JP2007217661A - 水溶性キシラン含有多糖類の製造方法、及びその用途 - Google Patents
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Abstract
【課題】
食品、香粧品、医薬品、一般工業分野において有用な水溶性キシラン含有多糖類の製造方法の提供。
【解決手段】
植物性原料を、粉砕または摩砕により、平均粒子径500μm以下に調製したものを、0.025〜0.5Nのアルカリ性媒体中で加温して、得られた残さから、0.25〜2.5Nのアルカリ性媒体中で抽出し、該抽出物にキシラナーゼを作用させ部分加水分解し、キシロース成分を30質量%以上、分子量が10000〜120000の成分を40%以上含有する水溶性キシラン含有多糖類を得ることを特徴とする水溶性キシラン含有多糖類の製造方法。
【選択図】 なし
食品、香粧品、医薬品、一般工業分野において有用な水溶性キシラン含有多糖類の製造方法の提供。
【解決手段】
植物性原料を、粉砕または摩砕により、平均粒子径500μm以下に調製したものを、0.025〜0.5Nのアルカリ性媒体中で加温して、得られた残さから、0.25〜2.5Nのアルカリ性媒体中で抽出し、該抽出物にキシラナーゼを作用させ部分加水分解し、キシロース成分を30質量%以上、分子量が10000〜120000の成分を40%以上含有する水溶性キシラン含有多糖類を得ることを特徴とする水溶性キシラン含有多糖類の製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、食品、香粧品、医薬品、一般工業分野において有用な水溶性キシラン含有多糖類の製造方法に関する。
近年、人々の健康に対する意識が高まりや、化学物質の安全性への関心から合成物ではなく天然抽出物の利用が見直されている。食品、香粧品及び医薬品産業において広く利用されている水溶性多糖類においても、同様である。このような背景から、植物性原料から水溶性多糖類を製造することが試みられてきた。
特許文献1には、穀類のヌカ、フスマ又は外皮の原料を、熱水の存在下で熱安定性アミラーゼを添加して、脱デンプン工程で処理し、脱デンプンされた原料をアルカリ性または酸性下で抽出する抽出工程で処理し、次いで得られた水溶性ヘミセルロース画分含有液を中和・脱塩工程に付する水溶性ヘミセルロースの製造方法が記載されている。かかる文献によると、ヌカ、フスマを熱水中で脱デンプンすることにより、続くヘミセルロース抽出工程における抽出時間を大幅に短縮できるが、抽出に先立ち脱デンプン処理を経ることで、生成物にデンプン分解物、酵素が混入するため、高純度のヘミセルロース画分を得るには、それらの除去工程が必要になる。また、工程で必須である耐熱性アミラーゼが高価であり、コスト高となる問題があった。
特許文献2には、小麦フスマを水洗して水溶性物質を除去した後、0.1〜0.4規定のアルカリ性水溶液で処理してヘミセルロースから主としてなる区分をアルカリ水溶液中に溶解させ、分画分子量8000−50000の限外ろ過膜及びイオン交換樹脂を用いて順に精製するヘミセルロースの抽出・精製方法が記載されている。かかる方法によると、高純度で、水溶性の高いヘミセルロースを短時間で得ることが可能である。しかしながら、この方法は、アルカリ可溶性画分から、限外ろ過により、水溶性画分を分離するものであるため、抽出したアルカリ可溶性/水不溶性の画分を、少なからずロスする問題があった。
特許文献3には、イネ科のアラビノキシラン含有部位を、水分の存在下で、温度100〜145℃、圧力1〜4気圧で加熱処理し、次いで、これに植物細胞壁崩壊酵素を作用させることを特徴とする水溶性アラビノキシランの調製法が記載されている。かかる方法によると、確かに高純度の水溶性アラビノキシランを、水のみで抽出分離することが可能となる。しかしながら、この方法では、100℃以上の高温、1気圧以上の高圧が必要であるため、抽出に高価な設備、多大なエネルギーが必要になる。また、植物原料を高温、高圧に処する際に、アラビノキシランが変性する問題があった。
特許文献4には、イネ科ウシノケグサ亜科に属する植物種子を発芽させ、糖化処理後、濾別して得られる残渣にキシラン分解酵素活性を有する酵素製剤を作用させて得られる水溶性多糖類が記載されている。この方法によると、乳化力の高い水溶性多糖類を得ることが可能となる。しかしながら、この方法は、アルカリ抽出工程が一段であり、水溶性多糖類と、不純物を同時に抽出してしまうため、抽出物から高純度の乳化性多糖を得るためには、精製工程が煩雑になる問題があった。それに対し、本発明は、アルカリ濃度の異なる媒体中で、植物性原料を多段処理することで、不純物の除去と、多糖類の抽出を行うため、該文献に記載の水溶性多糖類とは本質的に異なる。また、該文献の方法で得られる水溶性多糖類は、キシロース/アラビノース重量比が2.1/1〜1.9/1であり、構成成分としてアラビノースを多量に含有する必要がある。また、該水溶性多糖類が、多量の蛋白質を含有する必要がある。本発明の水溶性キシラン含有多糖類は、キシロース含量が高く、アラビノース、蛋白質を多量に含有する必要がないため、構成成分の点においても、該文献の水溶性多糖類とは、全く異なるものである。
特許文献5には、ヘミセルロースを含む穀類外皮から水溶性糖類を得る方法において、該外皮をpH1.0〜3.0で酸処理した後、120〜150℃で湿式加熱処理するキシロース、アラビノースまたはガラクトースから選ばれる1種以上の糖を構成糖とする水溶性多糖類の製造方法が開示されている。この方法によると、穀類外皮から、水溶性ヘミセルロースを高収率で得られるものである。しかし、抽出工程において、100℃以上の高温処理が必要であり、設備コスト、エネルギーコストが高くなる。また、植物原料を酸性下で高温処理する際に、アラビノキシランが少なからず分解する問題があった。
特許文献6には、植物繊維質原料をアルカリ抽出し、抽出物をキシラナーゼで処理してヘミセルロースの部分分解物を得る方法が開示されている。しかし、一般に入手できるキシラナーゼは酸性で活性を示すため、抽出に用いたアルカリの中和に大量の酸が必要となる。さらに中和で生じた大量の塩を除去するために多大な負担がかかるという欠点があった。また、アルカリキシラナーゼを用いた場合も、強アルカリから弱アルカリへの中和は必須であり、かつアルカリキシラナーゼは一般に入手困難である。さらに、この方法では収率が極めて低いという欠点があった。また、該公報は一段階でアルカリ抽出しており、アルカリでの多段階処理の有用性について述べていない。本発明では、2段階抽出による収率及び純度の向上、あるいは、ある特定の範囲でアルカリ処理し、その抽出液ではなく、残渣に対してキシラナーゼを反応させる技術であり、特許文献6は一段階のアルカリ抽出された抽出液に対してキシラナーゼを反応させると言う点で全く違っている。
従って、特定の平均粒子径の植物性原料を、濃度の異なるアルカリ性媒体中で多段処理し、該媒体中に溶解したキシラン含有多糖類を、キシラナーゼで部分加水分解して得られる、キシロース含量が高く、特定の分子量に制御され、乳化性、増粘性に優れた水溶性キシラン含有多糖類及び、特定の植物性原料を希アルカリ性で洗浄し、その残渣を必要に応じてアルカリ性過酸化水素及び/または次亜塩素酸ナトリウムで処理して、その処理物にキシラナーゼを反応させることにより得られるキシロース含量が高く、特定の分子量に制御された着色度の低い水溶性キシラン含有多糖類の製造方法と、これらの用途は知られていなかった。
特公平6−11764号公報
特許第2688509号公報
特許第3079115号公報
特開平10−237107号公報
特開平11−113600号公報
特許第2792601号公報
本発明は、食品、香粧品、医薬品、一般工業分野において有用な、水溶性キシラン含有多糖類の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記課題を解決するため、特定の平均粒子径の植物性原料を、濃度の異なるアルカリ性媒体中で多段処理し、該媒体中に溶解したキシラン含有多糖類を、キシラナーゼで部分加水分解して得られる、キシロース含量が高く、特定の分子量に制御され、乳化性、増粘性に優れた水溶性キシラン含有多糖類を見出した。さらに本発明者らは、特定の植物性原料を希アルカリ性で洗浄することによりキシラナーゼとの反応性が向上し、必要に応じて、その残渣をアルカリ性過酸化水素及び/または次亜塩素酸ナトリウム及び/又はオゾンで処理することにより、脱色と同時にキシラナーゼとの反応性を更に向上させうることを見出した。その処理物にキシラナーゼを反応させることにより、着色の強い植物性原料からでも着色度の低い水溶性キシラン含有組成物を得られることを発見し、本発明を成すに至った。すなわち、本発明は下記のとおりである。
(1)植物性原料を、粉砕または摩砕により、平均粒子径500μm以下に調製したものを、0.025〜0.5Nのアルカリ性媒体中で加温して、得られた残さから、0.25〜2.5Nのアルカリ性媒体中で抽出し、該抽出物にキシラナーゼを作用させ部分加水分解することを特徴とする、キシロース成分を30質量%以上、分子量が10000〜120000の成分を40%以上含有する水溶性キシラン含有多糖類を得ることを特徴とする水溶性キシラン含有多糖類の製造方法
(2)植物性原料を0.025〜0.5Nのアルカリ性媒体中で洗浄し、アルカリ処理後の固形物にキシラナーゼを反応させ、キシロース成分が30質量%以上でかつ、分子量が10000〜120000の成分を40%以上、着色度が1.0以下の水溶性キシラン含有多糖類を得ることを特徴とする水溶性キシラン含有多糖類の製造方法。
(3)植物性原料を0.025〜0.5Nのアルカリ性媒体で洗浄し、その洗浄した植物性原料をアルカリ性過酸化水素及び/又は次亜塩素酸ナトリウム及び/又はオゾンで処理し、その処理物にキシラナーゼを反応させることにより得られる、キシロース成分が30質量%以上でかつ、分子量が10000〜120000の成分を40%以上、着色度が1.0以下である水溶性キシラン含有多糖類を得ることを特徴とする水溶性キシラン含有多糖類の製造方法。
(4)植物性原料が綿実殻、バガス、トウモロコシの芯から選ばれる一種類以上であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の水溶性キシラン含有多糖類の製造方法。
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の水溶性キシラン含有多糖類と1種以上の食品素材、必要に応じて界面活性剤、増粘剤、ゲル化剤、香料、比重調整剤、保存料、pH調整剤、キレート剤、着色料から選ばれる1種以上を水性媒体と共に、乳化、分散、溶解、または混合により製造される水溶液、乳液、水分散体、ペースト、ゲル状、及びこれらを乾燥して得られる粉体、顆粒のいずれかの形態を有する水溶性キシラン含有多糖類組成物。
(1)植物性原料を、粉砕または摩砕により、平均粒子径500μm以下に調製したものを、0.025〜0.5Nのアルカリ性媒体中で加温して、得られた残さから、0.25〜2.5Nのアルカリ性媒体中で抽出し、該抽出物にキシラナーゼを作用させ部分加水分解することを特徴とする、キシロース成分を30質量%以上、分子量が10000〜120000の成分を40%以上含有する水溶性キシラン含有多糖類を得ることを特徴とする水溶性キシラン含有多糖類の製造方法
(2)植物性原料を0.025〜0.5Nのアルカリ性媒体中で洗浄し、アルカリ処理後の固形物にキシラナーゼを反応させ、キシロース成分が30質量%以上でかつ、分子量が10000〜120000の成分を40%以上、着色度が1.0以下の水溶性キシラン含有多糖類を得ることを特徴とする水溶性キシラン含有多糖類の製造方法。
(3)植物性原料を0.025〜0.5Nのアルカリ性媒体で洗浄し、その洗浄した植物性原料をアルカリ性過酸化水素及び/又は次亜塩素酸ナトリウム及び/又はオゾンで処理し、その処理物にキシラナーゼを反応させることにより得られる、キシロース成分が30質量%以上でかつ、分子量が10000〜120000の成分を40%以上、着色度が1.0以下である水溶性キシラン含有多糖類を得ることを特徴とする水溶性キシラン含有多糖類の製造方法。
(4)植物性原料が綿実殻、バガス、トウモロコシの芯から選ばれる一種類以上であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の水溶性キシラン含有多糖類の製造方法。
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の水溶性キシラン含有多糖類と1種以上の食品素材、必要に応じて界面活性剤、増粘剤、ゲル化剤、香料、比重調整剤、保存料、pH調整剤、キレート剤、着色料から選ばれる1種以上を水性媒体と共に、乳化、分散、溶解、または混合により製造される水溶液、乳液、水分散体、ペースト、ゲル状、及びこれらを乾燥して得られる粉体、顆粒のいずれかの形態を有する水溶性キシラン含有多糖類組成物。
本発明により得られたキシラン含有多糖類は、キシロース含量が高く、乳化性、増粘性に優れ、また着色度が低い。
以下、本発明について、特にその好ましい態様を具体的に説明する。本発明でいう水溶性キシラン含有多糖類とは、構成糖としてキシロースを含有し、該キシロースがβ-グルコシド結合により、多糖類化したものを含有するものであり、植物性原料に含まれる多糖類をキシラナーゼにより部分加水分解したものである。
本発明でいうキシロース成分とは、水溶性キシラン含有多糖類中の、キシロースそのもの、およびキシロース単位「C5H10O5」を構成成分とする多糖のことである。水溶性キシラン含有多糖類中のこれらの含有率は、多糖類中のキシロースを定量することにより表されるものである。
本発明の水溶性キシラン含有多糖類の原料は、植物性原料を使用する必要がある。ここでいう植物性原料とは、植物由来のものであり、植物を構成する成分を含むものである。原料に含まれる植物を構成する成分とは、例えば、セルロース、ヘミセルロース等の多糖類、またはキシロース、グルコース、アラビノース、マンノース、ガラクトース等のオリゴ糖類、または糖類糖類のことである。上記の植物性原料のなかでも、特に水溶性キシラン含有多糖類を高収率で得るためには、綿実、バガスまたはトウモロコシを使用することが好ましい。ここでいう、綿実とは、アオイ属ワタ科に属する多年草の種子のことであり、本発明の目的を達成できれば、用いる原料には、綿、綿花、花弁、リンター、油分等を含んでもよい。綿実のなかでも綿実殻に水溶性キシラン含有多糖類の原料となるヘミセルロース含量の高いため、原料として綿実殻を用いることが好ましい。また、本発明のバガスとは、さとうきび構成成分のなかで、砂糖以外の成分の総称であり、工業的には砂糖を採取したの搾り粕のことであり、本発明の目的を達成できれば、用いる原料には、外皮、ピス、砂糖等を含んでもよい。本発明のトウモロコシはその品種、産地、部位などに特に制限はないが、ヘミセルロースの含量が多い芯や外皮を用いることが好ましい。
本発明の植物性原料は、平均粒子径が500μm以下に粉砕することが好ましい。平均粒子径が500μm以下の植物性原料を用いることで、アルカリ洗浄、アルカリ性過酸化水素/次亜塩素酸ナトリウム処理、酵素処理がより効率的になり、水溶性キシラン含有多糖類のキシロース含量、および収率が向上するため好ましい。ここでいう平均粒子径とは、光散乱式粒度分布計((株)堀場製作所製製 商品名LA−910型)を用いて、試料を水に分散することにより体積頻度粒度分布を測定し、累積体積50%の粒子径として表したものである。上述のキシロース含量、および収率をさらに向上させるためには、平均粒子径は300μm以下がより好ましく、200μm以下が特に好ましい。
本発明の植物性原料の粉砕方法は、公知の方法であれば特に制限されないが、一例としては、摩砕、粉砕、篩を使用した分級、サイクロン、遠心分離機を用いた遠心分離等が挙げられ、それらは単独で使用しても、2種以上を組み合わせた方法でもよい。また、上述の処理は、湿式でも、乾式でもよく、それぞれ湿式で得られたもの同士を酵素分解前に混合しても、それぞれ乾式で得られたもの同士を酵素分解前に混合しても、湿式または乾式で得られたものを組み合わせてもよい。
例えば、湿式で植物性原料を処理する場合は、1〜99%の植物性原料と媒体を含む分散体に、公知の摩砕、粉砕等を施すことにより、植物性原料の平均粒子径を容易に調整することができる。ここで使用される媒体も、特に制限はないが、例えば、水、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、2−メチルブチルアルコール、ベンジルアルコールなどのアルコール類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の炭化水素類、アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類が挙げられる。特に、有機溶剤は、医薬品、食品およびそれらの添加剤を製造する工程で使用されるものが好ましく、「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)、「日本薬局方」、「食品添加物公定書」(いずれも廣川書店発行)に溶剤として分類されるものが挙げられる。水、有機溶剤は、それらを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由であり、1種の媒体で一旦分散させた後、その媒体を除去し、異なる媒体に分散させてもよい。またアルカリで膨潤させて摩砕・粉砕を実施しても構わない。
摩砕方法としては、ポータブルミキサー、立体ミキサー、側面ミキサーなどの一方向回転式、多軸回転式、往復反転式、上下移動式、回転+上下移動式、管路式等の攪拌翼を使用する摩砕方法、ラインミキサー等の噴流式攪拌摩砕方法、高剪断ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー等を使用する摩砕方法、ニーダーを使用した回転押し出し式の摩砕方法、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、ビーズミル等の圧密と剪断を組み合わせた摩砕方法等のいずれの方法を使用してもよく、それらを組み合わせた方法でもよい。
粉砕方法としては、スクリーンミル、ハンマーミル等のスクリーン式粉砕方法、フラッシュミル等の翼回転剪断スクリーン式粉砕方法、ジェットミル等の気流式粉砕方法、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、ビーズミル等の圧密と剪断を組み合わせた粉砕方法、翼攪拌式粉砕方法等のいずれの方法を使用してもよく、それらを組み合わせた方法でもよい。
本発明の水溶性キシラン含有多糖類は、微細化された植物性原料を、0.025〜0.5Nのアルカリ性媒体中で加温し、不純物を除去した後、得られた残さを原料として、0.25〜2.5Nのアルカリ性媒体中で抽出することにより得られる。ここでいう不純物とは、植物性原料由来のリグニン、タンニン、脂質、蛋白質等の糖以外の成分のことであり、本発明では、水溶性キシラン含有多糖類のキシロース含量を高めるため、一旦、植物性原料からこれらを除去する必要がある。また、不純物除去におけるアルカリ濃度は、水溶性キシラン含有多糖類のキシロースが高含量で得られるよう、本発明の範囲で自由に設定されるものであるが、不純物の除去性および、キシランのロスを低減するため、アルカリ濃度としては、0.10〜0.45Nが好ましく、0.2〜0.4Nが特に好ましい。さらに、不純物除去における温度および時間も、水溶性キシラン含有多糖類のキシロースが高含量で得られるよう、適宜調整されるものであるが、不純物除去温度としては、60〜140℃が好ましく、80〜120℃がより好ましい。処理時間としては、10〜120分が好ましく、30〜100分がより好ましく、40〜90分が特に好ましい。
また、本発明では、不純物を除去された植物性原料を回収し、0.25〜2.5Nのアルカリ性媒体中で抽出することが好ましい。抽出におけるアルカリ濃度は、上記範囲において、水溶性キシラン含有多糖類のキシロース含量、水溶性キシラン含有多糖類の収率が向上するよう、自由に調整されるものである。上記範囲において、アルカリ濃度が高い程、キシロース含量および水溶性キシラン含有多糖類の収率は向上するが、アルカリ濃度が上記範囲を超えると、抽出される水溶性キシラン含有多糖類が変性し、収率が低下するため好ましくない。好ましいアルカリ濃度の範囲としては、0.5〜2.2Nであり、より好ましくは1.0〜2.0Nである。また、抽出における温度および時間も、水溶性キシラン含有多糖類のキシロースの含量、収率が向上するよう、適宜調整されるものであるが、抽出温度としては、60〜120℃が好ましく、80〜100℃がより好ましい。抽出時間としては、10〜120分が好ましく、30〜100分がより好ましく、60〜90分が特に好ましい。
本発明の水溶性キシラン含有多糖類は、植物性原料を0.025〜0.5Nのアルカリ性媒体中で洗浄し、不純物を除去した後、得られた残さを原料として、キシラナーゼによる分解を行うことによっても得られる。ここでいう不純物とは、植物性原料由来のリグニン、タンニン、脂質、蛋白質等の糖以外の成分のことであり、本発明では、水溶性キシラン含有多糖類のキシロース含量を高めるため、さらにキシラナーゼとの反応性を高めるため、一旦、植物性原料を希アルカリで洗浄する必要がある。また、洗浄におけるアルカリ濃度は、水溶性キシラン含有多糖類のキシロースが高含量で得られるよう、本発明の範囲で自由に設定されるものであるが、不純物の除去性および、キシランのロスを低減するため、アルカリ濃度としては、0.10〜0.45Nが好ましく、0.2〜0.4Nが特に好ましい。さらに、洗浄における温度および時間も、水溶性キシラン含有組成物のキシロースが高含量で得られるよう、適宜調整されるものであるが、不純物除去温度としては、60〜140℃が好ましく、80〜120℃がより好ましい。処理時間としては、10〜240分が好ましく、30〜180分がより好ましく、60〜120分が特に好ましい。
また、本発明では、アルカリ洗浄した植物性原料を回収し、アルカリ性過酸化水素及び/又は次亜塩素酸ナトリウム処理及び/又はを行うことが好ましい。アルカリ性過酸化水素処理におけるアルカリ濃度は、過酸化水素の活性種が発生すれば特に制限はないが、好ましくは0.001N〜5Nである。より好ましくは0.01〜2N、最も好ましくは0.1〜0.5Nである。0.001N以下では、脱色効果も十分ではない上に最終的に得られる水溶性キシラン含有多糖類の収率が低下することが危惧される。また、5N以上では、過酸化水素の活性種が一度に発生し、有効に使われない可能性があるため好ましくない。使用する過酸化水素の量は多いほど最終的に得られる水溶性キシラン含有多糖類の収率が向上する傾向があるが、コストの面から処理する植物性原料1に対し、過酸化水素を0.001〜2.0質量、好ましくは0.01〜1.0質量、さらに好ましくは0.03〜0.5質量を使用することが好ましい。
次亜塩素酸ナトリウムを用いる場合は、アルカリの使用は必要がなく、そのまま用いて構わない。次亜塩素酸ナトリウムの使用量は有効塩素濃度で1ppm〜5%が好ましい。
オゾン処理を行う場合は、オゾン水による処理でも、洗浄した植物性原料の懸濁液に吹き込み処理でもどちらでも構わない。オゾン濃度に特に制限はないが、濃いほど効果が短時間で得られるため好ましい。例えば、吹き込みの場合は50〜200g/Nm3が好ましい。
アルカリ性過酸化水素及び/又は次亜塩素酸ナトリウム処理/及び又はオゾン処理の温度および時間も、水溶性キシラン含有多糖類のキシロースの含量、収率が向上するよう、適宜調整されるものであるが、処理温度としては、25〜100℃が好ましく、50〜80℃がより好ましい。処理時間としては、過酸化水素処理では60〜240分が好ましく、90〜180分がより好ましい。次亜塩素酸ナトリウムの場合は、60〜90分が好ましい。
上述の洗浄およびアルカリ性過酸化水素及び/又は次亜塩素酸ナトリウム処理において、使用されるアルカリ性物質は、特に制限されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、アンモニア等の食品、化粧品、医薬品およびそれらの添加剤を製造する工程で使用されるものが好ましく、「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)、「日本薬局方」、「食品添加物公定書」、「化粧品添加物規格」(いずれも廣川書店発行)に記載されるものが挙げられる。アルカリ性物質は、それらを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由であり、1種の媒体で一旦溶解または分散させた後、その媒体を除去し、異なる媒体に溶解させてもよい。容易に安価で手に入ることから水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムの一つもしくは複数を用いることが好ましい。
上述の洗浄およびアルカリ性過酸化水素処理において、植物性原料を媒体中に分散させて処理する際には、媒体100質量部に対し、植物性原料を1〜90質量部分散させることが処理性の点で好ましく。より好ましくは、植物性原料を1〜40質量部、さらに好ましくは、5〜30質量部である。また、上記処理を攪拌または剪断しながら行うと、処理中に固液組成が均一に保たれるため、不純物の除去性および水溶性キシラン含有多糖類の収率が向上するので好ましい。この攪拌または剪断は、周速度(回転羽根の周方向速度)が、0.1〜10m/秒であることが好ましく。より好ましくは、0.5〜5m/秒である。
本発明の水溶性キシラン含有多糖類は、植物性原料を希アルカリ媒体中で洗浄し、不純物を除去した後にさらにアルカリ性媒体で抽出するか、もしくは特定濃度範囲の希アルカリ処理でキシラナーゼとの反応性を上げ、該残渣を必要に応じてアルカリ性過酸化水素及び/又は次亜塩素酸ナトリウム処理して、脱色及び更にキシラナーゼとの反応性を向上させる。これらの抽出物および/または処理物にキシラナーゼを作用させて、該組成物に含有する多糖類を加水分解することにより得られる。本発明でいうキシラナーゼとは、キシラン系物質を加水分解する作用を有す酵素の総称であり、キシランの分解活性を有していれば、全て本発明でいうキシラナーゼに含まれる。
キシラナーゼ酵素源としては、例えば、キシラナーゼ産生生菌体そのもの、キシラナーゼ産生菌が蓄積または分泌する酵素を精製したもの、精製酵素を賦形剤、安定化剤等の添加剤ともに製剤化したもの等が挙げられる。キシラナーゼ製剤品の場合、それに添加される添加剤にも特に制限はなく、その剤形は、粉末、顆粒、液体等いずれでもよい。キシラナーゼの起源についても、特に制限はないが、例えば、公知のキシラナーゼを生産する微生物としては、Bassiluspolymyxa、Bassilus poumilus、Bassilus subtilis、Cellvibrio fulvus、Clostridium、Rumen bacteria、Streptmyces albogriseolus、Streptmyces xylophagus等の細菌類、Aspergillus niger、Aspergillus olyzae、Cephalosporium sacchari、Ceratocysis paradoxa、Chetomium globosam、Chysosporium lignorum、Coniophora cerebella、Fomes igiarius、Fomesmaruginatus、Gloeophyllum saepiarium、Helminthoisporium、Humicola insolens、Irpex lacteus、Lentites saepiaria、Malbranchea pullchea、Manulius lacrymans、Marulius silvester、Myrothesium verrucaria、Penicillium funuculosum、Penicillium verrufulosom、Penicillium wortimunni、Polyporus betulinus、Shizpphyllum communue、Trametes versicolor、Tricoderma koningii、Tricoderma viride、Tricoderma sp等の菌類等の「セルラーゼ」(講談社サイエンティフィック発行(1987))、「セルロースの事典」(朝倉書店発行(2000))に記載される菌が生産するキシラナーゼを挙げることができるが、キシラナーゼを分解する作用を有すものであれば、上記の公知の菌由来のものに限らず、新規の菌由来の酵素も、本発明のキシラナーゼに含まれる。
酵素の加水分解特性についても、特に制限されないが、加水分解時の単糖、オリゴ糖の発生を抑え、水溶性多糖類の収率を向上させるためには、加水分解特性としては、エンド(endo)型を使用することが好ましい。
部分加水分解の方法は、公知の方法を使用すればよく、特に制限されるものではないが、一例としては、基質としてキシラン系物質を水性媒体中に溶解または懸濁させ、キシラナーゼを添加し、攪拌または振とうしながら、加温する方法が挙げられる。
上記方法において、溶解、懸濁、攪拌方法、キシラナーゼ・基質の添加方法・添加順序、それらの濃度等の反応条件は、水溶性キシラン含有多糖類の収率、キシロース含量が向上するよう適宜調整されるものである。その際の、反応液のpH、温度、及び処理時間は、酵素が失活しない範囲内であればよく、一般的には、常圧で反応を行う場合、温度は5〜95℃、pHは1〜11の範囲でよく、反応速度および選択率を向上させるため、加圧下で分解を行ってもよい。例えば、Tricodermasp由来のキシラナーゼ(例えば、新日本化学工業(株)製 商品名 スミチームXなど)を使用する場合は、部分加水分解の最適反応条件は、pH3.0〜7.0、30〜60℃において1〜24時間処理することが好ましい。
本発明の水溶性キシラン含有多糖類のキシロース含量は、30質量%以上である。水溶性キシラン含有多糖類のキシロース含量は、上記の酵素分解液を、pH4.5とし、水不溶性成分を遠心分離で分離した後、上清を乾燥し、ここで得られた固形分20mgを、2Nのトリフルオロ酢酸中、95℃で2時間処理し、媒体中に溶出したキシロースを、高速液体クロマトグラフィー(カラム:島津製作所製 商品名Asahipak NH2P−50、高速液体クロマトグラフィー:島津製作所製 商品名SCL−10A型、カラム温度:40℃、移動層:アセトニトリル/水=75/25(容積比)循環量:1mL/min.試料液:10μL)で測定し表される。このキシロース含量が多いほど、水溶性キシラン含有多糖類中のキシロース含量が高く、水溶性キシラン含有多糖類の乳化性、増粘性が優れるため好ましい。より好ましくは35質量%以上であり、更に好ましくは40質量%以上、特に好ましくは、50質量%以上である。このキシロース含量は高い程、キシラン純度が高くなる為、その上限は特に設定しないが、簡便な操作で得られる範囲としては、99質量%以下である。
本発明の水溶性キシラン含有多糖類は、分子量が10000〜120000の成分を40%以上含有することが好ましい。より好ましくは20000−110000、さらに好ましくは30000−70000である。ここでいう分子量とは、得られた水溶性キシラン含有多糖類を、水に溶解し、ゲルパーミレーションクロマトフラフィー(カラム:東ソー製 商品名G3000PWXL、高速液体クロマトグラフィー:島津製作所製 商品名SCL−10A型、カラム温度:70℃、移動層:水、循環量:0.7mL/min.試料液:10μL)で、ポリエチレングリコール換算で測定される。他の測定法で分子量を測定した場合、値が大きく異なることもあるが、上記条件で測定した分子量が本発明の範囲であれば、それは本発明の水溶性キシラン含有多糖類である。また、ここでいう40%以上とは、該クロマトグラムに表される分子量が10000〜120000の範囲に、ピークトップを有するピークの面積が全ピーク面積の40%以上を有することである。上記の分子量範囲の成分を、40%以上含有すると、オリゴ糖成分や糖類以外の不純物が少なく、水溶性多糖類が多くなり、水溶性キシラン含有多糖類の乳化性および増粘性が優れる。この含有率は、50%以上がより好ましく、60%以上が特に好ましい。この含有率は高い程、上記効果が向上するため好ましいが、簡便な操作で達成される含有率の範囲としては99%以下である。
本発明の着色度とは水溶性キシラン含有多糖類を1%水溶液とした場合の、420nmの吸光度のことをいう。着色度が1.0を超えると例えば、飲料などに加えた場合に飲料の色調を大きく変えてしまう場合があるため、着色度は1.0以下が好ましい。着色度の下限は特に制限はないが、実質的に得られるもとのとしては0.0001以上である。
上述の酵素分解により得られた水溶性キシラン含有多糖類は、必要に応じて、脱色、脱塩、酵素除去等の精製処理を施すことができる。精製方法は、公知の方法であれば特に制限されないが、例えば、活性炭処理、イオン交換樹脂処理、クロマトグラフィー処理、精密ろ過、限外ろ過、逆浸透ろ過等の濾過処理、濃縮または貧溶媒/塩による析出/晶出処理、酸素系漂白剤、塩素系漂白剤等を使用してもよく、これらを単独で使用しても、2種以上を組み合わせてもよい。
本発明の水溶性キシラン含有多糖類は、乳化率が80%以上であることが好ましい。ここでいう乳化率とは、水/油質量比=45/50の混合物に、多糖類を5質量部添加し、乳化した際の乳化量を表すものである。この乳化率は、水溶性キシラン5質量部を、80℃の水45質量部に溶解させ、さらに菜種油(日清オイリオ製 商品名キャノーラ油)を50質量部加えた後、80℃の温浴中で、ホモジナイザー(特殊機化製 商品名TKホモジナイザー)を用いて、8000rpmで、5分間混合した後に室温にし、全混合液に占める乳化層の体積百分率で表される。乳化率が高い程、水溶性キシラン含有多糖類の乳化力が優れるため好ましく。より好ましい範囲としては、90%であり、95%以上が特に好ましい。完全に乳化された状態が最も好ましく、乳化率の上限は100%である。
本発明の水溶性キシラン含有多糖類は、増粘率が20000%以下であることが好ましい。ここでいう増粘率とは、水溶性キシラン含有多糖類を5質量%溶解させた水溶液の粘度に対する、水溶性キシラン含有多糖類を10質量%溶解させた水溶液の粘度の比である。この粘度とは、上記の水溶液をB型粘度計で25℃、60rpmにおいて測定される静置粘度のことである。より好ましくは10000%以下であり、特に好ましくは1000%以下である。この増粘率は、値が高いほど水溶性キシラン含有多糖類の添加量に対する増粘性が高いため、飲料などの食感に影響を与えてしまう。その下限は特に制限されるものではないが、現実的な増粘率の範囲としては110%以上である。
次に本発明の水溶性キシラン含有多糖類組成物について説明する。本発明の水溶性キシラン含有多糖類組成物は、本発明の水溶性キシラン含有多糖類が、食品素材、化粧品素材、医薬品薬効成分またはそれらで使用される添加物の中から選択される1種以上の機能成分に含有され、水溶液、乳化液、水分散体、ペースト、ゲル状の食品/化粧品/医薬品であることが好ましい。その他、組成物の様態としては、粉末、顆粒状、成型体状等の乾燥物であってもよい。
上記の水溶性キシラン含有多糖類組成物は、本発明の水溶性キシラン含有多糖類の含有率が0.1〜99.9%であり、その他成分として、食品素材/化粧品素材/医薬品薬効成分、またはそれらで使用される添加剤から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。この水溶性キシラン含有多糖類を含む組成物は、溶解、混合、分散、造粒、溶融・固化、圧縮、乾燥等の公知の方法で加工できる。
本発明の水溶性キシラン含有多糖類組成物は、本発明の水溶性キシラン含有多糖類を含有することで、上述の機能成分の溶解、分散、混合において、乳化性、増粘性が改善された組成物であり、本発明の水溶性キシラン含有多糖類が、植物性原料から安全に抽出されたものであるので、上記組成物を食品、化粧品、医薬品として使用することが好ましい。
本発明の水溶性キシラン含有多糖類組成物は、本発明の水溶性キシラン含有多糖類が、食品素材、化粧品素材、医薬品薬効成分またはそれらで使用される添加物の中から選択される1種以上の機能成分に含有されたものであり、ここで使用される機能成分としては、例えば以下のものが挙げられる。
本発明でいう機能成分とは、食品素材、化粧品素材、医薬品薬効成分、農薬成分、肥料成分、飼料成分、色素、香料、金属、セラミックス、触媒、又は賦形剤、崩壊剤、結合剤、流動化剤、滑沢剤、矯味剤、香料、着色剤、甘味剤、溶剤、油脂、界面活性剤、増粘剤、ゲル化剤等の添加剤のことであり、粉体状、結晶状、油状、液状、半固形状などいずれの形態でもよく、例えば「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「食品添加物公定書」、「化粧品添加物公定書」(廣川書店発行)に記載のものを用いることが可能である。また、それらは、種々の目的でコーティングを施したものであってもよい。これらの機能成分は単独で使用しても、複数を併用してもよい。活性成分の添加量としては、0.01%〜99.9%が好ましい。
特に、この機能成分が医薬品薬効成分の場合、活性成分の添加量が0.01%未満であると、治療に有効な量が確保できず、99.9%を超えると、本発明の水溶性キシラン含有多糖類が0.1%未満となり、本発明の効果が得られないので好ましくない。
例えば医薬品薬効成分としては、解熱鎮痛消炎薬、催眠鎮静薬、眠気防止薬、鎮暈薬、小児鎮痛薬、健胃薬、制酸薬、消化薬、強心薬、不整脈用薬、降圧薬、血管拡張薬、利尿薬、抗潰瘍薬、整腸薬、骨粗鬆症治療薬、鎮咳去痰薬、抗喘息薬、抗菌剤、頻尿改善剤、滋養強壮剤、ビタミン剤など、経口で投与されるものが対象となる。薬効成分は、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
添加剤としては、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、流動化剤、矯味剤、香料、着色剤、溶剤、油脂、増粘剤、界面活性剤、発泡剤、ゲル化剤等が含まれる。
賦形剤としては、アクリル酸デンプン、L−アスパラギン酸、アミノエチルスルホン酸、アミノ酢酸、あめ(粉)、アラビアゴム、アラビアゴム末、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルファー化デンプン、イノシトール、エチルセルロース、エチレン・酢酸ビニルコポリマー、塩化ナトリウム、オリーブ油、カオリン、カカオ脂、カゼイン、果糖、軽石粒、カルメロース、カルメロースナトリウム、含水二酸化ケイ素、乾燥酵母、乾燥水、酸化アルミニウムゲル、乾燥硫酸ナトリウム、乾燥硫酸マグネシウム、カンテン、カンテン末、キシリトール、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、グリセリン、グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸ナトリウム、L−グルタミン、クレー、クレー粒、クロスカルメロースナトリウム、クロスポリビニルピロリドン、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、軽質流動パラフィン、ケイヒ末、結晶セルロース、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、結晶セルロース(粒)、ゲンマイコウジ、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、ゴマ油、小麦粉、コムギデンプン、小麦胚芽粉、コメコ、コメデンプン、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸フタル酸セルロース、サフラワー油、サラシミツロウ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、β―シクロデキストリン、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、2,6−ジ−ブチル−4−メチルフェノール、ジメチルポリシロキサン、酒石酸、酒石酸水素カリウム、焼セッコウ、ショ糖脂肪酸エステル、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウム・ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物、水酸化マグネシウム、スクラワン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ポリオキシル、ステアリン酸マグネシウム、ステロテックスHM、精製ゼラチン、精製セラック、精製白糖、精製白糖球状顆粒、セトステアリルアルコール、セトポリエチレングリコール、ゼラチン、ソルビタン脂肪酸エステル、D−ソルビトール、第三リン酸カルシウム、ダイズ油、大豆不ケン化物、大豆レシチン、脱脂粉乳、タルク、炭酸アンモニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、中性無水硫酸ナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デキストラン、デキストリン、天然ケイ酸アルミニウム、トウモロコシデンプン、トラガント末、二酸化ケイ素、乳酸カルシウム、乳糖、白色ワセリン、白糖、白糖・デンプン球状顆粒、ハダカムギ緑葉エキス末、裸麦芽葉青汁乾燥粉末、ハチミツ、パラフィン、バレイショデンプン、半消化体デンプン、人血清アルブミン、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、フィチン酸、ブドウ糖、ブドウ糖水和物、部分アルファー化デンプン、プルラン、プロピレングリコール、粉末還元麦芽糖水飴、粉末セルロース、ペクチン、ベントナイト、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリエチレングリコール、マルチトール、マルトース、D−マンニトール、水アメ、ミリスチン酸イソプロピル、無水乳糖、無水リン酸水素カルシウム、無水リン酸カルシウム造粒物、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、メチルセルロース、綿実粉、綿実油、モクロウ、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、薬用炭、ラッカセイ油、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、粒状トウモトコシデンプン、流動パラフィン、dl−リンゴ酸、リン酸−水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム造粒物、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素ナトリウム等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「食品添加物公定書」、「化粧品添加物公定書」(廣川書店発行)に賦形剤として分類されるものが挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
崩壊剤としては、クロスカルメロースナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類、カルボキシメチルスターチナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、コメデンプン、コムギデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、部分アルファー化デンプン等のデンプン類、クロスポリビニルピロリドン、クロスポリビニルピロリドンコポリマー等の合成高分子等の「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)、「食品添加物公定書」(廣川書店発行)に崩壊剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
結合剤としては、白糖、ブドウ糖、乳糖、果糖等の糖類、マンニトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、ソルビトール等の糖アルコール類、ゼラチン、プルラン、カラギーナン、ローカストビーンガム、寒天、グルコナンナン、キサンタンガム、タマリンドガム、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム等の水溶性多糖類、結晶セルロース、粉末セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース等のセルロース類、アルファー化デンプン、デンプン糊等のデンプン類、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール等の合成高分子類、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、合成ヒドロタルサイト、ケイ酸アルミン酸マグネシウム等の無機化合物類等「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「食品添加物公定書」、「化粧品添加物公定書」(廣川書店発行)に結合剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
流動化剤としては、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸等のケイ素化合物類等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「食品添加物公定書」、「化粧品添加物公定書」(廣川書店発行)に流動化剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ショ糖脂肪酸エステル、タルク等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「食品添加物公定書」、「化粧品添加物公定書」(廣川書店発行)に滑沢剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
矯味剤としては、グルタミン酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、塩化ナトリウム、1−メントール等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「食品添加物公定書」、「化粧品添加物公定書」(廣川書店発行)に矯味剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
香料としては、オレンジ、バニラ、ストロベリー、ヨーグルト、メントール、ウイキョウ油、ケイヒ油、トウヒ油、ハッカ油等の油類、緑茶末等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「食品添加物公定書」、「化粧品添加物公定書」(廣川書店発行)に着香剤、香料として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
着色剤としては、食用赤色3号、食用黄色5号、食用青色1号等の食用色素、銅クロロフィンナトリウム、酸化チタン、リボフラビン等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「食品添加物公定書」、「化粧品添加物公定書」(廣川書店発行)に着色剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
甘味剤としては、アスパルテーム、サッカリン、グリチルリチン酸二カリウム、ステビア、マルトース、マルチトール、水飴、アマチャ末等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「食品添加物公定書」、「化粧品添加物公定書」(廣川書店発行)に甘味剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
溶剤としては、医薬品に使用されるものであれば、特に制限されるものでは、例えばメタノール、エタノールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「食品添加物公定書」、「化粧品添加物公定書」(廣川書店発行)に溶剤として分類されるものが挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
油脂としては、例えば、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸ショ糖エステル、流動パラフィン等のパラフィン類、カルナウバロウ,硬化ヒマシ油等の硬化油類、ヒマシ油、ステアリン酸、ステアリルアルコール、ポリエチレングリコール等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「食品添加物公定書」、「化粧品添加物公定書」(廣川書店発行)に記載される油脂が挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
増粘剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアゴム、デンプン糊等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「食品添加物公定書」、「化粧品添加物公定書」(廣川書店発行)に記載される増粘剤が挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
界面活性剤としては、例えば、リン脂質、グリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタンサンモノラウレート、ポリソルベート、モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸グリセリド、モノオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、モノオキシエチレンソルビタンモノステアレート、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、ラウリル硫酸ナトリウム等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「食品添加物公定書」、「化粧品添加物公定書」(廣川書店発行)に界面活性剤として分類されるものが挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
ゲル化剤としては、例えば、ゼラチン等の動物性ゲル化剤、寒天、キサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、カードラン、ローカストビーンガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース、微結晶セルロース、微結晶セルロース等植物性多糖類、ポリビニルピロリドン等の化学合成高分子等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「食品添加物公定書」、「化粧品添加物公定書」(廣川書店発行)にゲル化剤として分類されるものが挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
また、生理活性のある食品素材としては例えば、コエンザイムQ10、ヒアルロン酸、セラミド、L-カルニチン、L-オルニチン、ギャバ、ビタミンCやビタミンEのような各種ビタミン、亜鉛や鉄などのミネラル、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサペンタエン酸(DPA)、中鎖脂肪酸、乳化オリゴ糖やガラクトオリゴ糖などのオリゴ糖類、大豆イソフラボン、アスタキサンチン、αーリポ酸、βーグルカン、ナットウキナーゼ、リコピン、カテキン、およびこれらの誘導体などが挙げられる。
以下に本発明の水溶性キシラン含有多糖類と、食品素材、化粧品素材、医薬品薬効成分またはそれらで使用される添加物の中から選択される1種以上の機能成分を含む食品/化粧品/医薬品の製造方法について記述するが、本発明の効果は、以下の方法に制限されるものではない。
各成分の添加方法は、通常行われている方法であれば特に制限はないが、1)水溶性キシラン含有多糖類と機能成分を同時に添加し、混合/分散/乳化しても、2)水溶性キシラン含有多糖類と特定の機能成分を予め混合/分散/乳化した後に、別の機能成分を添加し、混合/分散/乳化しても、3)2種以上の機能成分を予め混合/分散/乳化した後、水溶性キシラン含有多糖類を添加し、混合/分散/乳化しても、これらの添加方法を組み合わせた方法でもよい。添加する機能成分が溶液、懸濁液、乳化液の場合には、それらを水溶性キシラン含有多糖類または他の添加剤に噴霧する方法を採用することで、最終製品中の成分濃度ばらつきが小さくなるので好ましい。
ここで用いる装置としては、小型吸引輸送装置、空気輸送装置、バケットコンベヤ、圧送式輸送装置、バキュームコンベヤ、振動式定量フィーダー、スプレー、漏斗等を用いて連続的に添加しても、一括投入してもよい。また、各成分の混合方法は、通常行われている方法であれば特に制限はないが、V型、W型、ダブルコーン型、コンテナタック型混合機などの容器回転式混合機、あるいは高速撹拌型、万能撹拌型、リボン型、パグ型、ナウター型混合機などの撹拌式混合機、高速流動式混合機、ドラム式混合機、流動層式混合機を使用してもよい。またシェーカー等の容器振とう式混合機を使用することもできる。
分散方法としては、通常行われる分散方法であれば特に制限はないが、ポータブルミキサー、立体ミキサー、側面ミキサーなどの1方向回転式、多軸回転式、往復反転式、上下移動式、回転+上下移動式、管路式等の撹拌翼を使用する撹拌混合方法、ラインミキサー等の噴流式撹拌混合方法、気体吹き込み式の撹拌混合方法、高剪断ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー等を使用する混合方法でも、シェーカーを使用する容器振とう式混合方法等を用いてもよく、これらを組み合わせた方法でもよい。
また、上述の混合、分散において、水又は水/有機溶剤に必要に応じて界面活性剤、増粘剤、ゲル化剤を添加した水系媒体を添加する順序には特に制限はないが、1)水溶性キシラン含有多糖類に、予め水系媒体を添加し、溶解/分散/乳化させた後に、他の機能成分を添加しても、2)機能成分に予め水系媒体を添加し、溶解/分散/乳化させた後に、水溶性キシラン含有多糖類を添加しても、3)水溶性キシラン含有多糖類と機能成分を予め混合/分散/乳化させた後に、水系媒体を添加してもよく、4)上記の方法で混合/分散/乳化させた組成物を一旦乾燥し、得られた乾燥物を媒体及び/または機能成分に混合/分散/乳化させてもよく、これらを組み合わせた方法でもよい。ここで得られた水溶液分散体、ペースト、乳液、ゲル等の各液状、半固形状の食品/化粧品/医薬品は必要に応じて乾燥され、造粒、コーティング、成型等の加工が施される。
本発明の水溶性キシラン含有多糖類は、増粘性、成膜性、結合性に優れるため、他の機能成分を増粘させるために使用しても、保形剤として使用しても、ゲル化させるために使用しても、コーティング剤として使用しても、造粒の際の結合剤として使用してもよい。
造粒・コーティング方法としては、公知の方法であれば特に制限はないが、攪拌式または流動層式のいずれでもよく、それらを組み合わせた方法でもよい。攪拌式造粒機としては、例えばポータブルミキサー、立体ミキサー、側面ミキサーなどの1方向回転式、多軸回転式、往復反転式、上下移動式、回転+上下移動式の攪拌機、流動層式としては上部噴霧式、中央噴霧式、下部噴霧式、攪拌併用式、中央缶噴流式、ワースター式等が挙げられる。また、ローラーコンパクタを使用した乾式造粒を施してもよい。
コーティングについては、予め造粒物を得、それに公知のコーティングを施してもよく、コーティングを施した後、さらに別のコーティングを施し多層状としてもよい。コーティング剤の噴霧方法としては、圧力ノズル、二流体ノズル、四流体ノズル、回転ディスク、超音波ノズル等を使用し活性成分溶液/分散液を噴霧する方法、管状ノズルから活性成分溶液/分散液を滴下する方法のいずれでもよい。活性成分溶液/分散液を添加する際には、水溶性キシラン含有多糖類の粒子表面に活性成分を積層させるようなレイヤリング、コーティングを施しても、水溶性キシラン含有多糖類の粒子内部に担持させてもよく、機能成分溶液/分散液を結合液として水溶性キシラン含有多糖類の粒子または水溶性キシラン含有多糖類と他の機能成分の混合物をマトリックス状に造粒させてもよい。レイヤリング、コーティングは湿式であっても、乾式であっても効果は同様である。
本発明の水溶性キシラン含有多糖類は、液状成分の保持性にも優れ、それを核粒子として使用した場合には、レイヤリング、コーティング時の粒子の凝集を抑制できる。
また、活性成分が溶液、懸濁液、乳化液の場合には、水溶性キシラン含有多糖類と他の添加剤の混合物を担体とし、ディッピングの如く、活性成分溶液、懸濁液、乳化液に浸漬させ、活性成分を保持させる方法がとれる。成分種、濃度等の条件によるが、かかるディッピング等の液浸漬方法でも、実用的に成分濃度の均一性が保たれ、また、上記噴霧に比べ、工程が簡略である点で優れている。
さらに、活性成分が溶液、懸濁液、乳化液の場合には、水溶性キシラン含有多糖類と他の添加剤の混合物を担体として、活性成分溶液、懸濁液、乳化液に浸漬させた後、その分散液を噴霧乾燥し、複合体とする方法をとってもよい。
機能成分溶液/分散液を添加前後の水溶性キシラン含有多糖類と他の添加剤の混合物は、それぞれの単位粒子が個々に分散した状態であっても、凝集した造粒物の形態をとっていてもよい。
成型方法としては、通常行われている方法であれば特に制限はないが、型枠を用いてもよく、圧縮、溶融、射出、圧延等の公知の成型方法が適用でき、これらを組み合わせた方法でもよい。ここで用いられる成型機としては、圧縮成型機、溶融成型機、射出成型機、圧延成型機等が挙げられ、製菓用/化粧品/医薬品用成型機、米飯成型機、コンプレスド成型機、包あん機、蒲鉾製造装置、餃子・包子成型機、ファンデーション基材用圧縮成型機等の公知の成型機が使用できる。特に圧縮成型に関しては、型枠を使用し所望の形状に圧縮成形する方法、予めシート状に圧縮成形した後所望の形状に割断する方法でもよい。圧縮成形機としては、例えば、静圧プレス機、ブリケッティングローラー型プレス機、平滑ローラー型プレス機等のローラー式プレス機、シングルパンチ打錠機、ロータリー打錠機等の圧縮機を使用できる。上述の方法で得られた成型体は、公知の方法でコーティングを施してもよく、成型体が錠剤の場合には、糖をコーティングし、糖衣錠としてもよい。特に、本発明の水溶性キシラン含有多糖類は、上述糖衣錠における糖衣層に配合してもよい。
本発明の水溶性キシラン含有多糖類を含む、食品の例としては、例えば、ゼリー、プリン、ヨーグルト等のゲル、マヨネーズ、ドレッシング、ソース類、たれ類、スープ、野菜加工品等の調味料、カレー、ハヤシ、ミートソース、シチュー、スープ等のレトルト食品、チルド食品、ハンバーグ、ベーコン、ソーセージ、サラミソーセージ、ハム類等の畜産加工品、蒲鉾、ちくわ、魚肉ハム・ソーセージ、揚げ蒲鉾等の水練製品、パン、生麺、乾麺、マカロニ、スパゲッティ、中華饅頭の皮、ケーキミックス、プレミックス、ホワイトソース、餃子・春巻等の皮類などの小麦加工食品、カレー、ソース、スープ、佃煮、ジャムなどの缶詰、瓶詰類、キャンデー、キャラメル、トローチ、錠菓、チョコレート、ビスケット、クッキー、ガム、米菓、和洋菓子、洋生菓子、スナック菓子、砂糖菓子、プリンなどの菓子類、フライ類、コロッケ、餃子、中華饅頭等の調理加工品、野菜ペースト、肉のミンチ、果実ペースト、魚介類のペースト等のペースト類である。また、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、ホイップクリーム、練乳、バター、ヨーグルト、チーズ、ホワイトソース等の乳製品、マーガリン、ファットスプレッド、ショートニング等の油脂加工品等がある。さらに、コーラ等の炭酸飲料、炭酸入り、アルコール入り、乳製品と混合した果実飲料、果汁又は、果実入り飲料、乳性飲料等の飲料、コーヒー、牛乳、豆乳、ココア牛乳、フルーツ牛乳、ヨーグルト等の乳酸/乳性飲料等、煎茶、ウーロン茶、抹茶、紅茶等の茶飲料等に使用してもよい。
本発明の水溶性キシラン含有多糖類を含む化粧品の例としては、例えば、水溶液、乳液、クリーム、ペースト、ローション、フォーム、ジェル、粉末状のものがあり、化粧品ジェル、美容液、乳液、クリーム等の基礎化粧品、クレンジング、ボディーシャンプー、デオドラント、石鹸、洗顔料、歯磨き、シェービングクリーム、アフターシェービングローション等の洗浄用化粧品、ベースメイク、口紅類、ほお紅類、ファンデーション、おしろい・パウダー、アイメイク類等のメイクアップ化粧品、毛髪化粧品、シャンプー、リンス、トリートメント、染毛剤、整髪料、育毛剤等の毛髪化粧品、日焼け止め化粧品、ベビー用化粧品、天然系化粧品、入浴剤、スリミング、低刺激性化粧品、香水・コロン、爪化粧品、アロマ系化粧品等に使用してもよい。
本発明で得られる水溶性キシラン含有多糖類は、水溶性食物繊維で認められる、腸内環境の改善、血中糖濃度、血中インシュリン濃度の上昇抑制、血中コレステロールの低減、体脂肪率の低減、便通・便臭改善、抗う触性等の各種生理活性が期待できるため、上記の通常食品用途に加え、生理活性物質として、機能性食品、健康食品、ダイエット食品等の用途で使用してもよい。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明は以下の例によってなんら限定されるものではない。
[実施例1]
綿実殻(岡村製油製 商品名ハルブラン)を、目開きφ0.25mmのスクリーンをセットした超遠心粉砕器(特殊機化製 商品名ZM100型 回転数14000rpm)で、乾式粉砕した後、スクリーンを目開きφ0.12mmに変えて同様に粉砕した。綿実殻粉砕物の平均粒子径を表1に示す。得られた微細化綿実殻を、固形分10質量%として、0.25Nの水酸化ナトリウム水溶液に懸濁させ、95℃の温浴中で90rpmの速度で振とうしながら不純物を除去した後、ろ過により残さを回収し、該残さを、固形分10質量%として、1.25Nの水酸化ナトリウム水溶液に懸濁させ、60℃の温浴中で、90rpmで振とうしながら、2時間抽出した。該アルカリ媒体溶液からろ過により残さを除去した後、該溶液を中和し、遠心分離により水不溶性のアルカリ抽出画分を得た。該アルカリ抽出物を乾燥し、キシロース含量、収率を測定した結果を表1に示す。
[実施例2]
綿実殻(岡村製油製 商品名ハルブラン)を、20質量%の水懸濁液とし、該懸濁液200gを高速剪断ホモジナイザー(商品名エクセルオートホモジナイザー)に導入し、回転数15000rpmで、30分処理し、微細化した。処理後の綿実殻の平均粒子径を表1に示す。この綿実殻を、実施例1と同様にアルカリ処理し、不純物除去と、抽出を行った。該アルカリ抽出物を乾燥し、キシロース含量および収率を測定した結果を表1に示す。
[実施例3]
綿実殻(岡村製油製 商品名ハルブラン)を、20質量%の水懸濁液とし、該懸濁液200gを高速剪断ホモジナイザー(商品名エクセルオートホモジナイザー)に導入し、回転数15000rpmで、120分処理し、微細化した。処理後の綿実殻の平均粒子径を表1に示す。この綿実殻を、実施例1と同様にアルカリ処理し、不純物除去と、抽出を行った。該アルカリ抽出物を乾燥し、キシロース含量および収率を測定した結果を表1に示す。
[実施例4]
バガス(球陽製糖製)を、実施例1と同様に微細化した。微細化物の平均粒子径を表1に示す。このバガスを、実施例1と同様にアルカリ処理し、不純物除去と、抽出を行った。該アルカリ抽出物を乾燥し、キシロース含量および収率を測定した結果を表1に示す。
[比較例1]
綿実殻(岡村製油製 商品名ハルブラン)を、微細化せず、そのまま使用し実施例1の方法でアルカリ処理した。該アルカリ抽出物を乾燥し、キシロース含量および収率を測定した結果を表1に示す。
[比較例2]
バガス(球陽製糖製)を、微細化せず、そのまま使用し実施例1の方法でアルカリ処理した。該アルカリ抽出物を乾燥し、キシロース含量および収率を測定した結果を表1に示す。
[実施例5〜8、比較例3、4]
実施例1〜4、比較例1、2で得られたアルカリ抽出物を基質とし、基質に対し1/100量の市販のキシラナーゼ(新日本化学製 スミチームAS)を加えた50mM酢酸/酢酸ナトリウム緩衝液中で、90rpmで振とうしながら、55℃、4時間で部分加水分解した。得られた水懸濁液中の残さを、5000Gの遠心分離で沈降させ、上清を採取した。採取した上清を、40torrの減圧下、70℃において、体積比10倍まで濃縮し、濃縮液中の水とエタノールが質量比で、30/70になるよう、エタノールを加え、析出した画分を乾燥し、水溶性キシラン含有多糖類を得た。得られた水溶性キシラン含有多糖類のキシロース含量および収率を表1に示す。
[実施例1]
綿実殻(岡村製油製 商品名ハルブラン)を、目開きφ0.25mmのスクリーンをセットした超遠心粉砕器(特殊機化製 商品名ZM100型 回転数14000rpm)で、乾式粉砕した後、スクリーンを目開きφ0.12mmに変えて同様に粉砕した。綿実殻粉砕物の平均粒子径を表1に示す。得られた微細化綿実殻を、固形分10質量%として、0.25Nの水酸化ナトリウム水溶液に懸濁させ、95℃の温浴中で90rpmの速度で振とうしながら不純物を除去した後、ろ過により残さを回収し、該残さを、固形分10質量%として、1.25Nの水酸化ナトリウム水溶液に懸濁させ、60℃の温浴中で、90rpmで振とうしながら、2時間抽出した。該アルカリ媒体溶液からろ過により残さを除去した後、該溶液を中和し、遠心分離により水不溶性のアルカリ抽出画分を得た。該アルカリ抽出物を乾燥し、キシロース含量、収率を測定した結果を表1に示す。
[実施例2]
綿実殻(岡村製油製 商品名ハルブラン)を、20質量%の水懸濁液とし、該懸濁液200gを高速剪断ホモジナイザー(商品名エクセルオートホモジナイザー)に導入し、回転数15000rpmで、30分処理し、微細化した。処理後の綿実殻の平均粒子径を表1に示す。この綿実殻を、実施例1と同様にアルカリ処理し、不純物除去と、抽出を行った。該アルカリ抽出物を乾燥し、キシロース含量および収率を測定した結果を表1に示す。
[実施例3]
綿実殻(岡村製油製 商品名ハルブラン)を、20質量%の水懸濁液とし、該懸濁液200gを高速剪断ホモジナイザー(商品名エクセルオートホモジナイザー)に導入し、回転数15000rpmで、120分処理し、微細化した。処理後の綿実殻の平均粒子径を表1に示す。この綿実殻を、実施例1と同様にアルカリ処理し、不純物除去と、抽出を行った。該アルカリ抽出物を乾燥し、キシロース含量および収率を測定した結果を表1に示す。
[実施例4]
バガス(球陽製糖製)を、実施例1と同様に微細化した。微細化物の平均粒子径を表1に示す。このバガスを、実施例1と同様にアルカリ処理し、不純物除去と、抽出を行った。該アルカリ抽出物を乾燥し、キシロース含量および収率を測定した結果を表1に示す。
[比較例1]
綿実殻(岡村製油製 商品名ハルブラン)を、微細化せず、そのまま使用し実施例1の方法でアルカリ処理した。該アルカリ抽出物を乾燥し、キシロース含量および収率を測定した結果を表1に示す。
[比較例2]
バガス(球陽製糖製)を、微細化せず、そのまま使用し実施例1の方法でアルカリ処理した。該アルカリ抽出物を乾燥し、キシロース含量および収率を測定した結果を表1に示す。
[実施例5〜8、比較例3、4]
実施例1〜4、比較例1、2で得られたアルカリ抽出物を基質とし、基質に対し1/100量の市販のキシラナーゼ(新日本化学製 スミチームAS)を加えた50mM酢酸/酢酸ナトリウム緩衝液中で、90rpmで振とうしながら、55℃、4時間で部分加水分解した。得られた水懸濁液中の残さを、5000Gの遠心分離で沈降させ、上清を採取した。採取した上清を、40torrの減圧下、70℃において、体積比10倍まで濃縮し、濃縮液中の水とエタノールが質量比で、30/70になるよう、エタノールを加え、析出した画分を乾燥し、水溶性キシラン含有多糖類を得た。得られた水溶性キシラン含有多糖類のキシロース含量および収率を表1に示す。
表1は、未処理の綿実殻およびバガスに対し、微細化した原料を使用した場合の抽出物および酵素分解物のキシロース含有率および収率を示したものである。原料を本発明の範囲に微細化することで、酵素分解物のキシロース含量および収率が向上した。
また、表1に実施例5、7、8で得られた水溶性キシラン含有多糖類の増粘率を記す。実施例で得られた水溶性キシラン含有多糖類の粘度は、添加量依存的に増加するため、増粘剤として使用可能である。
[実施例9]
実施例7で得られた水溶性キシラン含有多糖類を使用し、水溶性キシラン5質量部を、80℃の水45質量部に溶解させ、さらに菜種油(日清オイリオ製 商品名キャノーラ油)を50部加えた後、80℃の温浴中で、ホモジナイザー(特殊機化製 商品名TKホモジナイザー)で、8000rpmで、5分間乳化させた。これを、100mLのガラス製メシシリンダーに導入し、5時間、1週間、2週間放置後の、乳化率を表2に示す。
[比較例5]
実施例9において、水溶性キシラン含有多糖類の代わりに、市販のキシロオリゴ糖(サントリー製 商品名キシロオリゴ70 平均分子量10〜120kの成分含有率0%)を使用し、同様に評価した。結果を表2に記す。
[比較例6]
水溶性キシランの代わりに、市販のアラビアガム(コロイドナチュレル製商品名IRX40693)を使用し、同様に評価した。結果を表2に示す。
実施例7で得られた水溶性キシラン含有多糖類を使用し、水溶性キシラン5質量部を、80℃の水45質量部に溶解させ、さらに菜種油(日清オイリオ製 商品名キャノーラ油)を50部加えた後、80℃の温浴中で、ホモジナイザー(特殊機化製 商品名TKホモジナイザー)で、8000rpmで、5分間乳化させた。これを、100mLのガラス製メシシリンダーに導入し、5時間、1週間、2週間放置後の、乳化率を表2に示す。
[比較例5]
実施例9において、水溶性キシラン含有多糖類の代わりに、市販のキシロオリゴ糖(サントリー製 商品名キシロオリゴ70 平均分子量10〜120kの成分含有率0%)を使用し、同様に評価した。結果を表2に記す。
[比較例6]
水溶性キシランの代わりに、市販のアラビアガム(コロイドナチュレル製商品名IRX40693)を使用し、同様に評価した。結果を表2に示す。
表2は、本発明の水溶性キシラン含有多糖類と、市販のキシロオリゴ糖、および既存の乳化性多糖であるアラビアガムの乳化力を比較したものである。本発明の水溶性キシランは、キシロース含量および分子量を特定の範囲に制御することにより、キシロオリゴ糖に対し高い乳化性を有する。また、アラビアガムと比較しても、高い乳化安定性を示した。
[比較例7]
水溶性キシラン含有多糖類を塩酸で加水分解し、分子量10〜120Kの成分が15%の水溶性キシランを調整して、同様に評価した。結果を表2に示す。
[比較例7]
水溶性キシラン含有多糖類を塩酸で加水分解し、分子量10〜120Kの成分が15%の水溶性キシランを調整して、同様に評価した。結果を表2に示す。
表2は、本発明の水溶性キシラン含有多糖類と、市販のキシロオリゴ糖、および既存の乳化性多糖であるアラビアガム、本発明の分子量範囲に制御されていない水溶性キシラン含有多糖類の乳化力を比較したものである。本発明の水溶性キシランは、キシロース含量および分子量を特定の範囲に制御することにより、キシロオリゴ糖に対し高い乳化性を有する。また、アラビアガムと比較しても、高い乳化安定性を示した。また、分子量10〜120kの成分が本発明の範囲をはずれたものでは長期の乳化安定性は得られなかった。
[実施例10]
実施例7の水溶性キシラン含有多糖類7質量%と、オレンジオイル7質量%(キシダ化学製)、ダンマル樹脂2質量%(コロイドナチュレル製)に水を加え100質量%として、高速ミキサー(エクセルオートホモジナイザー)で15000rpm、15分間処理した後、高圧ホモジナイザー(ニロソアビー製 商品名マントンゴーリンホモ)により240barで、2パス処理した乳化液を、噴霧乾燥(東京理化製 商品名スプレードライヤーSD−9)した。
実施例7の水溶性キシラン含有多糖類7質量%と、オレンジオイル7質量%(キシダ化学製)、ダンマル樹脂2質量%(コロイドナチュレル製)に水を加え100質量%として、高速ミキサー(エクセルオートホモジナイザー)で15000rpm、15分間処理した後、高圧ホモジナイザー(ニロソアビー製 商品名マントンゴーリンホモ)により240barで、2パス処理した乳化液を、噴霧乾燥(東京理化製 商品名スプレードライヤーSD−9)した。
得られた粉末を、酢酸および酢酸ナトリウムで、pH4.0に調整した緩衝液に対し、2質量部加え、上記と同様に高速ミキサーで分散した後、ガラス製メスシリンダーに導入し、1ヶ月、常温で保存した。保存後に、乳化液を観察した結果、オイルオフ、沈降物は見られず、乳化液は安定であった。また、保存前後の油滴の平均径を比較したところ、殆ど油滴径の増大は見られなかった(保存前 0.83μm→保存後0.88μm)。
[実施例11]
綿実殻(岡村製油製 商品名ハルブラン)200gを800gの0.25Nの水酸化ナトリウム水溶液に懸濁させ、95℃の温浴中で200rpmの速度で攪拌して洗浄した。ろ過により残渣を回収し、該残渣を固形分20質量%として、0.25Nの水酸化ナトリウム水溶液に懸濁させ、60℃の温浴中で35%過酸化水素水を20ml加え、200rpmで攪拌しながら、2時間処理した。ろ過により残渣を得て、残渣をろ液のpHが10以下になるまで洗浄した。得られた残渣を固形分20質量%とし、酢酸をpHが4.7になるまで加えた。そこにキシラナーゼ(新日本化学製 スミチームX)を0.5g加え、55℃に加温し、500rpm、2時間攪拌した。反応液を80℃、一時間処理して酵素を失活させ、濃縮、晶析、乾燥を行い、水溶性キシラン含有多糖類を14.3g得た。この水溶性キシラン含有多糖類は着色度0.63、キシロース成分は65.6%、分子量が10000〜120000の成分は41.7%であった。
[実施例12]
コーンコブミール(日本発酵飼料製)20gを160gの0.25Nの水酸化ナトリウム水溶液に懸濁させ、95℃の温浴中で2時間洗浄した。ろ過により残渣を得て、残渣をろ液のpHが10以下になるまで洗浄した。得られた残渣を固形分10質量%とし、酢酸をpHが4.5になるまで加えた。そこにキシラナーゼ(新日本化学製 スミチームX)を0.05g加え、55℃に加温し150rpmで2時間振とうした。反応液を80℃、1時間処理して酵素を失活させ、濃縮、晶析、乾燥を行い、水溶性キシラン含有多糖類を1.1g得た。この水溶性キシラン含有多糖類は着色度0.13、キシロース成分は46.2%、分子量が10000〜120000の成分は87.0%、分子量20000〜110000の成分が61.1%、30000〜70000の成分が48%であった。
[実施例13]
綿実殻(岡村製油製 商品名ハルブラン)200gを800gの0.25Nの水酸化ナトリウム水溶液に懸濁させ、95℃の温浴中で200rpmの速度で攪拌して洗浄した。ろ過により残渣を回収し、該残渣を固形分20質量%として、0.25Nの水酸化ナトリウム水溶液に懸濁させ、100g/Nm3のオゾンを吹き込んで200rpmで攪拌しながら、2時間処理した。ろ過により残渣を得て、残渣をろ液のpHが10以下になるまで洗浄した。得られた残渣を固形分20質量%とし、酢酸をpHが4.7になるまで加えた。そこにキシラナーゼ(新日本化学製 スミチームAS)を0.5g加え、55℃に加温し、500rpm、2時間攪拌した。反応液を80℃、一時間処理して酵素を失活させ、濃縮、晶析、乾燥を行い、水溶性キシラン含有多糖類を14.3g得た。この水溶性キシラン含有多糖類は着色度0.44、キシロース成分は52.1%、分子量が10000〜120000の成分は47.6%であった。
[比較例8]
綿実殻(岡村製油製 商品名ハルブラン)200gを800gの0.25Nの水酸化ナトリウム水溶液に懸濁させ、95℃の温浴中で200rpmの速度で攪拌して洗浄した。実施例11の過酸化水素処理を行わずに、ろ過により残渣を得て、残渣をろ液のpHが10以下になるまで洗浄した。得られた残渣を固形分20質量%とし、酢酸をpHが4.7になるまで加えた。そこにキシラナーゼ(新日本化学製 スミチームAS)を0.5g加え、55℃に加温し、500rpm、2時間攪拌した。反応液を80℃、一時間処理して酵素を失活させ、濃縮、晶析、乾燥を行い、水溶性キシラン含有多糖類を1.3g得た。過酸化水素処理を行わなかったため、着色度が1.43と大きく、さらに収量が極めて低かった。
[比較例9]
バガス(球陽製糖製)20gに50mM酢酸バッファー(pH4.5)を200ml加えた。そこにキシラナーゼ(新日本化学製 スミチームX)を0.05g加え、55℃に加温し、150rpm、2時間振とうした。反応液を80℃、一時間処理して酵素を失活させ、濃縮、晶析、乾燥を行い、水溶性キシラン含有多糖類を0.1g得た。この水溶性キシラン含有多糖類のキシロース成分は15%であった。アルカリによる不純物除去を行わなかったため、キシラナーゼとの反応性が極めて低く、本発明の水溶性キシラン含有多糖類は得られなかった。
[実施例11]
綿実殻(岡村製油製 商品名ハルブラン)200gを800gの0.25Nの水酸化ナトリウム水溶液に懸濁させ、95℃の温浴中で200rpmの速度で攪拌して洗浄した。ろ過により残渣を回収し、該残渣を固形分20質量%として、0.25Nの水酸化ナトリウム水溶液に懸濁させ、60℃の温浴中で35%過酸化水素水を20ml加え、200rpmで攪拌しながら、2時間処理した。ろ過により残渣を得て、残渣をろ液のpHが10以下になるまで洗浄した。得られた残渣を固形分20質量%とし、酢酸をpHが4.7になるまで加えた。そこにキシラナーゼ(新日本化学製 スミチームX)を0.5g加え、55℃に加温し、500rpm、2時間攪拌した。反応液を80℃、一時間処理して酵素を失活させ、濃縮、晶析、乾燥を行い、水溶性キシラン含有多糖類を14.3g得た。この水溶性キシラン含有多糖類は着色度0.63、キシロース成分は65.6%、分子量が10000〜120000の成分は41.7%であった。
[実施例12]
コーンコブミール(日本発酵飼料製)20gを160gの0.25Nの水酸化ナトリウム水溶液に懸濁させ、95℃の温浴中で2時間洗浄した。ろ過により残渣を得て、残渣をろ液のpHが10以下になるまで洗浄した。得られた残渣を固形分10質量%とし、酢酸をpHが4.5になるまで加えた。そこにキシラナーゼ(新日本化学製 スミチームX)を0.05g加え、55℃に加温し150rpmで2時間振とうした。反応液を80℃、1時間処理して酵素を失活させ、濃縮、晶析、乾燥を行い、水溶性キシラン含有多糖類を1.1g得た。この水溶性キシラン含有多糖類は着色度0.13、キシロース成分は46.2%、分子量が10000〜120000の成分は87.0%、分子量20000〜110000の成分が61.1%、30000〜70000の成分が48%であった。
[実施例13]
綿実殻(岡村製油製 商品名ハルブラン)200gを800gの0.25Nの水酸化ナトリウム水溶液に懸濁させ、95℃の温浴中で200rpmの速度で攪拌して洗浄した。ろ過により残渣を回収し、該残渣を固形分20質量%として、0.25Nの水酸化ナトリウム水溶液に懸濁させ、100g/Nm3のオゾンを吹き込んで200rpmで攪拌しながら、2時間処理した。ろ過により残渣を得て、残渣をろ液のpHが10以下になるまで洗浄した。得られた残渣を固形分20質量%とし、酢酸をpHが4.7になるまで加えた。そこにキシラナーゼ(新日本化学製 スミチームAS)を0.5g加え、55℃に加温し、500rpm、2時間攪拌した。反応液を80℃、一時間処理して酵素を失活させ、濃縮、晶析、乾燥を行い、水溶性キシラン含有多糖類を14.3g得た。この水溶性キシラン含有多糖類は着色度0.44、キシロース成分は52.1%、分子量が10000〜120000の成分は47.6%であった。
[比較例8]
綿実殻(岡村製油製 商品名ハルブラン)200gを800gの0.25Nの水酸化ナトリウム水溶液に懸濁させ、95℃の温浴中で200rpmの速度で攪拌して洗浄した。実施例11の過酸化水素処理を行わずに、ろ過により残渣を得て、残渣をろ液のpHが10以下になるまで洗浄した。得られた残渣を固形分20質量%とし、酢酸をpHが4.7になるまで加えた。そこにキシラナーゼ(新日本化学製 スミチームAS)を0.5g加え、55℃に加温し、500rpm、2時間攪拌した。反応液を80℃、一時間処理して酵素を失活させ、濃縮、晶析、乾燥を行い、水溶性キシラン含有多糖類を1.3g得た。過酸化水素処理を行わなかったため、着色度が1.43と大きく、さらに収量が極めて低かった。
[比較例9]
バガス(球陽製糖製)20gに50mM酢酸バッファー(pH4.5)を200ml加えた。そこにキシラナーゼ(新日本化学製 スミチームX)を0.05g加え、55℃に加温し、150rpm、2時間振とうした。反応液を80℃、一時間処理して酵素を失活させ、濃縮、晶析、乾燥を行い、水溶性キシラン含有多糖類を0.1g得た。この水溶性キシラン含有多糖類のキシロース成分は15%であった。アルカリによる不純物除去を行わなかったため、キシラナーゼとの反応性が極めて低く、本発明の水溶性キシラン含有多糖類は得られなかった。
Claims (5)
- 植物性原料を、粉砕または摩砕により、平均粒子径500μm以下に調製したものを、0.025〜0.5Nのアルカリ性媒体中で加温して、得られた残さから、0.25〜2.5Nのアルカリ性媒体中で抽出し、該抽出物にキシラナーゼを作用させ部分加水分解し、キシロース成分を30質量%以上、分子量が10000〜120000の成分を40%以上含有する水溶性キシラン含有多糖類を得ることを特徴とする水溶性キシラン含有多糖類の製造方法。
- 植物性原料を0.025〜0.5Nのアルカリ性媒体中で洗浄し、アルカリ処理後の固形物にキシラナーゼを反応させ、キシロース成分が30質量%以上でかつ、分子量が10000〜120000の成分を40%以上、着色度が1.0以下の水溶性キシラン含有多糖類を得ることを特徴とする水溶性キシラン含有多糖類の製造方法。
- 植物性原料を0.025〜0.5Nのアルカリ性媒体で洗浄し、その洗浄した植物性原料をアルカリ性過酸化水素及び/又は次亜塩素酸ナトリウム及び/又はオゾンで処理し、その処理物にキシラナーゼを反応させることにより得られる、キシロース成分が30質量%以上でかつ、分子量が10000〜120000の成分を40%以上、着色度が1.0以下である水溶性キシラン含有多糖類を得ることを特徴とする水溶性キシラン含有多糖類の製造方法。
- 植物性原料が綿実殻、バガス、トウモロコシの芯から選ばれる一種類以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水溶性キシラン含有多糖類の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の水溶性キシラン含有多糖類と1種以上の食品素材、必要に応じて界面活性剤、増粘剤、ゲル化剤、香料、比重調整剤、保存料、pH調整剤、キレート剤、着色料から選ばれる1種以上を水性媒体と共に、乳化、分散、溶解、または混合により製造される水溶液、乳液、水分散体、ペースト、ゲル状、及びこれらを乾燥して得られる粉体、顆粒のいずれかの形態を有する水溶性キシラン含有多糖類組成物。
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