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JP2007185898A - 二軸延伸ポリエステルフィルムおよびその製造方法 - Google Patents

二軸延伸ポリエステルフィルムおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
近年ディスプレイの大型化などにより光学用フィルムでは、高い透明性に加えて、フィルムのコシが求められている。従来の方法ではフィルムのコシを高めるために厚みを厚くするとヘイズが高くなり透明性が不良となっていた。本発明ではこれらの課題を改善し、厚みが厚く、かつ低ヘイズで光学用途など透明性とコシが要求される用途に好適に用いられる二軸延伸ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】
厚みが200μm以上500μm以下であり、かつヘイズが2.5%以下であることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルムであり、好ましい降温結晶化温度(Tmc)は150℃以上200℃以下である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光学用フィルム、表面保護材、電気絶縁材料および離型材等の用途、中でも光学用フィルムおよび表面保護材など透明性と高い剛性が求められる用途に有効に用いられる二軸延伸ポリエステルフィルムおよびその製造方法に関するものである。
二軸延伸ポリエステルフィルムは、物理的性質に優れ、かつ生産性にも優れているため、さまざまな用途に広く用いられており、近年は、IT分野の伸びに伴い、ディスプレイ用の反射防止フィルム、液晶用バックライト用拡散板、タッチパネル用など基材や光ディスクおよび液晶位相差板など光学用部材の工程紙など、光学用フィルムへの用途が増えてきている。
このような光学用フィルムの中でも、ディスプレイの反射防止フィルムや液晶用部材では、視認性が求められるため高い透明性が要求され、またテレビ用パネルの大画面化が進んでいることから、剛性の高いフィルムが求められている。ポリエステルフィルムの剛性を高くするためには、厚みを厚くすることが有効であるが、ポリエステルはその結晶性のために、例えば、溶融したポリエステルを押出し、シート状に冷却固化させる工程において、シートが厚いほど冷却速度が遅くなり結晶化が進んで透明性が低くなる。ポリエステルフィルムのヘイズと厚みを両立させ、光学用で要求される特性を満足させることは非常に難しい。
従来から、ヘイズの低いポリエステルフィルムが提案されている(特許文献1および特許文献2参照)。しかしながら、これらの文献には、低ヘイズでかつ厚いフィルムを製造するための具体的方法が記載されておらず、本発明の範囲のような最近の光学用途で要求されるような厚みの厚いポリエステルフィルムを低へイズで提供することはできない。
また、写真用ポリエステルフィルムとして溶融押し出ししたポリエステルフィルムを冷却ドラム上で補助冷却装置を用いて冷却固化させる方法が提案されている(特許文献3参照)。しかしながら、この提案では、フィルムの厚みが薄く、現在の光学用フィルムに要求される剛性を得ることはできない。
特開2005−263853号公報 特開2004−359938号公報 特開平9−204004号公報
これら従来の方法では、本発明にあるフィルム厚み範囲とヘイズ範囲を両立は難しく、光学用途で要求されるフィルムの透明性と剛性を提供することはできない。本発明は、低ヘイズで、かつ厚みの厚い高剛性の二軸延伸ポリエステルフィルムを提供することを目的とするものである。
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムは、かかる課題を解決するために、次の構成を有するものである。
1.二軸延伸されたポリエステルフィルムにおいて、厚みが200μm以上500μm以下であり、かつヘイズが2.5%以下であることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルム。
2.降温結晶化温度(Tmc)が150℃以上200℃以下であることを特徴とする前記1記載の二軸延伸ポリエステルフィルム。
3.厚み1500μm以上3000μm以下の未配向ポリエステルフィルムが二軸延伸されたものであることを特徴とする前記1または2記載の二軸延伸ポリエステルフィルム。
4.未延伸ポリエステルフィルムを得るためのキャスト工程のフィルム冷却速度を5℃/秒以上として得られた、厚みが1500μm以上3000μm以下の未延伸ポリエステルフィルムを二軸延伸することを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。
5.未延伸ポリエステルフィルムを得るためのキャスト工程において、キャストフィルムのドラム面の反対面にエアーを吹きつけて冷却するにあたり、エアーの温度が7℃以上15℃以下、かつエアーの速度が15m/秒以上30m/秒以下であることを特徴とする前記4記載の二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。
本発明によれば、低ヘイズで、かつ厚みの厚い高剛性の二軸配向ポリエステルフィルムを得ることができ、特に、光学用フィルムで要求される透明性と大画面化に対応できる高い剛性を有する二軸延伸ポリエステルフィルムを得ることができる。
以下、本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムとその製造方法について、更に詳細に説明する。
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムは、ポリエステル類からなり、フィルムの厚みが200μm以上500μm以下であり、かつヘイズが2.5%以下のものである。
本発明で用いられるポリエステル類とは、二塩基酸とグリコールを主要構成成分とするポリエステル類であり、二塩基酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、コハク酸、セバシン酸およびダイマー酸などを挙げることができる。また、グリコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ジエチレグリコール、ナフタレンジオールおよびシクロヘキサンジメタノールなどを挙げることができる。
ポリエステル類の具体的な例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートおよびポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート等を挙げることができ、特に、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレン−2,6−ナフタレートは、機械強度や寸法安定性などの物理的性質に優れ、かつ生産性にも優れているため、特に好ましく用いられる。
また、本発明で用いられるポリエステル類は、先に挙げたもののうち1種類単独でも、2種以上のポリエステルの共重合体や、2種以上のポリエステルの混合体等であってもかまわない。また、これらのポリエステル類の中に、目的に応じて各種の添加剤を添加することができる。例えば、易滑性付与のためにコロイダルシリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、有機シリコーンおよびポリジビニルベンゼンスルホン酸などの不活性粒子を添加することができる。また、帯電防止剤や酸化防止剤などが添加されていてもかまわない。ただし、ポリエステルフィルムのヘイズを本発明の範囲とするためには、これらの添加物を添加しないことが望ましく、添加するとしても粒径の小さいものを極少量添加するにとどめることが好ましい。
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムの厚みは、200μm以上500μm以下であることが必要であり、好ましくは220μm以上420μm以下であり、更に好ましくは250μm以上360μm以下である。ポリエステルフィルムの厚みが200μmより薄い場合、フィルムの剛性が不足するため、光学用フィルムに求められるコシが不足し、ディスプレイの大画面化に対応することができない。また、ポリエステルフィルムの厚みが500μmを超える場合、厚過ぎるためにユーザーの加工工程の搬送ロール上で浮き上がってコーティングができなくなるなど、取り扱いが困難になる。
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムのヘイズは、2.5%以下であることが必要であり、好ましくは2.2%以下であり、更に好ましくは1.8%以下である。ヘイズが2.5%を超える場合、光学用フィルムとしての視認性と輝度が悪化する。
また、本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムの降温結晶化温度(Tmc)は、好ましくは150℃以上200℃以下であり、より好ましくは150℃以上190℃以下であり、さらに好ましくは160℃以上190℃以下である。降温結晶化温度(Tmc)を上記の範囲とすることにより、ヘイズが低く、かつ剛性の高い本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムを好適に製膜することができる。
次に、未延伸のポリエステルフィルムを二軸延伸させる方法について説明する。
二軸延伸の方法としては、未延伸ポリエステルフィルムを、長手方向あるいは幅方向に延伸し、続いて先の延伸方向と直行する方向の延伸を行う逐次二軸延伸や、長手方向と幅方向に一度に延伸する同時二軸延伸などの方法が採用される。
逐次二軸延伸法の一例は、まず、押出機を用いてポリエステル類(熱可塑性樹脂)を溶融し、スリット状の吐出口を有する口金からシート状に押出し、冷却ロール上で冷却して非晶質で未延伸のポリエステルフィルムを得る(以下、この工程をキャスト工程と呼ぶことがある。)。このとき、未延伸ポリエステルフィルムのロールへの密着性を向上させるために、金属製のワイヤーやテープの電極を用いて未延伸ポリエステルフィルムに静電気を印可させる静電印可キャスト法は、キャスト工程での冷却効率を上げて本発明のフィルムヘイズを得るために好ましい手段である。
また、得られる未延伸ポリエステルフィルムの厚みは、好ましくは1500μm以上3000μm以下であり、より好ましくは1600μm以上2900μm以下であり、更に好ましくは1700μm以上2800μm以下である。未延伸ポリエステルフィルムの厚みが1500μm未満の場合、二軸延伸ポリエステルフィルムの厚みが本発明範囲にあってもフィルムの剛性は満足なものは得られず、また厚みが上記範囲3000μmを超える場合は、冷却が十分に行えないため、ポリエステルの結晶化が進行し、本発明の範囲のヘイズのフィルムを得ることが難しくなる。
上記のキャスト工程において、冷却ロールの接触面とは逆の面に低温の気体や液体などを吹きつけて冷却させる方法は、ポリエステル類の冷却速度を速めて結晶化を抑制するために有効である。特に、低温のエアーを吹きつける方法は、設備の簡易さの点で有利である。低温のエアーを吹きつける場合、冷却速度を速めるために、エアーの温度は好ましくは7℃以上15℃以下であり、より好ましくは7℃以上12℃以下である。
また、キャスト工程において吹きつけるエアーの速度は、好ましくは15m/秒以上30m/秒以下であり、より好ましくは17m/秒以上28m/秒以下である。エアー速度が上記範囲未満の場合、エアーとフィルムの熱伝達係数が不足して冷却速度が遅くなり、エアー速度が30m/秒を超える場合、エアーにより口金とロール間のフィルムが振動して厚みムラになる。
エアーを吹きつける方法としては、製膜工程の幅方向に数mm〜数10mmのスリットの入ったノズルや直径数mm〜数10mmの穴がランダムに配置されたノズルから均一にエアーを吹出す公知の装置を用いることが出来る。また、エアーをノズルに供給する前に冷却水や液体窒素などを用いた熱交換器を通過させることは、エアーの温度を上記範囲にするために有効である。
また、キャスト工程におけるフィルムの冷却速度は、ヘイズを低下させ光学用として良好な透明性を得るために、好ましくは5℃/秒以上であり、より好ましくは6℃/秒以上であり、更に好ましくは7℃/秒以上である。
このようにして得られたシート状の未延伸ポリエステルフィルムを、上記のように温度制御された数本のロールに接触通過させる方法や、赤外線ヒーターなどのヒーターの輻射熱による加熱などの方法により、ポリエステル類のガラス転移温度以上の温度に加熱し、前後するロールの周速差などを用いて長手方向に延伸する。このときの延伸倍率は、好ましくは2〜8倍程度である。延伸は1段階で行っても2段階以上で段階的に行ってもかまわないが、比較的低温で1段延伸を行う方がフィルム表面のキズやロールへ粘着痕などの欠点が発生しにくく、光学用に求められる視認性を得る上で有利である。
長手方向に延伸された一軸延伸ポリエステルフィルムは、一旦冷却され、引き続きステンターオーブンにより幅方向に延伸される。一軸延伸ポリエステルフィルムは、ステンターオーブン内のレール上を走行するクリップに把持された状態で、オーブン中で再びポリエステル類のガラス転移温度以上に加熱されて、クリップが走行するレールの広がりに伴い、幅方向に延伸される。幅方向の延伸倍率は、好ましくは2〜5倍程度である。
長手方向と幅方向に二軸に延伸されたポリエステルフィルムは、引き続き熱処理される。熱処理は、幅方向の延伸に引き続き同じステンターオーブン内で行っても良いし、幅方向の延伸を行ったステンターオーブンとは別のオーブンで行っても良い。熱処理の温度は、ポリエステル類がポリエチレンテレフタレートの場合、好ましくは180℃〜250℃程度の比較的高温で行うことができる。熱処理を行うことにより、その後の加工工程や最終製品として使用時に高温下に晒されたときの寸法安定性が向上する。また、熱処理後に、長手方向または/および幅方向に、二軸延伸ポリエステルフィルムを数%弛緩させることにより、更に寸法安定性を向上させることができる。
次に、未延伸ポリエステルフィルムを、同時二軸延伸する方法について説明する。同時二軸延伸の場合も逐次二軸延伸同様に、シート状の未延伸ポリエステルフィルムを得て、このシート状の未延伸ポリエステルフィルムを、クリップ走行の動力源としてリニアモーターを用いて、未延伸ポリエステルフィルムの走行方向において任意にクリップの速度を変更できるステンターオーブンにより、長手方向と幅方向に同時に延伸する。シート状の未延伸ポリエステルフィルムをクリップで把持し、オーブン中でポリエステル類のガラス転移温度以上に加熱し、クリップの走行経路を徐々に広げながら、同時にクリップの速度を上げていくことにより、未延伸ポリエステルフィルムを長手方向と幅方向を同時に延伸する。このような方法で二軸延伸されたポリエステルフィルムは、逐次二軸延伸同様に、熱処理と弛緩処理が施される。
二軸に延伸された二軸延伸ポリエステルフィルムは、一旦広幅の巻き取り機で中間製品として巻き取られた後、スリッターにより、必要な幅と長さに裁断される。
二軸延伸ポリエステルフィルムには、フィルムの片面または両面に、接着性付与などを目的として各種の塗材を塗布することができる。例えば、光学用ポリエステルフィルムの場合、反射防止層、ハードコート層、および光拡散のためのマット層などを、二軸延伸ポリエステルフィルムの片面または両面に形成することができる。
塗材としては、ポリエステル、アクリルポリマー、ポリアミドおよびポリウレタンなどの水溶液または水分散液が好適に用いられる。塗材の塗布方法としては、ロールコーター、グラビアコーターおよびバーコーターなどの方法を用いることができる。塗布の工程は、二軸延伸ポリエステルフィルムの延伸の前、延伸工程の途中、あるいは延伸・熱処理を行った後など、必要に応じて選ぶことができるが、延伸の前や延伸工程の途中などフィルム製造工程内で行うと、工程を簡略化することができる。塗材を塗布する前に、二軸延伸ポリエステルフィルムにコロナ放電処理などの処理を行うことは、フィルム表面の濡れ性を改善させ塗布を安定させるために有効な手段である。
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムは、光学用フィルム、表面保護材、電気絶縁材料および離型材等に好適に用いられる。
[物性の測定方法および効果の評価方法]
本発明における物性の測定方法および効果の評価方法は、次のとおりである。
(a)二軸延伸ポリエステルフィルムのヘイズ
JIS K 7105(1981)に従い、二軸延伸ポリエステルフィルムの任意の10点について全光線透過率(%)と散乱光透過率(%)を求めた。これら10点の平均値を全光線透過率Tt(%)と散乱光透過率Td(%)とし、ヘイズ(Td/Tt×100)(%)を算出した。
(b)降温結晶化温度(Tmc)
示差走査熱量計TAC7DXを用いて、300℃の温度で5分間溶融後、20℃/分の冷却速度で冷却し、結晶化に伴う発熱ピークの温度を読み取りTmcとした。
(c)ポリエステルフィルムの厚み
二軸延伸ポリエステルフィルムについては、ソニー・プレシジョン・テクノロジー株式会社製のデジタルマイクロメーターμメイトM−30を用いて、10点測定して平均した。未延伸ポリエステルフィルムについては、キャスト工程後の走行フィルムを、尾崎製作所製シックネスゲージHR−1を用いて、フィルム端面から60mm内側を両端について測定し平均した。
(d)キャスト工程の未延伸ポリエステルフィルム冷却速度
キーエンス製非接触温度計IT2−80を用いて、放射率0.95で口金から冷却ロール間のロール接地直前の未延伸ポリエステルフィルム温度を幅方向5点測定し平均した温度と、冷却ロールから離れた直後の未延伸ポリエステルフィルム温度を幅方向5点測定し平均した温度の差をTa(℃)とし、冷却ロールと未延伸ポリエステルフィルムが接触している距離とロールの速度から冷却ロールと、未延伸ポリエステルフィルムが接触している時間(ta)を求めて、Ta/taを冷却速度(℃/秒)とした。
(e)エアーの温度および速度
カノマックス製アネモマスター風速計Model6112を用いてエアー吹きつけ装置の給気ノズル先端の風速および温度を測定した。全ノズルについて幅方向5点を測定し平均した。
(f)フィルムの剛性
JIS P8125(1976)の方法により、5点測定し平均した。
以下、実施例に基づき本発明について具体的実施態様を説明するが、本発明はこれらの実施例に限られるものではない。
(実施例1)
実質的に不活性粒子を含まない固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを、180℃の温度で5時間、3torrの減圧下で乾燥し、押出し機に投入して280℃の温度で溶融した後、濾過精度8μmのフィルターで濾過後、口金からシート状に押し出した。押し出されたシート状物を、静電印加キャスト法により表面温度20℃の温度の冷却ロールに密着させた。このとき冷却ロールの反対面のフィルムにエアー吹出し装置を用いて温度10℃、風速21m/秒の冷却エアー吹きつけて冷却固化し、厚み2700μmの未延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。このときキャスト工程のフィルム冷却速度は6.9℃/秒であった。この未延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを、ロール群からなる縦延伸機で90℃の温度で2.5倍延伸し、冷却して一軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。この一軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの両面に、バーコーターを用いて、下記の組成からなる塗液を塗工した後、ステンターオーブンにより100℃の温度で3.1倍幅方向に延伸し、引き続いて同オーブン内で228℃の温度で20秒熱処理し、厚み350μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。この二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのヘイズは1.2%であり、Tmcは172℃であり、剛性は12.3mN・mであった。
[塗液の処方]
下記のポリエステル樹脂エマルジョン100重量部に対し、下記のメラミン系架橋剤液を5重量部と、平均粒径が0.1μmのコロイダルシリカ粒子を1重量部添加したものを塗液とした。
〔ポリエステル樹脂〕
下記組成の酸成分とジオール成分を共重合して得られたポリエステル共重合体のエマルジョン。
<酸成分>
・テレフタル酸 50モル%
・イソフタル酸 40モル%
・5−ナトリウムスルホイソフタル酸 10モル%
<ジオール成分>
・エチレングリコール 96モル%
・ネオペンチルグリコール 3モル%
・ジエチレングリコール 1モル%。
〔メラミン系架橋剤〕
イミノ基型メチル化メラミンを、イソプロピルアルコールと水との混合溶媒(10/90(重量比))で希釈した液。
(実施例2〜7、比較例1〜4)
二軸延伸ポリエステルフィルムの厚み、未延伸ポリエステルフィルムの厚み、キャスト工程のフィルム冷却速度、エアー温度、およびエアー速度を、表1のとおり変更したこと以外は、実施例1と同じ方法で二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。実施例2〜7と比較例1〜4の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのヘイズ、Tmcおよび剛性は、表1のとおりであった。
比較例4は、高い剛性が得られているが、剛性が高すぎるためユーザーの加工工程中で、例えば搬送ロール上で浮き上がり、コーティングが均一に出来なかったり、フィルムが蛇行するなどの不具合が生じるため、好ましい特性とは言えない。
Figure 2007185898
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムは、光学用フィルム、表面保護材、電気絶縁材料および離型材等の用途、中でも光学用フィルムおよび表面保護材など透明性と高い剛性が求められる用途に有効に用いられ、光学用途のディスプレイの大画面化や高輝度化の要求に応えることが出来る。

Claims (5)

  1. 二軸延伸されたポリエステルフィルムにおいて、厚みが200μm以上500μm以下であり、かつヘイズが2.5%以下であることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルム。
  2. 降温結晶化温度(Tmc)が150℃以上200℃以下であることを特徴とする請求項1記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  3. 厚み1500μm以上3000μm以下の未延伸ポリエステルフィルムが二軸延伸されたものであることを特徴とする請求項1または2記載の二軸延伸ポリエステルフィルム。
  4. 未延伸ポリエステルフィルムを得るためのキャスト工程におけるフィルム冷却速度を5℃/秒以上として得られた、厚みが1500μm以上3000μm以下の未配向ポリエステルフィルムを二軸延伸することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。
  5. 未延伸ポリエステルフィルムを得るためのキャスト工程において、キャストフィルムのドラム面の反対面にエアーを吹きつけて冷却するにあたり、エアーの温度が7℃以上15℃以下であり、かつエアーの速度が15m/秒以上30m/秒以下であることを特徴とする請求項4記載の二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。
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