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JP2007109767A - Cmpコンディショナおよびその製造方法 - Google Patents

Cmpコンディショナおよびその製造方法 Download PDF

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JP2007109767A JP2005297313A JP2005297313A JP2007109767A JP 2007109767 A JP2007109767 A JP 2007109767A JP 2005297313 A JP2005297313 A JP 2005297313A JP 2005297313 A JP2005297313 A JP 2005297313A JP 2007109767 A JP2007109767 A JP 2007109767A
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Tetsuji Yamashita
哲二 山下
Takashi Kimura
高志 木村
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Mitsubishi Materials Corp
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

【課題】 CMP装置に用いられる腐食性の高いスラリーに対しても砥粒の脱落を確実に防いでスクラッチの発生を抑制することが可能なCMPコンディショナを提供し、またこのようなCMPコンディショナを、複雑な製造工程を要することなく製造することが可能なCMPコンディショナの製造方法を提供する。
【解決手段】 基体1の表面に、金属結合相7によって砥粒6が固着されてなる砥粒層3が形成されたCMPコンディショナおよびその製造方法であって、砥粒層3の表面に、ゾル−ゲル法によって生成させられた保護被膜9を形成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、半導体ウエハ等の研磨を行うCMP(化学機械的研磨)装置の研磨パッドのコンディショニング(ドレッシングまたは目立て)に用いられるCMPコンディショナおよびその製造方法に関するものである。
この種のCMPコンディショナとしては、例えば特許文献1に、円板状の基体(台金)の上面に略円柱状の突起部が間隔をあけて複数形成され、これらの突起部の表面に複数のダイヤモンド等の砥粒が金属めっき結合相によって固着されたものが提案されている。また、特許文献2には、このように砥粒を固着した金属結合相の表面にSiC等のセラミックス被膜を、CVDやイオンプレーティング等の気相コーティング技術によって被覆することが提案されている。
特開2001−71269号公報 特開2001−210613号公報
ところで、このようなCMPコンディショナにより研磨パッドがコンディショニングされるCMP装置では、半導体ウェハ等の研磨の際に酸性やアルカリ性の腐食性の高いスラリーが用いられるため、砥粒を保持する金属結合相がこのスラリーによって腐食(溶出)してしまって砥粒が脱落し、この脱落した砥粒によって半導体ウェハが傷つけられてスクラッチが生じるという問題がある。特に、砥粒がダイヤモンドであって結合相がNi等の金属めっき相である場合、砥粒への金属めっきの濡れ性が乏しいことから両者の境界部(キャビティ)には極微小ではあるものの隙間が生じ、この隙間からスラリーが入り込んで金属めっき相を腐食させる結果、砥粒の脱落が一層促進されてしまうことになる。
この点、特許文献2に記載のように金属結合相表面にセラミックス被膜を被覆したCMPコンディショナでは、このセラミックス被膜によって金属結合相が保護されることによりその腐食が防止され、従って砥粒の脱落も抑制することができる。ところが、その一方で、この特許文献2に記載のような気相コーティング技術によってセラミックス被膜を被覆した場合には、金属結合相から突出したダイヤモンド等の砥粒の表面にも被膜が被覆されてしまうため、砥粒の切れ味が損なわれ、パッドの研磨レートが著しく低下してしまうという問題が生じる。従って、CMPコンディショナとして使用可能なパッド研磨レートを得るには、当該特許文献2にも記載されているように砥粒の表面に被覆された被膜を除去する工程が必要となり、その製造工程が複雑化することが避けられない。
本発明は、このような背景の下になされたもので、CMP装置に用いられる腐食性の高いスラリーに対しても砥粒の脱落を確実に防いでスクラッチの発生を抑制することが可能なCMPコンディショナを提供し、またこのようなCMPコンディショナを、複雑な製造工程を要することなく製造することが可能なCMPコンディショナの製造方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明のCMPコンディショナは、基体表面に、金属結合相によって砥粒が固着されてなる砥粒層が形成されたCMPコンディショナであって、上記砥粒層の表面には、ゾル−ゲル法によって生成させられた保護被膜が形成されていることを特徴とし、また本発明のCMPコンディショナの製造方法は、基体表面に、金属結合相によって砥粒を固着して砥粒層を形成し、次いでこの砥粒層の表面に、ゾル−ゲル法によって保護被膜を生成して形成することを特徴とする。
本発明において砥粒層の表面に保護被膜を形成する際に用いられるゾル−ゲル法によるコーティング技術は、例えば友野理平監修「セラミックコーティング技術」(昭和59年5月25日株式会社総合技術センター発行、昭和60年4月1日第2版p.105〜p.113)に記載のように、シリカゾルや金属アルコキシド等を含むゾル−ゲル液を塗布して加水分解・重縮合反応によりゲル化し、これを熱処理して保護被膜を生成するものであり、SiO、TiO、Al、SnO、ZnO、VO、V、MO、WO、TaO、ZnOなどの耐腐食性を有する金属酸化物被膜を得ることができる。そして、このようなゾル−ゲル液を、金属結合相によって砥粒が固着された砥粒層の表面に塗布すると、該ゾル−ゲル液の表面張力が小さいために、ゾル−ゲル液が砥粒と金属結合相との境界部から毛細管現象により上述した極微小な隙間の中に入り込んでこの境界部において該隙間を封止するように保護被膜が生成される一方、金属結合相から突出した砥粒の表面ではゾル−ゲル液がはじかれて実質的に被膜は生成されない。
従って、このように製造された本発明のCMPコンディショナによれば、上記保護被膜が、特に上記砥粒層の表面における上記砥粒と金属結合相との境界部に形成されるため、この境界部からのスラリーの侵入を防ぐことができて金属結合相の腐食による砥粒の脱落を防ぐことが可能となり、スクラッチの発生を抑えて高品位の半導体ウェハ等の研磨を図ることができる。その一方で、上述のように保護被膜は砥粒の表面には生成されることがないため、被膜の形成後に被膜を除去する工程が必要となるようなこともなく、またゾル−ゲル液の塗布はディップコーティング等の比較的簡略な方法で可能であるとともに、熱処理の際の温度も比較的低温であるので、本発明の製造方法によれば、複雑な製造工程や高価な装置等を要することなく上述のような優れたCMPコンディショナを提供することが可能となる。
ここで、上記CMPコンディショナにおいて、金属に対して強い腐食性を持つ(強酸)スラリーを使用する際に、金属結合相の腐食溶出によるウェーハの金属汚染を防ぐため、上記砥粒層の表面には、さらに四フッ化有機化合物よりなる被膜を被覆するのが望ましい。このような四フッ化有機化合物は、化学的に安定で耐食性が高く、また例えば上記金属酸化物被膜のような保護被膜の上にも電着塗装等によって確実にコーティングすることができるので、金属結合相の腐食溶出によるウェーハの金属汚染を防止することが可能となる。
図1および図2は、本発明のCMPコンディショナの第1の実施形態を示すものである。本実施形態において基体(台金)1はステンレス等の金属材料により軸線Oを中心とした略円板状に形成され、その軸線Oに垂直な一方の円形面が、コンディショニングの際にCMP装置の研磨パッドと対向して接触するコンディショニング面2とされていて、このコンディショニング面2に、砥粒層3が形成されている。このようなCMPコンディショナは、このコンディショニング面2をCMP装置の研磨パッド表面に平行に対向させて接触させられ、該研磨パッドの回転軸線から離れた位置で上記軸線O回りに回転されつつ、基体1自体もパッド表面の内外周に揺動させられて、上記研磨パッドのコンディショニング(ドレッシングまたは目立て)に用いられる。
なお、本実施形態においては、上記コンディショニング面2の外周側に、該コンディショニング面2と平行な円環状の端面4fとこの端面4fから外周側に向かうに従い漸次後退するテーパ面4tとを有して上記軸線Oを中心とした一定幅の環状に突出するリング部4が形成されるとともに、このリング部4の内周側には、やはりコンディショニング面2と平行でリング部4と等しい突出高さの円形の端面5fを有する互いに同形同大の略円柱状の複数の突部5が間隔をあけて形成されている。ただし、このうち突部5は、図1に示すようにリング部4内周のうちでも外周側の部分のみに、軸線Oを中心とした複数(図1では3つ)の同心円をなすようにして、各円ごとに等間隔に、かつ隣接する円同士では千鳥状となるように配設されている。
上記砥粒層3は、本実施形態ではこれらリング部4の上記端面4fおよびテーパ面4tと突部5の端面5fとに形成されて、コンディショニング面2すなわち基体1の表面に形成されている。なお、リング部4内周側のコンディショニング面2の底面(突部5の間の部分)2fは軸線Oに垂直な平坦面とされて砥粒層5は形成されておらず、上記端面4f,5fは厳密にはこの底面2fに平行とされて軸線O方向に互いに突出高さに位置するようにさせられている。
ここで、図2に示すようにこの砥粒層3は、砥粒6としてダイヤモンド砥粒が、金属結合相7として電着により形成されたNi等の金属めっき相を介して、リング部4および各突部5のそれぞれに複数(多数)個ずつ単層に分散固着されてなるものであり、砥粒6はその平均粒径の30%程度の部分が金属結合相7の表面から突き出し、残りの部分が該金属結合相7内に埋没して保持されている。ただし、このように電着による金属めっき相を金属結合相7として固着されたダイヤモンドの砥粒6は、金属めっきとの濡れ性が悪いことから金属結合相7との境界部8に極微小な隙間を生じ、特に砥粒層3の表面においては図2に示すようにこの境界部8が微視的に窪んだ凹状に形成されてしまう。
しかして、本実施形態では、この砥粒層3表面の、特に砥粒6と金属結合相7との境界部8に、ゾル−ゲル法によって生成させられた保護被膜9が形成されている。すなわち、かかるCMPコンディショナを製造する本発明のCMPコンディショナの製造方法の一実施形態では、上述のような砥粒層3がコンディショニング面2に形成された基体1を、シリカゾルや金属アルコキシド等を含むゾル−ゲル液に例えば浸漬して砥粒層3の表面に該ゾル−ゲル液を塗布し、これをコンディショニング面2が上向きとなるように保持して、低温で所定時間乾燥させて加水分解・重縮合反応させることによりゲル化し、次いでこれよりも高温で長時間熱処理することにより、上記ゾル−ゲル液に含まれた金属の酸化物被膜よりなる上記保護被膜9を形成する。
このようにゾル−ゲル法によって生成された保護被膜9は、ゾル−ゲル液を砥粒層3の表面に塗布した際に、その表面張力が小さい(弱い)ことから該ゾル−ゲル液が砥粒6と金属結合相7との境界部8から毛細管現象により上記隙間に入り込んで該境界部8の砥粒層3表面側の凹状に形成された部分に溜まり、そのままゲル化して熱処理されることにより該境界部8を砥粒層3の表面側で封止するように形成される。このため、当該CMPコンディショナを腐食性の高いスラリーの下でCMP装置の研磨パッドのドレッシングに用いても、スラリーが境界部8の隙間に入り込んで金属結合相7を腐食させるのを防ぐことができ、これにより砥粒6を脱落させることなく確実に保持してスクラッチの発生を抑制し、従って高品位の半導体ウェハ等の研磨を行うことが可能となる。
その一方で、このように表面張力の小さいゾル−ゲル液は、砥粒層3表面に塗布された状態で金属結合相7から突き出た砥粒6の突端側では該砥粒6の表面によってはじかれてしまうため、この砥粒6の突端に付着したままゲル化することは少ない。すなわち、保護被膜9は、上記砥粒層3の表面における砥粒6と金属結合相7との境界部8には形成されても、該砥粒6の突端に形成されることはないので、保護被膜9の形成後に砥粒6上の保護被膜9を除去したりする工程が必要となることもなく、砥粒6による切れ味は十分に確保して高いパッド研磨レートを維持することが可能となる。しかも、ゾル−ゲル法ではゾル−ゲル液の砥粒層3表面への塗布が上述のような浸漬すなわちディップコーティングによって容易に可能であり、また乾燥や熱処理もそれほど高い温度を要することはないので、本実施形態の製造方法では、例えばCVDやイオンプレーティング等の気相コーティング技術によって被膜を形成するのに比べて簡略な設備で耐食性に優れたCMPコンディショナを製造することが可能となる。
なお、こうしてゾル−ゲル法により生成される保護被膜9としては、SiO、TiO、Al、SnO、ZnO、VO、V、MO、WO、TaO、ZnOなどの耐腐食性を有する金属酸化物被膜が好適に挙げられるが、特にCMP装置においてシリコンウェハの研磨を行う場合には、コンタミ防止の観点からSiO被膜が望ましい。また、ゾル−ゲル液を砥粒層3の表面に塗布するには、上述のディップコーティングの他にコンディショニング面2を上向きにした状態でスプレーコーティングやスピンコーティングにより塗布することも可能である。
ところで、このようにして砥粒層3の表面に塗布されたゾル−ゲル液は、その表面張力により金属結合相7から突き出た砥粒6の突端に付着し難いのは上述した通りであるが、その一方で、複数の砥粒6の間における金属結合相7の表面に対しても、これが平坦であると、やはりゾル状態のままでは流動性が高くて付着し難く、従ってこの金属結合相7の表面には図2に示したように保護被膜9が形成されないか、形成されても極薄いものとなってしまう。すなわち、保護被膜9は砥粒層3の表面において実質的に砥粒6と金属結合相7との上記境界部8にのみ形成されることとなって、より腐食性の高いスラリーの下ではこの砥粒6間の金属結合相7から金属溶出が起こりウェーハの金属汚染を引き起こすおそれがある。
そこで、このような砥粒6間の金属結合相7の腐食による砥粒6の脱落をも確実に防ぐには、図3に示す本発明のCMPコンディショナの第2の実施形態のように、上記砥粒層3の表面に、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニールエーテル共重合樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・エチレン共重合樹脂(ETFE)等の四フッ化有機化合物よりなる被膜10を被覆するのが望ましい。なお、この図3に示す第2の実施形態において、図2に示した第1の実施形態と共通する部分には同一の符号を配して説明を省略する。また、このような第2の実施形態のCMPコンディショナを製造するための、本発明のCMPコンディショナの製造方法の第2の実施形態では、第1の実施形態の製造方法によって製造されたCMPコンディショナの基体1を、上述のような四フッ化有機化合物が分散された液中に浸漬して電着塗装を施したりすることにより、該被膜10が形成される。
このような第2の実施形態のCMPコンディショナでは、上記被膜10を形成する四フッ化有機化合物が、腐食性の高いスラリーと反応しにくいため、高い耐食性が得られる。しかも上述の電着塗装等によって砥粒層3表面の砥粒6間における金属結合相7部分や、砥粒6と金属結合相7との境界部8に形成された上記保護被膜9の上にも、かかる被膜10を確実に被覆することができる。従って、この第2の実施形態によれば、上述のような砥粒6間における金属結合相7による金属溶出を抑えることができ、ウェーハの金属汚染を防ぐことが可能となる。
しかも、こうして四フッ化有機化合物よりなる被膜10を被覆することにより、上記第2の実施形態では、研削液として例えば酸化セリウムの微細粒子を分散させた粘着性の高い、いわゆるセリア系スラリーを用いたりしたときでも、このような微細粒子が基体1のコンディショニング面2の特に研磨パッドと接する上記端面4f,5fに凝集して付着するのを防ぐことができる。従って、このように凝集付着した微細粒子により砥粒6による研磨パッドへの食い付きが妨げられて研磨レートが悪化したり、凝縮して付着していた粒子が剥がれることによって半導体ウェハにスクラッチが生じたりするのを防止できるので、上述したスクラッチの低減効果をより確実に奏功することが可能となるとともに、パッド研磨レートの安定化を図ることもできる。
次に、上記実施形態に基づいた本発明の実施例を挙げてその効果を実証する。本実施例においては、第1の実施形態に基づいてゾル−ゲル法によって生成した保護被膜9のみを形成したCMPコンディショナ(実施例1)と、第2の実施形態に基づいてこの実施例1の砥粒層3表面に四フッ化有機化合物よりなる被膜10を被覆したCMPコンディショナ(実施例2)とを製造した。また、これら実施例1、2に対する比較例として、砥粒6を金属結合相(金属めっき相)7によって固着した砥粒層3を形成しただけのCMPコンディショナ(比較例1)と、この比較例1の砥粒層3表面にSiC被膜を被覆したCMPコンディショナ(比較例2)も製造した。言い換えれば、実施例1、2および比較例2は、基体1に砥粒層3が周知の方法で形成された比較例1のCMPコンディショナに保護被膜9、被膜10、SiC被膜が形成されたものである。
なお、これら実施例1、2および比較例1、2では、基体1は、コンディショニング面2の外径(基体1の外径)が101.6mm、リング部4の内径は90mm、端面4fの外径は94mm、テーパ面4tも含めたリング部4の外径は97mm、突部5の外径は2mmで、コンディショニング面2の底面2fからのリング部4、突部5の突出高さ(上記端面4f,5fの高さ)は0.3mmである。また、突部5は、内径67mm、外径85mmの軸線Oを中心とした円環面の範囲に、軸線Oを中心として略等間隔をあけた同心円上に図1に示す通りに配列されている。さらに、砥粒6は平均粒径160μmのダイヤモンド砥粒であって集中度は40ヶ/mmとされ、金属結合相7はNiめっき相である。
また、このうち実施例1、2において保護被膜9を形成する際には、コンディショニング面2に砥粒層3を形成した基体1を、まず表面の清浄度を上げるためにアルカリ性の脱脂液に浸漬して電解脱脂を行った後、酸性(塩酸)浴に浸漬し、水洗した。そして、この基体1をSiOゾル−ゲル液(SiO濃度5wt%、溶媒プロパノール)に1分間浸漬した後、200℃で2時間乾燥することにより加水分解・重縮合反応させてゾル−ゲル液をゲル化し、さらにこれを500℃で8時間加熱することにより熱処理してSiOよりなる保護被膜9を生成した。こうして生成された保護被膜9は、図2に示したように実質的に砥粒層3の砥粒6と金属結合相7との境界部8にのみ集中して形成され、その最大厚さt(図2参照)は、約10μmであった。
さらに、実施例2においては、こうして保護被膜9を形成した実施例1のCMPコンディショナの基体1を、四フッ化有機化合物としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が分散された液中に浸漬して電着塗装を施すことにより、上記被膜10を形成した。こうして形成された四フッ化有機化合物の被膜10は、砥粒6間の金属結合相7上における厚さt(図3参照)が約5μmであった。一方、比較例2において上記SiC被膜は周知のCVD法によって形成され、その膜厚は約1〜2μmであった。
そして、本実施例では、これら実施例1、2および比較例1、2のCMPコンディショナにより、同一の条件の下でCMP装置においてそれぞれ研磨パッドをコンディショニングしつつ該研磨パッドによってシリコンウェハの研磨を行い、その際の所定コンディショニング時間ごとのウェハに生じたスクラッチの数とパッド研磨レートとを測定した。この結果を、スクラッチの数については表1に、またパッド研磨レートについては表2にそれぞれ示す。なお、研磨パッドはRohm and Haas社製の発泡ポリウレタンパッド(商品名:IC1000)であって外径は360mm、パッド回転数は80r.p.m、コンディショナ回転数も80r.p.m、コンディショナ揺動速度は3000mm/min、であって、コンディショナの基体1に49Nの荷重を与えつつ、スラリーとして腐食性の高いW膜研磨工程用スラリー(W2000+H)を100ml/minで供給しながらコンディショニングを行った。
Figure 2007109767
Figure 2007109767
これら表1、表2の結果より、まず砥粒層3を形成しただけで何等被膜を形成していない比較例1のCMPコンディショナでは、コンディショニング開始後3時間でスクラッチの発生が認められ、5〜7時間経過の間ではその数が10本を上回って12本にも達し、以降のパッド研磨は中止せざるを得なかった。また、パッド研磨レートも、コンディショニング当初は高い研磨レートであるものの、コンディショニング時間の経過に対する研磨レートの低下が著しく、安定した研磨レートの維持という観点からは好ましくない。また、この比較例1にSiC被膜を被覆した比較例2のCMPコンディショナでは、コンディショニング開始後17時間までスクラッチの発生がなく、砥粒6の脱落は抑制されていることは確認されたが、その一方でパッド研磨レートはコンディショニング当初から低く、研磨パッドを効率的にコンディショニングすなわち目立てしてその平坦度の回復や目詰まりの防止を図ることは望めない。
これらに対して、本発明に係る実施例1、2のCMPコンディショナでは、保護被膜9を形成しただけの実施例1でも、コンディショニング開始後9時間まではスクラッチレスのウェハ研磨を可能とすることができ、またその後も、発生スクラッチ数は略0本であった。その一方で、パッド研磨レートについては、コンディショニング当初から高いレートを維持したまま、時間経過に対する研磨レートの低下も小さく抑えられており、すなわち長時間に渡って安定したコンディショニングが行われていることが分かる。また、この実施例1に四フッ化有機化合物の被膜10を被覆した実施例2では、パッド研磨レート自体は実施例1より小さいものの、やはり時間経過に対する研磨レートの低下は十分に抑えられており、そしてスクラッチの発生は比較例2をも上回る21時間経過時(ウェーハ研磨終了時)まで0であった。
また、これら実施例1、2および比較例1、2のCMPコンディショナを上述の腐食性の高いW膜研磨工程用スラリー(W2000+H)にそのまま浸漬し、50℃で48時間放置してコンディショナからスラリーへのNi溶出量をICPによって測定した。この結果を次表3に示す。
Figure 2007109767
この表3の結果より、砥粒層3表面にSiC被膜を被覆した比較例2のCMPコンディショナが最もNiの溶出が少なかったものの、これを除くと、第2の実施形態に基づいてゾル−ゲル法によって生成した保護被膜9を有する砥粒層3の表面に四フッ化有機化合物よりなる被膜10を被覆した実施例2のCMPコンディショナが、上記比較例2に近い溶出防止効果が得られていることが分かる。また、ゾル−ゲル法により保護被膜9を生成しただけの実施例1では、これら実施例2や比較例2に対しては劣るものの、単に砥粒6を金属結合相(金属めっき相)7によって固着しただけの砥粒層3を有する比較例1のCMPコンディショナに対しては十分なNi溶出防止効果が得られていることが分かり、表1、2の発生スクラッチ数およびパッド研磨レートとから総合的に勘案すると、実施例1のCMPコンディショナが望ましく、実施例2のCMPコンディショナがより望ましいとの結果が確認された。
本発明の第1の実施形態を示すコンディショニング面2の平面図である。 図1に示す実施形態における砥粒層3の拡大断面図である。 本発明の第2の実施形態を示す砥粒層3の拡大断面図である。
符号の説明
1 基体
2 コンディショニング面
3 砥粒層
6 砥粒
7 金属結合相
8 砥粒6と金属結合相7との境界部
9 ゾル−ゲル法によって生成された保護被膜
10 4フッ化有機化合物よりなる被膜

Claims (4)

  1. 基体表面に、金属結合相によって砥粒が固着されてなる砥粒層が形成されたCMPコンディショナであって、上記砥粒層の表面には、ゾル−ゲル法によって生成させられた保護被膜が形成されていることを特徴とするCMPコンディショナ。
  2. 上記保護被膜は、上記砥粒層の表面における上記砥粒と金属結合相との境界部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のCMPコンディショナ。
  3. 上記砥粒層の表面には、さらに四フッ化有機化合物よりなる被膜が被覆されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のCMPコンディショナ。
  4. 基体表面に、金属結合相によって砥粒を固着して砥粒層を形成し、次いでこの砥粒層の表面に、ゾル−ゲル法によって保護被膜を生成して形成することを特徴とするCMPコンディショナの製造方法。
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