JP2007219507A - 光学補償フィルム及び液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】配向膜と液晶性化合物との関係を規定したり、液晶性化合物の特性により、光学異方性層のレターデーション制御を容易にできる光学補償フィルム、及び、液晶セルを光学的に補償し、コントラストの改善及び視角方向に依存したカラーシフトを軽減できる液晶表示装置の提供。
【解決手段】配向膜と、液晶性化合物を含有する光学異方性層とを含み、前記液晶性化合物の表面自由エネルギーにおける分散力成分γsd (LC)と前記配向膜の表面自由エネルギーにおける分散力成分γsd (AL)と、の差が、次式、γsd (LC)−γsd (AL)≧−4.0erg/cm2、を満たす光学補償フィルムである。液晶性化合物が円盤状液晶性化合物である態様などが好ましい。
前記光学補償フィルムを少なくとも1枚含む液晶表示装置である。
【選択図】なし
【解決手段】配向膜と、液晶性化合物を含有する光学異方性層とを含み、前記液晶性化合物の表面自由エネルギーにおける分散力成分γsd (LC)と前記配向膜の表面自由エネルギーにおける分散力成分γsd (AL)と、の差が、次式、γsd (LC)−γsd (AL)≧−4.0erg/cm2、を満たす光学補償フィルムである。液晶性化合物が円盤状液晶性化合物である態様などが好ましい。
前記光学補償フィルムを少なくとも1枚含む液晶表示装置である。
【選択図】なし
Description
本発明は、光学異方性層のレターデーションの制御を容易にできる光学補償フィルム、及びこれを用いた液晶表示装置に関する。
液晶表示装置では、偏光板を液晶セルの両側に取り付け、更には一枚以上の光学補償フィルムを配置する。この光学補償フィルムは、液晶表示装置にとって欠かす事のできない部材であり、光学補償フィルムのレターデーションを厳密に制御することが必須となっている。
レターデーションの制御に関しては、例えば、特許文献1には、レターデーションを、液晶性化合物の配向性を制御することにより調整容易とした、光学異方性層を有する光学補償フィルムが提案されている。非特許文献1には、配向膜上における棒状液晶性化合物の配向性が、配向膜と液晶性化合物との表面張力の大小関係に依存することが記載されている。非特許文献2には、配向膜の炭素鎖長によって、棒状液晶性化合物の配向時におけるプレチルト角が変化することが記載されている。
しかしながら、前記特許文献1に記載されている円盤状液晶性化合物の配向性に関しては、前記非特許文献1及び2は何ら言及していない。
一方、円盤状液晶性化合物については、配向膜のI/O値によって配向性を制御する技術が提案されているが(特許文献2参照)、配向膜と液晶性化合物との関係や液晶性化合物の特性については何ら開示されていない。
したがって、配向膜と液晶性化合物との関係を規定したり、液晶性化合物の特性により、光学補償フィルムにおける光学異方性層のレターデーション制御を容易にできる技術、及び、前記光学補償フィルムを用いることで、液晶セルを光学的に補償し、コントラストの改善及び視角方向に依存したカラーシフトを軽減できる技術の開発が強く望まれているのが現状である。
一方、円盤状液晶性化合物については、配向膜のI/O値によって配向性を制御する技術が提案されているが(特許文献2参照)、配向膜と液晶性化合物との関係や液晶性化合物の特性については何ら開示されていない。
したがって、配向膜と液晶性化合物との関係を規定したり、液晶性化合物の特性により、光学補償フィルムにおける光学異方性層のレターデーション制御を容易にできる技術、及び、前記光学補償フィルムを用いることで、液晶セルを光学的に補償し、コントラストの改善及び視角方向に依存したカラーシフトを軽減できる技術の開発が強く望まれているのが現状である。
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、配向膜と液晶性化合物との関係を規定したり、液晶性化合物の特性により、光学異方性層のレターデーション制御を容易にできる光学補償フィルム、及び、液晶セルを光学的に補償し、コントラストの改善及び視角方向に依存したカラーシフトを軽減できる液晶表示装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段は以下の通りである。即ち、
<1> 配向膜と、液晶性化合物を含有する光学異方性層とを含み、前記液晶性化合物の表面自由エネルギーにおける分散力成分γsd (LC)と前記配向膜の表面自由エネルギーにおける分散力成分γsd (AL)と、の差が、次式、γsd (LC)−γsd (AL)≧−4.0erg/cm2、を満たすことを特徴とする光学補償フィルムである。
<2> 液晶性化合物が円盤状液晶性化合物である前記<1>に記載の光学補償フィルムである。
<3> 液晶性化合物が下記一般式(DI)で表される化合物を少なくとも1種含む前記<1>及び<2>のいずれかに記載の光学補償フィルムである。
ただし、一般式(DI)中、Y11、Y12、及びY13はそれぞれ独立に、メチン及び窒素原子のいずれかを表す。L1、L2、及びL3はそれぞれ独立に、単結合及び二価のいずれかの連結基を表す。H1、H2、及びH3はそれぞれ独立に下記一般式(DI-A)及び下記一般式(DI-B)のいずれかを表す。R1、R2、及びR3は、それぞれ独立に下記一般式(DI−R)を表す。
ただし、前記一般式(DI-A)中、YA1及びYA2はそれぞれ独立に、メチン及び窒素原子のいずれかを表す。XAは酸素原子、硫黄原子、メチレン、及びイミノのいずれかを表す。*はL1〜L3と結合する位置を表し、**はR1〜R3と結合する位置を表す。
ただし、前記一般式(DI−B)中、YB1及びYB2は、それぞれ独立にメチン及び窒素原子のいずれか表す。XBは酸素原子、硫黄原子、メチレン、及びイミノのいずれかを表す。*はL1〜L3と結合する位置を表し、**はR1〜R3と結合する位置を表す。
〔一般式(DI−R)〕
*−(−L21−M)n1−L22−L23−Q1
ただし、前記一般式(DI−R)中、*は一般式(DI)中の5員環に結合する位置を表す。L21は単結合及び二価のいずれかの連結基を表し、L22は−O−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−S−、−NH−、−SO2−、−CH2−、−CH=CH−、及び−C≡C−のいずれかを表し、L23は−O−、−S−、−C(=O)−、−SO2−、−NH−、−CH2−、−CH=CH−、−C≡C−、及びこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表す。Mは少なくとも1種の環状構造を有する二価の連結基を表す。Q1はそれぞれ独立に、重合性基及び水素原子のいずれかを表す。n1は0〜4の整数を表す。
<4> 液晶性化合物の平均傾斜角度が45°以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載の光学補償フィルムである。
<5> 配向膜がビニルアルコール系化合物を含む前記<1>から<4>のいずれかに記載の光学補償フィルムである。
<6> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の光学補償フィルムを少なくとも1枚含むことを特徴とする液晶表示装置である。
<1> 配向膜と、液晶性化合物を含有する光学異方性層とを含み、前記液晶性化合物の表面自由エネルギーにおける分散力成分γsd (LC)と前記配向膜の表面自由エネルギーにおける分散力成分γsd (AL)と、の差が、次式、γsd (LC)−γsd (AL)≧−4.0erg/cm2、を満たすことを特徴とする光学補償フィルムである。
<2> 液晶性化合物が円盤状液晶性化合物である前記<1>に記載の光学補償フィルムである。
<3> 液晶性化合物が下記一般式(DI)で表される化合物を少なくとも1種含む前記<1>及び<2>のいずれかに記載の光学補償フィルムである。
〔一般式(DI−R)〕
*−(−L21−M)n1−L22−L23−Q1
ただし、前記一般式(DI−R)中、*は一般式(DI)中の5員環に結合する位置を表す。L21は単結合及び二価のいずれかの連結基を表し、L22は−O−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−S−、−NH−、−SO2−、−CH2−、−CH=CH−、及び−C≡C−のいずれかを表し、L23は−O−、−S−、−C(=O)−、−SO2−、−NH−、−CH2−、−CH=CH−、−C≡C−、及びこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表す。Mは少なくとも1種の環状構造を有する二価の連結基を表す。Q1はそれぞれ独立に、重合性基及び水素原子のいずれかを表す。n1は0〜4の整数を表す。
<4> 液晶性化合物の平均傾斜角度が45°以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載の光学補償フィルムである。
<5> 配向膜がビニルアルコール系化合物を含む前記<1>から<4>のいずれかに記載の光学補償フィルムである。
<6> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の光学補償フィルムを少なくとも1枚含むことを特徴とする液晶表示装置である。
本発明の光学補償フィルムは、配向膜と、液晶性化合物を含有する光学異方性層とを含み、前記液晶性化合物の表面自由エネルギーにおける分散力成分と前記配向膜の表面自由エネルギーにおける分散力成分と、の差を、−4.0erg/cm2以上としたり、液晶性化合物を円盤状液晶性化合物とすることにより、光学補償フィルムにおける光学異方性層のレターデーション制御を容易にできる。
本発明の液晶表示装置は、前記本発明の光学補償フィルムを少なくとも1枚含むことで、液晶セルを光学的に補償し、コントラストの改善及び視角方向に依存したカラーシフトを軽減できる。
本発明によると、従来における前記問題を解決することができ、配向膜と液晶性化合物との関係を規定したり、液晶性化合物の特性により、光学異方性層のレターデーション制御を容易にできる光学補償フィルム、及び、液晶セルを光学的に補償し、コントラストの改善及び視角方向に依存したカラーシフトを軽減できる液晶表示装置を提供することができる。
より具体的には、配向膜及び液晶性化合物の表面自由エネルギーに着目して、両者の関係、すなわち表面自由エネルギー差を調整することで、光学異方性層の位相差をコントロールすることができる。更に、液晶性化合物を円盤状液晶性化合物とすることで、黒表示状態の液晶セルに対してレターデーションの波長分散特性を適合させた光学補償フィルムを提供できるため、正面の黒表示及び黒状態の視角補償を、ほぼ全ての波長において可能にできる。そして、前記光学補償フィルムを用いることで、本発明の液晶表示装置は、黒表示時の正面及び斜め方向の光抜けが軽減され、正面の黒浮き及び視野角コントラストが著しく改善される。また、前記液晶表示装置は、黒表示時の正面及び斜め方向の光抜けをほぼ全ての可視光波長領域で抑えることができるため、従来問題であった視野角に依存した黒表示時の色ずれを大きく改善できる。
(光学補償フィルム)
本発明の光学補償フィルムは、配向膜と、液晶性化合物を含有する光学異方性層とを含む。
前記光学補償フィルムは、例えば、セルロースアシレートフィルム及び面内に光学異方性を持つ光学異方性層の少なくとも2層を有し、前記セルロースアシレートフィルムと光学異方性層との間に、光学異方性層中の液晶性化合物の配向を制御する配向膜を有することが好ましい。また、後述する光学特性を満たす限り、前記セルロースアシレートフィルム及び光学異方性層は、それぞれ2層以上有していてもよい。なお、本明細書において、「セルロースアシレートフィルム」には、セルロースアセテートフィルムをも含むものとする。
本発明の光学補償フィルムは、配向膜と、液晶性化合物を含有する光学異方性層とを含む。
前記光学補償フィルムは、例えば、セルロースアシレートフィルム及び面内に光学異方性を持つ光学異方性層の少なくとも2層を有し、前記セルロースアシレートフィルムと光学異方性層との間に、光学異方性層中の液晶性化合物の配向を制御する配向膜を有することが好ましい。また、後述する光学特性を満たす限り、前記セルロースアシレートフィルム及び光学異方性層は、それぞれ2層以上有していてもよい。なお、本明細書において、「セルロースアシレートフィルム」には、セルロースアセテートフィルムをも含むものとする。
前記液晶性化合物(LC)の表面自由エネルギーにおける分散力成分γsd (LC)と前記配向膜(AL)の表面自由エネルギーにおける分散力成分γsd (AL)との、下記式(A)で表される差Δγsdが、−4.0erg/cm2以上である。
〔式(A)〕
Δγsd=γsd (LC)−γsd (AL)
前記Δγsdは、−4.0erg/cm2以上であり、−1.0erg/cm2以上が好ましく、0.0erg/cm2以上3.0erg/cm2以下がより好ましい。
〔式(A)〕
Δγsd=γsd (LC)−γsd (AL)
前記Δγsdは、−4.0erg/cm2以上であり、−1.0erg/cm2以上が好ましく、0.0erg/cm2以上3.0erg/cm2以下がより好ましい。
ここで、本発明に記載の表面自由エネルギーは、D.K.Owens:J.Appl.Polym.Sci.,13,1741(1969)を参考にして実測した純水H2Oとヨウ化メチレンCH2I2とのそれぞれの接触角θH2O及びθCH2I2から、以下の連立方程式(1)及び(2)により求められる。純水の代わりにグリセリンを使用して接触角θグリセリンを求めた場合には、以下の連立方程式(2)及び(3)により求められる。
〔連立方程式〕
(1):1+cosθH2O=2√γsd(√γH2O d/γH2O v)+2√γsh(√γH2O h/γH2O v)
(2):1+cosθCH2I2=2√γsd(√γCH2I2 d/γCH2I2 v)+2√γsh(√γCH2I2 h/γCH2I2 v)
γH2O d=21.8、γH2O h=51.0、γH2O v=72.8、γCH2I2 d=49.5、γCH2I2 h=1.3、γCH2I2 v=50.8
(3):1+cosθグリセリン=2√γsd(√γグリセリン d/γグリセリン v)+2√γsh(√γグリセリン h/γグリセリン v)
γグリセリン d=37.4、γグリセリン h=26.0、γグリセリン v=63.4
ただし、前記連立方程式中、γsdは表面自由エネルギーの分散力成分に、γshは表面自由エネルギーの水素結合成分に、それぞれ相当し、それらの和で表される値γsv(=γsd+γsh)を表面自由エネルギーと定義する。
前記接触角の測定は、協和界面科学(株)製DropMaster500を用いて25℃60%の条件下でサンプルを24hr調湿した後に、この条件下でそれぞれ10μlの純水およびヨウ化メチレンをサンプル表面上に滴下30秒後に実施する。
〔連立方程式〕
(1):1+cosθH2O=2√γsd(√γH2O d/γH2O v)+2√γsh(√γH2O h/γH2O v)
(2):1+cosθCH2I2=2√γsd(√γCH2I2 d/γCH2I2 v)+2√γsh(√γCH2I2 h/γCH2I2 v)
γH2O d=21.8、γH2O h=51.0、γH2O v=72.8、γCH2I2 d=49.5、γCH2I2 h=1.3、γCH2I2 v=50.8
(3):1+cosθグリセリン=2√γsd(√γグリセリン d/γグリセリン v)+2√γsh(√γグリセリン h/γグリセリン v)
γグリセリン d=37.4、γグリセリン h=26.0、γグリセリン v=63.4
ただし、前記連立方程式中、γsdは表面自由エネルギーの分散力成分に、γshは表面自由エネルギーの水素結合成分に、それぞれ相当し、それらの和で表される値γsv(=γsd+γsh)を表面自由エネルギーと定義する。
前記接触角の測定は、協和界面科学(株)製DropMaster500を用いて25℃60%の条件下でサンプルを24hr調湿した後に、この条件下でそれぞれ10μlの純水およびヨウ化メチレンをサンプル表面上に滴下30秒後に実施する。
<光学異方性層>
前記光学異方性層を形成する位置としては、特に制限はないが、前記セルロースアシレートフィルム上に配向膜を形成し、該配向膜上に形成することが好ましい。また、別の基材に形成した液晶性化合物を含む光学異方性層を、粘着剤、接着剤等を用いて、セルロースアシレートフィルム上に転写することで、本発明の光学補償フィルムを作製することも可能である。なお、前記セルロースアシレートフィルムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記光学異方性層を形成する位置としては、特に制限はないが、前記セルロースアシレートフィルム上に配向膜を形成し、該配向膜上に形成することが好ましい。また、別の基材に形成した液晶性化合物を含む光学異方性層を、粘着剤、接着剤等を用いて、セルロースアシレートフィルム上に転写することで、本発明の光学補償フィルムを作製することも可能である。なお、前記セルロースアシレートフィルムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記光学異方性層の形成に用いる液晶性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、棒状液晶性化合物、円盤状液晶性化合物(以下、「ディスコティック液晶性化合物」と称することもある。)が挙げられる。
前記棒状液晶性化合物及びディスコティック液晶性化合物は、高分子液晶でもよいし、低分子液晶でもよい。また、最終的に光学異方性層に含まれる化合物は、液晶性を示さなくなっていてもよく、このような態様としては、例えば、光学異方性層の作製に低分子液晶性化合物を用いた場合に、光学異方性層を形成する過程で、前記低分子液晶性化合物が架橋されて液晶性を示さなくなった態様が挙げられる。
前記棒状液晶性化合物及びディスコティック液晶性化合物は、高分子液晶でもよいし、低分子液晶でもよい。また、最終的に光学異方性層に含まれる化合物は、液晶性を示さなくなっていてもよく、このような態様としては、例えば、光学異方性層の作製に低分子液晶性化合物を用いた場合に、光学異方性層を形成する過程で、前記低分子液晶性化合物が架橋されて液晶性を示さなくなった態様が挙げられる。
−棒状液晶性化合物−
前記棒状液晶性化合物としては、特に制限はないが、例えば、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類などが好適に挙げられる。
前記棒状液晶性化合物には、金属錯体が含まれていてもよい。また、前記棒状液晶性化合物は、ポリマーと結合して、前記棒状液晶性化合物を繰り返し単位中に含む液晶ポリマーであってもよい。
前記棒状液晶性化合物については、例えば、季刊化学総説第22巻液晶の化学(1994)日本化学会編の第4章、第7章及び第11章、液晶デバイスハンドブック日本学術振興会第142委員会編の第3章に記載されている。
前記棒状液晶性化合物としては、特に制限はないが、例えば、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類などが好適に挙げられる。
前記棒状液晶性化合物には、金属錯体が含まれていてもよい。また、前記棒状液晶性化合物は、ポリマーと結合して、前記棒状液晶性化合物を繰り返し単位中に含む液晶ポリマーであってもよい。
前記棒状液晶性化合物については、例えば、季刊化学総説第22巻液晶の化学(1994)日本化学会編の第4章、第7章及び第11章、液晶デバイスハンドブック日本学術振興会第142委員会編の第3章に記載されている。
本発明に用いる棒状液晶性化合物の複屈折率は、例えば、0.001〜0.7の範囲にあることが好ましい。
前記棒状液晶性化合物は、その配向状態を固定するために、重合性基を有することが好ましい。前記重合性基としては、例えば、不飽和重合性基又はエポキシ基が好ましく、不飽和重合性基がより好ましく、エチレン性不飽和重合性基が特に好ましい。
前記棒状液晶性化合物は、その配向状態を固定するために、重合性基を有することが好ましい。前記重合性基としては、例えば、不飽和重合性基又はエポキシ基が好ましく、不飽和重合性基がより好ましく、エチレン性不飽和重合性基が特に好ましい。
−ディスコティック液晶性化合物−
前記ディスコティック液晶性化合物としては、特に制限はないが、例えば、C.Destradeらの研究報告であるMol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告であるMol.Cryst.122巻、141頁(1985年)及びPhysics lett,A,78巻、82頁(1990)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告であるAngew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されているシクロヘキサン誘導体、J.M.Lehnらの研究報告であるJ.Chem.Commun.,1794頁(1985年)及びJ.Zhangらの研究報告であるJ.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルなどが挙げられる。
前記ディスコティック液晶性化合物としては、特に制限はないが、例えば、C.Destradeらの研究報告であるMol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告であるMol.Cryst.122巻、141頁(1985年)及びPhysics lett,A,78巻、82頁(1990)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告であるAngew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されているシクロヘキサン誘導体、J.M.Lehnらの研究報告であるJ.Chem.Commun.,1794頁(1985年)及びJ.Zhangらの研究報告であるJ.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルなどが挙げられる。
前記ディスコティック液晶性化合物には、分子中心の母核に対して、直鎖のアルキル基、アルコキシ基、又は置換ベンゾイルオキシ基が母核の側鎖として放射線状に置換した構造の、液晶性を示す化合物も含まれる。また、前記ディスコティック液晶性化合物は、分子又は分子の集合体が、回転対称性を有し、一定の配向を付与できる化合物であることが好ましい。
上記した様に、液晶性化合物から光学異方性層を形成した場合に、最終的に光学異方性層に含まれる前記液晶性化合物は、液晶性を示さなくなっていてもよい。例えば、低分子のディスコティック液晶性化合物が熱又は光で反応する基を有しており、熱又は光によって前記基が反応して、重合又は架橋し、高分子量化することによって光学異方性層が形成される場合などは、光学異方性層中に含まれる化合物は、液晶性を失っていてもよい。
前記ディスコティック液晶性化合物の好ましい例としては、たとえば、特開平8−50206号公報に記載されているものが挙げられる。また、ディスコティック液晶性化合物の重合については、例えば、特開平8−27284号公報に記載されている。
前記ディスコティック液晶性化合物の好ましい例としては、たとえば、特開平8−50206号公報に記載されているものが挙げられる。また、ディスコティック液晶性化合物の重合については、例えば、特開平8−27284号公報に記載されている。
前記ディスコティック液晶性化合物を重合により固定するためには、前記ディスコティック液晶性化合物の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。ただし、前記円盤状コアに前記重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になるため、前記円盤状コアと前記重合性基との間に、連結基を導入することが好ましい。
このような重合性基を有するディスコティック液晶性化合物としては、下記構造式(A)で表されるディスコティック液晶性化合物(A)及び下記一般式(DI)で表わされる化合物が好ましく、下記一般式(DI)表わされる化合物が特に好ましい。
このような重合性基を有するディスコティック液晶性化合物としては、下記構造式(A)で表されるディスコティック液晶性化合物(A)及び下記一般式(DI)で表わされる化合物が好ましく、下記一般式(DI)表わされる化合物が特に好ましい。
前記一般式(DI)中、Y11、Y12、及びY13はそれぞれ独立に、メチン及び窒素原子のいずれかを表す。
前記Y11、Y12、及びY13がメチンの場合は、置換基を有していてもよい。
前記置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン原子、シアノ基が挙げられる。これらの中では、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基が好ましく、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素原子数2〜12アルコキシカルボニル基、炭素原子数2〜12アシルオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基がより好ましい。
前記Y11、Y12、及びY13がメチンの場合は、置換基を有していてもよい。
前記置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン原子、シアノ基が挙げられる。これらの中では、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基が好ましく、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素原子数2〜12アルコキシカルボニル基、炭素原子数2〜12アシルオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基がより好ましい。
前記一般式(DI)中、L1、L2、及びL3は、それぞれ独立に、単結合及び二価のいずれかの連結基を表す。
前記L1、L2、及びL3が二価の連結基の場合は、それぞれ独立に、−O−、−S−、−C(=O)−、−NH−、−SO2−、−CH=CH−、−C≡C−、及びこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。これらの基が水素原子を含む基である場合は、該水素原子は置換基で置き換わってもよい。
前記置換基としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、ハロゲンで置換された炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアシル基、炭素原子数1〜6のアルキルチオ基、炭素原子数2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルで置換された炭素原子数2〜6のカルバモイル基、炭素原子数2〜6のアシルアミノ基が好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基がより好ましい。
前記L1、L2、及びL3が二価の連結基の場合は、それぞれ独立に、−O−、−S−、−C(=O)−、−NH−、−SO2−、−CH=CH−、−C≡C−、及びこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。これらの基が水素原子を含む基である場合は、該水素原子は置換基で置き換わってもよい。
前記置換基としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、ハロゲンで置換された炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアシル基、炭素原子数1〜6のアルキルチオ基、炭素原子数2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルで置換された炭素原子数2〜6のカルバモイル基、炭素原子数2〜6のアシルアミノ基が好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基がより好ましい。
前記L1、L2、及びL3で表される二価の連結基は、少なくとも1種類の環状構造を有する二価の環状基であってもよい。
前記二価の環状基としては、5員環、6員環、7員環であることが好ましく、5員環、6員環であることがより好ましく、6員環であることが特に好ましい。前記環状基に含まれる環は、縮合環であってもよいし、単環であってもよく、単環であることがより好ましい。
前記環状基に含まれる環としては、芳香族環、脂肪族環、及び複素環のいずれでもよい。前記芳香族環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環などが挙げられる。前記脂肪族環としては、例えば、シクロヘキサン環などが挙げられる。前記複素環としては、例えば、ピリジン環、ピリミジン環などが挙げられる。前記環状基は、芳香族環、複素環が好ましい。
前記二価の環状基としては、5員環、6員環、7員環であることが好ましく、5員環、6員環であることがより好ましく、6員環であることが特に好ましい。前記環状基に含まれる環は、縮合環であってもよいし、単環であってもよく、単環であることがより好ましい。
前記環状基に含まれる環としては、芳香族環、脂肪族環、及び複素環のいずれでもよい。前記芳香族環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環などが挙げられる。前記脂肪族環としては、例えば、シクロヘキサン環などが挙げられる。前記複素環としては、例えば、ピリジン環、ピリミジン環などが挙げられる。前記環状基は、芳香族環、複素環が好ましい。
前記L1、L2、及びL3で表される二価の環状基のうち、前記ベンゼン環を有する環状基としては、例えば、1,4−フェニレンが好ましい。前記ナフタレン環を有する環状基としては、例えば、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイルが好ましい。前記シクロヘキサン環を有する環状基としては、例えば、1,4−シクロへキシレンが好ましい。前記ピリジン環を有する環状基としては、例えば、ピリジン−2,5−ジイルが好ましい。前記ピリミジン環を有する環状基としては、例えば、ピリミジン−2,5−ジイルが好ましい。
前記L1、L2、及びL3で表される二価の環状基は、置換基を有していてもよい。前記置換基としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数1〜16のアルケニル基、炭素原子数1〜16のアルキニル基、炭素原子数1〜16のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアシル基、炭素原子数1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜16のアルキル置換カルバモイル基、炭素原子数2〜16のアシルアミノ基が挙げられる。
前記L1、L2、及びL3としては、単結合、*−O−CO−、*−CO−O−、*−CH=CH−、*−C≡C−、*−M−、*−O−CO−M−、*−CO−O−M−、*−CH=CH−M−、*−C≡C−M−、*−M−O−CO−、*−M−CO−O−、*−M−CH=CH−、*−M−C≡C−が好ましい。特に、単結合、*−CH=CH−、*−C≡C−、*−CH=CH−M−、*−C≡C−M−が好ましく、単結合が特に好ましい。なお、前記*は前記一般式(I)中のY11、Y12、及びY13を含む6員環に結合する位置を表し、前記Mは二価の環状基を表す。
前記一般式(DI)中、H1、H2、及びH3はそれぞれ独立に下記一般式(DI-A)及び下記一般式(DI-B)のいずれかを表す。
ただし、前記一般式(DI-A)中、YA1及びYA2はそれぞれ独立に、メチン及び窒素原子のいずれかを表す。XAは酸素原子、硫黄原子、メチレン、及びイミノのいずれかを表す。*はL1〜L3と結合する位置を表し、**はR1〜R3と結合する位置を表す。
ただし、前記一般式(DI−B)中、YB1及びYB2は、それぞれ独立にメチン及び窒素原子のいずれか表す。XBは酸素原子、硫黄原子、メチレン、及びイミノのいずれかを表す。*はL1〜L3と結合する位置を表し、**はR1〜R3と結合する位置を表す。
前記一般式(DI)中、R1、R2、及びR3は、それぞれ独立に下記一般式(DI−R)を表す。
〔一般式(DI−R)〕
*−(−L21−M)n1−L22−L23−Q1
ただし、前記一般式(DI−R)中、*は前記一般式(DI)中の5員環に結合する位置を表す。
前記一般式(DI−R)中、L21は単結合及び二価の連結基のいずれかを表す。前記L21が二価の連結基の場合は、−O−、−S−、−C(=O)−、−NH−、−SO2−、−CH=CH−、−C≡C−、及びこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。これらの基が水素原子を含む場合は、該水素原子は置換基で置き換わってもよい。
前記置換基としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、ハロゲンで置換された炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアシル基、炭素原子数1〜6のアルキルチオ基、炭素原子数2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルで置換された炭素原子数2〜6のカルバモイル基、炭素原子数2〜6のアシルアミノ基が好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基がより好ましい。
〔一般式(DI−R)〕
*−(−L21−M)n1−L22−L23−Q1
ただし、前記一般式(DI−R)中、*は前記一般式(DI)中の5員環に結合する位置を表す。
前記一般式(DI−R)中、L21は単結合及び二価の連結基のいずれかを表す。前記L21が二価の連結基の場合は、−O−、−S−、−C(=O)−、−NH−、−SO2−、−CH=CH−、−C≡C−、及びこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。これらの基が水素原子を含む場合は、該水素原子は置換基で置き換わってもよい。
前記置換基としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、ハロゲンで置換された炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアシル基、炭素原子数1〜6のアルキルチオ基、炭素原子数2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルで置換された炭素原子数2〜6のカルバモイル基、炭素原子数2〜6のアシルアミノ基が好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基がより好ましい。
前記L21は単結合、−O−CO−、−CO−O−、−CH=CH−、−C≡C−が好ましく、単結合がより好ましい。
前記L21で表される二価の連結基は、少なくとも1種類の環状構造を有する二価の環状基であってもよい。
前記二価の環状基としては、5員環、6員環、7員環であることが好ましく、5員環、6員環であることがより好ましく、6員環であることが特に好ましい。前記環状基に含まれる環は、縮合環であってもよいし、単環であってもよく、単環であることがより好ましい。
前記環状基に含まれる環としては、芳香族環、脂肪族環、及び複素環のいずれでもよい。前記芳香族環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環などが挙げられる。前記脂肪族環としては、例えば、シクロヘキサン環などが挙げられる。前記複素環としては、例えば、ピリジン環、ピリミジン環などが挙げられる。
前記二価の環状基としては、5員環、6員環、7員環であることが好ましく、5員環、6員環であることがより好ましく、6員環であることが特に好ましい。前記環状基に含まれる環は、縮合環であってもよいし、単環であってもよく、単環であることがより好ましい。
前記環状基に含まれる環としては、芳香族環、脂肪族環、及び複素環のいずれでもよい。前記芳香族環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環などが挙げられる。前記脂肪族環としては、例えば、シクロヘキサン環などが挙げられる。前記複素環としては、例えば、ピリジン環、ピリミジン環などが挙げられる。
前記L21で表される二価の環状基のうち、前記ベンゼン環を有する環状基としては、例えば、1,4−フェニレン、1,3−フェニレンが好ましい。前記ナフタレン環を有する環状基としては、例えば、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−1,6−ジイル、ナフタレン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイルナフタレン−2,7−ジイルが好ましい。前記シクロヘキサン環を有する環状基としては、例えば、1,4−シクロへキシレンが好ましい。前記ピリジン環を有する環状基としては、例えば、ピリジン−2,5−ジイルが好ましい。前記ピリミジン環を有する環状基としては、例えば、ピリミジン−2,5−ジイルが好ましい。前記二価の環状基としては、特に、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイルが好ましい。
前記L21で表される二価の環状基は、置換基を有していてもよい。前記置換基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数1〜16のアルケニル基、炭素原子数1〜16のアルキニル基、炭素原子数1〜16のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアシル基、炭素原子数1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜16のアルキル置換カルバモイル基、炭素原子数2〜16のアシルアミノ基が挙げられる。これらの中でも、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲン置換アルキル基が好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のハロゲン置換アルキル基がより好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基が特に好ましい。
前記一般式(DI−R)中、n1は0〜4の整数を表す。前記n1は1〜3の整数が好ましく、1及び2のいずれかが特に好ましい。
前記一般式(DI−R)中、L22は−O−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−S−、−NH−、−SO2−、−CH2−、−CH=CH−、及び−C≡C−のいずれかを表し、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−CH2−、−CH=CH−、−C≡C−が好ましく、−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−CH2−がより好ましい。これらの基が水素原子を含む基である場合は、該水素原子は置換基で置き換わってもよい。
前記置換基としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、ハロゲンで置換された炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアシル基、炭素原子数1〜6のアルキルチオ基、炭素原子数2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルで置換された炭素原子数2〜6のカルバモイル基、炭素原子数2〜6のアシルアミノ基が好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基がより好ましい。
前記置換基としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、ハロゲンで置換された炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアシル基、炭素原子数1〜6のアルキルチオ基、炭素原子数2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルで置換された炭素原子数2〜6のカルバモイル基、炭素原子数2〜6のアシルアミノ基が好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基がより好ましい。
前記一般式(DI−R)中、L23は−O−、−S−、−C(=O)−、−SO2−、−NH−、−CH2−、−CH=CH−、−C≡C−、及びこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表す。ここで、−NH−、−CH2−、−CH=CH−の水素原子は、他の置換基に置き換えられていてもよい。
前記他の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアシル基、炭素原子数1〜6のアルキルチオ基、炭素原子数2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜6のアルキル置換カルバモイル基、炭素原子数2〜6のアシルアミノ基が挙げられる。これらの中でも特に、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基が好ましい。これらの置換基に置き換えられることにより、本発明の液晶性化合物から液晶性組成物を調製する際に、使用する溶媒に対する溶解性を向上させることができる。
前記他の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアシル基、炭素原子数1〜6のアルキルチオ基、炭素原子数2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜6のアルキル置換カルバモイル基、炭素原子数2〜6のアシルアミノ基が挙げられる。これらの中でも特に、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基が好ましい。これらの置換基に置き換えられることにより、本発明の液晶性化合物から液晶性組成物を調製する際に、使用する溶媒に対する溶解性を向上させることができる。
前記L23は、−O−、−C(=O)−、−CH2−、−CH=CH−、−C≡C−の組み合わせからなることが好ましい。また、前記L23は、炭素原子を1〜20個含有することが好ましく、炭素原子を2〜14個を含有することが特に好ましい。更に、前記L23は、−CH2−を1〜16個含有することが好ましく、2〜12個含有することが特に好ましい。
前記一般式(DI)中、Q1はそれぞれ独立に、重合性基及び水素原子のいずれかを表す。前記Q1は、本発明の液晶性化合物を、位相差の大きさが熱により変化しないようにする観点から、重合性基であることが好ましい。ここで、重合反応は、付加重合(開環重合を含む)または縮合重合であることが好ましい。したがって、前記重合性基は、付加重合反応又は縮合重合反応が可能な官能基であることが好ましい。このような重合性基としては、特に制限はないが、付加重合反応が可能な重合性基としては、例えば、以下に示す基が挙げられる。
前記重合性基は、縮合重合反応が可能な官能基が特に好ましく、このような重合性基としては、例えば、重合性エチレン性不飽和基及び開環重合性基のいずれかが好ましい。
前記重合性エチレン性不飽和基としては、例えば、下記式(M−1)〜(M−6)で表される基が挙げられる。
前記重合性エチレン性不飽和基としては、例えば、下記式(M−1)〜(M−6)で表される基が挙げられる。
前記式(M−3)及び(M−4)中、Rは水素原子及びアルキル基のいずれかを表す。前記Rとしては、水素原子及びメチル基のいずれかが好ましい。
上記式(M−1)〜(M−6)で表される基の中でも、式(M−1)及び式(M−2)で表される基のいずれかが好ましく、式(M−1)で表される基が特に好ましい。
上記式(M−1)〜(M−6)で表される基の中でも、式(M−1)及び式(M−2)で表される基のいずれかが好ましく、式(M−1)で表される基が特に好ましい。
前記開環重合性基としては、例えば、環状エーテル基が好ましく、その中でもエポキシ基又はオキセタニル基がより好ましく、エポキシ基が特に好ましい。
また、前記ディスコティック液晶性化合物としては、下記一般式(DII)で表される化合物も特に好ましい。
ただし、前記一般式(DII)中、Y31、Y32、及びY33は、前記一般式(DI)における、Y11、Y12、及びY13と同じ意を表す。
前記一般式(DII)中、R31、R32、及びR33はそれぞれ独立に、下記一般式(DII−R)で表される。
ただし、前記一般式(DII−R)中、A31及びA32はそれぞれ独立に、メチン及び窒素原子のいずれかを表す。前記A31及びA32としては、少なくとも一方が窒素原子であることが好ましく、両方が窒素原子であることが特に好ましい。X3は酸素原子、硫黄原子、メチレン、及びイミノのいずれかを表し、酸素原子であることが特に好ましい。Mは二価の環状基を表す。
前記一般式(DII−R)中、Mで表される二価の環状基としては、6員環状構造を有する二価の連結基が好ましい。前記二価の環状基に含まれる環は、縮合環であってもよいし、単環であってもよく、単環であることがより好ましい。
前記環状基に含まれる環としては、芳香族環、脂肪族環、及び複素環のいずれでもよい。前記芳香族環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環などが挙げられる。前記脂肪族環としては、例えば、シクロヘキサン環などが挙げられる。前記複素環としては、例えば、ピリジン環、ピリミジン環などが挙げられる。
前記環状基に含まれる環としては、芳香族環、脂肪族環、及び複素環のいずれでもよい。前記芳香族環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環などが挙げられる。前記脂肪族環としては、例えば、シクロヘキサン環などが挙げられる。前記複素環としては、例えば、ピリジン環、ピリミジン環などが挙げられる。
前記Mで表される二価の環状基のうち、前記ベンゼン環を有する環状基としては、例えば、1,4−フェニレン、1,3−フェニレンが好ましい。前記ナフタレン環を有する環状基としては、例えば、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−1,6−ジイル、ナフタレン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイルナフタレン−2,7−ジイルが好ましい。前記シクロヘキサン環を有する環状基としては、例えば、1,4−シクロへキシレンが好ましい。前記ピリジン環を有する環状基としては、例えば、ピリジン−2,5−ジイルが好ましい。前記ピリミジン環を有する環状基としては、例えば、ピリミジン−2,5−ジイルが好ましい。前記二価の環状基としては、特に、1,4−フェニレン、1,3−フェニレンおよびナフタレン−2,6−ジイルが好ましい。
前記Mで表される二価の環状基は、置換基を有していてもよい。前記置換基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数1〜16のアルケニル基、炭素原子数1〜16のアルキニル基、炭素原子数1〜16のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアシル基、炭素原子数1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜16のアルキル置換カルバモイル基、炭素原子数2〜16のアシルアミノ基が挙げられる。これらの中でも、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲン置換アルキル基が好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のハロゲン置換アルキル基がより好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基が特に好ましい。
前記一般式(DII−R)中、n3は1〜3の整数を表し、1及び2のいずれかが好ましい。
前記一般式(DII−R)中、L31、L32、Q3は、それぞれ前記一般式(DI−R)中のL22、L23、及びQ1と同じ意を表す。
前記一般式(DII−R)中、L31、L32、Q3は、それぞれ前記一般式(DI−R)中のL22、L23、及びQ1と同じ意を表す。
前記一般式(DI)及び一般式(DII)のいずれかで表される化合物としては、特に制限はないが、例えば、下記に示す化合物が挙げられる。
本発明の液晶性化合物は、良好なモノドメイン性を示す液晶相を発現することが好ましい。前記モノドメイン性が悪い場合には、得られる構造がポリドメインとなり、ドメイン同士の境界に配向欠陥が生じ、光を散乱することがある。良好なモノドメイン性を示すと、位相差板が高い光透過率を有しやすくなる。
前記液晶性化合物が発現する前記液晶相としては、例えば、カラムナー相、ディスコティックネマチック相(ND相)が挙げられる。これらの液晶相の中では、良好なモノドメイン性を示すディスコティックネマチック相(ND相)が特に好ましい。
前記液晶性化合物は、液晶相を20〜300℃の範囲で発現することが好ましく、40〜280℃の範囲で発現することがより好ましく、60〜250℃の範囲で発現することが特に好ましい。ここで、20℃〜300℃の範囲で液晶相を発現するとは、液晶温度範囲が20℃前後の場合(具体的に例えば、10℃〜22℃)や、300℃前後の場合(具体的に例えば、298℃〜310℃)も含む。前記40℃〜280℃の範囲で液晶相を発現する場合、及び60℃〜250℃の範囲で液晶相を発現するも同様である。
本発明において、前記光学異方性層中、前記棒状液晶性化合物又は前記円盤状液晶性化合物の分子は、配向状態に固定されている。これら液晶性化合物における分子対称軸の、前記セルロースアシレートフィルム側の界面における配向平均方向は、前記セルロースアシレートフィルムの面内の遅相軸との交差角が略0度または略45度である。
ここで、「略」とは、±5°の範囲の角度をいい、前記角度は前者の場合−3〜+3°、後者の場合42〜48°が好ましく、それぞれ−2〜+2°、43〜47°がより好ましい。前記光学異方性層中における液晶性化合物の分子対称軸の平均方向は、支持体の長手方向(すなわち、支持体の進相軸方向)に対してそれぞれ−2〜+2°、43°〜47°であることが好ましい。
また、本明細書において、「0°」「45゜」、「平行」又は「直交」とは、厳密な角度±5゜未満の範囲内であることを意味する。厳密な角度との誤差は、4゜未満であることが好ましく、3゜未満であることがより好ましい。また、角度について、「+」とは、時計周り方向を意味し、「−」とは、反時計周り方向を意味する。「遅相軸」とは、屈折率が最大となる方向を意味する。「可視光領域」とは、380nm〜780nmのことをいう。更に、屈折率の測定波長は特別な記述がない限り、可視光域のλ=550nmでの値である。
ここで、「略」とは、±5°の範囲の角度をいい、前記角度は前者の場合−3〜+3°、後者の場合42〜48°が好ましく、それぞれ−2〜+2°、43〜47°がより好ましい。前記光学異方性層中における液晶性化合物の分子対称軸の平均方向は、支持体の長手方向(すなわち、支持体の進相軸方向)に対してそれぞれ−2〜+2°、43°〜47°であることが好ましい。
また、本明細書において、「0°」「45゜」、「平行」又は「直交」とは、厳密な角度±5゜未満の範囲内であることを意味する。厳密な角度との誤差は、4゜未満であることが好ましく、3゜未満であることがより好ましい。また、角度について、「+」とは、時計周り方向を意味し、「−」とは、反時計周り方向を意味する。「遅相軸」とは、屈折率が最大となる方向を意味する。「可視光領域」とは、380nm〜780nmのことをいう。更に、屈折率の測定波長は特別な記述がない限り、可視光域のλ=550nmでの値である。
また、本明細書において、「分子対称軸」とは、分子が回転対称軸を有する場合は該対称軸をいうが、厳密な意味で分子が回転対称性であることを要求するものではない。一般的には、分子対称軸は、円盤状液晶性化合物では、円盤面の中心を貫く円盤面に対して垂直な軸と一致し、また棒状液晶性化合物では分子の長軸と一致する。
前記液晶性化合物における分子対称軸の配向平均方向は、一般に液晶性化合物又は配向膜の材料を選択することにより、若しくはラビング処理方法を選択することにより、調整することができる。
本発明では、例えば、光学異方性層形成用配向膜をラビング処理によって作製する場合は、セルロースアシレートフィルムの遅相軸に対して平行または45°の方向にラビング処理することで、液晶性化合物の分子対称軸の、少なくともセルロースアシレートフィルム界面における配向平均方向が、セルロースアシレートフィルムの遅相軸に対して平行(0°)または45°である光学異方性層を形成することができる。
本発明の光学補償フィルムは、例えば、遅相軸が長手方向と平行な長尺状のセルロースアシレートフィルムを用いると連続的に作製できる。より具体的には、1)長尺状のセルロースアシレートフィルムの表面に連続的に配向膜形成用塗布液を塗布して配向膜を作製し、2)前記配向膜の表面を連続的に長手方向に平行または45°の方向にラビング処理し、3)作製した前記配向膜上に連続的に液晶性化合物を含有する光学異方性層形成用塗布液を塗布して、液晶性化合物の分子を配向させて、その状態に固定することで光学異方性層を作製して、長尺状の光学補償フィルムを連続的に作製することができる。前記長尺状に作製された光学補償フィルムは、液晶表示装置内に組み込まれる前に、所望の形状に裁断される。
本発明では、例えば、光学異方性層形成用配向膜をラビング処理によって作製する場合は、セルロースアシレートフィルムの遅相軸に対して平行または45°の方向にラビング処理することで、液晶性化合物の分子対称軸の、少なくともセルロースアシレートフィルム界面における配向平均方向が、セルロースアシレートフィルムの遅相軸に対して平行(0°)または45°である光学異方性層を形成することができる。
本発明の光学補償フィルムは、例えば、遅相軸が長手方向と平行な長尺状のセルロースアシレートフィルムを用いると連続的に作製できる。より具体的には、1)長尺状のセルロースアシレートフィルムの表面に連続的に配向膜形成用塗布液を塗布して配向膜を作製し、2)前記配向膜の表面を連続的に長手方向に平行または45°の方向にラビング処理し、3)作製した前記配向膜上に連続的に液晶性化合物を含有する光学異方性層形成用塗布液を塗布して、液晶性化合物の分子を配向させて、その状態に固定することで光学異方性層を作製して、長尺状の光学補償フィルムを連続的に作製することができる。前記長尺状に作製された光学補償フィルムは、液晶表示装置内に組み込まれる前に、所望の形状に裁断される。
また、前記液晶性化合物の表面側(空気側)の分子対称軸の配向平均方向について、空気界面側の液晶性化合物の分子対称軸の配向平均方向は、セルロースアシレートフィルムの遅相軸に対して略0°および略45°であるのが好ましく、前者の場合−3〜+3°、後者の場合42〜48°であるのがより好ましく、それぞれ−2〜+2°、43〜47°であるのが特に好ましい。液晶性化合物の分子対称軸の配向平均方向は対象とする液晶表示装置の駆動モードに合わせて選択される。一般にTNモードにおいては前者0°が好ましく、OCBモードにおいては45°が好ましいが本発明において液晶駆動モードは特に限定されない。
前記空気界面側の前記液晶性化合物における分子対称軸の配向平均方向は、一般に、液晶性化合物又は液晶性化合物と共に使用する添加剤の種類を選択することにより調整することができる。
前記液晶性化合物と共に使用する添加剤としては、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー、重合性ポリマーなどが挙げられる。前記分子対称軸の配向方向が変化する程度も、上記と同様に、前記液晶性化合物と前記添加剤との選択により調整できる。特に前記界面活性剤に関しては、上述の塗布液の表面張力制御と両立することが好ましい。
前記空気界面側の前記液晶性化合物における分子対称軸の配向平均方向は、一般に、液晶性化合物又は液晶性化合物と共に使用する添加剤の種類を選択することにより調整することができる。
前記液晶性化合物と共に使用する添加剤としては、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー、重合性ポリマーなどが挙げられる。前記分子対称軸の配向方向が変化する程度も、上記と同様に、前記液晶性化合物と前記添加剤との選択により調整できる。特に前記界面活性剤に関しては、上述の塗布液の表面張力制御と両立することが好ましい。
前記液晶性化合物と共に使用する可塑剤、界面活性剤、及び重合性モノマ−は、ディスコティック液晶性化合物と相溶性を有し、前記ディスコティック液晶性化合物の傾斜角を変化させることができるか、配向を阻害しないことが好ましい。
このような重合性モノマーとしては、例えば、ビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基、及びメタクリロイル基の少なくともいずれかを有する化合物が好ましい。
前記化合物の添加量は、通常、液晶性化合物に対して1〜50質量%であり、5〜30質量%が好ましい。なお、重合性の反応性官能基数が4以上のモノマーを混合して用いると、配向膜と光学異方性層間との密着性を高めることができる。
このような重合性モノマーとしては、例えば、ビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基、及びメタクリロイル基の少なくともいずれかを有する化合物が好ましい。
前記化合物の添加量は、通常、液晶性化合物に対して1〜50質量%であり、5〜30質量%が好ましい。なお、重合性の反応性官能基数が4以上のモノマーを混合して用いると、配向膜と光学異方性層間との密着性を高めることができる。
前記液晶性化合物としてディスコティック液晶性化合物を用いる場合には、前記ディスコティック液晶性化合物とある程度の相溶性を有し、ディスコティック液晶性化合物に傾斜角の変化を与えられるポリマーを用いるのが好ましい。
このようなポリマーとしては、例えば、セルロースエステルなどが挙げられる。前記セルロースエステルとしては、例えば、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロースアセテートブチレートなどが挙げられる。
前記ポリマーの添加量は、前記ディスコティック液晶性化合物の配向を阻害しないように、前記ディスコティック液晶性化合物に対して0.1〜10質量%の範囲にあることが好ましく、0.1〜8質量%の範囲にあることがより好ましく、0.1〜5質量%の範囲にあることが特に好ましい。
前記ディスコティック液晶性化合物のディスコティックネマティック液晶相−固相転移温度は、70〜300℃が好ましく、70〜170℃がより好ましい。
このようなポリマーとしては、例えば、セルロースエステルなどが挙げられる。前記セルロースエステルとしては、例えば、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロースアセテートブチレートなどが挙げられる。
前記ポリマーの添加量は、前記ディスコティック液晶性化合物の配向を阻害しないように、前記ディスコティック液晶性化合物に対して0.1〜10質量%の範囲にあることが好ましく、0.1〜8質量%の範囲にあることがより好ましく、0.1〜5質量%の範囲にあることが特に好ましい。
前記ディスコティック液晶性化合物のディスコティックネマティック液晶相−固相転移温度は、70〜300℃が好ましく、70〜170℃がより好ましい。
本発明において、前記光学異方性層は、少なくとも面内光学異方性を有する。前記光学異方性層の面内レターデーション(Re)は、3〜300nmであるのが好ましく、5〜200nmであるのがより好ましく、10〜100nmであるのが特に好ましい。
前記光学異方性層の厚さ方向のレターデーション(Rth)は、20〜400nmであるのが好ましく、50〜200nmであるのがより好ましい。
前記光学異方性層の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜15μmであることがより好ましく、1〜10μmであることが特に好ましい。
前記光学異方性層の厚さ方向のレターデーション(Rth)は、20〜400nmであるのが好ましく、50〜200nmであるのがより好ましい。
前記光学異方性層の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜15μmであることがより好ましく、1〜10μmであることが特に好ましい。
ここで、前記面内レターデーション(Re)は、KOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)において、波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定することができる。前記厚さ方向のレターデーション(Rth)は、1)前記面内レターデーション(Re)、2)前記KOBRA 21ADHにより判断される面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)として、フィルム法線方向に対して+40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値、及び3)面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)として、フィルム法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値、の計3つの方向で測定したレターデーション値と平均屈折率との仮定値、及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHが算出する。
ここで、前記平均屈折率の仮定値は、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。前記平均屈折率の値が既知でないものについては、アッベ屈折計で測定することができる。
主な光学フィルムの平均屈折率の値は、セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚とを入力することで、KOBRA 21ADHは、nx、ny、nzを算出する。この算出されたnx、ny、nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
ここで、前記平均屈折率の仮定値は、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。前記平均屈折率の値が既知でないものについては、アッベ屈折計で測定することができる。
主な光学フィルムの平均屈折率の値は、セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚とを入力することで、KOBRA 21ADHは、nx、ny、nzを算出する。この算出されたnx、ny、nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
本発明の光学異方層の断面の一例について、簡略化した模式図を図1に示す。
光学異方層23は、支持体21上に形成された配向膜22上に設けられている。前記光学異方層23を構成するディスコティック液晶性化合物23a、23b、23cの平均傾斜角度(以下、「チルト角」又は「プレチルト角」と称することもある。)は、光学異方層の底面からの深さ(厚さ)方向の距離の増加と共に、層全体としては、総じて順に増加している。なお、図1中、Nは透明支持体の法線を表わす。前記ディスコティック液晶性化合物は、平板状の分子であるので、分子中には一個のみの平面、すなわち円盤面を持つ。
光学異方層23は、支持体21上に形成された配向膜22上に設けられている。前記光学異方層23を構成するディスコティック液晶性化合物23a、23b、23cの平均傾斜角度(以下、「チルト角」又は「プレチルト角」と称することもある。)は、光学異方層の底面からの深さ(厚さ)方向の距離の増加と共に、層全体としては、総じて順に増加している。なお、図1中、Nは透明支持体の法線を表わす。前記ディスコティック液晶性化合物は、平板状の分子であるので、分子中には一個のみの平面、すなわち円盤面を持つ。
前記平均傾斜角度は、45°以下であることが好ましく、30〜45°であることがより好ましい。前記平均傾斜角度を求める際の、傾斜角度の最小値は、0〜85°の範囲にあることが好ましく、5〜40°の範囲にあることが特に好ましい。また、前記傾斜角度の最大値は、5〜90°の範囲にあることが好ましく、30〜85°にあることが特に好ましい。更に、前記平均傾斜角度の最小値と最大値との差は、5〜70°の範囲にあることが好ましく、10〜60°の範囲にあることがより好ましい。
円盤状液晶性化合物や棒状液晶性化合物を配向させた光学異方性層において、光学異方性層の一方の面におけるチルト角(円盤状液晶性化合物又は棒状液晶性化合物における物理的な対象軸が光学異方性層の界面となす角度をチルト角とする。)θ1及び他方の面のチルト角θ2を、直接的かつ正確に測定することは困難である。そこで、本明細書においては、θ1及びθ2は、以下の手法で算出する。本手法は、本発明の実際の配向状態を正確に表現していないが、光学フィルムのもつ一部の光学特性の相対関係を表す手段として有効である。
本手法では、算出を容易にすべく、下記の2点を仮定し、光学異方性層の2つの界面におけるチルト角とする。
1.光学異方性層は円盤状化合物や棒状化合物を含む層で構成された多層体と仮定する。更に、それを構成する最小単位の層(円盤状液晶性化合物又は棒状液晶性化合物のチルト角は該層内において一様と仮定する。)は光学的に一軸と仮定する。
2.各層のチルト角は光学異方性層の厚み方向に沿って一次関数で単調に変化すると仮定する。
具体的な算出法は下記のとおりである。
(1)各層のチルト角が光学異方性層の厚み方向に沿って一次関数で単調に変化する面内で、光学異方性層への測定光の入射角を変化させ、3つ以上の測定角でレターデーション値を測定する。該測定及び計算を簡便にするためには、光学異方性層に対する法線方向を0°とし、−40°、0°、+40°の3つの測定角でレターデーション値を測定することが好ましい。このような測定は、例えば、KOBRA−21ADH、KOBRA−WR(王子計測器(株)製)、透過型のエリプソメーターAEP−100((株)島津製作所製)、M150、M520(日本分光(株)製)、ABR10A(ユニオプト(株)製)などで行うことができる。
(2)各層の常光の屈折率をno、異常光の屈折率をne(no及びneは各々すべての層において同じ値とする。)、多層体全体の厚みをdとする。更に、各層におけるチルト方向とその層の一軸の光軸方向とは一致するとの仮定の元に、光学異方性層のレターデーション値の角度依存性の計算が測定値に一致するように、光学異方性層の一方の面におけるチルト角θ1及び他方の面のチルト角θ2を変数としてフィッティングを行い、θ1およびθ2を算出する。
ここで、no及びneは文献値、カタログ値等の既知の値を用いることができる。値が未知の場合は、アッベ屈折計を用いて測定することもできる。光学異方性層の厚みは、光学干渉膜厚計、走査型電子顕微鏡の断面写真等により測定することができる。
本手法では、算出を容易にすべく、下記の2点を仮定し、光学異方性層の2つの界面におけるチルト角とする。
1.光学異方性層は円盤状化合物や棒状化合物を含む層で構成された多層体と仮定する。更に、それを構成する最小単位の層(円盤状液晶性化合物又は棒状液晶性化合物のチルト角は該層内において一様と仮定する。)は光学的に一軸と仮定する。
2.各層のチルト角は光学異方性層の厚み方向に沿って一次関数で単調に変化すると仮定する。
具体的な算出法は下記のとおりである。
(1)各層のチルト角が光学異方性層の厚み方向に沿って一次関数で単調に変化する面内で、光学異方性層への測定光の入射角を変化させ、3つ以上の測定角でレターデーション値を測定する。該測定及び計算を簡便にするためには、光学異方性層に対する法線方向を0°とし、−40°、0°、+40°の3つの測定角でレターデーション値を測定することが好ましい。このような測定は、例えば、KOBRA−21ADH、KOBRA−WR(王子計測器(株)製)、透過型のエリプソメーターAEP−100((株)島津製作所製)、M150、M520(日本分光(株)製)、ABR10A(ユニオプト(株)製)などで行うことができる。
(2)各層の常光の屈折率をno、異常光の屈折率をne(no及びneは各々すべての層において同じ値とする。)、多層体全体の厚みをdとする。更に、各層におけるチルト方向とその層の一軸の光軸方向とは一致するとの仮定の元に、光学異方性層のレターデーション値の角度依存性の計算が測定値に一致するように、光学異方性層の一方の面におけるチルト角θ1及び他方の面のチルト角θ2を変数としてフィッティングを行い、θ1およびθ2を算出する。
ここで、no及びneは文献値、カタログ値等の既知の値を用いることができる。値が未知の場合は、アッベ屈折計を用いて測定することもできる。光学異方性層の厚みは、光学干渉膜厚計、走査型電子顕微鏡の断面写真等により測定することができる。
例えば、図1においては、支持体21側のディスコティック構造単位の傾斜角度(図示の例ではθa)が、ほぼ最小値に対応し、前記支持体21から最も離れた側のディスコティック構造単位の傾斜角度(図示の例ではθc)が、ほぼ最大値に対応し、両者の間のディスコティック構造単位の傾斜角度(図示の例ではθb)が、ほぼ平均傾斜角度に対応している。ここでディスコティック構造単位の傾斜角度とは透明支持体に対するディスコティック構造円盤面の傾きのことであり、図1においては透明支持体法線に対するディスコティック円盤面法線の傾きとのなす角度に等しい。
<配向膜>
本発明の配向膜は、例えば、前記セルロースアシレートフィルムによる透明支持体上に設けられる。前記配向膜は、前記円盤状液晶性化合物等の液晶性化合物の配向方向を規定する機能を有する。
前記配向膜は、ラビング処理等の配向処理が施されたポリマー層であり、該ポリマー層を構成するポリマーとしては、特に制限はないが、例えば、ポリビニルアルコールが好ましい。
前記ポリビニルアルコールとしては、例えば、少なくとも1つのヒドロキシル基が、ビニル、オキシラニル、又はアジリジニルを有する基で置換されているものが挙げられる。これらは、一般に、前記ポリビニルアルコールのポリマー鎖(炭素原子)と、結合基としてのエーテル結合(−O−)、ウレタン結合(−OCONH−)、アセタール結合((−O−)2 CH−)、又はエステル結合(−OCO−)を介して間接的に結合していることが好ましく、より具体的には、前記ビニル、オキシラニル、又はアジリジニルを有する基が、結合基と共にポリビニルアルコールに結合していることが好ましい。
本発明の配向膜は、例えば、前記セルロースアシレートフィルムによる透明支持体上に設けられる。前記配向膜は、前記円盤状液晶性化合物等の液晶性化合物の配向方向を規定する機能を有する。
前記配向膜は、ラビング処理等の配向処理が施されたポリマー層であり、該ポリマー層を構成するポリマーとしては、特に制限はないが、例えば、ポリビニルアルコールが好ましい。
前記ポリビニルアルコールとしては、例えば、少なくとも1つのヒドロキシル基が、ビニル、オキシラニル、又はアジリジニルを有する基で置換されているものが挙げられる。これらは、一般に、前記ポリビニルアルコールのポリマー鎖(炭素原子)と、結合基としてのエーテル結合(−O−)、ウレタン結合(−OCONH−)、アセタール結合((−O−)2 CH−)、又はエステル結合(−OCO−)を介して間接的に結合していることが好ましく、より具体的には、前記ビニル、オキシラニル、又はアジリジニルを有する基が、結合基と共にポリビニルアルコールに結合していることが好ましい。
前記ポリビニルアルコールとしては、特に制限はないが、例えば、下記式(I)で表されるポリマーが挙げられる。
ただし、前記式(I)中、L11はエーテル結合、ウレタン結合、アセタール結合、及びエステル結合のいずれかを表し、R11は、アルキレン基及びアルキレンオキシ基のいずれかを表し、L12はR11とQ11とをつなぐ連結基を表わし、Q11はビニル、オキシラニル、及びアジリジニルのいずれかを表す。x1+y1+z1=100の条件にて、x1は10〜99.9モル%、y1は0.01〜80モル%、及びz1は0〜70モル%である。k及びhは、それぞれ0または1の整数を表す。
前記一般式(I)中、R11としては、例えば、炭素原子数1〜24のアルキレン基、少なくとも一個の隣接しないCH2基が−O−、−CO−、−NH−、−NR7−(R7は炭素原子数1〜4のアルキル基又は炭素原子数6〜15のアリール基を表わす)、−S−、−SO2−、炭素原子数6〜15のアリーレンで置換された炭素原子数3〜24のアルキレン基、アルキル、アリール、アルコキシ、アリーロキシ、アルキルチオ、アリールチオ、ハロゲン、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、アルキルカルボニルチオ、アリールカルボニルチオ、アルキルスルホニルチオ、アリールスルホニルチオ、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、カルボキシ、及びスルホで置換されたアルキレン基などが挙げられる。
前記R11としては、−R2−、−R3−(O−R4)t−OR5−、−R3−CO−R6−、−R3−NH−R6−、−R3−NR7−R6−、−R3−S−R6−、−R3−SO2−R6−、及び−R3−A2−R6−(R2、R3、R4、R5、及びR6は、それぞれ炭素原子数1〜24のアルキレン基を表し、R7は炭素原子数1〜12のアルキル基及び炭素原子数6〜15のアリール基のいずれかを表し、A2は炭素原子数6〜24のアリーレン基を表し、tは、0〜4の整数を表す。)のいずれかを表わすことが好ましい。
更に、前記R11は、−R2−及び−R3−(O−CH2CH2)t−(但し、R2及びR3は、それぞれ炭素原子数1〜12のアルキレン基を表し、tは0〜2の整数を表す。)を表わすことが好ましく、これらの中でも、炭素原子数1〜12のアルキレン基が好ましい。
更に、前記R11は、−R2−及び−R3−(O−CH2CH2)t−(但し、R2及びR3は、それぞれ炭素原子数1〜12のアルキレン基を表し、tは0〜2の整数を表す。)を表わすことが好ましく、これらの中でも、炭素原子数1〜12のアルキレン基が好ましい。
前記アルキレン基は置換基を有していてもよい。前記置換基しては、例えば、炭素原子数1〜24のアルキル基、炭素原子数6〜24のアリール基、炭素原子数1〜24のアルコキシ基、炭素原子数6〜24のアリールオキシ基、炭素原子数1〜24のアルキルチオ基、炭素原子数6〜24のアリールチオ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、炭素原子数2〜24のアルキルカルボニル基、炭素原子数7〜24のアリールカルボニル基、炭素原子数1〜24のアルキルスルホニル基、炭素原子数6〜24のアリールスルホニル基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、炭素原子数2〜24のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数7〜24のアリールカルボニルオキシ基、炭素原子数1〜24のアルキルスルホニルオキシ、炭素原子数6〜24のアリールスルホニルオキシ基、炭素原子数2〜24のアルキルカルボニルチオ基、炭素原子数7〜24のアリールカルボニルチオ基、炭素原子数1〜24のアルキルスルホニルチオ基、炭素原子数6〜24のアリールスルホニルチオ基、炭素原子数2〜24のアルキルカルボニルアミノ基、炭素原子数7〜24のアリールカルボニルアミノ基、炭素原子数1〜24のアルキルスルホニルアミノ基、炭素原子数6〜24のアリールスルホニルアミノ基、カルボキシ基、スルホ基が挙げられる。
前記アルキレン基の好ましい置換基としては、炭素原子数1〜24のアルキル基(特に炭素原子数1〜12)、炭素原子数6〜24のアリール基(特に炭素原子数6〜14)、炭素原子数2〜24のアルコキシアルキル基(特に炭素原子数2〜12)が挙げられる。
前記アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、i−プロピル、i−ブチル、sec−ブチル、t−アミル、2−エチルヘキシルなどが挙げられる。
1〜4個のアルコキシ基で置換された前記アルキル基としては、例えば、2−メトキシエチル、2−(2−メトキシエトキシ)エチル、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エチル、2−n−ブトキシエチル、2−エトキシエチル、2−(2−エトキシエトキシ)エチル、3−メトキシプロピル、3−エトキシプロピル、3−n−プロピルオキシプロピル、2−メチルブチルオキシメチルなどが挙げられる。
前記アリール基としては、例えば、フェニル、2−トリル、3−トリル、4−トリル、2−アニシル、3−アニシル、4−アニシル、2−ビフェニル、3−ビフェニル、4−ビフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルなどが挙げられる。また、前記アリール基は複素環基でもよく、該複素環基としては、例えば、ピリジル、ピリミジル、チアゾリル及びオキサゾリルなどが挙げられる。
前記アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、i−プロピル、i−ブチル、sec−ブチル、t−アミル、2−エチルヘキシルなどが挙げられる。
1〜4個のアルコキシ基で置換された前記アルキル基としては、例えば、2−メトキシエチル、2−(2−メトキシエトキシ)エチル、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エチル、2−n−ブトキシエチル、2−エトキシエチル、2−(2−エトキシエトキシ)エチル、3−メトキシプロピル、3−エトキシプロピル、3−n−プロピルオキシプロピル、2−メチルブチルオキシメチルなどが挙げられる。
前記アリール基としては、例えば、フェニル、2−トリル、3−トリル、4−トリル、2−アニシル、3−アニシル、4−アニシル、2−ビフェニル、3−ビフェニル、4−ビフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルなどが挙げられる。また、前記アリール基は複素環基でもよく、該複素環基としては、例えば、ピリジル、ピリミジル、チアゾリル及びオキサゾリルなどが挙げられる。
前記式(I)中、L12としては、例えば、−O−、−S−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−CO−O−CO−、−NRCO−、−CONR−、−NR−、−NRCONR−、−NRCO−O−、−OCONR−(ただし、Rは水素原子又は低級アルキル基を表わす。)などが好ましい。
前記式(I)中、−(L12)h
−Q12としては、例えば、ビニル、ビニルオキシ、アクリロイル、メタクリロイル、クロトノイル、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ、クロトノイルオキシ、ビニルフェノキシ、ビニルベンゾイルオキシ、スチリル、1,2−エポキシエチル、1,2−エポキシプロピル、2,3−エポキシプロピル、1,2−イミノエチル、1,2−イミノプロピル又は2,3−イミノプロピルなどが好ましい。
更に、前記−(L12)h
−Q12としては、ビニル、ビニルオキシ、アクリロイル、メタクリロイル、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ、クロトノイルオキシ、ビニルベンゾイルオキシ、1,2−エポキシエチル、1,2−エポキシプロピル、2,3−エポキシプロピル、1,2−イミノエチル、1,2−イミノプロピル、2,3−イミノプロピルも好ましい。これらの中では特に、アクリロイル、メタクリロイル、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシが好ましい。
前記式(I)中、−(L12)h
−Q12としては、例えば、ビニル、ビニルオキシ、アクリロイル、メタクリロイル、クロトノイル、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ、クロトノイルオキシ、ビニルフェノキシ、ビニルベンゾイルオキシ、スチリル、1,2−エポキシエチル、1,2−エポキシプロピル、2,3−エポキシプロピル、1,2−イミノエチル、1,2−イミノプロピル又は2,3−イミノプロピルなどが好ましい。
更に、前記−(L12)h
−Q12としては、ビニル、ビニルオキシ、アクリロイル、メタクリロイル、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ、クロトノイルオキシ、ビニルベンゾイルオキシ、1,2−エポキシエチル、1,2−エポキシプロピル、2,3−エポキシプロピル、1,2−イミノエチル、1,2−イミノプロピル、2,3−イミノプロピルも好ましい。これらの中では特に、アクリロイル、メタクリロイル、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシが好ましい。
前記アルキル基及びアルコキシ基の炭素原子数は、1〜24個が好ましく、1〜12個が特に好ましい。
前記アルキル基としては、例えば、無置換のアルキル基(例えば、メチル、エチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、i−プロピル、i−ブチル、sec−ブチル、t−アミル、2−エチルヘキシル等);1〜4のアルコキシで置換されたアルキル基(例えば、2−メトキシエチル、2−(2−メトキシエトキシ)エチル、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エチル、2−n−ブトキシエチル、2−エトキシエチル、2−(2−エトキシエトキシ)エチル、3−メトキシプロピル、3−エトキシプロピル、3−n−プロピルオキシプロピル、3−ベンジルオキシプロピル、2−メチルブチルオキシメチル等);アラルキル基(例えば、2−フェニルエチルおよび2−(4−n−ブチルオキシフェニル)エチル);ビニルアルキル基(例えば、ビニルメチル、2−ビニルエチル、5−ビニルペンチル、6−ビニルヘキシル、7−ビニルヘプチル、8−ビニルオクチル等);ビニルオキシアルキル基(例えば、2−ビニルオキシエチル、5−ビニルオキシペンチル、6−ビニルオキシヘキシル、7−ビニルオキシヘプチル、8−ビニルオキシオクチル等);オキシラニルアルキル基(例えば、3,4−エポキシブチル、4,5−エポキシペンチル、5,6−エポキシヘキシル、6,7−エポキシヘプチル、7,8−エポキシオクチル、6,7−エポキシオクチル等);アクリロイルオキシアルキル基(例えば、2−アクリロイルオキシエチル、3−アクリロイルオキシプロピル、4−アクリロイルオキシブチル、5−アクリロイルオキシペンチル,6−アクリロイルオキシヘキシル、7−アクリロイルオキシヘプチル、8−アクリロイルオキシオクチル等);メタクリロイルオキシアルキル基(例えば、2−メタクリロイルオキシエチル、3−メタクリロイルオキシプロピル、4−メタクリロイルオキシブチル、5−メタクリロイルオキシペンチル,6−メタクリロイルオキシヘキシル、7−メタクリロイルオキシヘプチル、8−メタクリロイルオキシオクチル等);クロトノイルオキシアルキル基(例えば、2−クロトノイルオキシエチル、3−クロトノイルオキシプロピル、4−クロトノイルオキシブチル、5−クロトノイルオキシペンチル,6−クロトノイルオキシヘキシル、7−クロトノイルオキシヘプチルおよび8−クロトノイルオキシオクチル等)が挙げられる。
前記アルキル基としては、例えば、無置換のアルキル基(例えば、メチル、エチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、i−プロピル、i−ブチル、sec−ブチル、t−アミル、2−エチルヘキシル等);1〜4のアルコキシで置換されたアルキル基(例えば、2−メトキシエチル、2−(2−メトキシエトキシ)エチル、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エチル、2−n−ブトキシエチル、2−エトキシエチル、2−(2−エトキシエトキシ)エチル、3−メトキシプロピル、3−エトキシプロピル、3−n−プロピルオキシプロピル、3−ベンジルオキシプロピル、2−メチルブチルオキシメチル等);アラルキル基(例えば、2−フェニルエチルおよび2−(4−n−ブチルオキシフェニル)エチル);ビニルアルキル基(例えば、ビニルメチル、2−ビニルエチル、5−ビニルペンチル、6−ビニルヘキシル、7−ビニルヘプチル、8−ビニルオクチル等);ビニルオキシアルキル基(例えば、2−ビニルオキシエチル、5−ビニルオキシペンチル、6−ビニルオキシヘキシル、7−ビニルオキシヘプチル、8−ビニルオキシオクチル等);オキシラニルアルキル基(例えば、3,4−エポキシブチル、4,5−エポキシペンチル、5,6−エポキシヘキシル、6,7−エポキシヘプチル、7,8−エポキシオクチル、6,7−エポキシオクチル等);アクリロイルオキシアルキル基(例えば、2−アクリロイルオキシエチル、3−アクリロイルオキシプロピル、4−アクリロイルオキシブチル、5−アクリロイルオキシペンチル,6−アクリロイルオキシヘキシル、7−アクリロイルオキシヘプチル、8−アクリロイルオキシオクチル等);メタクリロイルオキシアルキル基(例えば、2−メタクリロイルオキシエチル、3−メタクリロイルオキシプロピル、4−メタクリロイルオキシブチル、5−メタクリロイルオキシペンチル,6−メタクリロイルオキシヘキシル、7−メタクリロイルオキシヘプチル、8−メタクリロイルオキシオクチル等);クロトノイルオキシアルキル基(例えば、2−クロトノイルオキシエチル、3−クロトノイルオキシプロピル、4−クロトノイルオキシブチル、5−クロトノイルオキシペンチル,6−クロトノイルオキシヘキシル、7−クロトノイルオキシヘプチルおよび8−クロトノイルオキシオクチル等)が挙げられる。
前記式(I)中、x1+y1+z1としては、x1+y1+z1=100の条件にて、x1は50〜99.9モル%が好ましい。y1は0.01〜50モル%が好ましく、0.01〜20モル%がより好ましく、0.01〜10モル%が更に好ましく、0.01〜5モル%が特に好ましい。z1は0.01〜50モル%が好ましい。
ここで、前記x1の比率を大きくすることにより、配向膜における前記表面自由エネルギーの水素結合成分γsh (AL)の値を大きくしやすくなり、これによりγsd (AL)の値を小さくしやすくできる。したがって、x1の比率によりΔγsdを調整できる。
ここで、前記x1の比率を大きくすることにより、配向膜における前記表面自由エネルギーの水素結合成分γsh (AL)の値を大きくしやすくなり、これによりγsd (AL)の値を小さくしやすくできる。したがって、x1の比率によりΔγsdを調整できる。
−レターデーション上昇剤−
本発明の光学補償フィルムには、レターデーション値を発現するためにレターデーション上昇剤を用いることが好ましい。
ここで、本明細書において、「レターデーション上昇剤」とは、ある添加剤を含むセルロースアシレートフィルムの波長550nmで測定した面内レターデーション(Re)値が、その添加剤を含まない以外は全く同様に作製したセルロースアシレートフィルムの波長550nmで測定した面内レターデーション(Re)値(未延伸状態)よりも、20nm以上高い値となる添加剤を意味する。
前記面内レターデーション(Re)値の上昇は、30nm以上であることが好ましく、40nm以上であることがより好ましく、60nm以上であることが特に好ましい。
本発明の光学補償フィルムには、レターデーション値を発現するためにレターデーション上昇剤を用いることが好ましい。
ここで、本明細書において、「レターデーション上昇剤」とは、ある添加剤を含むセルロースアシレートフィルムの波長550nmで測定した面内レターデーション(Re)値が、その添加剤を含まない以外は全く同様に作製したセルロースアシレートフィルムの波長550nmで測定した面内レターデーション(Re)値(未延伸状態)よりも、20nm以上高い値となる添加剤を意味する。
前記面内レターデーション(Re)値の上昇は、30nm以上であることが好ましく、40nm以上であることがより好ましく、60nm以上であることが特に好ましい。
前記レターデーション上昇剤は、少なくとも二つの芳香族環を有する化合物が好ましい。前記レターデーション上昇剤の使用量は、ポリマー100質量部に対して、0.01乃至20質量部が好ましく、0.1乃至10質量部の範囲がより好ましく、0.2乃至5質量部が更に好ましく、0.5乃至2質量部が特に好ましい。なお、前記レターデーション上昇剤は、1種単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
前記レターデーション上昇剤は、250乃至400nmの波長領域に最大吸収を有することが好ましく、可視領域に実質的に吸収を有していないことが好ましい。
前記レターデーション上昇剤は、250乃至400nmの波長領域に最大吸収を有することが好ましく、可視領域に実質的に吸収を有していないことが好ましい。
本発明の光学補償フィルムは、液晶性化合物の表面自由エネルギーにおける分散力成分と配向膜の表面自由エネルギーにおける分散力成分と、の差を、−4.0erg/cm2以上としたり、液晶性化合物を円盤状液晶性化合物とすることにより、光学補償フィルムにおける光学異方性層のレターデーション制御を容易にできるので、液晶表示装置における偏光板に好適に用いることができ、特に本発明の液晶表示装置に好適に用いることができる。
(液晶表示装置)
<偏光板>
本発明では、偏光膜と該偏光膜を挟持する一対の保護膜とからなる偏光板を用いることができる。例えば、ポリビニルアルコールフィルム等からなる偏光膜をヨウ素にて染色し、延伸を行い、その両面を保護膜にて積層して得られる偏光板を用いることができる。該偏光板は液晶セルの外側に配置される。偏光膜と該偏光膜を挟持する一対の保護膜とからなる一対の偏光板を、液晶セルを挟持して配置させるのが好ましい。
前記偏光膜を挟持する一対の保護膜は、少なくとも一方が、本発明の光学補償フィルムである。すなわち、本発明の液晶表示装置は、本発明の光学補償フィルムを少なくとも1枚含む。
<偏光板>
本発明では、偏光膜と該偏光膜を挟持する一対の保護膜とからなる偏光板を用いることができる。例えば、ポリビニルアルコールフィルム等からなる偏光膜をヨウ素にて染色し、延伸を行い、その両面を保護膜にて積層して得られる偏光板を用いることができる。該偏光板は液晶セルの外側に配置される。偏光膜と該偏光膜を挟持する一対の保護膜とからなる一対の偏光板を、液晶セルを挟持して配置させるのが好ましい。
前記偏光膜を挟持する一対の保護膜は、少なくとも一方が、本発明の光学補償フィルムである。すなわち、本発明の液晶表示装置は、本発明の光学補償フィルムを少なくとも1枚含む。
ここで、本明細書において、「偏光板」とは、特に断りのない限り、長尺の偏光板及び液晶装置に組み込まれる大きさに裁断された(本明細書において、「裁断」には「打ち抜き」及び「切り出し」等も含むものとする。)偏光板の両者を含む意味で用いられる。また、本明細書では、「偏光膜」及び「偏光板」を区別して用いるが、「偏光板」は「偏光膜」の少なくとも片面に該偏光膜を保護する保護膜を有する積層体のことを意味する。
−接着剤−
前記偏光膜と保護膜との接着剤としては、特に制限はないが、例えば、アセトアセチル基、スルホン酸基、カルボキシル基、オキシアルキレン基等の変性ポリビニルアルコール(以下、単に「PVA」と称することもある。)を含んでもよいPVA系樹脂、ホウ素化合物水溶液などが挙げられ、これらの中でもPVA系樹脂が好ましい。
前記接着剤による層の厚みは、例えば、乾燥後において0.01〜10μmが好ましく、0.05〜5μmが特に好ましい。
前記偏光膜と保護膜との接着剤としては、特に制限はないが、例えば、アセトアセチル基、スルホン酸基、カルボキシル基、オキシアルキレン基等の変性ポリビニルアルコール(以下、単に「PVA」と称することもある。)を含んでもよいPVA系樹脂、ホウ素化合物水溶液などが挙げられ、これらの中でもPVA系樹脂が好ましい。
前記接着剤による層の厚みは、例えば、乾燥後において0.01〜10μmが好ましく、0.05〜5μmが特に好ましい。
−偏光膜と保護膜との製造方法−
本発明に使用可能な偏光板は、偏光膜用フィルムを延伸後に収縮させて、揮発分率を低下させる乾燥工程を少なくとも含み、乾燥後又は乾燥中に少なくとも片面に保護膜を貼り合わせた後に、加熱を行なう後加熱工程を含むことが好ましい。
前記保護膜が、透明フィルムとして機能する光学異方性層の支持体を兼ねている態様では、片面に保護膜、反対側に光学異方性層を有する支持体を貼り合わせた後に、加熱するのが好ましい。
具体的な貼り付け方法としては、フィルムの乾燥工程中、両端を保持した状態で接着剤を用いて偏光膜に保護膜を貼り付け、その後両端を切断する方法、乾燥後に両端保持部から偏光膜用フィルムを解除し、フィルム両端を切断した後、保護膜を貼り付ける方法などが挙げられる。
前記切断の方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択して用いることができ、刃物などのカッターで切る方法、レーザーを用いる方法などが挙げられるが、貼り合わせた後に、前記接着剤を乾燥させるため、及び偏光性能を良化させるために、加熱することが好ましい。
前記加熱の条件としては、前記接着剤の種類により異なるが、例えば、前記接着剤が水系の場合は、30℃以上が好ましく、40〜100℃がより好ましく、50〜90℃が特に好ましい。これらの工程は一貫のラインで製造されることが、性能上及び生産効率上更に好ましい。
本発明に使用可能な偏光板は、偏光膜用フィルムを延伸後に収縮させて、揮発分率を低下させる乾燥工程を少なくとも含み、乾燥後又は乾燥中に少なくとも片面に保護膜を貼り合わせた後に、加熱を行なう後加熱工程を含むことが好ましい。
前記保護膜が、透明フィルムとして機能する光学異方性層の支持体を兼ねている態様では、片面に保護膜、反対側に光学異方性層を有する支持体を貼り合わせた後に、加熱するのが好ましい。
具体的な貼り付け方法としては、フィルムの乾燥工程中、両端を保持した状態で接着剤を用いて偏光膜に保護膜を貼り付け、その後両端を切断する方法、乾燥後に両端保持部から偏光膜用フィルムを解除し、フィルム両端を切断した後、保護膜を貼り付ける方法などが挙げられる。
前記切断の方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択して用いることができ、刃物などのカッターで切る方法、レーザーを用いる方法などが挙げられるが、貼り合わせた後に、前記接着剤を乾燥させるため、及び偏光性能を良化させるために、加熱することが好ましい。
前記加熱の条件としては、前記接着剤の種類により異なるが、例えば、前記接着剤が水系の場合は、30℃以上が好ましく、40〜100℃がより好ましく、50〜90℃が特に好ましい。これらの工程は一貫のラインで製造されることが、性能上及び生産効率上更に好ましい。
−偏光板の性能−
本発明に関連する保護膜、偏光子、及び支持体からなる偏光板の光学的性質及び耐久性(短期、長期での保存性)としては、市販のスーパーハイコントラスト品(例えば、株式会社サンリッツ社製HLC2−5618等)と同等以上の性能を有することが好ましい。
具体的には、可視光透過率が42.5%以上で、偏光度{(Tp−Tc)/(Tp+Tc)}1/2≧0.9995(ただし、Tpは平行透過率、Tcは直交透過率を表す。)であり、60℃、湿度90%RH雰囲気下に500時間及び80℃、ドライ雰囲気下に500時間放置した場合のその前後における光透過率の変化率が絶対値に基づいて3%以下であることが好ましく、1%以下であることがより好ましい。また、偏光度の変化率は絶対値に基づいて1%以下であることが好ましく、0.1%以下であることがより好ましい。
本発明に関連する保護膜、偏光子、及び支持体からなる偏光板の光学的性質及び耐久性(短期、長期での保存性)としては、市販のスーパーハイコントラスト品(例えば、株式会社サンリッツ社製HLC2−5618等)と同等以上の性能を有することが好ましい。
具体的には、可視光透過率が42.5%以上で、偏光度{(Tp−Tc)/(Tp+Tc)}1/2≧0.9995(ただし、Tpは平行透過率、Tcは直交透過率を表す。)であり、60℃、湿度90%RH雰囲気下に500時間及び80℃、ドライ雰囲気下に500時間放置した場合のその前後における光透過率の変化率が絶対値に基づいて3%以下であることが好ましく、1%以下であることがより好ましい。また、偏光度の変化率は絶対値に基づいて1%以下であることが好ましく、0.1%以下であることがより好ましい。
<具体例>
本発明の液晶表示装置の一例を、図2に示す。前記液晶表示装置は、電圧印加時、すなわち黒表示時に、液晶が基板面に対してベンド配向する液晶層7と、それを挟む基板6及び8からなる液晶セルとを有する。
前記基板6及び8は、液晶面に配向処理が施してあり、矢印RDの方向がラビング方向となっている。なお、前記矢印RDは、裏面の場合は破線矢印で示してある。
前記液晶セルを挟持して、偏光膜1及び101が配置されている。偏光膜1及び101は、それぞれの透過軸2及び102を、互いに直交に、かつ液晶セルの液晶層7のRD方向と45度の角度に配置される。
前記偏光膜1及び101と液晶セルとの間には、セルロースアシレートフィルム3a及び103aと光学異方性層5及び9がそれぞれ配置されている。セルロースアシレートフィルム3a及び103aは、その遅相軸4a及び104aが、それぞれに隣接する偏光膜1及び101の透過軸2及び102の方向と平行に配置されている。また、光学異方性層5及び9は、液晶性化合物の配向によって発現された光学異方性を有する。
本発明の液晶表示装置の一例を、図2に示す。前記液晶表示装置は、電圧印加時、すなわち黒表示時に、液晶が基板面に対してベンド配向する液晶層7と、それを挟む基板6及び8からなる液晶セルとを有する。
前記基板6及び8は、液晶面に配向処理が施してあり、矢印RDの方向がラビング方向となっている。なお、前記矢印RDは、裏面の場合は破線矢印で示してある。
前記液晶セルを挟持して、偏光膜1及び101が配置されている。偏光膜1及び101は、それぞれの透過軸2及び102を、互いに直交に、かつ液晶セルの液晶層7のRD方向と45度の角度に配置される。
前記偏光膜1及び101と液晶セルとの間には、セルロースアシレートフィルム3a及び103aと光学異方性層5及び9がそれぞれ配置されている。セルロースアシレートフィルム3a及び103aは、その遅相軸4a及び104aが、それぞれに隣接する偏光膜1及び101の透過軸2及び102の方向と平行に配置されている。また、光学異方性層5及び9は、液晶性化合物の配向によって発現された光学異方性を有する。
前記基板6及び8の液晶分子7に接触する表面(以下、「内面」と称することもある。)には、配向膜(不図示)が形成されていて、電圧無印加状態又は低印加状態における液晶分子7の配向が、プレチルト角をもった平行方向に制御されている。また、前記基板6及び8の内面には、液晶分子7からなる液晶層に電圧を印加可能な透明電極(不図示)が形成されている。
本発明では、液晶層の厚さd(μm)と屈折率異方性Δnとの積Δn・dは、0.1〜1.5μmとするのが好ましく、0.2〜1.5μmとするのがより好ましく、0.2〜1.2μmとするのが更に好ましく、0.6〜0.9μmとするのが特に好ましい。これらの範囲では、白電圧印加時における白表示輝度が高いことから、明るくコントラストの高い表示装置が得られる。
用いる液晶材料としては、特に制限はないが、例えば、基板6及び8間に電界が印加される態様では、電界方向に平行に液晶分子7が応答するような、誘電率異方性が正の液晶材料を使用することが好ましい。
本発明では、液晶層の厚さd(μm)と屈折率異方性Δnとの積Δn・dは、0.1〜1.5μmとするのが好ましく、0.2〜1.5μmとするのがより好ましく、0.2〜1.2μmとするのが更に好ましく、0.6〜0.9μmとするのが特に好ましい。これらの範囲では、白電圧印加時における白表示輝度が高いことから、明るくコントラストの高い表示装置が得られる。
用いる液晶材料としては、特に制限はないが、例えば、基板6及び8間に電界が印加される態様では、電界方向に平行に液晶分子7が応答するような、誘電率異方性が正の液晶材料を使用することが好ましい。
例えば、前記液晶セルをOptically Compensated Birefrungence(OCB)モードの液晶セルとする場合は、基板6及び8間に、誘電異方性が正で、Δn=0.08、Δε=5程度のネマチック液晶材料などを用いることができる。液晶層の厚さdについては特に制限はないが、前記ネマチック液晶材料を用いる場合、例えば6μm程度に設定することができる。前記厚さdと、白電圧印加時の屈折率異方性Δnの積Δn・dの大きさにより白表示時の明るさが変化するので、白電圧印加時において十分な明るさを得るためには、無印加状態における液晶層のΔn・dは0.6〜1.5μmの範囲になるように設定するのが好ましい。
なお、OCBモードの液晶表示装置では、TNモードの液晶表示装置で一般的に使われているカイラル材の添加は、動的応答特性を劣化させるため用いることは少ないが、配向不良を低減するために添加されることもある。また、マルチドメイン構造とする場合には、各ドメイン間の境界領域の液晶分子の配向を調整するのに有利である。
ここで、「マルチドメイン構造」とは、液晶表示装置の一画素を複数の領域に分割した構造をいう。
例えば、OCBモードにおいて、前記マルチドメイン構造にすると、輝度や色調の視野角特性が改善されるので好ましい。具体的には、画素のそれぞれを液晶分子の初期配向状態が互いに異なる2以上(好ましくは4又は8)の領域で構成して平均化することで、視野角に依存した輝度や色調の偏りを低減することができる。また、それぞれの画素を、電圧印加状態において液晶分子の配向方向が連続的に変化する互いに異なる2以上の領域から構成しても同様の効果が得られる。
ここで、「マルチドメイン構造」とは、液晶表示装置の一画素を複数の領域に分割した構造をいう。
例えば、OCBモードにおいて、前記マルチドメイン構造にすると、輝度や色調の視野角特性が改善されるので好ましい。具体的には、画素のそれぞれを液晶分子の初期配向状態が互いに異なる2以上(好ましくは4又は8)の領域で構成して平均化することで、視野角に依存した輝度や色調の偏りを低減することができる。また、それぞれの画素を、電圧印加状態において液晶分子の配向方向が連続的に変化する互いに異なる2以上の領域から構成しても同様の効果が得られる。
前記セルロースアシレートフィルム3a及び103aは、波長450nmにおける面内レターデーション(Re)と厚み方向のレターデーション(Rth)との比Re/Rth(450nm)が、波長550nmにおけるRe/Rth(550nm)の0.4〜0.95倍であり、波長650nmにおけるRe/Rth(650nm)が、Re/Rth(550nm)の1.05〜1.9倍の関係を満たし、かつRthが70〜400nmであることが好ましい。前記セルロースアシレートフィルム3a及び103aは、光学異方性層5及び9の支持体として機能していてもよいし、偏光膜1と偏光膜101の保護膜としても機能していてもよいし、双方の機能を有していてもよい。すなわち、偏光膜1、セルロースアシレートフィルム3a、及び光学異方性層5、又は、偏光膜101、セルロースアシレートフィルム103a、及び光学異方性層9は、一体化された積層体として液晶表示装置内部に組み込まれていてもよいし、それぞれ単独の部材として組み込まれていてもよい。また、セルロースアシレートフィルム3aと偏光膜1との間、又はセルロースアシレートフィルム103aと偏光膜101との間に、別途、偏光膜用の保護膜が配置された構成であってもよいが、該保護膜は配置されていないのが好ましい。
前記セルロースアシレートフィルム3aの遅相軸4a、セルロースアシレートフィルム103aの遅相軸104aは、互いに実質的に平行又は直交しているのが好ましい。前記セルロースアシレートフィルム3a、103aの遅相軸4a及び104aが互いに直交していると、それぞれのセルロースアシレートフィルムの複屈折を互いに打ち消すことにより、液晶表示装置に垂直入射した光の光学特性が劣化するのを低減することができる。また、遅相軸4a及び104aが互いに平行する態様では、液晶層に残留位相差がある場合には保護膜の複屈折でこの位相差を補償することができる。
前記セルロースアシレートフィルム3aの遅相軸4a、セルロースアシレートフィルム103aの遅相軸104aは、互いに実質的に平行又は直交しているのが好ましい。前記セルロースアシレートフィルム3a、103aの遅相軸4a及び104aが互いに直交していると、それぞれのセルロースアシレートフィルムの複屈折を互いに打ち消すことにより、液晶表示装置に垂直入射した光の光学特性が劣化するのを低減することができる。また、遅相軸4a及び104aが互いに平行する態様では、液晶層に残留位相差がある場合には保護膜の複屈折でこの位相差を補償することができる。
前記偏光膜1及び101の、透過軸2及び102、セルロースアシレートフィルム3a、103aの遅相軸方向4a及び104a、並びに液晶分子7の配向方向については、各部材に用いられる材料、表示モード、部材の積層構造等に応じて最適な範囲に調整する。すなわち、前記偏光膜1の透過軸2、及び偏光膜101の透過軸102が、互いに実質的に直交しているように配置する。ただし、本発明の液晶表示装置は、この構成に限定されるものではない。
前記光学異方性層5及び9は、セルロースアシレートフィルム3a及び103aと、液晶セルとの間に配置される。
前記光学異方性層5及び9は、液晶性化合物、例えば、棒状液晶性化合物又は円盤状液晶性化合物を含有する組成物から形成された層である。光学異方性層において、液晶性化合物の分子は、所定の配向状態に固定されている。前記光学異方性層5及び9中の液晶性化合物における分子対称軸の、少なくともセルロースアシレートフィルム3a、103a側の界面における配向平均方向5a及び9aと、セルロースアシレートフィルム3a、103aの面内の遅相軸4a及び104aは、略45度で交差している。このような関係で配置すると、前記光学異方性層5又は9が、法線方向からの入射光に対してレターデーションを生じさせて、光漏れを生じさせることがない。同様に、前記液晶セル側の界面においても、光学異方性層5及び9の分子対称軸の配向平均方向は、セルロースアシレートフィルム3a、103aの面内の遅相軸4a及び104aは略45度であるのが好ましい。
前記光学異方性層5及び9は、液晶性化合物、例えば、棒状液晶性化合物又は円盤状液晶性化合物を含有する組成物から形成された層である。光学異方性層において、液晶性化合物の分子は、所定の配向状態に固定されている。前記光学異方性層5及び9中の液晶性化合物における分子対称軸の、少なくともセルロースアシレートフィルム3a、103a側の界面における配向平均方向5a及び9aと、セルロースアシレートフィルム3a、103aの面内の遅相軸4a及び104aは、略45度で交差している。このような関係で配置すると、前記光学異方性層5又は9が、法線方向からの入射光に対してレターデーションを生じさせて、光漏れを生じさせることがない。同様に、前記液晶セル側の界面においても、光学異方性層5及び9の分子対称軸の配向平均方向は、セルロースアシレートフィルム3a、103aの面内の遅相軸4a及び104aは略45度であるのが好ましい。
また、前記光学異方性層5の液晶性化合物における分子対称軸の偏光膜側(セルロースアシレートフィルム界面側)の配向平均方向5aは、より近くに位置する偏光膜1の透過軸2と略45度に配置するのが好ましい。同様に、光学異方性層9の液晶性化合物の分子対称軸の偏光膜側(セルロースアシレートフィルム界面側)の配向平均方向9aが、より近くに位置する偏光膜101の透過軸102と略45度に配置するのが好ましい。このような関係で配置すると、前記光学異方性層5又は9が発生するレターデーションと液晶層で発生するレターデーションとの和に応じて光スイッチングをすることができる。
次に、図2の液晶表示装置の画像表示の原理について説明する。
液晶セル基板6及び8のそれぞれの透明電極(不図示)に黒に対応する駆動電圧を印加した駆動状態では、液晶層中の液晶分子7はベンド配向をし、そのときの面内のレターデーションを光学異方性層5及び9の面内のレターデーションで相殺して、その結果、入射した光の偏光状態はほとんど変化しない。偏光膜1と101の透過軸2、102は直交しているので、下側(例えば背面電極)から入射した光は、偏光膜101によって偏光され、偏光状態を維持したまま液晶セル5〜8を通過し、偏光膜1によって遮断される。すなわち、図1の液晶表示装置では、駆動状態において理想的な黒表示を実現する。これに対し、透明電極(不図示)に白に対応する駆動電圧を印加した駆動状態では、液晶層中の液晶分子7は黒に対応するベンド配向と異なったベンド配向になり、正面における面内レターデーションが黒のときと変化する。その結果、光学異方性層5及び9の面内のレターデーションで相殺しなくなり、液晶セル5〜8を通過することによって偏光状態が変化し、偏光膜1を通過する。すなわち、白表示が得られる。
液晶セル基板6及び8のそれぞれの透明電極(不図示)に黒に対応する駆動電圧を印加した駆動状態では、液晶層中の液晶分子7はベンド配向をし、そのときの面内のレターデーションを光学異方性層5及び9の面内のレターデーションで相殺して、その結果、入射した光の偏光状態はほとんど変化しない。偏光膜1と101の透過軸2、102は直交しているので、下側(例えば背面電極)から入射した光は、偏光膜101によって偏光され、偏光状態を維持したまま液晶セル5〜8を通過し、偏光膜1によって遮断される。すなわち、図1の液晶表示装置では、駆動状態において理想的な黒表示を実現する。これに対し、透明電極(不図示)に白に対応する駆動電圧を印加した駆動状態では、液晶層中の液晶分子7は黒に対応するベンド配向と異なったベンド配向になり、正面における面内レターデーションが黒のときと変化する。その結果、光学異方性層5及び9の面内のレターデーションで相殺しなくなり、液晶セル5〜8を通過することによって偏光状態が変化し、偏光膜1を通過する。すなわち、白表示が得られる。
本発明では、セルロースアシレートフィルムのReとRthの比であるRe/Rthにも着目している。これは、Re/Rthの値は、2軸性複屈折媒体を斜め方向に進む光の伝播における2つの固有偏光の軸を決定するものだからである。2軸性複屈折媒体を斜め方向に進む光の伝播における2つの固有偏光の軸は、屈折率楕円体を光の進行方向の法線方向で切ったときに出来る断面の長軸と短軸の方向に対応する。
従来の技術では、R、G、B各波長にかかわりなくRe/Rthの値はほぼ同一、すなわち遅相軸角度もほぼ同一になっていた。それに対し、本発明では、R、G、B各波長について、別々にRe/Rthの関係を規定することで、偏光状態の変化を主に決定するファクターである遅相軸及びレターデーションの双方をR、G、B各波長において最適化している。そして、セルロースアシレートフィルムを通った斜め方向の光が、液晶性化合物の配向を固定した光学異方性層を通り、さらにベンド配向の液晶層を通ったときに、どの波長でもレターデーション及び上下偏光膜の見かけの透過軸が正面からずれるという2つの要因を同時に補償出来るように、セルロースアシレートフィルムのRe/Rthの値を波長に応じて調整している。
具体的には、波長が大きいほどセルロースアシレートフィルムのRe/Rthを大きくすることによって、光学異方性層及び液晶セル層の波長分散によって発生するR、G、Bにおける偏光状態の差をなくすることが可能になる。その結果、完全な補償を可能とし、コントラストの低下を軽減している。R、G、Bで可視光全領域を代表させてフィルムのパラメータを決めれば、可視光全領域でほぼ完全な補償をすることができるということになる。
具体的には、波長が大きいほどセルロースアシレートフィルムのRe/Rthを大きくすることによって、光学異方性層及び液晶セル層の波長分散によって発生するR、G、Bにおける偏光状態の差をなくすることが可能になる。その結果、完全な補償を可能とし、コントラストの低下を軽減している。R、G、Bで可視光全領域を代表させてフィルムのパラメータを決めれば、可視光全領域でほぼ完全な補償をすることができるということになる。
また、本発明では、特定の波長分散特性を有する光学異方性層、更に特定の光学特性を示すセルロースアシレートフィルム(本発明の光学補償フィルム)を組み合わせて配置することで、OCBモードの液晶表示装置の正面、左右の黒の光抜け及び色ずれを同時に改善している。
また、本発明の液晶表示装置は、図2に示す構成に限定されず、他の部材を含んでいてもよい。例えば、液晶セルと偏光膜との間にカラーフィルターを配置してもよい。また、透過型として使用する場合は、冷陰極、熱陰極蛍光管、発光ダイオード、フィールドエミッション素子、又はエレクトロルミネッセント素子を光源とするバックライトを背面に配置することができる。
また、本発明の液晶表示装置には、画像直視型、画像投影型、及び光変調型が含まれる。本発明は、Thin Film Transistor(TFT)やMetal−Insulator−Metal(MIM)のような3端子又は2端子半導体素子を用いたアクティブマトリックス液晶表示装置に適用した態様が特に有効である。更に、時分割駆動と呼ばれるSuper−Twisted Nematic(STN)型に代表されるパッシブマトリックス液晶表示装置に適用した態様も有効である。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
−セルロースアセテートフィルムの作製−
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
〔セルロースアセテート溶液の組成〕
酢化度60.9%のセルロースアセテート・・・100質量部
トリフェニルフォスフェート・・・7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート・・・3.9質量部
メチレンクロライド・・・300質量部
メタノール・・・45質量部
(実施例1)
−セルロースアセテートフィルムの作製−
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
〔セルロースアセテート溶液の組成〕
酢化度60.9%のセルロースアセテート・・・100質量部
トリフェニルフォスフェート・・・7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート・・・3.9質量部
メチレンクロライド・・・300質量部
メタノール・・・45質量部
別のミキシングタンクに、酢化度60.9%のセルロースアセテート(リンター)4質量部、下記構造式で表されるレターデーション上昇剤25質量部、シリカ微粒子(平均粒径:20nm)0.5質量部、メチレンクロライド80質量部、及びメタノール20質量部を投入し、加熱しながら攪拌して、レターデーション上昇剤溶液を調製した。
前記セルロースアセテート溶液470質量部に、前記レターデーション上昇剤溶液18.5質量部を混合し、十分に攪拌してドープを調製した。前記レターデーション上昇剤のセルロースアセテートに対する質量比は3.5%であった。残留溶剤量が35質量%のフィルムをバンドから剥離した後、150℃の温度で、フィルムのテンターを用いて30%の延伸倍率で横延伸した後、クリップを外して130℃で45秒間乾燥させ、セルロースアセテートフィルム1を作製した。作製されたセルロースアセテートフィルム1の残留溶剤量は0.2質量%であり、膜厚は88μmであった。
同様に前記セルロースアセテート溶液470質量部に、前記レターデーション上昇剤溶液47.6質量部を混合し、十分に攪拌してドープを調製した。前記レターデーション上昇剤のセルロースアセテートに対する質量比は9%であった。残留溶剤量が35質量%のフィルムをバンドから剥離した後、125℃の温度で、フィルムのテンターを用いて42%の延伸倍率で横延伸した後、クリップを外して120℃で45秒間乾燥させセルロースアセテートフィルム2を作製した。作製されたセルロースアセテートフィルム2の残留溶剤量は0.2質量%であり、膜厚は87μmであった。
−セルロースアセテートフィルムのケン化処理−
作製したセルロースアセテートフィルム1及び2の一方の面に、1.5規定水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液を25ml/m2塗布し、25℃で5秒間放置した後、流水で10秒洗浄し、25℃の空気を吹き付けることでフィルムの表面を乾燥した。このようにして、前記セルロースアセテートフィルムの一方の表面のみをケン化した。
作製したセルロースアセテートフィルム1及び2の一方の面に、1.5規定水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液を25ml/m2塗布し、25℃で5秒間放置した後、流水で10秒洗浄し、25℃の空気を吹き付けることでフィルムの表面を乾燥した。このようにして、前記セルロースアセテートフィルムの一方の表面のみをケン化した。
−配向膜の形成−
ケン化処理したセルロースアセテートフィルム1及び2の一方の面に、下記の組成の配向膜塗布液を#14のワイヤーバーコーターで24ml/m2塗布した。60℃の温風で60秒、更に90℃の温風で150秒乾燥し、配向膜H−1を形成した。
〔配向膜塗布液の組成〕
下記構造式(B)で表される変性ポリビニルアルコール・・・10質量部
水・・・371質量部
メタノール・・・119質量部
グルタルアルデヒド(架橋剤)・・・0.5質量部
ケン化処理したセルロースアセテートフィルム1及び2の一方の面に、下記の組成の配向膜塗布液を#14のワイヤーバーコーターで24ml/m2塗布した。60℃の温風で60秒、更に90℃の温風で150秒乾燥し、配向膜H−1を形成した。
〔配向膜塗布液の組成〕
下記構造式(B)で表される変性ポリビニルアルコール・・・10質量部
水・・・371質量部
メタノール・・・119質量部
グルタルアルデヒド(架橋剤)・・・0.5質量部
−配向膜の表面自由エネルギーの測定−
形成した配向膜を用いて下記の表面自由エネルギー測定方法を用いて表面自由エネルギーを算出した。結果を表1に示す。
<<表面自由エネルギー測定方法>>
D.K.Owens:J.Appl.Polym.Sci.,13,1741(1969)を参考にして実測した純水H2Oとヨウ化メチレンCH2I2とのそれぞれの接触角θH2O及びθCH2I2から、以下の連立方程式(1)及び(2)により求めた。また、純水の代わりにグリセリンを使用して接触角θグリセリンを求めた場合には、以下の連立方程式(2)及び(3)により求めた。
〔連立方程式〕
(1):1+cosθH2O=2√γsd(√γH2O d/γH2O v)+2√γsh(√γH2O h/γH2O v)
(2):1+cosθCH2I2=2√γsd(√γCH2I2 d/γCH2I2 v)+2√γsh(√γCH2I2 h/γCH2I2 v)
γH2O d=21.8、γH2O h=51.0、γH2O v=72.8、γCH2I2 d=49.5、γCH2I2 h=1.3、γCH2I2 v=50.8
(3):1+cosθグリセリン=2√γsd(√γグリセリン d/γグリセリン v)+2√γsh(√γグリセリン h/γグリセリン v)
γグリセリン d=37.4、γグリセリン h=26.0、γグリセリン v=63.4
ただし、前記連立方程式中、γsdは表面自由エネルギーの分散力成分に、γshは表面自由エネルギーの水素結合成分に、それぞれ相当し、それらの和で表される値γsv(=γsd+γsh)を表面自由エネルギーと定義する。
なお、前記接触角の測定は、協和界面科学(株)製DropMaster500を用いて25℃60%の条件下でサンプルを24hr調湿した後に、この条件下でそれぞれ10μlの純水およびヨウ化メチレンをサンプル表面上に滴下30秒後に実施した。
形成した配向膜を用いて下記の表面自由エネルギー測定方法を用いて表面自由エネルギーを算出した。結果を表1に示す。
<<表面自由エネルギー測定方法>>
D.K.Owens:J.Appl.Polym.Sci.,13,1741(1969)を参考にして実測した純水H2Oとヨウ化メチレンCH2I2とのそれぞれの接触角θH2O及びθCH2I2から、以下の連立方程式(1)及び(2)により求めた。また、純水の代わりにグリセリンを使用して接触角θグリセリンを求めた場合には、以下の連立方程式(2)及び(3)により求めた。
〔連立方程式〕
(1):1+cosθH2O=2√γsd(√γH2O d/γH2O v)+2√γsh(√γH2O h/γH2O v)
(2):1+cosθCH2I2=2√γsd(√γCH2I2 d/γCH2I2 v)+2√γsh(√γCH2I2 h/γCH2I2 v)
γH2O d=21.8、γH2O h=51.0、γH2O v=72.8、γCH2I2 d=49.5、γCH2I2 h=1.3、γCH2I2 v=50.8
(3):1+cosθグリセリン=2√γsd(√γグリセリン d/γグリセリン v)+2√γsh(√γグリセリン h/γグリセリン v)
γグリセリン d=37.4、γグリセリン h=26.0、γグリセリン v=63.4
ただし、前記連立方程式中、γsdは表面自由エネルギーの分散力成分に、γshは表面自由エネルギーの水素結合成分に、それぞれ相当し、それらの和で表される値γsv(=γsd+γsh)を表面自由エネルギーと定義する。
なお、前記接触角の測定は、協和界面科学(株)製DropMaster500を用いて25℃60%の条件下でサンプルを24hr調湿した後に、この条件下でそれぞれ10μlの純水およびヨウ化メチレンをサンプル表面上に滴下30秒後に実施した。
−ラビング処理−
前記配向膜が形成されたセルロースアセテートフィルムを速度20m/分で搬送し、長手方向に対して45°にラビング処理されるようにラビングロール(300mm直径)を設定し、650rpmで回転させて、配向膜設置表面にラビング処理を施した。ラビングロールとの接触長さは、18mmとなるように設定した。
前記配向膜が形成されたセルロースアセテートフィルムを速度20m/分で搬送し、長手方向に対して45°にラビング処理されるようにラビングロール(300mm直径)を設定し、650rpmで回転させて、配向膜設置表面にラビング処理を施した。ラビングロールとの接触長さは、18mmとなるように設定した。
−光学異方性層の形成−
前記配向膜上に、下記の組成の光学異方性層用塗布液を#3.0のワイヤーバーを391回転でフィルムの搬送方向と同じ方向に回転させて、20m/分で搬送されている配向膜面に連続的に塗布した。
〔光学異方性層用塗布液の組成〕
下記構造式(A)で表されるディスコティック液晶性化合物・・・91.00質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)・・・9.00質量部
セルロースアセテートブチレート(CAB531−1、イーストマンケミカル社製)・・・1.00質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)・・・3.00質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)・・・1.00質量部
フルオロ脂肪族基含有共重合体(メガファックF780、大日本インキ(株)製)・・・0.22質量部
メチルエチルケトン・・・226.34質量部
前記配向膜上に、下記の組成の光学異方性層用塗布液を#3.0のワイヤーバーを391回転でフィルムの搬送方向と同じ方向に回転させて、20m/分で搬送されている配向膜面に連続的に塗布した。
〔光学異方性層用塗布液の組成〕
下記構造式(A)で表されるディスコティック液晶性化合物・・・91.00質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)・・・9.00質量部
セルロースアセテートブチレート(CAB531−1、イーストマンケミカル社製)・・・1.00質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)・・・3.00質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)・・・1.00質量部
フルオロ脂肪族基含有共重合体(メガファックF780、大日本インキ(株)製)・・・0.22質量部
メチルエチルケトン・・・226.34質量部
室温から100℃に連続的に加温する工程で、溶媒を乾燥させ、その後、120℃の乾燥ゾーンでディスコティック液晶化合物層の膜面風速が、2.5m/secとなるように、約120秒間加熱し、ディスコティック液晶性化合物を配向させた。次に、80℃の乾燥ゾーンに搬送させて、フィルムの表面温度が約100℃の状態で、紫外線照射装置(紫外線ランプ:出力160W/cm、発光長1.6m)により、照度600mWの紫外線を4秒間照射し、架橋反応を進行させて、ディスコティック液晶性化合物をその配向に固定した。その後、室温まで放冷し、円筒状に巻き取ってロール状の形態にした。このようにして、実施例1の光学補償フィルムを作製した。
−光学特性の測定−
作製した光学補償フィルムの一部を切り取り、サンプルとして用いて、光学特性を測定した。25℃、55%RHの環境下で、KOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)により、波長550nmでの光をフィルム法線方向に入射させて測定した光学異方性層のレターデーション(Re)値は30.0nmであった。また、光学異方性層中のディスコティック液晶化合物の円盤面と支持体面との角度(傾斜角)は、層の深さ方向で連続的に変化し、上述した方法により求めた平均傾斜角度は24.5゜であった。
作製した光学補償フィルムの一部を切り取り、サンプルとして用いて、光学特性を測定した。25℃、55%RHの環境下で、KOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)により、波長550nmでの光をフィルム法線方向に入射させて測定した光学異方性層のレターデーション(Re)値は30.0nmであった。また、光学異方性層中のディスコティック液晶化合物の円盤面と支持体面との角度(傾斜角)は、層の深さ方向で連続的に変化し、上述した方法により求めた平均傾斜角度は24.5゜であった。
−液晶性化合物の表面自由エネルギーの測定−
下記の組成の測定用液を調製し、ガラス板上に滴下、スピンコートの回転数を制御して乾燥時の膜厚が2μm程度になるように試料を作製して、液晶性化合物が等方性を示すようになる温度+5℃まで徐々に昇温速度10℃/分で加熱した時点でUV照射(500mJ/cm2)して硬化し、試料L−1を作製した。これより、前述した表面自由エネルギー測定方法を用いて表面自由エネルギーを算出した。結果を表2に示す。
〔測定用液の組成〕
前記構造式(A)で表されるディスコティック液晶性化合物・・・91.00質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)・・・9.00質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)・・・3.00質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)・・・1.00質量部
メチルエチルケトン・・・226.34質量部
また、前述の配向膜の表面自由エネルギーにおける分散力成分をγsd (AL)、液晶性化合物の表面自由エネルギーにおける分散力成分γsd (LC)として、下記式(A)により、両者の差Δγsdを求めた。結果を表3に示す。
〔式(A)〕
Δγsd=γsd (LC)−γsd (AL)
下記の組成の測定用液を調製し、ガラス板上に滴下、スピンコートの回転数を制御して乾燥時の膜厚が2μm程度になるように試料を作製して、液晶性化合物が等方性を示すようになる温度+5℃まで徐々に昇温速度10℃/分で加熱した時点でUV照射(500mJ/cm2)して硬化し、試料L−1を作製した。これより、前述した表面自由エネルギー測定方法を用いて表面自由エネルギーを算出した。結果を表2に示す。
〔測定用液の組成〕
前記構造式(A)で表されるディスコティック液晶性化合物・・・91.00質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)・・・9.00質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)・・・3.00質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)・・・1.00質量部
メチルエチルケトン・・・226.34質量部
また、前述の配向膜の表面自由エネルギーにおける分散力成分をγsd (AL)、液晶性化合物の表面自由エネルギーにおける分散力成分γsd (LC)として、下記式(A)により、両者の差Δγsdを求めた。結果を表3に示す。
〔式(A)〕
Δγsd=γsd (LC)−γsd (AL)
−配向性の評価−
目視と顕微鏡により観察し、以下の基準により評価した。結果を表3に示す。
○・・・面状が均一で消光位において均一に消光する。
×・・・面状が不均一(スジ状など)で消光位においても均一に消光しない。
目視と顕微鏡により観察し、以下の基準により評価した。結果を表3に示す。
○・・・面状が均一で消光位において均一に消光する。
×・・・面状が不均一(スジ状など)で消光位においても均一に消光しない。
(実施例2)
実施例1において、配向膜塗布液の構造式(B)で表される変性ポリビニルアルコールにおいて、x=98、y=2とした市販品(ポバールPVA−103(クラレ(株)製))を用いて、配向膜H−2を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の光学補償フィルムを作製し、実施例1と同様な方法により、配向膜H−2について表面自由エネルギーを、光学補償フィルムについて平均傾斜角度、Δγsd、及び配向性を、それぞれ評価した。配向膜H−2の表面自由エネルギーについては表1に、それ以外は表3に、それぞれ結果を示す。
実施例1において、配向膜塗布液の構造式(B)で表される変性ポリビニルアルコールにおいて、x=98、y=2とした市販品(ポバールPVA−103(クラレ(株)製))を用いて、配向膜H−2を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の光学補償フィルムを作製し、実施例1と同様な方法により、配向膜H−2について表面自由エネルギーを、光学補償フィルムについて平均傾斜角度、Δγsd、及び配向性を、それぞれ評価した。配向膜H−2の表面自由エネルギーについては表1に、それ以外は表3に、それぞれ結果を示す。
(実施例3)
実施例2において、下記組成の光学異方性層用塗布液を用いて光学異方性層を作製した以外は、実施例2と同様にして実施例3の光学補償フィルムを作製し、実施例1と同様な方法により、液晶性化合物より試料L−2を作製して表面自由エネルギーを、光学補償フィルムについて平均傾斜角度、Δγsd、及び配向性を、それぞれ評価した。液晶性化合物の表面自由エネルギーについては表2に、平均傾斜角度、Δγsd、及び配向性については表3に、それぞれ結果を示す。
〔光学異方性層用塗布液の組成〕
例示化合物D−337のディスコティック液晶性化合物・・・100.00質量部
セルロースアセテートブチレート(CAB531−1、イーストマンケミカル社製)・・・1.00質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)・・・3.00質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)・・・1.00質量部
フルオロ脂肪族基含有共重合体(メガファックF780 大日本インキ(株)製)・・・0.22質量部
メチルエチルケトン・・・226.34質量部
実施例2において、下記組成の光学異方性層用塗布液を用いて光学異方性層を作製した以外は、実施例2と同様にして実施例3の光学補償フィルムを作製し、実施例1と同様な方法により、液晶性化合物より試料L−2を作製して表面自由エネルギーを、光学補償フィルムについて平均傾斜角度、Δγsd、及び配向性を、それぞれ評価した。液晶性化合物の表面自由エネルギーについては表2に、平均傾斜角度、Δγsd、及び配向性については表3に、それぞれ結果を示す。
〔光学異方性層用塗布液の組成〕
例示化合物D−337のディスコティック液晶性化合物・・・100.00質量部
セルロースアセテートブチレート(CAB531−1、イーストマンケミカル社製)・・・1.00質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)・・・3.00質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)・・・1.00質量部
フルオロ脂肪族基含有共重合体(メガファックF780 大日本インキ(株)製)・・・0.22質量部
メチルエチルケトン・・・226.34質量部
(実施例4)
実施例3において、配向膜塗布液の構造式(B)で表される変性ポリビニルアルコールにおいて、x=96、y=2、z=2として、配向膜H−5を形成した以外は、実施例3と同様にして、実施例4の光学補償フィルムを作製し、実施例3と同様な方法により、配向膜H−5について表面自由エネルギーを、光学補償フィルムについて平均傾斜角度、Δγsd、及び配向性を、それぞれ評価した。配向膜H−5の表面自由エネルギーについては表1に、それ以外は表3に、それぞれ結果を示す。
実施例3において、配向膜塗布液の構造式(B)で表される変性ポリビニルアルコールにおいて、x=96、y=2、z=2として、配向膜H−5を形成した以外は、実施例3と同様にして、実施例4の光学補償フィルムを作製し、実施例3と同様な方法により、配向膜H−5について表面自由エネルギーを、光学補償フィルムについて平均傾斜角度、Δγsd、及び配向性を、それぞれ評価した。配向膜H−5の表面自由エネルギーについては表1に、それ以外は表3に、それぞれ結果を示す。
(実施例5)
実施例3において、配向膜をH−1、液晶性化合物を例示化合物D−89に、それぞれ変えた以外は、実施例3と同様な方法により、実施例5の光学補償フィルムを作製し、実施例3と同様な方法により、液晶性化合物より試料L−3を作製して表面自由エネルギーを、光学補償フィルムについて平均傾斜角度、Δγsd、及び配向性を、それぞれ評価した。液晶性化合物の表面自由エネルギーについては表2に、それ以外は表3に、それぞれ結果を示す。
実施例3において、配向膜をH−1、液晶性化合物を例示化合物D−89に、それぞれ変えた以外は、実施例3と同様な方法により、実施例5の光学補償フィルムを作製し、実施例3と同様な方法により、液晶性化合物より試料L−3を作製して表面自由エネルギーを、光学補償フィルムについて平均傾斜角度、Δγsd、及び配向性を、それぞれ評価した。液晶性化合物の表面自由エネルギーについては表2に、それ以外は表3に、それぞれ結果を示す。
(実施例6)
実施例3において、液晶性化合物を例示化合物D−112に変えた以外は、実施例3と同様な方法により、実施例6の光学補償フィルムを作製し、実施例3と同様な方法により、液晶性化合物より試料L−4を作製して表面自由エネルギーを、光学補償フィルムについて平均傾斜角度、Δγsd、及び配向性を、それぞれ評価した。液晶性化合物の表面自由エネルギーについては表2に、それ以外は表3に、それぞれ結果を示す。
実施例3において、液晶性化合物を例示化合物D−112に変えた以外は、実施例3と同様な方法により、実施例6の光学補償フィルムを作製し、実施例3と同様な方法により、液晶性化合物より試料L−4を作製して表面自由エネルギーを、光学補償フィルムについて平均傾斜角度、Δγsd、及び配向性を、それぞれ評価した。液晶性化合物の表面自由エネルギーについては表2に、それ以外は表3に、それぞれ結果を示す。
(実施例7)
実施例3において、配向膜塗布液の構造式(B)で表される変性ポリビニルアルコールにおいて、x=88、y=12とした市販品(ポバールPVA−203(クラレ(株)製))を用いて、配向膜H−3を形成し、かつ液晶性化合物を例示化合物D−351に変えた以外は、実施例3と同様な方法により、実施例7の光学補償フィルムを作製し、実施例3と同様な方法により、配向膜H−3について表面自由エネルギーを、液晶性化合物より試料L−5を作製して表面自由エネルギーを、光学補償フィルムについて平均傾斜角度、Δγsd、及び配向性を、それぞれ評価した。配向膜H−3の表面自由エネルギーについては表1に、液晶性化合物の表面自由エネルギーについては表2に、それ以外は表3に、それぞれ結果を示す。
実施例3において、配向膜塗布液の構造式(B)で表される変性ポリビニルアルコールにおいて、x=88、y=12とした市販品(ポバールPVA−203(クラレ(株)製))を用いて、配向膜H−3を形成し、かつ液晶性化合物を例示化合物D−351に変えた以外は、実施例3と同様な方法により、実施例7の光学補償フィルムを作製し、実施例3と同様な方法により、配向膜H−3について表面自由エネルギーを、液晶性化合物より試料L−5を作製して表面自由エネルギーを、光学補償フィルムについて平均傾斜角度、Δγsd、及び配向性を、それぞれ評価した。配向膜H−3の表面自由エネルギーについては表1に、液晶性化合物の表面自由エネルギーについては表2に、それ以外は表3に、それぞれ結果を示す。
(実施例8)
実施例7において、液晶性化合物を例示化合物D−92に変えた以外は、実施例7と同様な方法により、実施例8の光学補償フィルムを作製し、実施例7と同様な方法により、液晶性化合物より試料L−6を作製して表面自由エネルギーを、光学補償フィルムについて平均傾斜角度、Δγsd、及び配向性を、それぞれ評価した。液晶性化合物の表面自由エネルギーについては表2に、それ以外は表3に、それぞれ結果を示す。
実施例7において、液晶性化合物を例示化合物D−92に変えた以外は、実施例7と同様な方法により、実施例8の光学補償フィルムを作製し、実施例7と同様な方法により、液晶性化合物より試料L−6を作製して表面自由エネルギーを、光学補償フィルムについて平均傾斜角度、Δγsd、及び配向性を、それぞれ評価した。液晶性化合物の表面自由エネルギーについては表2に、それ以外は表3に、それぞれ結果を示す。
(実施例9)
実施例3において、液晶性化合物を例示化合物D−346に変えた以外は、実施例3と同様な方法により、実施例9の光学補償フィルムを作製し、実施例3と同様な方法により、液晶性化合物より試料L−7を作製して表面自由エネルギーを、光学補償フィルムについて平均傾斜角度、Δγsd、及び配向性を、それぞれ評価した。液晶性化合物の表面自由エネルギーについては表2に、それ以外は表3に、それぞれ結果を示す。
実施例3において、液晶性化合物を例示化合物D−346に変えた以外は、実施例3と同様な方法により、実施例9の光学補償フィルムを作製し、実施例3と同様な方法により、液晶性化合物より試料L−7を作製して表面自由エネルギーを、光学補償フィルムについて平均傾斜角度、Δγsd、及び配向性を、それぞれ評価した。液晶性化合物の表面自由エネルギーについては表2に、それ以外は表3に、それぞれ結果を示す。
(実施例10)
実施例9において、配向膜をH−5に変えた以外は、実施例9と同様な方法により、実施例10の光学補償フィルムを作製し、実施例9と同様な方法により、光学補償フィルムについて平均傾斜角度、Δγsd、及び配向性を評価した。結果を表3に示す。
実施例9において、配向膜をH−5に変えた以外は、実施例9と同様な方法により、実施例10の光学補償フィルムを作製し、実施例9と同様な方法により、光学補償フィルムについて平均傾斜角度、Δγsd、及び配向性を評価した。結果を表3に示す。
(比較例1)
実施例3において、配向膜をH−1に変えた以外は、実施例3と同様な方法により、比較例1の光学補償フィルムを作製し、実施例3と同様な方法により、光学補償フィルムについて平均傾斜角度、Δγsd、及び配向性を評価した。結果を表3に示す。
実施例3において、配向膜をH−1に変えた以外は、実施例3と同様な方法により、比較例1の光学補償フィルムを作製し、実施例3と同様な方法により、光学補償フィルムについて平均傾斜角度、Δγsd、及び配向性を評価した。結果を表3に示す。
(比較例2)
実施例3において、配向膜をH−3に変えた以外は、実施例3と同様な方法により、比較例2の光学補償フィルムを作製し、実施例3と同様な方法により、光学補償フィルムについて平均傾斜角度、Δγsd、及び配向性を評価した。結果を表3に示す。
実施例3において、配向膜をH−3に変えた以外は、実施例3と同様な方法により、比較例2の光学補償フィルムを作製し、実施例3と同様な方法により、光学補償フィルムについて平均傾斜角度、Δγsd、及び配向性を評価した。結果を表3に示す。
(比較例3)
実施例3において、配向膜塗布液の構造式(B)で表される変性ポリビニルアルコールにおいて、x=78、y=22とした市販品(ポバールPVA−403(クラレ(株)製))を用いて、配向膜H−4を形成した以外は、実施例3と同様な方法により、比較例3の光学補償フィルムを作製し、実施例3と同様な方法により、配向膜H−4について表面自由エネルギーを、光学補償フィルムについて平均傾斜角度、Δγsd、及び配向性を、それぞれ評価した。配向膜H−4の表面自由エネルギーについては表1に、それ以外は表3に、それぞれ結果を示す。
実施例3において、配向膜塗布液の構造式(B)で表される変性ポリビニルアルコールにおいて、x=78、y=22とした市販品(ポバールPVA−403(クラレ(株)製))を用いて、配向膜H−4を形成した以外は、実施例3と同様な方法により、比較例3の光学補償フィルムを作製し、実施例3と同様な方法により、配向膜H−4について表面自由エネルギーを、光学補償フィルムについて平均傾斜角度、Δγsd、及び配向性を、それぞれ評価した。配向膜H−4の表面自由エネルギーについては表1に、それ以外は表3に、それぞれ結果を示す。
(比較例4)
実施例6において、配向膜をH−1に変えた以外は、実施例6と同様な方法により、比較例4の光学補償フィルムを作製し、実施例6と同様な方法により、光学補償フィルムについて平均傾斜角度、Δγsd、及び配向性を評価した。結果を表3に示す。
実施例6において、配向膜をH−1に変えた以外は、実施例6と同様な方法により、比較例4の光学補償フィルムを作製し、実施例6と同様な方法により、光学補償フィルムについて平均傾斜角度、Δγsd、及び配向性を評価した。結果を表3に示す。
(比較例5)
実施例6において、配向膜をH−3に変えた以外は、実施例6と同様な方法により、比較例5の光学補償フィルムを作製し、実施例6と同様な方法により、光学補償フィルムについて平均傾斜角度、Δγsd、及び配向性を評価した。結果を表3に示す。
実施例6において、配向膜をH−3に変えた以外は、実施例6と同様な方法により、比較例5の光学補償フィルムを作製し、実施例6と同様な方法により、光学補償フィルムについて平均傾斜角度、Δγsd、及び配向性を評価した。結果を表3に示す。
(比較例6)
実施例6において、配向膜をH−4に変えた以外は、実施例6と同様な方法により、比較例6の光学補償フィルムを作製し、実施例6と同様な方法により、光学補償フィルムについて平均傾斜角度、Δγsd、及び配向性を評価した。結果を表3に示す。
実施例6において、配向膜をH−4に変えた以外は、実施例6と同様な方法により、比較例6の光学補償フィルムを作製し、実施例6と同様な方法により、光学補償フィルムについて平均傾斜角度、Δγsd、及び配向性を評価した。結果を表3に示す。
(実施例11)
−偏光板の作製−
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製し、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、実施例1の光学補償フィルムを偏光膜の片側に貼り付けた。偏光膜の透過軸と位相差板の遅相軸とは平行になるように配置した。
市販のセルロースアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の反対側に貼り付け、偏光板を作製した。
−偏光板の作製−
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製し、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、実施例1の光学補償フィルムを偏光膜の片側に貼り付けた。偏光膜の透過軸と位相差板の遅相軸とは平行になるように配置した。
市販のセルロースアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の反対側に貼り付け、偏光板を作製した。
−液晶表示装置での実装評価−
−−ベンド配向液晶セルの作製−−
Indium Tin Oxide(ITO)電極付きのガラス基板に、ポリイミド膜を配向膜として設け、配向膜にラビング処理を行った。得られた二枚のガラス基板をラビング方向が平行となる配置で向かい合わせ、セルギャップを4.0μmに設定した。セルギャップにΔnが0.1396の液晶性化合物(ZLI1132、メルク社製)を注入し、ベンド配向液晶セルを作製した。
作製したベンド配向セルを挟むように、作製した偏光板を二枚貼り付けた。偏光板の光学異方性層がセル基板に対面し、液晶セルのラビング方向とそれに対面する光学異方性層のラビング方向とが反平行となるように配置した。
液晶セルに55Hzの矩形波電圧を印加した。白表示2V、黒表示5Vのノーマリーホワイトモードとした。正面における透過率が最も小さくなる電圧すなわち黒電圧を求めた。
−−ベンド配向液晶セルの作製−−
Indium Tin Oxide(ITO)電極付きのガラス基板に、ポリイミド膜を配向膜として設け、配向膜にラビング処理を行った。得られた二枚のガラス基板をラビング方向が平行となる配置で向かい合わせ、セルギャップを4.0μmに設定した。セルギャップにΔnが0.1396の液晶性化合物(ZLI1132、メルク社製)を注入し、ベンド配向液晶セルを作製した。
作製したベンド配向セルを挟むように、作製した偏光板を二枚貼り付けた。偏光板の光学異方性層がセル基板に対面し、液晶セルのラビング方向とそれに対面する光学異方性層のラビング方向とが反平行となるように配置した。
液晶セルに55Hzの矩形波電圧を印加した。白表示2V、黒表示5Vのノーマリーホワイトモードとした。正面における透過率が最も小さくなる電圧すなわち黒電圧を求めた。
−−色ずれの評価−−
上記実施例1の光学補償フィルムを用いた偏光板を貼り付けた液晶セルに対して、コノスコープ「ConoScopeTM」(autronic−MELCHERS社製(ドイツ))により、方位角0度極角60度と、方位角180度極角60度との色ずれを測定した。結果を表4に示す。
上記実施例1の光学補償フィルムを用いた偏光板を貼り付けた液晶セルに対して、コノスコープ「ConoScopeTM」(autronic−MELCHERS社製(ドイツ))により、方位角0度極角60度と、方位角180度極角60度との色ずれを測定した。結果を表4に示す。
(実施例12)
実施例11において、実施例2の光学補償フィルムを用いて偏光板を作製した以外は、実施例11と同様にして、液晶表示装置において色ずれを評価した。結果を表4に示す。
実施例11において、実施例2の光学補償フィルムを用いて偏光板を作製した以外は、実施例11と同様にして、液晶表示装置において色ずれを評価した。結果を表4に示す。
(実施例13)
実施例11において、実施例3の光学補償フィルムを用いて偏光板を作製した以外は、実施例11と同様にして、液晶表示装置において色ずれを評価した。結果を表4に示す。
実施例11において、実施例3の光学補償フィルムを用いて偏光板を作製した以外は、実施例11と同様にして、液晶表示装置において色ずれを評価した。結果を表4に示す。
(実施例14)
実施例11において、実施例4の光学補償フィルムを用いて偏光板を作製した以外は、実施例11と同様にして、液晶表示装置において色ずれを評価した。結果を表4に示す。
実施例11において、実施例4の光学補償フィルムを用いて偏光板を作製した以外は、実施例11と同様にして、液晶表示装置において色ずれを評価した。結果を表4に示す。
(実施例15)
実施例11において、実施例5の光学補償フィルムを用いて偏光板を作製した以外は、実施例11と同様にして、液晶表示装置において色ずれを評価した。結果を表4に示す。
実施例11において、実施例5の光学補償フィルムを用いて偏光板を作製した以外は、実施例11と同様にして、液晶表示装置において色ずれを評価した。結果を表4に示す。
(実施例16)
実施例11において、実施例6の光学補償フィルムを用いて偏光板を作製した以外は、実施例11と同様にして、液晶表示装置において色ずれを評価した。結果を表4に示す。
実施例11において、実施例6の光学補償フィルムを用いて偏光板を作製した以外は、実施例11と同様にして、液晶表示装置において色ずれを評価した。結果を表4に示す。
(実施例17)
実施例11において、実施例7の光学補償フィルムを用いて偏光板を作製した以外は、実施例11と同様にして、液晶表示装置において色ずれを評価した。結果を表4に示す。
実施例11において、実施例7の光学補償フィルムを用いて偏光板を作製した以外は、実施例11と同様にして、液晶表示装置において色ずれを評価した。結果を表4に示す。
(実施例18)
実施例11において、実施例8の光学補償フィルムを用いて偏光板を作製した以外は、実施例11と同様にして、液晶表示装置において色ずれを評価した。結果を表4に示す。
実施例11において、実施例8の光学補償フィルムを用いて偏光板を作製した以外は、実施例11と同様にして、液晶表示装置において色ずれを評価した。結果を表4に示す。
(実施例19)
実施例11において、実施例9の光学補償フィルムを用いて偏光板を作製した以外は、実施例11と同様にして、液晶表示装置において色ずれを評価した。結果を表4に示す。
実施例11において、実施例9の光学補償フィルムを用いて偏光板を作製した以外は、実施例11と同様にして、液晶表示装置において色ずれを評価した。結果を表4に示す。
(実施例20)
実施例11において、実施例10の光学補償フィルムを用いて偏光板を作製した以外は、実施例11と同様にして、液晶表示装置において色ずれを評価した。結果を表4に示す。
実施例11において、実施例10の光学補償フィルムを用いて偏光板を作製した以外は、実施例11と同様にして、液晶表示装置において色ずれを評価した。結果を表4に示す。
(比較例7)
実施例11において、比較例1の光学補償フィルムを用いて偏光板を作製した以外は、実施例11と同様にして、液晶表示装置において色ずれを評価した。結果を表4に示す。
実施例11において、比較例1の光学補償フィルムを用いて偏光板を作製した以外は、実施例11と同様にして、液晶表示装置において色ずれを評価した。結果を表4に示す。
(比較例8)
実施例11において、比較例2の光学補償フィルムを用いて偏光板を作製した以外は、実施例11と同様にして、液晶表示装置において色ずれを評価した。結果を表4に示す。
実施例11において、比較例2の光学補償フィルムを用いて偏光板を作製した以外は、実施例11と同様にして、液晶表示装置において色ずれを評価した。結果を表4に示す。
(比較例9)
実施例11において、比較例3の光学補償フィルムを用いて偏光板を作製した以外は、実施例11と同様にして、液晶表示装置において色ずれを評価した。結果を表4に示す。
実施例11において、比較例3の光学補償フィルムを用いて偏光板を作製した以外は、実施例11と同様にして、液晶表示装置において色ずれを評価した。結果を表4に示す。
(比較例10)
実施例11において、比較例4の光学補償フィルムを用いて偏光板を作製した以外は、実施例11と同様にして、液晶表示装置において色ずれを評価した。結果を表4に示す。
実施例11において、比較例4の光学補償フィルムを用いて偏光板を作製した以外は、実施例11と同様にして、液晶表示装置において色ずれを評価した。結果を表4に示す。
(比較例11)
実施例11において、比較例5の光学補償フィルムを用いて偏光板を作製した以外は、実施例11と同様にして、液晶表示装置において色ずれを評価した。結果を表4に示す。
実施例11において、比較例5の光学補償フィルムを用いて偏光板を作製した以外は、実施例11と同様にして、液晶表示装置において色ずれを評価した。結果を表4に示す。
(比較例12)
実施例11において、比較例6の光学補償フィルムを用いて偏光板を作製した以外は、実施例11と同様にして、液晶表示装置において色ずれを評価した。結果を表4に示す。
実施例11において、比較例6の光学補償フィルムを用いて偏光板を作製した以外は、実施例11と同様にして、液晶表示装置において色ずれを評価した。結果を表4に示す。
表4の結果から、液晶表示装置において、本発明の光学補償フィルムを用いて作製した偏光板を備えた実施例11〜20では、色ずれが小さいことが判った。特に、液晶性化合物として上記一般式(DI)で表される化合物を使用した実施例13〜20では、更に色ずれが改善されて好ましいことが判った。
本発明の光学補償フィルムは、液晶性化合物の表面自由エネルギーにおける分散力成分と配向膜の表面自由エネルギーにおける分散力成分と、の差を、−4.0erg/cm2以上としたり、液晶性化合物を円盤状液晶性化合物とすることにより、光学補償フィルムにおける光学異方性層のレターデーション制御を容易にできるので、液晶表示装置における偏光板に好適に用いることができ、特に本発明の液晶表示装置に好適に用いることができる。
本発明の液晶表示装置は、液晶セルを光学的に補償し、コントラストの改善及び視角方向に依存したカラーシフトを軽減でき、携帯電話、パソコン用モニタ、テレビ、液晶プロジェクタなどに好適に使用することができる。
本発明の液晶表示装置は、液晶セルを光学的に補償し、コントラストの改善及び視角方向に依存したカラーシフトを軽減でき、携帯電話、パソコン用モニタ、テレビ、液晶プロジェクタなどに好適に使用することができる。
1、101・・・偏光板
2、102・・・透過軸
3a、103a・・・セルロースアシレートフィルム
4a、104a・・・遅相軸
5、9・・・光学異方性層
2、102・・・透過軸
3a、103a・・・セルロースアシレートフィルム
4a、104a・・・遅相軸
5、9・・・光学異方性層
Claims (6)
- 配向膜と、液晶性化合物を含有する光学異方性層とを含み、前記液晶性化合物の表面自由エネルギーにおける分散力成分γsd (LC)と前記配向膜の表面自由エネルギーにおける分散力成分γsd (AL)と、の差が、次式、γsd (LC)−γsd (AL)≧−4.0erg/cm2、を満たすことを特徴とする光学補償フィルム。
- 液晶性化合物が円盤状液晶性化合物である請求項1に記載の光学補償フィルム。
- 液晶性化合物が下記一般式(DI)で表される化合物を少なくとも1種含む請求項1及び2のいずれかに記載の光学補償フィルム。
〔一般式(DI−R)〕
*−(−L21−M)n1−L22−L23−Q1
ただし、前記一般式(DI−R)中、*は一般式(DI)中の5員環に結合する位置を表す。L21は単結合及び二価のいずれかの連結基を表し、L22は−O−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−S−、−NH−、−SO2−、−CH2−、−CH=CH−、及び−C≡C−のいずれかを表し、L23は−O−、−S−、−C(=O)−、−SO2−、−NH−、−CH2−、−CH=CH−、−C≡C−、及びこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表す。Mは少なくとも1種の環状構造を有する二価の連結基を表す。Q1はそれぞれ独立に、重合性基及び水素原子のいずれかを表す。n1は0〜4の整数を表す。 - 液晶性化合物の平均傾斜角度が45°以下である請求項1から3のいずれかに記載の光学補償フィルム。
- 配向膜がビニルアルコール系化合物を含む請求項1から4のいずれかに記載の光学補償フィルム。
- 請求項1から5のいずれかに記載の光学補償フィルムを少なくとも1枚含むことを特徴とする液晶表示装置。
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JP2012103689A (ja) * | 2010-10-14 | 2012-05-31 | Fujifilm Corp | 光学フィルム、偏光板、及び画像表示装置 |
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2007
- 2007-01-16 JP JP2007007012A patent/JP2007219507A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012103689A (ja) * | 2010-10-14 | 2012-05-31 | Fujifilm Corp | 光学フィルム、偏光板、及び画像表示装置 |
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