JP2007115463A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池スタックへ流体を分配するマニホールド内に昇温装置を設置して冷却水を加熱することのできる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】本発明の燃料電池システム1は、燃料電池スタック2へ流体を分配するマニホールド3を備え、このマニホールド3は、燃料ガスを分配する燃料ガス層3aと、冷却水を分配する冷却水層3bと、酸化剤ガスを分配する酸化剤ガス層3cとを積層させた構造をしており、冷却水層3bに昇温装置10を設置したことを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明の燃料電池システム1は、燃料電池スタック2へ流体を分配するマニホールド3を備え、このマニホールド3は、燃料ガスを分配する燃料ガス層3aと、冷却水を分配する冷却水層3bと、酸化剤ガスを分配する酸化剤ガス層3cとを積層させた構造をしており、冷却水層3bに昇温装置10を設置したことを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
本発明は、燃料電池スタックへ流体を分配するマニホールドを備えた燃料電池システムに係り、特にマニホールドで冷却水を加熱する燃料電池システムに関する。
燃料電池システムは、イオン導電性の材料に燃料ガスとなる水素ガスと酸化剤ガスとなる空気を供給することによって生じる電気化学反応を利用した発電手段である。この電気化学反応は発熱反応であるため、燃料電池システムには通常冷却水を循環させる必要がある。
一方で、燃料電池システムが低温の状態では発電効率が著しく低下するため、速やかに燃料電池システムを昇温する必要がある。
そこで、従来では特開平8−306380号公報(特許文献1)に開示されているように、燃料電池システムの停止時に燃料電池システム全体を加熱して保温する方法が行なわれていた。また、別の方法としては特公平7−7674号公報(特許文献2)に開示されているように、発電手段の内部に昇温手段を設置する方法も行なわれていた。
そして、一般的には冷却水循環流路中に別に昇温手段を設置し、この昇温手段によって暖められた冷却水を循環させて加熱する方法が行なわれていた。
特開平8−306380号公報
特公平7−7674号公報
上述した特許文献1に開示された従来例では、燃料電池システムの停止時に燃料電池システム全体を加熱保温する必要があるので、例えば自動車のような移動体に燃料電池システムを搭載する場合には、加熱保温のために大きな二次電池を搭載するか、あるいは外部電源を用意するなどの必要があり、実用には適していない。
また、特許文献2に開示された従来例のように、内部マニホールドに昇温手段を設置すると、内部マニホールド部を大型化しなければならない。このため、限られた空間にシステムを配設しなければならない移動体に搭載する場合には、燃料電池本体を小さくしなければならず、燃料電池システムの出力低下などの課題が考えられる。
さらに、循環流路中に別の昇温手段を設置した場合には、暖められた水が任意の長さの流路を流通していく必要があり、その間に温度が低下して効率的に燃料電池スタックを昇温することができないという課題が考えられる。
上述した課題を解決するために、本発明の燃料電池システムは、燃料ガスと酸化剤ガスとを電気化学反応により反応させて発電する燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックへ流体を分配するマニホールドとを備えた燃料電池システムであって、前記マニホールドは、燃料ガスを分配する燃料ガス層と、酸化剤ガスを分配する酸化剤ガス層と、冷却水を分配する冷却水層とを積層させた構造をしており、前記冷却水層に昇温手段を設置したことを特徴とする。
本発明に係る燃料電池システムでは、マニホールドが燃料ガス層と酸化剤ガス層と冷却水層とを積層させた構造をしており、このうち冷却水層に昇温手段を設置したので、燃料電池スタックに最も近い箇所で冷却水を昇温することができる。このため、流通途中での温度低下を生じることなく、また加熱のための大きな二次電池や外部電源を用意することなしに、始動直後から高効率で燃料電池システムを運転することができる。また、昇温手段のための空間を特別に設けることなく冷却水を昇温できるので、限られた空間に搭載する必要がある自動車などの移動体ではスペース効率を有利にすることができる。
以下、本発明に係わる燃料電池システムを実施するための最良の形態となる実施例について説明する。
以下、本発明の実施例1を図面に基づいて説明する。図1は実施例1に係る燃料電池システムの構成を示す斜視図である。
図1に示すように、本実施例の燃料電池システム1は、燃料ガスと酸化剤ガスとが供給されて電気化学反応により発電する燃料電池スタック2と、燃料電池スタック2に燃料ガスや酸化剤ガス、冷却水などの流体を供給及び排出するマニホールド3とを備えている。
ここで、燃料電池スタック2は、複数の燃料電池スタック2A、2Bから構成され、各燃料電池スタック2A、2Bは燃料電池単セルとセパレータとを垂直方向に積層して形成されている。そして、各燃料電池単セルは電解質膜をアノード側電極とカソード側電極とで挟んで構成されている。尚、本実施例では燃料電池スタックが2列ある場合を一例として説明するが、燃料電池スタックが3列以上ある場合でも同様の効果を得ることができる。
このような構成の燃料電池スタック2では、アノードに燃料ガスである水素ガスが供給され、カソードに酸化剤ガスである空気が供給されて以下に示す電気化学反応によって発電が行われている。
アノード(燃料極): H2→2H++2e- (1)
カソード(酸化剤極):2H++2e-+(1/2)O2→H2O (2)
ここで、本実施例の燃料電池システム1では、燃料電池として固体高分子タイプの燃料電池を用いている。固体高分子タイプの燃料電池は、電解質膜として固体高分子膜を用いたものであり、高エネルギー密度化、低コスト化、軽量化等の点で優れている。固体高分子電解質膜は、例えばフッ素樹脂系イオン交換膜等のイオン(プロトン)伝導性の高分子膜からなるものであり、飽和含水することによりイオン伝導性電解質として機能する。各燃料電池単セルでは、1V程度の電圧を発電するため、一般に使用する場合には燃料電池単セルをカーボンや金属でできたセパレータで挟んで複数積層することによって燃料電池スタックを形成し、所望の電圧を得るようにしている。コージェネレーション用などの定置式燃料電池システムの場合には、比較的設置空間に余裕があるため、セルの積層枚数を増やすことが容易である。一方、設置空間が狭く定置式に比べ配設自由度の低い車両に燃料電池システムを搭載する場合には、燃料電池スタックを複数個電気的に直列に接続し、セルの積層枚数を増加させた場合と同じ効果を得るようにすることが一般的に行なわれている。
カソード(酸化剤極):2H++2e-+(1/2)O2→H2O (2)
ここで、本実施例の燃料電池システム1では、燃料電池として固体高分子タイプの燃料電池を用いている。固体高分子タイプの燃料電池は、電解質膜として固体高分子膜を用いたものであり、高エネルギー密度化、低コスト化、軽量化等の点で優れている。固体高分子電解質膜は、例えばフッ素樹脂系イオン交換膜等のイオン(プロトン)伝導性の高分子膜からなるものであり、飽和含水することによりイオン伝導性電解質として機能する。各燃料電池単セルでは、1V程度の電圧を発電するため、一般に使用する場合には燃料電池単セルをカーボンや金属でできたセパレータで挟んで複数積層することによって燃料電池スタックを形成し、所望の電圧を得るようにしている。コージェネレーション用などの定置式燃料電池システムの場合には、比較的設置空間に余裕があるため、セルの積層枚数を増やすことが容易である。一方、設置空間が狭く定置式に比べ配設自由度の低い車両に燃料電池システムを搭載する場合には、燃料電池スタックを複数個電気的に直列に接続し、セルの積層枚数を増加させた場合と同じ効果を得るようにすることが一般的に行なわれている。
マニホールド3は、燃料供給装置や酸化剤供給装置、冷却水供給装置から供給される各流体を燃料電池スタック2A及び2Bへ等分配する機能を有し、燃料電池スタック2の下面にOリングやガスケットなどのシール材料を介してボルトなどによって固定されている。
このように構成された本実施例の燃料電池システム1では、発電手段としての燃料電池スタック2と、燃料電池スタック2に燃料としての水素を供給する水素供給系と、燃料電池スタック2に酸化剤としての空気を供給する空気供給系とを主要な構成要素として備え、燃料電池スタック2に水素供給系からの水素と空気供給系からの空気をそれぞれ供給することによって、燃料電池スタック2でこれら水素と空気中の酸素とを電気化学的に反応させて発電電力を得ている。
ここで、水素供給系としては、例えば水素を貯蔵する高圧水素タンク、水素供給通路、可変バルブ、水素排気通路、水素希釈装置、水素燃焼装置等がある。該水素供給系には炭化水素を改質することによって発生する水素リッチな気体を用いることもできるが、本実施例では高圧水素タンクから供給する場合を取り上げる。この水素供給において、水素供給源である高圧水素タンクから取り出された水素は、可変バルブなどで流量や圧力が調整された上で、水素供給通路を通じて燃料電池の燃料極へと供給される。また、燃料電池の燃料極から排出されたアノード排出ガスは、水素排気通路を通って水素希釈装置で水素濃度が十分に希釈されるか、あるいは水素燃焼装置で酸化された上で、システム外部に排出されている。なお、水素供給系の構成は上述の例に限定されるものではなく、従来公知の構成であれば何れも採用可能である。例えば、燃料電池での発電で消費されなかった余剰の水素をポンプやエゼクタを用いて循環させて、燃料電池の燃料極に再度供給する水素循環型の構成を採用してもよく、この場合には水素の利用効率を高めながら燃料電池での発電を効率的に行なうことが可能となる。
一方、燃料電池スタック2で発電を行なうには、燃料としての水素ガスの他に酸化剤としての空気を供給する必要があり、燃料電池システム1にはそのための機構として空気供給系が備えられている。この空気供給系としては、例えば空気を圧縮して燃料電池へ供給する圧縮機や、空気冷却装置、空気供給通路、加湿器、空気排気通路、可変バルブ等がある。この空気供給系において、大気を圧縮機で圧縮することによって供給された空気は、可変バルブなどで流量や圧力が調整され、空気冷却装置や加湿器によって適切な温度・湿度に調整されて燃料電池の酸化剤極へ供給される。また、燃料電池の酸化剤極から排出された排出ガスは空気排気通路を介して、システム外部へ排出される。
また、燃料電池スタック2の発電は発熱反応であるため、燃料電池スタック2の冷却を行なう必要があり、燃料電池システム1にはそのための機構として冷却系が備えられている。この冷却系では、例えばエチレングリコールと水を混ぜた冷却水をポンプや放熱装置、フィルタ等を介して循環させている。また、冷却系は燃料電池以外の例えば水素供給系のポンプや空気供給系の圧縮機などの熱を発する装置の冷却手段として使用することもできる。
次に、マニホールド3の構造を図2に基づいて説明する。図2はマニホールド3を各層に分解して示した分解斜視図である。図2に示すように、マニホールド3は、燃料ガスを分配する燃料ガス層3aと、冷却水を分配する冷却水層3bと、酸化剤ガスを分配する酸化剤ガス層3cとを積層させた構造をしており、冷却水層3bには昇温装置(昇温手段)10が設置されている。ただし、各層の積層順については図2の例に限定されるものではない。また、マニホールド3の各層3a〜3cは、例えば通しボルトで締結したり、バネ構造によって圧縮力をかけることにより図1に示すような一体構造物とすることができる。
次に、昇温装置10の構造を図3に基づいて説明する。図3はマニホールド3の冷却水層3bのみを拡大して示した拡大斜視図である。図3に示すように、本実施例の昇温装置10は略棒形状に作られている。そして、冷却水層3bの側面に孔を開け、この孔に昇温装置10を差し込むことによって冷却水層3bの昇温を行なうように構成されている。昇温装置10としては例えば電気ヒータが最も一般的であるが、同等の機能を備えた他の加熱装置を用いることもできる。
この昇温装置10への通電は、マイクロコンピュータにより構成された図示しないコントローラにより制御されている。
また、昇温装置10の設置方法としては、金属シーズに封入された昇温装置10を使用して孔との隙間が可能な限り小さくなるようにし、例えば中間ばめで孔を開け昇温装置10を冷却水層3bへ挿入すればよい。
また、昇温装置10を孔より細くし、熱伝達のよいシール材を充填して昇温装置10を冷却水層3bに固定するようにしてもよい。
さらに、最も簡便な方法としては、例えばインコネルなどの電気抵抗の大きい部材を、冷却水層3bに開けた孔に埋めることによって昇温装置とすることも考えられる。この場合にマニホールド製作時にマニホールドの冷却水層内部に電気抵抗の大きい部材を鋳込んでモールドすることによって、容易に冷却水層3bの内部に昇温装置10を設置することができる。
このように、本実施例の燃料電池システム1では、マニホールド3が燃料ガスを分配する燃料ガス層3aと、酸化剤ガスを分配する酸化剤ガス層3cと、冷却水を分配する冷却水層3bとを積層させた構造において、冷却水層3bに昇温装置10を設置したので、燃料電池スタック2に最も近い箇所で冷却水を昇温することができる。このため、流通途中での温度低下を生じることなく、また加熱のための大きな二次電池や外部電源を用意することなしに、始動直後から高効率で燃料電池システム1を運転することができる。さらに、昇温装置10のための空間を特別に設けることなく冷却水を昇温できるので、限られた空間に搭載する必要がある自動車などの移動体ではスペース効率を有利にすることができる。
また、本実施例の燃料電池システム1では、出力密度が大きい略棒形状の昇温装置10を使用しているため、必要とする昇温装置の数を減らすことができ、配設スペースを節約することができる。
さらに、昇温装置10をマニホールド3の製造時にモールドすることにより、マニホールドの製造時以外に昇温装置を加工したり、設置したりする必要がなく、簡単な方法で手間をかけることなく冷却水を昇温することができる。
次に、本発明の実施例2を図4に基づいて説明する。図4は、実施例2に係る燃料電池システムのマニホールドの構成を示す分解斜視図である。図4に示すように、本実施例の燃料電池システム41は、板状の昇温装置11を冷却水層3bの上下に配置し、さらにその上下に板状の断熱材12を配置したことが実施例1と異なっている。ただし、その他の構成は実施例1と同一なので、詳しい説明を省略する。
図4において、板状の昇温装置11は、マニホールド3の積層構造中に間挿されているので、マニホールド3の冷却水層3bに加工などを施す必要がなく、積層構造を有するマニホールド3の一部として扱うことができる。したがって、特別に昇温装置11を設置するための空間を別に設ける必要をなくすことができる。
この板状の昇温装置11は、表裏の両面が加熱されるので、隣接する燃料ガス層3aや酸化剤ガス層3cも昇温してしまう。しかし、燃料電池スタック2へ流入する燃料ガス及び酸化剤ガスは所定の相対湿度を有している必要があり、所定の相対湿度を下回るガスが燃料電池スタック2へ流入すると、燃料電池スタック2内の電解質膜の水分がガス内へ拡散し、電解質膜の乾燥による発電不良の原因となる。
そこで、図4に示すように、昇温装置11と燃料ガス層3a及び酸化剤ガス層3cとの間に断熱材12を設け、昇温装置11による熱が燃料ガス層3a及び酸化剤ガス層3cへ伝達されないようにしている。
また、より簡便な方法としては、マニホールド3の冷却水層3bを熱伝達及び熱伝導に優れた金属製とし、燃料ガス層3a及び酸化剤ガス層3cを樹脂製としてもよい。これによって、より簡便な方法で昇温装置11の熱を効率良く冷却水へ伝えることができるとともに、所定の相対湿度を必要とする燃料ガス及び酸化剤ガスの昇温を防止することができる。
次に、図4のA−A部断面の模式図を図5に示す。図5に示すように、昇温装置11と冷却水層3bの接触面には、それぞれ複数の凹部と突部とが設けられており、これら凹部と突部とを嵌合させて接触するようになっている。これにより、接触面積が増加して効率良く昇温装置11の熱を冷却水層3bへ伝達することが可能となる。
このように、本実施例の燃料電池システム41では、昇温装置11を冷却水層の少なくとも片面に接触して配置されるように板形状としたので、昇温装置11のための特別な空間を必要とせず、マニホールド3を小型化することができる。
また、本実施例の燃料電池システム41では、板形状の昇温装置11と冷却水層3bとの間の接触面に互いに嵌合するように凹凸部を設けたので、冷却水層3bと昇温装置11との接触面積が増加し、より効率良く冷却水の昇温を実現することができる。
さらに、本実施例の燃料電池システム41では、冷却水層3bと燃料ガス層3aあるいは酸化剤ガス層3cとの間に断熱材12を挿入したので、昇温装置11の熱を効率良く冷却水へ伝えることができ、冷却水の昇温効率を向上させることができる。また、所定の相対湿度を必要とする燃料ガス及び酸化剤ガスの昇温を防止するので、所定の相対湿度を保つことができ、燃料電池スタック2においてドライアウトなどを防止することができる。
また、本実施例の燃料電池システム41では、冷却水層3bを金属製とし、燃料ガス層3aと酸化剤ガス層3cとを樹脂製にすることで、簡便な方法で昇温装置11の熱を効率良く冷却水へ伝達して冷却水の昇温効率を向上させることができる。また、所定の相対湿度を必要とする燃料ガス及び酸化剤ガスの昇温を簡便な方法で防止できるので、所定の相対湿度を保つことができ、燃料電池スタック2において電解質膜の乾燥などによる発電不良を防止することができる。
次に、本発明の実施例3を図6に基づいて説明する。図6は、実施例3に係る燃料電池システムの構成を示す斜視図である。図6に示すように、本実施例の燃料電池システム61は、燃料電池スタック2の冷却水入口における冷却水温度を検出する温度センサ(温度検出手段)62と、燃料電池スタック2の冷却水出口における冷却水温度を検出する温度センサ(温度検出手段)63とを備え、これらセンサで検出した冷却水温度を図示しないコントローラに送信することが第1及び実施例2と異なっている。ただし、その他の構成は第1及び実施例2と同一なので、詳しい説明は省略する。
上述した第1及び実施例2で説明したように、昇温装置10、11は燃料電池システム1の始動時に冷却水を加熱して燃料電池スタック2の昇温を促すために設置されている。そのため、昇温装置10、11は、燃料電池スタック2が冷えているときに冷却水を加熱し、十分に加熱された状態では加熱を中止する必要がある。
そこで本実施例では、燃料電池スタック2の入口及び出口に冷却水の温度を検出するための温度センサ62、63を設け、図示しないコントローラにおいて、これらの温度センサ62、63による検出値が予め決められた所定値以下のときに昇温装置10、11によって冷却水を加熱し、所定値以上となったときに加熱を停止するように制御している。これにより、確実に冷却水の温度が低いときにのみ冷却水を加熱することができる。
このように、本実施例の燃料電池システム61では、燃料電池スタック2の冷却水入口あるいは出口に、冷却水の温度を検出する温度センサ62、63を備え、温度センサ62、63で検出された冷却水温度が所定値以下のときに昇温装置10、11に通電するように制御するようにしたので、加熱が必要ないときに昇温装置10、11の使用を避けることができ、燃料電池システム61全体の効率を向上させることができる。さらに、燃料電池スタック2へ異常な高温冷却水が流入することも防止できる。
次に、本発明の実施例4を図7に基づいて説明する。図7は、実施例4に係る燃料電池システムの構成を示す斜視図である。図7に示すように、本実施例の燃料電池システム71は、外気の温度を検出する外気温センサ(外気温度検出手段)72を備え、ここで検出した外気の温度を図示しないコントローラに送信することが第1及び実施例2と異なっている。ただし、その他の構成は第1及び実施例2と同一なので、詳しい説明は省略する。
上述した第1及び実施例2で説明したように、昇温装置10、11は燃料電池システム71の始動時に冷却水を加熱して燃料電池スタック2の昇温を促すために設置されている。そのため、昇温装置10、11は、燃料電池スタック2が冷えているときに冷却水を加熱し、十分に加熱された状態では加熱を中止する必要がある。
そこで本実施例では、図示しないコントローラにより外気温センサ72で検出される外気温に応じて昇温装置10、11を制御している。ここで、外気温による昇温装置10、11の制御方法を図8に基づいて説明する。図8に示すように、自動車などの移動体に一般的に設置されている外気温センサ72の検出値が所定温度以下の場合、図示しないコントローラは昇温装置10、11をONして加熱を行い、その後に燃料電池スタック2による累積発電量が予め決められた所定値以上となったときに、燃料電池スタック2が十分に加熱されたと判断して昇温装置10、11による加熱を停止するように制御している。
また、外気温センサ72の検出値が所定温度以上の場合、例えば夏期などでは燃料電池スタック2の温度は低くても外気温が高く比較的短時間で燃料電池スタック2を昇温できるので、昇温装置10、11を使用せずにOFFの状態のままにして燃料電池システム71全体の効率を向上させるようにする。
このように、本実施例の燃料電池システム71では、外気の温度を検出する外気温センサ72を備え、外気温センサ72で検出された外気温が所定値以下のときに昇温装置10、11に通電を開始し、通電開始後の燃料電池スタック2の累積発電量が所定値以上になったときに通電を終了するようにしたので、外気温が高く比較的短時間で燃料電池スタック2の昇温が完了するような場合に昇温装置10、11の使用を避けることができ、燃料電池システム71全体の効率を向上させることができる。さらに、累積発電量によって昇温装置10、11を停止させるので、特別に温度センサを設けなくても昇温装置10、11を制御することができる。
以上、本発明の燃料電池システムについて、図示した実施例に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
1、41、61、71 燃料電池システム
2、2A、2B 燃料電池スタック
3 マニホールド
3a 燃料ガス層
3b 冷却水層
3c 酸化剤ガス層
10、11 昇温装置(昇温手段)
12 断熱材
62、63 温度センサ(温度検出手段)
72 外気温センサ(外気温度検出手段)
2、2A、2B 燃料電池スタック
3 マニホールド
3a 燃料ガス層
3b 冷却水層
3c 酸化剤ガス層
10、11 昇温装置(昇温手段)
12 断熱材
62、63 温度センサ(温度検出手段)
72 外気温センサ(外気温度検出手段)
Claims (9)
- 燃料ガスと酸化剤ガスとを電気化学反応により反応させて発電する燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックへ流体を分配するマニホールドとを備えた燃料電池システムであって、
前記マニホールドは、燃料ガスを分配する燃料ガス層と、酸化剤ガスを分配する酸化剤ガス層と、冷却水を分配する冷却水層とを積層させた構造をしており、前記冷却水層に昇温手段を設置したことを特徴とする燃料電池システム。 - 前記昇温手段は、略棒形状で前記冷却水層に差し込まれていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記昇温手段は、前記マニホールドにモールドされていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記昇温手段は、前記冷却水層の少なくとも片面に接触して配置された板形状であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記板形状の昇温手段と前記冷却水層との間の接触面には、互いに嵌合する凹凸部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
- 前記冷却水層と前記燃料ガス層あるいは前記酸化剤ガス層との間には、断熱材が挿入されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
- 前記冷却水層を金属製とし、前記燃料ガス層と前記酸化剤ガス層とを樹脂製にすることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
- 前記燃料電池スタックの冷却水入口あるいは出口に、冷却水の温度を検出する温度検出手段を備え、前記温度検出手段で検出された冷却水温度が所定値以下のときに前記昇温手段に通電することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
- 外気の温度を検出する外気温度検出手段を備え、前記外気温度検出手段で検出された外気温が所定値以下のときに前記昇温手段に通電を開始し、通電開始後の前記燃料電池スタックの累積発電量が所定値以上になったときに通電を終了することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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