JP2007315808A - マルチスペクトル撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】正確な測色とカラー画像の撮影とを行い得るマルチスペクトル撮像装置を提供する。
【解決手段】2次元状の画素配列の撮像素子4と、撮像素子4の前面に配設されRGBフィルタと全色透過フィルタとを所定の順序で配列してなるカラーフィルタ3と、測色モードにおいて撮像素子4が単位時間毎に異なる波長の光を順に受光するように制御し、画像記録モードにおいて撮像素子4が全ての波長の光を同時に受光するように制御する光源制御回路5および光源1a〜1hと、測色モードにおいて全色透過フィルタに対応する画素から出力される信号に基づき測色値を算出する測色値演算回路7と、画像記録モードにおいてRGBフィルタに対応する画素から出力される信号に基づき3原色の画像データを算出する画像演算回路8と、を備えたマルチスペクトル撮像装置。
【選択図】図1
【解決手段】2次元状の画素配列の撮像素子4と、撮像素子4の前面に配設されRGBフィルタと全色透過フィルタとを所定の順序で配列してなるカラーフィルタ3と、測色モードにおいて撮像素子4が単位時間毎に異なる波長の光を順に受光するように制御し、画像記録モードにおいて撮像素子4が全ての波長の光を同時に受光するように制御する光源制御回路5および光源1a〜1hと、測色モードにおいて全色透過フィルタに対応する画素から出力される信号に基づき測色値を算出する測色値演算回路7と、画像記録モードにおいてRGBフィルタに対応する画素から出力される信号に基づき3原色の画像データを算出する画像演算回路8と、を備えたマルチスペクトル撮像装置。
【選択図】図1
Description
本発明は、異なる波長の光を受光して測色を行うためのマルチスペクトル撮像装置に関する。
近年、幾つかの分野においては、対象物の色をより正確に測定する必要が高まっている。例えば、義歯の製作、皮膚科における肌色診断、自動車の塗装色、建物の塗装色、食料品の分光特性、衣料品の染色などにおいて、色を正確に測定して、診断、検査、確認や判別に供することが求められている。
そこで、こうした目的に使用することができるように、異なる複数の波長の光を受光して測色を行い得るようにしたマルチスペクトル撮像装置が従来より提案されている。
このような従来のマルチスペクトル撮像装置としては、例えば図9に示すようなマルチスペクトルカメラが挙げられる。ここに、図9は、回転式のフィルタ板を備えた従来のマルチスペクトルカメラの構成を示す図である。このマルチスペクトルカメラは、対物レンズ81と、複数のバンドパスフィルタ83が円周方向に配列された円板状のフィルタ板82と、結像レンズ84と、モノクロの撮像素子85と、を備えている。そして、このマルチスペクトルカメラは、対物レンズ81から光を取り込み、この対物レンズ81の焦点位置に配置するバンドパスフィルタ83をフィルタ板82を回転させることにより順次変更しながら、結像レンズ84により該バンドパスフィルタ83を通過した帯域の光像を撮像素子85に結像させ、複数の波長の対象物の像を得るものとなっている。
ところで、こうしたマルチスペクトル撮像装置は、取り扱い時の作業性等を考慮すると、小型軽量であることや、さらには、手で把持して使用し得ることなどが望ましい。
しかし、図9に示したようなマルチスペクトルカメラは、回転式のフィルタ板82を備えており、実用上はこのフィルタ板82を回転するためのモータ等も必要になることから、小型化を図るのが困難である。
これに対して、より小型化を図り得るようにした技術が、例えば特開2005−148020号公報に記載されている。該公報に記載のマルチスペクトル撮像装置は、例えば図10〜図12に示すように構成されている。ここに、図10はマルチスペクトル撮像装置の構成を示す図、図11はLED基板の構成を示す図、図12は原色ベイヤー配列のカラーフィルタの構成を示す図である。
すなわち、撮影装置91は、図10に示すように、対象物96を照明するための光源となる発光ユニット92bが複数実装されたLED基板92と、この発光ユニット92bから発光された光を伝達しながら均一な照明光とするために拡散を行う光拡散素子94とを、外光を遮断するためのフード95内に配設している。
ここに、発光ユニット92bは、図11に示すように、複数の異なる波長の光を発光するLED93a〜93hをまとめて格納するものである。また、LED基板92は、ドーナツ状の基板として構成されていて、内部には対象物96から反射されてくる光が通過するための円形孔92aが形成されている。この円形孔92aを介して入射される光は、撮像光学系97により、CCD98上に結像されるようになっている。
このように、例えば8種類の波長の光を照射するLEDを用いたマルチスペクトル照明装置を用いることにより、マルチスペクトル撮像装置の小型化を図りながら、8バンドの対象物のデータを得ることができるものとなっている。
このマルチスペクトル撮像装置は、スペクトル解析用のデータを取得するだけでなく、さらに通常のカラー静止画像を撮影することができるように、上述したCCD98として、例えば図12に示すようなベイヤー配列のRGBカラーフィルタを備えた構成のものを用いている。この原色ベイヤー配列のカラーフィルタは、よく知られているように、2×2画素を基本単位として、対角方向の2画素に緑(G)フィルタが、他の対角方向の2画素に赤(R),青(B)フィルタが1画素ずつ、それぞれ配置されたものである。
ここで、本発明の実施形態に係る図3を参照して、RGB各フィルタを介して光を受光する画素の分光感度特性と、各LED93a〜93hの発光スペクトルと、の関係を説明する。
LED93aが発光するスペクトルSaの光により照明を行う場合には、Bフィルタに対応する画素から出力される画素データを用いて測色値演算を行うようになっている。
また、LED93bが発光するスペクトルSbの光、LED93cが発光するスペクトルScの光、LED93dが発光するスペクトルSdの光、およびLED93eが発光するスペクトルSeの光により照明を行う場合には、Gフィルタに対応する画素から出力される画素データを用いて測色値演算を行うようになっている。
さらに、LED93fが発光するスペクトルSfの光、LED93gが発光するスペクトルSgの光、およびLED93hが発光するスペクトルShの光により照明を行う場合には、Rフィルタに対応する画素から出力される画素データを用いて測色値演算を行うようになっている。
こうして、上記公報に記載された技術では、時系列的に照明を行う光源の波長に応じて、R,G,Bの何れのフィルタに対応する画素データを使用するかを、変更するようになっている。
特開2005−148020号公報
上述したようなRGBカラーフィルタを配設した撮像素子を用いて測色用のデータを取得する場合には、マルチスペクトル照明装置が照射する照射光の発光帯域が、それぞれ、Rフィルタ,Gフィルタ,Bフィルタの何れかを介して受光する画素の分光感度特性に収まっていることが必要である。しかし、使用する光源によっては、必ずしも、何れかの分光感度特性に収まるという保証はない。さらに、測色しようとする対象物によっては、何れの分光感度特性にも十分には収まらない帯域の照明光を用いることが必要になる場合もあり得る。そして、こうした場合には、スペクトル解析を十分に高い精度で行うことができない。
また、対象物や使用する光源によっては照明光の帯域が何れかのフィルタを介して受光する画素の分光感度特性に収まっていることがあるが、このときであっても、データを得ることができる画素の位置は照明光の波長に応じて異なるために、測色を行う際の演算が複雑になってしまう。
すなわち、ある着目画素位置の測色値を算出するためには、この着目画素位置とは異なる画素位置の画素データを用いて、該着目画素位置の画素データを補間する処理が必要になる。例えば、RラインのGフィルタに対応する画素の位置(水平方向の画素位置をi、垂直方向画素位置をjとする。)において測色値を算出する際には、上記公報に記載の技術では、該Gフィルタに対応する画素から直接得られる画素データは、スペクトルSbの光に係る画素データSbij、スペクトルScの光に係る画素データScij、スペクトルSdの光に係る画素データSdij、およびスペクトルSeの光に係る画素データSeijである。
従って、それ以外の、スペクトルSaの光に係る画素データSaij、スペクトルSfの光に係る画素データSfij、スペクトルSgの光に係る画素データSgij、およびスペクトルShの光に係る画素データShijに関しては、着目画素位置の近傍にある画素の画素データに基づいて、以下のように補間演算を行い算出することになる。
Saij’=(Sai(j-1)+Sai(j+1))/2
Sfij’=(Sf(i-1)j+Sf(i+1)j)/2
Sgij’=(Sg(i-1)j+Sg(i+1)j)/2
Shij’=(Sh(i-1)j+Sh(i+1)j)/2
ここに、補間演算により得られる画素データについては、記号「’」を付している。
Saij’=(Sai(j-1)+Sai(j+1))/2
Sfij’=(Sf(i-1)j+Sf(i+1)j)/2
Sgij’=(Sg(i-1)j+Sg(i+1)j)/2
Shij’=(Sh(i-1)j+Sh(i+1)j)/2
ここに、補間演算により得られる画素データについては、記号「’」を付している。
こうして補間演算により、着目画素位置の各スペクトルデータが得られたところで、測色値算出関数fを用いた次のような演算を行うことにより、着目画素位置の測色値xijを算出することができる。
xij
=f(Saij’,Sbij,Scij,Sdij,Seij,Sfij’,Sgij’,Shij’)
xij
=f(Saij’,Sbij,Scij,Sdij,Seij,Sfij’,Sgij’,Shij’)
そして、どのスペクトルの光に対応する画素データを補間しなければならないかは、画素位置に応じて異なる(例えば、Bフィルタに対応する画素の位置においては、直接取得することができるのは画素データSaijのみとなるために、残りの7つのスペクトルの画素データを補間して演算しなければならない。)ために、制御はさらに煩雑である。
そして、上述したような従来の技術には、こうした観点に対する記載がなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、正確な測色を行い得るとともに、測色用以外の画像を撮影することも可能なマルチスペクトル撮像装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、第1の発明によるマルチスペクトル撮像装置は、2次元状に配列された複数の画素を有する撮像素子と、上記撮像素子の前面に配設されていて分光特性が異なる複数のフィルタと全色を透過するフィルタとを含み該フィルタと上記画素とが一対一に対応するように該フィルタを所定の順序で配列して構成されたカラーフィルタと、第1のモードにおいて上記撮像素子が単位時間毎に異なる波長の光を順に受光するように制御する入射光制御部と、上記第1のモードにおいて上記全色を透過するフィルタに対応する画素から単位時間毎に出力される信号に基づいて測色値を算出する測色値演算部と、を具備したものである。
また、第2の発明によるマルチスペクトル撮像装置は、上記第1の発明によるマルチスペクトル撮像装置において、上記入射光制御部が、さらに、第2のモードにおいて上記撮像素子が全ての波長の光を同時に受光するように制御するものであり、上記第2のモードにおいて上記分光特性が異なる複数のフィルタに対応する画素から出力される信号に基づいて各分光特性に対応する複数原色の画像データを算出する画像演算部をさらに具備したものである。
さらに、第3の発明によるマルチスペクトル撮像装置は、上記第2の発明によるマルチスペクトル撮像装置において、上記分光特性が異なる複数のフィルタが3原色のフィルタであり、上記画像演算部が算出する複数原色の画像データは3原色の画像データである。
第4の発明によるマルチスペクトル撮像装置は、上記第1の発明によるマルチスペクトル撮像装置において、上記入射光制御部が、上記第1のモードにおいて、上記撮像素子が単位時間毎に順に受光する光の波長を、測色の対象物に応じて変更するようにさらに制御するものである。
本発明のマルチスペクトル撮像装置によれば、正確な測色を行い得るとともに、測色用以外の画像を撮影することも可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
[実施形態]
図1から図8は本発明の一実施形態を示したものであり、図1はマルチスペクトル撮像装置の構成を示すブロック図である。
図1から図8は本発明の一実施形態を示したものであり、図1はマルチスペクトル撮像装置の構成を示すブロック図である。
このマルチスペクトル撮像装置は、図1に示すように、8つの光源1a〜1hと、撮像光学系2と、カラーフィルタ3と、撮像素子4と、光源制御回路5と、セレクタ6と、測色値演算回路7と、画像演算回路8と、画像符号化回路9と、記録回路10と、モード制御回路11と、を有して構成されている。
光源1a〜1hは、それぞれ異なる波長帯域の光を発光する入射光制御部であり、例えば各発光帯域のLEDを含んで構成されている。これらの光源1a〜1hが発光する光のスペクトルは、例えば図3に示すようになっている。ここに図3は、各光源1a〜1hの発光スペクトルとRGB各フィルタを介して受光を行う画素の分光感度特性とを示す線図である。この図3において、光源1aが発光する光のスペクトルはSa、光源1bが発光する光のスペクトルはSb、光源1cが発光する光のスペクトルはSc、光源1dが発光する光のスペクトルはSd、光源1eが発光する光のスペクトルはSe、光源1fが発光する光のスペクトルはSf、光源1gが発光する光のスペクトルはSg、光源1hが発光する光のスペクトルはSh、としてそれぞれ示されている。
撮像光学系2は、測色モード(第1のモード)において、上述した光源1a〜1hにより発光された光により照明された被写体(対象物)、あるいは画像記録モード(第2のモード)において外光等により照明された被写体、の像を撮像素子4上に結像するためのものである。
カラーフィルタ3は、撮像素子4の撮像面上に配設されていて、図2に示すように構成されたものとなっている。ここに、図2はカラーフィルタ3の構成を示す図である。すなわち、このカラーフィルタ3は、上述で図12を参照して説明したような原色ベイヤーカラーフィルタを基本として、この原色ベイヤーカラーフィルタの赤(R)フィルタが配列されたラインにおける緑(G)フィルタを、全色(全波長)を透過するフィルタ(図中では、RGBの何れの文字も入っていない部分)に変更したものとなっている。従って、このカラーフィルタ3は、2×2画素を基本単位として、一方の対角方向の2画素に全色を透過するフィルタと緑(G)フィルタとが、他方の対角方向の2画素に赤(R)フィルタと青(B)フィルタとが、それぞれ配置され、全色を透過するフィルタとRフィルタとが同一ライン、GフィルタとBフィルタとが同一ライン、となるように構成されたものである。なお、全色を透過するフィルタは、可視光域を含む広い帯域の光を波長帯域に依存することなく高い透過率で透過するフィルタを含むのみならず、いわゆる素通しである場合も含むものとする。また、RGBの各フィルタを介して受光する画素の分光感度特性は、図3に示したようになっている。すなわち、図3において、Rフィルタを介して受光する画素の分光感度特性を1点鎖線により、Gフィルタを介して受光する画素の分光感度特性を点線により、Bフィルタを介して受光する画素の分光感度特性を2点鎖線により、それぞれ示している。
撮像素子4は、複数の画素を2次元状に配列したものであり、これらの各画素は、上記カラーフィルタ3上に形成された4種類のフィルタの何れかに一対一に対応するように設けられたものとなっている。
光源制御回路5は、測色モード時に、上述した光源1a〜1hを制御して、単位時間毎に異なる波長の光を順に発光させるように制御する入射光制御部である。これにより、撮像素子4は、単位時間毎に異なる波長の光を順に受光することになる。また、光源制御回路5は、画像記録モード時に、必要に応じて、上述した光源1a〜1hの全部、あるいは一部を同時に発光させて、通常撮影における補助光源として用いるように制御することも可能となっている。
セレクタ6は、モード制御回路11の制御に基づいて、撮像素子4から読み出されて出力される画素データを選択して出力するものである。すなわち、セレクタ6は、このマルチスペクトル撮像装置が測色モードに設定されているときには、撮像素子4から出力される画素データの内の、全色を透過するフィルタに係る画素データのみを、測色値演算回路7へ出力するようになっている。一方、セレクタ6は、このマルチスペクトル撮像装置が画像記録モードに設定されているときには、撮像素子4から出力される画素データの内の、RGB各フィルタに係る画素データのみを、画像演算回路8へ出力するようになっている。
測色値演算回路7は、このマルチスペクトル撮像装置が測色モードに設定されているときに、セレクタ6から出力される全色を透過するフィルタに係る画素データに基づいて、測色値を演算する測色値演算部である。
画像演算回路8は、このマルチスペクトル撮像装置が画像記録モードに設定されているときに、セレクタ6から出力されるRGB各フィルタに係る画素データに基づいて、通常のカラー画像を算出する画像演算部である。
画像符号化回路9は、画像演算回路8により算出されたカラー画像を符号化して圧縮するものである。
記録回路10は、測色値演算回路7から出力される測色値データや、画像符号化回路9から出力されるカラー画像データを、記録媒体に記録するための回路である。
モード制御回路11は、上述したように、このマルチスペクトル撮像装置に設定されているモードに応じて、セレクタ6の動作を制御するためのものである。
次に、このようなマルチスペクトル撮像装置の測色モード時の動作について、図1を参照しながら図4に沿って説明する。図4は、マルチスペクトル撮像装置の測色モード時の動作を示すタイミングチャートである。
この測色モードは、被写体の色をなるべく正確に測定するモードであり、被写体の反射スペクトルの分布を近似的に(連続的な帯域の全ての波長のデータを取得することは不可能であるために、幾つかの波長のデータのみを離散的に取得することになり、近似的となる。)取得するモードである。
なお、この測色モードにおいては、例えば図10に示したようなフード95を用いる等により、光源1a〜1hからの光以外は被写体に照射されないようになっているものとする。
光源1a〜1hは、光源制御回路5の制御に基づいて、所定の単位時間毎に順次発光されるようになっている。ここに、所定の単位時間は、例えば、垂直同期信号によって規定されるフレーム周期である。
各波長の光により照明された被写体からの反射光は、撮像光学系2により、カラーフィルタ3を介して撮像素子4上に結像される。
撮像素子4は、被写体像が結像されたフレーム期間に露光を行う。
そして、露光が終了したところで、垂直同期信号に同期して画素データの読み出しが行われる。この画素データの読み出しは、4種類のフィルタに対応する全ての画素について行われる。
撮像素子4から出力された画素データは、セレクタ6により選別され、全色を透過するフィルタに対応する画素データのみが測色値演算回路7へ出力される。従って、例えば撮像素子4が1200万画素の撮像素子である場合には、測色に用いられる画素数は300万となる。
測色値演算回路7は、全ての光源1a〜1hが順に発光されて各波長の画素データが取得されたところで、これらの画素データに基づいて、全色を透過するフィルタに対応する画素配列における画素位置(i,j)の測色値xijを、以下のような演算を行うことにより算出する。
xij=f(Saij,Sbij,Scij,Sdij,Seij,Sfij,Sgij,Shij)
ここに、Saijは光源1aの発光により取得された画素位置(i,j)の画素データ、Sbijは光源1bの発光により取得された画素位置(i,j)の画素データ、Scijは光源1cの発光により取得された画素位置(i,j)の画素データ、Sdijは光源1dの発光により取得された画素位置(i,j)の画素データ、Seijは光源1eの発光により取得された画素位置(i,j)の画素データ、Sfijは光源1fの発光により取得された画素位置(i,j)の画素データ、Sgijは光源1gの発光により取得された画素位置(i,j)の画素データ、Shijは光源1hの発光により取得された画素位置(i,j)の画素データである。また、fは測色値算出関数である。
xij=f(Saij,Sbij,Scij,Sdij,Seij,Sfij,Sgij,Shij)
ここに、Saijは光源1aの発光により取得された画素位置(i,j)の画素データ、Sbijは光源1bの発光により取得された画素位置(i,j)の画素データ、Scijは光源1cの発光により取得された画素位置(i,j)の画素データ、Sdijは光源1dの発光により取得された画素位置(i,j)の画素データ、Seijは光源1eの発光により取得された画素位置(i,j)の画素データ、Sfijは光源1fの発光により取得された画素位置(i,j)の画素データ、Sgijは光源1gの発光により取得された画素位置(i,j)の画素データ、Shijは光源1hの発光により取得された画素位置(i,j)の画素データである。また、fは測色値算出関数である。
このように本実施形態のマルチスペクトル撮像装置によれば、上述した従来技術では必要となっていた補完処理を行うことなく、測色値を算出することが可能となっている。
こうして測色値演算回路7により算出された測色値データは、記録回路10により記録媒体に記録される。
次に、マルチスペクトル撮像装置の画像記録モード時の動作について、図1を参照しながら説明する。
この画像記録モードは、本実施形態においては、RGB3原色の画像データを算出するモードとなっている。
画像記録モードにおいては、被写体は例えば外光により照明される(あるいは、光源制御回路5の制御に基づいて、光源1a〜1hの全部、あるいは一部が、必要に応じて補助光源として同時に発光される。)。
こうして照明された被写体からの反射光は、撮像光学系2により、カラーフィルタ3を介して撮像素子4上に結像される。
撮像素子4は、被写体像の露光を行って、露光後に、垂直同期信号に同期して画素データを出力する。この画素データの出力も、4種類のフィルタに対応する全ての画素について行われる。
撮像素子4から出力された画素データは、セレクタ6により選別され、RGB各フィルタに対応する画素データのみが画像演算回路8へ出力される。従って、例えば撮像素子4が1200万画素の撮像素子である場合には、カラー画像の生成に用いられる画素数は900万となる。
図5は、撮像素子4の4×4画素領域の内の、カラー画像の生成に用いられる画素データの様子を示す図である。
図示のように、取得されるRGB各色の画素データは、画素位置がそれぞれ異なるデータである。従って、次に示すような補間演算を行うことにより、図5中において「×」により示す着目位置の3原色分の画素データを取得するようになっている。
R=αR21+β(R01+R23)+γR03
G=αG11+β(G13+G31)+γG33
B=αB12+β(B10+B32)+γB30
ここに、α,β,γは、所定の係数である。
R=αR21+β(R01+R23)+γR03
G=αG11+β(G13+G31)+γG33
B=αB12+β(B10+B32)+γB30
ここに、α,β,γは、所定の係数である。
こうして、着目位置を同一ライン上で1画素ピッチ分だけずらしながら演算を行い、1ライン分が終了したところで、次のラインについて同様に演算を行うことにより、上述した1200万画素の撮像素子の例では、約900万(辺縁部分の画素数が少し減少するために、「約」と記載している。)のカラー画像が取得される。
こうして、算出されたRGBカラー画像は、さらに例えば輝度色差信号YUV等に変換された後に、画像符号化回路9へ出力される。
画像符号化回路9は、所定の符号化、例えば、カラー画像がカラー静止画像である場合にはJPEG圧縮、また、カラー画像がカラー動画像である場合にはMPEG圧縮などを行う。
こうして符号化されたカラー画像は、記録回路10により、記録媒体に記録される。
なお、上述では、8種類の波長帯域の光源を用いているが、もちろんこれに限るものではない。
また、上述では、全ての波長を透過する画素をRフィルタのライン上に配置しているが、これに限らず、図6に示すように、Bフィルタのライン上に配置するようにしても構わない。ここに、図6は、カラーフィルタ3の他の構成例を示す図である。
さらに、上述では、原色ベイヤー配列のカラーフィルタに基づいて図2や図6に示したようなカラーフィルタを構成したが、これに限らず、色差線順次のカラーフィルタに基づいて、図7に示すようなカラーフィルタを構成し用いるようにしても構わない。ここに、図7は、カラーフィルタ3のさらに他の構成例を示す図である。そして、この図7において、Ye,Mg,Cyの何れの文字も入っていない部分が、全色(全波長)を透過するフィルタの部分である。
加えて、上述では、小型化を図るためにLED等を使用したマルチスペクトル照明装置を用いる例について説明したが、上述したようなカラーフィルタ3を配設した撮像素子4を用いるマルチスペクトル撮像装置としては、これに限るものではない。
例えば、図1に示した光源1a〜1hに代えて、図8に示すように、透過波長帯域の異なる複数のバンドパスフィルタ21a〜21hを円周方向に配列した円板状のフィルタ板21を配設し、通常の環境光下で複数の波長の光に基づく画素データを取得して測色値を算出するようなタイプのマルチスペクトル撮像装置においても、上述したようなカラーフィルタを配設した撮像素子を同様に適用することができる。ここに、図8はマルチスペクトル撮像装置の他の構成例を示すブロック図である。
また、測色しようとする被写体には、色の傾向がある場合がある。例えば、車の塗装色には、赤色であるか青色であるか等の傾向があり得る。そこで、このような色の傾向がある被写体を精密に測色しようとする場合には、色の傾向に応じて、図1に示すような光源1a〜1h、あるいは図8に示すようなバンドパスフィルタ21a〜21hの分光特性を変更するようにすると良い。
具体的には、特定の波長領域について細かくスペクトル測定を行うことができるような光源のセット、あるいはフィルタのセットを予め用意しておき、被写体の色の傾向に応じて、光源のセットあるいはフィルタのセットを変更するようにすれば良い。
これにより、少ない光源数(フィルタ数)であっても、正確な色の弁別を行うことが可能となる利点がある。
このような実施形態によれば、撮像素子の前面に配置するカラーフィルタ中に、RGB等の色フィルタ以外の全色を透過するフィルタを設けたために、色フィルタによって遮断される特定の波長の光の強度についても測定することが可能となる。従って、対象物に応じた最適な波長の光を用いて測色を行うことも可能となる。そして、第1のモードと第2のモードとで動作を行うことにより、1つの撮像素子を用いるだけで、測色と画像記録とに対応することが可能となる。
また、着目画素位置の画素データを、全ての発光スペクトルに対して取得することができるために、測色値を演算する際に他の画素位置から補間を行う必要がなく、演算処理を高速化し、処理回路の規模を縮小することが可能となる。
さらに、上述した従来技術では、光源の波長がRGB各フィルタの何れかを介して受光する画素の分光感度特性に収まらない場合には、正確に測色値を算出することは不可能である。これに対して、本実施形態によれば、全色を透過するフィルタに対応する画素データを用いて測色値の算出を行っているために、撮像素子の画素により光電変換可能な波長の光源であればどのような光源を用いたとしても、測色値の算出を行うことが可能となる利点がある。
こうして、本実施形態のマルチスペクトル撮像装置によれば、光源の波長帯域に依存することなく正確な測色を行うことが可能であるとともに、測色用以外の画像、例えばカラー画像を撮影することも可能となる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることは勿論である。
本発明は、異なる波長の光を受光して測色を行うためのマルチスペクトル撮像装置に好適に利用することができる。
1a〜1h…光源(入射光制御部)
2…撮像光学系
3…カラーフィルタ
4…撮像素子
5…光源制御回路(入射光制御部)
6…セレクタ
7…測色値演算回路(測色値演算部)
8…画像演算回路(画像演算部)
9…画像符号化回路
10…記録回路
11…モード制御回路
21…フィルタ板
21a〜21h…バンドパスフィルタ
2…撮像光学系
3…カラーフィルタ
4…撮像素子
5…光源制御回路(入射光制御部)
6…セレクタ
7…測色値演算回路(測色値演算部)
8…画像演算回路(画像演算部)
9…画像符号化回路
10…記録回路
11…モード制御回路
21…フィルタ板
21a〜21h…バンドパスフィルタ
Claims (4)
- 2次元状に配列された複数の画素を有する撮像素子と、
上記撮像素子の前面に配設されていて、分光特性が異なる複数のフィルタと、全色を透過するフィルタと、を含み、該フィルタと上記画素とが一対一に対応するように、該フィルタを所定の順序で配列して構成されたカラーフィルタと、
第1のモードにおいて、上記撮像素子が単位時間毎に異なる波長の光を順に受光するように制御する入射光制御部と、
上記第1のモードにおいて、上記全色を透過するフィルタに対応する画素から単位時間毎に出力される信号に基づいて、測色値を算出する測色値演算部と、
を具備したことを特徴とするマルチスペクトル撮像装置。 - 上記入射光制御部は、さらに、第2のモードにおいて、上記撮像素子が全ての波長の光を同時に受光するように制御するものであり、
上記第2のモードにおいて、上記分光特性が異なる複数のフィルタに対応する画素から出力される信号に基づいて、各分光特性に対応する複数原色の画像データを算出する画像演算部をさらに具備したことを特徴とする請求項1に記載のマルチスペクトル撮像装置。 - 上記分光特性が異なる複数のフィルタは、3原色のフィルタであり、
上記画像演算部が算出する複数原色の画像データは、3原色の画像データであることを特徴とする請求項2に記載のマルチスペクトル撮像装置。 - 上記入射光制御部は、上記第1のモードにおいて、上記撮像素子が単位時間毎に順に受光する光の波長を、測色の対象物に応じて変更するようにさらに制御するものであることを特徴とする請求項1に記載のマルチスペクトル撮像装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006143244A JP2007315808A (ja) | 2006-05-23 | 2006-05-23 | マルチスペクトル撮像装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006143244A JP2007315808A (ja) | 2006-05-23 | 2006-05-23 | マルチスペクトル撮像装置 |
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JP2007315808A true JP2007315808A (ja) | 2007-12-06 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2006
- 2006-05-23 JP JP2006143244A patent/JP2007315808A/ja not_active Withdrawn
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