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JP2007127120A - ピストンリング - Google Patents

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JP2007127120A
JP2007127120A JP2006274545A JP2006274545A JP2007127120A JP 2007127120 A JP2007127120 A JP 2007127120A JP 2006274545 A JP2006274545 A JP 2006274545A JP 2006274545 A JP2006274545 A JP 2006274545A JP 2007127120 A JP2007127120 A JP 2007127120A
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JP
Japan
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piston ring
ring
piston
outer peripheral
ring groove
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Pending
Application number
JP2006274545A
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English (en)
Inventor
Kenichi Utashiro
健一 歌代
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Riken Corp
Original Assignee
Riken Corp
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Publication date
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Abstract

【課題】ピストンリング溝のラッパ状摩耗の発生を低減しつつ薄幅化でき、且つ低筒内圧吸気行程及び高回転高負荷膨張行程のいずれにおいても優れたシール性を確保し得るコンプレッションリングを提供する。
【解決手段】ピストンリングの下側面を、軸方向幅が外周側に向かって小さくなるように10'〜1°傾斜させる。この傾斜角度は15'〜45'とするのが好ましく、20'〜45'とするのがより好ましい。また、ピストンリングの下側面のみならず上側面も、軸方向幅が外周側に向かって小さくなるように上記角度傾斜させてもよい。
【選択図】 図3

Description

本発明は内燃機関のピストンに装着されるピストンリングに関する。
昨今、フリクションの低減を目的としてコンプレッションリングの薄幅化が進んでいる。これに伴い、リングを装着するピストンのリング溝に図1に示すように外周に向かって摩耗量が増加するラッパ状摩耗が発生し、大きな問題となっている。ラッパ状摩耗の発生原因は、従来の断面矩形形状のピストンリングを薄幅化すると、リングのネジレ変形に対する抵抗が小さくなり、ピストン溝外周部の面圧が高くなっていることと考えられる。即ち、リングを薄幅化することにより、リング溝に加わる面圧分布が、膨張行程には、リング溝下面の外周側に偏り、吸気行程には、リング溝上面の外周側に偏る傾向が強くなっている。リング溝にラッパ状摩耗が生じると高回転域においてフラッタリングが生じ、シール性が低下することにより、ブローバイ量及びオイル消費量が増加する。近年、エンジンの高出力化・可変動弁機構の発展に伴い、燃焼圧の増加・吸気行程中の筒内圧の低下が進んでおり、ラッパ状摩耗の進行がより深刻化している。
高回転高負荷膨張行程におけるリング挙動を安定化するために、従来からネジレ設計リングが提案されている。ネジレ設計リングは、図2に示すように、リング上側面内周をカットすることにより、リングを皿状にねじれさせている。そのため、高回転高負荷膨張工程において、図2(A)に示すように、リング下側面内周がリング溝下面と接触し、リング下側面側へのガス圧のまわり込みが抑えられ、ガス圧によりリングが溝下面側に充分押しつけられる。さらに、ピストンリング下側面のランド差圧受容面積も大きいため良好なシール性が得られる。一方、低筒内圧吸気行程(コースティング時、無負荷時等)においては、図2(B)に示すように、リング上側面がリング溝上面と線接触し、また、ピストンリング上側面のランド差圧受容面積も小さいため、リング上側面外周側のシール性は低い。ここで、筒内圧の低下により、トップランド側の圧力が低下し、セカンドランド側との圧力差が増加するため、オイルがセカンドランド側からトップランド側に吸い上げられる力が上昇し、オイル消費量が増加する。吸気行程における低筒内圧状態への対応として、上記とは逆にネジレを回避する設計がなされる事もある。しかし、現状では、薄幅化しつつ、高回転高負荷膨張行程と低筒内圧吸気行程のいずれにおいても優れたシール特性を発揮し得るピストンリングは実現されていない。
特開2005-171768(特許文献1)には、リング溝下面に、外周側に向かって溝幅が拡大するように傾斜角度の異なる2つの傾斜部を形成したピストンの構成が開示されている。この構成では、低負荷時には、ピストンリング下面が傾斜角度の小さい内周側傾斜部に面接触し、高負荷時には、傾斜角度の大きい外周側傾斜部に面接触することにより、低負荷時及び高負荷時ともにブローバイ及びオイル消費が低減できるとされている。しかし、特許文献1のようにリング溝を外開きにすると、高回転域でピストンリングの内周が浮き上がり、フラッタリングが生じることにより、シール特性が悪化する恐れがある。
また、特表2002-538373(特許文献2)には、リング溝側面の損傷を回避することを目的に、リング溝の側面を溝高さが外周に向かって拡大するように湾曲させたピストンの構成が開示されている。さらに、特許文献2には、リング溝側面に代えて、ピストンリングの側面をピストンリングの軸方向幅が外周に向かって減少するように湾曲させた構成でも同様の効果が獲得できることが示されている。しかし、リング溝を外開き形状とした場合には、特許文献1と同様に高回転域でのシール特性の悪化が問題となる。一方、リング側面を湾曲させた場合、リング溝との間に隙間が生じブローバイ量が増加する恐れがある。また、ピストンリングが傾いた時、薄幅化したピストンリング側面外周側の平坦部とセカンドランド上端部とが線接触することにより、リング内周側が浮き上がって側面シール性が低下する可能性もある。
特開2005-171768 特表2002-538373
従って、本発明の目的はピストンリング溝のラッパ状摩耗の発生を低減しつつ薄幅化でき、低筒内圧吸気行程及び高回転高負荷膨張行程のいずれにおいても優れたシール性を確保し得るコンプレッションリングを提供することである。
上記課題を解決するため、本発明のピストンリングは軸方向幅が外周側に向かって小さくなるように、ピストンリングの下側面を10'〜1°傾斜させたことを特徴とする。
本発明のピストンリングでは、リング溝に加わる面圧分布が平滑化されるため、ピストンリングの薄幅化に起因するリング溝のラッパ状摩耗の発生を低減することができる。また、本発明のピストンリングではリングの重心が内周側に偏っているため、重心を超えて内周側に傾き、リングの内周が浮き上がる現象が防止できる。そのため、高回転高負荷膨張行程においては、ピストンリング下側面内周側が初めにリング溝下面と接触し、その後も内周側の傾きが抑制されるため、ピストンリング下側面で充分なランド差圧受容面積を確保でき、優れた下面シール性が得られる。一方、低筒内圧吸気行程では、ピストンリング上側面内周側が初めにリング溝上面と接触し、その後も内周側の傾きが抑制されるため、ピストンリング上側面で充分なランド差圧受容面積を確保でき、優れた上面シール性が得られる。この結果、高回転高負荷膨張行程のみならず、低筒内圧吸気行程においても充分なシール性が確保され、オイル上がりが防止できる。
以下に図面を参照して本発明のピストンリングについて詳細に説明する。
図3は本発明のピストンリングの一例を示す。このピストンリングは、内周側から外周側に向かってリングの軸方向幅が小さくなるように、上側面及び下側面を傾斜させている。ここで、ピストンリングの傾斜角(逆キーストン角)θは10'〜1°とする。傾斜角度をこの範囲に設定することにより、リング溝側面で平滑な面圧分布が得られ、リング溝のラッパ状摩耗の発生を低減することができる。さらに、膨張行程及び吸気行程のいずれにおいても優れたシール特性が得られる。ピストンリング下側面の傾斜角度が10'未満であると均一な面圧分布が得られず、ラッパ状摩耗を低減する効果が充分得られない。一方、ピストンリングの傾斜角度が1°を超えると、リング側面が溝面に沿う状態までネジレ変形した際、特に外周がバレルフェース形状の場合には、リング外周上端又は下端のエッジ部でボアと摺動するためオイル上がりが増加する可能性がある。この傾斜角度は15'〜45'とするのが好ましく、20'〜45'とするのがより好ましい。
図3の構成では、側面全体に亘り傾斜部が形成されているが、加工性を考慮して、図4に示すように内周側にストレート部を備えた構成としてもよい。但し、側面全体に占める傾斜部の割合が多いほど膨張行程及び吸気行程におけるランド差圧受圧部10の面積が大きくなり、シール特性は向上する。従って、ストレート部と傾斜部の割合はシール特性及び加工性を考慮して適宜設計することが望ましい。径方向幅(a1寸法)全体に占める傾斜部の割合は60%以上が好ましく、80%以上がさらに好ましい。また、傾斜部の傾斜角度は、加工上可能な限り、全域に亘って、一様であることが望ましい。傾斜部に湾曲部や不連続部が存在するとリング溝との間に隙間が生じブローバイ量が増加する可能性が生じる。
以下に図5を参照して本発明のピストンリングのシール特性について説明する。図5(A)に示すように、膨張行程においては、ピストンリングの下側面内周側が初めにリング溝下面と接触する。この接触部にかかる力は、トップランド側の圧力P0とセカンドランド側の圧力P1の差(P0-P1)とランド差圧受圧部10の断面積との積に比例する。ここで、本発明のピストンリングは重心が内周側に偏っているため、重心を超えて傾いて内周側が浮き上がる現象が抑えられる。そのため、高回転高負荷膨張行程においても、ピストンリング下側面内周側とリング溝下面との接触が維持され、ピストンリング下側面に充分なランド差圧受容面積が確保できるため、優れた下面シール性が得られる。
一方、図5(B)に示すように、吸気行程においては、ピストンリング上側面内周側が初めにリング溝上面と接触する。ここでも、本発明のピストンリングでは内周側の浮き上がりが抑制されるため、ピストンリング上側面で充分なランド差圧受容面積を確保でき、優れた上面シール性が得られる。この結果、高回転高負荷膨張行程のみならず、低筒内圧吸気行程においても充分なシール性が確保でき、従来のネジレ設計リングで問題となっていたオイル上がりも防止できる。尚、図5では、上下側面の内周側にストレート部を備えたピストンリングを用いて説明しているが、側面全体が傾斜したピストンリングでも勿論、同様の効果が得られる。この場合、ピストンリング上下側面の内周端とリング溝上下側面とが接触するため、膨張行程及び吸気行程のいずれにおいてもランド差圧受圧面積をより大きくすることができ、さらに優れたシール特性が得られる。
図3〜図5では、ピストンリングの上側面及び下側面ともに傾斜させているが、本発明の効果は、ピストンリングの下側面を軸方向幅が外周側に向かって小さくなるように上記角度傾斜させることによって得られる。但し、ピストンリング上側面も下側面と同様、軸方向幅が外周側に向かって小さくなるように10'〜1°傾斜させるのが好ましい。この傾斜角度は15'〜45'とするのがより好ましく、20'〜45'とするのがさらに好ましい。ピストンリング上下側面とも上記角度傾斜させることにより、リング溝上下側面においてより平滑な面圧分布が得られるとともに、吸気行程において確実にランド差圧受圧面積を確保でき、より優れた上面シール性が得られる。
近年、ランド部が下向きに倒れた場合にも優れたオイル消費低減効果を確保するため、リング溝上下面を上向きに0〜10'程度傾けた略平行四辺形のリング溝が採用されている。このようなリング溝においても、ピストンリング下側面を10'〜1°傾斜させることにより、膨張行程においては、上述の通り、優れた下面シール特性が得られる。一方、吸気行程においては、ピストンリング上側面を平坦とした場合でも、リング溝上面とピストンリング上側面内周側が接触し、傾斜したリング溝上側面とピストンリング上側面との間に隙間が生じるため、ピストンリング上側面で充分なランド差圧受容面積を確保でき、優れた上面シール性が得られる。ここで、充分なランド差圧受容面積をより確実に確保するためには、ピストンリング上側面とリング溝上面との相対角度を10'〜1°とするのが好ましい。即ち、ピストンリング上側面を軸方向幅が外周側に向かって小さくなるように10'〜50'傾斜させる。
本発明では、ピストンリングの外周形状は特に限定されないが、図3に示すようなバレル形状とするのが好ましい。外周面をバレル形状とすることにより、焼き付け防止効果、ブローバイ及びオイル消費量の低減効果が得られる。ピストンリング側面を傾斜面とした本発明の構成を採用し、且つピストンリングの外周形状をバレル形状とすることにより、外周面全体がシリンダーと接触し一様に摩耗するため、長期間に亘り、外周面のバレル形状が維持できる。従来のバレル形状のピストンリングにおいては、使用中にバレルフェース中央部が摩耗して平行な面が現出することにより焼き付き、ブローバイの増加、オイルの掻き上げによるオイル消費量の増大等の問題が生じていたが、本構成により、これらの問題が解消され、長期間に亘り優れたシール特性を維持できる。
図6は、バレル量の異なるトップリングをピストンに装着して、オイル消費量を測定した結果を示す。バレル量の測定は「内燃機関−小径ピストンリング第2部:測定方法 JIS B 8032−2:1998」に記載の3.2.11外周バレルa)A法に従った。ここで、オイル消費量は、バレル量が6μmの時のオイル消費量を100として相対比で表している。実験には水冷4サイクルの自然吸気式ガソリンエンジンを用いて、エンジン回転数6000rpmで評価を行った。図6より、トップリングのバレル量が1μm〜5μmの範囲で、優れたオイル消費低減効果が得られ、1.5μm〜2.5μmではさらに優れたオイル消費低減が得られることが確認できた。バレルフェースの曲率半径(R)は12.5mm〜20mmが好ましい。また、バレル形状の外周面と側面の傾斜部との間には図3に示すように面取を施してもよい。
ピストンリング外周面がバレル形状の場合、ピストンリング外周上端の接線角(以下、「α」という。)が、エンジン静止状態におけるピストンリング下側面とピストンリング溝下面との相対角(以下、「β」という。)と、ランド変形による倒され角度(以下、「γ」という。)との和より大きく設定されることが望ましい。ここで、αとは、ピストンリング外周上端の接線とピストン軸線(ボア面)とのなす角度をいう。また、γとは、エンジン静止状態におけるピストンリング溝下面とエンジン運転時におけるピストンリング溝下面との差である。通常、ピストンリング溝下面は運転時には静止状態より、下側に倒される。βとリング外周面主摺動角とは、ほぼ比例関係にあり、βが0分の時の外周面主摺動角が、ランド変形による倒され角度にほぼ一致する。
αをβとγとの和より大きく設定することにより、ピストンリング外周の上端当たりによるオイルの掻き上げが抑制される。図7は、αと(β+γ)との差{α−(β+γ)}とオイル消費量との関係を確認したものである。実験には水冷4サイクルの自然吸気式ガソリンエンジンを用いて、エンジン回転数6000rpmで評価を行った。αとβ+γとの差が小さいほど、即ち、α−(β+γ)が0に近いほどオイル消費量は減少する。但し、α−(β+γ)が0になるとオイル消費量が急増する傾向があり、α−(β+γ)は10分から60分に設定するのがより好ましい。
外周形状がバレルフェース形状の場合、上下面の逆キーストン角を適正に設定することにより、リング側面が、溝面に添う状態までネジレ変形を起こしても、リング外周上部あるいは下部のエッジ部でボアと摺動することはなく、オイル上がりの増加を防止できる。この時の、逆キーストン角(θ)の概略値としては、リング幅寸法をh、バレルフェース形状の曲率半径をR、上下端面取りをC、ランド変形による倒され角度をγとすると下式で表される。
θ=[tan-1{(0.5h-C)/R}]−γ
これは、リング側面が溝に添う状態までネジレ変形をした際のバレルフェース上下端がボアと接触する条件を近似したもので、理想的な外周バレルフェース形状を、バレル頂点を原点とする2次曲線近似し、(x2+(y-R)2=R2 ,x>>y → y2≒0, x2 −2Ry=0 )
y=(2R)-1 x2
その微分により、外周上の任意の点における接線の傾きを求め、
y’=R-1 x
バレル上下端 (0.5h-C)における接線角を近似したものである。
θ+γ=tan-1{R-1(0.5h-C)}= tan-1{(0.5h-C)/R}
この関係式から、新品状態の薄幅リングの寸法を h=1.0mm,R=15mm,C=0.15mm,γ=20'(分)とすると
θ=80'-20'=60’(1°)
が得られる。また、同様にh=0.8mm,R=20mm,C=0.10mm,γ=20'とすると
θ=52'-20'=32.0’
が得られる。
この結果、標準的な薄幅リング仕様において、本発明のピストンリングを採用することにより、ピストンリングエッジ部でのオイルの掻き上げによるオイル上がりが防止され、オイル消費量を低減できることがわかる。
尚、外周面がテーパ形状の場合には、テーパ面とボア面とのなす角ηをテーパ角度として、
θ+γ=η
と表すことができる。
ここで、η=60’,γ=20’とするとθ=40’が得られる。
本発明の効果を以下の実施例によりさらに詳細に説明する。
図8(A)及び(B)には、傾斜角度がそれぞれ20'及び40'の傾斜部を上下側面ほぼ全域に亘り形成したピストンリングを用いた場合の応力分布をFEM解析により求めた結果を示す(実施例1,2)。ここで、リング溝を剛体壁としてピストンリングの合口反対部を拘束した状態で、上向きに16.7Nのフリクション、下向きに157Nの慣性力及びピストンリング内周面及び上側面に垂直な方向に6.8MPaの燃焼圧を負荷した時に、リング溝下面にかかる面圧を求めた。
また、比較として、上下側面がほぼ平坦なピストンリングについて同様の条件でFEM解析を行った結果を図9に示す(比較例1)。実施例1,2及び比較例1とも小型エンジン向けピストンリングで、リング幅h1は1mm,厚さ(径方向幅)a1は2.3mmとした。
図9より、断面がほぼ矩形の比較例においては、内周側から外周側に向かって、リング溝下面に加わる面圧が上昇し、外周側での面圧上昇率が大きくなることが確認された。これに対して、実施例1及び2では、外周側における面圧の上昇が緩和され、リング溝に加わる面圧が平滑化されていることがわかった(図8(A)(B))。
比較例1、実施例1及び2のピストンリングを作製し、ピストンのリング溝に装着し、水冷4サイクルの自然吸気式ガソリンエンジンを使用してオイル消費量とブローバイ量の測定を行った。運転条件は、最高出力点での連続運転、無負荷状態での連続運転、及び100km/hrのロードロード(Road-Load)条件とした。ここで、ピストンのリング溝の寸法はピストンリングの寸法に対応させ、リング溝の上下側面はほぼ平坦な面とした。尚、実施例1及び2のピストンリング上下側面の加工にはキーストン研削盤を用い、テーブル角度を調整して、上記角度に傾斜させた。いずれの運転条件でも、実施例のピストンリングを用いることにより、比較例1のピストンリングを用いた時に比べ、オイル消費量が低減することがわかった。比較例のピストンリングを用いた時のオイル消費量を100とすると実施例1のピストンリングでは約50、実施例2のピストンリングでは60〜70となった。一方、ブローバイ量については、比較例1、実施例1及び2のピストンリングの違いによる顕著な差異は認められなかった。
実施例2のピストンリングを作製し、ピストンのリング溝に装着して、所定時間耐久試験を行った。比較として、比較例1のピストンリングとリング幅及びリング厚さが同じで、リング上側面内周をカットした(インターナルベベル)形状のピストンリング(比較例2)についても同様に耐久試験を行った。図10(A)及び(B)にそれぞれ比較例2及び実施例2のピストンリングを用いて耐久試験を行った後のピストンリング溝下面の形状を示す。また、ピストンリング溝下面に加わる面圧をFEM解析により求めた結果も示す。比較例2のピストンリングでは、外周側に向かってリング溝下側面に加わる面圧が増加する傾向が認められ、耐久試験後のリング溝下面の形状は、面圧分布に対応してラッパ状に摩耗していることが確認された。
一方、実施例2のピストンリングでは、耐久試験後の溝形状は平坦となっており、リング溝に加わる面圧分布が平滑化されることにより、リング溝のラッパ状摩耗が抑制されることが確認された。本発明のピストンリングでは、リング溝のラッパ状摩耗の発生を抑制できるため、長期間に亘って優れたシール特性を維持できると考えられる。
耐久運転前のリング溝及び耐久運転後にラッパ状摩耗が発生したリング溝を示す断面図である。 従来のピストンリングの圧縮行程及び膨張行程の挙動を示す縦断面図である。 本発明のピストンリングの一例を示す断面図である。 本発明のピストンリングの別の例を示す断面図である。 本発明のピストンリングの圧縮行程及び膨張行程の挙動を示す縦断面図である。 ピストンリング外周面のバレル量とオイル消費量との関係を示す図である。 α−(β+γ)とオイル消費量との関係を示す図である。 実施例1及び2のFEM解析結果を示す図である。 比較例1のFEM解析結果を示す図である。 比較例2(A)及び実施例2(B)のFEM解析結果及び耐久試験後のリング溝形状を示す図である。
符号の説明
10・・・ランド差圧受圧部
20・・・側面シール部

Claims (1)

  1. 軸方向幅が外周側に向かって小さくなるようにピストンリングの下側面を10'〜1°傾斜させたことを特徴とするピストンリング。
JP2006274545A 2005-10-06 2006-10-06 ピストンリング Pending JP2007127120A (ja)

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