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JP2007310152A - 電気光学装置、電気光学装置の製造方法及び電子機器 - Google Patents

電気光学装置、電気光学装置の製造方法及び電子機器 Download PDF

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JP2007310152A
JP2007310152A JP2006139249A JP2006139249A JP2007310152A JP 2007310152 A JP2007310152 A JP 2007310152A JP 2006139249 A JP2006139249 A JP 2006139249A JP 2006139249 A JP2006139249 A JP 2006139249A JP 2007310152 A JP2007310152 A JP 2007310152A
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JP
Japan
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electro
film
optical device
electrode
insulating film
Prior art date
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Application number
JP2006139249A
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English (en)
Inventor
Toshihiro Otake
俊裕 大竹
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Epson Imaging Devices Corp
Original Assignee
Epson Imaging Devices Corp
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Publication date
Application filed by Epson Imaging Devices Corp filed Critical Epson Imaging Devices Corp
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Abstract

【課題】スイッチング素子と電極とを導電接続するための開口部において、電極が破断す
ることを防止する。
【解決手段】第1透光性基板7a上に設けられドレイン電極36を備えたTFT素子21
と、ドレイン電極36から延在した接続用導電膜36bと、基板7a上に設けられてTF
T素子21及び接続用導電膜36bを覆う凹凸樹脂膜23と、接続用導電膜36b上の凹
凸樹脂膜23に開口されたコンタクトホール27と、凹凸樹脂膜23上に設けられコンタ
クトホール27を介して接続用導電膜36bに接続された画素電極25と、基板7aと凹
凸樹脂膜23の間であってコンタクトホール27に平面的に重なる位置に設けられた突部
材28とを有する液晶表示装置である。
【選択図】図4

Description

本発明は、液晶表示装置等といった電気光学装置に関する。また、本発明は、その電気
光学装置を製造するための製造方法に関する。また、本発明は、その電気光学装置を用い
て構成される電子機器に関する。
現在、携帯電話機、携帯情報端末機等といった各種の電子機器において、当該電子機器
に関する各種の情報を視覚的に表示するための表示部として、液晶表示装置等といった電
気光学装置が広く用いられている。この電気光学装置においては、液晶等といった電気光
学物質に印加する電圧を画素ごとに制御することによって表示が行われる。電気光学物質
に印加する電圧を画素ごとに制御する手法として、複数の画素の個々にスイッチング素子
、例えば、TFT(Thin Film Transistor)素子、TFD(Thin Film Diode)素子を付
設する方法が従来から知られている。
上記のようにスイッチング素子を用いた電気光学装置では、そのスイッチング素子の上
に絶縁膜を設け、その絶縁膜の適所に開口部としてのコンタクトホールを設け、その絶縁
膜の上に電極を形成し、その電極とスイッチング素子とをコンタクトホールを通して互い
に導電接続するという構造が従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。この電
気光学装置では、コンタクトホールの底部において電極とスイッチング素子から延びる導
電膜とが接触することにより、電極とスイッチング素子とが導電接続されている。また、
この電気光学装置では、絶縁膜の表面に、複数の凹部及び複数の凸部から成る凹凸パター
ンが設けられている。そしてこれらの凹部及び凸部とコンタクトホールとは、それぞれが
個別の工程において形成されている。
特開2003−156766号公報(第6〜7頁、図1及び図2)
ところで、特許文献1に開示された従来の電気光学装置では、スイッチング素子から延
びる導電膜が当該スイッチング素子と同じ平面内に形成されている。従って、コンタクト
ホールは、絶縁膜上の電極とスイッチング素子から延びる導電膜とを接触させるために深
く形成されている。そのため、絶縁膜の表面にITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫
酸化物)等といった金属酸化物によって電極を形成する際、コンタクトホールの壁面の所
でITOが破断するおそれがある。
本発明は、上記の問題点に鑑みて成されたものであって、スイッチング素子と電極とを
導電接続するための開口部において、電極が破断することを防止することを目的とする。
本発明に係る電気光学装置は、基板と、該基板上に設けられ電極を備えたスイッチング
素子と、前記電極から延在した接続用導電膜と、前記基板上に設けられて前記スイッチン
グ素子及び前記接続用導電膜を覆う絶縁膜と、前記接続用導電膜上の前記絶縁膜に開口さ
れた開口部と、前記絶縁膜上に設けられ前記開口部を介して前記接続用導電膜に電気的に
接続された画素電極と、前記基板と前記絶縁膜の間であって前記開口部に平面的に重なる
位置に設けられた突部材とを有することを特徴とする。
上記構成の電気光学装置において、スイッチング素子としては、TFT素子(薄膜トラ
ンジスタ)といった3端子型のスイッチング素子や、TFD素子(薄膜ダイオード)とい
った2端子型のスイッチング素子等を用いることができる。また、接続用導電膜は、スイ
ッチング素子と画素電極とを接触させるために、スイッチング素子の電極から外部方向へ
延びる導電膜である。この接続用導電膜は、スイッチング素子を形成する際に、当該スイ
ッチング素子の電極と同時に形成することができる。また、接続用導電膜は、スイッチン
グ素子の電極と別工程で形成することもできる。
本発明に係る電気光学装置によれば、基板と絶縁膜の間であって導電接続用の開口部に
平面的に重なる位置に突部材を設けたので、開口部の深さを突部材の高さ分だけ浅くでき
る。これにより、絶縁膜上に設けられると共に開口部に流れ込んだ後に接続用導電膜に接
続する電極が、その開口部の壁の所で破断することを防止できる。
次に、本発明に係る電気光学装置において、前記突部材の頂面の前記基板表面からの高
さをh1とし、前記開口部の前記絶縁膜の頂面からの深さをh2としたとき、
h1>h2
であることが望ましい。こうすれば、開口部に流れ込んだ後に接続用導電膜に接続する電
極が、その開口部の壁の所で破断することをより確実に防止できる。
次に、本発明に係る電気光学装置において、前記絶縁膜の表面には複数の凹部又は複数
の凸部が設けられ、前記開口部の前記絶縁膜の頂面からの深さをh2とし、前記凹部の深
さ又は前記凸部の高さをh3としたとき、
h2>h3
であることが望ましい。この構成の電気光学装置において、複数の凹部又は複数の凸部は
、絶縁膜の表面に凹凸パターンを形成するものである。この凹凸パターンは、一般に、反
射型の表示を行う表示領域を備えた電気光学装置に設けられている。このような電気光学
装置では、凹凸パターンが形成された絶縁膜の表面に、例えばAl(アルミニウム)等と
いった金属から成る光反射膜を設け、その光反射膜で反射した光を用いて表示が行われる
。凹凸パターンは、主に絶縁膜上に設けられた光反射膜に凹凸形状を付与するためのもの
である。
仮に、凹部の深さ又は凸部の高さh3と、絶縁膜の頂面からの開口部の深さh2との関
係をh2<h3とすると、突部材が設けられた部分の絶縁膜が突部材の影響により、その
絶縁膜の他の部分の表面から突出してしまうことがある。こうなると、そのように絶縁膜
が突出した部分において、例えば配向不良等といった障害が発生するおそれがある。
本発明態様の電気光学装置によれば、凹部の深さ又は凸部の高さh3と絶縁膜の頂面か
らの開口部の深さh2との関係を
h2>h3
に設定したことにより、突部材が設けられた部分の絶縁膜の表面が絶縁膜のその他の部分
よりも突出することがなくなるので、安定した動作の表示を行うことができる。
次に、本発明に係る電気光学装置において、前記突部材の側面には段部が設けられてい
ることが望ましい。この「段部」は、突部材の側面が基板の表面に対して鉛直方向に延び
ているところの途中の一部分に、基板の表面に対して平行に延びるか又は傾斜状態で延び
る棚部分を設けることである。このように突部材の側面部に段部を設ければ、スイッチン
グ素子から延びて当該突部材上に設けられた導電膜が、その突部材の側面の所で破断する
ことをその段部の働きによって防止できる。
次に、本発明に係る電気光学装置において、前記突部材は感光性の樹脂を用いて形成さ
れることが望ましい。感光性の樹脂は、一般に、絶縁性を有する材料である。従って、こ
の感光性の樹脂を用いて突部材を形成すれば、突部材上の導電膜と基板上に設けられる他
の導電部材とが短絡することを防止できる。また、感光性の樹脂は、例えば、スイッチン
グ素子を覆う絶縁膜としても用いられる材料である。それ故、突部材を感光性の樹脂によ
って形成することにすれば、その突部材は既存の材料を用いて形成できることになるので
、新たな材料や設備を用いることなく容易に設けることができる。
次に、本発明に係る電気光学装置において、前記スイッチング素子はTFT(薄膜トラ
ンジスタ)素子であって、前記スイッチング素子が備えた前記電極は前記接続用導電膜と
同一材料で一体的に形成された前記薄膜トランジスタのドレイン電極であることが望まし
い。ドレイン電極は、TFT素子を構成する電極の一つであり、TFT素子と画素電極と
を電気的に接続する電極として機能する。そして、接続用導電膜はこのドレイン電極から
延在する。この構成において、ドレイン電極と接続用導電膜とを同一材料で一体的に形成
すれば、電気光学装置を製造する際の工程を減らすことができ、製造コストを低減できる
次に、本発明に係る電気光学装置において、前記スイッチング素子は第1電極と絶縁膜
と第2電極の積層構造からなるTFD(薄膜ダイオード)素子であって、前記スイッチン
グ素子が備えた前記電極は前記接続用導電膜と同一材料で一体的に形成された前記第2電
極であることが望ましい。第2電極は、TFD素子を構成する電極の一つであり、TFD
素子と画素電極とを電気的に接続する電極として機能する。そして、接続用導電膜はこの
第2電極から延在する。この構成において、第2電極と接続用導電膜とを同一材料で一体
的に形成すれば、電気光学装置を製造する際の工程を減らすことができ、製造コストを低
減できる。
次に、本発明に係る電気光学装置の製造方法は、例えば図12に示すように、基板上に
スイッチング素子を設ける工程(P101)と、前記基板上に突部材を設ける工程(P1
02)と、前記スイッチング素子の電極に接続する接続用導電膜を前記突部材上に設ける
工程(P103)と、前記基板上に前記スイッチング素子及び前記突部材を覆う絶縁膜を
設ける工程(P104)と、前記絶縁膜のうちの前記突部材に平面的に重なる領域に開口
部を設ける工程(P105)と、前記絶縁膜上に画素電極を設ける工程(P107)と、
を有することを特徴とする。
この電気光学装置の製造方法によれば、図12の工程P102において基板上に設けら
れた突部材に平面的に重なる領域に、工程P105において開口部を設けるので、開口部
の深さを絶縁膜の膜厚より浅く形成できる。このように、深さが浅い開口部を絶縁膜内に
設ければ、画素電極を設ける工程P107において、絶縁膜上に画素電極の材料を供給し
たとき、開口部に流れ込んだ電極の材料が、開口部の壁の所で破断することなく、突部材
上の接続用導電膜に接続できる。
なお、接続用導電膜を設ける工程P103は、スイッチング素子を設ける工程P101
と別工程とすることもできるし、工程P101においてスイッチング素子の電極を形成す
るときに同時に実施することもできる。また、実際に電気光学装置を製造するときには、
工程P105において開口部を形成した後に、光反射膜を形成する工程P106を実施す
ることもできる。また、工程P107において画素電極を形成した後に、配向膜を形成す
る工程P108を実施することもできる。
次に、本発明に係る電気光学装置の製造方法において、前記絶縁膜の表面には複数の凹
部又は複数の凸部が設けられ、前記開口部を形成する工程では、複数の前記凹部又は複数
の前記凸部に対応するパターンと前記開口部に対応するパターンとを有する露光マスクを
用いて1回の露光処理が行われて、前記絶縁膜上に複数の前記凹部又は複数の前記凸部が
形成されるのと同時に前記開口部が形成されることが望ましい。
従来の電気光学装置では、絶縁膜上の凹部又は凸部と、絶縁膜内の開口部とを別の工程
において形成することが行われている場合がある。この場合には、製造工程が複雑になり
、製造コストが増える傾向にある。これに対し、本発明態様では、絶縁膜の表面に複数の
凹部又は複数の凸部を設けることと、絶縁膜内に開口部を設けることとを、同時に行うこ
とにした。その結果、製造工程を簡略化でき、製造コストを低減できる。
また、従来の構成の電気光学装置では、スイッチング素子の電極に接続する接続用導電
膜が当該スイッチング素子と同じ平面内に形成されていることが多い。従って、開口部は
、絶縁膜上の画素電極と接続用導電膜とを接触させるために深く形成されていることが多
い。このような構成の電気光学装置において、絶縁膜上の凹部又は凸部と、絶縁膜内の開
口部とを同時に形成することを考えた場合には以下の問題が生じるおそれがある。
従来から、絶縁膜上の凹部又は凸部と絶縁膜内の開口部とを同時に形成する場合には、
例えば、露光機の解像度の限界よりも微細な露光パターンを備えた露光マスク、いわゆる
グレートーンマスクを用いてフォトリソグラフィ処理によってそれらの凹部又は凸部及び
開口部を形成することが行われている。このグレートーンマスクを用いた方法では、複数
の凹部又は複数の凸部に対応するパターンを露光機の解像度の限界よりも微細なパターン
とし、開口部に対応するパターンを通常のパターン(すなわち、露光機の解像度よりも広
いパターン)とすることにより、凹部又は凸部と開口部とを一度の露光処理で同時に形成
できる。
しかしながら、従来の構成の電気光学装置では、画素電極と接続用導電膜とを確実に接
触させるために、開口部を深く形成する必要があった。従って、露光処理において開口部
の深さに応じて露光量を多くする必要があった。露光量を多くすると、凹部又は凸部に対
応する部分に対しても露光量が多くなるので、凹部の深さが深くなるか又は凸部の高さが
高くなる傾向にあった。それ故、凹部の深さ又は凸部の高さを所望の深さや高さに調節す
ることが難しかった。具体的には、凹部の深さを浅くするか又は凸部の高さを低くするこ
とが難しかった。
本発明態様の電気光学装置によれば、開口部を形成する工程において、突部材に平面的
に重なる位置に浅い開口部を形成するので、当該開口部を少ない露光量で確実に形成でき
る。その結果、露光処理において、複数の凹部又は複数の凸部に対応する部分に対する露
光量を少なくすることができるので、凹部の深さ又は凸部の高さを所望の深さや高さに調
節することが容易になった。具体的には、凹部の深さを浅くするか又は凸部の高さを低く
することが容易になった。
次に、本発明に係る電気光学装置の製造方法において、前記スイッチング素子と前記絶
縁膜との間及び前記突部材と前記絶縁膜との間に第2の絶縁膜を設ける工程と、前記突部
材に平面的に重なる領域の前記第2の絶縁膜を除去する工程とをさらに有することが望ま
しい。この構成は、主にスイッチング素子としてTFT素子を用いた場合に適用される。
スイッチング素子としてTFT素子を用いる場合、一般に、TFT素子と絶縁膜との間及
び接続用導電膜と絶縁膜との間に、例えば窒化膜(SiN)等から成る第2の絶縁膜が設
けられる。すなわち、第2の絶縁膜は突部材上に設けられた接続用導電膜上にも設けられ
る。本発明態様の電気光学装置によれば、突部材に平面的に重なる領域の第2絶縁膜を除
去することにより、突部材上において、画素電極と接続用導電膜とが確実に接続できる。
次に、本発明に係る電気光学装置の製造方法において、前記突部材を設ける工程では、
透光性基板上に光透過率の異なる複数の領域を有する多階調マスクを通して露光が行われ
て、前記突部材の側面部に段部が形成されることが望ましい。こうすれば、突部材の側面
部に段部を正確に形成できる。このように突部材の側面部に段部を設ければ、スイッチン
グ素子から延びて突部材上に設けられた接続用導電膜が、その突部材の側面の所で破断す
ることをその段部の働きによって防止できる。
次に、本発明に係る電子機器は、以上に記載した構成の電気光学装置を有することを特
徴とする。本発明に係る電気光学装置は、基板と絶縁膜の間であって開口部に平面的に重
なる位置に突部材を設けることにより開口部の深さを浅くできる。その結果、絶縁膜上に
設けられると共に開口部に流れ込んだ後に接続用導電膜に接続する電極が、その開口部の
壁の所で破断することを防止できる。従って、本発明に係る電子機器においても、電極が
破断することを防止し、高い信頼性を有する電子機器を得ることができる。
(電気光学装置の第1実施形態)
以下、電気光学装置装置の一例として、半透過反射型でTFT(Thin Film Transistor
)駆動方式でカラー表示が可能な液晶表示装置に本発明を適用した場合を例に挙げて本発
明の実施形態を説明する。また、本実施形態では、TFT素子としてチャネルエッチ型で
シングルゲート構造のアモルファスシリコンTFT素子を用いた液晶表示装置に本発明を
適用する。また、本実施形態では、液晶モードとしてECB(Electrically Controlled
Birefringence:電界制御複屈折モード)を採用した液晶表示装置に本発明を適用する。
なお、本発明がこの実施形態に限定されないことはもちろんである。また、以下の説明で
用いる図面では、特徴部分を分かり易く示すために、複数の構成要素の寸法を実際とは異
なった比率で示す場合がある。
図1は、本発明に係る液晶表示装置の全体の側面断面構造を示している。また、図2は
、図1において矢印Z1で示す部分を拡大して示している。また、図3は、図2の矢印A
に従った平面構造を示している。また、図4は、図3のZ2−Z2線に従った断面図であ
り、主にTFT素子を示している。なお、図1は、図3のZ3−Z3線に従った断面構造
に相当している。
図1において、液晶表示装置1は、電気光学パネルである液晶パネル2と、この液晶パ
ネル2に付設された照明装置3とを有する。この液晶表示装置1に関しては矢印Aが描か
れた側が観察側であり、上記の照明装置3は液晶パネル2に関して観察側と反対側に配置
されてバックライトとして機能する。
液晶パネル2は、矢印A方向から見て長方形又は正方形で環状のシール材6によって互
いに貼り合わされた一対の基板7及び8を有する。基板7はスイッチング素子が形成され
る素子基板である。また、基板8はカラーフィルタが形成されるカラーフィルタ基板であ
る。本実施形態では、観察側にカラーフィルタ基板8が配置され、観察側から見て背面に
素子基板7が配置される。
シール材6は素子基板7とカラーフィルタ基板8との間に間隙、いわゆるセルギャップ
Gを形成する。シール材6はその一部に液晶注入口(図示せず)を有し、この液晶注入口
を介して素子基板7とカラーフィルタ基板8との間に電気光学物質である液晶が注入され
る。注入された液晶はセルギャップG内で電気光学物質の層としての液晶層12を形成す
る。液晶注入口は液晶の注入が完了した後に樹脂によって封止される。液晶の注入方法と
しては、上記のような液晶注入口を通して行う方法以外に、液晶注入口を持たない連続す
る環状のシール材6によって囲まれる領域内に液晶滴下する方法でもよい。なお、本実施
形態では、液晶として、正の誘電異方性を有するネマティック液晶を用いることができる
セルギャップGの間隔、従って液晶層12の層厚は、セルギャップG内に設けられる複
数のスペーサ(図示せず)によって一定に維持される。このスペーサは、複数の球状の樹
脂部材を素子基板7又はカラーフィルタ基板8の表面上にランダム(すなわち、無秩序)
に置くことによって形成できる。また、スペーサは、フォトリソグラフィ処理によって所
定の位置に柱状に形成することもできる。
照明装置3は、光源としてのLED(Light Emitting Diode)13と、導光体14とを
有する。光源としては、LEDのような点状光源以外に、冷陰極管のような線状光源を用
いることもできる。導光体14は、例えば、透光性を有する樹脂を材料とする成形加工に
よって形成され、LED13に対向する側面が光入射面14aであり、液晶パネル2に対
向する面が光出射面14bである。矢印Aで示す観察側から見て導光体14の背面には、
必要に応じて、光反射層16が設けられる。また、導光体14の光出射面14bには、必
要に応じて、光拡散層17が設けられる。
素子基板7は、例えば、透光性のガラス、透光性のプラスチック等によって形成された
第1の透光性の基板7aを有する。この第1透光性基板7aの外側表面には偏光板18a
が貼り付けられている。必要に応じて、偏光板18a以外の光学要素、例えば位相差板を
付加的に設けることもできる。他方、第1透光性基板7aの内側表面には、矢印Z1で示
す部分の拡大図である図2にも示すように、ソース線19が列方向Y(すなわち、図2の
左右方向)に延びている。また、ゲート線20が行方向X(すなわち、図2の紙面垂直方
向)に延びている。そして、スイッチング素子として機能するアクティブ素子であるTF
T素子21がソース線19及びゲート線20に接続して形成されている。
それらのTFT素子21、ソース線19及びゲート線20の上に、それらを覆う第2の
絶縁膜としての保護膜22が形成され、その上に絶縁膜としての凹凸樹脂膜23が形成さ
れ、その上に光反射膜24が形成され、その上に画素電極25が形成され、その上に配向
膜26aが形成されている。この配向膜26aに配向処理、例えばラビング処理が施され
、これにより、素子基板7の近傍における液晶分子の初期配向が決められる。なお、本実
施形態において、液晶分子の配向は、液晶に電界を印加していない状態で水平配向になる
ように設定されている。
本実施形態において、保護膜22は、透光性と絶縁性を有する窒化膜(SiN)を用い
て形成される。なお、この保護膜22は二酸化ケイ素膜(SiO2)を用いて形成するこ
ともできる。また、凹凸樹脂膜23は、例えば、透光性、感光性、及び絶縁性を有する樹
脂、例えばアクリル樹脂、ポリイミド樹脂等をフォトリソグラフィ処理によってパターニ
ングすることによって形成されている。
光反射膜24は、例えば、Al(アルミニウム)、Al合金等といった光反射性材料を
フォトエッチング処理によってパターニングすることによって形成されている。画素電極
25は、例えばITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)等といった金属酸化物
をフォトエッチング処理によってパターニングすることによって形成されている。また、
配向膜26aは、例えばポリイミド等を印刷等によって塗布することによって形成されて
いる。
光反射膜24及び画素電極25は、矢印A方向から平面的に見て素子基板7上に行方向
X及び列方向Yに沿ってマトリクス状に複数形成される。これらの光反射膜24及び画素
電極25は、図3に示すように、各ソース線19と各ゲート線20とが交差する位置の近
傍に設けられていて、個々のTFT素子21に接続されている。
図2において、凹凸樹脂膜23には、画素電極25とTFT素子21とを電気的に接続
するための開口部として貫通穴であるコンタクトホール27が形成されている。このコン
タクトホール27は、矢印A方向から平面的に見てTFT素子21の素子本体部分に重な
らない位置であって、画素電極25と重なる位置に形成される。また、図4において、第
1透光性基板7a上であって、コンタクトホール27に対応する位置には、突部材28が
設けられている。この突部材28は、例えば感光性の樹脂を用いて形成できる。コンタク
トホール27及び突部材28に関しては後に詳しく説明する。
本実施形態で用いるTFT素子21はアモルファスシリコンTFTであり、このTFT
素子21は、図4に示すように、ゲート電極31、ゲート絶縁膜32、a−Si(アモル
ファスシリコン)によって形成された半導体膜33、N+−Si膜34a,34b、ソー
ス電極35、及びドレイン電極36を有する。本実施形態のTFT素子21は、ボトムゲ
ート構造及びシングルゲート構造のチャネルエッチ型のTFT素子として構成されている
TFT素子21から少し離れて補助容量37が設けられている。この補助容量37は画
素電極25に付随する容量が小さくなり過ぎることを防止するために設けられるものであ
る。この補助容量37は、ゲート電極31と同じ層内に同じ材料によって形成された第1
電極31aと、ゲート絶縁膜32と同じ層内に同じ材料によって形成されていて第1電極
31aを覆う絶縁膜32aと、ドレイン電極36と同じ層内に形成されていて絶縁膜32
aを覆う第2電極36aとによって構成されている。図3に示すように、第1電極31a
は、ゲート線20に平行で、ソース線19に交差して延びている。また、第2電極36a
は面積の広い長方形状に形成されている。
図4において、ドレイン電極36は、その一端がN+−Si膜34bを介して半導体膜
33に接続し、その他端が補助容量37の第2電極36aとなる所まで延びている。また
、ドレイン電極36はコンタクトホール27を介して画素電極25に電気的に接続し、ソ
ース電極35は、図3に示すように、ソース線19から分岐して形成されている。ゲート
電極31は、ソース線19と直角方向に延びるゲート線20から分岐して延びている。
図4において、画素電極25の下に保護膜22と凹凸樹脂膜23とから成る層間絶縁膜
を設けることにより、画素電極25の層とTFT素子21の層は別々の層に分けられてい
る。これにより、画素電極25とTFT素子21とを同じ層に形成する構造に比べて、素
子基板7の表面を有効に活用できる。例えば、画素電極25の層とTFT素子21の層と
を別層とすることにより、画素電極25の面積、すなわち画素面積をTFT素子21によ
って阻害されることなく大きくすることができ、そのため、液晶表示装置において鮮明な
表示を行うことができる。
次に、突部材28上には、画素電極25とTFT素子21とを電気的に接続するための
接続用導電膜36bが設けられている。この接続用導電膜36bは、例えば、Cr(クロ
ム)やAl等といった導電性の金属を用いて形成されている。接続用導電膜36bは、一
部が凹凸樹脂膜23上に設けられた画素電極25と突部材28上で接触し、端部がTFT
素子21のドレイン電極36となっている。本実施形態において、接続用導電膜36bは
、TFT素子21のドレイン電極36及び補助容量37の第2電極36aと同じ層内に同
時に形成されている。接続用導電膜36bは、図4においてドレイン電極36から第2電
極36aまでの導電膜のうちの、少なくともN+−Si膜34bを越えた位置から突部材
28の頂面28bを越えた位置までの間の部分である。本実施形態では接続用導電膜36
bをドレイン電極36と同一材料を用いて同一工程で形成するので、製造工程を減らすこ
とができる。なお、接続用導電膜36bは、ドレイン電極36と同一材料又は別材料によ
って互いに異なる工程で別々に形成することもできる。
本実施形態においては、画素電極25の下に保護膜22と凹凸樹脂膜23とから成る層
間絶縁膜を設けることにより、画素電極25の層とTFT素子21の層は別々の層に分け
られている。これにより、画素電極25とTFT素子21とを同じ層に形成する構造に比
べて、素子基板7の表面を有効に活用できる。例えば、画素電極25の層とTFT素子2
1の層とを別層とすることにより、画素電極25の面積、すなわち画素面積をTFT素子
21によって阻害されることなく大きくすることができ、そのため、液晶表示装置におい
て鮮明な表示を行うことができる。
次に、図1において、素子基板7に対向するカラーフィルタ基板8は、矢印A方向から
見て長方形又は正方形の第2基板としての第2の透光性の基板8aを有する。この第2透
光性基板8aは、例えば、透光性のガラス、透光性のプラスチック等によって形成される
。この第2透光性基板8aの外側表面には偏光板18bが貼り付けられている。必要に応
じて、偏光板18b以外の光学要素、例えば位相差板を付加的に設けることもできる。な
お、本実施形態においては、偏光板18aと18bとをクロスニコル配置としている。そ
して、液晶表示装置の表示モードは、ノーマリホワイトモード、すなわち電圧無印加時に
白表示になり、電圧印加時には黒表示になる表示モードに設定されている。
第2透光性基板8aの内側表面には、図2にも示すように、カラーフィルタを構成する
着色膜41が形成され、その周囲に遮光膜42が形成され、着色膜41及び遮光膜42の
上にオーバーコート膜43が形成され、その上に共通電極44が形成され、その上に配向
膜26bが形成されている。オーバーコート膜43は、カラーフィルタを保護する保護膜
として機能する。配向膜26bは、例えばポリイミド等を印刷等によって塗布することに
よって形成される。
個々の着色膜41は矢印A方向から見て長方形又は正方形のドット状(すなわち、島状
)に形成されている。また、着色膜41は複数個が矢印A方向から見て行方向X及び列方
向Yにマトリクス状に配列されている。遮光膜42はそれらの着色膜41を囲む格子状に
形成されている。
着色膜41の個々はR(赤)、G(緑)、B(青)の1つを通過させる光学的特性に設
定され、それらR,G,Bの着色膜41が矢印A方向から見て所定の配列、例えばストラ
イプ配列、モザイク配列、デルタ配列で並べられている。着色膜41の光学的特性はR,
G,Bの3原色に限られず、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の3原色を
通過させる特性とすることもできる。遮光膜42は、異なる色の着色膜41を重ねたり、
あるいは、所定の材料(例えば、Cr)によって形成される。
図1において、共通電極44は、カラーフィルタ基板8の表面の全面に設けられている
。一方、素子基板7上に設けられた複数の画素電極25は矢印A方向から平面的に見て行
方向X及び列方向Yに沿ってマトリクス状に並んでいる。これらの画素電極25とカラー
フィルタ基板8上に設けられた共通電極44とは、矢印A方向から平面的に見て複数のド
ット状の領域で重なっている。このように重なり合った領域が表示のためのサブ画素Dを
形成している。そして、複数のサブ画素Dが行方向X及び列方向Yにマトリクス状に並ぶ
ことにより、矢印A方向から見て長方形状又は正方形状の有効表示領域Vが形成され、こ
の有効表示領域V内に文字、数字、図形等といった像が表示される。
本実施形態のように、R,G,Bの3色から成る着色膜41を用いてカラー表示を行う
場合は、R,G,Bの3色に対応する3つの着色膜41に対応する3つのサブ画素Dによ
って1つの画素が形成される。他方、白黒又は任意の2色でモノカラー表示を行う場合は
、1つのサブ画素Dによって1つの画素が形成される。
図2において、光反射膜24は、例えばフォトエッチング処理によって形成される。こ
の光反射膜24はサブ画素Dのうちの一部の領域Rに設けられており、残りの領域Tには
設けられていない。領域Tは図3に示すようにサブ画素D内の一部の長方形状の領域であ
る。一方、領域Rはサブ画素D内の領域T以外の領域であり、本実施形態では領域Tを囲
む領域である。
個々のサブ画素Dの中で光反射膜24が存在する領域が反射表示領域Rであり、光反射
膜24が存在しない領域が透過表示領域Tである。図2において矢印Aで示す観察側から
入射した外部光L0は反射表示領域Rにおいて光反射膜24で反射する。一方、図1の照
明装置3の導光体14から出射した図2の光L1は、透過表示領域Tを透過する。
凹凸樹脂膜23の表面であって個々のサブ画素D内の反射表示領域Rに対応する部分に
は、複数の凹部29及び複数の凸部30が矢印A方向から見て平面的にランダムに形成さ
れることにより凹凸パターンが形成されている。光反射膜24は、そのような凹凸パター
ンが形成されている凹凸樹脂膜23の上に一定の膜厚で形成されていて、それ自身も同じ
凹凸パターンの形状を有している。このように光反射膜24に凹凸パターンを形成するこ
とにより、光反射膜24で反射する光L0を、鏡面反射ではなくて、適度の散乱光や適切
な指向性を持った光とすることができる。
カラーフィルタ基板8上のオーバーコート膜43は反射表示領域Rに対応して設けられ
ており、透過表示領域Tに対応する領域には設けられていない。このため、反射表示領域
R内の液晶層12の層厚t0は、透過表示領域T内の液晶層12の層厚t1よりも薄くな
っている。望ましくはt0=t1/2になっている。液晶層12の層厚の調整は、反射表
示領域R内で光L0が液晶層12を2回通過する反射表示の場合と、透過表示領域T内で
光L1が液晶層12を1回しか通過しない透過表示の場合とで、液晶層12のリタデーシ
ョン(Δnd)を均一にして鮮明な表示を得るために行われる。但し、“Δn”は屈折率
異方性、“d”は液晶層厚を示している。
次に、図1において、素子基板7を構成する第1透光性基板7aはカラーフィルタ基板
8の外側へ張り出す張出し部45を有している。この張出し部45の表面には、配線46
がフォトエッチング処理等によって形成されている。配線46は矢印A方向から見て複数
本形成されており、それらの複数本が紙面垂直方向に沿って互いに間隔を空けて並べられ
ている。また、張出し部45の辺端には複数の外部接続用端子47が紙面垂直方向に沿っ
て互いに間隔を空けて並ぶように形成されている。これらの外部接続用端子47が設けら
れた張出し部45の辺端に、例えば、FPC基板(図示せず)が接続される。
複数の配線46は、シール材6に囲まれた領域内に向けて列方向Yに延びるように形成
されている。これらの配線46の一部は、素子基板7上のソース線19(図2参照)に直
接に繋がってデータ線として機能する。また、複数の配線46の他の一部は、シール材6
によって囲まれた領域内で素子基板7の側辺に沿ってY方向に延びるように形成され、さ
らに折れ曲って行方向Xに延びるパターンとして形成されている。このパターンの配線4
6は、素子基板7上のゲート線20(図2参照)に直接に繋がって走査線として機能する
張出し部45の表面には、ACF(Anisotropic Conductive Film:異方性導電膜)4
9を用いたCOG(Chip On Glass)技術によって、駆動用IC50が実装されている。
駆動用IC50は、ソース線19へデータ信号を伝送し、ゲート線20へ走査信号を伝送
する。駆動用IC50は1つのICチップで形成しても良いし、必要に応じて複数のIC
チップで形成しても良い。駆動用IC50を複数のICチップによって構成する場合には
、それらのICチップは張出し部45上で図1の紙面垂直方向に並べて実装される。
以上のように構成された液晶表示装置1によれば、液晶表示装置1が明るい室外や明る
い室内に置かれる場合は、太陽光や室内光等といった外部光を用いて反射型の表示が行わ
れる。一方、液晶表示装置1が暗い室外や暗い室内に置かれる場合は、照明装置3をバッ
クライトとして用いて透過型の表示が行われる。
上記反射型表示を行う場合、図2において、観察側である矢印Aの方向からカラーフィ
ルタ基板8を通して液晶パネル2内へ入射した外部光L0は、液晶層12を通過して素子
基板7内へ入った後、反射表示領域Rにおいて光反射膜24で反射して再び液晶層12へ
供給される。他方、上記の透過型表示を行う場合、図1の照明装置3の光源13が点灯し
、それからの光が導光体14の光入射面14aから導光体14へ導入され、さらに、光出
射面14bから面状の光として出射する。この出射光は、図2の符号L1で示すように透
過表示領域Tにおいて光反射膜24が存在しない領域を通って液晶層12へ供給される。
以上のように液晶層12へ光が供給される間、素子基板7の画素電極25とカラーフィ
ルタ基板8の共通電極44との間には、走査信号およびデータ信号によって特定される所
定の電圧が印加され、液晶層12内の液晶分子の配向がサブ画素Dごとに制御される。こ
の結果、液晶層12に供給された光がサブ画素Dごとに変調される。この変調された光が
、カラーフィルタ基板8の偏光板18b(図1参照)を通過するとき、その偏光板18b
の偏光特性によりサブ画素Dごとに通過を規制され、素子基板7の表面に文字、数字、図
形等といった像が表示され、これが、矢印A方向から視認される。
以下、素子基板7上に設けられるコンタクトホール27及び突部材28について詳しく
説明する。図2において、凹凸樹脂膜23の内部であって個々のTFT素子21の近傍位
置にコンタクトホール27が設けられている。そして、突部材28は、図4に示すように
、このコンタクトホール27に平面的に重なる位置であって第1透光性基板7の上に設け
られている。
この突部材28は、感光性の樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリイミド樹脂等を用いて、
例えばフォトリソグラフィ処理によって形成されている。この突部材28の側面部には、
凹凸樹脂膜23の厚み方向(すなわち、図4の上下方向)の途中の位置に段部28aが複
数、本実施形態では2つ設けられている。これらの段部28aは、それぞれ基板7aの表
面に対して平行な面となっている。突部材28の側面に段部28aが設けられることによ
り、当該突部材28の側面部の断面は階段形状を有している。
接続用導電膜36bは突部材28に載った状態で設けられており、この突部材28の頂
面28bにおいて、接続用導電膜36bと画素電極25とが接触している。なお、TFT
素子21、突部材28及び補助容量37上には、それらを覆う保護膜22が設けられてい
る。しかしながら、突部材28の頂面28bにおいては、保護膜22が除去されているの
で、画素電極25と接続用導電膜36bとがその頂面28bにおいて電気的に接続するこ
とができる。
コンタクトホール27、突部材28、凹部29及び凸部30のそれぞれの寸法は、以下
の関係に設定されている。まず、図4において、第1透光性基板7aの表面から突部材2
8の頂面28bまでの高さ(以下、突部材28の高さという)をh1とし、凹凸樹脂膜2
3の頂面23bからのコンタクトホール27の深さ(以下、コンタクトホール27の深さ
という)をh2としたとき、これらの突部材28の高さh1とコンタクトホール27の深
さh2との関係は、
h1>h2
に設定されている。なお、本実施形態において、突部材28の頂面28b上には接続用導
電膜36bが載っているのであるが、この接続用導電膜36bは突部材28の高さh1と
比べて非常に薄い膜である。そのため、凹凸樹脂膜23内におけるコンタクトホール27
の深さh2を考慮する際には、主に突部材28の高さh1を考慮すればよく、接続用導電
膜36bの厚さは無視できる。
次に、凹部29の深さ又は凸部30の高さをh3としたとき、コンタクトホール27の
深さh2と凹部29の深さh3との関係、又はコンタクトホール27の深さh2と凸部の
高さとの関係は、
h2>h3
に設定されている。
ところで、従来の液晶表示装置においては、スイッチング素子から延びる接続用導電膜
が当該スイッチング素子と同じ平面内に形成されている。従って、コンタクトホールは、
絶縁膜上の電極とスイッチング素子から延びる導電膜とを接触させるために深く形成され
ている。そのため、絶縁膜の表面にITO等といった金属酸化物を用いて画素電極を形成
する際、コンタクトホールの壁面の所でそのITOが破断するおそれがある。
これに対して、本実施形態に係る液晶表示装置は、図4において、第1透光性基板7a
と凹凸樹脂膜23の間であってコンタクトホール27に平面的に重なる位置に突部材28
を設けている。この突部材28を設けることにより、コンタクトホール28の深さh2を
従来の液晶表示装置に比べて浅くできる。具体的には、第1透光性基板7aの表面から突
部材28の頂面28bまでの高さh1と、凹凸樹脂膜23の頂面23bからのコンタクト
ホール27の深さh2との関係を、
h1>h2
に設定している。
このように、コンタクトホール27の深さh2を浅くすることにより、凹凸樹脂膜23
上に設けられると共にコンタクトホール27に流れ込んだ後に接続用導電膜36bに接続
する画素電極25が、そのコンタクトホール27の壁27aの所で破断することを防止で
きる。
なお、突部材28においては、その突部材28上に設けられた接続用導電膜36bが、
突部材28の形状に応じて曲がった形状に形成されている。この場合、接続用導電膜36
bは、平坦な面に形成される場合に比べて破断し易くなるのであるが、本実施形態では、
突部材28の側面部に複数の段部28aを設けているので、接続用導電膜36bが破断す
る可能性を極めて低くすることができる。すなわち、本実施形態の液晶表示装置では、画
素電極25が破断することを防止しつつ、接続用導電膜36bの破断も防止できるので、
液晶表示装置内部の接続信頼性を向上することができる。
(電気光学装置の第2実施形態)
次に、本発明に係る電気光学装置としての液晶表示装置の他の実施形態を説明する。こ
の実施形態に係る液晶表示装置の全体的な構成は図1に示した液晶表示装置1と略同じで
ある。本実施形態では、図4に示す突部材28に代えて異なる形状の突部材が設けられて
いる。図5は、本実施形態に係る図1の液晶表示装置1の要部を示す断面図である。なお
、図5に示す本実施形態は図1に示した先の実施形態と同じ構成要素を有しており、同じ
構成要素は同じ符号を付して示すことにして、その説明は省略する。
本実施形態で用いる突部材は、図5に符号58で示すように、コンタクトホール27に
平面的に重なる位置であって第1透光性基板7の表面上に設けられている。この突部材5
8は、感光性の樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリイミド樹脂等を用いて、例えばフォトリ
ソグラフィ処理によって形成されている。この突部材58は、基板7aから直立して図5
の上下方向に延びる柱形状に形成されている。そして、その突部材58の頂面58bの第
1透光性基板7aの表面からの高さ(以下、突部材58の高さという)h1を、図4に示
した先の実施形態における突部材28の高さh1に比べて高く設定している。
なお、図5に示す本実施形態においても、突部材58の高さh1とコンタクトホール2
7の深さh2との関係は、図4で示した第1実施形態と同じく、
h1>h2
に設定されている。また、本実施形態において、突部材58の頂面58bには接続用導電
膜36bが積層され、この接続用導電膜36bがコンタクトホール27の底面において画
素電極25と接触している。
次に、コンタクトホール27の深さh2と凹部29の深さh3との関係、又はコンタク
トホール27の深さh2と凸部の高さとの関係は、
h2=h3
に設定されている。すなわち、凹部29の底面29aとコンタクトホール27の底面27
bとは、図5の上下方向の位置が同じ位置に形成されている。すなわち、突部材58の高
さh1は、当該突部材58の上に接続用導電膜36bが積層された状態において、凹凸樹
脂膜23の膜厚と略同じ高さに形成されている。
本実施形態の液晶表示装置では、突部材58の高さh1を凹凸樹脂膜23の膜厚と略同
じ高さに形成しているので、コンタクトホール27の深さh2を浅く形成できる。このコ
ンタクトホール27の深さh2は、従来の液晶表示装置におけるコンタクトホールの深さ
に比べて浅く形成した図4に示す第1実施形態におけるコンタクトホール27の深さh2
よりも、さらに浅く形成されている。これにより、図5において、凹凸樹脂膜23上に設
けられると共にコンタクトホール27に流れ込んだ後に接続用導電膜36bに接続する画
素電極25が、そのコンタクトホール27の壁27aの所で破断することをより確実に防
止できる。
(電気光学装置の第3実施形態)
次に、本発明に係る電気光学装置としての液晶表示装置のさらに他の実施形態を説明す
る。図4の第1実施形態及び図5の第2実施形態では、スイッチング素子としてTFT素
子21を用いた液晶表示装置1に本発明を適用した。これに対し、本実施形態は、スイッ
チング素子として2端子型のスイッチング素子であるTFD(Thin Film Diode:薄膜ダ
イオード)を用いたアクティブマトリクス方式の液晶表示装置に本発明を適用する。
図6は、本実施形態に係る液晶表示装置の要部を示す断面図であり、先の第1実施形態
において図4に対応する部分を示している。液晶表示装置の全体的な構成は、液晶パネル
の内部構造を除いて、図1に示した液晶表示装置と略同じである。図6に示す本実施形態
は図4に示した先の実施形態と同じ構成要素を示しており、同じ構成要素は同じ符号を付
して示すことにして、その説明は省略する。
図6において、第1透光性基板7a上には、データ線59が列方向Y(すなわち、図6
の紙面垂直方向)に延びて形成されている。そして、スイッチング素子として機能するT
FD素子61がデータ線59に接続して形成されている。図6では図示しないが、データ
線59は、基板7a上に複数本が行方向X(すなわち、図6の左右方向)に間隔を空けて
互いに平行に設けられている。また、TFD素子61は複数個が各データ線に沿って等間
隔に設けられている。
また、基板7a上には、突部材28が設けられている。この突部材28は、感光性の樹
脂、例えばアクリル樹脂、ポリイミド樹脂等を用いて、例えばフォトリソグラフィ処理に
よって形成されている。この突部材28の側面部には、凹凸樹脂膜23の厚み方向(すな
わち、図6の上下方向)の途中の位置に段部28aが複数、本実施形態では2つ設けられ
ている。これらの段部28aは、それぞれ基板7aの表面に対して平行な面となっている
。突部材28の側面に段部28aが設けられることにより、当該突部材28の側面部の断
面は階段形状を有している。
それらのTFD素子61、データ線59及び突部材28の上に、それらを覆う絶縁膜と
しての凹凸樹脂膜23が形成され、その上に光反射膜24が形成され、その上に画素電極
25が形成され、その上に配向膜26aが形成されている。
突部材28と凹凸樹脂膜23の間には、接続用導電膜36bが突部材28に載った状態
で設けられている。また、突部材28に対応する位置の凹凸樹脂膜23には、画素電極2
5とTFD素子61とを電気的に接続するための開口部としてのコンタクトホール27が
形成されている。このコンタクトホール27を介して、画素電極25と突部材28上の接
続用導電膜36bとが接続される。
TFD素子61は、互いに電気的に直列につながれた一対のTFD要素65a及び65
bによって形成されている。第1のTFD要素65aは、第1電極としての第1素子電極
62、絶縁膜63、そして第2電極としての第2素子電極64aをその順で重ねることに
よって形成されている。また、第2のTFD要素65bは、第1素子電極62、絶縁膜6
3、そして第2電極としての第2素子電極64bをその順で重ねることによって形成され
ている。第1素子電極62は、例えば、Ta(タンタル)又はTa合金によって形成され
る。Ta合金としては、例えば、TaW(タンタル・タングステン)を用いることができ
る。絶縁膜63は、例えば、陽極酸化処理によって形成される。第2素子電極64a,6
4bは、例えばCr、モリブデン・タングステン(MoW)合金によって形成される。
第1TFD要素65a内の第2素子電極64aはデータ線59から延びている。また、
第2TFD要素65b内の第2素子電極64b及び接続用導電膜36bを構成する導電膜
は、その一端が第1素子電極62に平面的に重なる位置の絶縁膜63に接続し、その他端
が突部材28上まで延びて、当該突部材28に載った状態に形成されている。第2素子電
極64bは絶縁膜63に接続された部分である。他方、接続用導電膜36bは、絶縁膜6
3を越えた位置から突部材28の頂面28bを越えた位置までの間の部分である。
本実施形態において、第2素子電極64bと接続用導電膜36bとは同一材料で一体的
に形成されている。そして、接続用導電膜36bが突部材28上においてコンタクトホー
ル27を介して画素電極と接続されている。すなわち、第2素子電極64bと画素電極2
5とが接続用導電膜36bを介して電気的に接続されている。
データ線59から画素電極25へ信号が伝送されることを考えたとき、第1TFD要素
65aと第2TFD要素65bは電気的に逆極性である2つのTFD要素が直列に接続さ
れることになる。この構造はバック・ツー・バック(Back-to-Back)構造と呼ばれること
がある。本実施形態では、このようにバック・ツー・バック構造のTFD素子を用いたが
、単一のTFD要素によってTFD素子を形成しても良い。
なお、図示はしないが、基板7aに対向する基板上には、カラーフィルタを構成する着
色膜が形成され、その周囲に遮光膜が形成され、着色膜及び遮光膜の上にオーバーコート
膜が形成されている。そして、オーバーコート膜の上には、基板7a上において行方向X
に並べられた複数の画素電極25の列に平面的に重なる位置に、行方向Xに延びる帯状電
極が形成されている。そして、その上に配向膜が形成されている。
本実施形態おいても、第1透光性基板7aと凹凸樹脂膜23の間であってコンタクトホ
ール27に平面的に重なる位置に突部材28を設けているので、コンタクトホール27の
深さh2を従来の液晶表示装置に比べて浅くできる。具体的には、第1透光性基板7aの
表面から突部材28の頂面28bまでの高さh1と、凹凸樹脂膜23の頂面23bからの
コンタクトホール27の深さh2との関係を、
h1>h2
に設定している。
このように、コンタクトホール27の深さh2を浅くすることにより、凹凸樹脂膜23
上に設けられると共にコンタクトホール27に流れ込んだ後に接続用導電膜36bに接続
する画素電極25が、そのコンタクトホール27の壁27aの所で破断することを防止で
きる。
なお、突部材28においては、その突部材28上に設けられた接続用導電膜36bが、
突部材28の側面形状に応じて曲がった形状に形成されている。この場合、接続用導電膜
36bは、平坦な側面上に形成される場合に比べて破断し易くなるのであるが、本実施形
態では、突部材28の側面部に複数の段部28aを設けているので、接続用導電膜36b
が破断する可能性を極めて低くすることができる。すなわち、本実施形態の液晶表示装置
では、画素電極25が破断することを防止しつつ、接続用導電膜36bの破断も防止でき
るので、液晶表示装置内部の接続信頼性を向上することができる。
また、本実施形態では、第2素子電極64bと接続用導電膜36bとを同一材料で一体
的に形成している。これにより、第2素子電極64bと接続用導電膜36bとを同時に製
造することができるので液晶表示装置の製造工程を減らすことができる。
(電気光学装置のその他の実施形態)
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定さ
れるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
例えば、図5に示す第2実施形態では、突部材58を柱状に形成しているが、この突部
材58の形状は、図4に示した第1実施形態における突部材28と同じく、側面部に段部
を有する形状としても良い。
また、上記の各実施形態では、スイッチング素子として3端子型のスイッチング素子で
あるTFT素子であってチャネルエッチ型でシングルゲート構造のアモルファスシリコン
TFT素子を用いる液晶表示装置に本発明を適用した。しかしながら本発明は、他の構造
のアモルファスシリコンTFT素子を用いる液晶表示装置にも適用できる。また、本発明
は、アモルファスシリコンTFT素子以外のTFT素子、例えば高温ポリシリコンTFT
素子や、低温ポリシリコンTFT素子等をスイッチング素子として用いるアクティブマト
リクス方式の液晶表示装置にも適用できる。
また、上記の各実施形態では、ECB方式の液晶モードを採用した液晶表示装置に本発
明を適用したものであるが、本発明は、例えばSTN(Super Twisted Nematic)モード
や、VA(Vertically Aligned:垂直配向)モード等の液晶モードを採用した液晶表示装
置にも適用できる。
(電気光学装置の製造方法の実施形態)
次に、本発明に係る電気光学装置の製造方法について、図1〜図4に示した液晶表示装
置(すなわち、側面が階段状である突部材28を用いた液晶表示装置)を製造する場合を
例に挙げて説明する。なお、本実施形態では、液晶表示装置を1つずつ作製するのではな
く、面積の大きな透光性基板を用いて複数の液晶表示装置を同時に作製するものとする。
このような製造方法においては、図1に示す素子基板7及びカラーフィルタ基板8を1
つずつ形成するのではなく、素子基板7に関しては、複数の素子基板7を形成できる大き
さの面積を有する素子側マザー透光性基板の上に素子基板7の複数個分の要素を同時に形
成してマザー素子基板を形成する。一方、カラーフィルタ基板8に関しては、複数のカラ
ーフィルタ基板8を形成できる大きさの面積を有するカラーフィルタ側マザー透光性基板
の上にカラーフィルタ基板の複数個分の要素を同時に形成してマザーカラーフィルタ基板
を形成する。
そして、それらのマザー素子基板とマザーカラーフィルタ基板とを貼り合わせることに
より、液晶パネル2(図1で液晶層12を持たない状態のもの)を縦及び横に複数列含む
大きさの大面積のパネル構造体を作製する。次に、その大面積のパネル構造体に対して1
回目の切断処理(いわゆる、1次ブレイク)を行う。この1次ブレイクでは、大面積のパ
ネル構造体を縦方向又は横方向に切断して複数の液晶パネル2が1列状態で含まれる中面
積のパネル構造体、いわゆる短冊状のパネル構造体を作製する。この短冊状のパネル構造
体に関しては、それに含まれる複数の液晶パネル2内のシール材6(図1参照)に設けら
れた液晶注入口が短冊状のパネル構造体の1つの側面において外部へ開放する。
次に、外部へ開放している液晶注入口を通して各液晶パネル2の内部へ液晶を注入して
液晶層12(図1参照)を形成し、その後、液晶注入口を樹脂で塞いだ上で、短冊状のパ
ネル構造体に対して2回目の切断処理(いわゆる、2次ブレイク)を行う。この2次ブレ
イクにより、短冊状のパネル構造体から個々の液晶パネル2が切り出される。そしてその
後、図1に示すように液晶パネル2に対して、偏光板18a,18bが貼り着けられたり
、駆動用IC50が実装されたり、FPC基板が接続されたりして、液晶表示装置1が完
成する。
本実施形態の電気光学装置の製造方法では、図1のカラーフィルタ基板8を製造する工
程に関しては従来から周知の製造方法を採用できる。これに対し、図1の素子基板7を製
造することに関して改善が加えられている。この事情に鑑み、これ以降の説明では、カラ
ーフィルタ基板8に関する製造方法の説明は省略し、素子基板7の製造方法について詳し
く説明する。
図7は図1の素子基板7を製造する方法の一実施形態を示している。本実施形態の電気
光学装置の製造方法において、図7の工程P1〜P3,P5,P6が図4のTFT素子2
1を形成する工程であり、図12に示す製造方法のスイッチング素子工程P101に相当
する。また、図7の工程P4は図4の突部材28を形成する工程であり、図12の工程P
102に相当する。また、図7の工程P5は図4のTFT素子21の構成要素であるドレ
イン電極36を形成すると共に接続用導電膜36bを形成する工程であり、図12の工程
P103に相当する。
図12の工程図においては、接続用導電膜形成工程P103を、スイッチング素子形成
工程P101と別の工程として描いている。しかしながら、本実施形態の製造方法では、
図7に示すように、接続用導電膜形成工程P5がスイッチング素子としてのTFT素子2
1を形成する工程の1つである工程P5に含まれている。具体的には、図4の突部材28
を形成した後に、ドレイン電極36と接続用導電膜36bとを同時に形成する。
まず、図7の工程P1において、図4の第1透光性基板7aのマザー基板上にゲート電
極31及びゲート線20(図4参照)を形成する。また、補助容量37の第2電極31a
も同時に形成する。これらの要素は、Alを主とする第1層の上にMo(モリブデン)を
主とする第2層を積層して成る2層構造によって形成される。これらの各要素を形成する
にあたっては、まず、スパッタリングによってAlを、例えば膜厚1000Åで成膜し、
次に、そのAlの上にスパッタリングによってMoを、例えば膜厚500Åで成膜する。
Moによって上層を形成するのは次の理由による。すなわち、Alはその表面に酸化膜を
形成し易いので、ゲート電極等をAl単体で形成すると、その上に他の金属膜を積層する
際にそれらの間の接触性が悪くなるおそれがある。これに対し、AlにMoを重ねてゲー
ト電極等を形成すれば、それに他の金属膜を積層する際の接触性を良好に維持できるから
である。
以上により、Mo/Alの材料層が形成されると、次に、その材料層の上にレジストを
塗布し、フォトリソグラフィ処理によってレジストを所定の平面形状にパターニングし、
そのパターニングされたレジストをマスクとしてMo/Al層をエッチングし、さらにマ
スクとして使ったレジストを剥離するという一連の処理を行う。これにより、ゲート電極
31及びゲート線20がマザー基板上の所定位置にそれぞれ所定形状に形成される。
次に、図7の工程P2において、図4のゲート絶縁膜32及び絶縁膜32aを形成する
。具体的には、絶縁性の樹脂であるSiNを材料としてCVD処理によって、例えば40
00Åの膜厚に形成する。次に、図7の工程P3において、図4の半導体膜33及びN+
−Si膜34a,34bを形成する。具体的には、半導体膜33の材料であるa−Si(
アモルファスシリコン)から成る材料層をCVD処理によって、例えば膜厚1000Åで
成膜する。次に、N+−Si膜34a,34bの材料層をCVD処理によって、例えば膜
厚500Åで成膜する。
次に、a−Si膜33及びN−Si膜34a,34bをアイランド状(すなわち、島
状)に形成するためのパターニング処理を行う。具体的には、感光性樹脂であるレジスト
をN−Si膜34a,34bの材料層の上に塗布し、フォトリソグラフィ処理によって
レジストをパターニングし、パターニングされたそのレジストをマスクとしてエッチング
し、さらにマスクとして使用したレジストを剥離することにより、図4に示すような島状
のa−Si膜33及び島状のN−Si膜34a,34bを形成する。なお、この時点に
おいて島状のN−Si膜34a,34bは、図4に示すようにN−Si膜が34aと
34bとに2つに分かれた状態ではなく、34aと34bとが一体となった状態となって
いる。
次に、図7の工程P4において、図4の突部材28を、例えば感光性樹脂をフォトリソ
グラフィ処理によりパターニングすることにより形成する。このとき、突部材28の側面
部には、段部28aが形成される。段部28aは、突部材28の側面が第1透光性基板7
aの表面に対して鉛直方向(すなわち、図4の上下方向)に延びているところの途中に複
数、本実施形態では2つ設けられる。この工程についての詳細は後述する。
次に、図7の工程P5において、図4のソース電極35、ドレイン電極36及び接続用
導電膜36bを形成する。具体的には、ソース電極35、ドレイン電極36及び接続用導
電膜36b用の導電材料をスパッタリングによって成膜する。本実施形態では、ソース電
極35、ドレイン電極36及び接続用導電膜36bを3層構造に形成している。まず、M
oによって膜厚50Åの第1層を成膜し、その上にAlによって膜厚1000Åの第2層
を成膜し、さらにその上にMoによって膜厚500Åの第3層を成膜する。つまり、ソー
ス電極35及びドレイン電極36用の導電材料層はMo(第3層)、Al(第2層)、M
o(第1層)の3層構造によって形成される。導電材料層は第1透光性基板7aのマザー
基板の表面の略全域に形成される。
第1層として50ÅのMo層を設けるのは、ソース電極35及びドレイン電極36の下
層である半導体膜33へAlが拡散することを防止するためである。また、第3層として
500ÅのMo層を設けるのは、ドレイン電極36等の上に他の金属膜が設けられる場合
の導線接触性を高く保持できるようにするためである。
次に、感光性樹脂であるレジストを導電材料の上に塗布し、フォトリソグラフィ処理に
よってレジストをパターニングし、パターニングされたそのレジストをマスクとしてエッ
チングし、さらにマスクとして使用したレジストを剥離することにより、図4に示すよう
に、導電材料からソース電極35、ドレイン電極36及び接続用導電膜36bを所定の形
状に形成する。このとき接続用導電膜36bは、一端がTFT素子21のドレイン電極3
6に接続され、ドレイン電極36の外部へ延びる部分が突部材28の上に載る状態に形成
される。
次に、図7の工程P6において、チャネルエッチ処理を実行する。具体的には、島状の
−Si膜34a,34bに対してエッチング処理を行うことにより、当該N−Si
膜34a,34bの中央部分を除去して、図4に示すように左右に分かれた状態のN
Si膜34a,34bを形成する。以上によりTFT素子21が形成される。
次に、図7の工程P7において、図4の保護膜22を形成する。具体的には、保護膜2
2の材料層としてのSiNの膜をCVD法により膜厚4000Åに形成し、さらにフォト
リソグラフィ処理により、所定の形状にパターニングする。このとき、保護膜22は、個
々の液晶パネル形成領域内の有効表示領域V内にのみ形成される。ここでいう有効表示領
域Vは、図1に示す有効表示領域Vのことである。
次に、図7の工程P8において、図4の凹凸樹脂膜23を保護膜22上に形成する。凹
凸樹脂膜23は、感光性樹脂を塗布することにより所定の膜厚に形成する。そしてフォト
リソグラフィ処理により所定の形状にパターニングする。また、このパターニング時に、
凹凸樹脂膜23の表面に、複数の凹部29又は複数の凸部30が平面内でランダムに形成
され、これにより凹凸樹脂膜の表面に凹凸パターンが形成される。またさらに、パターニ
ング時に、凹凸パターンを形成するのと同時にコンタクトホール27が形成される。この
工程の詳細については後述する。
次に、図7の工程P9において、図4の保護膜22のうちのコンタクトホール27に平
面的に重なる部分、すなわち、突部材28の頂面28b上にある部分をフォトリソグラフ
ィ処理によって除去する。これにより、突部材28の頂面28bに設けられた接続用導電
膜36bが、コンタクトホール27から凹凸樹脂膜23の外部に露出する。
次に、図7の工程P10において、図4の光反射膜24を形成する。具体的には、光反
射膜24の材料層を、例えばAl又はAl合金を材料としてスパッタリングによって膜厚
1000Åで成膜する。このとき、凹凸樹脂膜23の凹凸形状の上に積層された材料層は
その凹凸形状に従って同じ凹凸形状を有することになる。次に、光反射膜24の材料層に
対してフォトエッチング処理が行われ、所定形状の光反射膜24がパターニングされる。
光反射膜24は、図3に示すようにサブ画素D内の一部が反射表示領域Rとなるような平
面形状として形成される。なお、図4の画素電極25とTFT素子21のドレイン電極3
6との接続を確保するため、TFT素子21と平面的に重なる領域、少なくともドレイン
電極36と平面的に重なる領域には光反射膜24を形成しないことにする。
次に、図7の工程P11において、図4の光反射膜24及び凹凸樹脂膜23の上に画素
電極25を形成する。具体的には、画素電極25の材料、例えばITOをスパッタリング
によって膜厚1000Åで成膜する。このとき、ITOは図4のコンタクトホール27の
中に流れ込んでドレイン電極36から延びる接続用導電膜36bに接触する。続いて、画
素電極25の材料膜に対してフォトエッチング処理を行うことにより、図3において長方
形状のサブ画素Dが形成されるように画素電極25がパターニングされる。こうして形成
された画素電極25は、図4に示すようにコンタクトホール27を介してTFT素子21
のドレイン電極36から延びる接続用導電膜36bに接触する。接続用導電膜36bはM
o/Al/Moの3層構造を有していて最上層が導電接触性の高いMoであるので、画素
電極25と接続用導電膜36bとの接触性は良好に維持される。
次に、図7の工程P12において、図4の画素電極25の上に、例えばポリイミドを印
刷することによって配向膜26aが形成され、さらに、その配向膜26aに対してラビン
グ処理が行われる。以上により、図1の素子基板7が複数個形成された状態の素子側のマ
ザー基板が作製される。
この後は、別途作製されたカラーフィルタ側マザー基板と、上記の素子側マザー基板と
を貼り合わせ、さらに液晶を注入し、さらに基板の切断を行うことにより、図1に示す個
々の液晶パネル2が作製される。
以下、図7の突部材形成工程P4及び凹凸樹脂膜形成工程P8について説明する。まず
、突部材形成工程P4について図8を参照して詳細に説明する。なお、図7の突部材形成
工程P4は、図12の工程P102と同じ工程であるが、図4のドレイン電極36と接続
用導電膜36bとを同一工程で形成することから、図7において突部材形成工程P4をド
レイン電極36を形成する工程P5の前の工程としている。図8(a)は、図7の工程P
1〜工程P3において、図4に示すTFT素子21のゲート電極31、ゲート絶縁膜32
、半導体膜33及びN+−Si膜34a,34bが形成された状態を示している。
図7の突部材形成工程P4が始まると、まず、図8(a)の基板7aを所定の洗浄液に
よって洗浄する。次に、図8(b)に示すように、ゲート絶縁膜32の上に突部材28の
材料であるポジ型レジストである感光性樹脂28’を、例えばスピンコートによって一様
な厚さに塗布する。次に、プリベークを行って感光性樹脂28’内の溶媒を除去する。
次に、図8(c)に示すように、露光処理を実行する。具体的には、基板7a(切断す
る前の大面積のもの)を露光装置、例えば一括露光装置の所定位置に設置し、さらに、ハ
ーフトーンマスク、すなわちハーフトーン型の多階調露光マスク71を基板7aに対向す
る所定位置に設置する。ハーフトーンマスク71は、光透過性が互いに異なる4つの領域
を有する露光マスクであり、より具体的には、完全光透過領域A0、第1部分光透過領域
A1、第2部分光透過領域A2、及び完全遮光領域A3を有するハーフトーンマスクであ
る。
本実施形態では、図4の突部材28の段部28aの形状に応じて露光量が異なるように
各領域A0,A1,A2,A3の光透過量を異ならせている。具体的には、
(1)突部材28の頂面28bに対応した部分に完全遮光領域A3を合わせ、
(2)突部材28の頂面28bから1段下がった段部28aに対応した部分に第2部分
光透過領域を合わせ、
(3)突部材28の頂面28bから2段下がった段部28aに対応した部分に第1部分
光透過領域を合わせ、
(4)突部材28を形成しない部分に完全光透過領域A0を合わせる。
完全遮光領域A3の光透過率をT3とし、第2部分光透過領域A2の光透過率をT2と
し、第1部分光透過領域A1の光透過率をT1とし、完全光透過領域A0の光透過率をT
0とするとき、本実施形態では、
T3<T2<T1<T0
に設定する。また、
T3=0%、T0=100%
に設定する。
このように光透過率に変化を持たせることは、例えば、光透過率の異なる材料を領域ご
とに設けることによって実現できる。例えば、完全光透過領域A0はマスク基板上に遮光
材料を何も載せないことによって実現できる。また、部分光透過領域A1及びA2は、光
を減衰して透過させる材料、例えばモリブデンシリサイド(MoSi又はMoSi)を
マスク基板上に載せることによって実現できる。光透過率をいくつに設定するかは、マス
ク基板上に載せる膜の膜厚によって決めることができる。また、完全遮光領域A3は、光
を完全に透過させない材料、例えば、Cr及びCrO(酸化クロム)の2層構造を有す
る積層クロムをマスク基板上に載せることによって実現できる。
以上の構成を有するハーフトーンマスク71を通して感光性樹脂28’へ一定光量の露
光光L2を照射すると、鎖線で示す露光像よりも上の部分が可溶化する。次に、現像処理
を行う。具体的には、図8(c)の基板7aを現像液に所定時間、浸漬する。すると、図
8(c)において可溶化した部分の感光性樹脂28’が除去されて、図8(d)に示すよ
うに、階段状の側面を有した突部材28が形成される。その後、図8(d)の基板7a及
び突部材28を焼成して、突部材28の形状及び性質を安定状態に設定する。以上により
、図7の工程P4が終了し、その後、既述したソース電極等形成工程P5以降の工程が実
行される。
次に、凹凸樹脂膜形成工程P8について図9を参照して詳細に説明する。なお、図9(
a)は、図7の工程P1〜工程P7において、図4に示すTFT素子21、突部材28、
及び保護膜22が形成された状態を示している。
図7の凹凸樹脂膜形成工程P8が始まると、まず、図9(a)の基板7aを所定の洗浄
液によって洗浄する。次に、図9(b)に示すように、保護膜22の上に凹凸樹脂膜23
の材料であるポジ型レジストである感光性樹脂23’を、例えばスピンコートによって一
様な厚さに塗布する。次に、プリベークを行って感光性樹脂23’内の溶媒を除去する。
次に、図9(c)に示すように、露光処理を実行する。具体的には、基板7a(切断す
る前の大面積のもの)を露光装置、例えば一括露光装置の所定位置に設置し、さらに、グ
レートーンマスク76を基板7aに対向する所定位置に設置する。グレートーンマスク7
6は、光透過性が異なる3つの領域を有する露光マスクである。具体的には、遮光領域A
5と第1光透過領域A4と第2光透過領域A6を有する露光マスクである。遮光領域A5
は、光を透過させない材料、例えばCrがマスク基板上に載せられた領域であり、光を透
過しない領域である。第1光透過領域A4は、互いに隣接する遮光領域A5,A5同士の
間の領域であり、マスク基板上に遮光材料が何も載せられていない領域である。また、第
2光透過領域A6は、第1光透過領域A4よりも広い領域であり、マスク基板上に遮光材
料が何も載せられていない領域である。
グレートーンマスク76は、露光機の露光解像度の限界より細かいパターンを有する露
光マスクである。具体的には、図9(c)に示すように、互いに隣接する遮光領域A5,
A5同士の間の領域である光透過領域A4の幅tを、露光機の解像度の限界の幅より狭く
設定する。こうすれば、光透過領域A4に対応する部分の感光性樹脂23’においては、
十分な露光量による完全な露光が行われなくなる。こうなると、感光性樹脂23’のうち
の光透過領域A4に対応した部分では、マスク76に照射された光よりも少ない光量で露
光した状態と同様の状態になる。その結果、感光性樹脂23’のうちの領域A5に対向し
て遮光された部分と、領域A4に対向して露光された部分との境界が不明確になり、例え
ば緩やかな斜面の露光像が形成されることになる。
本実施形態では、図4の凹凸樹脂膜23の表面に形成される凹凸パターンに対応する部
分を、図9(c)のマスク76のうちのグレートーンの遮光パターン(すなわち、領域A
4及びA5から成るパターン)を用いて露光する。具体的には、図4の凸部30に対応す
る部分に図9(c)の遮光領域A5を合わせ、図4の凹部29に対応する部分に図9(c
)の第1光透過領域A4を合わせるようにした。また、開口部である図4のコンタクトホ
ール27に対応する部分に図9(c)の第2光透過領域A6を合わせるようにした。
以上の構成を有するグレートーンマスク76を通して感光性樹脂23’へ一定光量の露
光光L3を照射すると、鎖線で示す露光像よりも上の部分が可溶化する。具体的には、領
域A4で露光された部分は比較的露光量が少ない状態と同様に完全な露光が行われないの
で凹部に対応する露光像29’が形成される。また、領域A5で露光された部分は領域A
4よりもさらに露光量が少ないので凸部に対応する露光像30’が形成される。
また、領域A6で露光された部分は露光量が多いので、露光像29’及び30’よりも
深い露光像27’が形成される。以上により、感光性樹脂23’の表面に、凹凸パターン
に対応する露光像29’,30’が形成され、さらにその内部にコンタクトホール27に
対応する露光像27’が形成され、それらの露光像よりも上の部分が可溶化する。
次に、現像処理を行う。具体的には、図9(c)の基板7aを現像液に所定時間、浸漬
する。すると、図9(c)において可溶化した部分の感光性樹脂23’が除去されて、図
9(d)に示すように、表面の必要な領域に凹凸パターンを有し、内部の必要な領域にコ
ンタクトホール27を有する凹凸樹脂膜23が形成される。
凹凸樹脂膜23の材料である感光性樹脂23’はその性質上、未反応の感光性基に由来
する黄色の光を多く通過させる傾向にある。そこで、図9(d)の凹凸樹脂膜23に適宜
の光量の紫外線を照射し反応を完結する処理、いわゆるブリーチ露光を行う。これにより
、凹凸樹脂膜23の黄色化を抑制し、透過率を向上させる。次に、図9(d)の基板7a
及び凹凸樹脂膜23を、例えば、220℃、30〜50分で焼成して、凹凸樹脂膜23の
形状及び性質を安定状態に設定する。以上により、図7の工程P8が終了し、その後、既
述した保護膜除去工程P9以降の工程が実行される。
本実施形態に係る電気光学装置の製造方法によれば、図7の工程P5に示す凹凸樹脂膜
の形成工程において、図4の第1透光性基板7a上に設けられた突部材28に平面的に重
なる領域にコンタクトホール27を形成するので、コンタクトホール27の深さh2を凹
凸樹脂膜23の膜厚より浅く形成できる。このように、深さが浅いコンタクトホール27
を凹凸樹脂膜23内に形成すれば、画素電極25を設ける工程において、凹凸樹脂膜23
上に画素電極25の材料であるITOを供給したとき、コンタクトホール27に流れ込ん
だITOが、コンタクトホール27の壁27aの所で破断することなく、突部材28上の
接続用導電膜36bに接続できる。
また、図7の工程P5において、図4の凹凸樹脂膜23の表面に複数の凹部29又は複
数の凸部30を形成することと、凹凸樹脂膜23内にコンタクトホール27を形成するこ
ととを、同時に行うことにした。その結果、製造工程を簡略化でき、製造コストを低減で
きる。
また、図7の工程P5において、図9(c)に示す露光マスクとしてのグレートーンマ
スク76を用いて、凹凸樹脂膜23の材料である感光性樹脂23’に対して露光処理を行
った。グレートーンマスクを用いて凹凸樹脂膜上の凹部又は凸部と絶縁膜内の開口部とを
同時に形成する方法は、従来から行われている方法である。この場合は、複数の凹部又は
複数の凸部に対応するパターンを露光機の解像度の限界よりも微細なパターンとし、コン
タクトホールに対応するパターンを通常のパターンとすることにより、凹部又は凸部と開
口部とを一度の露光処理で同時に形成している。
しかしながら、従来の構成の液晶表示装置では、画素電極と接続用導電膜とを確実に接
触させるために、コンタクトホールを深く形成する必要があった。従って、露光処理にお
いてコンタクトホールの深さに応じて露光量を多くする必要があった。露光量を多くする
と、凹部又は凸部に対応する部分に対しても露光量が多くなるので、凹部の深さが深くな
るか又は凸部の高さが高くなる傾向にあった。それ故、凹部の深さ又は凸部の高さを所望
の深さや高さに調節することが難しかった。具体的には、凹部の深さを浅くするか又は凸
部の高さを低くすることが難しかった。
これに対し、本実施形態の製造方法によれば、図7の凹凸樹脂膜形成工程P8において
、図4の突部材28に平面的に重なる位置に浅いコンタクトホール27を形成するので、
コンタクトホール27を少ない露光量で確実に形成できる。その結果、図7の工程P8に
おいて、図9(c)のグレートーンマスク76を用いて露光処理を行うことにより、図9
(d)に示す複数の凹部29に対応する部分に対する露光量を少なくすることができるの
で、凹部29の深さを所望の深さに調節することが容易になった。具体的には、凹部29
の深さを浅くすることが容易になった。
また、本実施形態の製造方法において、図7の突部材形成工程P4では、図8(c)に
示すように、透光性基板7a上に光透過率の異なる複数の領域を有するハーフトーンマス
ク71を用いて露光処理を行うことにした。こうすれば、図4の突部材28の側面部に段
部28aを正確に形成できる。このように突部材28の側面部に段部28aを設ければ、
図7の工程P5において、図4の突部材28上に形成される接続用導電膜36bが、その
突部材28の側面の所で破断することをその段部28aの働きによって防止できる。
(電子機器の第1実施形態)
以下、本発明に係る電子機器の実施形態を説明する。なお、この実施形態は本発明の一
例を示すものであり、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
図10は、本発明に係る電子機器の一実施形態を示している。ここに示す電子機器は、
液晶表示装置101と、これを制御する制御回路102とを有する。制御回路102は、
表示情報出力源105、表示情報処理回路106、電源回路107及びタイミングジェネ
レータ108によって構成される。そして、液晶表示装置101は液晶パネル103及び
駆動回路104を有する。
表示情報出力源105は、RAM(Random Access Memory)等といったメモリや、各種デ
ィスク等といったストレージユニットや、ディジタル画像信号を同調出力する同調回路等
を備え、タイミングジェネレータ108により生成される各種のクロック信号に基づいて
、所定フォーマットの画像信号等といった表示情報を表示情報処理回路106に供給する
次に、表示情報処理回路106は、増幅・反転回路や、ローテーション回路や、ガンマ
補正回路や、クランプ回路等といった周知の回路を多数備え、入力した表示情報の処理を
実行して、画像信号をクロック信号CLKと共に駆動回路104へ供給する。ここで、駆
動回路104は、走査線駆動回路やデータ線駆動回路と共に、検査回路等を総称したもの
である。また、電源回路107は、上記の各構成要素に所定の電源電圧を供給する。
液晶表示装置101は、例えば、図1に示した液晶表示装置1を用いて構成できる。こ
の液晶表示装置1は、図4に示すように、第1透光性基板7aと凹凸樹脂膜23の間であ
ってコンタクトホール27に平面的に重なる位置に突部材28を設けることによりコンタ
クトホール27の深さを浅くできる。その結果、凹凸樹脂膜23上に設けられると共にコ
ンタクトホール27に流れ込んだ後に接続用導電膜36bに接続する画素電極25が、そ
のコンタクトホール27の壁27aの所で破断することを防止できる。従って、本発明に
係る電子機器においても、電極が破断することを防止し、高い信頼性を有する電子機器を
得ることができる。
(電子機器の第2実施形態)
図11は、本発明に係る電子機器の他の実施形態である携帯電話機を示している。ここ
に示す携帯電話機110は、本体部111と、この本体部111に対して開閉可能に設け
られた表示体部112とを有する。液晶表示装置等といった電気光学装置によって構成さ
れた表示装置113は、表示体部112の内部に配置され、電話通信に関する各種表示は
、表示体部112の表示画面114によって視認できる。本体部111には操作ボタン1
15が配列されている。
表示体部112の一端部には伸縮自在のアンテナ116が取付けられている。表示体部
112の上部に設けられた受話部117の内部には、図示しないスピーカが配置される。
また、本体部111の下端部に設けられた送話部118の内部には図示しないマイクが内
蔵されている。表示装置113の動作を制御するための制御部は、携帯電話機の全体の制
御を司る制御部の一部として、又はその制御部とは別に、本体部111又は表示体部11
2の内部に格納される。
表示装置113は、例えば、図1に示した液晶表示装置1を用いて構成できる。この液
晶表示装置1は、図4に示すように、第1透光性基板7aと凹凸樹脂膜23の間であって
コンタクトホール27に平面的に重なる位置に突部材28を設けることによりコンタクト
ホール27の深さを浅くできる。その結果、凹凸樹脂膜23上に設けられると共にコンタ
クトホール27に流れ込んだ後に接続用導電膜36bに接続する画素電極25が、そのコ
ンタクトホール27の壁27aの所で破断することを防止できる。従って、本発明に係る
電子機器においても、電極が破断することを防止し、高い信頼性を有する電子機器を得る
ことができる。
なお、電子機器としては、以上に説明した携帯電話機等の他にも、パーソナルコンピュ
ータ、液晶テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カー
ナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーショ
ン、テレビ電話機、POS端末器等が挙げられる。
本発明に係る電気光学装置の一実施形態を示す側面断面図である。 図1の矢印Z1で示す部分の拡大断面図である。 図2の矢印Aに従い素子基板上の1つのサブ画素及びその周辺の平面構造を示す平面図である。 図3のZ2−Z2線に従う断面図である。 本発明に係る電気光学装置の他の実施形態の要部を示す断面図である。 本発明に係る電気光学装置のさらに他の実施形態の要部を示す断面図である。 本発明に係る電気光学装置の製造方法の主要工程を示す工程図である。 図7の突部材形成工程における基板上の膜構成の構造変遷図である。 図7の凹凸樹脂膜形成工程における基板上の膜構成の構造変遷図である。 本発明に係る電子機器の一実施形態を示すブロック図である。 本発明に係る電子機器の他の実施形態である携帯電話機を示す斜視図である。 本発明に係る電気光学装置の製造方法の一態様を示す工程図である。
符号の説明
1.液晶表示装置(電気光学装置)、 2.液晶パネル、 3.照明装置、
6.シール材、 7.素子基板、 7a.第1透光性基板、 8.カラーフィルタ基板、
8a.第2透光性基板、 12.液晶層、 13.LED、 14.導光体、
18a,18b.偏光板、 19.ソース線、 20.ゲート線、
21.TFT(薄膜トランジスタ)素子(スイッチング素子)、
22.保護膜(第2絶縁膜)、 23.凹凸樹脂膜(絶縁膜)、 24.光反射膜、
25.画素電極、 26a,26b.配向膜、 27.コンタクトホール(開口部)、
28,58.突部材、 28a.段部、 28b,58b.頂面、 29.凹部、
29’.凹部の露光像、 30.凸部、 30’.凸部の露光像、 31.ゲート電極、

31a.第1電極、 32.ゲート絶縁膜、 32a.絶縁膜、 33.半導体膜、
34a,34b.N+−Si膜、 35.ソース電極、 36.ドレイン電極、
36a.第2電極、 36b.接続用導電膜、 37.補助容量、 41.着色膜、
42.遮光膜、 43.オーバーコート膜、 44.共通電極、 45.張出し部、
46.配線、 47.外部接続用端子、 49.ACF、50.駆動用IC、
59.データ線、 61.TFD(薄膜ダイオード)素子(スイッチング素子)、
62.第1素子電極(第1電極)、 63.絶縁膜、
64a,64b.第2素子電極(第2電極)、65a.第1TFD要素、
65b.第2TFD要素、 71.ハーフトーンマスク(露光マスク)、
76.グレートーンマスク、 101.液晶表示装置(電気光学装置)、
102.制御回路、 103.液晶パネル、 104.駆動回路、
110.携帯電話機(電子機器)、 D.サブ画素、 G.セルギャップ、
h1.突部材の高さ、 h2.コンタクトホールの深さ、
h3.凹部の深さ,凸部の高さ、 L0,L1,L2,L3.光、 R.反射表示領域、
T.透過表示領域、 V.有効表示領域

Claims (12)

  1. 基板と、
    該基板上に設けられ電極を備えたスイッチング素子と、
    前記電極から延在した接続用導電膜と、
    前記基板上に設けられて前記スイッチング素子及び前記接続用導電膜を覆う絶縁膜と、
    前記接続用導電膜上の前記絶縁膜に開口された開口部と、
    前記絶縁膜上に設けられ、前記開口部を介して前記接続用導電膜に電気的に接続された
    画素電極と、
    前記基板と前記絶縁膜の間であって、前記開口部に平面的に重なる位置に設けられた突
    部材と、
    を有することを特徴とする電気光学装置。
  2. 請求項1記載の電気光学装置において、前記基板表面からの前記突部材の頂面の高さを
    h1とし、前記絶縁膜の頂面からの前記開口部の深さをh2としたとき、
    h1>h2
    であることを特徴とする電気光学装置。
  3. 請求項1又は請求項2記載の電気光学装置において、前記絶縁膜の表面には複数の凹部
    又は複数の凸部が設けられ、前記開口部の深さをh2とし、前記凹部の深さ又は前記凸部
    の高さをh3としたとき、
    h2>h3
    であることを特徴とする電気光学装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の電気光学装置において、前記突部材の側
    面部には段部が設けられていることを特徴とする電気光学装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の電気光学装置において、前記突部材は感
    光性の樹脂を用いて形成されることを特徴とする電気光学装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の電気光学装置において、前記スイッチン
    グ素子は薄膜トランジスタであって、前記スイッチング素子が備えた前記電極は前記接続
    用導電膜と同一材料で一体的に形成された前記薄膜トランジスタのドレイン電極であるこ
    とを特徴とする電気光学装置。
  7. 請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の電気光学装置において、前記スイッチン
    グ素子は第1電極と絶縁膜と第2電極の積層構造からなる薄膜ダイオードであって、前記
    スイッチング素子が備えた前記電極は前記接続用導電膜と同一材料で一体的に形成された
    前記第2電極であることを特徴とする電気光学装置。
  8. 基板上にスイッチング素子を設ける工程と、
    前記基板上に突部材を設ける工程と、
    前記スイッチング素子の電極に接続する接続用導電膜を前記突部材上に設ける工程と、
    前記基板上に前記スイッチング素子及び前記突部材を覆う絶縁膜を設ける工程と、
    前記絶縁膜のうちの前記突部材に平面的に重なる領域に開口部を設ける工程と、
    前記絶縁膜上に画素電極を設ける工程と、
    を有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  9. 請求項8記載の電気光学装置の製造方法において、前記絶縁膜の表面には複数の凹部又
    は複数の凸部が設けられ、前記開口部を形成する工程では、複数の前記凹部又は複数の前
    記凸部に対応するパターンと前記開口部に対応するパターンとを有する露光マスクを用い
    て1回の露光処理が行われて、前記絶縁膜上に複数の前記凹部又は複数の前記凸部が形成
    されるのと同時に前記開口部が形成されることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  10. 請求項8又は請求項9記載の電気光学装置の製造方法において、前記スイッチング素子
    と前記絶縁膜との間及び前記突部材と前記絶縁膜との間に第2の絶縁膜を設ける工程と、
    前記突部材に平面的に重なる領域の前記第2の絶縁膜を除去する工程とをさらに有するこ
    とを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  11. 請求項8から請求項10のいずれか1つに記載の電気光学装置の製造方法において、前
    記突部材を設ける工程では、透光性基板上に光透過率の異なる複数の領域を有する多階調
    マスクを通して露光が行われて、前記突部材の側面部に段部が形成されることを特徴とす
    る電気光学装置の製造方法。
  12. 請求項1から請求項7のいずれか1つに記載の電気光学装置を有することを特徴とする
    電子機器。

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