JP2007112318A - スタビライザブッシュ - Google Patents
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Abstract
【課題】操縦安定性とともに乗り心地性能が良好であり且つ異音の問題も解決されたスタビライザブッシュを提供する。
【解決手段】スタビライザバーを車体に弾性支持させるゴム弾性体製のスタビライザブッシュ10において、挿通孔30の周壁面30Aの上部及び下部に、スタビライザバーの軸心に向い半環状に突出する突出部32及び34を設けて、それらによりスタビライザバーを上下方向に弾性的に挟むようにする。そして周壁面30Aの軸方向の両側の上部及び下部とスタビライザバーとの間に半環状の隙間を形成する。更に周壁面30Aの上部及び下部にエア,水を軸方向に排出可能な軸方向溝42,44を複数条設けるとともに、それらを周方向溝46,48にて互いに連絡する。
【選択図】 図4
【解決手段】スタビライザバーを車体に弾性支持させるゴム弾性体製のスタビライザブッシュ10において、挿通孔30の周壁面30Aの上部及び下部に、スタビライザバーの軸心に向い半環状に突出する突出部32及び34を設けて、それらによりスタビライザバーを上下方向に弾性的に挟むようにする。そして周壁面30Aの軸方向の両側の上部及び下部とスタビライザバーとの間に半環状の隙間を形成する。更に周壁面30Aの上部及び下部にエア,水を軸方向に排出可能な軸方向溝42,44を複数条設けるとともに、それらを周方向溝46,48にて互いに連絡する。
【選択図】 図4
Description
この発明はスタビライザバーを挿通させる貫通の挿通孔を有し、剛性の固定ブラケットにより車体に固定されてスタビライザバーを車体に弾性支持させるスタビライザブッシュに関する。
スタビライザバーは車体の傾きを減らすために取り付けられている捩り剛ばね(トーションバー)で、その両端を左右のサスペンションに取り付け、左右の車輪が上下に異なる動きをするときこれを抑制するように作用する。
例えばコーナを曲がるときサスペンションは遠心力によって外輪側が縮み、内輪側が伸びようとし、結果として車体が遠心力で外側に傾こうとする。
スタビライザバーはこのように左右の車輪が上下逆相で動くとき(ローリングするとき)捩れを発生させて、その捩れ剛性による抵抗によって左右の車輪の逆相の動きを抑制し、また捩れにより蓄えられた弾性復元力で逆相に動いた左右の車輪を速やかに元に戻すように働く。
例えばコーナを曲がるときサスペンションは遠心力によって外輪側が縮み、内輪側が伸びようとし、結果として車体が遠心力で外側に傾こうとする。
スタビライザバーはこのように左右の車輪が上下逆相で動くとき(ローリングするとき)捩れを発生させて、その捩れ剛性による抵抗によって左右の車輪の逆相の動きを抑制し、また捩れにより蓄えられた弾性復元力で逆相に動いた左右の車輪を速やかに元に戻すように働く。
このようにスタビライザバーはロール角を抑える働きを有しており、これにより車両の操縦安定性(走行安定性)が高められる。
このスタビライザバーを車体に取り付けるに当っては、振動絶縁部材としてのスタビライザブッシュを車体とスタビライザバーとの間に介在させ、スタビライザバーを車体に弾性支持させるようにする。
このスタビライザバーを車体に取り付けるに当っては、振動絶縁部材としてのスタビライザブッシュを車体とスタビライザバーとの間に介在させ、スタビライザバーを車体に弾性支持させるようにする。
図8はスタビライザブッシュを用いたスタビライザバーの車体への弾性支持の例を示している(下記特許文献1に開示)。
同図において200は金属棒から成るスタビライザバーで、全体として平面形状が概略コ字形状をなしており、車幅方向(車両の左右方向)にほぼ直線状に延びる中央部200Aが一対のスタビライザブッシュ202にて車体204に固定され、また両端の腕部200Bの各端部が車輪206を支持するサスペンションアーム208に固定されている。
スタビライザブッシュ202は貫通の挿通孔を有するゴム弾性体製のもので、その挿通孔にスタビライザバー200が挿通され、その状態で金属製の剛性の固定ブラケット214により車体204に固定されている。
同図において200は金属棒から成るスタビライザバーで、全体として平面形状が概略コ字形状をなしており、車幅方向(車両の左右方向)にほぼ直線状に延びる中央部200Aが一対のスタビライザブッシュ202にて車体204に固定され、また両端の腕部200Bの各端部が車輪206を支持するサスペンションアーム208に固定されている。
スタビライザブッシュ202は貫通の挿通孔を有するゴム弾性体製のもので、その挿通孔にスタビライザバー200が挿通され、その状態で金属製の剛性の固定ブラケット214により車体204に固定されている。
図9及び図10は従来用いられているスタビライザブッシュの例を示したもので、図中210はスタビライザバー200を挿通させる貫通の挿通孔である。
図9に示しているようにスタビライザブッシュ202は、外周面の形状(横断面形状)が概略U字状をなしており、その外周面の軸方向両端部に突条部212が周方向に沿って突出形成されている。
このスタビライザブッシュ202には切割216が入れられて、その切割216を通じてスタビライザバー200に軸直角方向に嵌め合され、平坦な底面218全体を車体204に着座させる状態に(即ちここでは底面218全体が着座面とされている)固定ブラケット214にて車体204に固定される。
図9に示しているようにスタビライザブッシュ202は、外周面の形状(横断面形状)が概略U字状をなしており、その外周面の軸方向両端部に突条部212が周方向に沿って突出形成されている。
このスタビライザブッシュ202には切割216が入れられて、その切割216を通じてスタビライザバー200に軸直角方向に嵌め合され、平坦な底面218全体を車体204に着座させる状態に(即ちここでは底面218全体が着座面とされている)固定ブラケット214にて車体204に固定される。
固定ブラケット214は、スタビライザブッシュ202の外周面の形状に対応したU字状の嵌合部220と、その周方向の両端から水平に突出した固定部222とを有しており、スタビライザブッシュ202の外周面、詳しくは軸方向両端部の突条部212と212との間の外周嵌合面を、嵌合部220の内周面に嵌合させた状態で固定部222が車体204に固定され、スタビライザブッシュ202を軸直角方向に弾性圧縮した状態でこれを車体204に着座状態に取り付ける。
このときスタビライザブッシュ202の外周面は固定ブラケット214の内周面によって締め付けられ、かかる固定ブラケット214の嵌合部220の内周面に弾性圧接せしめられる。
このときスタビライザブッシュ202の外周面は固定ブラケット214の内周面によって締め付けられ、かかる固定ブラケット214の嵌合部220の内周面に弾性圧接せしめられる。
ところでこの図9及び図10に示すスタビライザブッシュ202の場合、挿通孔210の周壁面の全体がスタビライザバー200の外周面に接触しているため、スタビライザバー200に加わる捩りの入力等によって、挿通孔210の周壁面がスタビライザバー200の外周面に対して滑りを生じ、その滑りによってスティックスリップ音等の異音が発生する問題を有していた。
更にこのスタビライザブッシュ202の場合、挿通孔210の周壁面全体がスタビライザバー200の外周面に接触しているため、スタビライザバー200がスタビライザブッシュ202に対して軸直角方向、特に上下方向に相対変位したときのばね特性(ばね剛性)が変位初期から硬く、このため乗り心地性能の点で不充分である問題があった。
更にこのスタビライザブッシュ202の場合、挿通孔210の周壁面全体がスタビライザバー200の外周面に接触しているため、スタビライザバー200がスタビライザブッシュ202に対して軸直角方向、特に上下方向に相対変位したときのばね特性(ばね剛性)が変位初期から硬く、このため乗り心地性能の点で不充分である問題があった。
後者の乗り心地性能の問題の解決を図ったものが下記特許文献2に開示されている。
図11に示すようにこのスタビライザブッシュ202には、スタビライザバー200を挿通する挿通孔210の上,下位置に且つ挿通孔210から上下に離隔した位置に、スタビライザブッシュ202を軸方向に貫通するすぐり部(凹所)224を設けている。
このスタビライザブッシュ202の場合、スタビライザバー200がスタビライザブッシュ202に対し上下方向に相対変位したとき、変位初期におけるばね特性(ばね剛性)をすぐり部(凹所)224によって軟らかくすることができる。
そして相対変位が大きくなってすぐり部224がゴムの変形により埋まったところでばね特性が硬くなり、これにより操縦安定性を確保しつつ、乗り心地性能を向上させることができる。
図11に示すようにこのスタビライザブッシュ202には、スタビライザバー200を挿通する挿通孔210の上,下位置に且つ挿通孔210から上下に離隔した位置に、スタビライザブッシュ202を軸方向に貫通するすぐり部(凹所)224を設けている。
このスタビライザブッシュ202の場合、スタビライザバー200がスタビライザブッシュ202に対し上下方向に相対変位したとき、変位初期におけるばね特性(ばね剛性)をすぐり部(凹所)224によって軟らかくすることができる。
そして相対変位が大きくなってすぐり部224がゴムの変形により埋まったところでばね特性が硬くなり、これにより操縦安定性を確保しつつ、乗り心地性能を向上させることができる。
しかしながらこの図11に示すスタビライザブッシュ202の場合、スタビライザバー200が図中上下方向に相対変位したときに、図11(B)に示しているようにすぐり部224の周縁部、特に周方向端部に大きな歪みが発生してそこから亀裂が発生し易く、このことがスタビライザブッシュ202の耐久性低下に繋がるといった問題がある。
更にこの図11のスタビライザブッシュ202においても、挿通孔210の周壁面全体が軸方向全長に亘ってスタビライザバー200の外周面に弾性接触した状態にあるため、その周壁面とスタビライザバー200の外周面との滑りによって上記のスティックスリップ音からなる異音を発生させる問題が未解決のまま残されている。
更にこの図11のスタビライザブッシュ202においても、挿通孔210の周壁面全体が軸方向全長に亘ってスタビライザバー200の外周面に弾性接触した状態にあるため、その周壁面とスタビライザバー200の外周面との滑りによって上記のスティックスリップ音からなる異音を発生させる問題が未解決のまま残されている。
そこで本発明者等は、図12(比較例図)に示す形態のスタビライザブッシュ202Aを案出した。
このスタビライザブッシュ202Aは、軸方向の中央部且つ挿通孔210の周壁面の上部及び下部に、スタビライザバー200の外周面に弾性嵌合する半円状の内周嵌合面228,229を備え、スタビライザバー200の軸心に向って半環状に突出する上側突出部230及び下側突出部232を設けて、それら上側突出部230及び下側突出部232にてスタビライザバー200を上下方向に弾性的に挟むようになし、これにより挿通孔210における周壁面の、上側突出部230及び下側突出部232に対する軸方向の両側の上部及び下部とスタビライザバー200の外周面との間に、周方向に半環状をなして軸端で開口する隙間234,236を形成したものである。
このスタビライザブッシュ202Aは、軸方向の中央部且つ挿通孔210の周壁面の上部及び下部に、スタビライザバー200の外周面に弾性嵌合する半円状の内周嵌合面228,229を備え、スタビライザバー200の軸心に向って半環状に突出する上側突出部230及び下側突出部232を設けて、それら上側突出部230及び下側突出部232にてスタビライザバー200を上下方向に弾性的に挟むようになし、これにより挿通孔210における周壁面の、上側突出部230及び下側突出部232に対する軸方向の両側の上部及び下部とスタビライザバー200の外周面との間に、周方向に半環状をなして軸端で開口する隙間234,236を形成したものである。
このスタビライザブッシュ202Aでは、スタビライザバー200の上下方向の相対変位の初期においては、主として上側突出部230又は下側突出部232が変形するだけであるため、初期のばね特性は軟らかく、そしてスタビライザバー200が周壁面に対して上側突出部230,下側突出部232の軸方向の両側の部分に当ったところで、そこからのばね特性が硬くなる。
これにより、車両における乗り心地性能と操縦安定性の両方の特性を確保することができる。
これにより、車両における乗り心地性能と操縦安定性の両方の特性を確保することができる。
またスタビライザブッシュ202Aは、上側突出部230及び下側突出部232の内周嵌合面228,229において部分的にスタビライザバー200の外周面に接触しているだけで、周壁面の他の部分はスタビライザバー200の外周面に接触しておらず、このためスタビライザバー200に加わる捩りの入力等によって周壁面全体とスタビライザバー200とが接触状態の下で滑りを生じ、そこでスティックスリップ音を発生する問題も解決することができる。
しかしながら一方でこの図12に示すスタビライザブッシュ202Aの場合、本発明者等が試験研究を行う中で次のような別の新たな異音の発生する問題のあることが判明した。
しかしながら一方でこの図12に示すスタビライザブッシュ202Aの場合、本発明者等が試験研究を行う中で次のような別の新たな異音の発生する問題のあることが判明した。
上記スタビライザブッシュ202Aに対しては、車輪206が逆相に動くときにスタビライザバー200から図13(A)に示すようなこじり方向の力Fが働く。このとき挿通孔210の周壁面とスタビライザバー200の外周面との間には部分的な閉鎖空間238が生じて、そこにエアや水が閉じ込められてしまう。
この状態で更にスタビライザバー200が軸直角方向に変位すると、閉鎖空間238に閉じ込められたエアや水が圧力を受けて逃げ道を探し、そこから外部に逃げ出してその時に「プシュッ」といいたエア抜音や、「プチュッ」といった水抜音が異音として発生することが判明した。
この状態で更にスタビライザバー200が軸直角方向に変位すると、閉鎖空間238に閉じ込められたエアや水が圧力を受けて逃げ道を探し、そこから外部に逃げ出してその時に「プシュッ」といいたエア抜音や、「プチュッ」といった水抜音が異音として発生することが判明した。
更に良く研究してみると、このスタビライザブッシュ202Aではそれ以外にも別の異音が発生することも観測された。
本発明者等による研究の結果、この別の異音は次のような原因により生じるものであることが確認された。
図9,図10及び図11に示す従来のスタビライザブッシュ202の場合、挿通孔210の周壁面全面でスタビライザバー200からの荷重を受けるが、図12に示すスタビライザブッシュ202Aの場合、スタビライザバー200に対し接触している部分が部分的であり、そのためスタビライザバー200の変位の際に図13(B)に示すようにスタビライザブッシュ202Aが軸方向に伸び易くなって、固定ブラケット214、詳しくは嵌合部220に対する相対変位が大きくなる。
本発明者等による研究の結果、この別の異音は次のような原因により生じるものであることが確認された。
図9,図10及び図11に示す従来のスタビライザブッシュ202の場合、挿通孔210の周壁面全面でスタビライザバー200からの荷重を受けるが、図12に示すスタビライザブッシュ202Aの場合、スタビライザバー200に対し接触している部分が部分的であり、そのためスタビライザバー200の変位の際に図13(B)に示すようにスタビライザブッシュ202Aが軸方向に伸び易くなって、固定ブラケット214、詳しくは嵌合部220に対する相対変位が大きくなる。
その際に水が存在していると、スタビライザブッシュ202Aの外周面と固定ブラケット214の嵌合部220との間の水膜によって、スタビライザブッシュ202Aの外周面と固定ブラケット214の嵌合部220とが軸方向に相対変位する際に「ピチャッピチャッ」といった音が発生し、更にまた固定ブラケット214に対してスタビライザブッシュ202Aが延ばされることによる「キュッキュッ」といった音が発生し、そしてそれらの複合した音が異音として発生することが判明した。
本発明は以上のような事情を背景とし、操縦安定性とともに乗り心地性能が良好であり、且つ異音の問題も解決されたスタビライザブッシュを提供することを目的としてなされたものである。
而して請求項1のものは、スタビライザバーを挿通させる貫通の挿通孔を有し、外周面が剛性の固定ブラケットの嵌合部の内周面に弾性圧接状態に嵌合されて該固定ブラケットにより車体に固定され、該スタビライザバーを該車体に弾性支持させるゴム弾性体製のスタビライザブッシュにおいて、軸方向の中央部且つ前記挿通孔の周壁面の上部及び下部に、前記スタビライザバーの外周面に弾性嵌合する内周嵌合面を備え、該スタビライザバーの軸心に向い突出する部分環状の上側突出部及び下側突出部をそれぞれ設け、それら上側突出部及び下側突出部にて該スタビライザバーを上下方向に弾性的に挟むようになすとともに、前記周壁面の、前記上側突出部及び下側突出部に対する軸方向の両側の上部及び下部と該スタビライザバーの外周面との間に、周方向に部分環状をなして軸端で開口する上側隙間及び下側隙間を形成せしめ、且つ該周壁面の軸方向両側の上部及び下部に、軸方向に延び軸端で外部に開放されてエア,水を軸方向に排出可能な上側軸方向溝及び下側軸方向溝を周方向に沿って複数条設けるとともに、それら軸方向溝を周方向に連絡する上側周方向溝及び下側周方向溝を設けたことを特徴とする。
請求項2のものは、請求項1において、前記挿通孔が上下方向に長円状をなしているとともに前記上側突出部及び下側突出部が半環状に突出していて前記内周嵌合面が半円状をなしており、前記上側周方向溝及び下側周方向溝がそれら突出部に沿って半円状に且つそれら突出部に対し軸方向に隣接した位置に設けられていることを特徴とする。
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、前記周壁面は、上下方向の中間部且つ車体の前後方向の両側の部分が前記スタビライザバーの外周面に対して軸方向全長に亘り押圧状態に弾性接触する前後方向の支持面とされていることを特徴とする。
請求項4のものは、請求項1〜3の何れかにおいて、前記外周面の前記固定ブラケットの嵌合部の内周面に嵌合接触する外周嵌合面の全面に亘って、第1方向溝と該第1方向溝に対して交差する第2方向溝とをそれぞれ所定間隔で複数条設けて、該外周嵌合面の全面を凹凸形状となし、且つ少なくとも一方の溝を該外周嵌合面の軸方向の一端から他端まで延在させて、各端を外部に開放状態としたことを特徴とする。
請求項5のものは、請求項4において、前記第1方向溝が軸方向に延びる溝であり、前記第2方向溝が周方向に延びる溝であることを特徴とする。
請求項6のものは、請求項4,5の何れかにおいて、前記外周面の軸方向の両端部に、周方向に沿って延びる突条部が設けられており、前記少なくとも一方の溝が該突条部の軸方向内側の内面まで延びていることを特徴とする。
請求項7のものは、請求項1〜6の何れかにおいて、前記固定ブラケットによる固定によって前記車体に弾性圧接状態に着座せしめられる底面の着座面の全面に亘って、第3方向溝と該第3方向溝に対して交差する第4方向溝とをそれぞれ所定間隔で複数条設けて該着座面を凹凸形状となし、且つ少なくとも一方の溝を軸方向の一端から他端まで延在させて、各端を外部に開放状態となしたことを特徴とする。
上記のように本発明は、軸方向の中間部で挿通孔の周壁面から突出させた上側突出部及び下側突出部によりスタビライザバーを上下方向に弾性的に挟むようにして、周壁面のそれら突出部に対する軸方向の両側の上部及び下部とスタビライザバーの外周面との間に、周方向に部分環状をなす隙間を形成せしめ、更に周壁面の軸方向両側の上部及び下部に、軸方向に延びて軸端で外部に開放された上部軸方向溝及び下部軸方向溝を周方向に沿って複数条設けるとともに、それら軸方向溝を周方向に連絡する上部周方向溝及び下部周方向溝を設けたものである。
本発明によれば、図13(A)に示すようにスタビライザバー200がスタビライザブッシュに対してこじり方向に相対変位し、更にその状態で軸直角方向(上下方向)に相対変位した場合においても、スタビライザバーと挿通孔の周壁面との間の隙間のエアや水等が軸方向溝を通じて外部へと容易に逃げることができ、これにより閉じ込められたエアや水が外部へ逃げる際に発生するエア抜け音や水抜け音が異音として発生する問題を解決することができる。
本発明では、このような軸方向溝が周方向に沿って複数形成されるとともに、それらが周方向溝にて互いに連絡されているため、図13に示す状態において何れかの軸方向溝が万一閉鎖されることがあっても、隙間内のエアや水は周方向溝を通じて他の軸方向溝へと移り、そこから外部へと逃げることができる。
従って本発明によれば確実にエア抜け音や水抜け音に起因する異音の発生を防止することができる。
従って本発明によれば確実にエア抜け音や水抜け音に起因する異音の発生を防止することができる。
その他に本発明のスタビライザブッシュは、軸方向の中央部において突出させた上側突出部及び下側突出部にてスタビライザバーを上下に挟み込んで、これを弾性支持するものであることから、スタビライザバーの相対変位の際の初期において軟らかいばね特性を、また一定以上変位した後において硬いばね特性を確保することができ、乗り心地性能と操縦安定性との何れの特性をも充足することができる。
更に本発明のスタビライザブッシュは、それら突出部の内周嵌合面においてスタビライザバーの外周面に弾性嵌合しているに過ぎず、他の部分においては隙間を形成せしめて非接触状態となるため、挿通孔の周壁面全面がスタビライザバーの外周面に密着接触することによって、スタビライザバーの捩り等の変位の際におけるスティックスリップ音の発生も有効に防止することができる。
本発明においては、挿通孔を上下方向の長円形状となすとともに、上側突出部及び下側突出部を半環状に突出させてそれらの内周嵌合面を半円状となし、また上側周方向溝及び下側周方向溝をそれら突出部に沿って半円状に且つそれぞれの突出部に対し軸方向に隣接した位置に設けておくことができる(請求項2)。
このようにしておくことで、スタビライザバーが相対変位した場合においても、複数の軸方向溝をかかる周方向溝にて確実に連絡した状態を保つことができ、隙間内のエアや水をそれら軸方向溝にて確実に円滑に逃すことができる。
このようにしておくことで、スタビライザバーが相対変位した場合においても、複数の軸方向溝をかかる周方向溝にて確実に連絡した状態を保つことができ、隙間内のエアや水をそれら軸方向溝にて確実に円滑に逃すことができる。
本発明においてはまた、周壁面の上下方向の中間部であって車体の前後方向の両側の部分については、スタビライザバーの外周面に対して軸方向全長に亘り押圧状態に弾性接触する前後方向の支持面となしておくことができる(請求項3)。
スタビライザバーからスタビライザブッシュに対して入力する軸直角方向の荷重は主として上下方向であり、従って上下方向については軟らかなばね特性を確保すべく突出部にて部分的にスタビライザバーの外周面を挟み込むようにする必要がある一方で、スタビライザブッシュへのスタビライザバーからの前後方向の荷重入力は少なく、スタビライザブッシュの前後方向のばね特性を特に軟らかくしておくことは必要ではない。
従って周壁面の上下方向の中間部且つ車体の前後方向の両側の部分をスタビライザバーの外周面に対し、軸方向全長に亘り弾性接触させても支障はない。
スタビライザバーからスタビライザブッシュに対して入力する軸直角方向の荷重は主として上下方向であり、従って上下方向については軟らかなばね特性を確保すべく突出部にて部分的にスタビライザバーの外周面を挟み込むようにする必要がある一方で、スタビライザブッシュへのスタビライザバーからの前後方向の荷重入力は少なく、スタビライザブッシュの前後方向のばね特性を特に軟らかくしておくことは必要ではない。
従って周壁面の上下方向の中間部且つ車体の前後方向の両側の部分をスタビライザバーの外周面に対し、軸方向全長に亘り弾性接触させても支障はない。
この請求項3ではこの点に着目して、挿通孔の周壁面を上下方向の中間部且つ車体の前後方向の両側の部分を、軸方向全長に亘りスタビライザバーの外周面に押圧状態に弾性接触させるようになしたもので、このことによりスタビライザブッシュとスタビライザバーとの締結力を効果的に高め得て、スタビライザブッシュによるスタビライザバーの弾性支持力を高めることができる。
次に請求項4は、スタビライザブッシュにおける固定ブラケットの嵌合部の内周面に嵌合する外周嵌合面に全面に亘って、互いに交差する第1方向溝と第2方向溝とをそれぞれ所定間隔で複数条設け、且つ少なくとも一方の溝を軸方向の一端から他端まで延在させて各端を外部に開放したものである。
この請求項4によれば、スタビライザブッシュの外周嵌合面と固定ブラケットの嵌合部の内周面との間に水膜が形成されるのを効果的に抑制することができるとともに、それらスタビライザブッシュの外周嵌合面と固定ブラケットの嵌合部の内周面との間のエアや水を、それら第1方向溝と第2方向溝とで円滑に外部へと逃すことができ、スタビライザブッシュの外周面と嵌合部との間の相対変位による異音の発生を良好に防止することができる。
この請求項4によれば、スタビライザブッシュの外周嵌合面と固定ブラケットの嵌合部の内周面との間に水膜が形成されるのを効果的に抑制することができるとともに、それらスタビライザブッシュの外周嵌合面と固定ブラケットの嵌合部の内周面との間のエアや水を、それら第1方向溝と第2方向溝とで円滑に外部へと逃すことができ、スタビライザブッシュの外周面と嵌合部との間の相対変位による異音の発生を良好に防止することができる。
この場合において第1方向溝を軸方向に延びる溝となし、また第2方向溝を周方向に延びる溝となしておくことができる(請求項5)。
またこれら第1方向溝と第2方向溝とを碁盤目状に形成しておくことができる。
更にこの場合において少なくとも一方の溝を、スタビライザブッシュの軸方向両端部の周方向に沿った突条部の軸方向内側の内面まで延在させておくことができる(請求項6)。
またこれら第1方向溝と第2方向溝とを碁盤目状に形成しておくことができる。
更にこの場合において少なくとも一方の溝を、スタビライザブッシュの軸方向両端部の周方向に沿った突条部の軸方向内側の内面まで延在させておくことができる(請求項6)。
ここで上記軸方向の溝は溝深さを0.5〜1.5mmとしておくことができ、また外周面の溝は溝深さを0.15〜0.4mmとしておくことができる。
次に請求項7は、固定ブラケットによる固定によって車体に弾性圧接せしめられるスタビライザブッシュの底面の着座面についても、その全面に亘って互いに交差する第3方向溝と第4方向溝とをそれぞれ所定間隔で複数条設けておき、且つ少なくとも一方の溝を軸方向の一端から他端まで延在させて、各端を外部に開放状態となしたものである。
このようにしておけば、スタビライザブッシュの底面と車体との間に挟み込まれたエアや水が、それら溝を通じて円滑に外部へと逃げることができ、それら底面と車体との間にエアや水が挟まれ、底面と車体との擦れによって異音が発生するのを防止することができる効果が得られる。
この底面においても第3方向溝を軸方向溝となし、また第4方向溝を軸直角方向の溝となしておくことができる。
また第3方向溝と第4方向溝とを碁盤目状に設けておくことができる。
ここで底面の溝は、溝深さを0.15〜0.4mmとしておくことができる。
この底面においても第3方向溝を軸方向溝となし、また第4方向溝を軸直角方向の溝となしておくことができる。
また第3方向溝と第4方向溝とを碁盤目状に設けておくことができる。
ここで底面の溝は、溝深さを0.15〜0.4mmとしておくことができる。
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1〜図3において、10はスタビライザバー12を車体14に弾性支持させるためのゴム弾性体製のスタビライザブッシュで、16はスタビライザブッシュ10を車体14に固定する金属製の剛性の固定ブラケットである。
固定ブラケット16は、横断面形状がU字状をなす嵌合部18と、その周方向端で水平に折れ曲った、固定孔20を有する固定部22とを有しており、その固定部22において車体14に固定されるようになっている。
図1〜図3において、10はスタビライザバー12を車体14に弾性支持させるためのゴム弾性体製のスタビライザブッシュで、16はスタビライザブッシュ10を車体14に固定する金属製の剛性の固定ブラケットである。
固定ブラケット16は、横断面形状がU字状をなす嵌合部18と、その周方向端で水平に折れ曲った、固定孔20を有する固定部22とを有しており、その固定部22において車体14に固定されるようになっている。
スタビライザブッシュ10は、外周面の形状(横断面形状)がU字状をなしている。
この外周面の軸方向両端部には、周方向に沿って延びるU字状の突条部24が設けられている。
スタビライザブッシュ10は、それら一対の突条部24が固定ブラケット16における嵌合部18の軸端面に対向する状態に、外周嵌合面26が嵌合部18の内周面に嵌合され、その状態で固定ブラケット16により平坦な底面28を車体14に弾性圧接状態に着座させる状態に車体14に固定される。
即ちここでは底面28全体が車体14への着座面とされている。
この外周面の軸方向両端部には、周方向に沿って延びるU字状の突条部24が設けられている。
スタビライザブッシュ10は、それら一対の突条部24が固定ブラケット16における嵌合部18の軸端面に対向する状態に、外周嵌合面26が嵌合部18の内周面に嵌合され、その状態で固定ブラケット16により平坦な底面28を車体14に弾性圧接状態に着座させる状態に車体14に固定される。
即ちここでは底面28全体が車体14への着座面とされている。
スタビライザブッシュ10は、スタビライザバー12を挿通する貫通の挿通孔30を有している。ここで挿通孔30は上下方向に長円状をなしている(図1,図3参照)。そしてこの挿通孔30の周壁面30Aの軸方向中央部且つ上部と下部とに、図1及び図2に示しているようにスタビライザバー12の軸心に向って半環状に突出する上側突出部32及び下側突出部34が設けられている。
これら上側突出部32及び下側突出部34は、半円状の内周嵌合面35及び36を有しており、それらをスタビライザバー12の外周面に弾性嵌合させる状態にかかるスタビライザバー12を上下方向に弾性的に挟み込み、スタビライザバー12を弾性支持する。
これら上側突出部32及び下側突出部34は、半円状の内周嵌合面35及び36を有しており、それらをスタビライザバー12の外周面に弾性嵌合させる状態にかかるスタビライザバー12を上下方向に弾性的に挟み込み、スタビライザバー12を弾性支持する。
図1に示しているように、周壁面30Aの上側突出部32及び下側突出部34に対する軸方向の両側の上部とスタビライザバー12の外周面との間、及び下部とスタビライザバー12の外周面との間には、それぞれ周方向に半環状をなして軸端で開口する隙間38,40が形成されている。
周壁面30Aは、これら隙間38,40の部分においてスタビライザバー12に対し非接触状態とされている。
周壁面30Aは、これら隙間38,40の部分においてスタビライザバー12に対し非接触状態とされている。
周壁面30Aにはまた、上側突出部32及び下側突出部34に対する軸方向の両側の部分、即ち隙間38,40を形成している部分において、複数の上側軸方向溝42及び下側軸方向溝44がそれぞれ周方向に一定間隔毎に複数条設けられている。
ここで上側軸方向溝42及び下側軸方向溝44は、それぞれ隙間38,40内のエアや水を外部に排出して、それらが隙間38,40に閉じ込められるのを防ぐためのもので、それぞれスタビライザバー12の軸方向と平行に延び、且つ軸端で開放された形態をなしている。
周壁面30Aにはまた、隙間38,40を形成する部分において且つ上側突出部32及び下側突出部34に対し軸方向に隣接する位置において、周方向に半円状に延びる上側周方向溝46及び下側周方向溝48が設けられており、それら周方向溝46,48にて、上側軸方向溝42及び下側軸方向溝40が、上側突出部32及び下側突出部34の隣接位置で互いに連絡(連通)されている。
ここで上側軸方向溝42及び下側軸方向溝44は、それぞれ隙間38,40内のエアや水を外部に排出して、それらが隙間38,40に閉じ込められるのを防ぐためのもので、それぞれスタビライザバー12の軸方向と平行に延び、且つ軸端で開放された形態をなしている。
周壁面30Aにはまた、隙間38,40を形成する部分において且つ上側突出部32及び下側突出部34に対し軸方向に隣接する位置において、周方向に半円状に延びる上側周方向溝46及び下側周方向溝48が設けられており、それら周方向溝46,48にて、上側軸方向溝42及び下側軸方向溝40が、上側突出部32及び下側突出部34の隣接位置で互いに連絡(連通)されている。
本実施形態において、これら上側軸方向溝42及び下側軸方向溝44は、溝深さが1mmとされている。
一方上側周方向溝46及び下側周方向溝48は、これら上側軸方向溝42及び下側軸方向溝44よりも溝深さが深いものとされている。具体的にはここではその溝深さは2mmとされている。
一方上側周方向溝46及び下側周方向溝48は、これら上側軸方向溝42及び下側軸方向溝44よりも溝深さが深いものとされている。具体的にはここではその溝深さは2mmとされている。
上記のように本実施形態においては挿通孔30の横断面形状が上下に長い長円形状をなしている一方、上側突出部32及び下側突出部34の内周嵌合面35,36はそれぞれ半円状をなしており、上側突出部32及び下側突出部34のそれぞれは、上端及び下端から上下方向中間部に進むにつれて突出量が漸次減少し、挿通孔30の上下方向の中間部でその突出がほぼ消失している。
上記周壁面30Aは、図4及び図5に示しているように上側周方向溝46の周方向端と、下側周方向溝48の周方向端との間の部分が、それら上側及び下側周方向溝46,48に対して段差形状を成す押圧面50を成している。この押圧面50は、上側突出部32及び下側突出部34間の押圧面52と軸方向にほぼ面一をなしている。
上側軸方向溝42及び下側軸方向溝44は、それぞれ周壁面30Aの上部及び下部に部分的に設けられていて、それらの間の部分が凹凸のない平滑な面とされている。そしてこの平滑な面の上下方向の中間部が、押圧面50及び52とほぼ面一面をなす押圧面54とされている。
上側軸方向溝42及び下側軸方向溝44は、それぞれ周壁面30Aの上部及び下部に部分的に設けられていて、それらの間の部分が凹凸のない平滑な面とされている。そしてこの平滑な面の上下方向の中間部が、押圧面50及び52とほぼ面一面をなす押圧面54とされている。
本実施形態ではこれら押圧面50,52,54にてスタビライザブッシュ10の軸方向全長に亘りスタビライザバー12の外周面に弾性接触する前後方向の支持面が構成されている。
そしてスタビライザブッシュ10は、スタビライザバー12を挿通孔30に挿通させ、且つ固定ブラケット16にて圧縮状態で車体14に固定された状態において、周壁面30Aの上下方向中間部且つ車体の前後方向の両側の部分の支持面をスタビライザバー12に弾性的に押圧接触させてこれを締め付けるようになっている。
そしてスタビライザブッシュ10は、スタビライザバー12を挿通孔30に挿通させ、且つ固定ブラケット16にて圧縮状態で車体14に固定された状態において、周壁面30Aの上下方向中間部且つ車体の前後方向の両側の部分の支持面をスタビライザバー12に弾性的に押圧接触させてこれを締め付けるようになっている。
図3に示しているようにスタビライザブッシュ10の外周面、詳しくは外周嵌合面26には、互いに直角に交差する軸方向溝(第一方向溝)56と、周方向溝(第2方向溝)58とが全面に亘ってそれぞれ一定ピッチで多数条設けられている。
これら軸方向溝56及び周方向溝58は、外周嵌合面26と固定ブラケット16における嵌合部18の内周面との間のエアや水を外部に案内して排出する働きを有するもので、そのため軸方向溝56は外周嵌合面26の軸方向の両端で外部に開放された形態をなしている。
これら軸方向溝56及び周方向溝58は、外周嵌合面26と固定ブラケット16における嵌合部18の内周面との間のエアや水を外部に案内して排出する働きを有するもので、そのため軸方向溝56は外周嵌合面26の軸方向の両端で外部に開放された形態をなしている。
本実施形態では、これら軸方向溝56は上記一対の突条部24の軸方向内側の内面まで延びており、図7に示しているように同部分で軸方向溝56が外部に開放されている。
尚この突条部24の内面にも、軸方向溝56と交差する周方向溝58が形成されている。
これら軸方向溝56及び周方向溝58は、この実施形態では小さいピッチで多数条形成されており、エアや水を外部に案内して排出する働きの他、外周嵌合面26を碁盤目状の凹凸形状となして、外周嵌合面26と固定ブラケット16の嵌合部18の内周面との接触面積を少なくする働きも有している。
ここで軸方向溝56及び周方向溝58は、それぞれ溝深さ0.3mmで形成されている。
尚この突条部24の内面にも、軸方向溝56と交差する周方向溝58が形成されている。
これら軸方向溝56及び周方向溝58は、この実施形態では小さいピッチで多数条形成されており、エアや水を外部に案内して排出する働きの他、外周嵌合面26を碁盤目状の凹凸形状となして、外周嵌合面26と固定ブラケット16の嵌合部18の内周面との接触面積を少なくする働きも有している。
ここで軸方向溝56及び周方向溝58は、それぞれ溝深さ0.3mmで形成されている。
本実施形態ではまた、底面28にも互いに交差する軸方向溝(第3方向溝)60と、軸直角方向溝(第4方向溝)62とが、それぞれ一定ピッチで多数条設けられている。
これら軸方向溝60及び軸直角方向溝62もまた、底面28と車体14との間のエアや水を外部に案内して排出する働きを有するもので、上記外周嵌合面26における軸方向溝56及び周方向溝58と同様のピッチで形成されており、底面28を碁盤目状の凹凸形状となして、底面28と車体14との間の接触面積を少なくする働きも有している。
この底面28の軸方向溝60及び軸直角方向溝62もまた、外周嵌合面26の軸方向溝56及び周方向溝58と同様、溝深さ0.3mmで形成されている。
これら軸方向溝60及び軸直角方向溝62もまた、底面28と車体14との間のエアや水を外部に案内して排出する働きを有するもので、上記外周嵌合面26における軸方向溝56及び周方向溝58と同様のピッチで形成されており、底面28を碁盤目状の凹凸形状となして、底面28と車体14との間の接触面積を少なくする働きも有している。
この底面28の軸方向溝60及び軸直角方向溝62もまた、外周嵌合面26の軸方向溝56及び周方向溝58と同様、溝深さ0.3mmで形成されている。
上記のように本実施形態によれば、図6に示しているようにスタビライザバー12がスタビライザブッシュ10に対してこじり方向に相対変位し、更にその状態で軸直角方向(上下方向)に相対変位した場合においても、スタビライザバー12と挿通孔30の周壁面30Aとの間の隙間38,40のエアや水等が上側軸方向溝42或いは下側軸方向溝44を通じて外部へと容易に逃げることができる。
これにより、閉じ込められたエアや水が外部へ逃げる際に発生するエア抜け音や水抜け音が異音として発生する問題を解決することができる。
これにより、閉じ込められたエアや水が外部へ逃げる際に発生するエア抜け音や水抜け音が異音として発生する問題を解決することができる。
また上側軸方向溝42及び下側軸方向溝44は周方向に沿って複数条形成されているとともに、それらが上側周方向溝46及び下側周方向溝48にて互いに連絡されているため、図6に示す状態において上側軸方向溝42の何れかが万一閉鎖されることがあったとしても、隙間38,40内のエアや水は上側周方向溝46或いは下側周方向溝48を通じて他の上側軸方向溝42或いは下側方向溝44へと移り、そこから外部へと逃げることができる。
従って本実施形態によれば確実にエア抜け音や水抜け音に起因する異音の発生を防止することができる。
従って本実施形態によれば確実にエア抜け音や水抜け音に起因する異音の発生を防止することができる。
その他に本実施形態のスタビライザブッシュ10は、軸方向の中央部で突出させた上側突出部32及び下側突出部34にてスタビライザバー12を上下に挟み込んで、これを弾性支持するものであることから、スタビライザバー12の相対変位の際の初期において軟らかいばね特性を、また一定以上変位した後において硬いばね特性を確保することができ、乗り心地性能と操縦安定性との何れの特性をも充足することができる。
更に本実施形態のスタビライザブッシュ10は、上側突出部32及び下側突出部34にてスタビライザバー12に部分的に弾性嵌合し、他の部分においては隙間38,40を形成して非接触状態であるため、挿通孔31の周壁面30A全面がスタビライザバー12の外周面に密着接触する場合と異なって、スタビライザバー12との滑りに起因するスティックスリップ音の発生も有効に防止することができる。
また上側周方向溝46及び下側周方向溝48をそれぞれ半円状に形成して、それぞれを上側突出部32及び下側突出部34に隣接して設けておくことで、スタビライザバー12の相対変位時に複数条の軸方向溝42,44をかかる周方向溝46,48にて確実に連絡した状態を保つことができ、隙間38,40内のエアや水をそれら軸方向溝にて確実に円滑に逃すことができる。
更に挿通孔30の周壁面30Aを上下方向の中間部で軸方向全長に亘りスタビライザバー12の外周面に弾性接触させて支持するようになしていることからスタビライザブッシュ10とスタビライザバー12との締結力を効果的に高め得て、スタビライザブッシュ10によるスタビライザバー12の弾性支持力を高めることができる。
またスタビライザブッシュ10の、固定ブラケット16に嵌合する外周外周面26に全面に亘って、互いに交差する軸方向溝56と周方向溝58とをそれぞれ所定間隔で多数条設け、且つ軸方向溝56の軸端を外部に開放していることから、スタビライザブッシュ10の外周嵌合面26と固定ブラケット16の嵌合部18の内周面との間に水膜が形成されるのを効果的に抑制することができるとともに、図7に示しているようにそれら外周嵌合面26と固定ブラケット16の嵌合部18の内周面との間のエアや水を、それら軸方向溝56と周方向溝58とで円滑に外部へと逃すことができ、外周嵌合面26と嵌合部18との間の相対変位による異音の発生も良好に防止することができる。
加えてスタビライザブッシュ10の底面28においても全面に亘って互いに交差する軸方向溝56と軸直角溝65とをそれぞれ碁盤目状に形成して、それぞれの末端を外部に開放状態としているため、底面28と車体14との間に挟み込まれたエアや水がそれら溝を通じて円滑に外部へと逃げることができ、底面28と車体14との間においても異音の発生を良好に防止することができる。
以上本発明の実施形態を詳述したが、これはあくまで一例示である。
例えば周壁面30Aの上側軸方向溝42及び下側軸方向溝44は、スタビライザバー12の軸方向と平行方向に設けておくことが望ましいが、場合によって軸方向と平行方向に対してある程度傾いた状態で設けておいても良い。
更に外周嵌合面26及び底面28の軸方向溝もまた同様に、軸方向と平行方向に対しある程度傾けて設けておくこともできる。
これら軸方向溝を厳密に軸方向と平行方向に設けた場合或いは傾けた場合の何れにおいても、周方向溝58や軸直角方向溝62を、それら軸方向溝56,60に対しそれぞれ直角方向に交差する状態で設け得ることは勿論、斜めに交差する状態で設けることも可能である。
例えば周壁面30Aの上側軸方向溝42及び下側軸方向溝44は、スタビライザバー12の軸方向と平行方向に設けておくことが望ましいが、場合によって軸方向と平行方向に対してある程度傾いた状態で設けておいても良い。
更に外周嵌合面26及び底面28の軸方向溝もまた同様に、軸方向と平行方向に対しある程度傾けて設けておくこともできる。
これら軸方向溝を厳密に軸方向と平行方向に設けた場合或いは傾けた場合の何れにおいても、周方向溝58や軸直角方向溝62を、それら軸方向溝56,60に対しそれぞれ直角方向に交差する状態で設け得ることは勿論、斜めに交差する状態で設けることも可能である。
更に上記の上側周方向溝及び下側周方向溝はあくまで一例を示したに過ぎないもので、これを他の形態で設けることも可能であるなど、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
10 スタビライザブッシュ
12 スタビライザバー
14 車体
16 固定ブラケット
18 嵌合部
30 挿通孔
30A 周壁面
32 上側突出部
34 下側突出部
35,36 内周嵌合面
38,40 隙間
42 上側軸方向溝
44 下側軸方向溝
46 上側周方向溝
48 下側周方向溝
56 軸方向溝(第1方向溝)
58 周方向溝(第2方向溝)
60 軸方向溝(第3方向溝)
62 軸直角方向溝(第4方向溝)
12 スタビライザバー
14 車体
16 固定ブラケット
18 嵌合部
30 挿通孔
30A 周壁面
32 上側突出部
34 下側突出部
35,36 内周嵌合面
38,40 隙間
42 上側軸方向溝
44 下側軸方向溝
46 上側周方向溝
48 下側周方向溝
56 軸方向溝(第1方向溝)
58 周方向溝(第2方向溝)
60 軸方向溝(第3方向溝)
62 軸直角方向溝(第4方向溝)
Claims (7)
- スタビライザバーを挿通させる貫通の挿通孔を有し、外周面が剛性の固定ブラケットの嵌合部の内周面に弾性圧接状態に嵌合されて該固定ブラケットにより車体に固定され、該スタビライザバーを該車体に弾性支持させるゴム弾性体製のスタビライザブッシュにおいて
軸方向の中央部且つ前記挿通孔の周壁面の上部及び下部に、前記スタビライザバーの外周面に弾性嵌合する内周嵌合面を備え、該スタビライザバーの軸心に向い突出する部分環状の上側突出部及び下側突出部をそれぞれ設け、それら上側突出部及び下側突出部にて該スタビライザバーを上下方向に弾性的に挟むようになすとともに、
前記周壁面の、前記上側突出部及び下側突出部に対する軸方向の両側の上部及び下部と該スタビライザバーの外周面との間に、周方向に部分環状をなして軸端で開口する上側隙間及び下側隙間を形成せしめ、且つ該周壁面の軸方向両側の上部及び下部に、軸方向に延び軸端で外部に開放されてエア,水を軸方向に排出可能な上側軸方向溝及び下側軸方向溝を周方向に沿って複数条設けるとともに、それら軸方向溝を周方向に連絡する上側周方向溝及び下側周方向溝を設けたことを特徴とするスタビライザブッシュ。 - 請求項1において、前記挿通孔が上下方向に長円状をなしているとともに前記上側突出部及び下側突出部が半環状に突出していて前記内周嵌合面が半円状をなしており、前記上側周方向溝及び下側周方向溝がそれら突出部に沿って半円状に且つそれら突出部に対し軸方向に隣接した位置に設けられていることを特徴とするスタビライザブッシュ。
- 請求項1,2の何れかにおいて、前記周壁面は、上下方向の中間部且つ車体の前後方向の両側の部分が前記スタビライザバーの外周面に対して軸方向全長に亘り押圧状態に弾性接触する前後方向の支持面とされていることを特徴とするスタビライザブッシュ。
- 請求項1〜3の何れかにおいて、前記外周面の前記固定ブラケットの嵌合部の内周面に嵌合接触する外周嵌合面の全面に亘って、第1方向溝と該第1方向溝に対して交差する第2方向溝とをそれぞれ所定間隔で複数条設けて、該外周嵌合面の全面を凹凸形状となし、且つ少なくとも一方の溝を該外周嵌合面の軸方向の一端から他端まで延在させて、各端を外部に開放状態としたことを特徴とするスタビライザブッシュ。
- 請求項4において、前記第1方向溝が軸方向に延びる溝であり、前記第2方向溝が周方向に延びる溝であることを特徴とするスタビライザブッシュ。
- 請求項4,5の何れかにおいて、前記外周面の軸方向の両端部に、周方向に沿って延びる突条部が設けられており、前記少なくとも一方の溝が該突条部の軸方向内側の内面まで延びていることを特徴とするスタビライザブッシュ。
- 請求項1〜6の何れかにおいて、前記固定ブラケットによる固定によって前記車体に弾性圧接状態に着座せしめられる底面の着座面の全面に亘って、第3方向溝と該第3方向溝に対して交差する第4方向溝とをそれぞれ所定間隔で複数条設けて該着座面を凹凸形状となし、且つ少なくとも一方の溝を軸方向の一端から他端まで延在させて、各端を外部に開放状態となしたことを特徴とするスタビライザブッシュ。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009274606A (ja) * | 2008-05-15 | 2009-11-26 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | スタビライザブッシュ |
KR101024626B1 (ko) * | 2008-01-14 | 2011-03-25 | 주식회사 세명기업 | 스테빌라이저 바 부싱기구 |
EP3808529A1 (de) * | 2019-10-17 | 2021-04-21 | ContiTech Luftfedersysteme GmbH | Verfahren zur herstellung eines beschichteten auflagerelements aus elastomermaterial |
-
2005
- 2005-10-21 JP JP2005306543A patent/JP2007112318A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009274606A (ja) * | 2008-05-15 | 2009-11-26 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | スタビライザブッシュ |
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