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JP2007256900A - 液晶表示素子 - Google Patents

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JP2007256900A
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Yoshiyuki Ushio
嘉幸 牛尾
Toru Tsukamoto
徹 塚本
Kazuaki Hakumo
和章 白茂
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Hiroshima Opt Corp
Kyocera Display Corp
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Hiroshima Opt Corp
Kyocera Display Corp
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Abstract

【課題】ラビング布が電極を擦ることに起因して発生するスジ状の輝度ムラを低減可能な、VAモードの液晶表示素子を提供する。
【解決手段】第1の基板1の上には、第1の電極6が形成されている。また、第2の基板2は、第1の基板1に対向するとともに、第1の基板1との対向面に第2の電極8が形成されている。第1の基板1の上には、さらに、表示部Aを駆動する第1の駆動信号を第1の電極6に送る第1の配線部と、導電性粒子11を通じて、表示部Aを駆動する第2の駆動信号を第2の電極8に送る第2の配線部13とが形成されている。第1の電極6と第2の電極8の上には、垂直配向性の第1の配向膜7と第2の配向膜9が設けられていて、第2の配向膜9にのみラビング処理が施されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示素子に関し、特に、車両のインストルメントパネル(instrument panel)に好適な垂直配向モードの液晶表示素子に関する。
液晶表示素子は、比較的単純な構造からなっており、また、構成部材の選択によって薄型化および軽量化が容易であり、さらに、低電圧での駆動も可能である。このため、近年では、コンピュータ、テレビ、ビデオカメラおよび車両のインストルメントパネルなどに盛んに利用されている。
例えば、透過型の液晶表示素子では、所定の方向に配向した数μm程度の極薄い液晶層と、この液晶層を挟持する透明な一対の薄い基板と、さらに、この基板を挟持して偏光子および検光子を構成する一対の偏光板とを有する。液晶層が設けられる側の基板面には、所定の形状にパターニングされた電極が形成されている。そして、この電極を介して液晶層に電圧を印加すると、液晶の配向が変化して、液晶表示素子を透過する光の量または波長が変わる。液晶表示素子では、これを利用して所望の表示を行っている。
このような液晶表示素子は、液晶層の初期配向状態並びに電圧印加時の動作状態および配向状態などによって、いくつかのモードに分類される。例えば、誘電率異方性が正である液晶分子を基板に対して概ね水平に配向させるとともに、液晶分子が上下の基板間で90度捩れた配向状態をとるTN(Twisted Nematic;以下、TNと称す。)モードがある。これは、開発初期の液晶表示素子で多く用いられたモードである。また、その後に開発されたモードの1つに、垂直配向(Vertical Alignment;以下、VAと称す。)モードがある。これは、車両のインストルメントパネルなどに用いられる液晶表示素子に好適なモードである。
VAモード液晶表示素子は、一対の基板間に、初期配向状態が基板と概ね垂直(垂直配向)な負の誘電率異方性(Δε)を有する液晶層を挟持し、さらに、この基板を、通常はクロスニコルを構成するように配置した一対の偏光板で挟持することによって構成される。そして、基板面に形成された電極を介して液晶層に電圧を印加すると、液晶の配向が変化して、液晶層が電界に対して垂直、すなわち、液晶の配向方向が基板と平行になる。これにより、電圧を印加した部分と印加していない部分とで、液晶の屈折率異方性(Δn)と液晶層厚(d)との積(Δn・d)によって定まる光の透過特性、特に、色味に違いを生じさせることができる。
ところで、液晶表示素子においては、電圧印加時の液晶の動作方向が均一となるように、液晶層を挟持するそれぞれの基板に対して配向処理が施されている。
配向処理の方法として従来より知られているものの1つにラビング法がある。ラビング法は、ナイロンやレーヨンなどのラビング布で配向膜の表面を一方向に擦ることによって、その方向に液晶分子を配向させるものである。例えば、金属製で円柱状のラビングローラの表面にラビング布を巻きつけて固定し、ラビングローラを配向膜の上で移動させながら、適当な速度でラビングローラを回転させて、配向膜の表面をラビング布が擦るようにする。こうしたラビングのメカニズムは、ラビングによって形成された配向膜表面の溝に液晶分子が嵌まり込むことによると考えられている。また、ラビングによって、液晶分子を一方向に配向させるような静電気的な力が配向膜に付与されることによるとも考えられている。
また、ラビング法以外にも、斜め電界を利用して液晶分子を配向させる方法も提案されている。
例えば、特許文献1には、透明基板の上に、絶縁膜、画素電極および配向膜が順に形成されたアクティブマトリクス基板について、画素電極に複数の開口部を設けることによって、液晶層に電圧を印加したときに開口部周辺の電気力線を基板に対して傾け、これによって、開口部周辺の液晶分子を開口部を中心として放射線状に倒れるように配向させる液晶表示素子が開示されている。この液晶表示素子によれば、開口部周辺の液晶分子を軸対称状に配向させるので、広視野角の表示特性を実現できるとされる。
また、特許文献2には、液晶層を挟持する一対の透明基板の各々にスリットを設け、これらのスリットが、表示領域内でスリットの長手方向と直交する方向に交互に配置された液晶表示素子が開示されている。この液晶表示素子によれば、スリットのエッジ付近に生じる斜め電界によって、隣り合う液晶分子の倒れこむ方向を交互に逆転させ、何れの視角方向においても、最も視認状態のよい小領域が最も視認状態の悪い小領域によって補償されるようにするので、表示領域全体としての視角依存性を低減できるとされる。
さらに、基板の上に突起を設けることによって、電圧印加時に液晶分子が倒れる方向を制御する方法も提案されている。
例えば、特許文献3には、一方の基板の電極にスリットを設け、他方の基板の電極に突起を設けた液晶表示素子が開示されている。この液晶表示素子では、電圧を印加すると、スリット部では基板表面に対して斜めの電界が発生し、突起部では液晶分子が傾斜する。そして、スリット部と突起部の真ん中で液晶の配向方向が分割されるので、全方位で均一な中間調表示が得られるとされる。
特許第3367902号明細書 特開2004−252298号公報 特許第2947350号明細書
ところで、液晶表示素子では、配向膜は表示部の電極上に形成される。したがって、表示部以外の領域に設けられた電極の上には配向膜は形成されない。このため、ラビングの際に、露出した電極をラビング布が擦ることによってラビング布が損傷し、これが原因となって、電圧印加時に表示部にスジ状の輝度ムラが発生するという問題があった。特に、VAモードはTNモードに比べてこうした輝度ムラが発生しやすく、表示品位を低下させる原因となっていた。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、ラビング布が電極を擦ることに起因して発生するスジ状の輝度ムラを低減可能な、VAモードの液晶表示素子を提供することにある。
本発明の他の目的および利点は、以下の記載から明らかとなるであろう。
本発明は、第1の電極が形成された第1の基板と、
前記第1の基板に対向するとともに、前記第1の電極との対向面に第2の電極が形成された第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板の間に挟持される液晶層とを備え、
前記第1の電極と前記第2の電極を介した前記液晶層への電圧の印加により表示部で画像を表示する液晶表示素子において、
前記第1の基板に形成されて、前記表示部を駆動する第1の駆動信号を前記第1の電極に送る第1の配線部と、
前記第1の基板に形成されて、導通部を通じて前記表示部を駆動する第2の駆動信号を前記第2の電極に送る第2の配線部とを有し、
前記第1の電極および前記第2の電極の上には、垂直配向性の配向膜がそれぞれ設けられていて、前記第2の電極の上に設けられた配向膜にのみラビング処理が施されていることを特徴とする液晶表示素子に関する。
本発明において、前記ラビング処理により形成される、前記液晶層と前記第2の基板の法線方向との間のプレチルト角は、0.2度より大きくて5度以下であることが好ましく、0.2度より大きくて3度以下であることがより好ましく、0.2度より大きくて2度以下であることがさらに好ましい。
本発明において、前記第2の基板には、前記第2の駆動信号を前記第2の電極に送る第3の配線部が形成されており、
前記第1の基板と前記第2の基板は、導電性粒子を含むシール材によって貼り合わせられていて、
前記導通部は、前記第3の配線部と前記導電性粒子によって構成されるものとすることができる。
本発明において、前記液晶表示素子はパッシブマトリクス型の液晶表示素子とすることができる。
本発明によれば、第2の電極の上に設けられた配向膜にのみラビング処理が施されているので、ラビング布が電極や配線を構成する材料と接触する部分の面積を最小限にすることができる。これにより、ラビング布の損傷が最小限に抑えられるので、電圧印加時に、表示部にスジ状の輝度ムラが発生するのを低減することができる。
また、本発明の1の態様によれば、ラビング処理によって形成される液晶層の基板面への配向角度を最適範囲に制御することにより、優れた光学特性と表示部のムラの低減の両立を図ることが可能となる。
図1は、本実施の形態における液晶表示素子の模式的な断面図である。尚、周辺部分以外(表示部Aの大部分)については省略している。
図1に示すように、液晶表示素子は、第1の基板1と、第1の基板1に対向する第2の基板2と、第1の基板1と第2の基板2に挟持され、負の誘電率異方性を有する液晶分子からなる液晶層3とを有する。第1の基板1および第2の基板2には、それぞれガラス基板を用いることができる。
また、液晶表示素子は、視認者側の偏光板4と、反視認者側の偏光板5とを有する。これらは、それぞれ、第2の基板2および第1の基板1における液晶層3との対向面とは反対側の面上に設けられ、互いにクロスニコル配置される。尚、クロスニコル配置とは、一方の偏光板の吸収軸と他方の偏光板の吸収軸との交差角度が90度±5度になるような配置を言う。
本実施の形態の液晶表示素子は、パッシブマトリクス駆動によるものとする。但し、本発明はこれに限られるものではなく、アクティブマトリクス駆動によるものであってもよい。アクティブマトリクス駆動による場合には、例えば、第1の基板1をTFT基板とすることができ、第2の基板2をカラーフィルタ基板とすることができる。
液晶層3が設けられる側の第1の基板1の表面には、液晶層3に電圧を印加するための第1の電極6と、垂直配向性の第1の配向膜7とがこの順に形成されている。また、液晶層3が設けられる側の第2の基板2の表面にも、液晶層3に電圧を印加するための第2の電極8と、垂直配向性の第2の配向膜9とがこの順に形成されている。第1の電極6および第2の電極8としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)を用いることができる。また、これらは、表示部Aにおいて、キャラクター表示などの所望の画像表示ができるよう、それぞれ所定の形状にパターニングされている。
第1の基板1と第2の基板2は、シール材10を介して貼り合わせられている。シール材10には、導電性粒子11が混在する部分(以下、トランスファー部と称す。)があり、後述するように、トランスファー部を通じて、第1の基板1に形成された配線と、第2の基板2に形成された電極とが導通している。導電性粒子11としては、例えば、プラスチックの表面に金(Au)メッキ処理を施した粒子などを用いることができる。
図2は、第1の基板1の模式的な平面図である。第1の基板1の上には、第1の電極6と、第1の配向膜7と、第1の電極6に第1の駆動信号を送る第1の配線部12と、図1の第2の電極8に第2の駆動信号を送る第2の配線部13とが設けられている。また、第1の基板1は、第2の基板2の外縁よりも外側に張り出した部分(張出部16)を有している。そして、張出部16に、第1の配線部12および第2の配線部13が引き出されており、これらの配線部は、第1の駆動信号および第2の駆動信号を発生する駆動回路(図示せず)に接続している。尚、第1の配線部12および第2の配線部13も、ITOからなるものとすることができる。
図3は、第2の基板2の模式的な平面図である。図に示すように、第2の基板2の上には、第2の電極8と、第2の配向膜9と、トランスファー部を通じて、第1の基板1に設けられた第2の配線部13に電気的に接続する第3の配線部14とを有している。本実施の形態においては、導電性粒子11と第3の配線部14によって、表示部Aを駆動する第2の駆動信号を第2の配線部13から第2の電極8に送る導通部が構成される。
図4は、図2の第1の基板1と第2の基板2とを重ね合わせた後、シール材10を介してこれらの基板を貼り合わせた状態を示している。尚、点線部は、第2の基板2に設けられた電極、配向膜および配線部を示している。また、図1は、図4のx−x’線に沿う断面図に対応している。図4に示すように、第2の電極8は、第3の配線部14からトランスファー部15を通じて、第2の配線部13に接続している。これにより、第2の配線部13から第2の電極8に第2の駆動信号が送られる。
図2に示すように、第1の電極6の一部、第1の配線部12および第2の配線部13の上には、第1の配向膜7が設けられていない。ここで、第1の配向膜7は、第1の電極6、第1の配線部12および第2の配線部13を形成した後に形成され、その後にラビング処理を施される。したがって、第1の配向膜7に対してラビング処理を行おうとすると、第1の配向膜7によって被覆されていない第1の電極6、第1の配線部12および第2の配線部13をラビング布が擦ることとなる。これにより、ラビング布が損傷すると、第1の配向膜7に対して均一な配向処理を施すことが困難となり、電圧印加時に、表示部Aでスジ状の輝度ムラの発生を引き起こす結果となる。
一方、図3に示すように、第2の電極8の一部および第3の配線部14の上にも、第2の配向膜9が設けられていない。しかしながら、第2の配向膜9が設けられていない部分の面積は、第1の基板1で第1の配向膜7が設けられていない部分の面積に比べて明らかに小さい。これは、第1の基板1には、駆動回路に接続する配線部(第1の配線部12および第2の配線部13)が設けられているのに対し、第2の基板2には、これらの配線部が設けられていないからである。
そこで、本発明者は、第1の配向膜7にはラビング処理を行わず、第2の配向膜9に対してのみラビング処理を行うこととした。これによれば、ラビング布が電極や配線を構成する材料と接触する部分の面積を最小限にすることができるので、ラビング布が損傷するのを最小限に抑えることができる。したがって、電圧印加時に、図1に示す表示部Aにスジ状の輝度ムラが発生するのを低減することができる。
第2の配向膜9に対するラビング処理は、ラビングローラが第3の配線部14の上を移動しないように、図3の矢印の方向に行うことが好ましい。これにより、配線材料との接触によってラビング布が損傷してしまうのをさらに抑制することができる。但し、図3の例に限られず、表示部に設けられる電極の構造、この電極に駆動信号を送る配線の構造および位置などによって、ラビング方向を適宜選択することができる。
次に、本実施の形態の液晶表示素子における液晶分子の動作について述べる。
上述したように、第2の配向膜9に対してはラビング処理が施されているが、第1の配向膜7に対してはラビング処理が施されていない。したがって、液晶層3に電圧が印加されていないときは、液晶分子は、ラビング処理が施されていない第1の配向膜7の表面に対して垂直に配向する。一方、ラビング処理が施された第2の配向膜9の表面に対しては、液晶分子は、法線方向からプレチルト角を持って配向する。
この場合、プレチルト角は、後に詳述する結果から、点灯表示ムラの低減と良好な画像表示特性の両立を図る観点にしたがい、0.2度より大きくて5度以下であることが好ましい。また、良好な液晶表示素子の画像表示特性、特に、高コントラスト比の達成を実現することを考慮すると、プレチルト角は、0.2度より大きくて3度以下であることがより好ましい。さらに、非常に優れたコントラスト比の表示性能を達成する観点から、プレチルト角は、0.2度より大きくて2度以下であることが最も好ましい。
次に、液晶層3に電圧を印加すると、液晶分子は、プレチルト角が大きくなる方向に傾斜する。これによって、電圧を印加した部分と印加していない部分とで、液晶の屈折率異方性(Δn)と液晶層厚(d)との積(Δn・d)によって定まる光の透過特性、特に、色味に違いを生じさせることができる。したがって、これを利用することにより、所望の表示を行うことが可能となる。
尚、図1〜図4の例は、一方の基板に設けた配線部と、他方の基板に設けた電極とを、シール材の一部に設けたトランスファー部を通じて接続する構造であった。しかし、本発明はこれに限られるものではない。対向する一対の基板の間で、ラビング布と直接接触する電極材料や配線材料の面積に差がある構造であれば、本発明を適用することができる。すなわち、配向膜によって被覆されていない電極材料等の面積が小さい方の基板に対してのみラビング処理を行い、他方の基板に対してはラビング処理を行わないこととする。通常は、駆動回路に接続する配線部が引き出された基板が他方の基板となる。
また、図1〜図4の例では、トランスファー部が表示部の一辺に沿って設けられる構造について述べた。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、表示部のコーナー付近に設けられていてもよい。上述したように、表示部の一辺に沿って設けられる場合には、ラビングローラの移動方向と、トランスファー部に近接する辺とが交差しないようにすることによって、ラビング布がトランスファー部の配線に接触するのを防ぐことができる。一方、表示部のコーナー付近に設けられる場合には、ラビングローラの移動方向に関する制約を少なくすることができる。
以下に、本実施の形態による液晶表示素子の光学特性の一例について述べる。
第1の基板1および第2の基板2として、一対のガラス基板を用いた。次に、これらの基板の一方の面に、それぞれ、キャラクター表示ができるようにパターニングされた第1の電極6と第2の電極8を設けた。第1の電極6および第2の電極8には、ITOを用いた。
次いで、第1の基板1の上に、JSR株式会社製の配向膜材料(商品名:JALS−2021)をフレキソ印刷法にて成膜し、基板を180℃で焼成することによって、厚さ600Å程度の第1の配向膜7を形成した。同様にして、第2の基板2の上にも第2の配向膜9を設けた。
次に、第2の配向膜9に対してのみラビング処理を行った。その後、第1の基板1と第2の基板2を貼り合わせて液晶セルを組み立てた。この際、第1の配向膜7が形成された側と、第2の配向膜9が形成された側とが、それぞれ内側を向くようにして重ね合わせた。第1の基板1と第2の基板2の間には、樹脂スペーサ(図示せず)を挟んで、基板間の距離が4.0μmとなるようにした。
次に、第1の基板1と第2の基板2の間に、負の誘電率異方性を有する液晶分子を注入して封止した。液晶分子としては、液晶表示素子のリタデーションが360nmとなるものを用いた。
得られた液晶表示素子について、表示特性を評価したところ、表示部に輝度ムラは見られなかった。尚、比較のために、第1の配向膜にもラビング処理を施した以外は、上記と同様にして作製した比較例の液晶表示素子についても表示特性を評価したところ、輝度ムラの発生率は65%であった。
次に、本実施の形態による液晶表示素子の表示の均一性について、より詳細に調べるため、特に、液晶層3を構成する液晶分子と、第2の基板2上の配向膜9の法線方向とのなす角であるプレチルト角と、液晶表示素子の表示の均一性との関係を調べるために、プレチルト角がそれぞれ0.2度、0.5度、1度および5度であること以外は、上記と同様にして作製した4種の液晶表示素子について表示の均一性を調べた。
具体的には、以下の4つのモードの表示ムラの発生の有無およびその強さを、プレチルト角がそれぞれ0.2度、0.5度、1度および5度であること以外は、上記と同様にして作製した4種の液晶表示素子について調べた。
表示ムラの4つのモードの内の1つは、額縁ムラと称され、液晶表示素子点灯時に電極パターンのエッジ部分に現れることがある表示のムラである。この額縁ムラは、電極エッジ部分で発生する斜め電界に起因する液晶分子の配向方位角異常に原因がある。
2つ目は、表示部面内にあるスペーサ周辺に現れることがあるスペーサ周辺のムラである。このムラは、液晶の配向異常に起因して発生する。また、面内でスペーサが移動することにより形成される移動痕や、他の異物による配向異常が重複する場合もある。
3つ目は、過渡配向ムラと称され、液晶表示素子への電圧印加直後に表示部全域に現れることがある、液晶分子の配向方位角異常に起因した表示ムラである。この表示ムラは、適当な時間経過後には自然に消失するという特徴を有する。
4つ目は、モヤモヤムラと称される。これは、液晶表示素子の点灯時に、表示部全域にモヤモヤとした濃淡として現れることがある表示ムラである。モヤモヤムラは、上記の過渡配向ムラと異なり、いくら時間がたっても消失しない。また、電圧印加時の液晶分子の配向方位角異常に起因して発生する。
以上の4つのモードの表示ムラについて、上記4種の液晶表示素子を調べたところ、額縁ムラとスペーサ周辺のムラは、プレチルト角が小さい場合に発生しやすいこと、具体的には、プレチルト角が0.1度である液晶表示素子において発生することがわかった。そして、プレチルト角が0.2度である液晶表示素子など、より大きなプレチルト角を有する他の液晶表示素子セルでは、これらのムラは抑制されていることがわかった。
また、上記の4つのモードの表示ムラの内で、過渡配向ムラとモヤモヤムラについては、プレチルト角が大きくなるにしたがい発生しやすくなること、そして、プレチルト角が5度以下までの設定範囲では、表示の均一性の観点から許容できるレベルであることがわかった。
次に、上記液晶表示素子を想定して、その光学特性について検討した。この場合、液晶表示素子は、1/4デューティ(Duty)および1/3バイアス(Bias)の条件で駆動するものとした。
表1は、本実施の形態による上記の表示部に輝度ムラの見られない液晶表示素子と、比較のために作製した上記の輝度ムラの発生率が65%であった比較例の液晶表示素子について、最大コントラスト、電圧印加時の透過率(ON透過率)および電圧無印加時の透過率(OFF透過率)を比較したものである。最大コントラストは、ELDIM社製のEZContrast(商品名)を用いて得られた計算結果である。また、各透過率は、シンテック株式会社製のシミュレーションソフト(LCD MASTER Ver.6.14)を用いて得られた計算結果である。
表1.
Figure 2007256900
表1より、本実施の形態の液晶表示素子では、比較例に対して、良好な光学特性が得られることが分かった。
次に、本実施の形態による液晶表示素子の表示特性についてより詳細に検討するため、液晶層3を構成する液晶分子と、第2の基板2上の配向膜9の法線方向とのなす角であるプレチルト角と、液晶表示素子の表示の最大コントラストとの関係を調べた。
具体的には、実際の素子製造と測定により取り込まれる誤差が与えうる影響を極力排して、できる限り正確な評価を行うために、上記と同様の方法によることとした。すなわち、プレチルト角がそれぞれ0.2度、0.5度、1度、2度、3度、5度および10度であること以外は、上記と同様の仕様の7種の液晶表示素子について、液晶表示素子を1/4デューティ(Duty)および1/3バイアス(Bias)の条件で駆動するものとし、ONとOFFの透過率をシンテック株式会社製のシミュレーションソフト(LCD MASTER Ver.6.14)を用いて計算し、最大コントラストをELDIM社製のEZContrast(商品名)を用いて計算した。結果を表2に示す。
表2.
Figure 2007256900
表2に示す結果より、本実施の形態による液晶表示素子の表示特性についてプレチルト角との関係から考察すると、コントラスト比が500を超える良好なコントラストが得られることから、プレチルト角を5度以下とすることが好ましいことがわかった。
また、コントラスト比が1000を超える高いコントラストが得られることから、優れた液晶表示素子の画像表示特性を実現することを考慮すると、プレチルト角を3度以下とすることがより好ましいことがわかった。
さらに、コントラスト比が2000を超える非常に優れたコントラスト比を達成し、且つ、非常に優れた表示性能を実現する観点から、プレチルト角を2度以下とすることが特に好ましいことがわかった。
この場合、点灯表示ムラの低減と良好な画像表示特性の両立を図る観点に鑑みれば、本実施の形態による液晶表示素子のプレチルト角が0.2度より大きいことが好ましいことは、上記の通りである。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々変形して実施することができる。
本実施の形態における液晶表示素子の断面図である。 本実施の形態における液晶表示素子を構成する1の基板の平面図である。 本実施の形態における液晶表示素子を構成する他の基板の平面図である。 図2と図3の基板を貼り合わせた平面図である。
符号の説明
1 第1の基板
2 第2の基板
3 液晶層
4,5 偏光板
6 第1の電極
7 第1の配向膜
8 第2の電極
9 第2の配向膜
10 シール材
11 導電性粒子
12 第1の配線部
13 第2の配線部
14 第3の配線部
15 トランスファー部
16 張出部




Claims (5)

  1. 第1の電極が形成された第1の基板と、
    前記第1の基板に対向するとともに、前記第1の電極との対向面に第2の電極が形成された第2の基板と、
    前記第1の基板と前記第2の基板の間に挟持される液晶層とを備え、
    前記第1の電極と前記第2の電極を介した前記液晶層への電圧の印加により表示部で画像を表示する液晶表示素子において、
    前記第1の基板に形成されて、前記表示部を駆動する第1の駆動信号を前記第1の電極に送る第1の配線部と、
    前記第1の基板に形成されて、導通部を通じて前記表示部を駆動する第2の駆動信号を前記第2の電極に送る第2の配線部とを有し、
    前記第1の電極および前記第2の電極の上には、垂直配向性の配向膜がそれぞれ設けられていて、前記第2の電極の上に設けられた配向膜にのみラビング処理が施されていることを特徴とする液晶表示素子。
  2. 前記ラビング処理により形成される、前記液晶層と前記第2の基板の法線方向との間のプレチルト角は、0.2度より大きくて5度以下である請求項1に記載の液晶表示素子。
  3. 前記ラビング処理により形成される、前記液晶層と前記第2の基板の法線方向との間のプレチルト角は、0.2度より大きくて2度以下である請求項2に記載の液晶表示素子。
  4. 前記第2の基板には、前記第2の駆動信号を前記第2の電極に送る第3の配線部が形成されており、
    前記第1の基板と前記第2の基板は、導電性粒子を含むシール材によって貼り合わせられていて、
    前記導通部は、前記第3の配線部と前記導電性粒子によって構成される請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
  5. 前記液晶表示素子はパッシブマトリクス型の液晶表示素子である請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
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WO2013114954A1 (ja) * 2012-01-31 2013-08-08 日本精機株式会社 垂直配向型液晶表示素子

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