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JP2007525971A - 癌に関連する変異体細胞表面分子 - Google Patents

癌に関連する変異体細胞表面分子 Download PDF

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Abstract

【解決手段】 mesovt2のタンパク質及び核酸配列、それらに対する特異的抗体、mesovt2産生細胞の成長を標的化及び/若しくは阻害する方法、及び、悪性度を診断するためにmesovt2を使用する方法が提供される。特定の癌、特にmesovt2抗原の細胞表面発現が増加した癌(例えば、膵臓腺癌、肺癌、及び卵巣癌など)の治療において、mesovt2抗体を使用する方法も提供される。本発明は、モノクローナル抗体、誘導体、及び断片を発現する細胞にも関するものである。
【選択図】 図4

Description

本明細書は、2003年8月5日に出願された米国特許仮出願番号第60/493,040号明細書、及び2003年9月12日に出願された米国特許仮出願番号第60/502,715号明細書に対して優先権を主張するものであり、それぞれの全体はこの参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、メソテリン(mesothelin)変異体であるmesovt2の発見に関するものであり、このmesovt2のRNA及びタンパク質発現は、癌に関連している。本発明は、前記タンパク質及び核酸配列を利用する及び産生する方法、及びmesovt2を産生している細胞の成長を標的化する及び/若しくは阻害する方法、及びmesovt2によって悪性度を診断するために使用する方法を含む。治療に使用する方法は、mesovt2−特異的ポリペプチド及びその誘導体を使用することによる、液性及び細胞性仲介免疫を含む。特定の癌、特に、例えば膵臓腺癌、肺癌及び卵巣癌などのmesovt2抗原の細胞表面発現が増加している癌の治療において、抗体は有用である。本発明は、モノクローナル抗体、キメラ及びヒト化モノクローナル抗体などの抗体誘導体、抗体断片、前記モノクローナル抗体、誘導体及び断片を発現している哺乳類細胞を発現しているハイブリドーマ細胞と、mesovt2に特異的な抗体、誘導体及び断片を用いて癌を検出し治療する方法とに関するものである。
悪性組織に特異的な細胞表面抗原の同定は、癌を治療するための治療アプローチを提供する。多くの細胞表面抗原は、正常組織と比較すると、悪性組織においては過剰発現していると報告されているが、悪性状態において一部のみが特異的に発現している(1)。選択的スプライシング、異常転写後修飾、或いは変異に起因した構造性変異を示す、細胞表面タンパク質の同定は、疾患特異的組織に関連した標的抗原に別のレベルの特異性を与える(1)。メソテリン(Mesothelin)は、69kDa前駆体として合成され、30kDaのNH−末端分泌型及び40kDaの膜結合型へとタンパク質分解的に処理された、グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)−連結糖タンパク質である(2)。メソテリンは、正常中皮細胞上、及びいくつかの腫瘍(例えば、中皮種及び卵巣癌を含む)の表面上に存在することが報告されてきた(2、3、4、5)。メソテリン(ここではメソテリンAと言及される)は、2つの分類:1番目の分類は、卵巣癌細胞株OVCAR3で免疫化したマウスから単離された抗血清を使用し(5)、2番目の分類は、巨核球増強因子としてコード化cDNAをクローン化した(6)、によって同定された。その後、3番目の分類は、可溶性アイソフォームを生じる選択的スプライシング変異体を同定した(7)。いくつかのグループは、癌に対するメソテリンA−特異的免疫療法を使用するための治療アプローチを開発したが、正常中皮上でのこの抗原の強い発現に起因した、激しい副作用が報告された(8)。Chowdhuryら(9、10)は、シュードモナスエンテロトキシンA[SS1(scFv)−PE38]に由来した免疫毒素と抱合し、メソテリンAを発現した細胞を特異的に殺傷することができ、完全長メソテリンA cDNAで安定に形質移入された異所性s.c.頸類表皮癌細胞に対して抗腫瘍効果を発揮する(10)、単鎖抗体とのメソテリンA高結合親和性の利用を教示している。
本発明者らは、癌細胞タイプに関連し、mesovt2と呼ばれる共通メソテリンアイソフォームの発見を本明細書において報告する。この抗原は、開示されたメソテリンAを標的化できる抗体の使用及び免疫ベース療法を記載した他の人によって報告され(5、6、7)、米国特許番号第5,320,956号、第5,525,337号、5,817,313号、第6,083,502号、及び第6,153,430号に参照されたものとは異なるアイソフォームを提示している。Mesovt2は、特異的抗血清、及び悪性細胞タイプを標的化でき、中皮組織などの正常組織を損傷することによってあり得る毒性を避けることができる、本分野では既知である他の免疫療法戦略の開発のために有用である(8)。
メソテリンAタンパク質に対する抗体及び免疫毒性の投与は、卵巣癌の治療ようの戦略として提案されてきた(9、10)。中皮細胞におけるこのメソテリンアイソフォームの強い発現に起因して、この種を標的化することによる副作用が生じる可能性がある。mesovt2がより共通して癌細胞株及び悪性組織と関連しているように見えるという発見によって、癌特異的標的化にとって有用であり、それによって、原発性中皮細胞で発現したメソテリンAアイソフォームを認識しないことによる毒性を避けることができることが示唆された。
癌での抗体療法の困難な問題は、しばしば前記抗体の標的が、腫瘍組織と同様に正常組織でも発現していることである。従って、癌細胞を殺傷するために使用される抗体は、正常細胞に対する有害な効果も有する。ユニークな標的或いは癌組織において優先的に発現された標的を発見することは、多くの癌において困難であったと示された。卵巣癌、膵臓癌、肺癌、及び他のメソテリンを有する癌に対しており、正常組織との反応性の問題を回避した、より効果的な抗体療法が必要とされている。mesovt2の特異的標的化は、この問題を回避し、癌特異的療法を提供する。
メソテリンを過剰発現している腫瘍は、mesovt2と呼ばれるスプライス変異体を発現する傾向があると発見された。あらゆる特定の理論によって縛られることを望まず、mesovt2の発現は、悪性細胞タイプに対する選択的利点を提供すると考えられる。以前に、他の研究者によって、多くの癌におけるメソテリンの過剰発現が発見されたが、同定されたアイソフォームは、メソテリンA形態であった。癌細胞株或いは原発悪性細胞におけるmesovt2の発現は、以前には記載されていなかった。Kojimaら(6)は、膵臓癌細胞株から単離した、巨核球増強因子(MPF)と呼ばれる69kDaのタンパク質を同定し、それによってmesovt2可変配列が前タンパク質前駆体の一部として存在することを示した。しかしながら、MPFの発現解析によって、前記遺伝子産物の強い発現は、正常肺において観察された。この発見は、本発明の利用性を示唆し、mesovt2特異的ヌクレオチド、或いはタンパク質ベースプローブを用いて、前記mesovt2アイソフォームの特異的発現が決定され得る。
本発明は、mesovt2と呼ばれる変異体メソテリン分子をコード化したヌクレオチド及びタンパク質配列、及び抗体を提供する。Mesovt2は、癌細胞において特異的に発現される。Mesovt2発現は、様々な形態の癌の診断及び治療に有用である。そのような治療方法の1つは、特異的抗体であって、mesovt2に対する抗体は、mAB K1(Changらによって開発された(3))或いはSS1(scFv)−PE38(Chowdhuryらによって開発された(9、10))によって容易に検出されるメソテリンAアイソフォームとは区別され得るものである、すなわち、(a)前記抗体は、K1及びSS1(scFv)−PE38抗体によって認識されるものとは別のアイソフォームを認識し、mAB K1或いは単鎖fvSS1(scFv)−PE38によって認識されるエピトープとは別のエピトープに結合する、(b)前記抗体は、mesovt2アイソフォームを特異的に認識できる、或いは(c)前記抗体は、メソテリンAとは異なるmesovt2のドメインを認識するものである。
本発明の抗体は、少なくとも約1x10−7M、1x10−8M、1x10−9M、1x10−10M、1x10−11M、1x10−12Mの親和性を有しており、標的細胞の細胞表面上のエピトープを認識する。
本発明の抗体は、キメラ抗体であり、これに限定されるものではないが、これはヒト−マウスキメラ抗体を含む。本発明の抗体は、ヒト化抗体でもある。本発明は、本発明の抗体を発現するハイブリドーマ細胞、本発明の交代をコード化するポリヌクレオチド、本発明の抗体をコード化するポリヌクレオチドを有するベクター、及び本発明のベクターを有する発現細胞も提供する。
本発明は、mesovt2アイソフォームに特異的に結合し、メソテリンA形態には結合しない抗体を産生する方法も提供し、ここにおいて前記抗体は、mAb K1及びSS1(scFv)−PE38とは、(a)前記抗体は、mAb K1及びSS1(scFv)−PE38によって検出されるエピトープとは異なるエピトープに結合する、或いは(b)前記抗体はmesovt2を提示する特異的エピトープに結合するという点で異なっているものである。前記方法は、本発明の抗体を発現するハイブリドーマ細胞、或いは本発明の抗体をコード化するポリヌクレオチドを含むベクターを有する発現細胞を培養する工程を有する。本発明の発現細胞は、細菌、酵母、昆虫、或いは動物細胞であり、好ましくは哺乳類細胞である。
本発明はさらに、mesovt2の発現の増加に関与する形成異常細胞の成長を阻害する方法を提供し、この方法は、そのような形成異常細胞を有する患者へ、mesovt2アイソフォームに特異的に結合する抗体を有する組成物を投与する工程を有し、ここにおいて前記抗体は、mAb K1或いはSS1(scFv)−PE38とは、(a)前記抗体はmAb K1或いはSS1(scFv)−PE38のエピトープとは異なるエピトープに結合する、(b)前記抗体は、mAb K1或いはSS1(scFv)−PE38と比較して、前記mesovt2アイソフォームに対して有意な親和性を有して結合する、或いは(c)前記抗体は、メソテリンの前記mesovt2アイソフォームへの結合に対して、mAb K1或いはSS1(scFv)−PE38とは競合しないという点で異なっている。前記方法は、例えば、これに限定されるものではないが、肺、卵巣、及び膵臓癌などの様々な形態異常状態に対して使用される。特定の実施形態において、前記患者は、ヒト患者である。いくつかの実施形態において、前記抗体は、これに限定されるものではないが、例えば放射性ヌクレオシド、トキシン、及び化学療法因子などの免疫毒性因子と抱合されるものである。
本明細書において参照されたGenBankデータベース配列に対するアクセッション番号を含む、参照研究、特許、特許出願、及び科学論文は、当業者の知識を構築し、それぞれが特定に、個々に参照によって組み込まれるように示されたのと同等に、それらの全体はこの参照によってここに組み込まれるものである。ここに引用されたあらゆる参考文献と、本明細書の開示との間の不一致は、後者を支持して解決されるべきものである。同様に、単語や語句の本分野で理解された定義と、本明細書に特に開示されているような単語や語句の定義との間の不一致は、後者を支持して解決されるべきものである。
標準参考文献は、本分野では既知である組換えDNA技術の一般的な原理を説明するために参照し、これには、Ausubel et al.,CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY,John Wiley & Sons,New York(1998);Sambrook et al.,MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL,2d ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Plainview,New York(1989);Kaufman et al.,Eds.,HANDBOOK OF MOLECULAR AND CELLULAR METHODS IN BIOLOGY AND MEDICINE,CRC Presss,Boca Raton(1995);McPherson,Ed.,DIRECTED MUTAGENESIS:A PRACTICAL APPROACH,IRL Press,Oxford(1991)を含む。
本発明は、メソテリンのmesovt2アイソフォームに特異的に結合するモノクローナル抗体を使用して、癌細胞の成長、及び腫瘍性疾患の進行を減少させる方法を提供する。本発明の方法は、哺乳類(ヒトを含む)における腫瘍細胞の成長及び癌の進行を調節するために使用される。阻害される前記癌細胞は、正常ヒト組織、特に配、卵巣、及び膵臓癌細胞に関して、mesovt2の発現が増加する全ての癌細胞を含む。
実行の特定な理論によって束縛されることなく、癌細胞におけるmesovt2の発現の増加は、前記細胞の表面上のメソテリンのこのアイソフォームの関連性の増加をもたらすと考えられている。従って、癌細胞は、正常組織に関して、mesovt2の発現が増加している。また、メソテリンのmesovt2アイソフォームは、癌における抗体、或いは免疫ベース療法に対する理想的な標的である。
ここで用いられたように、「エピトープ」という用語は、モノクローナル抗体が特異的に結合する、抗原の一部分を意味している。
ここで用いられたように、「高次構造的エピトープ」という用語は、一連の連続アミノ酸以外の抗原のアミノ酸の間の空間的な関係によって形成される不連続エピトープを意味している。
ここで用いられたように、「アイソフォーム」という用語は、所定のポリペプチドの特異的形態を意味している。
ここで用いられたように、「免疫ベース」という用語は、特異的に或いは選択的に標的産生細胞を殺傷することができる免疫反応を産生するためのタンパク質に基づいた治療法を意味している。
ここで用いられたように、「in vitroでの形態異常細胞の成長の阻害」という用語は、培養における腫瘍細胞数の減少、すなわち、約5%、好ましくは10%、より好ましくは20%、より好ましくは30%、より好ましくは40%、より好ましくは50%、より好ましくは60%、より好ましくは70%、より好ましくは80%、より好ましくは90%、最も好ましくは100%の減少を意味する。腫瘍細胞成長のin vitro阻害は、GEO細胞軟寒天アッセイなどの本分野では既知のアッセイで測定される。
ここで用いられたように、「in vivoでの形態異常細胞の成長の阻害」という用語は、動物における腫瘍細胞数の減少、すなわち、約5%、好ましくは10%、より好ましくは20%、より好ましくは30%、より好ましくは40%、より好ましくは50%、より好ましくは60%、より好ましくは70%、より好ましくは80%、より好ましくは90%、最も好ましくは100%の減少を意味する。腫瘍細胞成長のin vivo調節は、本分野では既知のアッセイで測定される。
ここで用いられたように、「形態異常細胞」は、異常成長を示す細胞を意味している。形態異常細胞は、これに限定されるものではないが、腫瘍細胞、過形成性細胞、及びそれらと同等物を含む。
「予防する」という用語は、生物が異常状態になる或いは発展する可能性を減少することを意味する。
「治療する」という用語は、治療効果を有し、生物における異常状態を少なくとも部分的に軽減する或いは抑制することをを意味している。治療は、腫瘍成長の阻害及び寛解期の誘導を維持することを含む。
「治療効果」という用語は、異常状態の阻害を意味する。治療効果は、前記異常状態の症状の1若しくはそれ以上をある程度軽減する。異常状態の治療に関して、治療効果は、以下の:(a)細胞の増殖、成長及び/若しくは分化における増加或いは減少、(b)in vivoでの腫瘍細胞の成長の阻害(すなわち、緩徐化或いは停止)、(c)細胞死の促進、(d)変性の阻害、(e)前記異常状態に関連する症状の1若しくはそれ以上のある程度の軽減、及び(f)細胞集団の機能の増強、の1若しくはそれ以上を言及することができる。本明細書に記載された前記モノクローナル抗体及びそれらの誘導体は、単独で、或いは本発明の組成物の抱合体或いは添加化合物との組み合わせで、前記治療効果を達成する。
ここで用いられたように、「癌の進行を阻害する」という用語は、未治療癌細胞の末期病状に対する調節と関連した、末期癌に対する腫瘍性疾患の調節を緩徐化する治療の活動を意味する。
ここで用いられたように、「約」という用語は、許容可能な範囲内の規定値の近似値を意味する。好ましくは、この範囲は、規定値の+/−5%である。
ここで用いられたように、「腫瘍性疾患」という用語は、組織の細胞の異常増殖によって特徴付けられる状態を意味する。
抗体
本発明の抗体は、メソテリンのmesovt2アイソフォームに特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記抗体は、メソテリンの他の形態に結合する。他の実施形態において、前記抗体は、mAb K1或いはSS1(scFv)−PE38によって結合されるもの以外のエピトープに結合する。
好ましい実施形態、及び本発明の方法に使用するのに適している抗体は、例えば、完全ヒト抗体、ヒト抗体相同体、ヒト化抗体相同体、キメラ抗体相同体、Fab、Fab’、F(ab’)、及びF(v)抗体断片、単鎖抗体、及び抗体重鎖或いは軽鎖の単量体或いは二量体、或いはそれらの混合物を含む。
本発明の抗体は、タイプIgA、IgG、IgE、IgD、IgM(それらのサブタイプも同様に)を含むあらゆるアイソタイプの無傷免疫グロブリンを含む。免疫グロブリンの軽鎖は、カッパ或いはラムダである。
本発明の抗体は、抗原結合特異性を保持する無傷抗体の一部、例えばFab断片、Fab’断片、F(ab’)断片、F(v)断片、重鎖単量体或いは二量体、軽鎖単量体或いは二量体、1つの重鎖と1つの軽鎖から成る二量体、及びそれらの同等物を含む。従って、抗原結合断片、さらに上述した抗体から由来した完全長二量体或いは三量体ポリペプチドは、それ自体で有用である。
本発明の発現細胞は、例えば、Spodoptera frugiperda細胞などの、既知のあらゆる昆虫発現細胞株を含む。前記発現細胞株は、例えば、Saccharomyces cerevisiae(出芽酵母)、及びSchizosaccharomyces pombe(分裂酵母)細胞などの酵母細胞株でもある。前記発現細胞は、例えば、チャイニーズハムスター卵巣、仔ハムスター腎臓細胞、ヒト胚性腎臓細胞株293、正常イヌ腎臓細胞株、正常ネコ腎臓細胞株、サル腎臓細胞、アフリカミドリザル腎臓細胞、COS細胞、非腫瘍原性マウス筋芽細胞G8細胞、線維芽細胞株、骨髄腫細胞株、マウスNIH/3T3細胞、LMTK31細胞、マウスセルトリ細胞、ヒト頚腫瘍細胞、バッファローラット肝臓細胞、ヒト肺細胞、ヒト肝臓細胞、マウス乳癌細胞、TRI細胞、MRC5細胞、及びFS4細胞などの哺乳類細胞でもある。
「キメラ抗体」は、免疫グロブリン軽鎖、重鎖、或いは両者のヒンジ及び定常領域の全て或いは一部が、別の動物の免疫グロブリン軽鎖或いは重鎖からの対応領域に置換されている、組換えDNA技術によって産生された抗体である。このようにして、親モノクローナル抗体の前記抗原結合部分は、別の種の抗体のバックボーンへ移される。欧州特許番号第EP 0239400号(Winterら)に記載された1つのアプローチは、ヒト重鎖及び軽鎖免疫グロブリン可変領域ドメインからのCDRsを、マウス可変領域ドメインからのCDRsに置換するという、ある種の相補性決定領域(CDRs)を別の種のそれに置換することを示している。これらの改変抗体は、次にヒト免疫グロブリン定常領域に連結し、前記抗原に特異的である、置換されたマウスCDRs以外はヒトである抗体を形成する。抗体のCDR領域を移す方法は、例えばRiechmann et al.(1988)Nature 332:323〜327及びVerhoeyen et al.(1988)Science 239:1534〜1536に記載されている。
キメラ抗体は、より少ないマウスアミノ酸配列を含むキメラ抗体よりもヒトにおける免疫反応を誘発する問題を回避すると考えられた。ヒト治療因子としてのげっ歯類MAbsの直接的な使用は、げっ歯類由来抗体で処置された著しくたくさんの患者において生じた、ヒト抗げっ歯類抗体(「HARA」)反応を導いた(Khazaeli,et al.,(1994)Immunother.15:42〜52)。
制限のない実施例として、CDRを移す方法は、前記標的抗原(例えばmesovt2)に結合する目的の抗体のマウス重鎖及び軽鎖を配列化し、CDR DNA配列を遺伝的に改変し、部位特異的変異誘発によって対応するヒトV領域にこれらのアミノ酸配列を課すことによって実行される。望みのアイソタイプのヒト定常領域遺伝子セグメントを付加し、「ヒト化」重鎖及び軽鎖遺伝子を哺乳類細胞において共発現させ、可溶性ヒト化抗体を産生した。一般的な発現細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である。前記キメラ抗体を作成するのに適切な方法は、例えば、Jones et al.(1986)Nature 321:522〜525;Riechmann(1988)Nature 332:323〜327;Queen et al.(1989)Proc.Nat.Acad.Sci.USA 86:10029;及びOrlandi et al.(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:3833に記載されている。
HARA反応の問題を回避するための抗体の更なる改良点は、「ヒト化抗体」の開発を導く。ヒト化抗体は、組換えDNA技術によって産生され、ここにおいて、抗原結合に必要でないヒト免疫グロブリン軽鎖或いは重鎖のアミノ酸の少なくとも1つは、非ヒト哺乳対免疫グロブリン軽鎖或いは重鎖からの対応するアミノ酸に置換される。例えば、免疫グロブリンがマウスモノクローナル抗体である場合、抗原結合に必要でない少なくとも1つのアミノ酸は、その位置の対応するヒト抗体上に存在するアミノ酸を用いて置換される。操作のあらゆる特定の理論に束縛されることなく、前記モノクローナル抗体の「ヒト化」は、外来免疫グロブリン分子に対するヒト免疫反応を阻害すると考えられる。
Queenら((1989)Proc.Nat.Acad,Sci.USA 86:10029〜10033及び国際特許番号第WO 90/07861号)は、ヒト化抗体の調合を記載した。ヒト及びマウス可変フレームワーク領域は、最適タンパク質配列相同性に対して選択された。前記マウス可変領域の三次構造は、コンピュータ−モデル化し、相同性ヒトフレームワークに重ねたものであり、マウスCDRsとのアミノ酸残基の最適な相互作用を示した。これは、抗原に対する改善された結合親和性(この親和性は、CDR−移植キメラ抗体を作成する際に一般的に減少する)を有する抗体の開発を導いた。ヒト化抗体を作成するための代わりのアプローチは、本分野では既知であり、例えば、Tempest(1991)Biotechnology 9:266〜271に記載されている。
「単鎖抗体」とは、免疫グロブリン重鎖及び軽鎖断片をアミノ酸の改変スパンを介してFv領域へ連結させるという組換えDNA技術によって形成された抗体を意味している。単鎖抗体を産生する様々な方法は、既知であり、米国特許番号第4,694,778号;Bird(1988)Science 242:423〜442;Huston et al.(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879〜5883;Ward et al.(1989)Nature 334:54454;Skerra et al.(1988)Science 242:1038〜1041に記載されているものを含む。
本発明の抗体は、単独で、或いは細胞毒性因子との免疫複合体として使用される。いくつかの実施形態において、前記細胞毒性因子は、これに限定されるものではないが、リード(Lead)−212、ビスマス(Bismuth)−212、アスタチン(Astatine)−211、イオジン(Iodine)−131、スカンジウム(Scandium)−47、レニウム(Rhenium)−186、レニウム(Rhenium)−188、イットリウム(Yttrium)−90、イオジン(Iodine)−123、イオジン(Iodine)−125、ブロマイン(Bromine)−77、インジウム(Indium)−111、及びホウ素(Boron)−10或いはアクチニド(Actinide)などの核分裂性核種を含む放射性同位元素である。他の実施形態において、前記細胞毒性因子は、これに限定されるものではないが、リシン、修飾シュードモナスエンテロトキシン(Pseudomonas enterotoxin)A、カリケアミシン(calicheamicin)、アドリアマイシン(adriamycin)、5−フルオロウラシル(fluorouracil)、及びそれらの同等物を含む、よく知られたトキシン(毒素)及び/若しくは細胞毒性剤である。そのような細胞毒性因子への抗体及び抗体断片の抱合は、文献においてよく知られている。
本発明の抗体は、例えば、前記抗体へのあらゆるタイプの分子の共有結合性接着(この共有結合性接着は、前記抗体がそのエピトープに結合することを阻害しない)によって修飾された誘導体を含む。適切な誘導体の例としては、これに限定されるものではないが、グリコシル化抗体及び断片、アセチル化抗体及び断片、ペグ化抗体及び断片、リン酸化抗体及び断片、及びアミド化抗体及び断片を含む。本発明の抗体及びそれらの誘導体は、既知の保護/封鎖基、タンパク質分解性切断、細胞性リガンド或いは他のタンパク質への連結、及びそれらと同等なものによって誘導体化されることによってなり得る。さらに、本発明の抗体及びそれらの誘導体は、1若しくはそれ以上の非古典的なアミノ酸を含有する。
本発明は、卵巣癌患者の末梢血単核細胞から由来した抗体などの完全ヒト抗体も含む。そのような細胞は、骨髄腫細胞と融合され、例えば、mesovt2に対する完全ヒト抗体を産生するハイブリドーマ細胞を形成する。
操作のあらゆる特定の理論に束縛されることなく、本発明の抗体は、癌細胞に関連した選択的スプライシング現象に起因する8アミノ酸の欠如によるタンパク質内の構造改変のため、メソテリンのmesovt2アイソフォームに結合するために特に有用であることが考えられる。これは、癌細胞において特異的に認識され得るタンパク質抗原を導く。これは、本発明の抗体が正常組織に比べて腫瘍組織へより密接に結合するので、腫瘍を標的化するためには非常によい特徴である。
mesovt2に対する抗体を産生する方法
免疫化動物
本発明は、メソテリンのmesovt2アイソフォームに特異的に結合するモノクローナル抗体を産生する方法も提供する。mesovt2は、タンパク質を単離及び精製するための様々なよく知られた技術を用いて、細胞から或いは組換えシステムから精製される。例えば、これに限定されるものではないが、mesovt2は、前記タンパク質をSDS−PCGEゲルに供し、前記タンパク質をメンブレンにブロットすることによる、前記タンパク質の明らかな分子量に基づいて単離される。その後、メソテリンのmesovt2に対応する適切なサイズのバンドを、前記メンブレンから切り取り、動物の免疫原として直接使用した、若しくは前記メンブレンから前記タンパク質をまず抽出する或いは溶出することによって使用した。代わりの実施例として、前記タンパク質は、サイズ排除クロマトグラフィー単独、或いは単離及び精製の他の手段との組み合わせによって単離した。精製の他の手段は、Zola,MONOCLONAL ANTIBODIES:PREPARATION AND USE OF MONOCLONAL ANTIBODIES AND ENGINEERED ANTIBODY DERIVATIVES(BASICS:FROM BACKGROUND TO BENCH)Springer−Verlag Ltd.,New York,2000;BASIC METHODS IN ANTIBODY PRODUCTION AND CHARACTERIZATION,Chapter 11,"Antibody Purification Methods,"Howard and Bethell,Eds.,CRC Press,2000;ANTIBODY ENGINEERING(SPRINGER LAB MANUAL.)Kontermann and Dubel,Eds.,Springer−Verlag,2001などの標準参照テキストにおいて利用可能である。
mesovt2に対する抗体を産生するための1つの戦略は、mesovt2の組換え形態、或いはmesovt2に特異的な領域から成るポリペプチドを有する免疫化動物を含む。そのように免疫化された動物は、前記タンパク質或いはポリペプチドに対する抗体を産生するであろう。従って、本発明は、mesovt2に特異的に結合する抗体を含むポリクローナル血清を含む。標準的な方法は、これに限定されるものではないが、ハイブリドーマ技術(Kohler & Milstein,(1975)Nature 256:495〜497を参照)、トリオーマ(trioma)技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozbor et al.(1983)Immunol.Today 4:72)、及びヒトモノクローナル抗体を産生するためのEBVハイブリドーマ技術(Cole,et al.MONOCLONAL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY,Alan R.Liss,Inc.,1985,pp.77〜96を参照)を含む、モノクローナル抗体を作成するとして知られている。
抗体特異性のスクリーニング
メソテリンのmesovt2アイソフォームに特異的に結合する抗体をスクリーニングすることは、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)を用いて達成され、マイクロタイタープレートはメソテリンのmesovt2形態でコーティングされている。ポジティブに反応するクローンからの抗体はさらに、メソテリンAでコーティングされたマイクロタイタープレートを用いて、メソテリンのメソテリンA形態に対するELISA−ベースアッセイにおいて反応性をスクリーニングされた。メソテリンのメソテリンA形態に反応性を有する抗体を産生するクローンは除去し、mesovt2アイソフォームに反応性を有する抗体を産生するクローンのみを、更なる増殖及び発生のために選択した。
メソテリンのmesovt2アイソフォームに対する前記抗体の反応性の確認は、例えば、ウエスタンブロットアッセイ(ここにおいて、肺、卵巣、或いは膵臓癌細胞からのタンパク質、及びmesovt2やメソテリンAha,還元或いは非還元条件下でSDS−PAGEゲル上に供され、メンブレンにブロットされているものである)を用いて達成された。前記メンブレンは次に、仮想抗mesovt2抗体で探索(プローブ化)した。非還元条件下のメソテリンのmesovt2形態に対する反応性、及びメソテリンのメソテリンA形態への非反応性(還元或いは非還元条件下)によって、mesovt2アイソフォームに対する反応性の特異性が確認された。
本発明の抗体及びそれらの誘導体は、1x10−2以下の解離定数(K)を含む結合親和性を有している。いくつかの実施形態において、前記Kは、1x10−3以下である。他の実施形態において、前記Kは、1x10−4以下である。いくつかの実施形態において、前記Kは、1x10−5以下である。更なる他の実施形態において、前記Kは、1x10−6以下である。他の実施形態において、前記Kは、1x10−7以下である。他の実施形態において、前記Kは、1x10−8以下である。他の実施形態において、前記Kは、1x10−9以下である。他の実施形態において、前記Kは、1x10−10以下である。更なる他の実施形態において、前記Kは、1x10−11以下である。いくつかの実施形態において、前記Kは、1x10−12以下である。他の実施形態において、前記Kは、1x10−13以下である。他の実施形態において、前記Kは、1x10−14以下である。更なる他の実施形態において、前記Kは、1x10−15以下である。
抗体の産生
本発明の抗体は、in vivo或いはin vitroで産生される。in vivo抗体産生に対して、動物は、mesovt2の免疫原部分(好ましくはmesovt2に特異的な領域)で一般的に免疫化されるものである。
1実施形態において、動物を免疫化するための、或いはin vitroの免疫化細胞のために使用された前記免疫原は、VNKGHEMSPQVATLIDRFVKGRGQLDK(配列ID番号:7)のアミノ酸配列を有するポリペプチド、或いはその免疫原性部分である。前記免疫原性部分は、配列ID番号:7の少なくとも10〜27連続アミノ酸を有する。いくつかの実施形態において、前記免疫原性部分は、配列ID番号:7の少なくとも15連続アミノ酸を有しており、他の実施形態においては、前記免疫原性部分は、配列ID番号:7の少なくとも20連続アミノ酸を有しており、他の実施形態においては、前記免疫原性部分は、配列ID番号:7の少なくとも24連続アミノ酸を有しており、他の実施形態においては、前記免疫原性部分は、配列ID番号:7の少なくとも27連続アミノ酸を有している。
特定の実施形態において、NKGHEMSPQVATLID(配列ID番号:12)のアミノ酸配列を有し、pMESO2と命名されたペプチドが合成される。このペプチドは、メソテリンAとmesovt2を比較した際、アミノ酸の欠損が生じる接合点に及ぶ(図4を参照)。前記接合部は、配列ID番号:12のセリンとプロリンとの間に生じる、つまり、NKGHEMS/PQVATLIDである。さらに、他のペプチドは、mesovt2分子の他の部分に対して合成され、例えばpMESO1:EVEKTACPSGKKARE(配列ID番号:13)、pMESO3:RFVKGRGQLDKDTLD(配列ID番号:14)、pMESO4:HVEGLKAEERHRPVR(配列ID番号:15)などである。破傷風トキソイド(TT)をmesovt2ペプチド或いはタンパク質と融合させる実験に対して、TTアミノ酸配列(例えば、QYIKANSKFIGITEL(配列ID番号:16))から由来したペプチドで動物を免疫化することによって、TTに対する抗体も開発する。前記ペプチドであるpMESO1〜4及びpTTは、表1に示される特徴を有している。
Figure 2007525971
いくつかの実施形態において、前記動物或いはin vitroシステム細胞は、配列ID番号:12、配列ID番号:13、配列ID番号:14、配列ID番号:15、或いは配列ID番号:16の免疫原性部分で免疫化される。前記免疫原性部分は、配列ID番号:12、配列ID番号:13、配列ID番号:14、配列ID番号:15、或いは配列ID番号:16の少なくとも10連続アミノ酸を有する。いくつかの実施形態において、前記免疫原性部分は、配列ID番号:12、配列ID番号:13、配列ID番号:14、配列ID番号:15、或いは配列ID番号:16の少なくとも11連続アミノ酸を有し、他の実施形態においては、前記免疫原性部分は、配列ID番号:12、配列ID番号:13、配列ID番号:14、配列ID番号:15、或いは配列ID番号:16の少なくとも12連続アミノ酸を有し、他の実施形態において、前記免疫原性部分は、配列ID番号:12、配列ID番号:13、配列ID番号:14、配列ID番号:15、或いは配列ID番号:16の少なくとも13連続アミノ酸を有し、他の実施形態において、前記免疫原性部分は、配列ID番号:12、配列ID番号:13、配列ID番号:14、配列ID番号:15、或いは配列ID番号:16の少なくとも14連続アミノ酸を有する。
pMESO2(配列ID番号:12)に対して生じた抗体は、メソテリンAではなく、mesovt2を認識し、特異的に結合すると予想された。操作のあらゆる特定の理論に束縛されることなく、そのような抗体は、mesovt2に特異的であり、膵臓線癌、肺癌、及び卵巣癌などの腫瘍に特異的に結合するであろうと考えられる。そのこと自体で、これら抗体は、腫瘍の治療に特に有用である。前記抗体は、完全ヒト抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、単鎖抗体、Fab、Fab’、F(ab’)、F(v)抗体断片、或いはポリクローナル抗体である。
前記抗体は、一般的に、免疫原性を促進するためにアジュバント(免疫賦活剤)と組み合わされる。アジュバントは、免疫化に用いられる種によって変えられる。アジュバントの例としては、これに限定されるものではないが、Freund完全アジュバント(「FCA」)、Freund不完全アジュバント(「FIA」)、ミネラルゲル(例えば、水酸化アルミニウム)、表面活性化物質(例えば、リゾレシチン、プルロニンポリオール(pluronic polyols)、ポリアニオン)、ペプチドオイル乳剤、キーホールリンペットヘモシアニン(「KLH」)、ジニトロフェノール(「DNP」)、及びウシ型弱毒結核菌ワクチン(「BCG」)及びCorynebacterium parvumなどの潜在的に有用であるヒトアジュバントを含む。そのようなアジュバントは、本分野でもよく知られている。
免疫化は、よく知られた手順を用いて達成される。用量及び免疫化処方は、免疫化される哺乳類の種、その免疫状態、体重、及び/若しくは計算された表面積などに依存する。一般的に、血清は、免疫化動物から採取され、例えば、以下に記載したような適切なスクリーニングアッセイを用いて抗mesovt2抗体をアッセイする。
免疫化動物からの脾細胞は、例えば骨髄腫細胞株などの不死細胞株と前記脾細胞(抗体産生B細胞を含む)を融合することによって不死化される。一般的に、前記骨髄腫細胞株は、脾細胞ドナーと同じ種からのものである。1実施形態において、前記不死細胞株は、ヒポキサンチン、アミノプテリン、及びチミジンを含有する培養液(「HAT培地」)に対して感受性を有している。いくつかの実施形態において、前記骨髄腫細胞は、HAT−感受性、EBV陰性、及びIg発現陰性である。あらゆる適切な骨髄腫が使用される。マウスハイブリドーマは、マウス骨髄腫細胞株(例えば、P3−NS1/1−Ag4−1、P3−x63−Ag8.653、或いはSp2/O−Ag14骨髄腫細胞株)を用いて産生される。これらのマウス骨髄腫細胞株は、ATCCから利用可能である。これらの骨髄腫細胞は、ポリエチレングリコール(「PEG」)、好ましくは1500分子量ポリエチレングリコール(「PEG1500」)においてドナー脾細胞と融合される。この融合の結果生じるハイブリドーマ細胞は、非融合或いは非増殖性融合骨髄腫細胞を殺傷するHAT培地において選択される。非融合脾細胞は、短期間の培養で死滅する。いくつかの実施形態において、前記骨髄腫細胞は、免疫グロブリン遺伝子を発現しないものである。
上述したようなスクリーニングアッセイによって検出された、目的の抗体を産生するハイブリドーマは、培養で或いは動物において抗体を産生するために使用される。例えば、前記ハイブリドーマ細胞は、前記ハイブリドーマ細胞が培養液へモノクローナル抗体を分泌できるのに十分な条件下及び時間で、栄養性培養液において培養される。これらの技術及び培養液は、当業者によってよく知られている。或いは、前記ハイブリドーマ細胞は、非免疫化動物の腹膜へ注入される。前記細胞は、腹腔で増殖し、腹水として蓄積される抗体を分泌する。前記腹水は、モノクローナル抗体を豊富に含む源として、シリンジを用いて腹腔から取り除かれた。
ヒト抗体を産生するための別の限定されない方法は、不活性化されたそれら自身の内在性免疫グロブリン遺伝子を有し、別の種(例えばヒト)の抗体を産生するトランスジェニック哺乳類を記載した米国特許番号第5,789,650号、に記載されている。異種性抗体に対する遺伝子は、ヒト免疫グロブリン遺伝子によってコード化されている。非再編成免疫グロブリン−コード化領域を含む導入遺伝子は、非ヒト動物へ導入される。結果生じるトランスジェニック動物は、前記トランスジェニック免疫グロブリン配列を機能的に再編成し、ヒト免疫グロブリン遺伝子によってコード化された様々なアイソタイプの抗体のレパートリーを産生することができる。トランスジェニック動物からのB細胞は次に、不死化細胞株(例えば骨髄腫細胞)との融合を含む、様々な方法によって不死化される。
mesovt2に対する抗体は、本分野では既知である様々な技術を用いてin vitroでも調合される。例えば、これに限定されるものではないが、mesovt2に対する完全ヒトモノクローナル抗体は、in vitroで予め刺激されたヒト脾細胞を用いることによって調合される(Boerner et al.(1991)J.Immunol.147:86〜95)。
代わりに、例えば、本発明の抗体は、「レパートリークローニング」によって調合される(Persson et al.(1991)Proc.Nat.Acd.Sci.USA 88:2432〜2436;及びHuang and Stollar(1991)J.Immunol.Methods 141:227〜236)。さらに、米国特許番号第5,798,230号では、エプスタイン・バーウイルス核抗原2(EBNA2)を発現するエプスタイン・バーウイルスの感染によって不死化されたヒトB抗体産生B細胞からのヒトモノクローナル抗体の調合が記載されている。不死化を必要とするEBNA2は次に、抗体力価の増加をもたらすように不活性化される。
別の実施形態において、mesovt2に対する抗体は、末梢血単核細胞(「PMBCs」)のin vitro不死化によって形成される。これは、例えば、文献に記載された方法(Zafiropoulos et al.(1997)J.Immunological Methods 200:181〜190)を用いてなど、本分野で既知のあらゆる手段によって達成される。
本発明の1実施形態において、in vitro不死化に対する手順は、PMS1、PMS2、PMS2−134、PMSR2、PMSR3、MLH1、MHL2、MLH3、MLH4、MLH5、MLH6、PMSL9、MSH1、及びMSH2などの、ミスマッチ修復遺伝子のドミナントネガティブ対立遺伝子が前記脾細胞の融合後に前記ハイブリドーマに導入される、若しくは融合前に前記骨髄腫細胞へ導入される、前記ハイブリドーマ細胞の直接的変化が追加される。前記ドミナントネガティブ変異を含む細胞は、非形質移入コントロール細胞と比較して、高い割合で、高頻度変異性で蓄積する変異になる。前記変異細胞のプールは、より高い親和性抗体を産生する、或いは抗体のより高い力価を産生する、若しくは、単純に特定の条件下でより早くよりよく増殖するクローンをスクリーニングされる。ミスマッチ修復遺伝子ドミナントネガティブ対立遺伝子を用いた高頻度変異性細胞を産生するための技術は、2000年11月14日に出願された米国特許番号第6,146,894号に記載されている。代わりに、ミスマッチ修復は、Nicolaidesら(2002年7月18日に公開された、国際公開番号第WO 02 054856号「Chemical Inhibitors of Mismatch Repair」)によって記載されたミスマッチ修復の化学阻害剤を用いて阻害される。ミスマッチ修復遺伝子ドミナントネガティブ対立遺伝子、或いはミスマッチ修復の化学阻害剤を用いた抗体を増強する技術は、クローニングされた免疫グロブリン遺伝子を発現する哺乳類発現細胞に同様に適用される。前記ドミナントネガティブ対立遺伝子を発現している細胞は、「回復」され得、つまり、前記ドミナントネガティブ対立遺伝子は、細胞やその同等物から誘導可能に除去された場合、前記細胞がもう一度遺伝子的に安定になり、これ以上異常に高い割合で変異が蓄積しないように、オフにされ得る。
腫瘍細胞の成長を減少させる方法
本発明の方法は、mesovt2の発現の増加と関連した腫瘍性状態を有するとして同定されたヒト及び非ヒト動物において使用するのに適している。本発明の利益を享受する非ヒト動物は、ペット、外来種(例えば、動物園の動物)、及び家畜を含む。好ましくは、前記非ヒト動物は、哺乳類である。
本発明は、正常組織と比較した場合の、腫瘍におけるmesovt2の発現の増加によって特徴付けられる形成異常障害を有するとして同定された、ヒト或いは動物患者において使用するのに適している。そのような患者がそのような状態を治療する必要があると同定された時点で、本発明の方法は、前記状態の効果的な治療が適用される。治療される腫瘍は、これに限定されるものではないが、卵巣癌、膵臓癌、肺癌、輸卵管腫瘍、子宮ガン、及び特定の白血病細胞を含む。
本発明ににおいて使用される抗体及びそれらの誘導体は、例えば、カプセル、錠剤、水性懸濁液、水溶液、或いはそれらと同等物などの許容可能な剤形において経口的に投与される。前記抗体及びそれらの誘導体は、非経口的にも投与される。これは、以下:皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑膜内、胸骨内、鼻腔内、局所的、くも膜下内、肝臓内、病巣内、及び頭蓋骨内注射或いは注入技術の投与経路を介してである。一般的に、前記抗体及び誘導体は、筋肉内或いは静脈内注射として提供される。
本発明の抗体及び誘導体は、許容可能なアジュバント、溶媒、及び賦形剤を含む薬学的に許容可能な担体と共に投与される。
効果的な用量は、様々な因子に依存し、体重、治療の目的、最高許容用量、使用した特異的処方、投与経路、及びそれらと同等なものなどの様々なパラメーターに従って、所定の患者に対する用量を調整することは、熟練した医師の権限の範囲内である。一般的に、1日当たり約0.001〜100mg/kg体重の間の前記抗体或いはそれらの誘導体の用量レベルが適切である。いくつかの実施形態において、前記用量は、1日当たり約0.1〜約50mg/kg体重の間の前記抗体或いはそれらの誘導体である。他の実施形態において、前記用量は、1日当たり約0.1mg/kg体重〜1日当たり約20mg/kg体重である。さらなる他の実施形態において、前記用量は、1日当たり約0.1mg/kg体重〜1日当たり約10mg/kg体重である。投薬は、大量瞬時投与あるいは注入としてなされる。投与量は、1日1回、或いは1日複数回で与えられる。さらに、投与量は、複数回の期間で与えられる。いくつかの実施形態において、前記用量は、1〜14日毎に投与される。いくつかの実施形態において、前記抗体或いはそれらの誘導体は、約3〜1mg/kg i.p.として投与される。さらに、他の実施形態において、前記抗体或いはそれらの誘導体は、約5〜12.5mg/kg i.v.で投与される。他の実施形態において、前記抗体或いはそれらの誘導体は、少なくとも約1μg/mlの血漿レベルが維持されるように提供されるものである。
効果的な治療は、様々な方法において評価される。1実施形態において、効果的な治療は、腫瘍成長の緩徐化した進行によって決定される。他の実施形態において、効果的な治療は、腫瘍の縮小(例えば、腫瘍サイズの減少など)によって特徴付けられる。他の実施形態において、効果的な治療は、腫瘍の転移の阻害によって特徴付けられる。更なる他の実施形態において、効果的な治療は、体重増加、力の回復、痛みの減少、繁栄、及び患者からの健康の自覚症状などのサイン(徴候)などを含む、患者の健康の増加によって測定される。
以下の実施例は、本発明を説明するために提供され、それらの限定と解釈されるべきではない。
mesovt2を発現している、メソテリン発現膵臓癌細胞株におけるモノクローナル抗体K1の結合の欠如は、ウエスタンブロットによって示した(図5B)。簡潔には、膵臓癌細胞を単離し、RNA及びタンパク質抽出のために溶解した。OVCAR−3及びKB細胞からのcDNAは、Pierce DIRECTEXPRESS RT−PCRキットを用いて得た。
40kDaメソテリンタンパク質をコード化するcDNAは、特異的プライマー(番号は、GenBankアクセッション番号U40434に基づいている)を用いて増幅した。
メソテリン−2079−R(配列ID番号:8) 5’AGTTCTCTTGGGGTGGAACGGGGAT3’
メソテリン−975−F(配列ID番号:9) 5’GCGGGAAGTGGAGAAGACAGCCTGT3’
サブクローニングのために、プライマーは、5’末端にBsrGI配列と、単位複製配列の3’末端に6ヒスチジン残基コード化配列及びXbaI配列とを取り込むように設計されていた。
メソテリン−40kDa−融合−BsrGI−F(配列ID番号:10)
5’−GATCTGTACACAGCGAAGTGGAGAAGACAGCCTGT−3’
メソテリン−40kDa−6His−XbaI−R(配列ID番号:11)
5’−GATCTCTAGATATCAATGGTGATGGTGATGATGCATGCCCTGTAGCCCCAGCCCCAGCGT−3’
単位複製配列は、pGEM−T−Easyへクローニングすることによって捕獲し、M13F及びM13Rプライマーを用いて配列決定化した。
Pierce DIRECTEXPRESSキットを用いて、67μlのdH2O/TAQ混合物は、メソテリンcDNA或いはβ−アクチン内に含まれた配列を標的化している遺伝子特異的プライマーとともに各サンプルへ分注した。以下の:94℃で30秒、55℃で30秒、及び72℃で1.5分の増幅条件を用いて、増幅を実行した。PCR産物は、2%アガロースゲル上で解析し、エチジウムブロマイド染色及びuv評価によって可視化した。その結果は、図5Aに示した。
ウエスタンブロットは、メソテリンの複数アイソフォームを認識する抗体の能力を決定するために実行した。簡潔には、細胞を回収し、製造業者(Novex)によって説明されたようにRIPAバッファーに溶解した。不溶性物質は、遠心分離によって除去し、上清の総タンパク質を、BioRadタンパク質アッセイを用いて決定した。これとは異なる実験において、5μg或いは20μgのタンパク質は、非還元条件下で4〜12%Bis−Trisゲル(MES)に供した。電気泳動したタンパク質は、PVDFメンブレンへ転写した。このメンブレンはBlotto(5%ミルク、0.05% TBS−T)においてブロッキングした。1:1000希釈のK1 Mab(Nobus)は、1次抗体として前記Blottoブロッキング溶液へ直接添加し、前記メンブレンは一晩インキュベートした。このメンブレンは、3回(各5分ずつ)、0.05% TBS−Tで洗浄し、前記Blottoブロッキング溶液において2次抗体(西洋わさびペルオキシダーゼ標識ヤギα−マウスIgG(重鎖及び軽鎖))を添加した。前記メンブレンは、3回(20分、15分、15分)、0.05% TBS−Tで洗浄した。前記メンブレンは、Super Signal West Pico ECL試薬を用いて展開した。この結果は、図5Bに示した。結果より、メソテリンを過剰発現している特定の腫瘍は、メソテリンAを超えるmesovt2の産生を支持することが示された。この発見は、正常組織(一般的にメソテリンのメソテリンA形態を発現している)を無傷で残し、腫瘍組織を破壊するための、メソテリンのmesovt2アイソフォームを特異的に認識するモノクローナル抗体に利用され得る。
以下の参考文献のそれぞれの全体は、この参照によって本明細書に組み込まれる。
Figure 2007525971
図1は、mesovt2のcDNA配列を示したものである(配列ID番号:1)。 図2A及び2Bは、メソテリンA(「mesoA」)(配列ID番号:3)、mesovt2(配列ID番号:1)のcDNA配列、及びコンセンサス配列(配列ID番号:4)の比較を示したものである。 図2A及び2Bは、メソテリンA(「mesoA」)(配列ID番号:3)、mesovt2(配列ID番号:1)のcDNA配列、及びコンセンサス配列(配列ID番号:4)の比較を示したものである。 図3は、mesovt2のポリペプチド配列を示したものである(配列ID番号:2)。 図4は、メソテリンA(「mesoA」)(配列ID番号:5)、mesovt2(配列ID番号:2)のポリペプチド配列、及びコンセンサスポリペプチド配列(配列ID番号:6)の比較を示したものである。 図5Aは、2つの膵臓癌細胞株(PAN1及びPAN2)におけるメソテリンのRNA発現を示したものである。 図5Bは、PAN1及びPAN2のRNAレベルでは強い発現であるにも関わらず、K1抗体(メソテリンを認識すると報告されている)が全ての癌細胞においてメソテリンを検出しなかったことを示している。これは、メソテリン分子における構造変化に起因していると考えられる。

Claims (45)

  1. メソテリンのmesovt2アイソフォーム(配列ID番号:2)に特異的に結合する抗体であって、
    前記抗体は、(a)前記抗体は、mAb K1及びSS1(scFv)−PE38のエピトープとは異なるエピトープに結合する、(b)前記抗体は、mAb K1及びSS1(scFv)−PE38よりも大きな親和性を有して結合する、或いは(c)前記抗体は、メソテリンの前記mesovt2形態への結合に対して、mAb K1及びSS1(scFv)−PE38よりも有意である、という点でmAb K1及びSS1(scFv)−PE38とは区別されるものである、抗体。
  2. 請求項1の抗体において、
    前記抗体の親和性は、少なくとも約1x10−7Mである。
  3. 請求項1の抗体において、
    前記抗体の親和性は、少なくとも約1x10−8Mである。
  4. 請求項1の抗体において、
    前記抗体の親和性は、少なくとも約1x10−9Mである。
  5. 請求項1の抗体において、
    前記抗体の親和性は、少なくとも約1x10−10Mである。
  6. 請求項1の抗体において、
    前記エピトープは、ジスルフィド−依存性エピトープである。
  7. 請求項1の抗体において、
    前記抗体は、キメラ抗体である。
  8. 請求項7の抗体において、
    前記キメラ抗体は、ヒト−マウスキメラ抗体である。
  9. 請求項1の抗体において、
    前記抗体は、ヒト化抗体である。
  10. 請求項1の抗体において、
    前記抗体は、完全ヒト抗体である。
  11. 請求項1の抗体を発現するハイブリドーマ細胞。
  12. 請求項1の抗体をコード化するポリヌクレオチド。
  13. 請求項12のポリヌクレオチドを有するベクター。
  14. 請求項13のベクターを有する発現細胞。
  15. メソテリンのmesovt2アイソフォームに特異的に結合する抗体を産生する方法であって、
    前記抗体は、(a)前記抗体は、mAb K1及びSS1(scFv)−PE38のエピトープとは異なるエピトープに結合する、(b)前記抗体は、mAb K1及びSS1(scFv)−PE38よりも大きな親和性を有して結合する、或いは(c)前記抗体は、メソテリンの前記mesovt2形態への結合に対して、mAb K1及びSS1(scFv)−PE38よりも有意である、という点でmAb K1及びSS1(scFv)−PE38とは区別されるものであり、
    請求項11のハイブリドーマを培養する工程を有する、方法。
  16. メソテリンのmesovt2アイソフォームと特異的に結合する抗体を産生する方法であって、
    前記抗体は、(a)前記抗体は、mAb K1及びSS1(scFv)−PE38のエピトープとは異なるエピトープに結合する、(b)前記抗体は、mAb K1及びSS1(scFv)−PE38よりも大きな親和性を有して結合する、或いは(c)前記抗体は、メソテリンの前記mesovt2形態への結合に対して、mAb K1及びSS1(scFv)−PE38よりも有意である、という点でmAb K1及びSS1(scFv)−PE38とは区別されるものであり、
    請求項14の発現細胞を培養する工程を有する、方法。
  17. 請求項14の発現細胞において、
    前記細胞は、哺乳類細胞である。
  18. 請求項16の方法において、
    前記発現細胞は、哺乳類細胞である。
  19. メソテリンのmesovt2アイソフォームに特異的に結合する抗体を産生する方法であって、
    前記抗体は、(a)前記抗体は、配列ID番号:7のアミノ酸配列を有するポリペプチド、或いはそれらの抗原断片を抗原として用いて産生される、という点でmAb K1及びSS1(scFv)−PE38とは区別されるものである。
  20. 請求項19の方法において、
    前記抗体は、配列ID番号:7のアミノ酸配列から成るポリペプチドを用いて産生されるものである。
  21. mesovt2の発現の増加に関連した形成異常細胞の成長を阻害する方法であって、
    そのような形成異常細胞を有する患者へ、メソテリンのmesovt2アイソフォームに特異的に結合する抗体を有する組成物を投与する工程を有するものであり、
    ここにおいて前記抗体は、(a)前記抗体は、mAb K1及びSS1(scFv)−PE38のエピトープとは異なるエピトープに結合する、(b)前記抗体は、mAb K1及びSS1(scFv)−PE38よりも大きな親和性を有して結合する、或いは(c)前記抗体は、メソテリンの前記mesovt2形態への結合に対して、mAb K1及びSS1(scFv)−PE38よりも有意である、という点でmAb K1及びSS1(scFv)−PE38とは区別されるものである、方法。
  22. 請求項21の方法において、
    前記抗体は、モノクローナル抗体である。
  23. 請求項21の方法において、
    前記形成異常細胞は、肺、卵巣、或いは膵臓癌細胞である。
  24. 請求項21の方法において、
    前記患者は、ヒト患者である。
  25. 請求項21の方法において、
    前記抗体は、化学療法因子と抱合されているものである。
  26. 請求項25の方法において、
    前記化学療法因子は、放射性核種である。
  27. 請求項26の方法において、
    前記放射性核種は、リード(Lead)−212、ビスマス(Bismuth)−212、アスタチン(Astatine)−211、イオジン(Iodine)−131、スカンジウム(Scandium)−47、レニウム(Rhenium)−186、レニウム(Rhenium)−188、イットリウム(Yttrium)−90、イオジン(Iodine)−123、イオジン(Iodine)−125、ブロマイン(Bromine)−77、インジウム(Indium)−111、ホウ素(Boron)−10、及びアクチニド(Actinide)から成る群から選択されるものである。
  28. 請求項25の方法において、
    前記化学療法因子は、リシン、修飾シュードモナスエンテロトキシン(Pseudomonas enterotoxin)A、カリケアミシン(calicheamicin)、アドリアマイシン(adriamycin)、及び5−フルオロウラシル(fluorouracil)から成る群から選択されるものである。
  29. 請求項28の抗体において、
    前記抗体は、化学療法因子と抱合されているものである。
  30. 請求項29の抗体において、
    前記化学療法因子は、放射性核種である。
  31. 請求項30の抗体において、
    前記放射性核種は、リード(Lead)−212、ビスマス(Bismuth)−212、アスタチン(Astatine)−211、イオジン(Iodine)−131、スカンジウム(Scandium)−47、レニウム(Rhenium)−186、レニウム(Rhenium)−188、イットリウム(Yttrium)−90、イオジン(Iodine)−123、イオジン(Iodine)−125、ブロマイン(Bromine)−77、インジウム(Indium)−111、ホウ素(Boron)−10、及びアクチニド(Actinide)から成る群から選択されるものである。
  32. 請求項25の抗体において、
    前記化学療法因子は、リシン、修飾シュードモナスエンテロトキシン(Pseudomonas enterotoxin)A、カリケアミシン(calicheamicin)、アドリアマイシン(adriamycin)、及び5−フルオロウラシル(fluorouracil)から成る群から選択されるものである。
  33. メソテリンのmesovt2アイソフォームに特異的に結合するワクチン抗体を産生する方法であって、
    前記抗原は、(a)前記T細胞は、mesovt2に特異的なエピトープに結合する、という点でメソテリンAとは区別されるものである、方法。
  34. 請求項1の抗体において、
    前記抗体は、配列ID番号:12の少なくとも10連続アミノ酸を含むアミノ酸配列を有する、mesovt2上のエピトープへ特異的に結合するものである。
  35. 請求項34の抗体において、
    前記エピトープは、配列ID番号:12の少なくとも11連続アミノ酸を有するものである。
  36. 請求項34の抗体において、
    前記エピトープは、配列ID番号:12の少なくとも12連続アミノ酸を有するものである。
  37. 請求項34の抗体において、
    前記エピトープは、配列ID番号:12の少なくとも13連続アミノ酸を有するものである。
  38. 請求項34の抗体において、
    前記エピトープは、配列ID番号:12の少なくとも14連続アミノ酸を有するものである。
  39. 請求項34の抗体において、
    前記エピトープは、配列ID番号:12のアミノ鎖配列を有するものである。
  40. 請求項34の抗体を産生するハイブリドーマ細胞。
  41. 配列ID番号:12のアミノ酸配列を含む、mesovt2のエピトープに特異的に結合する抗体を有する、ポリクローナル抗体調合。
  42. メソテリンのmesovt2アイソフォームに特異的に結合する抗体を産生する方法であって、
    前記抗体は、(a)前記抗体は、配列ID番号:12のアミノ酸配列を有するポリペプチド、或いはそれらの抗原断片を抗原として用いて産生される、という点でmAB K1及びSS1(scFv)−PE38とは区別されるものである、方法。
  43. 請求項19の方法において、
    前記抗体は、配列ID番号:12のアミノ酸配列から成るポリペプチドを用いて産生されるものである。
  44. mesovt2の発現の増加に関連した形成異常細胞の成長を阻害する方法であって、
    そのような形成異常細胞を有する患者へ、メソテリンのmesovt2アイソフォームに特異的に結合する抗体を有する組成物を投与する工程を有するものであり、
    ここにおいて前記抗体は、配列ID番号:12の少なくとも10連続アミノ酸を含むアミノ酸配列を有する、mesovt2のエピトープに結合する、という点で、mAb K1及びSS1(scFv)−PE38とは区別されるものである、方法。
  45. 請求項44の方法において、
    前記抗体は、配列ID番号:12のアミノ酸配列を有するmesovt2のエピトープに結合するものである。
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