜視図であり、図29Dはカートリッジの上部斜視図である。カートリッジ750は、流体通路756に連結された第1のサンプルチャンバーまたはサンプルポート754を有するボディ752を含み、ボディ752は、第1のセンサーチャンバー758と第2のセンサーチャンバー759を含み、ブラインドキャビティまたは圧力ポート760にて末端をなす。第1のセンサー762が第1のセンサーチャンバー758中に挿入されており、本実施態様においては、センサーチャンバー758は底部に対してオープンである。
粘度補償法
回転攪拌によるサンプルチャンバーを凌ぐ、二方向ポンプシステムの利点は、当該ポンプシステムが容積式であること、およびヘマトクリットと血液希釈が種々異なることによる全血の粘度変化に対して比較的感受性が低いはずであるということである。できるだけ高精度の粘度を考慮しなければならない場合、これは、別個の追加センサーと追加流体通路を使用することによって果たすことができ、このとき流体通路の寸法により毛管流が引き起こされ、サンプルが既知の流体通路長を移動してセンサーに達するのにかかる時間を測定し、サンプルの相対粘度を算出する。
ヘパリンアッセイ・カートリッジシステムに代わる実施態様
ヘパリンアッセイ・カートリッジシステムの性能を高めるために幾つかの方法を使用することができる。
サンプルの体積を自動的に計量するための方法をカートリッジ中に組み込むことができる。これは、ガス透過可能なベントを二方向ポンプと組み合わせて使用することによって実施することができる。これとは別に、弁または2つのポンプを用いる集成体を使用して、計量体積物を単離・移送することもできる。
クエン酸ナトリウムやEDTA二ナトリウム等の抗凝固薬をサンプル中に混合して、全血と一緒に使用したときにシステムの感応性を高めることができる。これは、サンプルをサンプルチャンバー中に導入する前に行うこともできるし、あるいはサンプルチャンバー内の最初のステップとしても行うことができる。
心血管手術室(CVOR)と心臓カテーテル検査室の種々の要件に対する範囲vs.感応性を最適化するために、二方向ポンプ速度の2つの別個のセッティングを使用することができる。これらのセッティングは、2つの異なった量のプロタミンを含有するカートリッジと組み合わせて使用することができ、カートリッジ上のコードによって自動的に、あるいは使用者によって手操作で選択することができる。これとは別に、適応できるアルゴリズムを使用して、初期の勾配をモニターし、次いで感応性と範囲の最良の組み合わせが得られるよう、ポンプ速度のセッティングを自動的に変えることができる。
使用者が別々のセッティングを選択して、断片化されていないヘパリンだけでなく種々のタイプの低分子量ヘパリンに対しても、異なった勾配-to-濃度アルゴリズムを適用することができる。低分子量ヘパリンの場合、結果は、アンチ-Xa相関関係(anti-Xa correlation)を含めた種々の単位にて表わすことができる。これとは別に、アルゴリズムを選択して、サンプル中に含まれている多くのヘパリンタイプの組み合わせ効果を測定することもできる。
サンプルチャンバーは、乾燥プロタミンの代わりに液体プロタミンを収容してよい。チャンバートップを覆う形の薄く延ばしたフィルムによってプロタミンをチャンバー内に保持することができ、サンプルアプリケータを使用して、フィルムの貫通と、チャンバー中へのサンプルの導入とを同時的に行うことができる。
直接的なヘパリンセンサー
上記の実施態様は、化学量論に基づいてヘパリンの量を測定するのにプロタミンセンサーを利用する。サンプル中のヘパリンに対して直接応答するヘパリンセンサーも開発した。ヘパリンアッセイ・カートリッジシステムにおいてヘパリン感応性電極を使用すると、カートリッジ中にプロタミンを配置する必要がなくなり、正確なサンプル体積が必要とされない。ヘパリンが直接測定され、応答の勾配を直接ヘパリン濃度に変換することができる。この方法では、サンプルブランク(ヘパリンが不活性化されている)を使用するのが効果的である。
電流駆動によるイオン交換体を含んだテストストリップ
ヘパリンアッセイ使い捨て器具およびその機器インターフェースの他の実施態様は、機器に必要とされる移動部分を持たない低コストの積層テストストリップをもたらす。この実施態様では、直接的なヘパリンセンサーを、使用者がサンプルを使い捨て器具に配置した後に、サンプルチャンバーへのサンプルの毛管流が起こるように設計された使い捨て器具と組み合わせて使用する。さらに、この実施態様では、センサーを横切ってサンプルを攪拌するための二方向ポンプが必要とされない。その代わりに、センサー膜前後のイオン交換を容易にするために、センサーに電圧を加える。この方法は、電流駆動とセンサーモニタリングの時間を交互にしてもよいし、あるいは補償センサー回路を組み込んで、電流駆動とセンサーモニタリングを同時に行ってもよい。
感度の向上
プロタミンイオン選択性電極センサーは、他の多くの電気化学的電位差センサーと異なって、典型的なネルンスト応答ではないユニークな応答を有する。プロタミンイオン選択性電極センサーは、ネルンスト応答ではなく、センサーのポリマー膜とサンプル溶液との間の界面において起こる、非平衡定常状態のイオン交換プロセスに依拠している。プロタミン感応性センサーの応答は、サンプル相へのプロタミンの拡散と、プロタミンイオン交換錯体のポリマー膜相中への拡散との両方によって決まる。このセンサーの低い検出限界は、センサーを高速(たとえば3,000RPM)で回転させる(本発明の種々の実施態様と組み合わせて使用する際に、実施可能な場合とそうでない場合がある)ことによって大幅に向上させることができる。
本発明の1つの方法においては、境界条件(boundary condition)を一定濃度の変化/フラックス(従来の方法のように)から一定濃度に変えることによって、ポリマー膜内の拡散が高められる。膜相内の拡散の向上は、理論的シミュレーションによって確認される。特に、理論的シミュレーションから、一定の境界濃度の場合においては、膜相内に、一定フラックスの場合における検体濃度より高い検体濃度が存在する、ということがわかる。このことはセンサーの電位変化がより高いことを意味しており、このことは感度の向上を意味している。
図27は、膜の内部で境界から5μmでの濃度を示している理論的プロットを表わしている。プロット684〜696は、センサー膜境界の内部で5μmでの濃度を示している。種々の量のプロタミンが、一定濃度(684〜696)vs.水性相中のプロタミンの連続的計量供給(682)として、水性サンプル相中に加えられている。この理論的プロットにおいては、250秒のタイムフレーム内にてイオン交換膜が高濃度のプロタミンに曝露されると、膜内の濃度が最も急激に上昇する(684を参照)。これとは逆に、より低い濃度のプロタミンに曝露されると、膜内のプロタミンの濃度は最もゆっくりと上昇する(696を参照)。プロタミンの濃度を種々変えた(具体的には、5、6、7、8、9、10、および11μモル濃度のプロタミン)ときの結果を、それぞれ696、694、692、690、688、686、および684にて示す。従来の弁による計量供給法(valve-dispensing method)を使用した場合の、膜内5μmでのプロタミンの理論的濃度を682にて示す。したがって、300秒においては、従来の方法は約0.2濃度(任意の単位)のプロタミンを示しているが、一定濃度の場合における10μモル濃度のプロタミンは、膜内にてほぼ2倍の濃度(任意の単位)を示している。
したがって、従来の滴定法と比較すると、新規ボーラス法はより感度が高く、試験時にプロタミンを計量供給する必要がない。したがって、計器装備を単純化することができる。さらに、ヘパリンをサンプルから別々に濾過あるいは除去した後に、同時的な較正が可能である。なぜなら、多くの計量供給ユニットを使用せずに、多くの試験を同じ使い捨てカートリッジで行うことができるからである。検出限界がより低くて済むこと、および分析能力の向上により、このセンサーを使用することで、治療学レベルのヘパリン(高分子量ヘパリンと低分子量ヘパリンの両方)をモニターすることができるようになる。
イオン選択性電極ポリマー
本発明は一般に、プロタミンに対して選択性のイオン選択性電極を形成するポリマー膜を使用することができる。一般には、このイオン選択性電極は、ポリマー、プロタミンを優先的に結合させるイオノフォアもしくはイオン交換体、および膜中へのプロタミンの拡散を容易にするか又は高める0種、1種、もしくはそれ以上の可塑剤を含んでよい。本発明においては、種々のポリマー、イオノフォア、ならびに可塑剤、および/または添加剤(使用するのが望ましいか、または必要とされる場合)を、種々の程度の適切さを伴って使用することができる。本発明の1つの実施態様においては、特殊化されたポリウレタンが、ポリマーマトリックス中の少なくとも1種のポリマーとして使用される。この特殊化ポリマーは、いわゆる“ソフト”セグメントもしくはゴム状セグメント(周囲温度においてセグメントの回転が容易)と“ハード”セグメント(結晶質、半結晶質、もしくはガラス質)の交互ブロックを含む。ハードセグメントとソフトセグメントは互いに離れていてもよく、これによりハードセグメントとソフトセグメントのミクロドメインが形成される。この特殊化ポリマー(熱可塑性エラストマーである)の合成の第一段階は、ポリマー鎖の末端がイソシアネート基(-N=C=O)またはヒドロキシル基(-OH)で終結しているプレポリマーの製造である。プレポリマーの製造は、ヒドロキシル基で終結している予備形成鎖状化合物(a preformed chain)(たとえば、ポリエステルグリコール、ポリエーテルグリコール、ハイドロカーボングリコール、ポリジメチルシロキサングリコール、またはポリカーボネートグリコール)を使用することを含んでよい。次いで、グリコール鎖状化合物(glycol chain)と1種以上のジイソシアネート〔たとえば、メチレン-4,4’-ジフェニルイソシアネート(MDI)、ダイマーイソシアネート、メチレン-4,4’-ジシクロヘキシルイソシアネート(H12-MDI)、ヘキシルメチレンジイソシアネート、または他のあらゆる適切なジイソシアネート〕とを反応させる。次いで、こうして得られるプレポリマーと1種以上のジオールおよび/またはジアミン(たとえば、エチレンジアミンおよび/またはブタンジオール)とを反応させて、プレポリマー鎖の末端を結び付け、このようにして熱可塑性エラストマーのポリマー鎖を生成させる。
本発明1つの実施態様にしたがって使用されるポリウレタンが、ソフトセグメントとハードセグメントの組み合わせを有するポリウレタンとして図28に示されている。ソフトセグメントは一般に、ダイマーイソシアネート〔たとえば1-デシル-4-ノニルシクロヘキシルジイソシアネート(環の2位にペンチル基を、環の3位にヘキシル基を有する)〕とブタンジオールおよび/またはダイマージオール〔たとえば1-デシル-4-ノニルシクロヘキシルジオール(環の2位にペンチル基を、環の3位にヘキシル基を有する)〕との反応によって形成される。
図28は、ダイマージイソシアネートとダイマージオールとブタンジオールとを、それぞれ2:1:2のモル比にて反応させたときに形成されるソフトセグメントの1つの例を示している。ソフトセグメントは一般に、直鎖脂肪族領域と環状脂肪族領域をウレタン基の間に含む。環状脂肪族領域は、直鎖脂肪族基のペンダントを有してよい。図28に示されている例においては、環状脂肪族基は、線状脂肪族のペンチル基とヘキシル基を、それぞれ環の2位と3位に有するように示されているが、ダイマーイソシアネートとダイマージオールに関して他の多くの異性体が可能である。本出願者らは、直鎖脂肪族領域の長さ(たとえばブタンジオール)が重要であるとは考えていない。直鎖脂肪族基または環状脂肪族基を使用してイオン選択性電極のソフトセグメント領域を形成させることができるが、他の疎水性部分も許容しうるポリウレタンをもたらす、と本出願者らは考えている。
図28はさらに、メチレンジフェニルイソシアネートとダイマージオール(たとえば1-デシル-4-ノニルシクロヘキシルジオール)とブタンジオールを5:3:1のモル比で反応させて得られる反応生成物として形成させることができるポリウレタンハードセグメントの1つの例を示している。したがってハードセグメントは、ソフトセグメントに関して前述したように、メチレンジフェニルイソシアネートと環状脂肪族から誘導される領域と、メチレンジフェニルイソシアネートと直鎖脂肪族から誘導される領域を交互に含む。
本発明において使用できるポリウレタンが米国特許第4,873,308号(該特許の全開示内容を参照により本明細書に含める)に記載されている。
プロタミンセンサーの製造例
プロタミンセンサーの製造において使用するイオン選択性電極用ポリマー溶液の調製方法の1つの例を以下に記す。
21.0mgのジノニルナフタレンスルホネート(DNNS)(コネチカット州ノーウォークのキング・インダストリーズ社から市販)と300mgの2-ニトロフェニルオクチルエーテル(NPOE)(ニューヨーク州ロンコンコマのフルカ・ケミカ・バイオケミカ社から市販)をガラス容器中で混合する。次いで同じガラス容器中に、3.0mgのテトラドデシルアンモニウムテトラキス(4-クロロフェニル)ボレート(ETH500)(ニューヨーク州ロンコンコマのフルカ・ケミカ・バイオケミカ社から市販)と80mgのターポリマー(PVC/PVA/ポリヒドロキシプロピルアクリレート)(ニューヨーク州オンタリオのサイエンティフィック・ポリマープロダクツ社から市販)を加える。次いで同じガラス容器中に、197mgのポリウレタン(本特許出願の他の箇所にて記載)と395mgのペレタン2363-AE(ミネソタ州ミッドランドのダウケミカル社から市販)を加える。次いで5.68mlのシクロヘキサノン溶媒を加え、攪拌棒とマグネチックスターラーを使用して攪拌する。各成分を完全に溶解させる。こうして得られるポリマー溶液は、固体が存在しない状態であるのが好ましく、また約450cpの粘度を有するのが好ましい。ポリマー溶液の粘度が低すぎる場合は、ポリマー溶液を濃縮して粘度を上昇させることができる。ポリマー溶液の粘度が高すぎる場合は、ポリマー溶液に溶媒を加えて粘度を下げることができる。
センサーの銀リード線を、0.5MのHClを含有する0.1MのFeCl3溶液で5分処理してAg/AgCl電極を形成させる。電極を脱イオン水で洗浄し、ドラフト中にて室温で一晩乾燥する。一方の電極(たとえば右側の電極)を1滴(3μl)のポリマー溶液で塗被する。他方の電極すなわち左側の電極は塗被せず、基準電極として作用させる。ポリマーで被覆されたセンサーをドラフト中に置き、室温で3時間乾燥する。電極をポリマー溶液でさらに塗被してから乾燥するという操作を必要に応じて繰り返して、所望の膜厚さを達成する。最後のポリマー塗被工程の後、電極を十分に乾燥する(たとえば、電極をドラフト中に室温で24時間静置することによって)。
銀の先端を膜で完全に被覆するのが好ましい。膜コーティング(銀ではない)の側面がカットされているとしても、あるいは小さな気泡を有しているとしても、センサーの性能は影響を受けない。ポリマー溶液の粘度が低すぎる場合は、ポリマーが大きなエリアに広がっていって基準電極を覆い、このためセンサーが廃棄処分されることがある。他方、ポリマー溶液の粘度が高すぎる場合は、最適なサイズの液滴を得るのが困難である。銀の先端がポリマー膜によって完全に被覆されていれば、そしてポリマーが基準電極を被覆していなければ、センサーは一般には許容しうる。
プロタミンセンサーの種々の実施態様に対する膜成分の濃度範囲(重量%にて)を下記に示す。“特殊化ポリウレタン”は、関連したテキストにおいて説明されている、図28に示したポリウレタンである。ETH500は、膜インピーダンスを減少させるためにポリマーセンサー膜中に添加剤として広く使用されている親油性の塩である。化学名はテトラドデシルアンモニウムテトラキス(4-クロロフェニル)ボレートであって、ニューヨーク州ロンコンコマのフルカ・ケミカ・バイオケミカ社から市販されている。ペレタンはダウケミカル社の商標であり、一群のポリウレタンを含む。下記のセンサー膜において使用されているペレタンは、ミネソタ州ミッドランドのダウケミカル社から市販のペレタン2363-80AEである。現在のさらなる情報は、http//www.dow.com/engineeringplastics/prod/na/pel.htmのウェブサイトにて見ることができる。ターポリマー(PVC/PVA/ポリヒドロキシプロピルアクリレート)は、ニューヨーク州オンタリオのサイエンティフィック・ポリマープロダクツ社から市販されている。組成は、塩化ビニルが80%、酢酸ビニルが5%、およびヒドロキシプロピルアクリレートが15%である。
第1の組成:
DNNS(0.5〜8%)
NPOE(15〜60%)
ETH500(0.1〜1%)
ターポリマー(2〜15%)
特殊化ポリウレタン(10〜50%)
ペレタン(10〜60%)
第2の組成:
DNNS(1〜5%)
NPOE(20〜40%)
ETH500(0.2〜0.5%)
ターポリマー(5〜12%)
特殊化ポリウレタン(15〜30%)
ペレタン(30〜50%)
第3の組成:
DNNS(2%)
NPOE(30%)
ETH500(0.3%)
ターポリマー(8%)
特殊化ポリウレタン(20%)
ペレタン(40%)
自己可塑性膜
本発明の1つの態様においては、そして他の実施態様においては、ISE膜/ポリマーは自己可塑性である。ISE膜には一般に可塑剤が使用され、可塑剤は、膜重量の相当部分(たとえば、実に半分)を構成することがある。可塑剤は、検体がISE膜を通って移動するのを可能にする。本発明の幾つかのISE膜においては、ISE膜中に未結合の可塑剤が存在しないか、あるいは実質的に存在しない。ISE膜は、主鎖(アクリレート主鎖であってよい)を有していて、ペンダント状の複数の親油性可塑化基を有するポリマーから作製することができる。
アクリレート主鎖とペンダント状の複数の親油性可塑化基を有するポリマーから膜を作製して、ポリマーに−10℃以下のTgを付与することができる。ポリマーのTgは、任意の適切な装置を使用して直接測定することができる。ポリマーのTgは、幾つかの実施態様においては、−10℃〜−70℃の範囲または−30℃〜−60℃の範囲である。親油性の可塑化基は、本発明において使用される幾つかのポリマーにおいてはC3-7アルキル基である。ポリマー中にC3-7アルキルアクリレートを使用すると、本質的にソフトで、可塑剤の添加を必要としないポリマーが得られる(すなわち、ポリマーは事実上、自己可塑性である)。
他の膜材料
幾つかの他の実施態様においては、セラミック、金属酸化物、ガラス、およびポリマー等の材料を、イオノフォアを輸送する膜の一部として使用することができる。幾らかは好ましい実施態様においては、多孔質のガラスもしくはセラミックを使用すると、イオン選択性のカクテルまたはポリマー溶液を細孔に装填することができる。ポリマーとしては、ポリウレタン、PVC、およびシリコーンゴムなどがある。幾つかのポリマーは、別個の可塑剤の添加を必要としない。本発明にしたがって使用されるポリマーは、アクリレート主鎖を有してよく、下記の1種以上のモノマーのポリマーもしくはコポリマーであってよい:アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、またはアクリル酸ヘプチル。ポリマーは、ホモポリマーであってもよいし、あるいは2種以上の異なったモノマー単位を含んだコポリマーであってもよい。異なったモノマー単位は、上記のC3-7アルキルアクリレートから誘導することができる。
プロタミンセンサーを使用する滴定方法の例
10,000U/mlのヘパリンを含有するヘパリンUSP原液のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)(pH=7.4)による逐次希釈によって、1,000U/mlのヘパリンを含有するヘパリン溶液と、100U/mlのヘパリンを含有するヘパリン溶液を調製する。100U/mlのヘパリン原液を使用して、緩衝液、全血、またはプール血漿(2U/ml、4U/ml、6U/ml等)における滴定に必要なヘパリンサンプルを調製する。プロタミンサルフェートUSPインジェクタブルの原液(溶液25ml当たり250mgの活性物質を含有する)から塩水中プロタミン溶液(0.9%)を調製する。プロタミン溶液の最終的な濃度は10mg/mlである。原液は冷蔵する。プロタミン試験溶液は通常、室温にて一週間は安定である。1ホイルポーチ(foil pouch)の乾燥PBS粉末(シグマ-アルドリッチ社)を1リットルの脱イオン水中に溶解することによって、PBS緩衝液を調製する。全血50ml当たり3.4%クエン酸ナトリウム5mlを混合することによって、クエン酸全血を調製する。クエン酸全血を遠心分離にかけることによって血漿を調製する。血漿(約150ml)は、10mlの遠心分離試験管中に−20℃にて保存する。凍結させた血漿は、一般には24週間にわたって安定である。
センサーを適切なハードウェア(たとえば、アルバータ・プリンテッド・サーキッツ社から市販の電気回路基板や、ナショナル・インスツルメンツ社から市販の電子制御回路)に接続する。電極を正しい位置に確実に配置する。センサーを適切なハードウェアとソフトウェアに接続した後に、センサーを較正する。センサーを較正する用意ができたら、データの収集を開始するか、あるいは適切なコンピュータ(たとえば、適切なハードウェアに接続された東芝サテライト2065CDSラップトップ型コンピュータ)によってソフトウェア(たとえばLabview Software)を制御する。制御ソフトウェアが、本特許出願に記載のアルゴリズムを実行する。これとは別に、滴定は、手操作で行うこともできる。Labviewを実行するときは、“STARTDAQ”をクリックする。センサーの電位(EMF)応答がウインドウに示される。緑色の線が、時間によるEMFの変化を示しており、赤色の線が、時間によるEMF応答変化の差(dEMF)を示している。ベースラインが安定しているときは、“Start LEE-VALVE”をクリックする。プロタミンが、インテグラルノズルを使用してミクロ計量供給弁から、滴定剤として1秒当たり1滴にてサンプル中に計量供給される(部品番号:INKA2437210H,VHS-LT弁,コネチカット州エセックスのLee Co.)。“S0”、“S1”、またはそれらの両方をクリックすると、計量供給速度を2倍、5倍、または10倍にすることができる。応答曲線が安定した最大電位に達したら、“STOP DISPENSE”をクリックする。“SAVE DATA”をクリックすると、適切なファイル名が得られる。他の滴定に対してこれらのステップを繰り返す。全ての測定が完了したら、LABVIEWを終了する。較正時間および未知量のヘパリンからの応答時間によって、同じエクセルワークシートを使用して、溶液中に存在するヘパリンの濃度、およびヘパリンを中和するのに必要なプロタミンの量を算出することができる。
使用されるサンプルのそれぞれ(たとえば、緩衝液、血漿、または全血)に対して較正曲線が作成される。血漿と全血に対する較正時間は、緩衝液に対する較正時間より長い。試験されるサンプルのそれぞれに対して、少なくとも2つの較正曲線/滴定曲線を作成することができる。較正に使用されるサンプルは、ヘパリンを全く含有しない。終点に達するまでの時間(秒)を使用して、未知サンプルのヘパリン濃度を算出する。全血もしくはプール血漿において実験を実行する前に、試験されるセンサーのそれぞれに対して1分のインキュベーション時間を与える(緩衝液に対しては、インキュベーション時間はない)。
滴定実験の場合、1mlのフレッシュなサンプル溶液をピペットでサンプルカップ中に移す。マグネチックスターラーのバーをサンプル溶液中に加える。マグネチックスターラーを使用してサンプル溶液を一定速度(たとえば600rpm)で攪拌して、溶液の速やかな混合を果たす。信頼できるデータを得るためには、一定速度のミキシングを保持するのが好ましい。センサーを電気回路基板に確実に接続する。電極が正しい位置に配置されているかどうかを再確認する。センサーの膜端部をサンプル溶液中に配置する。センサーがマグネチックスターラーに触れないように、またポリマー膜がサンプル溶液中に存在するように、電極を配置しなければならない。エアポンプ(DP0105,日東工機(株))をスタートさせ、圧力調整器(タイプ100,コントロールエア社)を使用して、液体プロタミンポーチの周りに300mmHg(〜5.9psi)の空気圧を加える。この場合、Lee弁を介して計量供給されるプロタミン溶液1滴の体積は25nlである。前述の手順にしたがう。
サンプル溶液中に存在する各ユニットのヘパリンは応答時間を長くする〔たとえば、ウシの肺のヘパリンIU/mlヘパリン〜30秒、ブタ粘膜のヘパリン〜25秒、LMWHフラグミン〜22.5秒、LMWHノルミフロー(Normiflow)〜35秒、LMWHロベノックス(Lovenox)〜40秒〕。存在するヘパリンの濃度は、較正時間、未知サンプルに対する滴定終点、およびヘパリンの種類を使用して算出する。ヘパリンを中和するのに必要とされるプロタミンの量は、ヘパリン-プロタミン結合の化学量論(1mgのプロタミンが100Uのヘパリンと反応する)を使用して算出することができる。
個別に示されている全ての刊行物、特許、および特許文献を参照により本明細書に含める。特定の実施態様と好ましい実施態様、および特定の方法と好ましい方法に関して本発明を説明してきたが、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の変更や改良を行ってよいのはもちろんである。
制御器、圧力源を使用して供給される滴定剤、およびプロタミンイオン選択性電極対とミキシング・エレメントとを含むカートリッジを含んだ、ポイント・オブ・ケアの自動ヘパリン濃度測定システムの概略図である。 穿刺可能なシールを使用してシールされた容器、プロタミンイオン選択性電極、基準電極、およびプロタミン・シリンジニードル(いずれもバキュテイナー・チューブ中に収容)を含んだヘパリン濃度測定カートリッジの側面図である。 ヘパリン含有サンプル中にプロタミンを注入したときの、作用電極と基準電極の間の電位差vs.時間の予測的なプロットである。 2つのチューブ状密閉容器(それぞれが、プロタミンイオン選択性電極、基準電極、およびプロタミン・シリンジを含み、2つのカートリッジのうちの一方が、ヘパリンが除去されているか、あるいは不活性化されていてブランクサンプルとなっている)を含んだ、ヘパリン濃度のポイント・オブ・ケア測定機器の側面図である。 ヘパリン含有サンプルとヘパリンを除去したブランクサンプルに関して、EMF差vs.プロタミン注入時間の、図2Bのプロットに類似した予測的なプロットである。 同軸上に配置されたプロタミン選択性電極と基準電極をプロタミン・シリンジと共に含んだ、ポイント・オブ・ケアの他のヘパリン濃度測定機器の側面図である。 図4Aの同軸電極対の水平断面図である。 電極対が並んだ状態の、図4Aの別の配置構成の水平断面図である。 作用電極がプロタミン選択性ISE膜で被覆された状態の、各電極に対して絶縁体が取り除かれていることを示している、図4Cの電極対の側面図である。 プロタミンイオン選択性膜と基準電極(どちらも基材上に印刷されていて、下部のサンプル曝露区域に延びている)を含んだ、スクリーン印刷された平面状プロタミンイオン選択性電極の正面図である。 図5Aの電極対の横断面図であり、プロタミン供給チャンネルが基材内に配置されていることを示している。 下部にサンプルウェルを有するカートリッジが組み込まれた、図5Aの電極対の正面図である。 図5Cのカートリッジの側面図である。 プロタミンイオン選択性電極と基準電極を基材上に含んだ、プロタミンイオン選択性電極の垂直横断面図である。 多検体検出能力を有する下部区域を含んだプロタミン滴定センサーの正面図である。 プロタミンエントリーチャンネルとマルチプルセンサーチャンネルを有する、図7Aの下部区域の部分斜視図である。 スクリーン印刷されたプロタミンイオン選択性電極と基準電極を有する平面状センサーの側面図である。 フレキシブルな基材をチューブ中に形成させた後の、図8Aの平面状電極の水平横断面図である。 サンプルを内部に、そしてプロタミン注入機器を下部に有するカートリッジ中に組み込まれた、図8Bのチューブ状電極の側面図である。 図8Cのカートリッジに類似してはいるが、プロタミンポーチ(針を進めてポーチを穿刺し、これによりプロタミンがサンプル中に注入される)を有しているカートリッジの概略側面図である。 ヘパリン含有血液のための第1のチャンバーと、ヘパリンを含有していない血液のための第2のチャンバーとを有する、ロータリー・スターラーを備えた別の平面状センサー設計物の上面図である。 幾つかのプロタミンイオン選択性電極を幾つかのプロタミンアリコート間に配置させた、直列プロタミンセンサーの上面図である。 図10Aのプロタミンイオン選択性電極対の詳細な上面図である。 図10Aからの、電位vs.センサー番号のプロットであり、低ヘパリン濃度の血液サンプルと高ヘパリン濃度の血液サンプルに対する予測的な結果を示している。 図10Aの場合と類似の幾つかの直列プロタミンセンサーを含んだ、マルチプルセンサーアレイ機器の上面図である。 幾つかの流路を並列にて有する並列プロタミンイオン選択性センサーアレイの正面図であり、各流路が、プロタミンイオン選択性電極の上流にプロタミンアリコートを有する。 プロタミンイオン選択性電極からの電位vs.センサー番号のプロットであり、低ヘパリン濃度の血液サンプルと高ヘパリン濃度の血液サンプルに対する予測的な結果を示している。 多数のプロタミンイオン選択性電極対を載せていて、センサースプールから巻き取りスプールまで延びているテープを含んだ、ヘパリン濃度測定システムの上面図である。 多数のプロタミンイオン選択性電極対を載せた、図13Aのテープの詳細な正面図である。 図13Bからの1つのイオン選択性電極対の詳細な図である。 図13Aのセンサーヘッドの詳細な図である。 図13Aに類似しているが、互いに引き離されたセンサーとサンプルポートを有する。 単一のプロタミン電極と多数のプロタミンアリコートを有するセンサーの正面図である。 単一のプロタミン電極、多数のプロタミンアリコート、および曲がりくねった通路を有する、他のセンサーの正面図である。 個別にアドレス可能で制御されたサンプルエントリーを有するチャンネル中に配置された多数のプロタミンアリコートと単一のプロタミン電極とを有する、さらに他のセンサーの正面図である。 図15Aのセンサーの上面図である。 サンプルポートから外向きに放射状に広がっているスポークとして配向していて、個別にアドレス可能で制御されたサンプルエントリーを有するチャンネル中に配置された多数のプロタミンアリコートと、単一のプロタミン電極とを有する、さらに他のセンサーの上面図である。 流体カラムによってかき混ぜが行われる、ヘパリン濃度測定カートリッジの概略上面図である。 図16Aのサンプルカートリッジの、端部の横断面図である。 空気を含有する空気袋に対向して配置されている回転カムもしくは偏心器(eccentric)を含んだ、図16Aと共に使用するための、1つの振動流体圧力供給源の概略側面図である。 揮発性液体と液体蒸気を内部に有する密閉チャンバー中にプロタミンポーチを含んだ、滴定一定圧力供給源の垂直横断面図である。 図17Aの一定圧力機器を制御するためのシステムの概略図である。 プロタミン感応性電極から受け取る電位に応じて、調節可能な液滴計量供給速度を使用してヘパリンをプロタミンで滴定するための方法のフローチャートである。 図18の調節可能な液滴計量供給方法に対して、電位vs.時間のプロット、および時間による電位変化率vs.時間のプロットで示されている実験結果である。 ヘパリンが存在しないときの、種々の一定液滴計量供給速度と図18の調節可能な計量供給速度方法に対する、電位vs.時間のプロットで示されている実験結果である。 6ユニットのヘパリンが存在するときの、種々の一定液滴計量供給速度と図18の調節可能な方法に対する、電位vs.時間のプロットで示されている実験結果である。 種々の量のヘパリンを、ゆっくりした一定液滴計量供給速度と図18の調節可能な方法によって滴定することに対する、電位vs.時間のプロットで示されている実験結果である。 図22の実験結果を含んだ表であり、液滴カウント数と調節可能な液滴計量供給方法との比較を示している。 プロタミンポリカチオンが膜中に拡散する前のイオノフォアDNNSを含んだ、プロタミンイオン選択性電極膜の概略図である。 プロタミンポリカチオンが膜中に拡散した後のイオノフォアDNNSを含んだ、プロタミンイオン選択性電極膜の概略図である。 種々の量のヘパリンをプロタミンで滴定した実験結果を電位vs.時間のプロットで示している。 プロタミンイオン選択性電極を種々の濃度のプロタミンに曝露して電位のピーク変化率の時間を求める、という実験結果を示しており、この結果を使用して、プロタミンイオン選択性電極をいわゆる“ボーラス”法に関して較正することができる。 プロタミンイオン選択性電極を、過剰のプロタミンボーラスに加えられた種々の濃度のヘパリンに曝露して、種々のヘパリンサンプル濃度に関して電位差の初期変化率を求める、という実験結果を示しており、この結果を使用して、プロタミンイオン選択性電極を“ボーラス”法に関して較正することができる。 dEMF/dtの対数vs.図26Bからのヘパリン濃度結果の関係を示しており、“ボーラス”法を使用してサンプル中のヘパリン濃度を求める上で、幾つかの実施態様において使用できる直線関係を示している。 ヘパリンの滴定における従来の弁によるプロタミン計量供給と、種々の濃度のプロタミンへの膜の即時曝露に対して、イオン選択性電極膜のすぐ内側の濃度vs.時間をプロットした理論的シミュレーションを示している。 直鎖状脂肪族領域と環状脂肪族領域をウレタン基間に含んだ、プロタミンイオン選択性電極において使用することができる、ある1種のポリウレタンの化学構造である。 単純な流路を有する2つのセンサーカートリッジを含んだ、容積式の可逆流体ポンプを使用するカートリッジベースのシステムの絵図である。 図29Aの2つのセンサーカートリッジの上面図である。 図29Aの2つのセンサーカートリッジの下部斜視図である。 図29Aの2つのセンサーカートリッジの上部斜視図である。 種々のヘパリン濃度を用いて、図29Aのシステムと類似のシステムをボーラス法にて使用したときのEMFvs.時間の実験結果を示している。 初期勾配の対数プロットvs.図30Aの実験結果からのサンプルヘパリン濃度の関係を示している。

Claims (69)

  1. 流体通路および前記流体通路と流体連通状態にあるサンプルポート、を含んだカートリッジ;
    前記流体通路と流体連通状態にあるプロタミンイオン選択性電極(ISE)対;および
    前記流体通路と流体連通状態にて配置された既知量のプロタミン;
    を含む、サンプル中のヘパリンの濃度を測定するためのシステム。
  2. 流体チャンネル中の圧力を変動させるための手段をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
  3. プロタミンISE対の出力信号の第1の変化率を測定するための手段をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
  4. サンプル中のヘパリンの濃度を、少なくともある程度は時間に対するプロタミンISE対の出力の変化率の関数として算出するための手段をさらに含む、請求項3に記載のシステム。
  5. ヘパリンの濃度を算出するための手段が、サンプルをカートリッジに加える約2分前に、プロタミンISE対の出力の、時間に対する初期変化率を測定することを含む、請求項4に記載のシステム。
  6. 流体通路と流体連通状態にある圧力ポートをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
  7. 圧力ポートとサンプルポートが、プロタミンイオン選択性電極(ISE)対に関して流体通路の相対する側に配置されている、請求項6に記載のシステム。
  8. 圧力ポートとサンプルポートが、プロタミンイオン選択性電極(ISE)対に関して、流体通路の同じ側に配置されている、請求項6に記載のシステム。
  9. 流体通路が、プロタミンイオン選択性電極(ISE)対に関して、圧力ポートとは反対側の流体通路区域に圧縮可能な流体を含む、請求項8に記載のシステム。
  10. プロタミンイオン選択性電極(ISE)対が、圧力ポートに圧力を加えることで圧縮可能な流体が圧縮されるように、そしてサンプルがISEを横切って移動するように、圧縮可能な流体を含んだ流体通路の閉じた部分と圧力ポートとの間に配置される、請求項6に記載のシステム。
  11. 動作可能なように流体通路に連結された圧力供給源を変動させることをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
  12. 変動圧力供給源が機械式である、請求項11に記載のシステム。
  13. 変動圧力供給源が電気機械式である、請求項11に記載のシステム。
  14. 変動圧力供給源が空気圧式である、請求項11に記載のシステム。
  15. 流体通路と流体連通状態にて配置されたある量のクエン酸塩をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
  16. サンプル中の全てのヘパリンを結合させるに足る量のプロタミンをサンプルに加えること;
    サンプル中の残存プロタミンの濃度を、プロタミンイオン選択性電極対を使用して測定すること;および
    残存プロタミンの濃度を使用して、サンプル中の初期ヘパリン濃度を算出すること;
    を含む、サンプル中の初期ヘパリン濃度を測定するための方法。
  17. 残存プロタミンの濃度を測定することが、プロタミンイオン選択性電極対からの信号の、時間に対する変化をモニターすることを含む、請求項16に記載の方法。
  18. 残存プロタミンの濃度を測定することが、プロタミンイオン選択性電極対からの信号の、時間に対する変化をモニターすること、およびプロタミンイオン選択性電極対の信号の、時間に対する変化の初期勾配を使用することを含む、請求項16に記載の方法。
  19. 残存プロタミンの濃度を測定することが、既知ヘパリン濃度のサンプルに対して類似の方法で得られる一組の初期勾配を使用することを含む、請求項18に記載の方法。
  20. 残存プロタミンの濃度を測定することが、
    プロタミンイオン選択性電極対からの信号の、時間に対する変化をモニターすること;
    プロタミンイオン選択性電極対からの信号の、時間に対する変化の最大変化率の所要時間を測定すること;および
    既知ヘパリン濃度のサンプルに対して類似の方法で得られる一組の時間を使用して、プロタミンの濃度を前記測定時間の関数として測定すること;
    を含む、請求項16に記載の方法。
  21. 残存プロタミンの濃度を測定することが、
    プロタミンイオン選択性電極対からの信号の、時間に対する変化をモニターすること;
    プロタミンイオン選択性電極対からの信号の最大変化率を測定すること;および
    既知ヘパリン濃度のサンプルに対して類似の方法を使用して得られる電位差の一組の最大変化率を使用して、プロタミンの濃度を前記測定最大変化率の関数として測定すること;
    を含む、請求項16に記載の方法。
  22. 乾燥したプロタミンを、測定において使用したカートリッジ中にプレロードする、請求項16に記載の方法。
  23. プロタミンイオン選択性電極を、未知濃度のプロタミンを含有するサンプルにさらすこと;
    基準電極を前記サンプルにさらすこと;
    プロタミンイオン選択性電極と基準電極との電位差を、ある時間にわたって追跡すること;および
    プロタミンの濃度を、少なくともある程度は時間に対するプロタミンイオン選択性電極と基準電極との電位差の関数として測定すること;
    を含む、プロタミンの濃度を測定するための方法。
  24. プロタミンイオン選択性電極が、ポリマー、可塑剤、ならびにDNNSおよび/またはその誘導体を含んだイオノフォアを含む、請求項23に記載の方法。
  25. プロタミンの濃度を測定することが、
    時間に対する電位差の最大変化率の所要時間を測定すること;および
    既知プロタミン濃度のサンプルに対して類似の方法で得られる一組の時間を使用して、プロタミンの濃度を前記測定時間の関数として測定すること;
    を含む、請求項24に記載の方法。
  26. プロタミンの濃度を測定することが、
    電位差の最大変化率を測定すること;および
    既知プロタミン濃度のサンプルに対して類似の方法を使用して得られる電位差の一組の最大変化率を使用して、プロタミンの濃度を電位差の測定最大変化率の関数として測定すること;
    を含む、請求項23に記載の方法。
  27. プロタミンの濃度を測定することが、
    電位差の変化率の初期勾配を測定すること;および
    既知プロタミン濃度のサンプルに対して類似の方法を使用して得られる電位差の一組の初期勾配を使用して、プロタミンの濃度を測定初期勾配の関数として測定すること;
    を含む、請求項23に記載の方法。
  28. プロタミンの濃度を測定することが、
    曝露の約2分以内の時間窓における電位差の変化率を測定すること;および
    既知プロタミン濃度のサンプルに対して類似の方法を使用して得られる電位差の一組の変化率を使用して、プロタミンの濃度を測定変化率の関数として測定すること;
    を含む、請求項23に記載の方法。
  29. 第1のポリマー、可塑剤、およびポリイオンに結合するためのイオノフォアを含んだ第1の電極、前記イオノフォアは、第1の無視できない濃度にて存在する;および
    第1のポリマーと可塑剤を含んだ第2の電極;
    を含むポリイオン選択性電極対。
  30. ポリイオン選択性電極対が自己可塑性ではなく、可塑剤が、ポリマーに加えられる可塑化用物質を主として含む、請求項29に記載のポリイオン選択性電極対。
  31. 可塑剤が、主として、ポリマーに共有結合していない少なくとも1種の化合物である、請求項29に記載のポリイオン選択性電極対。
  32. 第2の電極が、前記第1のイオノフォア濃度より実質的に高い第2の濃度にて存在するイオノフォアをさらに含む、請求項29に記載のポリイオン選択性電極対。
  33. イオノフォアが、プロタミンをポリマー内に輸送するためのイオノフォアである、請求項29に記載のポリイオン選択性電極対。
  34. イオノフォアがDNNSを含む、請求項33に記載のポリイオン選択性電極対。
  35. イオノフォアが、DNNSもしくはその誘導体および/またはそれらの組み合わせ物を含む、請求項33に記載のポリイオン選択性電極対。
  36. 可塑剤がNPOEを含む、請求項31に記載のポリイオン選択性電極対。
  37. 第1の電極を溶液にさらすこと;
    第2の電極を溶液にさらすこと;および
    ポリイオンの濃度を、第1の電極と第2の電極の間の電位差の関数として測定すること;
    を含む、溶液中のポリイオンの濃度を測定するために、請求項29に記載のポリイオン選択性電極を使用する方法。
  38. ポリイオンがプロタミンを含み、イオノフォアがプロタミンをポリマー中に輸送する、請求項37に記載の方法。
  39. イオノフォアがDNNSを含む、請求項38に記載の方法。
  40. 第1の血液サンプル中の実質的に全てのヘパリンを不活性化させて基準サンプルを作製すること;
    基準サンプルにさらされた第1のイオン選択性電極対の出力を測定すること、前記第1の電極対は、プロタミンイオン選択性電極と基準電極を有する;
    第2の血液サンプルにさらされた第2のイオン選択性電極対の出力を測定すること、前記第2の電極対は、プロタミンイオン選択性電極と基準電極を有する;および
    第1の電極対の出力によって調整された第2の電極対の出力を使用して、第2のサンプル中のヘパリン量を測定すること;
    を含む、第1の血液サンプル中のヘパリンを測定する方法。
  41. 第1と第2の血液サンプルが一般的な血液サンプルに由来する、請求項40に記載の方法。
  42. 第1の血液サンプルが、患者から第1の時点にて採取され、第2の血液サンプルが、同じ患者から第1の時点の後の第2の時点にて採取される、請求項41に記載の方法。
  43. 第1と第2の電極対の出力の測定が互いに実質的に同時に行われる、請求項41に記載の方法。
  44. 第2の電極対の出力の測定が第1の電極対の出力の測定の後に行われる、請求項41に記載の方法。
  45. 同じ患者からの第3の血液サンプルを第3の電極対を使用して測定することをさらに含む、請求項44に記載の方法。
  46. 不活性化させることが酵素を使用してヘパリンを分解させることを含む、請求項40に記載の方法。
  47. 不活性化させることがヘパリンを結合させることを含む、請求項40に記載の方法。
  48. 不活性化させることが、固体マトリックス上に固定化されたポリカチオンにヘパリンを結合させることを含む、請求項40に記載の方法。
  49. 不活性化させることがポリリシンにヘパリンを結合させることを含む、請求項40に記載の方法。
  50. 第1のプロタミンISE対と第1の混合手段を有する第1のサンプルチャンバー;
    第2のプロタミンISE対と第2の混合手段を有する第2のサンプルチャンバー;
    第1のサンプルを第1のサンプルチャンバー中に移送するための第1のサンプル移送チャンネル;
    第2のサンプルを第2のサンプルチャンバー中に移送するための第2のサンプル移送チャンネル;および
    第1のサンプルチャンバーに入ってくるヘパリンを結合、分解、および/または、不活性化させるための、第1の移送チャンネルと連通状態にあるヘパリンリムーバー;
    を含むヘパリン濃度測定システム。
  51. 第1と第2のチャンネルが一般的なサンプル移送チャンネルに由来する、請求項50に記載のシステム。
  52. 第1と第2のチャンバーがそれぞれ穿刺可能なシールを含み、第1と第2の移送チャンネルがシールを穿刺することによって形成される、請求項50に記載のシステム。
  53. サンプルと、サンプル中に存在すると推定される全てのヘパリンを結合させるに足る量のプロタミンとをサンプルチャンバーに加えて、サンプルとプロタミンを混合すること;
    基準電極とプロタミン感応性電極との間の電位差をある時間にわたって得ること、このとき電極は混合サンプルと接触状態にある;および
    電位差対時間の実質的に線形の領域において、ヘパリンの濃度を、少なくともある程度は時間に対する電位差の勾配の関数として測定すること;
    を含む、サンプル中のヘパリンの濃度を測定するための方法。
  54. 種々の異なったプロタミン濃度の勾配の対数vs.ヘパリン濃度のプロットが実質的に直線状である、請求項53に記載の方法。
  55. 既知プロタミン濃度の溶液を類似した第2の基準電極対且つプロタミン感応性電極対にさらすことによって、ヘパリンの濃度を測定する際に使用するための較正値を得ること、および前記第2の基準電極対且つプロタミン感応性電極対に対する電位差を得ることをさらに含む、請求項53に記載の方法。
  56. プロタミンを輸送するイオノフォアとセグメント化されたポリウレタンを含んだポリマーとを含むプロタミン感応性電極であって、前記ポリウレタンが、よりハードなセグメントとよりソフトなセグメントを交互に含んでいて、前記のよりハードなセグメントとよりソフトなセグメントがウレタン基によって連結されており;
    前記のよりソフトなセグメントが、一般的な反復構造式-(R1-U-R2-U)m-を有するポリウレタンを含み、このとき
    R1は、環状脂肪族炭化水素環に結合していてj個の炭素原子を有する第1の炭化水素鎖と、環状脂肪族炭化水素環に結合していてk個の炭素原子を有する第2の炭化水素鎖とを含んだ主鎖であって、jとkが約4〜12であり;
    Uはウレタン基であり;
    R2は、エーテル基とエステル基を実質的に含まず、約1000未満の分子量を有する炭化水素部分であり;そして
    mの平均値は1以上であり;
    前記のよりハードなセグメントが、一般的な反復構造式-(R3-U-R4-U)n-を有するポリウレタンを含み、このとき
    R3とR4は、エーテル基とエステル基を実質的に含まない炭化水素部分であり;
    R3は、脂肪族直鎖炭化水素、脂肪族分岐鎖炭化水素、および脂肪族環状炭化水素からなる群から選択され、ハードセグメントが、脂肪族直鎖炭化水素、脂肪族分岐鎖炭化水素、および脂肪族環状炭化水素からなる群から選択される1つ、2つ、またはそれ以上のメンバーを有してよく;
    R4は、主鎖中に少なくとも1つの芳香族基を含み;
    Uはウレタン基であり;そして
    nの平均値は1以上である;
    前記プロタミン感応性電極。
  57. R1の第1の炭化水素鎖と第2の炭化水素鎖が約8〜10の鎖長を有する、請求項56に記載のプロタミン感応性電極。
  58. R1の環状脂肪族炭化水素環が、6個の炭素原子を有していて、約2〜6の鎖長を有する第1のペンダント炭化水素を2位に、そして約2〜6の鎖長を有する第2のペンダント炭化水素を3位に含む、請求項57に記載のプロタミン感応性電極。
  59. ハードセグメントR3が、幾つかの場合においては、環状脂肪族炭化水素環に結合していてj個の炭素原子を有する第1の炭化水素鎖と、環状脂肪族炭化水素環に結合していてk個の炭素原子を有する第2の炭化水素鎖とを含んだ主鎖であって、このときjとkが約4〜12であり、Uはウレタン基であり;そしてハードセグメントR3が、他の場合においては、ハードセグメント中において、約2〜6の鎖長を有する直鎖炭化水素である;請求項56に記載のプロタミン感応性電極。
  60. ハードセグメントR4がメチレンジフェニルを含む、請求項56に記載のプロタミン感応性電極。
  61. ソフトセグメントR1が1-デシル-4-ノニルシクロヘキシル基であって、R2が約2〜6の鎖長を有する直鎖炭化水素である、請求項56に記載のプロタミン感応性電極。
  62. ソフトセグメントR1が1-デシル-4-ノニルシクロヘキシル基であって、約4〜6の鎖長を有するペンダント炭化水素鎖を2位および/または3位に有する、請求項61に記載のプロタミン感応性電極。
  63. ハードセグメントR3が、ハードセグメントの幾つかの場合において1-デシル-4-ノニルシクロヘキシル基である、請求項56に記載のプロタミン感応性電極。
  64. 可塑剤をさらに含む、請求項56に記載のプロタミン感応性電極。
  65. ポリマーが自己可塑性であり、可塑剤がポリマーに結合される可塑化用基を含む、請求項64に記載のプロタミン感応性電極。
  66. 可塑剤が2-ニトロフェニルオクチルエーテル(NPOE)を含む、請求項64に記載のプロタミン感応性電極。
  67. ペレタン80Aをさらに含む、請求項56に記載のプロタミン感応性電極。
  68. ハードセグメント、ソフトセグメント、およびペレタン80Aで形成されるコポリマーをさらに含む、請求項56に記載のプロタミン感応性電極。
  69. イオノフォアがジノニルナフタレンスルホナート(DNNS)を含む、請求項56に記載のプロタミン感応性電極。
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