[go: up one dir, main page]

JP2007069052A - 超音波洗浄装置、超音波洗浄方法及び洗浄された製品の製造方法 - Google Patents

超音波洗浄装置、超音波洗浄方法及び洗浄された製品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007069052A
JP2007069052A JP2005255462A JP2005255462A JP2007069052A JP 2007069052 A JP2007069052 A JP 2007069052A JP 2005255462 A JP2005255462 A JP 2005255462A JP 2005255462 A JP2005255462 A JP 2005255462A JP 2007069052 A JP2007069052 A JP 2007069052A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
workpiece
work
cleaning
ultrasonic cleaning
ultrasonic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005255462A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasutaka Shibata
康孝 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ishizuka Glass Co Ltd
Original Assignee
Ishizuka Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ishizuka Glass Co Ltd filed Critical Ishizuka Glass Co Ltd
Priority to JP2005255462A priority Critical patent/JP2007069052A/ja
Publication of JP2007069052A publication Critical patent/JP2007069052A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cleaning In General (AREA)
  • Cleaning By Liquid Or Steam (AREA)

Abstract

【課題】効果的にワーク表面を洗浄することができる超音波洗浄装置を提供する。
【解決手段】超音波洗浄装置を、ワーク100を保持する保持手段と、洗浄液が供給され、供給された洗浄液に対して超音波が発振可能な超音波洗浄槽20とを備え、保持されたワーク100の洗浄すべき被洗浄部分102における洗浄液Wへの浸漬部分104を変化させるようにワーク100を動かすように構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、超音波洗浄に関し、詳しくは、超音波洗浄装置、超音波洗浄方法及び洗浄された製品の製造方法に関する。
ガラス壜などのガラス容器は、その製造工程において表面に油カスやカーボン等の微小な異物が付着又は結合することがある。こうした異物は、それ自体容器においてもまた内部に充填される充填物自体の品質に影響を及ぼすことはないが、ガラス容器表面に付与されるコーティング膜の密着性や平滑性を妨げることがあった。また、こうした微小片は、容器に製品を充填した後の異物検査において誤認を生じるおそれもあった。
従来、ガラス容器などの表面を洗浄するには、コンベア上のガラス壜を自転する一対のブラシ体間を通過させることによりブラシ洗浄する方法が一般的に知られている。また、網篭にガラス容器を並べて収容した上で、超音波水槽に浸漬して超音波洗浄することも知られている(特許文献1)
特開平6−328050号公報
しかしながら、こうした異物の表面への固着程度は様々であり、従来の洗浄手法では、表面の洗浄はともかく異物を高率で除去するのは困難であった。また、網カゴにワークを並べて収容して超音波洗浄槽に浸漬して洗浄する方法によれば、ワーク同士の接触やカゴとの接触によりワーク表面に傷が発生したり、ワーク内部に水槽内溶液が侵入してしまうことがあった。
そこで、本発明は、効果的にワーク表面を洗浄し又は異物を除去することができる超音波洗浄装置、超音波洗浄方法を提供することを一つの目的とする。また、本発明は、ワーク表面を傷付けることなくワーク表面を洗浄し又は異物を除去できる超音波洗浄装置、超音波洗浄方法を提供することを他の一つの目的とする。さらに、本発明は、ワーク内部への洗浄液の侵入を効果的に回避可能な超音波洗浄装置及び超音波洗浄方法を提供することを他の一つの目的とする。さらにまた、本発明は、清浄化された製品の製造方法を提供することを他の一つの目的とする。
本発明者らは、超音波を用いてワーク表面を洗浄するのにあたり、超音波洗浄槽におけるワークの保持形態、すなわち、洗浄液に対するワークの姿勢や動き方を工夫することで効果的な超音波洗浄が可能であることを見出し、上記した課題の少なくとも一つを解決できることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明によれば以下の手段が提供される。
本発明の一つの形態によれば、超音波洗浄装置であって、ワークを保持する保持手段と、洗浄液が供給され、供給された洗浄液に対して超音波を発振可能な超音波洗浄槽と、保持されたワークの洗浄すべき被洗浄部分における前記洗浄液への浸漬部分を変化させるように前記ワークを動かすワーク駆動手段と、を備える、装置が提供される。
この形態においては、前記ワーク駆動手段は、ワークの浸漬部分を拡大及び/又は縮小するようにワークを動かす手段又はワークの浸漬部分の面積を変化させることなくワークを動かす手段とすることができる。また、前記ワーク駆動手段は、前記ワークの被洗浄部分の少なくとも一部において前記洗浄液の液面下に浸漬する工程と前記洗浄液の液面上において露出させる工程が繰り返し実行されるように前記ワークを動かす手段とすることもできる。
この形態においては、前記ワーク駆動手段は、前記ワークを回転運動、揺動運動又は上下運動させる手段とすることもできる。この態様において、前記ワーク駆動手段は、前記ワークを前記洗浄液の液面に対して斜めに保持して前記ワーク内部の回転軸周りに回転させる手段とすることができる。
この形態においては、前記ワーク駆動手段は、前記超音波洗浄槽内を搬送されるワークを動かす手段とすることができる。
この形態においては、前記ワーク駆動手段は、前記ワークを保持するワーク保持手段を駆動して前記ワークを動かす手段とすることができる。この態様においては、前記ワーク駆動手段は、前記ワーク保持手段に備えたギアと係合して前記ワーク保持手段を回転させつつ前記超音波洗浄液槽内を移送可能な連続体とすることができる。
この形態においては、前記ワーク保持手段は、複数のワークをそれぞれ保持するように複数個備えられるようにしてもよい。この態様においては、前記ワーク保持手段は、ワークの製造工程から搬送されるワークを個別に順次保持するように備えられてもよい。
この形態においては、さらに、前記ワークを保持したワーク保持手段を前記超音波洗浄槽に搬送するとともに前記超音波洗浄槽から搬出するワーク保持手段の搬送手段を備えることができる。この態様においては、前記ワーク保持手段の搬送手段は、前記ワーク保持手段の一部を支持するレール体とすることができる。
この形態においては、前記ワークを保持しない前記ワーク保持手段を検出する検出手段と、該ワーク保持手段を前記ワーク駆動手段によって駆動されないように支持するガイドと、を備えることができる。また、さらに、超音波洗浄槽の後段に前記ワークのブラッシング手段を備えることができる。また、さらに、前記ブラッシング手段の後段に前記ワークの乾燥手段を備えることができる。
この形態においては、前記ワークはボトルであって、前記ワーク保持手段は、前記ボトルの開口を塞ぐようにして保持する手段とすることができる。また、前記ワークはガラス製とすることができる。
本発明の他の一つの形態によれば、ガラス製品の製造装置であって、上記いずれかの超音波製造装置を備える製造装置が提供される。
本発明の他の一つの形態によれば、超音波洗浄方法であって、ワークの洗浄すべき被洗浄部分のうち、超音波洗浄槽における洗浄液への浸漬部分を変化させつつ超音波洗浄する洗浄工程を備える、洗浄方法が提供される。
この形態においては、前記洗浄工程は、前記ワークを回転運動、揺動運動又は上下運動させる工程とすることができる。また、前記洗浄工程は、前記ワークを前記超音波洗浄槽内を一定方向に搬送しながら超音波洗浄する工程とすることもできる。さらに、複数個のワークを個別かつ連続的に前記洗浄工程に供給し、前記洗浄工程から個別かつ連続的にワークを搬出することとしてもよい。
本発明の他の一つの形態によれば、表面が清浄化された製品の製造方法であって、製品表面の、超音波洗浄槽における洗浄液への浸漬部分を変化させつつ超音波洗浄して前記表面を洗浄する洗浄工程を備える、製造方法が提供される。
この形態においては、前記洗浄工程の後段には、表面が洗浄された製品の表面を加工する表面加工工程を備えることができる。また、この形態においては、前記製品をガラス製品とすることができる。
本発明の超音波洗浄方法は、ワークの洗浄すべき被洗浄部分のうち、超音波洗浄槽における洗浄液への浸漬部分を変化させつつ超音波洗浄する洗浄工程を備える、ことを特徴としている。また、本発明の超音波洗浄装置は、ワークを保持する保持手段と、洗浄液が供給され、供給された洗浄液に対して超音波が発振可能な超音波洗浄槽と、保持されたワークの洗浄すべき被洗浄部分における前記洗浄液への浸漬領域を変化させるように前記ワークを動かすワーク駆動手段と、を備えることを特徴としている。
この洗浄方法及び洗浄装置によれば、保持されたワークは、その被洗浄部分における前記洗浄液への浸漬部分を変化させられつつ洗浄される。図1に本発明の洗浄方法における洗浄作用を示す。図1では、ワーク100は洗浄液Wに対して斜めに支持され浸漬されるとともに、ワーク100の長軸に沿って回転することによって洗浄液Wへの浸漬部分104を変化させている。図1に示すように、ワーク100の被洗浄部分102のうち洗浄液Wに浸漬された浸漬部分104は洗浄液中における微小気泡が破裂する衝撃波の効果(キャビテーション効果)等により洗浄される。一方、浸漬部分104が変化して該浸漬部分104が洗浄液Wの液面上に出るとき、ワーク100近傍の微小気泡が破裂しやすくなり、これにより促進されたキャビテーション効果によりワーク100の表面が洗浄される。すなわち、図1の状態においては、ワーク100の洗浄液Wの液面近傍の部分106が浸漬部分104が洗浄液Wの液面上に露出された部分に相当しており、この部分106では、促進されたキャビテーションによって洗浄されることになる。なお、ワーク100の浸漬部分104が洗浄液Wの液面上に露出されるとき、微小気泡の破裂により結果として洗浄液の霧化現象が生じている。このように、洗浄液Wへの浸漬部分104を変化させることで、ワーク100の被洗浄部分102は、洗浄液W中でのキャビテーション効果等による洗浄作用と洗浄液Wの液面上に露出されるときのキャビテーション効果による洗浄作用との2種類の洗浄作用により洗浄されることになる。この結果、ワーク100の被洗浄部分102は効果的に洗浄されることになる。
以下、本発明の超音波洗浄方法、超音波洗浄装置、製品の製造方法等について図1〜図10を適宜参照しながら順次説明する。
(超音波洗浄方法)
(ワーク)
本発明におけるワーク100は、特に限定しないで、洗浄を必要とする全てのワーク100を包含する。なかでも、ガラス、プラスチック、セラミックスなど、半導体、液晶、あるいは容器などの内外表面の異物や清浄度が最終製品の品質に大きく影響する可能性のある製品に適用することが好ましい。ワーク100としては、食品等の包装容器に用いられるガラス又はプラスチック製容器が挙げられる。特に、ガラス製造工程で製造直後のボトル状容器等のガラス製品は、表面異物の固着強度が強い傾向にあるため本発明を適用するのが好ましい。また、プリント基板、電子部品用の光学部品、接点等の電子部品製造工程における部品及び中間製品、ガラス基板、液晶セル、マスク、キャリアカセット、配向膜などの液晶製造工程における部品及び中間製品、水晶振動子などの精密加工品製造工程における部品及び中間製品、ブレーキ部品などの自動車製造工程における部品又は中間製品などが挙げられる。
(被洗浄部分)
ワーク100の洗浄すべき部分である被洗浄部分102は、ワーク100の種類により異なるが、通常はその表面、すなわち、外表面である。また、内表面を有するような容器状ワーク100の場合には、その内表面を被洗浄部分102としてもよい。なお、被洗浄部分102は、ワーク100の外表面や内表面の一部であってもよいし、全体であってもよい。ワークの種類や用途に応じて被洗浄部分102は異なる。
(超音波洗浄槽)
ワーク100の洗浄には、超音波洗浄槽20を用いる。図2には、超音波洗浄槽の一例を示す。超音波洗浄槽20は、洗浄液が供給される洗浄槽22と、超音波電力を発生する発振器24と、超音波振動を発生する振動子26とを備えている。洗浄槽22は、通常は、大きく開口した容器など特に限定しないで従来公知の洗浄槽を用いることができる。洗浄槽22は、通常、除去した異物を洗浄液から速やかに除去するためにオーバーフロー式となっており、常時洗浄液を洗浄槽に供給するポンプ手段を備える洗浄液供給ユニットや、洗浄液の液温を調整するための温度制御ユニットを備えることができる。
発振器24は、特に限定しないでこうした超音波洗浄に用いられる各種形式のものを用いることができる。また、振動子26についても同様に各種形式のものを用いることができる。例えば、洗浄槽22内に投込んで使用する投込型、洗浄槽22の底に取り付けて使用する振動板型、洗浄槽22に一体化された洗浄槽型を用いることができる。
超音波洗浄槽20における超音波発生方式としては、洗浄目的等に応じ適宜選択すればよい。例えば、連続発振方式、拡幅変調方式、周波数変調方式、同時多周波方式、交互多周波方式、ホーン洗浄方式などから選択される。なお、発振器24への電力は別途備えるコントローラーによって制御するようになっている。
超音波洗浄槽20は、1個であっても複数個を直列状又は並列状に備えていてもよい。直列状に超音波洗浄槽20を備える場合には、洗浄強度の強い洗浄液Wが供給される洗浄槽22から徐々に洗浄強度を弱めた洗浄液Wを供給した洗浄槽22を配列させることができる。
(洗浄液)
本発明において用いる洗浄液Wは、特に限定しない。水系、準水系、非水系などの各種の洗浄剤を使用することができる。水系洗浄液は、酸やアルカリ、有機溶剤、界面活性剤を水以外に含むことができる。また、準水系洗浄液は、水と有機溶剤とを含有し、その他、酸やアルカリ、界面活性剤を用いることができる。さらに、非水系洗浄液は、炭化水素系溶剤、アルコール系溶剤、フッ素系溶剤、塩素系溶剤などの有機溶剤からなる。本発明においては、環境や処理コストの観点から水系洗浄液又は準水系洗浄液を用いることが好ましく、より好ましくは水系洗浄液であり、なかでも、水のみとすることが環境面において好ましい。
(洗浄工程)
本発明においては、ワーク100の被洗浄部分102のうち洗浄液Wへの浸漬部分104を変化させつつ超音波洗浄する。浸漬部分104を変化させるには、例えば、ワーク100の浸漬部分104を拡大及び/又は縮小するようにワーク100を動かすことができる。具体的には、ワーク100を洗浄液Wに対して揺動運動、上下運動又は回転運動させればよい。図3に示すように、液面W1に対してワーク100を垂直に支持して上下運動させることで、ワーク100の浸漬部分104を拡大又は縮小できる。なお、浸漬部分104の拡大や縮小には、浸漬部分104の変化は当然に伴われる。また、図4に示すように、ワーク100を洗浄液Wの液面W1に対して揺動運動させることで、ワーク100における浸漬部分104の面積を拡大・縮小させることができる。さらに、図5に示すように、ワーク100を液面W1に対して回転運動させることで、ワーク100における浸漬部分104の面積を拡大・縮小させることができる。
また、浸漬部分104の面積を変化させることなくワーク100の異なる部分を浸漬するようにワーク100を動かすことで、ワーク100の浸漬部分104を変化させることができる。具体的には、ワーク100に内部の回転軸周りに回転運動させればよい。具体的には、図6に示すように、液面W1に対してワーク100の被洗浄部分102の一部が浸漬されるように液面W1に対して斜め又は平行に支持した状態で、ワーク100を回転させることで、浸漬部分104の面積を一定としながら異なる部分を浸漬部分104とすることができる。特に、液面W1に対して斜めにワーク100を支持した状態でこうした回転運動をさせることでワーク100がボトル状容器の場合に開口周辺を洗浄液Wに浸漬させることなく外周面を洗浄できる。
なお、こうした2種類の動きを組み合わせてワーク100を動かしてもよい。
こうした浸漬部分104の変化は、換言すれば、ワーク100の被洗浄部分102の少なくとも一部において洗浄液Wの液面W1下に浸漬する工程と洗浄液Wの液面W1上において露出させる工程が繰り返し実行されるようなワーク100の動きによってもたらされるということもできる。すなわち、ワーク100の被洗浄部分102において液面W1を通過させることで本発明の2種類の洗浄作用が効果的に作用する。
なお、ワーク100は、これらの各種運動を適宜組み合わせた運動をさせることができる。また、連続した洗浄工程を実施するには、後述するように、超音波洗浄槽20内をワーク100を搬送させつつこうした運動をさせることが好ましい。
こうした超音波洗浄において、ワーク100の被洗浄部分102の浸漬部分104を変化させるには、ワーク100を液面W1に対して動かすことが有効であるが、有効な洗浄作用を得る観点及びワーク100の表面の傷を防止するには、個々のワーク100を他のワークや保持手段と接触しないように保持した状態で動かすことが好ましい。好ましくは、ワーク100は個別に保持されている。
また、複数のワーク100を処理するには、超音波洗浄槽20内をワーク100を一定方向に搬送させるようにすることが好ましい。こうすることで必要な洗浄時間を確保しつつ連続処理が可能となる。
また、複数個のワーク100を個別かつ連続的に洗浄工程に供給し、前記洗浄工程から個別かつ連続的にワーク100を搬出するようにすることが好ましい。このようにワーク100を搬送することで、効率的にワーク100を洗浄できる。また、連続的にワークが供給されるワーク製造工程に容易に対応できる。
なお、洗浄工程の後段には、ブラッシング工程を備えることができる。こうした接触形式の洗浄工程を実施できる場合には、ブラッシング工程を備えることで、洗浄工程で再付着した異物や完全には取りきれなかった異物を除去することができる。
また、洗浄工程又はブラッシング工程の後段には、リンス工程や乾燥工程を備えることができる。乾燥工程は送風による水切り工程のほか、熱による乾燥工程又は予熱工程を包含している。こうした各種工程は必要に応じて追加することができる。
以上の実施形態によれば、表面が清浄化された製品の製造方法であって、製品表面の超音波洗浄槽における洗浄液への浸漬部分を変化させつつ超音波洗浄して前記表面を洗浄する洗浄工程を備える、製造方法も本発明の実施形態として容易に実施可能である。こうした製造方法においては、前記洗浄工程の後段には、表面が洗浄された製品の表面を加工する表面加工工程を備えることができる。ここで、表面加工工程とは、例えば、コーティング層の形成工程とすることもできるし、印刷工程であってもよい。また、こうした製造方法は、特にガラス製品に好ましく適用できる。ガラス製品には一般的な汚れのほかに固着強度の様々な異物が付着しているため、上記した洗浄工程によればこれらの異物も効果的に除去されるからである。
(超音波洗浄装置)
以下、上記した超音波洗浄方法を実施するのに好ましい装置について、図7に示す本発明の超音波洗浄装置2の一実施形態を参照しながら説明する。本実施形態の超音波洗浄装置2は、ガラス製のボトル状容器をワーク100とし、その外表面を洗浄する装置である。超音波洗浄装置2は、洗浄液が供給され、供給された洗浄液に対して超音波が発振可能な超音波洗浄槽20と、ワークを保持するワーク保持体30と、保持されたワーク100の洗浄すべき被洗浄部分102における洗浄液Wへの浸漬部分104を変化させるようにワーク100を動かすワーク駆動装置60と、を備えている。また、超音波洗浄装置2は、全体として、ワーク100を超音波洗浄装置2にロードするローディングゾーンAと、超音波洗浄槽20によって超音波洗浄を行う超音波洗浄ゾーンBと、ブラッシングゾーンCと、水切りゾーンDと、乾燥ゾーンEと、アンローディングゾーンFとを備えている。
超音波洗浄装置2は、複数個のワーク保持体30を搬送する搬送手段としてレール体40を備えている。レール体40は閉じた環状構造を有している。閉じた環状構造とすることで、ワーク保持体30を超音波洗浄専用として繰り返し使用できる。超音波洗浄装置2には、こうしたレール体40に沿って、上記各種のゾーンA〜Fが備えられており、ワーク保持体30は、超音波洗浄槽20に搬送されるとともに、超音波洗浄槽20から搬出され、その後、ブラッシングゾーン、水切りゾーン及び乾燥ゾーンにわたってワーク100を保持しつつ搬送することができるようになっている。すなわち、ワーク保持体30は、ローディングゾーンAでワーク100を保持し、超音波洗浄ゾーンBにてワーク100を超音波洗浄槽20に浸漬させて洗浄し、ブラッシングゾーンCにてワーク100の表面をブラシ洗浄し、水切りゾーンDにてワーク100の表面の水滴をブローにより水切りし、乾燥ゾーンEにて熱風にて乾燥し、最後にアンローディングゾーンFにてワーク100の保持状態を解除する。
また、レール体40は各種のゾーンA〜Fにおいて必要な高さにワーク100を保持可能に高低を伴って構成されている。例えば、超音波洗浄ゾーンBにおいては、液面W1に対応した高さになるよう、レール体40が低い位置に形成されワーク保持体30が低い位置を搬送可能に構成されている。さらに、レール体40に付随して、ワーク保持体30において各種のゾーンA〜Fで必要な姿勢を形成し保持することができるように、ワーク保持体30を規制するガイドを備えている。例えば、ローディングゾーンAでは、ワーク保持体30の下端にあるワーク保持構造部分が下方からのワーク100の開口の接近及び嵌合に対してしっかりとその姿勢を維持できるように、ワーク保持体30の両側に沿って2本のガイドを備えている。また、超音波洗浄ゾーンBでは、洗浄液Wの液面W1に対して斜めの姿勢を維持するためのガイドを備えている。また、超音波洗浄ゾーンB及びブラッシングゾーンC等では、ワーク100を保持しないワーク保持体30の超音波洗浄ゾーンB及びブラッシングゾーンC等の通過を回避するための回避ガイドを備えている。
ワーク保持体30は、レール体40に揺動及び回転可能な状態であるとともにスライド移動可能に一列に配列されて懸架支持されている。ワーク保持手段30は、ワーク100の表面へのキズの抑制、ワーク100の運動、洗浄効率等を考慮してワーク100を個別に保持するものとなっている。したがって、超音波洗浄装置2に供給される複数個のワーク100に対して個別にワーク保持手段30を備えている。なお、ワーク100の接触や洗浄が妨げられない限り一つのワーク保持体30が複数個のワーク100を一括して保持する構成としてもよい。
ワーク保持体30は、図8に示すように、一端をレール体40に係合可能な部材を備えるとともに他端側にワーク100の開口内に挿入され開口を遮断するような密閉部材32と該密閉部材によって密閉された開口近傍を外部から把持するチャック部材34とを有している。こうした構成とすることで、ワーク100の開口からの洗浄液等の侵入を防いで外表面のみを洗浄することができる。なお、密閉部材32は、シリコーン樹脂などの樹脂を用いることができる。また、ワーク保持体30は、超音波洗浄ゾーンBにおいてワーク保持体の駆動装置60によって駆動可能にチャック部材34の上方にギア36を備えている。
ワーク保持体30のレール体40への装着状態の一例を図8に併せて示す。図8においては、ワーク保持体30を揺動及び回転可能に取り付けたブロックチェーン37の裏面側のローラー38がレール体40上をスライド移動するようになっている。なお、ワーク保持体30は、ブロックチェーン37に固定されたブラケット39に対して揺動可能となるように支持されている。
なお、ワーク保持手段30の形態は、ワーク100の形態に応じて選択される。ワーク保持手段30は、ワーク100の被洗浄部分102にできるだけ接触しないでワーク100を保持するものであることが好ましい。例えば、板状体のワーク100に対してはワーク100の両面を挟持するかあるいはその片面を吸着するような保持部材とすることができる。また、棒状、筒状、ボトル状等の長尺体のワーク100に対しては、ワーク100の一端をチャック部材、吸引部材及び挟持部材により保持するような保持体としてもよい。
ローディングゾーンAには、個々のワーク100を個別にかつ順次ワーク保持体30で保持させるためのローディング装置50を備えている。超音波洗浄装置2による洗浄工程の前段であるワーク100の製造工程から搬送されてくるワーク100を個別にかつ順次保持することで、効率的に洗浄し、ワーク100を効率的に生産できることになる。
ローディング装置50は、ワーク100をそれぞれ載置する複数個の載置台52を一定軌跡でかつ高さ位置を変えながら回転させるローダー54と、コンベア上のワーク100を載置台52へと移載する移載装置56とを備えている。ローディング装置50においては、例えば、ローダー54における載置台52は、その軌跡の最低位置においてワーク100を搬送するコンベアと同一高さ位置となっており、所定位置においてコンベア上のワーク100が移載装置56により押出されて載置台52に移載されるようになっている。その後、載置台52は徐々に上昇しながら一定高さに懸架されるワーク保持体30に近づいて、ほぼ最高位置でワーク保持体30の密閉部材32に対してワーク100の開口を押し当ててワーク100をワーク保持体30に保持させるようになっている。なお、ワーク保持体30は、ワーク100の当接を検知すると、そのチャック部材34でワーク100の開口近傍を把持するように制御されている。その後、載置台52は徐々に低下し、再びワーク100の移載位置に戻り、新たなワーク100を載置する。このように、複数個の載置台52は、次々にコンベアに載って搬送されてくるワーク100を順次載せて、そしてワーク保持体30で保持させるように駆動される。なお、ローダー54における載置台52の移動軌跡における高低は、ワーク100の高さによって適宜調整される。例えば、ワーク100の高さが高い場合には、載置台52は、必ずしも上記のように最低位置でワーク100が移載され最高位置でワーク100をワーク保持体30に保持させるものとはならず、逆の場合もありうる。
なお、こうしたローダー54における載置台52の高低変化のある軌跡は、所定の高低変化のあるレール体を軌跡に沿って設けるとともに、載置台52を支持する支持軸にこのレール体への係合部位を設けておき、係合部位以下が係合高さに応じて伸縮するように設けておくことで容易に形成できる。また、移載装置56は、コンベア上のワーク100の底部近傍を支持して載置台52へと押し出す押出し部材を備えることができる。なお、ローディングゾーンAにおいてワーク保持体30へのワーク100の保持を確実に行うためには、移載装置56に到達する前に、コンベア上のワーク100の間隔(ピッチ)を一定に調整して整列させる整列装置を備えることができる。
超音波洗浄ゾーンBには、超音波洗浄槽20とワーク駆動装置60とを備えている。超音波洗浄槽20については、既に説明したとおりであるが、本実施形態では、洗浄槽22の底に取り付けて使用する振動板型の振動子26を用い、超音波発生方式としては、連続発振方式を採用している。また、本実施形態では、2槽の超音波洗浄槽20を直列に並べて備えている。こうすることで、超音波洗浄槽20内をワーク100を搬送させて洗浄する場合であっても、超音波洗浄ゾーンBでの速度を大きく低下させることなく必要な洗浄時間を確保することができる。
ワーク駆動装置60は、保持されたワーク100の被洗浄部分102における洗浄液Wへの浸漬部分104を変化させるようにワーク100を動かす装置である。ワーク100の浸漬部分104を変化させるようにワーク100を動かす各種態様は、既に超音波洗浄方法において説明したとおりである。本実施形態では、ワーク保持体30を所定の動きをなすように駆動することで、ワーク100を駆動している。
本実施形態のワーク駆動装置60は、図9に示すように、ワーク保持手段30の一部に設けたギア36と係合する無端チェーン62を超音波洗浄槽20に沿って設け、この無端チェーンにワーク保持手段30を係合させた状態で搬送させることでワーク保持手段30を搬送に伴って回転させるようになっている。これにより、ワーク100を洗浄液Wの液面W1に対して斜めに保持してワーク100の中心線を回転軸として回転させるようになっている。
なお、超音波洗浄ゾーンBの手前には、超音波洗浄ゾーンBに搬送されてくるワーク保持体30がワークを保持しているか否かを検出するワーク検出装置64を備えている。ワーク検出装置64は、光電センサー等で構成されており、ワーク保持体30に保持されるワーク100が存在するべき部位に光を投光し反射する光を検出することでワーク100の有無を検出するようになっている。ワーク100を保持していないとされたワーク保持体30は、超音波洗浄ゾーンBに到達する前に図示しない跳ね上げ装置によって跳ね上げられて回避ガイドに支持されるようになっている。回避ガイドは、超音波洗浄槽20の洗浄液が付着しない程度の高さにワーク保持体30を保持して超音波洗浄ゾーンBを通過させるように構成されている。なお、こうしたセンサーとしては、赤外線センサー、マイクロ波センサー、超音波センサー等を使用することができる。
ブラッシングゾーンCには、超音波洗浄槽20から引き上げられたワーク100の外表面をブラッシングするブラッシング装置70を備えている。図10に示すように、ブラッシング装置70は、ロールブラシ体72を2列に配列したブラシ列と、注水ノズル74を備えている。各ロールブラシ体72は、ワーク100の搬送方向に沿った回転軸を有して横架されている。また、注水ノズル74は、このブラシ体72を通過してワーク100に到達するよう指向して備えられている。懸架支持されたワーク100がこのロールブラシ体72間を通過するとき、各ロールブラシ体72を回転させながら、ワーク100に注水することでワーク100の外表面をブラッシングするようになっている。
さらに、ブラシ体72と注水ノズル74との上方には、各ブラシ体72の上方から二つのロールブラシ体72の間の中央部分をそれぞれ指向して斜め下方に延出された遮蔽部材76を備えている。遮蔽部材76は、ロールブラシ体72とワーク100の開口近傍との間を遮蔽してブラシ体72による洗浄によって飛散する水滴がワーク100の開口近傍やワーク保持体30のチャック部材34に付着するのを防止するものである。遮蔽部材76は、ロールブラシ体72の長さのおおよそ全体にわたって形成されている。
さらに、ブラッシングゾーンCには、超音波ゾーンBの手前においてワーク検出装置64によりワーク100を保持していないことが検出されたワーク保持体30が支持される回避ガイドがそのまま連続して形成されており、空の状態のワーク保持体30は、超音波洗浄ゾーンBから引き続いて回避ガイドによってブラッシングゾーンCへの侵入が回避されるようになっている。なお、回避ガイドは、その後、空の状態のワーク保持体30を水切りゾーンD及び乾燥ゾーンEへの侵入を回避するように設けられ、乾燥ゾーンEを超えるまで連続形成されている。このため、空の状態のワーク保持体30は、アンローディングゾーンFにおいて他のワーク保持体30と同列になって搬送されることになる。
水切りゾーンDには、ワーク100の表面に付着した水を乾かすブロアー80を備えている。ブロアー80は、フードに複数本のブローノズルを備えており、このブローノズルから風速50m/s以上100m/s以下程度の送風を行ってワーク100の表面を速やかに乾燥することができるようになっている。
乾燥ゾーンEには、内部にヒーターを備えるフード82を備えている。乾燥ゾーンEは、ワーク100の乾燥のほか、ワーク100が後段にてコーティングや印刷を施すのに必要な予熱ゾーンとしても利用できる。
アンローディングゾーンFには、個々のワーク100を個別にかつ順次ワーク保持体30から分離するためのアンローディング装置90を備えている。こうすることで、個々のワーク100を順次、後段の装置、例えば、コーティング装置や包装装置へ効率的に搬送することができる。
アンローディング装置90は、基本的にはローディング装置50と対応した構成を備えている。すなわち、ワーク100をそれぞれ載置する複数個の載置台92が並んで一定軌跡でかつ高さ位置を変えながら回転させるアンローダー94と、ワーク保持体30から外れたワーク100を載置台92からコンベアへと移載する移載装置96とを備えている。アンローディング装置90では、例えば、アンローダー94の載置台92は、その軌跡の最高位置においてワーク保持体30から分離されたワーク100を載置し、徐々に低くなってワーク100を搬送するコンベアと同一高さ位置となった所定位置において移載装置96により移動方向が規制されてコンベア上に移載されるようになっている。本実施形態では、移載装置96は、固定された方向規制バーであって、載置台92上のワーク100はアンローダー94の回転に伴ってコンベア近くに来るとこの方向規制バーに当接し方向規制されたコンベア上に押し出される。なお、ローダーと同様、アンローダー94における載置台92の移動軌跡における高低は、ワーク100の高さによって適宜調整される。例えば、ワーク100の高さが高い場合には、載置台92は、必ずしも上記のように最高位置でワーク100を載置して徐々に低くなってコンベアに移載するものとはならず、逆の場合もありうる。
次に、超音波洗浄装置2によるワーク100の洗浄操作について説明する。まず、ワーク100がコンベア上に載置されてローディングゾーンAに搬送されて来て所定位置まで到達すると、ワーク100は順次移載装置56に押出し部材によってワーク100の底部近傍をローダー54で回転する載置台52へと押し出されて載置台52上に載置される。載置台52は徐々に上昇しレール体40にて懸架支持されるワーク保持体30の密閉部材32にワーク100の開口を押し当てると、チャック部材34がワーク100の開口近傍を外側から把持し、ワーク100をしっかりと保持する。
レール体40に懸架されたワーク保持体30が超音波洗浄ゾーンBの手前に来ると、ワーク検出装置64が順次ワークの有無をチェックし、ワーク100を保持していない場合には、跳ね上げ装置を作動させてそのワーク保持体30を跳ね上げて回避ガイドに支持させて、超音波洗浄槽20の上方を通過させる。一方、ワーク保持体30がワーク100を保持している場合には、そのまま超音波洗浄ゾーンBへ搬送する。
超音波洗浄ゾーンBでは、レール体40が軌跡を決定するとともにレール体40に付随するガイドが、ワーク100が斜めに洗浄液Wに浸漬されるとともにそのほぼ半面が液面W1下となるようにワーク保持体30の姿勢を制御する。また、こうした姿勢制御と同時に、ワーク保持体30に設けたギア36がチェーン62に係合し、これによりワーク保持体30の搬送に伴ってギア36が回転し、結果としてワーク保持体30及びこれに保持されるワーク100が自身の中心軸に沿って回転することになる。なお、ワーク100の洗浄液Wへの浸漬姿勢は、ワーク100が回転することで、ワーク100の被洗浄部分102のおおよそ全体が洗浄液Wに接触することになるように設定される。
このように、ワーク100が駆動され搬送されることで、ワーク100の外表面の被洗浄部分102は、洗浄液Wに浸漬されているときには、洗浄液W中におけるキャビティテーション効果等による洗浄作用が作用し、液面W1から液面W1の近傍の範囲にあるときには、ワーク100の表面近傍において促進されたキャビテーション効果による洗浄作用が作用することとなり、被洗浄部分102のほぼ全てがこうした2種類の洗浄作用によって洗浄されることになる。このため、被洗浄部分102が均一に洗浄されるとともに、異なる洗浄作用によって効果的に表面を洗浄することができる。さらに、液面W1下への浸漬と液面W1上への露出が繰り返されることにより、ワーク100の表面への異物の再付着も抑制される。
なお、本実施形態においては、2槽の超音波洗浄槽20をレール体40に沿って直列状に並べている。このため、レール体40に付随するガイドによって、一つ目の超音波洗浄槽20と二つ目の超音波洗浄槽20との間においては、ワーク保持体30は、上方に引き上げて支持するようになっている。
ブラッシングゾーンCでは、レール体40は、ワーク保持体30に保持されたワーク100がブラッシング装置70の2つのロールブラシ体72を通過するように搬送する。回転するロールブラシ体72と注水ノズル74から噴出される水によってワーク100の表面を洗浄する。ロールブラシ体72の回転と注水とによってワーク100の表面が効果的に洗浄される。ブラッシングゾーンにおいて、超音波洗浄槽20中でワーク100の表面に再付着した異物を除去することができる。
また、ブラッシングゾーンCでのブラシ洗浄時には、多くの水滴が飛散するが、ワーク100の開口近傍をロールブラシ体72等から遮蔽する遮蔽部材76を備えているために、こうした水滴によってワーク100の開口近傍が汚染されたりワーク保持体30のチャック部材34が汚染されたりすることが回避されている。
なお、ブラッシングゾーンCにおいても、ワーク100を保持していないワーク保持体30は回避ガイドに支持されたままブラッシング装置70の上方を搬送される。
水切りゾーンDでは、ブラッシングされたワーク100の表面に付着した水滴をブロアー80からの送風によって取り除くことができ、さらに、乾燥ゾーンEでは、表面を乾燥し必要に応じて適当な温度にまで予熱して後段における表面加工に備えることができる。
こうして外表面が洗浄されて異物が除去されたワーク100をアンローディングゾーンFで、アンローディング装置90の載置台92へと降ろし、ローダー94の回転によってコンベアまで移送し移載装置96の規制バーによってさらにコンベアへと移載する。表面が清浄化されたワーク100は後段においてコーティング加工や印刷などの表面加工を施すこともできる。ワーク100の表面は洗浄され異物が除去されているため、コーティング剤が均一に付着して均一で密着性に優れるとともに外観の良好なコーティング層を形成することができる。また、ワーク100の表面に印刷加工を施す場合であっても、インク層の密着性に優れ外観の良好な印刷層を形成することができる。
以上の実施形態においては、超音波洗浄装置2について説明したが、本発明は、こうした超音波洗浄装置を備えるガラス製品等の各種製品の製造装置としても実施できる。
なお、本実施形態では、超音波洗浄装置2は、ローディングゾーンA、ブラッシングゾーンC、水切りゾーンD、乾燥ゾーンE及びアンローディングゾーンFを備えるものとしたが、これに限定するものではなく、これらの各種ゾーンは必要に応じて設けられる。ワークの搬送工程に付随して超音波洗浄を実施するには、ローディングゾーンAやアンローディングゾーンFを備えることが好ましく、また、ブラッシングゾーンCは、異物除去を目的とする場合に備えることが好ましい。さらに乾燥ゾーンEは、後段の工程で予熱が必要な場合に備えることが好ましい。
本実施形態では、超音波洗浄槽20のみを設けるものとしたが、超音波洗浄槽20において界面活性剤などを洗浄液Wに添加した場合などにおいては、リンス槽などを設けることができ、こうしたリンス槽についても超音波洗浄槽20と同様に超音波を発振可能とし、ワーク100の駆動も同様にして行うことができる。
本実施形態では、超音波洗浄槽20は、振動板方式のものとしたがこれに限定するものではなく各種方式の振動子を用いることができる。また、本実施形態では、連続発振方式で超音波を発振するものとしたが他の発振方式を使用することもできる。
本実施形態では、本発明のワーク保持手段であるワーク保持体30は、ボトルであるワーク100の開口を密閉して開口近傍をチャックするものとしたが、これに限定するものでなく、ワーク100の形態や被洗浄部分102によって適宜選択することができ、吸引方式等従来公知の保持手段を採用できる。
本実施形態では、本発明のワーク保持体の搬送手段としてレール体40を用いて各種ゾーンにわたってワーク保持体30を搬送するものとしたが、こうした搬送手段は必ず要するものではない。例えば、超音波洗浄をバッチ式で行う場合には、こうした搬送手段は必要ではない。
また、本実施形態では、本発明のワーク保持体の搬送手段としてレール体40を用いるものとしたが、これに限定するものではなく、例えば、チェーンやベルトなども用いることができる。
本実施形態では、本発明の搬送手段であるレール体40を用いてワーク100を超音波洗浄槽20内を搬送しつつ洗浄して超音波洗浄工程を連続的に実施するものとしたが、ワーク100を搬送させることなく定位置においてワーク100を駆動させて洗浄するようにしてもよい。また、バッチ式に一定量のワーク100を一度に超音波洗浄槽20に浸漬させ駆動させることで洗浄してもよい。なお、ワーク100の駆動形態は、本発明の洗浄方法にて既に記載したよう種々の態様から1種又は2種以上を組み合わせて採用することができる。
本実施形態では、各種ゾーンにおいてワーク100に必要な高さを付与するために、本発明の搬送手段であるレール体40の軌跡に高低を設けるものとしたが、これに限定するものではない。一定高さの搬送手段に懸架支持したワーク保持体30の高さに併せて各種ゾーンを設けるようにしてもよい。また、一定高さの搬送手段にワーク保持体30を支持させておき、ワーク保持体30を伸縮可能に設けることもできる。
本実施形態では、本発明の搬送手段であるレール体40に付随して各種のガイドを設けてワーク保持体30の姿勢を保持するものとしたが、これらのガイドは必要に応じて設ければよく、必ず要するものではない。
本実施形態では、ボトル状ワーク100の内表面の洗浄液等による汚染を抑制するために、ワーク100を保持していないワーク保持体30を検出し、こうした空のワーク保持体30を本来のゾーンを回避するように回避ガイドで支持して搬送するようにしたが、こうした回避手段を必ず要するものではない。ワーク100が基板であったり、内表面を有しない部品の場合には、こうした回避手段を特に設ける必要はない。また、本実施形態では、回避ガイドにワーク保持体30を保持させるために、跳ね上げ装置などを用いることとしたが、回避ガイドへこうした空のワーク保持体30を支持させるための装置は、こうした装置に限らず、方向を規制するバー等のものでもよく特に限定しないで適宜選択することができる。
本実施形態によれば、ブラッシング装置70として、ロールブラシ体72を配列させたものを用いたが、これに限定するものはない。ワーク100の形態に応じたブラシ体を用いることができる。また、ブラシ体は必ずしも回転するものに限られない。さらに、ブラッシング装置70において注水ノズル74や遮蔽部材76を用いるものとしたが、これらの有無や形態は適宜変更することができる。また、ローディングゾーンA及びアンローディングゾーンFにおけるローディング装置50及びアンローディング装置90においてもこれらに限定するものではなく、従来公知の形態から適宜選択することができる。水切りゾーンDにおけるブロア80や乾燥ゾーンEにおけるフード82もこれらに限定するものではなく、従来公知の形態から適宜選択することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした一実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明の洗浄方法における洗浄作用を示す図。 超音波洗浄槽の一例を示す図。 ワークを上下運動させて浸漬部分の面積を拡大及び/又は縮小させる態様を示す図。 ワークを揺動運動させて浸漬部分の面積を拡大及び/又は縮小させる態様を示す図。 ワークを回転運動させて浸漬部分の面積を拡大及び/又は縮小させる態様を示す図。 ワークを回転運動させて浸漬部分の面積を変化させることなく異なる部分を浸漬させる態様を示す図。 超音波洗浄装置の一例を示す図。 ワーク保持体の一例を示す図。 ワーク駆動装置の一例を示す図。 ブラッシング装置の一例を示す図。
符号の説明
2 超音波洗浄装置、20 超音波洗浄槽、22 洗浄槽、24 発振器、26 振動子、30 ワーク保持体、32 密閉部材、34 チャック部材、36 ギア、40 レール体、50 ローディング装置、52 載置台、54 ローダー、56 移載装置、60 ワーク駆動装置、62 チェーン、64 ワーク検出装置、70 ブラッシング装置、72 ロールブラシ体、74 注水ノズル、76 遮蔽部材、80 ブロアー、82 フード、90 アンローディング装置、92 載置台、94 アンローダー、96 移載装置、100 ワーク、102 被洗浄部分、104 浸漬部分、A ローディングゾーン、B 超音波洗浄ゾーン、C ブラッシングゾーン、D 水切りゾーン、E 乾燥ゾーン、F アンローディングゾーン、W 洗浄液、W1 洗浄液の液面。

Claims (25)

  1. 超音波洗浄装置であって、
    ワークを保持する保持手段と、
    洗浄液が供給され、供給された洗浄液に対して超音波を発振可能な超音波洗浄槽と、
    保持されたワークの洗浄すべき被洗浄部分における前記洗浄液への浸漬部分を変化させるように前記ワークを動かすワーク駆動手段と、
    を備える、装置。
  2. 前記ワーク駆動手段は、ワークの浸漬部分を拡大及び/又は縮小するようにワークを動かす手段又はワークの浸漬部分の面積を変化させることなくワークを動かす手段である、請求項1に記載の超音波洗浄装置。
  3. 前記ワーク駆動手段は、前記ワークの被洗浄部分の少なくとも一部において前記洗浄液の液面下に浸漬する工程と前記洗浄液の液面上において露出させる工程が繰り返し実行されるように前記ワークを動かす手段である、請求項1又は2に記載の超音波洗浄装置。
  4. 前記ワーク駆動手段は、前記ワークを回転運動、揺動運動又は上下運動させる手段である、請求項1〜3のいずれかに記載の超音波洗浄装置。
  5. 前記ワーク駆動手段は、前記ワークを前記洗浄液の液面に対して斜めに保持して前記ワーク内部の回転軸周りに回転させる手段である、請求項4に記載の超音波洗浄装置。
  6. 前記ワーク駆動手段は、前記超音波洗浄槽内を搬送されるワークを動かす手段である、請求項1〜5のいずれかに記載の超音波洗浄装置。
  7. 前記ワーク駆動手段は、前記ワークを保持するワーク保持手段を駆動して前記ワークを動かす手段である、請求項1〜6のいずれかに記載の超音波洗浄装置。
  8. 前記ワーク駆動手段は、前記ワーク保持手段に備えたギアと係合して前記ワーク保持手段を回転させつつ前記超音波洗浄槽内を移送可能な連続体である、請求項7に記載の超音波洗浄装置。
  9. 前記ワーク保持手段は、複数のワークをそれぞれ保持するように複数個備えられる、請求項1〜8のいずれかに記載の超音波洗浄装置。
  10. 前記ワーク保持手段は、ワークの製造工程から搬送されるワークを個別に順次保持するように備えられる、請求項9に記載の超音波洗浄装置。
  11. さらに、前記ワークを保持したワーク保持手段を前記超音波洗浄槽に搬送するとともに前記超音波洗浄槽から搬出するワーク保持手段の搬送手段を備える、請求項1〜10のいずれかに記載の超音波洗浄装置。
  12. 前記ワーク保持手段の搬送手段は、前記ワーク保持手段の一部を支持するレール体である、請求項11に記載の超音波洗浄装置。
  13. 前記ワークを保持しない前記ワーク保持手段を検出する検出手段と、
    該ワーク保持手段を前記ワーク駆動手段によって駆動されないように支持するガイドと、
    を備える、請求項1〜12のいずれかに記載の超音波洗浄装置。
  14. さらに、超音波洗浄槽の後段に前記ワークのブラッシング手段を備える、請求項1〜13のいずれかに記載の洗浄装置。
  15. さらに、前記ブラッシング手段の後段に前記ワークの乾燥手段を備える、請求項14に記載の超音波洗浄装置。
  16. 前記ワークはボトルであって、前記ワーク保持手段は、前記ボトルの開口を塞ぐようにして保持する手段である、請求項1〜15のいずれかに記載の超音波洗浄装置。
  17. 前記ワークはガラス製である、請求項1〜16のいずれかに記載の超音波洗浄装置。
  18. ガラス製品の製造装置であって、
    請求項1〜16のいずれかに記載の超音波洗浄装置を備える、製造装置。
  19. 超音波洗浄方法であって、
    ワークの洗浄すべき被洗浄部分のうち、超音波洗浄槽における洗浄液への浸漬部分を変化させつつ超音波洗浄する洗浄工程を備える、洗浄方法。
  20. 前記洗浄工程は、前記ワークを回転運動、揺動運動又は上下運動させる工程である、請求項19に記載の洗浄方法。
  21. 前記洗浄工程は、前記ワークを前記超音波洗浄槽内を一定方向に搬送しながら超音波洗浄する工程である、請求項19又は20に記載の洗浄方法。
  22. 複数個のワークを個別かつ連続的に前記洗浄工程に供給し、前記洗浄工程から個別かつ連続的にワークを搬出する、請求項19〜21のいずれかに記載の洗浄方法。
  23. 表面が清浄化された製品の製造方法であって、
    製品表面の、超音波洗浄槽における洗浄液への浸漬部分を変化させつつ超音波洗浄して前記表面を洗浄する洗浄工程を備える、製造方法。
  24. 前記洗浄工程の後段には、表面が洗浄された製品の表面を加工する表面加工工程を備える、請求項23に記載の製造方法。
  25. 前記製品はガラス製品である、請求項23又は24に記載の製造方法。
JP2005255462A 2005-09-02 2005-09-02 超音波洗浄装置、超音波洗浄方法及び洗浄された製品の製造方法 Pending JP2007069052A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005255462A JP2007069052A (ja) 2005-09-02 2005-09-02 超音波洗浄装置、超音波洗浄方法及び洗浄された製品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005255462A JP2007069052A (ja) 2005-09-02 2005-09-02 超音波洗浄装置、超音波洗浄方法及び洗浄された製品の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007069052A true JP2007069052A (ja) 2007-03-22

Family

ID=37930974

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005255462A Pending JP2007069052A (ja) 2005-09-02 2005-09-02 超音波洗浄装置、超音波洗浄方法及び洗浄された製品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007069052A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009202052A (ja) * 2008-02-26 2009-09-10 Nec Access Technica Ltd 携帯端末機器用の自動洗浄システム
CN102489471A (zh) * 2011-12-20 2012-06-13 深圳市华测检测技术股份有限公司 进样瓶的清洗方法
CN102886361A (zh) * 2012-10-23 2013-01-23 长江航道规划设计研究院 超声洗杯机
CN106423997A (zh) * 2016-09-06 2017-02-22 广西南宁市邕检科技有限公司 一种超声波清洗机
JP7655603B1 (ja) 2024-07-19 2025-04-02 株式会社エスケーファイン 洗浄方法および洗浄装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5243577A (en) * 1975-09-29 1977-04-05 Hitachi Shipbuilding Eng Co Ultrasonic wave bottle washer
JPH0596259A (ja) * 1991-10-09 1993-04-20 Eisai Co Ltd 容器の洗浄装置
JPH1172892A (ja) * 1997-08-29 1999-03-16 Fuji Photo Film Co Ltd 容器洗浄方法及び処理剤容器
JP2001137800A (ja) * 1999-08-05 2001-05-22 Hitachi Electronics Eng Co Ltd 基板処理装置及び処理方法
JP2005142309A (ja) * 2003-11-05 2005-06-02 Icf Kk 基板の洗浄方法、洗浄装置および洗浄システム

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5243577A (en) * 1975-09-29 1977-04-05 Hitachi Shipbuilding Eng Co Ultrasonic wave bottle washer
JPH0596259A (ja) * 1991-10-09 1993-04-20 Eisai Co Ltd 容器の洗浄装置
JPH1172892A (ja) * 1997-08-29 1999-03-16 Fuji Photo Film Co Ltd 容器洗浄方法及び処理剤容器
JP2001137800A (ja) * 1999-08-05 2001-05-22 Hitachi Electronics Eng Co Ltd 基板処理装置及び処理方法
JP2005142309A (ja) * 2003-11-05 2005-06-02 Icf Kk 基板の洗浄方法、洗浄装置および洗浄システム

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009202052A (ja) * 2008-02-26 2009-09-10 Nec Access Technica Ltd 携帯端末機器用の自動洗浄システム
CN102489471A (zh) * 2011-12-20 2012-06-13 深圳市华测检测技术股份有限公司 进样瓶的清洗方法
CN102886361A (zh) * 2012-10-23 2013-01-23 长江航道规划设计研究院 超声洗杯机
CN102886361B (zh) * 2012-10-23 2015-04-22 长江航道规划设计研究院 超声洗杯机
CN106423997A (zh) * 2016-09-06 2017-02-22 广西南宁市邕检科技有限公司 一种超声波清洗机
JP7655603B1 (ja) 2024-07-19 2025-04-02 株式会社エスケーファイン 洗浄方法および洗浄装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2004100241A1 (ja) 洗浄装置、洗浄システム及び洗浄方法
KR20080022170A (ko) 기판세정장치 및 기판세정방법
CN1908819A (zh) 显影处理装置以及显影处理方法
US10773425B2 (en) Imprint template manufacturing apparatus and imprint template manufacturing method
JP5248455B2 (ja) マスククリーニング装置
KR20080093376A (ko) 기판 처리 장치
JP2003104544A (ja) 方形基板の湿式処理装置
CN108906735A (zh) 一种转印板清洗装置
JP2007069052A (ja) 超音波洗浄装置、超音波洗浄方法及び洗浄された製品の製造方法
CN1407378A (zh) 液体处理装置和液体处理方法
JP2010114123A (ja) 基板処理装置及び基板洗浄方法
JP4028406B2 (ja) 現像処理方法及び現像処理装置
JP3124241B2 (ja) 金属材料の表面清浄化方法とその装置
JP2008012374A (ja) 塗装方法および塗装装置
KR101250981B1 (ko) 금속전극패턴 제조방법 및 제조장치
KR20100130951A (ko) 기판 액처리 장치, 기판 액처리 방법, 및 기판 액처리 프로그램을 저장한 기억 매체
JP2004281978A (ja) キャリアボックスの自動洗浄装置および自動洗浄方法
JP2004319547A (ja) 物品の自動搬送水切り装置および自動搬送水切り方法、並びに物品の自動洗浄装置及び自動洗浄方法
JPH0758070A (ja) 洗浄装置
JPH09148293A (ja) 洗浄方法及び洗浄装置
JPS6082512A (ja) 自動洗浄装置の板状ワ−ク保持搬送方法及び装置
JP2000111254A (ja) ディスク用カセットの乾燥装置
JP4851776B2 (ja) 液体ホーニング加工機及び液体ホーニング加工方法
JPH024986A (ja) 基板の表面処理方法
JP2000129471A (ja) 基板処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080709

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100604

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100810

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101214