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JP2007280588A - 追記型2層構成光記録媒体 - Google Patents

追記型2層構成光記録媒体 Download PDF

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JP2007280588A JP2007001225A JP2007001225A JP2007280588A JP 2007280588 A JP2007280588 A JP 2007280588A JP 2007001225 A JP2007001225 A JP 2007001225A JP 2007001225 A JP2007001225 A JP 2007001225A JP 2007280588 A JP2007280588 A JP 2007280588A
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Toshishige Fujii
俊茂 藤井
Noboru Sasa
登 笹
Yoshitaka Hayashi
嘉隆 林
Masayuki Fujiwara
将行 藤原
Yuji Miura
裕司 三浦
Michiaki Shinozuka
道明 篠塚
Masaru Magai
勝 真貝
Hiroyoshi Sekiguchi
洋義 関口
Hiroyuki Iwasa
博之 岩佐
Katsuyuki Yamada
勝幸 山田
Masanori Kato
将紀 加藤
Shinya Narumi
慎也 鳴海
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

【課題】簡易で単純な層構成を有し、高密度記録において記録再生波長に対する大きな屈折率と小さい吸収係数を実現可能で、高反射率、高感度の追記型2層構成光記録媒体の提供。
【解決手段】レーザ光入射側から、少なくとも、第一情報層、中間層、第二情報層をこの順に有し、第一情報層は、レーザ光照射側から順に、少なくとも、Biを主成分として含有する薄膜(Re層)、誘電体層、反射層、熱拡散層が積層形成され、第二情報層は、レーザ光照射側から順に、少なくとも、Biを主成分として含有する薄膜(Re層)、誘電体層、反射層が積層形成されており、前記熱拡散層が、比抵抗1×10−1Ωcm以下の電気伝導性を有する酸化物を含有することを特徴とする追記型2層構成光記録媒体。
【選択図】図6

Description

本発明は、青色レーザ光波長領域でも高密度の記録が可能な追記型(WORM:Write Once Read Many)光記録媒体に係り、特に、少なくとも第一情報層、中間層及び第二情報層を有する追記型2層構成光記録媒体に関するものである。
レーザ光ビームの照射により記録可能な光記録媒体としてCD−R、DVD−R等の追記型光記録媒体がある。これらの光記録媒体はCD−ROM又はDVD−ROMと再生互換性があり、小規模の配布媒体や保存用の媒体として使用されている。しかし、CD−RやDVD−Rは現在有機色素を用いた媒体が主流であり、低コストで大量生産が行われている。追記型光記録媒体を無機記録層で実現する場合、層数が多くなるとコストが上昇し商品としてのメリットが無くなるため、できるだけ層数の少ない追記型光記録媒体が提案されてきた。追記型光記録媒体には穴あけタイプ、相変化タイプ、合金化タイプなどがあり、コストの面からは穴あけ記録方式が有望であるが、穴あけ記録ではC/Nが低くなってしまうという問題があった。これは穴を開けたピット部分において溶融した膜がピット内に水玉のようになって残ったり、周辺部に盛り上がったりすることが原因であった。また、穴あけ記録方式では層構成は1層となるため、通常使用されてきた記録膜ではROMの高い反射率に対応できず規格外製品となってしまっていた。
穴あけ記録材料としてTeとAu又はAgの化合物があるが(特許文献1〜2など)、これらの材料の沸点は1000℃以上であり、非常に感度が低い光記録媒体であった。
融点まで温度を上昇させればよい相変化タイプに比べ、穴あけ記録方式では記録のために沸点以上まで温度を上げる大きな熱量を必要としている。そのため、相変化タイプに比べて大きなレーザパワーを必要とし、高線速記録となると半導体レーザのパワーが足りなくなる。従って、より高感度な記録膜が要求されている。
特許文献3には、400℃以下の温度で揮発性成分を遊離する第一の層の上に耐腐食性金属層を形成し、記録感度を高める試みをした発明が開示されているが、反射率を高めることは目的とされておらず、ROM互換とはなり得ない。また、耐腐食性金属をAu、Agなどとしているが、これらは熱伝導率が極めて高く、加熱したエネルギーが拡散により逃げるため、結果的に効果は低く、高線速記録には不適当であった。
また、合金化方式としては、特許文献4に、Ge,Si,Snの何れかの元素からなる層と、Au、Ag、Al、Cuの何れかの元素からなる層にレーザ光を照射し、この二層を合金化させて記録する方法が提案されているが、low to high記録となり、ROM互換とはなり得なかった。
また、InとTeの合金で相変化タイプの記録層を成膜する発明として特許文献5があり、In:Te=2:1〜1:1又は2:3〜2:5とすることにより、相変化タイプの光記録媒体を提供することを目的としているが、この発明では成膜時の状態が非晶質であり反射率が低いため初期化処理が必要である。そのため工程が増えコストの増大を招いていた。
また、特許文献6には、Ag−Znからなる第一の層(相変化合金薄膜)と、Te、Se、Sから選ばれる一種類を主成分とする第二の層(低融点薄膜)を設け、二つの層の拡散により記録を行なう発明が開示されているが、反射率を高めるために第一の層を300〜700Å、第二の層を500〜1500Åと厚くしており、生産時のタクト及びコストに不利となっていた。また、膜厚を厚くすることにより反射率を大きく上げているが、本発明者らの調査では、反射率が高く吸収率が小さすぎるため熱吸収が記録膜上で殆ど起こらず、感度が非常に悪いということが分かった。このためDVDなどの速い線速を求められる媒体には使用できない。また、AgとTe、Seなどは非常に反応性が高く、読み取りレーザ光を照射するだけで、又は媒体を放置するだけで、二つの層の反応が起こり反射率が低下した。
また、特許文献7には、第1層が主にInからなる薄膜、第2層が周期表の5B、6B族元素を含む薄膜からなり、2層間の反応又は合金化による反射率変化を伴う媒体が開示されているが、この媒体も特許文献6の発明と同様に、InとTeなどの反応性が高いため非常に不安定であった。
上記した諸々の問題が、層数の少ない無機材料からなる記録層を有する追記型光記録媒体の普及に大きな障害となっていた。
また、以前に本発明者らは青色領域のレーザ光による追記型光記録媒体に関する先願として特願2004−363010を出願した。その内容について簡潔に述べると以下のようになる。
即ち、先願の追記型光記録媒体では、従来、光吸収機能による熱発生層であり且つ分解・変質に起因した屈折率(複素屈折率の実部)変化による記録層として機能していた有機材料薄膜の代りに、無機層である主に酸化ビスマスからなる記録層(Re層)を設けた点に特徴がある。先願において、その媒体層構成が重要であることが記載されており、それを最適化することにより大きな有用性を見出した。本発明者らは主に酸化ビスマスからなる記録層を青色レーザ対応の追記型光記録媒体に適用し、非常に優れた記録再生特性が得られることを確認している。
最近では、書き換え可能な追記型光記録媒体の記録容量を増大する観点から、片面2層構成の提案がなされている(例えば、特許文献8〜9、非特許文献1等参照)。
本発明者らが開発を行っているRe層を有する追記型光記録媒体はBiの結晶化を主体とした記録原理を有するが、高感度で反射率が適切な媒体を得るためには、その媒体設計が非常に重要となる。
しかしながら、前記先願のRe層のBiは結晶化速度が速いため、マークを横方向に広げないためにも速やかに隣接する反射層などに熱を逃がしてやる必要がある。即ち、急冷構造を取ることが必要な材料であり、記録層片面2層型のような反射層の薄い構造では、微小なマーク形成が困難になるという問題がある。
比較的熱伝導率が高く光吸収率の小さい窒化物又は炭化物などを用いて、反射層が担っていた熱拡散機能を補助する層(熱拡散層)を反射層の上に更に設けて急冷構造に近づけるやり方が、単層相変化型情報記録媒体(特許文献10)、及び2層相変化型情報記録媒体(特許文献11)などで提案されている。この方法は第一情報層を構成する反射層を薄くした場合に発生する前述のような欠点を解消するのに有効な方法であると考えられる。
しかしながら、これら窒化物又は炭化物などの材料は、応力が大きいために形成された熱拡散層にクラックを生じやすく、その結果、熱拡散層を設けた光ディスクについて、充分なオーバーライト特性が得られないという問題がある。また、炭化物材料は、とりわけ短波長側での吸収が大きく、青紫色レーザを用いるBlu−ray Diskシステムのような次世代のシステムでは、第一情報層の光透過率を大きくすることが出来ないと言う問題が生じる。
特開昭60−179952号公報 特開昭60−179953号公報 特開昭57−157790号公報 特開平4−226784号公報 特開平1−162247号公報 特許第2948899号公報 特開平11−34501号公報 特開2003−200663号公報 特開2003−203383号公報 特開平8−50739号公報 特開2000−222777号公報 International Symposium on Optical Memory 2003(ISOM 2003)予稿集p.74
本発明は、上述したような従来の問題に鑑み、簡易で単純な層構成を有し、高密度記録において記録再生波長に対する大きな屈折率と小さい吸収係数を実現可能で、高反射率、高感度の追記型2層構成光記録媒体の提供を目的とする。
上記課題は、次の1)〜15)の発明(以下、本発明1〜15という)によって解決される。
1) レーザ光入射側から、少なくとも第一情報層、中間層、第二情報層をこの順に有し、第一情報層は、レーザ光照射側から順に、少なくとも、Biを主成分として含有する薄膜(Re層)、誘電体層、反射層、熱拡散層が積層形成されており、第二情報層は、レーザ光照射側から順に、少なくとも、Biを主成分として含有する薄膜(Re層)、誘電体層、反射層が積層形成されており、前記熱拡散層が、比抵抗1×10−1Ωcm以下の電気伝導性を有する酸化物を含有することを特徴とする追記型2層構成光記録媒体。
2) 電気伝導性を有する酸化物が、IZO(In−ZnO)又はITO(In−SnO)の何れかであることを特徴とする1)記載の追記型2層構成光記録媒体。
3) 第一情報層の反射層の膜厚T1と熱拡散層の膜厚T2が、T2/T1=2〜8の範囲にあることを特徴とする1)又は2)記載の追記型2層構成光記録媒体。
4) 熱拡散層の膜厚が30〜90nmであることを特徴とする1)〜3)の何れかに記載の追記型2層構成光記録媒体。
5) 第一情報層の誘電体層の膜厚t1と第二情報層の誘電体層の膜厚t2が、t2/t1=0.7〜1.5の範囲にあることを特徴とする1)〜4)の何れかに記載の追記型2層構成光記録媒体。
6) 第一情報層の誘電体層の膜厚t1と第二情報層の誘電体層の膜厚t2が、t2/t1=4.5〜6.0の範囲にあることを特徴とする1)〜4)の何れかに記載の追記型2層構成光記録媒体。
7) 第一情報層のRe層の膜厚が5〜25nm、誘電体層の膜厚が10〜30nmであり、第二情報層のRe層の膜厚が5〜25nm、誘電体層の膜厚が10〜30nmであることを特徴とする1)〜4)の何れかに記載の追記型2層構成光記録媒体。
8) 第一情報層のRe層の膜厚が5〜25nm、誘電体層の膜厚が10〜30nmであり、第二情報層のRe層の膜厚が5〜25nm、誘電体層の膜厚が90〜120nmであることを特徴とする1)〜4)の何れかに記載の追記型2層構成光記録媒体。
9) 第一情報層のRe層よりも手前に、典型元素を含む化合物を主成分とする層(典型元素を含む化合物層)が積層形成されていることを特徴とする1)〜8)の何れかに記載の追記型2層構成光記録媒体。
10) 典型元素を含む化合物層の膜厚が70nm以下であることを特徴とする9)記載の追記型2層構成光記録媒体。
11) Re層が、Bi酸化物を主成分とするものであることを特徴とする1)〜10)の何れかに記載の追記型2層構成光記録媒体。
12) Re層が、Al、Cr、Mn、Sc、In、Ru、Rh、Co、Fe、Cu、Ni、Zn、Li、Si、Ge、Zr、Ti、Hf、Sn、Pb、Mo、V、B及びNbの中から選ばれる一種以上の元素Mを含有することを特徴とする1)〜11)の何れかに記載の追記型2層構成光記録媒体。
13) 誘電体層がZnSとSiOを主成分として含むことを特徴とする1)〜12)の何れかに記載の追記型2層構成光記録媒体。
14) ZnSとSiOの配合割合が、70:30〜90:10(モル%)の範囲にあることを特徴とする13)記載の追記型2層構成光記録媒体。
15) 典型元素を含む化合物層の典型元素がZn、In、Al及びSnの中から選ばれる1種以上の元素であることを特徴とする1)〜14)の何れかに記載の追記型2層構成光記録媒体。
以下、上記本発明について詳しく説明する。
本発明の追記型2層構成光記録媒体は、基本的な層構成として、レーザ光照射側から、少なくとも、Biを主成分として含有する薄膜(Re層)、誘電体層、反射層が、順次積層形成されている。
ここで、Biを主成分として含有する薄膜(Re層)とは、Re層の組成においてBiが必須成分であると共に、酸素を除いた構成元素全体のうち、Biが30原子%以上を占めることを意味する。例えばRe層がBi、Fe、O(酸素)からなる場合、BiとFeの合計量のうち、Biが30原子%以上を占めることを意味する。
Re層は本発明の光記録媒体において、主たる光吸収機能を担う層である。
Re層は、正常分散を示す材料よりなるものであり、有機材料のようにある波長範囲内に大きな吸収帯を有する材料でないため、複素屈折率の波長依存性が小さい。このため、レーザ光の個体差や、環境温度の変化等による記録再生波長の変動に対し、記録感度、変調度、ジッタ、エラー率といったような記録特性や、反射率等が大きく変化するという従来の問題を大幅に解消することができる。
従来公知の追記型光記録媒体においては、有機材料薄膜が記録層と光吸収層の機能を兼用しているため、記録再生波長に対して、大きな屈折率nと比較的小さな吸収係数kを有することが有機材料の必須条件とされ、そのため有機材料を分解させる温度まで到達させるには、比較的、膜厚を厚く形成する必要があった。また、相変化型の光記録媒体については、基板の溝深さを非常に深くする必要があった。
そして、本発明者らが鋭意検討した結果、本発明1のような層構成とし、熱拡散層に特定の化合物を用いることにより、ジッタ、PRSNRが向上することを見出した。
なお、PRSNRとは、「Partial Response Signal to Noise Ratio」の略であり、再生信号のS/N及び実際の再生波形と理論的なPR波形線形成を同時に表現できる指標で、ディスクのビット誤り率の推定を行うために必要な指標の一つである。再生波形から得られる振幅情報を特殊処理して目標とする信号を作り出し、実際の再生信号との差をPRSNRとして規格化している。このPRSNRという値は、大きいほど良好な信号特性を示しており、一般にエラー率を実用的な範囲に留めるためには15以上の値を必要とするとされる。
本発明では、Re層を用いた媒体を記録層片面2層型にするため、第一情報層の反射層の膜厚を、十分に光が透過するまで薄くしなければならない。一方、前述したようにBiは結晶化速度が速いため、マークを横方向に広げないためにも速やかに隣接する反射層などに熱を逃がしてやる必要がある。即ち、急冷構造を取ることが必要な材料であり、反射層の薄い構造では微小なマーク形成が困難になるという問題がある。
そこで、本発明1のように、比抵抗が1×10−1Ωcm以下の電気伝導性を有する酸化物を含有する材料を用いた熱拡散層を設けることにより、反射層の薄い構造においても急冷構造を確保でき、微小なマークを形成させることが出来るようになり、PRSNRの大幅な改善が可能となる。
また、第二情報層が記録再生できるように、用いるレーザ光波長での吸収率が小さいことも望まれる。情報の記録再生に用いるレーザ光の波長において、消衰係数は0.5以下が望ましく、0.3以下がより好ましい。消衰係数が0.5よりも大きいと第一情報層での吸収率が増大し、第二情報層の記録再生が困難になる。
これらの特性を満足する材料で、かつ電気伝導性を示す酸化物としては、In、SnO、ZnO、CdO、TiO、CdIn、CdSnO、ZnSnOなどが挙げられるが、中でもITO(In−SnO)、IZO(In−ZnO)が高熱伝導性であり、熱拡散層材料として好ましい(本発明2)。
これらの酸化物は、単体で用いても良いし、混合して用いることも出来る。
追記型2層構成光記録媒体においては、第一情報層に記録できる特性を保持しながら、第二情報層に記録再生できるだけの光を適量透過させる能力を有する必要があるので、反射層の膜厚と熱拡散層の膜厚とのバランスが非常に重要であり、本発明者らは第一情報層の反射層の膜厚T1と熱拡散層の膜厚T2の比を、T2/T1=2〜8の範囲とすることにより、第一情報層と第二情報層の記録再生特性のバランスを取り、両情報層において良好な信号特性と感度を実現できることを見出した(本発明3)。T2/T1の値が2よりも小さいと、第一情報層の反射率が上昇しすぎて第二情報層へ到達する光が少なくなり、第二情報層の感度、PRSNR値の悪化を招く。また、T2/T1が8よりも大きいと、第一情報層の透過率が高くなりすぎて第一情報層の感度、PRSNRの悪化を招く。
また、熱拡散層の膜厚を30〜90nmとすることにより、反射層の薄い構造においても急冷構造を確保することができ、微小なマークを形成させることが出来るようになり、PRSNRの大幅な改善が可能となる(本発明4)。
前述のようなBiの性質から急冷構造が重要であるが、熱拡散層の膜厚が30nmよりも薄いと、反射層の薄い構造では微小なマーク形成が困難となり、信号特性が急激に悪化する。また、90nmよりも厚いと、熱の拡散が多すぎる現象が生じて第一情報層の感度が悪化する。
また、本発明5のように、第一情報層の誘電体層の膜厚t1と第二情報層の誘電体層の膜厚t2が、t2/t1=0.7〜1.5の範囲にあるようにするか、或いは、本発明6のように、t2/t1=4.5〜6.0の範囲にあるようにすれば、第一情報層の透過率と第二情報層の反射率とのバランスが最適となり、両情報層において良好な記録特性(PRSNR、反射率、感度)が得られる。
0.7未満では、第一情報層の反射率が高くなり透過率が低くなるなどのため、第二情報層の感度が非常に悪くなる。1.5よりも大きく4.5未満の範囲では、第二情報層の反射率が大幅に上昇し、やはり第二情報層の感度を著しく悪化させ、PRSNRも悪化する。6.0を超えると、第二情報層の誘電体層が厚くなりすぎて膜成形時に熱により基板や溝の変形が起こる他、第二情報層の反射率を上昇させ感度を著しく悪化させる原因ともなる。
即ち、本発明5〜6によれば、第一情報層と第二情報層の誘電体層の膜厚比を最適化することにより、両情報層において、高いPRSNR、高反射率、高感度の特性を比較的簡素な層構成で実現できる。
また、本発明7又は本発明8のように各層の膜厚を選択すれば、第一情報層の透過率と第二情報層の反射率とのバランスが最適となり、両情報層において良好な記録特性(PRSNR、反射率、感度)が得られる。
第一情報層の各膜厚が限定範囲を外れると、第一情報層の透過率が低下し、第二情報層の感度が著しく悪化し、PRSNRも悪化する。第二情報層の各膜厚が限定範囲を外れると、第二情報層の反射率が著しく上昇し、第二情報層の感度とPRSNRが悪化する。
即ち、本発明7〜8によれば、第一情報層及び第二情報層の各層の膜厚を最適化することにより、両情報層において、高いPRSNR、高反射率、高感度の特性を比較的簡素な層構成で実現できる。
また、本発明9のように、第一情報層の(レーザ光入射側からみて)Re層よりも手前に、典型元素を含む化合物を主成分とする層(典型元素を含む化合物層)を積層形成することが好ましい。通常、基板は水分や酸素を含み、また透過しやすいので、記録層などが接している場合、これを酸化して特性を悪化させるが、典型元素を含む化合物層を設けると、透過する酸素や水分を遮断し保存特性を向上させる効果が得られる。但し、典型元素を含む化合物層が無くても記録特性は殆ど変わらず、通常の仕様において、光記録媒体の信頼性に問題は無い。
典型元素を含む化合物層に用いられる化合物の例としては、アルミ酸化物(Al等)、ZnSSiO、インジウムスズ酸化物(ITO)などが挙げられる。
また、主成分とは、材料全体の30モル%以上を占めることを意味するが、通常は上記化合物のみを用いる。
典型元素を含む化合物層の膜厚は、本発明10のように70nm以下とすることが好ましい。膜厚が70nmを超えると、製膜に時間がかかりタクトが長くなったり、製膜の熱によって基板や溝が変形するなどの弊害をもたらす上に、記録特性が著しく劣化する。また、膜厚が薄すぎると酸素や水分の透過を完全に防ぐことができなくなるため、20nm程度以上であることが望ましい。
本発明11では、Re層としてBi酸化物を主成分とする層を用いる。ここで、主成分とは、Re層中のBiの量が前述した条件を満足するように用いることを意味する。
Bi酸化物をRe層の材料として用いることにより、極めて良好なPRSNRを得ることができ、かつ反射率の向上を図ることができる。
このような層は、Re層を製膜する際のターゲットをBi酸化物又はBi合金酸化物とするか、Bi又はBi合金をアルゴンと酸素の混合雰囲気中でスパッタする等の手段を用いることにより製膜できる。
本発明12では、Re層が、Al、Cr、Mn、Sc、In、Ru、Rh、Co、Fe、Cu、Ni、Zn、Li、Si、Ge、Zr、Ti、Hf、Sn、Pb、Mo、V、B、及びNbの中から選ばれる一種以上の元素Mを含有する。元素Mの添加量は、30〜40重量%程度の範囲で、最も特性がよい量を選択する。
元素Mを含有させることにより青色波長の光に対して良好な記録を行うことができる。未記録状態の結晶構造と記録マークの結晶構造が異なるようにすることにより変調度を得ることは、従来から相変化記録などで行われていたが、本発明では、2種類以上の酸化物の結晶が混在する状態で記録マークを形成することにより、記録マークと未記録部の屈折率差などがより大きくなり、大きな変調度が得られる。更に、それぞれの酸化物の結晶だけでなく単体元素の結晶を存在させることで、より大きな効果が得られる。また、異なる元素又は結晶構造の結晶が混在することで、結晶の成長を抑えることができる。即ち、二つ以上の異なる元素及び/又は結晶構造の結晶からなる記録マークは、大きく成長して広がってしまうことが抑制され、小さい記録マークを形成することができる。
誘電体層の材料は、屈折率、熱伝導率、化学的安定性、機械的強度、密着性等に留意して決定される。一般的には、透明性が高く高融点である金属や半導体の酸化物、硫化物、窒化物、炭化物やCa、Mg、Li等のフッ化物を用いることができる。
好ましい材料としては、ZnS、ZnO、TaS及び希土類硫化物から選択される少なくとも1種を50〜90モル%含み、かつ、融点又は分解点が1000℃以上の耐熱性化合物とを含む複合誘電体が挙げられる。
融点又は分解点が1000℃以上の耐熱化合物としては、例えば、Mg、Ca、Sr、Y、La、Ce、Ho、Er、Yb、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Zn、Al、Si、Ge、Pb等の酸化物、窒化物、又は炭化物、Ca、Mg、Li等のフッ化物を用いることができる。中でも、ZnSとSiOを主成分として含む材料が好ましい(本発明13)。ここで主成分とは材料全体の50モル%以上を占めることを意味するが、通常はZnSとSiOのみを用いる。更に、ZnSとSiOの配合割合は、70:30〜90:10(モル%)の範囲が好ましい(本発明14)。この範囲であれば、更に良好なPRSNRを得ることができ、かつ反射率の向上を図ることができる。上記範囲を外れると、その光学特性n、k値に関し、光記録媒体の構成層の各膜厚とその組み合わせにずれが生じ、両情報層において良好な特性を得にくくなる。
なお、上記酸化物、硫化物、窒化物、炭化物、フッ化物は必ずしも化学量論的組成をとる必要はなく、屈折率等の制御のために組成を制御したり、混合して用いることも可能である。
また、本発明15のように、典型元素を含む化合物層の典型元素としては、Zn、In、Al及びSnの中から選ばれる一種以上の元素が好ましい。これらの典型元素を含む化合物層をRe層と基板との間に設けることにより、耐環境試験特性における安定性が大きく向上する。しかも、本典型元素を含む化合物層を用いても、反射率を低下させるなどの悪影響を及ぼさないことも特徴の一つである。
上記典型元素を含む化合物としては、ZnS、ZnSSiO、InO、SnO、Al、AlNなどが挙げられる。
中間層は記録再生のために照射する光の波長における光吸収が小さいことが好ましく、材料としては、樹脂が成形性、コストの点で好適であり、紫外線硬化樹脂、遅効性樹脂、熱可逆性樹脂などを用いることができる。また、光ディスク貼り合わせ用の両面テープ(例えば日東電工製の粘着シートDA−8321)なども用いることができる。
中間層は、記録再生を行う際に、ピックアップが第一情報層と第二情報層とを識別して光学的に分離可能とするものであり、その厚さは10〜70μmが好ましい。
本発明の光記録媒体は、請求項で限定した層以外に従来公知の種々の層を組み合わせて形成してもよい。
基板の材料としては、熱的、機械的に優れた特性を有し、基板側から(基板を通して)記録再生が行われる場合には光透過特性にも優れたものであれば、特に限定されるものではない。
材料の例としては、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、非晶質ポリオレフィン、セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタレート等が挙げられるが、ポリカーボネートや非晶質ポリオレフィンが好適である。
基板の膜厚は、用途により適宜設定することができ、特に限定されない。
反射層の材料は、再生光の波長で反射率の充分高いものが好ましい。
例えば、Au、Al、Ag、Cu、Ti、Cr、Ni、Pt、Ta、Pd等の金属を単独で、又は合金として用いることができる。特にAu、Al、Agは反射率が高く、反射層の材料として好適である。
また、上記金属を主成分として他の元素を含んでいても良く、他の元素としては、Mg、Se、Hf、V、Nb、Ru、W、Mn、Re、Fe、Co、Rh、Ir、Zn、Cd、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属及び半金属を挙げることができる。中でもAgを主成分とするものは、コストが安く高反射率が得やすいので特に好適である。
また、金属以外の材料で低屈折率薄膜と高屈折率薄膜を交互に積み重ねて多層膜を形成し、反射層として用いることも可能である。
反射層を形成する方法としては、例えば、スパッタ法、イオンプレーティング法、化学蒸着法、真空蒸着法等が挙げられる。
反射層の膜厚は、第一情報層では10〜25nm、第二情報層では50〜200nmが好適である。
反射層にAg等を用いた場合、ZnSSiO層を隣接させて積層するとZnSSiO中のSがAgと徐々に混合し、特性の悪化や反射率の現象などを招く可能性が有る。よって、適宜反射層とZnSSiO層との間に硫化防止層と呼ばれる層を更に設置することもある。その材質としては、例えばSiO、ZnO、SnO、Al、TiO、Inなどの酸化物、Si、AlN、TiNなどの窒化物、SiCなどの炭化物が挙げられる。一般によく用いられている材料はSiCであり、好適な材料なので、必要に応じて本発明に用いることができる。
また、基板の上や反射層の下に、反射率の向上、記録特性の改善、密着性の向上等のために公知の無機系又は有機系の上引層、下引層あるいは接着層を設けてもよい。
反射層上や、その他の構成層間に適宜保護層を設けてもよい。保護層の材料としては、外力から保護する機能を有するものであれば、従来公知の材料を何れも適用できる。
有機材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等が挙げられる。また、無機材料としては、SiO、Si、MgF、SnO等が挙げられる。
保護層の形成方法としては、記録層と同様にスピンコート法やキャスト法等の塗布法、スパッタ法、化学蒸着法等が用いられるが、特にスピンコート法が好ましい。
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂からなる保護層は、樹脂を適当な溶剤に溶解した塗布液を塗布し乾燥することによって形成することができる。
紫外線硬化性樹脂からなる保護層は、樹脂をそのまま又は適当な溶剤に溶解した塗布液を塗布し、紫外線光を照射して硬化させることによって形成できる。紫外線硬化性樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレートなどのアクリレート系樹脂を適用できる。
これらの材料は単独で用いても混合して用いても良いし、1層だけでなく多層膜にして用いても良い。
保護層の膜厚は、一般に0.1〜100μmの範囲とするが、特に3〜30μmが好ましい。
また、本発明の光記録媒体は、基板側から光を照射して記録再生する構成に限定されるものではなく、構成層上にカバー層を設け、このカバー層側から光を照射して記録再生するようにしてもよい。
カバー層は、高密度化を図るため高NAのレンズを用いる場合に必要となる。例えば高NA化すると、再生光が透過する部分の厚さを薄くする必要がある。これは、高NA化に伴い、光学ピックアップの光軸に対してディスク面が垂直からズレる角度(いわゆるチルト角、光源の波長の逆数と対物レンズの開口数の積の2乗に比例する)により発生する収差の許容量が小さくなるためであり、このチルト角が基板の厚さによる収差の影響を受け易いためである。従って、基板の厚さを薄くしてチルト角に対する収差の影響をなるべく小さくするようにしている。
そこで、例えば基板上に凹凸を形成して記録層とし、その上に反射層を設け、更にその上に光を透過する薄膜である光透過性のカバー層を設けるようにし、カバー層側から再生光を照射して記録層の情報を再生するような光記録媒体や、基板上に反射層を設け、その上に記録層を設け、更にこの上に光透過性を有するカバー層を設けるようにし、カバー層側から再生光を照射して記録層の情報を再生するような光記録媒体が提案されている。この場合、層構成の順序はレーザ光の入射するカバー層からとなるので注意が必要である。
このようにすれば、カバー層を薄型化していくことで対物レンズの高NA化に対応可能である。つまり、薄いカバー層を設け、このカバー層側から記録再生することで、更なる高記録密度化を図ることができる。
なお、このようなカバー層は、ポリカーボネートシートや、紫外線硬化型樹脂により形成されるのが一般的である。また、本発明で言うカバー層には、カバー層を接着するための層を含めてもよい。
本発明の光記録媒体に使用されるレーザ光は、高密度記録のため波長が短いほど好ましいが、特に350〜530nmのレーザ光が好ましく、その代表例としては、中心波長405nmのレーザ光が挙げられる。
本発明によれば、Re層を記録層とする追記型2層構成光記録媒体において、本発明の熱拡散層を用いることにより第一情報層の記録特性を改善できる。その結果、簡易で単純な層構成を有し、高密度記録において記録再生波長に対する大きな屈折率と小さい吸収係数を実現可能で、高反射率、高感度な追記型2層構成光記録媒体を提供できる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
<追記型2層構成光記録媒体の作製>
表面にトラックピッチ0.43μm、溝深さ21nmの案内溝を有する半径120mm、厚さ0.58mmのポリカーボネート樹脂製の第一基板と第二基板を用意した。
次に、Balzers社製の枚葉スパッタ装置を用いて、第一基板上に、Alからなる膜厚20nmの典型元素を含む化合物層、Biからなる膜厚20nmのRe層、ZnS・SiO(80:20モル%)からなる膜厚20nmの誘電体層、Agからなる膜厚15nmの反射層、IZOからなる膜厚50nmの熱拡散層を順次製膜することにより、第一情報層を作製した。
同様にして、第二基板上に、Agからなる膜厚100nmの反射層、ZnS・SiO(80:20モル%)からなる膜厚20nmの誘電体層、Biからなる膜厚20nmのRe層を順次製膜することにより、第二情報層を作製した。
次に、第一情報層の膜面上に紫外線硬化樹脂(日本化薬株式会社 DVD003)を含む塗布液をスピンコートにより塗布し、同様にして第二基板上に紫外線硬化樹脂を塗布した後、減圧雰囲気下で貼り合わせた。その後、第一基板側から紫外線光を照射し紫外線硬化樹脂を硬化させて厚さ30μmの中間層を形成した。
以上のようにして、第一基板、第一情報層、中間層、第二情報層、第二基板がこの順に積層された追記型2層構成光記録媒体を作製した。(図6参照)
本実施例では更に、IZOにSiOを混合させて電気伝導度を変化させ、その比抵抗を測定した。そして、これらの材料を熱拡散層に用いた上記層構成の追記型2層構成光記録媒体を作製し、これらのPRSNRを測定して、熱拡散層の比抵抗とPRSNRとの関係を求めた。PRSNRは、パルステック社製ODU−1000を評価機として用い、レーザ波長405nm、NA0.6、クロック周波数64.8MHzで、6.61m/sの線速度で基板を回転させ、ランダムパターンを書き込んで評価した。
結果を図1に示すが、この図から分かるように比抵抗が1×10−1Ωcmを超えると、即ち、電気伝導性が悪くなると、急激に第一情報層の信号特性が悪化した。これは前述のように薄い反射層を用いていることが原因となり、熱が充分に拡散せず微小なピットが形成しにくくなっているためと推測される。なお、これらの評価ではPRSNR15未満を規格外の値とした(HD DVD−R規格は15以上)。
また、IZOに代えてITOを用いても、本実施例と同様の結果が得られた。
(実施例2)
第一情報層のAg反射層の膜厚T1と熱拡散層IZOの膜厚T2を振ってT2/T1の割合を様々に変化させた点以外は、実施例1と同様にして追記型2層構成光記録媒体を作製し、PRSNRを測定した。具体的には、第一情報層のAg反射層の膜厚を10nm、15nm、20nmと変化させ、それぞれについてT2を振ってT2/T1を求めた。
結果を図2に示すが、この図から分るように、T2/T1が2よりも小さいと第二情報層のPRSNRが急激に悪化し、T2/T1が8よりも大きいと第一情報層のPRSNRが急激に悪化した。
(実施例3)
熱拡散層の膜厚を振った点以外は、実施例1と同様にして追記型2層構成光記録媒体を作製し、PRSNRを測定した。
結果を図3に示すが、この図から分かるように、熱拡散層の膜厚が30nmよりも薄くなると第一情報層のPRSNRが急激に悪化し、90nmよりも厚くなると第二情報層のPRSNRが悪化した。
(実施例4)
第一情報層の誘電体層の膜厚t1と第二情報層の誘電体層の膜厚t2をそれぞれ振った点以外は、実施例1と同様にして追記型2層構成光記録媒体を作製し、PRSNR及び感度を測定した。結果を図4、図5に示す。感度は、パルステック社製ODU−1000を評価機として用い、消去パワーを3mWに固定し、記録パワーをそれぞれ振って、最も良好なPRSNR値を示す記録パワーを最適パワーとして図5の縦軸に示した。なお、これらの評価ではPRSNRが15未満、感度Pw(mW)が13mWを超える場合を規格外とした。
図4、図5から分かるように、t2/t1=0.7〜1.5又は4.5〜6.0の範囲において、第一情報層と第二情報層の両層で良好なPRSNRと感度を示した。しかし、これらの範囲を外れると、特に第二情報層の感度が悪くなり、PRSNR値も悪化した。これは主にZnSSiOのn、kと、その膜厚との関係から、反射率が高くなり過ぎて記録できる最適値から逸脱することに起因する。
(実施例5)
第一情報層の典型元素を含む化合物層の膜厚を0〜70nm、Re層の膜厚を5〜25nm、誘電体層の膜厚を10〜30nmとし、第二情報層の前記Re層の膜厚を5〜25nm、誘電体層の膜厚を10〜30nm又は90〜120nmとした点以外は、実施例1と同様にして追記型2層構成光記録媒体を作製した。
これらの媒体は、HD DVD−R規格15以上を満たすPRSNR20〜30という値を示し、反射率についてもHD DVD−R規格4.5%以上を満たす5〜7%という良好な値を示した。また、感度も9〜11mWでの書き込みができるなど、良好な特性を示した。
なお、反射率が上昇すれば感度が悪化し、記録の際にはより大きなパワーを導入する必要があるが、大きなパワーで記録を行うと隣接マーク又は隣接トラックへ大きな影響を及ぼすことになる。これに起因してPRSNRが劣化するものと考えられる。
(実施例6)
Re層のBiに、Al、Cr、Mn、Sc、In、Ru、Rh、Co、Fe、Cu、Ni、Zn、Li、Si、Ge、Zr、Ti、Hf、Sn、Pb、Mo、V、B及びNbの中から選ばれる一種以上の元素Mを含有させた点以外は、実施例1と同様にして追記型2層構成光記録媒体を作製し、実施例1と同様にして評価した。
その結果、これらの元素を添加することにより更にPRSNR及び感度を改善できることが分った。
(実施例7)
第一情報層及び第二情報層のZnSSiO層におけるZnSとSiOの割合を、70:30〜90:10の範囲で変えた点以外は、実施例1と同様にして追記型2層構成光記録媒体を作製した。
これらの組成範囲では、HD DVD−R規格15以上を満たす良好なPRSNRを得ることができ、かつ第一情報層及び第二情報層が両層ともHD DVD−R規格4.5%以上を満たす適正な反射率を示し、良好な感度を示した。
上記組成比の範囲を外れると、その光学特性n、k値に関し、光記録媒体の構成層の各膜厚とその組み合わせにずれが生じてしまい、両情報層において良好な特性が得られなくなってしまうことが確かめられた。
(実施例8〜10)
第一情報層の典型元素を含む化合物層の材料を、実施例8;ZnS・SiO(80:20モル%)、実施例9;InO、実施例10;SnOに変え、膜厚を60nmとした点以外は、実施例1と同様にして追記型2層構成光記録媒体を作製した。
これらの追記型2層構成光記録媒体について、実施例1と同様にしてPRSNRを測定したところ、実施例8〜10の何れについても、HD DVD−R規格15以上を満たす良好なPRSNRを得ることができた。また、第一情報層及び第二情報層が両層ともHD DVD−R規格4.5%以上を満たす適正な反射率を示し、良好な感度を示した。
但し、上記典型元素を含む化合物層を用いても、膜厚が70nmを超えると、その光学特性n、k値に関し、光記録媒体の構成層の各膜厚とその組み合わせにずれが生じてしまい、両情報層において良好な特性が得られなくなってしまうことが確かめられた。
(実施例11)
Bi膜に、Al、Cr、Mn、Sc、In、Ru、Rh、Co、Fe、Cu、Ni、Zn、Li、Si、Ge、Zr、Ti、Hf、Sn、Pb、Mo、V、B、及びNbの中から選ばれる一種以上の元素Mを含有させた点以外は、実施例1と同様にして追記型2層構成光記録媒体を作製し、実施例1と同様にして評価した。
結果を表1に示すが、上記の種々の元素を添加することにより更にPRSNR及び感度を改善できることが分かる。
熱拡散層の比抵抗とPRSNRの関係を示す図。 T2/T1とPRSNRの関係を示す図。 熱拡散層の膜厚とPRSNRの関係を示す図。 t2/t1とPRSNRの関係を示す図。 t2/t1と感度の関係を示す図。 本発明の追記型2層構成光記録媒体の一例を示す概略断面図。

Claims (15)

  1. レーザ光入射側から、少なくとも、第一情報層、中間層、第二情報層をこの順に有し、第一情報層は、レーザ光照射側から順に、少なくとも、Biを主成分として含有する薄膜(Re層)、誘電体層、反射層、熱拡散層が積層形成され、第二情報層は、レーザ光照射側から順に、少なくとも、Biを主成分として含有する薄膜(Re層)、誘電体層、反射層が積層形成されており、前記熱拡散層が、比抵抗1×10−1Ωcm以下の電気伝導性を有する酸化物を含有することを特徴とする追記型2層構成光記録媒体。
  2. 電気伝導性を有する酸化物が、IZO(In−ZnO)又はITO(In−SnO)の何れかであることを特徴とする請求項1記載の追記型2層構成光記録媒体。
  3. 第一情報層の反射層の膜厚T1と熱拡散層の膜厚T2が、T2/T1=2〜8の範囲にあることを特徴とする請求項1又は2記載の追記型2層構成光記録媒体。
  4. 熱拡散層の膜厚が30〜90nmであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の追記型2層構成光記録媒体。
  5. 第一情報層の誘電体層の膜厚t1と第二情報層の誘電体層の膜厚t2が、t2/t1=0.7〜1.5の範囲にあることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の追記型2層構成光記録媒体。
  6. 第一情報層の誘電体層の膜厚t1と第二情報層の誘電体層の膜厚t2が、t2/t1=4.5〜6.0の範囲にあることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の追記型2層構成光記録媒体。
  7. 第一情報層のRe層の膜厚が5〜25nm、誘電体層の膜厚が10〜30nmであり、第二情報層のRe層の膜厚が5〜25nm、誘電体層の膜厚が10〜30nmであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の追記型2層構成光記録媒体。
  8. 第一情報層のRe層の膜厚が5〜25nm、誘電体層の膜厚が10〜30nmであり、第二情報層のRe層の膜厚が5〜25nm、誘電体層の膜厚が90〜120nmであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の追記型2層構成光記録媒体。
  9. 第一情報層のRe層よりも手前に、典型元素を含む化合物を主成分とする層(典型元素を含む化合物層)が積層形成されていることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の追記型2層構成光記録媒体。
  10. 典型元素を含む化合物層の膜厚が70nm以下であることを特徴とする請求項9記載の追記型2層構成光記録媒体。
  11. Re層が、Bi酸化物を主成分とするものであることを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の追記型2層構成光記録媒体。
  12. Re層が、Al、Cr、Mn、Sc、In、Ru、Rh、Co、Fe、Cu、Ni、Zn、Li、Si、Ge、Zr、Ti、Hf、Sn、Pb、Mo、V、B及びNbの中から選ばれる一種以上の元素Mを含有することを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載の追記型2層構成光記録媒体。
  13. 誘電体層がZnSとSiOを主成分として含むことを特徴とする請求項1〜12の何れかに記載の追記型2層構成光記録媒体。
  14. ZnSとSiOの配合割合が、70:30〜90:10(モル%)の範囲にあることを特徴とする請求項13記載の追記型2層構成光記録媒体。
  15. 典型元素を含む化合物層の典型元素がZn、In、Al及びSnの中から選ばれる1種以上の元素であることを特徴とする請求項1〜14の何れかに記載の追記型2層構成光記録媒体。
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