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JP2007309152A - 排気浄化装置 - Google Patents

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JP2007309152A
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sulfur
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Masaaki Mukaide
正明 向出
Hidehiro Iizuka
秀宏 飯塚
Toshiaki Nagayama
敏明 長山
Toshifumi Mukai
利文 向井
Kazuhisa Higashiyama
和寿 東山
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Mitsubishi Power Ltd
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Babcock Hitachi KK
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Abstract

【課題】窒素酸化物触媒が硫黄被毒をうけた場合、再生するために特別な制御システムが必要であり、また再生時に燃費の悪化が生じていた。ディーゼルエンジン等の排気浄化系において、設置スペースは従来と同等で、窒素酸化物浄化触媒が硫黄被毒を受けない浄化装置を提供する。
【解決手段】一旦吸収した硫黄分を、通常の内燃機関の状況では実質的に脱離しない硫黄分吸収材料を排気微粒子フィルタと一体化し、これを排気に対して窒素酸化物浄化触媒の上流側に設置することで、窒素酸化物浄化触媒の被毒を防止する。酸化触媒を組み合わせることにより、硫黄分吸収材料の性能をより一層向上することが可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は内燃機関の排気中に含まれる硫黄分を吸収する材料を用いた排気微粒子除去装置に関し、またそれを用いた内燃機関の排気浄化装置に関する。
内燃機関から発生する窒素酸化物を浄化するために、触媒を用いて窒素酸化物を還元し、窒素とする技術が多く用いられている。通常のガソリンエンジンでは貴金属を複数用いた三元触媒が用いられ、その技術はほぼ完成の域に達している。
またリーンバーンのガソリンエンジンやディーゼルエンジンでは、空燃比が通常のガソリンエンジンに比べて大きいことから、三元触媒は使用できない。三元触媒に変えて尿素を用いた選択還元(Selective Catalytic Reduction、SCR)等の手法があるが、近年、窒素酸化物吸蔵型の浄化触媒が開発され用いられている。これは空燃比が理論空燃比より大きい時に、触媒に窒素酸化物を取り込み、加速時のように空燃比が理論空燃比に近づいた時に、取り込んだ窒素酸化物を還元して窒素として放出するものである。
これら空燃比が大きい領域で使用される内燃機関の窒素酸化物浄化触媒は、燃料に含まれる硫黄分によって被毒され、性能低下を引き起こすという問題を有している。これは燃料またはエンジンオイルに由来する硫黄酸化物が窒素酸化物と類似した挙動を取ることにより、浄化触媒に取り込まれて、本来窒素酸化物が反応すべき触媒の活性点を減少させるためである。
燃料中の硫黄分は、重質な燃料ほど多量に含まれる。このため軽油を燃料とするディーゼル機関では、ガソリンを燃料とする内燃機関に比べて上記の窒素酸化物浄化触媒の活性低下が生じやすい。
硫黄被毒した窒素酸化物浄化触媒は、空燃比が理論空燃比に近い領域において高温処理する事で硫黄分を還元し、硫化水素の形で放出する事で触媒活性を回復させる手法が用いられる。
例えば特許公報第2605586号(特許文献1)には、空燃比が理論空燃比より大きく、かつ排気が高温の時、または窒素酸化物浄化触媒が高温の時に、空燃比を間欠的にまたは連続して理論空燃比近傍または理論空燃比より小さくして、窒素酸化物浄化触媒を被毒している硫黄分を脱離させて触媒を再生する方法が述べられている。
また特許公報第2745985号(特許文献2)には、窒素酸化物浄化触媒への硫黄分の吸収量を推定する手段を設け、設定された量を超えた硫黄分が吸収された場合に、排気をヒータ加熱するとともに、空燃比を理論空燃比近傍に制御することで、吸収された硫黄分を触媒から脱離させ再生させる方法が述べられている。
特許公報第2727914号(特許文献3)では、窒素酸化物浄化触媒に対して排気の上流側に硫黄分吸収材料を設置し、それぞれに流れ込む酸素濃度を調節する手段を設けている。これによって、あらかじめ窒素酸化物浄化触媒に流れ込む排気の酸素濃度を低下させて、硫黄分が触媒に吸収しにくい状態を作っておいて、その後硫黄分吸収材料に流れ込む酸素濃度を低下して硫黄分吸収材料に吸収された硫黄分を放出することを可能としている。
WO2005/090760(特許文献4)では、硫黄分吸収材料に吸収された硫黄分を放出せず、窒素酸化物の浄化性能と燃費性能を維持することを記載している。また、この場合には、硫黄分除去に対する制御が不要で、排気処理関連のシステムの複雑化を防止できる。
特許公報第2605586号 特許公報第2745985号 特許公報第2727914号 国際公開WO2005/090760
硫黄分を放出しにくい捕捉剤を使用する場合、硫黄分の捕捉量を大きくするためには、捕捉材の量を多くする必要がある。一方で、捕捉材量を多くすると、捕捉材層の厚みによる圧損が大きくなるという問題がある。
本願は上記課題を解決するものである。
上述課題を解決する本願発明の特徴は、内燃機関からの排気中に含まれる微粒子を排気微粒子フィルタで除去し、前記排気微粒子フィルタよりもガス後流側で排気中の窒素酸化物を窒素酸化物浄化触媒で浄化する排気浄化装置において、硫黄被毒を受ける窒素酸化物触媒に対して排気の上流に、硫黄分を吸収し、一旦吸収した硫黄分を実質的に脱離させない材料を前記硫黄分吸収材料は、排気微粒子フィルタと一体化して設置することにある。
ただし、硫黄分吸収材料を排気微粒子フィルタと一体化する場合には、フィルタにおける圧損が、硫黄分吸収材料無しの場合に比べて大きく上昇しないようにすることが必要である。
硫黄分吸収材料はフィルタと一体化することにより、排気浄化装置の設置スペースを従来の硫黄分吸収材料を用いない排気浄化システムと同等に抑えることが可能になる。そのためには、排気微粒子フィルタ壁の貫通孔を塞ぐことなしに硫黄分吸収材料を設置しなければならない。充填率が高いと、従来は空隙だった部分が塞がれるために、フィルタでの圧損は大きくなってしまう。そのため、充填部には適度な空隙を設けることが必要である。
従って一体化に際しては、排気微粒子フィルタを構成するハニカムの孔(空隙部分)に粒状あるいは繊維状の硫黄分吸収材料を充填し、かつその充填部に適度な空隙を設けることで、圧損を大きくすることなしに必要量の硫黄分吸収材料を組み入れることが可能である。
空隙を設けるためには、ハニカム空隙に充填する上記硫黄分吸収材料の形状を、粒状とするか、あるいは繊維状とする。その結果、適度な空隙を確保することが可能である。
具体的な硫黄分吸収材料としては、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属を主成分とする硫黄分吸収成分を、担体に含有させることで達成可能である。アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類化合物、またはそれらを主体としその他の化合物を含む混合物は、排気中の硫黄分と反応して容易に硫酸塩を形成する。これらの硫酸塩は分解温度が通常の内燃機関の排気温度よりも高い領域であるため、一旦形成されると極めて安定であり、実質的に硫黄分の脱離が生じない。
また、これらの硫黄分吸収材料の設置位置に対し、排気の上流側に二酸化硫黄を三酸化硫黄に酸化する酸化触媒を設置することで、これらの硫黄分吸収材料をより効果的に使用することが可能である。これは酸化触媒によって硫黄分が三酸化硫黄の形になって、硫黄分吸収成分であるアルカリ金属含有化合物,アルカリ土類金属含有化合物と反応しやすくなるからである。
上記酸化触媒は上述の様に、内燃機関運転条件において、二酸化硫黄を三酸化硫黄に酸化する能力があれば、材料は限定されないが、例えば活性成分を貴金属とし、担体は3ないし6族元素化合物またはアルミニウム化合物またはケイ素化合物またはそれらを主体とした混合物、あるいはゼオライトとして構成することが可能である。
本発明による内燃機関の排気浄化システムにおいては、一旦吸収させた硫黄分を外部からの空燃比制御によって強制的に脱離させることがないので、そのような制御が不要であり制御系の複雑化を伴わない。
本発明において、硫黄分吸収材料を窒素酸化物浄化触媒の排気上流に設置することで、燃料に起因する発生硫黄分を硫黄分吸収材料に吸収させ、これを実質的に脱離させないことで、窒素酸化物浄化触媒に流入する排気中に硫黄分が含まれなくなる。これによって窒素酸化物浄化触媒の被毒を防止して、長期間にわたる安定な窒素酸化物浄化機能の維持を可能とする。
ここで硫黄分吸収材料からの硫黄分脱離に関して実質的に脱離しないと称するのは、内燃機関作動時の排気温度と排気組成雰囲気において、硫黄分吸収材料の後段に設置する窒素酸化物浄化触媒が硫黄被毒により長期間劣化しない程度に僅かであるという意味である。
上記硫黄分吸収材料よりも排気の上流側に二酸化硫黄を三酸化硫黄に酸化する酸化触媒を設置することにより、上記硫黄分吸収材料を効果的に使用することが可能である。
このような排気浄化装置を用いる内燃機関としては、硫黄分を含む燃料を用いるさまざまな種類の機関への適用が考えられるが、特にディーゼル機関で有効である。
上記本発明によれば、圧損が少なく、かつ硫黄捕捉量の多いコンパクトな排気浄化装置を提供可能である。
図1には本発明にかかる排気浄化装置の一例を示す。内燃機関1から排出された排気は排気通路2を通って、酸化触媒3に入る。ここで排気中の硫黄分は三酸化硫黄に酸化される。排気中の微粒子と硫黄分は、硫黄分吸収材料を一体化した排気微粒子フィルタ4で捕捉される。排気中の微粒子と硫黄分が除かれた排気中には、まだ窒素酸化物が含まれているので、これをさらに後段の窒素酸化物浄化触媒5で浄化する。
酸化触媒3は図1で示したように硫黄分吸収材料を一体化した排気微粒子フィルタ4と隣接して設置することもできるし、図2に示すように離して設置することも可能である。
また図1,図2では窒素酸化物浄化触媒5は、排気流れに対して上流側の酸化触媒3,硫黄分吸収材料を一体化した排気微粒子フィルタ4と離れて描いているが、位置関係が図1,図2と同じであれば、窒素酸化物浄化触媒5は、硫黄分吸収材料を一体化した排気微粒子フィルタ4に隣接して設置してもかまわない。
図3には硫黄分吸収材料を一体化した排気微粒子フィルタの模式図を示す。この図は本発明の概念を示したもので、実際の各構成部分の寸法比はこの図とは異なる。排気微粒子フィルタは通常、コーディエライトや炭化ケイ素等のセラミックで構成されたハニカムを用いている。ハニカム壁11は多孔質であり、排気微粒子は通さないが、気体は大きな圧損を受けずに透過することができる。ハニカムは隣接するハニカム孔15,16同士が交互に両端で目封じ12されており、排気流れは一方の端部から入って、必ずハニカム壁
11を通過するようになっている。
排気流れに対して出口側のハニカム孔16には、硫黄分吸収材料13が充填されている。図3では粒状の硫黄分吸収材料が充填されており、これに排気中の硫黄分が吸収される。硫黄分吸収材料13は、ハニカム孔に適度な空隙を残すように充填され、硫黄分吸収材料の層を排気が通過する際に大きな圧損が生じないようになっている。
空隙の量は30%以上(充填率が70%以下)とする必要がある。これ以上充填をすると、圧損が高く、硫黄分吸収材料が充分に活用されないこととなるからである。硫黄分吸収材料は、大きさや形状の異なる粒子を混合してもよいが、特に大小の粒子を混合すると空隙率が小さくなるため、上記範囲になるよう調整するとよい。
また、空隙率が80%以下とすると、硫黄分吸収材料の効果を得られる。特に70%以下であれば、実用化されている硫黄分吸収材料のほとんどのものについて、活性を得られる。
また、出口側ハニカム孔16の排気流れ出口には、排気は流れ出るが、硫黄分吸収材料は通過しない間隔のメッシュ14が設置してあり、硫黄分吸収材料がこぼれ出ないようになっている。
硫黄分吸収材料13に一旦吸収された硫黄分は、引き続いてどのような排気組成,温度になっても、実質的にそこから脱離することなく、したがって排気流れに対して後流側の窒素酸化物浄化触媒へと流出することがない。このため、窒素酸化物浄化触媒は排気中に含まれる硫黄分で被毒する事がなく長期間にわたって安定な浄化性能を示す。
図4には同じく本発明にかかる硫黄分吸収材料を一体化した排気粒子フィルタの、別の一例を模式図で示す。図4も図3と同様に本発明の機能を示すもので、各部位の寸法比率は実際とは異なる。
排気は図3の場合と同様に入口側ハニカム孔から入り、排気中の微粒子はハニカム壁
11を通過する際に捕捉される。排気流れに対して出口側のハニカム孔には、繊維状の硫黄分吸収材料17が設置されており、排気中の硫黄分はこれに捕捉される。繊維状の硫黄分吸収材料17には適度な空隙があり、排気がこの層を通過しても大きな圧損は生じない。
硫黄分吸収材料の形状は、粒状の場合、球形であっても、円柱状であっても、粒径は揃っていても不揃いでもかまわない。
ただしいずれの場合にも、充填層に圧損が大きくならない程度の空隙を設けることが重要である。
以下実施例で具体的に本発明を説明する。
炭酸バリウムとアナターゼ型チタニアを、バリウムとチタンのモル比で2:1の割合になるよう秤量した後、ボールミルを用いて混合し、これを電気炉中650℃で2時間処理した。この粉末をポリビニルアルコールおよび温水と混合してスラリーを調製し、スプレードライで造粒した。造粒粉を650℃で2時間加熱して脱脂し、これに硝酸ナトリウムと酢酸バリウムの混合溶液を、ナトリウム重量,バリウム重量に換算してそれぞれ11.5g/L,68.7g/L となるよう含浸した後、空気中650℃で1時間焼成して硫黄分吸収材料とした。硫黄分吸収材料は球状で平均粒径は150μmであった。
硫黄分吸収材料をコーディエライト製の排気微粒子フィルタハニカム(長さ20mm)の出口側の孔に充填し、出口を200メッシュの網で塞いだ。重量と平均粒径の関係から求めた出口側ハニカム孔の空隙率は65%であった。
コーディエライトハニカムに170g/Lの分量でシリカスラリーをウォッシュコートした。これにジニトロジアンミン白金溶液を用い、白金重量に換算して3g/Lとなるよう含浸した。これを600℃で1時間焼成して酸化触媒とした。
ガス流れ方向に対して酸化触媒ハニカム,排気微粒子フィルタの順になるよう石英ガラス反応管に配置し、電気炉で300℃に昇温して硫黄分を含むガスを5時間流通した。ガス成分としては乾燥時換算で酸素10vol% ,一酸化炭素0.2vol%,一酸化窒素200
volppm,二酸化硫黄150ppm ,残部窒素である。これに水をガス全量に対して気体標準状態容積換算で3vol% となるよう添加した。ガス流通の空間速度は30000h-1とした。ガラス反応管前後の差圧を差圧計で測定した。酸化触媒のみの圧損を測定した結果、ほぼ無視できる値で、圧損はほとんどが排気微粒子フィルタに起因することがわかった。
前記ガス流通試験後、空燃比が理論空燃比に近い領域を模擬したガスを流通しながら、常温から700℃まで電気炉で昇温した。流通ガス組成は乾燥時換算で、酸素0.5vol%,一酸化炭素0.5vol%,一酸化窒素800volppm,残部窒素とした。これに水をガス全量に対して気体標準状態容積換算で3vol% となるよう添加した。ガス流通の空間速度は30000h-1とした。
これらの試験の後、硫黄分吸収材料を粉砕し、硫黄分析計を用いてその粉末中の硫黄分を定量した。その結果、最初に二酸化硫黄で加えた量の99.4%が検出された。
また、試験時のガラス反応管の前後における圧損は約1.3kPaであった。
これらの結果から、硫黄分はほぼ全て硫黄分吸収材料に吸収され、700℃以下では脱離しないことがわかる。また、これらのガス流通時の圧損はフィルタ長さ当たり0.65kPa/cmであり、充分実用可能な圧損領域である。
30%酸性チタニアゾルに、酢酸水溶液に溶解した酢酸ストロンチウムを混合し、ディップ用溶液とした。この溶液にシリカ繊維を浸漬して、10mm/min の速度で引き上げた。これを120℃で24時間乾燥後、600℃で1時間焼成した。これに酢酸カリウム溶液を浸漬して乾燥、650℃で焼成して、繊維状の硫黄分吸収材料を得た。繊維を切り揃えた後、排気微粒子フィルタの出口側の孔に挿入して、硫黄分吸収材料を一体化した排気微粒子フィルタを調製した。
コーディエライトハニカムに200g/Lの分量でモルデナイトスラリーをウォッシュコートした。これにヘキサアンミン白金溶液を用い、白金重量に換算して2.5g/L となるよう含浸した。これを600℃で1時間焼成して酸化触媒とした。
実施例1と同様に、二酸化硫黄を含む空燃比が大きい領域での硫黄分吸収処理,空燃比が理論空燃比に近い領域での硫黄分脱離処理を行った。その結果、硫黄分吸収材料に吸収され、保持され続けた硫黄は最初の仕込量の99.1% 以上であった。また、この場合の排気微粒子フィルタでの圧損は0.55kPa/cmであった。
この例から判るように繊維状の硫黄分吸収材料を用いても、圧損が充分に小さく、硫黄分を有効に吸収できる排気微粒子フィルタが構成できる。
実施例1と同じ組成の酸化触媒と、硫黄分吸収材料を一体化した排気微粒子フィルタとを用いた。ただし、両者は実車用ハニカムとしてそれぞれ、0.9L,2.1Lとした。これらの下流側に窒素酸化物浄化触媒を配置して、ディーゼルエンジン排気の窒素酸化物浄化性能の時間依存性を調べた。
試験は加速のために、燃料中にチオフェンを400ppm添加して実施した。チオフェン添加後の燃料中の総硫黄分は硫黄換算で約150wtppmである。
エンジンは空燃比14で1分間運転した後、空燃比6で10秒間運転するサイクルを繰り返した。一定の時間になるまで運転し、窒素酸化物浄化触媒の前後からガスをサンプリングして、それぞれ窒素酸化物量を分析して触媒での窒素酸化物浄化率を求めた。
図5には上記運転パターンを長時間実施した場合、窒素酸化物浄化率の変化を示した。比較のために、硫黄分吸収材料を排気微粒子フィルタに挿入せず、酸化触媒,排気浄化触媒,窒素酸化物浄化触媒の構成で同様の試験を実施した場合の窒素酸化物浄化率の変化を併せて示す。図からわかるように、硫黄分吸収材料を充填した排気微粒子フィルタを挿入しない場合では、運転時間の経過とともに浄化率が低下するのに対し、硫黄分吸収材料と酸化触媒を窒素酸化物浄化触媒の上流に設置した場合には、浄化率がほとんど低下しない。
本発明は、内燃機関の排気浄化装置に用いる事が可能であり、特にディーゼル機関等、窒素酸化物浄化触媒が硫黄分によって被毒した場合、従来では特別な手法でそれを再生していた排気浄化装置に用いることが可能である。
本発明による排気浄化装置の一例である。 本発明による排気浄化装置の別の一例である。 硫黄分吸収材料を一体化した排気微粒子フィルタの一例(模式図)である。 硫黄分吸収材料を一体化した排気微粒子フィルタの別の一例(模式図)である。 本発明による硫黄分吸収材料を一体化した排気浄化フィルタを用いた場合の、窒素酸化物浄化触媒の浄化率の時間変化、および比較として従来の硫黄分吸収材料を用いない場合の浄化率の時間変化を示した図である。
符号の説明
1…内燃機関、2…排気通路、3…酸化触媒、4…硫黄分吸収材料を一体化した排気微粒子フィルタ、5…窒素酸化物浄化触媒、11…排気微粒子フィルタのハニカム壁、12…排気微粒子フィルタの目封じ、13…硫黄分吸収材料(粒状)、14…メッシュ、15…排気微粒子フィルタの入口側ハニカム孔、16…排気微粒子フィルタの出口側ハニカム孔、17…硫黄分吸収材料(繊維状)。

Claims (6)

  1. 内燃機関からの排気中に含まれる微粒子を除去する排気微粒子フィルタと、
    前記排気微粒子フィルタのガス後流側に配置され、排気中の窒素酸化物を浄化する窒素酸化物浄化触媒とを有する排気浄化装置において、
    前記排気微粒子フィルタはハニカムで構成されており、前記ハニカムの空隙に硫黄分を吸収し実質的に放出しない硫黄分吸収材料を充填したことを特徴とする排気浄化装置。
  2. 請求項1に記載された排気浄化装置において、
    前記硫黄分吸収材料は充填率30〜80%でハニカムに充填されていることを特徴とする排気浄化装置。
  3. 請求項1に記載された排気浄化装置において、
    前記硫黄分吸収材料は繊維状または粒状であることを特徴とする排気浄化装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載された排気浄化装置において、
    二酸化硫黄を三酸化硫黄に酸化する酸化触媒を有することを特徴とする排気浄化装置。
  5. 請求項4に記載された排気浄化装置において、
    前記酸化触媒は前記硫黄分吸収材料の排気の上流側に設置されていることを特徴とする排気浄化装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載された排気浄化装置において、
    前記内燃機関はディーゼル機関であることを特徴とする排気浄化装置。
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