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JP2007224085A - 架橋用ゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】加硫戻りの発生を抑制でき、ゴムの長期保存による架橋密度の低下も抑制することができる架橋用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】下記の(A)〜(C)を必須成分とし、架橋剤として硫黄元素を含有しない架橋用ゴム組成物である。
(A)ジエン系ゴム。
(B)フラーレン。
(C)メルカプトベンゾチアゾールを除くベンゾチアゾール系加硫促進剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、架橋用ゴム組成物に関するものであり、詳しくは自動車等のエンジンの支持機能および振動伝達を抑制するためのエンジンマウント等に使用される架橋用ゴム組成物に関するものである。
従来より、自動車等のエンジンの支持機能および振動伝達を抑制するためのエンジンマウントやサスペンションブッシュ等に使用される防振ゴム組成物としては、例えば、天然ゴムや合成ゴム等のゴム材が用いられている。このようなゴム材に対する架橋剤としては、通常、硫黄加硫剤や過酸化物架橋剤が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−231905号公報
上記硫黄加硫剤を用いた場合は、硫黄によるモノスルフィド結合,ジスルフィド結合,ポリスルフィド結合等を形成するが、高温(180℃程度)で加硫した場合、加硫途中でポリスルフィド結合等が切断され、加硫戻りが発生するという難点がある。また、上記過酸化物架橋剤を用いた場合は、硫黄加硫剤を用いる場合に比べて高温での架橋が可能であるが、架橋後のゴムを長期保存した場合、過酸化物が昇華して架橋密度が低下する等の難点がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、加硫戻りの発生を抑制でき、ゴムの長期保存による架橋密度の低下も抑制することができる架橋用ゴム組成物の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の架橋用ゴム組成物は、下記の(A)〜(C)を必須成分とし、架橋剤として硫黄元素を含有しないという構成をとる。
(A)ジエン系ゴム。
(B)フラーレン。
(C)メルカプトベンゾチアゾールを除くベンゾチアゾール系加硫促進剤。
すなわち、本発明者は、加硫戻りの発生を抑制でき、ゴムの長期保存による架橋密度の低下も抑制することができる架橋用ゴム組成物を得るため、鋭意研究を重ねた。そして、従来の硫黄架橋系や過酸化物架橋系に代わる架橋系について検討を重ねた結果、ラジカル捕捉性に優れたフラーレンに着目し、このフラーレンと、ジエン系ゴム(ポリマー)に対してラジカルを発生させる機能を有するベンゾチアゾール構造型の加硫促進剤とを併用すると、所期の目的を達成できることを見いだし本発明に到達した。この理由は明らかではないが、つぎのように推察される。すなわち、図1の模式図に示すように、ジエン系ゴムAと,ベンゾチアゾール構造型の加硫促進剤Cとが反応すると、加硫促進剤CからラジカルRが発生し、これがジエン系ゴムAのポリマー中に付与され、このラジカルRをフラーレンBが捕捉することにより三次元化し、ジエン系ゴムAのポリマー間に、フラーレンBを介して、三次元ネットワークによる架橋構造が形成される。この架橋構造は、フラーレンが架橋剤として機能しているため、ポリスルフィド結合等の硫黄架橋構造に比べて、非常に安定な構造である。そのため、高温(180℃程度)で反応させた場合でも、ジエン系ゴムAの架橋鎖が切断されることもなく、熱老化による架橋構造の変化による物性変化も少ない。また、高温で加硫可能であるため、短時間でのゴムの加硫が可能となり、生産効率も向上する。
本発明の架橋用ゴム組成物は、ジエン系ゴム(A成分)と,フラーレン(B成分)と,メルカプトベンゾチアゾールを除くベンゾチアゾール系加硫促進剤(C成分)とを必須成分とするため、前述のように、ジエン系ゴム(A成分)のポリマー間に、フラーレン(B成分)を介して、三次元ネットワークによる架橋構造を形成することができる。この架橋構造は、フラーレンが架橋剤として機能していると考えられるため、ポリスルフィド結合等の硫黄架橋構造に比べて、非常に安定な構造である。そのため、高温(180℃程度)で反応させた場合でも、ジエン系ゴムAの架橋鎖が切断されることもなく、熱老化による架橋構造の変化による物性変化も少ないという効果が得られる。また、高温で加硫可能であるため、短時間でのゴムの加硫が可能となり、生産効率も向上するという効果も得られる。
また、上記特定の加硫促進剤(C成分)の配合量が、上記ジエン系ゴム(A成分)100重量部に対して、1〜8重量部であると、加硫後の加硫促進剤(C成分)の残渣がゴム表面にブリードしてこないという効果も得られる。
さらに、上記フラーレン(B成分)の配合量が、上記ジエン系ゴム(A成分)100重量部に対して、0.1〜8重量部であると、ゴム材料コストを低く抑えることができるという効果も得られる。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の架橋用ゴム組成物は、ジエン系ゴム(A成分)と、フラーレン(B成分)と、特定の加硫促進剤(C成分)とを用いて得ることができる。
本発明においては、フラーレン(B成分)を架橋剤的に用いるとともに、特定の加硫促進剤(C成分)として、メルカプトベンゾチアゾールを除くベンゾチアゾール系加硫促進剤を用い、架橋剤として硫黄元素を用いないことが最大の特徴である。
本発明において、「架橋剤として硫黄元素を含有しない」とは、架橋用ゴム組成物中に、通常のゴムの加硫に用いられる硫黄加硫剤を配合していない、すなわち硫黄フリーであることを意味する。
なお、本発明において、ベンゾチアゾール系加硫促進剤からメルカプトベンゾチアゾール(MBT)を除く理由は、メルカプトベンゾチアゾール(MBT)は、チアゾール環の炭素に結合する−SXのXの部分が水素であるため、架橋反応性に劣ると推定されるためである。
本発明の架橋用ゴム組成物の必須成分である上記ジエン系ゴム(A成分)としては、特に限定はなく、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム(EPDM)等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、汎用性、防振性能、耐久性の点で、NRが好適に用いられる。
本発明の架橋用ゴム組成物においては、上記ジエン系ゴム(A成分)とともにフラーレン(B成分)が用いられる。
本発明においてフラーレンとは、炭素原子が球状のネットワーク構造をしたものの総称をいう。代表的なフラーレンであるC60は、12個の5員環とその5員環を取り囲む形で20個の6員環が組み合わされ、サッカーボールと同じ形をしたネットワークの各頂点(60個)に炭素原子が位置した構造となっている。その直径は1nm(炭素骨格としては0.7nm)である。本発明におけるフラーレンとしては、上記C60に限定されるものではなく、70個の炭素原子で構成されたC70、82個の炭素原子で構成されたC82、124個の炭素原子で構成されたC124 等があげられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記フラーレン(B成分)の配合量は、ジエン系ゴム100重量部(以下「部」と略す)に対して、0.1〜8部が好ましく、特に好ましくは0.1〜2部である。すなわち、上記フラーレンの配合量が0.1部未満であると、架橋が充分進行しないおそれがあり、逆に8部を超えると、練りゴムの粘度やコストが高くなるおそれがあるからである。
つぎに、上記ジエン系ゴム(A成分)およびフラーレン(B成分)とともに用いられる、特定の加硫促進剤(C成分)としては、下記の構造式(A)で表されるベンゾチアゾール骨格を有するベンゾチアゾール系加硫促進剤(但し、MBTを除く)が用いられる。
Figure 2007224085
上記特定の加硫促進剤(C成分)としては、具体的には、下記の構造式(1)で表されるN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS),下記の構造式(2)で表されるジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS),下記の構造式(3)で表されるN−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(OBS)、下記の構造式(4)で表されるメルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩(NaMBT),下記の構造式(5)で表されるメルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩(ZnMBT),下記の構造式(6)で表される2−(4−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール,下記の構造式(7)で表される2−(2,4−ジニトロ−フェニル)メルカプトベンゾチアゾール,下記の構造式(8)で表されるメルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩(CMBT),下記の構造式(9)で表されるN,N′−ジエチルチオカルバモイル−2−ベンゾチアゾイルスルフィド,下記の構造式(10)で表されるN-tert-ブチル−2−ベンゾチアゾイルスルフェンアミド(BBS),下記の構造式(11)で表されるN,N′−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾイルスルフェンアミド等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、MBTSはベンゾチアゾール骨格を両端に有するため、架橋反応性に優れる点で好ましい。
Figure 2007224085
Figure 2007224085
上記特定の加硫促進剤(C成分)の配合量は、上記ジエン系ゴム(A成分)100部に対して、1〜8部が好ましく、特に好ましくは2〜5部である。すなわち、C成分が1部未満であると、架橋反応性が劣る傾向がみられ、逆にC成分が8部を超えると、加硫後のゴム表面に加硫促進剤(C成分)の残渣がブリードしてくるおそれがあるからである。
なお、本発明の架橋用ゴム組成物には、上記A〜C成分以外に、カーボンブラック、老化防止剤、加工助剤、軟化剤、受酸剤、素練り促進剤(シャック解剤)等を必要に応じて適宜に配合することも可能である。
上記カーボンブラックとしては、特に限定はなく、例えば、SAF級,ISAF級,HAF級,MAF級,FEF級,GPF級,SRF級,FT級,MT級等の種々のグレードのカーボンブラックがあげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
このようなカーボンブラックの配合量は、ジエン系ゴム100部に対して、10〜100部が好ましく、特に好ましくは30〜80部である。すなわち、上記カーボンブラックの配合量が10部未満であると、ゴムの支持性能が小さくなり、逆にカーボンブラックの配合量が100部を超えると、ムーニー粘度が高くなり、加工性が悪化する傾向がみられるからである。
上記老化防止剤としては、例えば、カルバメート系老化防止剤、フェニレンジアミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、ジフェニルアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤、イミダゾール系老化防止剤、ワックス類等があげられる。
このような老化防止剤の配合量は、上記ジエン系ゴム(A成分)100部に対して、1〜7部が好ましく、特に好ましくは2〜5部である。
上記加工助剤としては、例えば、ステアリン酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、炭化水素系樹脂等があげられる。
このような加工助剤の配合量は、上記ジエン系ゴム(A成分)100部に対して、1〜5部が好ましく、特に好ましくは1〜3部である。
上記受酸剤としては、特に限定はなく、例えば、亜鉛華(ZnO)、酸化マグネシウム等があげられる。
本発明の架橋用ゴム組成物は、前述のように、架橋剤として硫黄元素を含有せず、しかも特定のベンゾチアゾール系加硫促進剤(C成分)を用いているため、加硫時に用いる受酸剤は配合しない(受酸剤フリー)組成にすることも可能である。本発明の架橋用ゴム組成物において、受酸剤フリーにすると、架橋密度が上がり、ゴム強度が向上する等の効果が得られる。これは、ZnO等の受酸剤を併用した場合、加硫促進剤(C成分)が発生したラジカルの一部が、ZnO等に捕捉される結果、架橋効率が悪くなるが、ZnO等の受酸剤フリーにすると、このような問題が低減されるからであると推定される。
本発明の架橋用ゴム組成物は、例えば、上記ジエン系ゴム(A成分)、フラーレン(B成分)および特定の加硫促進剤(C成分)に、必要に応じてカーボンブラック、加工助剤(ステアリン酸等)等の添加剤を適宜に配合し、これらを密閉式混練機,ロール,二軸混練機等を用いて混練することにより調製することができる。
本発明の架橋用ゴム組成物を架橋してなるゴム製品は、例えば、前述のようにして調製した架橋用ゴム組成物を、所定の条件で熱を加えて架橋させることにより作製することができる。この場合、硫黄を加硫剤として用いるときのような高温加硫による加硫戻りが生じないため、架橋温度を高くして架橋することが可能となり、架橋時間を短縮して生産効率を高めることができる。
このゴム製品は、ジエン系ゴムのポリマー間にフラーレンを介して架橋構造が形成されている。この架橋構造は、前述のように、非常に安定な構造であるため、高温(180℃程度)で反応させた場合でも、ジエン系ゴムAの架橋鎖が切断されることもなく、熱老化による架橋構造の変化による物性変化も少ない。
本発明の架橋用ゴム組成物は、自動車の車両等に用いられるエンジンマウント、スタビライザブッシュ、サスペンションブッシュ等の防振材料や、耐熱性が必要なホース類に好適に用いられる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を準備した。
〔天然ゴム〕
RSS♯3〔ML1+4 (100℃):65〕
〔混合フラーレン〕
フロンティアカーボン社製、nanom mix MF−S〔主成分:C60とC70(85重量%),その他高次フラーレン(15重量%)との混合物〕
〔カーボンブラック〕
FEF級カーボンブラック(東海カーボン社製、シーストSO)
〔酸化亜鉛〕
三井金属鉱業社製、酸化亜鉛二種
〔ステアリン酸〕
花王社製、ルナックS30
〔加硫促進剤(CBS)〕
前記構造式(1)で表されるN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(大内新興化学工業社製、ノクセラーCZ−G)
〔加硫促進剤(MBTS)〕
前記構造式(2)で表されるジベンゾチアジルジスルフィド(大内新興化学工業社製、ノクセラーDM)
〔加硫促進剤(OBS)〕
前記構造式(3)で表されるN−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(大内新興化学工業社製、ノクセラーMSA−G)
〔加硫促進剤(ZnMDC)〕
下記の構造式(a)で表されるジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(大内新興化学工業社製、ノクセラーPZ)
〔加硫促進剤(TMTM)〕
下記の構造式(b)で表されるテトラメチルチウラムモノジスルフィド(大内新興化学工業社製、ノクセラーTS)
〔加硫促進剤(DOTG)〕
下記の構造式(c)で表されるジオルトトリルグアニジン(住友化学社製、ソクシノールDT)
〔加硫促進剤(MBT)〕
下記の構造式(d)で表されるメルカプトベンゾチアゾール(大内新興化学工業社製、ノクセラーM)
Figure 2007224085
〔実施例1〜8、比較例1〜6〕
後記の表1および表2に示す各成分を、同表に示す割合で配合し、これらを密閉式混練機を用いて混練し、ゴム組成物を調製した。
このようにして得られた実施例および比較例のゴム組成物を用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を、後記の表1および表2に併せて示した。
〔初期物性〕
各ゴム組成物を、160℃×20分の条件で熱を加えて架橋させたものを、JIS5号ダンベルで打ち抜き、厚み2mmのゴムシートを作製した。そして、このゴムシートを用い、JIS K 6251に準拠して、引張強さ(TB),切断時伸び(EB)および硬さ(Hs)をそれぞれ測定した。
〔熱老化特性〕
実施例7品および比較例6品の各ゴム組成物を、160℃×20分の条件で熱を加えて架橋し厚み2mmのゴムシートを作製した。そして、このゴムシートからJIS5号ダンベルを打ち抜き、引張強さ(TB),切断時伸び(EB)および硬さ(Hs)をそれぞれ測定した。つぎに、JIS K 6257の促進老化試験A−2法に準拠して熱老化特性を求めた(試験条件:100℃×70時間で実施)。
Figure 2007224085
Figure 2007224085
上記表の結果から、実施例品はいずれも常態物性に優れていた。
これに対して、比較例1〜5品は、いずれも充分な架橋が見られずに物性を測定するに値しないものであった。これは、後述の図2〜図4の架橋曲線からもわかる。また、比較例6品と実施例7品とを対比すると、比較例6品は実施例7品に比べて、熱老化特性が劣っていた。この理由は、実施例7品では、天然ゴム間に混合フラーレンを介して三次元ネットワークによる架橋構造が形成されるのに対して、比較例6品は、ポリスルフィド結合等の硫黄架橋構造であるため、実施例7品は高温で反応させた場合でも、天然ゴムの架橋鎖が切断されることもなく、熱老化による架橋構造の変化による物性変化も少ないためであると推察される。
つぎに、実施例および比較例のゴム組成物を用いて、下記の基準に従い、架橋状態の評価を行った。
〔架橋状態〕
実施例1および比較例5のゴム組成物について、温度150℃における架橋状態を、架橋状態測定機(ALPHA TECHNOLOGIES社製、RUBBER PROCESS ANALYZER RPA2000P)を用いて測定し、架橋状態の評価を行った。その結果を、図2に示した。
上記図2の結果から、混合フラーレンと加硫促進剤(CBS)とを併用した実施例1品は、トルクの上昇が速く、架橋反応性に優れていた。これに対して、混合フラーレンのみを用い、加硫促進剤(CBS)を併用していない比較例5品では、トルクの上昇が非常に遅く、架橋反応性に劣っていた。
また、実施例1,2および比較例1〜3のゴム組成物についても、上記と同様に、架橋状態の評価を行った。その結果を、図3に示した。
上記図3の結果から、実施例品は、いずれもトルクの上昇が速く、架橋反応性に優れていた。これに対して、比較例1〜3品は、いずれもベンゾチアゾール骨格を有しない加硫促進剤を用いているため、トルクの上昇がほとんどなく、架橋反応性に劣っていた。
さらに、実施例1〜3および比較例4のゴム組成物について、温度180℃における架橋状態を、架橋状態測定機(ALPHA TECHNOLOGIES社製、RUBBER PROCESS ANALYZER RPA2000P)を用いて測定し、架橋状態の評価を行った。その結果を、図4に示した。
上記図4の結果から、実施例品は、いずれもトルクの上昇が速く、架橋反応性に優れ、高温(180℃)で加硫した場合でも、加硫戻りが生じなかった。これに対して、比較例4品は,ベンゾチアゾール骨格を有する加硫促進剤(MBT)を用いているが、このものは、チアゾール環の炭素に結合する−SXのXの部分が水素であるため、架橋反応性に劣っていると推定される。
なお、前記特定のベンゾチアゾール系加硫促進剤(C成分)として、構造式(1)〜(3)のものに代えて、前記構造式(4)〜構造式(11)で表されるものを用いた場合でも、構造式(1)〜(3)を用いた実施例と同様の優れた効果が得られることを確認した。
本発明の架橋用ゴム組成物は、自動車の車両等に用いられるエンジンマウント、スタビライザブッシュ、サスペンションブッシュ等の防振材料や、耐熱性が必要なホース類に好適に用いられる。
本発明の架橋用ゴム組成物における架橋構造を説明するための模式図である。 実施例1と比較例5のゴム組成物について、150℃における架橋状態を示すグラフ図である。 実施例1,2と比較例1〜3のゴム組成物について、150℃における架橋状態を示すグラフ図である。 実施例1〜3と比較例4のゴム組成物について、180℃における架橋状態を示すグラフ図である。

Claims (4)

  1. 下記の(A)〜(C)を必須成分とし、架橋剤として硫黄元素を含有しないことを特徴とする架橋用ゴム組成物。
    (A)ジエン系ゴム。
    (B)フラーレン。
    (C)メルカプトベンゾチアゾールを除くベンゾチアゾール系加硫促進剤。
  2. 上記(C)の加硫促進剤が、下記の構造式(1)で表されるN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド,下記の構造式(2)で表されるジベンゾチアジルジスルフィド,下記の構造式(3)で表されるN−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド,下記の構造式(4)で表されるメルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩,下記の構造式(5)で表されるメルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩,下記の構造式(6)で表される2−(4−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール,下記の構造式(7)で表される2−(2,4−ジニトロ−フェニル)メルカプトベンゾチアゾール,下記の構造式(8)で表されるメルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩,下記の構造式(9)で表されるN,N′−ジエチルチオカルバモイル−2−ベンゾチアゾイルスルフィド,下記の構造式(10)で表されるN-tert-ブチル−2−ベンゾチアゾイルスルフェンアミドおよび下記の構造式(11)で表されるN,N′−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾイルスルフェンアミドからなる群から選ばれた少なくとも一つである請求項1記載の架橋用ゴム組成物。
    Figure 2007224085
    Figure 2007224085
  3. 上記(C)の加硫促進剤の配合量が、上記(A)のジエン系ゴム100重量部に対して、1〜8重量部である請求項1または2記載の架橋用ゴム組成物。
  4. 上記(B)のフラーレンの配合量が、上記(A)のジエン系ゴム100重量部に対して、0.1〜8重量部である請求項1〜3のいずれか一項に記載の架橋用ゴム組成物。
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