JP2007226188A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】帯電する手段と、光照射により静電潜像を形成する書き込み手段と、現像して可視像を形成する現像手段と、記録媒体に転写する転写手段と、定着させる定着手段と静電潜像担持体の残留電荷を光除電する除電手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記静電潜像担持体が、支持体と、該支持体上に少なくとも中間層、電荷発生層と電荷輸送層とからなる感光層を有し、該中間層に少なくともアナターゼ型酸化チタンを含有し、かつ該電荷発生層中に有機電荷発生物質を含有すると共に、前記書き込み手段が410nmよりも短波長でかつ中間層に含有されるアナターゼ型酸化チタンが吸収しない波長の光を照射する書き込み手段であることを特徴とする画像形成装置。
【選択図】なし
Description
d∝(π/4)(λf/D)・・・・・・・・・・・(1)
(式中、dは感光体上のスポット径、λはレーザー光の波長、fはfθレンズの焦点距離、Dはレンズ径である。)
このように、410nmよりも短波長の光源を書き込み光として用いることで、輪郭の鮮明さを維持した状態で、1200dpi相当のドット径約30μm又は2400dpi相当のドット径約15μm程度のビームスポット系を感光体上に照射することが可能になる。
これらを解決するためのアプローチ方法は色々あると考えられるが、両者に共通して言えることは、これら画像形成装置に使用される感光体の静電疲労による特性変化を如何に小さくするかと言える。具体的には、繰り返し使用時の未露光部電位の低下と、露光部電位の上昇を如何に抑えるかということである。
未露光部電位の低下と、露光部電位の上昇に関する対応方法としては、ここまでの開発においては感光体の設計(処方、構成など)を工夫することにより行なわれてきた。しかしながら、感光体の静電疲労は感光体処方、あるいはプロセス条件によって大きく異なるものであり、感光体の開発側から考えると、プロセス条件ごとに対応を迫られる。このような状況の下で、短波長光源に適した感光体処方という観点から、感光体の静電疲労に関する検討はほとんどなされていなかった。
また、感光体の構成を各種変化させ同様の試験を行なうと、中間層を有する場合にのみ、上記の現象が認められることが分かった。また、中間層を構成する材料を変化させていくと、上記の特定波長(変化が認められる波長)が変化することも分かった。更に、中間層を構成する材料と波長の関係を調査すると、中間層に含まれるアナターゼ型酸化チタンが光吸収する波長の光を照射すると、上記の現象が起こることが分かった。このような傾向は、波長410nmよりも短波長光の光源の場合特に顕著である。
以上の結果から、中間層に含有されるアナターゼ型酸化チタンが書き込み光を吸収し、光キャリア発生することにより、露光部電位上昇の抑制と、未露光部電位低下の促進を引き起こしているものと考えられる。
ところが、本発明が対象とするような高画質化のために、410nmよりも短波長側の光源によって書き込みを行なう場合、中間層を構成する材料によっては、書き込み光を吸収し光キャリア発生する。これにより、書き込みを行なわれた部分と行なわれない部分とで、疲労状況が異なる。上述のように、定型文書などが多量に続けて印刷されると、感光体の場所により、静電特性が変化してしまう。
以上の知見を得、さらに検討を重ねて、本発明を完成するに至った。
(1)「静電潜像担持体と、該静電潜像担持体を帯電する手段と、光照射により静電潜像を形成する書き込み手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と静電潜像担持体の残留電荷を光除電する除電手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記静電潜像担持体が、支持体と、該支持体上に少なくとも中間層、電荷発生層と電荷輸送層とからなる感光層を有し、該中間層に少なくともアナターゼ型酸化チタンを含有し、かつ該電荷発生層中に有機電荷発生物質を含有すると共に、前記書き込み手段が410nmよりも短波長でかつ中間層に含有されるアナターゼ型酸化チタンが吸収しない波長の光を照射する書き込み手段であることを特徴とする画像形成装置」、
(2)「前記アナターゼ型酸化チタンが表面処理を施しているものであることを特徴とする前記第(1)項に記載の画像形成装置」、
(3)「前記電荷発生層の書き込み光に対する透過率が10%以上、25%以下であることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の画像形成装置」、
(4)「前記有機電荷発生物質が下記(I)式で表わされるアゾ顔料であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項の何れかに記載の画像形成装置;
(5)「前記アゾ顔料のCp1とCp2が互いに異なるものであることを特徴とする前記第(4)項に記載の画像形成装置」、
(6)「前記有機電荷発生物質がCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、該7.3°のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有さないチタニルフタロシアニン結晶であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項の何れかに記載の画像形成装置」、
(7)「前記電荷輸送層の書き込み光に対する透過率が30%以上であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項の何れかに記載の画像形成装置」、
(8)「前記感光層上に保護層を有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項の何れかに記載の画像形成装置」、
(9)「前記保護層が書き込み光を30%以上透過することを特徴とする前記第(8)項に記載の画像形成装置」、
(10)「前記保護層が、比抵抗1010Ω・cm以上の無機顔料及び金属酸化物から選択される少なくともいずれかを含むことを特徴とする前記第(8)項又は第(9)項に記載の画像形成装置」、
(11)「前記保護層が、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化することにより形成されることを特徴とする前記第(8)項又は第(9)項に記載の画像形成装置」、
(12)「前記保護層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が、下記一般式(1)又は(2)の少なくとも一種以上であることを特徴とする前記第(11)項に記載の画像形成装置;
(13)「前記保護層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が、下記一般式(3)の少なくとも一種以上であることを特徴とする前記第(11)項又は第(12)項に記載の画像形成装置;
(14)「前記保護層の硬化手段が加熱又は光エネルギー照射手段であることを特徴とする前記第(11)項乃至第(13)項の何れかに記載の画像形成装置」、
(15)「前記中間層が電荷ブロッキング層とモアレ防止層から構成され、金属酸化物がモアレ防止層に含有されることを特徴とする前記第(1)項乃至第(14)項の何れかに記載の画像形成装置」、
(16)「前記電荷ブロッキング層が絶縁性材料からなり、その膜厚が2.0μm未満、0.3μm以上であることを特徴とする前記第(15)項に記載の画像形成装置」、
(17)「前記絶縁性材料が、N−メトキシメチル化ナイロンであることを特徴とする前記第(16)項に記載の画像形成装置」、
(18)「前記モアレ防止層が金属酸化物とバインダー樹脂を含有し、両者の容積比が1/1乃至3/1の範囲であることを特徴とする前記第(15)項乃至第(17)項の何れかに記載の画像形成装置」、
(19)「前記除電手段に用いられる光源波長が、中間層に含有される金属酸化物が吸収しない波長の光源であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(18)項のいずれかに記載の画像形成装置」、
(20)「少なくとも静電潜像担持体、帯電手段、書き込み手段、現像手段、転写手段、及び除電手段を有する画像形成要素を複数備えたことを特徴とする前記第(1)項乃至第(19)項の何れかに記載の画像形成装置」、
(21)「静電潜像担持体と、帯電手段、書き込み手段、現像手段、除電手段及びクリーニング手段から選択される1つ以上の手段とが一体となり、装置本体と着脱自在なプロセスカートリッジを搭載していることを特徴とする前記第(1)項乃至第(20)項の何れかに記載の画像形成装置」、
(22)「静電潜像担持体上に帯電を行なう帯電工程と光照射により静電潜像を形成する書き込み工程と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、該可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程と静電潜像担持体の残留電荷を光除電する除電工程とを少なくとも有する画像形成方法であって、前記静電潜像担持体が、支持体と、該支持体上に少なくとも中間層、電荷発生層と電荷輸送層とからなる感光層を有し、該中間層に少なくともアナターゼ型酸化チタンを含有し、かつ該電荷発生層中に有機電荷発生物質を含有すると共に、前記書き込み工程が410nmよりも短波長でかつ中間層に含有されるアナターゼ型酸化チタンが吸収しない波長の光を照射する書き込み工程であることを特徴とする画像形成方法」、
(23)「前記除電工程に用いられる光源波長が、中間層に含有されるアナターゼ型酸化チタンが吸収しない波長の光源であることを特徴とする前記第(22)項に記載の画像形成方法」、
(24)「少なくとも帯電工程、書き込み工程、現像工程、転写工程、及び除電工程を有する画像形成工程を複数備えたことを特徴とする前記第(22)項又は第(23)項に記載の画像形成方法」。
実際には、感光体に画像光を光書き込みする場合には、帯電が施された状態であるから、中間層にも電界は印加されている。また、高画質化のために短波長(410nmよりも短波長)の光源を使用することは必須である。従って、この制限の中で中間層に使用する材料を選定するか、書き込み波長を選定するかと言うことになる。
逆に、例えば405nmの書き込み光源を使用する場合には、ルチル型酸化チタン(吸収端が410nm)ではこの書き込み光を吸収してしまうので使用することができず、これよりも吸収波長の短い(エネルギーギャップの大きい)、アナターゼ型酸化チタン(3.2eV:390nm)を用いることで、中間層による書き込み光の吸収を回避できる。 また、本発明における書き込み光としての410nmよりも短波長の書き込み光とは、410nm以上の長波長側の光を含まない光であることを示している(以降、410nm未満の書き込み光と記す場合がある)。
アナターゼ型酸化チタンが吸収可能である波長は、前述の通り、エネルギーギャップよりも大きな波長と定義されるが、このエネルギーギャップの測定方法について記載する。一般的には、3つの方法が考えられる。
1つは、中間層の分光反射スペクトルを測定し、長波長側の吸収端を求める方法である。これは市販の分光吸収スペクトル装置があれば容易に測定できる。本発明の実施例においては、この測定を用いている。中間層吸収可能な波長は、この方法で求められる吸収端よりも短波長側の光として求められる。
2つめは、中間層の分光吸収スペクトルと発光スペクトルを求め、両者を同一のグラフに記載し、両者の交点の波長を求める方法である。これらは、市販の分光光度計及び蛍光光度計があれば測定することが可能である。中間層吸収可能な波長は、この方法で求められる波長(交点)よりも短波長側の光として求められる。
3つめは、伝導帯と価電子帯のエネルギーレベルを測定し、両者の差を求め、エネルギーギャップとするものである。これらは、専用の測定装置を必要とし、あまり一般的ではない。中間層吸収可能な波長は、上記のエネルギーギャップ(単位はエネルギー)を波長単位に換算し、その波長よりも短波長側の光として求められる。
(画像形成装置及び画像形成方法)
本発明の画像形成装置は、少なくとも導電性支持体上に、アナターゼ型酸化チタンを含有する中間層、有機電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送層からなる積層感光層を有する静電潜像担持体と、帯電手段と、410nmよりも短波長でかつ、アナターゼ型酸化チタンが吸収しない波長の光源を有する書き込み手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段と、除電手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。 本発明の画像形成方法は、帯電工程と410nmよりも短波長でかつ、アナターゼ型酸化チタンが吸収しない波長の光源を有する書き込み工程と、現像工程と、転写工程、除電工程と、定着工程とを少なくとも含んでなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含んでなる。
一方、本発明の実質的内容を直接左右するものではないが、本発明で用いる感光体は、加熱によっては帯電疲労(光照射後の残留電位上昇)の顕著な回復が認められなかった。このことから、本発明に係る発明の場合には、残留電位上昇の主因としての従来モデル(帯電疲労のうち光照射後の残留電位上昇因としての禁制帯内のトラップサイトによるチャージキャリアの捕獲が主因である旨のモデル)のみでは、疲労原因や疲労回避のメカニズムを充分説明することが難かしいことが明らかである。
前記静電潜像担持体としては、中間層にアナターゼ型酸化チタンを含有し、電荷発生層に有機電荷発生物質を含有することを必須要件とする以外は、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。前記支持体としては、導電性を有する導電性支持体が好ましい。
図2は、本発明に用いられる電子写真感光体の構成例を示す断面図であり、支持体(31)上に、アナターゼ型酸化チタンを含有する中間層(39)と、電荷発生物質として少なくとも有機電荷発生物質を主成分とする電荷発生層(35)と、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層(37)とが、積層された構成をとっている。
更に、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体として良好に用いることができる。
これらの中間層は前述の感光層の如く適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。中間層の膜厚は0.1〜5μmが適当である。
また、整流性のある導電性高分子や、帯電極性に合わせてアクセプター(ドナー)性の樹脂・化合物などを加えて、基体からの電荷注入を制抑するなどの機能を持たせても良い。
バインダー樹脂としては、熱硬化型樹脂が良好に使用される。特に、アルキッド/メラミン樹脂の混合物が最も良好に使用される。この際、アルキッド/メラミン樹脂の混合比は、モアレ防止層の構造及び特性を決定する重要な因子である。両者の比(重量比)が5/5〜8/2の範囲が良好な混合比の範囲として挙げることができる。5/5よりもメラミン樹脂がリッチであると、熱硬化の際に体積収縮が大きくなり塗膜欠陥を生じやすくなったり、感光体の残留電位を大きくする方向にあり望ましくない。また、8/2よりもアルキッド樹脂がリッチであると、感光体の残留電位低減には効果があるものの、バルク抵抗が低くなりすぎて地汚れが悪くなる方向になり望ましくない。
また、粒径の小さい方のアナターゼ型酸化チタン(T2)の平均粒径(D2)の大きさが重要な因子であり、0.05μm<D2<0.20μmであることが重要である。0.05μm以下の場合には隠蔽力が低下し、モアレを発生させる場合がある。一方、0.20μm以上の場合には、モアレ防止層のアナターゼ型酸化チタンの充填率を低下させ、地汚れ抑制効果が十分に発揮できない。
また、2種のアナターゼ型酸化チタンの混合比率(重量比)も重要な因子である。T2/(T1+T2)が0.2よりも小さい場合には、アナターゼ型酸化チタンの充填率がそれほど大きくなく、地汚れ抑制効果が十分に発揮できない。一方、0.8よりも大きな場合には、隠蔽力が低下し、モアレを発生させる場合がある。従って、0.2≦T2/(T1+T2)≦0.8であることが重要である。
アナターゼ型酸化チタンは溶剤とバインダー樹脂と共に常法により、例えばボールミル、サンドミル、アトライラー等により分散し、また、必要に応じて硬化(架橋)に必要な薬剤、溶剤、添加剤、硬化促進剤等を加えて、常法により、ブレード塗工、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート法などにより基体上に形成される。塗布後は乾燥や加熱、光等の硬化処理により乾燥あるいは硬化させる。
電荷発生層(35)は、電荷発生物質としての有機電荷発生物質を主成分とする層である。有機電荷発生物質を必要に応じてバインダー樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、これを中間層上に塗布し、乾燥することにより形成される。
また、書き込み光波長における電荷発生層の透過率が10%以上、25%以下であることが望ましい。書き込み光に対して透過性が大きすぎると、中間層に書き込み光が到達しすぎるため、25%以下が適当である。また、光吸収量が大きすぎると、繰り返し使用時の静電疲労の影響が大きくなるため10%以上が適当である。従って、上記の範囲が適正範囲である。
本発明における電荷発生層の書き込み光に対する透過率は、ポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布乾燥して形成された電荷発生層を、未塗布のポリエチレンテレフタレートフィルムを比較対照として、市販の分光光度計(島津製作所製、UV−3100)を用い測定した。電荷輸送層の場合も同様である。
有機電荷発生物質としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
これらアゾ顔料は従来から知られ(例えば特開平5−13170号公報、特開平7−72640号公報、特開平10−232503号公報、特開2004−177552号公報、特開2004−302452号公報、特開2005−99694号公報、特開2005−99697号公報、特開2005−189628号公報、特開2005−115351号公報等を参照)たものである。
分散液の更なる観察により、微小欠陥に関して検討した結果、上記現象は次のように理解された。通常、平均粒子サイズを測定するような方法においては、極端に大きな粒子が数%以上も存在するような場合には、その存在が検出できるものであるが、全体の1%以下程度のような微量になってくると、その測定は検出限界以下になってしまうものである。その結果として、平均粒子サイズの測定だけでは粗大粒子の存在が検出されずに、上述のような微小欠陥に関する解釈を困難にしていた。
従って、公知の平均粒径(粒子サイズ)の規定だけでは、微量な粗大粒子の残存を検出できずに、昨今の高解像度のネガ・ポジ現像には対応できていないことが理解される。この微量な粗大粒子の存在は、塗工液を顕微鏡レベルで観察することにより、初めて認識できたものである。
即ち、できる限り粒子を微細にした分散液を作製後、適当なフィルターで濾過してしまう方法である。分散液の作製に関しては一般的な方法が用いられ、有機電荷発生物質を必要に応じてバインダー樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル、超音波などを用いて分散することで得られるものである。この際、バインダー樹脂は感光体の静電特性などにより、また溶媒は顔料へのぬれ性、顔料の分散性などにより選択すればよい。
この方法では、残存する目視では観察できない(あるいは粒径測定では検出できない)微量な粗大粒子をも取り除くことができ、また粒度分布を揃えるという点からも非常に有効な手段である。具体的には、上述のように作製した分散液を有効孔径が5μm以下のフィルター、より好ましくは3μm以下のフィルターにて濾過する操作を行ない、分散液を完成させるというものである。この方法によっても、粒子サイズの小さな(0.25μm以下、好ましくは0.2μm以下)有機電荷発生物質のみを含む分散液を作製することができ、これを用いた感光体を画像形成装置に搭載使用することにより、本発明の効果をより一層顕著にするものである。
この際、濾過される分散液の粒子サイズが大きすぎたり、粒度分布が広すぎたりする場合には、濾過によるロスが大きくなったり、濾過の目詰まりを生じて濾過が不可能になったりする場合がある。このため、濾過前の分散液においては、平均粒子サイズが0.3μm以下で、その標準偏差が0.2μm以下に到達するまで分散を行なった方が望ましい。平均粒子サイズが0.3μmより大きい場合には濾過によるロスが大きくなり、標準偏差が0.2μmより大きい場合には濾過時間が非常に長くなったりする不具合点を生じる場合がある。
て用いられる。
電荷輸送層をこのような条件にするためには、除電光に対して適正な電荷輸送材料を選択して、電荷輸送層を形成することが重要である。上述する電荷輸送物質の中でも、トリアリールアミン骨格を有する電荷輸送物質は、410nm未満の除電光を透過しやすく、かつ移動度も大きいため、本発明の感光体に使用する電荷輸送物質としては好適である。
先に、保護層中にフィラーを添加する構成について説明する。
保護層に使用される材料としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。中でも、ポリカーボネートもしくはポリアリレートが最も良好に使用できる。
保護層にはその他、耐摩耗性を向上する目的でポリテトラフルオロエチレンのような弗素樹脂、シリコーン樹脂、及びこれらの樹脂に酸化チタン、酸化錫、チタン酸カリウム、シリカ等の無機フィラー、また有機フィラーを分散したもの等を添加することができる。
ここで、本発明におけるフィラーのpHは、ゼータ電位から等電点におけるpH値を記載した。この際、ゼータ電位の測定は、大塚電子(株)製レーザーゼータ電位計にて測定した。
更に、これらのフィラーは少なくとも一種の表面処理剤で表面処理させることが可能であり、そうすることがフィラーの分散性の面から好ましい。フィラーの分散性の低下は残留電位の上昇だけでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、さらには耐摩耗性の低下をも引き起こすため、高耐久化あるいは高画質化を妨げる大きな問題に発展する可能性がある。
これらフィラー材料は、適当な分散機を用いることにより分散できる。また、保護層の透過率の点から使用するフィラーは一次粒子レベルまで分散され、凝集体が少ないほうが好ましい。
この他、保護層のバインダー樹脂としては公知の高分子電荷輸送物質も用いることができる。これを用いた場合の効果としては、耐摩耗性の向上、高速電荷輸送の効果を得ることができる。
このような保護層の形成法としては通常の塗布法が採用される。尚、上述した保護層の厚さは0.1〜10μm程度が適当である。
架橋構造の形成に関しては、1分子内に複数個の架橋性官能基を有する反応性モノマーを使用し、光や熱エネルギーを用いて架橋反応を起こさせ、3次元の網目構造を形成するものである。この網目構造がバインダー樹脂として機能し、高い耐摩耗性を発現するものである。
このような網目構造を有する保護層は、耐摩耗性が高い反面、架橋反応時に体積収縮が大きく、あまり厚膜化するとクラックなどを生じる場合がある。このような場合には、保護層を積層構造として、下層(感光層側)には低分子分散ポリマーの保護層を使用し、上層(表面側)に架橋構造を有する保護層を形成しても良い。
特定の架橋型保護層とは、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化することにより形成される保護層である。3官能以上のラジカル重合性モノマーを硬化した架橋構造を有するため3次元の網目構造が発達し、架橋密度が非常に高い高硬度且つ高弾性な表面層が得られ、かつ均一で平滑性も高く、高い耐摩耗性、耐傷性が達成される。この様に感光体表面の架橋密度すなわち単位体積あたりの架橋結合数を増加させることが重要であるが、硬化反応において瞬時に多数の結合を形成させるため体積収縮による内部応力が発生する。この内部応力は架橋型保護層の膜厚が厚くなるほど増加するため保護層全層を硬化させると、クラックや膜剥がれが発生しやすくなる。この現象は初期的に現れなくても、電子写真プロセス上で繰り返し使用され帯電、現像、転写、クリーニングのハザード及び熱変動の影響を受けることにより、経時で発生しやすくなることもある。
本発明に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとは、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有しておらず、且つラジカル重合性官能基を3個以上有するモノマーを指す。このラジカル重合性官能基とは、炭素−炭素2重結合を有し、ラジカル重合可能な基であれば何れでもよい。これらラジカル重合性官能基としては、例えば、下記に示す1−置換エチレン官能基、1,1−置換エチレン官能基等が挙げられる。
CH2=CH−X1− ・・・・式10
(ただし、式10中、X1は、置換基を有していてもよいフェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基、−CO−基、−COO−基、−CON(R10)−基(R10は、水素、メチル基、エチル基等のアルキル基、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基を表わす。)、または−S−基を表わす。)
これらの官能基を具体的に例示すると、ビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミド基、ビニルチオエーテル基等が挙げられる。
CH2=C(Y)−X2− ・・・・式11
(ただし、式11中、Yは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基あるいはエトキシ基等のアルコキシ基、−COOR11基(R11は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル、フェネチル基等のアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、または−CONR12R13(R12およびR13は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル基、ナフチルメチル基、あるいはフェネチル基等のアラルキル基、または置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基を表し、互いに同一または異なっていてもよい。)、また、X2は上記式10のX1と同一の置換基及び単結合、アルキレン基を表わす。ただし、Y、X2の少なくとも何れか一方がオキシカルボニル基、シアノ基、アルケニレン基、及び芳香族環である。)
なお、これらX1、X2、Yについての置換基にさらに置換される置換基としては、例えばハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
すなわち、本発明において使用する上記ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシ変性(以後EO変性)トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシ変性(以後PO変性)トリアクリレート、トリメチロールプロパンカプロラクトン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、グリセロールエピクロロヒドリン変性(以後ECH変性)トリアクリレート、グリセロールEO変性トリアクリレート、グリセロールPO変性トリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、リン酸EO変性トリアクリレート、2,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどが挙げられ、これらは単独又は2種類以上を併用しても差し支えない。
{式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR7(R7は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基)、ハロゲン化カルボニル基若しくはCONR8R9(R8及びR9は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい)を表わし、Ar1、Ar2は置換もしくは無置換のアリーレン基を表わし、同一であっても異なってもよい。Ar3、Ar4は置換もしくは無置換のアリール基を表わし、同一であっても異なってもよい。Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。Zは置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基、アルキレンオキシカルボニル2価基を表わす。m、nは0〜3の整数を表わす。}
前記一般式(1)、(2)において、R1の置換基中、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基が、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等がそれぞれ挙げられ、これらは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等により置換されていても良い。
R1の置換基のうち、特に好ましいものは水素原子、メチル基である。
(1)ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等。
(2)アルキル基、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチル基、エチル基、n−ブチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR2)であり、R2は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基であり、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
(5)アルキルメルカプト基またはアリールメルカプト基であり、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)
具体的には、アミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(トリール)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基等が挙げられる。
(7)メチレンジオキシ基、又はメチレンジチオ基等のアルキレンジオキシ基又はアルキレンジチオ基等が挙げられる。
(8)置換又は無置換のスチリル基、置換又は無置換のβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等。
前記Ar1、Ar2で表わされるアリーレン基としては、前記Ar3、Ar4で表されるアリール基から誘導される2価基である。
ビニレン基は、
置換もしくは無置換のアルキレン基としては、前記Xのアルキレン基と同様なものが挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基としては、前記Xのアルキレンエーテル2価基が挙げられる。
アルキレンオキシカルボニル2価基としては、カプロラクトン2価変性基が挙げられる。
が、これらの構造の化合物に限定されるものではない。
これら重合性化合物自体は従来から知られ(例えば特開平5−216249号公報、特開平5−323630号公報、特開平7−72640号公報、特開2004−302450号公報、特開2004−302451号公報、特開2004−302452号公報、特開2005−特開2006−154796号公報等を参照)たものである。
但し、1官能及び2官能のラジカル重合性モノマーやラジカル重合性オリゴマーを多量に含有させると架橋型保護層の3次元架橋結合密度が実質的に低下し、耐摩耗性の低下を招く。このためこれらのモノマーやオリゴマーの含有量は、3官能以上のラジカル重合性モノマー100重量部に対し50重量部以下、好ましくは30重量部以下であればより好ましい。
UV照射の場合、メタルハライドランプ等を用いるが、照度は50mW/cm2以上、1000mW/cm2以下、時間としては5秒から5分程度が好ましく、ドラム温度は50℃を越えないように制御する。
熱硬化の場合、加熱温度は100〜170℃が好ましく、例えば加熱手段として送風型オーブンを用い、加熱温度を150℃に設定した場合、加熱時間は20分〜3時間である。
硬化終了後は、さらに残留溶媒低減のため100〜150℃で10分〜30分加熱して、本発明の感光体を得る。
保護層の透過率は電荷輸送層と同様な方法で測定される。即ち、感光体に使用する保護層を単独で形成し、これを市販の分光光度計により分光吸収スペクトルを測定する。スペクトルから画像形成装置に使用する除電光の波長における透過率を求めることにより得られる。
また、電荷発生層と電荷輸送層の順に構成される感光層上に保護層を設け、感光体の表面側から除電光を照射する場合には、除電光は保護層と電荷輸送層を通って電荷発生層に照射されることになる。従って、実質的には電荷輸送層と保護層を積層した形の透過率が重要になってくる。この場合には、電荷輸送層と保護層を積層した状態で、除電光に対する透過率が30%以上、好ましくは50%以上、更に望ましくは85%以上であることが望ましい。
この様な場合に透過率は、電荷輸送層と保護層を積層した状態の塗膜を上述のように分光吸収スペクトルを測定することにより求めることができる。
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−ト
リス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類など。
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光(書き込み)することにより行なうことができ、前記静電潜像形成手段により行なうことができる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器(感光体表面と帯電器との間に100μm以下の空隙を有する近接方式の非接触帯電器を含む)、などが挙げられる。
なお、前記電界強度は、下記式(1)で表わされる。
電界強度(V/μm)=SV/G ・・・(1)
ただし、前記式(1)中、SVは、現像位置における静電潜像担持体の未露光部における表面電位(V)の絶対値を表わす。Gは、少なくとも感光層(電荷発生層及び電荷輸送層)を含む感光層の膜厚(μm)を表わす。
前記書き込みは、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行なうことができる。前記露光器の種類としては、410nmよりも短波長の光を発するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行なう光背面方式を採用してもよい。
光源としては、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの高輝度が確保できる光源が使用される。
このような波長範囲にレーザー発振させる技術としてはいくつかの手法が挙げられる。一つは、非線形光学材料を利用し、第2高調波発生(SHG)を用いてレーザー光の波長を2分の1にするものである(例えば、特開平9−275242号公報、特開平9−189930号公報、特開平5−313033号公報等参照)。この系は、一次光源として、既に技術が確立し高出力可能なGaAs系LDやYAGレーザーを使用することができるため、長寿命化や大出力化が可能である。もう一つは、ワイドギャップ半導体を用いるもので、SHG利用のデバイスと比べ、装置の小型化が可能である。ZnSe系半導体(特開平7−321409号公報、特開平6−334272号公報等参照)や、GaN系半導体(特開平8−88441号公報、特開平7−335975号公報等参照)を用いたLDが、その発光効率の高さから、以前から多くの研究の対象となっている。また、比較的最近の技術として、日亜化学工業から、GaN系半導体を用いたLD(405nm発振)が実用化され、上記の技術よりも格段に進んだ書き込み系が開発され、本発明にも有益に用いることができる。また、上記材料を用いたLEDランプ等も上市されており、これらも有効に使用することができる。
前記現像は前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成することにより行なうことができる。前記トナーは、感光体の帯電極性と同極性のトナーを用いられ、反転現像(ネガ・ポジ現像)によって、静電潜像が現像される。また、トナーのみで現像を行なう1成分方式と、トナー及びキャリアからなる2成分現像剤を使用した2成分方式の2通りの方法があるが、いずれの場合にも良好に使用できる。
前記転写手段は、前記可視像を記録媒体に転写する手段であるが、感光体表面から記録媒体に可視像を直接転写する方法と、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する方法がある。いずれの態様も良好に使用することができるが、高画質化に際して転写による悪影響が大きいような場合には、転写回数が少ない前者(直接転写)の方法が好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行なうことができ、前記転写手段により行なうことができる。なお、転写手段としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写手段の中から適宜選択することができ、例えば、記録媒体の搬送も同時に行なうことのできる転写搬送ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写帯電器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2以上であってもよい。前記転写帯電器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
また、転写帯電器は転写ベルト、転写ローラを用いることも可能であるが、オゾン発生量の少ない転写ベルトや転写ローラ等の接触型を用いることが望ましい。なお、転写時の電圧/電流印加方式としては、定電圧方式、定電流方式のいずれの方式も用いることが可能であるが、転写電荷量を一定に保つことができ、安定性に優れた定電流方式がより望ましい。このような転写部材は、構成上、本発明の構成を満足できるものであれば、公知のものを使用することができる。
この通過電荷量とは、感光体の膜厚方向を流れる電荷量に相当する。感光体の画像形成装置中の動作として、メイン帯電器により所望の帯電電位に帯電され(ほとんどの場合負帯電される)、原稿に応じた入力信号に基づき光書き込みが行なわれる。この際、書き込みが行われた部分は光キャリアが発生し、表面電荷を中和する(電位減衰する)。この時、光キャリア発生量に依存した電荷量が感光体膜厚方向に流れる。一方、光書き込みが行われない領域(非書き込み部)は、現像工程及び転写工程を経て、除電工程に進む(必要に応じて、その前にクリーニング工程が施される)。ここで、感光体の表面電位がメイン帯電により施された電位に近い状態(暗減衰分は除く)であると、光書き込みが行われた領域とほぼ同じ量の電荷量が感光体膜厚方向に流れることになる。一般的に、現在の原稿は書き込み立が低いため、この方式であると、繰り返し使用における感光体の通過電荷量は除電工程で流れる電流がほとんどと言うことになる(書き込み率が10%であるとすると、除電工程で流れる電流は、全体の9割を占めることになる)。
この通過電荷は、感光体を構成する材料の劣化を引き起こす等、感光体静電特性に大きく影響を及ぼす。その結果、通過電荷量に依存して、特に感光体の残留電位を上昇させる。感光体の残留電位が上昇すると、本発明で使用されるネガ及びポジ現像では、画像濃度が低下することになり、大きな問題となる。従って、画像形成装置内での感光体の長寿命化(高耐久化)を狙うためには、如何に感光体の通過電荷量を小さくするかという課題が存在する。
このためには、転写工程において転写バイアスを調整することにより、感光体通過電荷量を調整することが有効である。即ち、メイン帯電により帯電され、書き込みが行われない非書き込み部は、暗減衰量を除き、帯電された電位に近い状態で転写工程に突入する。この際、メイン帯電器により帯電された極性側の絶対値として100V以下まで低減することにより、引き続く除電工程に突入しても光キャリア発生がほとんど行なわれず、通過電荷が生じない。この値は、0Vより近いほど好ましい。
更には、転写バイアスの調整により、メイン帯電により施される帯電極性とは逆極性に感光体表面電位が帯電するように転写バイアスを印加させることにより、光キャリアが絶対に発生しないため、より望ましい。但し、逆極性にまで帯電するような転写条件では、場合により転写チリを多く発生させたり、次の画像形成プロセス(サイクル)のメイン帯電が追いつかない場合が出てくる。その場合には、残像のような不具合が発生する場合があるため、逆極性の絶対値として100V以下であることが好ましい。
以上のような制御を加えることは、本発明における効果を顕著なものとして、有効に使用できるものである。
前記定着は、記録媒体に転写された可視像を、定着装置を用いて定着され、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行なってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行なってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせ、などが挙げられる。前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電手段としては、前記静電潜像担持体に対し除電を行なうことができれば良く、公知の除電器の中から適宜選択することができる。例えば、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
図8は、本発明の画像形成装置を説明するための概略図であり、後に示すような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図8において、静電潜像担持体としての感光体(1)は支持体上に少なくともアナターゼ型酸化チタンを含有する中間層、有機系電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層からなる積層感光層が設けられてなる。感光体(1)はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。
現像ユニット(6)では、感光体の帯電極性と同極性のトナーが使用され、反転現像(ネガ・ポジ現像)によって、静電潜像が現像される。先の画像露光部に使用する光源によっても異なるが、近年使用するデジタル光源の場合には、一般的に画像面積率が低いことに対応して、書込部分にトナー現像を行なう反転現像方式が光源の寿命等を考慮すると有利である。また、トナーのみで現像を行なう1成分方式と、トナー及びキャリアからなる2成分現像剤を使用した2成分方式の2通りの方法があるが、いずれの場合にも良好に使用できる。
転写電流は、感光体に静電的に付着しているトナーを引きはがし、被転写体(転写紙もしくは中間転写体など)へ移行させるために与える必要電荷量に基づく電流である。転写残などの転写不良を回避するためには、転写電流を大きくすれば良いことになるが、ネガ及びポジ現像を用いた場合には、感光体の帯電極性と逆極性の帯電を与えることになり、感光体の静電疲労が著しいものとなる。転写電流は大きいほど、感光体−トナー間の静電付着力を上回る電荷量を与えられるため有利であるが、ある閾値を越えると転写部材−感光体間で放電現象を生じてしまい、微細に現像されたトナー像を散らせる結果になる。このため、上限値としてはこの放電現象を起こさない範囲ということになる。この閾値は転写部材−感光体間の空隙(距離)、両者を構成する材料などによって変わるものであるが、概ね200μA以下程度で使用することにより、放電現象を回避できる。従って、転写電流の上限値は200μA程度である。
このような転写部材は、構成上、本発明の構成を満足できるものであれば、公知のものを使用することができる。
また、前述のように転写電流を制御することで、転写後の感光体表面電位(書き込み光の未露光部)を低下させておくことは、画像形成1サイクルあたりの感光体通過電荷量を低減することができ、本発明においては有効に使用される。
また、現像ユニット(6)により感光体(1)上に現像されたトナーは、転写紙(9)に転写されるが、感光体(1)上に残存するトナーが生じた場合、ファーブラシ(14)及びブレード(15)により、感光体より除去される。クリーニングは、クリーニングブラシだけで行なわれることもあり、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いられる。
図9において、符号(16Y)、(16M)、(16C)、(16K)はドラム状の感光体であり、感光体は支持体上に少なくともアナターゼ型酸化チタンを含有する中間層、有機系電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層からなる積層感光層が設けられてなる。
この感光体(16Y)、(16M)、(16C)、(16K)は図9中の矢印方向に回転可能であり、その周りに少なくとも回転順に帯電器(17Y)、(17M)、(17C)、(17K)、少なくとも1つの現像スリーブを有する現像手段(19Y)、(19M)、(19C)、(19K)、クリーニング部材(20Y)、(20M)、(20C)、(20K)、除電手段(27Y)、(27M)、(27C)、(27K)が配置されている。帯電器(17Y)、(17M)、(17C)、(17K)は、感光体表面を均一に帯電するための帯電装置を構成する帯電器である。この帯電器(17Y)、(17M)、(17C)、(17K)と現像手段(19Y)、(19M)、(19C)、(19K)の間の感光体表面側より、露光器(18Y)、(18M)、(18C)、(18K)からの410nmよりも短波長のレーザー光が照射され、感光体(16Y)、(16M)、(16C)、(16K)に静電潜像が形成されるようになっている。そして、このような感光体(16Y)、(16M)、(16C)、(16K)を中心とした4つの画像形成要素(25Y)、(25M)、(25C)、(25K)が、転写材搬送手段である転写搬送ベルト(22)に沿って並置されている。転写搬送ベルト(22)は各画像形成ユニット(25Y)、(25M)、(25C)、(25K)の現像手段(19Y)、(19M)、(19C)、(19K)とクリーニング部材(20Y)、(20M)、(20C)、(20K)の間で感光体(16Y)、(16M)、(16C)、(16K)に当接しており、転写搬送ベルト(22)の感光体側の裏側に当たる面(裏面)には転写バイアスを印加するための転写ブラシ(21Y)、(21M)、(21C)、(21K)が配置されている。各画像形成要素(25Y)、(25M)、(25C)、(25K)は現像装置内部のトナーの色が異なることであり、その他は全て同様の構成となっている。
また、転写部で転写されずに各感光体(16Y)、(16M)、(16C)、(16K)上に残った残留トナーは、クリーニング装置(20Y)、(20M)、(20C)、(20K)で回収される。
続いて、除電部材(27Y)、(27M)、(27C)、(27K)により、感光体上の余分な残留電荷が除去される。この後再び、帯電器で均一に帯電が施されて、次の画像形成が行なわれる。
なお、図9の例では画像形成要素は転写紙搬送方向上流側から下流側に向けて、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の色の順で並んでいるが、この順番に限るものではなく、色順は任意に設定されるものである。また、黒色のみの原稿を作成する際には、黒色以外の画像形成要素(25Y)、(25M)、(25C)が停止するような機構を設けることは本発明に特に有効に利用できる。
また、先に述べたように転写後の感光体表面が、主帯電器により帯電させた極性側に100V以下に帯電させることが好ましく、逆極性側に帯電させることがより好ましく、逆極性側に100V以下に帯電させることが特に好ましい。これにより、感光体の繰り返し使用における残留電位の上昇を低減化することができる。
画像露光部(103)には、前述のように410nmより短波長(但し、中間層に含有されるアナターゼ型酸化チタンが吸収しない波長)の光で書き込みが行なうことのできる光源が用いられ、帯電器(102)には、任意の帯電器が用いられる。図10中、(104)は少なくとも1つの現像スリーブを有する現像手段、(105)は転写体、(106)は転写手段、(107)はクリ−ニング手段、(108)は除電部材である。
まず、本発明に用いたアゾ顔料及びチタニルフタロシアニン結晶の合成方法について述べる。以下の実施例で使用するアゾ顔料は、特公平60−29109号公報及び特許第3026645号公報に記載の方法に準じて作製したものである。また、チタニルフタロシアニン結晶は、特開2001−19871号公報及び特開2004−83859号公報記載の方法に準じて作製した。
(合成例1)
特開2001−19871号公報、合成例1に準じて、顔料を作製した。即ち、1,3−ジイミノイソインドリン29.2gとスルホラン200mlを混合し、窒素気流下でチタニウムテトラブトキシド20.4gを滴下する。滴下終了後、徐々に180℃まで昇温し、反応温度を170℃〜180℃の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行なった。反応終了後、放冷した後、析出物を濾過し、クロロホルムで粉体が青色になるまで洗浄し、次にメタノールで数回洗浄し、更に80℃の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗チタニルフタロシアニンを得た。粗チタニルフタロシアニンを20倍量の濃硫酸に溶解し、100倍量の氷水に撹拌しながら滴下し、析出した結晶を濾過し、次いで、洗浄液が中性になるまでイオン交換水(pH:7.0、比伝導度:1.0μS/cm)により水洗いを繰り返し(洗浄後のイオン交換水のpH値は6.8、比伝導度は2.6μS/cmであった)、チタニルフタロシアニン顔料のウェットケーキ(水ペースト)を得た。得られたこのウェットケーキ(水ペースト)40gをテトラヒドロフラン200gに投入し、4時間攪拌を行なった後、濾過を行ない、乾燥して、チタニルフタロシアニン粉末を得た。これを顔料1とする。
前記ウェットケーキの固形分濃度は、15質量%であった。結晶変換溶媒は、前記ウェットケーキに対する質量比で33倍の量を用いた。なお、合成例1の原材料には、ハロゲン含有化合物を使用していない。
得られたチタニルフタロシアニン粉末を、市販のX線回折装置(理学電気:RINT 1100)を用い、下記の条件によりX線回折スペクトル測定したところ、Cu−Kα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θが27.2±0.2°に最大ピークと最低角7.3±0.2°にピークを有し、更に9.4±0.2°、9.6±0.2°、24.0±0.2°に主要なピークを有し、かつ7.3°のピークと9.4°のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有さないチタニルフタロシアニン粉末を得られた。その結果を図11に示す。
また、合成例1で得られた水ペーストの一部を80℃の減圧下(5mmHg)で、2日間乾燥して、低結晶性チタニルフタロシアニン粉末を得た。水ペーストの乾燥粉末のX線回折スペクトルを図12に示す。
<X線回折スペクトル測定条件>
X線管球:Cu
電圧:50kV
電流:30mA
走査速度:2°/分
走査範囲:3°〜40°
時定数:2秒
−チタニルフタロシアニン結晶の合成−
特開2004−83859号公報、実施例1の方法に従って、チタニルフタロシアニン顔料の水ペーストを合成し、次のように結晶変換を行ない、先の合成例1よりも一次粒子の小さなフタロシアニン結晶を得た。
先の合成例1で得られた結晶変換前の水ペースト60質量部にテトラヒドロフラン400質量部を加え、室温下でホモミキサー(ケニス、MARKIIfモデル)により強烈に撹拌(2000rpm)し、ペーストの濃紺色の色が淡い青色に変化したら(撹拌開始後20分)、撹拌を停止し、直ちに減圧濾過を行なった。濾過装置上で得られた結晶をテトラヒドロフランで洗浄し、顔料のウェットケーキを得た。これを減圧下(5mmHg)、70℃で2日間乾燥して、チタニルフタロシアニン結晶8.5質量部を得た。これを顔料2とする。合成例2の原材料には、ハロゲン含有化合物を使用していない。前記ウェットケーキの固形分濃度は、15質量%であった。結晶変換溶媒は、前記ウェットケーキに対する質量比で44倍の量を用いた。
合成例1で作製された結晶変換前チタニルフタロシアニン(水ペースト)の一部をイオン交換水でおよそ1質量%になるように希釈し、表面を導電性処理した銅製のネットですくい取り、チタニルフタロシアニンの粒子径を透過型電子顕微鏡(TEM、日立:H−9000NAR)にて、75000倍の倍率で観察を行なった。平均粒子径として、以下のように求めた。
上述のように観察されたTEM像をTEM写真として撮影し、映し出されたチタニルフタロシアニン粒子(針状に近い形)を30個任意に選び出し、それぞれの長径の大きさを測定する。測定した30個体の長径の算術平均を求めて、平均粒子径とした。以上の方法により求められた合成例1における水ペースト(ウェットケーキ)中の平均粒子径は、0.06μmであった。
また、合成例1及び合成例2における濾過直前の結晶変換後チタニルフタロシアニン結晶を、テトラヒドロフランでおよそ1質量%になるように希釈し、上の方法と同様に観察を行なった。上記のようにして求めた平均粒子径を表13に示す。なお、合成例1及び合成例2で作製されたチタニルフタロシアニン結晶は、必ずしも全ての結晶の形が同一ではなかった(三角形に近い形、四角形に近い形など)。このため、結晶の最も大きな対角線の長さを長径として、計算を行なった。
合成例1で作製した顔料1を下記組成の処方にて、下記に示す条件にて分散を行ない電荷発生層用塗工液として、分散液を作製した。
チタニルフタロシアニン顔料(顔料1) 15部
ポリビニルブチラール(積水化学製:BX−1) 10部
2−ブタノン 280部
市販のビーズミル分散機(DISPERMAT:SL−05C1−EX)に直径0.5mmのPSZボールを用い、ポリビニルブチラールを溶解した2−ブタノン及び顔料を全て投入し、ローター回転数1200r.p.m.にて30分間分散を行ない、分散液を作製した。これを分散液1とした。
分散液作製例1で使用した顔料1に変えて、それぞれ合成例2で作製した顔料2を使用して、分散液作製例1と同じ条件にて分散液を作製した。これを分散液2とした。
分散液作製例1で作製した分散液1を、アドバンテック社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−1−CS(有効孔径1μm)を用いて、濾過を行なった。濾過に際しては、ポンプを使用し、加圧状態で濾過を行なった。これを分散液3とした。
分散液作製例3で使用したフィルターを、アドバンテック社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−3−CS(有効孔径3μm)に変えた以外は、分散液作製例3と同様に加圧濾過を行ない分散液を作製した。これを分散液4とした。
下記組成の処方にて、下記に示す条件にて分散を行ない、電荷発生層用塗工液として、分散液を作製した。
下記構造のアゾ顔料 5部
ポリビニルブチラール(積水化学製:BX−1) 2部
シクロヘキサノン 250部
2−ブタノン 100部
ボールミル分散機に直径10mmのPSZボールを用い、ポリビニルブチラールを溶解した溶媒およびアゾ顔料を全て投入し、回転数85r.p.m.にて7日間分散を行ない、分散液を作製した(分散液5とする)。
分散液作製例5で使用したアゾ顔料を下記構造のものに変更した以外は、分散液作製例5と同様に分散液を作製した(分散液6とする)。
φ30mmのアルミドラム(JIS 1050)上に、下記組成の中間層塗工液、電荷発生層塗工液、および電荷輸送層塗工液を、順次塗布・乾燥し、3.5μmの中間層、電荷発生層、25μmの電荷輸送層を形成し、積層感光体を作製した(電子写真感光体1とする)。
電荷発生層の膜厚は、以下のように調整した。φ30アルミドラムにポリエチレンテレフタレートフィルムを巻き付けた支持体を予め準備し、電荷発生層を感光体作製時と同様に塗工した。これを用いて、市販の分光光度計(島津:UV−3100)により407nmの透過率を求めた(比較対象は、未塗布のポリエチレンテレフタレートフィルム)。その結果、電荷発生層の透過率は20%であった。
同様に、電荷輸送層の透過率も評価した。その結果、下記組成の電荷輸送層の407nmにおける透過率は98%であった。
◎中間層塗工液
表面未処理アナターゼ型酸化チタン 120.6部
(KA10:チタン工業製、平均粒径:0.40μm)
アルキッド樹脂 33.6部
[ベッコライトM6401-50-S(固形分50%)、大日本インキ化学工業製]
メラミン樹脂 18.7部
[スーパーベッカミンL-121-60(固形分60%)、大日本インキ化学工業製]
2−ブタノン 260部
◎電荷発生層塗工液
先に作製した分散液1を用いた。
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
塩化メチレン 80部
上記中間層塗工液を用いて、厚さ1mmのアルミ板上に、感光体1と同様に中間層を形成した。市販の分光光度計(島津:UV−3100)を用いて、中間層の分光反射スペクトルを測定した。分光反射スペクトルから、中間層の吸収端(吸収可能な長波長側の上限波長)を求め、上記アナターゼ型酸化チタンの吸収端(吸収の上限波長端)はおよそ390nmと求められた。
感光体作製例1で使用した中間層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(電子写真感光体2とする)。
◎中間層塗工液
表面Al処理アナターゼ型酸化チタン 120.6部
(KA10:チタン工業製、平均粒径:0.40μm)
アルキッド樹脂 33.6部
[ベッコライトM6401-50-S(固形分50%)、大日本インキ化学工業製]
メラミン樹脂 18.7部
[スーパーベッカミンL-121-60(固形分60%)、大日本インキ化学工業製]
2−ブタノン 260部
上記、表面Al処理アナターゼ型酸化チタンは、感光体作製例1で使用した表面未処理アナターゼ型酸化チタン重量に対して、2重量%のアルミカップリング剤を用いて表面処理を行なったものである。
上記中間層塗工液を用いて、厚さ1mmのアルミ板上に、感光体1と同様に中間層を形成した。市販の分光光度計(島津:UV−3100)を用いて、中間層の分光反射スペクトルを測定した。分光反射スペクトルから、中間層の吸収端(吸収可能な長波長側の上限波長)を求め、上記アナターゼ型酸化チタンの吸収端はおよそ390nmと求められた。
感光体作製例2における電荷発生層の膜厚を変更し、407nmにおける透過率が12%になるように変更した以外は、感光体作製例2と同様に感光体を作製した(電子写真感光体3とする)。
感光体作製例2における電荷発生層の膜厚を変更し、407nmにおける透過率が8%になるように変更した以外は、感光体作製例2と同様に感光体を作製した(電子写真感光体4とする)。
感光体作製例2における電荷発生層の膜厚を変更し、407nmにおける透過率が26%になるように変更した以外は、感光体作製例2と同様に感光体を作製した(電子写真感光体5とする)。
感光体作製例2における電荷輸送物質を下記構造のものに変更した以外は、感光体作製例2と同様に感光体を作製した(電子写真感光体6とする)。
感光体作製例6における電荷輸送層塗工液を下記組成に変更した以外は、感光体作製例6と同様に感光体を作製した(電子写真感光体7とする)。
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 10部
以上のように作製した電子写真感光体1を図9に示すような画像形成装置に搭載し、画像露光光源を407nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材としてスコロトロン帯電器、転写部材として転写ベルトを用い、除電光源として660nmLEDを用いた。試験前(初期状態)のプロセス条件が下記になるように設定し、図13に示すようなチャートを用い、連続5万枚印刷を行なった。
感光体帯電電位(未露光部電位):−900V
現像バイアス:−650V(ネガ・ポジ現像)
露光部表面電位:−120V
また、5万枚印刷後に、全面がハーフトーンになるような画像出力を行ない、図13のチャートにおける黒ベタ位置と白ベタ位置のドット出力の様子を観察した。
実施例1において、使用した電子写真感光体1の代わりに、電子写真感光体2を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行なった。結果を表15に示す。
実施例1における書き込み光源として、375nmLD(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)に変更した以外は、実施例1と同様に評価を行なった。実施例1における感光体初期状態の露光部電位と等しくなるように、光量を調節した。結果を表15に示す。
比較例1において、使用した電子写真感光体1の代わりに、電子写真感光体2を用いた以外は、比較例1と同様に評価を行なった。結果を表15に示す。
実施例2において、使用した電子写真感光体2の代わりに、電子写真感光体3を用いた以外は、実施例2と同様に評価を行った。結果を表15に示す。
実施例2において、使用した電子写真感光体2の代わりに、電子写真感光体4を用いた以外は、実施例2と同様に評価を行った。結果を表15に示す。
実施例2において、使用した電子写真感光体2の代わりに、電子写真感光体5を用いた以外は、実施例2と同様に評価を行った。結果を表15に示す。
実施例2において、使用した電子写真感光体2の代わりに、電子写真感光体6を用いた以外は、実施例2と同様に評価を行った。結果を表15に示す。
実施例2において、使用した電子写真感光体2の代わりに、電子写真感光体7を用いた以外は、実施例2と同様に評価を行った。結果を表15に示す。
また、中間層に使用したアナターゼ型酸化チタンが表面処理を施されている場合(比較例2)、未処理の場合(比較例1)と比較して、静電特性の変化が多少緩和されていることが分かる。
また、実施例1〜2においては、5万枚出力後のハーフトーン画像においても、特別な異常は認められなかったが、比較例1〜2においては、図13の黒ベタ出力部分に対応したハーフトーン画像は、白ベタ出力部分に対応したハーフトーン画像よりも濃度が高く、明らかに両者の差異が確認できた。
また、電荷発生層の透過率が10%未満の場合(実施例4)、10〜25%の場合(実施例2、3)と比較して繰り返し使用後の未露光部電位低下がやや大きい。一方、電荷発生層の透過率が25%より大きい場合(実施例5)、10〜25%の場合(実施例2、3)と比較して繰り返し使用後の露光部電位上昇がやや大きい。
また、電荷輸送層の透過率が30%未満の場合(実施例7)、30%以上の場合(実施例2、6)と比較して、繰り返し使用後の露光部電位上昇がやや大きい。
感光体作製例2において、電荷発生層塗工液として、先に作製した分散液2を用いた以外は、感光体作製例2と同様に感光体を作製した(電子写真感光体8とする)。電荷発生層の膜厚は、407nmにおいて透過率が20%になるように調整した。
感光体作製例2における電荷発生層塗工液(分散液1)を、分散液3に変更した以外は、感光体作製例2と同様に感光体を作製した(電子写真感光体9とする)。電荷発生層の膜厚は、407nmにおいて透過率が20%になるように調整した。
感光体作製例2における電荷発生層塗工液(分散液1)を、分散液4に変更した以外は、感光体作製例2と同様に感光体を作製した(電子写真感光体10とする)。電荷発生層の膜厚は、407nmにおいて透過率が20%になるように調整した。
実施例2と同じ条件で、電子写真感光体2の代わりに電子写真感光体8を用いて評価を行なった。また、5万枚の画像出力後に、白ベタの画像を出力して、地汚れの評価を実施した。実施例2の結果と併せて表16に示す。
実施例2と同じ条件で、電子写真感光体2の代わりに電子写真感光体9を用いて評価を行なった。また、5万枚の画像出力後に、白ベタの画像を出力して、地汚れの評価を実施した。結果を表16に示す。
実施例2と同じ条件で、電子写真感光体2の代わりに電子写真感光体10を用いて評価を行なった。また、5万枚の画像出力後に、白ベタの画像を出力して、地汚れの評価を実施した。結果を表16に示す。
表16より、電荷発生層に用いられる塗工液の平均粒径が0.25μm以下の場合(実施例8〜10)、感光体初期状態での露光部の表面電位を低下できるとともに、繰り返し使用後では、黒ベタ部と白ベタ部における静電疲労に影響を与えずに、地汚れの発生を抑制することができることが分かる。
感光体作製例2における電荷輸送層の膜厚を23μmとし、電荷輸送層上に下記組成の保護層塗工液を塗布乾燥し、2μmの保護層を設けた以外は感光体作製例2と同様に感光体を作製した(電子写真感光体11とする)。
◎保護層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
感光体作製例11における保護層塗工液中のアルミナ微粒子を以下のものに変更した以外は、感光体作製例11と同様に感光体を作製した(電子写真感光体12とする)。
酸化チタン微粒子 4部
(比抵抗:1.5×1010Ω・cm、平均一次粒径:0.5μm)
感光体作製例11における保護層塗工液中のアルミナ微粒子を以下のものに変更した以外は、感光体作製例11と同様に感光体を作製した(電子写真感光体13とする)。
酸化錫−酸化アンチモン粉末 4部
(比抵抗:106Ω・cm、平均1次粒径0.4μm)
感光体作製例11における保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例11と同様に電子写真感光体を作製した(電子写真感光体14とする)。
◎保護層塗工液
下記構造式の高分子電荷輸送物質 17部
(重量平均分子量:約140000)
感光体作製例11における保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例11と同様に電子写真感光体を作製した(電子写真感光体15とする)。
◎保護層塗工液
メチルトリメトキシシラン 100部
3%酢酸 20部
下記構造の電荷輸送性化合物 35部
感光体作製例11における保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例11と同様に電子写真感光体を作製した(電子写真感光体16とする)。
◎保護層塗工液
メチルトリメトキシシラン 100部
3%酢酸 20部
下記構造の電荷輸送性化合物 35部
アルミナ微粒子 15部
(比抵抗:2.5×1012Ω・cm、平均一次粒径:0.4μm)
酸化防止剤(サノール LS2626:三共化学社製) 1部
ポリカルボン酸化合物 BYK P104:ビックケミー社製 0.4部
硬化剤(ジブチル錫アセテート) 1部
2−プロパノール 200部
感光体作製例11における保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例11と同様に電子写真感光体を作製した(電子写真感光体17とする)。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
{トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99}
下記構造の1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 10部
(例示化合物No.54)
光重合開始剤 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
テトラヒドロフラン 100部
保護層は、スプレー塗工してから20分間自然乾燥した後、メタルハライドランプ:160W/cm、照射強度:500mW/cm2、照射時間:60秒の条件で光照射を行なうことによって塗布膜を硬化させた。
感光体作製例17において、保護層塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のラジカル重合性モノマーに変更した以外は、すべて感光体作製例17と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体18とする)。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
(ペンタエリスリトールテトラアクリレート(SR−295、化薬サートマー製)
分子量:352、官能基数:4官能、分子量/官能基数=88)
感光体作製例17の保護層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記の電荷輸送性構造を有さない2官能のラジカル重合性モノマー10部に換えた以外は、すべて感光体作製例17と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体19とする)。
電荷輸送性構造を有さない2官能のラジカル重合性モノマー 10部
(1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(和光純薬製)
分子量:226、官能基数:2官能、分子量/官能基数=113)
感光体作製例17において、保護層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のラジカル重合性モノマーに換えた以外は、すべて感光体作製例17と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体20とする)。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
(カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD DPCA−120、日本化薬製)
分子量:1947、官能基数:6官能、分子量/官能基数=325)
感光体作製例17の保護層用塗工液に含有される1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を下記構造式に示される2官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物10部に換えた以外は感光体作製例17と同様に電子写真感光体を作製した(電子写真感光体21とする)。
感光体作製例17において、保護層用塗工液を下記組成に換えた以外は、感光体作製例17と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体22とする)。
◎保護層塗工液
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 6部
{トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99}
下記構造の1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 14部
(例示化合物No.54)
感光体作製例17において、保護層用塗工液を下記組成に換えた以外は、感光体作製例17と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体23とする)。
◎保護層塗工液
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 14部
{トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99}
下記構造の1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 6部
(例示化合物No.54)
感光体作製例17において、保護層用塗工液を下記組成に換えた以外は、感光体作製例17と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体24とする)。
◎保護層塗工液
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 2部
{トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99}
下記構造の1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 18部
(例示化合物No.54)
感光体作製例17において、保護層用塗工液を下記組成に換えた以外は、感光体作製例17と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体25とする)。
◎保護層塗工液
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 18部
{トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99}
下記構造の1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 2部
(例示化合物No.54)
以上のように作製した電子写真感光体2を図8に示すような画像形成装置に搭載し、画像露光光源を407nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材としてスコロトロン帯電器、転写部材として転写ベルトを用い、除電光源として除電光源として660nmLEDを用いた。試験前のプロセス条件が下記になるように設定し、実施例2と同様に図13に示すようなチャートを用い、連続7万枚印刷を行なった。
感光体帯電電位(未露光部電位):−900V
現像バイアス:−650V(ネガ・ポジ現像)
露光部表面電位:−120V
(1)ハーフトーン画像評価
7万枚の画像印刷後において、実施例1と同様に全面ハーフトーン画像を出力し、図13に示すチャートの白ベタ部と黒ベタ部に対応した位置の画像の差異を評価した。差異が認められない場合を○、差異が認められる場合を×として表した。結果を表17に示す。
(2)地汚れ評価
また、7万枚の画像出力後(ハーフトーン画像評価終了後)に、白ベタの画像を出力して、地汚れの評価を実施した(22℃−50%RH)。地汚れ評価は、前述の4段階のランク評価にて、評価を実施した。評価は、図13のチャートの黒ベタ部に相当する位置での画像を評価した。結果を表17に示す。
(3)クリーニング性評価
更に、地汚れ評価後に、低温低湿環境下(10℃、15%RH)で、図14に示すようなテストチャートを用い、実施例1と同じ条件下で、黒ベタ部から白ベタ部の方向で画像出力し、連続50枚の印刷を実施し、クリーニング性の評価を実施した。この際、50枚目の白ベタ部の画像を目視にて評価した。評価は、図13のチャートの黒ベタ部に相当する位置での画像を評価した。評価は4段階にて行ない、極めて良好なもの(クリーニング不良全くなし)を◎、良好なもの(うっすらと黒スジが入るレベル、長手方向で1〜2カ所)を○、やや劣るもの(うっすらと黒スジが入るレベル、長手方向で3〜4カ所)を△、非常に悪いもの(明確に黒スジが入るレベル)を×で表わした。結果を表17に示す。
(4)ドット再現性評価
先のクリーニング性試験に引き続き、高温高湿環境(30℃−90%RH)にて、更に1000枚の通紙試験(先の6%チャーと使用)を行ない、1000枚通紙後に1ドット画像評価(独立ドットを書き込んだ画像を出力)を実施した。1ドット画像を光学顕微鏡で観察し、ドット輪郭の明確さをランク評価した。評価は、図13のチャートの黒ベタ部に相当する位置での画像を評価した。ランク評価は4段階にて行ない、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。結果を表17に示す。
(5)摩耗量評価
感光体初期膜厚を測定し、上記(1)〜(4)の試験を全て終了した後に再び膜厚を測定した。全ての試験前後における膜厚の差(摩耗量)を評価した。尚、膜厚の測定は、感光体長手方向の両端5cmを除き、1cm間隔に測定し、その平均値を膜厚とした。
実施例11と同じ条件で、上述のように作製した電子写真感光体11〜25を評価した。結果を表17に示す。表17には実施例番号に対応する使用した電子写真感光体番号も併せて記載する。
実施例11における書き込み光源を375nmLDに変更した以外は、実施例11と同様に評価を行なった。結果を表17に示す。
比較例3と同じ条件で、上述のように作製した電子写真感光体11〜25を評価した。結果を表17に示す。
保護層を設けた場合でも、書き込み光の波長を407nmとし、中間層に含有されるアナターゼ型酸化チタンに光吸収させない場合(実施例11〜26)、光吸収をさせた場合(比較例3〜18)に比較して、ハーフトーン画像における濃度ムラが認められず、書き込みの有無による履歴(静電疲労特性の違い)を生み出さない効果が認められる。
保護層を設けることにより(実施例12〜26)、設けない場合(実施例11)に比べて、耐摩耗性が向上する。
無機顔料(金属酸化物)を含有する保護層を設けた場合(実施例12〜14)のうち、比抵抗が1010Ω・cm以上の無機顔料(金属酸化物)を含有することにより、高温高湿下でもドット再現性がそれほど低下しない(実施例13、14)。
架橋構造を保護層中に有することにより、有さない場合よりも耐摩耗性が向上する。更に、電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化することにより形成された保護層を用いた場合には、より高い耐摩耗性が得られる(実施例15、18、21、23〜26)。
またこれら電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化することにより形成された保護層を用いた場合には、クリーニング性も良好である。
感光体作製例2における中間層を、電荷ブロッキング層とモアレ防止層の積層構成とした。それぞれの下記組成の電荷ブロッキング層塗工液、モアレ防止層塗工液を塗布乾燥して、1.0μmの電荷ブロッキング層、3.5μmのモアレ防止層とした以外は、感光体作製例2と同様に感光体を作製した(電子写真感光体26とする)。
◎電荷ブロッキング層塗工液
N−メトキシメチル化ナイロン
(鉛市:ファインレジンFR−101) 4部
メタノール 70部
n−ブタノール 30部
◎モアレ防止層塗工液
表面Al処理アナターゼ型酸化チタン
(KA10:チタン工業製、平均粒径:0.40μm) 135.7部
アルキッド樹脂 33.6部
[ベッコライトM6401-50-S(固形分50%)、大日本インキ化学工業製]
メラミン樹脂 18.7部
[スーパーベッカミンL-121-60(固形分60%)、大日本インキ化学工業製]
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1.5/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
感光体作製例26において、電荷ブロッキング層の膜厚を0.3μmとした以外は、感光体作製例26と同様に感光体を作製した(電子写真感光体27とする)。
感光体作製例26において、電荷ブロッキング層の膜厚を1.8μmとした以外は、感光体作製例26と同様に感光体を作製した(電子写真感光体28とする)。
感光体作製例26において、電荷ブロッキング層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例26と同様に感光体を作製した(電子写真感光体29とする)。
◎電荷ブロッキング層塗工液
アルコール可溶性ナイロン(東レ:アミランCM8000) 4部
メタノール 70部
n−ブタノール 30部
感光体作製例26において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例26と同様に感光体を作製した(電子写真感光体30とする)。
◎モアレ防止層塗工液
表面Al処理アナターゼ型酸化チタン
(KA10:チタン工業製、平均粒径:0.40μm) 271.4部
アルキッド樹脂 33.6部
[ベッコライトM6401-50-S(固形分50%)、大日本インキ化学工業製]
メラミン樹脂 18.7部
[スーパーベッカミンL-121-60(固形分60%)、大日本インキ化学工業製]
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、3/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
感光体作製例26において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例26と同様に感光体を作製した(電子写真感光体31とする)。
◎モアレ防止層塗工液
表面Al処理アナターゼ型酸化チタン
(KA10:チタン工業製、平均粒径:0.40μm) 90.5部
アルキッド樹脂 33.6部
[ベッコライトM6401-50-S(固形分50%)、大日本インキ化学工業製]
メラミン樹脂 18.7部
[スーパーベッカミンL-121-60(固形分60%)、大日本インキ化学工業製]
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
以上のように作製した電子写真感光体26〜31を、実施例11と同じ条件下で7万枚のランニング試験を行なった(評価方法、項目も同じ)。結果を実施例11の場合と比較して、表18に示す。
感光体作製例1における電荷発生層塗工液(分散液1)を分散液5に変更した以外は、感光体作製例1と同様に電子写真感光体を作製した(電子写真感光体32とする)。電荷発生層の膜厚は、407nmにおける透過率が20%になるように調節した。
感光体作製例2における電荷発生層塗工液(分散液1)を分散液5に変更した以外は、感光体作製例2と同様に電子写真感光体を作製した(電子写真感光体33とする)。電荷発生層の膜厚は、407nmにおける透過率が20%になるように調節した。
感光体作製例1における電荷発生層塗工液(分散液1)を分散液6に変更した以外は、感光体作製例1と同様に電子写真感光体を作製した(電子写真感光体34とする)。電荷発生層の膜厚は、407nmにおける透過率が20%になるように調節した。
先に作製した電子写真感光体32を図10に示すようなプロセスカートリッジに装着し、図9に示すような画像形成装置に搭載し、画像露光光源407nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材として接触ローラ帯電器、転写部材として転写ベルトを用い、除電光源として660nmLEDを用いた。試験前(初期状態)のプロセス条件が下記になるように設定し、図15に示すようなA4チャートを用い、用紙の長手方向と感光体長手方向を揃えた向きにて、連続5万枚印刷を行なった。
感光体帯電電位(未露光部電位):−900V
現像バイアス:−650V(ネガ・ポジ現像)
露光部表面電位:−60V
評価は、5万枚出力後に、感光体長手方向と用紙長手方向を揃えて、Y,M,C,K、各々単独のハーフトーン画像を1枚ずつ出力した。図15の画像位置との対応を観察した。また、5万枚の印刷前後において、ISO/JIS−SCID画像N1(ポートレート)を出力して、カラー色の再現性について評価した。以上の結果を表19に示す。
実施例33において、使用した電子写真感光体32の代わりに、電子写真感光体33を用いた以外は、実施例33と同様に評価を行なった。結果を表19に示す。
実施例33における書き込み光源として、375nmLD(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)に変更した以外は、実施例33と同様に評価を行なった。実施例33における感光体初期状態の露光部電位と等しくなるように、光量を調節した。結果を表19に示す。
比較例19において、使用した電子写真感光体32の代わりに、電子写真感光体33を用いた以外は、比較例19と同様に評価を行なった。結果を表19に示す。
実施例33において、使用した電子写真感光体32の代わりに、電子写真感光体34を用いた以外は、実施例33と同様に評価を行なった。結果を表19に示す。また、実施例33と同じ条件下で、露光部表面電位も評価した。
また、実施例28〜30においては、5万枚出力後の色再現性評価においても、特別な異常は認められなかったが、比較例19〜20においては、色再現性が悪化した。
更に、実施例33と実施例35において、書き込み光量が同じ条件下で露光部の感光体表面電位を比較したが、実施例33の電位の方が、実施例35の電位よりも低く、分散液5に使用されるアゾ顔料の非対称化が高感度化に寄与していることが分かる。
2 除電ランプ
3 帯電部材
5 画像露光部
6 現像ユニット
8 レジストローラ
9 転写紙
10 転写チャージャー
11 分離チャージャー
12 分離爪
14 ファーブラシ
15 クリーニングブレード
16Y、16M、16C、16K 感光体
17Y、17M、17C、17K 帯電部材
18Y、18M、18C、18K 露光部
19Y、19M、19C、19K 現像部材
20Y、20M、20C、20K クリーニング部材
21Y、21M、21C、21K 転写ブラシ
22 転写搬送ベルト
23 レジストローラ
24 定着装置
25Y、25M、25C、25K 画像形成要素
26 転写紙
27Y、27M、27C、27K 除電部材
101 感光体
102 帯電手段
103 書き込み光
104 現像手段
105 転写体
106 転写手段
107 クリーニング手段
108 除電手段
31 導電性支持体
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
39 中間層
41 保護層
43 電荷ブロッキング層
45 モアレ防止層
Claims (24)
- 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体を帯電する手段と、光照射により静電潜像を形成する書き込み手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と静電潜像担持体の残留電荷を光除電する除電手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記静電潜像担持体が、支持体と、該支持体上に少なくとも中間層、電荷発生層と電荷輸送層とからなる感光層を有し、該中間層に少なくともアナターゼ型酸化チタンを含有し、かつ該電荷発生層中に有機電荷発生物質を含有すると共に、前記書き込み手段が410nmよりも短波長でかつ中間層に含有されるアナターゼ型酸化チタンが吸収しない波長の光を照射する書き込み手段であることを特徴とする画像形成装置。
- 前記アナターゼ型酸化チタンが表面処理を施しているものであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記電荷発生層の書き込み光に対する透過率が10%以上、25%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記有機電荷発生物質が下記(I)式で表わされるアゾ顔料であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記アゾ顔料のCp1とCp2が互いに異なるものであることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記有機電荷発生物質がCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、該7.3°のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有さないチタニルフタロシアニン結晶であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記電荷輸送層の書き込み光に対する透過率が30%以上であることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記感光層上に保護層を有することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記保護層が書き込み光を30%以上透過することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
- 前記保護層が、比抵抗1010Ω・cm以上の無機顔料及び金属酸化物から選択される少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項8又は9に記載の画像形成装置。
- 前記保護層が、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化することにより形成されることを特徴とする請求項8又は9に記載の画像形成装置。
- 前記保護層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が、下記一般式(1)又は(2)の少なくとも一種以上であることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
- 前記保護層の硬化手段が加熱又は光エネルギー照射手段であることを特徴とする請求項11乃至13の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記中間層が電荷ブロッキング層とモアレ防止層から構成され、金属酸化物がモアレ防止層に含有されることを特徴とする請求項1乃至14の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記電荷ブロッキング層が絶縁性材料からなり、その膜厚が2.0μm未満、0.3μm以上であることを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
- 前記絶縁性材料が、N−メトキシメチル化ナイロンであることを特徴とする請求項16に記載の画像形成装置。
- 前記モアレ防止層が金属酸化物とバインダー樹脂を含有し、両者の容積比が1/1乃至3/1の範囲であることを特徴とする請求項15乃至17の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記除電手段に用いられる光源波長が、中間層に含有される金属酸化物が吸収しない波長の光源であることを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記載の画像形成装置。
- 少なくとも静電潜像担持体、帯電手段、書き込み手段、現像手段、転写手段、及び除電手段を有する画像形成要素を複数備えたことを特徴とする請求項1乃至19の何れかに記載の画像形成装置。
- 静電潜像担持体と、帯電手段、書き込み手段、現像手段、除電手段及びクリーニング手段から選択される1つ以上の手段とが一体となり、装置本体と着脱自在なプロセスカートリッジを搭載していることを特徴とする請求項1乃至20の何れかに記載の画像形成装置。
- 静電潜像担持体上に帯電を行なう帯電工程と光照射により静電潜像を形成する書き込み工程と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、該可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程と静電潜像担持体の残留電荷を光除電する除電工程とを少なくとも有する画像形成方法であって、前記静電潜像担持体が、支持体と、該支持体上に少なくとも中間層、電荷発生層と電荷輸送層とからなる感光層を有し、該中間層に少なくともアナターゼ型酸化チタンを含有し、かつ該電荷発生層中に有機電荷発生物質を含有すると共に、前記書き込み工程が410nmよりも短波長でかつ中間層に含有されるアナターゼ型酸化チタンが吸収しない波長の光を照射する書き込み工程であることを特徴とする画像形成方法。
- 前記除電工程に用いられる光源波長が、中間層に含有されるアナターゼ型酸化チタンが吸収しない波長の光源であることを特徴とする請求項22に記載の画像形成方法。
- 少なくとも帯電工程、書き込み工程、現像工程、転写工程、及び除電工程を有する画像形成工程を複数備えたことを特徴とする請求項22又は23に記載の画像形成方法。
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