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JP2007175791A - 軸付超砥粒砥石及びその製造方法 - Google Patents

軸付超砥粒砥石及びその製造方法 Download PDF

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JP2007175791A JP2005374122A JP2005374122A JP2007175791A JP 2007175791 A JP2007175791 A JP 2007175791A JP 2005374122 A JP2005374122 A JP 2005374122A JP 2005374122 A JP2005374122 A JP 2005374122A JP 2007175791 A JP2007175791 A JP 2007175791A
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Abstract

【課題】軸付超砥粒砥石の製造において、ホットプレスの際にシャンク部及び上部押圧金型が応力により変形することなく、砥石部において所望の密度を達成することができる軸付超砥粒砥石及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】シャンク部14の一端に超砥粒を砥材とする砥石部15が形成された軸付超砥粒砥石13であって、該シャンク部が焼入れ又は焼入れ・焼き戻しを施した金属材料から構成されたものである、前記軸付超砥粒砥石。シャンク部の金属材料は、高速度鋼、熱間ダイス鋼、ステンレス鋼及び耐熱鋼からなる群から選択されることが好ましく、また、砥石部は超砥粒砥材をメタルボンド結合材により結合して構成されたものであることが好ましい。
【選択図】図2

Description

本発明は、軸付超砥粒砥石とその製造方法に関するものである。本発明は、特に、シリコンウエハーのノッチ加工等に用いる軸付超砥粒砥石に好適に適用することができる。
近時の半導体業界の技術発展に伴い、シリコンウエハーの直径は拡大し、ICチップの集積度と配線密度は大きくなり、それにより位置決め精度の重要性が増している。また、1枚のシリコンウエハーからできるだけ多くのICチップを得るなど、半導体製造効率の向上も要求されている。従来、シリコンウエハーには、シリコンウエハー加工時の位置決めのため、その円形形状の一部分を直線的に切ったオリエンタルフラットとよばれる部分が設けられてきたが、位置決め精度と半導体製造効率の観点から、図1に示すように、ウエハー(11)の一部にノッチ(12)と呼ばれる小さな切り欠き部分を設ける方法が多く使用されるようになっている。ノッチは、その大きさに対応した軸付超砥粒砥石を使用して形成される。
図2に、軸付超砥粒砥石の模式図を示す。軸付超砥粒砥石(13)は、一般的な構成として、軸(シャンク部)(14)の一方の先端部に超砥粒層(砥石部)(15)を固着した軸付砥石であり、軸の他端部分を研削盤のチャックなどで掴持し、機械の回転軸を中心に回転させて研削に供するものである。砥石部には被研削体加工用の溝(16)が設けられる。
軸付超砥粒砥石の例は、特許文献1に、超砥粒砥石部とシャンク部とを小径棒を介して接合させた軸付超砥粒砥石であって、小径棒の一端がシャンク部に設けられている軸方向の挿入穴に挿入されて固定されており、その他端側が超砥粒砥石部に軸止されたものが開示されている。また、特許文献2には、超砥粒層が、軸(シャンク部)と一体に設けられた軸心部に固着された軸付超砥粒砥石であって、軸心部がテーパー状に形成されているものが開示されている。
特開2003−25234号公報 特開2005−14163号公報
軸付超砥粒砥石は、シリコンウエハーノッチの加工生産性向上の観点から、その切れ味の向上と高寿命化は従来よりも重要性を増している。
また、1つの軸付超砥粒砥石で多くの加工を行えるよう、砥石部により多くの加工用溝を形成すること、そのために砥石部の高さを高くすることが求められている。
この軸付超砥粒砥石は、一般的にはホットプレスにより製造される。具体的には、予め成型したシャンク部の軸方向上部に砥石部材料混合物を配置し、この混合物を押圧金型により軸方向下向きにホットプレス(熱間圧縮)することにより、砥石部において所望の密度が達成され、砥石部とシャンク部とが接合される。
一方、シャンク部の材料は、一般的には、焼きを入れていない生材が使用される。生材は硬度が低く軟らかいため、ホットプレス後の仕上げ加工は容易であるが、ホットプレス時の高い押圧により、シャンク部が太鼓型に変形してしまうという問題がある。また、押圧金型が生材で形成されている場合、押圧金型も同様に太鼓型に変形するという問題もある。
図3に、従来技術の軸付超砥粒砥石の製造の一態様を概略的に示す。図3において、軸付超砥粒砥石(21)はシャンク部(22)の一端に砥石部(23)が形成された構成を有する。軸付超砥粒砥石(21)は以下の手順で製造される。すなわち、予め生材を使用して成型したシャンク部(22)をモールドバンド(24)に配置し、シャンク部(22)の軸方向上部に超砥粒を含む砥石部材料混合物(23)を配置する。次いで、この混合物(23)を生材により形成された上部押圧金型(25)により軸方向下向きにホットプレス(熱間圧縮)する。このホットプレスの間に、押圧(成型圧力)の増加と共に上部押圧金型(25)の軸方向に応力がかかり、特に、硬度の低い生材から形成されたシャンク部(22)及び上部押圧金型(25)とモールドバンド(24)との境界部に応力が集中し、結果として太鼓型の変形(26、27)が形成されてしまう。このような変形が起こると、シャンク部(22)及び上部押圧金型(25)はモールドバンド(22)内に収まらなくなり、押圧による力が砥石部(23)に伝わらず、結果として砥石部(23)において所望の密度が得られず、設計より軟らかい砥石となり、研削時砥石寿命が低下するという不具合が発生する。
シャンク部は、上述のようにホットプレスの際に太鼓型に変形しない高い硬度であることを要する。また一方では、通常、ホットプレス後に超砥粒砥石層とともに仕上げ加工を行うことから、あまりに硬度が高く仕上げ加工に時間と手間がかからないよう、加工容易性にすぐれた低い硬度であることが望ましい。
上記従来技術の課題に鑑み鋭意研究した結果、本発明者らは、軸付超砥粒砥石のシャンク部及びホットプレスの際に使用する上部押圧金型の材料として、焼入れ又は焼入れ・焼き戻しを施した金属材料を使用することにより、シャンク部及び上部押圧金型の変形を回避でき、かつ、シャンク部においてホットプレス後の加工容易性を確保できることを発見し本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、シャンク部の一端に超砥粒を砥材とする砥石部が形成された軸付超砥粒砥石であって、該シャンク部が焼入れ又は焼入れ・焼き戻しを施した金属材料から構成されたものであることを特徴とする。
本発明の軸付超砥粒砥石において、シャンク部の金属材料は、高速度鋼、熱間ダイス鋼、ステンレス鋼及び耐熱鋼からなる群から選択されることが好ましい。また、シャンク部にニッケルストライク処理後銅めっきが施されたものであることが好ましい。更に、砥石部は超砥粒砥材をメタルボンド結合材により結合して構成されたものであることが好ましい。
また、本発明は、軸付超砥粒砥石の製造方法であって、焼入れ又は焼入れ・焼き戻しを施した金属材料からシャンク部を形成し、該シャンク部にニッケルストライク処理後銅めっきを施し、該シャンク部の軸方向上部に超砥粒砥材及び結合材を含む砥石部原料を配置し、該砥石部原料を上部押圧金型により該シャンク部の軸方向下向きに押圧するホットプレス法により、該砥石部及び該シャンク部を接合させることを含み、その際、該上部押圧金型が焼入れ又は焼入れ・焼き戻しを施した金属材料から構成されたものであることを特徴とする。
本発明の軸付超砥粒砥石の製造方法において、上部押圧金型の金属材料は、高速度鋼、熱間ダイス鋼、ステンレス鋼及び耐熱鋼からなる群から選択されることが好ましい。
本発明にしたがえば、所望の密度を有する軸付超砥粒砥石が提供される。
発明の実施するための最良の形態
以下、本発明の軸付超砥粒砥石及びその製造方法の好適な実施形態について説明する。
まず、本発明の軸付超砥粒砥石の好適な実施形態について説明する。
本発明の軸付超砥粒砥石は、シャンク部の一端に超砥粒を砥材とする砥石部が形成された軸付超砥粒砥石であって、該シャンク部が焼入れ又は焼入れ・焼き戻しを施した金属材料から構成されたものであることを特徴とする。
図4に、本発明の軸付超砥粒砥石の製造の一態様を概略的に示す。
図4において、軸付超砥粒砥石(101)はシャンク部(102)の一端に砥石部(103)が形成された構成を有する。
本発明において、砥石部の砥材は超砥粒であるものとする。超砥粒は、CBN砥粒及びダイヤモンド砥粒から選択される。シリコンウエハーのノッチ加工のためにはダイヤモンド砥粒を使用することが好ましい。
砥石部の結合材は、レジンボンド、メタルボンド、又はこれらの複合ボンドを用いることができる。一般的には、メタルボンドを使用することが好ましい。
本発明において、シャンク部は焼入れ又は焼入れ・焼き戻しを施した金属材料から構成されるものとする。
シャンク部は、ホットプレスの際の温度上昇に伴いその硬度が低下する。硬度低下の度合いは、シャンク部の材質、焼入れ温度、焼き戻し温度、ホットプレスの際の焼結温度、焼結時間などに依存して変化する。シャンク部に用いる金属材料に焼入れを施し、その硬度を向上させておけば、砥石部との接合のためにホットプレスしても、その硬度が過度に低下することはなく、一般的には生材よりも高い硬度が維持される。その結果、従来技術においてみられたようにホットプレス時の成型圧力によりシャンク部が太鼓型に変形することはない。
シャンク部は、上述のようにホットプレスの際に太鼓型に変形しない高い硬度であることを要する。また一方では、通常、ホットプレス後に超砥粒砥石層とともに仕上げ加工を行うことから、あまりに硬度が高く仕上げ加工に時間と手間がかからないよう、加工容易性にすぐれた低い硬度であることが望ましい。したがって、シャンク部の硬度は、砥石層焼結前前にHRC45以上であり、砥石層焼結後後にHRC35〜20であることが好ましい。
シャンク部の金属材料は、高速度鋼、熱間ダイス鋼、ステンレス鋼及び耐熱鋼からなる群から選択されることが好ましいが、本発明の趣旨を逸脱しない限り例示した材質以外の材料も使用することができる。
また、シャンク部はニッケルストライク処理後銅めっきが施されたものであることが好ましい。これにより、シャンク部と超砥粒を含む砥石部との接着性を確保することができる。
本発明の別の態様において、軸付超砥粒砥石は、シャンク部及び砥石部が小径棒を介して接合され、該小径棒の一端が該シャンク部に設けられた軸方向の挿入穴に挿入されて固定され、その他端が該砥石部に軸止されてもよい。小径棒は、その径がシャンク部及び砥石部よりも小さいものとする。軸付超砥粒砥石をこのような構造にすることにより、軸に対して横方向からの力に対する強度を確保することができ、曲げに強くすることができる利点がある。
図5に、本発明の軸付超砥粒砥石の製造の別の態様を概略的に示す。
図5において、軸付超砥粒砥石(111)は、シャンク部(112)及び砥石部(113)が小径棒(116)を介して接合され、該小径棒(116)の一端が該シャンク部(112)に設けられた軸方向の挿入穴に挿入されて固定され、該小径棒(116)の他端が該砥石部(113)に軸止された構成を有する。かかる構成は、特開2003−25234号公報(特許文献1)に記載されたものと同様である。
軸付超砥粒砥石(111)の軸中心に小径棒(116)が存在することにより、ノッチ加工において側圧がかかることが多い使用条件において、側圧に対して砥石の折れを防止するのに役立つ。小径棒(116)は、シャンク部(112)と同様に、焼入れ又は焼入れ・焼き戻しを施した金属材料から構成されることが望ましく、具体的には、高速度鋼、熱間ダイス鋼、ステンレス鋼及び耐熱鋼からなる群から選択される金属材料から構成されることが好ましい。また、本発明の趣旨を逸脱しない限り例示した以外の材料も使用することができる。必ずしもシャンク部と同一の材料を使用する必要はない。
また、本発明の更に別の態様において、軸付超砥粒砥石は、シャンク部が、砥石部と接する一端においてテーパー状に形成されていてもよい。
図6に、本発明の軸付超砥粒砥石の製造の更に別の態様を概略的に示す。
図6において、軸付超砥粒砥石(121)はシャンク部(122)の一端に砥石部(123)が形成され、シャンク部(122)が、砥石部(123)と接する一端においてテーパー状に形成された構成を有する。シャンク部(122)をテーパー状に加工することによりシャンク部(122)と超砥粒砥石部(123)の間に強い固着力を確保することが可能となる。
また、シャンク部(122)は、テーパー状の加工を施さなくとも超砥粒砥石部との十分な接着性を確保することができる。
次に、本発明の軸付超砥粒砥石の製造方法の好適な実施形態について説明する。以下、軸付超砥粒砥石の製造方法については、上述の軸付超砥粒砥石と重複する内容についてはその説明を省略する。
本発明の軸付超砥粒砥石の製造方法は、焼入れ又は焼入れ・焼き戻しを施した金属材料からシャンク部を形成し、該シャンク部にニッケルストライク処理後銅めっきを施し、該シャンク部の軸方向上部に超砥粒砥材及び結合材を含む砥石部原料を配置し、該砥石部原料を上部押圧金型により該シャンク部の軸方向下向きに押圧するホットプレス法により、該砥石部及び該シャンク部を接合させることを含み、その際、該上部押圧金型が焼入れ又は焼入れ・焼き戻しを施した金属材料から構成されたものであることを特徴とする。
本発明においては、焼入れ又は焼入れ・焼き戻しを施した金属材料からシャンク部を形成することにより、ホットプレスの際に高い圧力がかかりシャンク部が太鼓型に変形し、超砥粒を含む砥石部において所望の密度が得られないという従来技術の問題を克服することが可能となる。シャンク部金属材料について、焼入れ又は焼入れ・焼き戻しを行う際の条件(焼入れ温度、焼き戻し温度、時間等)は、焼入れ又は焼入れ・焼き戻し後にシャンク部において所望の硬度が得られることを条件とし、金属材料の材質、ホットプレスの際の焼結温度、焼結時間等に依存して適宜決定することができる。シャンク部の硬度は、砥石層焼結前にHRC45以上であり、砥石層焼結後にHRC35〜20であることが好ましい。
また、同様に、ホットプレスの際に、焼入れ又は焼入れ・焼き戻しを施した金属材料から構成された上部押圧金型を使用することにより、従来技術においてみられたようにホットプレス時の成型圧力により上部押圧金型が太鼓型に変形することはない。上部押圧金型について、焼入れ又は焼入れ・焼き戻しを行う際の条件(焼入れ温度、焼き戻し温度、時間等)は、材質、ホットプレスの際の焼結温度、焼結時間等に依存して適宜決定することができる。
本発明においては、シャンク部にニッケルストライク処理後銅めっきを施すことにより、シャンク部と超砥粒を含む砥石部との接着性を確保することができる。
上部押圧金型に使用する金属材料は、ニッケルストライク処理や銅めっきを行う必要はない。そもそも超砥粒砥石部と接合する必要はなく、むしろホットプレス後にすんなりと離型できるものであることが望ましいからである。
本発明の軸付超砥粒砥石の製造方法において、上部押圧金型の金属材料は、焼入れ又は焼入れ・焼き戻しを施した高速度鋼、熱間ダイス鋼、ステンレス鋼及び耐熱鋼からなる群から選択されることが好ましいが、本発明の趣旨を逸脱しない限り例示した以外の材料も使用することができる。必ずしもシャンク部と同一の材料を使用する必要はない。
図4に、本発明の軸付超砥粒砥石の製造の一態様を概略的に示す。
図4において、軸付超砥粒砥石(101)はシャンク部(102)の一端に砥石部(103)が形成された構成を有する。軸付超砥粒砥石(101)は以下の手順で製造される。すなわち、焼入れ又は焼入れ・焼き戻しを施した金属材料からシャンク部(102)を形成し、モールドバンド(104)に配置する。次いで、シャンク部(102)の軸方向上部にニッケルストライク処理後銅めっきを施し、超砥粒を含む砥石部材料混合物(103)を配置する。次いで、この混合物(103)を、熱処理を施した金属材料から構成された上部押圧金型(105)により軸方向下向きにホットプレス(熱間圧縮)する。このホットプレスの間に、押圧(成型圧力)の増加と共に上部押圧金型(105)の軸方向に応力がかかり、特に、シャンク部(102)及び上部押圧金型(105)とモールドバンド(104)との境界部に応力が集中するが、本発明においてはシャンク部(102)及び上部押圧金型(105)はどちらも、従来技術と比較して硬度が高いため太鼓型の変形が生じることはない。したがって、更なる加圧が可能であり、シャンク部(102)及び上部押圧金型(105)は企図されるようにモールドバンド(104)に挿入され、砥石部(103)に押圧力が伝達される。ホットプレス後には、所望の密度を有する超砥粒砥石部が形成され、研削時砥石寿命が低下するという従来技術の不具合が解消される。
次に、図5に、本発明の軸付超砥粒砥石の製造の別の態様を概略的に示す。
図5において、軸付超砥粒砥石(111)は、シャンク部(112)及び砥石部(113)が小径棒(116)を介して接合され、該小径棒(116)の一端が該シャンク部(112)に設けられた軸方向の挿入穴に挿入されて固定され、該小径棒(116)の他端が該砥石部(113)に軸止された構成を有する。軸付超砥粒砥石(111)は以下の手順で製造される。すなわち、焼入れ又は焼入れ・焼き戻しを施した金属材料からシャンク部(112)を形成し、モールドバンド(114)に配置する。シャンク部(112)の軸中心には小径棒(116)用の小径穴を設け、この小径穴にシャンク部(112)及び小径棒(116)の固着を助けるため少量の金属紛を入れたあと、小径棒(116)を挿入する。金属粉はシャンク部金属材料よりも融点の低いものであればよい。次いで、シャンク部(112)の軸方向上部にニッケルストライク処理後銅めっきを施し、超砥粒を含む砥石部材料混合物(113)をその上に配置する。次いで、この混合物(113)を、焼入れ又は焼入れ・焼き戻しを施した金属材料から構成され、その中心に小径棒(116)用の貫通穴が設けられた上部押圧金型(115)により軸方向下向きにホットプレス(熱間圧縮)する。図4に示した態様と同様に、ホットプレスの間に、シャンク部(112)及び上部押圧金型(115)とモールドバンド(114)との境界部に応力が集中するが、本発明においてはシャンク部(112)及び上部押圧金型(115)はどちらも、従来技術と比較して硬度が高いため太鼓型の変形が生じることはない。したがって、更なる加圧が可能であり、シャンク部(112)及び上部押圧金型(115)は企図されるようにモールドバンド(114)に挿入され、砥石部(113)に押圧力が伝達される。小径棒(116)は加圧によりシャンク部(112)に固定される。ホットプレス後には、所望の密度を有する超砥粒砥石部が形成され、研削時砥石寿命が低下するという従来技術の不具合が解消される。
次に、図6に、本発明の軸付超砥粒砥石の製造の更に別の態様を概略的に示す。
図6において、軸付超砥粒砥石(121)はシャンク部(122)の一端に砥石部(123)が形成され、シャンク部(122)が、砥石部(123)と接する一端においてテーパー状に形成された構成を有する。軸付超砥粒砥石(121)は、シャンク部(122)をテーパー状に形成した以外は、図4に関して説明した手順と同様に製造される。
以下、本発明の実施例を比較例とともに説明するが、これらは本発明の実施可能性及び有用性を例証するものであり、本発明の構成を何ら限定するものではない。
1.砥石製造試験
(実施例)
(a)砥石部材料混合比
砥粒:ダイヤモンド#800 0.175g
結合材:メタルボンド 1.126g
(Co=60wt%、Cu=28wt%、Sn=12wt%)
集中度=125
(b)軸付超砥粒砥石の寸法
砥石外径: 3.8mm
加工用溝外径: 1.6mm
砥石厚さ: 7.0mm
シャンク部(研削盤保持部)外径: 3.0mm
シャンク部長さ: 25mm
(c)砥石製造手順
ニッケルストライク処理後に銅めっきを施したSKD61焼入れ材を使用してシャンク部を形成した。次いで、砥石部材料をそれぞれ所定量計量し、均一に混合した。次いで、図4に示すように、シャンク部をモールドバンドに配置し、その上部に砥石部材料混合物を充填してから、SKD61焼入れ材から構成された上部押圧金型をセットし、ホットプレスを行った。0.2Tの圧力をかけて最高保留温度700℃で60分保留した。
(比較例)
シャンク部及び上部押圧金型の材料としてSKD61生材を使用した以外は、上記実施例と同様にして軸付超砥粒砥石を製造した。
2.砥石物性の評価
(a)外観
実施例において、シャンク部及び上部押圧金型に特段の異常はみられなかった。一方、比較例においては、シャンク材及び上部押圧金型とモールドバンドとの境界部に太鼓型の変形が観察された。
(b)硬度
Figure 2007175791
同じ組成の材料を使用した結果、シャンク部と上部押圧金型に焼入れ材を使用した実施例では、生材を使用した比較例よりも砥石硬度が高く、砥石部において高い密度が得られたことがわかる。また、シャンク部においては、実施例及び比較例ともにホットプレスにより硬度が低下したが、比較例では変形がみられるほどに硬度が低下したのに対して、実施例では加工容易性を確保でき、かつ変形がみられない程度の所望の硬度値までの低下にとどまった。
(c)ホットプレス時の金型温度とシャンク部硬度の関係
上記実施例において、ホットプレス時金型温度とシャンク部硬度の関係について検討した。結果を次表に示す。
Figure 2007175791
上表中、「炉中時間」とは、ホットプレスを開始した時点からの積算時間である。
上表から、シャンク部の硬度は低下していくが、最高保留温度700℃で最終硬度は32.4となった。実施例においては、ホットプレスの間に変形が起こらず、且つホットプレス後にシャンク部の外径を削り落とすなどの加工も支障なく行うことができた。
図1は、軸付超砥粒砥石の模式図である。 図2は、ノッチが形成されたシリコンウエハーの模式図である。 図3は、従来技術の軸付超砥粒砥石の製造の一態様を概略的に示す図である。 図4は、本発明の軸付超砥粒砥石の製造の一態様を概略的に示す図である。 図5は、シャンク部及び砥石部が小径棒を介して接合された、本発明の軸付超砥粒砥石の製造の別の態様を概略的に示す図である。 図6は、シャンク部がテーパー状に形成された、本発明の軸付超砥粒砥石の製造の更に別の態様を概略的に示す図である。
符号の説明
11 シリコンウエハー; 12 ノッチ; 13 軸付超砥粒砥石; 14 軸(シャンク部); 15 超砥粒層(砥石部); 16 加工用溝; 21 軸付超砥粒砥石; 22 シャンク部(生材); 23 砥石部; 24 モールドバンド; 25 上部押圧金型(生材); 26 シャンク部太鼓型変形; 27 上部押圧金型太鼓型変形; 101 軸付超砥粒砥石; 102 シャンク部; 103 砥石部; 104 モールドバンド; 105 上部押圧金型; 111 軸付超砥粒砥石; 112 シャンク部; 113 砥石部; 114 モールドバンド; 115 上部押圧金型; 116 小径棒; 121 軸付超砥粒砥石; 122 シャンク部(テーパー状); 123 砥石部; 124 モールドバンド; 125 上部押圧金型

Claims (6)

  1. シャンク部の一端に超砥粒を砥材とする砥石部が形成された軸付超砥粒砥石であって、該シャンク部が焼入れ又は焼入れ・焼き戻しを施した金属材料から構成されたものである、前記軸付超砥粒砥石。
  2. シャンク部の金属材料が、高速度鋼、熱間ダイス鋼、ステンレス鋼及び耐熱鋼からなる群から選択される、請求項1記載の軸付超砥粒砥石。
  3. シャンク部にニッケルストライク処理後に更に銅めっきが施された、請求項1又は2に記載の軸付超砥粒砥石。
  4. 砥石部が超砥粒砥材をメタルボンド結合材により結合して構成されたものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の軸付超砥粒砥石。
  5. 軸付超砥粒砥石の製造方法であって、焼入れ又は焼入れ・焼き戻しを施した金属材料からシャンク部を形成し、該シャンク部にニッケルストライク処理後に更に銅めっきを施し、該シャンク部の軸方向上部に超砥粒砥材及び結合材を含む砥石部原料を配置し、該砥石部原料を上部押圧金型により該シャンク部の軸方向下向きに押圧するホットプレス法により、該砥石部及び該シャンク部を接合させることを含み、その際、該上部押圧金型が焼入れ又は焼入れ・焼き戻しを施した金属材料から構成されたものであることを特徴とする、前記製造方法。
  6. 上部押圧金型の金属材料が、高速度鋼、熱間ダイス鋼、ステンレス鋼及び耐熱鋼からなる群から選択される、請求項5記載の軸付超砥粒砥石の製造方法。
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