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JP2007273523A - 磁気メモリ及びスピン注入方法 - Google Patents

磁気メモリ及びスピン注入方法 Download PDF

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JP2007273523A JP2006094038A JP2006094038A JP2007273523A JP 2007273523 A JP2007273523 A JP 2007273523A JP 2006094038 A JP2006094038 A JP 2006094038A JP 2006094038 A JP2006094038 A JP 2006094038A JP 2007273523 A JP2007273523 A JP 2007273523A
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Abstract

【課題】小さな電流を簡易な制御で流すことで感磁層の磁化の向きの変更を行うことが可能な磁気メモリ及びスピン注入方法を提供する。
【解決手段】 このスピン注入方法によれば、外部磁界Eにアシストされたスピントランスファートルクが働くため、小さな電流で磁化の向きを変更することができ、初期アシストを行う感磁層F1内の外部磁界Eの強度を低下させるだけで感磁層F1の磁化の向きを制御できるため、精密な電流制御を要せず、したがって、小さな電流を簡易な制御で流すことで感磁層の磁化の向きの変更を行うことができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、磁気メモリ及びスピン注入方法に関する。
MRAM(Magnetic RandomAccess Memory)は、格子状に配線されたビット線とワード線の交点にTMR素子(TMR;Tunnel Magnetoresistance)を配置した構造を有する。TMR素子は、2つの強磁性層間に非磁性層を有する強磁性層/非磁性絶縁層/強磁性層の三層構造からなる。強磁性層は、通常は厚さ10nm以下の遷移金属磁性元素(Fe、Co、Ni)又は遷移金属磁性元素の合金(CoFe、CoFeNi、NiFe等)からなり、非磁性絶縁層は、AlやMgO等からなる。
TMR素子を構成する一方の強磁性層(固定層)は、磁化の向きを固定しており、他方の強磁性層(感磁層又は自由層)は磁化の向きが外部磁界に応じて回転する。なお、固定層の構造としては、反強磁性層(FeMn、IrMn、PtMn、NiMn等)を一方の強磁性層に付与した交換結合型が良く用いられる。
メモリ情報の「1」、「0」は、TMR素子を構成する2つの強磁性体の磁化の向きの状態に応じて、すなわち、磁化の方向が平行であるか、反平行であるかに依存して規定される。これら2つの強磁性体の磁化の向きが反平行の時、磁化の向きが平行の時に比べて、厚み方向の電気抵抗の値が大きい。
したがって、「1」、「0」の情報の読出しは、TMR素子の厚み方向に電流を流し、MR(磁気抵抗)効果によるTMR素子の抵抗値又は電流値を測定することで行う。
「1」、「0」の情報の書き込みは、TMR素子近傍に配置した配線に電流を流すことで形成される磁界の作用によって、TMR素子の感磁層の磁化の向きを回転させることで行うことが、従来、行われている。
また、感磁層の磁化方向を情報の「1」、「0」に対応するように変える書き込み動作において、磁性体に磁場を印加することによる磁化反転方法の他、スピン偏極電流によるスピントランスファートルクを用いたスピン注入磁化反転が知られている。情報の読み出し方法としては各セルに読み出し選択トランジスタを設け、選択セルの読み出しトランジスタのみを導通状態にして、選択セルの磁気抵抗効果素子の抵抗を読み取る方式が一般的である。
スピントランスファートルクとは、一方の強磁性体から非磁性層を介して他方の強磁性体に電流を流した場合、他方の強磁性体の磁化方向を変えようとするトルクである。したがって、注入電流のスピンの向きを制御すれば、他方の磁性体の磁化の向きを変更することが可能とされている。
スピントランスファートルクを利用して、強磁性体の磁化の向きを変える方法としては、(I)緩和スイッチ(Relaxing Switching)法、(II)歳差スイッチ(Precessional Switching)法、(III)緩和歳差スイッチ(Relaxing−Precessional Switching)法などが知られている。
緩和スイッチ法では、感磁層の磁化の向きを、固定層からのスピントランスファートルクで制御するが、固定層の磁化の向きは膜面内にあり、感磁層の磁化容易軸と平行である。したがって、感磁層の磁化の向きを反転させる場合、反転の初期段階において、スピントランスファートルクと、磁化を有効磁界方向に向けようとするSpin Relaxingが競合する。また、固定層の磁化の向きと感磁層の磁化の向きが平行に近い反転の初期段階では、スピントランスファートルクが小さいため、反転に時間を要する。すなわち、緩和スイッチ法では、これらの力に抗しながら平衡状態へ徐々に磁化の向きを変更させていくので、磁化の向きを反転させるためには、大きな電流が必要となる。磁化反転に必要なスピントランスファートルクの大きさはLLG(Landau−Lifshitz−Gilbert)方程式に含まれるギルバート減衰定数に比例する。
歳差スイッチ法では、感磁層の磁化の向きを、固定層からのスピントランスファートルクで制御するが、固定層の磁化の向きは、膜面に対して垂直方向であり、感磁層の磁化容易軸に対して垂直である。スピントランスファートルクによって、感磁層の磁化の向きが、膜面に対して垂直成分を持ち、その反磁界によって、膜面内方向に回転を始める。スピントランスファートルクは、感磁層の磁化が面内で回転しても一定であるため、短時間で磁化反転が可能である。しかしながら、スピントランスファートルクは、感磁層の磁化反転後においても電流が流れている限り作用するため、電流の通電時間によっては感磁層の磁化が再反転してしまう。したがって、この方法では、非常に精密な電流の時間制御が要求される。
そこで考えられた緩和歳差スイッチ法は、歳差スイッチ法において、外部磁界を感磁層の磁化困難軸方向に印加する。この場合、歳差スイッチ法で要求された電流の精緻な時間制御を必要としないが、スピントランスファートルクの精密な制御が必要とされる。
このような磁気メモリは、例えば、下記非特許文献、非特許文献2に記載されている。
W.C. Jeong, J.H.Park, J.H.Oh, G.T.Jeong, H.S. Jeong and Kinam Kim、 "Highly scalable MRAM using filed assisted curent induced switching"、Symposium on VLSI Technology Digest of Technical Papers, p.184−185, 2005 森瀬博史、中村志保"第29回日本磁気学会学術講演概要集"、P183、2005
上述のように、従来の磁気メモリにおいては、大きな書き込み電流や精密なスピントランスファートルクを必要としているため、製品歩留まりの低下など、その実用化には改善すべき点がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、小さな電流を簡易な制御で流すことで感磁層の磁化の向きの変更を行うことが可能な磁気メモリ及びスピン注入方法を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明に係るスピン注入方法は、感磁層の磁化の向きを変更する電子を注入するスピン注入方法において、感磁層の磁化容易軸に直交する方向成分を有する外部磁界を感磁層の面内で発生させる第1工程と、膜面に垂直な成分を有する方向に偏極したスピンを有する電子を注入する第2工程と、第2工程の実行期間内に第1工程で発生させた磁界の強度を低下させる第3工程とを備えることを特徴とする。
第1工程では、感磁層の磁化の向きは、外部磁界にアシストされて磁化容易軸に直交する方向(磁化困難軸方向)へと回転する。ここで、第2工程において、偏極スピンを感磁層内に注入すると、スピントランスファートルクも磁化の向きを規定するベクトルに作用し、偏極スピンの偏極方向にベクトルが回転する。その結果、面外方向成分を感磁層の磁化が持つため、膜面内に磁化を向けようとし、磁気異方性によって感磁層の磁化が面に平行で回転する。スピントランスファートルクを加えつつ外部磁界を感磁層に印加し続けると、感磁層の磁化の向きのベクトルが歳差運動をするため、第3工程では、第2工程の実行期間内に第1工程で発生させた磁界の強度を低下させ、好ましくは零とし、感磁層の磁化の向きを磁化方向に収束するようにする。
このスピン注入方法によれば、外部磁界にアシストされたスピントランスファートルクが働くため、小さな電流で磁化の向きを変更することができ、歳差運動による磁化の向きの迷走を抑制するように第1工程で発生させた磁界の強度を低下させるだけで、磁化の向きを制御できるため、精密な電流制御を要せず、したがって、小さな電流を簡易な制御で流すことで感磁層の磁化の向きの変更を行うことができる。
スピン注入と外部磁界印加の重複時間を強磁性共鳴の75±10%にするか、外部磁界を逆向きにするか、スピン注入電流を逆向きにする。
また、第1工程の実行期間と第2工程の実行期間の重複期間は、感磁層の強磁性共鳴周期の25%±10%であることが好ましい。なお、±10%は誤差である。すなわち、重複期間が強磁性共鳴周期の約1/4の場合その瞬間に磁化の容易軸方向成分が最も大きく、書込みが確実になる、という効果がある。
なお、重複期間は、25〜62.5ピコ秒であることが好ましい。重複期間が強磁性共鳴周期Tの約1/4の場合、磁化困難軸からの振れ角度が最大になるので、誤書込みし難いという利点がある。
また、第1工程における外部磁界の立ち上がり期間は、感磁層の強磁性共鳴周期の25%±10%であることが好ましい。なお、±10%は誤差である。すなわち、立ち上がり期間が強磁性共鳴周期の約1/4の場合、歳差運動中の感磁層の磁化の向きが、磁化困難軸に一致する瞬間が生じるため、このときに外部磁界の立ち上がりが完了するように外部磁界を強くすれば、磁化の向きが磁化困難軸に沿って留まる。
なお、この立ち上がり期間は、40〜60ピコ秒であることが好ましい。これはスピントランファートルクが有効に作用する感磁層の強磁性共鳴周期が約100〜250ピコ秒であるからである。
また、外部磁界を、感磁層の近傍に設けられたアシスト配線に電流を流すことで発生させることが好ましい。すなわち、外部磁界は、このようにして発生させることができる。
上述の機能を奏する磁気メモリは、複数の記憶領域を備えた磁気メモリにおいて、個々の前記記憶領域は、強磁性体からなる固定層と、非磁性層を介して固定層に対向し面内方向に沿った磁化容易軸を有する感磁層と、感磁層内に磁界反転アシスト磁界を与えるためのアシスト配線と、固定層に接続されたスピン注入用配線とを有しており、この磁気メモリは、アシスト配線に磁界反転アシスト電流を供給して、感磁層の磁化容易軸に直交する方向成分を有する外部磁界を感磁層の面内で発生させるようONする第1スイッチと、第1スイッチをONした後、スピン注入用配線に電子を供給するようONする第2スイッチとを備え、第1スイッチは第2スイッチがONの期間内にOFFし、固定層の磁化の向きは膜面に垂直であることを特徴とする。
偏極スピンは、強磁性体の固定層と非磁性層を有するスピンフィルタによって生成され、この偏極スピンは感磁層内に注入される。感磁層にはアシスト配線によって磁界反転アシスト磁界を発生させることができ、スピン注入用配線及びスピンフィルタを介して偏極スピンを注入することができる。
第1スイッチをONすると、上述のスピン注入方法の第1工程が実行され、第2スイッチをONすると上述の第2工程が実行され、上述の第3工程が実行されるように、第1スイッチは第2スイッチがONの期間内にOFFする。
したがって、この磁気メモリによれば、上述のスピン注入方法の如く、外部磁界にアシストされた状態でスピントランスファートルクが感磁層に働くため、小さな電流で磁化の向きを変更することができ、歳差運動による磁化の向きの迷走を抑制するように第1工程で発生させた磁界の強度を低下させるだけで、磁化の向きを制御できるため、電流値の精密な制御を要せず、したがって、小さな電流を簡易な制御で流すことで感磁層の磁化の向きの変更を行うことができる。
アシスト配線は、行又は列方向に連続した複数の記憶領域に亘って延びた1本の共通配線であり、連続した個々の記憶領域の個々の第2スイッチは同時にONすることができることが好ましい。
第1スイッチをONすると、複数の記憶領域に亘ってアシスト配線に電流が流れるため、このとき同時に第2スイッチをONすると、これらの記憶領域の磁化の向きを同時に変更することができる。
また、個々の記憶領域は、感磁層の前記固定層とは反対側に絶縁層を介して第2の固定層を備え、前記感磁層、前記絶縁層及び前記第2の固定層はTMR(Tunnel Magnetoresistance)素子を構成していることが好ましい。スピンフィルタを通過した電子は、TMR素子に導入されるため、情報の書き込み・読み出しを行うことができる。
また、アシスト配線に供給される磁界反転アシスト電流の大きさは、個々の感磁層内に発生する外部磁界の強さが、感磁層の異方性磁界の強さ以上となるように設定されることが好ましい。
本発明の磁気メモリ及びスピン注入方法によれば、小さな電流を簡易な制御で流すことで感磁層の磁化の向きの変更を行うことができる。
以下、実施の形態に係る磁気メモリ及びスピン注入方法について説明する。なお、同一要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。実施の形態に係る磁気メモリは、複数の記憶領域を備えており、各記憶領域は磁気抵抗効果素子を備えている。
図1は、磁気抵抗効果素子100の縦断面図(磁化の向き平行時)(a)、磁気抵抗効果素子100の縦断面図(磁化の向き反平行時)(b)である。
磁気抵抗効果素子100は、強磁性体からなる固定層P0、非磁性層C1、強磁性体からなる感磁層F1、トンネルバリア層を構成する絶縁層T1、第2の固定層P1を順次積層してなる。強磁性体の固定層P0と非磁性層C1はスピンフィルタFLを構成している。また、感磁層F1、絶縁層T1及び第2の固定層P1はTMR素子MRを構成している。
スピンフィルタFLを通過した電子は、TMR素子MRに導入されるため、感磁層F1の磁化の向きと第2の固定層P1の磁化の向きの平行、反平行に応じて、情報の書き込み・読み出しを行うことができる。
メモリ情報の「1」、「0」は、TMR素子MRを構成する第2の固定層P1と感磁層F1の磁化の向きの状態に応じて、すなわち、磁化の方向が平行であるか(図1(a))、反平行であるか(図1(b))に依存して規定される。第2の固定層P1と感磁層F1の磁化の向きが反平行の時(図1(b))、磁化の向きが平行の時に比べて(図1(a))、厚み方向の電気抵抗Rの値が大きい。換言すれば、平行時の抵抗Rは閾値R以下であり、反平行時の抵抗Rは閾値Rよりも大きくなる。したがって、「1」、「0」の情報の読出しは、TMR素子MRの厚み方向に電流Iを流し、MR(磁気抵抗)効果によるTMR素子MRの抵抗値又は電流値を測定することで行う。
図2は、感磁層F1内の磁化の向きVβを説明するための図である。
この磁気抵抗効果素子100への「1」、「0」の情報の書き込みは、磁気抵抗効果素子100の近傍に配置したワード線(アシスト配線)WLに電流(磁界反転アシスト電流)IAEを流すことで形成される外部磁界Eと、ビット線BLを介した感磁層F1へのスピン注入(書き込み電流I)によって磁化の向きVβに働くスピントランスファートルクによって、感磁層F1の磁化の向きを回転させることで行う。外部磁界Eは感磁層F1の近傍に設けられたワード線WLに電流を流すことで発生させている。
感磁層F1の磁化の向きVβは磁化容易軸(Y軸)に一致しており、磁化困難軸はXY平面内において磁化容易軸(X軸)に直交している。
まず、ワード線WLに磁化反転アシスト電流IAEを通電すると、ワード線WLの長手方向を囲む方向に外部磁界Eが発生し、外部磁界Eが感磁層F1内に与えられる。+Y方向に電流IAEを流した場合には、進行方向に沿って右回りの磁界が発生し、感磁層F1内において+X方向に外部磁界Eが向く。すなわち、第1工程では、感磁層F1の磁化容易軸Yに直交する方向成分を有する外部磁界Eを感磁層MRの面内で発生させる。
感磁層F1はY方向のアスペクト比が高く、その異方性磁界の向きはY軸に一致する。外部磁界Eが与えられると、磁化の向きVβはZ軸を回転中心とし点線Pに沿って回転を始める。すなわち、第1工程では、感磁層F1の磁化の向きVβは、外部磁界Eにアシストされて磁化容易軸(Y)に直交する方向(磁化困難軸方向X)へと回転する。
感磁層F1の磁化困難軸方向Xに印加する外部磁界Eの大きさは、感磁層F1の異方性磁界(Y軸方向)よりも大きく設定されている。この場合、磁化容易軸Yに沿った初期の磁化の向きVβは、外部磁界Exの方向に回転する。
スピンフィルタFLは、特定の向きのスピンの電子を透過させ、或いは反射させる。ここでは、アップスピンの電子がスピンフィルタを透過してきたとする。第2工程では、感磁層F1内に膜面に垂直な成分を有する方向に偏極したスピンを有する電子を注入する。偏極スピンを感磁層F1内に注入すると、スピントランスファートルクも磁化の向きVβを規定するベクトルに作用し、偏極スピンの偏極方向にベクトルが回転する。スピントランスファートルクを加えつつ外部磁界Eを感磁層F1に印加し続けると、感磁層F1の磁化の向きVβのベクトルが歳差運動をする。
第3工程では、第2工程の実行期間内に第1工程で発生させた外部磁界Eの強度を低下させ、好ましくは零とし、感磁層F1の磁化の向きVβを磁化困難軸方向(+X方向)から、磁化容易軸方向に傾いた方向で、感磁層の有効磁界の方向を磁化容易軸方向に変化させる。なお、書き込み電流Iの向きを反転させれば、上記とは逆向きのスピンがスピンフィルタFLによって反射され、逆向きのスピントランスファートルクが磁化の向きVβを規定するベクトルに作用し、偏極スピンの偏極方向にベクトルが回転する。
このスピン注入方法によれば、感磁層F1内において+X方向を向いた外部磁界Eにアシストされた状態でスピントランスファートルクが働くため、小さな電流で磁化の向きVβを変更することができ、歳差運動による磁化の向きVβの迷走を抑制するように第1工程で発生させた磁界の強度を低下させるだけで磁化の向きVβを制御できるため、電流値の精密な制御を要せず、したがって、小さな電流を簡易な制御で流すことで感磁層F1の磁化の向きVβを磁化困難軸(X軸)方向へ変更することができる。
磁化困難軸Xから磁化容易軸Yの逆向き方向への磁化の向きの変更は容易であり、磁化容易軸Yの逆向き方向に沿った外部磁界を発生させればよい。すなわち、磁化困難軸Xに磁化の向きVβが固定された状態で、書き込み電流Iの向きを同方向にすればよい。書き込み電流Iwを逆方向に流さなくても良いので、回路設計を容易にすることができる。
図3は、上述の磁界反転アシスト電流IAE及び書き込み電流Iのタイミングチャートである。
外部磁界Eを発生させるため、時刻tに磁界反転アシスト電流IAEの立ち上げを開始して第1工程を実行する。第2工程では、第1工程の実行中の時刻tおいて、書き込み電流Iを感磁層F1内に流し始め、磁界反転アシスト電流IAEが零となって外部磁界Eの発生が終了する時刻t3よりも後の時刻tにおいて、書き込み電流Iの供給を停止する。
第1工程の実行期間と第2工程の実行期間の重複期間(時刻t〜時刻t)は、感磁層F1の強磁性共鳴周期Tの約1/4(25%±10%)である(Δt=t−t=T/4)。なお、±10%は誤差である。スピントランファートルクが有効に作用する感磁層F1の強磁性共鳴周期Tは約100〜250ピコ秒であるので、重複期間Δtは25〜62.5ピコ秒となる。重複期間Δtが強磁性共鳴周期Tの約1/4の場合、磁化困難軸からの振れ角度が最大になるので、誤書込みし難い。
なお、磁界反転アシスト電流IAEの維持時間は磁化を困難軸方向に向けるのに必要な時間以上であって、ギルバート減衰定数によって規定されるが、通常は10ns程度である。
高速に磁化の向きVβを磁化困難軸(X)の方向に向けるためには、磁界反転アシスト電流IAEの立上げ方を工夫する方法が考えられる。
図4は、改良された磁界反転アシスト電流IAEの立ち上がり時におけるタイミングチャートである。なお、説明においては、図2を適宜参照する。
磁界反転アシスト電流IAEにより外部磁界Eを発生し、外部磁界Eと感磁層F1の異方性磁界との合成有効磁界の向きを、ほぼ45度方向(+Y軸から+X軸に向かう回転角度)となるようにする。この場合、LLG方程式に従って、磁化の向きVβは歳差運動を始め、磁化向きVβが磁化困難軸Xに近づく瞬間がある。この瞬間に磁界反転アシスト電流IAEを増加し、合成有効磁界が完全に磁化困難軸Xに向くようにすると、磁化向きVβは磁化困難軸Xの方向に留まる。
すなわち、時刻tから時刻tまでは磁界反転アシスト電流IAEをIとした後、時刻tにおいて磁界反転アシスト電流IAEを増加させてIとする。なお、第1工程における外部磁界Eの立ち上がり期間は、感磁層F1の強磁性共鳴周期Tの25%±10%である。なお、±10%は誤差である。立ち上がり期間が強磁性共鳴周期Tの約1/4(=25%±10%)の場合、歳差運動中の感磁層F1の磁化の向きVβが、磁化困難軸Xに一致する瞬間が生じるため、このときに外部磁界Eの立ち上がりが完了するように外部磁界Eを強くすれば、磁化の向きVβが磁化困難軸Xに沿って留まる。
なお、二段階ではなく、連続的に磁界反転アシスト電流を増加させていく方法もあり(IAE’で示す)、この場合も磁化の向きVβは同様の運動をする。これらの手法の場合、磁化の向きVβを1ns以下で磁化困難軸(X)の方向に向けることができる。磁界反転アシスト電流を連続的に変化させる場合、磁界反転アシスト電流通電開始から、強磁性共鳴周期Tの約8分の1で合成有効磁界がほぼ45度方向を向くようにし、更に約8分の1経過した時点で合成有効磁界が困難軸方向になるようにする。なお、約1/4は25%±10%である。スピントランファートルクが有効に作用する感磁層F1の強磁性共鳴周期Tは約100〜250ピコ秒であるので、この立ち上がり期間(t−t)は、40〜60ピコ秒となる。
図5は、従来の磁気メモリの電流の動作領域を示すグラフである。通常、ワード線電流、ビット線電流は、共に非選択の記憶領域(セル)にも磁界を印加するため、非選択記憶領域に擾乱を与えて、誤動作させる恐れがある。このため、ワード線電流、ビット線電流には上限と下限があり、動作領域が限られている。記憶領域の特性のばらつきにより、動作領域の変動があり、これを考慮すれば、全記憶領域の動作を保証することは困難で、高いビット歩留まりを確保することは難しい。
一方、上述の方法によれば、書込み電流Iwの多寡によって非選択セルに影響を与えないので誤書込みを排除できる。
図6は、磁気メモリを構成する単一の記憶領域の斜視図である。
この記憶領域は、強磁性体からなる固定層P0と、非磁性層C1を介して固定層P0に対向し面内方向に沿った磁化容易軸(Y)を有する感磁層F1と、感磁層F1内に磁界反転アシスト磁界Eを与えるためのワード線(アシスト配線)WLと、固定層P0に接続されたスピン注入用配線BL,CL,RLとを有している。
さらに、この記憶領域は、ワード線WLに磁界反転アシスト電流IAEを供給して、感磁層F1の磁化容易軸Yに直交する方向成分を有する外部磁界Eを感磁層F1の面内で発生させるようONする第1スイッチ(QW(X):図9参照)と、第1スイッチをONした後、スピン注入用配線BL,CL,RLに電子を供給するようONする第2スイッチQとを備えている。
第1スイッチ(QW(X):図9参照)をONすると、上述のスピン注入方法の第1工程が実行され、第2スイッチQをONすると上述の第2工程が実行され、上述の第3工程が実行されるように、第1スイッチは第2スイッチがONの期間内にOFFする。
したがって、この磁気メモリによれば、上述のスピン注入方法の如く、外部磁界にアシストされた状態でスピントランスファートルクが感磁層F1に働くため、小さな電流で磁化の向きを変更することができ、歳差運動による磁化の向きの迷走を抑制するように第1工程で発生させた磁界の強度を低下させるだけで磁化の向きVβを制御できるため、電流値の精密な制御を要せず、したがって、小さな電流を簡易な制御で流すことで感磁層F1の磁化の向きVβの変更を行うことができる。
感磁層F1の固定層P0とは反対側には絶縁層T1を介して第2の固定層P1が設けられており、感磁層F1、絶縁層T1及び第2の固定層P1はTMR素子MRを構成している。スピンフィルタFLを通過した電子は、TMR素子MRに導入されるため、感磁層F1の磁化の向きVβと第2の固定層P1の磁化の向きVγの平行、反平行に応じて、情報の書き込み・読み出しを行うことができる。第2の固定層P1の磁化の向きVγは+Y方向である。また、固定層P0の磁化の向きVαは膜面に垂直方向である。
図3に示したように、磁界反転アシスト電流IAEを供給する第1スイッチ(QW(X):図9参照)は、書き込み電流Iを供給する第2スイッチQがONの期間内にOFFする。磁界反転アシスト電流IAEは、グローバルワード線GWLから分岐したワード線WLを流れる。書き込み電流Iによる偏極スピンは、強磁性体の固定層P0と非磁性層C1を有するスピンフィルタFLによって生成され、この偏極スピンは感磁層F1内に注入される。
ゲート線GLの電位によって制御される第2スイッチ(電界効果トランジスタ)QをONして、一方向の書き込み電流Iをビット線BLからTMR素子MRに流すと、リターン線RLから、垂直配線VL2、第2スイッチQ、垂直配線VL1、水平配線HLを介して、スピンフィルタFLに電子が流れ込み、感磁層F1内に偏極スピンが注入される。
ゲート線GLの電位によって制御される第2スイッチ(電界効果トランジスタ)QをONして、逆方向の書き込み電流Iをビット線BLからTMR素子MRに流すと、逆向きの偏極スピンが感磁層F1内に注入され、これは水平配線HL、垂直配線VL1、第2スイッチQを介してリターン線RLへと流れる。書き込み電流Iの向きは、ビット線BLとリターン線RLの電位を変更することで変えることができるが、nMOSスイッチのゲートをONさせるに必要な電圧は大きくなる。しかし、逆方向書込み時に、書込み電流の方向を同一にし、アシスト磁界を逆にする方法をとれば、このような弊害はない。
情報の読み出し時の動作は、書き込み時と同一であるが、ビット線を流れる書き込み電流Iに変えて、読み出し電流Irは小さな電流値であっても良いし、同程度であっても良い。
なお、書込みと読み出し時においては、共にTMR素子MRに通電するが、読み出し時には外部磁界を印加しなければ、磁化が反転することがないので、読み出し時のTMR素子MRへの印加電圧を低下させることなく、読み出し時の磁化安定性を確保できるという利点もある。なお、従来のスピントランスファートルクによる書込みの場合、読み出し時に磁化の反転を引き起こさないための配慮として、読み出し時の電圧、電流を書き込み時に対して十分に小さくする結果、読み出しの困難さや、読み出し速度の低下が生じる。また、感磁層F1のギルバート減衰定数を大きくすれば、読み出し時の安定性はより大きくすることができる。
図7は、磁気抵抗効果素子近傍の斜視図である。
Y軸方向に延びたワード線上に絶縁層10を介して水平配線HLが設けられ、この水平配線HLはY軸方向に沿って延びている。水平配線HLは固定層P0に接触しており、また、第2の固定層P1は、X軸方向に沿って延びたビット線BLに接触している。
なお、感磁層F1の材料としては、例えばCo、CoFe、NiFe、NiFeCo、CoPt、CoFeBなどの強磁性材料を用いることができる。
TMR素子MRを構成する非磁性絶縁層T1の材料としては、例えばAl、Zn、Mgといった金属の酸化物または窒化物、例えばAlやMgOが好適である。固定層P0、第2の固定層P1の構造としては、反強磁性層を強磁性材料層に付与した交換結合型を用いることができる。また、反強磁性体の材料としては、IrMn、PtMn、FeMn、NiMn、PtPdMn、RuMn、NiO、またはこれらのうち任意の組み合わせの材料を用いることができる。非磁性層C1の材料としては、CuやRuを用いることができる。
各種配線材料としては、Cu、AuCu、W、Al等を用いることができる。
図8は、図6に示したスイッチ(N型の電界効果トランジスタ)Qの縦断面図である。
n型の基板SUB上に、p型半導体層PLが形成あれており、p型半導体層PLは分離領域(浅いトレンチアイソレーション)STIによって分離されている。分離領域STIの内側のp型半導体層PL内には、n型のソース領域S及びドレイン領域Dが形成されており、それぞれの上にソース電極SE(垂直配線VL2)及びドレイン電極DE(垂直配線VL1)が形成されている。基板表面には絶縁層20が設けられており、ソース領域S及びドレイン領域D間の上方の絶縁層20上にゲート電極GE(ゲート配線GL)が設けられている。
図9は、複数の記憶領域(セル)CELを備えた磁気メモリの斜視図である。
記憶領域CELは、XY平面内においてマトリックス状に配置されており、各記憶領域CEL(x、y)の構造は、図6に示した通りである。ここで、図6に示したワード線WL(アシスト配線)は、列方向(行方向でもよい)に連続した複数の記憶領域CEL(1,1)、CEL(1,2)・・・、CEL(x,y)に亘って延びた1本の共通配線であり、連続した個々の記憶領域CEL(1,1)、CEL(1,2)・・・、CEL(x,y)の個々の第2スイッチQは同時にONすることができる。第1スイッチQW(x)をONすると、列方向の複数の記憶領域CEL(1,1)、CEL(1,2)・・・、CEL(x,y)に亘ってワード線WLに電流IAEが流れるため、このとき同時に第2スイッチQをONすると、これらの記憶領域CEL(1,1)、CEL(1,2)・・・、CEL(x,y)の磁化の向きを同時に変更することができる。
また、この列に隣接する列に対応する第1スイッチQW(x+1)をONすると、列方向の複数の記憶領域CEL(2,1)、CEL(2,2)・・・、CEL(x+1,y+1)に亘ってワード線WLに電流IAEが流れるため、このとき同時に第2スイッチQをONすると、これらの記憶領域CEL(2,1)、CEL(2,2)・・・、CEL(x+1,y+1)の磁化の向きを同時に変更することができる。なお、1本のワード線WL上の記憶領域の数は、一度に書き込みが可能な数であり、通常は8、16、32、64などである。
上述のように、この磁気メモリの書き込み時においては、グローバルワード線GWLに接続された複数のワード線WLに通電し、その後、ビット線BLとリターン線RL間に書き込む情報に応じて、正または負の電位差を印加し、ゲート線(ゲート電極)GLの電位を正にすることで、スイッチQを導通状態にして磁気抵抗効果素子100に電流を供給する。すなわち、リターン線RLに対して、ビット線BLの電位を上げるか下げるという方法で双方向の電流を感磁層F1に供給している。
なお、上述のように、磁気抵抗効果素子100に電流を流して、感磁層F1の強磁性共鳴周期Tの4分の1の時間経過後に、ワード線WLの電流IAEを切断している。ワード線WLを流れる電流IAEは、ワード線選択線MWLの電位を制御することで制御する。ワード線選択線MWLとワード線WLとの間には、第1スイッチ(電界効果トランジスタ)QW(x)、QW(x+1)が介在しているが、これらのゲート電極は、共に1本の共通選択ゲート線WLSに接続されている。したがって、共通選択ゲート線WLSの電位を上げると、各列のワード線WLの電位を同時に上げることができ、高速の書き込みが実行できる。
読み出し時においては、ゲート線(ゲート電極)GLに正電圧を印加することでトランジスタを導通状態にして、リターン線RLとビット線BL間の電流を測定することにより、磁気抵抗効果素子100の抵抗を読み出す。
なお、1ns以下の時間差での各制御線の制御を実現する方法として、同一のパルス信号を利用してそれから異なる遅延時間の回路を経由して時間差を作り出す方法を用いることができる。更に、この遅延時間を調整する方法として、電気的方法により遅延時間を調整出来る回路を利用する方法を用いることも可能である。
以上、説明したように、上述の磁気メモリ及びスピン注入方法によれば、小さな電流を簡易な制御で流すことで感磁層の磁化の向きの変更を行うことができる。なお、上述の実施形態よれば、スピントランスファートルクの大きさが、他の方式よりも小さくて済む。すなわち、実施形態の方法の場合、スピントランスファートルクの大きさは緩和スイッチ法の4分の1(ギルバート減衰定数が0.01、面内異方性磁界100Oeの場合)、歳差スイッチ法の2分の1、緩和歳差スイッチ法と同程度である。
また、上記実施形態によれば、スピントランスファートルクは各セル毎にスイッチトランジスタで制御できるので非選択セルへの誤書込みが生じないという利点がある。更に、上記実施形態の方法によれば、書き込みに必要なスピントランスファートルクを生じさせる電流値が、外部磁界を用いない方式に比べの半分以下にできるという利点もある。
本発明は、スピン注入法及び磁気メモリに利用することができる。
磁気抵抗効果素子の縦断面図(磁化の向き平行時)(a)、磁気抵抗効果素子の縦断面図(磁化の向き反平行時)(b)である。 感磁層F1内の磁化の向きVβを説明するための図である。 磁界反転アシスト電流IAE及び書き込み電流Iのタイミングチャートである。 改良された磁界反転アシスト電流IAEの立ち上がり時におけるタイミングチャートである。 従来の磁気メモリの電流の動作領域を示すグラフである。 磁気メモリを構成する単一の記憶領域の斜視図である。 磁気抵抗効果素子近傍の斜視図である。 図6に示したスイッチ(N型の電界効果トランジスタ)Qの縦断面図である。 複数の記憶領域(セル)CELを備えた磁気メモリの斜視図である。
符号の説明
P0・・・固定層、C1・・・非磁性層、F1・・・感磁層、T1・・・絶縁層、P1・・・第2の固定層。



Claims (11)

  1. 感磁層の磁化の向きを変更する電子を注入するスピン注入方法において、
    前記感磁層の磁化容易軸に直交する方向成分を有する外部磁界を前記感磁層の面内で発生させる第1工程と、
    前記感磁層内に膜面と垂直な成分を有する方向に偏極したスピンを有する電子を注入する第2工程と、
    前記第2工程の実行期間内に前記第1工程で発生させた磁界の強度を低下させる第3工程と、
    を備えることを特徴とするスピン注入方法。
  2. 前記第1工程において前記感磁層の磁化困難軸方向に印加する外部磁界の大きさは、前記感磁層の異方性磁界よりも大きく設定することを特徴とする請求項1に記載のスピン注入方法。
  3. 前記第1工程の実行期間と前記第2工程の実行期間の重複期間は、前記感磁層の強磁性共鳴周期の25%±10%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスピン注入方法。
  4. 前記重複期間は、25〜62.5ピコ秒であることを特徴とする請求項3に記載のスピン注入方法。
  5. 前記第1工程における前記外部磁界の立ち上がり期間は、前記感磁層の強磁性共鳴周期の25%±10%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスピン注入方法。
  6. 前記立ち上がり期間は、40〜60ピコ秒であることを特徴とする請求項5に記載のスピン注入方法。
  7. 前記外部磁界を、前記感磁層の近傍に設けられたアシスト配線に電流を流すことで発生させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のスピン注入方法。
  8. 複数の記憶領域を備えた磁気メモリにおいて、
    個々の前記記憶領域は、
    強磁性体からなる固定層と、
    非磁性層を介して前記固定層に対向し面内方向に沿った磁化容易軸を有する感磁層と、
    前記感磁層内に磁界反転アシスト磁界を与えるためのアシスト配線と、
    前記固定層に接続されたスピン注入用配線と、
    を有し、
    前記磁気メモリは、
    前記アシスト配線に磁界反転アシスト電流を供給して、前記感磁層の磁化容易軸に直交する方向成分を有する外部磁界を前記感磁層の面内で発生させるようONする第1スイッチと、
    前記第1スイッチをONした後、前記スピン注入用配線に電子を供給するようONする第2スイッチと、
    を備え、
    前記第1スイッチは前記第2スイッチがONの期間内にOFFし、
    前記固定層の磁化の向きは膜面に垂直であることを特徴とする磁気メモリ。
  9. 前記アシスト配線は、行又は列方向に連続した複数の前記記憶領域に亘って延びた1本の共通配線であり、前記連続した個々の前記記憶領域の個々の前記第2スイッチは同時にONすることができることを特徴とする請求項8に記載の磁気メモリ。
  10. 個々の前記記憶領域は、
    前記感磁層の前記固定層とは反対側に絶縁層を介して第2の固定層を備え、
    前記感磁層、前記絶縁層及び前記第2の固定層はTMR素子を構成している、
    ことを特徴とする請求項9に記載の磁気メモリ。
  11. 前記アシスト配線に供給される磁界反転アシスト電流の大きさは、個々の前記感磁層内に発生する外部磁界の強さが、前記感磁層の異方性磁界の強さ以上となるように設定されることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の磁気メモリ。


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