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JP2007311159A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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JP2007311159A JP2006138610A JP2006138610A JP2007311159A JP 2007311159 A JP2007311159 A JP 2007311159A JP 2006138610 A JP2006138610 A JP 2006138610A JP 2006138610 A JP2006138610 A JP 2006138610A JP 2007311159 A JP2007311159 A JP 2007311159A
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Yoshifumi Kato
祥文 加藤
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Abstract

【課題】素子の輝度分布を所望状態にすることができる新規な構造を備えた有機EL素子を提供する。
【解決手段】有機EL素子11は、第1電極13と、少なくとも発光層を含む有機層14と、第2電極15とを備えている。有機層14は第1電極13と第2電極15との間に設けられており、第1電極13の単位長さ当たりの抵抗値と第2電極15の単位長さ当たりの抵抗値とが等しくなるように第1電極13及び第2電極15は構成されている。また、第1給電部16が、第1電極13の有機層14が設けられる側と反対側の面で第1電極13に接続されており、第2給電部17が第2電極15に接続されている。そして、第1給電部16が素子の発光領域の一部に対応する位置に設けられており、第2給電部17が素子の発光領域の外周部に対応する位置に設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、適宜、エレクトロルミネッセンス素子をEL素子と表記する。)は発光素子として、例えば、表示装置や照明装置等に用いられている。有機EL素子の一般的な構造は、例えば、ガラス等の基板上に第1電極、有機発光層、第2電極が順に積層された構造である。
上記構造の有機EL素子は、第1電極の端子部と第2電極の端子部とに外部駆動源を接続して電流を供給することで有機発光層に電流が流れ、該有機発光層が発光する。この有機発光層が発する光は、第1電極または第2電極のどちらかの電極を介して外部に取り出されるのが一般的であり、その場合、少なくとも光を取り出す側の電極には取り出す光に対して高い透過性を有する透明電極が用いられる。透明電極には、ITO(インジウム錫酸化物)やZnO(酸化亜鉛)等が用いられる。また、有機発光層が発する光を取り出す側と反対側に配置される電極には、光反射性の高いAl(アルミニウム)やAg(銀)等の金属材料からなる電極が用いられる。
ここで、例えば、第1電極にITOを使用し、第2電極にAlを使用して、一般的な構造の有機EL素子を作製する。この有機EL素子では、有機発光層が発する光は第1電極を介して取り出される。第1電極の端子部と第2電極の端子部とに外部駆動源を接続して電流を供給すると有機発光層に電流が流れるが、この時、第1電極の形成材料であるITOの体積抵抗率が第2電極の形成材料であるAlの体積抵抗率に比較して高いため、第1電極の端子部からの距離が遠くなるにしたがって第1電極と第2電極との間の有機発光層における電流密度が小さくなる。一般に、有機EL素子の輝度は有機発光層における電流密度に影響され、有機発光層における電流密度が小さくなるほど有機EL素子の輝度は低くなる。従って、この有機EL素子の発光領域には、第1電極の端子部からの距離によって輝度の異なる部分、つまり、輝度むらが出現することになる。
有機EL素子の輝度分布を調整する方法の一つに、体積抵抗率の高い透明電極の一部に体積抵抗率の低い金属電極を併設するという方法がある(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、図6に示すように、ガラス基板30の上に形成された体積抵抗率の高いアノード電極31の一部に低抵抗金属電極32を設けることが開示されている。
特開平11−40369号公報(明細書の段落[0009]、図1)
しかしながら、特許文献1のようにアノード電極31の一部に低抵抗金属電極32を設けた場合においても、有機EL素子の発光領域において輝度むらが出現する。これは、低抵抗金属電極32が設けられた部分及びその近傍では、アノード電極31の、みかけ上の抵抗値が小さくなるため、アノード電極31の端子部からの距離に関わらず有機発光層33における電流密度は略等しくなるが、低抵抗金属電極32が設けられた部分から離れるにしたがってアノード電極31の高い体積抵抗率により有機発光層33における電流密度が小さくなるためである。つまり、有機EL素子の発光領域において、アノード電極31に設けられた低抵抗金属電極32からの距離によって輝度の異なる部分が出現してしまうのである。
本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、素子の輝度分布が所望状態に設定された、新規な構造を備える有機EL素子を提供することにある。ここで、「所望状態」とは、例えば、素子の発光領域における輝度むらが低減される状態や、素子の発光領域における任意の位置(領域)に部分的に明部または暗部が生じる状態等を意味する。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、第1電極と、少なくとも発光層を含む有機層と、第2電極とを備える有機EL素子であって、有機層は第1電極と第2電極との間に設けられており、第1電極の単位長さ当たりの抵抗値と第2電極の単位長さ当たりの抵抗値とが等しくなるように第1電極及び第2電極は構成されており、第1給電部が、第1電極の有機層が設けられる側と反対側の面で第1電極に接続されており、第2給電部が第2電極に接続されており、第1給電部は発光領域の一部に対応する位置に設けられており、第2給電部は発光領域の外周部に対応する位置に設けられている。ここで、「電極」とは、有機層に直接接触し、該有機層に電荷(正孔または電子)を供給する導電体を示す。また、「給電部」とは、有機EL素子を構成する構成要素であって、電極と外部駆動源との間に介在する導電体を示す。そして、「単位長さ当たりの抵抗値」とは、例えば、形成された電極について距離Lだけ離れた任意の2点間の抵抗値を測定し、その測定された抵抗値を測定距離Lで除算した値を示す。さらに、「単位長さ当たりの抵抗値が等しい」とは、両電極の単位長さ当たりの抵抗値が完全に等しい場合だけでなく、両電極の単位長さ当たりの抵抗値が等しいとみなされる場合(例えば、両者の抵抗値の差が、一方の抵抗値の10%以下)を含む。なお、「発光領域」とは、有機EL素子を駆動させた際に、該有機EL素子が発光する平面領域を示す。
この発明では、第1電極の単位長さ当たりの抵抗値と第2電極の単位長さ当たりの抵抗値とが等しくなるように両電極が構成されているため、任意の電流経路上の各点では、発光層を含む有機層における電流密度が略等しくなり、素子の輝度が略等しくなる。ここで、「電流経路」とは、有機EL素子の第1給電部と第2給電部との間を流れる電流の経路を、有機EL素子の光取り出し面である発光面上の仮想線として示したものである。具体的には、例えば、有機EL素子の発光領域内の任意の1点Sを通り、且つ、第1給電部と第2給電部とを結ぶ仮想線のうち、距離が最短となる仮想線を点Sの電流経路としている。電流経路の距離が長くなるほど、第1給電部から第2給電部までの抵抗値が大きくなるため、その電流経路上の各点における輝度は小さくなる。そして、第1給電部が発光領域の一部に対応する位置に設けられ、第2給電部が発光領域の外周部に対応する位置に設けられているため、第1給電部及び第2給電部の配置位置によって、有機EL素子の発光領域内における各電流経路の距離が制御されることになり、輝度分布が所望状態に設定されたEL素子を提供することができる。
なお、「電極」、「給電部」、「単位長さ当たりの抵抗値」、「発光領域」、「電流経路」は以下の記述においても上記と同様に定義される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、第1電極を形成する材料の体積抵抗率と第2電極を形成する材料の体積抵抗率とは等しく、第1電極及び第2電極は、等しい厚さに形成されている。この発明では、第1電極の単位長さ当たりの抵抗値と第2電極の単位長さ当たりの抵抗値とを等しくすることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、第1電極を形成する材料の体積抵抗率と第2電極を形成する材料の体積抵抗率とは異なり、体積抵抗率の低い材料で形成される電極は体積抵抗率の高い材料で形成される電極より厚さが薄く形成されている。この発明では、電極形成材料の体積抵抗率によって厚さを調整することで、第1電極の単位長さ当たりの抵抗値と第2電極の単位長さ当たりの抵抗値とを等しくすることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発明において、第1給電部は発光領域の中央部に対応する位置に設けられており、第2給電部は発光領域の外周部全体に対応する位置に設けられている。この発明では、有機EL素子の発光領域内における各電流経路の距離の差が小さくなる。したがって、輝度むらが低減された有機EL素子を提供することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の発明において、第1給電部の一部を露出し他の部分を覆う絶縁層が設けられており、第1給電部の露出部分及び絶縁層に接するように第1電極が設けられている。この発明では、第1電極と第1給電部の露出部分以外の部分との間に絶縁層が設けられているため、第1給電部の露出部分を第1電極の任意の位置、例えば、発光領域の中央部に対応する位置に配置することが容易になる。
請求項6に記載の発明は、第1電極と、少なくとも発光層を含む有機層と、第2電極とを備える有機エレクトロルミネッセンス素子であって、有機層は第1電極と第2電極との間に設けられており、第1電極の単位長さ当たりの抵抗値と第2電極の単位長さ当たりの抵抗値とが等しくなるように第1電極及び第2電極は構成されており、第1給電部が第1電極に接続されており、第2給電部が第2電極に接続されており、第1給電部と第2給電部とは等しい形状に形成されており、且つ、発光領域の中心に対して点対称の位置に配置されている。
この発明では、第1電極の単位長さ当たりの抵抗値と第2電極の単位長さ当たりの抵抗値とが等しいため、第1給電部と第2給電部とを結ぶ有機EL素子の発光面上の仮想線である任意の電流経路上の各点では素子の輝度が略等しくなる。また、第1電極に設けられる第1給電部と第2電極に設けられる第2給電部の配置位置により、有機EL素子の発光領域内における各電流経路の距離が制御されるため、輝度分布が所望状態に設定された有機EL素子を提供することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、第1電極を形成する材料の体積抵抗率と第2電極を形成する材料の体積抵抗率とは等しく、第1電極及び第2電極は、等しい厚さに形成されている。この発明では、第1電極の単位長さ当たりの抵抗値と第2電極の単位長さ当たりの抵抗値とを等しくすることができる。
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、第1電極を形成する材料の体積抵抗率と第2電極を形成する材料の体積抵抗率とは異なり、体積抵抗率の低い材料で形成される電極は体積抵抗率の高い材料で形成される電極より厚さが薄く形成されている。この発明では、電極形成材料の体積抵抗率によって厚さを調整することで、第1電極の単位長さ当たりの抵抗値と第2電極の単位長さ当たりの抵抗値とを等しくすることができる。
請求項9に記載の発明は、請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の発明において、第1電極と、有機層と、第2電極とは、それぞれ、平面概形が矩形に形成されており、第1給電部は第1電極の一辺全体に渡って設けられている。この発明では、有機EL素子の発光領域における各電流経路の距離の差が小さくなるため、輝度むらが低減された有機EL素子を提供することができる。
素子の輝度分布が所望状態に設定された有機EL素子を提供することができる。素子の輝度分布の所望状態としては、例えば、素子の発光領域における輝度むらが低減された状態や、素子の発光領域における任意の位置(領域)に部分的に明部または暗部が生じる状態等が挙げられる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を、発光領域における輝度むらが低減された有機EL素子に具体化した第1の実施形態を、図1(a),(b)及び図2にしたがって説明する。図1(a)は有機EL素子の模式平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線における模式断面図を示す。また、図2は、有機EL素子の部分模式断面図である。
図1(a),(b)に示すように、有機EL素子11は、基板12の上に積層形成された第1電極13、少なくとも発光層を含む有機層14、第2電極15を備えている。そして、第1給電部16が、第1電極13の有機層14が設けられる側と反対側の面で第1電極13に接続されており、第2給電部17が第2電極15に接続されている。なお、図1(a),(b)及び図2は、有機EL素子11の構成を模式的に示したものであり、図示の都合上、一部の寸法を誇張して分かり易くしているために、各部分の幅、長さ、厚さ等の寸法の比は実際の構成と異なっている。
基板12は、有機EL素子を支えるための板状の部材である。有機EL素子が、発光層が発する光を、基板12を介して取り出す、所謂、ボトムエミッション型である場合には、基板12には、取り出す光に対して高い透過率を示す透明基板が用いられる。例えば、ガラス基板やアクリル樹脂基板等が用いられる。また、有機EL素子が、発光層が発する光を、基板12と反対側より取り出す、所謂、トップエミッション型である場合には、基板12には、上記の透明基板に加えて、反射率の高い金属基板やセラミック基板等の不透明基板を用いることができる。この第1の実施形態では、有機EL素子11はトップエミッション型の素子を構成しており、発光層が発する光は基板12と反対側より外部に取り出される。
基板12の一方の面上には、図1(b)に示すように、第1給電部16が形成されている。第1給電部16は、基板12の中央部に配置される部分16aと、この部分16aから基板12の端部に向かって延びる部分16bとより構成されている。そして、基板12の第1給電部16が形成されている側には、第1給電部16の部分16aを露出し他の部分を覆う絶縁層18が設けられている。つまり、第1給電部16の部分16aは絶縁層18より露出しており、第1給電部16の部分16bは基板12と絶縁層18との間に設けられている。
絶縁層18より露出している第1給電部16の部分16a及び部分16aを取り囲む絶縁層18の上には、第1電極13が形成されている。第1電極13と第1給電部16の露出部分16aとは接触しており、第1電極13と第1給電部16とは電気的に接続されている。なお、第1電極13と第1給電部16の部分16bとの間には、絶縁層18が設けられているため、第1電極13と第1給電部16の部分16bとは直接接触していない。この第1の実施形態では、第1電極13は平面概形が四角形に形成されており、第1給電部16の部分16aは第1電極13の中央部において接触している。また、絶縁層18の上における第1電極13が形成されていない部分の一部には、第2給電部17が形成されている。第2給電部17は、第1電極13の周囲を取り囲み、また、第1電極13と直接接触しないように形成されている。
第1電極13の、第1給電部16が設けられている側と反対側の面には、少なくとも発光層を含む有機層14が形成されている。この有機層14の、第1電極13が設けられている側と反対側の面には第2電極15が形成されている。つまり、有機層14は第1電極13と第2電極15との間に設けられている。また、第2電極15はその外周部において絶縁層18上に形成された第2給電部17と接触しており、第2電極15と第2給電部17とは電気的に接続されている。なお、有機層14及び第2電極15は、平面概形が四角形に形成されている。
この第1の実施形態では、第1電極13、有機層14、第2電極15は、それぞれ、中心が基板12に対して略等しい位置に配置されるように形成されている。そして、第1給電部16の部分16aは、第1電極13の中心部分と接触している。即ち、第1給電部16は、有機EL素子11の発光領域の中央部に対応する位置に設けられており、第2給電部17は発光領域の外周部全体に対応する位置に設けられている。
第1電極13及び第2電極15のうち、少なくとも、有機層14からの光を取り出す側に配置される電極には透明電極が用いられる。透明電極には、例えば、ITO(インジウム錫酸化物)、IZO(酸化インジウム亜鉛)、ZnO(酸化亜鉛)等の公知の透明導電材料が用いられる。また、不透明な金属材料からなる電極であっても、電極の厚さを調整して光の透過率を制御することで、透明電極として用いることができる。
光を取り出す側に配置される電極と対向する側に配置される対向電極には、上記の透明導電材料に加えて、有機層14が発する光に対して反射性を有する、公知の金属や合金等の不透明電極材料を用いることができる。不透明電極材料としては、例えば、Al(アルミニウム)やAg(銀)等が用いられる。ただし、この対向電極に透明導電材料を使用する場合には、対向電極の、有機層14が設けられる側と反対側には光反射性を有する部材を配置する必要がある。
第1の実施形態において、有機EL素子11は、有機層14が発する光を基板12と反対側から取り出すトップエミッション型の素子を構成しており、光は第2電極15を介して取り出される。したがって、第2電極15には透明電極が用いられる。また、第2電極15と対向する電極である第1電極13には透明電極、又は、金属や合金等の不透明電極のいずれかが用いられる。
また、この時、第1電極13の単位長さ当たりの抵抗値と第2電極15の単位長さ当たりの抵抗値とが略等しくなるように、両電極は構成される。一般に、同じ体積抵抗率を有する材料で厚さの異なる電極を形成した場合は、電極の厚さが増すほど単位長さ当たりの抵抗値が小さくなる。したがって、第1電極13及び第2電極15は、単位長さ当たりの抵抗値が略等しくなるという条件を満たすように、電極材料及び電極の厚さが適宜選択される。例えば、第1電極13を形成する材料の体積抵抗率と第2電極15を形成する材料の体積抵抗率とが等しい場合には、両電極は厚さが等しく形成される。また、例えば、第1電極13を形成する材料の体積抵抗率と第2電極15を形成する材料の体積抵抗率が異なる場合には、体積抵抗率の低い材料で形成される電極の厚さが体積抵抗率の高い材料で形成される電極の厚さより薄くなるように、両電極は厚さが調整される。この第1の実施形態では、第1電極13と第2電極15とは同じ材料、例えば、ITOにより形成されており、第1電極13の厚さと第2電極15の厚さとは等しくなっている。
第1電極13と電気的に接続している第1給電部16と、第2電極15と電気的に接続している第2給電部17は、どちらも、単位長さ当たりの抵抗値が第1電極13及び第2電極15の単位長さ当たりの抵抗値よりも小さくなるように形成されている。この第1の実施形態では、第1給電部16及び第2給電部17は、第1電極13及び第2電極15の形成材料であるITOよりも高い電気伝導度を有する材料、例えば公知の配線用金属や合金等を用いて、第1電極13及び第2電極15よりも厚く形成されている。第1給電部16と第2給電部17のそれぞれの単位長さ当たりの抵抗値を、第1電極13及び第2電極15の単位長さ当たりの抵抗値よりも十分小さくすれば、第1給電部16及び第2給電部17上のどの部分に電源を接続しても、輝度分布に関する効果にほとんど差を生じない。そのため、例えば、第2給電部の端部17aのみに外部駆動源を接続することが可能となる。
ただし、有機EL素子がボトムエミッション型の素子である場合には、第1給電部16には、ITOやZnO等の透明導電材料が用いられる。
また、第1電極13と第2電極15との間に設けられる、少なくとも発光層を含む有機層14は、例えば、発光層1層から構成される場合や、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層、バッファー層等のうちの1層以上と発光層との組み合わせにより構成される。発光層にはAlq3やTPD等の公知の発光材料が用いられ、赤色、緑色、青色、黄色等の単色光を示す構成のものや、それらの組み合わせによる発光色、例えば、白色発光を示す構成のもの等が用いられる。
絶縁層18には、公知の絶縁材料が用いられる。例えば、ポリイミド系樹脂や、SiO2(酸化ケイ素)や、SiN(窒化ケイ素)等が用いられる。ただし、有機EL素子がボトムエミッション型の素子である場合には、透明な絶縁材料、例えば、SiO2やSiN等により絶縁層18が形成される。
また、有機EL素子11には、有機層14を酸素及び水分等から保護するための保護部(図示せず)が設けられている。保護部は、公知のパッシベーション膜や封止缶、又はそれらの組み合わせ等で構成される。ただし、有機EL素子がトップエミッション型である場合には、保護部を形成する材料には、取り出す光に対して高い透過性を有する材料が用いられる。保護部をパッシベーション膜で構成する場合は、パッシベーション膜には酸素や水分等を浸透させない物質が用いられ、例えば、SiO2、SiN、SiON等の無機膜や、高分子膜や、樹脂膜等が用いられる。このパッシベーション膜は、一層で構成される場合や、複数の層を積層することにより構成される場合等がある。パッシベーション膜を第2電極15の上に形成して、パッシベーション膜と基板12とで有機EL素子11全体を覆うことにより、有機層14は酸素や水分等から保護される。
また、保護部を封止缶で構成する場合には、例えば、金属やガラス製の封止缶や、酸素や水分等を浸透させない高分子や樹脂等からなる封止缶が用いられる。有機EL素子11を封止缶と基板12とで挟み、接着剤や樹脂等を介して基板12と封止缶の端部とを貼り合わせることで、有機層14は酸素や水分等から保護される。封止缶の内部に、不活性ガスやゲッター剤などを収容して、保護部としての機能を向上させることもできる。なお、有機EL素子11をパッシベーション膜で覆い、さらに、その素子全体を封止缶により保護することもできる。
次いで、上記のように構成された有機EL素子11の製造方法を説明する。有機EL素子11を製造する際は、先ず基板12の上に、スパッタリング法、真空蒸着法、イオン化蒸着法等の公知の薄膜形成方法によって第1給電部16を形成する。この第1給電部16は、マスクやエッチング等の公知のパターニング方法を用いて所定の形状にパターニングされる。次いで、第1給電部16上に、絶縁層18を上記のような公知の薄膜形成方法によって形成する。その後、エッチングを行うことにより、第1給電部16の部分16aのみを絶縁層18から露出させた状態にする。第1給電部16の部分16bは絶縁層18で覆われている。次いで、第1給電部16の露出部分である部分16a及び該露出部分を取り囲む絶縁層18上に第1電極13を公知の薄膜形成方法により形成する。また、絶縁層18の上における第1電極13を形成していない部分の一部に、第2給電部17を、マスク等を使用して公知の薄膜形成方法により形成する。そして、第1電極13の上に少なくとも発光層を含む有機層14を形成する。有機層14は、例えば、蒸着法で形成され、有機層14を構成する各層が蒸着により順次積層形成される。その後、蒸着法により有機層14の上に第2電極15を形成する。この時、第2電極15は、その外周部において第2給電部17と接続される。最後に、保護部を形成する。保護部としてSiN等のセラミック膜を形成する場合、セラミック膜は、例えば、プラズマCVD法で形成される。
上記のように構成された有機EL素子11の作用について説明する。
有機EL素子11において、第1電極13を陽極とし、第2電極15を陰極とする。第1給電部16の部分16bにおける基板12の端部に位置する部分と、第2給電部17の端部17aとに外部駆動源(図示せず)を接続して電流を供給する。供給された電流は、第1給電部16より順に、陽極である第1電極13、有機層14、陰極である第2電極15、第2給電部17へと流れる。電流が有機層14を流れる際に、該有機層14は発光する。この有機層14が発する光は、第2電極15を介して外部に取り出される。以下に、図2を用いて、第1給電部16から第2給電部17へと流れる電流の様子について、詳細に説明する。
図2は、有機EL素子11の任意の電流経路における模式断面図である。この明細書中において「電流経路」とは、有機EL素子11の第1給電部16と第2給電部17との間を流れる電流の経路を、有機EL素子11の光取り出し面である発光面上の仮想線として示したものである。有機EL素子11に供給された電流は、有機EL素子11の内部を様々な経路を通って流れる。有機EL素子11の電流経路としては、例えば、発光領域内の点Pを通り、且つ、第2給電部17と第1給電部16とを最短距離で結ぶ仮想線である図1(a)中の電流経路Bや、発光領域内の点Qを通り、且つ、第2給電部17と第1給電部16とを最短距離で結ぶ仮想線である図1(a)中の電流経路C等が挙げられる。
図2において、矢印は、有機EL素子11の内部を流れる電流の様子を模式的に示したものである。第1給電部16から第1電極13へと供給された電流は、第1電極13の内部を第2給電部17に向かって流れる。この電流は、第1電極13の各部分を流れると同時に、第1電極13に接する形で設けられた有機層14を介して第2電極15へと流れ、その後、第2給電部17へと流れていく。ここで、第1電極13において、第1給電部16からの距離が異なる地点を3点抜きだし、第1給電部に近い点より地点D1、地点E1、地点F1とする。
第1給電部16から第1電極13の地点D1へと流れ、この地点D1より有機層14を介して、地点D1に対応する第2電極15の地点D2へと流れ、その後、地点D2から第2給電部17へと流れる電流の経路を経路Dとする。また、第1給電部16から第1電極13の地点D1を通り地点E1へと流れ、この地点E1より発光層を含む有機層14を介して、地点E1に対応する第2電極15の地点E2へと流れ、その後、地点E2から第2給電部17へと流れる電流の経路を経路Eとする。同様に、第1給電部16から第1電極13の地点D1及び地点E1を通り地点F1へと流れ、地点F1より発光層を含む有機層14を介して、地点F1に対応する第2電極15の地点F2へと流れ、その後、地点F2より第2給電部17へと流れる電流の経路を経路Fとする。なお、有機EL素子11は、有機層14の平面方向(図2の左右方向)には電流が流れにくいため、第1電極13から有機層14に供給される電流は、主に、有機層14及び第2電極15の積層方向(図2の上下方向)に流れる。つまり、第1給電部16から地点D1までの距離と第2給電部17から地点D2までの距離とを足した距離は、第1給電部16から地点E1までの距離と第2給電部17から地点E2までの距離とを足した距離に等しくなる。また、同様に、第1給電部16から地点D1までの距離と第2給電部17から地点D2までの距離とを足した距離は、第1給電部16から地点F1までの距離と第2給電部17から地点F2までの距離とを足した距離に等しくなる。
ここで、各経路D,E,Fの等価回路を考えると、第1電極13と第2電極15とは単位長さ当たりの抵抗値が略等しくなるように構成されているため、経路Dの合成抵抗と経路Eの合成抵抗と経路Fの合成抵抗とは略等しくなる。したがって、各経路D,E,Fに流れる電流は略等しくなり、地点D1又はD2における素子の輝度と、地点E1又はE2における素子の輝度と、地点F1又はF2における素子の輝度とは略等しくなる。つまり、有機EL素子11において、第1給電部16と第2給電部17とを結ぶ発光面上の仮想線である任意の電流経路上の各点では、有機層14における電流密度が略等しくなり、輝度が略等しくなるのである。
また、有機EL素子11の電流経路を考えた場合に、最も距離の長い電流経路は、例えば、電流経路Bであり、最も距離の短い電流経路は、例えば、電流経路Cである。電流経路の距離が長くなるほど、その経路の合成抵抗が大きくなるため、有機層14を流れる電流が小さくなり、該電流経路上の各点における輝度は小さくなる。つまり、有機EL素子11の発光領域における各電流経路の距離の差が小さくなれば、発光領域における輝度むらは低減される。この第1の実施形態では、第1給電部16は発光領域の中央部に対応する位置に設けられており、第2給電部17は発光領域の外周部全体に対応する位置に設けられている。そのため、最も長い電流経路Bと最も短い電流経路Cとの距離の差を小さくでき、発光領域における輝度むらが低減されるため、その輝度分布が略均一な状態になる。
輝度むらが低減された有機EL素子11は、例えば、液晶表示装置のバックライトや照明装置、ディスプレイ等として使用される。
この実施形態では以下の効果を有する。
(1)有機EL素子11は、第1電極13と、少なくとも発光層を含む有機層14と、第2電極15とを備えている。有機層14は第1電極13と第2電極15との間に設けられており、第1電極13の単位長さ当たりの抵抗値と第2電極15の単位長さ当たりの抵抗値とが等しくなるように第1電極13及び第2電極15は構成されている。第1給電部16が第1電極13の有機層14が設けられる側の面と反対側の面で第1電極13と接続されており、第2給電部17が第2電極15に接続されている。第1給電部16は素子の発光領域の一部に対応する位置に設けられており、第2給電部17は素子の発光領域の外周部に対応する位置に設けられている。したがって、有機EL素子11の発光領域における任意の電流経路上の各点では素子の輝度が略等しくなり、また、第1給電部16及び第2給電部17の配置位置によって発光領域における各電流経路の距離が調整されるため、素子の輝度分布が所望状態に設定されたEL素子を提供することができる。
(2)有機EL素子11は、第1電極13を形成する材料の体積抵抗率と第2電極15を形成する材料の体積抵抗率とは等しく、第1電極13及び第2電極15は等しい厚さに形成されている。したがって、有機EL素子11における、第1電極13の単位長さ当たりの抵抗値と第2電極15の単位長さ当たりの抵抗値とを等しくすることができる。
(3)有機EL素子11において、第1給電部16は発光領域の中央部に対応する位置に設けられており、第2給電部17は発光領域の外周部全体に対応する位置に設けられている。したがって、有機EL素子11の発光領域における各電流経路の距離の差が小さくなり、発光領域における輝度むらが低減された有機EL素子を提供することができる。
(4)第1給電部16の一部分16aを露出し他の部分を覆う絶縁層18が設けられており、第1給電部16の露出部分16a及び絶縁層18に接するように第1電極13が設けられている。したがって、第1給電部16の露出部分16a以外の部分は絶縁層18により覆われるため、第1給電部16を第1電極13の任意の位置、例えば、第1電極13の中央部に配置することができる。
(5)有機EL素子11はトップエミッション型の素子であるため、発光領域の中央部に配置される第1給電部16に、高い電気伝導度を有する公知の配線用金属や合金等を用いることができる。
(6)第1給電部16と第2給電部17は、どちらも、単位長さ当たりの抵抗値が第1電極13及び第2電極15の単位長さ当たりの抵抗値よりも小さくなるように形成されている。そのため、第1給電部16及び第2給電部17上のどの部分に電源を接続しても、輝度分布に関する効果にほとんど差を生じず、第2給電部の端部17aのみに外部駆動源を接続しても、素子の輝度分布を所望、例えば輝度が略均一な状態に設定できる。
(第2の実施形態)
次に、本発明を、発光領域における輝度むらが低減された有機EL素子に具体化した第2の実施形態を、図3及び図4にしたがって説明する。第1の実施形態と同様の部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
図3は有機EL素子の模式平面図であり、図4は図3の有機EL素子のG−G線における模式断面図である。なお、図3及び図4は、有機EL素子の構成を模式的に示したものであり、図示の都合上、一部の寸法を誇張して分かり易くしているために、各部分の幅、長さ、厚さ等の寸法の比は実際の構成と異なっている。
図3及び図4に示すように、有機EL素子20は、基板12上に、第1電極13と、第1給電部16と、第2給電部17とが形成されている。第1電極13と第1給電部16とは電気的に接続されており、第1電極13上には、少なくとも発光層を含む有機層14が形成されている。また、有機層14上には第2電極15が形成されている。第2電極15は、その端部において第2給電部17と接触しており、第2電極15と第2給電部17とは電気的に接続されている。この第2の実施形態における有機EL素子20は、ボトムエミッション型の素子を構成しており、有機層14が発する光は、第1電極13及び基板12を介して外部に取り出される。したがって、基板12には透明基板が用いられ、第1電極13には透明電極が用いられる。
この第2の実施形態では、第1電極13を形成する材料の体積抵抗率が、第2電極15を形成する材料の体積抵抗率よりも高い。そして、第1電極13の厚さが第2電極15の厚さよりも厚くなるように両電極の厚さが調整されることにより、第1電極13の単位長さ当たりの抵抗値と、第2電極15の単位長さ当たりの抵抗値とが等しくなっている。
また、有機EL素子20には、有機層14を酸素及び水分等から保護するための保護部(図示せず)が設けられている。保護部は第1の実施形態と同様に形成される。
また、第2の実施形態では、第1電極13、有機層14、第2電極15は、それぞれ、平面概形が矩形に形成されている。そして、第1給電部16は第1電極13の一辺全体に渡って設けられており、第2給電部17は第2電極15の一辺全体に渡って設けられている。また、第1給電部16と第2給電部17とは、同じ形状に形成されており、且つ、発光領域の中心に対して点対称の位置に配置されている。
さらに、第1給電部16と第2給電部17のそれぞれの単位長さ当たりの抵抗値が、第1電極13及び第2電極15の単位長さ当たりの抵抗値よりも小さくなるように形成されている。第1給電部16と第2給電部17のそれぞれの単位長さ当たりの抵抗値を、第1電極13及び第2電極15の単位長さ当たりの抵抗値よりも十分小さくすれば、第1給電部16及び第2給電部17上のどの部分に外部駆動源を接続しても、輝度分布に関する効果にほとんど差を生じない。第2の実施形態では、第1給電部16及び第2給電部17の材料として、電気導電性の高い金属、例えば銅またはアルミニウムを採用し、更に、両者の厚さを十分厚くすることにより、両者の単位長さ当たりの抵抗値を、第1電極13及び第2電極15の単位長さ当たりの抵抗値よりも十分小さくしている。
次に上記構成の有機EL素子20の製造方法を説明する。先ず基板12の上に、スパッタリング法、真空蒸着法、イオン化蒸着法等の公知の薄膜形成方法によって、第1給電部16及び第2給電部17を形成する。第1給電部16及び第2給電部17は、マスクやエッチング等の公知のパターニング方法を用いて、所定の形状にパターニングされる。次いで、第1給電部16に接触し、且つ、第2給電部17に接触しないように、第1電極13を公知の薄膜形成方法によって形成する。そして、第1電極13の上に発光層を含む有機層14を形成する。発光層を含む有機層14は、例えば、蒸着法で形成され、有機層14を構成する各層が蒸着により順次積層形成される。その後、蒸着法により有機層14上に第2電極15を形成する。この時、第2電極15は第2給電部17と接触するように形成され、電気的に接続される。最後に保護部(図示せず)を形成する。保護部としてSiN(窒化ケイ素)等のセラミック膜を形成する場合、セラミック膜は、例えば、プラズマCVD法で形成される。
上記構成の有機EL素子20において、第1電極13を陽極とし、第2電極15を陰極とする。第1給電部16と第2給電部17とに、外部駆動源(図示せず)を接続して電流を供給すると、第1給電部16より、順に、陽極である第1電極13、発光層を含む有機層14、陰極である第2電極15、第2給電部17へと電流が流れる。電流が有機層14を流れる際に、該有機層14が発光し、有機層14が発する光は、第1電極13及び基板12を介して外部に取り出される。
平面概形が矩形である第1電極13の一辺全体に渡って設けられた第1給電部16と、平面概形が矩形である第2電極15の一辺全体に渡って設けられた第2給電部17とは、発光領域の中心に対して点対称の位置に配置されている。このため、有機EL素子20の電流経路としては、例えば、発光領域内の点Rを通り、且つ、第2給電部17と第1給電部16とを最短距離で結ぶ仮想線である図3中の電流経路Hや、この電流経路Hに平行な経路が挙げられる。
即ち、有機EL素子20の発光領域全体における電流経路を考えた場合には、各電流経路の距離の差は非常に小さくなる。なお、第1電極13の単位長さ当たりの抵抗値と第2電極15の単位長さ当たりの抵抗値とが等しくなるように、両電極は構成されているため、1つの電流経路上の各点では素子の輝度が略等しくなる。したがって、有機EL素子20の発光領域における輝度むらは十分に低減された状態になる。
この第2の実施形態においては次の効果を有する。
(1)有機EL素子20は、第1電極13と、少なくとも発光層を含む有機層14と、第2電極15とを備えている。有機層14は第1電極13と第2電極15との間に設けられており、第1電極13の単位長さ当たりの抵抗値と第2電極15の単位長さ当たりの抵抗値とが等しくなるように、前記第1電極及び前記第2電極は構成されている。また、第1給電部16が第1電極13に接続されており、第2給電部17が第2電極15に接続されている。そして、第1給電部16と第2給電部17とは、等しい形状に形成されており、且つ、発光領域の中点に対して点対称の位置に配置されている。したがって、有機EL素子20の発光領域における任意の電流経路上の各点では素子の輝度が略等しくなり、また、第1給電部16と第2給電部17の配置位置によって、素子の発光領域における電流経路が調整されるため、素子の輝度分布が所望状態に設定されたEL素子を提供することができる。
(2)有機EL素子20では、第1電極13を形成する材料の体積抵抗率と第2電極15を形成する材料の体積抵抗率とは異なり、体積抵抗率の低い材料で形成される第2電極は体積抵抗率の高い材料で形成される第1電極に比較して厚さが薄く形成されている。したがって、電極形成材料の体積抵抗率によって、形成される電極の厚さを調整しているため、第1電極13の単位長さ当たりの抵抗値と第2電極15の単位長さ当たりの抵抗値とを等しくすることができる。
(3)有機EL素子20を構成する、第1電極13、有機層14、第2電極15は平面概形が矩形であり、第1給電部16は第1電極13の一辺全体に渡って設けられている。したがって、有機EL素子20の発光領域における各電流経路の距離の差が非常に小さくなり、輝度むらが十分に低減された有機EL素子を提供することができる。
(4)第1給電部16と第2給電部17のそれぞれの単位長さ当たりの抵抗値が、第1電極13及び第2電極15の単位長さ当たりの抵抗値よりも十分小さくなるように形成されている。そのため、第1給電部16及び第2給電部17上のどの部分に外部駆動源を接続しても、輝度分布に関する効果にほとんど差を生じない。
なお、実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば次のように構成してもよい。
○ 第1電極13に設けられる第1給電部16と第2電極15に設けられる第2給電部17とは、第2の実施形態のように、電極の一辺全体に渡って設けられる場合だけでなく、例えば、図5に示す有機EL素子21のように、各電極の一部に対応する位置に設けられるとしても良い。ただし、第1給電部16と第2給電部17とは、発光領域の中心に対して点対称の位置に配置されている。
なお、図5に示すように、有機EL素子21が細長い形状である場合には、発光領域における各電流経路の距離の差が小さくなるため、素子の発光領域における輝度むらを低減させる事ができる。
○ 有機EL素子の第1電極13に設けられる第1給電部16は、発光領域の中央部に対応する位置に配置される場合に限られず、所望の輝度分布の状態に応じて、発光領域の中央部よりずれた位置に配置されるとしてもよい。また、第2電極15に設けられる第2給電部17は、発光領域の外周部全体に対応する位置に配置される場合に限られず、所望の輝度分布の状態に応じて、発光領域の外周部の一部に対応する位置に配置されるとしてもよい。
○ 有機EL素子は、平面概形が四角形や矩形である場合だけでなく、平面概形が円形や楕円形であってもよい。
(a)は第1の実施形態における有機EL素子の模式平面図、(b)は(a)のA−A線における模式断面図。 第1の実施形態における有機発光層の模式断面図。 第2の実施形態における有機EL素子の模式平面図。 図3のG−G線における有機EL素子の模式断面図。 別の実施形態における有機EL素子の模式平面図。 従来技術の有機EL素子の模式斜視図。
符号の説明
11,20,21…有機EL素子、12…基板、13…第1電極、14…有機層、15…第2電極、16…第1給電部、17…第2給電部、18…絶縁層。

Claims (9)

  1. 第1電極と、少なくとも発光層を含む有機層と、第2電極とを備える有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記有機層は前記第1電極と前記第2電極との間に設けられており、
    前記第1電極の単位長さ当たりの抵抗値と前記第2電極の単位長さ当たりの抵抗値とが等しくなるように前記第1電極及び前記第2電極は構成されており、
    第1給電部が、前記第1電極の前記有機層が設けられる側と反対側の面で前記第1電極に接続されており、
    第2給電部が、前記第2電極に接続されており、
    前記第1給電部は発光領域の一部に対応する位置に設けられており、
    前記第2給電部は発光領域の外周部に対応する位置に設けられている
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記第1電極を形成する材料の体積抵抗率と前記第2電極を形成する材料の体積抵抗率とは等しく、
    前記第1電極及び前記第2電極は等しい厚さに形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記第1電極を形成する材料の体積抵抗率と前記第2電極を形成する材料の体積抵抗率とは異なり、
    体積抵抗率の低い材料で形成される電極は体積抵抗率の高い材料で形成される電極より厚さが薄く形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記第1給電部は発光領域の中央部に対応する位置に設けられており、
    前記第2給電部は発光領域の外周部全体に対応する位置に設けられている
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記第1給電部の一部を露出し他の部分を覆う絶縁層が設けられており、
    前記第1給電部の露出部分及び前記絶縁層に接するように前記第1電極が設けられている
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 第1電極と、少なくとも発光層を含む有機層と、第2電極とを備える有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記有機層は前記第1電極と前記第2電極との間に設けられており、
    前記第1電極の単位長さ当たりの抵抗値と前記第2電極の単位長さ当たりの抵抗値とが等しくなるように前記第1電極及び前記第2電極は構成されており、
    第1給電部が、前記第1電極に接続されており、
    第2給電部が、前記第2電極に接続されており、
    前記第1給電部と前記第2給電部とは、等しい形状に形成されており、且つ、発光領域の中心に対して点対称の位置に配置されている
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記第1電極を形成する材料の体積抵抗率と前記第2電極を形成する材料の体積抵抗率とは等しく、
    前記第1電極及び前記第2電極は、等しい厚さに形成されている
    ことを特徴とする請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 前記第1電極を形成する材料の体積抵抗率と前記第2電極を形成する材料の体積抵抗率とは異なり、
    体積抵抗率の低い材料で形成される電極は体積抵抗率の高い材料で形成される電極より厚さが薄く形成されている
    ことを特徴とする請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 前記第1電極と、前記有機層と、前記第2電極とは、それぞれ、平面概形が矩形に形成されており、
    前記第1給電部は前記第1電極の一辺全体に渡って設けられている
    ことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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