JP2007076285A - 木材保存組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】木材や合板等の木質材料の腐朽とシロアリの食害を防止することによる木材保存組成物を提供する。
【解決手段】エルゴステロール生合成阻害活性を有するN-置換トリアゾール系殺菌化合物を有効成分とする組成物であり、エルゴステロール生合成阻害活性を有するN-置換トリアゾール系殺菌化合物としてはシプロコナゾール、テブコナゾール、プロピコナゾール、アザコナゾール、ヘキサコナゾールなどが挙げられるが、特にヘキサコナゾールを用いることが好ましい。本組成物を用いることにより木質材料を食害するシロアリや腐朽菌による被害を阻止することができる。
【解決手段】エルゴステロール生合成阻害活性を有するN-置換トリアゾール系殺菌化合物を有効成分とする組成物であり、エルゴステロール生合成阻害活性を有するN-置換トリアゾール系殺菌化合物としてはシプロコナゾール、テブコナゾール、プロピコナゾール、アザコナゾール、ヘキサコナゾールなどが挙げられるが、特にヘキサコナゾールを用いることが好ましい。本組成物を用いることにより木質材料を食害するシロアリや腐朽菌による被害を阻止することができる。
Description
本発明は、木材や合板等の木質材料のシロアリによる食害を防止するための防蟻組成物に関する。
建材等に使用される木材、合板等の木質材料は、シロアリによる食害が大きな問題となっている。シロアリを防除するためには、プロペタンホス、フェニトロチオン、フェノブカルブ、ペルメトリン、トラロメトリン、エトフェンプロックス、ビフェントリン、シフェノトリン、プラレトリン、イミダクロプリド、アセタミプリド、ジノテフラン、クロチアニジン、チアメトキサム、フィプロニル、クロルフェナピル等の殺虫剤が使われていた(非特許文献1)。また、カワラタケやオオウズラタケ等による腐朽も問題となっており、それらを防ぐために防腐剤の処理が行われている。N-置換トリアゾール系殺菌化合物が木材腐朽菌に有効であることは知られており、ヘキサコナゾール、シプロコナゾール、テブコナゾール、プロピコナゾール、アザコナゾール等が油剤や乳剤として使用されていた(非特許文献2)。したがって木質材料の防蟻・防腐剤としては、有機リン剤、カーバメイト剤、ピレスロイド剤、ネオニコチノイド剤、フェニルピラゾール剤等の殺虫成分とN-置換トリアゾール系殺菌剤等の殺菌剤と混合使用する必要があった。
しろあり 社団法人日本しろあり対策協会 2005年、No140
しろあり 社団法人日本しろあり対策協会 2004年、No136
木材や合板等の木質材料の保存組成物を提供することが本発明の課題である。
本発明者は、上記課題を解決する方法について鋭意検討した結果、エルゴステロール生合成阻害活性を有するN-置換トリアゾール系殺菌化合物を有効成分とする組成物を用いることにより、本課題を解決できることを見出し本発明に至った。
エルゴステロール生合成阻害活性を有するN-置換トリアゾール系殺菌化合物を有効成分とし、カワラタケやオオウズラタケ等による腐朽を防ぐことはもとよりイエシロアリやヤマトシロアリの食害を防ぐことができる。
本発明で用いられるエルゴステロール生合成阻害活性を有するN-置換トリアゾール系殺菌化合物としては、シプロコナゾール((2RS,3RS)−2−(4−クロロフェニル)−3−シクロプロピル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ブタン−2−オール)、ヘキサコナゾール((RS)−2−(2,4−ジクロロフェニル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ヘキサン−2−オール)、プロピコナゾール((RS)−1−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−プロピル−1,3−ジオキソラン−2−イルメチル]−1H−1,2,4−トリアゾール)、デブコナゾール((RS)−1−p−クロロフェニル−4,4−ジメチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ペンタン−3−オール)、イプコナゾール(1RS,2SR,5RS;1RS,2SR,5SR)−2−(4−クロロベンジル)−5−イソプロピル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)−1−シクロペンタノール)、アザコナゾール(1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール)、エポキシコナゾール((2RS,3SR)−1−[3−(2−クロロフェニル)−2,3−エポキシ−2−(4−フルオロフェニル)プロピル]−1H−1,2,4−トリアゾール)等があげられ、それらを、単独もしくは2種類以上を混合して用いることができる。これらのN-置換トリアゾール系殺菌化合物のうち防蟻・防腐性能からヘキサコナゾールが好ましい。
本発明において配合するエルゴステロール生合成阻害活性を有するN-置換トリアゾール系殺菌化合物は組成物中0.1〜30重量%となるように含有させるのが好ましく、0.3〜10重量%とすることがさらに好ましい。
本発明の木材保存方法は、有効成分としてエルゴステロール生合成阻害活性を有するN-置換トリアゾール系化合物を用いれば、特に限定されず、例えば、加圧注入、減圧注入、浸漬処理、スプレー処理、塗布等の公知の処理方法において、木材を保存することができる。これらの方法の中で、浸漬処理、スプレー処理、塗布処理が特に高い木材保存効果を示し好ましい。
次に実施例及び試験例によりさらに詳細に説明するが、本発明がこれらによって限定されることはない。
(実施例1〜6及び比較例1〜3)
ヘキサコナゾール20重量%、ニューカルゲンFS-26(竹本油脂株会社製)5重量%、イオン交換水50重量%を混合し、グレンミルによって120分間粉砕した。その後ケルザンS(ケルコ社製)0.25重量%、イオン交換水24.75重量%加えて30分間攪拌することにより実施例1の組成物を得た。N-置換トリアゾール系殺菌化合物としてヘキサコナゾール、シプロコナゾール、テブコナゾールを用い、実施例1と同様に製造した実施例2〜6を得た(表1)また、エルゴステロール生合成阻害活性を有するN-置換トリアゾール系殺菌化合物の代わりにイミダクロプリド、トリベンダゾールを用いて実施例1と同様に製剤し、それぞれ比較例1及び2を得た(表2)。また、塩化ベンザルコニウムを水に溶解させることにより比較例3を得た(表2)。なお、表に示した有効成分濃度はすべて重量%である。
(実施例1〜6及び比較例1〜3)
ヘキサコナゾール20重量%、ニューカルゲンFS-26(竹本油脂株会社製)5重量%、イオン交換水50重量%を混合し、グレンミルによって120分間粉砕した。その後ケルザンS(ケルコ社製)0.25重量%、イオン交換水24.75重量%加えて30分間攪拌することにより実施例1の組成物を得た。N-置換トリアゾール系殺菌化合物としてヘキサコナゾール、シプロコナゾール、テブコナゾールを用い、実施例1と同様に製造した実施例2〜6を得た(表1)また、エルゴステロール生合成阻害活性を有するN-置換トリアゾール系殺菌化合物の代わりにイミダクロプリド、トリベンダゾールを用いて実施例1と同様に製剤し、それぞれ比較例1及び2を得た(表2)。また、塩化ベンザルコニウムを水に溶解させることにより比較例3を得た(表2)。なお、表に示した有効成分濃度はすべて重量%である。
(試験例1 木材防腐効力試験)
実施例1〜6及び比較例1〜3で製造した組成物を処理した木片について、防腐効力試験を行った。試験は社団法人日本木材保存協会の表面処理用木材防腐剤の室内防腐試験方法及び性能基準(JWPS−FW−S.1)に従って下記の通り実施した。
<供試菌>
オオウズラタケ Fomitopsis palustris 褐色腐朽菌
カワラタケ Trametes versicolor 白色腐朽菌
実施例1〜6及び比較例1〜3で製造した組成物を処理した木片について、防腐効力試験を行った。試験は社団法人日本木材保存協会の表面処理用木材防腐剤の室内防腐試験方法及び性能基準(JWPS−FW−S.1)に従って下記の通り実施した。
<供試菌>
オオウズラタケ Fomitopsis palustris 褐色腐朽菌
カワラタケ Trametes versicolor 白色腐朽菌
<供試培地の調製>
900mlのマヨネーズ瓶に海砂350gを入れ、下記培養液を100 ml加え殺菌した後、あらかじめ上記担子菌を別々に十分に生育させたブナの小木材片1枚を無菌的に入れ、温度26±2℃、相対湿度70%以上のところで10日〜15日間培養し、菌そうが培養基に十分広がったものを供試培地とした。
900mlのマヨネーズ瓶に海砂350gを入れ、下記培養液を100 ml加え殺菌した後、あらかじめ上記担子菌を別々に十分に生育させたブナの小木材片1枚を無菌的に入れ、温度26±2℃、相対湿度70%以上のところで10日〜15日間培養し、菌そうが培養基に十分広がったものを供試培地とした。
<供試試料調製>
実施例1〜6及び比較例1〜3に示す組成物を水で各々20倍希釈した薬液を、木口面をエポキシ樹脂でシールした20mm×40mm、厚さ5mmのスギ及びブナ木材片に110±10g/m2になるように塗布した。20日間以上室温で放置した後、以下の耐候操作を実施した。
実施例1〜6及び比較例1〜3に示す組成物を水で各々20倍希釈した薬液を、木口面をエポキシ樹脂でシールした20mm×40mm、厚さ5mmのスギ及びブナ木材片に110±10g/m2になるように塗布した。20日間以上室温で放置した後、以下の耐候操作を実施した。
<耐候操作>
薬液を処理した各木材片を9個1組として500ml容量のビーカーにいれ、その中に木材片容積の10倍のイオン交換水(360ml)を注ぎ、木材片が浮かび上がらないように適当なおもりを載せ水面下に沈めた後、水温25±3℃で5時間溶脱させ、続いて19時間40±2℃で乾燥させた。以上の操作を交互に10回繰り返した。
耐候操作が終わった後、温度60±2℃で48時間乾燥させ、30分間デシケーター内に放置した試料の質量を測定した。
薬液を処理した各木材片を9個1組として500ml容量のビーカーにいれ、その中に木材片容積の10倍のイオン交換水(360ml)を注ぎ、木材片が浮かび上がらないように適当なおもりを載せ水面下に沈めた後、水温25±3℃で5時間溶脱させ、続いて19時間40±2℃で乾燥させた。以上の操作を交互に10回繰り返した。
耐候操作が終わった後、温度60±2℃で48時間乾燥させ、30分間デシケーター内に放置した試料の質量を測定した。
<試験方法>
耐候操作を行った試料を3個ずつ、カワラタケは直接、オオウズラタケは殺菌したプラスチックの網を置きその上に、いずれも繊維方向を垂直に載せ、温度26±2℃、相対湿度70%以上のところに12週間培養した。
培養後、菌糸等の分着物を取り除いた木材片を温度60±2℃で48時間乾燥させ、30分間デシケーター内に放置し試料の質量を測定した。あらかじめ測定しておいた耐候操作直後の重量と比較し次式によって質量減少率を求めた。試験結果を表3に示す。
質量減少率(%)=(耐候操作直後の質量−12週間培養後の質量)/耐候操作直後の質量×100
耐候操作を行った試料を3個ずつ、カワラタケは直接、オオウズラタケは殺菌したプラスチックの網を置きその上に、いずれも繊維方向を垂直に載せ、温度26±2℃、相対湿度70%以上のところに12週間培養した。
培養後、菌糸等の分着物を取り除いた木材片を温度60±2℃で48時間乾燥させ、30分間デシケーター内に放置し試料の質量を測定した。あらかじめ測定しておいた耐候操作直後の重量と比較し次式によって質量減少率を求めた。試験結果を表3に示す。
質量減少率(%)=(耐候操作直後の質量−12週間培養後の質量)/耐候操作直後の質量×100
(試験例2 木材防蟻効力試験)
実施例1〜6及び比較例1〜3で製造した組成物を処理した木片について、防蟻効力試験を行った。試験は社団法人日本木材保存協会の表面処理用木材防蟻剤の室内防蟻試験方法及び性能基準(JWPS―TW―S.1)に従って下記の通り実施した。
実施例1〜6及び比較例1〜3で製造した組成物を処理した木片について、防蟻効力試験を行った。試験は社団法人日本木材保存協会の表面処理用木材防蟻剤の室内防蟻試験方法及び性能基準(JWPS―TW―S.1)に従って下記の通り実施した。
実施例1〜6及び比較例1〜3に示す組成物で水で20倍希釈した薬液を20mm×10mm×10mmのアカマツ木材片に110±10g/m2になるように塗布した。20日間以上室温で放置した後、防腐試験と同様の耐候操作を実施した。耐候操作後、プラスチック容器内に試料を置き、その上からイエシロアリ(Coptotermes formosanus SHIRAKI)の職蟻150頭と兵蟻15を投入し、21日後木材片を温度60±2℃で48時間乾燥させ、30分間デシケーター内に放置し試料の質量を測定した。あらかじめ測定しておいた耐候操作直後の重量と比較し次式によって質量減少率を求めた。試験結果を表3に示す。
質量減少率(%)=(耐候操作直後の質量−21日後の質量)/耐候操作直後の質量×100。
質量減少率(%)=(耐候操作直後の質量−21日後の質量)/耐候操作直後の質量×100。
エルゴステロール生合成阻害活性を有するN-置換トリアゾール系殺菌化合物単剤で木質材料の腐朽及びシロアリの食害を防止することができる。
Claims (2)
- エルゴステロール生合成阻害活性を有するN-置換トリアゾール系殺菌化合物を有効成分とすることを特徴とする木材保存組成物。
- エルゴステロール生合成阻害活性を有するN-置換トリアゾール系殺菌化合物がヘキサコナゾール、シプロコナゾール、テブコナゾール、アザコナゾール、プロピコナゾールから選ばれる1種またはそれ以上であることを特徴とする請求項1に記載の木材保存組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005269812A JP2007076285A (ja) | 2005-09-16 | 2005-09-16 | 木材保存組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005269812A JP2007076285A (ja) | 2005-09-16 | 2005-09-16 | 木材保存組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007076285A true JP2007076285A (ja) | 2007-03-29 |
Family
ID=37937028
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005269812A Pending JP2007076285A (ja) | 2005-09-16 | 2005-09-16 | 木材保存組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007076285A (ja) |
-
2005
- 2005-09-16 JP JP2005269812A patent/JP2007076285A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Effective date: 20070611 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 |