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JP2007105018A - 糊料高含有製剤 - Google Patents

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JP2007105018A
JP2007105018A JP2005302141A JP2005302141A JP2007105018A JP 2007105018 A JP2007105018 A JP 2007105018A JP 2005302141 A JP2005302141 A JP 2005302141A JP 2005302141 A JP2005302141 A JP 2005302141A JP 2007105018 A JP2007105018 A JP 2007105018A
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Yoshinori Seko
義則 瀬古
Motoyuki Watanabe
基行 渡辺
Tomoji Kato
友治 加藤
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Taiyo Kagaku KK
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Taiyo Kagaku KK
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Abstract

【課題】食品等に添加して最終目的物の風味を損なわずに簡便に増粘させることができる液状糊料である糊料高含有製剤を提供すること。
【解決手段】低粘性CMCおよび/または低粘性アルギン酸塩を水に溶解させた水溶液に、高粘性糊料を添加してなる液状の糊料高含有製剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、糊料高含有製剤に関する。さらに詳しくは、目的物に添加して簡便に粘性を発現させる糊料高含有製剤およびその製造法に関する。本発明の糊料高含有製剤は、特に摂食障害により咀嚼・嚥下困難となった患者の食事、飲料等に添加して粘性を発現させる用途や、タレ、スープ、ドレッシング、ソース等を簡便に増粘させる食品用途に適している。
従来、高粘性糊料は、タレ、スープ、ドレッシング、ソース等の一般食品を増粘させる目的で使用されている。高粘性糊料を効果的に使用するためには、まず高粘性糊料を完全に水和させることが必要であり、高粘性糊料を完全に水和させることによって初めて粘性が発現する状態となる。高粘性糊料は、通常、撹拌装置を用いずに水や目的物に添加したときには、糊料の表面だけが水和し、その内部が粉末の状態で残る、いわゆる「ダマ」の状態が発生したり、糊料が完全に水和されないために分散・溶解しないことがある。したがって、工業的にタレやドレッシングを製造する場合には、高速撹拌機を用いて高粘性糊料を攪拌する方法や、高粘性糊料をアルコールに分散させる方法や、長時間攪拌して溶解させる方法が採られている。
しかし、咀嚼・嚥下困難者の介護食に粘性やゲル化を与える高粘性糊料には、高速撹拌機やアルコールを用いないで、スプーン等を用いた手撹拌で容易に分散・溶解し、粘性やゲル化を発現することが強く求められている。
このため、現在、高粘性糊料を顆粒状に加工したものが製造されており、分散性および溶解性が改善され、水においてはダマの発生がほとんどなく、分散・溶解させることができるようになってきた。しかし、顆粒状の高粘性糊料は、使用する一般消費者の熟練度や目的物の種類によってはダマが発生することがあり、完全に溶解させることができるとはいえない。また、顆粒状の高粘性糊料は、溶解させる前に、誤って摂食してしまうおそれがある。
近年、高粘性糊料を目的物に溶解させる手間を省き、一般消費者が溶解させたときにダマが生じないようにするために、あらかじめ水に糊料を溶解させておいた液状糊料が開発されている。液状糊料に要求される必須事項は、液状糊料が流動性を保っており、目的物に投入した際に速やかに分散すること、および目的物に50%程度の濃度となるように投入した際に液状糊料よりも高い粘性を発現することである。
液状糊料を用いて液状の食料を増粘させる方法として、高粘性糊料の水溶液と液状の食料とを混合する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この方法で、高粘性糊料としてキサンタンガムを用い、5%程度の濃度となるように調整した溶液は、粘度が極端に高くなり、流動性を保つことができない。したがって、この溶液を目的物に投入したとき、この溶液は速やかに分散しないため、完全に分散・溶解させて粘度を発現させることが困難となる。
このため、高粘性糊料を高濃度で溶解させるには、高粘性糊料を水に分散・溶解させた際に発現する粘性を抑制し、液状糊料が流動性を保っている状態を維持することが必要である。
高粘性糊料を溶解させた後の粘度を抑制する方法として、水とエタノールに高粘性糊料を10%程度溶解させるか、またはアラビアガム、プルラン、大豆多糖類およびアラビノガラクタンからなる群より選ばれた少なくとも1種の低粘性糊料を10%程度溶解させた後、高粘性糊料を5%用いることにより、粘性の発現を抑制し、流動性のある液体を調製する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、この方法には、アルコールが使用されているため、咀嚼・嚥下困難者の介護食には不適切であり、また、最高濃度で溶解させることができる高粘性糊料の濃度は、たかだか5%程度である。また、この方法では、各種方法で液状糊料を調製し、水での粘度発現性が測定されているが、水100重量部に対して液状糊料20重量部を添加し、溶解させた水溶液の25℃での粘度は、その粘度が最高に発現される組成でも1876cPであり、また、この組成には、エチルアルコールが含まれているため、介護食には適していない。また、実際に介護食に使用することができる配合組成では、アラビアガム10重量部を水85重量部に溶解させた後、キサンタンガム5重量部を加えて溶解させることにより、液体状糊料を調製した場合、液体状糊料の粘度が648cPであり(特許文献2の段落〔0019〕参照)、水100重量部に対して液体状糊料20重量部を添加し、溶解させたときの粘度は412cPである(特許文献2の段落〔0020〕参照)。
したがって、従来の液状糊料では、咀嚼・嚥下困難者の介護食として実際に使用するために溶解させることができる高粘性糊料の含有量の上限は5%程度であり、増粘させる目的物に粘度を付与する場合には、最低でも液状糊料を目的物の20%以上添加することが必要となる。また、目的物に液状糊料が20%以上含有されるように液状糊料を目的物に添加した場合、最終食品が希釈されてしまい、味が薄くなるという問題や、アラビアガム等の特有の風味を有する糊料が大量に含まれることにより、目的物が有する本来の風味が損なわれるという問題がある。
近年、キサンタンガムに低分子のアルギン酸ナトリウム、ペクチンおよびCMCのうち1以上からなる糊料が添加された増粘用添加物が提案されている(例えば、特許文献3参照)。この増粘用添加物は、キサンタンガムの粘度が抑制され、低粘性で取り扱いが容易な液状糊料である。しかし、この増粘用添加物は、キサンタンガムと低分子のアルギン酸ナトリウム、ペクチンまたはCMCとを同時に混合するため、液状糊料が流動性を持った状態を維持しながら高粘性糊料であるキサンタンガムを配合することができる割合が小さく、実施例でもキサンタンガムの含有量は3%程度である。実際に咀嚼・嚥下困難者の介護食に液状糊料を使用するためには、高粘性糊料をできるだけ多く液状糊料に配合し、さらに液状糊料の粘性を低く抑えることが、効率よく目的物を増粘させることができ、また目的物の風味変化を小さくするうえで好ましい。
米国特許出願公開第2004/0197456A1号明細書(第2頁〜第4頁) 特開2000−41594号公報(第3頁〜第4頁) 特開2004−208562号公報(第3頁〜第5頁)
近年、液状糊料には、溶解時に加熱等の手間が要らず、粉体のようにダマになることがなく、水分を含む目的物に対して簡便に粘性を付与することができる性質が求められている。また、液状糊料には、増粘させる目的物の味を極力損なわないようにするために、少ない添加量で速やかに所望の粘度に達することが求められている。特に、咀嚼・嚥下困難者の介護食に粘性を与える液状糊料には、これらの特性が強く要求されている。
本発明は、前記要求を満たすべくなされたものであり、食品等に添加して最終目的物の風味を損なわずに簡便に増粘させることができる液状糊料である糊料高含有製剤を提供することを目的する。
本発明者らは、低粘性CMCおよび/または低粘性アルギン酸塩類を水に溶解させた水溶液に、高粘性糊料を添加することにより、高粘性糊料を溶解させるための自由水が不足し、高粘性糊料が溶解直前の状態(膨潤状態)で維持される。高粘性糊料の溶解が抑制されることにより液状糊料の粘度が低く抑えられ、高粘性糊料を高濃度で含有させた液状糊料を得ることができる。この液状糊料は目的物に速やかに分散し、粘性を発現することを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものであり、低粘性CMCおよび/または低粘性アルギン酸塩を水に溶解させた水溶液に、高粘性糊料を添加してなる液状の糊料高含有製剤に関する。
本発明の糊料高含有製剤は、目的物に速やかに分散・溶解し、簡便に食品等に添加して最終目的物の風味を損なわずに増粘させることができる。したがって、本発明の糊料高含有製剤は、従来、手間がかかり、味にも影響を及ぼしていた目的物での粘度の調整のための手間を半減させることができる。
糊料高含有製剤を調製する際に要求される事項としては、水分を含む目的物に糊料高含有製剤を添加したときに速やかに粘性が発現するようにするために、(1)高粘性糊料が高濃度で含まれていること、および(2)糊料高含有製剤の粘度が低く、流動性を保っていることが挙げられる。
高粘性糊料を高濃度で分散させるためには、高粘性糊料を水に分散させた状態を維持し、粘度の発現を抑制する素材が重要であるが、本発明では、粘度抑制剤である低粘性CMCおよび/または低粘性アルギン酸塩類が有効に機能しているため、高粘性糊料を高濃度で溶解させ、水中に速やかに分散させることができる。
本明細書にいう「CMC」とは、セルロースを主原料にした代表的なアニオン性の水溶性高分子である「カルボキシルメチルセルロースナトリウム(Sodium Carboxymethyl Cellulose、簡略名:CMC)」であって、アイスクリーム、ジャム、ハム、ソーセージ、漬物等の安定性の向上や粘度を付与する目的で使用されているものであり、その2%水溶液での粘度(温度20℃、B型粘度計、30rpm、30秒後に測定したときの粘度)が200mPa・s以上、その10%水溶液での粘度(温度20℃、B型粘度計、30rpm、30秒後に測定したときの粘度。以下同じ)が1000mPa・s以上である。
本明細書にいう「低粘性CMC」とは、特に限定されるものではないが、CMCの低粘度タイプのものを意味する。本発明では、低粘性CMCは、高粘性糊料の粘性を抑制する効果が高いことから、その10%CMC水溶液の粘度が好ましくは100mPa・s以下、より好ましくは50mPa・s以下であることが望ましい。
本明細書にいう「高粘性CMC」とは、特に限定されるものではないが、CMCの高粘度タイプのものを意味する。本発明では、高粘性CMCは、最終目的物への添加量を減少させるの観点から、その10%CMC水溶液の粘度が好ましくは1000〜100000mPa・s、より好ましくは5000〜100000mPa・sであることが望ましい。
CMCは、主に(1)単位グルコースの重合度、(2)単位グルコースの水酸基あたりの置換度、(3)グルコースの重合度および単位水酸基あたりの置換度の分布の均一性等の分子構造の相違によってその物性が異なる。したがって、CMCの分子構造を改変することにより、濃度が2重量%の水溶液での粘度を5mPa・sから9000mPa・sにいたるまでの幅広い範囲に調整することができる。
本発明では、低粘性CMCが高粘性糊料の粘性を抑制する効果が高いことから、その10%CMC水溶液の粘度が好ましくは100mPa・s以下、より好ましくは50mPa・s以下であるCMCが望ましい。
低粘性CMCの量は、高粘性多糖類による粘度の発現を効果的に抑制する観点から、糊料高含有製剤に用いられる水に対して2〜12重量%であることが好ましく、目的物に粘度を迅速に付与する観点から、4〜10重量%であることがより好ましい。
本発明に用いられる「低粘性アルギン酸塩」とは、コンブやワカメ等に代表される褐藻類に特有な天然多糖類であるアルギン酸にナトリウム、カリウムまたはアンモニウムイオンを結合させたもので、冷水および熱水に対して速やかに水和し、溶解する性質を有するものである。より具体的には、「低粘性アルギン酸塩」は、20℃の水100gに対して5g以上溶解し、また60℃の熱水に対して10g以上溶解するものをいう。
低粘性アルギン酸塩は、特に限定されるものではないが、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウムおよびアルギン酸アンモニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種が好ましい。
アルギン酸塩は、その分子量や重合度を調整することにより、その10%水溶液の粘度が20mPa・sから2000mPa・sにいたるまでの幅広い粘度に調整することができる。
本発明で用いられる低粘性アルギン酸塩は、その10%水溶液の粘度が、高粘性多糖類の粘性を抑制する効果を高める観点から、100mPa・s以下のものであることが好ましく、分散性を向上させる観点から、50mPa・s以下のものであることがより好ましい。
低粘性アルギン酸塩の量は、高粘性多糖類による粘度の発現を効果的に抑制する観点から、糊料高含有製剤に用いられる水に対して2〜12重量%であることが好ましく、目的物に迅速に粘度を付与する観点から、4〜10重量%であることがより好ましい。
本発明に用いられる高粘性糊料は、粉末状に加工され、一般的に食品に使用されるものであればよく、特に限定されるものではないが、キサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、タラガム、タマリンドガム、カラヤガム、ペクチン、カラギナン、ジェランガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸エステル、加工澱粉および高粘性CMCの中から選ばれた少なくとも1種であることが粘度発現性の観点から好ましい。
本明細書にいう高粘性糊料の「高粘性」とは、糊料1重量部を水99重量部中に高速撹拌機で分散させた後、加熱溶解し、冷却することによって得られる溶液の粘度が600mPa・s以上であることを意味する。この粘度は、最終目的物への添加量を減少させる観点から、1000mPa・s以上であることが好ましい。
高粘性糊料は、目的物に粘度を迅速に付与する観点から、目開き75μmの篩を通過する粉末を10重量%以上、好ましくは20重量%以上含有することが望ましい。
本発明の糊料高含有製剤における高粘性糊料の含有量は、高粘性糊料が高濃度で分散している状態を維持する観点から、5重量%以上であることが好ましく、粘度発現性を高める観点から、10重量%以上であることがより好ましい。また、本発明の糊料高含有製剤における高粘性糊料の含有量は、糊料高含有製剤の流動性を高める観点から、30重量%以下であることが好ましく、分散性を向上させる観点から、20重量%以下であることがより好ましい。
本明細書における「流動性のある状態」とは、室温(20℃)において、糊料高含有製剤を注入した透明容器を横に倒したときに、糊料高含有製剤がゆっくりと流れる程度の流動性がある状態をいう。「流動性のある状態」のためには、糊料高含有製剤の粘度は、7000mPa・s以下、好ましくは4000mPa・s以下であることが好ましい。糊料高含有製剤の粘度は、これに含まれる水分量を調整することによって調節することができる。糊料高含有製剤に含まれる水分量は、通常、55〜95重量%、好ましくは65〜95重量%程度であることが望ましい。
本発明の液状の糊料高含有製剤は、低粘性CMCおよび/または低粘性アルギン酸塩を水に溶解させた水溶液に、高粘性糊料を添加することにより、容易に調製することができる。
本発明は、このように低粘性CMCおよび/または低粘性アルギン酸塩を水に溶解させた水溶液に、高粘性糊料を添加する点に、1つの大きな特徴がある。低粘性CMCおよび/または低粘性アルギン酸塩をあらかじめ水に溶解させておいた場合には、その後に添加する高粘性糊料を溶解させるための自由水が不足するので、高粘性糊料の溶解が抑制されるため、高粘性糊料が溶解直前の状態(膨潤状態)で維持される。したがって、本発明の糊料高含有製剤は、その粘度が低く抑えられており、高粘性糊料を高濃度で配合した場合であっても目的物で速やかに分散させて粘度を発現させることができる。
本発明では、まず、低粘性CMCおよび/または低粘性アルギン酸塩を水に溶解させる。低粘性CMCおよび低粘性アルギン酸塩は、それぞれ単独で用いてもよく、あるいは併用してもよい。
水としては、例えば、イオン交換水や純水等を用いることができる。低粘性CMCおよび/または低粘性アルギン酸塩を水に溶解させる際の水温は、特に限定されないが、通常、10〜90℃程度であればよい。得られる水溶液における低粘性CMCおよび/または低粘性アルギン酸塩の濃度は、高粘性多糖類による粘度の発現を効果的に抑制する観点から、両者の合計濃度で好ましくは2〜12重量%、より好ましくは4〜10重量%である。なお、低粘性CMCおよび/または低粘性アルギン酸塩を水に溶解させる際には、例えば、ディスパー等の手段を用いることができる。
次に、得られた水溶液に、高粘性糊料を添加し、溶解させる。このとき、高粘性糊料の添加量は、前記した糊料高含有製剤における高粘性糊料の含有量が満足されるように調整することが好ましい。前記水溶液に高粘性糊料を溶解させる際の水温は、特に限定されないが、通常、10〜90℃程度であればよい。なお、前記水溶液に高粘性糊料を溶解させる際には、例えば、ディスパー等の手段を用いることができる。
かくして本発明の液状の糊料高含有製剤が得られる。本発明の糊料高含有製剤は、水分を含む目的物に添加して速やかに粘性を発現するので、目的物に速やかに分散・溶解し、簡便に食品等に添加して最終目的物の風味を損なわずに増粘させることができる。目的物としては、例えば、流動食、ミキサー食等の患者用食事、お茶、ジュース、紅茶、牛乳、コーヒー等の飲料、タレ、スープ、ドレッシング、ソース等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。また、本発明の糊料高含有製剤は、従来のように、アルコールを必要としないため、咀嚼・嚥下困難者用の食品に対して誤嚥防止のために添加する用途に好適に使用することができる。
本発明の糊料高含有製剤は、例えば、ポーション容器または小袋に小分けすることにより、使用に供することができる。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
表1に示す配合割合により、粘度が18mPa・s(10%、20℃、B型粘度計30rpm)のCMC5gをディスパー〔(株)特殊機化工業製〕で2000rpmで撹拌しているイオン交換水90g中に投入し、5分間撹拌することにより、CMC水溶液を調製した。ダマがなく、透明に溶解したことを確認し、前記ディスパーで2000rpmで撹拌しているCMC水溶液中にキサンタンガムA5gを投入し、1分間撹拌溶解することにより、糊料高含有製剤を調製した。
実施例2
表1に示す配合割合により、粘度が32.8mPa・s(10%、20℃、B型粘度計30rpm)のアルギン酸ナトリウム5gをディスパー〔(株)特殊機化工業製〕で2000rpmで撹拌しているイオン交換水90g中に投入し、5分間撹拌することにより、アルギン酸ナトリウム水溶液を調製した。ダマがなく、透明に溶解したことを確認し、前記ディスパーで2000rpmで撹拌しているアルギン酸ナトリウム水溶液中にキサンタンガムA5gを投入し、1分間撹拌溶解することにより、糊料高含有製剤を調製した。
実施例3
表1に示す配合割合により、粘度が32.8mPa・s(10%、20℃、B型粘度計30rpm)のアルギン酸ナトリウム5gをディスパー〔(株)特殊機化工業製〕で2000rpmで撹拌しているイオン交換水90g中に投入し、5分間撹拌することにより、アルギン酸ナトリウム水溶液を調製した。ダマがなく、透明に溶解したことを確認し、前記ディスパーで2000rpmで撹拌しているアルギン酸ナトリウム水溶液中に冷水溶解性のカラギナン5gを投入し、1分間撹拌溶解することにより、糊料高含有製剤を調製した。
実施例4
表1に示す配合割合により、粘度が32.8mPa・s(10%、20℃、B型粘度計30rpm)のアルギン酸ナトリウム5gをディスパー〔(株)特殊機化工業製〕で2000rpmで撹拌しているイオン交換水90g中に投入し、5分間撹拌することにより、アルギン酸ナトリウム水溶液を調製した。ダマがなく、透明に溶解したことを確認し、前記ディスパーで2000rpmで撹拌しているアルギン酸ナトリウム水溶液中にキサンタンガムB5gを投入し、1分間撹拌溶解することにより、糊料高含有製剤を調製した。
実施例5
表1に示す配合割合により、粘度が32.8mPa・s(10%、20℃、B型粘度計30rpm)のアルギン酸ナトリウム5gをディスパー〔(株)特殊機化工業製〕で2000rpmで撹拌しているイオン交換水90g中に投入し、5分間撹拌することにより、アルギン酸ナトリウム水溶液を調製した。ダマがなく、透明に溶解したことを確認し、前記ディスパーで2000rpmで撹拌しているアルギン酸ナトリウム水溶液中にキサンタンガムC5gを投入し、1分間撹拌溶解することにより、糊料高含有製剤を調製した。
比較例1
表1に示す配合割合により、キサンタンガムA5gをディスパー〔(株)特殊機化工業製〕で2000rpmで撹拌しているイオン交換水95g中に投入し、5分間撹拌することにより、糊料高含有製剤を調製した。
次に、得られた糊料高含有製剤を前記ディスパーで2000rpmで撹拌し、これにアルギン酸ナトリウム5gを投入したが、溶解させることができなかった。
比較例2
表1に示す配合割合により、粘度が25.8mPa・s(10%、20℃、B型粘度計30rpm)のアラビアガム5gをディスパー〔(株)特殊機化工業製〕で2000rpmで撹拌しているイオン交換水90g中に投入し、5分間撹拌することにより、アラビアガム水溶液を調製した。ダマの出現がなく透明に溶解したことを確認し、前記ディスパーで2000rpmで撹拌しているアラビアガム水溶液中にキサンタンガム5gを投入し、1分間撹拌溶解することにより、糊料高含有製剤を調製した。
比較例3
表1に示す配合割合により、粘度が18mPa・s(10%、20℃、B型粘度計30rpm)のCMC5gとキサンタンガムA5gを粉体混合した。混合した粉体10gをディスパー〔(株)特殊機化工業製〕で2000rpmで撹拌しているイオン交換水90g中に投入し、1分間撹拌することにより、糊料高含有製剤を調製した。
比較例4
表1に示す配合割合により、粘度が32.8mPa・s(10%、20℃、B型粘度計30rpm)のアルギン酸ナトリウム5gとキサンタンガムA5gとを粉体混合した。混合した粉体10gをディスパー〔(株)特殊機化工業製〕で2000rpmで撹拌しているイオン交換水90g中に投入し、1分間撹拌することにより、糊料高含有製剤を調製した。
試験例1
実施例1〜5及び比較例1〜4で得られた糊料高含有製剤の粘度をB型粘度計〔東京計器(株)製:回転速度30rpm、30秒後〕で測定したところ、表2に示す結果が得られた。得られた糊料高含有製剤を20℃に調整したイオン交換水80gに各々20g投入し、スパーテルで毎秒4回転で15秒間攪拌し、20℃で10分間静置した後、前記と同様にしてB型粘度計で粘度を測定したところ、表3に示す結果が得られた。その際の糊料高含有製剤の分散性を目視により○(すばやく分散し粘度発現する)、△(分散が遅く粘度発現も遅い)、×(分散不可能)の3点で評価したところ、表4に示す結果が得られた。
Figure 2007105018
Figure 2007105018
Figure 2007105018
Figure 2007105018
以上の結果より、キサンタンガムの粘度発現を抑制する糊料が配合されている実施例1〜5では、それが配合されていない比較例1の粘度測定結果(16300mPa・s)と対比して、7分の1以下の粘度しか発現されておらず、キサンタンガムの粘度を著しく抑制していることがわかる。また、比較例2のアラビアガムでも、粘度が比較例1の半分程度であり、キサンタンガムの粘度発現が抑制されているが、その抑制効果は、実施例1〜5よりも低いことがわかる。
添加方法の違いを比べた実施例1と比較例3、実施例2と比較例4では、キサンタンガムの溶解前に低粘性CMCまたはアルギン酸ナトリウムをキサンタンガムよりも先に完全に溶解させた実施例1および2がキサンタンガムを水和するための自由水が不足していることが原因と考えられる、キサンタンガムの粘度を抑制する効果に優れ、糊料高含有製剤中でのキサンタンガムの粘度をより有効に抑制することがわかる。
また、表2に示された結果から、目開き75μmの篩を通過する割合の低い実施例4では、細かいキサンタンガムの粒子が少なく、実施例2よりも水和が遅れる傾向があり、糊料高含有製剤の粘度が最も低いことがわかる。この水和が遅れる傾向は、表3で示したイオン交換水に20%添加した際の粘度測定結果に差が生じているように、実施例2は粘度が高く、水和速度が速いことがわかる。目開き75μmの篩を通過する割合の高い実施例5では、細かいキサンタンガム粒子の割合が多く、イオン交換水に溶解した際に、水和が速やかに進むことから、キサンタンガムを使用した実施例の中でも最も高い粘度を有することがわかる。
本発明の糊料高含有製剤は、特に摂食障害により咀嚼・嚥下困難となった患者の食事・飲料等に添加して粘性を発現させる用途や、タレ、スープ、ドレッシング、ソース等を簡便に増粘させる食品用途に好適に使用することができる。

Claims (7)

  1. 低粘性CMCおよび/または低粘性アルギン酸塩を水に溶解させた水溶液に、高粘性糊料を添加してなる液状の糊料高含有製剤。
  2. 前記高粘性糊料が、キサンタンガム、グァーガム、ローカストビーンガム、タラガム、タマリンドガム、カラヤガム、ペクチン、カラギナン、ジェランガム、アルギン酸塩、アルギン酸エステル、加工澱粉および高粘性CMCからなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1記載の糊料高含有製剤。
  3. 前記高粘性糊料が、目開き75μmの篩を通過する粉末を10重量%以上含有する請求項2記載の糊料高含有製剤。
  4. 水分を含む目的物に添加して速やかに粘性を発現する請求項1〜3いずれか記載の糊料高含有製剤。
  5. 咀嚼・嚥下困難者用の食品に対して誤嚥防止のために添加する用途に用いられる請求項1〜4いずれか記載の糊料高含有製剤。
  6. ポーション容器または小袋に小分けされている請求項1〜5いずれか記載の糊料高含有製剤。
  7. 低粘性CMCおよび/または低粘性アルギン酸塩を水に溶解させた水溶液に、高粘性糊料を添加することを特徴とする液状の糊料高含有製剤の製造法。
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