JP2007143196A - オーバサンプリングd/a変換器、オーバサンプリングa/d変換器、及びスイッチトキャパシタ積分器 - Google Patents
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Abstract
【課題】オーバサンプリングD/A変換器の小型化、低消費電力化を実現する。
【解決手段】オーバサンプリングD/A変換器は、周波数4kHzまでの信号を14ビットに変換したデジタルデータをD/A変換するものであり、混合型変調方式の変調器を備える。混合型変調器は、加算器201、予測フィルタ202、ノイズシェイプフィルタ203、量子化器204及び遅延器205にて構成される。本構成における変調器は、14ビットのデジタルデータのうち11ビットのみを入力とする。また、6ビットの積分器で予測フィルタ202が構成され、該6ビットの予測信号のうち3ビットのみをフィードバックする。これにより、加算器201のビット数が14ビット入力に対して3ビットに、ノイズシェイプフィルタ203用の積分器のビット数が14ビット入力に対して11ビットにそれぞれ低減される。
【選択図】図1
【解決手段】オーバサンプリングD/A変換器は、周波数4kHzまでの信号を14ビットに変換したデジタルデータをD/A変換するものであり、混合型変調方式の変調器を備える。混合型変調器は、加算器201、予測フィルタ202、ノイズシェイプフィルタ203、量子化器204及び遅延器205にて構成される。本構成における変調器は、14ビットのデジタルデータのうち11ビットのみを入力とする。また、6ビットの積分器で予測フィルタ202が構成され、該6ビットの予測信号のうち3ビットのみをフィードバックする。これにより、加算器201のビット数が14ビット入力に対して3ビットに、ノイズシェイプフィルタ203用の積分器のビット数が14ビット入力に対して11ビットにそれぞれ低減される。
【選択図】図1
Description
本発明は、デジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換器又は、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器のうち、サンプリング定理より高い周波数でサンプリングすることによって、高分解能を得るオーバサンプリング変換方式のD/A変換器及びA/D変換器と、これら変換器の構成に用いられるスイッチトキャパシタ積分器に関するものである。
アナログ値をデジタル値に変換するA/D変換器、及びデジタル値をアナログ値に変換するD/A変換器のうち、オーバサンプリング変換方式は、サンプリング定理より高い周波数でサンプリングすることによって高分解能を得る変換方式であり、動作原理等の詳細は、非特許文献1等で述べられている。
図11は、オーバサンプリングD/A変換器の一般的構成図である。図11において、補間フィルタ10は、通常のサンプリング周波数のデジタルデータからサンプリング周波数を向上させたデジタルデータを得るための回路、変調器20は、補間フィルタ10で得られた高速高分解能なデジタルデータから高速低分解能なデジタルデータを得るための回路、D/A回路30は、変調器20で得られた高速低分解能なデジタルデータをアナログ値に変換するための回路、ノイズ除去フィルタ40は、変調器20で高分解能なデータを低分解能なデータに変換した際に生じる量子化ノイズを除去するための回路である。
一般に図11の変調器20にはフィードバックループのフィルタの位置によって、図12(a)に示すΔ変調器、図12(b)に示すΔΣ変調器、図12(c)に示す混合型変調器の3種類がある。ここで各変調器の概要として、図12(a)のΔ変調器は、加算器211、予測フィルタ212、量子化器214及び遅延器215にて構成され、入力信号と予測フィルタ212の出力との差を量子化する。図12(b)のΔΣ変調器は、加算器211、ノイズシェイプフィルタ213、量子化器214及び遅延器215にて構成され、入力信号と出力との差をとってこれをノイズシェイプフィルタ213でフィルタ処理し、そのフィルタ出力が最小となるようにフィードバック制御する。また、図12(c)の混合型変調器は、上記(a)及び(b)を混合し、予測フィルタ212とノイズシェイプフィルタ213とを内蔵する。
はじめに、周波数4kHzまでの信号を14ビットに変換したデジタルデータを、混合型変調によりD/A変換する場合を例に、変調器の従来技術を説明する。
先に示した非特許文献1によると、図12(c)に示す混合型変調器の予測フィルタ212及びノイズシェイプフィルタ213を最も一般的且つ簡単な積分器で実現し、量子化器214を1ビットで構成した場合(ブロック図を図13に示す)、オーバサンプリング比は128、予測フィルタ212を実現する積分器の出力は6ビットで実現できる。
先に示した非特許文献1によると、図12(c)に示す混合型変調器の予測フィルタ212及びノイズシェイプフィルタ213を最も一般的且つ簡単な積分器で実現し、量子化器214を1ビットで構成した場合(ブロック図を図13に示す)、オーバサンプリング比は128、予測フィルタ212を実現する積分器の出力は6ビットで実現できる。
従って、図13中に丸数字で示したように、混合型変調器を構成する加算器211及びノイズシェイプフィルタ213を実現する積分器の演算ビット数が14ビット、量子化器214の出力が1ビット、予測フィルタ212を実現する積分器の出力が6ビットとなる。
特許文献1に示されるオーバサンプリングD/A変換器の構成を図14に示す。この構成もフィルタの接続位置から見て混合型変調器の一種であるが、今考えている入力14ビット、量子化器214の出力1ビットと条件が異なり、入力16ビット、量子化器214の出力9ビットで構成されている。しかしながら、これら従来の構成では図13や図14の如く、入力のビット数と、加算器211のビット数と、ノイズシェイプフィルタ213用の積分器のビット数とが等しいのが一般的である。
図13又は図14の構成で、回路規模を見積もると演算ビット数の多い加算器や遅延器が大きくなる。また、加算器は1ビットずつ加算結果とキャリィとを計算し順番に次のビットを計算していく構成が一般的であるため、出力確定に時間を要するだけでなく、出力確定までの間に出力が揺らぐ可能性がある。出力が揺らぐと、その度に加算器の出力に貫通電流が流れて不要な電力を消費し、回路全体の消費電力も増加する。
この回路規模と消費電力の問題は、演算のビット数が大きければ大きい程問題となる。逆に言えば、演算ビット数を低減できれば、それだけ回路規模と消費電力が低減できることになる。以上のように、従来技術による変調器に関しては演算ビット数が多いと回路規模、消費電力が大きくなるという問題がある。
次に、図13の混合型変調器の出力をD/Aし、量子化ノイズを除去するフィルタ(図11の構成における、D/A回路30とノイズ除去フィルタ40)の従来の構成について説明する。
図13の混合型変調器は、量子化ノイズの周波数特性が1次の高域通過特性を示すため、ノイズ除去フィルタは一般に2次のローパスフィルタが用いられる。また、LSIへの内蔵を容易にするため、ノイズ除去フイルタはスイッチトキャパシタ回路で実現されるのが一般的である。スイッチトキャパシタ回路による2次ローパスフィルタの構成法は、種々提案されており、非特許文献2などに述べられている。
例えば、図15(a)の受動RLCフィルタを模擬することにより、図15(b)のように2次ローパスフィルタがスイッチトキャパシタ回路で構成される。即ち、図15(b)では、アナログスイッチ401〜412、サンプリングキャパシタ421〜424、演算増幅器430,440、及び積分キャパシタ431,441により2次ローパスフィルタが構成される。なお、図15(b)において、各々のアナログスイッチ401〜412は四角の中の数字に示したクロックでオンするスイッチであり、クロック1及び2は、図16に示すように、互いに'1'のレベルが重なり合わないような非重複時間を持つ2相クロックである。
図15(b)のようにノイズ除去フィルタをスイッチトキャパシタ回路で実現した場合、フィルタの入力部にキャパシタを複数個設け、変調器の出力のデジタルデータに応じて複数個のキャパシタの接続をスイッチで切り替えてD/Aを実現することも可能となる。この場合、D/A変換用に新たにバッファ回路を設けるなどの必要が無く、消費電力の面で有利となる。
図15(b)の1段目の積分器は、信号入力と1段目の積分器の出力自身と2段目の積分器の出力との3つを入力とする3入力の積分器であるが、簡単のために図17に示す1入力の積分器で、D/Aの実現法についてもう少し詳しく説明する。
図17の積分器において、2相クロックの'1'のタイミングでサンプリングキャパシタ421(容量値をC1とする)に蓄えられる電荷C1×Vinが、2相クロックの'2'のタイミングで積分キャパシタ431(容量値をC0とする)に転送される。そのため、この時の積分器出力の変化分ΔVoutとして、電荷保存則より(1)式が得られる。
ΔVout=Vin×(C1/C0)
…(1)
一方、積分器の入力部でD/Aを実現した回路図の1例は、特許文献2に従来技術として記載されている。特許文献2はオーバサンプリングA/D変換器の変調器部分の回路に関するもので、この従来技術における積分器も入力とフィードバック信号とを入力とする2入力の積分器である。ここでも簡単のため、D/Aを実現している入力の方法を取り出して考える。この場合の回路図を図18に示す。
ΔVout=Vin×(C1/C0)
…(1)
一方、積分器の入力部でD/Aを実現した回路図の1例は、特許文献2に従来技術として記載されている。特許文献2はオーバサンプリングA/D変換器の変調器部分の回路に関するもので、この従来技術における積分器も入力とフィードバック信号とを入力とする2入力の積分器である。ここでも簡単のため、D/Aを実現している入力の方法を取り出して考える。この場合の回路図を図18に示す。
図18の積分器において、2進重み付けされたキャパシタアレイ450は、各々16C1,8C1,4C1,2C1,C1の容量を持つ複数のキャパシタにて構成されている。そして、図示しない制御ロジックにより、D/Aされるべきデジタルデータに応じてスイッチ群451の各スイッチが切り替えられる。キャパシタアレイ450の共通端子には、演算増幅器452、積分キャパシタ453、及びアナログスイッチ454,455からなる積分回路が接続されている。
かかる場合、D/Aされるべきデジタルデータの最上位ビットが'1'であり、以下のビットが各々'1'なら各々16C1〜C1のキャパシタをプラスの基準電圧(+Vr)側に、以下のビットが各々'0'なら各々16C1〜C1のキャパシタに接続されるスイッチをどちらもオフさせる。D/Aされるべきデジタルデータの最上位ビットが'0'であり、以下のビットが各々'1'なら各々16C1〜C1のキャパシタをマイナスの基準電圧(−Vr)側に、以下のビット数が各々'0'なら各々16C1〜C1のキャパシタに接続されるスイッチをどちらもオフさせる。
このように各スイッチを切り替える場合、2相クロックの'1'のタイミングでキャパシタアレイ450にサンプリングされる電荷は、D/Aされるべきデジタルデータを最上位ビットから'D5,D4,D3,D2,D1,D0'と表すと、
(D0・C1+2・D1・C1+4・D2・C1+8・D3・C1+16・D4・C1)・(±Vr)
と表される。但し、±はD5が'1'の時プラス、D5が'0'の時マイナスである。
(D0・C1+2・D1・C1+4・D2・C1+8・D3・C1+16・D4・C1)・(±Vr)
と表される。但し、±はD5が'1'の時プラス、D5が'0'の時マイナスである。
この電荷が積分キャパシタ453に転送されるので、(1)式に対応する出力電圧の変化分ΔVoutは、
ΔVout=(D0・C1+2・D1・C1+4・D2・C1+8・D3・C1+16・D4・C1)・(±Vr)/(32・C0)
となり、図18の構成で、D/Aが実現できることが分かる。
ΔVout=(D0・C1+2・D1・C1+4・D2・C1+8・D3・C1+16・D4・C1)・(±Vr)/(32・C0)
となり、図18の構成で、D/Aが実現できることが分かる。
しかし、図18の構成では、6ビットのD/Aを実現する場合、−Vr〜+Vrの電圧範囲を2の6乗、即ち64分割する必要があり、積分キャパシタ453の容量値は図示の通りC0の32倍となってしまう。
図15(b)の2次ローパスフィルタに図18の積分器を適用させた場合、積分キャパシタ431と積分器の出力をサンプルするためのサンプリングキャパシタ422との容量比(C0/C2)、及び積分キャパシタ441と2段目の積分器の出力をサンプルするためのサンプリングキャパシタ423との容量比(C0/C3)は一定にしなければならないので、積分キャパシタの容量値C0を32倍すると、サンプリングキャパシタ422,423の容量値C2,C3も32倍しなければならない。各キャパシタの容量値C0,C1,C2,C3そのものを小さくするとキャパシタの比精度が悪化するために容量値を小さくすることはできず、回路のチップ面積が増大するという問題が生じる。
この問題を解決するため、特許文献2では図19のような積分器が提案されている。なお、図19も1入力の積分器部分のみを取り出した図である。図19の積分器は図18の一部を変更して構成され、キャパシタアレイ450の共通端子と演算増幅器452の反転入力端子との間に、容量値C1のキャパシタ461と、2相クロックによりオン/オフされるアナログスイッチ462〜464とが接続されている。
図19は「5ビットのD/A」を兼ねた積分器であり、上記特許文献2と同様、キャパシタアレイ450は各々スイッチ群451によって「基準電圧+Vr、又は、−Vrの何れかへ接続される」ものとする。つまり、2進重み付けされたキャパシタアレイ450の接続は、対応するデジタルデータが'1'なら+Vr側に、対応するデジタルデータが'0'なら−Vr側に各々接続するものと考えてみる。
この場合、図19の2相クロックの'2'のタイミングにおける等価回路は図20(a)となる。図20(a)において、キャパシタアレイ450の+Vr側に接続されたキャパシタ471(容量値=Cp)と−Vr側に接続されたキャパシタ472(容量値=Cm)との接点電圧をVxとすると、キルヒホッフの電流則より、
sCp(Vr-Vx)+sCm(-Vr-Vx)+sC1(0−Vx)=0 …(2)
を得る。(2)式よりVxを求めることにより、図20(a)のキャパシタ461に蓄えられる電荷Qs1は、
sCp(Vr-Vx)+sCm(-Vr-Vx)+sC1(0−Vx)=0 …(2)
を得る。(2)式よりVxを求めることにより、図20(a)のキャパシタ461に蓄えられる電荷Qs1は、
従って、今、欲しい6ビットD/Aを実現するためには、図19の構成に対して、2進重み付けされたキャパシタアレイ450に更に1ビット追加して、32C1を加える必要があり、図19の入力部の総容量は32C1から64C1となりこの部分のチップ面積が倍増する。
なお、図19において、キャパシタアレイ450は各々スイッチ群451によって「基準電圧+Vr、又は、−Vrの何れかへ接続される」ものと考えたが、図18で説明したように、
・D/Aされるべきデジタルデータの最上位ビットが'1'であり、以下のビットが各々'1'なら各々16C1〜C1のキャパシタをプラスの基準電圧(+Vr)側に、以下のビットが各々'0'なら各々16C1〜C1のキャパシタに接続されるスイッチをどちらもオフさせる。
・D/Aされるべきデジタルデータの最上位ビットが'0'であり、以下のビットが各々'1'なら各々16C1〜C1のキャパシタをマイナスの基準電圧(−Vr)側に、以下のビットが各々'1'なら各々16C1〜C1のキャパシタに接続されるスイッチをどちらもオフさせる。
という接続をした場合を考えてみる。
・D/Aされるべきデジタルデータの最上位ビットが'1'であり、以下のビットが各々'1'なら各々16C1〜C1のキャパシタをプラスの基準電圧(+Vr)側に、以下のビットが各々'0'なら各々16C1〜C1のキャパシタに接続されるスイッチをどちらもオフさせる。
・D/Aされるべきデジタルデータの最上位ビットが'0'であり、以下のビットが各々'1'なら各々16C1〜C1のキャパシタをマイナスの基準電圧(−Vr)側に、以下のビットが各々'1'なら各々16C1〜C1のキャパシタに接続されるスイッチをどちらもオフさせる。
という接続をした場合を考えてみる。
この場合、2相クロックの'2'のタイミングにおける図19の等価回路は、図20(b)となり、更に図20(b)の等価回路は図20(c)となる。図20(c)より、入力側の等価キャパシタ475(容量値=Cs)にサンプリングされる電荷Qsは、
以上のように、ノイズ除去フィルタの入力部でD/Aを実現しようとすると、新たなバッファ回路等必要なく低消費電力化が実現できるが、この場合、積分キャパシタのチップの面積が大きくなりコストアップを招く。この問題を解決するべく上述の通り、特許文献2が提案されているが、同文献2の構成では、D/A実現のために積分器入力部のキャパシタ面積が大きくなりコストアップを招く。
湯川彰著、「オーバサンプリングA−D変換技術」、日経BP社 武部幹、岩田穆、高橋宣明、国枝博昭共著「スイッチトキャパシタ回路」現代工学社 特公平6−97743号公報
特公平7−79243号公報
湯川彰著、「オーバサンプリングA−D変換技術」、日経BP社 武部幹、岩田穆、高橋宣明、国枝博昭共著「スイッチトキャパシタ回路」現代工学社
上述の如く、オーバサンプリングD/A変換器の変調器については、演算ビット数が大きいため、回路規模、消費電力が大きくなるといった問題が生じる。また、変調器の出力をD/Aする機能をノイズ除去フィルタで実現しようとした場合、LSIのチップ面積が増大するという問題が生じる。
本発明の目的は、オーバサンプリングA/D変換器の変調器の構成等に用いられるスイッチトキャパシタ積分器の小型化を実現することである。
請求項1に記載の発明では、入力部でD/A機能を兼用するスイッチトキャパシタ積分器において、デジタルデータの最上位ビットにより選択されるプラス側又はマイナス側の基準電圧を、クロックによって周期的にサンプリングすると共に、クロックの他のタイミングによって周期的にアナロググランド電位に接続されるサンプリングキャパシタと、2進重み付けされた容量値を持つ複数のキャパシタと、各々デジタルデータに応じてアナロググランド電位又は積分キャパシタの何れか一方に接続されるスイッチ群とを備え、前記複数のキャパシタの一端を前記サンプリングキャパシタに共通接続し、他端を前記スイッチ群に接続している。
上記構成によれば、サンプリングキャパシタには、デジタルデータの最上位ビットにより選択されるプラス側又はマイナス側の基準電圧がクロックによって周期的にサンプリングされ、クロックの他のタイミングで当該サンプリングキャパシタがアナロググランド電位に接続される。また、各々デジタルデータに応じてスイッチ群が選択的に開閉されると、2進重み付けされた複数のキャパシタに当該デジタルデータに対応する電荷が蓄えられ、その電荷が積分キャパシタに転送される。これにより、スイッチトキャパシタ積分器の入力部においてD/A機能が実現される。
2進重み付けされた複数のキャパシタから積分キャパシタへ転送される電荷は、スイッチ群が選択的に閉鎖(オン)される時にこれら複数のキャパシタに蓄えられる電荷のみであり、この転送される電荷により所望の積分器出力が得られる。この場合、当該積分器の入力部における複数のキャパシタや積分キャパシタの容量値を増加させることなくD/Aの機能を実現し、回路面積増加を最小限とする。その結果、スイッチトキャパシタ積分器の小型化を実現することができる。
請求項2に記載の発明では、入力部でD/A機能を兼用するスイッチトキャパシタ積分器において、デジタルデータの最上位ビットにより選択されるプラス側又はマイナス側の基準電圧を、クロックによって周期的にサンプリングするための第1のスイッチング手段と、一端を第1のスイッチング手段に接続すると共に、他端をクロックによって周期的に開閉する第2のスイッチング手段を介してアナロググランド電位に接続したサンプリングキャパシタと、2進重み付けされた容量値を持つ複数のキャパシタと、各々デジタルデータに応じて、アナロググランド電位か又は積分キャパシタへ電荷を転送するための第3のスイッチング手段かの何れか一方に接続されるスイッチ群とを備え、前記複数のキャパシタの一端を前記サンプリングキャパシタと前記第2のスイッチング手段との接点に共通接続し、他端を前記スイッチ群に接続している。
サンプリングキャパシタには、第1のスイッチング手段の閉動作に伴い、デジタルデータの最上位ビットにより選択されるプラス側又はマイナス側の基準電圧がサンプリングされ、第2のスイッチング手段が開放されると該サンプリングキャパシタがアナロググランド電位に接続される。また、各々デジタルデータに応じてスイッチ群が選択的に開閉されると、2進重み付けされた複数のキャパシタに当該デジタルデータに対応する電荷が蓄えられ、その電荷が第3のスイッチング手段を介して積分キャパシタに転送される。これにより、スイッチトキャパシタ積分器の入力部においてD/A機能が実現される。
2進重み付けされた複数のキャパシタから積分キャパシタへ転送される電荷は、スイッチ群が選択的に閉鎖(オン)される時にこれら複数のキャパシタに蓄えられる電荷のみであり、この転送される電荷により所望の積分器出力が得られる。この場合、当該積分器の入力部における複数のキャパシタや積分キャパシタの容量値を増加させることなくD/Aの機能を実現し、回路面積増加を最小限とする。その結果、スイッチトキャパシタ積分器の小型化を実現することができる。
請求項3に記載の発明は、オーバサンプリングD/A変換器に関するものであり、請求項1又は2に記載のスイッチトキャパシタ積分器を用い、量子化ノイズを除去するためのノイズ除去フィルタを構成する。本構成によれば、変調器の出力をD/Aするための機能をノイズ除去フィルタで実現する場合において、同ノイズ除去フィルタの小型化を図り、ひいてはオーバサンプリングD/A変換器としての小型化を図ることができる。
請求項4に記載の発明は、アナログ信号をデジタル信号に変換するためのオーバサンプリングA/D変換器に関するものであり、請求項1又は2に記載のスイッチトキャパシタ積分器を用いて変調器を構成する。本構成によれば、スイッチトキャパシタ積分器を用いた変調器の小型化を図り、ひいてはオーバサンプリングA/D変換器の小型化、低消費電力化を実現することができる。
この発明によれば、オーバサンプリングA/D変換器の変調器の構成等に用いられるスイッチトキャパシタ積分器の小型化を実現することができる。
以下、この発明を具体化したオーバサンプリングD/A変換器の一実施の形態を図面に従って説明する。
本実施の形態におけるオーバサンプリングD/A変換器は、大きくは既述した図11の従来技術と同様に、補間フィルタ10、変調器20、D/A回路30及びノイズ除去フィルタ40を有する。以下には、(1)オーバサンプリングD/A変換器の変調器、(2)補間フィルタ、(3)D/A回路及びノイズ除去フィルタについて、各々の具体例を示して詳細に説明する。
本実施の形態におけるオーバサンプリングD/A変換器は、大きくは既述した図11の従来技術と同様に、補間フィルタ10、変調器20、D/A回路30及びノイズ除去フィルタ40を有する。以下には、(1)オーバサンプリングD/A変換器の変調器、(2)補間フィルタ、(3)D/A回路及びノイズ除去フィルタについて、各々の具体例を示して詳細に説明する。
(1)変調器の具体例
図1は、オーバサンプリングD/A変換器用の変調器を示し、これは図13の従来回路と同様に、周波数4kHzまでの信号を14ビットに変換したデジタルデータをD/A変換する場合の混合型変調器のブロック図である。図1の混合型変調器は、図13と同じ基本構成を有し、加算器201、予測フィルタ202、ノイズシェイプフィルタ203、量子化器204及び遅延器205にて構成される。但し図1の構成では、図13の従来回路と比較して、加算器201のビット数が14ビットから3ビットに、ノイズシェイプフィルタ203のビット数が14ビットから11ビットに低減されている点が大きく異なる。
図1は、オーバサンプリングD/A変換器用の変調器を示し、これは図13の従来回路と同様に、周波数4kHzまでの信号を14ビットに変換したデジタルデータをD/A変換する場合の混合型変調器のブロック図である。図1の混合型変調器は、図13と同じ基本構成を有し、加算器201、予測フィルタ202、ノイズシェイプフィルタ203、量子化器204及び遅延器205にて構成される。但し図1の構成では、図13の従来回路と比較して、加算器201のビット数が14ビットから3ビットに、ノイズシェイプフィルタ203のビット数が14ビットから11ビットに低減されている点が大きく異なる。
では、ビット数をこのように減らして良い理由を説明する。まず、図13の従来構成における加算器211の動作についてもう少し詳しく説明する。図13において加算器211は、14ビットの入力信号から6ビットのフィードバック信号を引き、更に、1ビットのフィードバック信号を引いている。
入力などのデジタルデータは2の補数表現されているものとすると、入力の最大データは'01111111111111'であり、6ビットのフィードバック信号の最大データは'011111'である。6ビットのフィードバック信号は、入力信号を予測するデータであり、この6ビットのデジタルデータが、高速高分解能な入力データを高速低分解能なデジタルデータに変換した出力となるので、14ビットのデジタルデータと6ビットのデジタルデータはアナログに変換して考えた場合、振幅が同等でなければならない。
即ち、6ビットのフィードバック信号の最大データ'011111'は、入力と同じ14ビットで考えた場合、少なくとも上位6ビットは'011111'でなければならず、'011111xxxxxxxx'というデータでなければならない。
下位8ビットの'xxxxxxxx'は全て'1'又は'0'としたり、何らかの法則で'1'又は'0'のどちらかに決めることが考えられるが、今、目的としている演算ビット数の低減という観点から全て'0'と考えると、この加算器211では下位8ビットを計算する必要がなく、下位8ビット分の加算器が削減できる。
更に、引き算される1ビットのフィードバック信号は、この1ビットを積分して6ビットのフィードバック信号が生成されているので、この1ビットのフィードバック信号は、6ビットのフィードバック信号のLSBに相当する。即ち、先ほどと同様に入力の14ビットに合わせて表現すれば、1ビットのフィードバック信号が'1'なら'000001xxxxxxxx'に相当することになる。
従って、6ビットのフィードバック信号、及び1ビットのフィードバック信号のどちらも入力と同じ14ビットに換算して考えた場合、下位8ビットの加算は省略することができ、図1のように入力の下位8ビットは、加算器201を通す必要がなく、この分の加算器が小型化できる。
次に、同じ場所の加算器201で、入力信号及びフィードバック信号の上位3ビットを計算する必要のない理由を図2を用いて説明する。図2は、混合型変調器を解析するのに良く用いられるブロック図であり、量子化器204は量子化ノイズQが加算されるモデルとして表されている。
混合型変調器の入力をX、出力をYとすると図2より、
(5)〜(7)式は、入力信号と同じ14ビットで考えていれば、上位6ビットの演算結果である。1/2^6<0.024<1/2^5であるから、(7)式はこの上位6ビットのうち、下位2ビット分も変化しないことが分かる。これは、概念的には入力信号を予測する予測信号が正しく予測されていて、入力信号と予測信号との差が小さく、数学的にはこの差が6ビットの下位2ビット以下に収まっていることを示す。
加算器201では、入力Xから予測信号Yを引き、更に1ビットのフィードバック信号を引き算する。1ビットのフィードバック信号を引くことは、(7)式の最大値約0.024に量子化ノイズQが加減算される可能性があることを示す。これを考慮しても加算器の出力の最大値は約0.032であり、6ビットの下位2ビット分(1/2^6+1/2^5)以下に収まっているので、加算器201の出力の振れ幅は2ビット以下であることが分かる。
今、考えているのは振れ幅であるから加算器201の出力としては、2の補数で表した場合、'011'、'010'、'001'、'000'、'111'、'110'、'101'と変化する必要がある。従って、この加算器201は3ビットあれば十分であることが分かる。
加算器201は3ビットで十分であるが、加算動作では無視した入力の下位8ビットは、積分される間に無視できなくなるため、ノイズシェイプフィルタ203用の積分器は加算器201の出力である上位3ビットと合せて11ビットで計算する必要がある。積分動作で、下位8ビットが無視できなくなるのは、例えば、'00000000000001'なる直流のデジタルデータが積分器(ノイズシェイプフィルタ203)に入力された場合を考えれば明らかである。
以上のように、図1の丸数字で表したようなビット数で混合型変調器が構成でき、従来構成(図13)に対して、加算器201のビット数が14ビットから3ビットに、積分器(ノイズシェイプフィルタ203)のビット数が14ビットから11ビットに低減できる。
なお、図1の構成では、積分器(ノイズシェイプフィルタ203)の出力の最上位ビットを量子化器204の出力としている。これは、2の補数で考えた場合、積分器の出力が'00000000000'を中心に振れ、最上位ビットが'0'なら'00000000000'より大きく、最上位ビットが'1'なら'00000000000'より小さいことを示し、量子化器204は積分器の出力が'00000000000'より大きいか小さいかを判定する働きをするので、積分器の最上位ビットで量子化器204が実現できるためである。
最後に、以上述べたことを確認するために行ったシミュレーション結果を図3に示す。図3は、信号周波数4kHzの正弦波を1.024MHzでサンプリングして14ビットにA/D変換し、更に、該変換したデジタルデータを、図1の変調器に入力し、変調器の出力である1.024MHz、6ビットのデジタルデータを動作確認のためにD/A変換した結果を見たシミュレーション結果を示し、横軸は時間、縦軸は振幅である。図中、点線は14ビット入力データのD/A値を示し、実線は6ビット出力データのD/A値を示す。
図3(a)は、従来構成と同様、加算器、積分器ともに14ビットで計算した結果、図3(b)は、図1の通り加算器3ビット、積分器11ビットで計算した結果、図3(c)は、図1から更に1ビット減らし加算器2ビット、積分器10ビットで計算した結果である。
図3(a)では、変調器の出力が入力信号に追従して正しく予測が行われ、入力信号より少ないビット数で入力信号を表現したデータとして予測信号が出力されていることが確認できる。また、図3(b)でも、図3(a)同様正しく動作することが確認され、理論通り加算器を3ビット、積分器を11ビットに減らしても良いことが確認できる。図3(c)は正しく動作していない。これら図3(a)〜(c)のシミュレーション結果によれば、図1の構成はビット数の最適化が成された構成であることが確認される。
なお、以上は、周波数4kHzまでの信号が14ビットに変換されたデジタルデータを混合型変調によってD/A変換する場合を例に説明したが、これに限る話ではない。混合型変調器以外でも予測フィルタを有する変調器、例えばΔ変調器などに関しては、上で導いたように、入力と予測信号との差の振れ幅の最大値を求め、省略可能なビット数を求めることによって、計算のビット数が低減でき、回路の小型化、低消費電力化が可能となる。
また、図1は、入力データが'00000000000000'近傍のデジタルデータから始まり、予測信号もこれに追従していくものと考えた。従って、'00000000000000'近傍のデジタルデータが最初に入力されない場合、予測信号は'00000000000000'が入力されたものと見なして予測するので、正い予測されない場合があると考えられる。しかし、この場合、最初のみ14ビットデータ全てを変調器に入力し、入力したデジタルデータの上位6ビットが最初の予測信号となるよう初期設定を行えば、問題なく動作する。
(2)補間フィルタの具体例
従来技術では特に述べていないが、従来技術によれば変調器で例えば14ビットが必要なため、補間フィルタも当然14ビット全てを求めるよう計算する。しかし、本実施の形態によれば上述の通り、変調器に入力されるのは11ビットで十分である。従って、補間フィルタも下位11ビットだけが正しく出力されるように計算しても十分であるし、この方が、補間フィルタの回路規模が小さくなり、消費電力も削減できる。
従来技術では特に述べていないが、従来技術によれば変調器で例えば14ビットが必要なため、補間フィルタも当然14ビット全てを求めるよう計算する。しかし、本実施の形態によれば上述の通り、変調器に入力されるのは11ビットで十分である。従って、補間フィルタも下位11ビットだけが正しく出力されるように計算しても十分であるし、この方が、補間フィルタの回路規模が小さくなり、消費電力も削減できる。
簡単な例として、14ビット入出力でサンプリングレートを2倍に上げるための補間フィルタについて更に詳しく説明する。
補関数nの補間を実現する方法として、データの存在しない時刻のデータを'0'とし、移動平均フィルタと呼ばれ、
補関数nの補間を実現する方法として、データの存在しない時刻のデータを'0'とし、移動平均フィルタと呼ばれ、
そこで、移動平均フィルタ2段で、n=2の補間を実現することを考える。即ち、データとデータとの間に0なるデータを挿入し、
(8)式において、データが無く0を挿入したタイミングを考えると1サンプル前のデータは存在するが、2サンプル前のデータも補間したデータ'0'であるから、(8)式は、
従来技術では、14ビット全てを求める必要があるため、遅延器、加算器ともに14ビット必要であったのに対し、本実施の形態の装置では、遅延器、加算器ともに2ビット分小型化できる。
図5は、図4の動作を確認するために行ったシミュレーション結果である。図5(a)は、遅延器、加算器を14ビットとして、14ビット全てを求めた結果、図5(b)は図4のように遅延器、加算器を12ビットとして下位11ビットのみを求めた結果、図5(c)は図4より遅延器、加算器を1ビット減らし11ビットで求めた結果である。
図5(b)では、11ビットデータのD/A値が図5(a)に一致して正しく動作していることが確認できるのに対し、図5(c)は正しく動作していない。図5のシミュレーション結果によれば、下位11ビットのみが欲しい場合、図4の構成で必要十分であることが確認できる。
以上、14ビット入力で、2倍のデータレートに変換し、下位11ビットのみが欲しい場合を例に説明したが、これに限る話ではない。補関数nを3以上とした場合にもやはり、補間フィルタの回路規模を小さくすることができる。
(3)D/A回路とノイズ除去フィルタの具体例
図6には、6ビットのD/A機能を兼用したスイッチトキャパシタ積分器の構成を示す。同積分器は入力部にD/A回路を内蔵しており、従来構成と同様、2相クロック1,2で開閉するアナログスイッチ301〜305、D/Aされるべきデジタルデータによって開閉するアナログスイッチ306,307、サンプリングキャパシタ308、2進重み付けされた複数のキャパシタからなるキャパシタアレイ309、演算増幅器310、及び積分キャパシタ311を備える。ここで、サンプリングキャパシタ308の容量値はC1、積分キャパシタ311の容量値はC0である。
図6には、6ビットのD/A機能を兼用したスイッチトキャパシタ積分器の構成を示す。同積分器は入力部にD/A回路を内蔵しており、従来構成と同様、2相クロック1,2で開閉するアナログスイッチ301〜305、D/Aされるべきデジタルデータによって開閉するアナログスイッチ306,307、サンプリングキャパシタ308、2進重み付けされた複数のキャパシタからなるキャパシタアレイ309、演算増幅器310、及び積分キャパシタ311を備える。ここで、サンプリングキャパシタ308の容量値はC1、積分キャパシタ311の容量値はC0である。
なお本実施の形態では、アナログスイッチ301,303,304が各々、本発明の「第1のスイッチング手段」、「第2のスイッチング手段」、「第3のスイッチング手段」に相当し、アナログスイッチ307が「スイッチ群」に相当する。キャパシタアレイ309が「複数のキャパシタ」に相当する。
では、図6の動作について説明する。まず、D/Aされるべきデジタルデータを上位ビットから、D5,D4,D3,D2,D1,D0とし、各々Di(i:5〜0)のビットが'1'なら図6中のDiaをオンし、Dibをオフする。また、各々Di(i:5〜0)のビットが'0'なら図6中のDiaをオフし、Dibをオンするものとする。このとき、2相クロックによって周期的にプラス又はマイナスの基準電圧Vdd,0が選択的にサンプリングされる。なお、アナロググランドはVdd/2である。
2相クロック'1'のタイミングの等価回路は図7(a)となる。但し、CpはDi='1'なるアナログスイッチ307に接続されたキャパシタ321の容量値の総和で、CmはDi='0'なるアナログスイッチ307に接続されたキャパシタ322の容量値の総和であり、よって、Cp+Cm=31C1が成り立つ。図7(a)より、C1,Cp,Cmの合成容量は、
C1(Cp+Cm)/{C1+(Cp+CM)}=31C1/32
となる。従って、この時サンプリングされる電荷Qsは、
Qs=(31/32)C1(±Vdd/2) …(11)
となる。
C1(Cp+Cm)/{C1+(Cp+CM)}=31C1/32
となる。従って、この時サンプリングされる電荷Qsは、
Qs=(31/32)C1(±Vdd/2) …(11)
となる。
また、2相クロック'2'のタイミングの等価回路は図7(b)であり、図7(b)より積分キャパシタ311に転送されるのは、キャパシタ321(Cp)に蓄えられた電荷のみであることが分かり、2相クロック'1'のタイミングでキャパシタ321(Cp)に蓄えられている電荷を求めると、(11)式より
QsCp/(Cp+Cm)=(31/32)C1(±Vdd/2)Cp/(31C1)=(Cp/32)(±Vdd/2)
と求められる。よって、積分器の出力の変化分ΔVoutを求めると、
ΔVout={Cp/(32C0)}(±Vdd/2)
となる。図6よりCpの値は、デジタルデータにより1C1〜31C1の範囲で変化可能であることが分かり、よって図6の構成で、(±Vdd/2)を5ビット即ち、0〜Vdd間で考えれば6ビットのD/Aを兼ねた積分器が実現できることが分かる。この場合の入力部の総容量は32C1であり、特許文献2の構成で6ビットD/Aを兼用しようとした場合の64C1と比べて、容量値、即ちチップ面積が半分で済む。また、積分キャパシタ311は、従来図18のように32倍する必要が無く、その容量値はC0のままで良い。
QsCp/(Cp+Cm)=(31/32)C1(±Vdd/2)Cp/(31C1)=(Cp/32)(±Vdd/2)
と求められる。よって、積分器の出力の変化分ΔVoutを求めると、
ΔVout={Cp/(32C0)}(±Vdd/2)
となる。図6よりCpの値は、デジタルデータにより1C1〜31C1の範囲で変化可能であることが分かり、よって図6の構成で、(±Vdd/2)を5ビット即ち、0〜Vdd間で考えれば6ビットのD/Aを兼ねた積分器が実現できることが分かる。この場合の入力部の総容量は32C1であり、特許文献2の構成で6ビットD/Aを兼用しようとした場合の64C1と比べて、容量値、即ちチップ面積が半分で済む。また、積分キャパシタ311は、従来図18のように32倍する必要が無く、その容量値はC0のままで良い。
なお、図6のD/A兼積分器を図15(b)のノイズ除去フィルタの入力部に適用した場合、D/A兼ノイズ除去フィルタの全体構成は図8のようになる。図8の構成では、図6の構成に加え、アナログスイッチ405〜412、サンプリングキャパシタ422〜424、演算増幅器440、及び積分キャパシタ441によりノイズ除去フィルタが構成される(但し、各部材番号は図15(b)に同じ)。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(イ)オーバサンプリングA/D変換器用の変調器は、14ビット(Lビット)のデジタルデータのうち11ビット(Mビット)のみを入力とし、且つ、6ビット(Nビット)の予測フィルタ202による予測信号のうち3ビット(Pビット)のみをフィードバックするので、当該変調器における内部の演算ビット数を低減することが可能となり、ひいてはオーバサンプリングD/A変換器の小型化、低消費電力化を実現することができる。
(イ)オーバサンプリングA/D変換器用の変調器は、14ビット(Lビット)のデジタルデータのうち11ビット(Mビット)のみを入力とし、且つ、6ビット(Nビット)の予測フィルタ202による予測信号のうち3ビット(Pビット)のみをフィードバックするので、当該変調器における内部の演算ビット数を低減することが可能となり、ひいてはオーバサンプリングD/A変換器の小型化、低消費電力化を実現することができる。
(ロ)変調器は、入力信号とフィードバック信号との加算を3ビットで行い、この3ビットと11ビット入力の下位8ビットとを合せた11ビットでノイズシェイプフィルタ203用の積分器を構成するので、加算器201のビット数が本来の14ビット入力に対して3ビットにまで低減できる他、ノイズシェイプフィルタ203用の積分器のビット数が14ビットから11ビットに低減できる。この場合、加算器201では3ビット、ノイズシェイプフィルタ203では11ビットとして区別するので、各々の演算動作も好適に実施される。
(ハ)補間フィルタは、14ビット(Lビット)の入力データのうち11ビット(Mビット)のみを求め、該11ビットデータを変調器に出力するので、その差分だけ補間フィルタの回路規模を小さくすることができる。これにより、補間フィルタでの消費電力も削減できる。
(ニ)入力部でD/A機能を兼用するスイッチトキャパシタ積分器において、キャパシタアレイ309や積分キャパシタ311の容量値を増加させることなくD/Aの機能を実現し、回路面積増加を最小限とした。その結果、スイッチトキャパシタ積分器の小型化を実現することができる。
(ホ)上述した構成のスイッチトキャパシタ積分器を用いてノイズ除去フィルタを構成することにより、同ノイズ除去フィルタの小型化を図り、ひいてはオーバサンプリングD/A変換器としての小型化を図ることができる。また、上記(イ)〜(ホ)の通り、各回路の小型化を実現することにより、コスト低減を図ることができる。
なお本発明は、上記以外に次の形態にて具体化できる。
上記実施の形態において、図6には、演算増幅器310を用いた正相積分器の具体例を示したが、この構成を変更する。例えば図9に示されるように、演算増幅器310を用いた逆相積分器を具体化する。図9の積分器では図6と比較して、アナログスイッチ331,332の構成が変わり、スイッチ331は2相クロック'1'のタイミングでオンとなり、スイッチ332は2相クロック'2'のタイミングでオンとなる。また、本発明のスイッチトキャパシタ積分器は、その他の積分器や、積分キャパシタの電荷を周期的にリセットするゲイン変換器、ゲイン変換器の入力を複数個持たせた加算器などにも応用できる。
上記実施の形態において、図6には、演算増幅器310を用いた正相積分器の具体例を示したが、この構成を変更する。例えば図9に示されるように、演算増幅器310を用いた逆相積分器を具体化する。図9の積分器では図6と比較して、アナログスイッチ331,332の構成が変わり、スイッチ331は2相クロック'1'のタイミングでオンとなり、スイッチ332は2相クロック'2'のタイミングでオンとなる。また、本発明のスイッチトキャパシタ積分器は、その他の積分器や、積分キャパシタの電荷を周期的にリセットするゲイン変換器、ゲイン変換器の入力を複数個持たせた加算器などにも応用できる。
上記実施の形態では、入力部でD/A機能を兼用したスイッチトキャパシタ積分器をD/A変換器のノイズ除去フィルタに適用したが(図8参照)、これをオーバサンプリングA/D変換器の変調器などに適用する。実際には、図10に示されるA/D変換器において、演算増幅器310の出力を量子化回路501の非反転入力端子に入力し、同量子化回路501の出力をデジタル制御ロジック502に取り込む。そして、デジタル制御ロジック502が14ビットのデジタルデータを出力する。本構成によれば、スイッチトキャパシタ積分器を用いた変調器の小型化を図り、ひいてはオーバサンプリングA/D変換器の小型化、低消費電力化を実現することができる。
上記実施の形態における変調器では、
(a)14ビット(Lビット)のデジタルデータのうち11ビット(Mビット)のみを入力とする。
(b)6ビット(Nビット)の予測フィルタによる予測信号のうち3ビット(Pビット)のみをフィードバックする。
といった、2つの特徴的な構成を適用したが、この構成を変更する。例えば上記(a),(b)のうち、何れか一方のみを適用する。かかる構成においても、従来構成の変調器と比較した場合において、当該変調器における内部の演算ビット数を低減することが可能となり、ひいてはオーバサンプリングD/A変換器の小型化、低消費電力化を実現することができる。
(a)14ビット(Lビット)のデジタルデータのうち11ビット(Mビット)のみを入力とする。
(b)6ビット(Nビット)の予測フィルタによる予測信号のうち3ビット(Pビット)のみをフィードバックする。
といった、2つの特徴的な構成を適用したが、この構成を変更する。例えば上記(a),(b)のうち、何れか一方のみを適用する。かかる構成においても、従来構成の変調器と比較した場合において、当該変調器における内部の演算ビット数を低減することが可能となり、ひいてはオーバサンプリングD/A変換器の小型化、低消費電力化を実現することができる。
上記実施の形態のD/A変換器では、入力部でD/A機能を兼用するスイッチトキャパシタ積分器を用い、ノイズ除去フィルタを実現したが、D/A回路とノイズ除去フィルタとを別個に設ける構成としてもよい。この構成においても、補間フィルタや変調器におけるビット数の低減によりD/A変換器の小型化、低消費電力化の効果が得られる。
10…補間フィルタ、20…変調器、30…D/A回路、40…ノイズ除去フィルタ、101…遅延器、102…加算器、201…加算器、202…予測フィルタ、203…ノイズシェイプフィルタ、301〜307…アナログスイッチ、308…サンプリングキャパシタ、309…キャパシタアレイ、311…積分キャパシタ。
Claims (4)
- 入力部でD/A機能を兼用するスイッチトキャパシタ積分器において、
デジタルデータの最上位ビットにより選択されるプラス側又はマイナス側の基準電圧を、クロックによって周期的にサンプリングすると共に、クロックの他のタイミングによって周期的にアナロググランド電位に接続されるサンプリングキャパシタと、
2進重み付けされた容量値を持つ複数のキャパシタと、
各々デジタルデータに応じてアナロググランド電位又は積分キャパシタの何れか一方に接続されるスイッチ群とを備え、
前記複数のキャパシタの一端を前記サンプリングキャパシタに共通接続し、他端を前記スイッチ群に接続したことを特徴とするスイッチトキャパシタ積分器。 - 入力部でD/A機能を兼用するスイッチトキャパシタ積分器において、
デジタルデータの最上位ビットにより選択されるプラス側又はマイナス側の基準電圧を、クロックによって周期的にサンプリングするための第1のスイッチング手段と、
一端を第1のスイッチング手段に接続すると共に、他端をクロックによって周期的に開閉する第2のスイッチング手段を介してアナロググランド電位に接続したサンプリングキャパシタと、
2進重み付けされた容量値を持つ複数のキャパシタと、
各々デジタルデータに応じて、アナロググランド電位か又は積分キャパシタへ電荷を転送するための第3のスイッチング手段かの何れか一方に接続されるスイッチ群とを備え、
前記複数のキャパシタの一端を前記サンプリングキャパシタと前記第2のスイッチング手段との接点に共通接続し、他端を前記スイッチ群に接続したことを特徴とするスイッチトキャパシタ積分器。 - 請求項1又は2に記載のスイッチトキャパシタ積分器を用い、量子化ノイズを除去するためのノイズ除去フィルタを構成するオーバサンプリングD/A変換器。
- 請求項1又は2に記載のスイッチトキャパシタ積分器を用いて変調器を構成するオーバサンプリングA/D変換器。
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