JP2007083493A - ガスバリアフィルムおよびこれを用いた有機デバイス - Google Patents
ガスバリアフィルムおよびこれを用いた有機デバイス Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007083493A JP2007083493A JP2005273810A JP2005273810A JP2007083493A JP 2007083493 A JP2007083493 A JP 2007083493A JP 2005273810 A JP2005273810 A JP 2005273810A JP 2005273810 A JP2005273810 A JP 2005273810A JP 2007083493 A JP2007083493 A JP 2007083493A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- gas barrier
- film
- thin film
- inorganic thin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Chemical Vapour Deposition (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Physical Vapour Deposition (AREA)
Abstract
【解決手段】 透明可撓性支持体基板2と、無機薄膜からなる最外ガスバリア層3と、金属窒化物または金属炭化物からなる無機薄膜保護層6とをこの順で有し、且つ、透明可撓性支持体基板2と最外ガスバリア層3との間に、中間層4Aおよび4Bと、無機薄膜からなる中間ガスバリア層5と、を有するガスバリアフィルム1であって、無機薄膜保護層6が最外ガスバリア層3の表面に接するように設けられており、且つ、無機薄膜保護層6の水素および酸素の含有量が、無機薄膜保護層6を構成する前記金属窒化物または金属炭化物の金属原子に対してそれぞれ20原子%以下であることを特徴とするガスバリアフィルム。
【選択図】 図1
Description
しかし透明プラスチック基板は、ガラスと比較してガスバリア性に劣るという問題がある。有機デバイスは、一般に構成材料が水や空気によって劣化や変質を起こしやすい。例えば、液晶表示素子の基板にガスバリア性が劣る基材を用いると、液晶セル内の液晶を劣化させ、劣化部位が表示欠陥となって表示品位を低下させてしまう。
[1] 透明な可撓性支持体基板と、無機薄膜からなる最外ガスバリア層(A)と、金属窒化物または金属炭化物からなる無機薄膜保護層(D)とをこの順で有し、且つ、前記可撓性支持体基板と前記最外ガスバリア層(A)との間に、少なくとも1層の中間層(B)と、少なくとも1層の無機薄膜からなる中間ガスバリア層(C)と、を有するガスバリアフィルムであって、
前記無機薄膜保護層(D)が前記最外ガスバリア層(A)の表面に接するように設けられており、且つ、前記無機薄膜保護層(D)の水素および酸素の含有量が、前記無機薄膜保護層(D)を構成する前記金属窒化物または金属炭化物の金属原子に対してそれぞれ20原子%以下であることを特徴とするガスバリアフィルム。
本発明のガスバリアフィルムは、透明な可撓性支持体基板と、無機薄膜からなる最外ガスバリア層(A)と、金属窒化物または金属炭化物からなる無機薄膜保護層(D)とをこの順で有し、且つ、前記可撓性支持体基板と前記最外ガスバリア層(A)との間に、少なくとも1層の中間層(B)と、少なくとも1層の無機薄膜からなる中間ガスバリア層(C)と、を有するガスバリアフィルムであって、
前記無機薄膜保護層(D)が前記最外ガスバリア層(A)の表面に接するように設けられており、且つ、前記無機薄膜保護層(D)の水素および酸素の含有量が、前記無機薄膜保護層(D)を構成する前記金属窒化物または金属炭化物の金属原子に対してそれぞれ20原子%以下であることを特徴とする。
本発明のガスバリアフィルムは、無機薄膜保護層(D)を最外ガスバリア層(A)上に積層することにより、初期の高バリア性能と経時でのバリア性能の安定性とを両立させることができる。
本発明のガスバリアフィルムは、以上のような構成とすることで40℃・相対湿度90%における水蒸気透過率を、0.01g/m2/day以下とすることができ、更に好ましくは0.005g/m2/day以下とすることができる。
本発明のガスバリアフィルムは、透明な可撓性支持体基板上にガスバリア層や無機薄膜保護層に加えて、吸湿性層や帯電防止層、導電層等を設けることができる。
まず、本発明のガスバリアフィルムの構成について説明する。図1は、本発明のガスバリアフィルムの構成を示す断面図である。図1において、本発明のガスバリアフィルム1は、透明可撓性支持体基板2と、最外ガスバリア層3と、無機薄膜保護層6と、をこの順で有し、透明可撓性支持体基板2と、最外ガスバリア層3との間に、中間層4Aと、中間ガスバリア層5と、中間層4Bとを基板側からこの順で有する。
また、中間層4A又は4Bと中間ガスバリア層5とは、交互に積層されていることがガスバリア性の向上やガスバリアフィルムの機械的強度を向上させる観点から好ましく、図1に示すように、複数の中間層と中間ガスバリア層とが交互に積層されている構成が好ましい。ここで、図1に示す本発明のガスバリアフィルム1は、中間ガスバリア層を1層有するものであるが、複数の中間層と複数の中間ガスバリア層とが交互に積層するようにガスバリアフィルムを構成することもできる。
また、各ガスバリア層と中間層とを可撓性支持体基板の両面に積層する態様も好適である。
以下、各層について詳細に説明する。
本発明における「無機薄膜からなる最外(中間)ガスバリア層」とは、無機材料で構成されるガス分子の透過を抑制しうる緻密な構造の薄膜である層を意味し、例えば、金属化合物からなる薄膜(金属化合物薄膜)が挙げられる。ここで、本発明において「最外ガスバリア層(A)」とは、可撓性支持体基板の同じ側に設けられるガスバリア層のうち可撓性支持体基板から最も遠い部位に積層される層であり、該最外ガスバリア層(A)上に無機薄膜保護層(D)が設けられる。また、中間ガスバリア層(C)とは、最外ガスバリア層と可撓性支持体基板との間に設けられるガスバリア層であり、複数層設けられていてもよい。本明細書において、単に「ガスバリア層」と称した場合には、最外ガスバリア層(A)と中間ガスバリア層(C)との両者を含むものする。
前記ガスバリア層を構成する無機薄膜に含まれる成分は、前記性能を満たすものであれば特に限定されないが、例えば、Si、Al、In、Sn、Zn、Ti、Cu、CeおよびTa等からなる群から選ばれた1種以上の金属を含む酸化物、窒化物もしくは酸化窒化物を用いることができ、好ましくはSi、Al、In、Sn、TiおよびZnからなる群から選ばれた少なくとも1つ以上の金属から選ばれる。特に最外ガスバリア層(A)は、前記金属の窒化物または酸化窒化物で構成される無機薄膜からなることが好ましい。
前記ガスバリア層は、ガス分子の透過を抑制しうる緻密な構造の薄膜であるので、薄膜の膜密度が2.6g/m3〜7.0g/cm3の範囲にあることが好ましく、2.6g/cm3〜6.0g/cm3の範囲にあるとより好ましい。薄膜の膜密度の測定は、例えばSiウエハー上に形成した薄膜のX線反射率測定から算出することができる。
また、2層以上の中間ガスバリア層(C)は、各々が同じ組成であってもよいし、異なる組成であってもよく、特に制限はされない。
本発明のガスバリアフィルムは、前記ガスバリア層の脆性やバリア性を向上させるために、各層に隣接した中間層(B)を設けることができる。中間層(B)は、無機化合物からなる薄膜や有機化合物の薄膜を用いることができる。
前記中間層に用いる無機薄膜は、ガスバリア性能よりもむしろ柔軟性や平滑性を必要とするため粗な構造の薄膜がよい。よって中間層の無機薄膜の膜密度は、1.2g/cm3以上2.6g/cm3未満の範囲にあることが好ましく、1.5g/cm3以上2.6g/cm3未満の範囲にあるとより好ましい。
また無機薄膜を中間層(B)に用いる場合の膜厚は前記ガスバリア層の曲げ応力の緩和や欠陥を穴埋めるために十分な厚みを有することが好ましく、前記膜厚としては50nm〜1000nmの範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは100nm〜1000nmであり、最も好ましくは100nm〜500nmである。
また、2層以上の中間層(B)を設ける場合、各々が同じ組成であってもよいし、異なる組成であってもよく、特に制限はされない。中間層(B)は、珪素酸化物または珪素酸化窒化物を用いるのが好ましい。中間層に珪素酸化物であるSiOxを用いる場合、1.6<x<1.9であることが望ましく、珪素酸化窒化物であるSiOxNyを用いる場合、密着性向上を重視するので酸素リッチの膜とすることが好ましく、具体的には1<x<2および、0<y<1を満足することが好ましい。
前記中間層(B)は、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートなどのうち、2官能以上のアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するモノマーを架橋させて得られる高分子を主成分とすることが好ましい。これらの2官能以上のアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するモノマーは2種類以上を混合して用いてもよいし、また1官能の(メタ)アクリレートを混合して用いてもよい。
前記塗膜の形成方法としては塗布法、蒸着法のいずれを用いてもよいが、直下のガスバリア層成膜後に機械的な応力がかかりにくく、かつ薄膜形成に有利な真空成膜法を用いることが好ましい。
本発明のガスバリアフィルムは、最外ガスバリア層(A)上に無機薄膜の保護層(無機薄膜保護層(D))を有する。本発明は、該保護層を有するために、成膜直後あるいは経時での水や酸素による酸化からガスバリアフィルムの劣化を防ぐことができる。無機薄膜保護層(D)は、金属窒化物または金属炭化物からなり、一番外側に位置する最外ガスバリア層(A)に接し、水素および酸素の含有量が無機薄膜保護層(D)を構成する金属窒化物または金属炭化物の金属原子(例えば、Si原子)に対して20原子%以下である。本発明は、このような保護層を形成することで所望の性能を達成することができる。
無機薄膜保護層(D)の形成方法は、目的の薄膜を形成できる方法であればいかなる方法でも用いることができるが、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法が好ましい。前記無機薄膜保護層(D)に含まれる成分は、前記性能を満たすものであれば特に限定されないが、例えばSi、Al、In、Sn、Zn、Ti、Cu、CeおよびTa等からなる群から選ばれた1種以上の金属を含む窒化物もしくは炭化物を用いることができ、好ましくはSiあるいはTiからなる群から選ばれた少なくとも1つの金属から選ばれる。
本発明において所望の保護機能を持たせるためには、無機薄膜保護層(D)の水素および酸素の含有量を極力少なくすることがよい。保護層の水素および酸素の含有量は、共にSi原子に対して20原子%以下であり、10原子%以下が好ましく5原子%以下が最も好ましい。前記無機薄膜保護層(D)の水素および酸素の含有量は、例えば水素前方散乱分光法(HSF)で水素含有量を、ラザフォード後方散乱分光法(RBS)やX線光電子分光法(ESCA)で酸素含有量を測定することができる。
本発明のガスバリアフィルムに用いられる透明な可撓性支持体基板としては、透明で、且つ、可撓性を有するものであれば特に限定なく用いることができ、前記各層を保持できる基板であれば特に制限はなく、例えば透明フィルムなどを使用目的等に応じて適宜選択することができる。前記透明な可撓性支持体基板を構成する材料としては、具体的に、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン、透明フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、セルロースアシレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、シクロオレフィルンコポリマー、フルオレン環変性カーボネート樹脂、脂環変性ポリカーボネート樹脂、アクリロイル化合物などの熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの樹脂のうち、好ましい例としては、ポリエステル樹脂で特にポリエチルナフタレート樹脂(PEN)、ポリアリレート樹脂(PAr)、ポリエーテルスルホン樹脂(PES)、フルオレン環変性カーボネート樹脂(BCF−PC:特開2000−227603号公報の実施例−4の化合物)、脂環変性ポリカーボネート樹脂(IP−PC:特開2000−227603号公報の実施例−5の化合物)、アクリロイル化合物(特開2002−80616号公報の実施例−1の化合物)等の化合物からなるフィルムが挙げられる。
本発明に用いられる可撓性支持体基板は、有機デバイスの支持体に用いるため可視光に対して透明である。前記可撓性支持体基板の透明度は、波長500nmの可視光を50%以上透過することが好ましい。前記透明な可撓性支持体基板の厚みは、透明度を確保するために適宜調整することができる。
本発明のガスバリアフィルムは、透明な可撓性支持体基板とガスバリア層との間に、公知のプライマー層または無機薄膜層を設置することができる。前記プライマー層としては、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂層、親水性樹脂共存下でゾルーゲル反応により形成する有機無機ハイブリッド層、無機蒸着層またはゾル−ゲル法による緻密な無機層を挙げることができる。前記無機蒸着層としては、シリカ、ジルコニア、アルミナ等の蒸着層が好ましい。前記無機蒸着層は真空蒸着法、スパッタリング法等により形成することができる。
また、水蒸気のバリア性能を向上させるために、2つのガスバリア層の間に吸湿性層を挿入してもよい。この場合、吸湿性層は、2つのガスバリア層と隣接する位置、ガスバリア層と中間層とに隣接する位置、2つの中間層に隣接する位置のいずれに配置してもよいが、吸湿性層の脆弱性や吸湿後の体積膨張による変形の影響を少なくするという観点からは、2つの中間層に隣接する形で2つのガスバリア層の間に配置されることが最も望ましい。
さらに、基材フィルムとは反対側に、少なくとも無機ガスバリア層と中間層と無機ガスバリア層とがこの順に積層されたガスバリア性ラミネート層を設けることもできる。ガスバリア性ラミネート層は、フィルム反対面からの水分子の侵入を防ぐことでフィルム基板の寸法変化を抑制することでガスバリア層への応力集中や破壊を防止し、結果として耐久性の高いディスプレイを供給することができる。
本発明の有機デバイスとは、例えば画像表示素子(円偏光板・液晶表示素子、電子ペーパーや有機EL素子)および色素増感型太陽電池、タッチパネルなどを指す。本発明のガスバリアフィルムの用途は特に限定されないが、該有機デバイスの基板や封止フィルムとして好適に用いることができる。
前記円偏光板は、本発明のガスバリアフィルム上に、λ/4板と偏光板とを積層することで作製することができる。この場合、λ/4の遅相軸と偏光板の吸収軸とが45°になるように積層する。このような偏光板は、長手方向(MD)に対し45°方向に延伸されているものを用いることが好ましく、例えば、特開2002−865554号公報に記載のものを好適に用いることができる。
前記液晶表示装置は、反射型液晶表示装置と透過型液晶表示装置とに大別することができる。前記反射型液晶表示装置は、下方から順に、下基板、反射電極、下配向膜、液晶層、上配向膜、透明電極、上基板、λ/4板、そして偏光膜からなる構成を有する。本発明のガスバリアフィルムは、前記透明電極および上基板として使用することができる。前記反射型液晶表示装置にカラー表示機能をもたせる場合には、さらにカラーフィルター層を前記反射電極と前記下配向膜との間、または、前記上配向膜と前記透明電極との間に設けることが好ましい。
前記タッチパネルとしては、特開平5−127822号公報、特開2002−48913号公報等に記載されたものの基板に本発明のガスバリアフィルムを適用したものを用いることができる。
以下、本発明での有機デバイスの代表例として「有機EL素子」(以下、単に「発光素子」と称する場合がある)について詳細に説明する。該有機EL素子は、基板上に陰極と陽極を有し、両電極の間に有機発光層(以下、単に「発光層」と称する場合がある。)を含む有機化合物層を有する。発光素子の性質上、陽極および陰極のうち少なくとも一方の電極は、透明であることが好ましい。
陽極は、通常、有機化合物層に正孔を供給する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。前述のごとく、陽極は、通常透明陽極として設けられる。
陰極は、通常、有機化合物層に電子を注入する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。
アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単独、アルミニウムと0.01〜10質量%のアルカリ金属または2属金属アルカリ土類金属との合金若しくはこれらの混合物(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金など)をいう。
また、陰極と前記有機化合物層との間に、アルカリ金属または2属金属アルカリ土類金属のフッ化物、酸化物等による誘電体層を0.1〜5nmの厚みで挿入してもよい。この誘電体層は、一種の電子注入層と見ることもできる。誘電体層は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等により形成することができる。
また、陰極は、透明であってもよいし、不透明であってもよい。なお、透明な陰極は、陰極の材料を1〜10nmの厚さに薄く成膜し、さらにITOやIZO等の透明な導電性材料を積層することにより形成することができる。
前記発光素子における有機化合物層について説明する。
該発光素子は、発光層を含む少なくとも一層の有機化合物層を有しており、有機発光層以外の他の有機化合物層としては、前述したごとく、正孔輸送層、電子輸送層、電荷ブロック層、正孔注入層、電子注入層等の各層が挙げられる。
前記発光素子において、有機化合物層を構成する各層は、蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、転写法、印刷法等いずれによっても好適に形成することができる。
有機発光層は、電界印加時に、陽極、正孔注入層、または正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極、電子注入層、または電子輸送層から電子を受け取り、正孔と電子との再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。前記発光層は、発光材料のみで構成されていてもよく、ホスト材料と発光材料との混合層とした構成でもよい。発光材料は蛍光発光材料でも燐光発光材料であってもよく、ドーパントは1種であっても2種以上であってもよい。ホスト材料は電荷輸送材料であることが好ましい。ホスト材料は1種であっても2種以上であってもよく、例えば、電子輸送性のホスト材料とホール輸送性のホスト材料を混合した構成が挙げられる。さらに、発光層中に電荷輸送性を有さず、発光しない材料を含んでいてもよい。また、発光層は1層であっても2層以上であってもよく、それぞれの層が異なる発光色で発光してもよい。
カラーフィルターは、透過する波長を限定することで発光色を調整する。カラーフィルターとしては、例えば青色のフィルターとしては酸化コバルト、緑色のフィルターとしては酸化コバルトと酸化クロムとの混合系、赤色のフィルターとしては酸化鉄などの公知の材料を用い、例えば真空蒸着法などの公知の薄膜成膜法を用いて透明基板上に形成してもよい。
例えば、ホスト材料からエネルギーを受け取り、このエネルギーを発光材料へ移す、いわゆるアシストドーパントを添加し、ホスト材料から発光材料へのエネルギー移動を容易にすることができる。アシストドーパントとしては、公知の材料から適宜選択され、例えば後述する発光材料やホスト材料として利用できる材料から選択されることがある。
この材料としては公知の波長変換材料を用いることができ、例えば、発光層から発せられた光を他の低エネルギー波長の光に変換する蛍光変換物質を採用することができる。蛍光変換物質の種類は目的とする有機EL装置から出射させようとする光の波長と発光層から発せられる光の波長とに応じて適宜選択される。また、蛍光変換物質の使用量は濃度消光を起さない範囲内でその種類に応じて適宜選択可能である。蛍光変換物質は1種のみを用いてもよいし、複数種を併用してもよい。複数種を併用する場合には、その組合せにより青色光、緑色光および赤色光以外に、白色光や中間色の光を放出することができる。
遷移金属原子としては、特に限定されないが、好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、および白金が挙げられ、より好ましくは、レニウム、イリジウム、および白金である。
ランタノイド原子としては、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテシウムが挙げられる。これらのランタノイド原子の中でも、ネオジム、ユーロピウム、およびガドリニウムが好ましい。
具体的な配位子としては、好ましくは、ハロゲン配位子(好ましくは塩素配位子)、含窒素ヘテロ環配位子(例えば、フェニルピリジン、ベンゾキノリン、キノリノール、ビピリジル、フェナントロリンなど)、ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトンなど)、カルボン酸配位子(例えば、酢酸配位子など)、一酸化炭素配位子、イソニトリル配位子、シアノ配位子であり、より好ましくは、含窒素ヘテロ環配位子である。前記錯体は、化合物中に遷移金属原子を一つ有してもよいし、また、2つ以上有するいわゆる複核錯体であってもよい。異種の金属原子を同時に含有していてもよい。
正孔注入層、正孔輸送層は、陽極または陽極側から正孔を受け取り陰極側に輸送する機能を有する層である。正孔注入層、正孔輸送層は、具体的には、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、有機シラン誘導体、カーボン、等を含有する層であることが好ましい。
正孔注入層、正孔輸送層の厚さは、駆動電圧を下げるという観点から、各々500nm以下であることが好ましい。
正孔輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのがさらに好ましい。また、正孔注入層の厚さとしては、0.1nm〜200nmであるのが好ましく、0.5nm〜100nmであるのがより好ましく、1nm〜100nmであるのがさらに好ましい。
正孔注入層、正孔輸送層は、上述した材料の1種または2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成または異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
電子注入層、電子輸送層は、陰極または陰極側から電子を受け取り陽極側に輸送する機能を有する層である。電子注入層、電子輸送層は、具体的には、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン誘導体、等を含有する層であることが好ましい。
電子輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのがさらに好ましい。また、電子注入層の厚さとしては、0.1nm〜200nmであるのが好ましく、0.2nm〜100nmであるのがより好ましく、0.5nm〜50nmであるのがさらに好ましい。
電子注入層、電子輸送層は、上述した材料の1種または2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成または異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
正孔ブロック層は、陽極側から発光層に輸送された正孔が、陰極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陰極側で隣接する有機化合物層として、正孔ブロック層を設けることができる。また、電子輸送層・電子注入層が正孔ブロック層の機能を兼ねていてもよい。
正孔ブロック層を構成する有機化合物の例としては、BAlq等のアルミニウム錯体、トリアゾール誘導体、BCP等のフェナントロリン誘導体、等が挙げられる。正孔ブロック層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのがさらに好ましい。正孔ブロック層は、上述した材料の1種または2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成または異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
また、陰極側から発光層に輸送された電子が陽極側に通りぬけることを防止する機能を有する層を、発光層と陽極側で隣接する位置に設けることもできる。正孔輸送層・正孔注入層がこの機能を兼ねていてもよい。
前記発光素子においては、素子全体をEL保護層によって保護されていてもよい。EL保護層に含まれる材料としては、水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているものであればよい。
その具体例としては、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO2、Al2O3、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe2O3、Y2O3、TiO2等の金属酸化物、SiNx、SiNxOy等の金属窒化物、MgF2、LiF、AlF3、CaF2等の金属フッ化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。
前記発光素子は、陽極と陰極との間に直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜15ボルト)、または直流電流を印加することにより、発光を得ることができる。該発光素子の駆動方法については、特開平2−148687号公報、同6−301355号公報、同5−29080号公報、同7−134558号公報、同8−234685号公報、同8−241047号公報、特許登録第2784615号公報、米国特許第5,828,429号明細書、同6,023,308号明細書等に記載の駆動方法を適用することができる。
基材フィルム(透明な可撓性支持体基板)上にガスバリア層、中間層および無機薄膜保護層を設けたガスバリアフィルム(試料No.1〜8)を下記の手順にしたがって作製した。各ガスバリアフィルムの構造の詳細は表1に記載されるとおりである。基板フィルムは、厚み120μmのPEN(帝人デュポン(株)製、Q65A)フィルムを用いた。
尚、以下に説明する各層の形成は、下記表1に記載された各試料の構成に従い、基材フィルム側に設けられる膜から順次形成した。
プラズマCVD装置で最外ガスバリア層(A)を形成した。以下に具体的な成膜条件を示す。
プラズマCVD装置の真空チャンバーを、油回転ポンプとターボ分子ポンプとで到達圧力4×10-3Paまで減圧した。次に放電ガスとしてアルゴンを導入して放電電源から放電電力500Wを印加した。チャンバー内にシランガス(SiH4)と窒素を導入し、成膜圧力を0.45Paになるように調整して一定時間成膜し、窒化珪素のガスバリア層(A)を形成した。得られた窒化珪素膜は、膜厚が100nmで、赤外吸収スペクトルからSi−Nの伸縮振動(830cm-1)とSi−H伸縮振動(2150cm-1)、N−H(3350cm-1)伸縮振動の吸収が見られた。ESCA、RBSおよびHSFの分析から得られた窒化珪素膜の組成は、Siに対して水素が80原子%含まれていることが判った。膜密度は、2.02g/cm3であった。
中間層(B)の形成は、次の二通りで行った。
(中間層(B1))
ガスバリア層(A)と同様に、プラズマCVD装置で無機化合物からなる中間層(B1)を形成した。以下に具体的な成膜の条件を示す。
プラズマCVD装置の真空チャンバーを到達圧力4×10-3Paまで減圧し、放電ガスとしてアルゴンを導入して放電電源から放電電力600Wを印加した。チャンバー内にシランガス(SiH4)と窒素と酸素とを導入し、成膜圧力を0.7Paになるように調整して一定時間成膜し、酸化窒化珪素の中間層(B)を形成した。得られた酸化窒素珪素膜は、膜厚が500nmで、赤外吸収スペクトルからSi−Nの伸縮振動(830cm-1)とSi−O伸縮振動(1050cm-1)Si−H伸縮振動(2150cm-1)、N−H(3350cm-1)伸縮振動の吸収が見られた。ESCA、RBSおよびHSFの分析から得られた酸化窒化珪素膜の組成は、Siに対して水素が40原子%、酸素が150原子%含まれていることが判った。膜密度は、2.02g/cm3であった。
中間層(B2)は、有機化合物からなる薄膜層で構成した。以下に具体的な成膜方法を示す。50.75mLのテトラエチレングリコール・ジアクリレートと14.5mLのトリプロピレングリコールモノアクリレートと7.25mLのカプロラクトンアクリレートと10.15mLのアクリル酸と10.15mLの「EZACURE」(Sartomer社製、ベンゾフェノン混合物光重合開始剤)とのアクリルモノマー混合物を、固体物であるN、N'−ビス(3−メチルフェニル)−N,N'−ジフェニルベンジジン粒子36.25gmと混合し、20kHz超音波ティッシュミンサーで約1時間撹拌した。約45℃に加熱し、沈降を防ぐために撹拌した混合物を内径2.0mm、長さ61mmの毛管を通して1.3mmのスプレーノズルにポンプで送り込んだ。そこで25kHzの超音波噴霧器によって小滴噴霧し、次いで高圧水銀灯ランプによりUV硬化させて(積算照射量約2000mJ/cm2)、中間層(B2)を形成した。膜厚は約500nmであった。
ガスバリア層(C)の形成は、二通りの方法で行った。
ガスバリア層(A)と同一成膜条件で形成した窒化珪素薄膜を用いた。
中間ガスバリア層(C1)と膜の組成が異なる無機薄膜を用いた。以下に具体的な成膜の条件を示す。プラズマCVD装置の真空チャンバーを到達圧力4×10-3Paまで減圧し、放電ガスとしてアルゴンを導入して放電電源から放電電力600Wを印加した。チャンバー内にシランガス(SiH4)と窒素、酸素を導入し、成膜圧力を0.5Paになるように調整して一定時間成膜し、酸化窒化珪素の中間ガスバリア層(C2)を形成した。得られた酸化窒素珪素膜は、膜厚が110nmで、赤外吸収スペクトルからSi−Nの伸縮振動(830cm-1)とSi−O伸縮振動(1050cm-1)Si−H伸縮振動(2150cm-1)、N−H(3350cm-1)伸縮振動の吸収が見られた。ESCA、RBSおよびHSFの分析から得られた酸化窒化珪素膜の組成は、Siに対して水素が80原子%、酸素が40原子%含まれていることが判った。膜密度は、2.65g/cm3であった。
無機薄膜保護層(D)は、次の六通りの方法で形成した。
反応性スパッタ法により窒化珪素膜を形成した。真空チャンバーを到達圧力4×10-3Paまで減圧し、放電ガスとしてアルゴンを導入して放電電源から放電電力5kWを印加して、Siターゲット上にプラズマを発生させた。次に反応ガスとして窒素を導入し、成膜圧力0.1Paで一定時間成膜した。得られた窒化珪素膜は、膜厚が10nmで、赤外吸収スペクトルからSi−N伸縮振動(830cm-1)の吸収だけが見られた。ESCA、RBSおよびHSFの分析から得られた窒化珪素膜の組成は、Siに対して水素が15原子%で、酸素が検出されないことが判った。
反応性スパッタ法により窒化珪素膜を形成した。真空チャンバーを到達圧力4×10-3Paまで減圧し、放電ガスとしてアルゴンを導入して放電電源から放電電力5kWを印加して、Siターゲット上にプラズマを発生させた。次に反応ガスとして窒素を導入し、成膜圧力0.1Paで一定時間成膜した。窒素の導入は、保護層(D1)に対して1.5倍に増加した。得られた窒化珪素膜は、膜厚が40nmで、赤外吸収スペクトルからSi−N伸縮振動(830cm-1)の吸収だけが見られた。ESCA、RBSおよびHSFの分析から得られた窒化珪素膜の組成は、Siに対して水素が5原子%で、酸素が検出されないことが判った。
スパッタ法により炭化珪素(SiC)膜を形成した。真空チャンバーを到達圧力4×10-3Paまで減圧し、放電ガスとしてアルゴンを導入して放電電源から放電電力5kWを印加して、SiCターゲット上にプラズマを発生させた。成膜圧力0.1Paで一定時間成膜した。得られた炭化珪素膜は、膜厚が20nmで、赤外吸収スペクトルからSi−H伸縮振動(2150cm-1)とSi−O伸縮振動(1050cm-1)の吸収が見られなかった。ESCA、RBSおよびHSFの分析から得られた炭化珪素膜の組成は、Siに対して水素、酸素ともに検出されないことが判った。
保護層(D4)は、保護層(D1)の方法に従って、膜厚20nmの窒化珪素膜を作製した。ESCA、RBSおよびHSFの分析から得られた窒化珪素膜の組成は、保護層(D1)と同じであった。
保護層(D5)は、保護層(D1)の方法に従って、膜厚40nmの窒化珪素膜を作製した。ESCA、RBSおよびHSFの分析から得られた窒化珪素膜の組成は、保護層(D1)と同じであった。
保護層(D6)は、保護層(D1)の方法に従って、膜厚60nmの窒化珪素膜を作製した。ESCA、RBSおよびHSFの分析から得られた窒化珪素膜の組成は、保護層(D1)と同じであった。
下記装置を用いてガスバリアフィルムの諸物性を評価した。
・層構成(膜厚):日立(株)製、走査型電子顕微鏡「S−900型」でフィルムサンプルの超薄切片を観察して測定した。
・水蒸気透過率(g/m2/day):MOCON社製、「PERMATRAN−W3/31」(条件:40℃・相対湿度90%)を用いて測定した。また、前記MOCON装置の測定限界である0.01g/m2/day以下の値は、次の方法を用いて補完した。まず、ガスバリアフィルム上に直に金属Caを蒸着し、蒸着Caが内側になるよう該フィルムとガラス基板を市販の有機EL用封止材で封止して測定試料を作成した。次に該測定試料を前記の温湿度条件に保持し、ガスバリアフィルム上の金属Caの光学濃度変化(水酸化あるいは酸化により金属光沢が減少)から水蒸気透過率を求めた。
・赤外吸収スペクトル:各層を基板フィルムに成膜する際に、Siウエハー(N型、結晶軸<100>、厚み525μm、信越化学(株)製)にも同様の膜を成膜し、評価用のサンプルを作製して測定した。測定は、フーリエ変換型赤外分光光度計(Nicolet社製、AVATAR360)により透過法で行った。特に水素含有の定性分析に用いた。
・ESCA:ガスバリア層、中間層、および無機薄膜保護層の組成分析は、X線光電子分光分析装置(クレイトス社製、ESCA−3400)を用い、アルゴンイオン銃で試料をエッチングして、各層の中間部分の組成を求めた。X線源は、Mg−Kαを使用し、試料面に対して法線方向に検出器をセットして測定を行い適正な帯電補正を行った。得られた各組成のピーク面積に感度係数補正を施した後に、元素組成比を算出した。
・RBS(ラザフォード後方散乱分光法)およびHSF(水素前方散乱分光法):Heイオンをイオン照射源に用いて測定を行った。
・経時安定性試験:基板フィルムに成膜したサンプルを80℃・相対湿度70%で三日間処理した後に、水蒸気透過率を測定した。
・X線反射率測定:Siウエハーに成膜した評価用サンプルを用い、理学電気製ATX−Gを用いて測定した。測定結果から薄膜の膜密度を算出した。
5.有機EL素子の作製
実施例1のガスバリアフィルム(試料No.1、3〜5、8および14)のそれぞれを、真空チャンバー内に導入し、IZOターゲット(出光興産(株)製)を用いて、DCマグネトロンスパッタリングにより、厚み0.2μmのIZO薄膜からなる透明電極を無機ガスバリア層が積層された面に形成した。透明電極(IZO)より、アルミニウムのリ−ド線を結線し、積層構造体を形成した。
前記透明電極の表面に、ポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホン酸の水性分散液(BAYER社製、Baytron P:固形分1.3質量%)をスピンコートした後、150℃で2時間真空乾燥し、厚み100nmのホール輸送性有機薄膜層を形成した。これを基板Xとした。
〔組成〕
・ポリビニルカルバゾール: 40質量部
(Mw=63000、アルドリッチ社製)
・トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体: 1質量部
(オルトメタル化錯体)(ケミプロ化成(株)製)
・ジクロロエタン: 3200質量部
また、25mm角に裁断した厚み50μmのポリイミドフィルム(UPILEX−50S、宇部興産(株)製)片面上に、パターニングした蒸着用のマスク(発光面積が5mm×5mmとなるマスク)を設置し、約0.1mPaの減圧雰囲気中でAlを蒸着し、膜厚0.3μmの電極を形成した。Al2O3ターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタリング法により、Al2O3をAl層と同パターンで蒸着し、膜厚3nmとした。Al電極よりアルミニウムのリード線を結線し、積層構造体を形成した。得られた積層構造体の上に下記組成を有する電子輸送性有機薄膜層用塗布液をスピンコーター塗布機で塗布し、80℃で2時間真空乾燥することにより、厚み15nmの電子輸送性有機薄膜層をLiF上に形成した。これを基板Zとする。
・ポリビニルブチラール2000L: 10質量部
(Mw=2000、電気化学工業(株)製)
・1−ブタノール: 3500質量部
・下記構造を有する電子輸送性化合物: 20質量部
(特開2001−335776号公報に記載の方法にて合成)
次に、前記有機EL素子試料を60℃・相対湿度90%の環境に24時間放置した後に、同様にして素子を発光させたところ、本発明の試料No.1を用いた素子は、発光面積の10%をダークスポットが占有し、試料No.3の素子では5%を、試料No.4の素子では1%をダークスポットが占めた。試料No.5と8の試料ではダークスポットが観察されなかった。従来のガスバリアフィルム(試料No.14、比較用)では、素子の発光面積の20%にダークスポットの発生が見られた。このことから、本発明により形成されたガスバリアフィルムは、ガスバリア性に優れ且つ経時安定性に優れるため、有機ELの経時安定性を向上させることが認められた。
2 透明可撓性支持体基板
3 最外ガスバリア層
4A 中間層
4B 中間層
5 中間ガスバリア層
6 無機薄膜保護層
Claims (12)
- 透明な可撓性支持体基板と、無機薄膜からなる最外ガスバリア層(A)と、金属窒化物または金属炭化物からなる無機薄膜保護層(D)とをこの順で有し、且つ、前記可撓性支持体基板と前記最外ガスバリア層(A)との間に、少なくとも1層の中間層(B)と、少なくとも1層の無機薄膜からなる中間ガスバリア層(C)と、を有するガスバリアフィルムであって、
前記無機薄膜保護層(D)が前記最外ガスバリア層(A)の表面に接するように設けられており、且つ、前記無機薄膜保護層(D)の水素および酸素の含有量が、前記無機薄膜保護層(D)を構成する前記金属窒化物または金属炭化物の金属原子に対してそれぞれ20原子%以下であることを特徴とするガスバリアフィルム。 - 前記最外ガスバリア層(A)が、Si、Al、In、Sn、TiおよびZnから選ばれる少なくとも1種の窒化物および酸化窒化物のいずれかで構成される無機薄膜からなることを特徴とする請求項1に記載のガスバリアフィルム。
- 前記中間ガスバリア層(C)が、Si、Al、In、Sn、TiおよびZnから選ばれる少なくとも1種の酸化物、窒化物および酸化窒化物のいずれかで構成される無機薄膜からなることを特徴とする請求項1または2に記載のガスバリアフィルム。
- 前記中間層(B)が、Si、Al、In、Sn、TiおよびZnから選ばれる少なくとも1種の酸化物および酸化窒化物のいずれかで構成される無機薄膜からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
- 前記無機薄膜保護層(D)が、SiおよびTiから選ばれる少なくとも1種の窒化物および炭化物のいずれかで構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
- 前記無機薄膜保護層(D)が、Siの窒化物および炭化物のいずれかで構成され、且つ、水素および酸素の含有量が、Si原子に対して10原子%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
- 前記無機薄膜保護層(D)の膜厚が、30nm〜100nmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
- 前記中間ガスバリア層(C)と中間層(B)が、交互に積層されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
- 前記中間ガスバリア層(C)と前記中間層(B)とが、交互に複数積層されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
- 水蒸気透過率が、40℃・相対湿度90%において0.01g/m2/day以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載のガスバリアフィルムを用いたことを特徴とする有機デバイス。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載のガスバリアフィルムで封止されたことを特徴とする有機デバイス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005273810A JP4583277B2 (ja) | 2005-09-21 | 2005-09-21 | ガスバリアフィルムおよびこれを用いた有機デバイス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005273810A JP4583277B2 (ja) | 2005-09-21 | 2005-09-21 | ガスバリアフィルムおよびこれを用いた有機デバイス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007083493A true JP2007083493A (ja) | 2007-04-05 |
JP4583277B2 JP4583277B2 (ja) | 2010-11-17 |
Family
ID=37970980
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005273810A Expired - Fee Related JP4583277B2 (ja) | 2005-09-21 | 2005-09-21 | ガスバリアフィルムおよびこれを用いた有機デバイス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4583277B2 (ja) |
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2045355A1 (en) * | 2007-09-19 | 2009-04-08 | Fujifilm Corporation | Gas-barrier film and organic device comprising same |
JP2009076232A (ja) * | 2007-09-19 | 2009-04-09 | Fujifilm Corp | 環境感受性デバイス、環境感受性素子の封止方法 |
JP2010001535A (ja) * | 2008-06-20 | 2010-01-07 | Fujifilm Corp | ガスバリア膜の形成方法およびガスバリア膜 |
JP2010077461A (ja) * | 2008-09-24 | 2010-04-08 | Fujifilm Corp | ガスバリア膜の形成方法およびガスバリア膜 |
KR101076568B1 (ko) * | 2007-11-06 | 2011-10-24 | 가부시키가이샤 히타치 디스프레이즈 | 유기 el 표시 장치 및 그의 제조 방법 |
WO2013035689A1 (ja) * | 2011-09-07 | 2013-03-14 | 東レ株式会社 | ガスバリア性フィルム |
JP2013102145A (ja) * | 2011-10-14 | 2013-05-23 | Semiconductor Energy Lab Co Ltd | 半導体装置 |
CN104175663A (zh) * | 2014-05-29 | 2014-12-03 | 中国乐凯集团有限公司 | 一种防紫外线辐射透明高阻隔薄膜及其应用 |
CN105102667A (zh) * | 2013-04-04 | 2015-11-25 | 东丽株式会社 | 气体阻隔性膜及其制造方法 |
KR20160020841A (ko) * | 2014-08-14 | 2016-02-24 | 엘에스엠트론 주식회사 | 배리어 필름 구조체 및 이를 구비하는 유기전자소자 |
KR20160020833A (ko) * | 2014-08-14 | 2016-02-24 | 엘에스엠트론 주식회사 | 배리어 필름 구조체 및 이를 구비하는 유기전자소자 |
KR20200123775A (ko) | 2018-02-22 | 2020-10-30 | 미쓰비시 마테리알 가부시키가이샤 | 산화물막, 산화물막의 제조 방법, 및, 질소 함유 산화물 스퍼터링 타깃 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05259108A (ja) * | 1992-03-11 | 1993-10-08 | Mitsubishi Electric Corp | 酸素添加窒化チタン膜及びその製造方法 |
JP2003211579A (ja) * | 2002-01-24 | 2003-07-29 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 透明水蒸気バリアフィルム |
JP2004001442A (ja) * | 2002-03-29 | 2004-01-08 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | ガス・水蒸気バリア性フィルム |
JP2004291306A (ja) * | 2003-03-26 | 2004-10-21 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 透明バリアフィルム |
-
2005
- 2005-09-21 JP JP2005273810A patent/JP4583277B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05259108A (ja) * | 1992-03-11 | 1993-10-08 | Mitsubishi Electric Corp | 酸素添加窒化チタン膜及びその製造方法 |
JP2003211579A (ja) * | 2002-01-24 | 2003-07-29 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 透明水蒸気バリアフィルム |
JP2004001442A (ja) * | 2002-03-29 | 2004-01-08 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | ガス・水蒸気バリア性フィルム |
JP2004291306A (ja) * | 2003-03-26 | 2004-10-21 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 透明バリアフィルム |
Cited By (25)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2040315A3 (en) * | 2007-09-19 | 2012-03-28 | FUJIFILM Corporation | Environment-sensitive device, and method for sealing environment-sensitive element |
JP2009076232A (ja) * | 2007-09-19 | 2009-04-09 | Fujifilm Corp | 環境感受性デバイス、環境感受性素子の封止方法 |
EP2045355A1 (en) * | 2007-09-19 | 2009-04-08 | Fujifilm Corporation | Gas-barrier film and organic device comprising same |
KR101076568B1 (ko) * | 2007-11-06 | 2011-10-24 | 가부시키가이샤 히타치 디스프레이즈 | 유기 el 표시 장치 및 그의 제조 방법 |
US8680766B2 (en) | 2007-11-06 | 2014-03-25 | Japan Display Inc. | Organic electroluminescence display device and manufacturing method thereof |
KR101169879B1 (ko) * | 2007-11-06 | 2012-07-31 | 가부시키가이샤 재팬 디스프레이 이스트 | 유기 el 표시 장치 및 그의 제조 방법 |
JP2010001535A (ja) * | 2008-06-20 | 2010-01-07 | Fujifilm Corp | ガスバリア膜の形成方法およびガスバリア膜 |
JP2010077461A (ja) * | 2008-09-24 | 2010-04-08 | Fujifilm Corp | ガスバリア膜の形成方法およびガスバリア膜 |
CN103764387A (zh) * | 2011-09-07 | 2014-04-30 | 东丽株式会社 | 气体阻隔性膜 |
KR20140057568A (ko) * | 2011-09-07 | 2014-05-13 | 도레이 카부시키가이샤 | 가스 배리어성 필름 |
WO2013035689A1 (ja) * | 2011-09-07 | 2013-03-14 | 東レ株式会社 | ガスバリア性フィルム |
US20140370260A1 (en) * | 2011-09-07 | 2014-12-18 | Toray Industries, Inc. | Gas barrier film |
JPWO2013035689A1 (ja) * | 2011-09-07 | 2015-03-23 | 東レ株式会社 | ガスバリア性フィルム |
US9090780B2 (en) | 2011-09-07 | 2015-07-28 | Toray Industries, Inc. | Gas barrier film |
KR102051328B1 (ko) * | 2011-09-07 | 2019-12-03 | 도레이 카부시키가이샤 | 가스 배리어성 필름 |
JP2013102145A (ja) * | 2011-10-14 | 2013-05-23 | Semiconductor Energy Lab Co Ltd | 半導体装置 |
JP2016184744A (ja) * | 2011-10-14 | 2016-10-20 | 株式会社半導体エネルギー研究所 | 半導体装置の作製方法 |
CN105102667A (zh) * | 2013-04-04 | 2015-11-25 | 东丽株式会社 | 气体阻隔性膜及其制造方法 |
CN104175663A (zh) * | 2014-05-29 | 2014-12-03 | 中国乐凯集团有限公司 | 一种防紫外线辐射透明高阻隔薄膜及其应用 |
CN104175663B (zh) * | 2014-05-29 | 2016-09-14 | 中国乐凯集团有限公司 | 一种防紫外线辐射透明高阻隔薄膜及其应用 |
KR20160020833A (ko) * | 2014-08-14 | 2016-02-24 | 엘에스엠트론 주식회사 | 배리어 필름 구조체 및 이를 구비하는 유기전자소자 |
KR20160020841A (ko) * | 2014-08-14 | 2016-02-24 | 엘에스엠트론 주식회사 | 배리어 필름 구조체 및 이를 구비하는 유기전자소자 |
KR102345793B1 (ko) * | 2014-08-14 | 2021-12-30 | 에스케이넥실리스 주식회사 | 배리어 필름 구조체 및 이를 구비하는 유기전자소자 |
KR102345795B1 (ko) * | 2014-08-14 | 2021-12-30 | 에스케이넥실리스 주식회사 | 배리어 필름 구조체 및 이를 구비하는 유기전자소자 |
KR20200123775A (ko) | 2018-02-22 | 2020-10-30 | 미쓰비시 마테리알 가부시키가이샤 | 산화물막, 산화물막의 제조 방법, 및, 질소 함유 산화물 스퍼터링 타깃 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4583277B2 (ja) | 2010-11-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4717669B2 (ja) | ガスバリアフィルムおよびこれを用いた有機デバイス | |
JP4717497B2 (ja) | ガスバリアフィルム | |
JP4425167B2 (ja) | ガスバリア性フィルム、基材フィルムおよび有機エレクトロルミネッセンス素子 | |
JP4698310B2 (ja) | ガスバリア性フィルム、基材フィルムおよび有機エレクトロルミネッセンス素子 | |
KR101356298B1 (ko) | 기체-차단 적층 필름, 이의 제조 방법, 및 화상표시소자 | |
JP4717674B2 (ja) | ガスバリア性フィルム、基材フィルムおよび有機エレクトロルミネッセンス素子 | |
JP5161470B2 (ja) | ガスバリア性積層フィルムとその製造方法、および画像表示素子 | |
JP5174517B2 (ja) | ガスバリアフィルムおよびこれを用いた有機デバイス | |
US8101288B2 (en) | Gas barrier film and organic device using the same | |
JP4663381B2 (ja) | ガスバリア性フィルム、基材フィルムおよび有機エレクトロルミネッセンス素子 | |
US8586189B2 (en) | Gas-barrier film and organic device comprising same | |
JP2008153211A (ja) | バリア性フィルム基板およびその製造方法 | |
JP2007030387A (ja) | バリア性フィルム基板およびそれを用いた有機電界発光素子 | |
JP2007118564A (ja) | ガスバリア材料およびその製造方法、並びに、ガスバリア層の設置方法 | |
JP2009090634A (ja) | ガスバリア性フィルムおよびこれを用いた有機デバイス | |
JP4583277B2 (ja) | ガスバリアフィルムおよびこれを用いた有機デバイス | |
EP2055734B1 (en) | Gas barrier film and organic device using the same | |
US20080303431A1 (en) | Gas barrier film and organic device using the same | |
JP2009081123A (ja) | トップエミッション型有機el素子およびその製造方法。 | |
JP2007253589A (ja) | バリア性フィルム基板および有機電界発光素子 | |
JP2007253588A (ja) | バリア性フィルム基板、および、有機電界発光素子 | |
JP2004079300A (ja) | 発光素子及びその製造方法 | |
JP2007090702A (ja) | 水蒸気バリアフィルムおよび有機エレクトロルミネッセンス素子 | |
JP2007103094A (ja) | 有機電界発光素子 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080125 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100528 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100601 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100720 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100810 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100831 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4583277 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130910 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |