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JP2007035394A - 燃料電池の制御装置 - Google Patents

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JP2007035394A
JP2007035394A JP2005215490A JP2005215490A JP2007035394A JP 2007035394 A JP2007035394 A JP 2007035394A JP 2005215490 A JP2005215490 A JP 2005215490A JP 2005215490 A JP2005215490 A JP 2005215490A JP 2007035394 A JP2007035394 A JP 2007035394A
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剛 武藤
Teruyuki Ushijima
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

【課題】燃料電池の加湿状態を精度良く判定し、燃料電池内部の水分量を最適に調節することで、燃料電池の出力低下を効果的に抑制するようにした燃料電池の制御装置を提供する。
【解決手段】燃料電池を形成する複数個の単電池のそれぞれの出力電圧を検出し、検出された出力電圧のそれぞれについて偏差Vdを算出し(S12)、算出された偏差Vdを用いて出力電圧の分散Vvを算出し(S16)、分散Vvと偏差Vd(具体的には最大偏差Vdmax)とに基づいて燃料電池の加湿状態を判定する(S18からS30)と共に、加湿状態の判定結果に基づいて燃料電池の内部の水分量を調節する(S32)。
【選択図】図3

Description

この発明は、燃料電池の制御装置に関する。
燃料電池は、内部の水分量(電解質膜の含水量)が不足すると出力が低下するため、燃料や空気を加湿して水分を供給する必要がある。一方、水分が過剰に供給されると、燃料電池の内部で水分が凝縮してガス通路が閉塞され、ガスの拡散が妨げられて出力低下を招くという不具合が生じる。
そこで、従来、燃料電池の出力低下を監視し、出力低下が検出されたときに燃料電池内部の水分量を調節するようにした技術が提案されている。また、例えば特許文献1に記載されるように、燃料電池から排出されたガスの湿度を検出し、検出された排出ガスの湿度が一定となるようにガスの供給量を調節する(具体的には、排出ガスの湿度が上昇した場合、ガスの供給量を増加し、燃料電池内部で水分が凝縮するのを防止する)ようにした技術も提案されている。
特開2003−51328号公報(段落0021)
上記したように、燃料電池は内部の水分量が不足しても過剰となっても出力低下を生じるため、出力低下が検出されても実際の加湿状態がドライ(水分不足)であるのかフラッド(水分過剰)であるのか区別し難い。一方、上記した特許文献1に記載されるように排出ガスの湿度を検出すれば燃料電池の加湿状態を推定することができるが、排出ガスの湿度は燃料電池内部の加湿状態を間接的に示すに過ぎず、実際の加湿状態とずれを生じる可能性があった。このように、従来技術にあっては、燃料電池の加湿状態を精度良く判定することができず、燃料電池内部の水分量を最適に調節することが困難であり、出力低下の抑制という点で改善の余地を残していた。
従ってこの発明の目的は上記した課題を解決し、燃料電池の加湿状態を精度良く判定し、燃料電池内部の水分量を最適に調節することで、燃料電池の出力低下を効果的に抑制するようにした燃料電池の制御装置を提供することにある。
上記の目的を解決するために、請求項1にあっては、単電池を複数個積層して形成される燃料電池と、前記燃料電池の内部の水分量を調節する水分量調節手段と、前記水分量調節手段の動作を制御する制御手段とを備えた燃料電池の制御装置において、前記複数個の単電池のそれぞれの出力電圧を検出する出力電圧検出手段と、前記検出された出力電圧の偏差を算出する第1の算出手段と、前記算出された偏差を用いて前記出力電圧の分散または標準偏差を算出する第2の算出手段と、および前記算出された分散または標準偏差と前記算出された偏差とに基づいて前記燃料電池の加湿状態を判定する加湿状態判定手段とを備えると共に、前記制御手段は、前記加湿状態の判定結果に基づいて前記水分量調節手段の動作を制御するように構成した。
また、請求項2に係る燃料電池の制御装置にあっては、前記加湿状態判定手段は、前記算出された分散または標準偏差を第1の所定値と比較する第1の比較手段と、および前記算出された偏差を第2の所定値と比較する第2の比較手段とを備えると共に、前記算出された分散または標準偏差が前記第1の所定値以上のとき、前記燃料電池の加湿が不足であると判定する一方、前記算出された偏差が前記第2の所定値以上のとき、前記燃料電池の加湿が過剰であると判定するように構成した。
また、請求項3に係る燃料電池の制御装置にあっては、前記水分量調節手段は、前記燃料電池に空気を供給する空気供給系、前記燃料電池に燃料を供給する燃料供給系、および前記燃料電池に冷却水を供給する冷却水供給系の少なくともいずれかであるように構成した。
請求項1に係る燃料電池の制御装置にあっては、燃料電池を形成する複数個の単電池のそれぞれの出力電圧を検出し、検出された各出力電圧の偏差を算出し、算出された各偏差を用いて出力電圧の分散または標準偏差を算出し、算出された分散または標準偏差と算出された偏差とに基づいて燃料電池の加湿状態を判定すると共に、加湿状態の判定結果に基づき、燃料電池の内部の水分量を調節する水分量調節手段の動作を制御するように構成したので、燃料電池の加湿状態を精度良く判定して燃料電池内部の水分量を最適に調節することが可能となり、燃料電池の出力低下を効果的に抑制することができる。
また、請求項2に係る燃料電池の制御装置にあっては、算出された分散または標準偏差を第1の所定値と比較し、分散または標準偏差が第1の所定値以上のとき、燃料電池の加湿が不足であると判定する一方、算出された偏差を第2の所定値と比較し、偏差が第2の所定値以上のとき、燃料電池の加湿が過剰であると判定するように構成したので、燃料電池の加湿状態を精度良く判定して燃料電池内部の水分量を最適に調節することが可能となり、燃料電池の出力低下を効果的に抑制することができる。
また、請求項3に係る燃料電池の制御装置にあっては、燃料電池に空気を供給する空気供給系、燃料電池に燃料を供給する燃料供給系、および燃料電池に冷却水を供給する冷却水供給系の少なくともいずれかの動作を制御することで燃料電池内部の水分量を調節するように構成したので、上記した効果に加え、構成を簡素化することができる。
以下、添付図面に即してこの発明に係る燃料電池の制御装置の最良の実施の形態について説明する。
図1は、この発明の第1実施例に係る燃料電池の制御装置を示す概略図である。
図1において符号10は、燃料電池(スタック)を示す。燃料電池10は、図2に示すように、単電池(セル)12を複数個(n個)、具体的には40個積層して形成された公知の固体高分子型燃料電池である。単電池12は、電解質膜(固体高分子膜)と、それを挟持する空気極と燃料極と、各電極の外側に配置されるセパレータ(いずれも図示せず)とから構成される。尚、正常時の各単電池12の中心電圧は約0.63Vであり、よって燃料電池10の出力電圧は25.2Vである。
燃料電池10の空気極には、燃料電池10に空気(カソードガス。具体的には酸素ガス)を供給する空気供給系14が接続される。空気供給系14は、空気供給路16と、空気排出路18と、加湿器20と、空気ポンプ(エアブロワ)22とから構成される。
空気供給路16は空気極の入口側に接続される一方、空気排出路18は空気極の出口側に接続される。空気供給路16と空気排出路18の途中には、加湿器20が配置される。加湿器20は、空気供給路16と空気排出路18を隔てる水蒸気透過膜(図示せず)を備える。また、空気供給路16において加湿器20よりも上流側には、空気ポンプ22が配置される。
一方、燃料電池10の燃料極には、燃料電池10に燃料(アノードガス。具体的には水素ガス)を供給する燃料供給系26が接続される。燃料供給系26は、燃料供給路28と、燃料排出路30と、燃料還流路32と、第1から第3の電磁弁34,36,38とから構成される。
燃料供給路28は燃料極の入口側に接続される一方、燃料排出路30は燃料極の出口側に接続される。燃料供給路28の途中には第1の電磁弁34が配置され、燃料排出路30の途中には第2の電磁弁36が配置される。燃料供給路28の第1の電磁弁34よりも上流側は、燃料の供給源(図示せず)に接続される。また、燃料供給路28の第1の電磁弁34よりも下流側と、燃料排出路30の第2の電磁弁36よりも上流側は、燃料還流路32を介して接続される。燃料還流路32の途中には、第3の電磁弁38が配置される。
また、燃料電池10の冷却水通路には、燃料電池10に冷却水を供給する冷却水供給系42が接続される。冷却水供給系42は、冷却水循環路44と、ラジエータ46と、冷却ファン48と、冷却水ポンプ50とから構成される。
冷却水循環路44は燃料電池10に形成された冷却水通路に接続され、その途中にはラジエータ46と冷却水ポンプ50とが配置される。ラジエータ46には冷却ファン48が設けられる。冷却水ポンプ50によって圧送された冷却水は、冷却水循環路44を介して燃料電池10とラジエータ46の間を循環させられる。
また、燃料電池10には、出力電圧検出部(電圧センサ)54が接続される。出力電圧検出部54は、燃料電池10を形成するn個(40個)の単電池12のそれぞれの出力電圧Vi(i:1〜n(=40))を検出する。出力電圧検出部54によって検出された各単電池12の出力電圧Viは、電子制御ユニット(以下「ECU」という)56に入力される。ECU56はマイクロ・コンピュータからなり、CPUやROM、RAMなど(いずれも図示せず)を備える。
空気ポンプ22によって吸引された空気は、空気供給路16と加湿器20を介して燃料電池10の空気極に供給される。また、燃料供給路28に配置された第1の電磁弁34が開弁されると、燃料の供給源から圧送された燃料が、燃料電池10の燃料極に供給される。
燃料電池10に供給された空気と燃料は、電気化学反応を生じる。空気極および燃料極で生じる電極反応は、具体的には下記の通りである。
空気極:H→2H+2e
空気極:1/2O+2H+2e→H
従って、全体の反応は下記となる。
全体:H+1/2O→H
上記の反応によって燃料電池10が発電した電力(直流電流)は、図示しない出力端子と出力回路を介して電気負荷(外部の電気機器)に供給される。
尚、上記反応に用いられなかった未反応空気は、空気極から空気排出路18と加湿器20を介して燃料電池10の外部に排出される。排出される未反応空気には、発電に伴って空気極で生成された水分(生成水)が含有される。かかる生成水は、加湿器20の内部に設けられた水蒸気透過膜を透過して空気供給路16を通過する空気に供給され、よって燃料電池10に供給される空気が加湿される。
また、同様に上記反応に用いられなかった未反応燃料は、燃料極から燃料排出路30に排出される。通常、燃料排出路30に配置された第2の電磁弁36は閉弁されると共に、燃料還流路32に配置された第3の電磁弁38は開弁される。従って、燃料極から排出された未反応燃料は、排出路30と還流路32と供給路28を介し、燃料電池10の燃料極に再度供給される。
また、第3の電磁弁38を閉弁し、第2の電磁弁36を開弁することで、燃料極のパージが実行され、燃料極に滞留した水分などが排出路30を介して燃料電池10の外部に排出される。
また、冷却水ポンプ50から圧送された冷却水は、冷却水循環路44を介して燃料電池10(冷却水通路)に供給され、燃料電池10を冷却する。燃料電池10を冷却することによって昇温させられた冷却水は、冷却水循環路44を介してラジエータ46に流入され、そこで冷却されて再度燃料電池10に供給される。尚、冷却ファン48の回転数が高いときほど、ラジエータ46に流入された冷却水の冷却が促進される。
また、ECU56は、入力された出力電圧Viに基づいてポンプ22,50、電磁弁34,36,38および冷却ファン48の動作を制御することで、燃料電池10の内部の水分量を調節する。
図3は、ECU56で実行される燃料電池内部の水分量の調節処理を表すフローチャートである。図示のプログラムは、所定の周期(例えば10msecごと)で実行される。
ここで、図3フローチャートを説明する前に、発明者らが知見した出力電圧Viと燃料電池10の加湿状態の関係について説明する。
図4は、燃料電池10の加湿状態が正常であるとき(水分の過不足がないとき)の出力電圧Viの変化を示すタイム・チャートである。また、図5は、燃料電池10の加湿状態が正常であるときの出力電圧Viの分布を示すグラフである。
図4に示すように、燃料電池10の加湿状態が正常であれば、燃料電池10を形成するn個(40個)の単電池12の出力電圧Viはほぼ等しい値となる(ある値に収束する)。従って、出力電圧Viの偏差Vdと分散Vvは、共に小さな値となる。
尚、偏差Vdとは、検出された全ての出力電圧Viを平均して得た平均値Vaと、個別の出力電圧Viの差である。従って偏差Vdは、各単電池12の出力電圧Viのそれぞれについて算出される。平均値Vaは下記の式1に従って算出されると共に、偏差Vdは下記の式2に従って算出される。
Figure 2007035394
Figure 2007035394
また、分散Vvは、各偏差Vdを二乗して算術平均した値であり、下記の式3に従って算出される。分散Vvの数値が小さいほど、各単電池12の出力電圧Viが平均値Vaの近辺に集まっていることを示す。
Figure 2007035394
この実施例に係る燃料電池10にあっては、図5に示すように、加湿状態が正常であるときの最大偏差Vdmax(算出された全ての偏差Vdのうち最大のもの)が約0.03であり、分散Vvが約0.0001であった。
図6は、燃料電池10の加湿状態がドライであるときの出力電圧Viの変化を示すタイム・チャートである。また、図7は、燃料電池10の加湿状態がドライであるときの出力電圧Viの分布を示すグラフである。
燃料電池10の加湿状態がドライ(水分不足)になると、電解質膜のイオン伝導性が悪化して単電池12の内部抵抗が増加し、出力電圧Viが低下する。そのため、単電池12の発熱量が増加する。ところで、各単電池12は冷却水によって冷却されるが、燃料電池10の構造上、各単電池12の間で冷却状態にばらつきが生じる。加湿状態がドライになることに伴って単電池の発熱量が増加すると、冷却状態の良くない(冷却能力の低い)単電池の温度が上昇する。そのため、温度上昇した単電池の電解質膜のドライ化が促進され、内部抵抗が増加して発熱量が増加し、さらなる温度上昇と電解質膜のドライ化を招く。即ち、加湿状態がドライになると、冷却状態の良くない単電池で温度上昇、電解質膜のドライ化、発熱量の増加、温度上昇・・・が繰り返され、出力電圧が他の単電池よりも低下することから、図6に示すように各出力電圧Viの間にバラツキが生じる。
従って、加湿状態がドライであれば、正常時よりも分散Vvが大きくなる。図7に示すように、加湿状態がドライであるときの分散Vvは約0.0008であり、正常時の約8倍であった。一方で、各単電池間の冷却状態のばらつきの幅は小さく、その分布も滑らかである(具体的には、図8に示すように、積層された単電池のうち、中心付近に位置する単電池の冷却状態が端部付近に位置するものよりも悪化し、温度が上昇する)ため、ドライのときの偏差Vdは、正常であるときのそれと大きな差は生じない。この実施例にあっては、図7に示すように、加湿状態がドライであるときの最大偏差Vdmaxは約0.05であり、正常時の2倍に満たなかった。
図9は、燃料電池10の加湿状態がフラッドであるときの出力電圧Viの変化を示すタイム・チャートである。また、図10は、燃料電池10の加湿状態がフラッドであるときの出力電圧Viの分布を示すグラフである。
燃料電池10の加湿状態がフラッド(水分過剰)になると、燃料電池10の内部で水分が凝縮してガス通路が閉塞され、ガスの拡散が妨げられて出力電圧の低下を招く。単電池12の発電量は電極に供給されるガス量の変化に敏感であることから、ガスの拡散が妨げられると、図9に示すように出力電圧の顕著な低下が生じる。そのため、加湿状態がフラッドのときの分散Vvは正常であるときのそれと大きな差は生じないものの、偏差Vdは正常時のそれと大きく相違する。図10に示すように、加湿状態がフラッドであるときの最大偏差Vdmaxは約0.09であり、正常時のそれの3倍、ドライ時の約2倍であった。また、加湿状態がフラッドであるときの分散Vvは約0.0003であり、正常時の3倍、ドライ時の約1/3であった。
このように、燃料電池10の加湿状態に応じて偏差Vdと分散Vvの値が変化する。従って、偏差Vd(最大偏差Vdmax)と分散Vvの値から、燃料電池10の加湿状態が正常、ドライおよびフラッドのいずれにあるか判定することができる。
以上を前提に図3フローチャートの処理について説明すると、先ずS10において、上記した式1に従って各出力電圧Viの平均値Vaを算出する。次いでS12に進み、各出力電圧Viのそれぞれについて、上記した式2に従って偏差Vdを算出した後、S14に進み、算出された各偏差Vdの中から最大偏差Vdmaxを選択する。
次いでS16に進み、算出された各偏差Vdを用い、上記した式3に従って分散Vvを算出すると共に、S18に進み、算出された分散Vvを所定値Vvref(第1の所定値)と比較する。ここで所定値Vvrefは、加湿状態がドライのときの分散Vvとフラッドのときの分散Vvの間の値に、実験を通じて予め設定される。この実施例にあっては、ドライのときの分散Vvが0.0008であり、フラッドのときのそれが0.0003であることから、所定値Vvrefは0.0005に設定した。
次いでS20に進み、分散Vvが所定値Vvref以上か否か判断する。S20で肯定されるとき、即ち、分散Vvが所定値Vvref以上であるときはS22に進み、燃料電池10の加湿状態がドライである(加湿が不足である)と判定する。
一方、S20で否定されるとき、即ち、分散Vvが所定値Vvref未満であるときはS24に進み、最大偏差Vdmaxを所定値Vdref(第2の所定値)と比較する。所定値Vvrefは、加湿状態がフラッドのときの最大偏差Vdmaxとドライのときの最大偏差Vdmaxの間の値に、実験を通じて予め設定される。この実施例にあっては、フラッドのときの最大偏差Vdmaxが0.09であり、ドライのときのそれが0.05であることから、所定値Vdrefは0.06に設定した。
次いでS26に進み、最大偏差Vdmaxが所定値Vdref以上か否か判断する。S26で肯定されるとき、即ち、最大偏差Vdmaxが所定値Vdref以上であるときはS28に進み、燃料電池10の加湿状態がフラッドである(加湿が過剰である)と判定する。一方、S26で否定されるとき、即ち、最大偏差Vdmaxが所定値Vdref未満であるときはS30に進み、燃料電池10の加湿状態が正常であると判定する。
S22,S28およびS30のいずれかで燃料電池10の加湿状態が判定された後はS32に進み、加湿状態の判定結果に基づいて空気供給系14、燃料供給系26および冷却水供給系42の動作を実行し、燃料電池10の内部の水分量を調節する。
図11は、燃料電池内部の水分量の調節処理を表すサブ・ルーチン・フローチャートである。
図11フローチャートを説明すると、先ずS100において、燃料電池10の加湿状態の判定結果が正常、ドライ、フラッドのいずれであるか判断する。判定結果がドライであると判断されるときはS102に進み、冷却水供給系42の動作を制御する。具体的には、冷却ファン48の回転数を上昇させ、冷却ファン48の風量を増加させる。次いでS104に進み、空気供給系14の動作を制御する。具体的には、空気ポンプ22の回転数を低下させ、空気ポンプ22の風量を減少させる。さらにS106において、燃料供給系26の動作、具体的には、第2の電磁弁36と第3の電磁弁38の動作を制御し、燃料のパージ頻度(時間間隔)を減少させる。
このように、燃料電池10の加湿状態がドライであるときは、冷却ファン48の風量を増加させることで冷却水温度を低下させ、よって燃料電池10の温度を低下させることで燃料電池内部の水分の蒸発を抑制する。また、空気ポンプ22の風量を減少させることで供給空気の圧力による水分の排出を抑制する。さらに、燃料のパージ頻度を減少させることで、パージに伴って排出される水分量を低減させる。これにより、燃料電池10の内部から排出される水分の量が減少し、加湿状態がドライから正常へと移行する。
一方、加湿状態がフラッドであると判定されたときはS108に進み、冷却ファン48の回転数を低下させて冷却ファン48の風量を減少させると共に、S110で空気ポンプ22の回転数を上昇させて空気ポンプ22の風量を増加させる。さらにS112で第3の電磁弁36を開弁させる頻度(燃料のパージ頻度)を増加させる。
即ち、燃料電池10の加湿状態がフラッドであるときは、冷却ファン48の風量を減少させることで冷却水温度を上昇させ、よって燃料電池10の温度を上昇させることで燃料電池内部の水分の蒸発を促進すると共に、空気ポンプ22の風量を増加させることで供給空気の圧力による水分の排出を促進する。さらに、燃料のパージ頻度を増加させることでパージに伴って排出される水分量を増加させる。これにより、燃料電池10の内部から排出される水分の量が増加し、加湿状態がフラッドから正常へと移行する。
尚、加湿状態が正常であると判定されたときは以降の処理を全てスキップし、各デバイスの現在の動作を維持する。具体的には、空気ポンプ22と冷却ファン48の回転数を現在の回転数に保つと共に、燃料のパージ頻度も現在のそれを維持する。
このように、この発明の第1実施例に係る燃料電池の制御装置にあっては、燃料電池10を形成する複数個の単電池12のそれぞれの出力電圧Viを検出し、検出された各出力電圧Viの偏差Vdを算出し、算出された各偏差Vdを用いて出力電圧Viの分散Vvを算出し、分散Vvと偏差Vd(具体的には最大偏差Vdmax)とに基づいて燃料電池10の加湿状態を判定する、具体的には、分散Vvを所定値Vvrefと比較し、分散Vvが所定値Vvref以上のとき、燃料電池10の加湿状態がドライである(加湿が不足である)と判定する一方、最大偏差Vdmaxを所定値Vdrefと比較し、最大偏差Vdmaxが所定値Vdref以上のとき、燃料電池10の加湿状態がフラッドである(加湿が過剰である)と判定すると共に、加湿状態の判定結果に基づいて燃料電池10の内部の水分量を調節するように構成したので、燃料電池の加湿状態を精度良く判定して燃料電池内部の水分量を最適に調節することが可能となり、燃料電池の出力低下を効果的に抑制することができる。
また、燃料電池10に空気を供給する空気供給系14(具体的には空気ポンプ22)、燃料電池10に燃料を供給する燃料供給系26(具体的には第2の電磁弁36と第3の電磁弁38)、および燃料電池10に冷却水を供給する冷却水供給系42(具体的には冷却ファン48)の動作を制御することで燃料電池10の内部の水分量を調節するように構成したので、構成を簡素化することができる。
尚、上記において、空気供給系14、燃料供給系26および冷却水供給系42の動作を制御することによって燃料電池10の水分量を調節するようにしたが、それら全ての動作を制御する必要は必ずしもなく、それらのうちの少なくともいずれかの動作を制御するようにしてもよい。また、空気や燃料を加湿する加湿器を備える場合には、加湿器の動作を制御することにより、燃料電池に供給される水分量を調節してもよい。
次いで、この発明の第2実施例に係る燃料電池の制御装置について説明する。
第1実施例との相違点に焦点をおいて説明すると、第2実施例にあっては、偏差Vvに代えて標準偏差Vsdを使用するようにした。尚、標準偏差Vsdは分散Vvの正の平方根である。
図12は、この発明の第2実施例に係る燃料電池の制御装置で実行される燃料電池内部の水分量の調節処理のうち、第1実施例で説明した図3フローチャートとの相違点を表すフローチャートである。
以下、図12フローチャートについて説明する。先ず、第1実施例で説明した図3フローチャートのS10からS14と同じ処理を実行した後、S16bに進んで標準偏差Vsdを算出する。次いでS18bに進み、算出された標準偏差Vsdを所定値Vsdref(第1の所定値)と比較する。ここで所定値Vsdrefは、加湿状態がドライのときの標準偏差Vsdとフラッドのときのそれの間の値に、実験を通じて予め設定される。
次いでS20bに進み、標準偏差Vsdが所定値Vsdref以上か否か判断する。S20bで肯定されるとき(標準偏差Vsdが所定値Vsdref以上であるとき)は図3フローチャートのS22に進んで加湿状態がドライであると判定する一方、S20bで否定されるとき(標準偏差Vsdが所定値Vsdref未満であるとき)は図3フローチャートのS24以降に進み、加湿状態がフラッドと正常のいずれであるか判定する。
尚、残余の構成は第1実施例と同一であるので、説明を省略する。
このように、第2実施例にあっては、偏差Vvに代え、その正の平方根である標準偏差Vsdを使用して燃料電池10の加湿状態を判定するようにしたので、第1実施例で述べたのと同様な効果を得ることができる。
以上のように、この発明の第1および第2実施例にあっては、単電池(12)を複数個積層して形成される燃料電池(10)と、前記燃料電池の内部の水分量を調節する水分量調節手段(空気供給系14、燃料供給系26、冷却水供給系42)と、前記水分量調節手段の動作を制御する制御手段(ECU56)とを備えた燃料電池の制御装置において、前記複数個の単電池のそれぞれの出力電圧(Vi)を検出する出力電圧検出手段(出力電圧検出部54)と、前記検出された出力電圧の偏差(Vd)を算出する第1の算出手段(ECU56、図3フローチャートのS12)と、前記算出された偏差を用いて前記出力電圧の分散(Vv)または標準偏差(Vsd)を算出する第2の算出手段(ECU56、図3フローチャートのS16、図12フローチャートのS16b)と、および前記算出された分散または標準偏差と前記算出された偏差とに基づいて前記燃料電池の加湿状態を判定する加湿状態判定手段(ECU56、図3フローチャートのS18からS30、図12フローチャートのS18b,S20b)とを備えると共に、前記制御手段は、前記加湿状態の判定結果に基づいて前記水分量調節手段の動作を制御する(図3フローチャートのS32、図11フローチャートのS100からS112)ように構成した。
また、前記加湿状態判定手段は、前記算出された分散または標準偏差を第1の所定値(所定値Vvref、所定値Vsdref)と比較する第1の比較手段(図3フローチャートのS18、図12フローチャートのS18b)と、および前記算出された偏差を第2の所定値(所定値Vdref)と比較する第2の比較手段(図3フローチャートのS24)とを備えると共に、前記算出された分散または標準偏差が前記第1の所定値以上のとき、前記燃料電池の加湿が不足であると判定する(図3フローチャートのS22)一方、前記算出された偏差が前記第2の所定値以上のとき、前記燃料電池の加湿が過剰である(図3フローチャートのS28)と判定するように構成した。
また、前記水分量調節手段は、前記燃料電池に空気を供給する空気供給系(14)、前記燃料電池に燃料を供給する燃料供給系(26)、および前記燃料電池に冷却水を供給する冷却水供給系(42)の少なくともいずれかであるように構成した。
この発明の第1実施例に係る燃料電池の制御装置を示す概略図である。 図1に示す燃料電池の外観を簡略的に現す斜視図である。 図1に示すECUで実行される燃料電池内部の水分量の調節処理を表すフローチャートである。 図1に示す燃料電池の加湿状態が正常であるときの出力電圧の変化を表すタイム・チャートである。 図1に示す燃料電池の加湿状態が正常であるときの出力電圧の分布を表すグラフである。 図1に示す燃料電池の加湿状態がドライであるときの出力電圧の変化を表す、図4と同様なタイム・チャートである。 図1に示す燃料電池の加湿状態がドライであるときの出力電圧の分布を表す、図5と同様なグラフである。 図2に示す各単電池の積層位置に対する温度の特性を現す特性図である。 図1に示す燃料電池の加湿状態がフラッドであるときの出力電圧の変化を表す、図4と同様なタイム・チャートである。 図1に示す燃料電池の加湿状態がフラッドであるときの出力電圧の分布を表す、図5と同様なグラフである。 図3フローチャートの処理を表すサブ・ルーチン・フローチャートである。 この発明の第2実施例に係る燃料電池の制御装置で実行される燃料電池内部の水分量の調節処理のうち、図3フローチャートとの相違点を表すフローチャートである。
符号の説明
10:燃料電池、12:単電池、14:空気供給系(水分量調節手段)、26:燃料供給系(水分量調節手段)、42:冷却水供給系(水分量調節手段)、54:出力電圧検出部(出力電圧検出手段)、56:ECU(制御手段、第1の算出手段、第2の算出手段、加湿状態判定手段、第1の比較手段、第2の比較手段)

Claims (3)

  1. 単電池を複数個積層して形成される燃料電池と、前記燃料電池の内部の水分量を調節する水分量調節手段と、前記水分量調節手段の動作を制御する制御手段とを備えた燃料電池の制御装置において、
    a.前記複数個の単電池のそれぞれの出力電圧を検出する出力電圧検出手段と、
    b.前記検出された出力電圧の偏差を算出する第1の算出手段と、
    c.前記算出された偏差を用いて前記出力電圧の分散または標準偏差を算出する第2の算出手段と、
    および
    d.前記算出された分散または標準偏差と前記算出された偏差とに基づいて前記燃料電池の加湿状態を判定する加湿状態判定手段と、
    を備えると共に、前記制御手段は、前記加湿状態の判定結果に基づいて前記水分量調節手段の動作を制御することを特徴とする燃料電池の制御装置。
  2. 前記加湿状態判定手段は、
    e.前記算出された分散または標準偏差を第1の所定値と比較する第1の比較手段と、
    および
    f.前記算出された偏差を第2の所定値と比較する第2の比較手段と、
    を備えると共に、前記算出された分散または標準偏差が前記第1の所定値以上のとき、前記燃料電池の加湿が不足であると判定する一方、前記算出された偏差が前記第2の所定値以上のとき、前記燃料電池の加湿が過剰であると判定することを特徴とする請求項1記載の燃料電池の制御装置。
  3. 前記水分量調節手段は、前記燃料電池に空気を供給する空気供給系、前記燃料電池に燃料を供給する燃料供給系、および前記燃料電池に冷却水を供給する冷却水供給系の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1または2記載の燃料電池の制御装置。
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