JP2007238096A - ランフラットタイヤ - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、タイヤサイド部を補強し、パンクなどによるタイヤの内部圧力(以下「内圧」という)の低い状態での、所謂ランフラット走行時の耐久性を改善したランフラットタイヤに関する。
空気入りタイヤでランフラット走行が可能な(即ち、パンクして、タイヤ内圧が0kg/cm2になっても、ある程度の距離を安心して走行が可能な)タイヤ(以下、「空気入り安全タイヤ」という。)は、タイヤの空気室内におけるリムの部分に、金属、合成樹脂製の環状中子を取り付けた中子タイプと、タイヤサイドウォールのビード部からショルダー区域にかけて、カーカスの内面に断面が三日月状の比較的硬質ゴムの層を配置して補強したサイド補強タイプとが知られている。これら2つのタイプのうち前記中子タイプは、ランフラット走行に当たって荷重支持能力が高いことから、乗り心地をあまり問題にしない荷物運搬用車両、および軍用車両向けに主に利用され、また、前記サイド補強タイプは、比較的荷重負担が小さく、乗り心地を重視する乗用車向けに主に利用されている。
これらのうち最も簡便で実効ある方策として、通常タイヤ内で最も肉薄で剛性の低いサイドウォール部に、環状ゴム補強層を、そのカーカスプライの内面側ないし複数のカーカスプライ層間に配置し、車輪荷重を支える様にした、いわゆるサイド補強ランフラットタイヤがある。このサイド補強ランフラットタイヤは、通常空気圧時には、通常タイヤと同様に主として内圧による補強コードの張力で荷重を負担し、一方パンク時には、サイドウォール固有の部材剛性自身で支持することを意図したものである。
現在、通常走行の乗用車用タイヤのカーカスプライ材用ゴム補強繊維コードとしては、その寸法安全性、耐水分安定性、適度な剛性、安価等の観点から、一般に、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」という。)繊維が好んで広く用いられている。この他レーヨン、ナイロンも一部用いられている。しかし、レーヨンの場合、低強度でカーカス強度設計上、ポリエステル対比繊維使用量が多くなり、かつ高価格で不利であり、水分吸湿時の接着、強度低下の問題がある。一方、ナイロンの場合、弾性率が低く熱収縮が大きく、またクリープ特性も十分でなく、フラットスポット性が劣り、サイド凹凸性、ユニフォーミティも十分でない等の寸法安定性面でのデメリットがあり、総合的に見てPETに劣るという問題がある。
ところで、サイド補強ランフラットタイヤをランフラット走行させた場合の問題として、肉厚のサイド補強ゴムとビードフィラーゴムとの間に集中して転動時繰り返し剪断歪みが発生する為に生じる発熱が挙げられる。この発熱によって、タイヤ内部は高温度となり、例えば、サイド補強ランフラットタイヤのカーカスプライ層用コードとして、一般乗用車用タイヤに用いられているPET繊維を適用した場合、カーカスプライ層のポリエステル繊維コードとこれを埋設しているマトリックスゴム層とが剥離し、その結果、早期にランフラット走行が不可能となることがわかった。
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、内圧充填時の通常走行性能を高レベルに維持しながら、前記問題点を解決し、ランフラット走行性能が大幅に改善された、ランフラットタイヤを提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく、特にタイヤのカーカスプライ層の繊維コードの材質に着目して鋭意検討した結果、カーカスプライ層に、特定の有機繊維コードを用いる下記の手段によって、前記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
<1> 円筒状クラウン部の両端から径方向内側に向かって、先端部に配置されているビードリングを埋設したサイドウォールが連なり、これらサイドウォールの一方からクラウン部を通り他方のサイドウォールに至る間が少なくとも1枚のラジアルカーカスプライ層からなり、該ラジアルカーカスプライ層の両端部はビードリングの回りに軸方向外側に巻上げて固定されているカーカス層と、該カーカス層のクラウン部外周囲上に複数のベルト層と、トレッド部とを順次配置して夫々補強すると共に、前記サイドウォールのラジアルカーカスプライ層内周面、ないし複数のラジアルカーカスプライ層間にゴム補強層を備えたランフラットタイヤであって、前記ラジアルカーカスプライ層の少なくとも1が、下記式で表される繰り返し単位から実質的になるポリオレフィンケトン繊維のコードを含んでいることを特徴とするランフラットタイヤである。
前記式において、(A)は、二価のオレフィン残基を表し、前記繰り返し単位において、総て同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
本発明の実施例のラジアルタイヤは、上記構成としたので、内圧充填時の走行性を高く維持するとともに、ランフラット走行耐久性が大幅に向上するという極めて優れた効果を有する。
以下に本発明のランフラットタイヤを図面を参照しながら説明する。図1は、内圧充填状態で接地している本発明のランフラットタイヤの一例の概略断面図である。図1に示すランフラットタイヤ10は、ビード部がリム30のフランジに嵌合され、トレッド部24がトレッド部肩26を端部として接地し、円筒状のクラウン部の両端から径方向内側に向かって、先端部にビードフィラーゴム14、ビードリング12を埋設したサイドウォール16が連なり、これらサイドウォール16の一方からクラウン部を通り他方のサイドウォールに至る間が、2枚のラジアルカーカスプライ層18からなっている。ラジアルカーカスプライ層18は、有機繊維コードがゴムマトリックス層に埋設された構成となっている。ラジアルカーカスプライ層18の両端部は、ビードリング12の周りに軸方向外側に巻き上げて固定されている。さらに、円筒状のクラウン部の外周囲上には、複数のベルト層22、さらにその外周囲上にトレッド部24が順次配置され、クラウン部を夫々補強している。
必要に応じて、ビードリング12近傍から、サイドウォール16とラジアルカーカスプライ層18の外面18bとの間を通り、他方のビードリング12近傍に至る間に、さらに少なくとも1枚のダウンカーカス層(不図示)を配置したり、ラジアルカーカスプライ層18の内面18aのさらに内側にインナーライナーを配置してもよい。
サイドウォール16のラジアルカーカスプライ層18の内面18aのさらに内側には、三日月状のゴム補強層28が配置され、サイドウォール部を補強している。従って、荷重下において空気圧がゼロになった状態(パンク状態)でもサイドウォール16が極端にたわむことがなく、ランフラット走行が可能となる。尚、図1には、ラジアルカーカスプライ層18の内面18aのさらに内側にゴム補強層を配置した状態を示したが、ラジアルカーカスプライ層18が複数の場合は、ラジアルカーカスプライ層18間にゴム補強層28を配置してもよい。また、ゴム補強層28の形状については特に制限はないが、断面が図1に示すように三日月状であるのが、ランフラット走行耐久性の点で好ましい。
参照のために、ゴム補強層28が配置されていない通常の空気入りタイヤの、荷重下において空気圧がゼロになった状態での概略断面図を図3に示す。タイヤ40の各部材、部位の付番及び説明は図1と同様である。タイヤ40は、ゴム補強層28を備えていないので、パンク状態では荷重によってサイドウォール16が極端にたわみ、m,nの位置で接触が起こり満足なランフラット走行が困難となる。
本発明では、少なくとも1のラジアルカーカスプライ層18を構成しているコードが、ポリオレフィンケトン(以下、「POK」という場合がある。)繊維を含む。前記POK繊維は、PET以上に高強度、高弾性率で、かつ寸法安定性に優れており、熱収縮もナイロンの様に大きくなく、またレーヨンの様に耐水分安定性が悪くなく、同時にゴムとの接着性に優れ、ゴム中での耐アミン劣化にも優れている。従って、前記POK繊維をラジアルカーカスプライ層18のコードとして用いる本発明のランフラットタイヤは、内圧充填時においては優れた走行性を示すと共に、ランフラット走行時にタイヤ内部が発熱しても、ラジアルカーカスプライ層18のコードとコーティングゴムとの剥離は抑制されるので、優れたランフラット走行耐久性を示す。
本発明で用いるPOK繊維は、下記式で表される繰り返し単位から実質的に形成されている。
前記式において、(A)は、二価のオレフィン残基を表し、オレフィン系モノマー由来の単位であり、カルボニル単位と結合している。前記ポリオレフィンケトンは、カルボニル単位と、前記オレフィン系モノマー由来の単位とが交互に配列された共重合体であり、該ポリオレフィンケトンにおいて、前記オレフィン系モノマー由来の単位は、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
前記オレフィン系モノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、スチレン、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、ビニルアセテート、ウンデセン酸、ウンデセノール、6−クロロヘキセン、N−ビニルピロリドン、およびスルニルホスホン酸のジエチルエステルなどが挙げられる。これらの中でも、力学特性、耐熱性などの点で、エチレンが好ましい。
前記ポリオレフィンケトンとしては、前記オレフィン系モノマー由来の単位(A)として、エチレン単位(−CH2 −CH2 −)を有するのが好ましく、エチレン単位(−CH2 −CH2 −)と他のオレフィン単位とのモル比(エチレン単位/他のオレフィン単位)が、4/1以上であるのがより好ましく、8/1以上であるのが特に好ましい。前記モル比が4/1未満であると、前記ポリオレフィンケトンの融点が200℃以下となり、耐熱性が不十分となることがある。また、前記モル比が8/1以上であると、前記ポリオレフィンケトンの耐熱性及び力学的性能に優れる点で有利である。
本発明で用いるPOKの製造方法としては、例えばヨーロッパ特許公開第121965号、第213671号、第229408号、および米国特許第3914391号等に記載された方法に準じて製造することができる。尚、遊離基触媒を使用して製造される交互構造を持たないエチレン/COコポリマーは、本発明で用いるPOKには含まれない。
前記POKの繊維化方法については、特に限定されないが、一般的には溶融紡糸法または溶液紡糸法が採用され、経済的には溶融紡糸方法が好ましい。
前記溶融紡糸法による場合、例えば、特開平1−124617号公報に記載の方法に従って、容易に前記ポリオレフィンケトンの繊維を製造することができる。また、前記溶液紡糸法による場合、例えば、特開平2−112413号公報に記載の方法に従って、容易に前記ポリオレフィンケトンの繊維を製造することができる。
前記ポリオレフィンケトンの繊維には、熱、酸素等に対して十分な耐久性を付与する目的で酸化防止剤を添加することが好ましい。
以上により得られた前記ポリオレフィンケトンの繊維(ポリマーフィラメント)は、その引張強度が、通常10.0g/デニール以上であり、12.0g/デニール以上が好ましい。また、その初期弾性率が、通常100g/デニール以上であり、120g/デニール以上が好ましく、150g/以上が好ましい。
前記コードは、前記ポリオレフィンケトンの繊維原糸が1本から形成されていてもよいし、2本以上から形成されていてもよく、その場合、例えば、前記ポリオレフィンケトンの繊維原糸に下撚りをかけ、次いでこれを2本乃至3本合わせて、逆方向に上撚りを施し、双撚生コードとして得ることができる。
本発明に用いるPOK繊維から形成されているコードの物理特性については、特に限定されるものではないが、ラジアルカーカスプライ層のコードの特性としては、2.03g/dtex(デシテックス。以下、単に「d」で示す。)時の中間伸度が4%以下であるのが好ましく、3%以下であるのがより好ましい。前記中間伸度が前記範囲内であると、ランフラット走行時のタイヤのたわみをより抑制できるので好ましい。尚、ここにいう中間伸度とは、JISL1017(1983)に従いオートグラフ(島津製作所製)にて室温(25±2℃)で引っ張り荷重(kgf)−伸度(%)曲線を描き、この荷重−伸度曲線から求められる値をいう。
一方、ランフラットタイヤ中のコードは、2.03g/dtex荷重時に、その強伸度が4%以下であるのが好ましく、3%以下であるのがより好ましい。尚、タイヤからコードを取り出したときのコードとは、タイヤ中のラジアルカーカスプライ層を構成しているコードを、コードを傷つけないように注意深く取り出し、コードに付着している余分なゴムをはさみにより注意深くそぎ落としたコードのことをいう。尚、2.03g/dtex荷重時の強伸度とは、前記と同様に、JISL1017(1983)に従って求められる値をいう。
また、コードは、177℃における0.9/60g/d荷重下での熱収縮率が、5%以下であるのが好ましく、4%以下であるのがより好ましい。前記熱収縮率が前記範囲内であると、寸法安定性の点で好ましい。尚、ここにいう熱収縮率は、コードを、177℃のオーブン中に、1/60g/d荷重下で30分間放置した後のコード長さの収縮率をいう。
また、タイヤからコードを取り出したときのコードの強度としては、タイヤカーカス強度設計上、7g/d以上が好ましく、9g/d以上がより好ましく、11g/d以上が特に好ましい。尚、ここにいう中間伸度とは、前記と同様に、JISL1017(1983)に従って求められる値をいう。
前記コードは、例えば、以下のように平行に配列されてプライとされ、カーカスが形成される。即ち、双撚生コードとして得た前記コードを、綿、ポリノジック等の細手の緯糸とスダレ織物に製織した後、接着剤を付与し、乾燥加熱緊張処理し、ディップ処理反としたプライを得る。そして、これをゴムマトリックス層に埋設することにより、カーカスが形成される。
なお、前記コード(乃至前記プライ)と前記ゴムマトリックスとの接着は、以下のような公知の方法、例えば、前記コード(乃至前記プライ)を、エポキシ化合物あるいはブロックドイソシアネート化合物を含む第一液で処理した後、レゾルシンとホルマリンと各種ラテックスと苛性ソーダ及び/又はアンモニア水を含む第二液(RFL液)で処理する二浴型の接着方法;トリアリルシアヌレートとレゾルシンとホルマリンとアンモニア水とから生成する通称N3と呼称される液と、RFL液との混合液で処理する一浴型の接着方法;p−クロルフェノールとホルマリンとから生成する2,6−ビス(2' ,4' −ジヒドキシフェニルメチル)−4−クロルフェノールを主成分とする反応生成物と、レゾルシンとホルマリンとアンモニア水とからなる通称PEXULと呼称される液を、RFL液と混合した液で処理する一浴型の接着方法;特開昭60−72972号等に開示されている、多価フェノールポリサルファイドと、レゾルシン及びホルマリンの縮合物とをアルカリ下で熟成した液と、RFL液とを混合した液で処理する一浴型の接着方法;などにより行うことができる。
以上のようにして得られた前記カーカスは、そのまま用いてもよいし、あるいは、これを適当な寸法に裁断してから用いてもよい。前記カーカスは、1層あればよいが、通常2〜3層を重ね合わせて用いてもよく、そのうちの少なくとも1層は、通常、タイヤ内側から外側(軸方向外側)にビードリングの周りに折返して係止される。
本発明のランフラットタイヤが、双方のサイドウォール部にスチールインサートを備えていると、ランフラット走行耐久性がさらに向上するので好ましい。サイドウォール部に、スチールインサートが配置されていると、ランフラット走行時の、サイドゴム補強層とビードフィラーゴムとの間に集中して発生する剪断歪みが低減され、その結果、ラジアルカーカスプライ層のコードとコーティングゴムとのセパレーションをさらに抑制することができる。
スチールインサートは、スチールコードを並列配置し、これを2枚のゴムマトリックスに埋設した構成である。スチールコードは通常の有機繊維コードと比較して曲げ剛性が高く、タイヤ内圧低下時のたわみ量が小さくなり、上記剪断歪みを低減し、タイヤとしての発熱量が小さくなる。かかるスチールコードとしては、好ましくは1×n構造または1+nの構造(2≦n≦7)を有し、nは7以下、より好ましくは6以下3以上の自然数である。nが7を超えると、スチールフィラメント同士が接触しやすくなり、フレッティングが大となり、スチールコードの耐久性面で好ましくない。また、このスチールコードのフィラメントの素線径は、好ましくは0.125mm〜0.230mmである。前記スチールコードのフィラメントの素線径が、0.125mm未満では、製造の際に伸線がし難く、抗張力が出難いし、一方、0.275mmを超えると、耐屈曲疲労性が悪化するため好ましくない。
前記スチールインサートを備えた本発明のランフラットタイヤの一例の概略断面図を図2に示す。各部材、部位の付番及び説明は、図1と同様である。スチールインサート32は、ビードフイラーゴム14の内面14c側から、ゴム補強層28の外面28b側を通り、その上端32aがベルト層22の下位置に配置されている。スチールインサート32は、ゴム補強層28とビードフィラーゴム14間および/またはゴム補強層28とトレッド部24下のベルト層22との間に発生する剪断歪みを効果的に抑制する上で、その上端32aが、ベルト層22の最外端22bとトレッド部24の中央24cとの間に配置されるのが好ましい。
また、インサートの下端32bは、ビードフィラーゴム14の上端14aよりも低いことが好ましく、より好ましくはインサートの下端32bがビードフィラーゴム14の下端14bに配置され、その上端32aがビードフィラーゴム14の上端14aよりも少なくとも上まで配設される。また、スチールインサート32の長さは、ビードフィラーゴム14の長さ(14a〜14bの垂直方向長さ)に対して110%以上であることが好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例)以下の様にして、図1に示す構成のタイヤを作製した。
・ラジアルカーカスプライ層に用いられるPOK繊維コードの作製
前記一般式のAで示されるエチレン性不飽和化合物由来成分が、エチレン97モル%、プロピレン3モル%となるように配合して、一酸化炭素と共重合した。得られたPOKを、前記溶融紡糸法にて繊維化し、POK繊維フィラメント原糸(1670dtex)を得た。ついでこの原糸をリシグ撚糸機で下撚り、上撚りし、40×40(回/10cm)の1670dtex/2コードとした。
(実施例)以下の様にして、図1に示す構成のタイヤを作製した。
・ラジアルカーカスプライ層に用いられるPOK繊維コードの作製
前記一般式のAで示されるエチレン性不飽和化合物由来成分が、エチレン97モル%、プロピレン3モル%となるように配合して、一酸化炭素と共重合した。得られたPOKを、前記溶融紡糸法にて繊維化し、POK繊維フィラメント原糸(1670dtex)を得た。ついでこの原糸をリシグ撚糸機で下撚り、上撚りし、40×40(回/10cm)の1670dtex/2コードとした。
次に、この撚糸コードを、エポキシ水溶液接着剤に浸漬し、乾燥、熱処理を行い、次いで、RFL(レゾルシン、ホルマリン、ラテックス)水溶液接着剤に浸漬し、乾燥、熱処理し、POK繊維コードを得た。乾燥ゾーンの処理温度は150℃、処理時間は120秒間とし、また熱処理ゾーンの処理温度は210℃、処理時間は80秒間とした。また、ヒートセット時のコード張力は1.0g/dとした。
・ランフラットタイヤの作製
上記のようにして得られたPOK繊維コードを、ラジアルカーカスプライ層(角度径方向0°)とする、サイズ225/60R16のチューブレス構造のランフラットタイヤを作製した。上記繊維コードを50本/5cmのエンド数に打込み、上下よりコーティングゴムをトッピングした後、これを2枚用い、即ち、1枚の折返しラジアルカーカスプライ層18に加え、最表層に1枚のダウンカーカス層(不図示)を配置した2Pカーカス構造を用いた。三日月状のゴム補強層28として、硬度80°、最大厚み7mmであるゴムを用い、またベルト層22として、1×5構造で、線径0.25mmのスチールコードを打込み数40本/5cm、(角度周方向20°) のスチールベルト層2枚切り離し構造とした。このタイヤの、内圧充填状態での走行性は良好であった。
上記のようにして得られたPOK繊維コードを、ラジアルカーカスプライ層(角度径方向0°)とする、サイズ225/60R16のチューブレス構造のランフラットタイヤを作製した。上記繊維コードを50本/5cmのエンド数に打込み、上下よりコーティングゴムをトッピングした後、これを2枚用い、即ち、1枚の折返しラジアルカーカスプライ層18に加え、最表層に1枚のダウンカーカス層(不図示)を配置した2Pカーカス構造を用いた。三日月状のゴム補強層28として、硬度80°、最大厚み7mmであるゴムを用い、またベルト層22として、1×5構造で、線径0.25mmのスチールコードを打込み数40本/5cm、(角度周方向20°) のスチールベルト層2枚切り離し構造とした。このタイヤの、内圧充填状態での走行性は良好であった。
(比較例1)ラジアルカーカスプライ層のコードとして、市販のポリエステル繊維コード(1670dtex/2;40×40)を用いた以外は、実施例と同様の構造のタイヤを作製した。
(参考例)実施例と同一のラジアルカーカスプライ層18を用い、図2の配置でスチールコードインサート8を挿入した以外は、実施例と同様の構造のランフラットタイヤを作製した。使用したインサート8に埋設されているスチールコードは、1×5構造で、フィラメントの素線径は0.15mmのオープン構造であった。このタイヤの、内圧充填状態での走行性は良好であった。
(比較例2)比較例1と同一のラジアルカーカスプライ層を用い、図2の配置でスチールコードインサートを挿入した以外は、比較例1と同様の構造のタイヤを作製した。用いたスチールコードインサートは参考例と同一のものであった。
実施例、参考例および比較例1、2のタイヤについて、ランフラット走行耐久性を以下のように評価した。評価結果を、カーカスプライ層のコードの諸特性とともに、表1に示す。
評価
・ランフラット走行耐久性
大気圧、荷重570kg、速度89km/hrにて直進ドラムを走行させ、故障発生までの走行距離を測定した。PETカーカス品の走行距離を100とした場合に、実施例、参考例および比較例1、2の走行距離を指数表示で表した。指数が大きいほどランフラット走行耐久性は良好である。
・ランフラット走行耐久性
大気圧、荷重570kg、速度89km/hrにて直進ドラムを走行させ、故障発生までの走行距離を測定した。PETカーカス品の走行距離を100とした場合に、実施例、参考例および比較例1、2の走行距離を指数表示で表した。指数が大きいほどランフラット走行耐久性は良好である。
10 ランフラットタイヤ
12 ビードリング
14 ビードフィラーゴム
16 サイドウォール
18 ラジアルカーカスプライ層
18a ラジアルカーカスプライ層の内面
18b ラジアルカーカスプライ層の外面
22 ベルト層
24 トレッド部
26 トレッド部肩
28 ゴム補強層
30 リム
32 スチールコードインサート
40 タイヤ
12 ビードリング
14 ビードフィラーゴム
16 サイドウォール
18 ラジアルカーカスプライ層
18a ラジアルカーカスプライ層の内面
18b ラジアルカーカスプライ層の外面
22 ベルト層
24 トレッド部
26 トレッド部肩
28 ゴム補強層
30 リム
32 スチールコードインサート
40 タイヤ
Claims (1)
- 円筒状のクラウン部の両端から径方向内側に向かって、先端部に配置されているビードリングを埋設したサイドウォールが連なり、これらサイドウォールの一方からクラウン部を通り他方のサイドウォールに至る間が少なくとも1のラジアルカーカスプライ層からなり、該ラジアルカーカスプライ層の両端部はビードリングの回りに軸方向外側に巻上げて固定されているカーカス層と、該カーカス層のクラウン部外周囲上に複数のベルト層と、トレッド部とを順次配置して夫々補強すると共に、前記サイドウォールのラジアルカーカスプライ層内周面、ないし複数のラジアルカーカスプライ層間にゴム補強層を備えたランフラットタイヤであって、
前記ラジアルカーカスプライ層の少なくとも1が、下記式で表される繰り返し単位から実質的になるポリオレフィンケトン繊維のコードを含んでいることを特徴とするランフラットタイヤ。
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