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JP2007111046A - 調味料素材及びその製造方法 - Google Patents

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JP2007111046A JP2006259833A JP2006259833A JP2007111046A JP 2007111046 A JP2007111046 A JP 2007111046A JP 2006259833 A JP2006259833 A JP 2006259833A JP 2006259833 A JP2006259833 A JP 2006259833A JP 2007111046 A JP2007111046 A JP 2007111046A
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Abstract

【課題】塩分濃度を低く抑えながらも、あらゆる食材の嗜好性を向上させ、呈味を複雑にして、濃厚感を増強させる調味料素材を課題とする。
【解決手段】
本発明は、たんぱく質を含有する糖質原料又は糖質原料にタンパク質を添加した混合物を発酵させて得た、窒素濃度0.7〜5.0%及び塩分濃度0〜1.0%である有機酸発酵物及び本有機酸発酵物からなる調味料素材を提供する。
【選択図】図21

Description

本発明は、タンパク質及び糖質原料を発酵させて得られる有機酸発酵物を由来とした、飲食物の風味、香気を改善し、濃厚感や熟成感、味の複雑さを向上させる調味料素材及びその製造方法に関する。
古来、人類にとって「食」は生きるための「栄養の摂取」という意味合いだけでなく、美味しいものを食べることで心を満たすという、精神的な意味合いを持ってきた。また、現代においては、健康に気を遣う人が増えたことにより、安全で健康に良いとされる食品が望まれている。そのような事情により、安全でより風味の良い飲食物が求められるのは必然であり、飲食物の風味や香りを改善する方法が開発されてきた。
従来、風味や香味を改善する目的で様々なものが用いられてきており、シイタケ、昆布、かつお節、煮干等の天然素材に由来する基本だしは、家庭でも一般的に使用されている調味素材の代表的な例である。また、畜肉エキス、チキンエキス、魚介類エキス、野菜エキスなどの業務用に用いられる複合エキスは、料理をする上でのベースとして広く使われており、その機能は、各種食品にコクや味の複雑さを加えることで、食材の味の薄さをカバーするとされている。その他にも、グルタミン酸ナトリウムやイノシン酸二ナトリウム、グアニル酸二ナトリウムに代表されるアミノ酸や核酸系のうま味調味料や、HVP(植物蛋白分解物)、HAP(動物蛋白分解物)、酵母エキスといった味に幅を持たせる調味素材、または各種食品に香りを与える香料(フレーバー)が工業的に広く用いられている。
また、糖類をアルカリ中で加熱し、これをエキス類に加え更に加熱する方法(特許第3496489号公報)、ゼラチン及びトロポミオシンを糖及び/又はアミノ酸を含む水中若しくは天然エキス中で加熱する方法(特開平10−276709号公報)や、昆布、昆布抽出物及び抽出残渣の中から選ばれた1種以上に対し、カリウム、グルタミン酸及び糖アルコールを添加する方法(特公平6−75479号公報)などが提案されている。
特許第3496489号公報 特開平10−276709号公報 特公平6−75479号公報
しかし、上記の調味素材は、各種飲食物の風味や香味を改善する上でユーザーを満足させるものではなかった。シイタケ、昆布、かつお節、煮干等の天然素材に由来する基本だしは、味に変化を加える因子の主となるものがアミノ酸、核酸等の低分子物質で構成されているため、味に旨みは加えるが天然エキスに比べると呈味が単調であるという欠点がある。畜肉エキス、チキンエキス、魚介類エキス、野菜エキスなどの複合エキスは経済性に欠け、アミノ酸や核酸系の化学調味料は食品添加物として扱われる為、最近のヘルシー思考にはそぐわない傾向がある。その他にも、HVP(植物蛋白分解物)やHAP(動物蛋白分解物)は、タンパク質を処理した際の分解臭を有し、酵母エキスはその酵母特有の風味から使用量が制限されてしまう。
これら上記の調味素材は、シイタケの基本だしであれば和食、チキンエキスであれば洋食という様に、対象とする食品の使用範囲に制限が生じてしまう。アミノ酸や核酸系の調味料であれば、ある程度広い範囲で使用できるが、それでも和菓子や洋菓子、果汁飲料といった食品を対象にすることはあまり行われていない。つまり、従来用いられている調味料素材及び調味料は、使用される食品の種類に限りがあり、どのような食品に対しても呈味の改善を起こさせるというものではなかった。
本発明は、以上のような欠点をなくすためになされたものである。
本発明者は、前記課題を解決すべき努力した結果、飲食物の風味を改善することに関して下記の点に着目をして発明に至った。一般的に、味を感じる味覚受容体は味細胞からなる味蕾に存在していることが知られている。舌の先にある味蕾は、主に甘味や塩味を感じ、舌の奥にある味蕾は、主に旨味を感じている。また、舌だけでなく、軟口蓋や喉の奥でも味を感じており、これら複数の部位で味を感じさせることができれば、風味に空間的な広がりを持たせることができる。本発明である有機酸発酵物は、これら複数の部位で味を感じさせるものであると考えられ、後からじっくりと広がる風味が強くなり、余韻の残る味となることから、時間的に段階を踏んで味覚を刺激していると言える。これら空間的、時間的な複数の作用により、「濃厚感」や「熟成感」に代表される、味の「複雑さ」が付与されるものと考えられる。
他方で、飲食物の風味の「複雑さ」は、旨みにおける重要な要素の一つだと考えられており、これは一つの物質に由来する味覚ではなく、飲食物に含まれる無数の物質に由来する複数の味覚が複雑に絡み合ったものと認識されている。同様に、飲食物の「おいしさ」は味覚だけでなく、嗅覚、食感など、複数の要因により感じ取られる。
本発明者は、タンパク質を含有する糖質原料又は糖質原料にたんぱく質を添加した混合物を発酵させて得た、窒素濃度0.7〜5.0%及び塩分濃度0〜1.0%である有機酸発酵物が和食、洋食、中華料理、和菓子、洋菓子、果物、調味料、乳製品、酒類、飲料といった食品の種類を選ばずにその風味、香気を改善させられることを見出し、本発明である調味料素材を完成するに至った。すなわち、本発明は、たんぱく質を含有する糖質原料又は糖質原料にタンパク質を添加した混合物を発酵させて得た、窒素濃度0.7〜5.0%及び塩分濃度0〜1.0%である有機酸発酵物と、当該有機酸発酵物からなる調味料素材を提供するものである。
ここで言う糖質原料とは、米、玄米などの穀物、果物などを指し、添加されるタンパク質としては、糠や発酵粕、蛋白加水分解物や酵母エキス等が挙げられる。
調味料素材中の窒素濃度に換算されるタンパク質やペプチド、アミノ酸は、飲食物に対する風味の改善に大きく影響するため、豊かな旨みをもつ醤油の窒素成分と同等、またはそれ以上の量が必要となる。タンパク質を含有する糖質原料又は糖質原料にたんぱく質を添加した混合物を発酵させて得た調味料素材における窒素濃度を0.7〜5.0%としているが、この窒素濃度に至るには、発酵後において窒素分の追加、若しくは除去することを要しない。
また、食品からの塩分の取りすぎによる高血圧や腎疾患、心疾患の発症または進行のリスクを避けつつ、ユーザーの健康志向を考慮して、飲食物の種類を問わない幅広い呈味改善効果を得る必要がある。そこで、タンパク質を含有する糖質原料又は糖質原料にたんぱく質を添加した混合物を発酵させて得た調味料素材における塩分濃度を塩分濃度0〜1.0%とし、非常に低濃度に留めている。この塩分濃度に至るには、発酵後において塩分の追加、若しくは濾過工程等による除去を要しない。
本調味料素材は、従来から飲食物の風味を調整する手段として用いられている砂糖、塩、酢、醤油、味噌、味醂、酒等とは、いずれとも異なる特徴を持っている。すなわち、有機酸を含まない砂糖、塩とは当然異なり、またアルコール発酵物である味醂、酒とも異なる。酢とは窒素濃度の点で、醤油や味噌とは塩分濃度の点で性質が異なる。
また、本調味料素材は、乳酸、グルコン酸および酢酸からなる群より選ばれた1種以上の化合物を含む有機酸発酵物としても良い。乳酸、グルコン酸および酢酸については、タンパク質を含有する糖質原料又は糖質原料にたんぱく質を添加した混合物を発酵させる工程で含まれるものである。
また、本調味料素材は、有機酸発酵物の総酸度(酢酸換算)を(A)、窒素分を(B)、糖分を(C)とした場合、(B)/(A)の値が0.05から5.0の範囲内であり、且つ(C)/(A)の値が0.5から30.0の範囲内としてもよい。ここで言う総酸度(酢酸換算)とは、有機酸発酵物を一定容量計り取り、0.1N苛性ソーダにてpH8.3を終点として滴定したときに、滴定値(ml)×0.6×0.1N苛性ソーダのファクター/総試料(ml)で算出される値(W/V%)である。
また、本発明は、たんぱく質を含有する糖質原料又は糖質原料にタンパク質を添加した混合物を発酵させて得た、窒素濃度0.7〜5.0%及び塩分濃度0〜1.0%である有機酸発酵物からなる調味料素材の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、前記の調味料素材を含む飲食物を提供するものである。ここで、飲食物とは、少なくともバター、チーズ、ヨーグルト等の乳製品や果汁、茶、発酵乳、ビール、焼酎、日本酒、ワイン、ウイスキー、ブランデー等の飲料や酒類、ケーキやアイスクリーム等の菓子、デザート類にも利用できる。また、この有機酸発酵物からなる調味料素材を用い、野菜、魚介類、肉類及び乳製品に使用した食物が挙げられる。
また、本発明は、前記の調味料素材を含む調味料を提供するものである。ここで、調味料とは、少なくともタレ、つゆ、だし、スープ、合わせ酢、ドレッシング、マヨネーズ、ジャム等の複合調味料、みそ、醤油、魚醤、ソース、酢などの基礎調味料などが挙げられる。
本発明によれば、近年の飲食物に対するヘルシー思考にマッチした、塩分含量が非常に少なく、かつ今までにない幅広い種類の飲食物に適用でき得る、風味の「複雑さ」を付与し、呈未を改善する調味料素材が提供される。このため、本発明の有機酸発酵物は、和食、洋食、中華料理、和菓子、洋菓子、果物、調味料、乳製品、酒類、飲料といった食品の種類を選ばずにその風味、香気を改善させる目的で使用する調味料素材とすることができる。この結果、従来諦められていた嗜好性の低いあらゆる種類の食品に対しても、呈味の改善を施すことができる。
本発明の調味料素材は、タンパク質を含有する糖質原料又は糖質原料にたんぱく質を添加した混合物を発酵させて得た、窒素濃度0.7〜5.0%及び塩分濃度0〜1.0%である有機酸発酵物であることを特徴とする。この調味料素材は、飲食物の風味に「複雑さ」を与えることができる。
本発明で使用する糖質原料とは、米類、麦類、トウモロコシ、アワ、ヒエ、アマランサス、豆類、芋類、などの穀物や、リンゴ、ブドウ、プルーン、柿、パイナップルなどの果汁を指し、有機酸発酵物とは、グルコン酸発酵、乳酸発酵、酢酸発酵などにより得られたものであり、食酢や漬物浸漬液なども含む。
本発明の有機酸発酵物は、例えば以下に示す方法で得ることが可能である。米等の糖質原料に液化酵素を作用させ、至適活性温度で数時間液化反応を行う。得られた糖化液に酵母を加えて15〜30℃でアルコール発酵を行い、醸造アルコールを得る。これに酢酸菌を接種して15〜30℃で酢酸発酵を起こさせ、得られた酢酸発酵液をろ過した後、熟成タンク等において一定期間熟成を行う。熟成期間の終了後、濃縮、濾過、殺菌を行い、窒素濃度0.7〜5.0%及び塩分濃度0〜1.0%の有機酸発酵物を製造する。前記濃度の範囲は、健康面からの配慮から塩分濃度は1.0%としながらも、本発明の有機酸発酵物の窒素濃度を、0.7〜5.0%とすることで、あらゆる食品の呈味改善を可能となることを見出したことによる。この範囲内の濃度であれば、いずれの濃度でも食品の呈味改善が可能となる。ここでの濾過工程は、有機酸発酵物のなかにある不純物等を除去するものであり、窒素濃度や塩分濃度を調整するものではない。
また、本発明の有機酸発酵物は、総酸度(酢酸換算)を(A)、窒素分を(B)、糖分(C)とした場合、(B)/(A)の値が0.05から5.0の範囲内であり、(C)/(A)の値が0.5から30.0の範囲内とさせてもよい。ここで言う総酸度(酢酸換算)とは、有機酸発酵物を一定容量計り取り、0.1N苛性ソーダにてpH8.3を終点として滴定したときに、滴定値(ml)×0.6×0.1N苛性ソーダのファクター/総試料(ml)で算出される値(W/V%)である。また、窒素分はケルダール法にて測定し、糖分は「株式会社アタゴ製RX−5000型デジタル屈折計」を用いて測定した。
本発明品は液体である場合、噴霧乾燥法や凍結乾燥法等を用いて粉末化させることが可能であるため、液体以外にもペースト状、粉末状、顆粒状と、様々な形態に加工して使用することができるという利点を持つ。そのため、いかなる呈味素材と混合することも可能である。
(本発明の「有機酸発酵物〈1〉」の製造方法)
米に米糠及び酵母エキスを加え、液化酵素を作用させ、60〜70℃で3時間液化を行った。次いで糖化酵素を添加し、50〜60℃で16時間糖化を行った。得られた糖化液に酵母を加え25〜30℃でアルコール発酵を行い、アルコール濃度約12%、糖濃度1%の玄米アルコールを得た。得られた玄米アルコールに酢酸菌を接種し25〜30℃で酢酸発酵を行った。得られた酢酸発酵液をろ過した後、熟成タンクにおいて熟成を行った。熟成終了後、濃縮、ろ過、殺菌を行い、窒素濃度2.0%、塩分濃度0.5%、糖濃度15%及び酸度2%(酢酸換算)の本発明品である有機酸発酵物を得た。
(本発明の「有機酸発酵物〈2〉」の製造方法)
玄米に液化酵素を作用させ、60〜70℃で液化を行った。次いで糖化酵素を添加し、50〜60℃で16時間糖化を行った。得られた糖化液に酵母を加え、25〜30℃でアルコール発酵を行い、アルコール濃度約15%、糖濃度約1%の玄米アルコールを得た。得られた玄米アルコールに酢酸菌を接種し25〜30℃で酢酸発酵を行った。得られた酢酸発酵液をろ過した後、熟成タンクにおいて熟成を行った。熟成終了後、ろ過、殺菌を行い、窒素濃度0.8%、塩分濃度0.05%、糖濃度15%及び酸度8%(酢酸換算)の本発明品である有機酸発酵物を得た。
(「有機酸発酵物」の粉末品の製造方法)
実施例1で調整した本発明品の「有機酸発酵物からなる調味料素材」を用いて以下のように粉末品を製造した。20kgの「有機酸発酵物からなる調味料素材」を濃縮し、10kgの濃縮品を得た。次に、デキストリン3kgを加え、噴霧乾燥を行い、粉末品5kgを得た。
(「有機酸発酵物」を含む調味料の製造方法)
実施例1で調整した本発明品の「有機酸発酵物からなる調味料素材」を用いて以下のようにソースを製造した。100gの「有機酸発酵物からなる調味料素材」を入れた容器に、果糖ぶどう糖溶液を900g加え、均一になるように攪拌混合し、デザート用ソース1000gを得た。
(チーズケーキへの利用)
下記表1の配合を混ぜ合わせ、冷蔵庫で2時間おきレアチーズケーキを製造した物を対照区とし、実施例1で調整した本発明の「有機酸発酵物からなる調味料素材」を1.8g加えたレアチーズケーキを添加区として製造した。二点比較法を用い味覚パネラー22名による官能評価を実施した。結果は表2に示す。
Figure 2007111046
Figure 2007111046
(肉じゃがへの利用)
下記表3の配合で、一口大にカットした野菜類および牛肉を炒めた後、水、調味料を加えて煮込み調理をした。これをそのまま弱火で5分間煮込んだものを対照区とし、一方これに実施例1で調整した本発明の「有機酸発酵物からなる調味料素材」を0.6g加えて(添加区)、5分ほど弱火で煮込み製造した。二点比較法を用い味覚パネラー15名による官能評価を実施した。結果は下記表4に示す。

Figure 2007111046

Figure 2007111046
(マヨネーズへの利用)
市販のマヨネーズ6g(対照区)と、実施例1で調整した本発明の「有機酸発酵物からなる調味料素材」0.018gを加えて(添加区)調整したものを用いた。二点比較法を用い味覚パネラー15名で官能評価を実施した。結果は下記表5に示す。
Figure 2007111046
(すし飯への利用)
下記表6の配合で合わせたすし酢を10g炊いたご飯100gに混ぜ合わせたすし飯を対照区とし、一方実施例1で調整した本発明の「有機酸発酵物からなる調味料素材」0.3gを添加し、これを10g炊いたご飯100gに混ぜ合わせたものを添加区とする。二点比較法を用い味覚パネラー15名で官能評価を実施した。結果は表7に示す。


Figure 2007111046

Figure 2007111046

※印のものは0hと6hの比較
(飲料への利用)
市販の缶コーヒー(無糖)50ml(対照区)に、一方これに実施例1で調整した本発明の「有機酸発酵物からなる調味料素材」0.015gを添加(添加区)し調整した。二点比較法を用い味覚パネラー15名で官能評価を実施した。結果は下記表8に示す。
Figure 2007111046
本発明の「有機酸発酵物からなる調味料素材」は飲食物に少量添加するだけで、当該飲食物の呈味を劇的に改善する効果を有する。
発明者等の実験によれば、表9に示した飲食物に対して「有機酸発酵物からなる調味料素材」を少量添加したところ、呈味改善効果を確認した。「有機酸発酵物からなる調味料素材」は、このように広範な飲食物は呈味改善に優れた効果を発揮することが出来る。

Figure 2007111046
(洋菓子<レアチーズケーキ>への利用)
市販のレアチーズケーキを対象区とし、(1)「実施例1で調整した本発明の有機酸発酵物からなる調味料素材を0.3W/W%の割合で加えたレアチーズケーキ」、(2)「グルタミン酸ソーダを0.2W/W%の割合で加えたレアチーズケーキ」、(3)「昆布エキスを0.3W/W%の割合で加えたレアチーズケーキ」、(4)「コハク酸二Naを0.03W/W%の割合で加えたレアチーズケーキ」、(5)「核酸系調味料を0.3W/W%の割合で加えたレアチーズケーキ」を添加区とした。二点比較法を用い、味覚パネラー9名による官能検査を実施した。結果を図1に示す。
図1から、レアチーズケーキに本発明の有機酸発酵物を添加することによって、レアチーズケーキの濃厚感が増強され後味の切れが良くなり、嗜好性が向上することが明らかである。即ち、本発明の有機酸発酵物が、呈味に複雑さ(濃厚感を増強する及び切れを良くする作用)を与え、おいしさを改善する作用を有していることが明らかである。
(洋菓子<チョコクリーム>への利用)
市販のチョコクリームを対象区とし、(1)「実施例1で調整した本発明の有機酸発酵物からなる調味料素材を1W/W%の割合で加えたチョコクリーム」、(2)「グルタミン酸ソーダを1W/W%の割合で加えたチョコクリーム」、(3)「昆布エキスを1W/W%の割合で加えたチョコクリーム」、(4)「コハク酸二Naを0.1W/W%の割合で加えたチョコクリーム」、(5)「核酸系調味料を1.5W/W%の割合で加えたチョコクリーム」を添加区とした。二点比較法を用い、味覚パネラー7名による官能検査を実施した。結果を図2に示す。
図2から、チョコクリームに本発明の有機酸発酵物を添加することによって、チョコクリームの甘さがすっきりし、後味の切れが良くなり、嗜好性が向上することが明らかである。即ち、本発明の有機酸発酵物が、呈味改善効果(甘さがすっきりする及び切れを良くする作用)を有していることが明らかである。
(洋食<ハッシュドビーフ>への利用)
牛肉、玉ネギ、マッシュルーム、サラダ油、水、砂糖、市販のルウを材料として調理したハッシュドビーフを対象区とし、(1) 実施例1で調整した本発明の有機酸発酵物からなる調味料素材を0.3W/W%の割合で加えたハッシュドビーフ」、(2)「グルタミン酸ソーダを0.3W/W%の割合で加えたハッシュドビーフ」、(3)「昆布エキスを0.3W/W%の割合で加えたハッシュドビーフ」、(4)「コハク酸二Naを0.03W/W%の割合で加えたハッシュドビーフ」、(5)「核酸系調味料を0.3W/W%の割合で加えたハッシュドビーフ」を添加区とした。二点比較法を用い、味覚パネラー11名による官能検査を実施した。結果を図3に示す。
図3から、ハッシュドビーフに本発明の有機酸発酵物を添加することによって、ハッシュドビーフの味が複雑になり、脂っこさが軽減され、嗜好性が向上することが明らかである。即ち、本発明の有機酸発酵物が、呈味に複雑さ(味を複雑にする及び脂っこさを軽減する作用)を与え、おいしさを改善する作用を有していることが明らかである。
(洋食<ポタージュスープ>への利用)
市販のポタージュスープを対象区とし、(1)「実施例1で調整した本発明の有機酸発酵物からなる調味料素材を0.06W/W%の割合で加えたポタージュスープ」、(2)「グルタミン酸ソーダを0.06W/W%の割合で加えたポタージュスープ」、(3)「昆布エキスを0.06W/W%の割合で加えたポタージュスープ」、(4)「コハク酸二Naを0.006W/W%の割合で加えたポタージュスープ」、(5)「核酸系調味料を0.06W/W%の割合で加えたポタージュスープ」を添加区とした。二点比較法を用い、味覚パネラー10名による官能検査を実施した。結果を図4に示す。
図4から、ポタージュスープに本発明の有機酸発酵物を添加することによって、ポタージュスープの濃厚感が増強され後味の切れが良くなり、嗜好性が向上することが明らかである。即ち、本発明の有機酸発酵物が、呈味に複雑さ(濃厚感を増強する及び切れを良くする作用)を与え、おいしさを改善する作用を有していることが明らかである。
(中華料理<麻婆豆腐>への利用)
市販の麻婆豆腐を対象区とし、(1)「実施例1で調整した本発明の有機酸発酵物からなる調味料素材を0.2W/W%の割合で加えた麻婆豆腐」、(2)「グルタミン酸ソーダを0.2W/W%の割合で加えた麻婆豆腐」、(3)「昆布エキスを0.3W/W%の割合で加えた麻婆豆腐」、(4)「コハク酸二Naを0.02W/W%の割合で加えた麻婆豆腐」、(5)「核酸系調味料を0.2W/W%の割合で加えた麻婆豆腐」を添加区とした。二点比較法を用い、味覚パネラー9名による官能検査を実施した。結果を図5に示す。
図5から、麻婆豆腐に本発明の有機酸発酵物を添加することによって、麻婆豆腐の濃厚感が増強され、嗜好性が向上することが明らかである。即ち、本発明の有機酸発酵物が、呈味に複雑さ(濃厚感を増強する作用)を与え、おいしさを改善する作用を有していることが明らかである。
(中華料理<餃子>への利用)
市販の餃子のタレを対象区とし、(1)「実施例1で調整した本発明の有機酸発酵物からなる調味料素材を0.6W/W%の割合で加えた餃子のタレ」、(2)「グルタミン酸ソーダを1W/W%の割合で加えた餃子のタレ」、(3)「昆布エキスを0.3W/W%の割合で加えた餃子のタレ」、(4)「コハク酸二Naを0.1W/W%の割合で加えた餃子のタレ」、(5)「核酸系調味料を1W/W%の割合で加えた餃子のタレ」を添加区とした。二点比較法を用い、味覚パネラー8名による官能検査を実施した。結果を図6に示す。
図6から、餃子のタレに本発明の有機酸発酵物を添加することによって、餃子の香りが向上し、脂っこさが軽減され、嗜好性が向上することが明らかである。即ち、本発明の有機酸発酵物が、呈味に複雑さ(香りが向上する及び脂っこさを軽減する作用)を与え、おいしさを改善する作用を有していることが明らかである。
(和菓子<あんこ>への利用)
市販のあんこを対象区とし、(1)「実施例1で調整した本発明の有機酸発酵物からなる調味料素材を0.3W/W%の割合で加えたあんこ」、(2)「グルタミン酸ソーダを0.1W/W%の割合で加えたあんこ」、(3)「昆布エキスを0.5W/W%の割合で加えたあんこ」、(4)「コハク酸二Naを0.005W/W%の割合で加えたあんこ」、(5)「核酸系調味料を0.3W/W%の割合で加えたあんこ」を添加区とした。二点比較法を用い、味覚パネラー8名による官能検査を実施した。結果を図7に示す。
図7から、あんこに本発明の有機酸発酵物を添加することによって、あんこの濃厚感が増強されると同時に味が複雑化され、嗜好性が向上することが明らかである。即ち、本発明の有機酸発酵物が、呈味に複雑さ(濃厚感を増強する及び味を複雑にする作用)を与え、おいしさを改善する作用を有していることが明らかである。
(和菓子<みたらしだんご>への利用)
市販のみたらしだんごのタレを対象区とし、(1)「実施例1で調整した本発明の有機酸発酵物からなる調味料素材を0.1W/W%の割合で加えたみたらしだんごのタレ」、(2)「グルタミン酸ソーダを0.1W/W%の割合で加えたみたらしだんごのタレ」、(3)「昆布エキスを0.1W/W%の割合で加えたみたらしだんごのタレ」、(4)「コハク酸二Naを0.01W/W%の割合で加えたみたらしだんごのタレ」、(5)「核酸系調味料を0.1W/W%の割合で加えたみたらしだんごのタレ」を添加区とした。二点比較法を用い、味覚パネラー10名による官能検査を実施した。結果を図8に示す。
図8から、みたらしだんごのタレに本発明の有機酸発酵物を添加することによって、みたらしだんごのタレの濃厚感と甘みが増強され、嗜好性が向上することが明らかである。即ち、本発明の有機酸発酵物が、呈味に複雑さ(濃厚感及び甘みを増強する作用)を与え、おいしさを改善する作用を有していることが明らかである。
(和食<肉じゃが>への利用)
牛肉、ジャガイモ、人参、玉ネギ、糸こんにゃく、水、砂糖、みりん、酒、醤油、だし汁を材料として調理した肉じゃがを対象区とし、(1)「実施例1で調整した本発明の有機酸発酵物からなる調味料素材を煮汁に対して0.2W/W%の割合で加えた肉じゃが」、(2)「グルタミン酸ソーダを煮汁に対して0.3W/W%の割合で加えた肉じゃが」、(3)「昆布エキスを煮汁に対して0.3W/W%の割合で加えた肉じゃが」、(4)「コハク酸二Naを煮汁に対して0.03W/W%の割合で加えた肉じゃが」、(5)「核酸系調味料を煮汁に対して0.3W/W%の割合で加えた肉じゃが」を添加区とした。二点比較法を用い、味覚パネラー10名による官能検査を実施した。結果を図9に示す。
図9から、肉じゃがに本発明の有機酸発酵物を添加することによって、肉じゃがの濃厚感が増強されると同時に脂っこさが抑えられ、嗜好性が向上することが明らかである。即ち、本発明の有機酸発酵物が、呈味に複雑さ(濃厚感を増強する及び脂っこさを低減する作用)を与え、おいしさを改善する作用を有していることが明らかである。
(和食<さばの煮付け>への利用)
市販のさばの煮付けを対象区とし、(1)「実施例1で調整した本発明の有機酸発酵物からなる調味料素材を0.15W/W%の割合で加えたさばの煮付け」、(2)「グルタミン酸ソーダを0.3W/W%の割合で加えたさばの煮付け」、(3)「昆布エキスを0.3W/W%の割合で加えたさばの煮付け」、(4)「コハク酸二Naを0.03W/W%の割合で加えたさばの煮付け」、(5)「核酸系調味料を0.3W/W%の割合で加えたさばの煮付け」を添加区とした。二点比較法を用い、味覚パネラー10名による官能検査を実施した。結果を図10に示す。
図10から、さばの煮付けに本発明の有機酸発酵物を添加することによって、さばの煮付けの濃厚感が増強されると同時に脂っこさが抑えられ、嗜好性が向上することが明らかである。即ち、本発明の有機酸発酵物が、呈味に複雑さ(濃厚感を増強する及び脂っこさを低減する作用)を与え、おいしさを改善する作用を有していることが明らかである。
(果物<マンゴージュース>への利用)
市販のマンゴージュースを対象区とし、(1)「実施例1で調整した本発明の有機酸発酵物からなる調味料素材を0.06W/W%の割合で加えたマンゴージュース」、(2)「グルタミン酸ソーダを0.06W/W%の割合で加えたマンゴージュース」、(3)「昆布エキスを0.06W/W%の割合で加えたマンゴージュース」、(4)「コハク酸二Naを0.006W/W%の割合で加えたマンゴージュース」、(5)「核酸系調味料を0.06W/W%の割合で加えたマンゴージュース」を添加区とした。二点比較法を用い、味覚パネラー10名による官能検査を実施した。結果を図11に示す。
図11から、マンゴージュースに本発明の有機酸発酵物を添加することによって、マンゴージュースの濃厚感が増強され、嗜好性が向上することが明らかである。即ち、本発明の有機酸発酵物が、呈味に複雑さ(濃厚感を増強する作用)を与え、おいしさを改善する作用を有していることが明らかである。
(果物<キウイ>への利用)
市販のキウイを対象区とし、(1)「実施例1で調整した本発明の有機酸発酵物からなる調味料素材を0.04W/W%の割合で加えたキウイ」、(2)「グルタミン酸ソーダを0.05W/W%の割合で加えたキウイ」、(3)「昆布エキスを0.06W/W%の割合で加えたキウイ」、(4)「コハク酸二Naを0.006W/W%の割合で加えたキウイ」、(5)「核酸系調味料を0.05W/W%の割合で加えたキウイ」を添加区とした。二点比較法を用い、味覚パネラー10名による官能検査を実施した。結果を図12に示す。
図12から、キウイに本発明の有機酸発酵物を添加することによって、キウイの味が複雑になり完熟感が増し、嗜好性が向上することが明らかである。即ち、本発明の有機酸発酵物が、呈味に複雑さ(味を複雑にする及び完熟感を増強する作用)を与え、おいしさを改善する作用を有していることが明らかである。
(調味料<マヨネーズ>への利用)
市販のマヨネーズを対象区とし、(1)「実施例1で調整した本発明の有機酸発酵物からなる調味料素材を0.3W/W%の割合で加えたマヨネーズ」、(2)「グルタミン酸ソーダを0.3W/W%の割合で加えたマヨネーズ」、(3)「昆布エキスを0.3W/W%の割合で加えたマヨネーズ」、(4)「コハク酸二Naを0.03W/W%の割合で加えたマヨネーズ」、(5)「核酸系調味料を0.3W/W%の割合で加えたマヨネーズ」を添加区とした。二点比較法を用い、味覚パネラー9名による官能検査を実施した。結果を図13に示す。
図13から、マヨネーズに本発明の有機酸発酵物を添加することによって、マヨネーズの濃厚感が増強されると同時に脂っこさが抑えられ、嗜好性が向上することが明らかである。即ち、本発明の有機酸発酵物が、呈味に複雑さ(濃厚感を増強する及び脂っこさを低減する作用)を与え、おいしさを改善する作用を有していることが明らかである。
(調味料<とんかつソース>への利用)
市販のとんかつソースを対象区とし、(1)「実施例1で調整した本発明の有機酸発酵物からなる調味料素材を0.6W/W%の割合で加えたとんかつソース」、(2)「グルタミン酸ソーダを0.5W/W%の割合で加えたとんかつソース」、(3)「昆布エキスを0.3W/W%の割合で加えたとんかつソース」、(4)「コハク酸二Naを0.06W/W%の割合で加えたとんかつソース」、(5)「核酸系調味料を0.06W/W%の割合で加えたとんかつソース」を添加区とした。二点比較法を用い、味覚パネラー8名による官能検査を実施した。結果を図14に示す。
図14から、とんかつソースに本発明の有機酸発酵物を添加することによって、とんかつソースの濃厚感が増強され味が複雑になり、嗜好性が向上することが明らかである。即ち、本発明の有機酸発酵物が、呈味に複雑さ(濃厚感を増強する及び味を複雑にする作用)を与え、おいしさを改善する作用を有していることが明らかである。
(乳製品<バター>への利用)
市販のバターを対象区とし、(1)「実施例1で調整した本発明の有機酸発酵物からなる調味料素材を0.3W/W%の割合で加えたバター」、(2)「グルタミン酸ソーダを0.15W/W%の割合で加えたバター」、(3)「昆布エキスを0.2W/W%の割合で加えたバター」、(4)「コハク酸二Naを0.02W/W%の割合で加えたバター」、(5)「核酸系調味料を0.2W/W%の割合で加えたバター」を添加区とした。二点比較法を用い、味覚パネラー9名による官能検査を実施した。結果を図15に示す。
図15から、バターに本発明の有機酸発酵物を添加することによって、バターの濃厚感が増強されると同時脂っこさが抑えられ、嗜好性が向上することが明らかである。即ち、本発明の有機酸発酵物が、呈味に複雑さ(濃厚感を増強する及び脂っこさを低減する作用)を与え、おいしさを改善する作用を有していることが明らかである。
(乳製品<生クリーム>への利用)
市販の生クリームを対象区とし、(1)「実施例1で調整した本発明の有機酸発酵物からなる調味料素材を0.3W/W%の割合で加えた生クリーム」、(2)「グルタミン酸ソーダを0.15W/W%の割合で加えた生クリーム」、(3)「昆布エキスを0.2W/W%の割合で加えた生クリーム」、(4)「コハク酸二Naを0.02W/W%の割合で加えた生クリーム」、(5)「核酸系調味料を0.2W/W%の割合で加えた生クリーム」を添加区とした。二点比較法を用い、味覚パネラー10名による官能検査を実施した。結果を図16に示す。
図16から、生クリームに本発明の有機酸発酵物を添加することによって、生クリームの濃厚感が増強されると同時に脂っこさが抑えられることが明らかである。即ち、本発明の有機酸発酵物が、呈味に複雑さ(濃厚感を増強する及び脂っこさを低減する作用)を与える作用を有していることが明らかである。
(酒類<発泡酒>への利用)
市販の発泡酒を対象区とし、(1)「実施例1で調整した本発明の有機酸発酵物からなる調味料素材を0.3W/W%の割合で加えた発泡酒」、(2)「グルタミン酸ソーダを0.15W/W%の割合で加えた発泡酒」、(3)「昆布エキスを0.2W/W%の割合で加えた発泡酒」、(4)「コハク酸二Naを0.02W/W%の割合で加えた発泡酒」、(5)「核酸系調味料を0.2W/W%の割合で加えた発泡酒」を添加区とした。二点比較法を用い、味覚パネラー10名による官能検査を実施した。結果を図17に示す。
図17から、発泡酒に本発明の有機酸発酵物を添加することによって、発泡酒のアルコール感が増強され味のまとまりが良くなり、嗜好性が向上することが明らかである。即ち、本発明の有機酸発酵物が、呈味に複雑さ(アルコール感を増強する及び味のまとまりを良くする作用)を与え、おいしさを改善する作用を有していることが明らかである。
(酒類<芋焼酎>への利用)
市販の芋焼酎を対象区とし、(1)「実施例1で調整した本発明の有機酸発酵物からなる調味料素材を0.06W/W%の割合で加えた芋焼酎」、(2)「グルタミン酸ソーダを0.06W/W%の割合で加えた芋焼酎」、(3)「昆布エキスを0.06W/W%の割合で加えた芋焼酎」、(4)「コハク酸二Naを0.006W/W%の割合で加えた芋焼酎」、(5)「核酸系調味料を0.06W/W%の割合で加えた芋焼酎」を添加区とした。二点比較法を用い、味覚パネラー10名による官能検査を実施した。結果を図18に示す。
図18から、芋焼酎に本発明の有機酸発酵物を添加することによって、芋焼酎の濃厚感と香りが増強され、嗜好性が向上することが明らかである。即ち、本発明の有機酸発酵物が、呈味に複雑さ(濃厚感と香りを増強する作用)を与え、おいしさを改善する作用を有していることが明らかである。
(飲料<ブラックコーヒー>への利用)
市販のブラックコーヒーを対象区とし、(1)「実施例1で調整した本発明の有機酸発酵物からなる調味料素材を0.03W/W%の割合で加えたブラックコーヒー」、(2)「グルタミン酸ソーダを0.02W/W%の割合で加えたブラックコーヒー」、(3)「昆布エキスを0.04W/W%の割合で加えたブラックコーヒー」、(4)「コハク酸二Naを0.004W/W%の割合で加えたブラックコーヒー」、(5)「核酸系調味料を0.04W/W%の割合で加えたブラックコーヒー」を添加区とした。二点比較法を用い、味覚パネラー11名による官能検査を実施した。結果を図19に示す。
図19から、ブラックコーヒーに本発明の有機酸発酵物を添加することによって、ブラックコーヒーの濃厚感が増強されることが明らかである。即ち、本発明の有機酸発酵物が、呈味に複雑さ(濃厚感を増強する作用)を与える作用を有していることが明らかである。
(飲料<乳酸菌飲料>への利用)
市販の乳酸菌飲料を対象区とし、(1)「実施例1で調整した本発明の有機酸発酵物からなる調味料素材を0.03W/W%の割合で加えた乳酸菌飲料」、(2)「グルタミン酸ソーダを0.045W/W%の割合で加えた乳酸菌飲料」、(3)「昆布エキスを0.045W/W%の割合で加えた乳酸菌飲料」、(4)「コハク酸二Naを0.0045W/W%の割合で加えた乳酸菌飲料」、(5)「核酸系調味料を0.045W/W%の割合で加えた乳酸菌飲料」を添加区とした。二点比較法を用い、味覚パネラー9名による官能検査を実施した。結果を図20に示す。
図20から、乳酸菌飲料に本発明の有機酸発酵物を添加することによって、乳酸菌飲料の後味の切れが良くなることが明らかである。即ち、本発明の有機酸発酵物が、呈味改善作用(切れを良くする作用)を有していることが明らかである。
表10、図21は、上記の実施例をまとめたものである。「有機酸発酵物からなる調味料素材」が、さまざまな領域の食材をおいしくする例を示す。一般的に呈味改善効果があると知られている他の調味料に比べ、広範な領域の飲食物に対して呈味をおいしくすることにおいて優れた効果を発揮することが明らかである。

Figure 2007111046
表11、図22は、上記の実施例をまとめたものである。「有機酸発酵物からなる調味料素材」が、さまざまな領域の食材の呈味を複雑にして、濃厚感を増強させることを示す。表11、図22に示した通り、「有機酸発酵物からなる調味料素材」が、一般的に呈味改善効果があると知られている他の調味料に比べ、飲食物の呈味を複雑にすることにおいて優れた効果を発揮することが明らかである。


Figure 2007111046
本発明の「有機酸発酵物からなる調味料素材」は飲食物に少量添加するだけで、あらゆる領域の飲食物の呈味を劇的に改善する効果を有し、調味料素材、当該調味料素材を含む調味料、また飲食物を提供することができる。
レアチーズケーキの嗜好性が向上することを示すグラフ。 チョコクリームの嗜好性が向上することを示すグラフ。 ハッシュドビーフの嗜好性が向上することを示すグラフ。 ポタージュスープの嗜好性が向上することを示すグラフ。 麻婆豆腐の嗜好性が向上することを示すグラフ。 餃子の嗜好性が向上することを示すグラフ。 あんこの嗜好性が向上することを示すグラフ。 みたらしだんごのタレの嗜好性が向上することを示すグラフ。 肉じゃがの嗜好性が向上することを示すグラフ。 さばの煮付けの嗜好性が向上することを示すグラフ。 マンゴージュースの嗜好性が向上することを示すグラフ。 キウイの嗜好性が向上することを示すグラフ。 マヨネーズの嗜好性が向上することを示すグラフ。 とんかつソースの嗜好性が向上することを示すグラフ。 バターの嗜好性が向上することを示すグラフ。 生クリームの嗜好性が向上することを示すグラフ。 発泡酒の嗜好性が向上することを示すグラフ。 芋焼酎の嗜好性が向上することを示すグラフ。 ブラックコーヒーの嗜好性が向上することを示すグラフ。 乳酸菌飲料の嗜好性が向上することを示すグラフ。 本発明の有機酸発酵物からなる調味料素材が、さまざまな領域の食材をおいしくする例をまとめたグラフ。 本発明の有機酸発酵物からなる調味料素材が、さまざまな領域の食材の呈味を複雑にして、濃厚感を増強させる例をまとめたグラフ。

Claims (7)

  1. たんぱく質を含有する糖質原料又は糖質原料にタンパク質を添加した混合物を発酵させて得た、窒素濃度0.7〜5.0%及び塩分濃度0〜1.0%である有機酸発酵物。
  2. 請求項1記載の有機酸発酵物からなる調味料素材。
  3. 乳酸、グルコン酸および酢酸からなる群より選ばれた1種以上の化合物を含む請求項2記載の調味料素材。
  4. 有機酸発酵物の総酸度(酢酸換算)を(A)、窒素分を(B)、糖分を(C)とした場合、
    (B)/(A)=0.05〜5.0
    (C)/(A)=0.5〜30.0
    からなる請求項2又は3記載の調味料素材。
  5. たんぱく質を含有する糖質原料又は糖質原料にタンパク質を添加した混合物を発酵させて得た、窒素濃度0.7〜5.0%及び塩分濃度0〜1.0%である有機酸発酵物からなる調味料素材の製造方法。
  6. 請求項2、3又は4記載の調味料素材を含む飲食物。
  7. 請求項2、3又は4記載の調味料素材を含む調味料。
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