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JP2007327408A - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

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JP2007327408A JP2006158958A JP2006158958A JP2007327408A JP 2007327408 A JP2007327408 A JP 2007327408A JP 2006158958 A JP2006158958 A JP 2006158958A JP 2006158958 A JP2006158958 A JP 2006158958A JP 2007327408 A JP2007327408 A JP 2007327408A
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Abstract

【課題】駆動回路の過度の温度上昇を回避しつつも多段噴射制御をより適切に行うことのできる燃料噴射制御装置を提供する。
【解決手段】ECU50は、EDU52を介してピエゾインジェクタPIを操作することで1燃焼サイクル内に複数回の燃料噴射を行う。ここで、ECU50は、ディーゼル機関の運転状態に応じて要求噴射回数を算出する。また、ディーゼル機関の出力軸の回転速度に応じて許容噴射回数を算出する。要求噴射回数が許容噴射回数を上回るときであっても、EDU52に熱的な余裕があると判断されるときには、許容噴射回数による制限を緩和する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の運転状態に基づき1燃焼サイクル内における噴射回数の要求値を算出する手段と、該要求値に応じた燃料噴射制御を行うべく、前記内燃機関の燃料噴射弁を駆動回路を介して電気的に操作する手段と、前記内燃機関の出力軸の回転速度に応じた許容噴射回数にて実際の噴射回数を制限する制限手段とを備える燃料噴射制御装置に関する。
ディーゼル機関においては、排気特性の向上や騒音の抑制等を狙って1燃焼サイクル内において複数回の燃料噴射を行ういわゆる多段噴射制御がなされている。ただし、この場合、1燃焼サイクル内に燃料噴射弁を電気的に複数回操作する必要が生じる。このため、燃料噴射弁に電気エネルギを供給する駆動回路における発熱量が大きなものとなる。特に、ディーゼル機関の出力軸の回転速度が大きい場合には、上記複数回の各噴射間の時間間隔が短くなるため、噴射時の発熱が噴射間の放熱を上回り、ひいては、駆動回路の温度がその信頼性を維持することのできる上限値(許容上限温度)を超えるおそれがある。
そこで従来は、出力軸の回転速度に応じて許容噴射回数を設定することも提案されている。これによれば、回転速度が大きいほど許容噴射回数を小さく設定することで、駆動回路の温度上昇を抑制することができる。
ただし、上記許容噴射回数をディーゼル機関のあらゆる運転状態において適切なものとするためには、駆動回路の温度が最も上昇しやすい条件に基づき許容噴射回数を定める必要が生じる。しかしこの場合、上記最も上昇しやすい条件よりも緩い条件下にあっては、実際には駆動回路の温度が許容上限温度となるまでに十分な熱的な余裕がある場合であっても、噴射回数に制限がかけられることとなる。
なお、駆動回路の温度に関する問題に対処した技術としては、他にも、例えば下記特許文献1に見られるものもある。
特開2004−92635号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、駆動回路の過度の温度上昇を回避しつつも多段噴射制御をより適切に行うことのできる燃料噴射制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、前記駆動回路の温度状態と相関を有する温度状態情報に基づき、前記駆動回路の温度が許容限界温度となるまでに熱的に余裕があるか否かを判断し、該熱的に余裕があると判断されるとき、前記制限を緩和する緩和手段を備えることを特徴とする。
上記構成では、駆動回路の温度状態と相関を有する情報である温度状態情報に基づき、熱的に余裕があるときには制限を緩和するために、必要以上に噴射回数が制限されることを回避することができる。したがって、上記構成によれば、駆動回路の過度の温度上昇を回避しつつも多段噴射制御をより適切に行うことができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記緩和手段は、前記温度状態情報としての前記燃料噴射弁による燃料噴射履歴に基づき、前記判断を行うことを特徴とする。
燃料噴射弁による燃料噴射が単位時間に多くなされるほど、駆動回路の発熱量は大きくなり、また同駆動回路の放熱量は小さくなる。このため、過去から現在までの燃料噴射の履歴によれば、現在の駆動回路の温度状態を把握することができる。上記構成では、この点に着目して、燃料噴射弁による燃料噴射履歴に基づき、熱的な余裕度を判断する。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記緩和手段は、前記燃料噴射履歴として、前記要求値が前記許容噴射回数以下であった状態から前記許容噴射回数を上回る状態への移行の有無を判断する判断手段と、前記移行ありと判断されるとき、前記制限を解除する解除時間を設定する設定手段とを備えることを特徴とする。
上記構成において、要求値が許容噴射回数以下であった状態から許容噴射回数を上回る状態へと移行するときには、それまでは許容噴射回数以下であったのであるから、未だ駆動回路には熱的な余裕があると考えられる。この点、上記構成では、上記移行ありと判断されるときには熱的余裕があるとして、解除時間が経過するまでは制限を解除することで、この間に多段噴射が不必要に制限されることを回避することができる。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記設定手段は、前記要求値と前記許容噴射回数との差に応じて前記解除時間を可変設定することを特徴とする。
制限が解除されているときの駆動回路の熱的な余裕度の減少速度は、燃料噴射の回数が多いほど大きくなると考えられる。また、制限が解除された後に駆動回路に熱的な余裕がなくなるまでの時間は、解除時の熱的な余裕度が大きいほど長くなる。そして、解除時の熱的な余裕度は、解除前の要求値と許容噴射回数との差が大きいほど大きくなる。上記構成では、こうした性質に着目し、解除時間を可変設定することで、解除による熱的な余裕度の減少速度や解除前の熱的な余裕度の大小に基づき、解除時間をより適切に設定することが可能となる。
請求項5記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記設定手段は、前記移行前の噴射回数と前記移行後の噴射回数との差に応じて前記解除時間を可変設定することを特徴とする。
移行前の噴射回数に対する移行後の噴射回数の差が大きいほど、移行後の駆動回路の熱的な余裕度の減少速度は大きくなる傾向にある。上記構成では、この点に着目し、上記差に応じて解除時間を可変設定することで、解除時間をより適切に定めることができる。
請求項6記載の発明は、請求項3〜5のいずれかに記載の発明において、前記制限手段は、前記解除時間の経過後、予め定められた期間に渡って噴射回数を制限することを特徴とする。
要求値が許容噴射回数を上回ったときに解除時間を設定する手法によれば、要求値が一旦許容噴射回数以下となった後、再度許容噴射回数を上回ったときには、解除時間が再度設定されることとなる。しかし、この場合、許容噴射回数を再度上回るようになるまでの時間が短いときには、駆動回路の熱的な余裕が非常に少なくなるおそれがある。このため、予め解除時間を短めに設定する必要が生じる。この点、上記構成では、解除時間の経過後、予め定められた期間に渡って噴射回数を制限することで、要求値が許容噴射回数を再度上回ったときに上記問題が生じることを回避することができる。このため、解除時間をより適切に設定することができるため、噴射回数の過度の制限をより適切に回避することができる。
請求項7記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記緩和手段は、前記温度状態情報としての前記駆動回路の温度が規定温度以下であるとき、前記熱的な余裕があると判断することを特徴とする。
上記構成では、駆動回路の温度がその許容上限温度よりも所定量低い規定温度以下であるときに熱的な余裕があると判断することで、熱的な余裕の有無を適切に判断することができる。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、前記燃料噴射弁は、ピエゾ素子をアクチュエータとして備えるピエゾインジェクタであり、前記駆動回路は、昇圧回路と、該昇圧回路によって昇圧された電圧が印加されるコンデンサとを備え、前記コンデンサを電源とするチョッパ制御により前記ピエゾ素子を充電するものであり、前記緩和手段は、前記チョッパ制御にかかるスイッチング素子の温度及び昇圧回路のスイッチング素子の温度の少なくとも一方を前記駆動回路の温度として用いることを特徴とする。
上記構成では、昇圧回路による高電圧によってピエゾインジェクタが駆動される。このため、駆動回路では、大電力を扱うこととなるため、特に上記チョッパ制御のスイッチング素子や昇圧回路のスイッチング素子の発熱量が大きくなる。このため、燃料噴射制御に伴い、これらスイッチング素子の温度の上昇が特に問題となりやすい。この点、上記構成では、これらスイッチング素子の温度を駆動回路の温度としてこれに基づき熱的余裕の有無を判断するために、これらスイッチング素子の信頼性を維持することのできる許容上限温度に対する熱的な余裕の有無の判断をより適切に行うことができる。
請求項9記載の発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の発明において、前記緩和手段は、前記温度状態情報としての前記駆動回路の周囲の温度が低いほど、前記許容噴射回数を増加補正することを特徴とする。
上記構成では、駆動回路の周囲の温度が低いほど、駆動回路の放熱が促進されやすいことに鑑み、駆動回路の周囲の温度が低いほど熱的余裕度が大きいと判断して、許容噴射回数を増加補正する。これにより、許容噴射回数による制限を適切に緩和することができる。
請求項10記載の発明は、請求項1〜9のいずれかに記載の発明において、前記緩和手段は、前記温度状態情報としての前記内燃機関が搭載される車両の走行速度が速いほど、前記許容噴射回数を増加補正することを特徴とする。
車両の走行速度が速いほど、単位時間あたりに駆動回路にあたる空気量が増加するために、駆動回路の放熱が促進されやすくなる。このため、車両の走行速度を、駆動回路の温度と相関を有する情報として利用することができる。この点、上記構成では、車両の走行速度が速いほど駆動回路に熱的な余裕があると判断して許容噴射回数を増加補正する。これにより、許容噴射回数による制限を適切に緩和することができる。
請求項11記載の発明は、請求項1〜10のいずれかに記載の発明において、前記燃料噴射弁が、ピエゾ素子をアクチュエータとして備えるピエゾインジェクタであり、前記緩和手段は、前記温度状態情報としての前記燃料噴射弁に供給される燃料の圧力が所定圧以下であるとき、前記制限を緩和することを特徴とする。
ピエゾインジェクタは、一般に、供給される燃料の圧力が高いほど駆動に際して要求されるエネルギ量が大きくなる。このため、供給される燃料の圧力が高いほど、1回の噴射あたりの駆動回路の発熱量が大きくなる傾向にある。この点、上記構成では、燃料の圧力が所定圧以下であるときには、駆動回路に熱的な余裕があると判断して、制限を緩和することができる。
請求項12記載の発明は、請求項1〜11のいずれかに記載の発明において、前記燃料噴射弁が、ピエゾ素子をアクチュエータとして備えるピエゾインジェクタであり、前記緩和手段は、前記内燃機関の排気系に設けられる後処理装置の再生のための噴射であるポスト噴射の要求が生じているにもかかわらず前記制限手段により該ポスト噴射が制限される状況下、前記燃料噴射弁へ供給される燃料の燃圧を減圧することで前記熱的余裕度を増大させるとともに、前記制限を解除する機能を更に有することを特徴とする。
ポスト噴射の要求が生じているときにこれを行わないと、後処理装置の劣化が促進され、ひいては排気特性の定常的な低下を招くおそれがある。一方、ピエゾインジェクタは、一般に、供給される燃料の圧力が高いほど駆動に際して要求されるエネルギ量が大きくなる。このため、燃料の圧力を低くすれば、許容噴射回数を増加させることができる。この点、上記構成では、ポスト噴射が要求されるにもかかわらずこれに制限がかかる状況下、燃料の圧力を減圧することで、各燃料噴射後の駆動回路の熱的な余裕度を増大させることができ、駆動回路の過度の温度上昇を回避しつつもポスト噴射を行うことができる。
請求項13記載の発明は、請求項1〜12のいずれかに記載の発明において、前記燃料噴射弁が、ピエゾ素子をアクチュエータとして備えるピエゾインジェクタであり、前記駆動回路は、昇圧回路と、該昇圧回路によって昇圧された電圧が印加されるアルミ電解コンデンサとを備え、該コンデンサを電源とするチョッパ制御により前記ピエゾ素子を充電するものであり、前記緩和手段は、前記コンデンサの温度が規定の低温度以下であるとき、前記要求値に対して実際の噴射回数を増加させる機能を更に有することを特徴とする。
アルミ電解コンデンサは、温度が低いほどその直列等価抵抗が増大する。このため、温度が過度に低いと、コンデンサの充電及び放電時の消費電力が増大する。この点、上記構成では、コンデンサの温度が規定の低温度以下であるときには、噴射回数を増加させることで、駆動回路の発熱を促し、ひいては、直列等価抵抗を低下させることができる。
請求項14記載の発明は、前記制限及び前記緩和の態様の少なくとも一方が、前記駆動回路の熱容量に応じて適合されてなることを特徴とする。
上記構成では、駆動回路の熱容量に基づき熱的な余裕度を精度良く把握することができる。このため、噴射回数を制限する際には、その制限を過度に厳しくすること無く、駆動回路に見合った制限とすることができる。また、この制限を緩和する際にも、緩和される領域が不必要に縮小されること無く、駆動回路の熱的な余裕度に応じてより適切に制限を緩和することができる。
請求項15記載の発明は、請求項1〜14のいずれかに記載の発明において、前記制限手段による制限がなされるとき、各燃料噴射の噴射量、噴射開始時期、噴射間のインターバルの少なくとも1つを補正する補正手段を更に備えることを特徴とする。
噴射回数が制限されて要求値より小さくなるときには、内燃機関の出力トルクや排気特性が低下するおそれがある。この点、上記構成では、こうした状況下、噴射量や噴射開始時期、噴射間のインターバルを補正することで、出力トルクや排気特性の低下を好適に抑制することができる。
請求項16記載の発明は、請求項1〜15のいずれかに記載の発明において、前記緩和手段は、前記内燃機関の出力トルクの増加要求時、前記制限の緩和度合いを大きくすることを特徴とする。
内燃機関の出力トルクの増加要求時には、燃焼に伴う騒音が大きくなりやすい。この点、上記構成では、出力トルクの増加要求時において緩和度合いを大きくすることで、実際の噴射回数を要求値に極力近似させることができ、ひいては騒音を低減することができる。
請求項17記載の発明は、請求項1〜16のいずれかに記載の発明において、前記内燃機関が多気筒内燃機関であり、前記制限手段は、前記多気筒内燃機関の一部の気筒について前記制限を行うことを特徴とする。
上記構成では、一部の気筒において制限を行うために、他の気筒については、要求値に忠実に噴射回数を設定することができる。しかも、4ストローク内における燃料噴射回数が過度に大きくなることを制限によって回避することができるため、駆動回路の発熱を抑制することができる。
請求項18記載の発明は、請求項1〜17のいずれかに記載の発明において、前記燃料噴射弁は、ピエゾ素子をアクチュエータとして備えるピエゾインジェクタであり、前記駆動回路は、昇圧回路と、該昇圧回路によって昇圧された電圧が印加されるコンデンサとを備え、該コンデンサを電源とするチョッパ制御により前記ピエゾ素子を充電するものであり、前記緩和手段によって前記制限が緩和されるとき、前記昇圧回路による前記コンデンサへの電荷の供給速度を増大させることを特徴とする。
上記構成では、緩和手段により制限が緩和されるときに昇圧回路からコンデンサへの電荷の供給速度を増大させるため、制限が緩和されることで制限時と比較して要求される電荷量が増加するときであっても、コンデンサに電荷を確実に供給することができる。なお、電荷供給速度が大きいほどノイズが生じやすいことに鑑みれば、上記構成によれば、大きな電荷供給速度により常時電荷供給を行う場合と比較して、ノイズの発生を抑制することもできる。
請求項19記載の発明は、請求項1〜18のいずれかに記載の発明において、前記制限手段は、前記駆動回路に電力を供給するバッテリの電圧が低いほど前記許容噴射回数を小さくする機能を更に備えることを特徴とする。
バッテリの電圧が低いと駆動回路の駆動電力が不足し、ひいては燃料噴射弁の操作性が低下する。特に、こうした状況下にあって噴射回数が多い場合には、バッテリの電圧を更に低下させることともなる。この点、上記構成では、バッテリ電圧が低いほど許容噴射回数を小さくすることで、バッテリの電圧の更なる低下を抑制することや、燃料噴射弁の操作性の低下を抑制することができる。
請求項20記載の発明は、前記制限は、前記多気筒内燃機関の一部の気筒についてなされることを特徴とする。
上記構成では、一部の気筒において制限を行うために、他の気筒については、要求値に忠実に噴射回数を設定することができる。しかも、4ストローク内における燃料噴射回数が過度に大きくなることを制限によって回避することができるため、駆動回路の発熱を抑制することができる。
請求項21記載の発明は、前記内燃機関の排気系に設けられる後処理装置の再生のための噴射であるポスト噴射の要求が生じているにもかかわらず前記制限手段により該ポスト噴射が制限される状況下、前記燃料噴射弁へ供給される燃料の圧力を減圧するとともに、前記制限を解除することを特徴とする。
ポスト噴射の要求が生じているときにこれを行わないと、後処理装置の劣化が促進され、ひいては排気特性の定常的な低下を招くおそれがある。一方、ピエゾインジェクタは、一般に、供給される燃料の圧力が高いほど駆動に際して要求されるエネルギ量が大きくなる。このため、燃料の圧力を低くすれば、許容噴射回数を増加させることができる。この点、上記構成では、ポスト噴射が要求されるにもかかわらずこれに制限がかかる状況下、燃料の圧力を減圧することで、各燃料噴射後の駆動回路の熱的な余裕度を増大させることができ、駆動回路の過度の温度上昇を回避しつつもポスト噴射を行うことができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる燃料噴射制御装置を、ピエゾインジェクタを備えるコモンレール式のディーゼル機関の燃料噴射制御装置に適用した第1の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態におけるエンジンシステムの全体構成を示す。
図示されるように、燃料タンク1内の燃料は、燃料フィルタ2を介して燃料ポンプ3によって汲み上げられる。この燃料ポンプ3は、SCV(燃料調量弁4)を備えており、この燃料調量弁4が操作されることで、外部に吐出される燃料量が決定される。
燃料ポンプ3からの燃料は、コモンレール5に加圧供給される。コモンレール5は、燃料ポンプ3から加圧供給された燃料を高圧状態で蓄え、これを高圧燃料通路6を介して各気筒(ここでは、4気筒を例示)のピエゾインジェクタPIに供給する。ピエゾインジェクタPIは、低圧燃料通路7と接続されており、低圧燃料通路7を介して燃料を燃料タンク1に戻すことが可能となっている。
ここで、図2に基づき、ピエゾインジェクタPIの構造について説明する。
ピエゾインジェクタPIのボディ10の先端には、円柱状のニードル収納部12が設けられている。そして、ニードル収納部12には、その軸方向に変位可能なノズルニードル14が収納されている。ノズルニードル14は、ボディ10の先端部に形成されている環状のニードルシート部16に着座することで、ニードル収納部12を外部(ディーゼル機関の燃焼室)から遮断する一方、ニードルシート部16から離座することで、ニードル収納部12を外部と連通させる。また、ニードル収納部12には、上記高圧燃料通路6を介して高圧燃料が供給される。
ノズルニードル14の背面側(ニードルシート部16と対向する側の反対側)は、背圧室20に対向している。背圧室20には、高圧燃料通路6からの燃料がオリフィス22を介して供給される。また、背圧室20には、ノズルニードル14をニードルシート部16側へ押すニードルスプリング24が備えられている。
背圧室20は、ボール26を介して上記低圧燃料通路7に連通可能とされている。ボール26は、その背面側が環状のバルブシート部30に着座することで、低圧燃料通路7と背圧室20とを遮断し、ボディ10の先端側へ変位することで、低圧燃料通路7と背圧室20とを連通させる。
ボール26のうちバルブシート部30側は、プレッシャピン32を介して小径ピストン34と連結されている。小径ピストン34の後部側は、小径ピストン34よりも径の大きな大径ピストン36の先端と対向している。そして、小径ピストン34、大径ピストン36、及びボディ10の内周面によって変位伝達室38が区画形成されている。変位伝達室38には、例えば燃料等の適宜の流体が充填されている。
一方、大径ピストン36は、そのボディ10の後方側がピエゾ素子PEと連結されている。ちなみに、ピエゾ素子PEは、大径ピストン36と対向する側の裏面側がボディ10に固定されている。
ピエゾ素子PEは、複数の圧電素子が積層されてなる積層体(ピエゾスタック)を備え、これが逆圧電効果により伸縮することによりアクチュエータとして機能する。具体的には、ピエゾ素子PEは、容量性の負荷であり、充電されることで伸長し、放電されることで縮小する。ちなみに、本実施形態にかかるピエゾ素子PEは、PZT等の圧電材料の圧電素子を利用したものである。
ピエゾ素子PEへ電流が供給されずピエゾ素子PEが収縮状態にあるときには、高圧燃料通路6の高圧燃料により力が及ぼされることから、ボール26や小径ピストン34はボディ10の後方に位置することとなる。このとき、ボール26により背圧室20と低圧燃料通路7とは遮断されている。このため、背圧室20内の燃料の圧力(コモンレール5内の燃料の圧力)及びニードルスプリング24の弾性力によって、ノズルニードル14は、ボディ10先端側へと押され、ニードルシート部16に着座した状態(閉弁状態)となる。
一方、ピエゾ素子PEに電流が供給されることでピエゾ素子PEが伸長状態となると、ボール26は、ボディ10の先端側へ移動する。これにより、背圧室20が低圧燃料通路7と連通される。その結果、背圧室20内の燃料の圧力が低下し、ニードル収納部12内の高圧燃料がノズルニードル14をボディ10の後方へ押す力が、背圧室20内の燃料及びニードルスプリング24がノズルニードル14をボディ10の前方へ押す力よりも所定以上大きくなると、ノズルニードル14は、ニードルシート部16から離座した状態(開弁状態)となる。
先の図1に示したエンジンシステムは、コモンレール5内の燃圧を検出する燃圧センサ40や、ディーゼル機関の出力軸の回転角度を検出するクランク角センサ42等、ディーゼル機関の運転状態を検出する各種センサや、アクセルペダルの操作量を検出するアクセルセンサ44を備えている。
これら各種センサの検出結果は、ECU50に取り込まれる。そして、ECU50では、こうした検出値に基づき、ピエゾインジェクタPIや燃料調量弁4等、ディーゼル機関の各種アクチュエータを操作する。特にECU50では、上記各種センサの検出値に基づき、ピエゾインジェクタPIを操作することで、燃料噴射制御を行なう。
すなわち、ECU50では、アクセルセンサ44によって検出されるアクセルペダルの操作量とクランク角センサ42の検出値から定まる出力軸の回転速度とに基づき、ディーゼル機関の出力トルクの要求を満たす要求噴射量を算出する。そして、アクセルペダルの操作量や回転速度等に基づき、噴射回数の要求値を算出し、要求噴射量を要求値の噴射回数にて分割する。ただし、ディーゼル機関の排気系に設けられる排気の後処理装置の再生のためのポスト噴射に関しては、要求噴射量とは別途噴射量が算出される。そして、分割された各噴射量と燃圧センサ40の検出値とに基づき、ピエゾインジェクタPIに対する噴射期間の指令値(指令噴射期間)をマップ演算する。そして、指令噴射期間に応じた噴射信号をドライバユニット(EDU52)に出力することで、EDU52を介してピエゾインジェクタPIを操作する。
図3に、EDU50の回路構成を示す。
図示されるように、バッテリBaから供給される電力は、まず昇圧回路であるDC/DCコンバータ60に供給される。DC/DCコンバータ60は、コイル60a及びスイッチング素子60bの直列接続体を、バッテリBa及び接地間に接続される態様にて備えており、また、スイッチング素子60bと並列に、接地側からコイル60a側へ向かう方向を順方向とするダイオード60cを備えている。DC−DCコンバータ60は、バッテリBaの電圧(例えば「12V」)を、ピエゾ素子PEを充電するための高電圧(例えば「200〜300V」)に昇圧する。
DC/DCコンバータ60の昇圧電圧は、コンデンサ62に印加される。コンデンサ62は、その一方の端子がDC/DCコンバータ60側に接続され、また他方の端子が接地されている。そして、DC/DCコンバータ60の昇圧電圧がコンデンサ62に印加されると、コンデンサ62はピエゾ素子PEに供給するための電荷を蓄える。ちなみに、コンデンサ62は、ピエゾ素子PEへの一回の充電処理によってはその電圧がほとんど変化しない容量(例えば「数100μF」程度)を有するものであることが望ましい。
コンデンサ62のうちの高電位となる端子側、すなわち、DC/DCコンバータ60側は、充電スイッチ64と充放電コイル66との直列接続体を介して、ピエゾ素子PE(各気筒に対応してピエゾ素子pa〜pdと表記)の高電位となる端子側に接続されている。そして、ピエゾ素子PEの低電位となる端子側は、接地されている。
詳しくは、各ピエゾ素子pa〜pdと接地との間には、気筒選択スイッチ68が接続されており、これにより、ピエゾ素子pa〜pdのいずれに対して充電処理又は放電処理を行うかが選択される。また、ピエゾ素子paとピエゾ素子pdとの並列回路と、ピエゾ素子pbとピエゾ素子pcとの並列回路とには、それぞれこれらと充放電コイル66とを接続するバンク選択スイッチ70が接続されている。このバンク選択スイッチ70は、複数気筒の同時噴射や、退避走行時に2気筒のみを用いることを可能とするスイッチである。ちなみに、ピエゾ素子pa〜pdは、ピエゾ素子paが1番気筒、ピエゾ素子pbが2番気筒、ピエゾ素子pcが3番気筒、ピエゾ素子pdが4番気筒に対応している。
充電スイッチ64と充放電コイル66との間には、放電スイッチ72の一方の端子が接続されており、放電スイッチ72の他方の端子は、接地されている。
放電スイッチ72には、ダイオード74が並列接続されている。ダイオード74は、そのカソード側がコンデンサ62及び充放電コイル66間に、またそのアノード側が接地側にそれぞれ接続されている。ダイオード74は、コンデンサ62、充電スイッチ64、充放電コイル66と共に、ピエゾ素子PEを充電するチョッパ回路を構成するものであり、フリーホイーリングダイオードとして機能する。
一方、充電スイッチ64には、ダイオード76が並列接続されている。ダイオード76は、そのカソード側がコンデンサ62側と、またそのアノード側が放電スイッチ72側と接続されている。ダイオード76は、コンデンサ62、充放電コイル66、放電スイッチ72と共に、ピエゾ素子PEの電荷を放電するチョッパ回路を構成するものであり、フリーホイーリングダイオードとして機能する。
なお、充放電コイル66とバンク選択スイッチ70との間には、ショートスイッチ78とダイオード80と抵抗82及び抵抗84の直列接続体とが、ピエゾ素子PEに並列に接続されている。このショートスイッチ78は、上記チョッパ制御によっては放電しきれなかったピエゾ素子PEの電荷を完全に放電するためのものである。また、ダイオード80は、ピエゾ素子PEの電圧がマイナスになることを防止している。
先の図1に示したEDU50は、上記構成の駆動回路に加えて、制御IC90を備えている。制御IC90は、上記ECU50から出力された制御条件に基づき、駆動回路を駆動する。なお、制御IC90は、駆動回路の各ノードN1〜N8の電位に基づき、駆動回路やピエゾ素子PEについての電流や電圧等の情報を取り込んでいる。
ここで、本実施形態にかかるピエゾ素子PEの変位量の制御(充電処理及び放電処理)について詳述する。
(充電処理)
上記ECU50からEDU52に上記噴射信号が出力されることで、制御IC90は、充電スイッチ64のオン・オフ操作によるチョッパ制御を開始する。具体的には、充電スイッチ64がオン操作されることによって、コンデンサ62、充電スイッチ64、充放電コイル66、ピエゾ素子PEからなる閉ループ回路が形成される。これにより、コンデンサ62の電荷がピエゾ素子PEに充電される。このとき、ピエゾ素子PEを介して流れる電流量が漸増する(電流量の漸増操作)。一方、充電スイッチ64のオン操作の後、充電スイッチ64がオフ操作されることで、充放電コイル66、ピエゾ素子PE、ダイオード74からなる閉ループ回路が形成される。これにより、充放電コイル66のフライホイールエネルギが、ピエゾ素子PEに充電される。このとき、ピエゾ素子PEを介して流れる電流量が漸減する(電流量の漸減操作)。そして、本実施形態では、電流量がゼロとなることで、充電スイッチ64を再度オン操作する。
上記態様にて充電スイッチ64が操作される降圧チョッパ制御が行われることで、ピエゾ素子PEが充電され、ピエゾ素子PEの高電位となる端子側の電位が上昇する。この充電処理は、ECU50から上記噴射信号とは別に充電期間信号が出力されることで、充電期間信号の出力される間行われるようにすればよい。
(放電処理)
上記ECU50から出力される噴射信号が反転すると、制御IC90では、放電スイッチ72のオン・オフ操作を開始する。具体的には、放電スイッチ72がオン操作されることで、放電スイッチ72、充放電コイル66、ピエゾ素子PEによって閉ループ回路が形成される。これにより、ピエゾ素子PEが放電される。このとき、ピエゾ素子PEを介して流れる電流量が漸増する(電流量の漸増操作)。更に、放電スイッチ72のオン操作の後、放電スイッチ72がオフ操作されることで、コンデンサ62、ダイオード76、充放電コイル66、ピエゾ素子PEによって閉ループ回路が形成される。これにより、充放電コイル66のフライホイールエネルギがコンデンサ62に回収される。このとき、ピエゾ素子PEを介して流れる電流量が漸減する(電流量の漸減操作)。そして、本実施形態では、電流量がゼロとなることで、放電スイッチ72を再度オン操作する。
上記態様にて放電スイッチ72が操作される昇圧チョッパ制御が行われることで、ピエゾ素子PEが放電され、ピエゾ素子PEの高電位となる端子側の電位が低下する。
ところで、上述したように要求噴射量を複数回に分割して噴射する場合、1燃焼サイクル内において噴射回数分ピエゾインジェクタPIに対する充電処理及び放電処理を繰り返す必要が生じる。このように充電処理と放電処理とが繰り返されることで、EDU52の発熱量が増加する。そして、充電処理や放電処理の期間における発熱量がそれ以外の期間における放熱量を上回ると、EDU52の温度が上昇する。この温度上昇は、ディーゼル機関の出力軸の回転速度が大きいほど生じやすい。これは、回転速度が大きい領域では、噴射間の時間間隔が短くなるため、放熱期間が短くなるためである。
そして、温度が過度に上昇すると、EDU52の信頼性の低下を招くおそれがある。特に、上記充電スイッチ64や放電スイッチ72、スイッチング素子60bについては、発熱量が大きいため、温度上昇が生じやすい。このため、これら充電スイッチ64や放電スイッチ72、スイッチング素子60bには、その信頼性を維持することのできる上限温度(許容上限温度)を超える事態が生じやすい。
そこで本実施形態では、噴射回数を許容噴射回数以下に制限して且つ許容噴射回数を回転速度が大きくなるほど小さく設定する。しかし、この場合、許容噴射回数は、例えば外気温度が高い環境下において許容できる回数に設定される等、EDU52の温度が最も上昇しやすい条件下において設定されることとなるため、ディーゼル機関の運転状態や運転環境等によっては、不必要に制限がかけられるおそれがある。
そこで本実施形態では、EDU52の温度状態と相関を有する情報である温度状態情報に基づき、EDU52の温度が許容限界温度となるまでに熱的な余裕があるか否かを判断し、熱的に余裕があると判断されるときに、上記制限を緩和する。以下、これについて詳述する。
図4に、本実施形態にかかる燃料噴射回数の設定処理の手順を示す。この処理は、ECU50により、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、アクセルペダルの操作量や回転速度に基づき、要求噴射回数を算出する。なお、この際、ディーゼル機関の冷却水の温度等を加味して算出を行ってもよい。続くステップS12においては、ディーゼル機関の出力軸の回転速度に基づき、許容噴射回数を算出する。許容噴射回数は、回転速度が大きいほど小さな値とされ、また、その回転速度において最も温度上昇がしやすい条件下であってもEDU50の温度が許容上限温度まで達することのない値に設定されている。
続くステップS14においては、要求噴射回数が許容噴射回数を上回っているか否かを判断する。ここで、要求噴射回数が許容噴射回数を始めて上回ったときには、EDU52の温度が許容上限温度に達するまでには未だ熱的な余裕があると考えられる。そこで、本実施形態では、要求噴射回数が許容噴射回数を始めて上回ってから予め定められた解除時間αが経過するまでは、制限を解除する。
詳しくは、まずステップS16において、要求噴射回数が許容噴射回数を超えているにもかかわらず、制限が解除されている時間を計数する解除計数をインクリメントする。続くステップS18においては、解除計数が解除時間α以上であるか否かを判断する。この処理は、EDU52の温度が許容上限温度に対して熱的に余裕があるか否かを判断するものである。そして、解除時間α未満であるときには、熱的に余裕があると判断して、ステップS20において、最終噴射回数を要求噴射回数とする。これに対し、解除時間α以上であるときには、熱的に余裕がないと判断して、ステップS22において、最終噴射回数を許容噴射回数とする。
一方、要求噴射回数が許容噴射回数以下であるときには、ステップS24において解除計数を初期化し、上記ステップS20に移行する。なお、上記ステップS20、S22の処理が完了するときには、この一連の処理を一旦終了する。
なお、上記制限がなされるときには、図5に示されるように、各噴射段の噴射量や噴射開始時期、噴射間のインターバルの少なくとも1つを補正することで、出力トルクや排気特性の低下を抑制する。これは、噴射回数が制限されることで、噴射量が減少すると出力トルクが減少し、また、噴射回数の減少は排気特性の低下を招くからである。具体的には、例えば要求噴射回数が図5(a)である場合、合計の噴射量を制限の有無にかかわらず同一とすべく例えば図5(b)や図5(c)に示すように、各噴射段の噴射量を補正する。ちなみに、図5(b)は、全ての噴射段の噴射量を補正する例を示し、図5(c)は、出力トルクの生成にとってメインとなるメイン噴射のみ噴射量を補正する例を示す。また、図5(d)は、出力トルクの低下を抑制すべく、噴射開始時期を進角補正して且つ、排気特性の低下を抑制すべく噴射間のインターバルを補正する例を示す。
また、上記制限の緩和がなされるときには、DCDCコンバータ60の電荷供給速度を増大させる。これは、DCDCコンバータ60の電荷供給速度が、制限を緩和しないときに要求される電荷供給速度に設定されているからである。このため、制限が緩和されるときには、制限時と比較して噴射回数の増加に伴いコンデンサ62に必要な電荷が増加し、電荷供給が不足するおそれがある。このため、制限の緩和時には、電荷供給速度を増大させる。詳しくは、図6に示されるように、DCDCコンバータ60の出力電流のピーク値を増大させる。これは、DCDCコンバータ60のスイッチング素子60bを用いたチョッパ制御により出力電流の漸増及び漸減を繰り返すことで昇圧がなされ、このときの電荷供給速度は、漸増から漸減に切り替るピーク電流によって調節されることによる。
なお、先の図4に示した処理における許容噴射回数NINJLIMや解除時間αの適合は、EDU52の熱容量に基づき行われる。詳しくは、図7に示すように、実際のEDU52を用いてピエゾインジェクタPIを操作し、このときのEDU52の温度上昇に基づき、上記適合を行う。図7において、マイコン100は、ECU50の製造時において、上記適合を行うためのコンピュータであり、EDU52に対して噴射信号を出力する。一方、計測装置102は、EDU52の温度の上昇度合いを監視し、監視結果をマイコン100に出力する。マイコン100では、計測装置102による計測結果に基づき、許容噴射回数や解除時間αとして最適な値を求める。そして、最適な値が求まったとき、これをデータベース104に記憶させる。データベース104内に記憶されたデータは、ECU50に制御プログラム等が記憶される工程において、ECU50内の適宜のメモリに書き込まれる。
このように、EDU52の熱容量に応じて適合がなされることで、許容噴射回数を、EDU50の温度を許容上限温度以下に抑えることのできる最大の値とすることができる。また、解除時間αについても、EDU50の温度を許容上限温度以下に抑えることのできる最長の時間とすることができる。
なお、EDU52の適合に際しては、EDU52の周囲の温度を想定される最高温度とする等、実際に生じ得る条件のうちEDU52の温度が最も上昇しやすい条件に設定される。また、図中、破線にて示すように、EDU52の車両上での配置態様や周囲の部材の熱容量等については、実際にEDU52が車両に搭載されるときの条件と極力同一の条件とすることが望ましい。これにより、許容噴射回数や解除時間αをより適した値とすることができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)EDU52の温度状態と相関を有する温度状態情報に基づき、EDU52の温度が許容限界温度となるまでに熱的に余裕があるか否かを判断し、該熱的に余裕があると判断されるとき、制限を緩和した。これにより、必要以上に噴射回数が制限されることを回避することができるため、EDU52の過度の温度上昇を回避しつつも多段噴射制御をより適切に行うことができる。
(2)要求噴射回数が許容噴射回数以下であった状態から許容噴射回数を上回る状態へ移行したとき、噴射回数の制限を解除する解除時間を設定した。これにより、上記移行ありと判断されるときには熱的余裕があるとして、解除時間が経過するまでは制限を解除することで、この間に多段噴射が不必要に制限されることを回避することができる。
(3)許容噴射回数及び解除時間αを、EDU50の熱容量に応じて適合した。これにより、EDU52の熱容量に基づき熱的な余裕度を精度良く把握することができるため、噴射回数を制限する際には、その制限を過度に厳しくすること無く、EDU52に見合った制限とすることができる。また、この制限を緩和する際にも、緩和される領域が不必要に縮小されること無く、EDU52の熱的な余裕度に応じてより適切に制限を緩和することができる。
(4)噴射回数の制限がなされるとき、各燃料噴射の噴射量、噴射開始時期、噴射間のインターバルの少なくとも1つを補正した。これにより、出力トルクや排気特性の低下を好適に抑制することができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、解除時間αを、許容噴射回数と要求噴射回数との差に応じて可変設定する。図8に、本実施形態にかかる噴射回数の設定処理の手順を示す。この処理は、ECU50により、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図8において、先の図4に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、ステップS16において解除計数がインクリメントされた後、ステップS30において、許容噴射回数に対する要求噴射回数の差である超過回数を算出する。続くステップS32においては、超過回数に基づき、解除時間αを算出する。ここでは、超過回数が大きいほど解除時間αを短く設定する。これは、超過回数が大きいほど、EDU52が許容上限温度に達するまでの熱的な余裕度の減少速度が大きくなるとことによる。そして、ステップS32において解除時間αを算出すると、ステップS18に移行する。
以上説明したように、本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(4)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(5)許容噴射回数による制限を解除しているときの都度の要求噴射回数と許容噴射回数との差に応じて解除時間αを可変設定した。これにより、解除による熱的な余裕度の減少速度の大小に基づき、解除時間αをより適切に設定することが可能となる。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、解除時間αを、要求噴射回数が許容噴射回数を上回るようになる前後における要求噴射回数の差に応じて可変設定する。図9に、本実施形態にかかる噴射回数の設定処理の手順を示す。この処理は、ECU50により、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図8において、先の図4に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、ステップS16において解除計数がインクリメントされた後、ステップS34において、解除計数が「1」であるか否かを判断する。この処理は、要求噴射回数が許容噴射回数以下であった状態から許容噴射回数を上回った状態へと移行したときであるか否かを判断するためのものである。そして、解除計数が「1」であるときには、ステップS36に移行する。ここでは、前回の要求噴射回数、すなわち、許容噴射回数を上回る直前の要求噴射回数に対する今回の要求噴射回数の差(超過回数)を算出する。そして、ステップS38において、超過回数に基づき解除時間αを設定する。この解除時間αは、超過回数が大きいほど短い時間に設定される。
なお、上記ステップS34において解除計数が「1」でないと判断されるときや、ステップS38の処理が完了するときには、ステップS18に移行する。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(4)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(6)要求噴射回数が許容噴射回数を上回る前後の要求噴射回数の差に基づき解除時間αを可変設定した。これにより、解除時間αをより適切に定めることができる。
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、解除時間αが経過した後、予め定められた期間に渡って噴射回数を制限する。先の第1の実施形態のように要求噴射回数が許容噴射回数を上回ったときに解除時間αを設定する手法によれば、要求噴射回数が一旦許容噴射回数以下となった後、許容噴射回数を再度上回ったときには、解除時間αが再度設定されることとなる。しかし、この場合、許容噴射回数を再度上回るようになるまでの時間が短いときには、EDU52の熱的余裕が非常に少なくなるおそれがある。このため、予め解除時間αを短めに設定する必要が生じる。そこで、本実施形態では、解除時間αが経過した後には、要求噴射回数が一旦許容噴射回数以下となった後であっても、予め定められた期間の間は、許容噴射回数による制限の解除を禁止する。
図10に、本実施形態にかかる噴射回数の設定処理の手順を示す。この処理は、ECU50により、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図10において、先の図4に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、ステップS14において要求噴射回数が許容噴射回数以下であると判断されるときには、ステップS40に移行する。ステップS40においては、前回は要求噴射回数が許容噴射回数以下であったか否かを判断する。この処理は、要求噴射回数が許容噴射回数を上回っている状態から許容噴射回数以下となる状態への移行タイミングを判断するためのものである。そして、ステップS40において否定判断されるときには、ステップS41において解除禁止フラグを「1」とする。
上記ステップS40において肯定判断されるときやステップS41の処理が完了するときには、ステップS42において解除計数のデクリメントを行う。ここで、一回あたりのデクリメント量kは、上記ステップS16におけるインクリメント量と同一でもよいし、また異ならせてもよい。続くステップS43では、解除計数が「0」以下であるか否かを判断する。この判断は、要求噴射回数が許容噴射回数以下となっている期間が上記予め定められた期間以上となっているか否かを判断するためのものである。
上記ステップS43において解除計数が「0」以下であると判断されるときには、ステップS44において解除計数及び解除禁止フラグを「0」とする。このステップS44の処理が完了するときやステップS43において否定判断されるときには、ステップS20に移行する。
一方、ステップS18において解除計数が解除時間α未満であると判断されるときには、ステップS44に移行する。ステップS44では、解除禁止フラグが「1」であるか否かを判断する。そして、解除禁止フラグが「1」であるときには、解除時間α以内であっても、噴射回数を制限すべく、ステップS22に移行する。
上記処理によれば、図11に示すように、要求噴射回数が許容噴射回数を上回った後、許容噴射回数以下となったとしても、解除計数は直ちに「0」とはされず、徐々に減少していく。そして解除計数が「0」となるまでは、要求噴射回数が許容噴射回数を再度上回る時刻t1においても、噴射回数は制限される。このため、EDU52の熱的な余裕度が小さいときには制限の解除を禁止することができる。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(4)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(7)解除時間αが経過した後、予め定められた期間に渡って噴射回数を制限した。これにより、要求噴射回数が許容噴射回数以下となった後再度許容噴射回数を上回るまでの時間間隔が短い場合を想定して解除時間αを短めに設定する必要がなくなるため、噴射回数の過度の制限をより適切に回避することができる。
(第5の実施形態)
以下、第5の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図12に、本実施形態にかかるEDU52を示す。図示されるように、本実施形態では、充電スイッチ64の近傍に同充電スイッチ64の温度を検出する温度検出装置110を備える。この温度検出装置110は、電流源から接地側に向かう方向を順方向とするダイオードを備えて構成されており、ダイオードの温度特性によってダイオードを介して流れる電流が変化することに基づき、流れる電流を温度の検出値とする。この検出値は、ECU50に取り込まれる。
ここで、充電スイッチ64の温度を検出するのは、燃料噴射制御に際して、充電スイッチ64や放電スイッチ72、スイッチング素子60bの温度が特に上昇しやすいからである。なお、図中、破線にて示すように、放電スイッチ72やスイッチング素子60b近傍に温度検出装置を設けてもよい。
図13に、本実施形態にかかる噴射回数の設定処理の手順を示す。この処理は、ECU50により、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図13において、先の図4に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、ステップS14において、要求噴射回数が許容噴射回数を上回ると判断されると、ステップS50において、EDU52の温度、詳しくは上記温度検出装置110による充電スイッチ64の温度の検出値が規定温度β以下であるか否かを判断する。この処理は、EDU52内の充電スイッチ64の温度が許容上限温度となるまでに熱的に余裕があるか否かを判断するものである。規定温度βは、充電スイッチ64や放電スイッチ72、スイッチング素子60bの許容上限温度よりも所定量低い値に設定されている。そしてステップS50において規定温度β以下であると判断されるときには、熱的に余裕があると判断され、ステップS20に移行する。これに対し、ステップS50において規定温度βを上回ると判断されるときには、熱的に余裕がないと判断され、ステップS22に移行する。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)、(4)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(8)EDU52の温度が規定温度β以下であるとき、熱的な余裕があると判断した。これにより、熱的な余裕の有無を適切に判断することができる。
(9)充電スイッチ64の温度をEDU52の温度として用いた。これにより、EDU52の中で特に発熱量が多く、過度の温度上昇による信頼性の低下が懸念される部分の温度を検出することができ、熱的な余裕度の有無の判断をより適切に行うことができる。
(第6の実施形態)
以下、第6の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、回転速度に応じて定まる許容噴射回数を、EDU52の周囲の温度が低いほど増加補正する。図14(a)に、本実施形態における補正値の設定手法を示す。図示されるように、補正値は、周囲の温度の検出値に対する基準温度の差が大きいほど大きく設定される。ここで、基準温度は、図14(b)に実線にて示す回転速度と許容噴射回数との関係を定める(適合する)際に用いた温度であり、上述したように、EDU52の周囲の温度として想定し得る最高温度に基づき設定されている。
ここで、EDU52の放熱量は、EDU52の温度とその周囲の温度との差が大きいほど大きくなる傾向にある。このため、基準温度よりも実際の周囲の温度が低いときに図14(b)に実線にて示す許容噴射回数による制限を行うと、噴射回数が過度に制限されるおそれがある。そこで本実施形態では、周囲の温度に対する基準温度の差が大きいほど、許容噴射回数を増加補正する。図14(b)に一点鎖線にて許容噴射回数の増加補正の一例を示す。
図15に、本実施形態にかかる噴射回数の設定処理の手順を示す。この処理は、ECU50により、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図15において、先の図4に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、ステップS12において回転速度に基づき許容噴射回数を算出した後、ステップS52において周囲の温度を取り込む。ここで周囲の温度は、EDU52の近傍に設けた温度センサの検出値でもよく、また、吸気温センサによって検出される吸気温やディーゼル機関の冷却水の温度等のディーゼル機関や車両の運転状態から推定される推定値であってもよい。続くステップS54においては、許容噴射回数を、周囲の温度に対する基準温度TMXの差に基づき先の図14(a)によって定まる補正値にて増加補正する。その後、ステップS14に移行する。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)、(4)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(10)EDU52の周囲の温度が低いほど、許容噴射回数を増加補正した。これにより、許容噴射回数による制限を適切に緩和することができる。
(第7の実施形態)
以下、第7の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、回転速度に応じて定まる許容噴射回数を、ディーゼル機関が搭載される車両の走行速度(車速)が速いほど増加補正する。図16(a)に、本実施形態における補正値の設定手法を示す。図示されるように、補正値は、車速が大きいほど大きく設定される。これは、車速が速いほど単位時間あたりにEDU52にあたる空気量が増加するため、EDU52の放熱が促進されることによる。図16(b)に、一点鎖線にて、許容噴射回数の増加補正の一例を示す。
図17に、本実施形態にかかる噴射回数の設定処理の手順を示す。この処理は、ECU50により、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図17において、先の図4に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、ステップS12において回転速度に基づき許容噴射回数を算出した後、ステップS56において車速を取り込む。続くステップS58においては、許容噴射回数を、先の図16(a)によって定まる補正値にて増加補正する。その後、ステップS14に移行する。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)、(4)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(11)車速が速いほど許容噴射回数を増加補正した。これにより、許容噴射回数による制限を適切に緩和することができる。
(第8の実施形態)
以下、第8の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
1回の噴射のためにピエゾインジェクタPIに供給される電気エネルギは、燃圧が高いほど増加する。すなわち、燃圧が高いほど先の図2に示したボール26をバルブシート部30から離座させるために要求される力が大きなものとなり、これがピエゾ素子PEに要求される電気エネルギ量の増加をもたらす。このため、燃圧が低いほど燃料噴射によるEDU52内の発熱量が減少し、EDU52の熱的な余裕度が増大する。本実施形態では、この性質に着目して、燃圧に応じて制限を緩和する。
図18に、本実施形態にかかる噴射回数の設定処理の手順を示す。この処理は、ECU50により、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図18において、先の図4に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、ステップS10において要求噴射回数を算出した後、ステップS12aにおいて、回転速度と燃圧とに基づき、許容噴射回数を算出する。ここでは、燃圧が所定以下であるとき、燃圧が低いほど許容噴射回数を増加させる。これは、例えば回転速度と燃圧との2次元マップによって行えばよい。そして、ステップS12aの処理が完了すると、ステップS14に移行する。
なお、本実施形態では、ステップS12a及びステップS14の処理が、回転速度に応じて実際の噴射回数を許容噴射回数内に制限する制限手段となっているとともに、ステップS12aは、この制限を緩和する緩和手段ともなっている。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)、(4)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(12)コモンレール5内の燃圧が所定圧以下であるとき、許容噴射回数による制限を緩和した。これにより、噴射回数をより適切に制限することができる。
(第9の実施形態)
以下、第9の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、要求噴射回数が許容噴射回数を上回り、且つディーゼル機関の排気の後処理装置を再生させるためのポスト噴射の要求があるとき、コモンレール5内の燃圧を減圧するとともに、噴射回数制限を解除する。これは、ポスト噴射要求時にポスト噴射を行わない場合には、後処理装置の劣化が促進されるおそれがあるためである。ただし、単に噴射回数制限を解除したのではEDU52の過熱によりEDU52の信頼性の低下を招くおそれがある。そこでコモンレール5内を減圧して1回あたりの噴射に要求されるエネルギ量を低減し、ひいては1回あたりの噴射に伴う発熱量の低減を図る。
図19に、本実施形態にかかる噴射回数の設定処理の手順を示す。この処理は、ECU50により、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図19において、先の図4に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、ステップS14において要求噴射回数が許容噴射回数よりも大きいと判断されるとき、ステップS60においてポスト噴射要求があるか否かを判断する。そして、ポスト噴射要求があると判断されると、ステップS62において、コモンレール5内の燃圧の目標値(目標燃圧)を、回転速度と要求噴射回数とに基づき減圧補正する。ここで、要求噴射回数と回転速度とは、単位時間あたりのEDU52内の噴射回数と相関を有するパラメータである。そして、単位時間あたりの噴射回数が多いほどEDU52の温度が上昇しやすいため、単位時間あたりの噴射回数が多いほど目標燃圧を減圧する。そしてこれにより、1回あたりの噴射に伴う発熱量を低減し、単位時間あたりの噴射回数の増加による単位時間あたりの発熱量の増加を補償する。
ステップS62の処理が完了すると、ステップS20に移行する。また、ステップS60においてポスト噴射要求がないと判断されるときには、ステップS22に移行する。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)、(4)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(13)ポスト噴射の要求が生じているにもかかわらずポスト噴射が制限される状況下、コモンレール5内を減圧することでEDU52の熱的余裕度を増大させるとともに、上記制限を解除した。これにより、EDU52の過度の温度上昇を回避しつつもポスト噴射を行うことができる。
(第10の実施形態)
以下、第10の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、アクセルペダルが加速側に所定以上操作されるとき、噴射回数の制限の緩和度合いを増大させる。これは、加速時には、ディーゼル機関の燃焼室での燃焼に伴う騒音が大きくなりやすいこと等による。
図20に、本実施形態にかかる噴射回数の設定処理の手順を示す。この処理は、ECU50により、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図20において、先の図4に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、ステップS12の処理の後、ステップS64においてアクセルペダルの操作量の加速側変化量が所定値γ以上であるか否かを判断する。この処理は、加速要求等のディーゼル機関の出力トルクの増加要求の有無を判断するものである。そして、ステップS64において出力トルクの増加要求があると判断されるときには、ステップS66において、許容噴射回数を増加補正する。この増加補正は、ディーゼル機関の回転速度に加えて、冷却水の温度等のEDU52の周囲の環境条件等に基づき行われる。ここでは、出力トルクの増加要求期間が短期間となると想定されることに鑑み、短期間の間の発熱として許容できる最大値に基づき増加補正を行う。
上記ステップS66の処理が完了するときや、ステップS64において否定判断されるときには、ステップS14に移行する。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)、(4)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(14)ディーゼル機関の出力トルクの増加要求時、制限の緩和度合いを大きくした。これにより、出力トルクの増加要求時の騒音を低減することができる。
(第11の実施形態)
以下、第11の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、ディーゼル機関の全ての気筒における燃料噴射のうちの一部について噴射回数の制限を行う。これにより、残りの気筒の燃料噴射については、要求噴射回数どおりの燃料噴射を行い、排気特性の向上等、ディーゼル機関の出力性能の向上を図る。具体的には、図21に示されるように、噴射回数の制限を行う気筒と行わない気筒とを交互に設ける。具体的には、本実施形態では、3番気筒と2番気筒との燃料噴射において、噴射回数を制限する。
図22に、本実施形態にかかる噴射回数の設定処理の手順を示す。この処理は、ECU50により、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図22において、先の図4に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一のステップ番号を付している。
この一連の処理においても、ステップS12において回転速度に応じて許容噴射回数を算出する。ただし、本実施形態では、3番気筒と2番気筒とのみで噴射回数を制限するために、許容噴射回数は、上記制限手法に見合ったものとなっている。換言すれば、同一の回転速度であっても許容噴射回数は、先の第1の実施形態で例示したものと異なったものとなっている。
続くステップS68においては、制限気筒であるか否かを、換言すれば3番気筒又は2番気筒であるか否かを判断する。そして、制限気筒であるときには、ステップS14において、要求噴射回数が許容噴射回数を上回ったか否かを判断する。そして、要求噴射回数が許容噴射回数を上回っているときには、ステップS16に移行する。これにより、解除時間αが経過した後には、ステップS22において、噴射回数を制限する。ここで、解除時間αは、先の図21に示した処理にとって適切な値に設定されている。
一方、上記ステップS68,S70において否定判断されるときには、ステップS24に移行する。このため、制限気筒以外では、要求噴射回数が許容噴射回数を上回っても、噴射回数の制限は行わない。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(4)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(14)多気筒内燃機関の一部の気筒における噴射回数の制限を行った。これにより、4ストローク内における燃料噴射回数が過度に大きくなることを制限しつつも、残りの気筒については要求噴射回数とすることができる。
(第12の実施形態)
以下、第12の実施形態について、先の第11の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、図23に示すように、噴射回数を制限する気筒を4ストローク毎に切り替える。すなわち、3番気筒及び2番気筒において噴射回数の制限を行うと、次の4ストロークでは、1番気筒及び4番気筒において噴射回数の制限を行う。これにより、制限に際して、特定の気筒において排気特性の低下が集中的に生じる現象を回避することができる。
(第13の実施形態)
以下、第13の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、先の図3に示したコンデンサ62の温度が低温度であるとき、要求噴射回数に対して実際の噴射回数を強制的に増加補正する。これは、図24に示すように、アルミ電解コンデンサの直列等価抵抗が温度が低いときに非常に大きな値となることによる。このため、低温時においては、コンデンサ62の消費電力が増大する。そこで本実施形態では、低温時において噴射回数を増大させることでコンデンサ62からの電荷の放電回数を増加させ、ひいてはコンデンサ62の暖機を図る。
図25に、本実施形態にかかる噴射回数の設定処理の手順を示す。この処理は、ECU50により、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図25において、先の図4に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、ステップS72においてコンデンサ62の温度が規定の低温度TMIN以下であるか否かを判断する。低温度TMINは、アルミ電解コンデンサの直列等価抵抗が過度に大きくなると想定される温度に設定されている。また、コンデンサ62の温度は、例えば先の図12に例示した温度検出装置110と同様の部材をコンデンサ62の近傍に設けることで検出すればよい。また、これに代えて、吸気温度や、ディーゼル機関の冷却水の温度、車室内の温度等に基づき、推定してもよい。
そして規定の低温度TMIN以下であると判断されるとき、ステップS74において、噴射回数を要求噴射回数よりもN回増加させる。図26に、噴射回数を3回増加補正する例を示す。図中、パターンAが要求噴射回数による噴射であり、パターンBが噴射回数の増加補正後の噴射である。ここでは、噴射回数が増加によって出力トルクが増加しないように、各噴射量が調節されている。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(4)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(15)コンデンサ62の温度が規定の低温度以下であるとき、要求噴射回数に対して実際の噴射回数を増加させた。これにより、コンデンサ62の発熱を促し、ひいては、その直列等価抵抗を低下させることができる。
(第14の実施形態)
以下、第14の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、バッテリBaの電圧に応じて許容噴射回数を補正する。これは、バッテリBaの電圧が低いときに、バッテリの電力消費を抑制するための処置である。
図27に、本実施形態にかかる噴射回数の設定処理の手順を示す。この処理は、ECU50により、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図27において、先の図4に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、ステップS12において許容噴射回数を算出した後、ステップS76においてバッテリBaの電圧に基づき、許容噴射回数を補正する。ここでは、バッテリBaの電圧が低いほど、許容噴射回数を小さくする。そして、バッテリBaの電圧による補正が完了すると、ステップS14に移行する。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(4)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(16)バッテリBaの電圧が低いほど許容噴射回数を小さくすることで、バッテリの電圧の更なる低下を抑制することができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・第2の実施形態において、都度の要求噴射回数と許容噴射回数との差に基づき解除時間αを可変設定する代わりに、例えば要求噴射回数が許容噴射回数を上回る直前における差に基づき可変設定してもよい。
・第5の実施形態において、EDU52の温度としては、充電スイッチ64や放電スイッチ72、スイッチング素子60bの温度に限らない。例えばEDU52の筐体の温度は充電スイッチ64や放電スイッチ72、スイッチング素子60bの温度と強い相関を有しているため、筐体の温度をEDU52の温度としてもよい。
・第6の実施形態や第7の実施形態を、第1〜第4の実施形態と組み合わせてもよい。すなわち、要求噴射回数が補正後の許容噴射回数を超えた後であっても解除時間αの間は、許容噴射回数による制限を解除してもよい。また、周囲の温度や車速に応じて許容噴射回数を増加補正する代わりに、周囲の温度や車速に応じて解除時間αを補正してもよい。すなわち、例えば車速が速いほど解除時間を伸長補正してもよい。
・第9の実施形態を、第1〜第7の実施形態と組み合わせてもよい。
・先の第13の実施形態を、先の第1〜第7の実施形態と組み合わせてもよい。
・第11の実施形態において、許容噴射回数による制限の解除をする処理を行わなくても、上記(14)の効果を得ることはできる。
・ピエゾインジェクタPIとしては、先の図2に例示したものに限らない。例えば米国特許第6520423号明細書に記載されているように、アクチュエータの変位に応じてノズルニードルのリフト量を連続的に調整可能なものであってもよい。また、ピエゾ素子PEをアクチュエータとして備える燃料噴射弁に限らず、例えば電磁ソレノイドをアクチュエータとするものであってもよい。
本実施形態にかかるエンジンシステムの全体構成を示す図。 同実施形態にかかるピエゾインジェクタの断面構成を示す断面図。 同実施形態にかかる駆動回路の回路構成を示す図。 同実施形態にかかる噴射回数の設定処理の手順を示すフローチャート。 同実施形態にかかる噴射回数の制限時の燃料噴射態様の調整手法を説明するタイムチャート。 同実施形態にかかる噴射回数の制限の解除時のDC−DCコンバータの操作手法を示すタイムチャート。 上記噴射回数の設定処理の適合手法を示す図。 第2の実施形態にかかる噴射回数の設定処理の手順を示すフローチャート。 第3の実施形態にかかる噴射回数の設定処理の手順を示すフローチャート。 第4の実施形態にかかる噴射回数の設定処理の手順を示すフローチャート。 同実施形態にかかる噴射回数の制限解除の禁止態様を示すタイムチャート。 第5の実施形態にかかるEDUの回路構成を示す回路図。 同実施形態にかかる噴射回数の設定処理の手順を示すフローチャート。 同実施形態にかかる噴射回数の設定手法を示す図。 第6の実施形態にかかる噴射回数の設定処理の手順を示すフローチャート。 同実施形態にかかる噴射回数の設定手法を示す図。 第7の実施形態にかかる噴射回数の設定処理の手順を示すフローチャート。 第8の実施形態にかかる噴射回数の設定処理の手順を示すフローチャート。 第9の実施形態にかかる噴射回数の設定処理の手順を示すフローチャート。 第10の実施形態にかかる噴射回数の設定処理の手順を示すフローチャート。 第11の実施形態にかかる噴射回数の制限態様を示すタイムチャート。 同実施形態にかかる噴射回数の設定処理の手順を示すフローチャート。 第12の実施形態にかかる噴射回数の制限態様を示すタイムチャート。 アルミ電解コンデンサの直列等価抵抗と温度との関係を示す図。 第13の実施形態にかかる噴射回数の増加処理態様を示すフローチャート。 同実施形態にかかる噴射回数の増加処理の態様を示すタイムチャート。 第14の実施形態にかかる噴射回数の設定処理の手順を示すフローチャート。
符号の説明
5…コモンレール、50…ECU(燃料噴射制御装置の一実施形態)、52…EDU(駆動回路の一実施形態)、PI…ピエゾインジェクタ。

Claims (21)

  1. 内燃機関の運転状態に基づき1燃焼サイクル内における噴射回数の要求値を算出する手段と、該要求値に応じた燃料噴射制御を行うべく、前記内燃機関の燃料噴射弁を駆動回路を介して電気的に操作する手段と、前記内燃機関の出力軸の回転速度に応じた許容噴射回数にて実際の噴射回数を制限する制限手段とを備える燃料噴射制御装置において、
    前記駆動回路の温度状態と相関を有する温度状態情報に基づき、前記駆動回路の温度が許容限界温度となるまでに熱的に余裕があるか否かを判断し、該熱的に余裕があると判断されるとき、前記制限を緩和する緩和手段を備えることを特徴とする燃料噴射制御装置。
  2. 前記緩和手段は、前記温度状態情報としての前記燃料噴射弁による燃料噴射履歴に基づき、前記判断を行うことを特徴とする請求項1記載の燃料噴射制御装置。
  3. 前記緩和手段は、前記燃料噴射履歴として、前記要求値が前記許容噴射回数以下であった状態から前記許容噴射回数を上回る状態への移行の有無を判断する判断手段と、前記移行ありと判断されるとき、前記制限を解除する解除時間を設定する設定手段とを備えることを特徴とする請求項2記載の燃料噴射制御装置。
  4. 前記設定手段は、前記要求値と前記許容噴射回数との差に応じて前記解除時間を可変設定することを特徴とする請求項3記載の燃料噴射制御装置。
  5. 前記設定手段は、前記移行前の噴射回数と前記移行後の噴射回数との差に応じて前記解除時間を可変設定することを特徴とする請求項3記載の燃料噴射制御装置。
  6. 前記制限手段は、前記解除時間の経過後、予め定められた期間に渡って噴射回数を制限することを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の燃料噴射制御装置。
  7. 前記緩和手段は、前記温度状態情報としての前記駆動回路の温度が規定温度以下であるとき、前記熱的な余裕があると判断することを特徴とする請求項1記載の燃料噴射制御装置。
  8. 前記燃料噴射弁は、ピエゾ素子をアクチュエータとして備えるピエゾインジェクタであり、
    前記駆動回路は、昇圧回路と、該昇圧回路によって昇圧された電圧が印加されるコンデンサとを備え、前記コンデンサを電源とするチョッパ制御により前記ピエゾ素子を充電するものであり、
    前記緩和手段は、前記チョッパ制御にかかるスイッチング素子の温度及び昇圧回路のスイッチング素子の温度の少なくとも一方を前記駆動回路の温度として用いることを特徴とする請求項7記載の燃料噴射制御装置。
  9. 前記緩和手段は、前記温度状態情報としての前記駆動回路の周囲の温度が低いほど、前記許容噴射回数を増加補正することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の燃料噴射制御装置。
  10. 前記緩和手段は、前記温度状態情報としての前記内燃機関が搭載される車両の走行速度が速いほど、前記許容噴射回数を増加補正することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の燃料噴射制御装置。
  11. 前記燃料噴射弁が、ピエゾ素子をアクチュエータとして備えるピエゾインジェクタであり、
    前記緩和手段は、前記温度状態情報としての前記燃料噴射弁に供給される燃料の圧力が所定圧以下であるとき、前記制限を緩和することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の燃料噴射制御装置。
  12. 前記燃料噴射弁が、ピエゾ素子をアクチュエータとして備えるピエゾインジェクタであり、
    前記緩和手段は、前記内燃機関の排気系に設けられる後処理装置の再生のための噴射であるポスト噴射の要求が生じているにもかかわらず前記制限手段により該ポスト噴射が制限される状況下、前記燃料噴射弁へ供給される燃料の燃圧を減圧することで前記熱的余裕度を増大させるとともに、前記制限を解除する機能を更に有することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の燃料噴射制御装置。
  13. 前記燃料噴射弁が、ピエゾ素子をアクチュエータとして備えるピエゾインジェクタであり、
    前記駆動回路は、昇圧回路と、該昇圧回路によって昇圧された電圧が印加されるアルミ電解コンデンサとを備え、該コンデンサを電源とするチョッパ制御により前記ピエゾ素子を充電するものであり、
    前記緩和手段は、前記コンデンサの温度が規定の低温度以下であるとき、前記要求値に対して実際の噴射回数を増加させる機能を更に有することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の燃料噴射制御装置。
  14. 前記制限及び前記緩和の態様の少なくとも一方が、前記駆動回路の熱容量に応じて適合されてなることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の燃料噴射制御装置。
  15. 前記制限手段による制限がなされるとき、各燃料噴射の噴射量、噴射開始時期、噴射間のインターバルの少なくとも1つを補正する補正手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の燃料噴射制御装置。
  16. 前記緩和手段は、前記内燃機関の出力トルクの増加要求時、前記制限の緩和度合いを大きくすることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の燃料噴射制御装置。
  17. 前記内燃機関が多気筒内燃機関であり、
    前記制限手段は、前記多気筒内燃機関の一部の気筒について前記制限を行うことを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の燃料噴射制御装置。
  18. 前記燃料噴射弁は、ピエゾ素子をアクチュエータとして備えるピエゾインジェクタであり、
    前記駆動回路は、昇圧回路と、該昇圧回路によって昇圧された電圧が印加されるコンデンサとを備え、該コンデンサを電源とするチョッパ制御により前記ピエゾ素子を充電するものであり、
    前記緩和手段によって前記制限が緩和されるとき、前記昇圧回路による前記コンデンサへの電荷の供給速度を増大させることを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の燃料噴射制御装置。
  19. 前記制限手段は、前記駆動回路に電力を供給するバッテリの電圧が低いほど前記許容噴射回数を小さくする機能を更に備えることを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の燃料噴射制御装置。
  20. 多気筒内燃機関の運転状態に基づき1燃焼サイクル内における噴射回数の要求値を算出する手段と、該要求値に応じた燃料噴射制御を行うべく、前記内燃機関の燃料噴射弁を駆動回路を介して電気的に操作する手段と、前記内燃機関の出力軸の回転速度に応じた許容噴射回数にて実際の噴射回数を制限する制限手段とを備える燃料噴射制御装置において、
    前記制限は、前記多気筒内燃機関の一部の気筒についてなされることを特徴とする燃料噴射制御装置。
  21. 内燃機関の運転状態に基づき1燃焼サイクル内における噴射回数の要求値を算出する手段と、該要求値に応じた燃料噴射制御を行うべく、前記内燃機関の燃料噴射弁を駆動回路を介して電気的に操作する手段と、前記内燃機関の出力軸の回転速度に応じた許容噴射回数にて実際の噴射回数を制限する制限手段とを備える燃料噴射制御装置において、
    前記燃料噴射弁が、ピエゾ素子をアクチュエータとして備えるピエゾインジェクタであり、
    前記内燃機関の排気系に設けられる後処理装置の再生のための噴射であるポスト噴射の要求が生じているにもかかわらず前記制限手段により該ポスト噴射が制限される状況下、前記燃料噴射弁へ供給される燃料の圧力を減圧するとともに、前記制限を解除することを特徴とする燃料噴射制御装置。
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