本発明の一実施形態について説明すると以下の通りである。すなわち、本実施の形態にかかる画像形成装置は、原稿に付された例えばICタグ等の記憶装置、または、原稿を読取ることで得られた画像データに、当該原稿に基づく画像形成(複写)を制限する制限情報が含まれているか否かを判定し、制限情報が含まれている場合には、画像形成されたシートに基づいて画像形成が行なわれることを規制する規制情報が、上記シートに付加された状態で出力する構成である。
そして、上記画像形成装置は、上記規制情報が付加された状態のシートを出力するために、(1)画像が形成されたシートに基づく画像形成処理を禁止または制限する旨の規制情報が付加された規制情報付きシートを選択する、(2)画像形成を禁止または制限する旨の規制情報を、画像を形成するシートに付加するの少なくとも一方の方法を行なう。具体的には、上記画像形成装置は、(A)上記規制情報が画像として予め記録されているシートに対して画像形成を行なう、(B)上記規制情報が予め記録されている記憶装置が付加されているシートに対して画像形成を行なう、(C)上記規制情報を画像データに基づく画像形成を行なう際に画像として記録する、(D)画像データに基づく画像を記憶装置付きのシートに形成するとともに、上記記憶装置に上記規制情報を記録する、(E)上記(A)〜(D)を組み合わせる、の方法を行なう。これについて以下に説明する。
(装置全体の動作説明)
本発明に係る画像形成装置の一実施形態として、デジタル複写機(以下、MFPとして説明する)を用いた場合について説明する。
図2は、本実施形態に係るMFP1の内部構成の概略を示す断面図である。本MFP1は、外部から入力された画像データに応じて、所定の記録用紙に多色または単色の画像を形成する装置である。図1に示すように、本MFP1は、画像読取部2、記録媒体として無線タグ付き記録用紙PRFへの画像形成を行なう画像形成部3およびこの画像形成部3へ無線タグ付き記録用紙PRFを搬送する用紙搬送機構4等を備えている。以下、各部について説明する。
<画像読取部2>
画像読取部2は、透明なガラス等で構成される原稿載置台21と、この原稿載置台21上に原稿を給紙する両面対応自動原稿送り装置(以下、RADFとして説明する)22、原稿載置台21上に搬送された原稿を読取るためのスキャナユニット23とを備えており、この原稿載置台21上の原稿を読取り、画像データを生成する部分である。また、原稿載置台21上に置かれた原稿が無線タグの埋め込まれた書籍であった場合、無線タグ通信部23aに設置されている無線タグリーダにより、書籍の無線タグ内に記録された著作物情報を読み出し、後述するMFP1内の制御部へとデータを送信する。
上記RADF22は、セットされた複数枚の原稿を1枚ずつ原稿載置台21上に自動給紙するための自動給紙トレイ22aを備えている。また、このRADF22はユーザの選択に応じて原稿の片面および両面をスキャナユニット23に読取らせることができるようになっている。具体的には、自動給紙トレイ22a上の原稿を原稿載置台21上に搬送するための搬送経路、原稿の両面をスキャナユニット23に読取らせるために原稿を反転させる反転経路を備えている。また、原稿の片面のみを読取らせる場合には、搬送経路のみを使用する一方、原稿の両面を読取らせる場合には、搬送経路を経て、原稿載置台21上に再度搬送するようになっている。このため、各経路には搬送経路切り替え手段及び原稿の搬送位置を認識するためのセンサ群(共に図示省略)が設けられている。RADF22の構成については周知であるので説明は省略する。
上記スキャナユニット23は、ランプリフレクタアセンブリ24、複数の反射ミラー25a、25b、25c、光学レンズ体26、光電変換素子(CCD)27を備えている。
上記ランプリフレクタアセンブリ24は、原稿載置台21上に載置された原稿に対して光を照射する。各反射ミラー25a、25b、25cは、図2に二点鎖線で光路を示すように、原稿からの反射光を一旦、図2中の左方向に反射させた後、下方に反射させ、その後、光学レンズ体26に向かうように図2中の右方向に反射させるようになっている。
原稿の読取り動作として、上記原稿載置台21上に原稿が載置されると、ランプリフレクタアセンブリ24及び反射ミラー25aで構成される第一走査ユニット23aが原稿載置台21に沿って水平方向に走査して、原稿全体に光を照射する。このとき、反射ミラー25b、25cで構成される第二走査ユニット23bは上記第一走査ユニット23aに対して、所定比率の速度(第一走査ユニット23aに対して半分の速度)で同方向に移動する。そして、上記反射ミラー25a、25b、25cで反射され、光学レンズ体26を通過した光は、光電変換素子27上に結像され、この光電変換素子27において反射光が電気信号(原稿画像データ)に変換される。
このようにして得られた画像データは、図示しない画像処理部へ送信され、ここで各種処理が行われた後、この画像処理部のメモリに一旦記憶され、出力指示に応じてメモリ内の画像データが読み出され、画像形成部3による画像形成動作に利用される。
<画像形成部3>
画像形成部3は、レーザ書込みユニット31及び電子写真プロセス部32を備えている。レーザ書込みユニット31は、上記光電変換素子27において変換された原稿画像データに基づいたレーザ光を電子写真プロセス部32の感光体ドラム33の表面に照射する。具体的には、レーザ書込みユニット31は、上記画像データに応じたレーザ光を照射する半導体レーザ光源、このレーザ光を等角速度偏光するポリゴンミラー、この等角速度偏光されたレーザ光が感光体ドラム33上で等角速度偏光されるように補正するf−θレンズ等を有している。
感光体ドラム33は、図2中に矢印で示す方向に回転し、レーザ書込みユニット31からのレーザ光が反射ミラー31aで反射された後、当該感光体ドラム33へ照射されることにより、その表面に静電潜像が形成される。
また、電子写真プロセス部32は、上記感光体ドラム33の周囲に、帯電器34、現像器35、転写器36、剥離器、クリーニング器37、除電器及び定着器38が配置されている。帯電器34は、静電潜像が形成される前の感光体ドラム33の表面に形成された静電潜像を、画像形成物質としてのトナーにより可視像に現像する。転写器36は、感光体ドラム33の表面に形成されたトナー像を記録用紙Pに転写する。定着器38は、記録用紙Pに転写されたトナー像を加熱により記録用紙P上に定着させる。剥離器およびクリーニング器37は、トナー転写後において感光体ドラム33の表面に残留したトナーを除去する。除電器38は、感光体ドラム33の表面の残留電荷を除去する。
これにより、記録用紙Pに画像を形成する際には、帯電器34によって感光体ドラム33の表面が所定の電位に帯電され、レーザ書込みユニット31が画像データに基づいたレーザ光を、感光体ドラム33の表面に照射して静電潜像を形成する。その後、現像器35が感光体ドラム33の表面にトナーによる可視像を現像し、用紙搬送機構4から給紙された記録用紙Pに対して、転写器36によってトナー像が転写される。その後、この記録用紙Pは、定着器38によって過熱され、トナー像が定着される。一方、感光体ドラム33の表面に残留したトナーは、剥離器及びクリーニング器37によって除去されると共に、感光体ドラム33の表面の残留電荷が除電器38によって除去される。これにより、記録用紙Pへの画像形成(印字)動作の1サイクルが終了する。このサイクルが繰り返されることにより、複数枚の記録用紙P、P、・・・に対し、連続的に画像形成を行なうことができる。
<用紙搬送機構4>
用紙搬送トレイ4は、第1、第2および第3の用紙カセット41、42および43、マルチ手差しトレイ44で構成されており、各用紙カセット41、42及び43のそれぞれに、異なるサイズの記録用紙P、または無線タグ付き記録用紙PRFがセットされており、原稿載置台21上に置かれた原稿が無線タグの埋め込まれた著作物であり、印刷が許可された場合は、この記録用紙PRFが自動的に選択される機構となっている。また、通常印刷の場合は、ユーザが所望するサイズの記録用紙Pが収容されている用紙カセットから、記録用紙Pが順次1枚ずつ取り出されて、搬送経路40を経て画像形成部3に順次搬送される。
また、用紙搬送トレイ4は、第1、第2および第3の用紙カセット41、42および43、マルチ手差しトレイ44に収容された記録用紙P、または無線タグ付き記録用紙PRFを1枚ずつ搬送し、上記画像形成部3による画像形成を行なわせると共に、画像形成された記録用紙Pまたは無線タグ付き記録用紙PRFを第1、第2または第3の排紙トレイ52、53及び54へ排出する。また、この用紙搬送機構4は、片面に画像形成された記録用紙Pまたは無線タグ付き記録用紙PRFを一旦回収した後に、他面に対して画像形成部3による画像形成を行なわせるための両面複写ユニット45を備えている。
用紙搬送機構4の搬送経路40としては、主搬送路46と反転搬送路47がある。
主搬送路46は、一端(記録用紙搬送方向の上流端側)が分岐され、各用紙カセット41、42、43及び手差しトレイ44の排出側にそれぞれ対向していると共に、他端(記録用紙搬送方向の下流端側)が転写器36および定着器38を経て、排紙トレイ52、53、54を備えた後処理装置50に対向している。
反転搬送路47は、一端(図2中、上端)が定着器38の配設位置より下流側(図2中、左側)で主搬送路につながっていると共に、途中部分(図2中、上下方向の中央部分)が第1および第2の分岐路47A、47Bに分岐されている。第1分岐路47Aは鉛直下方に延びている。一方、第2分岐路47Bは、一端が両面複写ユニット45の搬入側に対向している。
主搬送路46と反転搬送路47との接続部分及び反転搬送路47の分岐部分には第1および第2の分岐爪47a、47bがそれぞれ設けられている。
第1分岐爪47aは、反転搬送路47を閉鎖する第1位置と、主搬送路46の排出側を閉塞し、この主搬送路46と反転搬送路47とを連通させる第2位置との間で、水平軸回りに回動自在となっている。この第1分岐爪47aが第1位置にあるときには画像形成部3を経た記録用紙Pまたは無線タグ付き記録用紙PRFが、そのまま排紙トレイ52、53および54へ排紙される。一方、第1分岐爪47aが第2位置にある場合、画像形成部3を経た記録用紙Pが反転搬送路47へ供給される。
第2分岐爪47bは、反転搬送路47の第1分岐路47Aを開放し、且つ第2分岐路47Bを閉鎖する第1位置と、第2分岐路47Bを開放し、且つ第1分岐路47Aを閉鎖する第2位置との間で、水平軸回りに回動自在となっている。この第2分岐爪47bが第1位置にある場合には、反転搬送路47に搬送された記録用紙Pまたは無線タグ付き記録用紙PRFが、第1分岐路47Aに導かれ、その下端位置まで搬送される。その後、第2分岐爪47bが、分岐部を経て第2分岐路47Bに搬送され、両面複写ユニット45へ供給される。つまり、記録用紙Pまたは無線タグ付き記録用紙PRFが、第1分岐路47A及び第2分岐路47Bを経て、両面複写ユニット45へ供給されることにより、この記録用紙Pまたは無線タグ付き記録用紙PRFが画像形成部3に供給された際に、上下が反転され、記録用紙Pまたは無線タグ付き記録用紙PRFの裏面に対して画像形成を行なうことができる。
これにより、本実施形態のMFP1により片面コピーが行われる場合には、第1分岐爪47aが第1位置となり、各用紙カセット41、42、43または手差しトレイ44から取り出された記録用紙Pまたは無線タグ付き記録用紙PRFが、画像形成部3により画像形成された後、そのまま排紙トレイ52、53及び54へ排紙される。
一方、両面コピーが行われる場合には、先ず、第1分岐爪47aが第2位置となり、第2分岐爪47bが第1位置となる。これにより、各用紙カセット41、42、43または手差しトレイ44から取り出され、画像形成部3により、片面に画像形成された記録用紙Pまたは無線タグ付き記録用紙PRFは、反転搬送路47の第1分岐路47Aに導かれる。その後、第2分岐爪47bが第2位置となり、記録用紙Pまたは無線タグ付き記録用紙PRFの搬送方向が逆転され、この記録用紙Pまたは無線タグ付き記録用紙PRFが分岐部を経て、第2分岐路47Bから両面複写ユニット45へ供給される。記録用紙Pまたは無線タグ付き記録用紙PRFの他面に画像形成を行なう際には、第1分岐爪47aが、第1位置となり、両面複写ユニット45から取り出された記録用紙Pまたは無線タグ付き記録用紙PRFが、画像形成部3により画像形成され、排紙トレイ52、53及び54へ排紙される。
主搬送路46の上流端(用紙カセット41、42、43、手差しトレイ44及び両面複写ユニット45の排出側に対向する部分)には、ピックアップローラ48が配設されている。また、各ピックアップローラ48の下流側には、取り出された記録用紙Pまたは無線タグ付き記録用紙PRFを主搬送路46に給紙するため複数の給紙ローラ49の回転により、用紙カセット41、42、43、手差しトレイ44及び両面複写ユニット45に収容されている記録用紙Pまたは無線タグ付き記録用紙PRFが、選択的に1枚ずつ主搬送路46に給紙できる。
また、上述したように、本実施形態のMFP1の排紙部としては、上下2段の第1及び第2の排紙トレイ51、52と、フィニッシャを装備した1個の第3排紙トレイ53とを備えている。
後処理装置50の内部には、主搬送路46の下流端と各排紙トレイ51、52及び53とを繋ぐ搬送路が備えられており、記録用紙Pまたは無線タグ付き記録用紙PRFが排紙される排紙トレイ51、52及び53に応じて搬送経路が切り替えることができる。
また、排紙トレイ51、52及び53には、無線タグライタ(センサ)51a、52aおよび53aが設置されている。これは、無線タグの埋め込まれた原稿を印刷した場合、画像形成部3で画像を形成されたシートが、排紙トレイに排紙された際に、原稿の無線タグ内に記録された著作物情報と第1世代のコピーであるという世代コピー情報とを記録用紙PRFに書込むためである。なお、これについては後述する。
(実施例1)
(装置内部の動作説明:機能ブロックの概要)
ここで、上記MFP1の詳細な構成について説明する。図1は、上記MFP1の概略構成を示す機能ブロック図である。
図1に示すように、上記MFP1(マルチファンクションプリンタ)は、LAN接続によって、ユーザ端末103(PCやワークステーション等)とネットワークで接続されている。そして、上記MFP1は、図1に示すように、無線タグ通信部64、画像読取部2、画像処理部61、画像形成部3、制御部66、記憶部67、出力用紙選択部63、ユーザI/F部69、ネットワークI/F部68、および、上記無線タグライタ51a〜53aを備えた排紙トレイ51〜53を有している。なお、以下の説明では、上記排紙トレイ51〜53を、特に分けて説明する必要がない場合には排紙トレイ51として説明する。
上記無線タグ通信部64は、上記MFP1の原稿101載置台に載置された原稿101に付加された無線タグ(記憶装置;以下、説明の便宜上、情報タグ102と称して説明する)に対して情報の読出し/書込みを行なうものである。そして、上記無線タグ通信部64は、書籍(以下の説明では原稿101と称する)に埋め込まれた情報タグ102から、当該原稿101に関する情報である著作物情報(原稿情報)を読み出すための無線タグリーダ70を備えている。そして、上記無線タグリーダ70にて、読み出された著作物情報は、制御部66内の印刷ジョブ管理部80の印刷可否判定部81へ送られる。また、上記無線タグリーダ70としては、原稿101に複数の情報タグ102が埋め込まれていた場合に対応するため、マルチリード機能を備えたセンサを用いていてもよい。
上記画像読取部2では、スキャナ機能やコピー機能を用いて原稿101を読取る。上記画像処理部61では、後段の画像形成部3にて画像形成を行なうため、入力された原稿101画像データを適切に補正する。上記画像形成部3は、画像処理部61から受け取った原稿101画像データを記録用紙に画像形成するものである。
上記制御部66は、MFP1が備える各構成を制御するものである。そして、上記制御部66は、印刷データ処理部75、印刷ジョブ管理部80及び、ユーザ通知部85を備えている。
上記印刷データ処理部75は、例えば、ネットワークI/F部68を介して受信した、画像形成部3にて画像形成すべき画像データ(印刷データ)の言語解析を行ったり、上記印刷データを展開したりして、画像形成するためのデータを画像処理部61に伝達するものである。そして、上記印刷データ処理部75は、上記言語解析を行なうための言語解析部77、および印刷データを展開するための印刷データ展開部76を備えている。
また、上記印刷データ処理部75は、上記画像読取部2によって取得された画像データに対して、例えば、OCR処理等を行なうことにより、画像データの中に特定の情報(例えば、コピー制限コード/パターン)が含まれているか否かを解析するものである。
印刷ジョブ管理部80は、画像形成部3で画像形成すべき出力ジョブを管理するものである。
具体的には、印刷ジョブ管理部80は、無線タグ通信部64にて読取られた上記著作物情報を取得し、この著作物情報を元に当該著作物情報を有している原稿101の印刷可否判定を行なうものである。そして、上記印刷ジョブ管理部80は、上記印刷可否判定に基づいて、画像形成に関する各構成(画像形成部3、出力用紙選択部63および排紙トレイ51)を制御している。
そして、上記印刷ジョブ管理部80は、印刷可否判定部81、出力ジョブキュー83および時計84を備えている。
上記印刷可否判定部81は、画像読取部2にて取得された画像データおよびネットワークI/F部68を介して取得した印刷データに基づいて画像形成を行なうべきか否かを判定するものである。具体的には、印刷可否判定部81は、上記無線タグリーダ70によって取得された著作物情報に基づいて、印刷の可否判定を行なうものである。
そして、上記印刷可否判定部81は、無線タグ通信部64が備える無線タグリーダ70によって取得された情報タグ102に記録されている著作物情報を記憶する無線タグデータ記憶部82を備えている。
また、上記印刷ジョブ管理部80の印刷可否判定部81は、画像読取部2にて読取られ、印刷データ処理部75にて解析された画像データに、上記特定の情報(例えば、コピー制限コード/パターン)が含まれている場合には、この特定の情報に基づいて印刷可否判定を行なうものでもある。なお、これについては、後述する。
出力ジョブキュー83は、複数の画像形成ジョブの順番を元に管理を行い、ジョブ完了と共に、情報タグ102から取得した著作物情報と時間を関連付けるものである。上記時計84は、時間を計測するものである。
そして、上記印刷ジョブ管理部80は、無線タグ通信部64から受け取った著作物情報を元に、印刷可否判定を行い、印刷物が著作物であった場合には、出力用紙選択部63に対して無線タグ(記憶装置)付き記録用紙を強制的に給紙するように出力用紙選択命令を送信するとともに、ジョブ出力命令を出力ジョブキュー83に送る。出力ジョブキュー83は、複数の画像形成ジョブの順番を元に管理を行い、ジョブ完了と共に、情報タグ102から取得した著作物情報と時間を関連付ける。
そして、印刷ジョブ管理部80は、画像形成部3にて出力ジョブの印刷が終了したと判定すると、排紙トレイ51に排紙された印刷物(無線タグ付き記録用紙)に付加されている無線タグに、出力ジョブキュー83にて関連付けられた著作物情報および時間と第1世代目のコピーであることとを書込むことで、著作物情報を継承している。
上記ユーザ通知部85は、印刷可否判定部81において判定された結果に応じて、印刷可能であるか不可能であるかを示す印刷可否判定結果、著作物情報、印刷枚数等の制限情報、および、世代コピー情報等の少なくとも1つを含む著作権情報を、ユーザI/F部69を動作させて、ユーザに通知すると共に、後述の課金処理が必要な場合などのユーザに通知すべき事項を通知するものである。
上記記憶部67は、ネットワークI/F部68を介して外部から受信したデータ(印刷データ)、および、画像読取部2にて取得した画像データ等を保存するものである。
上記ユーザI/F部69は、タッチパネル等の液晶パネル、操作用のボタンなどで構成されており、ユーザに対する認証手続きの要求、及びユーザ通知部85によって生成されたメッセージの表示を行なうものである。また、上記ユーザI/F部69は、MFP1からの要求、及びメッセージに対する、ユーザからの操作を受けつけたり、ユーザから出された指示を受けつけたりする。
上記ネットワークI/F部68は、ネットワークを介して、ユーザ(ユーザの操作するユーザ端末103)から送信されるデータ(例えば、印刷データ)を受信したり、後述の課金処理を行なう場合のデータベースに対する情報を送受信したりするなど、MFP1とLAN接続されている様々な機器との間で情報の送受信を行なうものである。
そして、上記のMFP1は、ネットワークを介して、複数のユーザ端末103および他のMFP等と情報の送受信を行なうことができる。
(装置内部の動作説明:印刷可否判定部81の詳細)
ここで、上記印刷ジョブ管理部80の詳細について説明する。上記印刷ジョブ管理部80は、図1に示すように、印刷可否判定部81と無線タグデータ記憶部82、時計84及び、出力ジョブキュー83を備えている。
図3は、上記印刷可否判定部81の構成を説明する機能ブロック図である。上記印刷可否判定部81は、図3に示すように、著作情報取得部90、世代コピー判定部91および無線タグデータ記憶部82を備えている。
上記著作情報取得部90は、無線タグデータ記憶部82に記録されているデータ(著作物情報)から、著作情報を取得(抽出)するものである。また、上記世代コピー判定部91は、無線タグデータ記憶部82に記録されているデータ(著作物情報)から、世代コピー情報を取得(抽出)して、上記著作権情報が記録されている情報タグ102が付加された原稿101が、世代コピーか否か、すなわち、原本(オリジナル)であるか否かを判定するものである。
そして、上記印刷可否判定部81は、印刷対象物が原稿101等の著作物である場合に、無線タグ通信部64の無線タグリーダ70によって読み出されたデータを取得し、そのデータを一旦、無線タグデータ記憶部82に格納する。そして、上記著作情報取得部90は、上記無線タグデータ記憶部82に記録された著作物情報から著作情報を抽出して、上記画像読取りを行なう原稿101が、著作物であるか否か、つまり、画像形成部3における画像形成処理を条件付きで許可するか否かを判定する。また、上記世代コピー判定部91は、世代コピー情報を著作物情報から取得し、画像読取りを行なう原稿101が著作物からの直接的な印刷であるか(世代コピーでないか)、すなわち、画像形成部3における画像形成処理を許可するか否かを判定する。そして、著作物であると判定した場合には、上記印刷可否判定部81は、上記画像形成部3によって画像が形成するための用紙として、無線タグ付き記録用紙を選択するように、上記出力用紙選択部63に通知する。また、上記画像読取りを行なう原稿101が、世代コピーである場合、すなわち、この原稿101を基に複写が禁止されている場合には、印刷可否判定部81は、画像形成部3を動作さえて画像を形成できない旨を示す情報を、ユーザ通知部85を介して、ユーザI/F部69上にその旨を表示しユーザに伝える。また、複写できる場合にも、印刷可否判定部81は、ユーザ通知部85を介して、ユーザI/F部69上に複写を行なうことができる旨を表示しユーザに伝える。
(著作物情報)
ここで、著作物情報について説明する。図4は、著作物情報のデータ構造を示している。上記図4に示すように、上記著作物情報は、著作情報、世代コピー情報を少なくとも含んでいる。また、ここでは、上記著作物情報には、さらに、所有者情報が含まれている。
上記著作情報とは、原稿101に基づく画像形成を制限する制限情報、すなわち、当該著作情報が記録されている情報タグ102を備える原稿101の複写処理を規制する旨を示す規制情報である。つまり、上記著作情報は、この著作情報を有している原稿101を、無制限の複写処理を許可するか、限定的に複写処理を許可するか否かを示す情報である。具体的には、上記原稿101が書籍である場合には、上記著作情報としては、著書名、著作者および発行日等が挙げられる。また、上記情報以外でも、例えば、画像形成を制限することを示す情報そのものが上記著作情報であってもよい。
また、上記世代コピー情報とは、原稿101に基づく画像形成を禁止か否かを示す情報、すなわち、当該世代コピー情報が記録されている情報タグ102を備える原稿101の複写処理を禁止するか否かを示す情報である。具体的には、上記世代コピー情報としては、著作権保護の有無、世代情報、および、残印刷許可数等の少なくとも1つが挙げられる。なお、世代情報とは、例えば、原本(オリジナル)、オリジナルから複写したもの、複写物から複写したもの等の、複写履歴を示している。また、残印刷許可数とは、当該原稿101を用いた複写処理を行なうことができる回数である。
また、上記所有者情報とは、当該原稿101の所有者を示す情報である。
(装置内部の動作説明:主な処理フロー)
ここで、図5のフローを参照して、原稿101に付加された情報タグ102に、制限情報が含まれている場合には、無線タグ付き記録用紙を用いて、この無線タグに著作物情報を書込む場合のフローについて説明する。なお、図5は、無線タグ付き記録用紙の無線タグに著作物情報を書込む複写処理を説明するフローチャートである。
まず、ユーザによって、情報タグ102が埋め込まれた書籍等の著作物(原稿101)が原稿載置台にセットされる(S10)。次に、上記原稿101が載置されると、無線タグ通信部64は、上記原稿101に情報タグ102が付いているか否かを判定する(S11)。ステップS11にて、原稿101に情報タグ102が付いていないと判断する(S11にてNO)と、一般的に著作権対象とならない原稿101であると判断し、制御部66は、通常処理を行なう(S15)。なお、ここで、上記通常処理とは、通常の複写処理(画像形成処理)であり、これについては周知であるので詳細な説明は省略する。
一方、上記ステップS11にて、上記原稿101に情報タグ102が付いていると判断する(S11にてYES)と、無線タグ通信部64は、無線タグリーダ70を動作させて、上記原稿101に付いている情報タグ102に記録されているデータ(著作物情報)をリード(読出し)する(S12)。そして、上記無線タグ通信部64は、読み出した著作物情報を、印刷可否判定部81へ送信する。
上記著作物情報を取得した印刷可否判定部81は、著作情報取得部90を動作させて、上記著作物情報の中、すなわち、原稿101に付いている情報タグ102中に、著作情報(制限情報)が含まれているか否かを判定する(S13)。
上記ステップS13にて、制限情報が含まれていないと判定する(S13にてNO)と、上記印刷可否判定部81は、世代コピー判定部91を動作させて、上記著作物情報の中に世代コピー情報(禁止情報)が含まれているか否かを判定する(S14)。
そして、ステップS14にて、禁止情報が含まれていないと判定する(S14にてNO)と、処理はステップS15に進み、制御部66は、通常処理(通常の複写処理)を行なう。
一方、上記S14にて、禁止情報が含まれていると判定する(S14にてYES)と、印刷可否判定部81は、印刷不可能である旨を上記ユーザ通知部85に通知する。そして、上記ユーザ通知部85は、ユーザI/F部69を動作させて印刷することができない旨をユーザに通知する(S16)。そして、処理を終了する。
また、上記ステップS13にて、制限情報が含まれていないと判定する(S13にてYES)と、上記印刷可否判定部81は、条件つきで印刷処理(無線タグ付き記録用紙に対して印刷処理を行なう)が可能であると判断し、その旨をユーザ通知部85に通知する。そして、ユーザ通知部85は、ユーザI/F部69を動作させて、条件付きで印刷処理が行なえることをユーザに通知する。また、印刷可否判定部81は、印刷処理を行なう記録用紙として、無線タグ付き記録用紙を選択するように、出力用紙選択部63に指示を出す。
そして、出力用紙選択部63は、上記印刷可否判定部81からの指示に基づいて、無線タグ付き記録用紙を選択する(S17)。具体的には、出力用紙選択部63は、無線タグ付き記録用紙が収納されている給紙カセットを、用紙の供給元となるように設定する。その後無線タグ付き記録用紙は、画像形成部3に搬送し、画像処理部61にて画像形成すべき画像データが作成され(S18)、画像形成部3にて上記画像データに基づく画像が無線タグ付き記録用紙に形成される(S19)。そして、上記ステップS19の後、画像形成された無線タグ付き記録用紙が排紙トレイ51に排出されると、上記印刷可否判定部81は、上記著作情報と世代コピー情報とを含む著作物情報を、排紙トレイ51に設置された無線タグライタに送信する。上記著作物情報を受信した無線タグライタ51aは、当該著作物情報を規制情報として排紙トレイ51に排出された無線タグ付き記録用紙の無線タグに書込む(S20)。そして、処理を終了する。
従って、出力された無線タグ付き記録用紙には、図4に示すように、著作情報として著書名、著作者および発行日等、世代コピー情報として著作権保護の有無、世代情報および残りの印刷許可数などを含む著作物情報(所有者情報については記録しなくてもよい)が規制情報として記録される。なお、上記制御部66は、第1世代のコピーに対して所有者を辿るために著作物に付加されている情報タグ102から読取った所有者情報を上記無線タグに併せて記録してもよい。
なお、上記規制情報とは、上記画像形成部3にて画像が形成されたシートに基づいて行なわれる画像形成処理を禁止または制限する旨の情報である。
また、上記の説明では、上記著作物情報を規制情報として記録しているが、単に、これ以降の画像形成処理を規制(制限)する旨の情報であってもよい。そして、上記規制情報が記録された無線タグを備える無線タグ付き記録用紙を原稿101として、上記MFP1に載置した場合には、当該規制情報が制限情報に該当する。
このようにして、原稿101に付された情報タグ102に制限情報が含まれている場合には、印刷処理を行なう用紙として無線タグ付き記録用紙を選択し、上記無線タグに規制情報である著作物情報を記録している。
(装置内部の動作説明:ユーザインターフェース部の詳細)
ここで、ユーザI/F部69に表示される情報の例について説明する。図6は、ユーザI/F部69に表示される情報の例を示す図面である。
ユーザI/F部69は、ユーザ通知部85から送信された、印刷可否判定部81において判定された判定結果を表示することで、ユーザにその情報を伝える。具体的には、例えば、図6に示すように、印刷可否判定部81において、実行されるコピーが著作物からのコピーである場合(制限情報が含まれている場合)は、ユーザI/F部69は、図6(a)に示すように、表示部に印刷可能であることを表示する。また、印刷可否判定部81において、著作物情報に制限情報も禁止情報も含まれていないと判定された場合にも、上記図6(a)に示すような表示を行なえばよい。また、図6(b)のように、印刷可能であることを伝えると共に、表示部上に著作情報、コピー情報の表示を押圧することにより、図6(c)または(d)に示すように、情報タグ102に記録されていた著作情報や、世代コピー情報等の関連情報を表示させる構成としても良い。
一方、印刷可否判定部81において、世代コピーであり印刷不可能(禁止情報が含まれている)と判定された場合には、ユーザI/F部69は、図6(e)に示すように、印刷不可能であることを表示する。また、例えば、図6(f)に示すように、印刷不可能であることを伝えると共に、図6(g)または(h)に示すように、情報タグ102に記録されている著作物情報や、世代コピー情報等の関連情報や、この場合であれば原本からの印刷を促すようなメッセージを表示するような構成としても良い。
なお、上記印刷データ処理部75は、上記画像読取部2によって取得された画像データを解析することにより、当該画像データの中に、コピー制限コード/パターンが含まれているか否かを判断するものであってもよい。これについては後述する。
(実施例2)
次に、他の実施例について説明する。本実施例2にかかるMFP1は、実施例1で述べたMFP1の排紙トレイ51上の無線タグライタ51aが無い構成である。具体的には、上記MFP1は、著作物からコピーを行なう場合には、予め規制情報が無線タグに書込まれた無線タグ付記録用紙を出力用紙選択部63において選択する構成である。この場合には、実施例1のMFP1と比較して、排紙トレイ51上に無線タグライタ51aを設置する必要がないため、処理も簡略化されるだけでなく、コスト的にもメリットがある。
なお、以下の説明では、説明の便宜上、上記実施例1にて示した各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
図7は、実施例2にかかるMFP1の概略構成を示すブロック図である。図7に示すように、本実施例2にかかるMFP1は、無線タグ通信部64、画像読取部2、画像処理部61、画像形成部3、制御部66、記憶部67、ユーザI/F部69、ネットワークI/F部68、出力用紙選択部63および排紙トレイ51を備えている。
そして、本実施例2では、原稿101に付加されている情報タグ102に制限情報が含まれている場合には、コピー動作を制限する規制情報が予め記録された無線タグが付加された無線タグ付き記録用紙を選択して、当該無線タグ付き記録用紙に画像形成処理(印刷処理)を行なう構成である。
図8は、規制情報が予め記録されている無線タグ付き記録用紙に画像形成を行なう印刷処理を説明するフローチャートである。なお、以下の説明では、説明の便宜上、実施例1と同じ構成については、同じ工程番号を付し、その説明を省略する。
上記ステップS10〜S12において、無線タグ通信部64にて、画像形成(複写)すべき原稿101に情報タグ102が付されているか否かが判断され、情報タグ102が付されている場合には、当該情報タグ102に記録されているデータが読み出され、その後、印刷ジョブ管理部80の無線タグデータ記憶部82に送信される。
そして、上記ステップS13にて、制限情報が含まれていると判定する(S13にてYES)と、上記印刷可否判定部81は、条件つきで印刷処理(無線タグ付き記録用紙に対して印刷処理を行なう)が可能であると判断し、その旨をユーザ通知部85に通知する。そして、ユーザ通知部85は、ユーザI/F部69を動作させて、条件付きで印刷処理が行なえることをユーザに通知する。また、印刷可否判定部81は、印刷処理を行なう記録用紙として、予め規制情報が無線タグに記録された無線タグ付き記録用紙を選択するように、出力用紙選択部63に指示を出す(S25)。
そして、出力用紙選択部63は、上記印刷可否判定部81からの指示に基づいて、規制情報が予め記録されている無線タグを備えた無線タグ付き記録用紙を画像形成部3に搬送し、画像処理部61にて画像形成すべき画像データが作成され(S18)、画像形成部3にて上記画像データに基づく画像が無線タグ付き記録用紙に形成される(S19)。そして、処理を終了する。
このように、本実施例2では、画像形成された無線タグ付き記録用紙の無線タグに上記著作物情報を記録するのではなく、上記規制情報が無線タグに予め記録された無線タグ付き記録用紙に対して印刷処理を施している。
なお、上記実施例2において、上記規制情報とは、これ以降の画像形成処理を規制する情報である。すなわち、上記規制情報が予め記録されている無線タグには、原稿101に関する情報を示す著作物情報の代わり、上記画像形成部3にて画像形成された出力物(画像が形成された無線タグ付き記録用紙)に基づいて画像形成処理を規制する旨の規制情報が記録されていればよい。
また、例えば、他の機器で、上記原稿101の情報タグ102に記録されているデータを無線タグに予め記録している無線タグ付き記録用紙に記録する場合には、著作情報および禁止情報である世代コピー情報を規制情報として上記無線タグに記録させることができる。
また、上記の説明では、規制情報が予め無線タグに書込まれている無線タグ付記録用紙を用いているが、上記規制情報の代わりに、完全に世代コピーを禁止するための禁止情報を無線タグに書込んだ無線タグ付き記録用紙を用いても良い。
(実施例3)
次に、さらに他の実施例について説明する。本実施例3は、上記実施例1で述べた出力用紙選択および排紙トレイ51上の無線タグライタ51aの代わりに、コピー制限コード/パターン生成部92が存在する構成である。そして、本実施例3は、原稿101の印刷が許可された場合、コピー制限コード/パターンを生成し、画像形成部3において印刷するデータとそのコピー制限コード/パターンとを合成して記録用紙に画像形成する。このようにして印刷された印刷物を原本にして印刷しようとする場合、MFP1側がコピー制限コード/パターンを認識し、印刷を制限することで世代コピーの伝播を防止することができる。
なお、説明の便宜上、上記実施例1にて示した各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
図9は、実施例3にかかるMFP1の概略構成を示すブロック図である。本実施例3にかかるMFP1は、無線タグ通信部64、画像読取部2、画像処理部61、画像形成部3、制御部66、記憶部67、ユーザI/F部69、ネットワークI/F部68、コピー制限コード/パターン生成部92、および排紙トレイ51で構成されている。
上記コピー制限コード/パターン生成部92は、画像形成部3にて画像を形成する際に、上記画像に挿入するコピー制限コード/パターン(規制情報)を作成するものである。つまり、本実施例3では、画像読取部2にて読取られた画像データに基づいて画像形成される記録用紙に、コピー制限コード/パターンが印刷されることになる。
そして、本実施例3では、情報タグ102が原稿101に付されていない場合には、画像読取部2にて読取られた画像データ中に、コピー制限コード/パターンが含まれているか否かを判定している。具体的には、画像読取部2によって読取られた画像データは、印刷データ処理部75に送信され、そこで、原稿101の画像にコピー制限コード/パターンが含まれているか否かを判定している。なお、画像中にコピー制限コード/パターンが含まれているか否かを判定する方法としては、例えば、バーコードで上記コピー制限コード/パターンが記録されている場合には、当該バーコードを読取る。また、言語で上記コピー制限コード/パターンが記録されている場合には、OCR処理等によって読取ればよい。
そして、上記画像読取部2にて読取られた画像データに上記コピー制限コード/パターンが含まれているか否かの判定が印刷データ処理部75で行なわれ、その判定結果は印刷可否判定部81に送信される。そして、上記印刷可否判定部81は、上記コピー制限コード/パターンが含まれている場合には、当該原稿101の印刷を行なわないことを決定する。また、印刷可否判定部81は、ユーザ通知部85を動作させてユーザI/F部69に印刷ができない旨の表示を行なう。そして、制御部66は、上記印刷可否判定部81の決定を受けて、印刷を行なわない場合には、画像読取部2にて読取られた上記コピー制限コード/パターンが含まれている画像データに基づく画像形成処理を停止する。
図10は、原稿101にコピー制限コード/パターンが含まれているか否かを判定するとともに、規制情報を画像形成時に記録用紙に画像として形成する印刷処理を説明するフローチャートである。なお、以下の説明では、説明の便宜上、実施例1と同じ構成については、同じ工程番号を付し、その説明を省略する。
上記ステップS10において、ユーザによって原稿101が載置された後、無線タグ通信部64は、原稿101に情報タグ102が付加されているか否かを判定する(S11)。そして、上記ステップS11にて情報タグ102がある場合には、上記情報タグ102に記録されているデータ(著作物情報)が無線タグリーダ70によって読み出され、印刷ジョブ管理部80の無線タグデータ記憶部82に記録する(S12)。
そして、印刷可否判定部81は、上記著作物情報に制限情報が含まれているか否かの判定を行なう(S13)。
上記ステップS13にて、制限情報が含まれていると判定する(S13にてYES)と、印刷可否判定部81は、コピー制限コード/パターン生成部92に対して、コピー制限コード/パターンするよう指示する。そして、コピー制限コード/パターン生成部92は、上記指示に基づいてコピー制限コード/パターンを作成し、画像形成部3に送信する(S32)。そして、印刷処理が開始され(S18)画像形成部3によって、上記画像処理部61にて作成された画像データに基づいて画像が形成されるとともに、上記コピー制限コード/パターンが画像として形成される(S33)。つまり、出力された画像には、コピー制限コード/パターンが含まれている。そして、出力された印刷物は排紙トレイ51に出力される。
一方、上記ステップS11にて、情報タグ102が付加されていないと判定される(S11にてNO)と、画像読取部2は、原稿101から画像データを取得する(S30)。そして、取得された画像データは、印刷データ処理部75に送信される。そして、上記印刷データ処理部75は、上記画像データ中にコピー制限コード/パターンが含まれているか否かを判定する(S31)。
そして、上記印刷データ処理部75によって判定された判定結果は、印刷可否判定部81に送信される。そして、上記ステップS31にて、コピー制限コード/パターンが含まれている(S31にてYES)と判定されると、印刷可否判定部81は、印刷不可能である旨を上記ユーザ通知部85に通知する。そして、上記ユーザ通知部85は、ユーザI/F部69を動作させて印刷することができない旨をユーザに通知する(S16)。
一方、上記ステップS31にて、コピー制限コード/パターンが含まれていないと判定する(S31にてNO)と、処理はステップS15に進む。
なお、上記の説明では、画像形成部3において印刷すべき画像データとコピー制限コード/パターンとを合成して出力しているが、完全に世代コピーを禁止するためには、コピー禁止コード/パターンを合成しても良い。
すなわち、上記ステップS31にて、コピー制限コード/パターンが含まれていると判定する(S31にてYES)と、上記ステップS32に進み、上記コピー制限コード/パターンがコピー禁止コード/パターンである場合には、ステップS16に進むようにしてもよい。
(実施例4)
さらに他の実施例について説明する。本実施例4は、規制情報が付加された出力物を出力するために、記録用紙として予めコピー制限コード/パターンが記録された用紙を選択する構成である。つまり、著作物からのコピーを行なう場合には、出力用紙選択部63にて、予めコピー制限コード/パターンが印刷されている記録用紙が選択される。また、このコピー制限コード/パターンが画像として形成された用紙を使用して印刷された印刷物を原本にして印刷しようとする場合、MFP1の画像読取部2が上記コピー制限コード/パターンを認識し、印刷を制限することで世代コピーの伝播を防止することができる。
図7は、本実施例4にかかるMFP1の概略構成を示すブロック図である。このMFP1は、図7に示すように、無線タグ通信部64、画像読取部2、画像処理部61、画像形成部3、制御部66、記憶部67、ユーザI/F部69、ネットワークI/F部68、出力用紙選択部63および排紙トレイ51を備えている。
図11は、原稿101に制限情報がある場合に、コピー制限コード/パターンが予め印刷されている記録用紙を用いて画像形成を行なう印刷処理を説明するためのフローチャートである。なお、以下の説明では、説明の便宜上、実施例1〜3と同じ構成については、同じ工程番号を付し、その説明を省略する。
上記ステップS10〜S12にて、原稿101載置台に載置された原稿101に、情報タグ102が付加されている場合には、上記情報タグ102に記録されている著作物情報は、無線タグデータ記憶部82に記録される。そして、印刷可否判定部81は、無線タグデータ記憶部82に記録された著作物情報(情報タグ102に記録されているデータ)に制限情報が含まれているか否かを判定する(S13)。
上記ステップS13にて、制限情報が記録されていると判定する(S13にてYES)と、印刷可否判定部81は、出力用紙選択部63に、画像形成するための用紙として、予めコピー制限コード/パターンが印刷されている記録用紙を選択するように選択指示を出す(S35)。その後、印刷処理が開始され(S18)、上記出力用紙選択部63は、上記印刷可否判定部81からの選択指示に基づいて、上記コピー制限コード/パターンが印刷されている記録用紙を、画像形成部3に搬送する。そして、画像形成部3にて、上記コピー制限コード/パターンが印刷されている記録用紙に画像が形成される(S33)。そして、画像形成された印刷物は、排紙トレイ51上に出力シートが排出され処理が終了する。
なお、上記の説明では、予めコピー制限コード/パターンが印刷されている記録用紙を用いているが、例えば、完全に世代コピーを禁止するために予めコピー禁止コード/パターンが印刷されている記録用紙を用いても良い。
また、上記の説明では、ステップS31にて、原稿101にコピー制限コード/パターンが含まれていると判定した場合には、印刷不可とする処理を行なっているが、上記限定されるものはなく、例えば、上記原稿101にコピー制限コード/パターンが含まれている場合には、ステップS17、S25、S32またはS35のように、(A)無線タグ付き記録用紙に画像を形成した後で、上記無線タグに規制情報を記録する、(B)予め規制情報が記録された無線タグ付き記録用紙に画像形成する、(C)画像形成する際に、コピー制限コード/パターンも併せて印刷する、(D)予めコピー制限コード/パターンが印刷された記録用紙に画像形成を行なう、の少なくとも1つの方法によって画像形成を行ってもよい。すなわち、上記図11において、上記ステップS31にて、コピー制限コード/パターンが記録されていると判定する(S31にてYES)と、ステップS35に進んでもよい。また、コピー制限コード/パターンが、完全に世代コピーを禁止するために予めコピー禁止コード/パターンである場合には、上記ステップS31にて、コピー制限コード/パターンが記録されていると判定する(S31にてYES)と、上記ステップS16に進めばよい。
(実施例5)
さらに他の実施例について説明する。本実施例5は、原稿101に付加されている情報タグ102に制限情報が含まれている場合には、無線タグ付き記録用紙に画像を形成するとともに、画像形成する際に上記コピー制限コード/パターンを併せて画像形成する構成である。
この構成とすることで、例えば、情報タグ102が壊れて当該情報タグ102に記録された情報が読み出せない場合や、コピー制限コード/パターンが画像形成できない場合等のいずれか一方が使用できない場合に対応させることができ、また、例えば、情報タグ102に著作情報を記録する一方で世代コピー対策はコピー制限コード/パターンにて制御する場合等の機能分担を行なうことができる。また、本実施例5の構成とすることで、例えば、著作物からコピーした印刷物から無線タグか取り除かれた場合でも、印刷物にはコピー制限コード/パターンが合成されるため、MFP1側がコピー制限パターンを認識することにより、印刷を制限することができ、世代コピーの伝播を防止することができる。また、印刷時にトナーが切れる等のトラブルによってコピー制限コード/パターンが正しく画像形成されなかった場合でも、無線タグに著作物情報や世代コピー情報が継承されていれば、MFP1側はコピー制限コード/パターンが正しく認識できない場合でも、無線タグの情報から印刷を制限することができる。以下、これについて説明する。
図12は、本実施例5にかかるMFP1の概略構成を示すブロック図である。このMFP1は、図12に示すように無線タグ通信部64、画像読取部2、画像処理部61、画像形成部3、制御部66、記憶部67、ユーザI/F部69、ネットワークI/F部68、出力用紙選択部63、無線タグライタ51aを備えた排紙トレイ51およびコピー制限コード/パターン生成部92を備えている。
図13は、無線タグ付き記録用紙を用い、画像形成時に印刷するデータとコピー制限コード/パターンとを合成し、さらに記録用紙の無線タグに著作物情報等を書込む場合の印刷処理を説明するフローチャートである。なお、以下の説明では、説明の便宜上、実施例1〜4と同じ構成については、同じ工程番号を付し、その説明を省略する。
上記ステップS10〜S12にて、原稿101載置台に載置された原稿101に、情報タグ102が付加されている場合には、上記情報タグ102に記録されている著作物情報は、無線タグデータ記憶部82に記録される。そして、印刷可否判定部81は、無線タグデータ記憶部82に記録された著作物情報に制限情報が含まれているか否かを判定する(S13)。
上記ステップS13にて、制限情報が記録されていると判定する(S13にてYES)と、印刷可否判定部81は、出力用紙選択部63に、画像形成するための用紙として、無線タグ付き記録用紙を選択するように選択指示を出すとともに、コピー制限コード/パターン生成部92に対して、コピー制限コード/パターン生成命令を出す。そして、上記出力用紙選択部63は、上記印刷可否判定部81からの選択指示に基づいて、上記無線タグ付き記録用紙をする(S17)。また、コピー制限コード/パターン生成部92は、コピー制限コード/パターンを生成する(S32)。
その後、印刷処理が開始され(S18)、上記出力用紙選択部63は、上記無線タグ付き記録用紙を、画像形成部3に搬送する。そして、画像形成部3は、上記画像処理部61から取得した画像データとコピー制限コード/パターン生成部92から取得したコピー制限コード/パターンとに基づいて、コピー制限コード/パターンが形成された画像を画像形成する(S19)。そして、上記ステップS19の後、画像形成された無線タグ付き記録用紙が排紙トレイ51に排出されると、上記印刷可否判定部81は、上記著作情報と世代コピー情報とを含む著作物情報を、排紙トレイ51に設置された無線タグライタ51aに送信する。上記著作物情報を受信した無線タグライタ51aは、当該著作物情報を規制情報として排紙トレイ51に排出された無線タグ付き記録用紙の無線タグに書込む(S20)。そして、処理を終了する。
(実施例6)
さらに他の実施例について説明する。本実施例6は、課金処理を行なうことができる構成である。これは、例えば、コンビニエンスストア等でサンプル本を設置しておくことで、ユーザが欲しい情報のみを適切な課金処理のもと、MFP1で印刷し持ち帰る場合などに適用できる。以下、これについて説明する。
図14は、本実施例6にかかるMFP1の概略構成を示すブロック図である。このMFP1は、図14に示すように、無線タグ通信部64、画像読取部2、画像処理部61、画像形成部3、制御部66、記憶部67、ユーザI/F部69、ネットワークI/F部68、出力用紙選択部63、無線タグライタ51aを備えた排紙トレイ51およびコピー制限コード/パターン生成部92から構成されており、さらに制御部66の印刷ジョブ管理部80内に課金処理部93を有している。
上記課金処理部93は、上記無線タグデータ記憶部82に記憶されている原稿101に付加されている情報タグ102に含まれているデータに基づいて課金額を決定するとともに、画像形成を行なうジョブに対して課金処理を行なうものである。
具体的には、上記情報タグ102には、課金額を決定するための課金情報が格納されており、上記課金処理部93は、当該課金情報に基づいて課金額を決定する。なお、上記課金情報としては、課金額そのものでもよく、例えば、1頁あたりの課金額等であってもよい。
図15は、無線タグ付き記録用紙を用い、画像形成時にコピー制限コード/パターンを合成し、記録用紙の無線タグに著作物情報等を書込み、さらに課金処理を行なう場合の印刷処理を説明するフローチャートである。なお、以下の説明では、説明の便宜上、実施例1〜5と同じ構成については、同じ工程番号を付し、その説明を省略する。
上記ステップS10〜S12にて、原稿101載置台に載置された原稿101に、情報タグ102が付加されている場合には、上記情報タグ102に記録されている著作物情報は、無線タグデータ記憶部82に記録される。そして、印刷可否判定部81は、無線タグデータ記憶部82に記録された著作物情報に制限情報が含まれているか否かを判定する(S13)。
上記ステップS13にて、制限情報が記録されていると判定する(S13にてYES)と、印刷可否判定部81は、無線タグデータ記憶部82に記録されたデータの中に課金情報が含まれているか否かを判定する(S40)。
上記ステップS40にて、課金情報が含まれていると判定する(S40にてYES)と、印刷可否判定部81は、課金処理部93に対して課金処理を行なうよう命令する。上記課金処理部93は、無線タグデータ記憶部82に記録されているデータから課金情報を取得する。そして、課金処理部93は、上記課金情報に基づいて課金額を決定するとともに、課金処理を行なう(S41)。そして、処理は、ステップS17およびステップS32に進む。
一方、上記ステップS40にて、課金情報が含まれていないと判定する(S40にてNO)と、処理は、ステップS17およびステップS32に進む。
(実施例7)
さらに他の実施例について説明する。本実施例7は、画像形成処理に伴い、原稿101に付されている情報タグ102に記録されているデータを更新する構成である。一般的に、著作物からのコピーを一部のみに限定する場合があるが、例えば、パンフレットや案内等の主に配布目的がある場合、著者の意向により予め第1世代のコピーの許可数を多く設定することができるようにすることで、原本からのコピーが許可回数を上限として複数作成が可能になる。また、例えば、第1世代のコピーを原本とした複製を制限または禁止することで、それ以降の世代コピーが制限または禁止できるため、用途不明、不特定多数による世代コピーが回避できる。
図16は、本実施例7にかかるMFP1の概略構成を示すブロック図である。このMFP1は、図16に示すように、無線タグライタ94および無線タグリーダ70を備えた無線タグ通信部64、画像読取部2、画像処理部61、画像形成部3、制御部66、記憶部67、ユーザI/F部69、ネットワークI/F部68、出力用紙選択部63、および排紙トレイ51を備えている。
そして、上記無線タグ通信部64に設けられている無線タグライタ94は、原稿101に付されている情報タグ102に対して情報を書込むものである。
図17は、無線タグ付き記録用紙を用い、さらに記録用紙の無線タグに著作物情報等を書込む場合において、画像形成が終了した後で、上記情報タグ102の内容を更新する場合における処理を説明するためのフローチャートである。以下、これについて説明する。
上記ステップS10〜S12にて、原稿101載置台に載置された原稿101に、情報タグ102が付加されている場合には、上記情報タグ102に記録されている著作物情報は、無線タグデータ記憶部82に記録される。そして、印刷可否判定部81は、無線タグデータ記憶部82に記録された著作物情報に制限情報が含まれているか否かを判定する(S13)。このとき、ステップS12では、無線タグリーダ70は、情報タグ102に記録されている残許可回数(後何回コピーを許可するかを示す情報)も併せて読み出し、無線タグデータ記憶部82に記録する。
上記ステップS13にて、制限情報が記録されていると判定する(S13にてYES)と、印刷可否判定部81は、無線タグデータ記憶部82に記録された残許可回数によって、コピー可能か否かを判定する(S45)。
そして、上記ステップS45にて、コピー可能である、すなわち、未だ残許可回数が0でないと判定する(S45にてYES)と、印刷可否判定部81は、出力用紙選択部63に、画像形成するための用紙として、無線タグ付き記録用紙を選択するように選択指示を出す。そして、上記出力用紙選択部63は、上記印刷可否判定部81からの選択指示に基づいて、上記無線タグ付き記録用紙をする(S17)。
その後、印刷処理が開始され(S18)、上記出力用紙選択部63は、上記無線タグ付き記録用紙を、画像形成部3に搬送する。そして、画像形成部3は画像を形成する(S19)。そして、上記ステップS19の後、画像形成された無線タグ付き記録用紙が排紙トレイ51に排出されると、印刷可否判定部81は、上記著作情報と世代コピー情報とを含む著作物情報を、排紙トレイ51に設置された無線タグライタ51aに送信する。上記著作物情報を受信した無線タグライタ51aは、当該著作物情報を規制情報として排紙トレイ51に排出された無線タグ付き記録用紙の無線タグに書込む(S20)。
そして、画像形成処理が完了すると、印刷可否判定部81は、無線タフ通信部が有する無線タグライタ94を動作させて、無線タグデータ記憶部82に記憶されている残許可回数から1を引いた数を情報タグ102に書込むことで、上記情報タグ102に記録されている残許可回数を更新する(S50)。
一方、上記ステップS45にて、コピー不可能である、すなわち、残許可回数が0であると判定する(S45にてNO)と、処理はステップS16に進む。
以上の処理により、著作者の意向によって設定された許可回数を上限として第1世代コピーが可能となる。
(実施例8)
さらに他の実施例について説明する。本実施例8は、情報タグ102に制限情報が含まれている場合、通常は無線タグ付き記録用紙に画像形成するが、上記無線タグ付き記録用紙がない場合には、画像形成の際に、コピー制限コード/パターンを付加する構成である。
上記の構成では、出力用紙選択部63に無線タグリーダ95を備えることにより、給紙トレイに世代コピーを制限することが可能な記録用紙が入っていない場合、または、それらの給紙トレイが選択できない場合は、印刷データとコピー制限コード/パターンとを合成して出力し、選択できる場合には無線タグ付き記録用紙を用いる。これによって、MFP1の給紙等の環境にとらわれることなく印刷を制限することができ、世代コピーの伝播を防止することができる。
図18は、本実施例8にかかるMFP1の概略構成を示すブロック図である。図18に示すように、本実施例8は、出力用紙選択部63が無線タグリーダ95を備えている。
図19は、出力用紙選択部63が無線タグリーダ95を備えた場合における処理を説明するフローチャートである。
上記ステップS10〜S12にて、原稿101載置台に載置された原稿101に、情報タグ102が付加されている場合には、上記情報タグ102に記録されている著作物情報は、無線タグデータ記憶部82に記録される。そして、印刷可否判定部81は、無線タグデータ記憶部82に記録された著作物情報に制限情報が含まれているか否かを判定する(S13)。
上記ステップS13にて、制限情報が記録されていると判定する(S13にてYES)と、印刷可否判定部81は、出力用紙選択部63が有する無線タグリーダ95を動作させて、無線タグ付き記録用紙を選択することができるか否かを判定する(S55)。具体的には、上記印刷可否判定部81は、上記無線タグリーダ95の検出結果によって、給紙トレイに無線タグ付き記録用紙がセットされているか否かを判定する。そして、無線タグ付き記録用紙がセットされている場合には、選択可能であると判定し、セットされてない場合には選択不可能であると判定する。
上記ステップS55にて、無線タグ付き記録用紙を選択することができると判定する(S55にてYES)と、印刷可否判定部81は、出力用紙選択部63に対して、無線タグ付き記録用紙を選択するよう命令を出す。そして、出力用紙選択部63は、画像形成を行なう用紙として無線タグ付き記録用紙を選択する(S17)。一方、上記ステップS55にて、無線タグ付き記録用紙を選択することができないと判定する(S55にてNO)と、印刷可否判定部81は、コピー制限コード/パターン生成部92に対して、コピー制限コード/パターンを生成するように命令する(S32)。
その後、印刷処理が開始され(S18)、画像形成する用紙として、無線タグ付き記録用紙が選択されている場合には、印刷処理(画像形成)が行なわれ(S19)、その後、上記無線タグ付き記録用紙の無線タグに著作物情報が記録される(S20)。一方、画像形成する用紙として、無線タグが付されていない用紙が選択されている場合には、上記ステップS19において、コピー制限コード/パターンと画像処理部61にて処理された画像データとが合成され、画像が形成される。
なお、本実施例8では、画像形成部3において印刷するデータとコピー制限コード/パターンとを合成したが、完全に世代コピーを禁止するためには、データとコピー制限コード/パターンの代わりにコピー禁止コード/パターンを合成しても良い。また、上記の説明では、出力用紙選択部63に無線タグリーダ95を備える構成について説明しているが、上記無線タグリーダ95を設ける場所としては、無線タグ付き記録用紙を認識できるのであれば特に限定されるものではなく、例えば、無線タグリーダ95を給紙トレイまたは用紙の搬送路等、MFP1内の任意の場所に備える構成としても良い。
また、上記の説明では、無線タグ付き記録用紙の無線タグに著作権情報等を記録したが、予めコピー制限あるいは禁止情報を無線タグに書込んだ、無線タグ付の記録用紙場合は、排紙トレイ51に無線タグライタ51aを備えていなくとも良い。さらに、予め制限情報または禁止情報を無線タグに書込んだ、無線タグ付き記録用紙であるか否かを出力用紙選択部63等に備えた無線タグリーダ95で判定するような構成としても良い。
以上のように、本実施の形態にかかるMFP1は、予め原稿101に情報タグ102を埋め込み、著作物情報を情報タグ102に書込んでおく。そして、ユーザが複写機などを用いてその原稿101をコピーしようとした際に、原稿101の情報タグ102内に記録された著作物情報を取得し、著作権を有する原稿101であると認識されれば、(A)給紙トレイから世代コピーを制限または禁止が可能な記録用紙を選択し印刷する、(B)画像形成される被記憶媒体にコピー制限または禁止情報を記録または合成し印刷するの方法を行なう。これにより、上記どちらの場合も被記録媒体(ここでは印刷物)に著作物からのコピーである旨の情報を継承(付加)することで、コピーされた著作物を原本にした世代コピーを防止できる。また、著作物ではない場合は通常処理を行なう。
そして、上記(A)の方式で印刷を実行する場合の例としては、(1)予めコピー制限情報が書込まれた無線タグ付き記録用紙を使用する、(2)予めコピー制限コード/パターンが印刷された記録用紙を使用する、の方法が挙げられ、(B)の方式で印刷を実行する場合の例としては、(3)無線タグ付の用紙を使用し、その無線タグに対して著作物情報あるいは世代コピー情報を書込む、(4)コピー制限コード/パターンを出力画像に埋め込む(合成する)などが挙げられる。また、(5)上記(1)から(4)の組み合わせてもよい。
これにより、自動的に世代コピーを制限するための対策を実施できる。これにより、著作物からコピーされた、この第1世代のコピーを原本にしてコピーを行なう場合、(1)から(5)のいずれかが行なわれるため、世代コピーを抑制することが可能になる。
また、複写機側が第1世代コピーであることを識別し、コピー可能であるか不可能である旨をユーザインターフェースに表示し、ユーザ側に通知することで、未然に世代コピーを制限または禁止することが可能となり、不正コピーの伝播を防止することが可能となる。また、著作物情報、印刷枚数等の制限情報、または世代コピー情報等の著作権に関わる情報もユーザインターフェースに表示することで、著作権に関わる情報をユーザに提示することができるので、ユーザに対して理解を求めることができる。
以上のように、本実施の形態にかかるMFP1は、原稿101を読取って画像データを取得する画像読取部2と、上記画像データに基づいて記録用紙に画像を形成する画像形成部3とを備えたMFP1であって、上記原稿101に付されている情報タグ102、または、上記画像読取部2によって読取られた画像データに、画像形成を制限する制限情報が含まれているか否かを判定する印刷可否判定部81と、上記制限情報が含まれている場合に、上記画像形成を行なう記録用紙として、画像が形成された記録用紙に基づく画像形成処理を禁止または制限する旨の規制情報が付加された規制情報付き記録用紙(コピー制限コード/パターンが予め形成されている記録用紙、または、規制情報が予め記録されている無線タグを備えた記録用紙)を選択する出力用紙選択部63が設けられている構成である。
上記の構成によれば、原稿101に付加されている情報タグ102に記録されているデータ、または、画像データ中に、画像形成を制限する制限情報が含まれている場合には、画像形成処理(画像読取処理および現像処理)を禁止または制限する旨の規制情報が付加された規制情報付き記録用紙を選択する。これにより、画像形成部3は、上記規制情報付き記録用紙に対して画像形成を行なう。そして、上記規制情報付き記録用紙に基づいて複写処理(画像形成処理)を行なおうとした場合には、上記規制情報によって、当該複写処理は禁止または制限されることになる。
従って、画像形成された後で出力される記録用紙には、上記規制情報が付加されているので、当該記録用紙に基づく画像形成処理を制限または禁止することができる。
これにより、例えば、複写された著作物(規制情報付き記録用紙に画像形成されたもの)を原本とした複写(世代コピー)を制限または禁止することができる。
なお、上記情報タグ102とは、例えば、ICタグ、フラッシュメモリ、およびハードディスク等の少なくとも1つを含む情報を記憶できるものである。
本実施の形態にかかるMFP1において、上記出力用紙選択部63は、上記規制情報が画像として記録されている上記規制情報付き記録用紙を選択する構成であってもよい。
上記の構成によれば、規制情報が画像として記録されている規制情報付き記録用紙を選択するので、画像形成された記録用紙には上記規制情報が画像として記録されている。
これにより、例えば、従来のMFP1で、上記規制情報付き記録用紙に基づいて画像形成を行なう場合でも、上記既に規制情報が含まれていることが分かるので、当該規制情報付き記録用紙に基づく画像形成を制限または禁止することができる。
本実施の形態にかかるMFP1において、上記出力用紙選択部63は、上記規制情報が記録された情報タグ102が付加されている上記規制情報付き記録用紙を選択する構成であってもよい。
上記の構成によれば、規制情報が記録された情報タグ102が付加されている規制情報付き記録用紙を選択するので、上記規制情報は情報タグ102に記憶されている。従って、規制情報が画像として記録されている記録用紙に画像形成する構成と比べて、画像読取部2によって取得された画像データに基づいて、より忠実な画像形成が行なえる。つまり、画像形成部3によって形成された画像に上記規制情報が含まないようにできる。
従って、上記の構成とすることで、規制情報を付加しつつ、原稿101に忠実な複写を行なうことができる。
本実施の形態にかかるMFP1において、画像形成を禁止または制限する旨の規制情報を、画像を形成する記録用紙に付加するコピー制限コード/パターン生成部92とを備える構成であってもよい。
上記の構成によれば、画像を形成する記録用紙に規制情報を付加することができる。これにより、例えば、上記規制情報付き記録用紙がない場合であって、通常の記録用紙(規制情報が付加されていない記録用紙)に画像形成する場合、および、上記規制情報付き記録用紙に記録されている規制情報が消去されている場合であっても、上記規制情報を付加することができる。これにより、上記規制情報付き記録用紙がない場合、および、規制情報付き記録用紙の規制情報が消去されている場合であっても、画像形成処理を中断させることなく、出力する記録用紙に規制情報を付加することができる。
本実施の形態にかかるMFP1において、上記規制情報付き記録用紙が選択できない場合には、画像形成処理を禁止する制御部66を備える構成であってもよい。
上記の構成によれば、規制情報付き記録用紙がなく、当該規制情報付き記録用紙に画像形成を行なえない場合には、画像形成処理を禁止することができる。
本実施の形態にかかるMFP1は、原稿101を読取って画像データを取得する画像読取部2と、上記画像データに基づいて記録用紙に画像を形成する画像形成部3とを備えたMFP1であって、上記原稿101に付されている情報タグ102、または、上記画像読取部2によって読取られた画像データに、画像形成を制限する制限情報が含まれているか否かを判定する印刷可否判定部81と、上記制限情報が含まれている場合には、画像形成を禁止または制限する旨の規制情報を、画像を形成する記録用紙に付加するコピー制限コード/パターン生成部92とを備える構成である。
上記の構成によれば、上記記録用紙に規制情報を付加する。これにより、MFP1から出力される上記原稿101の複写物には、規制情報が付加されることになる。従って、上記複写物を用いて、無制限にコピーできるといった事態を防止することができる。
また、規制情報が予め付加されていない場合であっても、上記規制情報を後から付加することができるので、どのような記録用紙を用いた場合でも規制情報を付加することができる。
本実施の形態にかかるMFP1において、上記コピー制限コード/パターン生成部92は、上記記録用紙に、上記規制情報を画像として付加するように上記画像形成部3を制御する構成であってもよい。
上記の構成によれば、上記規制情報を画像として付加している。つまり、画像読取部2にて読取られた画像データに基づいて画像を形成する際に、上記規制情報も画像形成されることになる。これにより、例えば、種々の情報を記憶できる情報タグ102等を備えていない記録用紙に画像を形成する場合であっても、上記規制情報を付加することができる。
本実施の形態にかかるMFP1において、上記コピー制限コード/パターン生成部92は、上記記録用紙として、情報の記録が可能な情報タグ102が付加されている無線タグ付き記録用紙を選択するとともに、上記情報タグ102に対して上記規制情報を記録する構成であってもよい。
上記の構成によれば、上記記録用紙として情報タグ102が付加されている無線タグ付き記録用紙を選択し、当該無線タグ付き記録用紙に画像を形成するとともに、上記情報タグ102に規制情報を記録している。これにより、上記情報タグ102に予め規制情報が記録されていない場合であっても、上記規制情報を付加することができる。
本実施の形態にかかるMFP1において、上記コピー制限コード/パターン生成部92は、さらに、上記原稿101に関する原稿101情報を、上記記録用紙に付加する構成であってもよい。
上記原稿101情報としては、例えば、原稿101の著作者を示す著作者情報、原稿101の所有者を示す所有者情報、および、当該原稿101が原本から何世代目の複写物であるかを示す世代コピー情報等の少なくとも1つの情報が挙げられる。
上記の構成によれば、規制情報だけでなく、上記原稿101情報も上記画像形成記録用紙に付加している。これにより、上記画像を形成する記録用紙に、上記原稿101情報を記録できるので、例えば、当該記録用紙に形成された画像の著作者等を知ることができる。
本実施の形態にかかるMFP1において、上記原稿101には、上記制限情報を含む当該原稿101に関する原稿101情報が記録されている情報タグ102が付加されており、上記原稿101に付加された情報タグ102から上記原稿101情報を読み出す無線タグリーダを備え、上記コピー制限コード/パターン生成部92は、上記無線タグリーダが取得した原稿101情報を、上記記録用紙に付加する構成であってもよい。
上記の構成によれば、原稿101に付加されている情報タグ102に記録されている原稿101情報を、画像を形成する記録用紙に付加する。これにより、原稿101と同じ情報を有する複写物を製造することができる。
本実施の形態にかかるMFP1において、上記制限情報を表示するユーザI/F部69を備える構成であってもよい。
上記の構成によれば、制限情報を表示するユーザI/F部69が設けられている。これにより、MFP1を操作するユーザは、ユーザI/F部69に表示された制限情報を確認することができる。これにより、ユーザは、上記原稿101に制限情報が含まれているか否かを知ることができる。
本実施の形態にかかるMFP1において、上記原稿101には、上記制限情報を含む当該原稿101に関する原稿101情報が記録されている情報タグ102が付加されており、上記ユーザI/F部69は、上記原稿101情報を表示する構成であってもよい。
上記の構成によれば、原稿101情報を表示する。これにより、ユーザは上記原稿101に付加されている情報タグ102に記録されている原稿101情報を確認することができる。
本実施の形態にかかるMFP1において、上記情報タグ102には、上記原稿101に基づく画像形成処理における課金情報が記録されており、上記課金情報に基づいて課金額を決定し、当該課金額に基づく課金処理を行なう課金処理部93とを備え、上記課金処理が正常に行なわれたか否かを判定するとともに、正常に課金処理が行なわれた場合に、画像形成処理を許可する印刷可否判定部81を備える構成であってもよい。
上記の構成によれば、原稿101に付加された情報タグ102から課金情報を取得して、当該課金情報に基づいて課金額を決定し、この課金額に基づく課金処理が終了した場合場合に、画像形成処理を許可している。
これにより、例えば、コンビニエンスストア等の商用で複写を行なうMFP1の場合に、適切な課金処理を行なうことができる。
また、上記情報タグ102から課金情報を取得し、当該課金情報に基づいて課金額を決定するので、上記原稿101に応じた課金処理を行なうことができる。
なお、上記課金処理部93としては、現金計数機や情報量を計測して課金量を算出するプログラム等が挙げられる。
本実施の形態にかかるMFP1において、上記原稿101に付されている情報タグ102に記録されている情報を更新する無線タグライタ94を備える構成であってもよい。
上記の構成によれば、原稿101に付されている情報タグ102の情報を更新できる。これにより、例えば、一定期間内は画像形成を制限するが一定期間を過ぎれば画像形成を制限しないような、時間経過によって制限情報が変わる場合に、上記情報タグ102の情報を更新することができる。
また、例えば、上記MFP1を使用するにあたり、ユーザが無線タグ付き記録用紙を給紙カセットにセットしていないにも関わらず、セットしたとして、MFP1に設定を行なった場合、規制情報が付加されないまま画像形成が行なわれない場合が考えられる。このような事態に対処するためには、例えば、コンビニエンスストア等でコピーする場合のように商用でMFP1を使用する場合には、店員や管理者しか給紙カセットに収容されている記録用紙の設定を変えられないようにしたり、管理者以外は取り出せないように給紙カットをロックしたりすればよい。
また、給紙カセットに対する不正な操作をチェックするには、例えば、搬送経路の途中にRFIDリーダ(無線タグリーダ)を設けて、給紙される用紙をチェックするようにすればよい。
また、規制情報を付加する方法としては、無線タグ付き記録用紙を用いる代わりに、例えば、赤外線読取りパターンが付加された用紙を用いてもよい。この場合には、給紙カセット自体にセンサを設けることで、給紙カセットに赤外線読取りパターンが付加された用紙が収容されているか否かを判定することができる。また、手差しトレイのところに、リーダまたはセンサを設けて1枚ずつチェックを行なって給紙してもよい。
また、上記の説明では、情報タグ102中に制限情報が含まれていない場合に、画像データ中に上記制限情報が含まれているか否かを判定している。しかしながら、上記に限定されるものではなく、例えば、画像データ中に上記制限情報が含まれているか否かを先に判定した後、含まれていないと判定すると、情報タグ102中に制限情報が含まれているか否かを判定してもよく、これらを同時に判定してもよい。
また、本実施の形態にかかるMFP1は、原稿101から画像データを読取る画像読取部2と、読取った画像データに基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成部3と、著作物に付加され、予めその著作物情報を記憶している著作物情報記憶媒体(無線タグ)と通信する著作物情報通信部(無線タグリーダ)と、著作物情報通信部によって著作物情報記憶媒体から取得した著作物情報により、原稿101が著作物か否か判定する判定部(印刷可否判定部81)とを備え、実行されるコピーが著作物からのコピーか否かを判定し、著作物と判定された原稿101から読取った画像データに基づいて画像形成する際に、世代コピーを制限または禁止することが可能な記録用紙を選択し印刷する構成としてもよい。これにより、書籍等の著作物からのコピーであると判定された場合には、世代コピーを制限または禁止可能な記録用紙を強制的に選択することにより、コピーされた著作物を原本にした世代コピーの伝播を未然に防止することができる。
また、本実施の形態にかかるMFP1は、原稿101から画像データを読取る画像読取部2と、読取った画像データに基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成部3と、著作物に付加され、予めその著作物情報を記憶している著作物情報記憶媒体(無線タグ)と通信する著作物情報通信部と、著作物情報通信部によって著作物情報記憶媒体から取得した著作物情報により、原稿101が著作物か否か判定する判定部とを備え、実行されるコピーが著作物からのコピーか否かを判定し、著作物と判定された原稿101から読取った画像データに基づいて画像形成する際に、画像形成される被記憶媒体にコピー制限または禁止情報を記録または合成し、印刷する構成としてもよい。上記の構成とすることで、書籍等の著作物からのコピーであると判定された場合には、世代コピーを制限または禁止するための情報を、非記憶媒体に記録または合成することにより、コピーされた著作物を原本にした世代コピーの伝播を未然に防止することができる。
また、本実施の形態にかかるMFP1は、著作物からコピーを行なう場合に、無線タグ付きの記録用紙を強制的に選択する構成としてもよい。これにより、無線タグ付きの記録用紙を強制的に選択することにより、自動的に世代コピーを制限または禁止することが可能となり、不正コピーの伝播を未然に防止する。
また、本実施の形態にかかるMFP1は、著作物からコピーを行なう場合に、予めコピー制限コード/パターンが印刷された記録用紙を強制的に選択する構成としてもよい。これにより、予めコピー制限コード/パターンが印刷された記録用紙を強制的に選択することにより、自動的に世代コピーを制限することが可能となり、不正コピーの伝播を未然に防止する。
また、本実施の形態にかかるMFP1は、著作物からコピーを行なう場合に、無線タグ付の用紙に対してコピー制限または禁止情報、著作物情報あるいは世代コピー情報を書込む構成であってもよい。これにより、記録用紙に付加されている無線タグに著作物情報あるいは世代コピー情報を書込んでおくことにより、コピーされた著作物を原本にした世代コピーの伝播を未然に防止することができる。
また、本実施の形態にかかるMFP1は、著作物からコピーを行なう場合に、コピー制限コード/パターンを出力画像に埋め込む(合成する)構成であってもよい。これにより、コピー制限コード/パターンを複写機が認識することにより、コピーされた著作物を原本にした世代コピーの伝播を未然に防止することができる。
また、本実施の形態にかかるMFP1は、著作物からコピーを行なう場合に、著作物情報、世代コピー情報と共に、その著作物の所有者情報も被記録媒体に継承する構成としてもよい。これにより、第1世代のコピーに関して所有者を辿ることができる。
また、本実施の形態にかかるMFP1は、実行されるコピーが著作物からのコピーか否かを判定した結果に応じて、印刷(コピー)可能であるか、不可能であるかをユーザインターフェース上に表示し、ユーザに通知する構成としてもよい。これにより、ユーザが印刷/コピー可能か否かの判断を目視にて簡単に行なうことが出来る。
また、本実施の形態にかかるMFP1は、実行されるコピーが著作物からのコピーか否かを判定した結果に応じて、著作物情報、印刷枚数等の制限情報、あるいは世代コピー情報等の著作権に関わる情報をユーザインターフェース上に表示させる構成としてもよい。これにより、ユーザが著作物情報、印刷枚数あるいは世代コピー情報等を目視にて簡単に確認できるだけではなく、著作権に関してユーザ側に理解を求めることができる。
また、本実施の形態にかかるMFP1は、無線タグの情報により課金額を決定し、課金制でコピーを許可する構成としてもよい。これにより、例えば、コンビニエンスストア等でサンプル本を設置しておくことで、ユーザが欲しい情報のみを適切な課金処理のもと、印刷して持ち帰ることができる。
また、本実施の形態にかかるMFP1は、無線タグの情報により、第1世代コピーの許可回数が変更できる構成であってもよい。これにより、特にパンフレットや案内などの配布目的の場合、許可回数を多く設定することで原本からのコピーが許可回数を上限として複数作成可能であると共に、それ以降の世代コピーが制限または禁止できるため、用途不明、不特定多数による世代コピーができる。
また、本実施の形態にかかるMFP1は、著作物からコピーを行なう場合に、給紙トレイに世代コピーを制限または禁止することが可能な記録用紙が入っていないか、または選択できない場合に、画像形成される被記憶媒体にコピー制限または禁止情報を記録または合成し、印刷する構成としてもよい。これにより、著作物からの印刷時に給紙トレイに世代コピーを制限または禁止が可能な記録用紙が入っていない場合も、コピー制限または禁止情報を記録または合成することにより印刷し、世代コピーの伝播を防止する。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
最後に、MFP1の各ブロック、特に制御部66は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、MFP1は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるMFP1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読取り可能に記録した記録媒体を、上記MFP1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、MFP1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。