JP2007284973A - 煉瓦積み建築物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 煉瓦積み建築物1のとくに壁部分に耐震性を付与すること
【解決手段】木造建築物1であって、壁3が壁構造材5と、該壁構造材5の外側に間隔をあけて基礎13に立設される複数の縦筋9と、最下段の煉瓦8が基礎13に固着されるとともに縦筋9が挿通される煉瓦8を含め多数の煉瓦8を積み上げてなる面状煉瓦体7と、壁構造材5の適宜箇所に固着される複数の控金具15と、該控金具15に支承される複数の横筋11とからなる。横筋11は縦筋9の外側に連係して配設され、壁構造材5と面状煉瓦体7との間に一定の間隙からなる通気層19を設け、該通気層19を基礎13と1階床23との間に設ける床下空間22に連通させ、外気を通気層19及び床下空間22に流通させる。
【選択図】 図2
【解決手段】木造建築物1であって、壁3が壁構造材5と、該壁構造材5の外側に間隔をあけて基礎13に立設される複数の縦筋9と、最下段の煉瓦8が基礎13に固着されるとともに縦筋9が挿通される煉瓦8を含め多数の煉瓦8を積み上げてなる面状煉瓦体7と、壁構造材5の適宜箇所に固着される複数の控金具15と、該控金具15に支承される複数の横筋11とからなる。横筋11は縦筋9の外側に連係して配設され、壁構造材5と面状煉瓦体7との間に一定の間隙からなる通気層19を設け、該通気層19を基礎13と1階床23との間に設ける床下空間22に連通させ、外気を通気層19及び床下空間22に流通させる。
【選択図】 図2
Description
本願発明は煉瓦を用いた木造建築物に関し、とくにその外壁部分を改良した煉瓦積み建築物に関する。
煉瓦積み建築物は、夏期に涼しく冬期に暖かいと言われており、住環境の快適化に相応しいようにみえる。
また、煉瓦は長年月経過後も質感や色合いが褪せず逆に重厚感や雰囲気が醸成されるため、外国では人気となっている。
ところで木造建築物の外壁に煉瓦を施工する場合、従来は図8に示すように、煉瓦108を薄くスライスし、このスライスした煉瓦108を壁103を構成する構造用合板105に圧着していた。図中、108aはモルタルである。
しかしながら、我国のような地震多発国においては、このような構造の煉瓦積み建築物では耐震性の問題があるため普及していないのが現実である。
その理由として、このような構造の煉瓦積み建築物では積み上げられる煉瓦108の全荷重を木造の壁103が負担していること、積み上げられる煉瓦108の荷重により木造の壁103に外側方向及び鉛直方向への力が発生すること、よって地震時の揺れや振動によりモルタル108aが剥離したりあるいはモルタル108aごと木造の壁103が剥離し、これにより煉瓦108の倒壊が起こることによると考えられている。
また従来は木造の壁103と煉瓦108がモルタル108aにより直接貼着されていたため、木造の壁103の乾燥化が困難であり、このため木造の壁103が腐朽しやすい。木造の壁103が腐朽すれば、地震時の揺れや振動により壁面ごと煉瓦108の倒壊が起こり易くなる。
そこで特許文献1に挙げる煉瓦積み建築物が提案されている。
特許第3686346号特許公報
これは、煉瓦製の外壁と柱との間に断熱材を設け、該断熱材と煉瓦製外壁との間に間隙を設けて該断熱材を柱に固定する外張り断熱構造及びその施工方法である。
しかしながら、特許文献1の建物は上記間隙を設けるために板状材をベタ基礎の上面まで隙間なく立設し、ベタ基礎の耐圧盤部分を土台の位置まで上げて床下空間がない。このため、べた基礎のコンクリートから発生する水分が断熱材の影響で室内側にのみ出てくることになり、土台及びフローリングなどの仕上材を腐らせる原因になる。
また壁の断熱材が室外側にある外断熱工法であるため、断熱材を固定する金具が断熱材を貫通し、該金具が室内側にある柱に直接固着される。このため、この金具が貫通される部分の断熱材を切損せしめるだけでなく、該金具を介して外部の熱が伝導される、いわゆる熱橋現象(ヒートブリッジ)を生ぜしめ、これにより室内側で結露が発生し木材等を腐朽させる原因となる。この結露は発生位置が壁内であるため発見が遅れるおそれがあり、この場合腐朽が悪化し建物の耐久性、耐震性に影響を与えることになる。
そこで本願発明の解決しようとする課題は、地震時の揺れや振動により煉瓦からなる壁面が倒壊しない煉瓦積み建築物を供することにある。
また本願発明の他の課題は、壁面を構成する壁構造材を乾燥させて腐朽化を防止することであり、これによっても煉瓦積み建築物に耐震性を付与することにある。
上記目的達成のため、本願発明による煉瓦積み建築物は、木造建築物において、壁を構成する壁構造材と、該壁構造材の外側に間隔をあけて基礎に立設される複数の縦筋と、最下段の煉瓦が基礎に固着されるとともに上記縦筋が挿通される煉瓦を含め多数の煉瓦を積み上げてなる面状煉瓦体と、上記壁構造材の適宜箇所に固着される複数の控金具と、該控金具に支承される複数の横筋とからなり、上記横筋は上記縦筋の外側に連係して配設され、上記壁構造材と上記面状煉瓦体との間に一定の間隙からなる通気層を設け、該通気層を上記基礎と1階床との間に設ける床下空間に連通させ、外気を上記通気層及び床下空間に流通させることを特徴とする。
また、請求項1記載の煉瓦積み建築物において、上記基礎の立上り部に床下換気口を設け該床下換気口に対応する部位の面状煉瓦体に開口部を設けることを特徴とする。
また、請求項1記載の煉瓦積み建築物において、上記壁構造材は断熱材を内蔵することを特徴とする。
また、請求項1記載の煉瓦積み建築物において、上記面状煉瓦体の目地の一部に通気用スリットを設けることを特徴とする。
また、請求項4記載の煉瓦積み建築物において、上記通気用スリットが縦目地の一部に形成されることを特徴とする。
また、請求項5記載の煉瓦積み建築物において、上記通気用スリットが下から2段目の縦目地に設けられることを特徴とする。
また、請求項6記載の煉瓦積み建築物において、上記通気用スリットが1本おきの縦目地に設けられることを特徴とする。
また、請求項1記載の煉瓦積み建築物において、上記横筋及び上記控金具は上記面状煉瓦体の目地の中に埋設されることを特徴とする。
また、請求項1記載の煉瓦積み建築物において、上記基礎の立上り部に床下換気口を設け該床下換気口に対応する部位の面状煉瓦体に開口部を設けることを特徴とする。
また、請求項1記載の煉瓦積み建築物において、上記壁構造材は断熱材を内蔵することを特徴とする。
また、請求項1記載の煉瓦積み建築物において、上記面状煉瓦体の目地の一部に通気用スリットを設けることを特徴とする。
また、請求項4記載の煉瓦積み建築物において、上記通気用スリットが縦目地の一部に形成されることを特徴とする。
また、請求項5記載の煉瓦積み建築物において、上記通気用スリットが下から2段目の縦目地に設けられることを特徴とする。
また、請求項6記載の煉瓦積み建築物において、上記通気用スリットが1本おきの縦目地に設けられることを特徴とする。
また、請求項1記載の煉瓦積み建築物において、上記横筋及び上記控金具は上記面状煉瓦体の目地の中に埋設されることを特徴とする。
地震時の揺れや振動により水平方向に力が加わると、面状煉瓦体は内部の縦筋が横筋により抑えられるので外方向への移動を制限される。該横筋は壁構造材に固着された控金具に挟み込まれており、面状煉瓦体と壁構造材とは一体化している。このため横筋の移動が壁構造材に伝達され、面状煉瓦体は壁構造材と同一の方向に揺れる。よって地震時の揺れや振動を建物全体で支持するので壁面の煉瓦の倒壊を防止することができる。
また壁構造材と面状煉瓦体との間には一定の間隙からなる通気層が設けられており、該通気層を基礎と1階床との間に設ける床下空間に連通させ、外気を上記通気層及び床下空間に流通させるため、壁構造材が常時乾燥状態となる。よって壁構造材の腐朽が防止されるので、壁構造材に支持される面状煉瓦体の倒壊を防止し、耐震性のある煉瓦積み建築物とすることができる。
次に、実施の形態を示す図面に基づき本願発明による煉瓦積み建築物をさらに詳しく説明する。なお、便宜上同一の機能を奏する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図1乃至図6は本願発明による煉瓦積み建築物1を木造建築物に適用した場合である。木造建築物とは柱、梁、壁、床等構造耐力上主要な部分が木造である建築物をいう。1は煉瓦積み建築物であり、3はその壁の部分を示す。壁3を構成する壁構造材5は、所定厚(例えば12.5mm厚)の構造用合板5aと、石膏ボード5bと、所定巾(例えば巾89mm)の縦枠5cと、該縦枠5c間を連結する上枠(図示省略)及び下枠5f(図4に示す)とからなり、該縦枠5cが適宜間隔ごとに配設されて上記上枠及び下枠5fを連結固着する。上記構造用合板5aの外側面には透湿性防水シート5dが貼着される。また上記石膏ボード5bの外側面には防湿気密フィルム5gを入れ、さらに隣接する縦枠5c間には、気密性・断熱性を一層高めるため、硬質ウレタンフォーム又は高性能グラスウールからなる断熱材5eを設ける。
7は壁3を構成する面状煉瓦体である。該面状煉瓦体7は所定厚例えば厚さ70mmの多数の煉瓦8を所定の積方にて積み上げてなり、内部に多数の縦筋9及び多数の横筋11を有する。該縦筋9はコンクリートからなる基礎13に適宜間隔をあけて立設される。各縦筋9は下端部9aをL字状に屈曲して基礎13からの離脱を防止するとともに、上端より面状煉瓦体7を構成する煉瓦8の孔部8aに貫通挿入される。面状煉瓦体7を構成する煉瓦8の積み上げは、図示例の場合、横目地17及び縦目地18が馬踏目地となるように積み上げてある。
15は上記壁構造材5に固着された控金具である。該控金具15は上記構造用合板5aの縦枠5cを配設した部位に、煉瓦8を所定段例えば5段ごとに列状に設置固着する。該控金具15間には水平方向にわたって上記横筋11を載置挟着する。該横筋11は、図2に最適に示すように、上記縦筋9の外側であって、かつ上記縦筋9が該横筋11に当接するように配設され、全体として、縦筋9及び横筋11にて格子状に連絡・連係するように組み上げる。各横筋11は上記面状煉瓦体7のモルタルからなる横目地17の中に埋設される。各目地17、18を構成するモルタルの配合比は本実施例の場合、砂7,セメント2、石灰1の割合である。
19は上記壁構造材5と上記面状煉瓦体7との間に設けられる通気層である。該通気層19は上記控金具15の突設度合いを適宜に規制することにより、層厚を調節する。本例では通気層19の厚さは30mmである。21は通気用スリットであり、上記面状煉瓦体7を構成する下から2段目の縦目地18を1本おきに切欠して設ける。
22は床下空間であり、上記基礎13と構造用合板及び適宜の化粧材からなる1階床23との間に設ける空間からなる。設床下空間22は上記基礎13の立上り部14に設ける床下換気口24を介して上記通気層19に連通する。該床下換気口24は上記立上り部14に設けた開口からなり、この開口に通気層19側の面にメッシュ状開口部24aを設け、反対側の面にワイヤ(図示省略)を上下方向に入れた床下換気ボックスを取り付けてなる。25は面状煉瓦体7に設ける開口部であり、2段目と3段目の煉瓦を隣接する通気用スリット21の幅にて切欠して設ける。25aは該開口部25に設ける傾斜部であり、煉瓦8を傾斜して形成する。かかる開口部25は上記床下換気口24に対応する部位に設ける。
図中、26は該1階床23を支承する床根太、27は上記基礎13の上に固定されて上記床根太25を支承する土台、28は地盤に敷かれる栗石である。
図中、26は該1階床23を支承する床根太、27は上記基礎13の上に固定されて上記床根太25を支承する土台、28は地盤に敷かれる栗石である。
図2を参照して壁3の作製につき説明する。基礎工事において縦筋9を基礎コンクリートの上方より突出した状態で基礎13に立設する。一方、壁構造材5を構成する各材料にて木造壁をつくる。面状煉瓦体7を構成する煉瓦8の孔部8aに上記縦筋9を挿通しながら多数の煉瓦8を所定の積方にて積み上げる。各煉瓦8はモルタルからなる横目地17及び縦目地18にて接着していく。このとき下から2段目の縦目地18については、図2に示すように、1本おきにモルタルを入れないようにして当該箇所に通気用スリット21を形成する。
煉瓦8を積み上げる際、所定段例えば5段積み上げたら5段目に対応する高さの壁構造材5に控金具15を取り付ける。水平方向に控金具15を列状に取り付けた後、一連の該控金具15に横筋11を載置し、控金具15の突状端部15aを折曲げて横筋11を挟着する。これにより該横筋11は一連の控金具15に支承される。図2はかかる状態を示す。次いで次の一群の煉瓦8を5段積み上げ、上記した一連の工程を繰り返していく。図1及び図5は、かくして完成された煉瓦積み建築物1を示す。
地震時の揺れや振動により水平方向に力が加わると、面状煉瓦体7は壁構造材5と同一の方向に揺れるので倒壊が防止される。これは、面状煉瓦体7が縦筋9及び横筋11とにより格子状に連係され面状に支持されていること、壁構造材5と面状煉瓦体7とが一体構造であり、いずれも基礎に支持されていること、壁構造材5と面状煉瓦体7との間に通気層19という間隙があることに由来し、上記3点が次のように有機的に関係することによる。
即ち、地震時の揺れや振動により水平方向に力が加わると、面状煉瓦体7は内部の縦筋9が横筋11により外方向への移動を制限され、また該横筋11が壁構造材5に固着された控金具15に挟み込まれているため、これにより面状煉瓦体7と壁構造材5とは一体化し、面状煉瓦体7は壁構造材5と同一の方向に揺れ地震時の揺れや振動を建物全体で支持するので壁面の煉瓦の倒壊が防止されるのである。
また壁構造材5を乾燥させて腐朽化が防止される。この点を図5及び図6に基づき説明する。面状煉瓦体7の下部には床下換気口24及び通気用スリット21が設けられているため、この床下換気口24及び通気用スリット21より矢印で示す外気A0が流入する。この外気A0は壁構造材5と面状煉瓦体7との間に設けられた通気層19から床下換気口24を通って矢印A1にて示すように床下空間22に流入し、一部は矢印A2にて示すように上進する。床下空間22に流入した外気A0の一部は矢印A3にて示すように反対側の床下換気口24より外部に流出し、他の一部は矢印A4にて示すように通気層19を上進する。この上進した外気A2、A4は屋根との接続部分よりさらに二叉に分岐し、一は矢印A21、A41にて示すように屋根裏29を通って屋根の頂上部から屋外に流出し、他は矢印A22、A42にて示すように軒裏31より屋外に流出する。図5及び図6の右側から流入する外気B0についても上記と同様である。なお、上記空気の流通において、床下換気口24から流入する外気A0、B0は反対側の床下換気口24より流出することが多く、また通気用スリット21から流入する外気A0、B0は矢印A2又は矢印A4にて示すように通気層19を通り上進することが多い。このように壁3内部の通気層19内における外気A0、B0の流通は常時なされているため、壁構造材5は常時乾燥状態にある。
この点を熱伝導との関係を踏まえて説明する。本願発明においては内断熱工法を採用し、断熱材5eは縦枠5c間において構造用合板5aと石膏ボード5bの間、即ち壁構造材5の内部にある。このため図3に最も良く示すように、控金具15を取り付けるための固着具16が断熱材5eを貫通することがない。よって、外界の熱が控金具15を介して伝導される熱橋現象を生ずることがない。冬期においては外部に比し建物内が高温高湿となることが多いのであるが、かかるときでも熱橋現象がないので結露を生じないのである。
夏期においては建物内はクーラーの使用により外部に比し冷却されていることが多いが、この場合であっても熱橋現象がないので結露(いわゆる夏期結露)を生じないのである。よって結露による壁構造材5等の木材の腐朽を防止することができ、木材の腐朽に由来する控金具15の離脱や壁構造材5の脱落及びこれに基づく煉瓦8乃至面状煉瓦体7の倒壊を防止する。よって耐震性のある煉瓦積み建築物とすることができる。
夏期においては建物内はクーラーの使用により外部に比し冷却されていることが多いが、この場合であっても熱橋現象がないので結露(いわゆる夏期結露)を生じないのである。よって結露による壁構造材5等の木材の腐朽を防止することができ、木材の腐朽に由来する控金具15の離脱や壁構造材5の脱落及びこれに基づく煉瓦8乃至面状煉瓦体7の倒壊を防止する。よって耐震性のある煉瓦積み建築物とすることができる。
また本願発明においては通気層19が床下空間22と連通しているため、床下空間22に流出している基礎13からの湿気が反対側の床下換気口24から流出し、また通気層19を介して屋根裏29及び軒裏31から外部に流出する。よって床下空間22が自然換気され、土台27、床根太26への結露の発生を防止して木材の腐朽を防止する。
上記したところを別の観点からさらに説明する。図5及び図6に示すように、壁構造材5と面状煉瓦体7との間に形成される通気層19は床下空間22に連通されているため、これら空気層の存在により熱橋現象を生じる余地がない。しかも、建物1内は壁部分が断熱材5eによりまた1階床23及び天井32部分が他の断熱材(図示省略)により、いずれも内断熱工法によって断熱されている。このため、建物全体を断熱材による被覆によって重畳的に遮熱するから、建物全体にて外部の熱の伝導を防止することになる。加えて、基礎13から生ずる水分は床下空間22にあり、この水分は上記した外気の流れに乗って外部に流出し、室内側にでてくることはない。かかることによっても、木材部分の腐朽を防止し、木材の腐朽に由来する控金具15の離脱や壁構造材5の脱落及びこれに基づく煉瓦8乃至面状煉瓦体7の倒壊を防止する。
上記実施の形態においては通気用スリット21を1本おきにしてあるため、十分な通気量の確保と面状煉瓦体7の固定の安定性という本来両立の困難な課題の同時達成を図ることができる。この点を図7に基づき詳細に説明する。煉瓦81は煉瓦82に縦目地18aにて固着されており、該煉瓦82は縦筋91に固定されている。上記煉瓦82に通気用スリット21aを介して隣接する煉瓦83は煉瓦84に縦目地18bにて固着されており、該煉瓦84は縦筋92に固定されている。上記煉瓦84に通気用スリット21bを介して隣接する煉瓦85は煉瓦86に縦目地18cにて固着されており、該煉瓦86は縦筋93に固定されている。上記煉瓦86に通気用スリット21cを介して隣接する煉瓦87は煉瓦88に縦目地18dにて固着されており、該煉瓦88は縦筋94に固定されている。上記煉瓦88に通気用スリット21dを介して隣接する煉瓦89以下の固着についても前記と同様である。同列に属する一群の煉瓦8は、このように通気用スリット21が1本おきの縦目地18に設けられているため、通気孔としての通気用スリット21を設けても実質的に分断されることなく強固に緊結される。よって面状煉瓦体7の固定の安定性を図るとともに十分な通気量の確保を図ることができるので、地震時の揺れや振動に際し煉瓦8の脱落を防止し、面状煉瓦体7の倒壊が防止される。
また内断熱工法を採用するため、断熱材5eの厚さを自在に調節することができ、これにより外気温の影響をさらに受け難くすることが可能である。
また、上記実施の形態においては煉瓦8を馬踏目地による積み上げとしてあるため、煉瓦荷重の分散を図り、これによってもより倒壊し難い構造としている。
さらに、通気層19という空気層が介在しているため、外気温の影響を受け難く、また遮音性を一層向上せしめる効果がある。よって煉瓦8が元来有する外気温遮断性、遮音性を一層効果的に発揮することができる。
本願発明は上記した実施の形態に限定されない。例えば煉瓦の積み上げ方は縦筋9及び横筋11を埋設できるような積方であれば任意である。
また縦筋9及び横筋11並びに控金具15の個数は任意である。
また通気用スリット21の設置部位は面状煉瓦体7の下部であれば任意である。
また壁構造材5の構成材料は木造壁であれば任意である。
また、断熱材5eの素材についても適宜のものにすることができる。
また壁構造材5の構成材料及び面状煉瓦体7を構成する煉瓦8並びに通気層19について、上記実施例中で述べた各種数値は一例として理解すべきであり、適宜に変更可能である。
本願発明は煉瓦積みの建築物として活用することができる。
1 煉瓦積み建築物
3 壁
5 壁構造材
5a 構造用合板
5b 石膏ボード
5c 縦枠
5d 防水シート
5e 断熱材
5f 下枠
5g 防湿気密フィルム
7 面状煉瓦体
8 煉瓦
8a 孔部
9 縦筋
9a 下端部
11 横筋
13 基礎
14 立上り部
15 控金具
15a 突状端部
16 固着具
17 横目地
18 縦目地
19 通気層
21 通気用スリット
22 床下空間
23 1階床
24 床下換気口
24a メッシュ状開口部
25 開口部
25a 傾斜部
26 床根太
27 土台
28 栗石
29 屋根裏
31 軒裏
32 天井
3 壁
5 壁構造材
5a 構造用合板
5b 石膏ボード
5c 縦枠
5d 防水シート
5e 断熱材
5f 下枠
5g 防湿気密フィルム
7 面状煉瓦体
8 煉瓦
8a 孔部
9 縦筋
9a 下端部
11 横筋
13 基礎
14 立上り部
15 控金具
15a 突状端部
16 固着具
17 横目地
18 縦目地
19 通気層
21 通気用スリット
22 床下空間
23 1階床
24 床下換気口
24a メッシュ状開口部
25 開口部
25a 傾斜部
26 床根太
27 土台
28 栗石
29 屋根裏
31 軒裏
32 天井
Claims (8)
- 木造建築物において、壁を構成する壁構造材と、該壁構造材の外側に間隔をあけて基礎に立設される複数の縦筋と、最下段の煉瓦が基礎に固着されるとともに上記縦筋が挿通される煉瓦を含め多数の煉瓦を積み上げてなる面状煉瓦体と、上記壁構造材の適宜箇所に固着される複数の控金具と、該控金具に支承される複数の横筋とからなり、上記横筋は上記縦筋の外側に連係して配設され、上記壁構造材と上記面状煉瓦体との間に一定の間隙からなる通気層を設け、該通気層を上記基礎と1階床との間に設ける床下空間に連通させ、外気を上記通気層及び床下空間に流通させることを特徴とする煉瓦積み建築物。
- 請求項1記載の煉瓦積み建築物において、上記基礎の立上り部に床下換気口を設け該床下換気口に対応する部位の面状煉瓦体に開口部を設けることを特徴とする煉瓦積み建築物。
- 請求項1記載の煉瓦積み建築物において、上記壁構造材は断熱材を内蔵することを特徴とする煉瓦積み建築物。
- 請求項1記載の煉瓦積み建築物において、上記面状煉瓦体の目地の一部に通気用スリットを設けることを特徴とする煉瓦積み建築物。
- 請求項4記載の煉瓦積み建築物において、上記通気用スリットが縦目地の一部に形成されることを特徴とする煉瓦積み建築物。
- 請求項5記載の煉瓦積み建築物において、上記通気用スリットが下から2段目の縦目地に設けられることを特徴とする煉瓦積み建築物。
- 請求項6記載の煉瓦積み建築物において、上記通気用スリットが1本おきの縦目地に設けられることを特徴とする煉瓦積み建築物。
- 請求項1記載の煉瓦積み建築物において、上記横筋及び上記控金具は上記面状煉瓦体の目地の中に埋設されることを特徴とする煉瓦積み建築物。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010031618A (ja) * | 2008-07-25 | 2010-02-12 | Sayyas Japan株式会社 | レンガ壁面の施工用金物 |
CN102979216A (zh) * | 2012-12-06 | 2013-03-20 | 哈尔滨工业大学 | 农村住宅植物材料保温复合墙体及其防虫蛀方法 |
ITVR20120205A1 (it) * | 2012-10-17 | 2014-04-18 | Associazione Bioarchitettura Onlus | Klimawall - modulo costruttivo antisismico ed ecologico per edifici. |
GR1008959B (el) * | 2015-11-30 | 2017-02-22 | ΒΑΒΟΥΛΙΩΤΗΣ-ΓΟΥΝΑΡΗΣ-ΜHΤΑΚΗΣ Α.Β.Ε.Ε. με δ.τ. "ΧΑΛΚΙΣ Α.Β.Ε.Ε." | Τοιχοποιια πληρωσης με κατακορυφους αρμους (ανα σταθερες αποστασεις) στην οψη της |
-
2006
- 2006-04-14 JP JP2006112635A patent/JP2007284973A/ja active Pending
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