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JP2007247129A - 抄紙用プレスフェルト - Google Patents

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JP2007247129A
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JP2007034422A
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Taira Omori
平 大森
Masanobu Takeda
昌信 武田
Takahiro Hasui
卓宏 蓮井
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Abstract

【課題】湿紙への再湿潤現象を抑制し、高い搾水性を有する抄紙用プレスフェルトを提供する。
【解決手段】基布の少なくとも片面に繊維ウェブ層を積層してなり、当該繊維ウェブ層が繊維径1nm〜10μmの極細繊維を10質量%以上含んでなることを特徴とする抄紙用プレスフェルト。また当該繊維ウェブ層が湿紙からの搾水を担い、好ましくは、熱可塑性樹脂からなる繊維で構成される。
【選択図】なし

Description

本発明は、抄紙用プレスフェルトに関するものであり、特に搾水性を向上させることが可能な抄紙用プレスフェルトに関する。
抄紙機のプレスパートに使用される抄紙用プレスフェルトにおいては、湿紙から搾水するため一対のプレスロールと湿紙を挟持する一対のプレスフェルトからなるプレス装置が使用されている。プレスロールの加圧部において、プレスフェルトと湿紙に圧力を加えて、湿紙から水分を搾り出すものであり、搾り出された水分はプレスフェルトに吸収され、フェルト中の水は、加圧によりフェルトの裏面より排出するか、抄紙機のサクションボックスで吸引しフェルトから排出される。また、プレスロールでの加圧部の中央部から出口に掛けて湿紙とプレスフェルトに掛けられた圧力が急激に開放されるため、この部分においてプレスフェルトの体積が加圧により圧縮された状態から急激に膨張する。その結果、プレスフェルトに一時的に負圧が生じ、プレスフェルトに吸収されていた水分が再び湿紙側に移行するという再湿潤現象が起こり、プレス装置における問題点として知られている。
また、抄紙用プレスフェルトの機能としては、前記搾水性と湿紙の平滑性を高める平滑性とさらに湿紙から搾水する際にプレスロールでフェルトが圧縮され、フェルトの厚みが減じると、フェルトの空隙率が低下し、搾水性が低下するため、圧縮回復性が重要視されている。
これらの問題を改善向上させる発明として、特許文献1,2に開示されているように再湿防止層を設けて、その開口形状を湿紙側開口がロール側開口よりも大きく形成された立体形状にすることにより再湿潤現象を抑制することができるとしているが、フィルム等にニードルパンチなどで細孔を形成し再湿防止層としたものでは、湿紙から搾水した水分の多くがその再湿防止層に阻害されフェルト内部へ浸透せず、結果的に搾水性が劣るという欠点があった。
特開2003−89990号公報 特開2004−256949号公報
本発明は、かかる抄紙用プレスフェルトにおいて、湿紙への再湿潤現象を抑制し、高い搾水性を有する抄紙用プレスフェルトを提供せんとするものである。
すなわち本発明は、基布の少なくとも片面に、繊維ウェブ層を積層してなり、当該繊維ウェブ層が繊維径1nm〜10μmの極細繊維を10質量%以上含んでなることを特徴とする抄紙用プレスフェルトである。
本発明によれば、湿紙への再湿潤現象を抑制し、高い搾水性を有する抄紙用プレスフェルトを提供することができるものである。
本発明の抄紙用プレスフェルトは、基布の少なくとも片面に、繊維ウェブ層を積層してなる。繊維ウェブ層が湿紙からの搾水を担う。
繊維ウェブ層は、熱可塑性樹脂からなる繊維で構成されていることが好ましい。
かかる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ乳酸(PLA)等のポリエステル、ナイロン6(N6)、ナイロン6,6(N66)、ナイロン12(N12)等のポリアミド、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン、ポリフェニレンスルフィド(PPS)等のポリアリーレン等が挙げられる。特に吸水性(搾水性)の面からポリアミド系の樹脂がより好ましい。
熱可塑性樹脂には、必要に応じて粒子、難燃剤、耐電防止剤等の添加物を含有させていても良く、樹脂の性質を損なわない範囲で他の成分が共重合されていても良い。
本発明の抄紙用プレスフェルトは、繊維ウェブ層が繊維径1nm〜10μmの極細繊維を含んでなることが重要である。繊維径1nm〜10μmの極細繊維(以下、単に「極細繊維」とも呼ぶ。)を含むことで、毛細管現象により水分を抄紙用プレスフェルトの内部に移行させ、高い搾水機能を得ることができる。
1nm未満であると繊維の製造が困難であるばかりか繊維強度が著しく低くなるため、フェルト形状に加工できない。また、10μm超であると毛細管現象を起こすのには寄与しにくい。
極細繊維の平均繊維径としては、1〜500nmが好ましく、より好ましくは50〜300nmである。
当該範囲内の平均繊維径とすることで、平滑なシート表面を形成し、水との接触面が大きくなり、素早く湿紙から水分を吸収し、高い搾水機能を得ることができる。
極細繊維を製造する方法としては例えば、溶剤に対する溶解性の異なる2種類以上のポリマーを混合溶融してポリマーアロイ溶融体となし、これを紡糸して繊維化し、その易溶解性ポリマーを溶剤で除去することにより、ポリマーアロイにおける難溶解性の島成分を極細繊維として得ることができる。
繊維ウェブ層は、極細繊維の他に単繊維繊度2〜50dtexの繊維(以下、「他の繊維」とも呼ぶ。)を含んでなることが好ましい。
そうすることで、プレスロールにおける圧縮の繰り返しに対しても圧縮回復性に優れ、へたりによる搾水性の低下を防ぐことができる。
他の繊維の単繊維繊度としては、2dtex以上とすることで、圧縮回復性向上の実効を得ることができる。また、50dtex以下とすることで、抄紙用プレスフェルト表面の平滑性、ひいては湿紙の品位を保つことができる。また、極細繊維と他の繊維とを同一の層において混合して用いる場合には、30dtex以下とすることが、極細繊維との絡合性に優れるため好ましい。
また、他の繊維が繊維ウェブ層の一部の層を形成し、極細繊維を含んでなる層と積層していてもよい。
その場合、極細繊維を含んでなる層が繊維ウェブ層の表層部に配置されていることが好ましい。そうすることで、抄紙用プレスフェルト表面の平滑性、ひいては湿紙の品位を保つことができる。また、繊維ウェブ層の一部を構成し極細繊維を含んでなる層の基布側に位置、する他の層が、極細繊維からなる層が湿紙から吸収した水分を受け取り、水の格納庫的な機能とプレスフェルトから水を排出させる通水路的な機能を担い、湿紙への再湿潤現象も改善することができる。
また、極細繊維を含んでなる層の繊維充填率が当該層の基布側に接し前記繊維ウェブ層の一部を構成する他の層の繊維充填率に対して、高くて密であることが、好ましくは1.2倍以上であることが好ましい。そうすることで、湿紙から吸収した水分を、極細繊維を含んでなる層から他の層に速やかに移行させることができる。一方、極端に空隙率の高い部分がつぶれやすくなるのを防ぐため、極細繊維を含んでなる層の繊維充填率と他の層の繊維充填率との比としては、2倍以下とすることが好ましい。
極細繊維の繊維ウェブ層における含有量としては、10質量%以上であることが重要であり、好ましくは10〜80質量%である。10質量%未満であると、毛細管現象による搾水効果が十分に得られない。また、極細繊維の量が少ないと繊維ウェブ表面の平滑性も劣ることから、湿紙の表面品位の向上も期待できない。一方、極細繊維の量が80質量%を超えると、極細繊維はプレスフェルトからの極細繊維の脱落が多くなり、性能低下や脱落繊維の付着による抄紙品位の低下が生じうる。
本発明の抄紙用プレスフェルトにおける繊維ウェブ層の目付としては、200〜1500g/mが好ましく、より好ましくは300〜1000g/mである。200g/m以上とすることで、湿紙より搾水した水分を十分保持させながら裏面へ以降させることができる。また1500g/m以下とすることで、プレスロールによる加圧を湿紙に十分に伝えることができる。尚、前記繊維ウェブ層が抄紙用プレスフェルトの表側、裏側の両方に有る場合には、前述のとおり片面と湿紙との作用により本発明の効果を奏するものであるから、片面の繊維ウェブ層の目付として評価する。
本発明の抄紙用プレスフェルトにおける表層の繊維密度としては、0.6g/cm以上が好ましく、より好ましくは0.8g/cm以上である。そうすることで、表面の良好な平滑性を得ることができ、また湿紙との接触面を大きくすることができる。
[測定方法]
(1)SEMによるプレスフェルトの断面観察
プレスフェルトに白金−パラジウム合金を蒸着し、走査型電子顕微鏡(日立社製S−4000型)でプレスフェルト断面を観察した。
(2)繊維ウェブ層を構成する繊維の直径
SEMによる繊維ウェブ層断面写真から繊維の直径を求めた。
倍率1000倍・視野サイズ600μm角で層内の5箇所を観察し、その視野内で無作為に抽出した500本の繊維の直径を測定した。なお、繊維が円形以外のときはそれぞれの短径と長径を測定し、それらの平均値を繊維の直径とした。
また、前記視野サイズが小さすぎて繊維径を測定できない繊維がある場合には、倍率200倍・視野サイズ3mm角で層内の5箇所を観察し、測定できなかった繊維径以上の繊維を500本無作為に抽出し、直径を測定した。
測定した繊維径のヒストグラムを作成した。
また、繊維ウェブ層が複数の層の積層からなることを確認できる場合には、各層ごとに上記測定を行い、各層の厚さに応じた重み付けをした上で、ヒストグラムを作成した。
作成した繊維径のヒストグラムから、特定の繊維径の繊維の平均繊維径を算出した。
また、繊維群ごとの繊維種(ナイロン6、ポリエチレンテレフタレート等)を特定できる場合にはその密度も考慮して、単位長さ当たりの質量(繊度)のヒストグラムに換算し、特定の繊維径の繊維の質量分率を算出した。
(3)繊維の充填率
プレスフェルトの断面SEM写真もしくは顕微鏡から各繊維ウェブ層の界面を確認し、剃刀刃によってスライスし、各層を分けた。その後、その各層の単位面積当たりの質量から各層の厚みを除し、見かけの密度を算出した。さらに、各層の構成繊維の素材の密度から各層の繊維の充填率を算出した。
(4)極細繊維層と他層との繊維充填率の倍率
上記、各層の繊維の充填率の値より極細繊維層を含む層の繊維充填率を該層の基布側に接し、繊維ウェブ層の一部を構成する他の層の繊維充填率で除した値をその倍率とした。また、構成する層がいずれも極細繊維を含む際には、充填率の高い層を充填率の低い層で除した値とした。
[実施例1]
(基布)
繊維径0.2mmのナイロン6モノフィラメントを3本撚った撚糸をタテ糸およびヨコ糸とし、目付300g/mとなるように平織物を製織し、基布とした。
(ポリマーアロイ繊維)
融点220℃のナイロン6(N6)(40質量%)と融点170℃のポリL乳酸(PLA)(60質量%)とを230℃に設定した2軸混練押出機で混練してアロイ樹脂を得て、その後、1軸押出機を備えた溶融紡糸装置に投入し、溶融温度275℃、紡糸温度280℃(口金面温度262℃)、吐出孔径0.3mmの単孔吐出量0.8g/分、紡糸速度1350m/分の条件で溶融紡糸を行った。得られた未延伸糸を延伸温度90℃、延伸倍率1.8倍、熱セット温度130℃の条件で延伸熱処理した。得られたポリマーアロイ繊維に捲縮を掛け、76mmにカットし、2.9dtexの短繊維を得た。
(不織布その1)
上記ポリマーアロイ短繊維150g/mをニードルパンチで絡合させ、不織布その1とした。
(不織布その2)
上記ポリマーアロイ短繊維100g/mとナイロン6短繊維(単繊維繊度3.3dtex、繊維長76mm)200g/mとを混綿し、ニードルパンチで絡合させ、不織布その2とした。
(不織布その3)
ナイロン6短繊維(単繊維繊度3.3dtex、繊維長76mm)150g/mとナイロン6短繊維(単繊維繊度16dtex、繊維長76mm)150g/mとを混綿し、ニードルパンチで絡合させ、不織布その3とした。
(積層・脱海)
上記の基布および各不織布を、不織布その1/不織布その2/基布/不織布その3の順に積層し、ニードルパンチで全体を絡合させた。
次いで、90℃の2質量%水酸化ナトリウム水溶液にて60分浸漬することで、ポリマーアロイ繊維中のPLA成分の99質量%以上を加水分解除去した。さらに酢酸で中和後、水洗、乾燥し、抄紙用プレスフェルトを得た。
得られた抄紙用プレスフェルトにおける極細繊維の平均繊維径は180nmであった。
(抄造)
得られた抄紙用プレスフェルトを、不織布その1が湿紙に接するように小型抄紙機に組み込み、抄造を行った。その結果、湿紙からの搾水は良好で、湿紙への再湿潤はなかった。また、湿紙の乾燥に必要な時間は比較例2の0.57倍であった。また、抄造された抄紙の表面は、微細な凹凸もなく、平滑であった。
[実施例2]
(基布)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(ポリマーアロイ繊維)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(不織布その1)
上記ポリマーアロイ短繊維を600g/mをニードルパンチで絡合させ、不織布その1とした。
(不織布その2)
上記ポリマーアロイ短繊維を300g/mとナイロン6短繊維(単繊維繊度3.3dtex、繊維長×76mm)200g/mとを混綿し、ニードルパンチで絡合させ、不織布その2とした。
(不織布その3)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(積層・脱海)
上記の基布および各不織布を用い、実施例1と同様にして、抄紙用プレスフェルトを得た。
得られた抄紙用プレスフェルトにおける極細繊維の平均繊維径は180nmであった。
(抄造)
得られた抄紙用プレスフェルトを用い、実施例1と同様にして抄造を行った。その結果、湿紙からの搾水は良好で、湿紙への再湿潤はなかった。また、湿紙の乾燥に必要な時間は比較例2の0.58倍であった。また、抄造された抄紙の表面は、微細な凹凸もなく、平滑であった。
[実施例3]
(基布)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(ポリマーアロイ繊維)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(不織布その1)
上記ポリマーアロイ短繊維150g/mをニードルパンチで絡合させ、不織布その1とした。
(不織布その2)
ナイロン6短繊維(単繊維繊度3.3dtex、繊維長76mm)400g/mをニードルパンチで絡合させ、不織布その2とした。
(不織布その3)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(積層・脱海)
上記の基布および各不織布を用い、実施例1と同様にして、抄紙用プレスフェルトを得た。
得られた抄紙用プレスフェルトにおける極細繊維の平均繊維径は180nmであった。
(抄造)
得られた抄紙用プレスフェルトを用い、実施例1と同様にして抄造を行った。その結果、湿紙からの搾水は良好で、湿紙への再湿潤はなかった。また、湿紙の乾燥に必要な時間は比較例2の0.73倍であった。また、抄造された抄紙の表面は、微細な凹凸もなく、平滑であった。
[実施例4]
(基布)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(ポリマーアロイ繊維)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(不織布その1)
ナイロン6短繊維(単繊維繊度3.3dtex、繊維長76mm)100g/mをニードルパンチで絡合させ、不織布その1とした。
(不織布その2)
上記ポリマーアロイ短繊維を600g/mをニードルパンチで絡合させ、不織布その2とした。
(不織布その3)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(不織布その4)
ナイロン6短繊維(単繊維繊度3.3dtex、繊維長76mm)300g/mをニードルパンチで絡合させ、不織布その4とした。
上記の基布および各不織布を、不織布その1/不織布その2/不織布その4/基布/不織布その3の順に積層し、ニードルパンチで全体を絡合させた。次いで、90℃の2質量%水酸化ナトリウム水溶液にて60分浸漬することで、ポリマーアロイ繊維中のPLA成分の99質量%以上を加水分解除去した。さらに酢酸で中和後、水洗、乾燥し、抄紙用プレスフェルトを得た。
得られた抄紙用プレスフェルトにおける極細繊維の平均繊維径は180nmであった。
(抄造)
得られた抄紙用プレスフェルトを用い、実施例1と同様にして抄造を行った。その結果、湿紙からの搾水は良好で、湿紙への再湿潤はなかった。また、湿紙の乾燥に必要な時間は比較例2の0.87倍であった。また、抄造された抄紙の表面は、凹凸が残るものの、問題のないレベルであった。
[実施例5]
(基布)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(ポリマーアロイ繊維)
融点220℃のナイロン6(N6)(20質量%)と融点170℃のポリL乳酸(PLA)(80質量%)とを230℃に設定した2軸混練押出機で混練してアロイ樹脂を得て、その後、1軸押出機を備えた溶融紡糸装置に投入し、溶融温度230℃、紡糸温度230℃(口金面温度215℃)、吐出孔径0.3mmの単孔吐出量0.7g/分、紡糸速度1350m/分の条件で溶融紡糸を行った。
得られた未延伸糸を延伸温度90℃、延伸倍率3.04倍、熱セット温度130℃の条件で延伸熱処理した。
得られたポリマーアロイ繊維に捲縮を掛け、76mmにカットし、1.8dtexの短繊維を得た。
(不織布その1)
上記ポリマーアロイ短繊維300g/mをニードルパンチで絡合させ、不織布その1とした。
(不織布その2)
上記ポリマーアロイ短繊維200g/mとナイロン6短繊維(単繊維繊度3.3dtex、繊維長76mm)200g/mとを混綿し、ニードルパンチで絡合させ、不織布その2とした。
(不織布その3)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(積層・脱海)
上記の基布および各不織布を用い、実施例1と同様にして、抄紙用プレスフェルトを得た。
得られた抄紙用プレスフェルトにおける極細繊維の平均繊維径は66nmであった。
(抄造)
得られた抄紙用プレスフェルトを用い、実施例1と同様にして抄造を行った。その結果、湿紙からの搾水は良好で、湿紙への再湿潤はなかった。また、湿紙の乾燥に必要な時間は比較例2の0.52倍であった。また、抄造された抄紙の表面は、微細な凹凸もなく、平滑であった。
[実施例6]
(基布)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(複合繊維)
融点220℃のナイロン6と融点225℃の共重合ポリエチレンテレフタレートとを用いてナイロン6成分が8つの楔形状に分割するように作成した2dtexの繊維を得て、その後、捲縮を付与し76mmにカットした短繊維を用いた。
(不織布その1)
上記複合繊維130g/mをニードルパンチで絡合させ、不織布その1を得た。
(不織布その2)
上記複合繊維80g/mとナイロン6短繊維(単繊維繊度3.3dtex、繊維長76mm)200g/mとを混綿し、ニードルパンチで絡合させ、不織布その2とした。
(不織布その3)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(積層・脱海)
上記の基布および各不織布を、不織布その1/不織布その2/基布/不織布その3の順に積層し、ニードルパンチで全体を絡合させた。
次いで、90℃の5質量%水酸化ナトリウム水溶液にて120分浸漬することで、複合繊維中の共重合ポリエチレンテレフタレート成分の99質量%以上を加水分解除去した。さらに酢酸で中和後、水洗、乾燥し、抄紙用プレスフェルトを得た。
得られた抄紙用プレスフェルトにおける極細繊維の平均繊維径は3.8μmであった。
(抄造)
得られた抄紙用プレスフェルトを用い、実施例1と同様にして抄造を行った。その結果、湿紙からの搾水は良好で、湿紙への再湿潤はなかった。また、湿紙の乾燥に必要な時間は比較例2の0.76倍であった。また、抄造された抄紙の表面は、微細な凹凸が残るものの、問題のないレベルであった。
[比較例1]
(基布)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(ポリマーアロイ繊維)
融点220℃のナイロン6(N6)(20質量%)と融点170℃のポリL乳酸(PLA)(80質量%)とを230℃に設定した2軸混練押出機で混練してアロイ樹脂を得て、その後、1軸押出機を備えた溶融紡糸装置に投入し、溶融温度230℃、紡糸温度230℃(口金面温度215℃)、吐出孔径0.3mmの単孔吐出量0.7g/分、紡糸速度1350m/分の条件で溶融紡糸を行った。
得られた未延伸糸を延伸温度90℃、延伸倍率3.04倍、熱セット温度130℃の条件で延伸熱処理した。
得られたポリマーアロイ繊維に捲縮を掛け、76mmにカットし、1.8dtexの短繊維を得た。
(不織布その1)
上記ポリマーアロイ短繊維100g/mをニードルパンチで絡合させ、不織布その1とした。
(不織布その2)
ナイロン6短繊維(単繊維繊度3.3dtex、繊維長76mm)400g/mをニードルパンチで絡合させ、不織布その2とした。
(不織布その3)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(積層・脱海)
上記の基布および各不織布を用い、実施例1と同様にして、抄紙用プレスフェルトを得た。
得られた抄紙用プレスフェルトにおける極細繊維の平均繊維径は66nmであった。
(抄造)
得られた抄紙用プレスフェルトを用い、実施例1と同様にして抄造を行った。その結果、大きな搾水効果の向上は得られなかった。また、湿紙の乾燥に必要な時間は比較例2の0.95倍であった。
[比較例2]
(基布)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(細繊維)
ナイロン6短繊維(単繊維繊度1.7dtex、繊維長76mm)を用いた。
(不織布その1)
上記細繊維100g/mをニードルパンチで絡合させ、不織布その1とした。
(不織布その2)
ナイロン6短繊維(単繊維繊度3.3dtex、繊維長76mm)400g/mをニードルパンチで絡合させ、不織布その2とした。
(不織布その3)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(積層)
上記の基布および各不織布を用い、実施例1と同様にニードルパンチで全体を絡合して、抄紙用プレスフェルトを得た。なお、水酸化ナトリウム水溶液での処理は実施しなかった。
得られた抄紙用プレスフェルトにおける細繊維の平均繊維径は13.8μmであった。
Figure 2007247129

Claims (7)

  1. 基布の少なくとも片面に、繊維ウェブ層を積層してなり、当該繊維ウェブ層が繊維径1nm〜10μmの極細繊維を10質量%以上含んでなることを特徴とする抄紙用プレスフェルト。
  2. 前記極細繊維の平均繊維径が1〜500nmである、請求項1記載の抄紙用プレスフェルト。
  3. 前記極細繊維の平均繊維径が50〜300nmである、請求項1記載の抄紙用プレスフェルト。
  4. 前記繊維ウェブ層における前記極細繊維の含有量が10〜80質量%である、請求項1〜3のいずれか記載の抄紙用プレスフェルト。
  5. 前記極細繊維を含んでなる層が前記繊維ウェブ層の表層部に配置されている、請求項1〜4のいずれか記載の抄紙用プレスフェルト。
  6. 前記極細繊維を含んでなる層の繊維充填率が当該層の基布側に接し前記繊維ウェブ層の一部を構成する他の層の繊維充填率に対して、1.2倍以上である、請求項1〜5のいずれか記載の抄紙用プレスフェルト。
  7. 前記繊維ウェブ層の目付が200〜1500g/mである、請求項1〜6のいずれかに記載の抄紙用プレスフェルト。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016196712A (ja) * 2015-04-03 2016-11-24 イチカワ株式会社 異物除去装置、プレニードルマシンシステム、フェルト製造システム、異物除去方法およびフェルトの製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016196712A (ja) * 2015-04-03 2016-11-24 イチカワ株式会社 異物除去装置、プレニードルマシンシステム、フェルト製造システム、異物除去方法およびフェルトの製造方法

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