JP2007016380A - 成形加工原紙及びそれを用いた紙製成形容器もしくはその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】プレス成形時に、基材に亀裂、及び折りシワ部分の凹凸が発生しない良好な成形性と、高い生産性とを有するプレス成形に適した、パルプを主成分とする成形加工原紙の提供。また、比較的深いトレー、カップのような用途に適用できる紙製絞り成形容器(深絞り容器)の提供。特に、フランジの平滑性に優れた紙製絞り成形容器の提供。さらに、深絞り成形され、軽量であり、容器の胴膨れや底膨れ現象を起こさない、剛性の高い紙製容器、及びその製造方法の提供。
【解決手段】 密度0.7〜0.9g/cm3の高密度層、及び密度0.3〜0.6g/cm3の低密度層を有し、米坪が100〜500g/m2、全体の密度が0.4〜0.7g/cm3、かつ低密度層が機械パルプ、カールドファイバー、及びマーセル化パルプの少なくとも一つから選ばれるパルプを主体として構成された成形加工原紙。
【選択図】 図6
【解決手段】 密度0.7〜0.9g/cm3の高密度層、及び密度0.3〜0.6g/cm3の低密度層を有し、米坪が100〜500g/m2、全体の密度が0.4〜0.7g/cm3、かつ低密度層が機械パルプ、カールドファイバー、及びマーセル化パルプの少なくとも一つから選ばれるパルプを主体として構成された成形加工原紙。
【選択図】 図6
Description
本発明は、工業製品等を包装する包装用容器の素材として用いられる成形加工原紙に関するものである。さらに食肉、野菜、鮮魚等の生鮮食料品、あるいは、弁当、総菜、冷凍食品、菓子類、めん類などの各種加工食品等を収容する容器の素材である成形加工原紙に関する。さらに詳しくは、廃棄時の環境負荷が低く、特にプレス成形に適した特性を有する成形加工原紙、及びその製造方法に関するものである。
従来、食品容器、あるいは各種工業製品の包装材料として、成形が容易であること、大量生産できること、安価に製造できることなどから、プラスチック製容器が大量に使用されてきた。これらのプラスチック製容器としては、例えば、発泡ポリスチレンビーズをモウルド成形または発泡ポリスチレンシートをプレス成形して得た発泡スチロール容器、またポリプロピレン容器、ポリエチレンテレフタレート容器、ポリ塩化ビニル容器等が広く用いられている。しかしながら、上記のようなプラスチック製容器は、廃棄処分時の環境に対する負荷が高いという問題があった。即ち、埋め立て処理をすると半永久的に分解されず地中に残存し、また、焼却処理をすると、燃焼カロリーが高いため焼却炉を傷めやすいこと、完全燃焼しにくく、特にポリ塩化ビニルを使用したものは、腐食性の強い塩化水素ガスを発生する恐れがあることなどの問題があった。
そこで、近年、環境問題、リサイクル問題、省資源を考慮し、前述のプラスチック製容器に代わるものとして、リサイクルが可能で、廃棄された場合の燃焼カロリーも低く、生分解性能を有し、環境に対する負荷の低いパルプを素材とする容器が求められている。パルプ、もしくはパルプを主体とする素材による三次元形状を有する成形体としては、従来からパルプモウルド容器が存在する。パルプモウルド製容器は、以前から包装容器として広く使用されている。パルプモウルド容器の製造方法は、その目的とする容器形状に対応する凹凸形状を有する網型を作製し、その網型にパルプスラリーを吸引抄紙し、乾燥することで、パルプ原料を所望の形状に成形する方法である。従って、この方法により得られる容器形状はある程度自由度が高いものである。しかしパルプモウルドの製造には時間もかかり生産性に問題があった。さらに、パルプモウルド容器には食品用のトレー容器にはしばしば要求される十分な耐水性や耐油性を付与することは困難でありコスト増加を伴うものであった。
パルプモウルド以外で、パルプを主体した成形品を得る方法として、板紙等のパルプを主体とした基材シートを加熱下でプレス成形する方法が知られている。この方法は、雌雄型の間に予め罫線を入れた基材シートを装填し、熱圧でプレス成形したものである。このようなプレス成形法は、1回のプレスで成形体が得られるため、生産性が非常に高い。
しかし、樹脂や金属と異なり、紙パルプを主体とする基材シートは一般に延伸性、延展性、伸縮性に乏しい。従って、ある程度の深さを持つトレーを成形しようとして深いプレス成形を行うと、基材シートがその延伸に耐えられず破断する恐れがある。従って通常の板紙等を基材として使用した場合、いわゆる紙皿と呼ばれるような深さのほとんどない成形容器しか製造することできず、得られる成形体の形状が非常に限られていた。また破断が発生しなくても、罫線部分の折れ目部分に段差が生じたり容器表面を滑らかにすることは難しい。また、トレーの容器口縁部に段差が生じた場合等は、蓋をつけた場合や、またフィルム等でシールをしようとする場合に段差分の隙間ができるため、密閉性が問題となっていた。さらに、紙の折れ目を起点とする破断点がトレーの強度を下げる原因ともなっている。
しかし、樹脂や金属と異なり、紙パルプを主体とする基材シートは一般に延伸性、延展性、伸縮性に乏しい。従って、ある程度の深さを持つトレーを成形しようとして深いプレス成形を行うと、基材シートがその延伸に耐えられず破断する恐れがある。従って通常の板紙等を基材として使用した場合、いわゆる紙皿と呼ばれるような深さのほとんどない成形容器しか製造することできず、得られる成形体の形状が非常に限られていた。また破断が発生しなくても、罫線部分の折れ目部分に段差が生じたり容器表面を滑らかにすることは難しい。また、トレーの容器口縁部に段差が生じた場合等は、蓋をつけた場合や、またフィルム等でシールをしようとする場合に段差分の隙間ができるため、密閉性が問題となっていた。さらに、紙の折れ目を起点とする破断点がトレーの強度を下げる原因ともなっている。
このような問題を解決するため、例えば特開平5−286023号では、紙材に波形の屈曲部を多数設けて延伸性を付与した波形紙を金型内で加熱圧搾する方法が、特開平6−134898号では、全面に亘って凹凸を形成して延伸性を付与した紙材を加湿後に加熱しながらプレス成形する方法が、特開平7−214705号では、加湿処理の施された原紙を接着剤を介して複数重ねあわせ、次いでコルゲート加工した後プレス成形する方法が開示されている。
しかし、これらの方法はいずれも基材シートを予め波形状等にシワづけしておくことによって延伸性を持たせ、プレス加工適性を付与したのちプレス加工するというものである。従って、プレス加工前にシワ付け工程を必要とするばかりでなく、プレス加工後の容器全体にシワが存在し、美観を損なうばかりでなく、強度的にも十分なものではなかった。
また、特開平7−315358号では、段ボールシートを金属型で加熱しながらプレス成形する方法が開示されているが、これは基材に段ボールシートを用いて、そのフルート構造によってプレス加工による歪みをある程度吸収させるものである。
しかし、この方法は、基材シートに段ボールシートを使用しなくてはならず、一般的な板紙等の基材に適用できるものではない。また、プレス加工による発生したシワの凹凸を十分に吸収するものではなかった。また、特開平6−239334号では、パルプ繊維にオレフィン系樹脂を含ませ延伸性を付与したシートをプレス成形する方法が、特開平10−8393では、熱可塑性樹脂繊維とパルプ繊維と混抄して延伸性を向上させたシートを、加熱プレス成形する方法が開示されている。しかし、これらの方法は、紙を主体とする基材シートに熱可塑性樹脂を加えることによって基材シートにプレス加工適性を付与するものであって、紙基材の有するリサイクル性や、廃棄時の環境負荷の少なさなどの特性を損なうものである。
しかし、これらの方法はいずれも基材シートを予め波形状等にシワづけしておくことによって延伸性を持たせ、プレス加工適性を付与したのちプレス加工するというものである。従って、プレス加工前にシワ付け工程を必要とするばかりでなく、プレス加工後の容器全体にシワが存在し、美観を損なうばかりでなく、強度的にも十分なものではなかった。
また、特開平7−315358号では、段ボールシートを金属型で加熱しながらプレス成形する方法が開示されているが、これは基材に段ボールシートを用いて、そのフルート構造によってプレス加工による歪みをある程度吸収させるものである。
しかし、この方法は、基材シートに段ボールシートを使用しなくてはならず、一般的な板紙等の基材に適用できるものではない。また、プレス加工による発生したシワの凹凸を十分に吸収するものではなかった。また、特開平6−239334号では、パルプ繊維にオレフィン系樹脂を含ませ延伸性を付与したシートをプレス成形する方法が、特開平10−8393では、熱可塑性樹脂繊維とパルプ繊維と混抄して延伸性を向上させたシートを、加熱プレス成形する方法が開示されている。しかし、これらの方法は、紙を主体とする基材シートに熱可塑性樹脂を加えることによって基材シートにプレス加工適性を付与するものであって、紙基材の有するリサイクル性や、廃棄時の環境負荷の少なさなどの特性を損なうものである。
また、上記の方法で得られる基材シートは、これらを加圧プレスして得られる成形体が歪みの大きな曲面部を有する場合、この曲面に発生する折りシワ部分の凹凸が大きく、プレス後も表面が滑らかにならず、成形性が良好とは言えなかった。
また、内容物として、水分を多く含有するものや、または飲料、汁物、またはカップ麺の容器等の液体を入れる場合など、さらに多様な用途に使用するには、トレー形状よりもさらに高さのある側壁を有するプラスチック成形容器やカップ成形容器が使用されている。
本発明の目的は、プレス成形時に、基材に亀裂、及び折りシワ部分の凹凸が発生しない良好な成形性と、高い生産性とを有するプレス成形に適した、パルプを主成分とする成形加工原紙を提供することである。本発明は、比較的深いトレー、カップのような用途に適用できる、紙製絞り成形容器(深絞り容器)を提供することを課題とする。特に、フランジの平滑性に優れた紙製絞り成形容器を提供するものである。さらに本発明は、深絞り成形され、軽量であり、容器の胴膨れや底膨れ現象を起こさない、剛性の高い紙製容器、及びその製造方法を提供するものである。
本発明は上記課題を解決するため以下の構成をとる。
即ち、本発明の第1は、密度0.7〜0.9g/cm3の高密度層、及び密度0.3〜0.6g/cm3の低密度層を有し、米坪が100〜500g/m2、全体の密度が0.4〜0.7g/cm3、かつ低密度層が機械パルプ、カールドファイバー、及びマーセル化パルプの少なくとも一つから選ばれるパルプを主体として構成された成形加工原紙である。
即ち、本発明の第1は、密度0.7〜0.9g/cm3の高密度層、及び密度0.3〜0.6g/cm3の低密度層を有し、米坪が100〜500g/m2、全体の密度が0.4〜0.7g/cm3、かつ低密度層が機械パルプ、カールドファイバー、及びマーセル化パルプの少なくとも一つから選ばれるパルプを主体として構成された成形加工原紙である。
本発明の第2は、低密度層が機械パルプを主体として構成された本発明の第1に記載の成形加工原紙である。
本発明の第3は、少なくとも片面に破断伸び(JIS−P8113)が5%以上である紙シートを積層させた本発明の第1〜2のいずれかに記載の成形加工原紙である。
本発明の第4は、本発明の第1〜3のいずれかに記載の成形加工原紙を使用した紙製成形容器である。
本発明の第5は、絞り成形により成形された本発明の第4に記載の紙製成形容器である。
本発明の第6は、本発明の第1〜3のいずれかに記載の成形加工原紙を、プレス用金型を用いて、温度100〜150℃、プレス圧10〜100kgf/cm2条件で絞り成形することにより製造する紙製成形容器の製造方法である。
本発明により、プレス成形時に、基材に亀裂、及び折りシワ部分の凹凸が発生しない良好な成形性と、高い生産性とを有するプレス成形に適した、パルプを主成分とする成形加工原紙を提供することが可能となる。
さらに本発明により、比較的深いトレー、カップのような用途に適用できる、紙製絞り成形容器(深絞り容器)を提供することが可能となる。
特に、フランジの平滑性に優れた紙製絞り成型容器を提供することが可能となる。加えて本発明により、深絞り成形され、軽量であり、容器の胴膨れや底膨れ現象を起こさない、剛性の高い紙製容器を提供することが可能となる。
さらに本発明により、比較的深いトレー、カップのような用途に適用できる、紙製絞り成形容器(深絞り容器)を提供することが可能となる。
特に、フランジの平滑性に優れた紙製絞り成型容器を提供することが可能となる。加えて本発明により、深絞り成形され、軽量であり、容器の胴膨れや底膨れ現象を起こさない、剛性の高い紙製容器を提供することが可能となる。
本発明の成形加工原紙は、密度0.3〜0.6g/cm3低密度層と、密度0.7〜0.9g/cm3の高密度層を含む2層以上の多層抄き紙であり、かつ、全体の密度が0.4〜0.7g/cm3である。
本発明の成形加工原紙は、低密度層と高密度層を各々1層有する多層抄き紙であればよいが、さらに望ましくは表裏の外層を共に高密度層とし、低密度層である中層が挟まれた構造とすることが、より嵩高で剛度の高い原紙を得る上でさらに効果的である。
紙、板紙等のシートの剛度Sは、該シートを片持ち梁と考えたとき、S=E・I/B・W=E・T3/12・W、(E:ヤング率MPa、I:断面二次モーメントN・cm2、B:試料巾mm、W:試料重量kg、T:試料厚さmm)で示される。即ち、剛度Sはヤング率とシート厚さの3乗に比例すると考えることができる。
さらに、板紙のような多層構造のシートの剛度は、Tappi Nov.1963,Vol.46,No.11のA.T.Lueyによると、同様に前述の式を用い、各層のヤング率と断面二次モーメントから各層の剛度値を求め、それら各層の剛度値の和でシート全体の剛度値が求められるとされる。
この考え方に基づけば、紙の厚さ中心からの距離が遠い、即ち、紙厚が厚いほど剛度が得られるので、中層は嵩高にすればよい。また、剛度は厚さの3乗とヤング率の積で示されるので、ヤング率は外層ほど高い方が剛度向上に効果的である。
この考え方に基づけば、紙の厚さ中心からの距離が遠い、即ち、紙厚が厚いほど剛度が得られるので、中層は嵩高にすればよい。また、剛度は厚さの3乗とヤング率の積で示されるので、ヤング率は外層ほど高い方が剛度向上に効果的である。
このことから、中層の密度は0.3〜0.6g/cm3である。中層の密度を0.3g/cm3未満にすると層間強度の低下が激しく、また、0.6g/cm3を越えると、原紙全体の密度を0.4〜0.7g/cm3とすることができない。
本発明においては、外層の密度は、0.7〜0.9g/cm3であることが必要である。0.7g/cm3未満だと外層のヤング率が低下し、本発明の剛度の向上が期待できない。また、密度0.9g/cm3を越えた場合は原紙の外層表面が緊密になりすぎることによって、抄紙段階でこれ以上の高密度層を得ることは実質的には困難であるばかりか、プレス成形適性が伴わなくなる。
本発明においては、外層の密度は、0.7〜0.9g/cm3であることが必要である。0.7g/cm3未満だと外層のヤング率が低下し、本発明の剛度の向上が期待できない。また、密度0.9g/cm3を越えた場合は原紙の外層表面が緊密になりすぎることによって、抄紙段階でこれ以上の高密度層を得ることは実質的には困難であるばかりか、プレス成形適性が伴わなくなる。
また、本発明の成形加工原紙の坪量は100〜500g/m2の範囲であり、さらに好ましくは200〜400g/m2の範囲である。坪量が100g/m2より低いとプレス成形後に得られる成形体に十分な強度が発現せず、また500g/m2を越えると折りシワ部分の成形性が低下して好ましくない。
高密度層に用いるパルプの種類には特段の制約はないが、NUKP、NBKP、などのN材(針葉樹)パルプの叩解度を高くして剛度を失わないようにしたものが特に望ましい。
なお、本発明を効果的なものとするためには、高密度層とした外層の坪量は15〜100g/m2であることが好ましい。即ち15g/m2未満では高ヤング率の層を得ることは困難であり、また抄紙すること自体も困難である。一方、前記外層が100g/m2を越えると、相対的に低密度層の坪量が減るために原紙全体の密度が上がり、0.4〜0.7g/cm3の範囲とすることが困難であるからである。
なお、本発明を効果的なものとするためには、高密度層とした外層の坪量は15〜100g/m2であることが好ましい。即ち15g/m2未満では高ヤング率の層を得ることは困難であり、また抄紙すること自体も困難である。一方、前記外層が100g/m2を越えると、相対的に低密度層の坪量が減るために原紙全体の密度が上がり、0.4〜0.7g/cm3の範囲とすることが困難であるからである。
本発明において、低密度層として用いるパルプは、JIS−P8121のカナダ標準形に準じたフリーネスが再離解状態で200〜650mlの範囲となるものを用いることが好適である。フリーネスが200ml未満の場合、パルプ繊維の水切れが悪いため、搾水されたシートが緻密な構造になりやすく、低密度な紙層構造を得にくくなる。反対にフリーネスが650mlを越えると、シートが低密度になりすぎて抄紙時にプレス工程で層間剥離を発生してバルーン状の膨れが発生しやすくなる。なお、再離解状態で200〜650mlのフリーネスを示す紙料は、用いられたパルプ原料の如何に関わらず、カナダ標準型フリーネスで250〜700mlとすることができる。また、使用されたパルプのフリーネスを原紙を再離解して測定することは、良好な操業性を示した製品から必要なパルプ特性を単時間で把握するのに有効である。
低密度層に用いるパルプ原料は、低密度な紙層を得やすいパルプ原料を主体とする。具体的にはこのようなパルプとしては機械パルプが挙げられる。
機械パルプは通常は木材、とりわけN材を機械力で破砕した後離解して製造したパルプであり、GP、TMP、RGP等があるが、TMP、RGPがより好ましい。その中でもラジアータパインやサザンパイン、ダグラスファー等を原料とするものが、繊維が剛直で変形しにくいという特徴を有するため、低密度な紙層を得ることができ、またプレス成形時の密度低下も少ないので特に好ましい。しかし、ケナフや葦、竹、サトウキビの砂糖絞り粕であるバガスなど各種非木材原料を使用することも可能である。なお、機械破砕する際に化学薬品を添加して得たパルプや、漂白工程を経たパルプ等、一部化学処理したパルプも機械パルプとして扱うものとする。さらに、マーセル化パルプやカールドファイバー等、化学処理によってパルプを低密度化特性を付与したものも好適に使用できる。
機械パルプは通常は木材、とりわけN材を機械力で破砕した後離解して製造したパルプであり、GP、TMP、RGP等があるが、TMP、RGPがより好ましい。その中でもラジアータパインやサザンパイン、ダグラスファー等を原料とするものが、繊維が剛直で変形しにくいという特徴を有するため、低密度な紙層を得ることができ、またプレス成形時の密度低下も少ないので特に好ましい。しかし、ケナフや葦、竹、サトウキビの砂糖絞り粕であるバガスなど各種非木材原料を使用することも可能である。なお、機械破砕する際に化学薬品を添加して得たパルプや、漂白工程を経たパルプ等、一部化学処理したパルプも機械パルプとして扱うものとする。さらに、マーセル化パルプやカールドファイバー等、化学処理によってパルプを低密度化特性を付与したものも好適に使用できる。
本発明においては、低密度層を構成するためには前述のパルプを主体として使用するが、その他、通常用いられる木材を原料とした化学パルプ、または、ケナフ、葦、竹、バガス等の各種非木材を原料とした化学パルプ等を適宜配合して使用することも可能である。
いずれにせよ本発明においては、低密度層の密度が0.3g/cm3を越え0.6g/cm3以下となるように各種のパルプを選択し、必要に応じて複数の種類を配合して使用するものとする。
なお、本発明においては、機械パルプ、マーセル化パルプ、カールドファイバーの少なくともいずれかが成形加工原紙の全パルプ中の50%以上含まれることがさらに望ましい。
いずれにせよ本発明においては、低密度層の密度が0.3g/cm3を越え0.6g/cm3以下となるように各種のパルプを選択し、必要に応じて複数の種類を配合して使用するものとする。
なお、本発明においては、機械パルプ、マーセル化パルプ、カールドファイバーの少なくともいずれかが成形加工原紙の全パルプ中の50%以上含まれることがさらに望ましい。
なお、本発明の成形加工原紙を各層を構成するパルプ繊維としては、上記の構成を損ねない範囲において以下のものを適宜使用可能である。
本発明の成形加工原紙を構成する天然パルプ繊維としては、木材繊維(化学パルプ、機械パルプ)、非木材繊維、古紙パルプなどが必要に応じて任意に使用される。
木材繊維のうち化学パルプとしては、木材チップ蒸解時に苛性ソーダと硫化ナトリウムを使用するクラフトパルプや、亜硫酸と亜硫酸水素塩を使用する亜硫酸パルプなどが挙げられる。これらのパルプは未晒品でも、漂白処理を施したものでもよい。また、機械パルプとしては、丸太をグラインダーで磨砕して得られるグラウンドウッドパルプ(GP)、製材工場の廃材をリファイナーで磨砕(リファイニング)して得られるリファイナーグラウンドウッドパルプ(RGP)、木材チップを加熱、リファイニング処理して得られるサーモメカニカルパルプ(TMP)などが挙げられる。これらの機械パルプのうち、シートの嵩高さ、及び強度の点からTMPが最適である。なおTMPとしては、木材チップを化学処理した後に加圧下でリファイニングするC−TMP、さらに漂白処理を施したBC−TMP等も含むものとする。また、こうした木材繊維パルプのうち、マツ、カラマツ、スギ、モミ、ヒノキ等の針葉樹から得られる繊維長の長いパルプは紙シートの延伸性、強度を向上させるために好適に使用される。また、本発明の効果を損なわない範囲で、カバ、ブナ、カエデ、ニレ、クリ等の広葉樹から得られる繊維長の短いパルプを併用することもできる。
本発明の成形加工原紙を構成する天然パルプ繊維としては、木材繊維(化学パルプ、機械パルプ)、非木材繊維、古紙パルプなどが必要に応じて任意に使用される。
木材繊維のうち化学パルプとしては、木材チップ蒸解時に苛性ソーダと硫化ナトリウムを使用するクラフトパルプや、亜硫酸と亜硫酸水素塩を使用する亜硫酸パルプなどが挙げられる。これらのパルプは未晒品でも、漂白処理を施したものでもよい。また、機械パルプとしては、丸太をグラインダーで磨砕して得られるグラウンドウッドパルプ(GP)、製材工場の廃材をリファイナーで磨砕(リファイニング)して得られるリファイナーグラウンドウッドパルプ(RGP)、木材チップを加熱、リファイニング処理して得られるサーモメカニカルパルプ(TMP)などが挙げられる。これらの機械パルプのうち、シートの嵩高さ、及び強度の点からTMPが最適である。なおTMPとしては、木材チップを化学処理した後に加圧下でリファイニングするC−TMP、さらに漂白処理を施したBC−TMP等も含むものとする。また、こうした木材繊維パルプのうち、マツ、カラマツ、スギ、モミ、ヒノキ等の針葉樹から得られる繊維長の長いパルプは紙シートの延伸性、強度を向上させるために好適に使用される。また、本発明の効果を損なわない範囲で、カバ、ブナ、カエデ、ニレ、クリ等の広葉樹から得られる繊維長の短いパルプを併用することもできる。
また、本発明で使用できる非木材繊維としては、コウゾ、ミツマタ、ガンピ、アマ、タイマ、ケナフ、チョマ、ジュート、サンヘンプなどの靱皮繊維類や、木綿、コットンリンターなどの種毛繊維類や、マニラ麻、サイザル麻、エスパルトなどの葉繊維類や、竹、イネワラ、ムギワラ、サトウキビバガスなどの茎繊維類などが挙げられる。特にコウゾ、ミツマタ、ケナフ、マニラ麻、サイザル麻、木綿、コットンリンターなどは、繊維長も長く、本発明原紙の延伸性、強度を向上させることができるため好適に用いられる。非木材繊維の蒸解は、木材繊維と同様の方法で行うことができる。
本発明で使用できる古紙パルプとしては、段ボール古紙、雑誌古紙などが挙げられるが、特に段ボール古紙は紙シートの延伸性、強度を向上させることができ、好適に用いられる。
これらのパルプ繊維は単独で、あるいは2種類以上を併用して使用することができる。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて合成樹脂繊維を混合することができる。使用できる合成樹脂繊維としては、例えば、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維などが挙げられる。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて合成樹脂繊維を混合することができる。使用できる合成樹脂繊維としては、例えば、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維などが挙げられる。
本発明の成形加工原紙を抄造する際には、各層に公知の製紙用薬品を適宜添加することが可能である。
使用可能な製紙用薬品としては、通常の抄紙で用いられるのと同様のサイズ剤、紙力剤、歩留まり向上剤等を必要に応じて使用することができる。
例えばサイズ剤としてはアルキルケテンダイマー、スチレンアクリル樹脂、ロジン等の内添サイズ剤が使用される。
また、紙力剤、歩留まり向上剤としてはポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂、ポリエチレンイミン及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリアミン、ポリアミド、ポリアミドポリアミン及びその誘導体、カチオン性及び両性デンプン、酸化デンプン、カルボキシメチル化デンプン、植物ガム、ポリビニルアルコール等の有機系化合物、及び硫酸バンド、アルミナゾル、コロイダルシリカ、ベントナイト等の無機系化合物等を適宜組み合わせて使用することができる。
また、これらは抄造工程中に紙層間にスプレーしたり、抄造中、もしくは抄造後に原紙表面に塗工する方法で添加することも可能である。
使用可能な製紙用薬品としては、通常の抄紙で用いられるのと同様のサイズ剤、紙力剤、歩留まり向上剤等を必要に応じて使用することができる。
例えばサイズ剤としてはアルキルケテンダイマー、スチレンアクリル樹脂、ロジン等の内添サイズ剤が使用される。
また、紙力剤、歩留まり向上剤としてはポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂、ポリエチレンイミン及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリアミン、ポリアミド、ポリアミドポリアミン及びその誘導体、カチオン性及び両性デンプン、酸化デンプン、カルボキシメチル化デンプン、植物ガム、ポリビニルアルコール等の有機系化合物、及び硫酸バンド、アルミナゾル、コロイダルシリカ、ベントナイト等の無機系化合物等を適宜組み合わせて使用することができる。
また、これらは抄造工程中に紙層間にスプレーしたり、抄造中、もしくは抄造後に原紙表面に塗工する方法で添加することも可能である。
本発明の成形加工原紙を抄造する際には、各層に公知の填料を適宜添加することが可能である。
填料としては、タルク、カオリン、焼成カオリン、クレー、ケイソウ土、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、硫酸マグネシウム、シリカ、アルミノ珪酸塩、ベントナイト等の鉱物質填料や、ポリスチレン粒子、尿素ホルマリン樹脂粒子等の有機合成填料等を適宜選択して使用することができる。また、これらを任意に併用して使用してもよい。
填料としては、タルク、カオリン、焼成カオリン、クレー、ケイソウ土、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、硫酸マグネシウム、シリカ、アルミノ珪酸塩、ベントナイト等の鉱物質填料や、ポリスチレン粒子、尿素ホルマリン樹脂粒子等の有機合成填料等を適宜選択して使用することができる。また、これらを任意に併用して使用してもよい。
さらに抄造の際は、染料、pH調整剤、スライムコントロール剤、消泡剤、粘剤等の抄紙用添加助剤も用途に応じて適宜使用できる。
本発明の抄紙時pHは、酸性抄紙である4.5付近から中性抄紙の6〜8程度の間で必要に応じて任意に選択することが可能である。
本発明の抄紙時pHは、酸性抄紙である4.5付近から中性抄紙の6〜8程度の間で必要に応じて任意に選択することが可能である。
本発明の、成形加工原紙は、一般的な板紙を製造するのと同様、多層抄き合わせフォーマを用いて行う。抄紙機の形式は任意のものが使用可能である。
例えば、10ステーション程度の複数のワイヤーパート上に数十g/m2の乾燥米坪に対応するパルプスラリーを順次積層しウエットシートを形成する。
さらに具体的に例示すると、最初に外層となる紙層を形成するワイヤーパートに40g/m2程度のパルプ層を形成、脱水したのち毛布に転移させる。次に中層も別のワイヤーパートで同様に紙層を形成し、前記の外層上に必要な層数だけ積層する工程を繰り返して中層を形成する。最後にもう一方の外層となる紙層を形成して本発明成形加工原紙を得る。
例えば、10ステーション程度の複数のワイヤーパート上に数十g/m2の乾燥米坪に対応するパルプスラリーを順次積層しウエットシートを形成する。
さらに具体的に例示すると、最初に外層となる紙層を形成するワイヤーパートに40g/m2程度のパルプ層を形成、脱水したのち毛布に転移させる。次に中層も別のワイヤーパートで同様に紙層を形成し、前記の外層上に必要な層数だけ積層する工程を繰り返して中層を形成する。最後にもう一方の外層となる紙層を形成して本発明成形加工原紙を得る。
本発明の成形加工原紙においては、深絞り成形時に、容器の表面に発生する亀裂を防止するため、前記した全ての成形加工原紙に対して、少なくとも片面に破断伸び(JIS−P8113)が5%以上、さらに望ましくは7%以上である紙シートを積層することが有効である。
絞り深さの深い成形容器は、深さの浅いものに比べて成形時により多く延伸され、特に、成形容器の外側となる側の紙層は、内側(内容物側)よりも多く延伸されるので、高い破断伸びが必要となるため、成形加工原紙の少なくとも容器の外側となる側の最外層に、前記した破断伸び5%以上の紙シートを積層することで、絞り成形時の延伸により発生する亀裂等の防止が可能である。
該最外層用紙シートの原料に使用するパルプは、前記した各種パルプが使用できるが、木材繊維パルプのうち、マツ、カラマツ、スギ、モミ、ヒノキ等の針葉樹から得られる繊維長の長いパルプは紙シートの延伸性、強度を向上させるために好適に使用される。非木材繊維の中では、特にコウゾ、ミツマタ、ケナフ、マニラ麻、サイザル麻、木綿、コットンリンターなどは繊維長も長く紙シートの延伸性、強度を向上させることができ、好適に用いられる。
製紙用薬品としては、前記した本発明の成形加工原紙の抄造の際に使用した、通常の抄紙で用いられるサイズ剤、紙力剤、歩留まり向上剤、鉱物質填料、有機剛性填料、染料、pH調整剤、スライムコントロール剤、消泡剤、粘剤等が適宜使用できる。
上記材料からなる原料、薬品のスラリーを用いて次のような抄紙工程により高い破断伸びを有する最外層用紙シートを抄紙することができる。即ち、湿式抄紙機において、ドライヤーロールの一部にニップロールを介して、エンドレスの厚いゴムのベルトを圧着回転させる装置を取り付け、ドライヤーとベルトの間に湿紙を通し、予め伸張させておいたベルトの収縮を利用して紙を収縮させるクルパック法や、抄紙機や加工機のプレスロールまたはシリンダードライヤーやヤンキードライヤーからドクターで紙を剥離してちりめん状のシワを付与するクレープ処理法などである。クレープ処理法についてはドクター装置やクレープを行う位置などに各種の装置や方法があり、例えば、デュオストレス法と呼ばれる抄紙機のプレスパートでドクターによりクレープを施し、さらにドライヤー中間部で溝付ロールを通して紙の縦横方向に伸びを与える方法などがある。
また、本発明において、上記抄紙工程から得られる最外層用紙シートは単層のみならず、2層以上の抄き合せ紙でもよい。最外層用紙シートの坪量の範囲としては40〜300g/m2の範囲が好ましく、より好ましくは50〜150g/m2の範囲である。最外層用紙シートの坪量が40g/m2より低いとシートの引張強度が不十分で成形時に破断しやすく、300g/m2を越えると、該最外層用紙シートを積層させた成形加工原紙の密度が高くなり、成形体の折り皺部分の成形性が低下して好ましくない。
上記方法によって得られる最外層用紙シートは、接着剤を介し紙支持体と貼り合わせて成形加工原紙を製造することができる。貼合方法としては、合成樹脂系エマルジョン、デンプン、PVA等の水性接着剤を紙に塗布後ニップロールで圧着し乾燥するウエットラミネーション法や、熱溶融させたホットメルト接着剤を紙に塗布後ニップロールで圧着させるホットメルトラミネーション法や、熱溶融させたポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂をフィルム状にして紙上に展開後ニップロールで圧着させる押出しラミネーション法等のいずれでも良く、特に限定されるものではない。
<その他の説明>
本発明の成形加工原紙には、必要に応じてその片面、あるいは両面に顔料と接着剤からなる塗工層を設けることができる。このような塗工層を設けることにより、成形加工原紙表面に良好な印刷適性を付与することができる。さらに、染料インキ、顔料インキ等の任意のインキを用い、通常用いられる印刷機を使用して印刷層を設けることも可能である。
前記塗工層に用いられる顔料としては、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、酸化チタン、プラスチックピグメント等既知のものが任意に使用できる。前記塗工層に用いられる接着剤としては、澱粉、カゼイン、SBRラテックス、ポリビニルアルコールなど既知のものが任意に使用できる。これらの塗工層は単層、あるいは多層に形成することができる。またその塗工量は全体で20〜30g/m2程度が望ましい。
また、このような塗工層を設ける場合は、塗工層直下の層は、叩解度を高め、表面をより平滑にしておくことがさらに好ましい。このような塗工層は、公知である各種の塗工装置を適宜用いて塗工することができる。また、このような塗工層の上にさらに印刷層を設けることが可能である。
本発明の成形加工原紙には、必要に応じてその片面、あるいは両面に顔料と接着剤からなる塗工層を設けることができる。このような塗工層を設けることにより、成形加工原紙表面に良好な印刷適性を付与することができる。さらに、染料インキ、顔料インキ等の任意のインキを用い、通常用いられる印刷機を使用して印刷層を設けることも可能である。
前記塗工層に用いられる顔料としては、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、酸化チタン、プラスチックピグメント等既知のものが任意に使用できる。前記塗工層に用いられる接着剤としては、澱粉、カゼイン、SBRラテックス、ポリビニルアルコールなど既知のものが任意に使用できる。これらの塗工層は単層、あるいは多層に形成することができる。またその塗工量は全体で20〜30g/m2程度が望ましい。
また、このような塗工層を設ける場合は、塗工層直下の層は、叩解度を高め、表面をより平滑にしておくことがさらに好ましい。このような塗工層は、公知である各種の塗工装置を適宜用いて塗工することができる。また、このような塗工層の上にさらに印刷層を設けることが可能である。
本発明の成形加工原紙には、必要に応じてその片面あるいは両面に、液体の浸み込みや液漏れを防止するために、耐水性被膜を設けることができる。この耐水性被膜は、原紙上に直接、もしくは前記顔料塗工層上、あるいは印刷層上、任意の箇所に設けることができる。耐水性被膜を設ける方法としては、耐水性塗料の塗工、合成樹脂のラミネート等が存在し、状況に応じて任意に選択できる。
原紙表面に塗工して耐水性をもたせる塗料としては、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス等のワックス類のエマルジョン、SBRラテックス、ポリ塩化ビニリデンラテックス等のラテックス類、アクリルエマルジョン類、自己乳化型ポリオレフィン類、ポリエチレン系共重合樹脂エマルジョン等の各種合成樹脂エマルジョンが存在する。
これら耐水性塗料の塗工設備としては、通常用いられるバーコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、ブレードコーター、ゲートロール、サイズプレス等のいずれでも良く、特に限定されるものではない。
原紙表面に塗工して耐水性をもたせる塗料としては、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス等のワックス類のエマルジョン、SBRラテックス、ポリ塩化ビニリデンラテックス等のラテックス類、アクリルエマルジョン類、自己乳化型ポリオレフィン類、ポリエチレン系共重合樹脂エマルジョン等の各種合成樹脂エマルジョンが存在する。
これら耐水性塗料の塗工設備としては、通常用いられるバーコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、ブレードコーター、ゲートロール、サイズプレス等のいずれでも良く、特に限定されるものではない。
また、これらの塗工量は全体で1.0〜20.0g/m2程度が好適であり、これら塗工層を単層、もしくは多層に形成することができる。
また、原紙表面にラミネートされる合成樹脂層としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂や、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の飽和ポリエステル系樹脂、ナイロン等のポリアミド樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂等が挙げられ、これらの合成樹脂を単体、または2種類以上混合あるいは積層したもので被覆して耐水性被膜を形成する。合成樹脂層を積層させる方法としては、通常用いられるウエットラミネーション、ホットメルトラミネーション、押出ラミネーション、ドライラミネーション、サーマルラミネーション等のいずれでも良く、特に限定されるものではない。
また、原紙表面にラミネートされる合成樹脂層としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂や、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の飽和ポリエステル系樹脂、ナイロン等のポリアミド樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂等が挙げられ、これらの合成樹脂を単体、または2種類以上混合あるいは積層したもので被覆して耐水性被膜を形成する。合成樹脂層を積層させる方法としては、通常用いられるウエットラミネーション、ホットメルトラミネーション、押出ラミネーション、ドライラミネーション、サーマルラミネーション等のいずれでも良く、特に限定されるものではない。
より高いプレス圧力で絞り成形を行った場合、容器表面となる成形加工原紙の折りしわの発生する罫線部分に色ムラが発生し、美粧性を著しく阻害し、商品価値を損なうこともある。その問題を解決するため、合成樹脂層中に顔料を混合することが有効である。
合成樹脂中の顔料の配合量は、3〜40重量%の範囲が好適である。3重量%未満であると、容器表面の色むらの隠蔽効果が十分得られない恐れがある。一方、40重量%以上配合すると、合成樹脂の物理的、化学的安定性が低下し、安定した合成樹脂層を基材紙上に形成することが困難となる。例えば、Tダイでの溶融フィルムのネックインの発生や、合成樹脂層の延展性の欠如による欠落などが発生する。なお、合成樹脂がポリオレフィン系樹脂、顔料が酸化チタンを使用した場合には、酸化チタンの配合量が5〜10重量%、米坪15〜60g/m2が好ましい。
前記した耐水性塗料、あるいは合成樹脂は、生分解性熱可塑性樹脂でもよい。生分解性の熱可塑性樹脂としては、紙と同等もしくはそれ以上の生分解性を有する樹脂であれば、特にその種類に限定はない。即ち、3−ヒドロキシブチレート・3ヒドロキシバリレート共重合体、3−ヒドロキシブチレート重合体、ポリカプロラクトンなどの脂肪族ポリエステル、ポリ乳酸などのポリグリコリド、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールとデンプンの複合体、セルロースアセテートなどのセルロース誘導体など、合成あるいは天然の樹脂を単独あるいは混合して用いることができる。これらの生分解性の熱可塑性樹脂の中で本発明に特に好適な樹脂は、脂肪族ポリエステルである。生分解性の脂肪族ポリエステルは、原紙に積層する際の加工性に優れ、製品の耐水性においても優れている。
これらの熱可塑性樹脂の加工性や物性を向上させる目的で、樹脂に生分解性あるいは、生分解性を有さない樹脂や添加剤を添加することも差し支えない。生分解性を有さない樹脂や添加剤を添加する場合は、その添加量が元の樹脂の重量を越えない範囲で添加することが望ましく、これを越えるとトレー全体の生分解性に悪影響を及ぼす恐れがある。
これらの熱可塑性樹脂の加工性や物性を向上させる目的で、樹脂に生分解性あるいは、生分解性を有さない樹脂や添加剤を添加することも差し支えない。生分解性を有さない樹脂や添加剤を添加する場合は、その添加量が元の樹脂の重量を越えない範囲で添加することが望ましく、これを越えるとトレー全体の生分解性に悪影響を及ぼす恐れがある。
次に該成形加工原紙のプレス成形について述べる。
<成形方法について>
(1)原紙水分調整
本発明の紙製成形容器の製造方法としては、成形加工原紙を容器ブランクシートに打ち抜き、必要箇所に罫線を入れ、雄型と雌型よりなるプレス型に該ブランクシートを挟み、加熱、加圧して成形する、いわゆる絞り成形という製造方法をとる。
このとき、成形加工原紙は、予め調湿し、原紙水分を調節することが好ましい。原紙水分は10〜20%の範囲が好ましく、好ましくは11〜17%、さらに好ましくは12〜15%、最も好適には12.5〜14.5%である。なおここでいう原紙水分とは、加工原紙中の全パルプ分の絶乾重量に対する、水分の重量%をいう。原紙水分をこの好適範囲とすると、成形加工原紙の可塑化が起こって成形性が向上し、また、成形時の紙層の破壊を低減することができる。この結果、より深さがあり、外観が滑らかで美しく、しかも高い剛性を有した絞り成形容器を得ることができる。原紙水分が10%未満であると成形体に十分な剛性が得られず、また20%を越えると、成形加工原紙にブリスターが発生して原紙の紙層が剥離する、水分量が多くなるため乾燥に時間がかかり生産性が落ちる等の問題が発生する恐れがあり、好ましくない。
なお、原紙水分の調整方法として、プレス成形直前に原紙に水分を供与する方法や、紙の抄造時において、ドライヤーを出た後に加湿し、水分が維持される状態で輸送・保存する方法などが挙げられる。
<成形方法について>
(1)原紙水分調整
本発明の紙製成形容器の製造方法としては、成形加工原紙を容器ブランクシートに打ち抜き、必要箇所に罫線を入れ、雄型と雌型よりなるプレス型に該ブランクシートを挟み、加熱、加圧して成形する、いわゆる絞り成形という製造方法をとる。
このとき、成形加工原紙は、予め調湿し、原紙水分を調節することが好ましい。原紙水分は10〜20%の範囲が好ましく、好ましくは11〜17%、さらに好ましくは12〜15%、最も好適には12.5〜14.5%である。なおここでいう原紙水分とは、加工原紙中の全パルプ分の絶乾重量に対する、水分の重量%をいう。原紙水分をこの好適範囲とすると、成形加工原紙の可塑化が起こって成形性が向上し、また、成形時の紙層の破壊を低減することができる。この結果、より深さがあり、外観が滑らかで美しく、しかも高い剛性を有した絞り成形容器を得ることができる。原紙水分が10%未満であると成形体に十分な剛性が得られず、また20%を越えると、成形加工原紙にブリスターが発生して原紙の紙層が剥離する、水分量が多くなるため乾燥に時間がかかり生産性が落ちる等の問題が発生する恐れがあり、好ましくない。
なお、原紙水分の調整方法として、プレス成形直前に原紙に水分を供与する方法や、紙の抄造時において、ドライヤーを出た後に加湿し、水分が維持される状態で輸送・保存する方法などが挙げられる。
(2)成形方法
次に、ブランクシートから成形容器を製造する工程について説明する。本発明で絞り成形は一対のプレス用金型により行う。一対の加熱プレス用金型とは、凸状で成形品の内容積部に対応する形状の凸型と、凹状で成形品の外形に対応する形状の凹型である。前記一対のプレス用金型は前後または上下方向に少なくとも片方の型が動くことにより成形品をプレスすることができる。以下説明の便宜上、凸状の型を上型とし、凹状の型を下型とし、上型が下方に移動することによりプレスする方式(図1)で説明する。
ブランクシートを加熱する方法としては、高周波加熱、熱風加熱、赤外線加熱などの方法でもよい。また、金型全体を加熱しておいてもよい。この場合、金型を加熱する手段を必要とする。金型加熱手段としては該プレス用金型に電熱加熱装置を設け加熱することが一般的であるが、プレス用金型に高周波発振機を接続して、高周波を印加して乾燥する手段もある。また、電熱加熱と高周波加熱を併用することもできる。
次に、ブランクシートから成形容器を製造する工程について説明する。本発明で絞り成形は一対のプレス用金型により行う。一対の加熱プレス用金型とは、凸状で成形品の内容積部に対応する形状の凸型と、凹状で成形品の外形に対応する形状の凹型である。前記一対のプレス用金型は前後または上下方向に少なくとも片方の型が動くことにより成形品をプレスすることができる。以下説明の便宜上、凸状の型を上型とし、凹状の型を下型とし、上型が下方に移動することによりプレスする方式(図1)で説明する。
ブランクシートを加熱する方法としては、高周波加熱、熱風加熱、赤外線加熱などの方法でもよい。また、金型全体を加熱しておいてもよい。この場合、金型を加熱する手段を必要とする。金型加熱手段としては該プレス用金型に電熱加熱装置を設け加熱することが一般的であるが、プレス用金型に高周波発振機を接続して、高周波を印加して乾燥する手段もある。また、電熱加熱と高周波加熱を併用することもできる。
また、成形時の加熱温度は加工原紙が100℃〜150℃となるような範囲が好ましく、さらに好ましくは110〜140℃である。100℃未満であると、成形に時間がかかり生産性が落ちる。また150℃を越えると、特に原紙水分が高い場合、ブリスターが発生しやすくなるため好ましくない。成形加工原紙は、前記した加熱されたプレス機械にセットした際に前記所定の温度にすることができる。また、別の手段として、水分を含有する加工原紙にマイクロ波などの電磁波をあてて昇温させてから、プレス機械に導入する方法も可能である。
絞り成形を完了した容器は、金型から取り出し、空冷してもよいが、寸法安定性を高めるためには、高温の容器を冷却用の金型に一定時間だけ固定冷却することも好ましい。
前記加熱プレス用金型の材質としては、アルミニウム、アルミニウム系合金、黄銅、鉄、ステンレス鋼、セラミックなど公知のものが使用できる。
前記加熱プレス用金型の材質としては、アルミニウム、アルミニウム系合金、黄銅、鉄、ステンレス鋼、セラミックなど公知のものが使用できる。
金型を動作させる方法としては、油圧プレス、エアーシリンダー、カム機構のいずれの方法も可能である。本発明で上型と下型のクリアランスを制御する具体的な方式としては、油圧あるいはエアー圧による場合、成形品厚さに応じて、コンピューター制御により圧力を制御してもよいし、ストッパーの位置を制御してもよい。カム機構による場合、予め設計されたカム形状と型の下降速度により制御することが可能である。
プレス成形時のプレス圧力については、10〜100kgf/cm2の範囲が好ましい。プレス圧力が10kgf/cm2より低いと罫線部分の圧縮変形が不十分となり、100kgf/cm2を越えると折りシワ部分の紙層が破壊されるため好ましくない。
プレス成形時のプレス時間については、成形性、作業性の点から2〜30秒の範囲が好ましい。
プレス成形時のプレス時間については、成形性、作業性の点から2〜30秒の範囲が好ましい。
<高温・高湿下での原紙特性>
絞り成形時のような、高温・高湿条件下において、成形加工原紙の破断強度(引張強度)は弱くなり、小さな力で破断するようになる。さらに、高湿条件においては、温度が高い程破断伸びも小さくなり、即ち、破断しやすくなる傾向がある。そのため、高温・高湿下における原紙の引張特性が、絞り成形適性において重要な要件となるが、実際の成形時における紙の温度、水分を測定することは困難である。また、高温・高湿下における紙の引張特性を測定することは容易でない。
絞り成形時のような、高温・高湿条件下において、成形加工原紙の破断強度(引張強度)は弱くなり、小さな力で破断するようになる。さらに、高湿条件においては、温度が高い程破断伸びも小さくなり、即ち、破断しやすくなる傾向がある。そのため、高温・高湿下における原紙の引張特性が、絞り成形適性において重要な要件となるが、実際の成形時における紙の温度、水分を測定することは困難である。また、高温・高湿下における紙の引張特性を測定することは容易でない。
しかし、本発明者らは研究の結果、温度23℃、紙中水分量14重量%の条件下において、下記の及びの条件を満たす成形加工原紙は、高温・高湿下での絞り成形に適していることを見出した。
縦方向の破断伸び(JIS−P8113)が2%、さらに好ましくは3%以上。
縦方向の引張弾性率が1000〜2000MPa、さらに好ましくは1200〜1800MPaの範囲。なお、上記の紙中水分量とは、伸びや弾性率測定時点において、紙中の水分重量を紙の全重量(パルプ+添加剤+水分)で除した値を指す。紙層の上に合成樹脂層を形成する場合、上記測定は合成樹脂層が存在しない状態の測定である。
縦方向の破断伸び(JIS−P8113)が2%、さらに好ましくは3%以上。
縦方向の引張弾性率が1000〜2000MPa、さらに好ましくは1200〜1800MPaの範囲。なお、上記の紙中水分量とは、伸びや弾性率測定時点において、紙中の水分重量を紙の全重量(パルプ+添加剤+水分)で除した値を指す。紙層の上に合成樹脂層を形成する場合、上記測定は合成樹脂層が存在しない状態の測定である。
上記の温度23℃、紙中水分量14重量%での縦方向の破断伸びが2.0%未満の場合、プレス成形加工時、延伸性が低いため破断してしまうという問題が発生する可能性がある。
また、温度23℃、紙中水分量14重量%での引張弾性率を2500MPa以下の範囲にすると、成形加工原紙のパルプ繊維の流動性が高まり、成形時の折りシワ部分の紙層破壊を低減することができ、この結果、強度の高い成形体を得ることができる。前記引張弾性率が1000MPa未満の場合、成形容器の剛性が不足するという問題が発生する恐れがある。前記した第1発明、第3発明の構成を使用すれば、上記及びの性質を有する成形加工原紙を容易に得ることができる。
<容器の形状について>
本発明が対象とする容器は、1枚の紙を一対の凸型と凹型のプレス金型で絞り成形して得られる容器であり、容器上部は開口しており、上部端縁はフランジを有する形態が代表的なものである。またフランジをカーリング成形したものでもよい。
本発明が対象とする容器は、1枚の紙を一対の凸型と凹型のプレス金型で絞り成形して得られる容器であり、容器上部は開口しており、上部端縁はフランジを有する形態が代表的なものである。またフランジをカーリング成形したものでもよい。
なお、本発明の成形加工原紙を使用した絞り成形容器は、前述のように、従来存在する原紙等を使用したものと比較して表面が滑らかで外観が美しい製品を得ることができるが、特にフランジ部分の平滑性に優れている。
即ち、従来の原紙を用いた製品において、0.20mm〜0.50mmであったフランジ部分の凹凸の段差を、本発明においては0.03mm〜0.10mmの範囲にまで減少させることが可能となる。
従って、フランジを有するトレー状紙製成形容器の開口部に紙やフィルム等のシート状基材を用いて蓋をする場合、フランジ部の平滑性が高いことによって、シール性が極めて良好となり、密封性の高い容器を得ることが可能となる。
即ち、従来の原紙を用いた製品において、0.20mm〜0.50mmであったフランジ部分の凹凸の段差を、本発明においては0.03mm〜0.10mmの範囲にまで減少させることが可能となる。
従って、フランジを有するトレー状紙製成形容器の開口部に紙やフィルム等のシート状基材を用いて蓋をする場合、フランジ部の平滑性が高いことによって、シール性が極めて良好となり、密封性の高い容器を得ることが可能となる。
容器の平面図の外形としては、正方形、長方形、円形、楕円形などである。各形の場合、角の部分は通常は丸みを帯びている。図2、図3に本発明の絞り成形容器の一例を、見取り図として記載する。
<容器高さについて>
本発明は、比較的深い紙製絞り成形容器を製造可能な成形加工原紙、及び製造された紙製成形容器に関するものであるが、その深さ(容器高さ)は容器底面積との関係で考慮されるべきものであって、本発明の絞り成形された紙製成形容器容器の底面積をS1、高さをHとした場合、下記(1)式を満たすような深絞り容器を作製することが可能である。
(1)式:0.2≦H/(S1)1/2
本発明は、比較的深い紙製絞り成形容器を製造可能な成形加工原紙、及び製造された紙製成形容器に関するものであるが、その深さ(容器高さ)は容器底面積との関係で考慮されるべきものであって、本発明の絞り成形された紙製成形容器容器の底面積をS1、高さをHとした場合、下記(1)式を満たすような深絞り容器を作製することが可能である。
(1)式:0.2≦H/(S1)1/2
また、容器が概略平面状の底部を有さないとき(例えば図4の形状)には、高さHと上部開口面積S2との関係において、下記(2)式を満たす深絞り容器を作製することが可能である。
(2)式:0.15≦H/(S2)1/2
本発明の第1〜第3発明の成形加工原紙を用いれば、上記(1)式、あるいは(2)式を満足する深絞り容器が容易に得られる。
(2)式:0.15≦H/(S2)1/2
本発明の第1〜第3発明の成形加工原紙を用いれば、上記(1)式、あるいは(2)式を満足する深絞り容器が容易に得られる。
なお、本発明の成形加工原紙を紙製成形容器としての形状に成形するには、絞り成形によらず、原紙を罫線で底面と側面とに区画し、該側面部を折り立てて、さらに側面部のコーナーを折り込むか、重ね合わせて糊付けする等して成形する方法もある(図8参照)。
本発明成形加工原紙は嵩高であるため、罫線を深く入れても紙の破れが生じず、また、罫線を深く入れることにより、折り曲げて接合した部分に隙間ができにくくなり、結果的に内容物の漏れを防止できる。また、本発明の成形加工原紙は、各種一般の紙器の素材や、使い捨て紙製鍋の素材等としても利用できる。
本発明成形加工原紙は嵩高であるため、罫線を深く入れても紙の破れが生じず、また、罫線を深く入れることにより、折り曲げて接合した部分に隙間ができにくくなり、結果的に内容物の漏れを防止できる。また、本発明の成形加工原紙は、各種一般の紙器の素材や、使い捨て紙製鍋の素材等としても利用できる。
本発明による成形加工原紙は天然パルプを主成分とし、従来の成形加工原紙に比べて良好な成形性を有する。
以下に実施例により本発明をさらに詳しく説明する。なお、本発明は以下実施例に限定されるものではない。
なお、特に断らない限り、重量部は固形分重量で示した。
なお、特に断らない限り、重量部は固形分重量で示した。
<実施例1>
以下の(1)〜(3)に示す三種類のパルプを、熊谷理機工業製の実験用配向性抄紙機により、ワイヤースピード300m/minで、この順に順次抄き合わせ抄紙を行った。
(1)市販NBKP、450mlcsf、50g/m2
(2)ラジアータパインTMP、350mlcsf、180g/m2
(3)市販NBKP、450mlcsf、50g/m2
(尚、各紙料は熊谷理機工業製のKRK高濃度ディスクリファイナー型叩解機により所定のフリーネスに叩解した)
なお、抄き合わせ抄紙の際は、各層の表側(フェルトサイド)へ澱粉(商品名:ONL510、王子コーンスターチ製)を澱粉濃度2.0%の水分散液とし、固形分付着量が1.0g/m2となるようにスプレーした後抄き合わせた。
次いで、前記で得た湿紙状の抄き合わせシートをキャレンダー(由利ロール機械製)で、ニップ圧10kg/cm、速度30m/minで、モノプラスチックカンバスシート(敷島カンバス製)に挟み加圧処理する。次いで該シートをフエロタイプの円筒加熱ドライヤー型乾燥機により乾燥する。次いで該シートを20℃・65%RHで調湿し、キャレンダー(由利ロール機械製)で、ニップ圧20kg/cm、速度20m/minでキャレンダー処理した後、濃度8.0%のPVA(クラレポバールPVA−KL118:クラレ製)を手塗りで2.0g/m2塗工、さらにキャレンダー(由利ロール機械製)でニップ圧40kg/cm、速度20m/min、120℃で熱キャレンダー処理したものを成形加工原紙とした。該成形加工原紙を、20℃・65%RHで調湿後、坪量、厚さ、密度、Z強度テーバー剛度を測定する。さらに、該成形加工原紙のオモテ面に溶融押し出しによりポリプロピレンを膜厚40μmでラミネートし、紙製成形容器用シートとした。
以下の(1)〜(3)に示す三種類のパルプを、熊谷理機工業製の実験用配向性抄紙機により、ワイヤースピード300m/minで、この順に順次抄き合わせ抄紙を行った。
(1)市販NBKP、450mlcsf、50g/m2
(2)ラジアータパインTMP、350mlcsf、180g/m2
(3)市販NBKP、450mlcsf、50g/m2
(尚、各紙料は熊谷理機工業製のKRK高濃度ディスクリファイナー型叩解機により所定のフリーネスに叩解した)
なお、抄き合わせ抄紙の際は、各層の表側(フェルトサイド)へ澱粉(商品名:ONL510、王子コーンスターチ製)を澱粉濃度2.0%の水分散液とし、固形分付着量が1.0g/m2となるようにスプレーした後抄き合わせた。
次いで、前記で得た湿紙状の抄き合わせシートをキャレンダー(由利ロール機械製)で、ニップ圧10kg/cm、速度30m/minで、モノプラスチックカンバスシート(敷島カンバス製)に挟み加圧処理する。次いで該シートをフエロタイプの円筒加熱ドライヤー型乾燥機により乾燥する。次いで該シートを20℃・65%RHで調湿し、キャレンダー(由利ロール機械製)で、ニップ圧20kg/cm、速度20m/minでキャレンダー処理した後、濃度8.0%のPVA(クラレポバールPVA−KL118:クラレ製)を手塗りで2.0g/m2塗工、さらにキャレンダー(由利ロール機械製)でニップ圧40kg/cm、速度20m/min、120℃で熱キャレンダー処理したものを成形加工原紙とした。該成形加工原紙を、20℃・65%RHで調湿後、坪量、厚さ、密度、Z強度テーバー剛度を測定する。さらに、該成形加工原紙のオモテ面に溶融押し出しによりポリプロピレンを膜厚40μmでラミネートし、紙製成形容器用シートとした。
該紙製成形容器用シートを小判型に打ち抜き、中心から放射状に罫線を刻印する(図5参照)。該紙製成形容器用シートをテストプレス成型機(第一工機製)により、雄雌の凹凸形状の小判型の紙製成形容器型で130℃、35kg/cm2で加熱加圧処理し、長径約20cm、短径約14cm、高さ約4cmである紙製成形容器を得た(図6参照)。
前記紙製成形容器に、食品を想定し、濃度7%の澱粉(商品名:王子エースA、王子コーンスターチ製)液を70℃で糊化させた糊化液を常温へ冷却した後、250g装填する。糊化液装填後の紙製成形容器の外観に胴膨れ、底膨れ等がなく、正常な形態をしていることを確認した後、ポリエチレンフィルムで開口部を覆って、冷蔵庫内に入れ、5℃で12時間放置し、紙製成形容器の外観の胴膨れ、底膨れ程度を後述する方法により評価、判定した。
前記紙製成形容器に、食品を想定し、濃度7%の澱粉(商品名:王子エースA、王子コーンスターチ製)液を70℃で糊化させた糊化液を常温へ冷却した後、250g装填する。糊化液装填後の紙製成形容器の外観に胴膨れ、底膨れ等がなく、正常な形態をしていることを確認した後、ポリエチレンフィルムで開口部を覆って、冷蔵庫内に入れ、5℃で12時間放置し、紙製成形容器の外観の胴膨れ、底膨れ程度を後述する方法により評価、判定した。
<実施例2>
下記に示す三種のパルプを使用し、また、表面に塗工する際に下記に示す塗工液を使用して、マイヤーバーによる手塗りで乾燥後の重量を下塗り9.0g/m2、上塗り10.0g/m2になるよう塗工し、105℃の熱風乾燥機内(アドバンテック社製)で60秒乾燥した以外は、実施例2−1と同様の方法で抄き合わせ抄紙を行った。
(1)市販NBKP、450mlcsf、50g/m2
(2)ラジアータパインTMP300mlcsf/市販NBKP、150mlcsf品=70/30で配合、配合後フリーネス280mlcsf、230g/m2
(3)市販NBKP450mlcsf、50g/m2
〔塗料配合〕
上塗り:カオリン(商品名:ウルトラホワイト90、エンゲルハード社製)/炭酸カルシウム(商品名:ブリリアント、白石工業製)/酸化チタン(商品名:TCA333、トーケムプロダクツ社製)=50/35/15、及びラテックス(商品名:L1410、旭化成製)/尿素リン酸エステル化澱粉(商品名:MS4600、日本食品化工製)=15/5。(固形分重量基準の配合部数、以下同じ。)
下塗り:カオリン(商品名:カオブライト、シール社製)/炭酸カルシウム(商品名:ソフトン2200、備北粉化製)=50/50、及びラテックス(商品名:0668、JSR製)/尿素リン酸エステル化澱粉(商品名:MS4600、日本食品化工製)=15/5。
次いで、実施例1と全く同様にして紙製成形容器用シート、及び紙製成形容器を得て、同様に測定及び評価を行った。
下記に示す三種のパルプを使用し、また、表面に塗工する際に下記に示す塗工液を使用して、マイヤーバーによる手塗りで乾燥後の重量を下塗り9.0g/m2、上塗り10.0g/m2になるよう塗工し、105℃の熱風乾燥機内(アドバンテック社製)で60秒乾燥した以外は、実施例2−1と同様の方法で抄き合わせ抄紙を行った。
(1)市販NBKP、450mlcsf、50g/m2
(2)ラジアータパインTMP300mlcsf/市販NBKP、150mlcsf品=70/30で配合、配合後フリーネス280mlcsf、230g/m2
(3)市販NBKP450mlcsf、50g/m2
〔塗料配合〕
上塗り:カオリン(商品名:ウルトラホワイト90、エンゲルハード社製)/炭酸カルシウム(商品名:ブリリアント、白石工業製)/酸化チタン(商品名:TCA333、トーケムプロダクツ社製)=50/35/15、及びラテックス(商品名:L1410、旭化成製)/尿素リン酸エステル化澱粉(商品名:MS4600、日本食品化工製)=15/5。(固形分重量基準の配合部数、以下同じ。)
下塗り:カオリン(商品名:カオブライト、シール社製)/炭酸カルシウム(商品名:ソフトン2200、備北粉化製)=50/50、及びラテックス(商品名:0668、JSR製)/尿素リン酸エステル化澱粉(商品名:MS4600、日本食品化工製)=15/5。
次いで、実施例1と全く同様にして紙製成形容器用シート、及び紙製成形容器を得て、同様に測定及び評価を行った。
<実施例3>
下記に示す三種のパルプを使用した以外は、実施例1と同様の方法で抄き合わせ抄紙を行った。
(1)市販NBKP、450mlcsf、50g/m2
(2)ラジアータパインTMP、350mlcsf/市販LBKP、350mlcsf品=70/30で配合、配合後フリーネス350mlcsf、200g/m2
(3)市販NBKP380mlcsf、50g/m2
次いで、実施例1と全く同様にして成形加工原紙を得て20℃・65%RHで調湿後、坪量、厚さ、密度、Z強度テーバー剛度を測定した。次いで、実施例2−1と同様の方法で、オモテ面にポリプロピレンラミレートを行い紙製成形容器用シートを得、さらに該シートを図7に示す形状に打ち抜き、罫線を形成し、さらに罫線に従って組立て貼合し、図8に示すような長辺約20cm、短辺約14cm、高さ約4cmの箱成形容器を得て、同様に測定及び評価を行った。
下記に示す三種のパルプを使用した以外は、実施例1と同様の方法で抄き合わせ抄紙を行った。
(1)市販NBKP、450mlcsf、50g/m2
(2)ラジアータパインTMP、350mlcsf/市販LBKP、350mlcsf品=70/30で配合、配合後フリーネス350mlcsf、200g/m2
(3)市販NBKP380mlcsf、50g/m2
次いで、実施例1と全く同様にして成形加工原紙を得て20℃・65%RHで調湿後、坪量、厚さ、密度、Z強度テーバー剛度を測定した。次いで、実施例2−1と同様の方法で、オモテ面にポリプロピレンラミレートを行い紙製成形容器用シートを得、さらに該シートを図7に示す形状に打ち抜き、罫線を形成し、さらに罫線に従って組立て貼合し、図8に示すような長辺約20cm、短辺約14cm、高さ約4cmの箱成形容器を得て、同様に測定及び評価を行った。
<実施例4>
下記に示す三種のパルプを使用した以外は、実施例2−1と同様の方法で抄き合わせ抄紙を行った。
(1)市販NBKP、450mlcsf、50g/m2
(2)市販マーセル化パルプ300mlcsf/市販NBKP、150mlcsf品=70/30で配合、配合後フリーネス250mlcsf、200g/m2
(3)市販NBKP450mlcsf、50g/m2
次いで、実施例1と全く同様にして紙製成形容器用シート、及び紙製成形容器を得て、同様に測定及び評価を行った。
下記に示す三種のパルプを使用した以外は、実施例2−1と同様の方法で抄き合わせ抄紙を行った。
(1)市販NBKP、450mlcsf、50g/m2
(2)市販マーセル化パルプ300mlcsf/市販NBKP、150mlcsf品=70/30で配合、配合後フリーネス250mlcsf、200g/m2
(3)市販NBKP450mlcsf、50g/m2
次いで、実施例1と全く同様にして紙製成形容器用シート、及び紙製成形容器を得て、同様に測定及び評価を行った。
<実施例5>
下記に示す三種のパルプを使用した以外は、実施例1と同様の方法で抄き合わせ抄紙を行った。
(1)市販NBKP、450mlcsf、50g/m2
(2)市販NBKP、150mlcsf品/カールドファイバー(ウェアハウザー製)750mlcsf品=70/30で配合、配合後フリーネス300mlcsf、160g/m2
(3)市販NBKP450mlcsf、40g/m2
次いで、実施例1と全く同様にして紙製成形容器用シート、及び紙製成形容器を得て、同様に測定及び評価を行った。
下記に示す三種のパルプを使用した以外は、実施例1と同様の方法で抄き合わせ抄紙を行った。
(1)市販NBKP、450mlcsf、50g/m2
(2)市販NBKP、150mlcsf品/カールドファイバー(ウェアハウザー製)750mlcsf品=70/30で配合、配合後フリーネス300mlcsf、160g/m2
(3)市販NBKP450mlcsf、40g/m2
次いで、実施例1と全く同様にして紙製成形容器用シート、及び紙製成形容器を得て、同様に測定及び評価を行った。
<実施例6>
下記に示す三種のパルプを使用した以外は、実施例1と同様の方法で抄き合わせ抄紙を行った。
(1)市販NBKP、450mlcsf、50g/m2
(2)ケナフTMP、350mlcsf、185g/m2
(3)市販NBKP、380mlcsf、50g/m2
次いで、実施例1と全く同様にして紙製成形容器用シート、及び紙製成形容器を得て、同様に測定及び評価を行った。
下記に示す三種のパルプを使用した以外は、実施例1と同様の方法で抄き合わせ抄紙を行った。
(1)市販NBKP、450mlcsf、50g/m2
(2)ケナフTMP、350mlcsf、185g/m2
(3)市販NBKP、380mlcsf、50g/m2
次いで、実施例1と全く同様にして紙製成形容器用シート、及び紙製成形容器を得て、同様に測定及び評価を行った。
<比較例1>
下記に示す一種のパルプを使用し、一層のみの構成とした他は、実施例2−1と同様の方法で抄紙を行った。
市販NBKP、450mlcsf、350g/m2
次いで、実施例1と全く同様にして成形加工原紙、及び紙製成形容器を得て、同様に測定及び評価を行った。
下記に示す一種のパルプを使用し、一層のみの構成とした他は、実施例2−1と同様の方法で抄紙を行った。
市販NBKP、450mlcsf、350g/m2
次いで、実施例1と全く同様にして成形加工原紙、及び紙製成形容器を得て、同様に測定及び評価を行った。
<比較例2>
下記に示す二種のパルプを使用し、二層のみの構成とした他は、実施例1と同様の方法で抄紙を行った。
(1)市販NBKP、450mlcsf、50g/m2
(2)市販NBKP、450mlcsf、200g/m2
次いで、実施例1と全く同様にして紙製成形容器用シート、及び紙製成形容器を得て、同様に測定及び評価を行った。
下記に示す二種のパルプを使用し、二層のみの構成とした他は、実施例1と同様の方法で抄紙を行った。
(1)市販NBKP、450mlcsf、50g/m2
(2)市販NBKP、450mlcsf、200g/m2
次いで、実施例1と全く同様にして紙製成形容器用シート、及び紙製成形容器を得て、同様に測定及び評価を行った。
<比較例3>
下記に示す三種のパルプを使用した他は、実施例1と同様の方法で抄紙を行った。
(1)市販NBKP、450mlcsf、28g/m2
(2)ラジアータパインTMP、350mlcsf、28g/m2
(3)市販NBKP、450mlcsf、28g/m2
次いで、実施例3と全く同様にして紙製成形容器用シート、及び箱成形容器を得て、同様に測定及び評価を行った。
下記に示す三種のパルプを使用した他は、実施例1と同様の方法で抄紙を行った。
(1)市販NBKP、450mlcsf、28g/m2
(2)ラジアータパインTMP、350mlcsf、28g/m2
(3)市販NBKP、450mlcsf、28g/m2
次いで、実施例3と全く同様にして紙製成形容器用シート、及び箱成形容器を得て、同様に測定及び評価を行った。
<比較例4>
下記に示す一種のパルプを使用し、一層のみの構成とした他は、実施例2−1と同様の方法で抄紙を行った。
市販NBKP、450mlcsf、360g/m2
次いで、実施例1と全く同様にして紙製成形容器用シート、及び紙製成形容器を得て、同様に測定及び評価を行った。
下記に示す一種のパルプを使用し、一層のみの構成とした他は、実施例2−1と同様の方法で抄紙を行った。
市販NBKP、450mlcsf、360g/m2
次いで、実施例1と全く同様にして紙製成形容器用シート、及び紙製成形容器を得て、同様に測定及び評価を行った。
以上実施例、参考例の測定、評価結果を表1、表2に示す。なお、評価方法は以下の通りである。
〔各紙層の密度〕
JIS P 8139の板紙の抄き合わせ層の剥離強さ試験法記載された層間剥離方法で各層の層間を剥離し、厚さ(mm)、坪量(g/m2)を求める。なお、剥離した各層の厚さは剥離によって毛羽立っており、実際の厚さより厚くなってしまうため、以下の方法で補正ファクター値を算出して、剥離後の各層の厚さ値を補正し、各層の密度を算出する。
補正ファクター値=剥離前の全層厚さ/剥離後の各層厚さの合計値
各層の剥離が上記のJIS P 8139の板紙の抄き合わせ層の剥離強さ試験法記載の層間剥離方法で困難な場合は、多層抄合せシート試料を60℃の温水に1時間含漬した上で表層と中層、裏層にそれぞれ剥ぎ分ける。剥ぎ取ったそれぞれの層を乾燥して厚さ(mm)、坪量(g/m2)を求める。その後、上記の補正ファクター値を同様に算出して剥離した各層の厚さを補正して、各層の密度を算出する。
JIS P 8139の板紙の抄き合わせ層の剥離強さ試験法記載された層間剥離方法で各層の層間を剥離し、厚さ(mm)、坪量(g/m2)を求める。なお、剥離した各層の厚さは剥離によって毛羽立っており、実際の厚さより厚くなってしまうため、以下の方法で補正ファクター値を算出して、剥離後の各層の厚さ値を補正し、各層の密度を算出する。
補正ファクター値=剥離前の全層厚さ/剥離後の各層厚さの合計値
各層の剥離が上記のJIS P 8139の板紙の抄き合わせ層の剥離強さ試験法記載の層間剥離方法で困難な場合は、多層抄合せシート試料を60℃の温水に1時間含漬した上で表層と中層、裏層にそれぞれ剥ぎ分ける。剥ぎ取ったそれぞれの層を乾燥して厚さ(mm)、坪量(g/m2)を求める。その後、上記の補正ファクター値を同様に算出して剥離した各層の厚さを補正して、各層の密度を算出する。
〔胴膨れ率判定〕
紙トレー胴部中央部分の外周値を測定し、評価テスト前の正常な状態と12時間後の各々の胴部中央部分外周値の差を測定し、胴膨れ率を算定する。
胴膨れ率%=(12時間後の胴部中央外周値−評価テスト前の胴部中央外周値)/評価テスト前の胴部中央外周値
胴膨れ率3.0%以上のものを××、1.5〜3.0%のものを×、1.5%未満のものを○と判定した。
紙トレー胴部中央部分の外周値を測定し、評価テスト前の正常な状態と12時間後の各々の胴部中央部分外周値の差を測定し、胴膨れ率を算定する。
胴膨れ率%=(12時間後の胴部中央外周値−評価テスト前の胴部中央外周値)/評価テスト前の胴部中央外周値
胴膨れ率3.0%以上のものを××、1.5〜3.0%のものを×、1.5%未満のものを○と判定した。
<実施例7>
ディスクリファイナーを用いて市販NBKPを550mlcsf(TappiT−227カナダ標準型)に、ラジアータパインTMPを300mlcsfに叩解した。これらを紙料とし、多層抄き合せ抄紙機を用いて第1層NBKP40g/m2、第2層TMP250g/m2、の2層構成からなる紙支持体を抄造した(支持体各層の密度は下記の表3参照)。
ディスクリファイナーを用いて市販NBKPを550mlcsf(TappiT−227カナダ標準型)に、ラジアータパインTMPを300mlcsfに叩解した。これらを紙料とし、多層抄き合せ抄紙機を用いて第1層NBKP40g/m2、第2層TMP250g/m2、の2層構成からなる紙支持体を抄造した(支持体各層の密度は下記の表3参照)。
この紙支持体に対し外層シートとして晒クラフト伸張紙(坪量75g/m2、王子製紙製)を貼合して成形加工原紙とした。貼合は次の手順で行った。板紙のTMP層@表面にメイヤーバーでEVA系エマルジョン型接着剤(商品名:ビニゾール1412改、大同化成製)を固形分換算で20g/m2塗工した直後に、この未乾燥の塗工層に晒クラフト伸張紙をハンドロールで圧着させ、熱風乾燥機で110℃、20秒乾燥させた。こうして得られた成形加工原紙について、後述する試験方法で破断伸び、及び成形性を評価した。
<実施例8>
紙支持体に貼合させる外層シートをセメント袋用未晒クラフト伸張紙(坪量83g/m2、王子製紙製)83とした以外は、実施例7と同様にして成形加工原紙を製造、評価した。
紙支持体に貼合させる外層シートをセメント袋用未晒クラフト伸張紙(坪量83g/m2、王子製紙製)83とした以外は、実施例7と同様にして成形加工原紙を製造、評価した。
<実施例9>
紙支持体の第2層をTMP180g/m2とし、紙支持体に貼合させる外層シートを粘着テープ用クラフト伸張紙とした以外は、実施例7と同様にして成形加工原紙を製造、評価した。
紙支持体の第2層をTMP180g/m2とし、紙支持体に貼合させる外層シートを粘着テープ用クラフト伸張紙とした以外は、実施例7と同様にして成形加工原紙を製造、評価した。
<参考例1>
市販NBKPをディスクリファイナーで640mlcsfに叩解した紙料から、実験用手抄きマシンで坪量70g/m2の紙を抄紙し、回転式ドライヤーで110℃で乾燥した。この手抄き紙を紙支持体に貼合させる外層シートとした以外は、実施例7と同様にして成形加工原紙を製造、評価した。
市販NBKPをディスクリファイナーで640mlcsfに叩解した紙料から、実験用手抄きマシンで坪量70g/m2の紙を抄紙し、回転式ドライヤーで110℃で乾燥した。この手抄き紙を紙支持体に貼合させる外層シートとした以外は、実施例7と同様にして成形加工原紙を製造、評価した。
〈評価方法〉
(1)破断伸び
流れ方向、幅方向それぞれに幅15mm、長さ250mmに裁断した試験片を23℃、50%RHの条件で24時間以上調湿した後、ストログラフM2型試験機(東洋精機製作所製)を用いて、JIS−P8113に従って引張速度20mm/minで測定した。
(2)成形性
成形加工原紙に対して水蒸気を付与し、調湿することにより、紙中水分12%とし、円型に打ち抜き、中心から放射状に罫線を刻印してブランクシートとした。該ブランクシートをテストプレス成型機(第一工機製)により、雄雌の凹凸形状のカップ容器成形金型で130℃、35kg/cm2で加熱加圧処理し、高さが7cmで、開口部分が直径12cmの円形で、底面部が直径6cmの円形で、幅0.8cmのフランジ部を有し、側壁及び側壁から底面にかけて曲面を有するカップ状の絞り成形体を成形した(図9)。
このとき、外層シート貼合側が成形体の外側になるように成形した。
そして、このときの成形性を次のように評価した。
○:カップ形状に成形可能であり、成形体の外層に破れもなく、成形体の表面が滑らかである。
△:カップ形状に成形可能であるが、成形体の外層に破れが発生している。
評価結果を表4に示す。
(1)破断伸び
流れ方向、幅方向それぞれに幅15mm、長さ250mmに裁断した試験片を23℃、50%RHの条件で24時間以上調湿した後、ストログラフM2型試験機(東洋精機製作所製)を用いて、JIS−P8113に従って引張速度20mm/minで測定した。
(2)成形性
成形加工原紙に対して水蒸気を付与し、調湿することにより、紙中水分12%とし、円型に打ち抜き、中心から放射状に罫線を刻印してブランクシートとした。該ブランクシートをテストプレス成型機(第一工機製)により、雄雌の凹凸形状のカップ容器成形金型で130℃、35kg/cm2で加熱加圧処理し、高さが7cmで、開口部分が直径12cmの円形で、底面部が直径6cmの円形で、幅0.8cmのフランジ部を有し、側壁及び側壁から底面にかけて曲面を有するカップ状の絞り成形体を成形した(図9)。
このとき、外層シート貼合側が成形体の外側になるように成形した。
そして、このときの成形性を次のように評価した。
○:カップ形状に成形可能であり、成形体の外層に破れもなく、成形体の表面が滑らかである。
△:カップ形状に成形可能であるが、成形体の外層に破れが発生している。
評価結果を表4に示す。
表4により、外層シートとして破断伸びが5%以上の外層シートを積層した本発明の成形加工原紙は、カップ等の絞り深さの深いものについても成形時に外側の紙層表面にひび割れや破れが発生せず、成形性に優れていることがわかる。
1.雄型
2.雌型
3.成形加工原紙
4.罫線
2.雌型
3.成形加工原紙
4.罫線
Claims (6)
- 密度0.7〜0.9g/cm3の高密度層、及び密度0.3〜0.6g/cm3の低密度層を有し、米坪が100〜500g/m2、全体の密度が0.4〜0.7g/cm3、かつ低密度層が機械パルプ、カールドファイバー、及びマーセル化パルプの少なくとも一つから選ばれるパルプを主体として構成されたことを特徴とする成形加工原紙。
- 低密度層が機械パルプを主体として構成されたことを特徴とする請求項1に記載の成形加工原紙。
- 少なくとも片面に破断伸び(JIS−P8113)が5%以上である紙シートを積層させたことを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の成形加工原紙。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の成形加工原紙を使用したことを特徴とする紙製成形容器。
- 絞り成形により成形されたことを特徴とする請求項4記載の紙製成形容器。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の成形加工原紙を、プレス用金型を用いて、温度100〜150℃、プレス圧10〜100kgf/cm2条件で絞り成形することにより製造することを特徴とする紙製成形容器の製造方法。
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