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JP2007137278A - 運転指向推定装置 - Google Patents

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JP2007137278A
JP2007137278A JP2005334479A JP2005334479A JP2007137278A JP 2007137278 A JP2007137278 A JP 2007137278A JP 2005334479 A JP2005334479 A JP 2005334479A JP 2005334479 A JP2005334479 A JP 2005334479A JP 2007137278 A JP2007137278 A JP 2007137278A
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Hidemiki Nakazono
秀幹 中園
Yoshio Ito
良雄 伊藤
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Abstract

【課題】車両の旋回時における運転指向の推定精度の低下を抑制することが可能な運転指向推定装置を提供する。
【解決手段】車両に作用する前後方向の加速度に対応する値及び横加速度に対応する値の少なくともいずれか一方に基づいて、運転指向を推定する運転指向推定装置であって、車両の旋回時と非旋回時とは、前記前後方向の加速度に対応する値及び前記横加速度に対応する値の影響度が異なる値(S5、S8、S10、S13)に基づいて、運転指向を推定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、運転指向を推定する運転指向推定装置に関し、特に、車両の旋回時における運転指向の推定精度の低下を抑制することが可能な運転指向推定装置に関する。
特開平9−242863号公報(特許文献1)には、車両の運転指向を推定するための運転指向推定装置であって、車両発進時の出力操作量、出力操作量の最大変化率、車両の制動操作時の最大減速度、車両の惰行走行時間、車速一定走行時間から選択された少なくとも一つの運転操作関連変数を算出する運転操作関連変数算出手段と、該運転操作関連変数算出手段により算出された運転操作関連変数が入力されるニューラルネットワークを備え、該ニューラルネットワークの出力に基づいて車両の運転指向を推定する運転指向推定手段とを、含む車両の運転指向推定装置が開示されている。
特開平9−242863号公報 特開2005−98364号公報
例えばニューラルネットワークのような知能システムを用いた情報処理機構に、運転者の操作量や車両の状態量を示す情報を入力することにより、運転者の運転指向を推定する技術が知られている。実際には運転者の運転指向が変化していない場合であっても、車両の旋回中(コーナーリング中)には、アクセル操作変化量が小さくなる場合があり、その場合には、運転者の実際の運転指向にかかわらず、上記情報処理機構から運転指向が変化したことを示す値が出力されてしまう。
ここで、上記のように実際には運転指向が変化していない場合であって車両の旋回中にアクセル操作変化量が小さくなった場合に、運転指向が変化していないことを示す値が出力される情報処理機構を作成することが考えられる。しかし、その場合には、情報処理機構に入力する項目を増加する必要があり、計算負荷が増加するという問題が生じる。また、そのような情報処理機構を新たに作成するに際して、工数が増加するという問題がある。一方、車両の旋回中に実際に運転指向が変化する場合があるため、車両の旋回中の運転指向がより高精度に推定できることが望まれている。
本発明の目的は、車両の旋回時における運転指向の推定精度の低下を抑制することが可能な運転指向推定装置を提供することである。
本発明の他の目的は、計算負荷や工数が増加することなく、車両の旋回時における運転指向の推定精度の低下を抑制することが可能な運転指向推定装置を提供することである。
本発明の運転指向推定装置は、車両に作用する前後方向の加速度に対応する値及び横加速度に対応する値の少なくともいずれか一方に基づいて、運転指向を推定する運転指向推定装置であって、車両の旋回時と非旋回時とは、前記前後方向の加速度に対応する値及び前記横加速度に対応する値の影響度が異なる値に基づいて、運転指向を推定することを特徴としている。
本発明の運転指向推定装置において、前記車両の非旋回時と、前記車両の旋回時であって前記前後方向の加速度に対応する値と前記横加速度に対応する値の関係が予め設定された所定の関係であるときとは、前記前後方向の加速度に対応する値及び前記横加速度に対応する値の影響度が異なる値に基づいて、運転指向を推定することを特徴としている。
本発明の運転指向推定装置において、前記前後方向の加速度に対応する値と前記横加速度に対応する値の関係が予め設定された所定の関係であるときとは、前記横加速度に対応する値と予め設定された所定値の積と、前記前後方向の加速度に対応する値の大小関係に関するものであることを特徴としている。
本発明の運転指向推定装置において、前記車両の非旋回時と、前記車両の旋回時であって前記前後方向の加速度に対応する値と前記横加速度に対応する値の関係が予め設定された所定の関係であり前記前後方向の加速度に対応する値が0以上の値であるときとは、前記前後方向のうち前方向の前記加速度に対応する値及び前記横加速度に対応する値の影響度が異なる値に基づいて、運転指向を推定することを特徴としている。
本発明の運転指向推定装置において、前記車両の非旋回時と、前記車両の旋回時であって前記前後方向の加速度に対応する値と前記横加速度に対応する値の関係が予め設定された所定の関係であり前記前後方向の加速度に対応する値が0未満の値であるときとは、前記前後方向のうち後方向の前記加速度に対応する値及び前記横加速度に対応する値の影響度が異なる値に基づいて、運転指向を推定することを特徴としている。
本発明の運転指向推定装置において、前記予め設定された所定値は、道路環境及び走行環境の少なくとも一つに基づいて、異なる値に設定されることを特徴としている。
本発明の運転指向推定装置において、前記道路環境及び前記走行環境の少なくとも一つに関連して、運転者が相対的にアクセルを戻す操作を行い易い場合には、前記予め設定された所定値が相対的に大きな値に設定されることを特徴としている。
本発明の運転指向推定装置において、前記道路環境及び前記走行環境の少なくとも一つに関連して、車両に相対的に大きな横加速度が作用し易い場合には、前記予め設定された所定値が相対的に小さな値に設定されることを特徴としている。
本発明の運転指向推定装置において、道路環境及び前記走行環境には、路面勾配、路面状態、道路の曲がり度合い、カーブの連続性、天候、明るさの少なくとも一つが含まれることを特徴としている。
本発明の運転指向推定装置によれば、車両の旋回時における運転指向の推定精度の低下を抑制することが可能となる。
以下、本発明の運転指向推定装置の一実施形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。
本実施形態の運転指向推定装置は、例えばニューラルネットワークのような知能システムを用いた情報処理機構の入力情報として運転者の操作量及び車両の状態量(前後加速Gを含む)を用いて運転指向を推定する運転指向推定装置であって、車両の旋回時は、運転者の運転指向が変化していない場合であっても、アクセル操作変化量が小さくなる場合があり、その場合には、車両の加減速度(前後加速G)が低下する。そのため、ニューラルネットワークのような知能システムを用いた情報処理機構の入力項である、加速度入力項と減速度入力項が低下し、その結果、運転者の運転指向が変化していないにもかかわらず、出力値(運転者指向度)が低下してしまう。
上記の問題点を抑制するために、横G(旋回加速G)やステアリング角度等の旋回時の特徴を示す信号を、ニューラルネットワークに入力する項目に新たに追加することが考えられるが、その場合には、その分、教師データの数が多く、その結果、適合工数(学習に要する工数)の増加や、ニューラルネットワークによる演算時の計算負荷の増加を招く可能性がある。
そこで、本実施形態では、所定の条件の下、ニューラルネットワークの入力値に、前後加速Gに代えて、横Gを入力する。横Gは、コーナリング中の運転指向を反映している値である。運転指向がスポーツ走行指向である場合には、アクセル操作変化量が小さい場合であっても、横Gが大きいのでニューラルネットワークの出力の低下が抑制され、運転指向の推定結果と、実際の運転者との乖離が低減できる。
なお、コーナリング中に値が低下したアクセル操作量やアクセル開度などのアクセルに関する入力値は、従来どおりニューラルネットワークに入力しても、所定の条件の下、前後加速Gに代えて横Gが入力されることで、ニューラルネットワークの出力低下が問題とならないで済む。
本実施形態では、「旋回判定成立時、かつ|横G|×定数>前後加速G>0」の場合、前後加速Gの代わりに|横G|×定数を加速度入力項へ入力し(正規化値は変更)、また、「旋回判定成立時、かつ|横G|×定数>|前後加速G|(前後加速G<0)」の場合、前後加速Gの代わりに|横G|×定数を減速度入力項へ入力(正規化値は変更)することとしている。
このように、本実施形態では、横Gをニューラルネットワークに入力する項目として新たに追加するのではなく、所定の条件の下、前後加速Gの代わりに横Gに対応する値を代入する。これにより、ニューラルネットワークの学習を行う際に、教師データとして新たに横Gを与える必要がなくなるため、教師データの収集や学習時間の短縮が可能となる。また、横Gの情報を新規の入力項としてニューラルネットワークに入力することなく、従来から存在する加速度入力項と減速度入力項から入力することで、ニューラルネットワークに対する入力値の数の増加を回避することができ、運転指向の推定精度を低下させること無く、計算負荷の増加の抑制が可能となる。
本実施形態では、上記のように、|横G|が大き過ぎる場合に備えて、定数(≦1)を掛けることで、加速度項又は減速度項が過大になることを防いでいる。なお、上記において、「正規化値は変更」とは、加速度入力項又は減速度入力項に、例えば−1から+1までの間あるいは0から1までの間の値に正規化された値を入力すべく正規化を行う際に、実際の前後加速Gの値を除算する値(正規化値)と、|横G|×定数の値を除算する値(正規化値)が異なるという意味である。
図2は、本実施形態の運転指向推定装置が適用される自動変速機の制御装置の概略構成図を示している。図2において、符号10は有段の自動変速機、40はエンジンである。自動変速機10は、電磁弁121a、121b、121cへの通電/非通電により油圧が制御されて5段変速が可能である。図2では、3つの電磁弁121a、121b、121cが図示されるが、電磁弁の数は3に限定されない。電磁弁121a、121b、121cは、制御回路130からの信号によって駆動される。
スロットル開度センサ114は、エンジン40の吸気通路41内に配置されたスロットルバルブ43の開度を検出する。エンジン回転数センサ116は、エンジン40の回転数を検出する。車速センサ122は、車速に比例する自動変速機10の出力軸120cの回転数を検出する。シフトポジションセンサ123は、シフトポジションを検出する。パターンセレクトスイッチ117は、変速パターンを指示する際に使用される。加速度センサ90は、車両の前後加速度及び旋回加速度(横G)を検出する。路面μ検出・推定部112は、路面の摩擦係数μ、又は路面の滑りやすさを検出、あるいは推定する。アクセル開度検出部113は、アクセル開度を検出する。ブレーキ操作量検出部111は、ブレーキの操作量を検出する。
路面μ検出・推定部112は、路面の摩擦係数μに代表される路面の滑り易さ(低μ路か否か)を検出又は推定する。ここで、低μ路には、悪路(路面の凹凸が大きい場合や路面に段差がある等を含む)が含まれる。即ち、路面μ検出・推定部112では、走行路面の摩擦係数μが演算され、その演算された摩擦係数μが予め定められたしきい値を超えているか否かによって、低μ路か否かが決定される。
路面μ検出・推定部112では、上記に代えて、演算により摩擦係数μの具体的数値を求めることなく、各種条件、例えば、フロント車輪速センサ(図示せず)により検出された前輪(図示せず)の回転速度(従動輪速度)及び車速センサ122により検出された後輪(図示せず)の回転速度(駆動輪速度)の差に基づいて、路面が低μ路であるか否かを検出することができる。
ここで、路面μ検出・推定部112による低μ路であるか否かの検出・推定の具体的方法は、特に限定されず、公知の方法を適宜採用することができる。例えば、上記の前後の車輪速差の他に、車輪速の変化率や、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)やTRS(トラクション・コントロール・システム)やVSC(ビークル・スタビリティ・コントロール)の作動履歴、車両の加速度と車輪スリップ率の関係の少なくともいずれか一つを用いて、低μ路であるか否かの検出・推定を行うことができる。
このような低μ路であるか否かの検出・推定方法の一例が特開平5−223157号公報、特開平8−121582号公報、特開平10−94110号公報、特開2000−79834号公報、特許第2780390号公報、特開平5−346394号公報、特開平6−115417号公報に開示されている。
路面μ検出・推定部112は、将来に走行予定の路面についての情報(ナビ情報など)に基づいて、低μ路であるか否かを予測する。ここで、ナビ情報には、ナビゲーションシステム装置95のように予め記憶媒体(DVDやHDなど)に記録されている路面(例えば非舗装路)の情報の他、車両自体が過去の実走行や他の車両や通信センターとの通信(車車間通信や路車間通信を含む)を介して得た情報(道路状況を示す情報や天候状況を示す情報を含む)が含まれる。その通信には、道路交通情報通信システム(VICS)やいわゆるテレマティクスが含まれる。
ナビゲーションシステム装置95は、自車両を所定の目的地に誘導することを基本的な機能としており、演算処理装置と、車両の走行に必要な情報(地図、直線路、カーブ、登降坂、高速道路など)が記憶された情報記憶媒体と、自立航法により自車両の現在位置や道路状況を検出し、地磁気センサやジャイロコンパス、ステアリングセンサを含む第1情報検出装置と、電波航法により自車両の現在位置、道路状況などを検出するためのもので、GPSアンテナやGPS受信機などを含む第2情報検出装置等を備えている。
制御回路130は、スロットル開度センサ114、エンジン回転数センサ116、車速センサ122、シフトポジションセンサ123、加速度センサ90、アクセル開度検出部113、ブレーキ操作量検出部111の各検出結果を示す信号を入力し、また、パターンセレクトスイッチ117のスイッチング状態を示す信号を入力し、また、ナビゲーションシステム装置95からの信号を入力し、路面μ検出・推定部112による検出又は推定の結果を示す信号を入力する。
制御回路130は、周知のマイクロコンピュータによって構成され、CPU131、RAM132、ROM133、入力ポート134、出力ポート135、及びコモンバス136を備えている。入力ポート134には、上述の各センサ114、116、122、123、90からの信号、アクセル開度検出部113からの信号、ブレーキ操作量検出部111からの信号、上述のスイッチ117からの信号、ナビゲーションシステム装置95からの信号、路面μ検出・推定部112からの信号が入力される。出力ポート135には、電磁弁駆動部138a、138b、138cが接続されている。
道路勾配計測・推定部118は、CPU131の一部として設けられることができる。ここで、道路勾配計測・推定部118による道路勾配の計測・推定の具体的方法は、特に限定されず、公知の方法を適宜採用することができる。例えば、道路勾配計測・推定部118は、加速度センサ90により検出された加速度に基づいて、道路勾配を計測又は推定するものであることができる。また、道路勾配計測・推定部118は、平坦路での加速度を予めROM133に記憶させておき、実際に加速度センサ90により検出した加速度と比較して道路勾配を求めるものであることができる。さらに、道路勾配計測・推定部118は、上記ナビ情報から道路勾配の情報を入手するものであることができる。
運転指向推定部115は、CPU131の一部として設けられることができる。運転指向推定部115は、運転者の運転状態及び車両の走行状態に基づいて、運転者の運転指向(スポーツ走行指向か通常走行指向)を推定する。運転指向推定部115の詳細については更に後述する。なお、運転指向推定部115の構成については、後述する内容に限定されず、運転者の運転指向を推定するものであれば、公知の様々な構成のもの(例えば上記特許文献1に記載の構成)を広く含む。ここで、スポーツ走行指向とは、動力性能を重視した指向、加速指向ないしは運転者の操作に対する車両の反応が迅速なスポーツ走行を好むことを意味する。
ROM133には、予め図1のフローチャートに示す動作(制御ステップ)が記述されたプログラムと、推定された運転指向によって切り替えられる複数の変速線図のデータ(図示せず)と、アクセル開度とエンジン回転数のマップが格納されている。制御回路130は、入力した各種制御条件と変速線図に基づいて、自動変速機10の変速を行う。
次に、運転指向推定部115の詳細について説明する。
運転指向推定部115は、複数種類の運転操作関連変数のいずれかの算出毎にその運転操作関連変数が入力されて推定演算が起動されるニューラルネットワークNNを備え、そのニューラルネットワークNNの出力に基づいて車両の運転指向を推定する。
例えば図3に示すように、運転指向推定部115は、信号読込手段96と、前処理手段98と、運転指向推定手段100とを備えている。信号読込手段96は、前記各センサ・検出部90、111、112、113、114、116、122、123などからの検出信号を比較的短い所定の周期で読み込む。信号読込手段96により読み込まれた検出信号は、前処理手段98に出力される。
前処理手段98は、信号読込手段96により逐次読み込まれた信号から、運転指向を反映する運転操作に密接に関連する複数種類の運転操作関連変数、すなわち車両発進時の出力操作量(アクセルペダル操作量)すなわち車両発進時のスロットル弁開度TAST、加速操作時の出力操作量の最大変化率すなわちスロットル弁開度の最大変化率ACCMAX、車両の制動操作時の最大減速度GNMAX、車両の惰行走行時間TCOAST、車速一定走行時間TVCONST、所定区間内において各センサから入力された信号の区間最大値、運転開始以後における最大車速Vmax、車両の加速度項(加速度入力項)、車両の減速度項(減速度入力項)などをそれぞれ算出する運転操作関連変数算出手段である。運転指向推定手段100は、前処理手段98により運転操作関連変数が算出される毎にその運転操作関連変数が許可されて運転指向推定演算を行うニューラルネットワークNNを備え、そのニューラルネットワークNNの出力である運転指向推定値を出力する。
図3の前処理手段98には、車両発進時の出力操作量すなわち車両発進時のスロットル弁開度TASTを算出する発進時出力操作量算出手段98a、加速操作時における出力操作量の最大変化率すなわちスロットル弁開度の最大変化率ACCMAXを算出する加速操作時出力操作量最大変化率算出手段98b、車両の制動操作時の最大減速度GNMAXを算出する制動時最大減速度算出手段98c、車両の惰行走行時間TCOASTを算出する惰行走行時間算出手段98d、車速一定走行時間TVCONSTを算出する車速一定走行時間算出手段98e、例えば3秒程度の所定区間内における各センサからの入力信号のうちの最大値を周期的に算出する入力信号区間最大値算出手段98f、運転開始以後における最大車速Vmaxを算出する最大車速算出手段98g、車両の加速度項を算出する加速度入力項算出手段98h、車両の減速度項を算出する減速度入力項算出手段98iなどがそれぞれ備えられている。
上記入力信号区間最大値算出手段98fにおいて算出される所定区間内の入力信号のうちの最大値としては、スロットル弁開度TAmaxt、車速Vmaxt、エンジン回転速度NEmaxtが用いられる。
図3の運転指向推定手段100に備えられたニューラルネットワークNNは、コンピュータプログラムによるソフトウエアにより、或いは電子的素子の結合から成るハードウエアにより生体の神経細胞群をモデル化して構成され得るものであり、例えば図3の運転指向推定手段100のブロック内に例示されるように構成される。
図3において、ニューラルネットワークNNは、r個の神経細胞要素(ニューロン)Xi(X1〜Xr)から構成された入力層と、s個の神経細胞要素Yj(Y1〜Ys)から構成された中間層と、t個の神経細胞要素Zk(Z1〜Zt)から構成された出力層とから構成された3層構造の階層型である。そして、上記入力層から出力層へ向かって神経細胞要素の状態を伝達するために、結合係数(重み)WXijを有して上記r個の神経細胞要素Xiとs個の神経細胞要素Yjとをそれぞれ結合する伝達要素DXijと、結合係数(重み)WYjkを有してs個の神経細胞要素Yjとt個の神経細胞要素Zkとをそれぞれ結合する伝達要素DYjkが設けられている。
上記ニューラルネットワークNNは、その結合係数(重み)WXij、結合係数(重み)WYjkを所謂誤差逆伝搬学習アルゴリズムによって学習させられたパターン連想型のシステムである。その学習は、前記運転操作関連変数の値と運転指向とを対応させる走行実験によって予め完了させられているので、車両組み立て時では、上記結合係数(重み)WXij、結合係数(重み)WYjkは固定値が与えられている。
上記の学習に際しては、複数の運転者についてそれぞれスポーツ走行指向、通常走行(ノーマル)指向の運転が例えば高速道路、郊外道路、山岳道路、市街道路などの種々の道路において実施され、そのときの運転指向を教師信号とし、教師信号とセンサ信号を前処理したn個の指標(入力信号)とがニューラルネットワークNNに入力させられる。なお、上記教師信号は運転指向を0から1までの値に数値化し、例えば通常走行指向を0、スポーツ走行指向を1とする。また、上記入力信号は−1から+1までの間あるいは0から1までの間の値に正規化して用いられる(本実施形態では、0から1までの間の値に正規化して用いられるとする)。
従来技術においては、図4に示すように、「符号t1の時点において旋回判定211がONになった場合であって、アクセル操作量(図示せず)が少ない場合」には、前後加速G又は旋回加速G(横G)のグラフ213に示すように、前後加速G221が低下する(符号C1参照)。そのため、|加速度項|のグラフ214及び|減速度項|のグラフ215に示すように、|前後加速G|231(上記前後加速G221の絶対値)も低下し、よって、ニューラルネットワーク(図3の符号100参照)に入力される|加速度項|及び|減速度項|のそれぞれの値(図3の符号98h、98i参照)が低下する。その結果、運転者指向度のグラフ216に示すように、運転者指向度251(図3の符号100の出力)が低下してしまう。
上記において、|前後加速G|231は、|加速度項|のグラフ214及び|減速度項|のグラフ215のそれぞれに記載されている。この|前後加速G|231を、図4中の点の軌跡で示すと、|減速度項|のグラフ215のt0時点の点P40からt8時点の点P48までと、|加速度項|のグラフ214のt9時点の点P49からt12時点の点P52までとを結んだ線に対応する。
前後加速G又は旋回加速Gのグラフ213において、前後加速G221に示すように、t0からt8の時点までは減速Gが作用し、t9時点以降において加速Gが作用している。そのため、従来技術において、ニューラルネットワークに入力される|加速度項|の値は、|加速度項|のグラフ214のt0時点からt8時点は、点P30から点P38に示すように0であり、t9時点以降は、点P49からP52に示すように|前後加速G|231と同じ値である。また、ニューラルネットワークに入力される|減速度項|の値は、|減速度項|のグラフ215のt0時点からt8時点は、点P40から点P48に示すように|前後加速G|231と同じ値であり、t9時点以降は、点P249からP252に示すように0である。なお、ニューラルネットワークに入力される値は、正の値に限られるため、ニューラルネットワークの減速度項には、減速度の絶対値が入力される。
これに対して、本実施形態では、図1及び図4に示すように、「旋回判定211の成立時(図4のt1)かつ|前後加速G|231<|横G|×定数233」の時(図1のステップS3−Y、図4のt3以降t11まで)、加速度項及び減速度項のそれぞれに|横G|×定数233の値を代入することで(ステップS5、ステップS8)、加速度項及び減速度項のそれぞれの低下が抑制され(図4のC2、C4)、その結果として、運転者指向度216の低下が抑制される(C6)。
以下、図1、図2及び図4を参照して、本実施形態の動作を詳細に説明する。
[ステップS1]
図1のステップS1では、前後加速G221が算出される。前後加速G221は、加速度センサ90により検出することができる。前後加速G221は、図4の前後加速G又は旋回加速Gのグラフ213に示されている。ステップS1の次に、ステップS2に進む。
[ステップS2]
ステップS2では、横G×定数の値223が算出される。まず、横G222が算出され、その横G222に定数が乗算されることにより、横G×定数の値223が算出される。横G222は、加速度センサ90により検出されることができる。横G×定数の値223の算出は、制御回路130の運転指向推定部115の加速度入力項算出手段98h及び減速度入力項算出手段98iにより行われる。ステップS2の次に、ステップS3に進む。
[ステップS3]
ステップS3では、制御回路130により、|前後加速G|231<|横G|×定数233AND旋回判定211=ONであるか否かが判定される。その判定の結果、肯定的に判定された場合には、ステップS4に進み、そうでない場合には、ステップS9に進む。
|前後加速G|231は、上記ステップS1で求めた前後加速G221の絶対値である。|横G|×定数233は、上記ステップS2で求めた横G222の絶対値と定数の積であり、上記ステップS2で求めた横G×定数の値223の絶対値に対応する。|横G|×定数233は、|加速度項|のグラフ214及び|減速度項|のグラフ215に示されている。
上記ステップS3の条件のうち、旋回判定211はt1時点にONになっている。制御回路130は、車両の横G222の大きさ等に基づいて、旋回判定211の判定を行うことができる。又は、ナビゲーションシステム装置95から入力した、車両の現在位置とコーナーの入口の位置を示すデータに基づいて、旋回判定211の判定を行うことができる。また、|加速度項|のグラフ214及び|減速度項|のグラフ215に示すように、t2とt3の中間時点で|横G|×定数233は、|前後加速G|231を上回るため、|前後加速G|<|横G|×定数のグラフ212に示すように、t3時点で|前後加速G|<|横G|×定数の判定はONになっている。これらのことから、t3の時点からステップS3は、肯定的に判定され始める(t0からt2までは、ステップS3は否定的に判定される)。
一方、旋回判定211はt12時点にOFFになっている。また、|加速度項|のグラフ214及び|減速度項|のグラフ215に示すように、t10とt11の中間時点で|横G|×定数233は、|前後加速G|231以下となるため、|前後加速G|<|横G|×定数のグラフ212に示すように、t11時点で|前後加速G|<|横G|×定数の判定はOFFになっている。これらのことから、t11の時点からステップS3は、否定的に判定される。
[ステップS4]
ステップS4では、制御回路130により、前後加速G221≧0であるか否かが判定される。ステップS4で肯定的に判定される場合とは、ステップS3で肯定的に判定された場合(t3からt10の範囲)のうち、前後加速G221が正であるt9からt10の範囲である。一方、ステップS4で否定的に判定される場合とは、ステップS3で肯定的に判定された場合(t3からt10の範囲)のうち、前後加速G221が負であるt3からt8の範囲である。ステップS4の判定の結果、肯定的に判定された場合(t9からt10の範囲)にはステップS5に進み、そうでない場合(t3からt8の範囲)にはステップS7に進む。
[ステップS5]
ステップS5では、加速度入力項算出手段98hにより、加速度項に、上記ステップS3で求めた|横G|×定数233が代入される。即ち、|加速度項|のグラフ214において、符号C2に示すように、従来ニューラルネットワークの加速度項に入力されていた点P49及びP50の値に代えて、|横G|×定数233の点P149及びP150がそれぞれ代入される。このように、|横G|×定数233の値を代入することにより、加速度項の低下が抑制される。ステップS5の次にステップS6に進む。
[ステップS6]
ステップS6では、減速度入力項算出手段98iにより、減速度項に0が代入される。即ち、|減速度項|のグラフ215において、符号C5に示すように、点P251及びP252として0の値が代入される。ステップS6の次に、ステップS14に進む。
[ステップS7]
ステップS7では、加速度入力項算出手段98hにより、加速度項に0が代入される。即ち、|加速度項|のグラフ214において、符号C3に示すように、t3からt8の範囲の点P33からP38の値として0が代入される。ステップS7の次にステップS8に進む。
[ステップS8]
ステップS8では、減速度入力項算出手段98iにより、減速度項に、上記ステップS3で求めた|横G|×定数233が代入される。即ち、|減速度項|のグラフ215において、符号C4に示すように、従来ニューラルネットワークの減速度項に入力されていた点P43からP48の値に代えて、|横G|×定数233の点P143からP148がそれぞれ代入される。このように、|横G|×定数233の値を代入することにより、減速度項の低下が抑制される。ステップS8の次に、ステップS14に進む。
[ステップS9]
ステップS9では、制御回路130により、前後加速G221≧0であるか否かが判定される。ステップS9で肯定的に判定される場合とは、ステップS3で否定的に判定された場合(t0からt2の範囲とt11以降)のうち、前後加速G221が正であるt11以降である。一方、ステップS9で否定的に判定される場合とは、ステップS3で否定的に判定された場合(t0からt2の範囲とt11以降)のうち、前後加速G221が負であるt0からt2の範囲である。ステップS9の判定の結果、肯定的に判定された場合(t11以降)にはステップS10に進み、そうでない場合(t0からt2の範囲)にはステップS12に進む。
[ステップS10]
ステップS10では、加速度入力項算出手段98hにより、加速度項に、|前後加速G|231が代入される。即ち、|加速度項|のグラフ214において、t11以降に|前後加速G|231の点P51とP52が代入される。ステップS10の次にステップS11に進む。
[ステップS11]
ステップS11では、減速度入力項算出手段98iにより、減速度項に0が代入される。即ち、|減速度項|のグラフ215において、符号C5に示すように、t11以降に点P251とP252の値として0が代入される。ステップS11の次にステップS14に進む。
[ステップS12]
ステップS12では、加速度入力項算出手段98hにより、加速度項に0が代入される。即ち、|加速度項|のグラフ214において、符号C3に示すように、t0からt2の範囲の点P30からP32の値として0が代入される。ステップS12の次にステップS13に進む。
[ステップS13]
ステップS13では、減速度入力項算出手段98iにより、減速度項に、|前後加速G|231が代入される。即ち、|減速度項|のグラフ215において、t0からt2の範囲に|前後加速G|231の点P40からP42が代入される。ステップS13の次にステップS14に進む。
[ステップS14]
ステップS14では、加速度入力項算出手段98hにより、加速度入力項が最終的に算出される。上記ステップS5、ステップS7、ステップS10、ステップS12の結果に基づいて、加速度入力項が最終的に求められる。このステップS14において求められた加速度入力項の値は、加速度入力項算出手段98hにより、ニューラルネットワークNNの入力層の加速度入力項に入力される。
[ステップS15]
ステップS15では、減速度入力項算出手段98iにより、減速度入力項が最終的に算出される。上記ステップS6、ステップS8、ステップS11、ステップS13の結果に基づいて、減速度入力項が最終的に求められる。このステップS15において求められた減速度入力項の値は、減速度入力項算出手段98iにより、ニューラルネットワークNNの入力層の減速度入力項に入力される。
上記のように、加速度入力項算出手段98h及び減速度入力項算出手段98iからニューラルネットワークNNの加速度入力項及び減速度入力項にそれぞれ加速度入力項及び減速度入力項が入力されるとともに、前処理手段98の他の算出手段98a〜98gなどからそれぞれニューラルネットワークNNの入力層に値が入力されると、ニューラルネットワークNNの出力値が演算される。運転指向推定手段(ニューラルネットワークNN)100の出力値に基づいて、運転指向が推定され、その推定された運転指向に基づいて、変速線図が切り替えられる。これにより、運転指向を反映させた自動変速機10の変速が行なわれる。
以上のように、本実施形態によれば、ニューラルネットワークNNの加速度項に入力される値は、t0時点の点30からt8時点の点P38と、t9時点の点P149からt10時点の点P150と、t11時点の点P51からt12時点の点P52とを結んだ線に対応する値である。一方、ニューラルネットワークNNの減速度項に入力される値は、t0時点の点P40からt2時点の点P42と、t3時点の点P143からt8時点の点P148と、t9時点の点P249からt12時点の点P252とを結んだ線に対応する値である。
上述したように、従来技術において、ニューラルネットワークに入力される|加速度項|の値は、|加速度項|のグラフ214のt0時点からt8時点は、点P30から点P38に示すように0であり、t9時点以降は、点P49からP52に示すように|前後加速G|231と同じ値であった。また、ニューラルネットワークに入力される|減速度項|の値は、|減速度項|のグラフ215のt0時点からt8時点は、点P40から点P48に示すように|前後加速G|231と同じ値であり、t9時点以降は、点P249からP252に示すように0であった。
このことから、ニューラルネットワークの減速度項に入力される値は、従来技術では点P43から点P48に相当する値であったところが、本実施形態では点P143から点P148に相当する値に変わり、また、ニューラルネットワークの加速度項に入力される値は、従来技術では点P49から点P50に相当する値であったところが、本実施形態では点P149から点P150に相当する値に変わる。よって、符号C6に示すように、ニューラルネットワークから出力される運転者指向度216の低下が抑制され、従来技術における符号251に相当する値であったところから、本実施形態では符号252に相当する値に上昇する。t8時点までは、加速度項に入力される値は、従来技術の場合と同じく0であるが(ステップS7)、減速度項に入力される値が従来技術の場合に比べて大きな値となっているので(ステップS8)、ニューラルネットワークから出力される運転者指向度216の値が上昇している。
上記のことから、本実施形態によれば、コーナリング中であって、アクセル操作量が少ない場合に、運転者の実際の運転指向とは無関係に、ニューラルネットワークの出力値(運転者指向度)が低下するという従来技術の問題が抑制され、運転指向の推定精度の低下が抑制される。即ち、本実施形態によれば、運転者指向の推定結果と実際の運転者指向との乖離を低減させることができる。
また、上述したように、車両の旋回時にアクセル操作変化量が小さい場合に、運転者の運転指向が変化していないにもかかわらず、ニューラルネットワークから出力される運転者指向度が低下するという問題点を抑制するために、横G(旋回加速G)等の旋回時の特徴を示す信号を、ニューラルネットワークに入力する項目に新たに追加することが考えられるが、その場合には、その分、教師データの数が多く、その結果、適合工数(学習に要する工数)の増加や、ニューラルネットワークによる演算時の計算負荷の増加を招く可能性があった。
本実施形態では、上記のように、横Gをニューラルネットワークに入力する項目として新たに追加するのではなく、所定の条件の下、前後加速Gの代わりに横Gに対応する値を代入することにより、ニューラルネットワークの学習を行う際に、教師データとして新たに横Gを与える必要がなくなるため、教師データの収集や学習時間の短縮が可能となる。また、横Gの情報を新規の入力項としてニューラルネットワークに入力することなく、従来から存在する加速度入力項と減速度入力項から入力することで、ニューラルネットワークに対する入力値の数の増加を回避することができ、運転指向の推定精度を低下させること無く、計算負荷の増加の抑制が可能となる。
(第1実施形態の変形例)
上記第1実施形態では、車両の旋回時には非旋回時とは異なり、所定の条件の下、ニューラルネットワークNNの加速度入力層及び減速度入力層のそれぞれに|前後加速G|に代えて、|横G|×定数の値を入力したが(ステップS5、ステップS8)、この場合、以下のように変形することができる。
即ち、上記第1実施形態のように、非旋回時とは異なり旋回時には所定の条件の下、ステップS5及びステップS8において、それぞれ、|前後加速G|に代えて、|横G|×定数の値そのもの(|横G|×定数の値を100%反映させた値)を入力することに代えて、本変形例では、|横G|×定数の値を相対的に大きく(例えば90%)反映させるとともに、|前後加速G|の値を相対的に小さく(例えば10%)反映させた値を入力することができる。
上記のように、非旋回時は、ニューラルネットワークNNの加速度入力層及び減速度入力層のそれぞれに|前後加速G|の値そのもの(|前後加速G|の値を100%反映させた値=|横G|×定数の値を0%反映させた値)を入力する(ステップS10、ステップS13)。このように、旋回時と、非旋回時は、ニューラルネットワークNNの加速度入力層及び減速度入力層のそれぞれに、|前後加速G|と|横G|×定数の値の比率(影響度、反映度)を変えた値を入力することができる。
また、上記第1実施形態においてニューラルネットワークNNの入力層には、前後方向の加速度そのものに代えて、前後方向の加速度に対して技術的に等価な値(前後方向の加速度に対応する値)を入力してもよく、また、旋回時には、横方向の加速度に対して技術的に等価な値(横方向の加速度に対応する値)を入力することができる。
さらに、上記図1のステップS14及びステップS15では、加速度項及び減速度項にそれぞれ統計的処理を施した結果を最終的な加速度入力項及び減速度入力項にしてもよい。
(第2実施形態)
次に、図5を参照して、第2実施形態について説明する。
なお、第2実施形態において、上記第1実施形態と共通する部分についての説明は省略する。
上記第1実施形態における図1のステップS2、ステップS3、ステップS5、及びステップS8の定数(≦1)は、道路環境と走行環境の少なくとも一つに基づいて、変更することができる。例えば、図5に示すように、路面勾配で変更することができる。ニューラルネットワークNNを学習させたときの路面勾配に比べて、登坂勾配が大きいほど定数は小さく、また、降坂勾配が大きいほど定数は大きくする。運転指向が変わっていない場合でもあっても、登坂路ではアクセルを踏み込む傾向にあり(従って車速が上がり横Gが大きくなる傾向になり)、降坂路ではアクセルを戻す傾向にある(車速が下がり横Gが小さくなる傾向にある)ため、定数を変更することにより、横Gの項に間して路面勾配の影響を減らす補正するためである。
同様の考え方から、ニューラルネットワークNNを学習させたときの条件に比べて、コーナーの曲がり度合いが大きい(コーナーRが小さい又はコーナーの曲率が大きい)場合には、定数を小さな値に設定する。運転指向が変わっていない場合でもあっても、コーナーの曲がり度合いが大きい場合には、大きな横Gが出る傾向にあるためである。
さらに、ニューラルネットワークNNを学習させたときの条件に比べて、路面μが小さい場合には定数を大きく設定することができる。この場合には、運転指向が変わっていない場合でもあっても、アクセルを戻す傾向にあるためである。また、ニューラルネットワークNNを学習させたときの条件に比べて、連続カーブのようなワインディング路では、定数を小さく設定する。ワインディング路では、大きな横Gが出る傾向にあるためである。
また、ニューラルネットワークNNを学習させたときの条件に比べて、天候が悪いときには定数を大きくし、また、車両の周囲が暗いほど定数を大きく設定する。これらの場合にも、運転指向が変わっていない場合でもあっても、アクセルを戻す傾向にあるためである。
上記のように、本実施形態によれば、道路環境(路面勾配、コーナーの曲がり度合い、路面μ、連続カーブ)と走行環境(天候、明るさ)の少なくとも一つに基づいて、図1のステップS2、ステップS3、ステップS5、及びステップS8の定数(≦1)を変更することにより、運転指向の推定の精度低下を抑制することができる。
さらに、上記においては、運転指向を推定する手段として、ニューラルネットワークNNが用いられたが、ニューラルネットワークに限定されず、例えば、遺伝的アルゴリズムのような(人工)知能システム(最適化手法、ソフトコンピューティング)を用いた情報処理機構を用いることができる。このような情報処理機構を用いた場合であっても、情報処理に用いられる入力値の数が少ない方が計算負荷が削減され、また、解の収束性に有利である。
本発明の運転指向推定装置の一実施形態の動作を示すフローチャートである。 本発明の運転指向推定装置の一実施形態が適用された自動変速機の制御装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の運転指向推定装置の一実施形態の要部の概略構成を示すブロック図である。 本発明の運転指向推定装置の一実施形態の動作を示すタイムチャートである。 本発明の運転指向推定装置の他の実施形態で用いるマップデータを説明するための図である。
符号の説明
10 自動変速機
40 エンジン
90 加速度センサ
95 ナビゲーションシステム装置
96 信号読込手段
98h 加速度入力項算出手段
98i 減速度入力項算出手段
100 運転指向推定手段
111 ブレーキ操作量検出部
112 路面μ検出・推定部
113 アクセル開度検出部
114 スロットル開度センサ
115 運転指向推定部
116 エンジン回転数センサ
118 道路勾配計測・推定部
122 車速センサ
123 シフトポジションセンサ
130 制御回路
131 CPU
133 ROM
211 旋回判定
212 |前後加速G|<|横G|×定数のグラフ
213 前後加速G又は旋回加速Gのグラフ
214 |加速度項|のグラフ
215 |減速度項|のグラフ
216 運転者指向度
222 横G
223 横G×定数の値
231 |前後加速G|
232 |横G|
233 |横G|×定数
251 運転者指向度
252 運転者指向度
NN ニューラルネットワーク

Claims (9)

  1. 車両に作用する前後方向の加速度に対応する値及び横加速度に対応する値の少なくともいずれか一方に基づいて、運転指向を推定する運転指向推定装置であって、
    車両の旋回時と非旋回時とは、前記前後方向の加速度に対応する値及び前記横加速度に対応する値の影響度が異なる値に基づいて、運転指向を推定する
    ことを特徴とする運転指向推定装置。
  2. 請求項1記載の運転指向推定装置において、
    前記車両の非旋回時と、前記車両の旋回時であって前記前後方向の加速度に対応する値と前記横加速度に対応する値の関係が予め設定された所定の関係であるときとは、前記前後方向の加速度に対応する値及び前記横加速度に対応する値の影響度が異なる値に基づいて、運転指向を推定する
    ことを特徴とする運転指向推定装置。
  3. 請求項2記載の運転指向推定装置において、
    前記前後方向の加速度に対応する値と前記横加速度に対応する値の関係が予め設定された所定の関係であるときとは、前記横加速度に対応する値と予め設定された所定値の積と、前記前後方向の加速度に対応する値の大小関係に関するものである
    ことを特徴とする運転指向推定装置。
  4. 請求項2または3に記載の運転指向推定装置において、
    前記車両の非旋回時と、前記車両の旋回時であって前記前後方向の加速度に対応する値と前記横加速度に対応する値の関係が予め設定された所定の関係であり前記前後方向の加速度に対応する値が0以上の値であるときとは、前記前後方向のうち前方向の前記加速度に対応する値及び前記横加速度に対応する値の影響度が異なる値に基づいて、運転指向を推定する
    ことを特徴とする運転指向推定装置。
  5. 請求項2から4のいずれか1項に記載の運転指向推定装置において、
    前記車両の非旋回時と、前記車両の旋回時であって前記前後方向の加速度に対応する値と前記横加速度に対応する値の関係が予め設定された所定の関係であり前記前後方向の加速度に対応する値が0未満の値であるときとは、前記前後方向のうち後方向の前記加速度に対応する値及び前記横加速度に対応する値の影響度が異なる値に基づいて、運転指向を推定する
    ことを特徴とする運転指向推定装置。
  6. 請求項3記載の運転指向推定装置において、
    前記予め設定された所定値は、道路環境及び走行環境の少なくとも一つに基づいて、異なる値に設定される
    ことを特徴とする運転指向推定装置。
  7. 請求項6記載の運転指向推定装置において、
    前記道路環境及び前記走行環境の少なくとも一つに関連して、運転者が相対的にアクセルを戻す操作を行い易い場合には、前記予め設定された所定値が相対的に大きな値に設定される
    ことを特徴とする運転指向推定装置。
  8. 請求項6記載の運転指向推定装置において、
    前記道路環境及び前記走行環境の少なくとも一つに関連して、車両に相対的に大きな横加速度が作用し易い場合には、前記予め設定された所定値が相対的に小さな値に設定される
    ことを特徴とする運転指向推定装置。
  9. 請求項6から8のいずれか1項に記載の運転指向推定装置において、
    道路環境及び前記走行環境には、路面勾配、路面状態、道路の曲がり度合い、カーブの連続性、天候、明るさの少なくとも一つが含まれる
    ことを特徴とする運転指向推定装置。
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