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JP2007146914A - 電磁弁構造及びこの電磁弁の製造方法 - Google Patents

電磁弁構造及びこの電磁弁の製造方法 Download PDF

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Norihiro Saida
憲宏 齋田
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Katsuma Tsuruoka
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Abstract

【課題】弁体の開弁ストローク移動初期における受圧径の変化に伴う弁体の挙動の発生を抑制して発振現象の減少化を図れる電磁弁を提供する。
【解決手段】電磁コイルに発生する磁力によって摺動するプランジャの先端部に設けられた球面状の弁体38と、前記プランジャと同軸上に配置されて内部軸方向に通路孔40が貫通形成されたバルブシート39と、前記通路孔の先端開口部40aに形成されて、前記弁体が離着座する球面状の弁座41とを備え、前記プランジャの摺動に伴って前記弁体が弁座から離着座して前記通路孔の開先端開口を開閉する電磁弁構造である。前記弁座の曲率半径を、前記弁体の曲率半径よりも大きく設定して、弁体の開弁ストローク時における受圧径Dの減少変化率を減少させることにより、流体圧による弁体の発振現象を小さく抑制する。
【選択図】図4

Description

本発明は、例えば車両のブレーキ液圧を制御するためのアンチロックブレーキ装置(ABS)などに用いられる電磁弁構造及びこの電磁弁の製造方法に関する。
この種の従来の電磁弁構造としては、アンチロックブレーキ装置に適用された以下の特許文献に記載されたものが知られている。
概略を説明すれば、この電磁弁は、いわゆる常閉型の減圧用電磁弁であって、ハウジングに形成された弁保持穴と、一部が前記ハウジング内に形成されて、一端が各ホイールシリンダに接続され、他端がリザーバに接続されたブレーキ液を通流させるブレーキ液圧通路と、前記弁保持穴内に収容保持され、周壁の径方向に前記ブレーキ液圧通路に連通する通路孔を有するほぼ円筒状のバルブボディと、該バルブボディの内部に形成されて、前記通路孔の一端開口縁に形成された球面状の弁座に離着座して前記通路孔の一端開口を開閉する球面状の弁体と、バルブボディの上端部に固定されたシリンダの内部に摺動自在に設けられて、前記弁体を開閉作動させるプランジャと、を備えている。
前記シリンダの一端側には、固定コアが固定され、この固定コアの外周に電磁コイルが配置されており、この電磁コイルに通電されずに固定コアが消磁されている場合は、バルブスプリングによって弁体が前記開口縁を閉成する一方、通電されるとプランジャが固定コアに吸引されて弁体によって開口端を開成して各ホイールシリンダのブレーキ液をリザーバに還流させてブレーキ液圧を制御するようになっている。
特開平11−222119号公報(第3図)
しかしながら、前記従来の電磁弁は、図6Aに示すように、球面状の弁座2の曲率半径R’が、前記球面状の弁体1の受圧面1aの曲率半径Rよりも小さく形成されている。このため、弁体1が弁座2の上端内周縁2aに着座した状態から開弁方向へストロークした際に、その開弁初期に弁体1の受圧径D、つまり弁体1の中心Pから弁座2の上端内周縁2a及び該弁座2の外周側に有する開口縁部4の上面までの最短距離を結ぶ直線で形成される円錐角度θ間に受圧径Dが存在し、この受圧径Dが弁体1の弁座2の上端内周縁2aに着座位置における受圧径Dの幅0よりも急激に減少した1及び2の範囲になり、この減少方向の変化率が大きいことから、前記通路孔3から開口端3a方向へ流れる流体圧に大きな変動が発生する。
すなわち、前記弁体1の前記通路孔3を通流する液圧による受圧径Dは、通路孔3の先端開口3aの開口面積によって決定され、弁体1が弁座2の上端内周縁2aに着座した閉弁時の受圧径Dは、通路孔3の先端開口3aの開口面積と同一の0であるが、プランジャを介して弁体1が図6Aの矢印で示すように、開弁方向へストロークして弁座2から離間した初期の段階では、前記受圧径Dが一時的に1及び2に段階的に大きく減少する方向へ変化する。これに伴って、弁体1が一時的に閉弁方向への移動を繰り返す。
そして、この従来技術では、受圧径Dの減少変化率(変化幅)が大きいことから、通路孔3を通流する流体圧が瞬間的に低下して、前記弁体1(プランジャ)の閉弁方向への繰り返し移動量が大きくなる。
これにより、図6B及び図7に示すように、流体圧の変動が急激に発生して振幅の大きな発振現象が起こり、異音が発生するばかりか、正確な流体圧を得ることが困難になる。特に、弁体1の中間位置で開度を保持制御するような比例制御式の電磁弁においては、弁体1を中間位置で安定して保持することができなくなるおそれがある。
本発明は、前記従来の技術的課題に鑑みて案出されたもので、前記弁体の開弁方向へのストローク移動時における受圧径の急激な減少変化を抑制して、発振現象を十分に防止し得る電磁弁構造を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明にあっては、電磁コイルに通電した際に発生する磁力によって摺動するプランジャと、該プランジャの先端部に設けられた弁体と、前記プランジャと同軸上に配置されて内部軸方向に通路孔が貫通形成されたバルブシートと、前記通路孔の先端開口部に形成されて、前記弁体が離着座する弁座と、を備え、前記プランジャの摺動に伴って前記弁体が弁座から離着座して前記通路孔の開先端開口を開閉する電磁弁構造であって、前記弁座の形状を、前記弁体の開弁ストローク移動に伴って前記通路孔の先端開口面積との相対関係で決定される前記弁体の受圧径の増減変化率が減少するように形成したことを特徴としている。
この発明によれば、前記弁座の形状を、前記弁体の開弁ストローク移動に伴って前記通路孔の先端開口面積との相対関係で決定される前記弁体の受圧径の減少変化率が小さくなるように形成したことから、弁体の開弁初期における受圧径の一時的な減少変化率が十分に小さくなり、該受圧径が連続的に変化するようになる。このため、通路孔の先端開口での流体圧の変動(発振)を十分に抑制することが可能になる。
この結果、かかる電磁弁を、例えば車両ブレーキ液圧制御装置に適用した場合には、弁体を中間位置に保持制御する比例制御や過渡時の作動応答性を向上させることが可能になる。また、前記比較的大きな発振による異音の発生をも防止できる。
請求項2に記載の発明は、電磁コイルに通電した際に発生する磁力によって摺動するプランジャと、該プランジャの先端部に設けられた球面状の弁体と、前記プランジャと同軸上に配置されて内部軸方向に通路孔が貫通形成されたバルブシートと、前記通路孔の先端開口部に形成されて、前記弁体が離着座する球面状の弁座と、を備え、前記プランジャの摺動に伴って前記弁体が弁座から離着座して前記通路孔の開先端開口を開閉する電磁弁構造であって、前記弁座の曲率半径を、前記弁体の曲率半径よりも大きく設定したことを特徴としている。
この発明は、弁座の曲率半径を設定するだけであるから、簡単な構造で前記請求項1に記載の発明と同様な作用効果が得られると共に、コストの高騰を抑制できる。
請求項3に記載の発明は、前記弁座の外周側にほぼテーパ状の開口縁部を形成したことを特徴としている。
この発明によれば、請求項1または2に記載の発明の作用効果に加えて、前記弁体の受圧径の変化をさらに連続的にすることができるので、前述の発振現象を効果的に防止することが可能になる。
請求項4に記載の発明にあっては、前記電磁弁は、消磁されているときに閉弁状態となる常閉型であることを特徴としている。
前述のように、中間の開弁位置にストローク量を保持するような液圧制御を行う場合において、弁体を閉弁状態に押し戻す流体圧力が前記弁座の形状によって軽減することができるため、目標液圧量に対する制御が行い易くなる。
請求項5に記載の発明は、前記電磁弁内を通流する作動流体は、開弁方向へ流動することを特徴としている。
この発明によれば、中間の開弁位置にストローク量を保持するような液圧制御を行う場合において、弁体を閉弁状態に押し戻す流体圧力は、弁体を開弁方向へ押し上げる方向に流れをもつ場合に最も顕著になるため、このような態様の電磁弁に前記弁体と弁座の形状を用いることにより、中間の開弁位置の液圧制御特性を向上させることができる。
請求項6に記載の発明は、電磁弁の製造方法に関し、軸方向に往復運動するプランジャと、該プランジャの先端部に設けられたほぼ球状の弁体と、該弁体に対向して通路孔が設けられ、該通路孔の開口部に前記弁体より半径の大きなほぼ球状の弁座が形成され、該弁座の外周にほぼテーパ状の開口縁部が形成された電磁弁の製造方法であって、前記開口縁部を切削加工によってほぼテーパ状に形成する第1の工程と、該第1の工程後に、前記開口縁部のテーパ面によって位置決めし、前記弁座を治具によって球面状に圧痕形成して該曲率半径を前記弁体の曲率半径よりも大きく設定する第2の工程と、を有することを特徴としている。
例えば、ブレーキ液圧制御装置などに用いられる電磁弁は、弁座の寸法公差がきわめて小さく、例えば弁座の直径が1〜2mm程度であって、この弁座の加工は高い表面荒さ精度と位置決め精度とが要求されている。
この発明によれば、テーパ状の開口縁部を予め切削加工によって形成し、このテーパ形状によって位置決めされる治具によって圧痕して弁座を球面形状に形成することから、表面及び位置決め精度が高くかつ作業効率よい弁座の加工が可能になる。
以下、本発明にかかる電磁弁構造及び電磁弁の製造方法の実施形態を図面に基づいて詳述する。この実施形態では、ABSなどに適用されるブレーキバイワイヤー装置の減圧用電磁弁に適用したものを示している。
まず、この実施形態における減圧用電磁弁が適用されるブレーキ液圧制御装置を図2に基づいて簡単に説明する。
図中11はブレーキペダル12の踏み込み操作量に応じて液圧を発生させるマスターシリンダ、13は該マスターシリンダ11に一体的に取り付けられたリザーバタンク、14は油圧ユニットであって、前記ブレーキペダル12の操作に応じて油圧ユニット14により左右前輪のホイールシリンダ15、16に対する油圧制御が行われるようになっている。
前記油圧ユニット14は、前記マスターシリンダ11から分岐して前記各ホイールシリンダ15,16に連通する両油圧通路17a,17bと、該各油圧通路17a、17bの上流側にそれぞれ設けられて、通常制御ブレーキ時に両油圧通路17a,17bを遮断して回路を閉鎖する遮断弁18a,18bと、前記リザーバタンク13とフレキシブルチューブ19を介して連通し、チェック弁20a20bを介してブレーキ液圧を各ホイールシリンダ15,16に供給するオイルポンプ21と、前記各チェック20a、20bの下流側に設けられて、特定の車輪のホイールシリンダ15,16にのみ増圧(開弁)、減圧(閉弁)させる際に用いられる保持弁22a、22bと、該各保持弁22a、22bの下流側に設けられた前記常閉型の減圧用電磁弁23,24と、を備えている。
また、オイルポンプ21の吐出圧を制御するリリーフバルブ25が設けられていると共に、各圧力発生箇所に圧力センサ26a〜26eがそれぞれ設けられている。なお、前記オイルポンプ21は、図外の電子コントローラからの制御信号によって回転駆動する電動モータ21aによって駆動されるようになっている。前記減圧用電磁弁23,24には、一端が各ホイールシリンダ15,16に接続され、他端が低圧側の前記リザーバタンク13に接続された流通路27、27が連通している。
そして、通常のブレーキモード時には、電子コントローラからの制御信号によって前記各遮断弁18a、18bを閉作動させて油圧回路を閉状態とし、ブレーキペダル12の操作量の検出信号に応じて前記各保持弁22a、22bを開閉制御してオイルポンプ21から各ホイールシリンダ15,16へのブレーキ液圧を制御すると共に、急激なブレーキペダル12の操作時には、流通路27,27を介して各減圧用電磁弁23,24をも制御して増減圧制御によるABS制御を行うようになっている。
なお、本実施形態の油圧ユニットは、前輪左右のホイールシリンダ15,16に対する液圧制御を行う構成となっているが、後輪左右の各ホイールシリンダに対する液圧制御においても同様の構成を採ることも可能である。
また、フェールセーフモードに移行した場合は、前記遮断弁18a、18bを開作動させて油圧回路を開放し、ブレーキペダル12から出力された踏力に応じてマスターシリンダ11からブレーキ液圧を直接的に各ホイールシリンダ15,16に供給してブレーキ力を付与するようになっている。
次に、前記減圧用電磁弁23,24の具体的な構成を図1に基づいて説明する。便宜上、一方の電磁弁23について説明すると、この電磁弁23は、アルミ合金製のハウジング30の内部に形成された弁保持孔31と、該弁保持孔31内に収容保持された円筒状のバルブボディ32と、該バルブボディ32上端部に固定されて、上端部が弁保持孔31から露出した円筒状の金属製シリンダ33と、該シリンダ33の外周側に配置されて、図外の電子コントローラから出力された制御電流によって励磁する円筒状の電磁コイル34と、シリンダ33の上端部に固定された円柱状の固定コア35と、シリンダ33の内部に摺動自在に収容された可動コア36と、該可動コア36の先端部に配置されたプランジャ37と、該プランジャ37の先端部に一体に形成された弁体38と、前記バルブボディ32の内部に軸方向から収容固定された金属円筒状のバルブシート39と、該バルブシート39の内部軸方向に貫通形成されて、前記流通路27の上下流に連通する通路孔40と、前記バルブシート39の先端部に有する突起部39a上面に形成され、前記弁体38が離着座して通路孔40の先端開口40aを開閉するほぼ球面状の弁座41と、を備えている。
前記プランジャ37は、前記固定コア35の内部に形成された保持穴35aの底面と可動コア36の上面との間に弾装されたバルブスプリング42のばね力によって弁体38が弁座41に着座して先端開口40aを閉止する方向に付勢されている。また、該プランジャ37の先端側段差面とバルブシート39の前記突起部39a外周側段差面との間に弾装されたリターンスプリング46によって開弁方向へ付勢されており、このリターンスプリング46のばね力はバルブスプリング42のばね力よりも十分に小さく設定されて、単にプランジャ37を可動コア36側へ押しつける程度のばね力に設定されている。
前記バルブシート39の下端部には、流通路27から通路孔40内に流入するブレーキ液を濾過するフィルター部材43が設けられていると共に、外周にシールリング44が設けられている。また、前記電磁コイル34の外周側には、ヨークとして機能するバルブケーシング45が取り付けられている。
前記弁体38は、図1及び図4に示すように、金属材で球面状に形成されて、その曲率半径Rが所定長さに設定されている。一方、前記弁座41は、図4の黒点間に示すように、円環状に形成されてその表面が球面状に形成されていると共に、その曲率半径R’が弁体38の曲率半径Rよりも大きく形成されている。
また、前記バルブシート39の突出部39a上面には、弁座41の外周縁(外側黒点)から外方に亘ってテーパ状に立ち上がった円環状の開口縁部46が連続して形成されている。
なお、前記他方の減圧用電磁弁24も、一方の減圧用電磁弁23と同様の構成になっている。
前記弁座41を成形する方法を図3A〜Cに基づいて簡単に説明すると、まずバルブシート39となる円柱状の金属素材50の内部軸方向に沿って通路孔40をドリルによって形成する。続いて、該通路孔40の上端部(突起部39a)の先端開口40aの孔縁に弁座41や開口縁部46となる円錐状の切欠部51を切削加工によって形成する(図3A、B参照)。
次に、前記切欠部51の表面には、ツールマークによる凹凸部51aが形成されてしまうことから、球面状の治具によってツールマークを圧痕して表面を滑らかにして球面状の弁座41を成形する(図3C参照)。このとき、弁座41は、曲率半径R’が前記弁体38の先端球面(受圧面38a)の曲率半径Rよりも大きく成形されている。
以下、この実施形態の作用について説明すれば、アンチロックブレーキ制御中に、電子コントローラからの制御電流が減圧用電磁弁23、24に出力されて、各プランジャ37を介して弁体23が、図4に示すように、弁座41の上端内周縁41aに当接した閉弁位置(内側黒丸))から開作動を開始すると、各ホイールシリンダ15,16からフィルター部材43を介して通路孔40内に流入したブレーキ液圧は、前記弁体38の先端側の受圧面38aに作用する。
そして、この弁体38の受圧面38aの受圧径Dは、該弁体38の開弁ストローク移動と前記通路孔40の先端開口40aの開口面積との相対関係で決定されるが、本実施形態では、弁座41の曲率半径R’を弁体38の曲率半径Rよりも大きく形成したことから、図4Aに示すように、前記弁体38が、閉弁時の受圧径Dである0から僅かに開方向(上方向)へストロークしてQ位置になり、受圧径Dが1になると、ここでの受圧径Dの1は0よりも僅かに小さくなり、さらに開方向へストローク移動してQ1位置になると受圧径Dが3となり、これが0よりも大きくなる。
すなわち、弁体38が弁座41に着座している際の弁体38の曲率半径Rと、ここから弁体38が所定量僅かに上方向へストロークして、該弁体38の球径中心から半径R方向に伸びた線の先端が弁座41の曲率半径R’面上に存在しているまでの前記弁体38の半径R、Rの各中心間の距離Xの区間と、弁体38の球径中心と弁座41とテーパ面46との境界点までの最短距離Yとなる位置に弁体38が位置するまでの区間で、受圧径Dの減少が発生する。
したがって、この範囲では弁体38に対する先端開口40aからの流体圧が僅かに減少して、弁体38は、図4B及び図5に示すように、一時的に閉弁方向へ下降して発振現象が起こるが、かかる受圧径Dの減少変化率がきわめて小さいことから、発振の波形振幅が十分に小さくなる。
その後、弁体38がさらに開弁ストローク移動すると、受圧径Dが2〜3まで拡大することから、この範囲では発振現象が全くなくなり、さらに開弁方向へストローク移動すると、受圧径Dが3〜4までに再び減少して、この間で発振現象が起こるが、この場合も受圧径Dの減少変化率がきわめて小さいことから、発振の波形振幅が十分に小さくなっている。つまり、この受圧径Dが3〜4になると、弁体38の半径延長線の交点が前記テーパ状の開口縁部46になることから、その受圧径Dが0の場合とほぼ同じ大きさになって、その減少変化率が十分小さいことから、発振の波形振幅が十分に小さくなるのである。
さらに開弁方向へストローク移動すると受圧径Dは、4〜5間では変化することなく一定になることから、発振現象が起こらない。
前述した弁体38の開弁ストローク移動に伴う受圧径Dの0〜5まで変化を数式に表すと以下のようになる。
ここで、θ:受圧角、R:弁体の半径、R’:弁座(圧痕球)の半径、r:通路孔の先端開口径、r’:テーパ開口縁部の内側半径、α:開口縁部のテーパ角、X:プランジャ(弁体)ストローク量、X’:弁体の着座〜弁体の中心一致までのストローク量
以上のように、本実施形態では、弁体38の開弁初期における受圧径Dの減少変化率を従来技術に比較して十分に小さくすることができることから、通路孔40の先端開口40aでの流体圧の変動、つまり弁体38の発振の波形振幅を十分に抑制することが可能になる。
この結果、かかる実施形態のような、ブレーキバイワイヤ装置などに適用した場合には、弁体38を中間位置に保持制御する比例制御や過渡時の作動応答性を向上させることが可能になる。また、前記比較的大きな発振による異音の発生をも防止できる。
本発明は、前記各実施形態の構成に限定されることなく、電磁弁の適用対象として、アンチロックブレーキ装置以外の機器類やアクチュエータなどに適用することも可能である。
本発明にかかる電磁弁の実施形態を示す縦断面図である。 電磁弁が適用されるブレーキ液圧制御装置の回路図である。 A〜Cは同実施形態に供されるバルブシートの弁座を形成する成形工程を示す概略図である。 Aは本実施形態の弁座から弁体が開弁ストローク移動状態に伴う受圧径の変化を示す概略図、Bは前記受圧径の変化に伴う発振現象を示す対応グラフである。 本実施形態における弁体の開弁ストローク移動に伴う時間と液圧との関係から発振現象を示すグラフである。 従来技術における受圧径と発振現象との関係を示し、Aは弁座から弁体が開弁ストローク移動状態に伴う受圧径の変化を示す概略図、Bは前記受圧径の変化に伴う発振現象を示す対応グラフである。 従来技術における弁体の開弁ストローク移動に伴う時間と液圧との関係から発振現象を示すグラフである。
符号の説明
23…減圧用電磁弁
34…電磁コイル
37…プランジャ
38…弁体
38a…受圧面
39…バルブシート
40…通路孔
40a…先端開口
41…弁座
D…受圧径
R…弁体の曲率半径
R’…弁座の曲率半径

Claims (6)

  1. 電磁コイルに通電した際に発生する磁力によって摺動するプランジャと、
    該プランジャの先端部に設けられた弁体と、
    前記プランジャと同軸上に配置されて内部軸方向に通路孔が貫通形成されたバルブシートと、
    前記通路孔の先端開口部に形成されて、前記弁体が離着座する弁座と、を備え、
    前記プランジャの摺動に伴って前記弁体が弁座から離着座して前記通路孔の開先端開口を開閉する電磁弁構造であって、
    前記弁座の形状を、前記弁体の開弁ストローク移動に伴って前記通路孔の先端開口面積との相対関係で決定される前記弁体の受圧径の減少変化率が小さくなるように形成したことを特徴とする電磁弁構造。
  2. 電磁コイルに通電した際に発生する磁力によって摺動するプランジャと、
    該プランジャの先端部に設けられた球面状の弁体と、
    前記プランジャと同軸上に配置されて内部軸方向に通路孔が貫通形成されたバルブシートと、
    前記通路孔の先端開口部に形成されて、前記弁体が離着座する球面状の弁座と、を備え、
    前記プランジャの摺動に伴って前記弁体が弁座から離着座して前記通路孔の開先端開口を開閉する電磁弁構造であって、
    前記弁座の曲率半径を、前記弁体の曲率半径よりも大きく設定したことを特徴とする電磁弁構造。
  3. 前記弁座の外周側にほぼテーパ状の開口縁部を形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の電磁弁構造。
  4. 前記電磁弁は、消磁されているときに閉弁状態となる常閉型であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電磁弁構造。
  5. 前記電磁弁内を通流する作動流体は、開弁方向へ流動することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電磁弁構造。
  6. 軸方向に往復運動するプランジャと、
    該プランジャの先端部に設けられたほぼ球状の弁体と、
    該弁体に対向して通路孔が設けられ、該通路孔の開口部に前記弁体より半径の大きなほぼ球状の弁座が形成され、
    該弁座の外周にほぼテーパ状の開口縁部が形成された電磁弁の製造方法であって、
    前記開口縁部を切削加工によってほぼテーパ状に形成する第1の工程と、
    該第1の工程後に、前記開口縁部のテーパ面によって位置決めし、前記弁座を治具によって球面状に圧痕形成して該曲率半径を前記弁体の曲率半径よりも大きく設定する第2の工程と、
    を有することを特徴とする電磁弁の製造方法。
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