JP2007120520A - ダンパスプリングを備えるクラッチ - Google Patents
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Abstract
【課題】クラッチの重量増を抑制して、トルク変動時に発生するクラッチアウタの倒れを効果的に抑制することができるクラッチを提供する。
【解決手段】クラッチCは、被動ギヤ1に入力されるトルクをクラッチアウタ2に伝達するダンパスプリング3と、軸方向で被動ギヤ1とクラッチアウタ2との間に配置されて被動ギヤ1に対するクラッチアウタ2の軸方向での位置の変動を規制するスラストワッシャ8とを備える。スラストワッシャ8は、ダンパスプリング3よりも径方向外方のみに配置される。
【選択図】図1
【解決手段】クラッチCは、被動ギヤ1に入力されるトルクをクラッチアウタ2に伝達するダンパスプリング3と、軸方向で被動ギヤ1とクラッチアウタ2との間に配置されて被動ギヤ1に対するクラッチアウタ2の軸方向での位置の変動を規制するスラストワッシャ8とを備える。スラストワッシャ8は、ダンパスプリング3よりも径方向外方のみに配置される。
【選択図】図1
Description
本発明は、入力回転体に入力されるトルクをクラッチアウタに伝達するダンパスプリングを備えるクラッチに関し、該クラッチは、例えば車両に搭載されて、内燃機関の動力が伝達される動力伝達装置に備えられる。
ダンパスプリングを備えるクラッチとして、例えば特許文献1に開示されたものがある。このクラッチでは、内燃機関のクランク軸に固着されたプライマリドライブギヤと噛合するプライマリドリブンギヤと、クラッチアウタとの間にスラストワッシャが介装される。そして、該スラストワッシャは、コイルバネからなるダンパーよりも径方向内方に配置される。
特開平5−248512号公報
前記従来技術では、プライマリドリブンギヤからダンパスプリング(ダンパー)に作用するトルクの作用点と、プライマリドリブンギヤからダンパスプリングを介してクラッチアウタに作用するトルクの作用点とが、軸方向でオフセットしているため、急激なトルク変動時に、プライマリドリブンギヤの回転中心線に対してクラッチアウタの回転中心線が偏倚する現象(以下、「クラッチアウタの倒れ」という。)が発生する。そして、クラッチアウタの倒れの度合いは、前述のオフセット量が大きくなるほど大きくなる。
このようなクラッチアウタの倒れは、前記従来技術のスラストワッシャである程度抑制されるものの、さらにクラッチアウタの倒れを抑制するためにはクラッチアウタにおける被支持部(例えば、プライマリドリブンギヤに嵌合するボス部)の剛性を高めることが必要であり、その場合にはクラッチの重量増を招来する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、請求項1〜3記載の発明は、クラッチの重量増を抑制して、トルク変動時に発生するクラッチアウタの倒れを効果的に抑制することができるクラッチを提供することを目的とする。そして、請求項2記載の発明は、さらに、ダンパスプリングによるダンパ特性の安定化の向上を図ることを目的とし、請求項3記載の発明は、クラッチを軸方向で大型化することなくダンパスプリングよりも径方向内方に容積が大きいオイル流入空間を形成することにより、入力回転体、クラッチアウタおよび規制部材間の摺動部の潤滑性の向上を図ることを目的とする。
請求項1記載の発明は、入力回転体と、クラッチアウタと、前記入力回転体に入力されるトルクを前記クラッチアウタに伝達するダンパスプリングと、軸方向で前記入力回転体と前記クラッチアウタとの間に配置されて前記入力回転体に対する前記クラッチアウタの軸方向での位置の変動を規制する規制部材とを備えるクラッチにおいて、前記規制部材は、前記ダンパスプリングよりも径方向外方のみに配置されるクラッチである。
これによれば、クラッチアウタの軸方向での位置規制が、回転中心線から離れたクラッチアウタの外周寄りで行われるので、規制部材がダンパスプリングよりも径方向内方に配置される場合に比べて、軸方向でのクラッチアウタの位置変動が効果的に抑制される。しかも、軸方向で入力回転体とクラッチアウタとの間において規制部材はダンパスプリングの外側のみにあるので、クラッチの重量増の抑制または軽量化に寄与する。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のクラッチにおいて、互いに接触する前記入力回転体および前記規制部材の接触面の少なくとも一方にオイル溝が設けられものである。
これによれば、オイル溝のオイルにより、入力回転体と規制部材との間の摩擦力が減少して、入力回転体とクラッチアウタとの相対回転時に、入力回転体および規制部材間の摺動が円滑になる。
請求項3記載の発明は、請求項1記載のクラッチにおいて、軸方向で前記入力回転体と前記クラッチアウタとの間で、前記ダンパスプリングよりも径方向内方には、前記入力回転体、前記クラッチアウタおよび前記規制部材間の互いの摺動部を潤滑するオイルが供給されるオイル流入空間が形成され、前記オイル流入空間の軸方向での最小幅は、前記規制部材において前記入力回転体および前記クラッチアウタに接触する部分の軸方向での最大厚みよりも大きいものである。
これによれば、軸方向で入力回転体とクラッチアウタとの間には、軸方向での最小幅が規制部材の最大厚みよりも大きいことで、容積が大きいオイル流入空間が形成されるので、豊富なオイルにより入力回転体、クラッチアウタおよび規制部材間の互いの摺動部が潤滑される。しかもオイル流入空間には規制部材などの部材が設けられないので、クラッチを軸方向で大型化することなく大きな容積のオイル流入空間が形成される。
請求項1記載の発明によれば、次の効果が奏される。すなわち、クラッチの重量増の抑制または軽量化が行われたうえで、クラッチアウタの倒れが効果的に抑制される。
請求項2記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、入力回転体および規制部材間の摺動が円滑になるので、ダンパスプリングによるダンパ特性の安定性が向上する。
請求項3記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、クラッチを軸方向で大型化することなく、オイル流入空間の豊富なオイルにより、入力回転体、クラッチアウタおよび規制部材の間での摺動部が潤滑されるので、それら摺動部の潤滑性が向上する。
請求項2記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、入力回転体および規制部材間の摺動が円滑になるので、ダンパスプリングによるダンパ特性の安定性が向上する。
請求項3記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、クラッチを軸方向で大型化することなく、オイル流入空間の豊富なオイルにより、入力回転体、クラッチアウタおよび規制部材の間での摺動部が潤滑されるので、それら摺動部の潤滑性が向上する。
以下、本発明の実施形態を図1を参照して説明する。
図1(A)を参照すると、本発明が適用されたクラッチである多板摩擦式クラッチCは、多気筒4ストローク内燃機関および歯車式変速機Mと共にパワーユニットを構成し、該パワーユニットは車両としての自動2輪車に搭載される。変速機Mでは、メイン軸31およびカウンタ軸32に設けられる変速用歯車で構成される複数組の歯車列のなかから変速操作を通じて選択された歯車列により設定される変速比が確立される。そして、前記内燃機関が発生するトルクは、動力源としての前記内燃機関の出力軸であるクランク軸から、クラッチCと変速機Mと終減速装置とから構成される動力伝達装置を介して後輪に伝達されて、後輪を駆動する。
図1(A)を参照すると、本発明が適用されたクラッチである多板摩擦式クラッチCは、多気筒4ストローク内燃機関および歯車式変速機Mと共にパワーユニットを構成し、該パワーユニットは車両としての自動2輪車に搭載される。変速機Mでは、メイン軸31およびカウンタ軸32に設けられる変速用歯車で構成される複数組の歯車列のなかから変速操作を通じて選択された歯車列により設定される変速比が確立される。そして、前記内燃機関が発生するトルクは、動力源としての前記内燃機関の出力軸であるクランク軸から、クラッチCと変速機Mと終減速装置とから構成される動力伝達装置を介して後輪に伝達されて、後輪を駆動する。
メイン軸31において、メイン軸31およびカウンタ軸32を軸受33,34を介して回転可能に支持するハウジングとしてのミッションケース35から突出した軸端部31aに設けられてメイン軸31の回転中心線と一致する回転中心線Lを有するクラッチCは、前記クランク軸からのトルクが入力される入力回転体としての被動ギヤ1と、被動ギヤ1からのトルクが伝達されるクラッチアウタ2と、被動ギヤ1とクラッチアウタ2との間に配置されて被動ギヤ1のトルクをクラッチアウタ2に伝達すると共にダンパ機能を有するダンパスプリング3と、互いに摩擦係合可能な入力側クラッチ板5および出力側クラッチ板6を介して伝達されるクラッチアウタ2からのトルクをメイン軸31に伝達するクラッチインナ4と、クラッチ板5およびクラッチ板6を接離させるプレッシャプレート7と、軸方向で被動ギヤ1とクラッチアウタ2との間に配置されて被動ギヤ1に対するクラッチアウタ2の軸方向での位置の変動を規制する規制部材としてのスラストワッシャ8とを備える。
なお、明細書および特許請求の範囲において、軸方向、径方向および周方向は、それぞれ、クラッチCの回転中心線Lに平行な方向、該回転中心線Lを中心とする径方向および周方向を意味する。
駆動軸としての前記クランク軸に一体回転可能に結合される駆動ギヤ9と噛合して該駆動ギヤ9と共に1次減速機構を構成する被動ギヤ1は、メイン軸31の外周に回転可能に嵌合するカラー11および該カラー11の外周に配置される軸受としてのニードル軸受12を介して、被動軸としてのメイン軸31に同軸に回転可能に支持される。被動ギヤ1は、ニードル軸受12の外周に嵌合するボス部1aと、駆動ギヤ9と噛合する歯が形成されたリム部1bと、ボス部1aとリム部1bとを連結するウェブ部1cとを有する。
クラッチインナ4を囲繞すると共に被動ギヤ1を介してメイン軸31に同軸に回転可能に支持される有底円筒状のクラッチアウタ2は、メイン軸31と同軸のボス部1aの外周に回転可能に嵌合するボス部2aと、クラッチ板5が一体回転可能に嵌合する外周部2bと、ボス部2aおよび外周部2bを連結する底部2cとを有する。
コイルスプリングからなる複数のダンパスプリング3は、ウェブ部1cに周方向に間隔をおいて設けられた複数の保持孔13および底部2cに各保持孔13と整合する位置に形成された複数の保持凹部14にそれぞれ圧縮された状態で収容されて周方向で保持される。また、ウェブ部1cに周方向で保持孔13を挟んで間隔をおいて設けられた複数の貫通孔15には、底部2cに周方向に間隔をおいて設けられた柱状の突出部16が貫通している。各突出部16の先端には、被動ギヤ1を挟んでクラッチアウタ2とは反対側に配置された環状のプレート部材からなる保持部材17が、リベット18により固着される。各ダンパスプリング3は、軸方向でクラッチアウタ2および保持部材17により、軸方向での移動が制限された状態で保持される。
そして、各ダンパスプリング3は、被動ギヤ1とクラッチアウタ2との間で周方向に伸縮可能であり、被動ギヤ1とクラッチアウタ2との間に急激なトルク変動が発生したとき、トルク変動の大きさに応じて変形することにより、被動ギヤ1とクラッチアウタ2と間での僅かな相対回転を許容すると共にトルクショックを減衰させる。
また、軸方向での各ダンパスプリング3の中心Pは、保持孔13においてクラッチアウタ2寄りまたは保持孔13と保持凹部14との間に位置し、各ダンパスプリング3の弾発力が作用する被動ギヤ1およびクラッチアウタ2における作用点の位置は、ダンパスプリング3の中心Pから軸方向でオフセットしている。このように、中心Pが被動ギヤ1に対してクラッチアウタ2寄りに軸方向でオフセットしていることにより、軸方向で反クラッチアウタ2側(ミッションケース35側)へのダンパスプリング3の突出量を減少することができるので、被動ギヤ1、ひいてはクラッチCをミッションケース35に近接して配置することができ、軸方向でクラッチCをコンパクトに配置することができる。
軸端部31aで両ボス部1a,2aよりも先端寄りに配置されるクラッチインナ4は、メイン軸31にスプライン嵌合するボス部4aと、クラッチ板5と交互に積層された複数のクラッチ板6が一体回転可能に嵌合する外周部4bとを有する。
カラー36を介して軸端部31aに回転可能に支持されてオイルポンプを駆動する伝動機構を構成する駆動スプロケット37と被動ギヤ1とは、クラッチインナ4とメイン軸31の段部31bに当接する軸受33との間に配置されて、軸端部31aの先端部に螺合されるナット38により、軸方向での移動が規制される。
プレッシャプレート7は、クラッチインナ4と共に回転するプレッシャプレート7を回転可能に支持するプッシュロッド20を備えるリレーズ機構により操作される。プレッシャプレート7は、クラッチインナ4との間に配置されるクラッチスプリング19の弾発力により、クラッチ板5,6を押圧し、この押圧状態にあるクラッチ板5,6間の摩擦により、クラッチCはクラッチアウタ2およびクラッチインナ4間でトルクを伝達する接続状態になる。そして、操作されたプッシュロッド20が、クラッチスプリング19の弾発力に抗してプレッシャプレート7を軸方向に移動させて、クラッチ板5,6に作用する弾発力を解除することにより、クラッチ板5,6間の摩擦係合が解除されて、クラッチCはクラッチアウタ2およびクラッチインナ4間でトルクを伝達しない切断状態になる。
図1(B)を併せて参照すると、鉄基合金からなる被動ギヤ1および軽金属基合金からなるクラッチアウタ2が軸方向で接触する円環状のスラストワッシャ8は、鉄基合金から形成され、被動ギヤ1と保持部材17との間に介在する付勢手段としての皿バネ23の付勢力により、ウェブ部1cに設けられる環状の接触部21,22および底部2cに設けられる環状の接触部21,22で軸方向に挟み付けられている。このため、スラストワッシャ8は、その両接触面8a,8bにおいて、両接触部21,22の接触面21a,22aにそれぞれに押し付けられた状態で接触する。それゆえ、スラストワッシャ8は、被動ギヤ1に対するクラッチアウタ2の軸方向での位置を規定する位置決め部材でもある。
そして、被動ギヤ1とクラッチアウタ2との軸方向での間において、クラッチアウタ2の軸方向での位置変動を規制する規制部材および軸方向でのクラッチアウタ2の位置決め部材が、スラストワッシャ8のように、ダンパスプリング3よりも径方向外方のみに設けられることから、ダンパスプリング3よりも径方向内方には、ボス部1aとの間に、軸方向での最小幅W2が、スラストワッシャ8において被動ギヤ1およびクラッチアウタ2に接触する部分の軸方向での最大厚み、すなわち両接触面8a,8b間の軸方向での最大厚みW1よりも大きい環状のオイル流入空間25が、周方向での過半の範囲で形成される。そして、該オイル流入空間25には、各貫通孔15が開放している。
オイル流入空間25には、前記オイルポンプから吐出されたオイルが、ミッションケース35に設けられた油路を通ってメイン軸31に設けられた油路26に供給された後、さらに油路26からカラー11に設けられた径方向孔からなる油路27、ニードル軸受12内の空間およびボス部1aに設けられた径方向孔からなる油路28を通じて供給される。このオイル流入空間25内には、軸方向で被動ギヤ1とクラッチアウタ2との間に、被動ギヤ1に対するクラッチアウタ2の軸方向での位置を規制する部材など、被動ギヤ1およびクラッチアウタ2とは別個の部材が配置されていないので、オイル流入空間25は、前記別個の部材が配置される場合に比べて比較的大きな容積の空間であり、その分、多量のオイルが存在する空間となる。そして、オイル流入空間25内に油路から流入した豊富なオイルは、被動ギヤ1のボス部1aとクラッチアウタ2のボス部2a、スラストワッシャ8と両接触部21,22、ダンパスプリング3と保持凹部14および保持部材17との摺動部など、被動ギヤ1、クラッチアウタ2、スラストワッシャ8、ダンパスプリング3および保持部材17の間での摺動部の潤滑を行う。
このうち、被動ギヤ1とスラストワッシャ8との摺動部である両接触面21a,8aの少なくとも一方、この実施形態では、接触面21aには、周方向に延びるオイル溝29が設けられる。各貫通孔15は、スラストワッシャ8の内径の1/2よりも大きくその外径の1/2よりも小さい径方向位置に、回転中心線Lからの最遠部分25aを有することから、スラストワッシャ8は各貫通孔15を周方向で横切る大きさを有する。このため、オイル溝29は、各貫通孔15により分断された弧状の溝であり、周方向で隣接する貫通孔15の間に、1本または複数本ずつ、この実施形態では1本ずつ設けられる。
そして、オイル溝29の、貫通孔15に開放する両端の開口のうち、クラッチCの回転方向において回転方向側の開口29aから、オイル流入空間25に放出されたオイルの一部が貫通孔15を通って流入する。開口29aからオイル溝29に流入したオイルは、両接触面8a,21aを潤滑しながらオイル溝29を流通し、反回転方向側の開口から別の貫通孔15に流出する。このため、クラッチCの回転時には、両接触面8a,21aはオイル溝29を常時流通するオイルにより潤滑される。
次に、前述のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。
クラッチCにおいて、スラストワッシャ8は、軸方向で被動ギヤ1とクラッチアウタ2との間において、ダンパスプリング3よりも径方向外方のみに配置されることにより、クラッチアウタ2の軸方向での位置規制が、回転中心線Lから離れたクラッチアウタ2の外周寄りで行われるので、スラストワッシャがダンパスプリング3よりも径方向内方に配置される場合に比べて、ダンパスプリング3の中心Pが被動ギヤ1に対してクラッチアウタ2寄りに軸方向でオフセットしている場合にも、軸方向でのクラッチアウタ2の位置変動が効果的に抑制されて、クラッチアウタ2の倒れが効果的に抑制され、さらにクラッチアウタ2の外周部2bが遠心力により拡開することが抑制される。しかも、スラストワッシャ8は、軸方向で被動ギヤ1とクラッチアウタ2との間においてダンパスプリング3よりも外側のみにあるので、クラッチCの重量増の抑制または軽量化に寄与する。
クラッチCにおいて、スラストワッシャ8は、軸方向で被動ギヤ1とクラッチアウタ2との間において、ダンパスプリング3よりも径方向外方のみに配置されることにより、クラッチアウタ2の軸方向での位置規制が、回転中心線Lから離れたクラッチアウタ2の外周寄りで行われるので、スラストワッシャがダンパスプリング3よりも径方向内方に配置される場合に比べて、ダンパスプリング3の中心Pが被動ギヤ1に対してクラッチアウタ2寄りに軸方向でオフセットしている場合にも、軸方向でのクラッチアウタ2の位置変動が効果的に抑制されて、クラッチアウタ2の倒れが効果的に抑制され、さらにクラッチアウタ2の外周部2bが遠心力により拡開することが抑制される。しかも、スラストワッシャ8は、軸方向で被動ギヤ1とクラッチアウタ2との間においてダンパスプリング3よりも外側のみにあるので、クラッチCの重量増の抑制または軽量化に寄与する。
互いに接触する被動ギヤ1およびスラストワッシャ8の接触面21a,8aの少なくとも一方である接触面21aにオイル溝29が設けられることにより、オイル溝29のオイルで、被動ギヤ1の接触部21とスラストワッシャ8との間の摩擦力が減少して、被動ギヤ1とクラッチアウタ2との相対回転時に、被動ギヤ1およびスラストワッシャ8間の摺動が円滑になるので、ダンパスプリング3によるダンパ特性の安定性が向上する。
軸方向で入力回転体とクラッチアウタ2との間で、ダンパスプリング3よりも径方向内方には、オイルが供給される環状のオイル流入空間25が形成され、オイル流入空間25の軸方向での最小幅W2は、周方向での過半の範囲でスラストワッシャ8の最大厚みW1よりも大きいことにより、軸方向でスラストワッシャ8とクラッチアウタ2との間には、最小幅W2が最大厚みW1よりも大きいことで、容積が大きいオイル流入空間25が形成されることから、豊富なオイルにより被動ギヤ1、クラッチアウタ2、スラストワッシャ8、ダンパスプリング3および保持部材17の間での摺動部が潤滑されて、その潤滑性が向上する。しかも、オイル流入空間25には、スラストワッシャなど、被動ギヤ1およびクラッチアウタ2とは別個の部材が設けられないので、クラッチCを軸方向で大型化することなく大きな容積のオイル流入空間25が形成される。
オイル溝29は貫通孔15を介してオイル流入空間25に連通していることにより、豊富なオイルが存在するオイル流入空間25からオイル溝29に十分な量のオイルが流入可能であるので、接触部21とスラストワッシャ8との間での潤滑性が一層向上する。
以下、前述した実施形態の一部の構成を変更した実施形態について、変更した構成に関して説明する。
ダンパスプリング3の中心Pは、軸方向で保持凹部14内に位置してもよい。
クラッチCは、車両用以外の動力伝達装置に使用されてもよく、さらに動力伝達装置には変速機が備えられていなくてもよい。
ダンパスプリング3の中心Pは、軸方向で保持凹部14内に位置してもよい。
クラッチCは、車両用以外の動力伝達装置に使用されてもよく、さらに動力伝達装置には変速機が備えられていなくてもよい。
1…被動ギヤ、2…クラッチアウタ、3…ダンパスプリング、4…クラッチインナ、8…スラストワッシャ、29…オイル溝、C…クラッチ。
Claims (3)
- 入力回転体と、クラッチアウタと、前記入力回転体に入力されるトルクを前記クラッチアウタに伝達するダンパスプリングと、軸方向で前記入力回転体と前記クラッチアウタとの間に配置されて前記入力回転体に対する前記クラッチアウタの軸方向での位置の変動を規制する規制部材とを備えるクラッチにおいて、
前記規制部材は、前記ダンパスプリングよりも径方向外方のみに配置されることを特徴とするクラッチ。 - 互いに接触する前記入力回転体および前記規制部材の接触面の少なくとも一方にオイル溝が設けられることを特徴とする請求項1記載のクラッチ。
- 軸方向で前記入力回転体と前記クラッチアウタとの間で、前記ダンパスプリングよりも径方向内方には、前記入力回転体、前記クラッチアウタおよび前記規制部材間の互いの摺動部を潤滑するオイルが供給される環状のオイル流入空間が形成され、前記オイル流入空間の軸方向での最小幅は、周方向での過半の範囲で前記規制部材において前記入力回転体および前記クラッチアウタに接触する部分の軸方向での最大厚みよりも大きいことを特徴とする請求項1記載のクラッチ。
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