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JP2007095541A - 燃料電池 - Google Patents

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卓也 本郷
Yutaka Sada
豊 佐田
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Hirosuke Sato
裕輔 佐藤
Hirohisa Miyamoto
浩久 宮本
Norihiro Tomimatsu
師浩 富松
Takahiro Suzuki
貴博 鈴木
Atsushi Sadamoto
敦史 貞本
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Abstract

【課題】高出力と高燃料利用効率を得ることができる燃料電池を提供することを目的とする。
【解決手段】燃料極と、酸化剤極と、燃料供給口と、液体燃料を前記燃料供給口から前記燃料極まで輸送するための多孔体層とを具備する燃料電池であって、前記多孔体層は、前記燃料供給口からの距離および前記燃料極からの距離のうち少なくとも一方に応じて、空隙率、透過係数および屈曲係数のうち少なくとも一つの値が異なることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池に関する。
近年、硫黄酸化物や窒素酸化物などの有害物質を排出しないクリーンな電源として、燃料電池への期待が非常に高まりつつあり、自動車や家庭用電源、携帯情報機器など小型の電源システムも多数提案されている。特に、直接メタノール型燃料電池(DMFC)は、純メタノールもしくはメタノールと水の混合液を燃料とすることから、水素を燃料とするタイプなどの燃料電池と比較して燃料の取り扱いが容易である上に加湿機構も不要で、また動作温度が低いことから熱制御機構も少なく済む。これらの利点は小型機器向けの小型燃料電池としてDMFCが適することを意味する。
DMFCへの燃料供給方法としてはシステムの小型化の観点から液体供給型と内部気化型が優れており、さらに液体供給型は、ポンプなどの補機を用いて流路板に液体燃料を送給し、この流路板から燃料極に液体燃料を供給するアクティブ型と主に重力や毛管力、浸透力などの自然力を利用して液体燃料を燃料極に供給するパッシブ型とに分けられ、各方式の利点をそれぞれ活かした多方面へのDMFCの適用が進められている。
主に自然力を利用するタイプでは、ポンプなどの補機なしに燃料極に燃料供給ができ、特に燃料流路に多孔体を用いて毛管力と浸透力を利用して液体燃料を輸送する方式を採れば、重力を利用する場合と比較して、燃料電池の姿勢が変化するおそれがある小型携帯機器用の燃料電池に対しても安定した燃料供給が期待できる。
ただし、従来より用いられている多孔体の毛管力と浸透力を利用した輸送力だけで複数のセルの燃料極に液体燃料を供給する場合、極力燃料タンクから燃料極までの距離を一定とし、燃料を燃料極に均一に供給する努力が必要である。
例えば、特許文献1に示す従来の多孔体による燃料極への燃料供給を行う燃料電池では、燃料極への燃料供給を均一に行うために、各単位セルを液体燃料誘導部を中心に放射状に配置し、この液体燃料誘導部の上部に配置されている燃料タンクから液体燃料を毛細管力または重力によって液体燃料誘導部に供給することにより液体燃料を各単位セルに供給するものである。
また、特許文献2に示す燃料電池では、微小炭素多孔体よりなる棒状の燃料電極体の外表部に電解質層を巻き付けるように構築することで燃料極への燃料供給を均一に行おうとするものである。
ここで、DMFCにおいては、出力や燃料利用効率を低下させるメタノール・クロスオーバー現象を抑制するには燃料極には燃料を最適な濃度、例えばメタノール濃度3M(メタノールと水のモル比1:10)以下、で供給する必要がある。ところが燃料極では、メタノール・クロスオーバー現象などがなければ理論的にはメタノールと水が1:1のモル比、メタノール濃度に換算すると約17M(「1M」は「1モル/リットル」を示す)、で反応する。
したがって、DMFCにおいてメタノール・クロスオーバー現象を抑制しつつ燃料を供給するには、一つの手法としては特許文献1や特許文献2のように、燃料極に最適な薄い濃度の燃料を供給し、余った水を多く含む残燃料を回収することが挙げられる。
しかし、特許文献1や特許文献2の燃料電池では、余分な残燃料回収機構の組み込みや発電に不要な水の保持機構が必要となるばかりでなく、その構造のままでは燃料タンクに対して距離が遠いセルほど燃料極に供給されるメタノール濃度が薄くなるという問題が生じる。一般に、従来の多孔体を使用した燃料電池では、燃料極において、燃料タンクから近い部分には濃度の高い燃料が供給され、燃料タンクから離れた部分には希薄な燃料が供給される。供給されるメタノール濃度が過剰に高いとメタノール・クロスオーバーが生じ、一方、供給されるメタノール濃度が低いと発電不足になる傾向がある。特に、メタノール水溶液を燃料極に供給するための流路板を有さず、主に多孔体におけるメタノール水溶液の浸透力によって燃料を供給するタイプの燃料電池では、流路板を用いるタイプの燃料電池に比較して、燃料タンクからの距離によってメタノール水溶液の濃度不均衡が大きくなる傾向がある。このため、燃料タンクからの距離に依存することなく、燃料極に供給されるメタノール水溶液の濃度を最適化することができる技術が要望されている。
ところで、特許文献3では、燃料流路前半でのメタノール・クロスオーバー及び燃料流路後半でのメタノールの供給不足を抑制するために、燃料の下流側に行くほどメタノール透過係数が大きくなっている拡散層を燃料極に備えたアクティブ型の直接メタノール型燃料電池が記載されている。
しかしながら、メタノール透過係数は燃料極の触媒層や固体高分子電解質膜の厚みに依存するため拡散層の物性のみを制御するだけではメタノール透過係数を制御することができない。このため、実際には所望のメタノール透過係数を有する拡散層を作製するのは非常に困難である。さらに、特許文献3の燃料電池は比較的一定濃度の燃料を直接拡散層の全面に渡って供給することができる流路板を有するタイプであることから、毛管力や浸透力を利用するタイプの多孔体に比較して拡散層の厚みが薄い。このため、メタノール透過係数が制御し易いのに対して、多孔体の毛管力や浸透力を利用するタイプの燃料電池では多孔体の占める割合が大きいため、メタノール透過係数を所望の範囲にコントロールするのは非常に難しく、現実的ではない。
特許文献4には、水の吸い上げ、放出が可能なカソード/アノードウィッキング材料を備えるカソード/アノードウィッキング構造体が組み込まれた、あるいは、流体連結されたカソード/アノードと、アノードに液体燃料を送る液体燃料流路と、液体燃料流路内で水と混合され水性液体燃料となる高濃度液体を液体燃料流路に送るための高濃度液体燃料ラインとを備えるアクティブ型の液体燃料電池が記載されている。
しかしながら、ウィッキング構造体は気液界面が存在しないと機能しない。多孔体の毛管力や浸透力を利用して燃料を供給する燃料電池の場合、多孔体は燃料が十分に浸透し、気相が存在しない状態で使用されることから、ウィッキング構造体を代用してもメタノール水溶液濃度を最適化することはできない。また、特許文献4には、ウィッキング材料を圧縮することにより、ウィッキング材料に吸い上げられた液体燃料を圧縮率の相対的に小さい材料の一部分から圧縮率の相対的に大きい別の部分へ流れるように方向づけできることが記載されているが、圧縮率を高くすると燃料に働く抵抗が大きくなるため、このようなウィッキング材料を燃料供給のために使用すると燃料濃度の不均衡を低減するどころか、増長し兼ねない。
特許文献5には、反応体及び生成物の輸送の制御のために、液体燃料の流れ方向に対して直角に溝がつけられた、あるいは貫通された平面内不均等構造を有する電極基板を備えたアクティブ型の電気化学的燃料電池が記載されている。
しかしながら、かかる電極基板は、カソード基板としては酸化剤に含まれる水分を除去し、カソードに供給される酸化剤濃度を一定とするものであり、アノード基板としてはメタノールと二酸化炭素の輸送をコントロールするものであるため、メタノール水溶液の濃度勾配を低減することはできない。
ところで、特許文献6には、無加湿の酸化剤ガス(空気)を供給しても固体高分子膜を全体にわたって湿潤状態に保つために、ガス導入口付近におけるカソード側のガス拡散層の水分透過性が、その他の領域におけるカソード側のガス拡散層の水分透過性よりも低い構成であるアクティブ型の固体高分子型燃料電池が記載されている。しかしながら、特許文献6には、主に自然力を利用して燃料極に燃料を供給するための多孔体については言及されていない。
特開2003−297391号公報 特開2004−63200号公報 特開2002−110191号公報 特開2003−36866号公報 特表平11−511289号公報 特開2001−6708号公報
本発明は、高出力と高燃料利用効率を得ることができる燃料電池を提供することを目的とする。
本発明の燃料電池は、燃料極と、酸化剤極と、燃料供給口と、液体燃料を前記燃料供給口から前記燃料極まで輸送するための多孔体層とを具備する燃料電池であって、
前記多孔体層は、前記燃料供給口からの距離および前記燃料極からの距離のうち少なくとも一方に応じて、空隙率、透過係数および屈曲係数のうち少なくとも一つの値が異なることを特徴とする。
本発明によれば、高出力と高燃料利用効率を得ることができる燃料電池を提供することができる。
本明細書中で使用する用語を次のようにそれぞれ定義する。
「自然力」とは、自然法則に従って生じる液体燃料を輸送する力、例えば、毛管力、浸透力、重力などをいう。自然法則を利用して生じる機械力(例えばポンプ圧力)は、自然力ではない。
「毛管力」とは、毛管現象により生じる液体を移動させる力をいう。すなわち、液体−固体界面エネルギーと気体−固体界面エネルギーとの差分エネルギーに起因する力(表面張力)をいう。
「浸透力」とは、気液界面が存在しない状態において、液体が固体の間隙を通過する力をいう。例えば、湿潤状態にある多孔体部材のなかで液体を移動させる流体圧力をいう。流体圧力は、例えば、液体が気化するときの気化膨張力や液体を押圧する圧縮力などをいう。
本発明の実施形態は2種類以上の液体の混合液を燃料とする燃料電池の燃料供給に係り、特に多孔体層内の液体燃料に働く自然力を利用して燃料供給を行う燃料電池に関する。しかしながら、本発明の実施形態は、ポンプ等の補器の圧力等を利用して自然力を補助することを妨げるものではない。なお、前述の特許文献3〜6の燃料電池は液体燃料を供給するため流路板を保持し、回収された残燃料がこの流路板を介して循環、再利用されるのに対して、本実施形態に係る燃料電池は残燃料のための循環流路を提供する流路板を必ずしも保持する必要はない。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
<第1の実施形態>
図1に本発明の第1の実施形態に係る燃料電池の分解斜視図を示す。
図1の燃料電池に備えられた膜電極接合体(MEA)1は、燃料極2とプロトン伝導性膜(PEM)3と酸化剤極4とがこの順に積層された構造を有する。このMEA1は、液体燃料(例えば、メタノール水溶液)が燃料極2に、酸素を含む空気(以下、酸化剤と称する)が酸化剤極4に供給されることで発電を行う性質のものである。燃料極2および酸化剤極4は、それぞれ拡散層(集電板)に触媒層が積層された構造を有する。燃料極2および酸化剤極4の触媒層は、それぞれPEM3に対向している。触媒層は、例えばPtやRuなどの触媒粒子を担持する担持触媒とプロトン伝導性物質と必要により導電材とを含むものである。拡散層は、例えば多孔体シートであり、この多孔体シートとしては、例えばカーボンペーパーを挙げることができる。PEM3は、スルホン酸基またはカルボン酸基などの陽イオン交換基を有するフルオロカーボン重合体からなるものである。PEM3としては、例えばNafion(Du Pont社の登録商標)等を用いることができる。
そして、このMEA1は、酸化剤極4がフレーム6の底部に設けられた空気取り込み穴5に接する向きでフレーム6に納められる。酸素を含む空気(酸化剤)はこの空気取り込み穴5を通して大気から酸化剤極4に供給される。なお、酸化剤極4の湿りや燃料電池システムの温度に注意して空気取り込み穴5の近傍にファンなどで空気を送れば、大気と同濃度の酸素を常に酸化剤極4に送れるため、MEA1の発電能力の低下防止を期待出来る。
一方、MEA1の面のうち空気取り込み穴5に接しない面である燃料極2側の面に多孔体層7が重ねられる。この多孔体層7は、自然力により液体燃料を後述する燃料供給口9aから燃料極2まで輸送するものであり、燃料供給口9aからの距離および燃料極2からの距離のうち少なくとも一方に応じて、空隙率、透過係数および屈曲係数のうち少なくとも1つの値が異なることを特徴とするものである。
多孔体層7は、第1の多孔体層8と第2の多孔体層9とが積層された2層構造を有する。燃料極2の直上に隙間を空けずに第1の多孔体層8が重ねられ、更に第1の多孔体層8の直上に第2の多孔体層9が重ねられる。第1の多孔体層8は、12種類の多孔体部材#101〜#112が燃料極2に沿ってX方向に順次並べられた構造を有する。第2の多孔体層9は、単一の多孔体部材#113から形成されている。
ここで、図1に示すように、「X方向」とは、後述する燃料供給口から多孔体層に液体燃料が流れ込む方向に平行な方向をいう。「Y方向」とは、燃料供給口から多孔体層に液体燃料が流れ込む方向に直交する方向をいう。「Z方向」とは、燃料極の厚み方向をいう。本明細書中においては、燃料極に向かって燃料供給口からZ方向に離れる方向を下方(下)といい、その反対方向を上方(上)という。
そして、ふた10で多孔体層7およびMEA1に圧力を掛け、これらをフレーム6内に固定する。このとき、第2の多孔体層9の一端はフレーム6やふた10に覆われず露出する構造とする。この露出した一端(曝露部9a)は燃料タンク11と接し、この曝露部9aが多孔体部材流路の燃料供給口となる。なお、燃料極2から発生するCO2が上記機構だけでは外部に排出しきれない場合は第1の多孔体層8の燃料極2に接する側の面に溝を設けるなどの対策を採ることができる。また、MEA1で生成した電力を取り出すには燃料極2と酸化剤極4の近傍にそれぞれ外部回路が必要だが、上記CO2排出対策法に応じて外部回路の設け方を変更することができる。CO2の排出機構および外部回路はここでは図示しない。また、燃料極2の拡散層は省略することができ、燃料極2の触媒層に直接多孔体層7を積層させることもできる。
一方、燃料タンク11は、容器12に一部スリット13を設け、内部に多孔体部材14を内張りしたものである(以下、この多孔体部材14を内張多孔体部材と呼ぶ)。この燃料タンク11の内部を、燃料極2に必要とされる濃度よりも高濃度のメタノール水溶液(以下、高濃度メタノール水溶液と称する)で満たす。ここで、スリット13からはタンクの内張多孔体部材14が露出している。
そして、フレーム6から露出している第2の多孔体層9の一部(曝露部9a)が、燃料タンク11のスリット13から露出している内張多孔体部材14と接するように、燃料タンク11とフレーム6は接合される。ここで、燃料タンク11の開口部から露出している内張多孔体部材14と第2の多孔体層9とは接合時に外気と触れない構造にして、高濃度メタノール水溶液の外部への蒸発を防ぐのが望ましい。また、燃料タンク10に納める高濃度メタノール水溶液量と、多孔体層7と、必要により設けられるCO2排出機構とは、メタノール水溶液が多孔体部材内で保持され、特に天地可能な燃料電池を実現する場合には、X,Y,Z方向のどの方向に重力が働いてもメタノール水溶液が漏れないように設計するのが望ましい。
ここで、上記にて変えるべき多孔体部材のパラメータとして空隙率、屈曲係数および透過係数を指定した理由を述べる。
空隙率εと屈曲係数τはメタノールや水の拡散係数に影響し、特には濃度分布を支配する物性値である。透過係数Kは多孔体部材内の流動抵抗を示し、特には圧力分布を支配する物性値である。
まず、屈曲係数τについて図2を参照して説明する。
屈曲係数τは図2のΔxと、Δx間で実際に濃度拡散に関与する孔の長さlpから、理論的には下式(2)で定義される。
τ=lp/Δx ・・・(2)
しかし、実際には多孔体部材内の細孔の拡大・縮小の影響も屈曲係数τに含ませるために、次の(i)〜(iv)のような手順で屈曲係数τを決める。
(i)多孔体部材がない場合の拡散係数D(m2/s)を測定する。
(ii)多孔体部材がある場合の拡散係数Deff(m2/s)を測定する。
(iii)多孔体部材の空間部分の割合から空隙率εを計算する。空隙率εは下式(3)で算出される。
ε=(Va−V)/Va ・・・(3)
ここで、Va:見かけ上で多孔体部材の占める体積(m3)、V:多孔体部材が真に占める体積(m3)、である。
(iv)Bruggemanの関係式より屈曲係数τは下式(4)から求まる。
τ=(logDeff−logD)/logε ・・・(4)
多孔体部材内では空隙率εと屈曲係数τは濃度の拡散係数を支配し、拡散係数はBruggemanの関係式(5)で表される。
eff=ετD ・・・(5)
ここで、前述したようにDeff:多孔体部材内の拡散係数、ε:空隙率、τ:屈曲係数(τ≧1)、D:拡散係数、である。すなわち、空隙率εを大きくするか、あるいは屈曲係数τを小さくすると、多孔体部材の拡散係数Deffを大きくすることができ、液体燃料を浸透し易くすることができる。
また、多孔体部材内では透過係数Kは液体燃料の圧力勾配を支配し、圧力勾配はDarcyの法則式(ダルシーの式とも称される)(6)で表される。
Figure 2007095541
ここで、∇p:圧力勾配(Pa/m)、μ:液体の粘性係数(Pa・s)、K:透過係数(m2)、u:液体の見掛け速度(m/s)、である。すなわち、透過係数Kを大きくすると、多孔体部材内での燃料の流速を向上させることができる。
本実施形態では最も単純な例として、多孔体部材#101〜#113の一つ一つは同じ物性値を有するものを考える。
このとき、特に多孔体部材#101〜#112については、互いに異なる特性を持たせ、多孔体部材#101〜#112のそれぞれの直下にあるMEA1の領域に応じて多孔体部材#101〜#112の空隙率、屈曲係数および透過係数のうち少なくとも一つの物性値を変える。図3に、図1の第1の多孔体層を概念的に説明するための断面図を示す。図3中、多孔体部材中を浸透する液体燃料の濃度(液体燃料のメタノール濃度)を白黒の濃淡で示した。薄色部分がメタノール濃度が高い部分を示し、濃色部分がメタノール濃度が低い部分を示している。また、図3中、矢印は液体燃料の浸透方向を示している。
多孔体部材#101〜#112は、燃料供給口に近い方からX方向に遠い方に向かって燃料極2に沿って、空隙率εと透過係数Kが小さいものから順に大きいものへと並ぶように配置されている。ここで、多孔体部材#101の空隙率と透過係数が最も小さく、多孔体部材の#番号が大きくなるにつれて空隙率と透過係数は大きくなり、多孔体部材#112の空隙率と透過係数が最も大きい。第2の多孔体層9において、燃料供給口9aから多孔体部材#113内に浸透した液体燃料は、多孔体部材#113内の抵抗を受けて燃料供給口からX方向に離れるにつれメタノール濃度が低下し、濃度勾配が生じる。引き続き、第2の多孔体層9から第1の多孔体層8へと浸透した液体燃料は、多孔体層8では燃料供給口からX方向に離れるほど液体燃料が浸透し易い構造になっているため、濃度勾配が低減される。この結果、燃料極2に供給される液体燃料の燃料極2の領域ごとの濃度差を低減することができる。
図3では、空隙率εと透過係数Kが異なる多孔体部材#101〜#112を組合せた例を説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、空隙率εおよび透過係数Kのうち一方だけが異なる多孔体部材を上述したように配置した場合にも同様の効果が得られる。また、燃料供給口からX方向に、屈曲係数τが大きい多孔体部材から順に屈曲係数τが小さい多孔体部材へと並べた場合にも同様の効果が得られる。メタノール濃度の不均衡は多孔体層の厚み方向(Z方向)についても生じるため、多孔体部材を燃料供給口に近い方(燃料極と離れた方)から順に上述したように厚み方向に積層した積層体を用いることによっても、上記効果が得られる。
これにより、第1の多孔体層8において多孔体部材#101〜#112の空隙率、屈曲係数および透過係数が全て同一である場合、すなわち第1の多孔体層8が単一の多孔体部材から形成されている場合と比較して、燃料極2に供給される液体燃料の濃度不均衡を低減することができる。この結果、高い出力と高い燃料利用効率が得られる燃料電池運転条件を持つ燃料電池を実現することができる。なお、上記濃度差の低減の実現に関して、多孔体部材の調整パラメータとして濃度に関わらない透過係数も含めた理由は、濃度分布は流動にも大きく支配されるためである。
上述したように、燃料タンクからある燃料極までの距離に応じて多孔体部材#101〜#112の空隙率・屈曲係数・透過係数を変えて、燃料極のどの領域にも極力均一な濃度でメタノール水溶液を供給することが本実施形態の大きな特徴である。
すなわち、前述のように燃料極で消費されるメタノールと水の比で燃料タンクの高濃度メタノール水溶液のメタノール濃度が決まる一方で、燃料極には燃料タンクに収められている高濃度メタノール水溶液よりも低い濃度のメタノール水溶液を供給しなければならない。このとき、燃料タンクからの距離が燃料極の領域ごとに異なる場合でも、供給されるメタノール水溶液の濃度差はできるだけ小さく保つ必要があり、それを実現できるように液体燃料が通る多孔体部材に設計を施すことが、この送液方法で高い出力と高い燃料利用効率を得る大きなポイントとなるからである。
また、この燃料極の領域ごとに供給されるメタノール水溶液の濃度差の低減に加えて、燃料極の領域ごとに供給されるメタノール水溶液の圧力差をも低減できることも、本実施形態の大きな特徴である。
燃料極内で圧力が不均一だと燃料極内に存在するCO2気泡がある場所に偏在するためメタノール水溶液の供給の妨げとなるおそれがある。それを防ぐため圧力の均一化を実現できるように液体燃料が通る多孔体部材に設計を施すことが、この送液方法で高い出力と高い燃料利用効率を得る大きなポイントとなる。
また、液体燃料の濃度差や圧力差に注目せずとも、本実施形態で述べるところの、燃料供給口からの距離に応じた燃料極の領域ごとに多孔体部材#101〜#112の空隙率・屈曲係数・透過係数を変えることは燃料電池の出力と燃料利用効率の向上に寄与する。
すなわち、例えば、上記まではメタノール濃度に応じて出力が変化するMEAを対象に話を進めたが、仮にメタノール濃度に関わらず所定の出力を発するMEAが存在したとしても、上記の濃度分布ほど影響は大きくないにしろ、CO2排出、MEAと多孔体部材との接触、多孔体部材を介した集電など、燃料電池運転時の多くの現象に対して多孔体部材の空隙率・屈曲係数・透過係数が燃料電池の出力や燃料利用効率に影響を及ぼすからである。
図1では、異なる物性値を有する12種類の多孔体部材#101〜#112を組み合わせることにより、メタノール濃度の不均衡を低減する第1の多孔体層を実現する例を説明したが、本実施形態はこれに限られるものではない。組み合わせる多孔体部材の数は2〜11種類とすることもできるし、13種類以上とすることもできる。これは、燃料電池のサイズや所望の特性によって決定することができる。単一の多孔体部材について上述したように燃料供給口に近い方からX方向またはZ方向に段階的にあるいは連続的に空隙率・透過係数・屈曲係数のうち少なくとも一つの物性値を変更したものを、第1の多孔体層として使用することもできる。なお、第1の多孔体層の多孔体部材(#101〜#112)と第2の多孔体層の多孔体部材(#113)は同一材であってもよいし、異種材であってもよい。
また、本実施形態では多孔体層が2層構造である例を示したが、これに限定されるものではなく、3層以上の構造を有する多孔体層を適用することもできる。
さて、上記の液体燃料の濃度差や圧力差の低減を実現する多孔体部材#101〜#113のそれぞれの空隙率・屈曲係数・透過係数の決定は、多孔体部材の濃度計算が行える市販の流体計算ソフト、例えばCFD Research Corporation社のCFD−ACE+ V2004やシーディー・アダプコ・ジャパン社のSTAR−CD v3.2で可能である。
多孔体層7の厚みは、燃料極の拡散層(一般的には0.6mm程度)よりも大きくすることが望ましく、例えば1mm以上とすることができる。多孔体層の厚みが小さ過ぎると、メタノール濃度の均一化の効果を十分に得ることができないことがある。これに対して、上記の計算において、多孔体層の大きさの限界が示される場合がある。この限界値が多孔体層の厚みの上限値となる。すなわち、燃料供給口からの距離が大きすぎると、MEA発電時に要求されるメタノール濃度よりも薄くなる、つまり十分な濃さの液体燃料が届かない、領域が生じてしまう。あらゆる姿勢でも動作する燃料電池を形成するには、多孔体層の最長部の長さは多孔体部材内の自然力により液体燃料を持ち上げられる高さよりも短くするのが望ましい。
多孔体層に用いられる多孔体部材は、微細な連通孔を有する多孔質構造であれば良く、例えば、三次元編目構造、点焼結構造あるいは細管構造を有するもの等が挙げられる。図4に、細管構造を有する多孔体部材の模式図を示す。図4に示す多孔体部材15は、ハニカム状の細管構造を有する。ここで、細管構造(曲りがなく真っ直ぐの孔16)を有する多孔体部材は屈曲係数τが1であるものと定義付けることができる。なお、屈曲した連通孔を有する多孔体部材は屈曲係数τは1を超える値で示される。
多孔体部材としては、より具体的には、カーボン焼結体、カーボンペーパー、スポンジ、セラミック等を使用することができる。セラミック多孔体としては、例えば炭化ケイ素多孔質体を挙げることができる。炭化ケイ素多孔質体は連続孔を有し、耐薬品性(特に燃料に含まれるアルコール類に対する耐薬品性)に優れる。炭化ケイ素多孔質体については、例えば非特許文献(竹内雍著,「多孔質体の性質とその応用技術」,富士テクノシステム,1999年,第62頁)等に詳しく説明されている。またPFC(Plastic Formed Carbon)多孔体もセラミック多孔体として挙げられる。これも耐薬品性に優れる上、粒子径やバインダーの量を調節することで連続孔を設け、屈曲係数τをコントロールすることができる。また加工・成形も容易である。
カーボン焼結体は、例えばカーボン粒子とバインダーを混合し、これを焼結することにより製造することができる。このとき、例えばバインダーの含有量を調節することにより、物性値を制御することができる。具体的には、バインダーの含有量を大きくすることにより、空隙率εおよび透過係数Kを大きくすることができる。スポンジの場合には、例えば発泡剤の量を調節することにより物性値を制御することができる。カーボンペーパーの場合には、例えば使用するカーボン繊維の繊維径を変更することにより、物性値をコントロールすることができる。セラミックの場合には、材料粒子の粒径や焼結条件を変更することにより物性値をコントロールすることができる。
特に、上記多孔体部材を粒子状の素材で形成する場合は、上記算出方法で求まった空隙率εと透過係数Kから粒子径を決めることが出来る。すなわち、この場合の粒子径は下式(1)で空隙率εと透過係数Kに支配されることが知られている。言い換えれば、用いる粒子状の素材の粒径を下式(1)に従って調節することにより、空隙率εと透過係数Kとを所望の範囲に制御することができる。
Figure 2007095541
ここで、d:粒子径(m)、K:透過係数(m2)、ε:空隙率、C:比例定数、である。
このとき、比例定数としてCarman−Kozeny式のものとBlake−Kozeny式のものが良く知られているが、その値は互いに約10%ずれていることから、この関係を用いて粒子径を決める場合は約10%の誤差を持つことを考慮すべきである。すなわち、式(1)において比例定数Cは、Carman−Kozeny式の比例定数からBlake−Kozeny式の比例定数までの範囲の定数(Carman−Kozeny式の比例定数およびBlake−Kozeny式の比例定数を含む)である。
また、図1の燃料電池において、燃料極2の拡散層を含めて複数の多孔体部材#101〜#113を接触させながら燃料流路として機能させる条件の一つとして、多孔体部材同士の確実な接触が挙げられる。例えば、多孔体部材#101〜#112にカーボン焼結体のような堅くてふたの締め付けなどによる外力では変形し難いものを用いた場合には、多孔体部材#113にはカーボンペーパーやスポンジのように外力で変形し易いものを用いることが望ましい。また、浸透力により燃料タンク11の内張多孔体部材14、多孔体部材#113、多孔体部材#101〜#112、燃料極2の拡散層、という順番で液体燃料が染み込んでいくように、多孔体部材の液体燃料に対する濡れ性だけでなく必要に応じて多孔体部材や拡散層の等価毛管径(多孔体部材内の連通孔を毛細管とみなした場合の毛管径)も限定することが望ましい場合もある。
図1に示した燃料電池は単独で使用することもできるし、積み重ねて使用することもできる。積み重ねて使用することにより、より大きな起電力を得ることができる。また、図1にはMEAが一つだけ組み込まれている燃料電池を例示しているが、これに限られるものではなく、MEAが複数組み込まれていてもよい。
図1の燃料電池を運転しないときは、多孔体部材を外気に触れさせず、かつ、ふた10をフレーム6に押さえる圧力や燃料タンク11を多孔体部材#113に押さえる圧力を除くことで多孔体層8,9の間や多孔体層8と燃料極2の拡散層との間の接触を少なく、もしくは無くすることが望ましい。
すなわち、まず多孔体部材が外気に触れたままだと多孔体部材やMEAに含んでいた液体燃料が外気に蒸発し、燃料電池の運転再開時に定常運転状態に至るまで余分な時間を費やすためである。また、燃料タンクと多孔体部材が接触を維持し、多孔体部材とMEAの接触がないままだと、多孔体部材に燃料タンクに収められている高濃度メタノール水溶液が高濃度のまま充満し、運転再開時にMEAと多孔体部材が接触した際、著しく発電効率が落ちたりMEAを破壊したりするおそれがあるからである。また、燃料タンクと多孔体部材の接触がなく、多孔体部材とMEAが接触を維持したままでは、クロスオーバー現象により多孔体部材内の液体燃料を消費し尽くす恐れがあるかである。さらにもし、MEAが酸化剤極で発生した水を燃料極に戻す機能を有するものならば、クロスオーバー現象で酸化剤極に発生した水で燃料極が満たされたりして、運転再開時に定常運転状態に至るまで余分な時間を費やすからである。また、燃料タンクと多孔体部材とMEAの接触が維持されたままの場合は、発電に使われないまま液体燃料が消費されるからである。上述した他の場合においても、発電に使われないまま液体燃料が消費されることがある。
また、上記では直接メタノール型燃料電池を対象として説明したがこれに限られるものではなく、本実施形態は2種類以上の液体の混合液(例えば、エタノール、プロパノールなどのアルコール類と水との混合液)を燃料とし、その燃料の輸送流路に多孔体部材を利用して燃料を液体状態で供給する燃料電池全てに適用可能なものである。
<第2の実施形態>
図5に本発明の第2の実施形態に係る燃料電池の分解斜視図を示す。
図1の各部、各機能と同一部分は同一符号で示し、その詳細な説明を省略する。
MEA1の燃料極2の側の面に多孔体層21が重ねられる。この多孔体層21は、第1の多孔体層22と第2の多孔体層23とがZ方向に積層された2層構造を有する。第1の多孔体層22は、4種類の多孔体部材#201〜#204が組み合わされたものであり、第2の多孔体層23は、単一の多孔体部材#205から形成されている。燃料極2の直上に、多孔体部材#201、多孔体部材#202がこの順に重ねられている。さらに多孔体部材#202の直上に、多孔体部材#202のほぼ半分の幅を有する多孔体部材#203と多孔体部材#204とが燃料極2に沿ってX方向に隙間なく並べて重ねられている。そして多孔体部材#203,#204の直上に、多孔体部材#205が重ねられている。以上説明したこと以外、例えばフレーム6、ふた10、燃料タンク11に関することなどは、図1と同様である。
ここで、多孔体部材#201〜#205の特徴を述べる。
多孔体部材#201〜#205はそれぞれ空隙率、屈曲係数、透過係数が異なるもので、かつ多孔体部材#201〜#205の直下にある燃料極2の領域に応じて多孔体部材の積層の仕方やそれぞれの多孔体部材の厚みを変えたものである。
特に、多孔体部材#201〜#205のうち、多孔体部材#201,#203,#204はほとんど圧縮できないもの、多孔体部材#202は圧縮できるものである。ここでいう「圧縮できるもの」、「ほとんど圧縮できないもの」とは、ふた10にて加えられる圧力によって、多孔体部材の寸法が、その面内ばらつきより大きく変形するものを「圧縮できるもの」、そうでないものを「ほとんど圧縮できない」ものと言う。多孔体部材#202は、ふた10で多孔体層21に圧力を掛けたときにその直下のMEA1の領域に応じて圧縮量が変化するように厚みを調節したものである。
そして、これらの特徴的な工夫をされた多孔体部材#201〜#205は、第1の実施形態の多孔体部材#101〜#113が実現していたのと同様に、多孔体部材#201〜#205の空隙率、屈曲係数、透過係数が全て同一な場合と比較して、高い出力と高い燃料利用効率が得られる燃料電池運転条件を持つ燃料電池を実現している。
ここで、本実施形態の有効性を述べる。
多孔体部材の空隙率と透過係数、必要によっては屈曲係数も、調節すれば燃料極に供給される液体燃料の濃度差や圧力差を低減できることは既に述べた。しかし、多孔体部材の空隙率、屈曲係数、透過係数が調節できる範囲には多孔体部材の種類に応じてそれぞれ限界があり、1種類の多孔体部材だけでは所望の空隙率、屈曲係数、透過係数を実現するのが不可能な場合がある。その他、第1,2の多孔体層を重ねる際の接触の良否などで多孔体部材の組み合わせを限定すると、多孔体部材の空隙率、屈曲係数、透過係数の変更可能な範囲は更に限られてくる。
そこで、本実施形態では、空隙率、屈曲係数、透過係数を変更するための方法として第1の実施形態に加えて更に以下に説明する3つの方策を導入する。
(I)第1の方策は、複数種類の多孔体部材を積層し、それぞれの多孔体部材の厚みを燃料極の領域に応じて変えることで、空隙率、屈曲係数、透過係数の値を異ならせるものである。
図6に、多孔体部材の厚みと特性の関係を概念的に説明するための断面図を示す。図6の(a)は、異なる空隙率εを有する2種類の多孔体部材#01,#02を厚みを変えて厚み方向(図5中、Z方向)に積層したものを示している。上側にあるのが多孔体部材#01であり、その下側にあるのが多孔体部材#02である。図6中、矢印は液体燃料の浸透方向を示す。多孔体部材#01の空隙率をε01とおき、多孔体部材#02の空隙率をε02(ε02>ε01)とおくと、図6の(b)に示されているように、空隙率ε01と空隙率ε02の間の空隙率ε’を有する単一の多孔体部材#00からなる多孔体層と見なすことができる構造を実現できる。
より具体的には、多孔体部材#01(空隙率ε01)の厚みをt01とおき、多孔体部材#02(空隙率ε02)の厚みをt02とおくと、見かけの空隙率ε’は以下の(i)〜(iii)に説明するように算出することができる。
(i)まず、前述した流体計算ソフトにより、図6(a)で示した多孔体部材#01,#02を所定の燃料電池運転条件に適用した場合の濃度計算を行う。たとえば、図6(a)で示した多孔体部材#01の上方から高濃度メタノール水溶液を供給する場合の、多孔体部材#02の下方に位置するMEA(図示省略)に供給されるメタノール水溶液(図6中、低濃度メタノール水溶液)の濃度を算出する。
(ii)次に、図6(b)で示した単一の多孔体部材#00がある空隙率を有すると仮定し、(i)と同じ燃料電池運転条件に適用した場合の濃度計算を行う。たとえば、図6(b)で示した多孔体部材#00の上方から高濃度メタノール水溶液を供給する場合の、多孔体部材#00の下方に位置するMEA(図示省略)に供給されるメタノール水溶液(図6中、低濃度メタノール水溶液)の濃度を算出する。
(iii)次に、(i)と(ii)で計算した濃度計算の結果を比較し、燃料電池の燃料供給に適用した場合に両者が等しい効果を示すか調べる。たとえば、(i)で計算したMEAに供給される低濃度メタノール水溶液の濃度と(ii)で計算したMEAに供給される低濃度メタノール水溶液の濃度とが等しいか調べる。もし等しくないならば、(ii)に戻り、空隙率を異なる値に再仮定し、再度計算する。一方、もし等しいならば、(ii)で仮定した多孔体部材#00の空隙率が、求めたい見かけの空隙率ε’である。
多孔体部材#01と多孔体部材#02の厚み比を変えることで空隙率ε’を調節することができる。例えば、多孔体部材#02の厚み比を大きくすることにより、見かけの空隙率ε’の値を大きくすることができ、液体燃料を浸透し易くすることができる。すなわち、この方策は前述したように濃度拡散係数が多孔体部材の空隙率に依存するため、高濃度メタノール水溶液が多孔体部材の空隙率に依存して濃度が減少する効果を利用したものである。この関係は空隙率だけでなく屈曲係数や透過係数に対しても同様に示されるものである。
この方策は図5中の多孔体部材#201〜#204に適用されていて、多孔体部材の厚みをその下にある燃料極の領域に応じて、特にここでは燃料供給口からの距離に応じて変えている。例えば、多孔体部材#201に空隙率が最も大きなものを用い、多孔体部材#202,#204の順に空隙率が小さいものを用い、多孔体部材#203に空隙率が最も小さいものを用いる。そして、燃料供給口からX方向に離れるにつれ空隙率が大きい多孔体部材の厚み比が大きくなるように設定することにより所望の特性を得ることができる。
(II)第2の方策は、複数種類の多孔体部材を積層し、その積層の仕方を燃料極の領域に応じて変えることで、空隙率、屈曲係数、透過係数の値を異ならせるものである。
例えば、図5に示すように多孔体部材#202の直上に重ねる多孔体部材を、その下にある燃料極の領域に応じて、特にここでは燃料供給口からの距離に応じて、多孔体部材#203と多孔体部材#204とに使い分ける例が挙げられる。これは多孔体部材#202と多孔体部材#203の組み合わせだけでは所望の空隙率、屈曲係数、透過係数を実現できない領域には、多孔体部材#202と多孔体部材#204の組み合わせでそれを実現するというものである。
その他として、厚みが固定の多孔体部材(例えば市販のメンブレンなど)を用いる場合、物性値が異なる複数種類を組み合わせたり、1種類の多孔体部材を複数個組み合わせたりすることで、あたかも多孔体部材の厚みを自在に変えたように見なせることができる。このようにして、第1案と同様の効果を得ることができる。
(III)第3の方策は、多孔体部材として圧縮可能な多孔体部材を用い、その多孔体部材の圧縮の仕方を燃料極の領域に応じて変えることで、空隙率、屈曲係数、透過係数の値を異ならせるものである。
図7に圧縮された多孔体部材を説明するための模式図を示す。図7に示すように厚みhを有する多孔体部材をZ方向にΔhだけ圧縮すると、透過係数Kおよび空隙率εの値を小さくすることができる。特に、圧縮率が小さい場合、多孔体部材を圧縮することで透過係数Kを大きく変動させることができる。一方、透過係数Kの場合と比べて変動幅は小さいが、やはり多孔体部材を圧縮することで空隙率εも変動させることができる。更に圧縮率を高くできる多孔体部材ならば空隙率εと透過係数Kだけでなく、屈曲係数τの値も多孔体部材の圧縮で調節することができる。以上の性質を利用すれば、1種類の多孔体部材を圧縮することで、空隙率、屈曲係数、透過係数の値を異ならせることができる。
この方策は図5中の多孔体部材#202に適用されている。多孔体部材#202は予め、圧縮前の厚みをその下にある燃料極2の領域に応じて、特にここでは燃料供給口からの距離に応じて、変えておく。この多孔体部材#202を配置し、ふた10で多孔体部材#201〜#205に圧力を掛けることにより、直下の燃料極2の領域に応じて多孔体部材#202の圧縮量が変化させることができる。
ここで多孔体部材#201〜#204を設計する際に、上記の多孔体部材#202を圧縮すると透過係数Kが大きく変動する一方で、空隙率εの変動幅は透過係数Kに比べて小さいという性質を大いに利用しつつ、上記方策(I)〜(III)を活用することを考える。
すなわち、種類が異なり、かつ厚みが変化している多孔体部材#201,#203,#204を組み合わせることにより第1の多孔体層22の見かけの空隙率ε’を主に調節することができる。また、厚みが変化している多孔体部材#202を用いることにより圧縮率を変動させて第1の多孔体層22の見かけの透過係数K’を主に調節することができる。このようにすることで、多孔体部材の圧縮時の性質を利用しない場合より設計者の負担が軽減されるばかりでなく、適用する多孔体部材の種類の制限が大幅に緩和でき、これも本実施形態の効果の一つである。
また、上記方策(I)〜(III)のうちの1つを適用するだけでも、1種類の多孔体部材だけを用いる場合よりも、多孔体部材の空隙率、屈曲係数、透過係数が調節できる範囲を大幅に広げることができる極めて有効なものであることは上記の通りである。
<第3の実施形態>
図8に本発明の第3の実施形態に係る燃料電池の分解斜視図を示す。
図1の各部、各機能と同一部分は同一符号で示し、その詳細な説明を省略する。
MEA1の燃料極2の側の面に多孔体層31が重ねられる。この多孔体層31は、第1の多孔体層32と第2の多孔体層33とがZ方向に積層された2層構造を有する。第1の多孔体層32は、多孔体部材#301と複合材料35とが組み合わされた積層体であり、第2の多孔体層33は、単一の多孔体部材#341から形成されている。燃料極2の直上に圧縮できる多孔体部材#301が重ねられ、次に、多孔体部材#301の直上に複合材料35が重ねられ、複合材料35の直上に多孔体部材#341が重ねられている。以上説明したこと以外、例えばフレーム6、ふた10、燃料タンク11に関することなどは、図1と同様である。
ここで、第3の実施形態で新たに導入された複合材料を中心にその特徴と有効性について述べる。
図9に図8の複合材料を説明するための平面図を示す。この複合材料35は、板状の遮蔽部材34に複数の貫通孔34a(図8,9では39個の孔を有する例を示している)を設け、この貫通孔34aにそれぞれ異なる多孔体部材36(多孔体部材#302〜#340)が挿入されているものである。ここで用いられる遮蔽部材34は、意図しない漏洩を除いてメタノール水溶液を透過させず、メタノール水溶液に溶けずにメタノール水溶液の浸透を遮蔽することが可能なものである。このような遮蔽部材としては、例えばポリイミド樹脂板等を挙げることができる。
図10に複合材料を概念的に説明するための断面図を示す。例えば多孔体部材#302〜#340が同一の空隙率ε03を有するものである場合、すなわち図10に示すように遮蔽部材34の貫通孔それぞれに同一な多孔体部材36が挿入されている場合、遮蔽部材34の真に占める体積をVrとし、複合材料35の体積をVpとすると、複合材料35の見かけの空隙率ε”は下式(8)で算出することができる。
ε”=ε03×(Vp−Vr)/Vp ・・・(8)
また、多孔体部材#302〜#340の透過係数がK03である場合、複合材料35の見かけの透過係数K”についても、空隙率ε”と同様に下式(9)で算出することができる。
K”=K03×(Vp−Vr)/Vp ・・・(9)
複合材料35の見かけの屈曲係数τ”については、複合材料35がある場合の拡散係数Deffを測定し、前述した屈曲係数を算出する式(5)に代入すれば算出することができる。このように複合材料を用いることで、複合材料が空隙率ε”、透過係数K”、屈曲係数τ”を有する単一の多孔体部材から形成されている場合と同様な濃度分布、圧力分布を得ることが出来る。
図10に示すように複合材料35を用いる場合には、複合材料35の直下に生じる濃度むらや圧力むらを緩和するために、複合材料の下に単一の多孔体部材37(図8の多孔体部材#301に相当する)から形成される層を設けることが好ましい。図10中、メタノール濃度は白黒の濃淡で示した。薄色部分がメタノール濃度が低い部分を示し、濃色部分がメタノール濃度が高い部分を示している。
また、図9に示すように、燃料供給口との間の距離が大きくなるに従って遮蔽部材の単位面積あたりの貫通孔の開口面積を大きくすることで、複合材料35において燃料供給口に近い側(図9では左側)では、遮蔽部材の割合が大きく、X方向に遠い程遮蔽部材の割合を小さくすることができ、これにより燃料供給口からの距離が大きくなる程空隙率と屈曲係数を小さくすることができる。これにより、多孔体部材#301と複合材料35は、第1の実施形態の多孔体部材#101〜#112が実現していたのと同様に、多孔体部材#301と複合材料35が占める空間全てが空隙率、屈曲係数、透過係数が同一な多孔体部材で占められている場合と比較して、高い出力と高い燃料利用効率が得られる燃料電池運転条件を持つ燃料電池を実現している。
上記複合材料における貫通孔のピッチpや、複合材料の厚みt03と複合材料の直下の多孔体部材の厚みt04を変更することで、空隙率ε”はε03〜∞の範囲内、透過係数K”は0〜K03の範囲内、屈曲係数τ”は0〜τ03の範囲内で自由に決定することができる。ここでは、多孔体部材#302〜#340が同一材である場合について説明したが、異なる物性値を有する材料をそれぞれ適用することができる。これにより、空隙率ε”、透過係数K”、屈曲係数τ”をさらに広範囲で制御することができるようになる。
図8,9では遮蔽部材の厚みは一定とし、貫通孔の平均ピッチpを燃料供給口からの距離に応じて変えることで所望の空隙率、透過係数を実現する構造を示している。ただしε”、K”は独立に決められないため、ここでも第2の実施形態と同様に、圧縮できる多孔体部材の性質、すなわち圧縮できる多孔体部材を圧縮すると透過係数Kが大きく変動する一方で、空隙率εは透過係数Kに比較して変動幅が小さい性質、を利用することができる。
つまり、図8中の多孔体部材#301は複合材料35の直下にあり、上記濃度むらや圧力むらを緩和するのが目的の層であるが、同時に、予め圧縮前の厚みをその下の燃料極の領域に応じて、特にここでは燃料供給口からの距離に応じて、変えておき、ふた10で多孔体層31に圧力を掛けたときに直下にある燃料極2の領域に応じて多孔体部材#301の圧縮量が変化するようにする。このように、複合材料の直下に設けられる多孔体部材を圧縮して用いる場合には、遮蔽部材には剛体を使用することが望ましい。
そして多孔体部材#301と複合材料35の組み合わせで見かけの空隙率を主に調節し、多孔体部材#301の圧縮量で見かけの透過係数を主に調節するという手法を取ることで、見かけの空隙率ε”と見かけの透過係数K”を独立に決められる場合と同様に燃料極触媒層に濃度差や圧力差の小さい状態で、メタノール水溶液を供給することができるのである。
なお、ここでは遮蔽部材に貫通孔を複数空けたものに多孔体部材を挿入するものを挙げたが、多孔体部材に貫通孔を複数空けたものに遮蔽部材を挿入する方法も挙げられるなど、その積層方法に本実施形態は制限されるものではない。また、貫通孔の大きさ、ピッチあるいは数は図8,9に示したものに限定されるものではない。例えば、図9では、燃料供給口からの距離に応じて遮蔽部材の占める割合を変更する例を示したが、遮蔽部材の占める割合を一定として、貫通孔に挿入する多孔体部材#302〜#340の物性値を十分に異なるものとすることにより、所望の特性を得ることもできる。
また、ここで述べた遮蔽部材は空隙率(ε=0)、透過係数(K=0)の多孔体部材とみなすことが出来、すなわち、遮蔽部材を任意の空隙率、屈曲係数、透過係数を持った多孔体部材と置き換えても本実施形態は同様の効果を得ることが出来る。
<第4の実施形態>
図11に本発明の第4の実施形態に係る燃料電池の分解斜視図を示す。
図1の各部、各機能と同一部分は同一符号で示し、その詳細な説明を省略する。
MEA1の燃料極2の側の面に多孔体層41が重ねられる。この多孔体層41は、第1の多孔体層42と第2の多孔体層43とがZ方向に積層された2層構造を有する。第1の多孔体層42は、単一の多孔体部材#401から形成されており、第2の多孔体層43は、単一の多孔体部材#402から形成されており、この多孔体部材#402には切り込みが設けられている。燃料極2の直上に、多孔体部材#401、多孔体部材#402がこの順に重ねられている。以上説明したこと以外、例えばフレーム6、ふた10、燃料タンク11に関することなどは、図1と同様である。
ここで特に独創的な多孔体部材#402を中心に第4の実施形態の特徴と有効性について述べる。
図12の(a)と(b)に図11の第2の多孔体層を説明するための側面図と平面図をそれぞれ示す。多孔体部材#402は、多孔体部材#401との接触面積および厚みを、多孔体部材#401の下の燃料極の領域に応じて、特に本実施形態では燃料供給口からの距離に応じて変えたものである。図12の(a)に示すように、多孔体部材#402は燃料供給口からX方向に離れるほど厚みが小さくなっている。さらに、この多孔体部材#402は、図12の(b)に示すように、燃料供給口からX方向に離れるほど多孔体部材#402の下に設けられた多孔体部材#401との接触面積が大きくなるように、また、燃料タンク11内の内張多孔体部材14との接触面積(燃料供給口43aの面積)が小さくなるように、切り込みが設けられている。このとき用いられるふた10には、多孔体部材#402の切り込みに嵌るように凸部10aを設けておく。
これにより、多孔体部材#401と多孔体部材#402は、第3の実施形態の複合材料35で実現していたのと同様に、多孔体部材#401と多孔体部材#402が占める空間全てが空隙率、屈曲係数、透過係数が同一な多孔体部材で占められている場合と比較して、高い出力と高い燃料利用効率が得られる燃料電池運転条件を持つ燃料電池を実現している。
すなわち、第3の実施形態の複合材料35では断続的に多孔体部材を並べることで多孔体部材#302〜#340と多孔体部材#301との接触面積を燃料供給口からの距離に応じて変えることを実現しているとみなせる。これに対して、第4の実施形態では図11の多孔体部材#402により連続的に多孔体部材#401との接触面積を燃料供給口からの距離に応じて変えているものと見なすことができる。そして、この多孔体部材#401と多孔体部材#402の効果は、見かけ上の空隙率、屈曲係数、透過係数を変えたのと同様な効果を得ているのは第3の実施形態で既に述べたのと同様である。第4の実施形態ではふた10の凸部が第3の実施形態の遮蔽部材と同様に液体燃料の透過を遮蔽するものとしての働きを有する。
また、第3実施形態で採用している図8に示された厚みが一定な多孔体部材#341や、その他の実施の形態で同様の位置に存在する多孔体部材(#113,#205)の役割を、第4の実施形態では多孔体部材#401が担っている。すなわち、多孔体部材#401は、多孔体部材#402の直下で生じる濃度むらや圧力むらを緩和する目的で設けられている。
ここで、第2の多孔体層43に、燃料供給口からの距離に従って厚みと他の多孔体部材との接触面積とを変化させた多孔体部材#402を用いる例を説明したが、これに限られるものではない。多孔体部材#402は厚みを一定にすることもできる。仮に多孔体部材#402の厚みが一定ならば、多孔体部材#401との接触面積が燃料供給口からの距離に従い変化すると同時に燃料の流路断面積も変化することになる。そこで、必要に応じて多孔体部材#402は、多孔体部材#401との接触面積だけでなく厚みも変化させ、第2の実施形態で説明したように物性値を調節することで、濃度や圧力をより均一化することができる。
また、本実施形態においてふた10は多孔体部材#402のくぼみに応じて凸部10aを設けてあるので、このふた10を空隙率(ε=0)、屈曲係数(τ=∞)、透過係数(K=0)の多孔体部材とみなすこともでき、第2の実施形態で述べたように複数種類の多孔体部材を積層し、それぞれの多孔体部材の厚みをその下にある燃料極の領域に応じて変えたときと同様の効果を得ることができる。
上記のようにこの第4の実施形態は前述の第1〜第3の実施形態で示された手段を踏襲しつつ、より少ない種類の多孔体部材で、第1〜第3の実施形態と同様な効果が得られ、燃料極に供給される液体燃料の濃度や圧力差を低減することができる。すなわち、空隙率、屈曲係数、透過係数が同一な多孔体部材だけを用い、その多孔体部材における他の多孔体部材や燃料極との接触面積や厚みを均一にした場合と比較して、高い出力と高い燃料利用効率が得られる燃料電池運転条件を持つ燃料電池を実現することができる。
なお、他の実施形態で用いられている多孔体部材を種々に組み合わせることもできる。例えば、必要に応じて図1に示す多孔体部材#101〜#112を組み合わせた積層体と図5に示す多孔体部材#202や図8に示す複合材料35とを重ね合わせて多孔体層を形成することもできる。
以上詳述した実施形態では直接メタノール型燃料電池を対象として説明したがこれに限られるものではなく、本発明の第2〜4の実施形態も第1の実施形態と同様に2種類以上の液体の混合液を燃料とし、その燃料の輸送流路に多孔体部材を利用して燃料を液体状態で供給する燃料電池全てに適用可能なものである。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
[実施例]
(実施例1)
13種類の異なる物性値を有する多孔体部材#101〜#113を用意し、図1の多孔体層7と同様な構造を有する多孔体層を形成した。
多孔体部材#113は、空隙率εを0.95とし、透過係数Kを3.0×10-112とした。計算領域は、図3に示す燃料極の触媒層、燃料極の拡散層、多孔体部材#101〜#113とした。燃料タンクからの燃料供給条件と、MEAのメタノールと水の消費量を境界条件として与えた。メタノールのモル流束は0.15A/cm2の発電時相当量とし、水のモル流束は0とした。燃料タンクに満たされた高濃度メタノール水溶液の濃度は99.99%とした。多孔体部材#101〜#113の屈曲係数は1.5とした。多孔体部材#101〜#112のZ方向の厚みは1.0mmとし、多孔体部材#113のZ方向の厚みは1.5mmとした。
そして、質量保存則、運動量保存則、メタノールと水の化学種保存則を全て満たすものとし、かつ燃料極の拡散層表面にてメタノール濃度と圧力が均一となるように、CFD Research Corporation社のCFD−ACE+ V2004を用いて、多孔体部材#101〜#112の空隙率εと透過係数Kを算出した。このとき、MEAに供給される低濃度メタノール水溶液燃料の濃度は9.037%となるように算出した。この結果を図13に示す。
図13に示すように、各多孔体部材#101〜#112の空隙率εと透過係数Kを調節することにより、図3中に白黒の濃淡で示したように燃料極に供給されるメタノール水溶液のメタノール濃度を均一化することができ、アノード触媒層にほぼ均一なメタノール濃度分布を有するメタノール水溶液を供給できることが計算により示された。
(実施例2)
空隙率ε01が0.9で、厚みがt01の多孔体部材#01と、空隙率ε02が0.1で、厚みがt02の多孔体部材#02を用意した。多孔体部材#01を上層とし、多孔体部材#02を下層として積層することにより、図6に示す構造の多孔体層を形成した。このとき多孔体部材#01と多孔体部材#02の厚み比(t01/t02)を変更して、多孔体層の見かけの空隙率ε’を前述したように算出した。この結果を、表1に示す。
Figure 2007095541
多孔体部材#01と多孔体部材#02の厚み比を変えることで多孔体層の見かけの空隙率ε’をε01とε02の間の変更することができることが示された。このとき、空隙率が小さい多孔材料(多孔体部材#02)の厚み比を大きくすることにより、見かけの空隙率ε’を大きくすることができることを確認できた。
(実施例3)
遮蔽部材を用意し、この遮蔽部材に格子状に貫通孔を形成した。この貫通孔に空隙率0.9、透過係数4.5×10-112の多孔体部材を挿入することにより複合材料を得た。このとき、この複合材料の体積Vpと遮蔽部材の体積Vaとの体積比(Vp:Va)は、11:3とした。この複合材料の下層に複合材料に用いたのと同質の多孔体部材を積層し、図10に示す構造の多孔体層を得た。
この多孔体層について実施例1と同様にして多孔体層の空隙率εと透過係数Kを算出した。このとき、屈曲係数τは不変とした。
この結果、得られた多孔体層において、透過係数K”2.23×10-112を有し、空隙率ε”0.56を有する多孔体部材から形成された単一材料からなる多孔体層に相当する圧力分布と濃度分布が得られることが計算により示された。このときのメタノール水溶液の濃度分布は、図10に白黒の濃淡で示した通りである。これにより複合材料と、その下に濃度むらや圧力むらを緩和するのが目的の単一の多孔体部材とを組み合わせた多孔体層がある場合、見かけ上この多孔体層の領域が空隙率ε”、透過係数K”で均一な多孔体部材である場合と同様な濃度分布、圧力分布を得ることが出来ることが計算により示された。
(実施例4)
多孔体部材として東レ・ファインケミカル社のセルローススポンジを用意した。厚さhが4mmであるこの多孔体部材について、図7に示すようにΔhを1mm,2mm,3mmの3段階でZ方向に圧縮した。このときの空隙率εを前述した式(3)により算出し、透過係数K(m2)を前述した式(6)により算出した。この結果を図14に示す。なお、ここでは圧縮率が小さいため屈曲係数は変化しないものとした。
図14に示すように、多孔体部材を圧縮することで透過係数が大きく変化した。一方、空隙率の変化は透過係数の場合と比べて小さいが、やはり多孔体部材を圧縮することで空隙率も変化した。
本発明の第1の実施形態に係る燃料電池を示す分解斜視図。 屈曲係数を説明するための多孔体部材の模式図。 図1の第1の多孔体層を概念的に説明するための断面図。 細管構造を有する多孔体部材の模式図。 本発明の第2の実施形態に係る燃料電池を示す分解斜視図。 多孔体部材の厚みと特性の関係を概念的に説明するための断面図 圧縮された多孔体部材を説明するための模式図。 本発明の第3の実施形態に係る燃料電池を示す分解斜視図。 図8の複合材料を説明するための平面図。 複合材料を概念的に説明するための断面図。 本発明の第4の実施形態に係る燃料電池を示す分解斜視図。 (a)は図11の第2の多孔体層を説明するための側面図、(b)は図11の第2の多孔体層を説明するための平面図。 実施例1の多孔体部材の種類と空隙率および透過係数との関係を示す特性線図。 圧縮率と空隙率および透過係数との関係を示す特性線図。
符号の説明
1…MEA、2…燃料極、3…PEM、4…酸化剤極、5…空気取り込み穴、6…フレーム、7,21,31,41…多孔体層、8,22,32,42…第1の多孔体層、9,23,33,43…第2の多孔体層、9a,43a…曝露部(燃料供給口)、10…ふた、11…燃料タンク、12…容器、13…スリット、14…内張多孔体部材、34…遮蔽部材、34a…貫通孔、35…複合材料、36,37…多孔体部材。

Claims (12)

  1. 燃料極と、酸化剤極と、燃料供給口と、液体燃料を前記燃料供給口から前記燃料極まで輸送するための多孔体層とを具備する燃料電池であって、
    前記多孔体層は、前記燃料供給口からの距離および前記燃料極からの距離のうち少なくとも一方に応じて、空隙率、透過係数および屈曲係数のうち少なくとも一つの値が異なることを特徴とする燃料電池。
  2. 前記多孔体層は複数の多孔体部材を有し、前記多孔体部材のうちの少なくとも一つが、前記燃料極と接触するように設けられ、前記燃料供給口から前記燃料極までの距離が大きくなるに従って、前記燃料極と接触する前記多孔体部材の空隙率および透過係数のうち少なくとも一方の値を漸次大きくするか、または、前記燃料極と接触する前記多孔体部材の屈曲係数の値を漸次小さくすることを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
  3. 前記多孔体層が粒子を含み、
    前記粒子の直径dを選択し、その選択した直径dと下式(1)とに基づいて前記多孔体層の空隙率および透過係数のうち少なくとも一方の値を変えることを特徴とする請求項1または2のいずれか一方記載の燃料電池。
    Figure 2007095541
    d;粒子の直径
    ε;空隙率
    K;透過係数
    C;Carman−Kozenyの比例定数からBlake−Kozenyの比例定数までの範囲の定数(Carman−Kozenyの比例定数とBlake−Kozenyの比例定数とを含む)
  4. 前記多孔体層は、空隙率、透過係数および屈曲係数のうち少なくとも一つの値がそれぞれ異なるものであって、かつ前記燃料供給口からの距離に応じて厚みが漸次増加または減少する複数の多孔体部材が積層されたものを有することを特徴とする請求項1ないし3のうちのいずれか1項記載の燃料電池。
  5. 前記多孔体層は空隙率、透過係数および屈曲係数のうち少なくとも一つの値がそれぞれ異なる複数の多孔体部材を有し、前記複数の多孔体部材は、前記燃料供給口との間の距離が大きくなるに従って、空隙率および透過係数のうち少なくとも一方の値が大きくなるように、または、屈曲係数の値が小さくなるように燃料極に沿って並べられていることを特徴とする請求項1ないし4のうちのいずれか1項記載の燃料電池。
  6. 前記多孔体層は複数の多孔体部材と少なくとも一つの遮蔽部材を有し、前記燃料供給口との間の距離が大きくなるに従って、前記複数の多孔体部材のうち少なくとも一つの燃料極側の面の面積が漸次増加するように、前記複数の多孔体部材の間に前記遮蔽部材が配置されていることを特徴とする請求項1ないし5のうちのいずれか1項記載の燃料電池。
  7. 前記多孔体層は複数の多孔体部材と少なくとも一つの遮蔽部材を有し、前記燃料供給口との間の距離が大きくなるに従って、前記多孔体層の単位面積あたりの開口面積が大きくなるように前記遮蔽部材において開口する貫通孔に前記多孔体部材が挿入されていることを特徴とする請求項1ないし6のうちのいずれか1項記載の燃料電池。
  8. 前記多孔体層は複数の多孔体部材と複数の遮蔽部材を有し、前記燃料供給口との間の距離が大きくなるに従って、前記多孔体層の単位面積あたりの開口面積が小さくなるように前記多孔体部材の少なくとも一部において開口する貫通孔に前記遮蔽部材が挿入されていることを特徴とする請求項1ないし7のうちのいずれか1項記載の燃料電池。
  9. 前記燃料供給口からの距離に応じて、前記多孔体層の少なくとも一部を圧縮することにより空隙率、透過係数および屈曲係数のうち少なくとも一つの値を漸次変えたことを特徴とする請求項1ないし8のうちのいずれか1項記載の燃料電池。
  10. 前記多孔体層が複数の多孔体部材を有し、前記複数の多孔体部材のうち少なくとも一つが、前記燃料供給口との間の距離が大きくなるに従って、隣接する多孔体部材に対する接触面積が大きくなっていることを特徴とする請求項1ないし9のうちのいずれか1項記載の燃料電池。
  11. 前記多孔体層が複数の多孔体部材を有し、前記複数の多孔体部材のうち少なくとも一つが、前記燃料供給口との間の距離が大きくなるに従って、厚みが小さくなっていることを特徴とする請求項1ないし10のうちのいずれか1項記載の燃料電池。
  12. 前記多孔体層が、屈曲係数が1である多孔体部材を含むことを特徴とする請求項1ないし11のうちのいずれか1項記載の燃料電池。
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