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JP2007038412A - 熱転写印刷装置 - Google Patents

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JP2007038412A
JP2007038412A JP2005221705A JP2005221705A JP2007038412A JP 2007038412 A JP2007038412 A JP 2007038412A JP 2005221705 A JP2005221705 A JP 2005221705A JP 2005221705 A JP2005221705 A JP 2005221705A JP 2007038412 A JP2007038412 A JP 2007038412A
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JP2005221705A
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Keiji Ihara
慶二 井原
Seiji Hasegawa
清治 長谷川
Yasumitsu Hiraiwa
泰光 平岩
Kei Suzuki
圭 鈴木
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Victor Company of Japan Ltd
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

【課題】 両面で色毎に印刷濃度が異なることがない熱転写印刷装置を提供する。
【解決手段】 複数色のインク(Y,M,C,K,L)それぞれに対応するインク領域を備えたインクリボン(9)における各インク領域のインク(Y,M,C,K,L)を、被印刷部材(1)の所定面に順次熱転写して印刷を行う構成であって所定面は被印刷部材の一面(1a)及びその反対面(1b)であり、一面(1a)への印刷の後、反対面(1b)への印刷を行い、インク領域を加熱するサーマルヘッド(8d)と、このサーマルヘッド(8d)に印加する熱エネルギの量を制御する制御部(20)と、を備え、制御部(20)は、一面(1a)への印刷においてサーマルヘッド(8d)に印加した熱エネルギの量(Vcor)に基づいて、反対面への印刷においてサーマルヘッド(8d)に印加する熱エネルギを各複数色のインク(Y,M,C,K,L)の熱転写動作毎に制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱転写印刷装置に係り、特に、被印刷物の両面に印刷を行う熱転写印刷装置に関する。
サーマルヘッドを加熱しインクリボンのインクを被印刷物に熱転写方式により印刷する、いわゆる熱転写印刷装置が周知である。
この被印刷物としては、樹脂製のカードや紙等がある。
熱転写方式は、例えば、帯状のシート上にイエロ(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)等の複数色のインク領域が順次連続的に形成されたインクリボンを用い、センサ8fにより、このインクリボンにおけるインク領域の色検出とその領域の頭出しとを行い、各インク色で印刷する画像の画像情報に対応してサーマルヘッドを加熱してインクリボンのインクを昇華または溶融させることにより、被印刷物上に熱転写して画像を印刷するものである。
インク領域の頭出しの方法としては、各インク領域に位置出し用の検出マークを設け、これを光センサによって検出して位置出しをする方法、或いは、特定の色のインク領域のみに位置出し用の検出マークを設け、これを光センサによって検出し、この位置を基準にインクリボンの送り量を計数することにより各色のインク領域の位置出しをする方式等がある。
また、サーマルヘッドは、加熱されてインクの昇華や溶融転写を繰り返すと、熱が蓄積(蓄熱)し、次第に温度が高くなる。
このサーマルヘッドの蓄熱によりサーマルヘッドの温度が上昇すると、インクを昇華或いは溶融させるエネルギが増加することになるので、この増加に応じて印刷濃度が高くなってしまう。
すなわち、複数回の印刷を断続的に実施した場合、初期の印刷濃度に対して次第に印刷濃度が高くなっていくという問題が生じる。
従って、連続した印刷動作において、常に安定した印刷濃度を得るためには、サーマルヘッドの蓄熱を抑えるような補正を行なう必要がある。
この補正の方法として、サーマルヘッドに温度センサ(サーミスタ)を組み込み、このセンサでヘッドの温度を検出し、その温度が設定値より高くなった場合に、このサーマルヘッドに供給する熱エネルギを減ずることが行われてきた。
一方、サーマルヘッドの蓄熱による濃度変化は、上述したような被印刷物への一面印刷の場合は、先に印刷した印刷濃度よりも後に印刷した印刷濃度が高くなるという不具合をもたらすが、被印刷物への両面印刷の場合は、別の不具合をもたらす。
即ち、第1面(以下、便宜的に表面とも称する)への印刷動作においてサーマルヘッドから付与される熱により被印刷物の温度が上昇し、その第2面(以下、便宜的に裏面とも称する)への印刷時には、より高い表面温度の第2面に印刷することになるので、第1面(例えば表面)における印刷濃度に対して、第2面(例えば裏面)の印刷濃度が高くなり、表裏面での印刷濃度が異なるという不具合である。
両面印刷方法の第1の例として、被印刷物が紙であって、搬送方向に並べて配置された第1及び第2の印刷部に対して紙を供給し、まず、第1の印刷部で表面側に印刷した後、第2の印刷部で裏面側に印刷するという方法があり、これは特許文献1に開示されている。
また、両面印刷方法の第2の例として、被印刷物が樹脂製のカードであって、先ずこのカードをサーマルヘッドがある印刷部に搬送して表面側に印刷した後、このカードを印刷部より排出して反転機で裏返し、裏返したカードを再び印刷部に搬入して裏面側に熱転写印刷するという方法が知られている。
特許文献1には、第2の印刷部における第2のサーマルヘッドに印加する発熱エネルギを第1の印刷部における第1のサーマルヘッドに印加する発熱エネルギより小さくし、第1の印刷部における印刷動作で上昇した紙の温度を考慮して両面の印刷濃度が同じになるよう補正することが記載されている。
特開2001−199095号公報
ところで、近年、熱転写印刷装置に対しては、より高速のカラー両面印刷が求められている。
上述したようなサーマルヘッドに供給される発熱エネルギに起因する濃度変化は、印刷速度が高速の場合程顕著となり、より緻密な高精度の濃度補正が必要になる。
一方、カラー印刷の場合は、上述したように、複数の色のインク領域を有するインクリボンを用いて印刷を行うが、印刷時の印刷面の温度及びこれに加算されるサーマルヘッドからの付与熱による昇温分で決定される、インクの転写温度(この温度はもちろんインクの昇華温度以上)が同じであっても、各インク色毎に、異なる濃度で印刷される。
これは、各インク毎に昇華開始温度が異なることに起因する。
従って、従来の濃度補正では、印刷像全体の濃淡は程度補正できるものの、この色毎に異なる濃度特性まで補正することができず、その特性に基づく濃度むらの発生が避けられなかった。これは、例えば、イエロ(Y)色が濃く、マゼンタ(M)色が薄く、という色毎の濃度むらである。
また、この第1面印刷後の第2面の温度上昇は、その被印刷物の材料の熱伝達特性等により異なるので、被印刷物の材料の違いによる表裏面の印刷濃度が違ったり、表裏面で色毎にその濃度が異なるという不具合も生じる。
カラー両面印刷は、被印刷物が樹脂製〔主にPVC(塩化ビニル)製〕のカードが多用されるものの、他の材料、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)製のカードや透明カードの場合にはPC(ポリカーボネート)製のカードも用いられる。
この場合、カードの材料違いで、印刷像における色毎の濃度が異なるという問題があり、汎用性を確保するために印刷装置として改善の余地がある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、被印刷物に対してカラーの両面印刷を行った場合においても、その両面で印刷濃度が異なることがなく、また、印刷したカードの色毎の濃度むらが生じることがない熱転写印刷装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本願発明は次の〔1〕,〔2〕の熱転写印刷装置を提供する。
〔1〕 複数色のインク(Y,M,C,K,L)それぞれに対応するインク領域を備えたインクリボン(9)における各前記インク領域のインク(Y,M,C,K,L)を、被印刷部材(1)の所定面に順次熱転写して印刷を行う熱転写印刷装置であって、
前記所定面は前記被印刷部材の一面(1a)及びその反対面(1b)であり、前記一面(1a)への印刷の後、前記反対面(1b)への印刷を行う構成とされる一方、 前記インク領域を加熱するサーマルヘッド(8d)と、前記サーマルヘッド(8d)に印加する熱エネルギの量を制御する制御部(20)と、を備え、該制御部(20)は、前記一面(1a)への印刷において前記サーマルヘッド(8d)に印加した熱エネルギの量(Vcor)に基づき、前記反対面への印刷において前記サーマルヘッド(8d)に印加する熱エネルギを各前記複数色のインク(Y,M,C,K,L)の熱転写動作毎に制御することを特徴とする熱転写印刷装置(50)である。
〔2〕 前記一面(1a)への印刷により上昇する前記反対面(1b)の温度上昇値(ΔTc)を求め、該温度上昇値(ΔTc)に基づいて各前記複数のインク(Y,M,C,K,L)毎に前記サーマルヘッド(8d)へ印加すべき色別熱エネルギ量を設定する熱エネルギ設定手段(23)を備え、前記制御部(20)は、前記熱エネルギ設定手段(23)により設定された前記色別熱エネルギ量(Ecor)に基づき、前記反対面への印刷において前記サーマルヘッド(8d)に印加する熱エネルギを各前記複数色のインク(Y,M,C,K,L)の熱転写動作毎に制御することを特徴とする〔1〕に記載の熱転写印刷装置(50)である。
本発明によれば、被印刷物に対してカラーの両面印刷を行った場合においても、その両面で印刷濃度が異なることがなく、また、印刷したカードの色毎の濃度むらが生じることがないという効果を奏する。
本発明の実施の形態を、好ましい実施例により図1〜図5を用いて説明する。
図1は、本発明の熱転写印刷装置の実施例を説明する構造図である。
図2は、本発明の熱転写印刷装置の実施例で用いるインクリボンを説明する図である。
図3は、本発明の熱転写印刷装置の実施例における濃度補正を説明する概略フロー図である。
図4は、本発明の熱転写印刷装置の実施例を説明するブロック図である。
図5は、本発明の熱転写印刷装置の実施例で用いるインクリボンのインクの昇華開始温度等を説明するグラフである。
まず、図1を用いて本発明の熱転写印刷装置の実施例における全体構成を説明する。また、この図中で、動作経路上にカード1を複数箇所示しているが、各動作におけるカード位置を示すものであり、その場合符号1に( )を付している。
この熱転写印刷装置50は、外観上、筐体51を有する本体部50Aと、この筐体51の外側面に取り付けられたカードスタッカ部50Bとを備える。
以下、筐体51の内部構成を説明する。
被印刷物であるカード1を図1のように複数枚積層して収納できるカードカセット2が、カードスタッカ部50Bの反対側に備えられている。
このカードカセット2は、カードの補充の際に取り出せるよう、着脱可能とされている。
カード1は、長方形形状のICカードまたは磁気記録カードであり、その短辺側が当図の手前側となるようにカードカセット2に収納されている。
このカード1は、カードカセット2の底面から供給ローラ3により1枚ずつ取り出され、一対のクリーニングローラ4の間を通り、反転機5に搬入される。
反転機5は、カード1を固定した状態で時計回りに90°回転してからエンコーダ部6に搬送する事が出来る。
エンコーダ部6には、磁気エンコーダ6a及び接触タイプのICエンコーダ6bと、2対の搬送ローラ6cとが備えられている。
また、当図においては、ICエンコーダ6bがカード1の右側に配置されていており、これはカード1がISO規格カードの場合の対応であるが、JIS規格カードの場合はカード1の左側に配置される。
エンコーダ部6により磁気記録あるいはIC記録されたカード1は、その記録が正しくなされた場合、搬送ローラ6cにより再び反転機5に搬送される。そして、反転機5はカード1を今度は反時計回りに90°回転して水平位置とする。
一方、エンコーダ部6でカード1に対して記録が正しくなされなかった場合は、そのカード1を不良と判定し、反転機5は、カード1を排出口7から排出できる角度位置で停止してその不良カード1を排出口7から排出する。
反転機5で水平位置にされた正常なカード1は、反転機5内の一対の搬送ローラ5aにより、印刷部8に搬送される。
ここで、この印刷部8におけるカード1への熱転写印刷について説明する。
この印刷部8は、2対の搬送ローラ8aと、搬送経路に沿ってその間に配置されたプラテンローラ8cと、このプラテンローラ8cと対向する位置に配置されたサーマルヘッド8dと、このサーマルヘッド8dを搬送経路に沿って挟むように配置され、インクリボンをガイドする一対のガイドポール8eとを備えている。
この一対のガイドポール8eを介して、インクリボン9はプラテンローラ8cとサーマルヘッド8dとの間を通るように懸架されており、このインクリボン9の両端側は、それぞれ供給リール10と巻き取りリール11とに巻回されている。
また、インクリボン9は、その一面をインク塗布面9aとされており、このインク塗布面がプラテンローラ8cと対向するように懸架されている。
インクリボン9のインク塗布面9aについて図2を用いて説明する。
インクリボン9は、帯状のベースフィルム9b上に、昇華性のイエロ(Y),マゼンタ(M)及びシアン(C)のインク、並びに、溶融性のブラック(K)のインクの計4色のインクと、印刷後の印刷面を保護するための溶融性の保護インク(L)との合計5色のインクを一印刷画面単位として、これを周期的に塗布したものである。
また、各インク塗布面の大きさは、カード1の印刷範囲よりも若干大きく設定されている。
再び動作説明に戻り、反転機5の搬送ローラ5aによって印刷部8に搬入されたカード1は、インクリボン9のインク塗布面9aとカード1の第1の印刷面1a(図の上側の面であり、便宜的に表面とも称する)とが対向するように搬送される。
その際、カード1の後端がセンサ8bによって検出されると、搬送ローラ8aが停止しカード1はその位置で保持される。この位置は、カード1の第1の印刷面1aへの印刷開始位置となる。
一方、インクリボン9は、巻き取りリール11に巻き取られる方向に図示しない駆動源により駆動されて、インクリボン9のイエロ(Y)領域の先端位置9c(隣接する印刷画面用保護インク(L)との境界)がサーマルヘッド8dと一致するまで巻き取られ、その位置で停止する。このインクリボン9の色検出及び位置出しは、周知の方法が適用できる。
そして、インクリボン9のイエロ(Y)領域の先端位置9cが、サーマルヘッド8dと一致すると、サーマルヘッド8dは、プラテンローラ8cの方向に移動して、インクリボン9とカード1とをプラテンローラ8cに押圧する。
サーマルヘッド8dには、転写印刷する画像におけるイエロ(Y)成分に対応する信号が、図示しない画像信号処理回路からライン順次に供給されると共に、プラテンローラ8c及び巻き取りリール11が図示しない駆動制御部からの指示により回転駆動されてカード1及びインクリボン9を送ることにより、イエロ(Y)成分の画像がカード1の第1の印刷面1aの所定印刷領域1a1に転写される。
次に、サーマルヘッド8dがプラテンローラ8cから離間する一方、搬送ローラ8aが逆転し、カード1はその後端がセンサ8bで検出される位置まで戻される。
そして、上述したイエロ(Y)のインク転写と同様の行程で、マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の転写が繰り返し行われ、第1の印刷面1aへのカラー印刷が完了する。
さらに、必要な場合は、この印刷面を保護するための保護インク(L)が同様の工程により転写される。
印刷が片面印刷であってカード1の第1の印刷面1aのみの印刷で終了する場合、カード1は一対の排出ローラ15によりカード排出口13から排出されてカードスタッカ14に積み込まれる。
次に、カード1の第2の印刷面1b(図1の下側の面であり、便宜的に裏面とも称する)に印刷する場合について説明する。
第1の印刷面1aへのカラー印刷が完了したカード1は、再び反転機5に戻されて保持される。そして、反転機5は、この状態で180°回転してカード1を表裏反転し、再度印刷部8内に供給する。
そして、カード1の第2の印刷面1b(裏面)にカラーの熱転写印刷がなされる。
その際の、カード1,インクリボン9,プラテンローラ8c等の印刷動作は上述した第1の印刷面1a(表面)への印刷の場合と同様である。
但し、この第2の印刷面1bへの印刷時には、第1の印刷面1aへの熱転写印刷における印刷動作によってカード1の温度が高くなっており、各色のインクの印刷濃度が濃くならないようにサーマルヘッド8dに通電供給するエネルギを抑制するように補正する。
以上詳述した一連の印刷動作等は、本体50Aに備えられた制御部(CPU)20により制御される。また、制御に必要な基本データやプログラム等は、同じく50Aに備えられた記憶部(メモリ)21に格納されている。
また、外部との通信を可能とする通信手段を備えてもよく、この場合、上述した制御等を外部の制御装置等から行う構成にしてもよいのは言うまでもない。
ここで実施例の熱転写印刷装置50の構成をブロック図である図4を用いて説明する。
図4(a)において、この熱転写印刷装置50は、上述したように、一連の動作を制御する制御部20を備えている。
この制御部20には、カード1の位置を検出するセンサ8bやインクリボンの位置出しをするためのセンサ8f等のセンサ群8gからの信号が入力される。
また、この制御部20は、センサ群8gからの入力信号に基づき、供給ローラ3,プラテンローラ8cあるいはクリーニングローラ4等にそれぞれ連結された複数のモータ(図示せず)の駆動源群Mを駆動制御する。
また、この制御部20は、サーマルヘッド8dに所定の熱エネルギが供給されるようサーマルヘッド駆動部8hに対してサーマルヘッド8dへの通電量を制御する。
入力部22は、外部からユーザが設定値等を入力するためのものであり、その入力信号が制御部20に送出される。
補正量設定部23は、制御部20と協働して、サーマルヘッド6dに供給する熱エネルギの補正量及び補正後の熱エネルギを設定する。
制御部20は、サーマルヘッド6dに対して、この補正量に応じて補正された熱エネルギを供給するよう、その通電を制御する。
補正量設定部23の詳細を図4(b)に示す。この補正量設定部23は、各色毎に印刷が実行されたか否かの印刷情報を制御部20から取得する印刷情報取得部23aと、この印刷情報取得部23aにより取得された印刷情報に基づき、各色の余熱量を設定する余熱量設定部23bと、この余熱量設定部23bで設定された余熱量を総計して補正基準量を求める補正基準量設定部23cと、この補正基準量設定部23cで求められた補正基準量と記憶部21に記憶された関数またはテーブルから得られる各色の濃度特性データとに基づいて、色毎の最終的補正量を決定する補正量決定部23dと、を有している。
この補正量設定部23については、以下の補正処理フローの説明において詳述する。
図3は、実施例の熱転写印刷装置において、カード1の第2の印刷面1bへ熱転写印刷をする場合の補正処理フローを説明する概略図である。
このフローにおいて、各処理の制御等は、この熱転写印刷装置50に備えた、搬送等の駆動制御も行う制御部(CPU)20,記憶部(メモリ)21及び補正量設定部23により実行されるが、上述したように、通信手段を備えて外部の制御部等により制御される構成としてもよい。
同図において、処理<1>は、各色毎の印刷有無を印刷情報として求めるステップである。これは印刷情報取得部23a等により実行される。
具体的には、カード1の第1の印刷面1aに、カラーインク(Y),(M),(C)及びブラックインク(K)並びに保護インク(L)をそれぞれ印刷したか否かを検出する。
処理<2>は、処理<1>において求めた印刷情報に応じて要因別余熱量を設定するステップである。これは、余熱量設定部23b等により実行される。
この要因別余熱量は、第1の印刷面1aに対する印刷時の各色毎の予熱量を示している。
具体的には、Y印刷を例にとると、Y色の印刷をした場合は、その印刷に伴う余熱量Vyを設定し、印刷がなかった場合は、予熱量を0とする。
この余熱量について説明する。
実施例の熱転写印刷装置50は、例えばY色のインクの転写(印刷)を行う際に、カード1をサーマルヘッド8d及びプラテンローラ8c間に通過させる動作を行う。
従って、この動作に伴いカード1に対してサーマルヘッド8dから付与される熱量を考慮するために、この余熱量Vyを設定する。
他の色についても、同様に余熱量Vm,Vc,Vb及びVLを設定する。
処理<3>は、処理<2>で設定した余熱量を総計して補正基準量を求めるステップである。これは、補正基準量設定部23c等により実行される。
この補正基準熱量は、カード1の第1の印刷面1aに対する印刷動作を実行した際の、サーマルヘッド8dへの通電に基づく総熱量Vcorとして求める。
この総熱量Vcorは、図3の注記に示すように、各色の印刷の有無に応じて選択される余熱量〔Vy,…,VL又は0(ゼロ)〕の総和である。
処理<4>は、処理<3>で得られた補正基準量Vcorに基づき、各色の具体的補正量及びこの補正量からサーマルヘッド8dに印加すべき各色の熱エネルギEcorを決定するステップである。これは補正量決定部23d等により実行される。
上述したように、インクの昇華開始温度は各色で異なる。また、所定の階調を維持して印刷を実行する際に印可する電流の通電率も各色で異なる。
従って、各色のインクにおいて、付与される余熱量と実際に得られる濃度との関係を関数(FY,FM,…,FL)として予め求めておき、この関数により<処理3>で得られた補正基準熱量から補正量を求める。この補正量は、例えば、比率(%)として与えられる。
関数(FY,FM,…,FL)は、予め記憶手段21に記憶させておき、印刷の都度、これを用いて補正量を演算して求めてもよく、また、予め求めた演算結果のテーブルを記憶手段21に記憶させておいてもよい。
次に、この補正量について図5を用いて詳述する。
上述したように、インクの色により昇華開始温度が異なるが、これについて、理解容易のためにイエロ(Y)とマゼンタ(M)の2色を代表として、サーマルヘッドの温度制御グラフを用いて説明する。
図5は、印刷時の1ライン通電期間と、その期間で制御されるサーマルヘッドの発熱体の温度THとの関係を示したグラフである。
実線がイエロ(Y)に対応し、破線がマゼンタ(M)に対応する。
この図からわかるように、イエロ(Y)インクの昇華開始温度Ty0は、マゼンタ(M)インクの昇華開始温度Tm0よりも低い。即ち、異なった昇華開始温度となっている。
そのため、同じタイミングで昇華を開始させるように、発熱体温度THの温度基点TH0からの昇温勾配が各色で異なって設定されている。
また、温度THは、インク昇華後に所定の印刷濃度となるような維持温度Ty1,Tm1に維持されるが、この温度と昇華開始温度との差(YΔt,MΔt)、即ち、
YΔt=Ty1−Ty0
MΔt=Tm1−Tm0
も、各色で異なる。
これは、各色で異なるγ特性を有しており、それに合わせ込むことに起因する。
また、この温度差(YΔt,MΔt)を階調通電期間内で維持する通電率(Yduty,Mduty)も異なる値となる。
従って、印刷時に必要な昇華エネルギEy,Emは、それぞれ、
Ey=YΔt×Yduty×Y階調数
Em=MΔt×Mduty×M階調数
と表される。
第1の印刷面への印刷により第2の印刷面の温度が高くなることは、このグラフにおける温度基点TH0が高くなることである。
一方、昇華開始温度Ty0,Tm0や維持温度Ty1,Tm1は変わらないので、この第2の印刷面の温度上昇により考慮すべき余剰エネルギΔEy,ΔEmは、第2の印刷面の温度上昇をΔTcとすると、
ΔEy=ΔTc×Yduty×Y階調数
ΔEm=ΔTc×Mduty×M階調数
である。
この実施例における補正は階調周期で行う方法であるので、各色の補正量(Y_cor,M_cor)を、
Y_cor=−ΔEy=−ΔTc×Yduty
M_cor=−ΔEm=−ΔTc×Mduty
とすることで、余剰エネルギ分を相殺して印刷を行うことができる。
この場合、第2の印刷面の温度上昇は、その被印刷物(カード等)の材質や厚さ等に応じて、具体的には、熱容量や温度勾配等に応じて、最適値を設定することができるので、極めて精度のよい補正が可能となる。
記憶部21には、この温度特性等の値を予め記憶させておくが、被印刷物の材質や形状等を変更した場合には、入力部22(図4参照)からユーザが入力した値を置き換えで、または、併せて記憶部21に記憶させる構成としてもよい。
以上、詳述した補正量は、各色独立した補正量を求めるものであるが、簡易的な補正で足りる用途の場合は、補正量が近似する色は同じ補正量で処理してももちろんよい。
次に、実施例の熱転写印刷装置50における補正量設定の一例を説明する。
この装置は、使用するインクの濃度特性等から以下の補正量を設定している。
印刷動作に加えて転写を行う場合、イエロ(Y),マゼンタ(M),シアン(C)については共通の補正値−0.28%を適用し、ブラック(K)については、−0.08%を適用し、保護インク(L)については、−0.41%を適用している。
従って、第2の印刷面1bに対する転写印刷実行時の補正量Eは、
E=−0.28×3−0.08−0.41=−1.33(%)である。
以上、詳述した構成、方法により求めた各色の補正量に基づいて、各色の印刷時にサーマルヘッド8dに供給するエネルギを補正して第2の印刷面への印刷を行う。
これにより、カードの第1の印刷面への印刷により昇温した第2の印刷面への印刷時に、その面の温度上昇や印刷する画像内容に加えて、その上昇した温度に対して得られる色毎の印刷濃度違いをも考慮してサーマルヘッドに供給するエネルギの補正を行うので、複数枚印刷しても枚数によらず色濃度むらがないことはもとより、第1の印刷面と第2の印刷面との間での色濃度むらがなくなり、極めて高品位な両面印刷カードを得ることができる。
また、印刷を行わない色があっても、印刷動作に伴いカードに付与される熱量も考慮した補正が成されるので、あらゆる印刷画像に対して色濃度むらのない、安定した印刷画像が施された両面印刷カードを得ることができる像を得ることができる。
また、異なる印刷速度,異なるカード材質や厚さ(異なる熱的物性値),異なるインク種類等に対しても、補正量を求める際の基準となる関数やテーブル等を任意に最適化できるので、極めて汎用性の高い熱転写印刷装置とすることができる。
本発明の実施例は、上述した構成及び手順に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形例としてもよいのは言うまでもない。
例えば、インクリボンのインクは昇華型の例を説明したが、溶融型であってもよいことは言うまでもない。
本発明の熱転写印刷装置の実施例を説明する構造図である。 本発明の熱転写印刷装置の実施例で用いるインクリボンを説明する図である。 本発明の熱転写印刷装置の実施例における濃度補正を説明する概略フロー図である。 本発明の熱転写印刷装置の実施例を説明するブロック図である。 本発明の熱転写印刷装置の実施例で用いるインクリボンのインクの昇華開始温度等を説明するグラフである。
符号の説明
1 カード(被印刷物)
1a 第1の印刷面(表面)
1a1 印刷領域
1b 第2の印刷面(裏面)
2 カードカセット
3 供給ローラ
4 クリーニングローラ
5 反転機
6 エンコーダ部
6a 磁気エンコーダ
6b ICエンコーダ
6c 搬送ローラ
8 印刷部
8b センサ
8c プラテンローラ
8d サーマルヘッド
8e ガイドポール
8f センサ
8h サーマルヘッド駆動部
9 インクリボン
9a インク塗布面
9b ベースフィルム
14 カードスタッカ
20 制御部(CPU)
21 記憶部(メモリ)
22 入力部
23 補正量設定部
23a 印刷情報取得部
23b 余熱量設定部
23c 補正基準量設定部
23d 補正量決定部
50 熱転写印刷装置
50A 本体部
50B カードスタッカ部
51 筐体

Claims (2)

  1. 複数色のインクそれぞれに対応するインク領域を備えたインクリボンにおける各前記インク領域のインクを、被印刷部材の所定面に順次熱転写して印刷を行う熱転写印刷装置であって、
    前記所定面は前記被印刷部材の一面及びその反対面であり、前記一面への印刷の後、前記反対面への印刷を行う構成とされる一方、
    前記インク領域を加熱するサーマルヘッドと、
    前記サーマルヘッドに印加する熱エネルギの量を制御する制御部と、を備え、
    該制御部は、
    前記一面への印刷において前記サーマルヘッドに印加した熱エネルギの量に基づき、前記反対面への印刷において前記サーマルヘッドに印加する熱エネルギを各前記複数色のインクの熱転写動作毎に制御することを特徴とする熱転写印刷装置。
  2. 前記一面への印刷により上昇する前記反対面の温度上昇値を求め、該温度上昇値に基づいて各前記複数色のインク毎に前記サーマルヘッドへ印加すべき色別熱エネルギ量を設定する熱エネルギ設定手段を備え、
    前記制御部は、前記熱エネルギ設定手段により設定された前記色別熱エネルギ量に基づき、前記反対面への印刷において前記サーマルヘッドに印加する熱エネルギを各前記複数色のインクの熱転写動作毎に制御することを特徴とする請求項1記載の熱転写印刷装置。
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