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JP2007291927A - エンジンの冷却装置 - Google Patents

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JP2007291927A
JP2007291927A JP2006119784A JP2006119784A JP2007291927A JP 2007291927 A JP2007291927 A JP 2007291927A JP 2006119784 A JP2006119784 A JP 2006119784A JP 2006119784 A JP2006119784 A JP 2006119784A JP 2007291927 A JP2007291927 A JP 2007291927A
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cooling
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JP2006119784A
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Eisaku Ebisu
英策 胡子
Eiji Nishimura
栄持 西村
Shigeki Hiramatsu
繁喜 平松
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Mazda Motor Corp
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Mazda Motor Corp
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Abstract

【課題】エンジンの冷却性能を損なうことなく、より簡易な構成でエンジン冷間時における潤滑油の早期昇温を図り得るエンジンの冷却装置を提供すること。
【解決手段】エンジン内へ冷却水を圧送するウォータポンプと、前記エンジン内を流通した冷却水をラジエータを介して前記ウォータポンプへ導くラジエータ用通路と、前記エンジン内を流通した冷却水を前記ウォータポンプへ導くバイパス通路と、前記エンジン内を流通した冷却水を前記エンジンに供給される潤滑油と前記冷却水との熱交換を行なう熱交換器を介して前記ウォータポンプへ導く熱交換器用通路と、前記ラジエータ用通路を開閉するワックス型のサーモスタットと、を備えたエンジンの冷却装置において、前記バイパス通路内の冷却水の圧力に応じて前記バイパス通路を開閉するリリーフ弁と、前記バイパス通路内の冷却水の一部を前記サーモスタットの感温部へ導くサーモスタット用通路と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明はエンジンの冷却系統に関し、特に、潤滑油の油温調整に関するものである。
水冷式エンジンではエンジンを流通した冷却水の水温が所定温度に達すると冷却水をラジエータに導く一方、所定温度に達しない場合はラジエータを介さずにバイパス通路を通してウォータポンプへ戻すことにより冷却水の水温管理がなされている。ウォータポンプへの冷却水の還流経路は一般にワックス型のサーモスタットにより切り換えられる。このサーモスタットは温度変化により膨張・収縮するワックスを内蔵し、このワックスの膨張・収縮により弁を開閉する。そして、エンジンを流通した冷却水をワックスを内蔵する感温部へ流すことにより、冷却水の水温に応じてサーモスタットの開閉を行い、感温部には一般にバイパス通路を通過した冷却水が流される。
一方、一般にエンジンの冷却水と潤滑油とは熱交換器(オイルクーラ又はオイルウォーマ)を介して互いに温度調整がなされており、暖機運転時等、エンジンの冷間時には冷却水は潤滑油を早期に昇温させる媒体として機能する。潤滑油は油温の上昇に伴いその粘度が低下するため、潤滑油の早期昇温は潤滑対象である摺動部品の摩擦抵抗を早期に低減し、自動車の燃費向上に貢献する。つまり、エンジンの冷間時に冷却水の早期昇温を図ることにより、潤滑油の早期昇温が図られ、自動車の燃費向上が図られることになる。
特許文献1にはオイルクーラへの冷却水の通路を切り換え、暖機運転時にはエンジンを流通して加温されて冷却水をオイルクーラへ供給して潤滑油の昇温を促進し、暖機完了後にはエンジンを流通する前の冷却水をオイルクーラへ供給して潤滑油の昇温を抑制する装置が開示されている。
特開2001−271644号公報
しかし、特許文献1の装置では3方向弁を複数必要とすると共にその電子制御も必要となる。従って、エンジンの冷却系統が複雑化し、コストがかかる。
本発明の目的は、エンジンの冷却性能を損なうことなく、より簡易な構成でエンジン冷間時における潤滑油の早期昇温を図り得るエンジンの冷却装置を提供することにある。
本発明によれば、エンジン内へ冷却水を圧送するウォータポンプと、前記エンジン内を流通した冷却水をラジエータを介して前記ウォータポンプへ導くラジエータ用通路と、前記エンジン内を流通した冷却水を前記ウォータポンプへ導くバイパス通路と、前記エンジン内を流通した冷却水を前記エンジンに供給される潤滑油と前記冷却水との熱交換を行なう熱交換器を介して前記ウォータポンプへ導く熱交換器用通路と、前記ラジエータ用通路を開閉するワックス型のサーモスタットと、を備えたエンジンの冷却装置において、前記バイパス通路内の冷却水の圧力に応じて前記バイパス通路を開閉するリリーフ弁と、前記バイパス通路内の冷却水の一部を前記サーモスタットの感温部へ導くサーモスタット用通路と、を備えたことを特徴とするエンジンの冷却装置が提供される。
本発明のエンジンの冷却装置では、前記サーモスタットの働きによりエンジンの冷間時のように冷却水の水温が低い場合には冷却水が前記ラジエータに流れず、その昇温が図られる。また、前記リリーフ弁の働きにより、エンジンの冷間時のように冷却水の圧力が低い場合には前記バイパス通路が閉鎖され、前記熱交換器に流れる冷却水の流量が増量する。これにより、潤滑油の早期昇温を図ることができる。
また、前記サーモスタットが閉鎖している際に冷却水の圧力が上昇した場合には前記リリール弁の働きにより前記バイパス通路が開放され、冷却水の水流抵抗が増大することが防止される。前記サーモスタット用通路を設けたことにより、冷却水が所定の温度に達すると前記サーモスタットが開放して冷却水が前記ラジエータに流れ、冷却水及び潤滑油の温度上昇が抑制される。従って、エンジンの冷却性能が維持される。更に、従来の冷却装置と比較すると前記リリーフ弁及び前記サーモスタット用通路の追加という簡単な構成で上記効果が得られる。
従って、エンジンの冷却性能を損なうことなく、より簡易な構成でエンジン冷間時における潤滑油の早期昇温を図ることができる。
本発明においては、前記エンジン内に形成され、前記熱交換器用通路の出口と、前記ウォータポンプとに連通した、冷却水の還流室を有し、前記還流室は前記サーモスタットの収容部を有し、前記熱交換器用通路の出口は、前記サーモスタットの前記感温部よりも前記ウォータポンプ側に配設されている構成を採用することができる。この構成によれば、前記熱交換器用通路を流れる冷却水が前記サーモスタットの前記感温部へ流れるとは限らないが、本発明では、前記サーモスタット用通路を設けたことにより、前記サーモスタットの前記感温部への冷却水流が確保される。つまり、前記感温部への冷却水流を考慮することなく前記熱交換器用通路の出口を前記サーモスタットの前記感温部よりも前記ウォータポンプ側に配設することができ、設計の自由度が向上する。
また、本発明においては、前記バイパス通路の出口が前記還流室に連通し、前記リリーフ弁が、前記サーモスタットのワックスの膨張・収縮により可動する、前記サーモスタットの可動軸に配設され、かつ、前記バイパス通路の出口を開放可能に閉鎖する弁体を有し、前記サーモスタット用通路は、前記弁体により閉鎖された前記バイパス通路の出口から前記バイパス通路内の冷却水を前記感温部へ漏出させる通路である構成を採用することができる。この構成によれば、前記サーモスタットと前記リリーフ弁とがユニット化され、組付け性を向上することができる。また、前記サーモスタット用通路を上記構成とすることで前記サーモスタットの前記感温部に対して冷却水を前記バイパス通路から最短距離で供給できる。
また、本発明においては、前記サーモスタット用通路は、前記弁体に形成されている構成を採用できる。この構成によれば、前記エンジンの壁体を加工することなく前記サーモスタット用通路を形成することができ、更に、前記弁体に前記サーモスタット用通路を形成することで、組付け性を向上することができる。
この場合、前記サーモスタット用通路は、前記可動軸と同心円上で等ピッチで前記弁体に形成された複数の孔である構成を採用することができる。この構成によれば、前記サーモスタット用通路が閉塞して前記サーモスタットの前記感温部へ冷却水が供給されない事態を回避し、冷却水をより確実に前記感温部へ送り込むことができる。
また、本発明においては、前記サーモスタット用通路は、前記弁体と当接する前記バイパス通路の出口端面に形成された切り欠きである構成を採用することができる。この構成によれば、最小限の加工で前記サーモスタット用通路を形成することができる。
また、本発明においては、前記熱交換器用通路は、その出口が前記還流室の上壁に形成され、当該出口から上方へ延びて前記エンジンの壁部を貫通する部分を有する構成を採用することができる。この構成によれば、前記熱交換器用通路の配設に要される前記エンジンの壁部の加工性を向上することができる。
また、本発明においては、前記エンジン内を流通した冷却水をヒータを介して前記ウォータポンプへ導くヒータ用通路を備えた構成を採用することができる。この構成によれば、エンジンの冷間時のように冷却水の圧力が低い場合には前記バイパス通路が閉鎖され、前記熱交換器と共に前記ヒータに流れる冷却水の流量が増量し、客室内の早期温暖化が図れる。
また、本発明においては、前記エンジン内を流通した冷却水をヒータを介して前記ウォータポンプへ導くヒータ用通路を備え、前記ヒータ用通路の出口は、前記還流室に連通し、かつ、前記サーモスタットの前記感温部よりも前記ウォータポンプ側に配設されている構成を採用できる。客室内の早期温暖化を図ると共に、前記ヒータにて熱交換されて温度が低下した冷却水が前記サーモスタットの前記感温部に流れ込むことを防止できる。
また、本発明においては、前記バイパス通路が前記エンジンの壁部内に形成されると共に、前記潤滑油の通路と平行かつ隣接した部分を有する構成を採用することができる。この構成によれば、前記熱交換器に加えて、通路間での冷却水と潤滑油との熱交換が図れ、エンジンの冷間時において前記潤滑油の早期昇温を促進することができる。
以上述べた通り、本発明によれば、エンジンの冷却性能を損なうことなく、より簡易な構成でエンジン冷間時における潤滑油の早期昇温を図り得るエンジンの冷却装置を提供することができる。
図1は本発明の一実施形態に係るエンジンの冷却装置Aのブロック図である。冷却装置Aはエンジン100内へ冷却水を循環的に圧送するウォータポンプ1を備える。ウォータポンプ1はエンジン100のクランク軸に動力伝達機構を介して接続され、クランク軸の回転により作動する。従って、エンジン100が高温となるその高回転時にはウォータポンプ1により圧送される冷却水の流量が増大してエンジン100の冷却性能が向上される。
ウォータポンプ1により圧送される冷却水はシリンダブロック内のウォータジャケット100aやシリンダヘッド内の冷却水路100b等、エンジン100内を通過し、エンジン100内の冷却対象部位を冷却する。冷却装置Aはエンジン100内を流通した冷却水をラジエータ10を介してウォータポンプ1へ導くラジエータ用通路2を備える。ラジエータ10は自動車の走行風と冷却水との熱交換を行い、冷却水を冷却するための装置である。
ラジエータ用通路2の出口にはラジエータ用通路2を開閉するワックス型のサーモスタット3が配設されている。サーモスタット3が開弁すると、ラジエータ用通路2内の冷却水がエンジン100内に形成された還流室20を介してウォータポンプ1へ流れ込むことになる。サーモスタット3が閉弁している場合にはラジエータ用通路2内の冷却水はサーモスタット3によりせき止められ、ウォータポンプ1へは流れ込まない。
冷却装置Aはエンジン100内を流通した冷却水をウォータポンプ1へ導くバイパス通路4を備える。本実施形態の場合、バイパス通路4はエンジン100の内部に形成されるが、その一部はエンジン100の外部の配管により形成してもよい。バイパス通路4の出口にはリリーフ弁5が配設されている。リリーフ弁5はバイパス通路4内の冷却水の圧力に応じてバイパス通路4を開閉する。より詳細にはバイパス通路4内の冷却水の圧力と還流室20内の冷却水の圧力との差圧により開閉する。
リリーフ弁5が開弁するとバイパス通路4内の冷却水が還流室20を介してウォータポンプ1へ流れ込むことになる。リリーフ弁5が閉弁している場合にはバイパス通路4内の冷却水はウォータポンプ1へは流れ込まない。但し、後述するサーモスタット用通路5を介して少量の冷却水はウォータポンプ1へ流れ込む。リリーフ弁5はサーモスタット3の閉弁時にエンジン100が高回転となって冷却水の水圧が高くなった場合に開弁するように設定される。従って、暖機運転時のようにエンジン100の回転数が低く、かつ、冷却水の水温が低い場合はリリーフ弁5は閉弁状態となる。
冷却装置Aはエンジン100内を流通した冷却水をエンジン100に供給される潤滑油と冷却水との熱交換を行なう熱交換器11を介してウォータポンプ1へ導く熱交換器用通路6を備える。なお、本実施形態では熱交換器用通路6の途中にスロットル12も配設されている。熱交換器11はオイルギャラリー100c等を通過してエンジン100に循環される潤滑油と、熱交換器用通路6を流れる冷却水との熱交換を行なう。スロットル12はエンジン100の吸気量を調整するためのものであり、熱交換器用通路6を流れる、温まった冷却水はその凍結防止や、アイドリング時の自動開度調整のために用いられる。
冷却装置Aはエンジン100内を流通した冷却水をヒータ13を介してウォータポンプ1へ導くヒータ用通路7を備える。ヒータ13はヒータ用通路7を流れる、温まった冷却水と空気との熱交換を行い、自動車の客室内に温風を供給してその空調を行なうものである。ヒータ用通路7には破線で示すように制御弁14を設けることもできる。制御弁14はヒータ用通路7内の冷却水の流通を規制する規制手段として機能する。その作用は後述する。
冷却装置Aはバイパス通路4内の冷却水の一部をサーモスタット3の感温部へ導くサーモスタット用通路8を備える。本実施形態ではバイパス通路4がリリーフ弁5により閉鎖されるため、冷却水の水温にてサーモスタット3を開閉させるべく、その感温部へエンジン100内を流通した冷却水を供給する必要がある。そこで、本実施形態ではエンジン100内を流通した、バイパス通路4内の冷却水の一部をサーモスタット用通路8によりサーモスタット3へ導くようにしている。
次に、冷却装置Aの動作について図2乃至4を参照して説明する。図2は暖機運転時(エンジン100始動時、かつ、低回転時)の冷却装置Aの動作説明図である。暖機運転時においては、冷却水の水温が低く、サーモスタット3は閉弁状態にある。従って、ラジエータ用通路2には冷却水が流れない。また、エンジン100が低回転時の場合、リリーフ弁5も閉弁状態にある。従って、エンジン100内を流通した冷却水はバイパス通路4にはほとんど流れず、サーモスタット用通路8を流れる少量の冷却水がバイパス通路4を流れることになる。従って、エンジン100内を流通した冷却水は熱交換器用通路6及びヒータ用通路7を流れてウォータポンプ1へ還流する。
次に、図3は暖機運転完了後の冷却装置Aの動作説明図である。冷却水の水温がサーモスタット3の開弁開始温度(80度程度)に達すると、サーモスタット用通路8からサーモスタット3の感温部へ流れる冷却水の水温が感温部に作用してサーモスタット3が開弁状態となる。従って、エンジン100内を流通した冷却水はラジエータ用通路2、熱交換器用通路6及びヒータ用通路7を流れてウォータポンプ1へ還流する。ラジエータ10を冷却水が通過することにより、冷却水の水温上昇が抑制される。なお、サーモスタット3が開弁状態になると、還流室20とバイパス通路4との間で冷却水の水圧の差が小さくなるので、エンジン100の回転数に関わらず、リリーフ弁5は開弁しない。よって、エンジン100内を流通した冷却水はバイパス通路4にはほとんど流れず、サーモスタット用通路8を流れる少量の冷却水がバイパス通路4を流れることになる。
次に、図4は暖機運転時において、エンジン100が高回転になった場合の冷却装置Aの動作説明図である。この場合、冷却水が低温なのでサーモスタット3は閉弁状態にあり、ラジエータ用通路2には冷却水が流れない。エンジン100が高回転の場合、ウォータポンプ1から吐出される冷却水の流量が増加するので、還流室20とバイパス通路4との間で冷却水の水圧の差が大きくなる。これによりリリーフ弁5が開弁し、エンジン100内を流通した冷却水はバイパス通路4、熱交換器用通路6及びヒータ用通路7を流れてウォータポンプ1へ還流することになる。
このように冷却装置Aでは、サーモスタット3の働きによりエンジン100の冷間時のように冷却水の水温が低い場合には冷却水がラジエータ10に流れず、その昇温が図られる。また、リリーフ弁5の働きにより、エンジン100の冷間時のように冷却水の圧力が低い場合にはバイパス通路4が閉鎖され、熱交換器11に流れる冷却水の流量が増量する(図2)。これにより、潤滑油の早期昇温を図ることができる。
図9は暖機運転時における冷却水と潤滑油との温度の変化を示す図である。同図に示すように、冷却水と潤滑油とでは冷却水の温度の方が先に上昇する。冷却水がサーモスタット3の開弁開始温度に達すると、ラジエータ10の働きにより冷却水が冷却され、その温度上昇が抑制され、潤滑油の温度の方が高くなる。両者の温度が逆転するまでの間、熱交換器11はオイルウォーマとして機能し、逆転した後はオイルクーラとして機能する。そして、本実施形態では、サーモスタット3の開弁開始温度に達するまで、熱交換器11に流れる冷却水の流量が増量するので(図2)、その間における潤滑油の早期昇温が図れる。
また、サーモスタット3が閉鎖している際に冷却水の圧力が上昇した場合にはリリール弁5の働きによりバイパス通路4が開放され(図4)、冷却水の水流抵抗が増大することが防止される。また、サーモスタット用通路8を設けたことにより、冷却水が所定の温度(開弁開始温度)に達するとサーモスタット3が開放して冷却水がラジエータ10に流れ、冷却水及び潤滑油の温度上昇が抑制される。従って、エンジン100の冷却性能が維持される。更に、従来の冷却装置と比較するとリリーフ弁5及びサーモスタット用通路8の追加という簡単な構成で上記効果が得られる。従って、エンジン100の冷却性能を損なうことなく、より簡易な構成でエンジン100の冷間時における潤滑油の早期昇温を図ることができる。
また、冷却装置Aではヒータ用通路7を備えたことにより、エンジン100の暖機運転時(図2)のような冷間時の場合には、熱交換器11と共にヒータ13に流れる冷却水の流量が増量し、客室内の早期温暖化が図れる。なお、ヒータ用通路7の出口はサーモスタット3よりもウォータポンプ1側において還流室20に配設されている(図1)。このため、ヒータ13にて熱交換されて温度が低下した冷却水がサーモスタット3の感温部に流れ込むことを防止できる。つまり、冷却水が開弁開始温度に達しているにも関わらず、サーモスタット3の開弁開始が遅延することを防止でき、エンジン100の冷却性能を維持できる。
なお、図1乃至図4にて示すように制御弁14を設けた場合、制御弁14は、冷却水が、サーモスタット3の開弁開始温度よりも低い、予め定めた温度(例えば40度程度)に達するまでヒータ用通路7内の冷却水の流通を規制(流量減少又は閉弁)するようにすることが望ましい。この構成によれば、ヒータ13の効きが悪い、冷却水が低温時の場合にはヒータ用通路7内の冷却水の流通を規制して、冷却水の早期昇温を図り、もって潤滑油の早期昇温を図ることができる。同時にヒータ13から加温されていない空気が客室内に送出されることを防止することにもなる。
また、冷却装置Aでは図1に示すように、バイパス通路4がエンジン100の壁部内に形成されると共に、潤滑油の通路(オイルギャラリー100c)と平行かつ隣接した部分を有することが望ましい。冷却装置Aではエンジン100の冷間時(図1)においても、少量の冷却水がバイパス通路4を流通する。このため、この構成を採用すれば、熱交換器11に加えて、エンジン100の壁部を介して通路4、100c間での冷却水と潤滑油との熱交換が図れ、エンジンの冷間時において潤滑油の早期昇温を促進することができる。
次に、冷却装置Aの具体的な適用例について説明する。図5は冷却装置Aを適用したエンジン100の要部を示すシリンダブロックの部分側面図、図6は図5の線I−Iに沿う要部断面図、図7は図5の線II−IIに沿う一部断面図(シリンダブロックの後端面図)である。本例ではシリンダブロック110の後端面にウォータポンプ1が取り付けられ、また、サーモスタット3がシリンダブロック110の側部に取り付けられている。
還流室20はウォータポンプ1に連通している。還流室20内に流入した冷却水はウォータポンプ1により吸い込まれ、シリンダブロック110の後端面から形成された通路110a(図7)からシリンダブロック110内へ圧送されることになる。還流室20はウォータポンプ1と反対側の端部にサーモスタット3の収容部を形成している。この収容部には、サーモスタット3を覆うカバー部材120が取り付けられており、密閉されている。
図6に示すようにサーモスタット3はワックスを内蔵した感温部3aが一体に形成された可動軸3bと、可動軸3bに固定された弁体3cと、可動軸3bの後端に挿通されたシャフト3dと、可動軸3bを閉弁方向に付勢するスプリング3eと、を備える。そして、感温部3aの周囲温度の変化により感温部3aに内蔵されたワックスが膨張、収縮する。
図6に示すように、感温部3aが開弁開始温度に達するまでは弁体3cが閉弁状態にあり、開弁開始温度に達すると、ワックスの膨張によりシャフト3dが押し上げられる。シャフト3dはサーモスタット3のケースに固定されているため、可動軸3bが図6の上方に移動し、弁体3cが開弁状態となる。再び感温部3aが開弁開始温度より冷やされるとワックスが収縮し、スプリング3eの付勢力により図6の閉弁状態に戻ることになる。
リリーフ弁5は弁体5aとスプリング5bとからなり、サーモスタット3の可動軸3bの先端部に配設されている。この構成によれば、サーモスタット3とリリーフ弁5とがユニット化され、組付け性を向上することができる。バイパス通路4の出口4aは可動軸3bの先端部へ向けて開口しており、還流室20に連通しているが、弁体5aにより閉鎖されている。スプリング5bは弁体5aを出口4aが閉鎖される方向に常時付勢している。バイパス通路4の出口4aは可動軸3bの軸線と略同軸線上に形成されており、カバー部材120に対峙する位置にある。

熱交換器用通路6は、その出口6aが還流室20の上壁に形成されて還流室20と連通している。図6は出口6aの平面視での位置を破線で示している。熱交換用通路6はこの出口6aから上方へ延びてシリンダブロック110の壁部を貫通し、図5に示すように外部配管部分(6)がその貫通孔の上部に接続されている。この構成によれば、熱交換器用通路6の配設に要されるシリンダブロック110の壁部の加工性を向上することができる。つまり、出口6aからの通路部分が上方に延びることでシリンダブロック110の射抜き方向とこの通路の射抜き方向とが一致し、鋳造成型の場合に加工性がよい。更に、出口6aからの通路部分を貫通孔としていることで機械加工にも適している。
図6に示すように熱交換器用通路6の出口6aは、サーモスタット3の感温部3aよりもウォータポンプ1側に配設されている。この構成によれば、熱交換器用通路6を流れる冷却水がサーモスタット3の感温部3aへ流れるとは限らないが、本実施形態ではサーモスタット用通路8を設けたことにより、サーモスタット3の感温部3aへの冷却水流が確保される。つまり、感温部3aへの冷却水流を考慮することなく熱交換器用通路6の出口6aを感温部3aよりもウォータポンプ1側に配設することができ、設計の自由度が向上する。
また、ヒータ用通路7も還流室20に連通し、その出口7aはサーモスタット3の感温部3aよりもウォータポンプ側1に配設されている。この構成もヒータ用通路7の設計の自由度向上に役立つ他、ヒータ13にて熱交換されて温度が低下した冷却水がサーモスタット3の感温部3aに流れ込むことを防止できる。
ラジエータ用通路2は外部配管(ラジエータホース)の形式でカバー部材120に接続され、サーモスタット3を介して還流室20に連通している。この構成によれば、ラジエータ用通路2の一部をシリンダブロック110の壁体に形成しないという点で、サーモスタット3周辺の通路の取り回しを簡略化することができる。
次に、本例においてサーモスタット用通路8は弁体5aにより閉鎖されたバイパス通路4の出口4aからバイパス通路4内の冷却水を感温部3aへ漏出させる通路として構成されている。この構成によれば、サーモスタット3の感温部3aに対して冷却水をバイパス通路4から最短距離で供給できる。図8(a)及び(b)はサーモスタット用通路8の説明図である。
図8(a)及び(b)の例ではサーモスタット用通路8は、弁体5aに孔として形成されている。この構成によれば、シリンダブロック110の壁体を加工することなくサーモスタット用通路8を形成することができ、更に、弁体5aにサーモスタット用通路8を形成することで、リリーフ弁5の組付けにより、サーモスタット用通路8が形成されることになり、組付け性を向上することができる。しかして、バイパス通路4内の冷却水はこの孔8を介して還流室20内へ流入し、感温部3aに接触することになる。
図8(b)に示すように孔8は複数形成されており、可動軸3aと同心円上で等ピッチで弁体5aに形成されている。この構成によれば、冷却水中のごみ等によりいずれかのサーモスタット用通路8が閉塞しても他のサーモスタット用通路8によりサーモスタット3の感温部3aへ冷却水を確実に送り込むことができ、感温部3aに冷却水が供給されない事態を回避することができる。
図8(c)はサーモスタット用通路8の他の例を示しており、弁体5aと当接するバイパス通路4の出口4aを規定する壁部の端面に切り欠きとして形成されている。この例においても、バイパス通路4内の冷却水はこの切り欠き8を介して還流室20内へ流入し、感温部3aに接触することになる。この構成によれば、最小限の加工でサーモスタット用通路8を形成することができる。切り欠き8は同図の例のように感温部3aから見てウォータポンプ1と反対側の位置に形成されると感温部3aへ冷却水が流れ易くなる。
本発明の一実施形態に係るエンジンの冷却装置Aのブロック図である。 冷却装置Aの動作説明図である。 冷却装置Aの動作説明図である。 冷却装置Aの動作説明図である。 冷却装置Aを適用したエンジン100の要部を示すシリンダブロックの部分側面図である。 図5の線I−Iに沿う要部断面図である。 図5の線II−IIに沿う一部断面図(シリンダブロックの後端面図)である。 (a)及び(b)はサーモスタット用通路8の説明図、(c)はサーモスタット用通路8の他の例の説明図である。 暖機運転時における冷却水と潤滑油との温度の変化を示す図である。
符号の説明
A 冷却装置
1 ウォータポンプ
2 ラジエータ用通路
3 サーモスタット
4 バイパス通路
5 リリーフ弁
6 熱交換器用通路
7 ヒータ用通路
8 サーモスタット用通路
10 ラジエータ
11 熱交換器
13 ヒータ

Claims (10)

  1. エンジン内へ冷却水を圧送するウォータポンプと、
    前記エンジン内を流通した冷却水をラジエータを介して前記ウォータポンプへ導くラジエータ用通路と、
    前記エンジン内を流通した冷却水を前記ウォータポンプへ導くバイパス通路と、
    前記エンジン内を流通した冷却水を前記エンジンに供給される潤滑油と前記冷却水との熱交換を行なう熱交換器を介して前記ウォータポンプへ導く熱交換器用通路と、
    前記ラジエータ用通路を開閉するワックス型のサーモスタットと、
    を備えたエンジンの冷却装置において、
    前記バイパス通路内の冷却水の圧力に応じて前記バイパス通路を開閉するリリーフ弁と、
    前記バイパス通路内の冷却水の一部を前記サーモスタットの感温部へ導くサーモスタット用通路と、
    を備えたことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  2. 前記エンジン内に形成され、前記熱交換器用通路の出口と、前記ウォータポンプとに連通した、冷却水の還流室を有し、
    前記還流室は前記サーモスタットの収容部を有し、
    前記熱交換器用通路の出口は、前記サーモスタットの前記感温部よりも前記ウォータポンプ側に配設されていることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの冷却装置。
  3. 前記バイパス通路の出口が前記還流室に連通し、
    前記リリーフ弁が、前記サーモスタットのワックスの膨張・収縮により可動する、前記サーモスタットの可動軸に配設され、かつ、前記バイパス通路の出口を開放可能に閉鎖する弁体を有し、
    前記サーモスタット用通路は、前記弁体により閉鎖された前記バイパス通路の出口から前記バイパス通路内の冷却水を前記感温部へ漏出させる通路であることを特徴とする請求項2に記載のエンジンの冷却装置。
  4. 前記サーモスタット用通路は、前記弁体に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のエンジンの冷却装置。
  5. 前記サーモスタット用通路は、前記可動軸と同心円上で等ピッチで前記弁体に形成された複数の孔であることを特徴とする請求項4に記載のエンジンの冷却装置。
  6. 前記サーモスタット用通路は、前記弁体と当接する前記バイパス通路の出口端面に形成された切り欠きであることを特緒とする請求項3に記載のエンジンの冷却装置。
  7. 前記熱交換器用通路は、その出口が前記還流室の上壁に形成され、当該出口から上方へ延びて前記エンジンの壁部を貫通する部分を有することを特徴とする請求項2に記載のエンジンの冷却装置。
  8. 前記エンジン内を流通した冷却水をヒータを介して前記ウォータポンプへ導くヒータ用通路を備えたことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの冷却装置。
  9. 前記エンジン内を流通した冷却水をヒータを介して前記ウォータポンプへ導くヒータ用通路を備え、
    前記ヒータ用通路の出口は、前記還流室に連通し、かつ、前記サーモスタットの前記感温部よりも前記ウォータポンプ側に配設されていることを特徴とする請求項2に記載のエンジンの冷却装置。
  10. 前記バイパス通路が前記エンジンの壁部内に形成されると共に、前記潤滑油の通路と平行かつ隣接した部分を有することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの冷却装置。
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