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JP2007067654A - 通信システム及び通信装置 - Google Patents

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JP2007067654A
JP2007067654A JP2005249407A JP2005249407A JP2007067654A JP 2007067654 A JP2007067654 A JP 2007067654A JP 2005249407 A JP2005249407 A JP 2005249407A JP 2005249407 A JP2005249407 A JP 2005249407A JP 2007067654 A JP2007067654 A JP 2007067654A
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Abstract

【課題】 時分割多重方式による通信システムにおいて、伝送帯域の使用率の低下を防ぎつつ、イベント送信の即時性を実現する。
【解決手段】 時分割多重方式による通信システムの通信周期(サイクル)が5つのタイムスロットを有し、このうち第1スロットTS1〜第4スロットTS4の4つのタイムスロットはそれぞれ4つのノードA,ノードB,ノードC,ノードDの定期送信用に割り当てられ、第5スロットTS5は再送用スロットとして割り当てられている。第3スロットTS3にて、ノードBでのイベントデータb2発生によりそのイベント送信とノードCからの定期送信とが衝突すると、調停が行われ、調停に勝ったノードBがそのままイベント送信を継続する。調停負けしたノードCは、第3スロットTS3で本来送信するはずであった定期データc1を、再送用スロットとしての第5スロットにて送信する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、共通の伝送路を介して相互に接続された複数の通信ノードが時分割多重方式によってデータ通信を行うよう構成された通信システム、およびその通信システムを構成する通信ノードとしての通信装置に関する。
従来より、複数の通信ノードが共通の伝送路を介して接続され、時分割多重方式によって相互に通信可能に構成された通信システム(以下「時分割多重通信システム」と略す)が知られている。
この時分割多重通信システムは、図14に示すように、一定の通信周期(図14ではt0〜t4が一周期)毎に区切られた通信周期内において、当該通信システムの時間割り当て規則に従って各通信ノード(以下単に「ノード」ともいう)に送信可能時間割当て(タイムスロット割当て)を行うことで、各ノードの送信機会を時間固定することを特徴とする通信システムである。つまり、各ノードから見れば一定周期の時間毎に送信する機会が与えられることを意味する。
図14では、ノードとしての4つのノードA,ノードB,ノードC及びノードDが、それぞれ、通信周期内における4つのタイムスロットのいずれかにて送信機会が与えられた例を示している。即ち、一つの通信周期が4つのタイムスロットに区分され、このうち第1スロットではノードAがデータa1を、第2スロットではノードBがデータb1を、第3スロットではノードCがデータc1を、第4スロットではノードDがデータd1を、それぞれ送信するよう割り当てられている。
ところで、時分割多重通信システムにおいてノードが送信するデータには、主として、割り当てられたタイムスロットで定期的に送信するデータ(以下「定期データ」ともいう)と、任意のタイミングで発生するデータ(以下「イベントデータ」ともいう)の二種類が知られている。図14では、説明の簡略化のため4つのノードA,B,C,Dがいずれも定期送信(つまり定期データa1,b1,c1,d1の送信)のみを行うものとして説明したが、実際には、複数のノードのうちいずれかがイベント送信(つまりイベントデータの送信)も行う場合がある。
イベント送信は、定期送信に比べ、発生頻度は著しく低いものの即時性を要するデータである場合が多い。そのため、あるノードにおいてイベントデータが発生した場合は、他の定期送信よりも優先的に、できる限り早くそのイベントデータが送信されて他のノードにて受信されること、即ちイベント送信の即時性が優先されることが望ましい。
そこで、イベント送信の即時性を優先するための方法として、イベント送信を便宜的に定期送信として取り扱い、通信周期内に高頻度で複数のイベント送信用のタイムスロットを割り当てる方法が知られている。具体的には、図15に示すように、ノードBが定期データの送信に加えてイベントデータも送信するよう構成されており、このイベントデータの即時性を優先するために、各ノードA,B,C,Dの定期送信用に割り当てられている第1スロット,第3スロット,第5スロット及び第7スロットの各々の直後に、ノードBからのイベントデータを送信するためのタイムスロット(第2スロット,第4スロット,第6スロット及び第8スロット)が割り当てられている。このようにすることで、ノードBは、当該ノードBのイベント送信用に設けられた4つのタイムスロットのいずれかを用いてイベントデータを送信できるため、イベントデータが発生してから実際に伝送路上へ送出されるまでの時間を短くでき、イベント送信の即時性を確保することができる。
しかし、上記のようにイベント送信用のタイムスロットを割り当てる方法では、定期送信に比べて著しく発生頻度が低く、且つ、いつ何時発生するかわからないようなイベントデータの送信のために、イベント送信用の複数のタイムスロットを通信周期全体に渡って固定的に割り当てることになるため、伝送帯域の使用率(単位時間当たりの送信可能なデータ量)の低下を招くという問題がある。
一方、別の方法として、通信周期内において、各ノードの定期送信用のタイムスロットが割り当てられた定期送信用時間領域(Static Segment)と、その定期送信用時間領域の後にイベント送信用のタイムスロットが割り当てられたイベント送信用時間領域(Dynamic Segment )とを設定する方法も知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
この方法を、上述したような、4つのノードのうちノードBがイベント送信も行うよう構成された時分割多重通信システムに適用すると、図16に示すようになる。即ち、図14と同様に各ノードA〜D毎に第1スロット〜第4スロットが順次割り当てられているのに加え、通信周期内の最後に第5スロットが設けられている。この第5スロットは、ノードBからのイベント送信のためのイベント送信用スロットとして設けられている。
このようにすることで、ノードBは、イベントデータb2が発生した場合、第5スロットにてそのイベントデータb2を送信することができる。しかも、ノードBのイベント送信用として一つのタイムスロット(第5スロット)が設けられているだけであるため、上述した図15のように通信周期内に複数のタイムスロットを設ける場合に比べ、通信周期を短縮化でき、伝送帯域の使用率低下を抑制することができる。
FlexRay通信仕様書「FlexRay International Workshop − Protocol Overview 」、第8頁(Protocol timing )、[online]、[平成17年7月27日検索]、インターネット<URL:http://www.flexray.com/products/protocol%20overview.pdf>
しかしながら、上記非特許文献1に開示された方法、即ち図16に例示した方法だと、通信周期の延伸を抑制することはできるものの、イベント送信の即時性は必ずしも実現できるものではない。例えば、通信周期内におけるタイミングt4でイベントデータが発生した場合は、第5スロットにてすぐにそのイベントデータを送信できるが、t4よりも前でイベントデータが発生した場合は、t4までの時間が長いほど、そのイベントデータの送信タイミングが遅くなってイベント送信の即時性が実現できなくなるのである。
つまり、イベント送信の即時性を優先すべく図15のようにイベント送信用のタイムスロットを一定間隔で複数設けると、即時性は実現できるものの伝送帯域の使用率が低下し、逆に伝送帯域の使用率低下を抑制すべく図16のようにイベント送信用のタイムスロットを通信周期内の最後部に一つ設けると、伝送帯域の使用率の低下は可能になるもののイベント送信の即時性が必ずしも実現できないのである。
しかも、図15の例における伝送帯域の使用率低下は、イベント送信するノードが多いほど顕著となる。例えば、ノードBに加えてノードAもイベント送信を行う場合は、ノードAに対しても、ノードBと同様にイベント送信用の複数(本例では4つ)のタイムスロットを設ける必要がある。つまり、定期送信用のタイムスロットが合計4つであるのに対し、イベント送信用のタイムスロットだけでも合計8つとなり、伝送帯域の使用率が著しく低下してしまう。
また、図16の例においても、時分割多重通信システムを構成するノードの数が多いほど、イベント送信の即時性実現が困難となる。例えば、ノードが図16の例(4つ)よりも多くなればなるほど、通信周期の開始タイミングt0からイベント送信用のタイムスロットまでの時間間隔が長くなる。そのため、イベントデータの発生タイミングが通信周期開始タイミングt0に近いほど、そのイベントデータが発生してから実際に伝送路上へ送出されるまでの時間間隔が長くなるのである。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、イベント送信を行うノードを含む複数のノードが共通の伝送路を介して時分割多重方式にてデータ通信を行うにあたり、伝送帯域の使用率の低下を防ぎつつ、イベント送信の即時性を実現することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、複数の通信ノードが共通の伝送路を介して相互に接続され、各通信ノードの一部又は全部が一定周期毎の通信周期においてその通信ノード毎に予め割り当てられた通信時間領域内で順次データを送信する時分割多重方式によって、各通信ノードがデータ通信を行うようよう構成された通信システムである。
本発明の通信システムでは、通信周期が、各通信時間領域のうち最後の通信時間領域の後に、更に、一定時間長の時間領域である予備用時間領域を少なくとも一つ有している。また、各通信ノードの少なくとも一つは、各通信時間領域内でそれぞれ対応する通信ノードが定期的に送信するデータである定期データとは異なって不規則的に生成されるデータである非定期データを、その生成後最初のいずれかの時間領域(通信時間領域又は予備用時間領域)において送信可能な、非定期データ送信ノードとして構成されている。
そして、いずれかの通信時間領域において、当該通信時間領域に対応した通信ノードからの定期データの送信と非定期データ送信ノードからの非定期データの送信とが共に発生するデータ衝突が生じた場合、該非定期データ送信ノードは非定期データの送信を継続し、該通信ノードは、当該通信時間領域内での定期データの送信を中止して、代わりに当該通信時間領域より後のいずれかの時間領域にてその定期データを送信する。
即ち、非定期データ送信ノードは、非定期データが生成されてそれを送信しようとするときは、その生成後最も早く到来する時間領域(通信時間領域又は予備用時間領域)にて送信可能である。一方、定期データの送信を行う通信ノードは、自身に対応した(割り当てられた)通信時間領域において他の非定期データ送信ノードから非定期データの送信がなされた場合は、その通信時間領域での定期データの送信を中止する。そして、その通信時間領域よりも後のいずれかの時間領域にてその定期データを送信するのである。
予備用時間領域の数は適宜決めればよく、例えば、非定期データ送信ノードの数に応じて設けたり、或いは、一つの通信周期内において発生する可能性のある非定期データの数に応じて設けたりすることができる。つまり、図15に例示したように定期データ送信用の通信時間領域(図15では第1,第3,第5,第7スロット)以外に非定期データ送信ノード(図15ではノードB)一つにつき別途複数の時間領域(図15では第2,第4,第6,第8スロット)を設ける必要はない。また、予備用時間領域の時間長も適宜決めればよく、例えば、他の通信時間領域と同じ時間長としてもよいし、それよりも長い時間長としてもよい。
従って、本発明(請求項1)の通信システムによれば、非定期データが生成されたときはすぐに、即ちその生成後最も早い時間領域において、その非定期データが送信されるため、非定期データの送信の即時性が実現される。しかも、それを実現するために設ける予備用時間領域は、必要に応じて適宜設ければよいため、伝送帯域の使用率の低下も必要最小限に留めることができる。
なお、本発明の通信システムにおいて、非定期データ送信ノードとしては、例えば、非定期データの送信のみを行う通信ノードである場合や、定期データの送信に加えて非定期データの送信も行う通信ノードである場合などが考えられる。逆に、非定期データの送信を行わない通信ノードとしては、例えば、単に定期データの送信を行う通信ノードのほか、定期データの送信も行わず単に伝送路上のデータの受信のみを行う通信ノードなども考えられる。
また、本発明の通信システムは、他の異なる通信システムと相互にデータ通信できるよう構成されたものであってもよい。その場合、例えば、当該通信システムを構成する一又は複数の通信ノードを、当該通信システムとその異なる通信システムとのデータ通信を中継する機能を備えたもの(中継ノード)として構成すればよい。通信システムがこのように構成されている場合、この中継ノードは、異なる通信システムから当該通信システムへの定期データの送信、或いは、異なる通信システムから当該通信システムへの非定期データの送信を行うものとして構成することができる。
データ衝突によって定期データの送信が中止された場合は、例えば請求項2に記載のように、定期データの送信を中止した通信ノードが予備用時間領域にてその定期データを送信するようにしてもよいし、また例えば、請求項3に記載のように、データ衝突が生じた通信時間領域以後の通信時間領域に対応した各通信ノードが、それぞれ、自身に対応した通信時間領域の次の(直後の)いずれかの時間領域にて定期データの送信を行うようにしてもよい。
即ち、前者(請求項2)の場合は、定期データの送信が中止された通信ノードのみがその定期データを予備用時間領域にて送信することとなり、後者(請求項3)の場合は、定期データの送信が中止された通信時間領域以後の各通信時間領域に対応した通信ノードがそれぞれ、自身に割り当てられた通信時間領域の次の時間領域において定期データを送信することとなる。そのため、後者の場合、複数の通信時間領域のうち最後の通信時間領域に対応した通信ノードは、その次の時間領域、即ち予備用時間領域(複数ある場合は一つめの予備用時間領域)にて定期データの送信を行うこととなる。
いずれの場合も、予備用時間領域を利用することで、データ衝突によって定期データの送信が中止された通信ノードはもちろん、そのデータ衝突後に定期データを送信すべき全ての通信ノードも確実に定期データの送信を行うことができる。
なお、請求項2のようにデータ衝突によって送信中止された定期データを予備用時間領域で送信させるか、或いは、請求項3のようにデータ衝突が生じた通信時間領域以後に割り当てられた各通信ノードがそれぞれ次の時間領域にて定期データの送信を行う(つまり送信する時間領域を一つずつ繰り下げる)かを、選択的に設定できるようにしてもよい。例えば、非定期データにいずれか一方を指定する情報を付加することで、その非定期データを受信した各通信ノードは、その後どのような順序で各通信ノードからのデータ送信が行われるのかを判断できるようにすることができる。
非定期データ送信ノード以外の他の通信ノードは、自身に対応した通信時間領域において定期データを送信する際にデータ衝突が生じたかどうかを種々の方法で判断することができるが、例えば請求項4記載のように、非定期データ送信ノードは非定期データを送信する際に非定期データである旨を示す識別子をその非定期データに付加して送信するようにし、非定期データ送信ノード以外の他の通信ノードは、対応する通信時間領域において識別子を受信した場合に、データ衝突が生じた(即ち、非定期データが送信された)ものとして、当該通信時間領域での定期データの送信を中止するようにしてもよい。
このように、識別子の有無を判断することで、非定期データが送信されたか否かを確実に判断することができ、それに基づいて自身の定期データの送信中止を確実に行うことができる。これにより、非定期データ送信ノードは非定期データの送信を確実に行うことができ、非定期データの即時性をより確実に実現できる。
ここで、非定期データ送信ノードが複数ある場合は、同じ時間領域において複数の非定期データの送信がなされることもあり得る。
そこで、少なくとも2つ以上の通信ノードが非定期データとして構成されている場合は、例えば請求項5に記載のように、非定期データ送信ノードは、いずれかの時間領域において非定期データを送信する際、その非定期データの優先度を示す第1重み付けデータを伝送路上に送出すると共に伝送路上を流れているデータを受信するようにし、自身が送出した第1重み付けデータよりも優先度の高い第1重み付けデータを受信したときは、当該時間領域での非定期データの送信を中止して次のいずれかの時間領域にてその非定期データを送信するようにするとよい。
つまり、同じ時間領域内で非定期データどうしが衝突した場合は、その送信元の非定期データ送信ノードがそれぞれ、自身の第1重み付けデータと伝送路上から受信した第1重み付けデータとを比較し、受信した第1重み付けデータが自身の第1重み付けデータよりも優先度が高くない場合に、非定期データの送信を行うのである。
そして、自身の優先度の方が低かった場合は、その時間領域での送信は中止し、その次の時間領域にて再びその非定期データの送信を行うのである。そのため、結果として、複数の非定期データは連続する複数の時間領域にて順次送信されることとなる。
そのため、非定期データどうしの衝突が生じても、衝突した各非定期データがそれぞれ、送信時期の即時性を実現しつつ順次確実に送信される。
ところで、定期データの種類によっては、非定期データよりも優先的に送信すべき場合も考えられる。より具体的には、自身の定期データと他の非定期データとが衝突したときに、その衝突した各データの種類によっては相対的に定期データの方を優先させるべき場合が考えられる。
そこで、上述した請求項5記載の通信システムは、さらに、例えば請求項6記載のように、定期データの送信を行う各通信ノードも、定期データを送信する際にその定期データの優先度を示すデータとしての第2重み付けデータを伝送路上に送出すると共に伝送路上を流れているデータを受信するよう構成されているとよい。そして、非定期データ送信ノードは、いずれかの時間領域において非定期データを送信する際、自身が送出した第1重み付けデータよりも優先度の高い第2重み付けデータを受信したときは、当該時間領域での非定期データの送信を中止して次のいずれかの時間領域にてその非定期データを送信するようにし、定期データの送信を行う各通信ノードは、対応する通信時間領域において定期データを送信する際にデータ衝突が生じても、自身が送出した第2重み付けデータよりも優先度の高い第1重み付けデータを受信しなかったならば、当該通信時間領域におけるその定期データの送信を継続するようにするとよい。
つまり、非定期データおよび定期データのいずれにも、その優先度を示す重み付けデータが付加されるのである。そして、データ衝突が生じた場合、無条件に非定期データが優先されてその送信が行われるのではなく、双方の重み付けデータが比較された上で、優先度の高い方のデータの送信が行われる。
このようにすることで、非定期データとその非定期データよりも優先度の高い定期データとのデータ衝突が発生した場合、定期データが優先されて先に送信されるため、真に即時性を実現すべきデータに対してそれを迅速に送信させることができる。
次に、請求項7記載の発明は、請求項1記載の通信システムにおいて、前記定期データの送信を行う通信ノードとして用いられる通信装置であって、割り当てられた通信時間領域において定期データの送信を行う送信手段と、伝送路上を流れているデータを受信する受信手段と、送信手段が対応する通信時間領域において定期データの送信を行う際、受信手段にて非定期データが受信されたか否かを判定する非定期データ有無判定手段とを備える。
そして、送信手段は、非定期データ有無判定手段にて非定期データが受信されたと判定された場合は、定期データの送信を中止し、代わりにその通信時間領域より後の何れかの時間領域にてその定期データの送信を行う。
このように構成された通信装置によれば、定期データの送信時、非定期データ有無判定手段によって非定期データの受信が判定されたときはその定期データの送信が中止されるため、非定期データの送信を妨げることがない。そのため、請求項1記載の通信システムを構築することができ、その場合、請求項1と同様の作用、効果を得ることができる。
この場合さらに、例えば請求項8記載のように、非定期データには、上記データ衝突の発生によって定期データの送信が中止される通信ノード、又は、その通信ノード及び同じ通信周期内でその通信ノードの後に定期データの送信を行う各通信ノードに対して、定期データの送信をいずれの時間領域で行うべきかを示す送信タイミング再設定情報が付加されており、また、受信手段にて受信されたデータの中から送信タイミング再設定情報を取得する再設定情報取得手段を備え、送信手段は、再設定情報取得手段にて送信タイミング再設定情報が取得された場合、その送信タイミング再設定情報が、当該通信装置自身に対して定期データの送信を行う通信時間領域を変更すべき旨の情報であったならば、その情報により示されたいずれかの時間領域にて定期データの送信を行うようにするとよい。
つまり、非定期データとの衝突によって送信が中止された定期データ或いはその定期データの送信が中止された時間領域以後の各時間領域に対応した各通信ノードからの定期データをどの時間領域で送信するかを、非定期データに付加されていた送信タイミング再設定情報に基づいて判断するのである。
そのため、例えば、送信タイミング再設定情報が、データ衝突によって定期データの送信が中止された通信ノードに対して予備用時間領域にて再び送信すべき旨の情報であったならば、その通信ノードは、予備用時間領域にて定期データを再送することができる。
また例えば、送信タイミング再設定情報が、データ衝突が生じた通信時間領域以後に定期データの送信を行う各通信ノードに対してそれぞれ送信する時間領域を一つずつ繰り下げるべき(本来送信すべき通信時間領域の次の時間領域にて送信すべき)旨の情報であったならば、その対象となる各通信ノードはそれぞれ、その送信タイミング再設定情報に基づいて、本来送信すべき通信時間領域の次の時間領域にて定期データの送信を行うことができる。
なお、送信タイミング再設定情報が自身に直接関係しない(つまり、自身の定期データの送信タイミングを変更すべき旨の情報ではない)場合も、その送信タイミング再設定情報を取得(受信)することで、データ衝突が生じた後の各時間領域においてそれぞれどの通信ノードが定期データの送信を行うかを認識することができる。そのため、データ衝突が生じても、各通信ノードからの定期データを確実に取得することができる。
次に、請求項9記載の発明は、請求項1記載の通信システムにおいて、非定期データ送信ノードとして用いられる通信装置であって、非定期データに、データ衝突の発生によって定期データの送信が中止される通信ノード、又は、その通信ノード及び同じ通信周期内でその通信ノードの後に定期データの送信を行う各通信ノードに対して、定期データの送信をいずれの時間領域で行うべきかを示す送信タイミング再設定情報を付加する再設定情報付加手段と、その再設定情報付加手段によって送信タイミング再設定情報が付加された非定期データの送信を行う送信手段と、伝送路上を流れているデータを受信する受信手段とを備えたものである。
このように構成された通信装置によれば、非定期データの送信によって定期データの送信が中止された通信ノード、或いはデータ衝突が生じた通信時間領域以後の各通信時間領域に対応した各通信ノードに対し、定期データの送信をどの時間領域で送信すべきかを確実に指示することができる。
また、データ衝突が生じる前にすでに定期データの送信を行った通信ノードにおいても、データ衝突の発生時に送信タイミング再設定情報を受信することで、その後にどの通信ノードがどの時間領域で定期データの送信を行うかを認識することができ、その送信(その定期データの受信)に確実に備えることができる。
なお、定期データの送信と非定期データの送信を共に行う通信ノードにおいては、請求項8および請求項9の構成を共に備えたものとなる。ただしその場合、定期データ及び非定期データの送信は共通の送信手段にて行い、伝送路上のデータ受信についても共通の受信手段で行うように構成するとよい。
そして、上述した請求項7〜9いずれかに記載の通信装置は、さらに例えば請求項10記載のように、送信手段が送信するデータ(定期データあるいは非定期データ)に対してその優先度を示す重み付けデータを付加する重み付け付加手段と、送信手段による送信の開始後、自身が送信した重み付けデータと受信手段にて受信された重み付けデータの優先度を比較する優先度比較手段とを備え、送信手段は、優先度比較手段による比較の結果、受信手段にて受信された重み付けデータよりも自身の送信した重み付けデータの方が優先度が高い場合は送信を継続し、受信手段にて受信された重み付けデータの方が自身の送信した重み付けデータよりも優先度が高い場合は送信を中止するものとして構成してもよい。
通信装置をこのように構成することで、データ衝突が生じた場合、無条件に非定期データが優先されてその送信が行われるのではなく、双方の重み付けデータが比較された上で、優先度の高い方のデータの送信が行われるようになる。そのため、真に即時性を実現すべきデータに対してそれを迅速に送信させることができる。
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1に、本実施形態の通信システムの概略構成を示す。図1(a)に示す如く、本実施形態の通信システム10は、4つのノード、即ち、ノードA11、ノードB12、ノードC13、ノードD14が共通の伝送路16を介して相互に接続されて構成されている。
このうち、ノードA11の構成は図1(b)に示す通りであり、伝送路16と直接接続されて、伝送路16へのデータ送出を行うと共に伝送路16上を流れるデータを受信するトランシーバ22(本発明の受信手段に相当)と、トランシーバ22にて送受信されるデータについて各種制御を行うマイクロコンピュータ21とを備えている。
マイクロコンピュータ21は、所定の制御処理(例えばデータ送信・受信に関わる各種処理)を行うために周知のCPUやROM、RAM等から構成される制御部26、制御部26から他のノードへの送信データを当該通信システム10の通信プロトコルに従って処理(各種ヘッダ等の付加など)すると共に他のノードからトランシーバ22及び受信バッファ29を介して入力された受信データを通信プロトコルに従って処理し制御部26へ出力する通信コントローラ27、通信コントローラ27にて処理された送信データを送信タイミングまで一時的に格納しておく送信バッファ28、トランシーバ22にて受信された受信データを一時的に格納しておく受信バッファ29、などにより構成される。
他のノード(ノードB12,ノードC13,ノードD14)についても、ハード構成自体は基本的に同じであるため、これらについての内部構成の説明は省略する。
このように構成された本実施形態の通信システム10は、各ノード11,12,13,14が、一定周期毎に区切られたサイクル(本発明の通信周期に相当)において各ノード11,12,13,14毎に予め割り当てられたタイムスロット(本発明の通信時間領域に相当)内で順次データを送信する時分割多重通信方式によって相互にデータ通信を行う、時分割多重通信システムとして構成されている。
具体的には、図3又は図4に示すように、通信の1周期である一つのサイクルが、5つのタイムスロット(第1スロットTS1、第2スロットTS2、第3スロットTS3、第4スロットTS4、第5スロットTS5)に区分されている。そして、第1スロットTS1はノードA11が、第2スロットTS2はノードB12が、第3スロットTS3はノードC13が、第4スロットTS4はノードD14が、それぞれ定期データ送信用のスロットとして予め固定的に割り当てられている。なお、図3及び図4に示した状態では、第3スロットTS3において、対応するノードC13からの定期データc1ではなくノードB12からのデータが送信されているが、これについては後で詳述する。
このように、各ノード11,12,13,14は、それぞれ割り当てられたタイムスロットにおいて定期送信(定期データの送信)を行うのであるが、ノードB12は、第2スロットTS2での定期送信に加え、不規則的に生成されるイベントデータb2の送信(イベント送信)も行う。イベントデータb2は本発明の非定期データに相当するものであり、このイベントデータb2の送信を行うノードB12は本発明の非定期データ送信ノードに相当するものである。
そして、ノードB12にてイベントデータが生成されたときに、その生成後最初のタイムスロットにおいて、そのタイムスロットが割り当てられたノードからの定期送信に代えてノードB12がイベントデータを送信する。一方、そのイベントデータが送信されたタイムスロットにおいて本来定期送信をするはずであったノードは、そのイベント送信が行われたタイムスロットの次のタイムスロット以後に定期データを送信する。
これを実現するために、通信周期における、定期送信用に割り当てられた4つのタイムスロット(第1スロットTS1、第2スロットTS2、第3スロットTS3、第4スロットTS4)のうち最後の第4スロットTS4の後に、更に、同じ時間長のタイムスロットである第5スロットTS5(本発明の予備用時間領域に相当)を有している。
そして、本実施形態では、イベント送信によって定期データの送信が中止された場合にその定期データを再び送信させるための方式として、単一データ再スケジュール方式(図3参照)と、全体再スケジュール方式(図4参照)との2種類の方式を有する。
このうち単一データ再スケジュール方式は、図3に例示したように、イベント送信の発生によって送信できなかった定期データを第5スロットTS5にて再送する方式である。そのため、この方式では第5スロットTS5は再送用スロットとして機能する。
ここで、図3に基づいて、単一データ再スケジュール方式による通信スケジュールの具体例を説明する。
図3に示すように、第1スロットTS1は、時刻t0に開始されて時刻t1で終了し、ノードA11の定期送信用であると共にノードB12のイベント送信も可能なタイムスロットとして割り当てられる。ここではノードB12のイベントデータが発生していないため、第1スロットTS1内では、対応するノードA11が定期データa1を送信する。
第2スロットTS2は、時刻t1に開始されて時刻t2で終了し、ノードB12の定期送信用であると共に当該ノードB12のイベント送信も可能なタイムスロットとして割り当てられる。ここではノードB12のイベントデータが発生していないため、この第2スロットTS2内では、対応するノードB12が定期データb1を送信する。
第3スロットTS3は、時刻t2に開始されて時刻t3で終了し、ノードC13の定期送信用であると共にノードB12のイベント送信も可能なタイムスロットとして割り当てられる。ここでは、ノードB12にてイベントデータb2が生成されたため、ノードB12のイベント送信(イベントデータb2)と、ノードC13の定期送信(定期データc1)が調停を行う。この調停の詳細な内容については後述する。
調停の結果、この第3スロットTS3内では、ノードC13は定期データc1の送信を中止し、ノードB12がイベントデータb2の送信をそのまま継続する。つまり、イベントデータb2が優先されたわけである。一方、この第3スロットTS3にて調停負けしたノードC13は、この第3スロットTS3での定期データc1の送信を中止すると共に、再送用スロットとして設けられた第5スロットTS5で定期データc1を送信することを認識する。この認識は、イベントデータのヘッダとして付加された調停後処理部の内容に基づいて行われるが、その詳細は後述する。
第4スロットTS4は、時刻t3に開始されて時刻t4で終了し、ノードD14の定期送信用であると共にノードB12のイベント送信も可能なタイムスロットとして割り当てられる。ここではノードB12のイベントデータが発生していないため、この第4スロットTS4内は、対応するノードD14が定期データd1を送信する。
第5スロットTS5は、時刻t4に開始され時刻t5で終了し、第3スロットTS3において調停動作により送信できなかった、ノードC13の定期データc1の送信が可能なタイムスロットとして割り当てる。そのため、この第5スロットTS5においては、ノードC13が定期データc1を送信する。
上記各スロットTS1〜TS5からなる通信周期が繰り返されることにより、本実施形態の時分割多重方式による通信が成立する。なお、サイクル中(通信周期中)にイベントデータが発生しなかった場合は、第3スロットTS3において対応するノードC13からの定期データc1の送信が行われ、第5スロットTS5ではデータ送信は行われないこととなる。
図3はあくまでも一例であり、例えば第1スロットTS1にてイベントデータb2が生成された場合は、このイベントデータb2とノードA11からの定期データa1との間で調停が行われる。その結果、この第1スロットTS1で本来定期送信を行うはずであったノードA11は、調停負けによってこの第1スロットTS1での定期データa1の送信を中止し、代わりに第5スロットTS5にて送信することとなる。このように、各ノード11,12,13,14は、対応するタイムスロットにおいてイベント送信が発生したことにより定期送信を行うことができなかった場合は、第5スロットTS5にてその再送を行うのである。
一方、全体再スケジュール方式による通信スケジュールの具体例は、図4に示す通りであり、第3スロットTS3にてイベント送信が行われることまでは、図3の単一データ再スケジュール方式と同様である。単一データ再スケジュール方式と異なるのは、イベント送信が行われた後の通信スケジュールにある。
即ち、この全体再スケジュール方式では、あるタイムスロットにてイベント送信が行われた場合は、そのタイムスロット以後の各スロットにおいて定期データの送信を行う各ノードは、それぞれ、定期送信を行うタイムスロットを本来のタイムスロットの次のタイムスロットへと繰り下げる。
そのため、イベント送信が行われた第3スロットTS3で本来定期送信するはずであったノードC13は、次の第4スロットTS4にて定期データc1を送信し、この第4スロットTS4で本来定期送信するはずであったノードD14は、次の第5スロットTS5にて定期データd1を送信するのである。そのため、この全体再スケジュール方式における第5スロットTS5は、送信タイミングが繰り下がった定期データを送信させるためのリザーブスロットとして機能する。
いずれの方式も、イベントデータが発生したときにそれをすぐに送信することは同じであり、異なるのは、イベント送信後の通信スケジュールのみである。
ここで、各ノード11,12,13,14が送信する定期データ及びイベントデータのデータフォーマットの一例を、図2に示す。図2に示す如く、本実施形態の各データは、実質的なデータであるデータ部に、ヘッダ部及びトレイラ部が付加された構成となっている。トレイラ部は、周知の如く、データが正しく受信できたか否かを受信側でチェックするための情報である。
ヘッダ部は、大きく分けて、イベントデータと定期データの衝突、或いはイベントデータ同士の衝突が発生した場合に、どちらを優先させるべきかを判定するための情報を含む調停決定部と、イベントデータの発生によって定期データの送信が中止された場合の、そのイベントデータ送信後の通信スケジュールを指定するための情報を含む調停後処理部とを有する。
このうち調停決定部は、定期データであるかイベントデータであるかを示す識別子ビット(1ビット)と、自身の優先度を示す調停重み付けビット(3ビット)とを有する。調停重み付けビットは本発明の重み付けデータ(第1重み付けデータ及び第2重み付けデータ)に相当するものである。
識別子ビットは、定期データならばLow (即ち「0」)、イベントデータならばHigh(即ち「1」)である。調停重み付けビットは、値が大きいほど優先度が高いことを意味する。つまり、伝送路16に対してHighの状態をデータとして長く維持できた場合に送信を継続することが可能となることを意味し、例えば「110」と「101」とが衝突した場合、「110」の方が優先度が高いことになる。
また、調停後処理部は、調停後の通信スケジュールを、上述した2つの方式(単一データ再スケジュール方式および全体再スケジュール方式)のうちいずれかを指定するための調停後スケジュール方式宣言ビット(1ビット)と、単一データ再スケジュール方式の場合に、調停が行われたタイムスロットを起点としてそこから何番目のタイムスロットにて定期データの再送を行うかを指定するための再スケジュールスロット数ビット(3ビット)とを有する。この調停後処理部に格納された上記2つの情報が、本発明の送信タイミング再設定情報に相当するものである。
本実施形態では、イベントデータと定期データの衝突が生じた場合、単純にイベントデータを優先させるのではなく、双方の調停重み付けビットまでみて、その優先度が高い方に対して送信を許可するようにしている。これは、全ての定期データが無条件にどのイベントデータよりも優先度が劣るとは限らず、衝突するデータの種類によっては、定期データの方を優先させるべき場合も考えられるからである。
なお、本実施形態の通信システム10は、イベント送信を行うノードがノードB12だけである場合について説明しているが、これはあくまでも一例であって、複数のノードがイベント送信を行うような通信システムとして構成されたものであってもよい。その場合に、あるタイムスロットにてイベント送信どうしが衝突した場合は、双方の調停重み付けビットが比較され、優先度の高い方に送信継続の許可が与えられる。一方、このとき調停負けしたイベントデータは、その次のタイムスロットにて再び送信される。
また、複数のノードがイベント送信を行うよう構成された通信システムの場合は、再送用スロット(或いはリザーブスロット)としてのタイムスロットは、第5スロットTS5のみでなく、複数設けるようにしてもよい。例えば、イベント送信を行うノードの数と同じ数の再送用スロット(或いはリザーブスロット)を設けたり、或いは、一つの通信周期内において発生する可能性のあるイベント送信の回数に応じて設けたりすることができる。
なお、一つの通信周期内において、定期送信用に予め割り当てられたタイムスロット以外のタイムスロット(再送用スロット(図3参照)或いはリザーブスロット(図4参照))の数よりも多くのイベント送信が発生しうる場合は、調停負けによって同じ通信周期内で送信できないイベントデータ或いは定期データが発生する可能性がある。そのような場合は、送信側のノードの任意判断により、その送信を断念するか、それとも次の通信周期で再送するかの何れかの方法をとるようにするとよい。
次に、上述した各方式の通信スケジュールを実現するために各ノード11,12,13,14で実行される送信処理および受信処理について、図5〜図7に基づいて説明する。
まず、イベント送信を行うノード(図1の通信システム10の場合はノードB12)がイベント送信を行う際にそのノードにて実行されるイベントデータ送信処理について、図5に基づいて説明する。あるタイムスロットにてイベントデータが生成されると、まず、その生成されたデータ(データ部)に対し、識別子ビットがHighにセットされる(S110)。つまり、イベントデータである旨を示す情報が付加される。
そして、調停重み付けが必要か否かが判断され(S120)、必要なければ調停重み付けビットを全てLow にセットするが(S140)、必要ならば、調停重み付けビットに、そのイベントデータの優先度を示す値をセットする(S130)。調停重み付けの要否や、必要である場合の具体的な重み付けビットは、送信するデータの種類毎に予め決められている。
続いて、調停後スケジュール方式宣言ビットに、調停後の通信スケジュールについて上記いずれの再スケジュール方式を採用すべきかを示す値をセットし(S150)、続くS160にて、再スケジュールスロット数ビットに値をセットする。このとき、S150にて単一データ再スケジュール方式を示す値が設定された場合は、データ衝突によって中止された定期送信をその後何番目のタイムスロットにて再送させるかを示す値がセットされ、全体再スケジュール方式の場合は、3ビット全てLow にセットされる。その後、トレイラ部の設定など必要処理を経て、ヘッダ及びトレイラ部が付加されたイベントデータの送信が開始される(S170)。
イベント送信が開始されると、識別子ビットから順に伝送路16上へ送出され、続いて調停後重み付けビットが送出される。このとき、イベント送信を行ったタイムスロットが他の定期送信用に割り当てられたもの(本実施形態では第1スロットTS1〜第4スロットTS4のいずれか)である場合は、当該タイムスロットに対応した他のノードからも定期送信が行われ、その定期データに付加された調停重み付けビットも伝送路16上へ送出されることになる。つまり、イベントデータと定期データの衝突(本発明のデータ衝突)が発生する。また、イベント送信を行うノードが複数ある場合は、イベント送信どうしが衝突することも考えられる。
そこで、イベント送信を開始したノードは、自身が送出した調停重み付けビットと、伝送路16上を流れている調停重み付けビット(トランシーバ22を介して受信された値)とを比較する(S180)。この結果、自身の調停重み付けビットの方が優先度が高ければ(つまり送信値=受信値)、送信権を獲得したこととなり、イベントデータの送信をそのまま継続する(S190)。
一方、自身の調停重み付けビットよりも優先度の高い値が受信された場合は、自身よりも優先度の高い定期データ或いは他のイベントデータが送信されたことを意味し、当該イベントデータの送信権が獲得できずにイベント送信が中止される(S200)。そして、通信周期が終了したか否かが判断され(S210)、終了していない限り、即ちまだ通信周期内にタイムスロットが残っている限り、再びS160に戻ってそのイベントデータの再送を行う。
つまり、イベントデータどうしの衝突による調停負け、或いは自身よりも調停重み付けビットが示す優先度が高い定期データとのデータ衝突による調停負けによってイベント送信を行えなかった場合は、次のタイムスロットで再び同じイベントデータの再送を行うのである。もちろん、その再送を行うタイムスロットにおいても他のデータとの衝突が生じて調停負けした場合は、さらにその次のタイムスロットにおいて再びイベント送信を試みることとなる。
イベント送信が中止されたタイムスロットにて通信周期が終了するとき(S210:YES)、即ち通信周期における最後のタイムスロットにおいてイベント送信を行ったもののその送信権を獲得できずに送信が中止された場合は、そのイベントデータを破棄する(S220)。なお、破棄せずに次の通信周期にて再びそのイベントデータの再送を試みるようにすることも可能ではあるが、イベントデータが発生した通信周期内で調停負けによりそのイベントデータを送信できなかった場合は、次の通信周期で再送したとしても、そのイベントデータの鮮度は低くなって無意味なデータと化してしまう場合が多いため、破棄するのが好ましい。
次に、各ノード11,12,13,14がそれぞれ対応する各タイムスロットTS1,TS2,TS3,TS4にて定期送信を行う際に各ノードにて実行される定期データ送信処理について、図6に基づいて説明する。
自身に割り当てられたタイムスロットにおいて、まず定期データの生成が行われ、識別子ビットがLow にセットされる(S310)。つまり、定期データである旨を示す情報が付加される。
そして、もしイベントデータとの衝突が発生した場合にそのままイベントデータの優先を許可すべきか否かが判断され(S320)、無条件にイベントデータを優先すべきならば、調停重み付けビットを全てLow にセットする(S330)。つまり、内容に拘わらずイベントデータであればそれを優先させる。一方、衝突相手のイベントデータの種類によっては定期データを送信すべき場合もある。その場合は(S330:NO)、調停重み付けビットに、その定期データの優先度を示す値をセットする(S340)。イベントデータの優先を許可すべきか否か、また、調停重み付けが必要である場合の具体的な重み付けビットは、送信する定期データの種類毎に予め決められている。
続いて、調停後スケジュール方式宣言ビット及び再スケジュールスロット数ビットを全てLow にセットする(S350,S360)。つまり、定期データの場合は、ヘッダ部における調停後処理部は意味(情報性)をもたないものとなる。その後、トレイラ部の設定など必要処理を経て、ヘッダ及びトレイラ部が付加された定期データの送信が開始される(S370)。
定期送信が開始されると、まず識別子ビットが伝送路16上へ送出される。このとき、伝送路16上に流れているデータの受信(即ち識別子ビットの受信)も同時に行い、受信した識別子ビットがHighか否かが判断される(S380)。
そして、自身の定期送信以外にイベント送信が行われていない場合は、データ衝突が生じず、自身が送出したLow レベルの識別子ビットがそのまま受信されるため(S380:NO)、そのまま定期データの送信を継続する(S390)。一方、自身の定期送信と共に他のノードからのイベント送信も行われた場合は、自身がLow レベルの識別子を送出したものの伝送路16上はイベントデータの識別子によってHigh状態となる(S380:YES)。
その場合は、まずイベントデータをそのまま優先させてもいいか否かが判断され(S400)、優先させてよければ、定期データの送信を獲得できずにその定期送信が中止される(S430)。S400の判断はS320の判断と同じである。
そして、イベントデータのヘッダから調停後スケジュール方式及び再スケジュールスロット数を読み取る(S440,S450)。これにより、送信が中止された定期データを再びどのタイムスロットで送信すべきかを認識する。そして、通信周期が終了したか否かが判断され(S460)、終了していなければ、定期データを再送するタイミングまで、即ち再スケジュールスロット数にて指定されたタイムスロットまで待って(S470)、定期データの再送(S370以後の処理)を行う。
定期送信が中止されたタイムスロットにて通信周期が終了するとき(S460:YES)、即ち、例えば図3において第3スロットTS3で調停負けしたノードC13が第5スロットTS5で定期データを再送する際に再びイベントデータが発生したような場合は、その定期データはその通信周期内では送信できないことになるため、そのまま破棄する。
一方、イベントデータとの衝突が発生したものの、無条件にイベントデータの優先を許可するよう設定されていない場合は(S400:NO)、自身が送出した調停重み付けビットと、伝送路16上を流れている調停重み付けビット(トランシーバ22を介して受信された値)とを比較する(S410)。この結果、自身の調停重み付けビットの方が優先度が高ければ(つまり送信値=受信値)、送信権を獲得したこととなり、定期データの送信をそのまま継続する(S420)。自身の調停重み付けビットよりも優先度の高い値が受信された場合は、自身よりも優先度の高いイベントデータが送信されたことを意味し、S430以後の処理に移る。
従って、図3に示した単一データ再スケジュール方式の通信スケジュール例において、仮に、第3スロットTS3で送出されたイベントデータb2の調停重み付けビットが、その第3スロットTS3の定期データc1の調停重み付けビットよりも優先度が低かった場合は、定期データc1が調停勝ちし、イベントデータb2はその次の第4スロットTS4にて再び送信されることになる。その場合、第4スロットTS4で送信されるはずの定期データd1は、第5スロットTS5で送信されることとなる。
次に、データ送信を行わないタイムスロットにおいて実行される受信処理について、図7に基づいて説明する。図7の受信処理は、あるタイムスロットにおいて、定期データ・イベントデータのいずれの送信も行わない場合に、他のノードからのデータを受信するために実行されるものである。
この処理が開始されると、まず、受信した識別子ビットがHighであるか否かが判断され(S510)、Highでなければ、イベントデータとの衝突なく当該タイムスロットに対応したノードからの定期データが送信されることを意味し、そのままその定期データの受信処理を行う(S650)。
受信した識別子ビットがHighならば、イベントデータのみが送信されたか或いはイベントデータと定期データとのデータ衝突が発生していることが考えられるため、さらに、調停後重み付けビットとしてHighを受信したか否かが判断される(S520)。ここで調停重み付けビットにHighがなければ(S520:NO)、イベントデータのみが送信されていることを意味する。その場合、調停後スケジュール方式宣言ビットとしてHighを受信したか否かが判断され(S530)、Highならば全体再スケジュール方式が指定されていることを認識し、イベントデータの受信を行う(S540)。
そして、当該受信処理中のノードが、その後通信周期内で定期送信の予定があるか否かが判断され(S550)、定期送信の予定がなければ(つまり、その通信周期内で既に定期送信を実行済みの場合は)S570に移行する。その通信周期内でまだ定期送信を行っておらず、割り当てられたタイムスロットでの定期送信の予定がある場合は(S550:YES)、自身が定期送信を行うべきタイムスロットを再設定する(S560)。ここでは、全体再スケジュール方式が指定されているため、本来定期送信を行うべきタイムスロットではなく、その次のタイムスロットにて定期送信を行うように設定する。
そして、S570にて、通信周期内における残りのタイムスロットを一つずつ順延する受信タイミング処理を行う。これは即ち、全体再スケジュール方式が指定されたことにより、その後の各タイムスロットではそれぞれその一つ前のタイムスロットで本来送信されるはずのデータが繰り下がって送信されることを認識し、その受信に備えるのである。
一方、S530の判定処理にて調停後スケジュール方式宣言ビットがLow と判定されたならば、単一データ再スケジュール方式が指定されていることを認識し、さらに再スケジュールスロット数ビットの読み取りを行って(S580)、どのタイムスロットで定期データの再送をすべきかを認識した上で、イベントデータの受信処理を行う(S590)。
そして、指定された再スケジュールスロット数が、その通信周期内の残りのタイムスロットの数以下であるか否かが判断される(S600)。
このS600の判断処理で肯定判定されるということは、通信周期内において当該タイムスロットを起点として再スケジュールスロット数だけ先にタイムスロットが存在することを意味する。図3の例でいえば、第3スロットTS3で送信されたイベントデータb2に付加されている再スケジュールスロット数は「2」であり、この場合、第3スロットTS3から2スロット分先には第5スロットTS5が存在しているため、S600の判断処理では肯定判定されることになる。
そのため、その場合はその再スケジュールスロット数だけ先のタイムスロットにおいて定期データの再送が行われることを認識すると共に、その再送されるタイムスロットにて定期データを受信するための処理(準備)を行う(S610)。
逆に、S600の判断処理で否定判定されるということは、通信周期内において当該タイムスロットを起点として再スケジュールスロット数だけ先にはタイムスロットが存在しないことを意味する。そのため、その場合は当該タイムスロットの定期データ(つまりイベント送信との調停に負けて送信中止された定期データ)は受信できないことになるため、それに対応するための各種処理を行う(S620)。
S520の判断処理で肯定判定された場合、即ち、識別子ビットとしてHighを受信し、さらに調停重み付けビットとしてもHighを受信した場合は(S520:YES)、イベントデータのみの送信が行われたか或いはイベントデータと定期データとの衝突が生じたことが考えられる。
その場合はさらに、調停後スケジュール方式宣言ビットをみて、Highか否かを判断する。ここで、調停後スケジュール方式宣言ビットがHighならば(S640:YES)、イベントデータのみの送信がなされたか或いはイベントデータが調停勝ちして、イベントデータが送信権を獲得したものと判断できる。なぜなら、定期データに付加される調停後スケジュール方式宣言ビットは全てLow だからである。そのため、S540以降の処理に進んで、イベントデータの受信処理およびその後の定期データの受信に備える処理等を行う。
S640の判断処理において否定判定された場合、即ち、調停後スケジュール方式宣言ビットとしてLow が受信されたならば、単一データ再スケジュール方式を指定したイベントデータのみが送信されているか、或いは、そのイベントデータと定期データとの衝突が生じているかのどちらかが考えられる。そこで、さらに再スケジュールスロット数ビットとして何らかの数値が指定されているか否かが判断され(S640)、数値が指定されていればイベントデータのみの送信或いはイベントデータの調停勝ちと判断してS580以降の処理に進み、数値が指定されていなければ定期データの調停勝ちと判断してS650の定期データ受信処理に進む。
この図7の受信処理は、各タイムスロットにおいて、そのタイムスロットでデータ送信を行わない全てのノードが実行する。そして、この受信処理の実行により、受信したデータのヘッダ部に付加された各種情報から、そのデータがイベントデータ又は定期データのいずれであるか、また、その後の通信スケジュールがいずれの方式になるかといったことを認識できる。
そのため、イベント送信と定期送信の衝突によって定期送信が調停負けした場合、各ノードは、その調停負けした定期データが再びどのタイムスロットで送信されるのかを、イベントデータに付加されたヘッダ部から読み取って、その定期送信(再送)に備えることができる。
即ち、単一データ再スケジュール方式が指定された場合は、各ノードは、調停負けした定期データが、再スケジュールスロット数ビットにて示されたタイムスロットにおいて再び送信されることを認識し、そのタイムスロットで再送される定期データを受信する。一方、全体再スケジュール方式が指定された場合は、各ノードは、調停負けしたノードおよびその後のタイムスロットにて定期送信を行う予定の各ノードからの定期データが、それぞれ、予め設定されたタイムスロットの次のタイムスロットにて送信されることを認識し、その後のタイムスロットで送信される定期データを順次受信する。
本実施形態の通信システム10では、一般にイベント送信は定期送信に比べて重要(優先度が高い)というシステム上の要件によって、両者の衝突が生じた場合は原則としてイベントデータを優先させるようにしたものである。従って、イベントデータを優先することにより定期データの送信が本来送信する予定のタイムスロットより遅れてしまう場合、その時間遅れに対しては、前の通信周期での定期送信にて受信した定期データを保持したり、或いは予め設定した初期値を用るなどの処理を行うことにより、受信ノード側で問題が生じないよう、ひいては通信システム10全体として問題が生じないように配慮する必要がある。
以上詳述した本実施形態の通信システム10によれば、イベントデータが生成されたときはすぐに、即ちその生成後最も早いタイムスロットにおいて、そのイベントデータが送信される(ただし定期送信の方が優先度が高い場合は定期送信が優先)ため、図16(従来例)と比較して明らかなように、イベント送信の即時性が実現される。しかも、それを実現するために必要な再送用スロット(或いはリザーブスロット)は、一つの通信周期においてイベント送信が行われるノード数あるいはイベント送信が発生する可能性のある回数などに応じて適宜設ければよいため、図15(従来例)と比較して明らかなように、伝送帯域の使用率の低下も必要最小限に留めることができる。本実施形態の場合は定期送信用の4つのスロットTS1〜TS4以外に、第5スロットTS5を設けているだけである。
また、データに付加されるヘッダ部として識別子ビットを備えていることにより、イベントデータが伝送路16上へ送出された場合、各ノードは識別子ビットを受信することでそのイベント送信を確実に認識できる。そのため、定期送信とイベント送信が衝突した場合、定期送信側のノードは自身の定期データの送信中止を確実に行うことができ、イベント送信を妨げることはない。また、データ送信を行わない各ノードもそのイベントデータの受信に確実に備えることができる。
更に、同じタイムスロット内でイベントデータどうしが衝突した場合は、その送信元のノードがそれぞれ、自身が送出した調停重み付けビットと伝送路16上から受信した調停重み付けビットとを比較し、受信した調停重み付けビットが自身の調停重み付けビットよりも優先度が高くない場合に、イベントデータの送信を行うのである。
そして、自身の優先度の方が低かった場合は、そのタイムスロットでのイベント送信は中止し、その次のタイムスロットにて再びそのイベントデータの送信を行うのである。そのため、結果として、衝突した複数のイベントデータは、その衝突が発生したタイムスロットを含む連続した複数のタイムスロットにて順次送信されることとなる。そのため、イベントデータどうしの衝突が生じても、衝突した各イベントデータがそれぞれ、送信時期の即時性を実現しつつ順次確実に送信される。
更にまた、イベントデータと定期データの衝突が発生した場合、無条件にイベントデータを優先するのではなく、調停重み付けビットを用いることで、定期データの方が相対的に優先させるべき場合は、定期データを優先させてイベント送信の方を中止させるようにしている。そのため、イベントデータとそのイベントデータよりも優先度の高い定期データとのデータ衝突が発生した場合、定期データが優先されて先に送信されるため、真に即時性を実現すべきデータに対してそれを迅速に送信させることができる。
また、イベントデータのヘッダ部には、調停後スケジュール方式宣言ビットおよび再スケジュールスロット数ビットが含まれている。そのため、各ノードは、イベントデータとの衝突によって送信が中止された定期データ或いはそのデータ衝突が発生したタイムスロット以後の各タイムスロットに対応した各ノードからの定期データがそれぞれどのタイムスロットで送信されるかを確実に判断することができ、データ衝突発生後の各タイムスロットでのデータ受信に確実に備えることができる。
なお、図5のイベントデータ送信処理において、S130及びS140の処理は本発明の重み付け付加手段が実行する処理に相当する。このS130及びS140にて設定される調停重み付けビットが本発明の第1重み付けデータに相当する。また、S150及びS160の処理は本発明の再設定情報付加手段が実行する処理に相当し、S180の処理は本発明の優先度比較手段が実行する処理に相当し、S170,S190及びS200の処理はいずれも本発明の送信手段が実行する処理に相当する。
また、図6の定期データ送信処理において、S330及びS340の処理は本発明の重み付け付加手段が実行する処理に相当する。このS330及びS340にて設定される調停重み付けビットが本発明の第2重み付けデータに相当する。また、S380の処理は本発明の非定期データ有無判定手段が実行する処理に相当し、S440及びS450の処理は本発明の再設定情報取得手段が実行する処理に相当し、S410の処理は本発明の優先度比較手段が実行する処理に相当し、S370,S390,S420及びS430の処理は本発明の送信手段が実行する処理に相当する。
また、図7の受信処理において、S530,S580及びS630の処理は本発明の再設定情報取得手段が実行する処理に相当する。
[第2実施形態]
図8に、本実施形態の通信システムの概略構成を示す。本実施形態の通信システム30は、車両に搭載され、車両の各種制御を行う複数の電子制御装置(ECU)が相互にデータ通信を行うよう構成されており、図8に示す如く、通信プロトコルが異なる2つの通信システム間で中継器40を介して相互にデータ通信を行うことが可能に構成されている。
即ち、3つのECU31,32,33および中継器40(いずれも本発明の通信ノードに相当)が伝送路46を介して相互に接続されて時分割多重アクセス方式(TDMA;Time Division Multiple Access )によるデータ通信を行うよう構成された通信システムと、3つのECU36,37,38及び中継器40が伝送路47を介して相互に接続されて調停型搬送波検知多重アクセス方式(CSMA;Carrier Sense Multiple Access )によるデータ通信を行うよう構成された通信システムとが、中継器40を介して相互にデータ通信を行うことができる。
本実施形態では、時分割多重アクセス方式による通信システムを構成するECUとして、車両のブレーキシステムを制御するブレーキ制御ECU31と、車両の挙動が安定化するようサスペンションやステアリング等を制御する車両挙動安定化制御ECU32と、車両が他の車両や建造物等に衝突したときにエアバッグを動作させるエアバッグECU33とを備える。
一方、調停型搬送波検知多重アクセス方式による通信システムを構成するECUとして、車両の衝突を検出する衝突検出ECU36と、車両のエンジンを制御するエンジン制御ECU37と、車両の変速システム(トランスミッション)の制御を行うトランスミッション制御ECU38とを備える。
CSMA側の衝突検出ECU36には、車両の各部に設置された図示しない衝突センサからの信号が入力される。そして、車両が何物かに衝突するとその旨の信号が衝突検出ECU36に入力される。すると、衝突検出ECU36は、衝突が生じた旨の信号である衝突データを中継器40を介してTDMA側のエアバッグ制御ECU33へ送信する。そして、この衝突データを受信したエアバッグ制御ECU33が、衝突箇所等に応じてどのエアバッグを作動させるかを判定した上で実際に作動させる。
中継器40の構成は図9に示す通りであり、CSMA側の伝送路46に直接接続されてCSMA側の各ノード(各ECU36,37,38)との間でデータ送受信を行うCSMA側トランシーバ53と、TDMA側の伝送路47に直接接続されてTDMA側の各ノード(各ECU31,32,33)との間でデータ送受信を行うTDMA側トランシーバ52と、これら各トランシーバ52,53にて送受信されるデータについて各種制御を行うマイクロコンピュータ51とを備えている。
マイクロコンピュータ21は、CSMA側とTDMA側との間でのデータ中継に必要な各種制御処理やCSMA側からTDMA側への送信データがイベントデータであるか否かの判断処理(詳細は後述)などを行うために周知のCPUやROM、RAM等から構成される中継処理部61、この中継処理部61からTDMA側の各ECU31,32,33への送信データをTDMAの通信プロトコルに従って処理(ヘッダ部やトレイラ部の付加或いは除去など)すると共に各ECU31,32,33からTDMA側トランシーバ52及びTDMA側受信バッファ64を介して入力された受信データをTDMAの通信プロトコルに従って処理し中継処理部61へ出力するTDMA側LANコントローラ62、TDMA側LANコントローラ62にて処理された送信データを送信タイミングまで一時的に格納しておくTDMA側送信バッファ63、TDMA側トランシーバ52にて受信された受信データを一時的に格納しておくTDMA側受信バッファ64、中継処理部61からCSMA側の各ECU36,37,38への送信データをCSMAの通信プロトコルに従って処理すると共に各ECU36,37,38からCSMA側トランシーバ53及びCSMA側受信バッファ68を介して入力された受信データをCSMAの通信プロトコルに従って処理し中継処理部61へ出力するCSMA側LANコントローラ66、CSMA側LANコントローラ66にて処理された送信データを送信タイミングまで一時的に格納しておくCSMA側送信バッファ67、CSMA側トランシーバ53にて受信された受信データを一時的に格納しておくCSMA側受信バッファ68、などにより構成される。
車両の衝突は、当然ながら、いつ何時発生するかわからなくしかも発生頻度が著しく低いものである。そのため、中継器40が中継してTDMA側へ送出する衝突データ(衝突検出ECU36からのデータ)はイベントデータである。従って、TDMA側の通信システムにおいて、衝突検出ECU36からの衝突データを中継して伝送路46上へ送出する中継器40は、イベントデータの送信を行うノードとして機能し、本発明の非定期データ送信ノードに相当するものである。なお、他の各ECU31,32,33はいずれも、定期データの送信のみを行う。また、本実施形態では、CSMA側からTDMA側へ定期的なデータ送信は行われないものとする。
そのため、TDMA側の通信システムにおける通信スケジュールは、図10及び図11に示すように、通信周期が、各ECU31,32,33の定期データ送信用の3つのタイムスロット(第1スロットTS1,第2スロットTS2,第3スロットTS3。本発明の通信時間領域に相当。)と、再送用スロットとしての一つのタイムスロット(第4スロットTS4。本発明の予備用時間領域に相当。)を有する。各タイムスロットの時間長は、本実施形態では、いずれも100msec.とする。つまり、通信周期は400msec.である。
以下、上記のように構成された本実施形態の通信システム30における通信スケジュールの具体例を説明する。まず、比較ために、定期送信用以外のタイムスロット(第4スロットTS4)は設けるものの本発明のイベントデータ優先送信は適用せずにイベントデータの送信は第4スロットTS4のみで行う場合(従来例としての図16と同様)について、図10に基づいて説明する。
図10に示すように、まず、時刻t0よりn時間前の時刻t0-nで、調停型搬送波検知多重アクセス方式(CSMA)の通信システム内において、衝突検出ECU36からイベントデータとしての衝突データが送信される。nの絶対時間は、調停型搬送波検知多重アクセス方式により決定される。
これに対し、時分割多重アクセス方式(TDMA)の通信システム内において、第1スロットTS1は、時刻t0に開始されて時刻t1で終了し、ブレーキ制御ECU31の定期送信が可能なタイムスロットとして割り当てられている。そのため、この第1スロットTS1内では、ブレーキ制御ECU31から定期データh1が送信される。
第2スロットTS2は、時刻t1に開始されて時刻t2で終了し、車両挙動安定化制御ECU32の定期送信が可能なタイムスロットとして割り当てられている。そのため、この第2スロットTS2内では、車両挙動安定化制御ECU32から定期データj1が送信される。
第3スロットTS3は、時刻t2に開始されて時刻t3で終了し、エアバッグ制御ECU33の定期送信が可能なタイムスロットとして割り当てられている。そのため、この第3スロットTS3内では、エアバッグ制御ECU33から定期データk1が送信される。
そして、第4スロットTS4は、時刻t3に開始されて時刻t4で終了し、中継器40が中継する、CSMA側からのイベントデータが送信可能なタイムスロットとして割り当てられている。そのため、この第4スロットTS4内では、衝突検出ECU36から衝突データが送信されている場合に限り、その衝突データが送信される。
従って、図10のようにイベント送信可能なタイムスロットを第4スロットTS4に固定した場合、時刻t0-n〜時刻t0間が例えば100msec.の場合、時刻t0-nで衝突データが発生してから時刻t4(第4スロットTS4)にて中継器40からTDMA側への衝突データの送信が終了するまで、500msec.の時間(データ到達時間)を要することになる。
これに対し、本発明のイベントデータ優先送信を適用した場合について、単一データ再スケジュール方式を例に挙げて図11に基づいて説明する。
図11に示すように、まず、図10と同様、時刻t0よりn時間前の時刻t0-nで、調停型搬送波検知多重アクセス方式(CSMA)の通信システム内において、衝突検出ECU36からイベントデータとしての衝突データが送信される。
これに対し、時分割多重アクセス方式(TDMA)の通信システム内において、第1スロットTS1は、時刻t0に開始されて時刻t1で終了し、ブレーキ制御ECU31の定期送信または中継器40の中継するイベントデータの送信が可能なタイムスロットとして割り当てられている。
このとき、時刻t0より前の時刻t0-nではCSMA側の衝突検出ECU36から衝突データが送信され、この衝突データを中継器40が中継しているため、時刻t0では、ブレーキ制御ECU31からの定期送信と共に、中継器40からのイベント送信も発生する。つまり、第1スロットTS4にてデータ衝突が発生するわけである。
そのため、ブレーキ制御ECU31の定期送信(定期データh1)と、中継器40の中継するイベント送信(衝突データ)との間で調停が行われる。その結果、第1スロットTS1では、中継器40からのイベント送信が調停勝ちし、イベント送信が行われる。このとき、調停負けしたブレーキ制御ECU31は、衝突データのヘッダ部に付加された調停後スケジュール方式宣言ビットおよび再スケジュールスロット数ビットに基づき、再送用スロットとしての第4スロットTS4にて再びその定期データh1を送信することを認識する。
第2スロットTS2は、時刻t1に開始されて時刻t2で終了し、車両挙動安定化制御ECU32の定期送信または中継器40の中継するイベントデータ送信が可能なタイムスロットとして割り当てられている。ここでは、中継器40が中継するイベントデータは発生していないため、調停は行われない。そのため、この第2スロットTS2では、車両挙動安定化制御ECU32から定期データj1が送信される。
第3スロットTS3は、時刻t2に開始されて時刻t3で終了し、エアバッグECU33の定期送信または中継器40の中継するイベントデータ送信が可能なタイムスロットとして割り当てられている。ここでは、中継器40が中継するイベントデータは発生していないため、調停は行われない。そのため、この第3スロットTS3では、エアバッグ制御ECU33から定期データk1が送信される。
第4スロットTS4は、時刻t3に開始されて時刻t4で終了し、調停負けした各ECU31,32,33の定期送信また中継器40の中継するイベントデータの送信が可能なタイムスロットとして割り当てられる。ここでは、第1スロットTS1にて調停が行われ、ブレーキ制御ECU31の定期送信が調停負けしており、その定期データの再送用にこの第4スロットTS4が割り当てられている。そのため、この第4スロットTS4では、ブレーキ制御ECU31からの再送データである定期データh1が送信される。
従って、図11のようにイベント送信を優先する仕組みを備えた(本発明が適用された)通信システムでは、時刻t0-n〜時刻t0間が図10と同じく例えば100msec.の場合、時刻t0-nで衝突データが発生してから時刻t2(第1スロットTS1)にて中継器40からTDMA側への衝突データの送信が終了するまで、200msec.のデータ到達時間で済むことになる。
次に、中継器40において、CSMA側からTDMA側のノードに対して送信されたイベントデータを中継してTDMA側へ送出するデータ中継処理について、図12に基づいて説明する。
図12に示す如く、CSMA側において中継器40が伝送路47上のデータを受信すると(S710)、その受信したデータのヘッダをみて、そのデータがTDMA側へ送信すべきイベントデータに該当するものか否かを判断する(S720)。
CSMA側の各ECU36,37,38が送信するデータのヘッダには、データの宛先やデータの種類などの各種情報が含まれている。そして、中継器40の内部には、ヘッダに含まれる各種情報とそれがTDMA側へ送信すべきイベントデータに該当するものか否かの情報とを対応付けたマップが備えられている。
そのため、S720の判断処理では、受信したデータのヘッダに含まれている各種情報と上記マップとの照合が行われることにより、TDMA側へ送信すべきイベントデータであるか否かが判断される。そして、TDMA側へ送信すべきイベントデータであると判断された場合は、そのデータに付加されているヘッダおよびトレイラ(CSMAの通信プロトコルに基づくもの)が除去され(S730)、TDMA側の通信システムに対するイベントデータ送信処理に移行する(S760)。
このS770のイベントデータ送信処理は、第1実施形態の図5に示したイベントデータ送信処理と基本的に同じであり、TDMAの通信プロトコルに従い、第1実施形態で説明したように識別子ビットや調停重み付けビット、調停後再スケジュール方式宣言ビット、再スケジュールスロット数ビットなどを付加した上で、イベントデータの送信を行う。そして、データ衝突が生じた場合は、調停重み付けビットの値に基づいて調停が行われ、衝突相手のデータの優先度が自身の優先度よりも高くない限り、自身のイベントデータが調停勝ちして伝送路46上へ送出される。
一方、CSMA側で発生したデータがTDMA側へ送信すべきイベントデータでない場合は(S720:NO)、そのデータからヘッダおよびトレイラを除去した上で(S740)、その除去後のデータ自体の内容に基づき、TDMA側への中継が必要なデータであるか否かが判断される(S750)。
このデータ自体の内容についても、上記ヘッダ部と同じように、データの種類毎にTDMA側への送信が必要なデータであるか否かの情報が対応付けられたマップが用意されている。
そのため、S750の判断処理では、ヘッダおよびトレイラが除去されたデータ自体に対して上記マップとの照合が行われ、TDMA側へ送信すべきデータであるか否かが判断される。その結果、TDMA側へ送信すべきデータに該当すると判断された場合は、そのデータがTDMA側向けのイベントデータであるものとしてS760のイベントデータ送信処理に移行する。TDMA側へ送信すべきデータに該当しないと判断された場合はそのままそのデータを破棄する(S770)。
なお、図12のデータ中継処理は、CSMA側からTDMA側へ中継されるデータがイベントデータのみであることを前提としているが、イベントデータのみの中継に限らず、例えば、イベントデータの中継に加えてCSMA側からTDMA側への定期データの中継送信も可能に構成してもよい。また、イベントデータの中継は行われずにCSMA側からTDMA側への定期データの中継送信のみが行われるものとして構成してもよい。
そして、このように定期データの中継をも許容する場合は、中継器40に対しても定期データ送信用のタイムスロットを割り当てると共に、図12のデータ中継処理に代えて例えば図13に示すようなデータ中継処理を実行するようにするとよい。
図13のデータ中継処理は、図12のデータ中継処理と比較して、S710〜S750の各処理、及び、S760,S770の各処理はいずれも全く同じである。そして、図13では、S750の処理(データ自体の内容に基づくTDMA側へ中継の要否判断)でTDMA側への中継が必要と判断された場合に、そのデータがイベントデータであるか否かの判断が行われる(S753)。
このS753の判断処理も、予め用意された、データの内容とそれがイベントデータであるか否かの情報とが対応付けられたマップに基づいて行われる。そして、イベントデータに該当すると判断された場合はS760のイベントデータ送信処理に移行するが、イベントデータに該当しないと判断された場合は、TDMA側へ送信すべき定期データであるものと判断し、その定期データを送信するための各種処理が行われる(S755)。このS755の定期データ送信処理は、基本的には、第1実施形態の図6に示した定期データ送信処理と同じである。但し、この定期データ送信処理は、実際には中継器40に割り当てられたタイムスロットにおいて実行される。
以上詳述したように、本実施形態のように、TDMAによる通信システムとCSMAによる通信システムとが中継器40を介してデータ通信可能に構成された通信システム30においても、TDMAによる通信システム内において、中継器40がCSMA側からのイベントデータを送信するノードとして機能していることで、第1実施形態と同様の効果が得られる。
[変形例]
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態は上記各実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
例えば、上記第1実施形態の通信システム10では、ノードB12が定期送信とイベント送信の双方を行うものとして説明したが、このノードB12がイベント送信のみを行うノードであってもよい。
また、第2実施形態では、通信システム30におけるTDMA側の通信システムにおいて、各ECU31,32,33がいずれも定期送信のみを行うECU(ノード)であるものとして説明したが、例えば、いずれかのECUがイベント送信のみを行うものであってもよいし、また、一又は全てのECUがイベント送信可能に構成されたものであってもよい。そして、一つの通信周期内で複数のイベント送信が発生する可能性がある場合は、定期送信用のタイムスロットの他に、再送用スロット(又はリザーブスロット)を複数設けるようにするとよい。ただしその数は、伝送帯域の使用率が大きく低下してしまわないように決めるのが望ましい。
更に、上記各実施形態では、定期データにも調停重み付けビットを付加する(つまり優先度を持たせる)ことにより、イベントデータとの衝突が発生した場合にその衝突相手のイベントデータの種類によっては定期データを優先させることができるようにしたが、単純にイベント送信を優先させるように構成することももちろん可能である。つまり、データの種類に関係なく、イベント送信と定期送信が衝突した場合は無条件にイベント送信を優先させるようにしてもよい。
第1実施形態の通信システムを示す説明図であり、(a)は通信システム全体の概略構成図、(b)は通信システムを構成するノードの概略構成図である。 定期データ及びイベントデータのフォーマットを示す説明図である。 単一データ再スケジュール方式による通信スケジュールの具体例を示す説明図である。 全体再スケジュール方式による通信スケジュールの具体例を示す説明図である。 第1実施形態のイベントデータ送信処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の定期データ送信処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の受信処理を示すフローチャートである。 第2実施形態の通信システムを示す概略構成図である。 中継器40の内部構成を示す概略構成図である。 イベントデータの優先送信が行われない場合の通信スケジュールの具体例を示す説明図である。 単一データ再スケジュール方式によりイベントデータの優先送信が行われる場合の通信スケジュールの具体例を示す説明図である。 第2実施形態のデータ中継処理を示すフローチャートである。 図12のデータ中継処理の変形例を示すフローチャートである。 従来の時分割多重通信システムのデータ送信タイミングを説明するためのタイムチャートである。 従来の時分割多重通信システムにおける、一つの通信ノードにつきイベント送信用のタイムスロットが通信周期内に複数設けられている場合を示すタイムチャートである。 従来の時分割多重通信システムにおける、一つの通信ノードにつきイベント送信用のタイムスロットが通信周期内の最後部に一つ設けられている場合を示すタイムチャートである。
符号の説明
10,30…通信システム、16,46,47…伝送路、21,51…マイクロコンピュータ、22…トランシーバ、26…制御部、27…通信コントローラ、28…送信バッファ、29…受信バッファ、40…中継器、52…TDMA側トランシーバ、53…CSMA側トランシーバ、61…中継処理部、62…TDMA側LANコントローラ、63…TDMA側送信バッファ、64…TDMA側受信バッファ、66…CSMA側LANコントローラ、67…CSMA側送信バッファ、68…CSMA側トランシーバ53及びCSMA側受信バッファ、11…ノードA、12…ノードB、13…ノードC、14…ノードD、31…ブレーキ制御ECU、32…車両挙動安定化制御ECU、33…エアバッグ制御ECU、36…衝突検出ECU、37…エンジン制御ECU、38…トランスミッション制御ECU

Claims (10)

  1. 複数の通信ノードが共通の伝送路を介して相互に接続され、前記各通信ノードの一部又は全部が一定周期毎の通信周期においてその通信ノード毎に予め割り当てられた通信時間領域内で順次データを送信する時分割多重方式によって、前記各通信ノードがデータ通信を行うようよう構成された通信システムにおいて、
    前記通信周期は、前記各通信時間領域のうち最後の通信時間領域の後に、更に、一定時間長の時間領域である予備用時間領域を少なくとも一つ有し、
    前記各通信ノードの少なくとも一つは、前記各通信時間領域内でそれぞれ対応する前記通信ノードが定期的に送信するデータである定期データとは異なって不規則的に生成されるデータである非定期データを、その生成後最初の前記いずれかの時間領域において送信可能な、非定期データ送信ノードとして構成され、
    いずれかの前記通信時間領域において、当該通信時間領域に対応した前記通信ノードからの前記定期データの送信と前記非定期データ送信ノードからの前記非定期データの送信とが共に発生するデータ衝突が生じた場合、該非定期データ送信ノードは前記非定期データの送信を継続し、該通信ノードは、当該通信時間領域内での定期データの送信を中止して、代わりに当該通信時間領域より後の前記いずれかの時間領域にてその定期データを送信する
    ことを特徴とする通信システム。
  2. 請求項1記載の通信システムであって、
    前記データ衝突によって前記定期データの送信を中止した前記通信ノードは、前記予備用時間領域にてその定期データを送信する
    ことを特徴とする通信システム。
  3. 請求項1記載の通信システムであって、
    前記データ衝突による前記定期データの送信の中止がなされた場合、当該データ衝突が生じた前記通信時間領域以後の通信時間領域に対応した前記各通信ノードは、それぞれ、自身に対応した前記通信時間領域の次の前記いずれかの時間領域にて前記定期データの送信を行う
    ことを特徴とする通信システム。
  4. 請求項1〜3いずれかに記載の通信システムであって、
    前記非定期データ送信ノードは、前記非定期データを送信する際、前記非定期データである旨を示す識別子をその非定期データに付加して送信し、
    前記非定期データ送信ノード以外の他の通信ノードは、対応する前記通信時間領域において前記識別子を受信した場合に、前記データ衝突が生じたものとして、当該通信時間領域での前記定期データの送信を中止する
    ことを特徴とする通信システム。
  5. 請求項1〜4いずれかに記載の通信システムであって、
    少なくとも2つ以上の前記通信ノードが前記非定期データ送信ノードとして構成され、
    前記非定期データ送信ノードは、
    前記いずれかの時間領域において前記非定期データを送信する際、その非定期データの優先度を示す第1重み付けデータを前記伝送路上に送出すると共に前記伝送路上を流れているデータを受信し、自身が送出した前記第1重み付けデータよりも優先度の高い前記第1重み付けデータを受信したときは、当該時間領域での非定期データの送信を中止して次の前記いずれかの時間領域にてその非定期データを送信する
    ことを特徴とする通信システム。
  6. 請求項5記載の通信システムであって、
    前記定期データの送信を行う前記各通信ノードは、前記定期データを送信する際、その定期データの優先度を示すデータとしての第2重み付けデータを前記伝送路上に送出すると共に前記伝送路上を流れているデータを受信するよう構成されており、
    前記非定期データ送信ノードは、前記いずれかの時間領域において前記非定期データを送信する際、自身が送出した前記第1重み付けデータよりも優先度の高い前記第2重み付けデータを受信したときは、当該時間領域での非定期データの送信を中止して次の前記いずれかの時間領域にてその非定期データを送信し、
    前記定期データの送信を行う前記各通信ノードは、対応する前記通信時間領域において前記定期データを送信する際に前記データ衝突が生じても、自身が送出した前記第2重み付けデータよりも優先度の高い前記第1重み付けデータを受信しなかったならば、当該通信時間領域におけるその定期データの送信を継続する
    ことを特徴とする通信システム。
  7. 請求項1記載の通信システムにおいて、前記定期データの送信を行う通信ノードとして用いられる通信装置であって、
    割り当てられた前記通信時間領域において前記定期データの送信を行う送信手段と、
    前記伝送路上を流れているデータを受信する受信手段と、
    前記送信手段が対応する前記通信時間領域において前記定期データの送信を行う際、前記受信手段にて前記非定期データが受信されたか否かを判定する非定期データ有無判定手段と、を備え、
    前記送信手段は、前記非定期データ有無判定手段にて前記非定期データが受信されたと判定された場合は、前記定期データの送信を中止し、代わりにその通信時間領域より後の前記何れかの時間領域にてその定期データの送信を行う
    ことを特徴とする通信装置。
  8. 請求項7記載の通信装置であって、
    前記非定期データには、前記データ衝突の発生によって前記定期データの送信が中止される前記通信ノード、又は、その通信ノード及び同じ前記通信周期内でその通信ノードの後に前記定期データの送信を行う各通信ノードに対して、前記定期データの送信を前記いずれの時間領域で行うべきかを示す送信タイミング再設定情報が付加されており、
    前記受信手段にて受信されたデータの中から前記送信タイミング再設定情報を取得する再設定情報取得手段を備え、
    前記送信手段は、前記再設定情報取得手段にて前記送信タイミング再設定情報が取得された場合、その送信タイミング再設定情報が、当該通信装置自身に対して前記定期データの送信を行う前記通信時間領域を変更すべき旨の情報であったならば、その情報により示された前記いずれかの時間領域にて前記定期データの送信を行う
    ことを特徴とする通信装置。
  9. 請求項1記載の通信システムにおいて、前記非定期データ送信ノードとして用いられる通信装置であって、
    前記非定期データに、前記データ衝突の発生によって前記定期データの送信が中止される前記通信ノード、又は、その通信ノード及び同じ前記通信周期内でその通信ノードの後に前記定期データの送信を行う各通信ノードに対して、前記定期データの送信を前記いずれの時間領域で行うべきかを示す送信タイミング再設定情報を付加する再設定情報付加手段と、
    前記再設定情報付加手段によって前記送信タイミング再設定情報が付加された前記非定期データの送信を行う送信手段と、
    前記伝送路上を流れているデータを受信する受信手段と、
    を備えたことを特徴とする通信装置。
  10. 請求項7〜9いずれかに記載の通信装置であって、
    前記送信手段が送信する前記データに対してその優先度を示す重み付けデータを付加する重み付け付加手段と、
    前記送信手段による送信の開始後、自身が送信した前記重み付けデータと前記受信手段にて受信された前記重み付けデータの優先度を比較する優先度比較手段と、を備え、
    前記送信手段は、前記優先度比較手段による比較の結果、前記受信手段にて受信された前記重み付けデータよりも自身の送信した前記重み付けデータの方が優先度が高い場合は前記送信を継続し、前記受信手段にて受信された前記重み付けデータの方が自身の送信した前記重み付けデータよりも優先度が高い場合は前記送信を中止する
    ことを特徴とする通信装置。
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