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JP2007202596A - 体液吸収要素及び体液吸収性物品 - Google Patents

体液吸収要素及び体液吸収性物品 Download PDF

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JP2007202596A
JP2007202596A JP2006021418A JP2006021418A JP2007202596A JP 2007202596 A JP2007202596 A JP 2007202596A JP 2006021418 A JP2006021418 A JP 2006021418A JP 2006021418 A JP2006021418 A JP 2006021418A JP 2007202596 A JP2007202596 A JP 2007202596A
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Kourei Fukae
晃礼 深江
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Abstract

【課題】吸収性能に優れた体液吸収要素とする。
【解決手段】体液吸収体4及びこの体液吸収体の被覆シート5で体液吸収要素3を構成する。そして、被覆シート5は、体液吸収体4の表面側に被覆シート5aを、裏面側に被覆シート5bを、それぞれ備え、これらを体液吸収体4の周縁外方において接合し、必要に応じてこの接合部分を外側に折り返し裏面側被覆シート5bの裏面に接合して、形成する。この際、表面側被覆シート5aは不織布で、裏面側被覆シート5bはティシュペーパーで、それぞれ形成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、使い捨て紙おむつや生理用ナプキン、尿取りパッド、吸収パッド等の体液吸収性物品、及び、この体液吸収性物品に利用することができる体液吸収要素に関するものである。
この種の体液吸収要素としては、従来から、例えば、図1に示すような、体液吸収要素100がある。この体液吸収要素100は、体液吸収体101と、この体液吸収体101の被覆シート102と、から主になる。体液吸収体101は、フラッフ状のパルプ繊維集合体やトウからなる繊維集合体等の繊維集合体内に、粒状の吸収性ポリマーが混入されるなどして形成されている。他方、被覆シート102は、クレープ紙などからなり、体液吸収体101の表面、一方側面、裏面、他方側面及び表面に、この順に沿うように一周巻かれて(いわゆる額巻き)、備えられている(例えば、特許文献1参照。)。この被覆シート102の額巻きは、体液吸収体101の表面において、オーバーラップ部103(被覆シート102の一端部と他端部とが重なる部位)が形成されるように、行われている。体液吸収体101の被覆シート102によって被覆されない部位をなくし、もって、例えば、体液吸収体101の形状保持性などを向上させるためである。このようにしてなる従来の体液吸収要素100は、表面側にトップシートやセカンドシートなどの表面側物品シートが備えられるなどして、例えば、紙おむつや生理用ナプキン等の体液吸収性物品として、市販化されている。
しかしながら、この従来の体液吸収要素100においては、被覆シート102がオーバーラップ部103を有するため、このオーバーラップ部103において体液が滞ってしまうことがあった。体液が滞ると、例えば、吸収速度の低下や体液の逆戻り、さらっと感の低下などが生じ、吸収性能が低下してしまう。
特開2001−161748号公報
本発明が解決しようとする主たる課題は、吸収性能に優れた体液吸収要素及び体液吸収性物品を提供することにある。
この課題を解決した本発明は、次のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
体液吸収体及びこの体液吸収体の被覆シートからなる体液吸収要素であって、
前記被覆シートは、前記体液吸収体の表面側に備えられた被覆シート及び裏面側に備えられた被覆シートが、前記体液吸収体の周縁外方において接合されて、又は、周縁外方において接合されこの接合部分が外側に折り返されて前記裏面側被覆シートの裏面に接合されてなり、
前記表面側被覆シートは不織布で、前記裏面側被覆シートはティシュペーパーで、それぞれ形成されている、ことを特徴とする体液吸収要素。
〔請求項2記載の発明〕
前記不織布は、0.02dtex以上の径を有する繊維で形成されている、請求項1記載の体液吸収要素。
〔請求項3記載の発明〕
前記体液吸収体は吸収性ポリマーを含み、前記不織布は繊維間距離が50μm以上、850μm未満とされている、請求項1又は請求項2記載の体液吸収要素。
〔請求項4記載の発明〕
体液吸収体及びこの体液吸収体の被覆シートからなる体液吸収要素と、この体液吸収要素の表面側に備えられた少なくとも一層の物品シートと、を有する体液吸収性物品であって、
前記被覆シートは、前記体液吸収体の表面側に備えられた被覆シート及び裏面側に備えられた被覆シートが、前記体液吸収体の周縁外方において接合されてなり、
前記表面側被覆シートは、表面が平坦面とされ裏面が起毛面とされている、ことを特徴とする体液吸収性物品。
〔請求項5記載の発明〕
前記被覆シートは、前記表面側被覆シートのみで前記裏面側被覆シートがなく、前記体液吸収要素の裏面側に防水シートが備えられている、請求項4記載の体液吸収性物品。
本発明によると、吸収性能に優れた体液吸収要素及び体液吸収性物品となる。
次に、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下では、体液吸収性物品が「止着テープ型の紙おむつ」である場合を例に説明する。
〔紙おむつの形状など〕
図2及び図3に示すように、本形態の紙おむつ10は、体液透過性のトップシート1及びセカンドシート6からなる表面側の物品シートと、体液不透過性の防水シート2からなる裏面側の物品シートと、トップシート1及び防水シート2の間に介在された体液吸収要素3と、から主になる。
トップシート1及び防水シート2は、紙おむつ10の平面外形と同じ形状になっており、前後端部及び両側部が体液吸収要素3の前後端縁又は両側縁よりも前後方又は側方に延出している。これらトップシート1及び防水シート2の側方への延出は、特に前後端部において長くなっている。この長く延出した部位(以下、単に「延出部」ともいう。)には、例えばファスニングテープ等の止着材など(図示せず)を取り付けることができる。
また、トップシート1及び防水シート2は、この延出部において接合されている。この接合の方法は、特に限定されない。例えば、ホットメルト接着、超音波シール、ヒートシール(熱融着)、ヒートプレス(熱圧着)又はこれらの組み合わせによることができる。図3では、ホットメルトH2によって接着した形態を示している。
一方、体液吸収要素3は、体液吸収体4と、この体液吸収体4を被覆する被覆シート5と、から主になる。体液吸収要素3は、平面形状が、図2に示すように、前後方向中央部が幅狭のほぼ砂時計型状になっている。体液吸収体4は、被覆シート5によって形状保持が図られている。
被覆シート5は、体液吸収体4の表面側に備えられた被覆シート5a及び裏面側に備えられた被覆シート5bが、体液吸収体4の周縁外方において接合されて(以下、この接合された部位を、単に「接合部」ともいう。)、又は、周縁外方において接合されこの接合部分が外側に折り返されて裏面側被覆シート5bの裏面に接合されてなる。この形態によると、体液吸収体4の表面側は、表面側被覆シート5aで構成されて平坦(平面)状となり、オーバーラップ部103(図1参照)が形成されない(存在しない)ことになるため、吸収性能が低下するおそれがない。また、表面側被覆シート5a及び裏面側被覆シート5bを、各々の必要に応じて、例えば、ラミネート加工されたもの、親水化加工(通常、表面側被覆シート5aについて。)、疎水化・撥水化加工(通常、裏面側被覆シート5bについて。)されたものとすることができる。
表面側被覆シート5a及び裏面側被覆シート5bの体液吸収体4の周縁外方における接合方法は、特に限定されない。トップシート1及び防水シート2の延出部における接合と同様とすることができる。図3では、ホットメルトH1によって接着した形態を示している。
また、この接合を、体液吸収体4の周縁と接合部の内側縁とがいかなる距離となるように(つまり、体液吸収体4の周縁からどの位外方において。)、接合部の内側縁から外側縁までがいかなる距離となるように、(つまり、どの位の範囲にわたって。)、行うかは、特に限定されない。ただし、体液吸収体4の周縁と接合部の内側縁とができる限り短い距離となるように接合するのが好ましく、10mm以下となるように接合するのがより好ましく、5mm以下となるように接合するのが特に好ましい。できる限り短い距離となるように接合すると、体液吸収体4のずれやよれ、割れなどが防止され、形状保持性が向上する。なお、この形状保持性という観点においては、接合部の内側縁から外側縁までがいかなる距離となるように接合するかは、特に限定されない。接合部の内側縁から外側縁までがいかなる距離となるように接合するかは、例えば、接合強度などの観点から、適宜設定することができる。
本形態においては、表面側被覆シート5aを不織布で、裏面側被覆シート5bをティシュペーパーで、それぞれ形成するのが好ましい。肌面側となる表面側の被覆シート5aを不織布で形成すると、エンボス加工やプレス加工などの機械的加工が可能になり、表面性、吸収性、柔軟性を向上させることができる。また、表面側被覆シート5aを不織布で形成すると、破れにくくなるとの利点もある。一方、裏面側被覆シート5bをティシュペーパーで形成すると、以上の表面性の向上や破れにくさという利点が、低コストで実現される。
表面側被覆シート5aの不織布は、0.02〜2.0dtexの径を有する繊維で形成されているのが好ましく、0.05〜0.5dtexの径を有する繊維で形成されているのがより好ましい。不織布が0.02dtex以上の径を有する繊維で形成されていると、嵩、粗密、コシ、吸収性ポリマー抜け防止、起毛、弾性、柔軟性などに富んだ表面側被覆シート5aとなる。
ここで、体液吸収体4が吸収性ポリマーを含む場合、具体的には、例えば、繊維集合体内に吸収性ポリマーが混入されるなどして形成されている場合は、不織布の繊維間距離が50μm以上、850μm未満とされているのが好ましく、50μm以上、500μm未満とされているのがより好ましく、50μm以上、180μm未満とされているのがさらに好ましく、50μm以上、90μmとされているのが特に好ましい。繊維間距離が短くされていると、吸収性ポリマーの抜けが防止される。
また、表面側被覆シート5aは、図3中に拡大して示すように、表面5a1が平坦(フラット)面とされ、裏面5a2が起毛面(毛羽立った面)とされているのが好ましい。表面5a1が平坦面とされていると、体液吸収要素3の表面側に備えられた物品シートとの、本形態ではセカンドシート6との接着性が向上し、物品シートと体液吸収要素3とのずれが防止される。他方、裏面5a2が起毛面とされていると、この起毛が表面側被覆シート5aから体液吸収体4までの体液通路となり吸収性能が向上する。
さらに、被覆シート5は、表面側被覆シート5aのみで裏面側被覆シート5bがなく、体液吸収要素3の裏面側に、直接的に又は間接的に防水シート2等が備えられていてもよい。裏面側被覆シート5bがないと、資材源が削減され、また、製品(物品)を掴んだときのやわらかさ感が向上する(つまり、ティシュペーパー特有のガザガサ感がなくなる。)。
(その他)
(1)本形態において、表面側の物品シートは、トップシート1及びセカンドシート6が積層された2層とされている。ただし、2層に限定する趣旨ではない。例えば、トップシート1のみからなる1層とすることや、適宜他のシートも積層された3層、4層、5層又はそれ以上の複数層とすることもできる。つまり、物品シートは、少なくとも一層有すれば足りる。なお、本形態のように、セカンドシート6を有する形態は、体液の拡散性に優れる。
(2)裏面側被覆シート5bは、防水シート2に接合することができる。この接合によって、裏面側の物品シート(防水シート2)と体液吸収要素3とのずれが防止される。なお、この接合は、延出部における接合と同様の方法で行うことができる。
(3)紙おむつ10には、例えば立体ギャザーや立体カフス等の公知の漏れ防止手段などを設けることもできる。
(4)本形態において、体液吸収体4を構成する繊維集合体は、トウからなる繊維集合体であるのが好ましい。トウからなる繊維集合体は、空隙容量が多いため、体液吸収体4の体液保持能力が向上する。
(5)本明細書において、例えば、A及びB「からなる」とは、A及びB「のみからなる」ということを意味するものではない。つまり、A及びB以外を含む形態も含まない形態も包含する。
〔各部材の素材等〕
(トウからなる繊維集合体)
トウからなる繊維集合体とは、繊維で構成されたトウ(繊維束)からなる、つまりトウを原材料として製造された繊維集合体を意味する。トウ構成繊維としては、例えば、多糖類又はその誘導体(セルロース、セルロースエステル、キチン、キトサンなど)、合成高分子(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリラクタアミド、ポリビニルアセテートなど)などを用いることができるが、特に、セルロースエステル及びセルロースが好ましい。
セルロースとしては、綿、リンター、木材パルプなど植物体由来のセルロースやバクテリアセルロースなどが使用でき、レーヨンなどの再生セルロースであってもよく、再生セルロースは紡糸された繊維であってもよい。セルロースの形状と大きさは、実質的に無限長とみなし得る連続繊維から長径が数ミリ〜数センチ(例えば、1mm〜5cm)程度のもの、粒径が数ミクロン(例えば、1〜100μm)程度の微粉末状のものまで、様々な大きさから選択できる。セルロースは、叩解パルプなどのように、フィブリル化していてもよい。
セルロースエステルとしては、例えば、セルロースアセテート、セルロースブチレート、セルロースプロピオネートなどの有機酸エステル;セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、硝酸酢酸セルロースなどの混酸エステル;ポリカプロラクトングラフト化セルロースエステルなどのセルロースエステル誘導体などを用いることができる。これらのセルロースエステルは、単独で又は二種類以上混合して使用することができる。セルロースエステルの粘度平均重合度は、例えば50〜900、好ましくは200〜800である。セルロースエステルの平均置換度は、例えば1.5〜3.0、好ましくは2〜3程度である。
セルロースエステルの平均重合度は、例えば10〜1000、好ましくは50〜900、より好ましくは200〜800とすることができ、セルロースエステルの平均置換度は、例えば1〜3、好ましくは1〜2.15、より好ましくは1.1〜2.0とすることができる。セルロースエステルの平均置換度は、生分解性を高める等の観点から選択することができる。
セルロースエステルとしては、有機酸エステル(例えば炭素数2〜4程度の有機酸とのエステル)、特にセルロースアセテートが好適である。セルロールアセテートは、粗密を容易に調節することができる。
また、セルロースアセテートの酢化度は、43〜62%程度である場合が多いが、特に30〜50%であると生分解性にも優れるため好ましい。
トウ構成繊維は、種々の添加剤、例えば、熱安定化剤、着色剤、油剤、歩留り向上剤、白色度改善剤等を含有していても良い。また、このうち油剤は、撥水性を兼ねたスキンケアに効果のあるものとし、トウ構成繊維に塗布しても良い。
トウ構成繊維の繊度は、例えば1〜16デニール、好ましくは1〜10デニール、より好ましくは2〜8デニールとすることができる。トウ構成繊維は、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば1インチ(2.54cm)当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、より好ましくは15〜50個とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。捲縮繊維を用いると、嵩高で軽量な繊維集合体を製造することができるとともに、繊維間の絡み合いにより一体性の高いトウを容易に製造することができる。トウ構成繊維の断面形状は、特に限定されず、例えば、円形、楕円形、異形(例えば、Y字状、X字状、I字状、R字状など)や中空状などのいずれであってもよい。トウ構成繊維は、例えば3,000〜1,000,000本、好ましくは5,000〜1,000,000本の単繊維を束ねることにより形成されたトウ(繊維束)の形で使用することができる。繊維束は、3,000〜1,000,000本の連続繊維を集束して構成するのが好ましい。
トウは、繊維間の絡み合いが弱いため、通気性に優れるが、へたりが生じるおそれがある。そこで、へたりを防止して、広い空隙を維持する目的で、繊維の接触部分を接着又は融着する作用を有するバインダーを用いるのが好ましい。
バインダーとしては、トリアセチン、トリエチレングリコールジアセテート、トリエチレングリコールジプロピオネート、ジブチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、クエン酸トリエチルエステルなどのエステル系可塑剤の他、各種の樹脂接着剤、特に熱可塑性樹脂を用いることができる。
熱可塑性樹脂は、溶融・固化により接着力が発現する樹脂であり、水不溶性又は水難溶性樹脂、及び水溶性樹脂が含まれる。水不溶性又は水難溶性樹脂と水溶性樹脂とは、必要に応じて併用することもできる。
水不溶性又は水難溶性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのオレフィン系の単独又は共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル系モノマーとスチレン系モノマーとの共重合体などのアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリスチレン、スチレン系モノマーと(メタ)アクリル系モノマーとの共重合体などのスチレン系重合体、変性されていてもよいポリエステル、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612などのポリアミド、ロジン誘導体(例えば、ロジンエステルなど)、炭化水素樹脂(例えば、テルペン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、石油樹脂など)、水素添加炭化水素樹脂などを用いることができる。これらの熱可塑性樹脂は一種又は二種以上使用できる。
水溶性樹脂としては、種々の水溶性高分子、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、ビニル単量体と、カルボキシル基、スルホン酸基又はそれらの塩を有する共重合性単量体との共重合体などのビニル系水溶性樹脂、アクリル系水溶性樹脂、ポリアルキレンオキサイド、水溶性ポリエステル、水溶性ポリアミドなどを用いることができる。これらの水溶性樹脂は、単独で使用することもできるが、二種以上組合せて使用してもよい。
熱可塑性樹脂には、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの安定化剤、充填剤、可塑剤、防腐剤、防黴剤などの種々の添加剤を添加してもよい。
繊維集合体は、トウを原材料として、公知の方法により製造することができ、その際、必要に応じて、所望のサイズ、嵩となるように帯状に開繊することができる。トウの開繊幅は任意であり、例えば幅100〜2000mm、好ましくは150〜1500mmとすることができる。トウの開繊度合いを調整することにより、吸収体の繊維密度を調節することもできる。
トウの開繊方法としては、例えば、トウを複数の開繊ロールに掛渡し、トウの進行にともなって次第にトウの幅を拡大して開繊する方法、トウの緊張(伸長)と弛緩(収縮)とを繰返して開繊する方法、圧縮エアを用いて拡幅・開繊する方法などを用いることができる。
図4は、開繊設備例を示す概略図である。この例では、原反となるトウ71が順次繰り出され、その搬送過程で、圧縮エアを用いる拡幅手段77と下流側のロールほど周速の速い複数の開繊ニップロール73,74,75とを組み合わせた開繊部を通過され拡幅・開繊された後、バインダー添加ボックス76に通され、バインダーを付与(例えばトリアセチンのミストをボックス76中に充満させる)され、所望の幅・密度のトウからなる繊維集合体33として形成されるようになっている。
(表面側物品シート(トップシート1及びセカンドシート6))
本形態において、表面側物品シートは、体液を透過する性質を有する。したがって、表面側物品シートの素材は、この体液透過性を発現するものであれば足り、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、表面側物品シートは、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
(体液吸収体4)
体液吸収体4は、吸収した体液を保持する性質を有し、例えば、繊維集合体内に吸収性ポリマーを混入するなどして、形成することができる。繊維集合体の素材は、特に限定されない。例えば、綿状パルプや合成パルプなどの公知の素材を例示することができる。また、パルプの原料繊維は特に限定されず、例えば、機械パルプ、化学パルプ、溶解パルプ等の木材から得られるセルロース繊維や、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維などを例示することができる。ただし、セルロース繊維の原材料となる木材は、広葉樹より針葉樹の方が、繊維長が長いため、機能及び価格の面で好ましい。
さらに、繊維集合体は、前述したトウからなる繊維集合体で形成することもできる。以下、この場合について詳しく説明する。
図5は、体液吸収要素3の製造設備例を示しており、所望の幅・密度のトウからなる連続帯状の繊維集合体33が供給されるようになっている。このため、この連続体液吸収要素製造ラインを、前述の繊維集合体製造ラインと直結し、製造した繊維集合体33を直接に本体液吸収要素製造ラインに送り込むことができる。
供給された繊維集合体33は、解繊ボックス89において圧縮エアによって綿状に解繊された後、吸引ドラム88に送り込まれる。この吸引ドラム88は、外周壁に吸気孔を有し、その周方向所定範囲(図示例ではほぼ左半分の範囲)にわたり内側から図示しない吸引ポンプにより吸引するように構成したものである。繊維集合体33は、吸引ドラム88により外周面に接触されつつ案内される。そして、この過程で、吸引ドラム88の吸気孔から吸引を行うことにより、綿状に解繊された繊維集合体33とボトムシート7とが接合保持され、次工程へと搬送される。
特に好ましい形態では、繊維集合体33を解繊(ここで、解繊とは、繊維集合体33を圧縮エアで綿状にした状態をいい、前述した開繊とは、繊維集合体33を所望の幅まで広げる(拡幅する)ことをいう点で異なる。)した後、更にその上にボトムシート7を被せる。この場合、吸引ドラム88において、繊維集合体33におけるボトムシート7を被せた面の反対側面から吸引がなされる。このように、吸引に先立ってボトムシート7が被されていると、何も被せない場合と比較して、より強力な吸引力が作用し、繊維集合体33とボトムシート7との接着性をより強固で均一なものとする。
吸引ドラム88によって案内された繊維集合体33及びボトムシート7の裏面側には、裏面側被覆シート5bが被せられる。その後、散布ボックスや回転ドラム等からなる吸収性ポリマー供給装置87に通され、吸収性ポリマー35が散布される。
かくして吸収性ポリマー35が付与(混入)された繊維集合体33(つまり、体液吸収体4)は、例えば、別途表面側被覆シート5aが被せられ、この表面側被覆シート5a及び裏面側被覆シート5bが体液吸収体4の周縁外方において接合され、必要に応じてこの接合部分が外側に折り返されて裏面側被覆シート5bの裏面に接合された後、所定の長さに切断されるなどして、個別の体液吸収要素3とされる。
以上の製造過程においては、接着剤塗布装置84,85及び86によって、繊維集合体33や裏面側被覆シート5b、ボトムシート7等に接着剤を塗布することができる。接着剤塗布装置84は、裏面側被覆シート5bとボトムシート7との接着のために、接着剤塗布装置85は、ボトムシート7と繊維集合体33との接着のために、接着剤塗布装置86は、繊維集合体33と吸収性ポリマー35との接着のため(ポリマー固着用)に、備えるものである。これらの接着剤の供給(塗布)は、いずれか1つ又は2つ以上を組み合わせて適用することができる。接着剤としては、熱可塑性樹脂(具体例は前述のとおりである)からなる接着剤を好適に用いることができる。
繊維集合体33に対する吸収性ポリマー35の量的配置、密度分布は、汎用を目的とする場合には均一であるのが好ましいが、特別の吸収特性を発揮させることを目的とした場合、その目的に応じて偏らせるのも好ましい。
具体的に図示形態に応用する場合は、吸収性ポリマー供給装置87において、散布量を平面方向に偏らせることができる。また、吸引ドラム88における吸引力を偏らせることにより、吸引力の高い位置ほど、より多くの量の吸収性ポリマー35が吸引ドラム88側に位置するようになるため、吸収性ポリマー35の密度を偏らせることができる。例えば、吸引ドラム88の幅方向中央における吸引力を両脇部よりも高くする(あるいは吸引時間を長くすることでも良い)ことにより、繊維集合体33の幅方向中央部における吸収性ポリマー35の密度を両脇部よりも高くすることができる。
さらにまた、繊維集合体33がトウからなる繊維集合体である場合は、繊維の連続方向に沿って液が流れ易くなるため、繊維の密度を偏らせることによって特別の吸収特性を付与することができる。このために繊維密度を偏らせる方法としては、繊維集合体33の製造時において偏った開繊を行う、あるいは部分的に複数のトウを束ねて用いる等により達成することができる。例えば、繊維集合体33の幅方向中央部の繊維密度を両脇部よりも高くなるように偏らせると、繊維集合体33の幅方向中央部において、より体液の拡散スピードが速くなる。
(防水シート2)
本形態において、防水シート2は、体液を透過しない性質を有する。したがって、防水シート2の素材は、この体液不透過性を発現するものであれば足り、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布、防水フィルムを介在させて実質的に不透液性を確保した不織布(この場合は、防水フィルムと不織布とで体液不透過性の防水シート2が構成される。)などを例示することができる。もちろん、このほかにも、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材も例示することができる。この不透液性かつ透湿性を有する素材のシートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを例示することができる。
(被覆シート5)
本形態において、被覆シート5の素材は、特に限定されない。具体的には、例えば、クレープ紙、ティシュペーパー、不織布、孔開きシート等の体液透過性シートを用いることができる。もっとも、表面側被覆シート5aは不織布で、裏面側被覆シート5bはティシュペーパーで形成されていると好ましいのは、前述したとおりである。
(吸収性ポリマー35)
吸収性ポリマー35としては、自重の例えば10倍以上の体液を吸収して保持するものを使用することができる。この例としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。吸収性ポリマー35の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
本発明は、止着テープ型の紙おむつやパンツ型の紙おむつ、生理用ナプキン、吸収パッド、尿採りパッドなどの体液吸収性物品及びこの体液吸収性物品の体液吸収要素として、適用することができる。
従来の体液吸収要素の断面模式図である。 本形態の紙おむつの平面模式図である。 図1のI−I線断面模式図である。 繊維集合体の製造フローを示す概略図である。 体液吸収体及び体液吸収要素の製造フローを示す概略図である。
符号の説明
1…トップシート、2…防水シート、3…体液吸収要素、4…体液吸収体、5…被覆シート、5a…表面側被覆シート、5b…裏面側被覆シート、6…セカンドシート、10…紙おむつ、33…繊維集合体、35…吸収性ポリマー。

Claims (5)

  1. 体液吸収体及びこの体液吸収体の被覆シートからなる体液吸収要素であって、
    前記被覆シートは、前記体液吸収体の表面側に備えられた被覆シート及び裏面側に備えられた被覆シートが、前記体液吸収体の周縁外方において接合されて、又は、周縁外方において接合されこの接合部分が外側に折り返されて前記裏面側被覆シートの裏面に接合されてなり、
    前記表面側被覆シートは不織布で、前記裏面側被覆シートはティシュペーパーで、それぞれ形成されている、ことを特徴とする体液吸収要素。
  2. 前記不織布は、0.02dtex以上の径を有する繊維で形成されている、請求項1記載の体液吸収要素。
  3. 前記体液吸収体は吸収性ポリマーを含み、前記不織布は繊維間距離が50μm以上、850μm未満とされている、請求項1又は請求項2記載の体液吸収要素。
  4. 体液吸収体及びこの体液吸収体の被覆シートからなる体液吸収要素と、この体液吸収要素の表面側に備えられた少なくとも一層の物品シートと、を有する体液吸収性物品であって、
    前記被覆シートは、前記体液吸収体の表面側に備えられた被覆シート及び裏面側に備えられた被覆シートが、前記体液吸収体の周縁外方において接合されてなり、
    前記表面側被覆シートは、表面が平坦面とされ裏面が起毛面とされている、ことを特徴とする体液吸収性物品。
  5. 前記被覆シートは、前記表面側被覆シートのみで前記裏面側被覆シートがなく、前記体液吸収要素の裏面側に防水シートが備えられている、請求項4記載の体液吸収性物品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013007131A (ja) * 2011-06-23 2013-01-10 Kao Corp 不織布の製造方法
JP2016064001A (ja) * 2014-09-25 2016-04-28 大王製紙株式会社 使い捨て紙おむつ

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