本発明は、鋼板、非鉄金属板、樹脂板、フィルム状組成物、及びガラス板等の清掃、研削、研磨、表面処理、洗浄、バリ取りに使用されるブラシロールに関し、特に曲げ回復力、及び耐候性に秀でた毛材を構成要素として持つブラシロールに関するものである。
一般的に、被加工物の塵埃の除去や表面の加工には、ブラシロールを回転させながら被加工物表面にたいして接触させ、所定の清浄度あるいは表面の加工精度を得ている。前記のような塵埃の除去や表面の加工において、ブラシロール一回転毎に、ブラシロールの毛材には接触による繰り返し曲げ荷重が加わる。更に一定の使用に達すると毛材自身の回復力が衰え、倒れや曲げを引き起こし、恒久的に寝癖が発生し使用の域に達しなくなる問題があった。前記の如くの問題を克服する為、従来のブラシロールに関しては、使用する毛材は、アミド基の水素結合により優れた耐曲げ性を示すポリアミド系樹脂繊維、特にナイロン6又はナイロン66が毛材として多く使われている。
また、ブラシロールに関しては、使用目的に応じて、様々な改良がなされ、例えば、鋼板生産ラインの厚板や薄板等の研磨や磨きに充当できるブラシロールであってブラシ毛材がポリアミドフィラメント糸であってハロゲン化高分子化合物の膜で表面が被覆されている或いはポリアミドフィラメント糸の束に合成繊維の細いフィラメントのスパイラル巻きつけまたは組紐様組織による被覆を施しハロゲン化高分子化合物の膜で表面を被覆又は含浸させた事により水のスプレー下で吸湿、吸水による膨潤を防止しブラシ毛材のこわさが低下する点を解消する特徴を有している技術が特開平8−168968号公報に開示されてある。
従来のブラシロールの毛材は、例えば、上記の如くアミド基の水素結合により、優れた耐曲げ性を示すポリアミド系樹脂繊維、特にナイロン6又はナイロン66が毛材として多く使われているが、前記毛材はアミド基を有する為、吸湿、吸水性が高く、水滴、水中下において膨潤し著しく弱化する課題を有している上、酸に侵されるという課題を有している。又、前記毛材は、耐曲げ性に優れているものの、依然として曲げ荷重の繰り返しによる寝癖の発生を克服していない課題も有している。
又、特開平8−168968号公報に開示されてある技術においては、製造工程が複雑で、製造コストが高くなると共に、ハロゲン化高分子化合物としてポリ塩化ビニリデン、ポリ3フッ化塩化エチレン、フッ化ビニリデン等の塩化化合物、フッ化高分子化合物を使用し被膜加工又は含浸加工させている。その為、塩化化合物については、焼却時に有毒ガスが発生する課題を有している。又フッ化高分子化合物については素材自体が高価であるという課題も有している。
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、ブラシロールに構成されてあるブラシ毛材に、強い曲げ回復力を付与し、繰り返し曲げ荷重による毛材自身の寝癖を引き起こし難くすると共に、吸水による膨潤を防止し、ブラシ毛材のこわさが低下する点を解消し、且つ耐酸性を有するブラシロールを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、ブラシロールに構成されてあるブラシ毛材にポリトリメチレンテレフタレート繊維を使用する又はポリトリメチレンテレフタレート繊維と異種繊維が使用されてあるものである。
また、第2の課題解決手段は、ブラシロールを構成するブラシ毛材はポリトリメチレンテレフタレート繊維と異種繊維が交互に形成されてあるものである。
また、第3の課題解決手段は、ブラシロールを構成するブラシ毛材のポリトリメチレンテレフタレート繊維と異種繊維は少なくとも1本以上を、毛先に近くなる程、断面積が大から小に徐変する様に形成されてあるものである。
また、第4の課題解決手段は、ブラシロールを構成するブラシ毛材のポリトリメチレンテレフタレート繊維と異種繊維の毛丈に段差が形成されてなるものである。例えば、前記ブラシロールの外周は一律の高さでなくブラシ毛材の高低差を設けた状態に形成されてあるものである。
また,第5の課題解決手段は、ブラシロールを構成するブラシ毛材のポリトリメチレンテレフタレート繊維と異種繊維は少なくとも1本以上の断面が、多角形に形成されてあるものである。
また、第6の課題解決手段は、ブラシロールを構成するブラシ毛材のポリトリメチレンテレフタレート繊維と異種繊維は少なくとも1本以上が撚り状体に形成されてあるものである。
また、第7の課題解決手段は、ブラシロールを構成するブラシ毛材のポリトリメチレンテレフタレート繊維と異種繊維は少なくとも1本以上が先割れ部を形成されてあるものである。
また、第8の課題解決手段は、ブラシロールを構成するブラシ毛材のポリトリメチレンテレフタレート繊維と異種繊維は少なくとも1本以上に屈折部、あるいは屈曲部が形成されてあるものである。
上記第1の課題解決手段による作用は次の通りである。本発明のブラシロールの構成によれば、ブラシロールのブラシ毛材はポリトリメチレンテレフタレート繊維、あるいはポリトリメチレンテレフタレート繊維と異種繊維から構成されている。前記の如く、いずれの場合にもブラシロールの構成にポリトリメチレンテレフタレート繊維が含まれる。ポリトリメチレンテレフタレート繊維は結晶構造中で分子鎖が繊維軸方向にジグザグのバネ状に屈曲している為、非常に高い伸長回復率を有すると共に、曲げ荷重に対し優れた曲げ回復力を持つ。従って、ブラシ毛材の寝癖は、ポリトリメチレンテレフタレート繊維をブラシ毛材に使用することにより、長期に渡って発生しなくなる。また、ブラシロ−ルのブラシ毛材にポリトリメチレンテレフタレート繊維と異種繊維を混在させた場合においても、ポリトリメチレンテレフタレート繊維はブラシロール中で柱ないし壁の機能を果たし、異種繊維の曲げ回復力不足を補完することができる。
また、本発明によれば、ブラシロールのブラシ毛材はポリトリメチレンテレフタレート繊維、あるいはポリトリメチレンテレフタレート繊維と異種繊維から構成されている。前記の如く、いずれの場合にもポリトリメチレンテレフタレート繊維が含まれる。ポリトリメチレンテレフタレート繊維は、ナイロン6あるいはナイロン66に比較し吸水率が、非常に低い繊維である。従ってポリトリメチレンテレフタレート繊維を構成に加えることにより、水のスプレー下または水中下において吸湿、吸水による膨潤あるいはブラシ毛材のこわさの低下を受け難くすることができる。また、ポリトリメチレンテレフタレート繊維は酸に対し強く、ブラシロールに優れた耐酸性を付与することが可能となる。
更に、ブラシロールのブラシ毛材はポリトリメチレンテレフタレート繊維、あるいはポリトリメチレンテレフタレート繊維と異種繊維から構成されている。前記の如く、いずれの場合にもポリトリメチレンテレフタレート繊維が含まれる。ポリトリメチレンテレフタレート繊維は、ポリエステル系分類の分子構造の為、使用後にケミカルリサイクルすることが可能であるとともに、やむを得ず焼却に至った場合も、酸素、炭素、水素、の元素より構成されている為、完全燃焼による排出物は水と二酸化炭素のみにすることができる。
また、第2の課題解決手段による作用は、曲げ荷重に対し優れた曲げ回復力特性を持つポリトリメチレンテレフタレート繊維と異種繊維がブラシロール中に交互に構成されてある為、優れた曲げ回復力特性を持つポリトリメチレンテレフタレート繊維がブラシロール中で、柱ないし壁の機能を果たし。又規則的に配列する事により効果的及び安定的に異種繊維の曲げ回復力不足を、補完することができる。
また、第3の課題解決手段による作用は、微細な凹凸形状にたいし、毛先の断面積を大から小に徐変する事により効果的なブラシ毛材の接触を可能とするものである。通常、毛先の断面積を小にした場合、毛材の曲げ回復力は著しく劣り、所定の曲げ弾性を得る事ができない。しかしながらポリトリメチレンテレフタレート繊維は非常に高い伸長回復率、あるいは優れた曲げ回復力特性を得られる為、ブラシ毛材にポリトリメチレンテレフタレート繊維、あるいはポリトリメチレンテレフタレート繊維と異種繊維を使用することにより、ブラシ毛材の曲げ回復力不足に陥る事を回避できる。また、ポリトリメチレンテレフタレート繊維は強アルカリによって先細り形状を容易に形成することができる。
また、第4の課題解決手段による作用は、ブラシロールの前記ブラシ毛材のポリトリメチレンテレフタレート繊維、あるいはポリトリメチレンテレフタレート繊維と異種繊維の毛丈に段差が形成されることにより、例えば、毛腰の強いポリトリメチレンテレフタレート繊維の毛丈を低くし、毛腰の弱い異種繊維の毛丈を高くした場合、被加工物表面にたいしてブラシ毛材の毛腰は、毛元部分は強く毛先部分は弱く設定できる。また毛腰の強いポリトリメチレンテレフタレート繊維の毛丈を高くし毛腰の弱い異種繊維の毛丈を低くした場合、異種繊維にたいしポリトリメチレンテレフタレート繊維の毛丈が高く突き出た部分ではポリトリメチレンテレフタレート繊維の自由度が高く、より強い弾力性で被加工物表面に当接させる事ができる。したがって段差の度合いを変化設定することによりブラシロールの毛腰を任意に設定できる。
また、第5の課題解決手段による作用は、ブラシロールを構成するブラシ毛材のポリトリメチレンテレフタレート繊維、あるいはポリトリメチレンテレフタレート繊維と異種繊維は少なくとも1本以上の断面が、多角形に形成することにより、外周長の短い円筒形に比較し多角形では、より長いエッジ長を得られ、広範囲を効率良く加工する事ができる。
また、第6の課題解決手段による作用は、ブラシロールを構成するブラシ毛材のポリトリメチレンテレフタレート繊維、あるいはポリトリメチレンテレフタレート繊維と異種繊維は少なくとも1本以上が撚り状体に形成する事により、ポリトリメチレンテレフタレート繊維がバネ状に撚られ、更に曲げ回復力を高めることが可能となる。
また、第7の課題解決手段による作用は、ブラシロールを構成するブラシ毛材のポリトリメチレンテレフタレート繊維、あるいはポリトリメチレンテレフタレート繊維と異種繊維は少なくとも1本以上が先割れ部を形成する事により、微細な凹凸形状にたいし、効果的なブラシ毛材の接触を可能とするものである。通常、毛材の先端に先割れ部を形成した場合、1本の毛材が無数の細毛に分割される為、曲げ回復力が極端に不足する状態に陥った。しかしながらポリトリメチレンテレフタレート繊維は優れた曲げ回復力特性を持つ為、曲げ回復力不足に陥り難くできる。
また、第8の課題解決手段による作用は、ブラシロールを構成するブラシ毛材のポリトリメチレンテレフタレート繊維、あるいはポリトリメチレンテレフタレート繊維と異種繊維をジグザグ状に外形形状を形成することにより、ポリトリメチレンテレフタレート繊維が結晶構造中で分子鎖が繊維軸方向にジグザグのバネ状に屈曲している状態に加えポリトリメチレンテレフタレート繊維と異種繊維の外形形状をバネ状に屈折あるいは屈曲させることで、外部応力にたいして屈曲、屈折部でスムーズに応力を逃すことができる。また外部応力が無くなるとスムーズに元の形状に戻る為、屈折あるいは屈曲部を設ける事で、更に曲げ回復力を高めることが可能となる。
本発明のブラシロールは、鋼板、非鉄金属板、樹脂板、フィルム状組成物、及びガラス板等の清掃、研削、研磨、表面処理、洗浄、バリ取りの加工において、被加工面に当接するブラシロールに構成されてあるブラシ毛材に、結晶構造中で分子鎖が繊維軸方向にジグザグのバネ状に屈曲しているため、非常に高い伸長回復率及び曲げ回復力を誇るポリトリメチレンテレフタレート繊維を単独、あるいはポリトリメチレンテレフタレート繊維と異種繊維を使用することにより、ブラシロールに繰り返し曲げ荷重による毛材自身の倒れや曲げに対し強い曲げ回復力を付与し、寝癖が発生し難くできる。更にポリトリメチレンテレフタレート繊維を毛材に使用することにより、吸水による膨潤を防止しブラシ毛材のこわさが低下する点を解消するとともに耐酸性も向上させることができ、通常の乾燥した状態だけでなく水滴、水中下、酸性液中下の広い条件下でブラシロールの初期能力を長期に渡って持続できる。また、ポリトリメチレンテレフタレート繊維は、使用後にケミカルリサイクルすることが可能で環境問題に配慮したブラシロールの製作ができる。
第1の発明は、本発明のブラシロールは、少なくとも、芯材あるいは基台、及び毛材から構成され、毛材には、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、あるいはポリトリメチレンテレフタレート繊維と異種繊維から構成されてある。前記の如く、いずれの場合にもブラシロールの構成にポリトリメチレンテレフタレート繊維が含まれる。ポリトリメチレンテレフタレート繊維は結晶構造中で分子鎖が繊維軸方向にジグザグのバネ状に屈曲しているため、非常に高い伸長回復率を誇るとともに、曲げ荷重に対し優れた曲げ回復力を持つ。従って、ブラシ毛材の寝癖は、ポリトリメチレンテレフタレート繊維をブラシ毛材に使用することにより長期に渡って発生しなくなる。
また、本発明のブラシロールのブラシ毛材は上記の如く、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、あるいはポリトリメチレンテレフタレート繊維と異種繊維から構成されてある。いずれの場合にもポリトリメチレンテレフタレート繊維が含まれる。ポリトリメチレンテレフタレート繊維は、ナイロン6あるいはナイロン66に比較し吸水率が、非常に低い繊維である。従ってポリトリメチレンテレフタレート繊維を構成に加えることにより、水のスプレー下または水中下において吸湿、吸水による膨潤、あるいはブラシ毛材のこわさの低下を受け難くすることができる。また、ポリトリメチレンテレフタレート繊維は酸に対し強くブラシロールに優れた耐酸性を付与することが可能となる。
また、本発明のブラシロールのブラシ毛材は上記の如く、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、あるいはポリトリメチレンテレフタレート繊維と異種繊維から構成されてある。いずれの場合にもポリトリメチレンテレフタレート繊維が含まれる。ポリトリメチレンテレフタレート繊維は、酸素、炭素、水素、の元素より構成されている為、使用後ケミカルリサイクルすることが可能である。
現在、容器包装リサイクル法が再商品化のリサイクル手法として認めているケミカルリサイクルには、原料・モノマー化、油化、高炉還元剤としての利用、コークス炉化学原料化、ガス化による化学原料化がある。ポリトリメチレンテレフタレート繊維では原料が炭素と水素からできていることを利用し、熱及び圧力を加え、元の石油や基礎化学原料に戻し、再生利用するケミカルリサイクルが可能である。
また、やむを得ず焼却に至った場合も、完全燃焼による排出物は水と二酸化炭素のみにすることができる。
第2の発明は、曲げ荷重に対し優れた曲げ回復力特性を持つポリトリメチレンテレフタレート繊維と異種繊維がブラシロール中に交互に構成されてある。ポリトリメチレンテレフタレート繊維毛材は前記の如く、優れた曲げ回復力特性を持つ為、ポリトリメチレンテレフタレート繊維毛材はブラシロール中において構造的に柱ないし壁の機能を果たす。例えば、ナイロン、PET、PP、PE等繊維毛材はポリトリメチレンテレフタレート繊維毛材に比較し曲げ回復力が劣る、ナイロン、PET、PP、PE等繊維毛材が曲げ回復力不足に陥った場合、曲げ回復力に余裕のあるポリトリメチレンテレフタレート繊維毛材がナイロン、PET、PP、PE等繊維毛材が倒れて寄り掛かろうとする状態を押し戻しブラシロール中で寝癖が起きにくくできる。又規則的に配列する事により異種繊維の曲げ回復力不足を、更に安定的、効果的に補完することができる。
第3の発明は、本発明のブラシロールのブラシ毛材の少なくとも1本以上を、毛先に近くなる程、断面積が大から小に徐変するように形成させることにより、微細な凹凸形状にたいし、毛材先端部の断面積を小にして凹凸の僅かな隙間にも毛先が届く効果的なブラシ毛材の接触を可能とするものである。通常、毛材の断面積が減少した場合、毛材の曲げ回復力は著しく劣り、所定の曲げ弾性を得る事ができない。しかしながらポリトリメチレンテレフタレート繊維は非常に高い伸長回復率、あるいは優れた曲げ回復力特性を得られる為、ブラシ毛材にポリトリメチレンテレフタレート繊維、あるいはポリトリメチレンテレフタレート繊維と異種繊維を使用することにより、たとえ毛材の断面積が減少したとしてもブラシ毛材の曲げ回復力不足に陥り難い。また、ポリトリメチレンテレフタレート繊維は強アルカリを含浸処理させる事により、先が細い形状を容易に形成することができる。
第4の発明は、ブラシロールの前記ブラシ毛材のポリトリメチレンテレフタレート繊維、あるいはポリトリメチレンテレフタレート繊維と異種繊維の毛丈に段差を形成する。例えば被加工面が非常に傷つき易く、また、奥行きのあるものであった場合、ブラシ毛材を被加工面に対して深く当接させ被加工面の低い部位にブラシ毛材が届く位置に設定する。しかし、この場合被加工面の高い部分には、高い圧力が被加工面に掛かり傷を付ける可能性が高い、また、低い部分においては毛腰が柔らかすぎる問題が起こる。前記問題においては、次の解決策が考えられる、毛腰の強いポリトリメチレンテレフタレート繊維の毛丈を低くし、毛腰の弱い異種繊維の毛丈を高くすることにより、被加工物表面にたいしてブラシ毛材は、毛元部分は強く毛先部分は弱く設定でき、被加工面に傷を付け難く且つ被加工面の高い部分、低い部分に関係なく全体に当接させる事が可能となる。また毛腰の強いポリトリメチレンテレフタレート繊維の毛丈を高くし毛腰の弱い異種繊維の毛丈を低くした場合、異種繊維に対しポリトリメチレンテレフタレート繊維の毛丈が高く突き出た部分ではポリトリメチレンテレフタレート繊維の自由度が高く、より強い弾力性で被加工物表面に当接させる事ができる。前記の如く、ポリトリメチレンテレフタレート繊維の毛丈と異種繊維の毛丈の段差の度合いを変化設定させることによりブラシロールの毛腰を任意に変化設定する事が可能となる。
第5の発明は、ブラシロールを構成するブラシ毛材のポリトリメチレンテレフタレート繊維、あるいはポリトリメチレンテレフタレート繊維と異種繊維は少なくとも1本以上の断面が、多角形に形成することにより、外周長だけの円筒形に比較し、多角形では長いエッジ長を得られるとともに、毛材の繊維軸方向にエッジが形成される。更に3線が交わり各角度を持つ鋭利なエッジを設定する事が可能となり、ブラシ毛材のエッジで被加工面の広範囲を効率良く加工する事ができる。
第6の発明は、ブラシロールを構成するブラシ毛材のポリトリメチレンテレフタレート繊維、あるいはポリトリメチレンテレフタレート繊維と異種繊維は少なくとも1本以上が撚り状体に形成する事により、外形形状がバネ状に形成され、バネと同じように外部応力にたいして、スムーズに応力を逃す。又、応力がなくなるとスムーズに回復する為、更に曲げ回復力が高くできる。又、異繊維をナイロン、PET、PP、PE等の繊維とした場合、ナイロン、PET、PP、PE等繊維はポリトリメチレンテレフタレート繊維に比較し曲げ回復力が劣るが、ブラシロールの毛材の撚り状体に優れた曲げ回復力特性を持つポリトリメチレンテレフタレート繊維を撚り入れる事により、ポリトリメチレンテレフタレート繊維は毛材の芯材の役割を果たす。よってナイロン、PET、PP、PE等繊維の曲げ回復力不足を効果的に補いブラシロール毛材全体に寝癖が付きにくくなる。
第7の発明は、ブラシロールを構成するブラシ毛材のポリトリメチレンテレフタレート繊維、あるいはポリトリメチレンテレフタレート繊維と異種繊維は少なくとも1本以上が先割れ部を形成する事により、毛材先端を複数本に分割し1本当り断面積を小にすることで、凹凸の僅かな隙間にも毛先が届く効果的なブラシ毛材の接触を可能とするものである。通常、毛材の先端に先割れを形成することは、1本の毛材を無数の細毛に分割する事を言う。分割された細毛1本あたりの断面積は元の毛材に比較すると減少する。毛材の断面積が減少すると毛材の曲げ回復力は著しく劣り、所定の曲げ弾性を得る事ができない。しかしながらポリトリメチレンテレフタレート繊維は非常に高い伸長回復率、あるいは優れた曲げ回復力特性を得られる為、ブラシ毛材にポリトリメチレンテレフタレート繊維、あるいはポリトリメチレンテレフタレート繊維と異種繊維を使用することにより、たとえ毛材の断面積が減少したとしてもブラシ毛材の曲げ回復力不足に陥り難くなる。
第8の発明は、ポリトリメチレンテレフタレート繊維が結晶構造中で分子鎖が繊維軸方向にジグザグのバネ状に屈曲している為、曲げ応力にたいして優れた曲げ回復力を有するが、ブラシロールを構成するブラシ毛材のポリトリメチレンテレフタレート繊維、あるいはポリトリメチレンテレフタレート繊維と異種繊維の外形形状に屈曲、屈折部を形成することにより、バネと同じように外部応力にたいして、屈曲、屈折部においてスムーズに応力を逃すことができる。又、応力がなくなるとスムーズに回復する為、屈曲、屈折部を設ける事により、更に曲げ回復力を高めることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
図1、図2、図5及び図6において実施例1を示す。図1は、本発明のブラシ毛材を使用した清掃、研削、研磨、表面処理、洗浄に用いるブラシロールを前面から見た斜視図である。図1において、1はブラシロール、2は芯線、3はポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛、4は異種繊維ブラシ毛、5はブラシ表面、6は芯材で2の芯線を撚ったものである。図2は、実施例1の他の実施の形態を前面から見た斜視図である。図2において、10はブラシロール、11は異種繊維ブラシ毛、12はポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛、13はチャンネルブラシ、14は止め金具、15は芯材、16はブラシ表面である。図5の(A)は図2の13のチャンネルブラシ断面の拡大斜視図である。50は帯状体、51はポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛、52は異種繊維ブラシ毛、53は芯線である。図5の(B)は図2の止め金具14の拡大斜視図である。55はアリゲーター、56は固定ボルトである。図6の(A)は実施例1の他の実施の形態を前面から見た斜視図である。図6の(A)において、60はブラシロール、61は植毛穴、62は基台、63はポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛あるいは異種繊維ブラシ毛である。図6の(B)は図6の(A)の部分拡大図である。図6の(B)において、61は植毛穴、65は異種繊維ブラシ毛、66はポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛、67は平線である。
本発明のブラシロール1は、図1の如く、芯材6、ポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛3、異種繊維ブラシ毛4より構成されてある。ブラシロール1は、ポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛3のみ、またはポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛3及び異種繊維ブラシ毛4を複数の芯線2に挟み込んだ後、芯線2に捻りを加えて前記ポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛3のみ、またはポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛3及び異種繊維ブラシ毛4を芯線にてカシメ係止させてある。
次に、ブラシロール1の動作を説明する。ブラシロール1は、芯線2を複数本捩られた芯材6をドリル、フライス盤等の回転装置等、及び、各種治具等に装着しブラシ面5を被加工面に接触させ使用する。接触の際、ブラシ面5と被加工面の間に摩擦抵抗が発生する。前記摩擦抵抗により被加工面上にある塵埃は被加工面上から剥され、毛材の曲げ回復力によって塵埃が弾き飛ばされ清掃、表面処理が行われる。また、毛材に研磨材料を含むことにより研削、研磨加工、バリ取りに使用することも可能である。更にブラシロール1あるいは、被加工面が液中であれば、被加工面の洗浄を行える。
ブラシロール1は上記の如く、ブラシ表面5は被加工面に接触し、更に接触部分においてブラシ毛材は曲げ応力を受ける事となる。また、ブラシロール1を、例えば筒状の内面に差込んだ後ブラシロール1を筒状の内面に接触させ回転した場合、ブラシロール1の全周に亘り常に曲げ応力を受ける。ブラシ毛材に常に曲げ荷重を加えると毛材は塑性変形を引き起こし寝癖の状態となるが、曲げ回復力に優れるポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛3を構成に含むことにより、寝癖の発生を抑え且つ長期に渡り被加工面に同条件の当接を持続させるブラシロールを提供できる。
次に、図2の実施例1の他の実施の形態を説明する。図2の10は他の実施の形態のブラシロールを前面から見た斜視図である。ブラシロール10は、芯材15、チャンネルブラシ13、止め金具14、ポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛12のみ、またはポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛12及び異種繊維ブラシ毛11から形成されてある。芯材15は略円筒形状からなり、外周の両端部には、止め金具14が組みつけられて形成されてある。
また、図5は、図2のチャンネルブラシ13及び止め金具14の図を拡大したものである。チャンネルブラシ13は、図5の帯状体50の如く、既C字断面溝部と抜け止めの芯線53の間にポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛51ないし異種繊維ブラシ毛52を、図5の(A)の如く、芯線53にて挟み付けて折り込んだ後、図2の如く、芯材15の外周の周りに捩りを加えてポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛51と異種繊維ブラシ毛52を交互に並ぶよう螺旋状に形成し、芯材15に固定ボルト56にてアリゲーター55を係止させた後、アリゲーター55にたいして、前記帯状体50を係止させる。
次に、本発明のブラシロール10の動作を説明する。ブラシロール10は、芯材15を回転装置に装着しブラシ表面16を被加工面に押し当て接触させながら回転させてある。ブラシロールの毛材と被加工面が擦れ合うことにより両者間に摩擦抵抗が発生する。摩擦抵抗により被加工面上にある塵埃は被加工面上から剥され、毛材の曲げ回復力によって塵埃が弾き飛ばされ清掃、表面処理が行われる。また、毛材に研磨材料を含むことにより研削、研磨加工、バリ取りに使用することも可能である。更にブラシロール10、あるいは被加工面が液中であれば、被加工面の洗浄を行える。
ブラシロール10は上記の如く、ブラシロール10と被加工面に押し当て接触させながら擦れ合う為、接触部分においてポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛12,異種繊維ブラシ毛11は曲げ応力を受ける事となる。また、ブラシロール10は回転しているため、ポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛12,異種繊維ブラシ毛11は、被加工物と接触する部分で曲げ応力を受け、ポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛12,異種繊維ブラシ毛11は、被加工物と接触しない部分では、曲げ応力が開放される。この行程を全周に亘り繰り返す為、常に繰り返し曲げ荷重がポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛12,異種繊維ブラシ毛11にかかる。更に、前記動作を繰り返す事により、ポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛12,異種繊維ブラシ毛11は塑性変形を引き起こし寝癖につながる、しかしながら優れた曲げ回復力を有するポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛12をブラシロール10の構成に含むことにより、ブラシロール10の構成では、優れた曲げ回復力を有するポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛12はブラシ構造中において柱あるいは、壁の役目を果たす。ポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛12に比較し、曲げ回復力に劣る異種繊維ブラシ毛11が曲げ応力にたいし回復できずに倒れる状態になるところを、優れた曲げ回復力を有するポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛12が異種繊維ブラシ毛11を押し戻す。更にブラシロール10の場合、ポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛12と異種繊維ブラシ毛11を交互に並ぶよう螺旋状に形成されており、不規則にポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛12がブラシロール中に配列されるブラシロールに比較し、より効果的に寝癖の発生を抑え且つ長期に渡り被加工面に同条件の接触を持続させるブラシロールを提供できる。
次に、図6の実施例1の他の実施の形態を説明する。図6の(A)のブラシロール60は、基台62にあらかじめ図6の(B)の平線67の長手方向よりわずかに小さな植毛穴61をあけておき、図6の(B)のポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛66、異種繊維ブラシ毛65を折り曲げ、平線67を挟み込んだ後、植毛穴61にたいし垂直方向にポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛66、異種繊維ブラシ毛65、平線67を差込み、カシメ係止させてある。一般的に既四角形状平板の平線67を使用した前記植毛方法を平線植毛と呼称する。また、平線67の他に既円形形状を使用し差し込み、係止さしめたる植毛方法を一般的に丸線植毛と呼称する。
ブラシロールを構成するブラシ毛材にポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛と異種繊維ブラシ毛を併用する場合、ポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛と異種繊維ブラシ毛をあらかじめ混毛させ植毛しても良い。
図6の(B)の如く、ブラシロールの毛材がポリトリメチレンテレフタレート繊維66と異種繊維65等同一でない種類のブラシ毛をあらかじめ混合させて植毛する方法を一般的に混毛と呼称されてある。
図3の(A)、及び図3の(B)において実施例2を示す。図3の(A)は、毛先を既半球形状に加工したポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛及び異種繊維ブラシ毛の拡大斜視図である。20はポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛及び異種繊維ブラシ毛、21は既半球形状の毛先である。また、図3の(B)は毛先を先細に加工したポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛及び異種繊維ブラシ毛の拡大斜視図である。23は先細先端形状である。
図3において、ポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛材及び異種繊維ブラシ毛材の少なくとも1本以上を、毛先に近くなる程、断面積が大から小に徐変するように形成してある。図3の20において、先端形状は、既半球形状21が形成されてある。先端部に平面部が形成されてあっても良い。図3の22の部分では、先端先細形状23部分が形成されてある。先端部に平面部が形成されてあっても良い。
次に、本発明の図3の20及び22のポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛及び異種繊維ブラシ毛を使用した実施例2のブラシロールの動作を説明する。被加工面が微細な凹凸である場合、前記被加工面の凹凸より既半球形状21あるいは、鋭利に尖った先細部分23の様に毛先の断面積が大から小になるよう加工したブラシ毛材を使用することにより、微細な凹凸にたいして先端が入り込むことが可能となる為、微細な凹凸部の清掃、表面処理、洗浄加工等が可能となる。また先端に直角なエッジが形成されていない為、被加工面にたいして傷、打痕等が発生する事を、極力、防止抑制できる。
また、図3の(C)において実施例3を示す。図3の(C)は毛丈に段差がつけられたポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛及び異種繊維ブラシ毛の前面上部図である。24はポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛及び異種繊維ブラシ毛、25は、毛丈の高いポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛及び異種繊維ブラシ毛、26は、毛丈の低いポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛及び異種繊維ブラシ毛である。また、27は25と26の高低差を表したものである。
次に、図3の24において実施例3を説明する。図3の24は実施例3のブラシロール中において、毛丈の高いブラシ毛25と毛丈の低いブラシ毛26の毛材が植毛されて形成されたブラシロールである。ブラシロールが既円筒形であった場合、毛丈が均一でない為、外周部に凹凸がある状態である。
次に、本発明の図3のブラシロールの動作を、本発明を使用しないブラシロールと比較して説明する。例えば被加工面が非常に傷つき易く、奧行きのあるものであった場合、ポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛あるいは異種繊維ブラシ毛を被加工面に対して深く当接させ被加工面の低い部位にポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛あるいは異種繊維ブラシ毛が届く位置に設定しなければならない。例えば、毛丈が同一の高さであり、更にブラシ毛材も同一の場合、被加工面の高い部分には、高い圧力が被加工面に掛かり傷を付ける可能性が高い、しかし被加工面の低い部分においては毛腰が柔らかすぎる又は届かない事がある。しかしこのブラシ毛材のポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛、あるいは異種繊維ブラシ毛の毛丈に段差を形成する事により、前記問題を回避あるいは緩和できる。本発明の図3の24のブラシ毛を使用することにより次の解決策が考えられる、毛腰の強いポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛の毛丈を26の如くに低くし、毛腰の弱い異種繊維ブラシ毛の毛丈を25の如くに高く設定することにより、被加工物表面にたいして、毛元部分はポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛26と異種繊維ブラシ毛25が密に植毛されている為、毛腰は強く、逆に異種繊維毛材25のみの毛先部分は毛材自身が曲げ回復力が弱い上、疎の状態で植毛されている為、毛腰を弱く設定でき被加工面に傷を付け難く且つ被加工面に当接させる事ができる。また毛腰の強いポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛の毛丈を25の如くに高くし、毛腰の弱い異種繊維ブラシ毛の毛丈を26の如く、低くした場合、異種繊維に対しポリトリメチレンテレフタレート繊維毛の毛丈が高く、ポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛25が突き出た部分では、ポリトリメチレンテレフタレート繊維毛25の自由度が高く、より強い弾力性で被加工物表面に当接させる事ができる。前記の如く、ポリトリメチレンテレフタレート繊維毛の毛丈と異種繊維毛の毛丈の段差の度合いを変化設定させることによりブラシロールの毛腰を任意に変化設定する事が可能となる。
次に図4について説明する。図4の(A)、(C)、(D)において実施例2の他の実施の形態を示す。図4の(A),(C)、(D)はポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛及び異種繊維ブラシ毛の部分拡大図である。図4の(B)は実施例1の他の実施の形態の図2の部分拡大図である。図4の30は、多角形に形成したポリトリメチレンテレフタレート繊維あるいは異種繊維の切断面を上部から見た拡大斜視図である。31は稜線である。図4の35は、ポリトリメチレンテレフタレート繊維あるいは異種繊維に屈曲部または、屈折部を設けたブラシ毛を前面上部から見た部分拡大図である。37は屈曲、屈折部である。図4の38はポリトリメチレンテレフタレート繊維あるいは異種繊維に先割れ加工を施したブラシ毛を前面から見た部分拡大図である。
図4の(A)において実施例2の他の実施の形態を説明する。図4の30は、実施例1のロールブラシ1あるいは実施例1の他の実施の形態のロールブラシ10または、60に使われるポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛、あるいは異種繊維ブラシ毛の先端部の拡大図である。図4の30は前記ブラシ毛の断面形状が既三角形状を形成している、また、三角形状に沿って31の稜線が6本形成されてある。
図4の30のポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛、あるいは異種繊維ブラシ毛の動作について説明する。研削、研磨、表面処理、洗浄、バリ取り加工は被加工面を削り取る、あるいは剥し取る等の方法が一般的である。この場合、ブラシロールの毛材はなるべくエッジを多く、鋭角に形成させた方が、被加工面にたいして抵抗が大きくなり、一回当たりの削り取り量あるいは剥し取り量が多くでき、加工時間を短縮できる。エッジを、多く且つ鋭角にする為、30のブラシ毛材のポリトリメチレンテレフタレート繊維毛、あるいはポリトリメチレンテレフタレート繊維毛と異種繊維毛は、少なくとも1本以上の断面が、多角形に形成することにより、円筒形と断面積で比較した時、エッジが外周長だけの円筒形に比較し、多角形では長いエッジ長を得られる。また、図4の30の形状の毛材では、更に繊維軸方向にエッジが形成され31の如く6本の稜線が形成される。また、3線が交わり各角度を持つ鋭角なエッジを設定する事が可能となり、被加工面の広範囲を短時間で加工する事ができる。
図4の30のポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛、あるいは異種繊維ブラシ毛の断面形状は上記三角形状に限定せず、多角を有する多角形状であっても良い。
次に図の4の(C)において実施例2の他の実施の形態について説明する。35はポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛あるいは、異種繊維ブラシ毛、37は屈曲、屈折部である、
図4の35はポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛、異種繊維ブラシ毛であり、屈折あるいは屈曲部37が形成されてある。屈折あるいは屈曲部37を設けると、ポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛、異種繊維ブラシ毛にたいし、外部応力が加わると屈曲、屈折部で外部応力をバネの如くスムーズに逃がすことができる。又、外部応力を受けなくなると形状復元がスムーズに行われる。
次に図の4の35の動作について説明する。ブラシロールは被加工面に押し当て接触させながら擦れ合う為、接触部からブラシ毛35は曲げ応力を受ける事となる。また、ブラシロールは回転している為、ブラシ毛35と被加工物が接触する部分で曲げ応力を受け、ブラシ毛35と被加工物が接触しない部分では、曲げ応力が開放される、この行程を全周に亘り繰り返す為、常に繰り返し曲げ荷重がブラシ毛材35にかかる。しかしながら、図4の35のブラシロールには、優れた曲げ回復力を持つポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛が使われてあるとともに、上記の如く、屈曲、屈折部37をポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛あるいは、異種繊維ブラシ毛に設ける事により、外部応力が加わった場合、屈曲、屈折部37においてバネの如く外部応力をスムーズに逃がし、外部応力が無くなるとスムーズに形状が復元し、優れた曲げ回復力を得る事ができる。
次に図の4の(D)において実施例2の他の実施の形態について説明する。図4の(D)はポリトリメチレンテレフタレート繊維あるいは異種繊維の先割れ毛材である。38はポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛あるいは、異種繊維ブラシ毛の毛先部を繊維軸方向に分割加工した形状に加工したものである。39は分割部分、40は分割未加工部分でありブラシ毛の原形と同形である。
図4の38のポリトリメチレンテレフタレート繊維あるいは異種繊維の形状は既円筒あるいは既多角柱のブラシ毛の先端部を回転カッター等で、繊維軸方向に切れ目を入れ、一本のブラシ毛を複数本に分割したものである。前記加工方法は一般的に先割れ加工と呼称される。又、先割れ加工した39は先割れ部と呼称されている。
次に図4の38の動作について説明する。ブラシロールを構成するブラシ毛材のポリトリメチレンテレフタレート繊維、あるいはポリトリメチレンテレフタレート繊維と異種繊維の少なくとも1本以上にたいし、上記の如く先割れ部を形成する。先割れ加工することにより、本来のブラシ毛材40の断面積に比較して、先割れにより分割された毛材39の1本、1本の断面積は小となる。微細な凹凸形状の僅かな隙間より分割された毛材39の径が小さければ、僅かな凹凸形状の隙間にも毛先を当接させる事が可能となり、被加工面の微細な箇所にも、効果的な清掃、研削、研磨、表面処理、洗浄、バリ取り加工が可能となる。しかし、一般的に毛材の断面積が減少すると毛材の曲げ回復力は著しく劣り、所定の曲げ弾性を得る事ができない。本発明のポリトリメチレンテレフタレート繊維は非常に高い伸長回復率、あるいは優れた曲げ回復力特性を得られる為、図の4の38のブラシ毛材にポリトリメチレンテレフタレート繊維、を使用することにより、たとえ毛材の断面積が減少したとしてもブラシ毛材の曲げ回復力不足に陥り難くなる。
次に図4の(B)において実施例4を説明する。図4の(B)は、ポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛と異種繊維ブラシ毛の撚り状体の前面上部拡大図である。32はポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛と異種繊維ブラシ毛を撚り合わせて1本の撚り状体に形成されたブラシ毛、34はポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛である。33は異種繊維ブラシ毛である。
図4の32は異種繊維ブラシ毛33あるいはポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛34を複数本螺旋状に捻り撚り合わせた状態で形成されてあり、撚りあわされた図4の32のような材料は一般的に撚り糸と呼称されてある。
図4の32の動作について説明する。異種繊維ブラシ毛33とのポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛34は螺旋状に捻られた形状を成している、前記形状は曲げ応力にたいし高い回復力を持つコイルバネと同形状であり、直線のブラシ毛に比較して螺旋状に捻られたブラシ毛は曲げ回復力に優れる。更に、数本を撚り合わせることにより、ブラシ毛軸方向に掛かる耐圧力が上がる為、図4の32のブラシ毛材は曲げ圧力や倒れにたいして強くなり寝癖がつき難い。更に異繊維ブラシ毛33をナイロン、PET、PP、PE等繊維とした場合、ナイロン、PET、PP、PE等、異種繊維ブラシ毛33はポリトリメチレンテレフタレート繊維毛34に比較し曲げ回復力が劣るが、ポリトリメチレンテレフタレート繊維毛34がブラシロール撚り状体の毛材中に存在する事により、優れた曲げ回復力特性を持つポリトリメチレンテレフタレート繊維毛34が芯材の役割を果たす為、ナイロン、PET、PP、PE等繊維毛33の曲げ回復力不足を効果的に補いロールブラシ毛全体に寝癖が付きにくくなる。
本発明のブラシロールを構成するブラシ毛材の組み合わせは、ポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛のみを使用、あるいは、ポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛と異種繊維ブラシ毛を併用する組み合わせであるが、ポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛にたいし異種繊維ブラシ毛は1種類に限定せず数種類併用して構成されても良い。
異種繊維とは、ナイロン、PET、PP、PE、ウレタン、アクリル等のポリトリメチレンテレフタレート繊維以外のものをいう。
なお、ブラシロールの植毛方法に関しては、特に限定されるものでは無く、上記の如くの植毛方法以外にも、使用目的に応じて、適時、設定する事ができる。
本発明のブラシロールは、主に、鋼板、非鉄金属板、樹脂板、フィルム状組成物、及びガラス板等の清掃、研削、研磨、表面処理、洗浄、バリ取りに使用するものである。また、自動車、電車、バス等各種車両の内外面の洗浄ブラシ、一般家庭、あるいは事業所内の室内清掃用ブラシ、電気掃除機の床ノズルに搭載される回転ブラシ等、広く好適に使用できる。
本発明のブラシ毛材を使用した清掃、研削、研磨、表面処理、洗浄に用いるブラシロールを前面から見た斜視図
実施例1の他の実施の形態を前面から見た斜視図
Aは毛先を既半球形状に加工したポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛及び異種繊維ブラシ毛の拡大斜視図 Bは毛先を先細に加工したポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛及び異種繊維ブラシ毛の拡大斜視図 Cは毛丈に段差がつけられたポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛及び異種繊維ブラシ毛の前面上部図
Aは多角形に形成したポリトリメチレンテレフタレート繊維あるいは異種繊維の切断面を上部から見た拡大斜視図 Bはポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛と異種繊維ブラシ毛の撚り状体の前面上部拡大図 Cはポリトリメチレンテレフタレート繊維あるいは異種繊維に屈曲部または、屈折部を設けたブラシ毛を前面上部から見た部分拡大図 Dはポリトリメチレンテレフタレート繊維あるいは異種繊維に先割れ加工を施したブラシ毛を前面から見た部分拡大図
Aは図2の14のチャンネルブラシ断面の拡大斜視図 Bは図2の止め金具14の拡大斜視図
Aは実施例1の他の実施の形態を前面から見た斜視図 Bは図6のAの部分拡大図
符号の説明
1、10、60 ブラシロール
2、53 芯線
3、12、34、51、66 ポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛
4、11、33、52、65 異種繊維ブラシ毛
5、16 ブラシ表面
6、15 芯材
13 チャンネルブラシ
14 止め金具
20、22、24、30、35、63 ポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛あるいは異種繊維ブラシ毛
21 既半球形状
23 先細先端形状
25 毛丈の高いポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛及び異種繊維ブラシ毛
26 毛丈の低いポリトリメチレンテレフタレート繊維ブラシ毛及び異種繊維ブラシ毛
27 高低差
31 稜線
32 撚り状体
37 屈曲、屈折部分
38 ポリトリメチレンテレフタレート繊維あるいは異種繊維の先割れ毛材
39 先割れ部
40 先割れ未加工部分
50 帯状体
55 アリゲーター
56 固定ボルト
61 植毛穴
62 基台
67 平線