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JP2007002246A - 特殊な共触媒を用いたポリエステル樹脂 - Google Patents

特殊な共触媒を用いたポリエステル樹脂 Download PDF

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JP2007002246A JP2006172286A JP2006172286A JP2007002246A JP 2007002246 A JP2007002246 A JP 2007002246A JP 2006172286 A JP2006172286 A JP 2006172286A JP 2006172286 A JP2006172286 A JP 2006172286A JP 2007002246 A JP2007002246 A JP 2007002246A
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タムマジ クルカルニ サンジャイ
Balasundaram Dilly Raj
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Abstract

【課題】樹脂生成中の固体重合速度を加速し、かつこれまでになく高いパフォーマンス特性、特には向上した「L」色値を付与する添加物を含むポリエステル樹脂の提供。
【解決手段】アンチモン、チタン、スズ、またはゲルマニウム化合物等の従来の触媒とグリコール不溶性タングステン化合物または三酸化タングステンまたはタングステンカーバイドを共触媒として含有するポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、およびその製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明はポリエステル樹脂の製造方法に関するものである。特に、この発明はポリエステル樹脂を製造する工程に関するものである。さらに、本発明はポリエステル樹脂を製造するための触媒システムに関するものである。
1920年代後半、カロザーズとヒルはジカルボン酸と脂肪族ジオールとを溶融縮合させることでポリエステル樹脂の繊維を初めて形成した。ポリ(エチレンテレフタレート)[PET]はウィンフィールドとディクソンによって1940年代に発明され、繊維や膜形成としての用途が提案された。
本発明は特にPET樹脂およびその製造方法に関する。本明細書においてPET樹脂に関する記述および例示がなされるが、その結果および過程は他のポリエステル樹脂にも拡張可能であると当業者は理解するものとする。
PETには2つの製造経路がある:ジメチルテレフタレート経路、つまり[DMT]経路ではエチレングリコールとジメチルテレフタレートを使用する。この方法では高純度のモノマーが必要となる。十分な量の精製テレフタル酸[PTA]が供給されるにいたって、今では2つめの経路であるPTA経路がより一般的になりつつある。
a. PET等のポリエステル樹脂を製造するPTA経路は、二官能性化合物と多官能性化合物との分子間反応を伴う一連の工程を有する:第1工程においては槽内で酸からペーストを生成し、このペーストは:
(i) テレフタル酸(TPA)およびナフタレンジカルボン酸(NDA)またはそのジメチルエステルから成るジエステル成分であるジメチルナフタレンジカルボン酸(NDC)から成る群から選択された、典型的には固体の二酸成分と、
(ii)モノエチレングリコール(MEG)、トリメチレングリコール、1,3−プロピレンジオール(PDO)およびテトラメチレングリコール、ブチレングリコール、および1,4−ブタンジオール(BDO)から成る群から選択された、典型的には液体のジオール成分
から構成される。
PTAとエチレングリコール[EG]の場合、典型的には、温度230〜280℃前後、圧力0.5〜3.0 kg/cmに保った第1エステル化攪拌槽反応装置にペーストを3〜4時間充填してプレポリマー生成につながるエステル化工程とする。プレポリマーはビスヒドロキシエチルテレフタレート[BHET]および短鎖オリゴマーから構成される。このエステル化は完全なものではなく、幾つかの酸末端基はプレポリマー内に残留する。エステル化の副生成物である水はカラムシステムで除去し、[EG]はリサイクルする。
プレポリマーが生成される第1エステル化工程の後には典型的には重縮合工程が続き、エステル交換およびエステル化反応により溶融相での逐次重合が起こる。これらの反応は可逆的であり、典型的には減圧することで縮合物[EG]および水を溶融物から効率的に除去する必要がある。初期の段階では溶融粘度が比較的低いままであり、縮合物は蒸発させることで容易に除去することが出来る。しかしながら、粘度が上昇するにつれて気泡の生成が阻害されるため、EGを拡散させる必要がある。これはディスクリング型反応装置を使用することで拡散経路を小さくして再生可能な薄膜を形成し、これによって表面積を増大させ縮合物を除去することで達成してもよい。また、3段階反応を利用してもよく、エステル化を温度約230〜260℃、圧力0.1〜0.5kg/cmで窒素を循環させて不活性雰囲気を維持しながら2〜2.5時間行った後、5〜15mbarの減圧下、260〜285℃で約30分間の予備重合を行い、最後に0.1〜0.5mbarの減圧下、280〜298℃、好ましくは280〜285℃で100〜155分間重合する。
反応が終了したら、溶融物を繊維の製造に直接使用することができる。しかしながら、溶融重合においては、物質移動速度の低下や高温と長い滞留時間による化学分解のせいで、ボトルや工業繊維を製造するのに必要な数平均モル質量Mnが20000 g/mol [固有粘度IV〜0.6 dL/g]より大きいPETを得ることが困難である。しかしながら、ディスクリング型反応装置の場合、劣化させることなくI.V. 〜0.8を達成することが可能であり、アンチモン触媒の量を増加させることでそれ以上にすることも可能である。よって、通常、溶融重合に続いて固体重合[SSP]を行う。溶融物は繊維状に押出成形され、冷却されると固化する。重合後の工程に備えて、これらの繊維を基本的に不定形のチップ状に切断する。SSPにおいては、より高い温度で行う次の処理過程でチップが互いに粘着するのを防止するため、不定形のチップをまず100〜170℃での結晶化に供する。結晶状材料を今度は200〜230℃、典型的には溶融相反応より50℃低い温度のSSP反応炉に充填する。SSPにおける反応は、反応が固体相で起こるという以外は基本的に溶融相の場合と同じである。EGは窒素でスイープするか、減圧または真空にすることで除去する。反応温度を下げることによって重縮合速度は6倍低下するが、化学分解速度は40倍低下する。さらに、粘性を有する溶融物の攪拌に付随する問題点が解消される。さらに重要なことは、アセトアルデヒドの生成が低減されることである。例えば平均モル質量Mnが最高27000 g/mole [固有粘度、IV〜0.8 dL/g][ボトルの場合]のPET、平均モル質量が38000 g/mole[固有粘度、IV〜1.20 dL/g][工業繊維の場合]にものぼるPETを得ることができる。
溶融重合および固体重合の双方の場合で、エステル交換および重縮合の最中に1つ以上の触媒を使用することで重合速度が上がることは良く知られている。特にエステル交換反応においては、得られたポリマーの熱劣化および変色を防止するために金属イオン封鎖剤、典型的にはリン化合物で触媒活性をコントロールすることが必要である。
米国特許2641592、3028366、3732182、3795639、3842043、 3907754、 3962189、 3965071、 4010145、 4082724、 5008230、 5019640、 5116938、 5162488、 5166311 および日本国特許2000086751は全て、ゲルマニウム、アンチモン、チタン、マンガン、コバルト、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、ビスマス、鉄、銅等から構成される様々な触媒と、熱安定剤としての様々なリン含有化合物を利用した線状ポリエステルの製造方法に関するものである。
SSP速度を加速させるための添加物としては様々なものが従来文献に記載されている。米国特許6699545および5644019はSSP速度加速剤としてp−トルエンスルホン酸亜鉛の使用を教示している。
米国特許5338838、5334669、5243020および欧州特許422282に記載されるように、無水トリメリット酸(TMA)、ピロメリト酸ニ無水物(PMDA)等の多官能化合物添加剤がSSP促進剤として知られている。
米国特許5382650に記載の方法では、硫化タングステン(WS)にリチウム等のアルカリ金属カチオンをインターカレートさせたものをエステル化および/またはエステル交換触媒として使用しており、生成物は成形に利用している。
日本国特許出願56020028(1981)においてはタングステン酸、塩化タングステン、タングステンペンタフェノキシド等のエチレングリコール可溶性タングステン化合物を三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム、酢酸亜鉛等の重縮合触媒とともに使用しており、その使用により発色が向上し溶融重合時間が短縮されると主張している。この出願で開示の方法において大きな障害となるのは、三酸化アンチモンとともにタングステン酸を添加した場合のL値が、大きな違いではないとはいえ75.1(タングステン酸添加せず)から74.3に下がることである。
本発明において、使用したタングステン化合物は不溶性ではあるが、溶融重合時間を顕著に短縮しただけではなくL値を著しく向上させた。また、SSP速度にも向上が見られたが、これは前記の日本国特許出願には記載されていない。不溶性のタングステン化合物が本発明において非常に有効であった理由は、粒子径の微小さ(〜4ミクロン)にあると考えられ、溶融したポリマーに十分に分散し、その触媒効果を溶融重合およびSSPの双方で発揮する。
また、日本国特許5674123(1981)において、発明者はグリコール可溶性タングステン酸、塩化タングステン、およびタングステンペンタフェノキシドを使用している。色を向上させるためにさらにリン化合物を使用している。溶融重合速度の加速を達成し、全て80〜82という一貫して高いL値を開示した。
本発明の発明者がタングステン酸を用いてこの実験を繰り返したところ、溶融重合は促進されたものの、SSP速度に向上は見られなかった。
また、日本国特許61293220(1986)はタングステン酸を用いた重合方法を開示しており、パラフィンまたは1つ以上のビフェニル誘導体のいずれかの伝熱媒体を、タングステン化合物を含有する原料や通常の触媒とともに添加し、窒素等の不活性ガスを送ることで攪拌している。この開示によるとSSPをする必要がなく、この方法によると最低でも2.3の粘度を達成することができる。重合速度およびポリマーの色については触れられていない。この研究は本来、学術的な意味合いが強い。それというのも、伝熱媒体をポリマー溶融物に直接接触させると汚染の問題が生じるため、産業的に見てこの方法は実用的ではないからである。
日本国特許2117950(1990)は膜として使用するためのPETの、平均粒径が0.01〜5ミクロンの三酸化タングステン粒を使用した製造方法を開示しており、優れた透明度の膜が得られると主張している。この方法は溶融重合を用いているが、速度やL値については触れていない。また、この出願は粒径という本発明で上述した重要な特色を見越したものである。
2005年7月14日付の米国特許出願20050153086、2004年11月25日付の米国特許出願20040236066、2005年11月24日付の米国特許出願20050261462はそれぞれ、緩やかに結晶化させた樹脂、温かい飲料を充填する容器等に利用する樹脂、およびチタン触媒を使用したポリエステル樹脂を扱ったものであり、担体樹脂に担持させる温度上昇速度添加剤の幾つかのうちの1つとしてタングステン化合物を使用しマスターバッチとし、このマスターバッチを混和させることで再加熱プロファイルを改善することを記載している。溶融相反応炉における添加に関してはタングステン化合物またはその他の添加物の添加量は記載されておらず、射出成形機でのマスターバッチとしての量が記載されているのみである。また、樹脂は添加したコモノマーとのコポリマーである。この特許出願明細書は、反応の固体重合段階で触媒システムを使用することを示唆していない。
本発明の基礎を成す理論は、溶融重合と比較して固体重合ではポリマーの劣化が顕著に抑制され、固有粘度が高いという事実である。固体重合速度を加速させると、生産性が向上するという事実とは別に、熱暴露時間の短縮により劣化が一層抑制され、これによりアセトアルデヒドの発生が低下する。
前記記載の従来技術文献のいずれも、固体重合速度を特異的に改善するための、またそれに付随してL値を改善こそしないものの何の影響も与えない添加剤を提供してはいない。
よって本発明の別の特徴は、本発明に従って処理した樹脂から形成した最終生成物の透明度と色値の向上にある。
色覚には個人差がある。
人間の眼の色覚および色の解釈の欠点を克服するため、より正確に色を測定・定義するためにCIEL*a*b*(CIELAB)、CIE XYZ等のモデルが開発された。
CIELABはフランスの団体である国際照明委員会によって定められた(Commission Internationale d’Eclairage、名前の頭文字からCIE)。CIELABモデルは当初、人間の色覚を正確に表す、色覚の「三刺激理論」と人間の眼のRGB(赤、緑、青)に対する反応に基づいて開発されたものである。
CIEL*a*b*カラースペースはデバイス非依存性カラースペースであり、「全世界共通」の参照基準である。
L*a*b*スペースは三次元のカラースペースの3軸に沿った位置によって色彩を表現するものであり:L軸は像の明度または光度を表し、色の白黒の度合いを測るものである。「a」軸は赤から緑に亘り、「b」軸は黄色から青に亘る。L*a*b*スペースにおける位置は以下の方法で決定される。
・0(全て黒)から100(全て白)のL値
・−a(緑)から+b(赤)のa軸上の位置
・−b(青)から+b(黄色)のb軸上の位置
この3次元物理スペース内の位置を規定することでどんな色も数学的に表すことができる。
色のL* a*b*値は比色計、分光光度計、顕微分光計、反射型色調計等の機器で測定することで求められる。
CIELABカラーモデルはデバイス非依存性の、基準して使用するための絶対モデルとして作られた。
CIELABは工業的な面で色の受容可能度を測る際に非常に役立つ。
プラスチックボトル産業に属する製造業者は多く、各自が高品質な製品の製造に尽力している。バリア特性、寸法安定性、形状および外観等の性質が非常に重要である。
外観特性には反射色、伝達色、黄色味度、ヘイズが含まれる。適当な量のUV防止剤を添加することも、用途によっては重要である。色測定機器を使用してこれらの特性をテストし数値化することで、顧客の満足と利益が確実にもたらされる。
プラスチックの色の測定に使用する色測定機器には2つの基本タイプがある。三刺激比色計と比色分光光度計である。色は三刺激カラースケールで測定される[上述のCIE L*a*b*スケール]。基準とサンプルとの違いはデルタL*、デルタa*、およびデルタb*値の比較で表される。
この情報をもとに、違いの程度(数字の大小)および色差の方向(+または−)の双方がわかる。
色の受容可能度を決定する際は、これらの数値が既定の許容限度内に収まっていなくてはならない。
従って、本発明の主な目的は、樹脂生成中のSSP速度を加速し、かつこれまでになく高いパフォーマンス特性、特には向上したCIE L*a*b*を付与する添加剤を含むポリエステル樹脂を提供することである。
本発明の別の目的は、向上した色値を有するポリエチレンテレフタレート樹脂を提供することである。
本発明の別の目的は、生成品の色値を改善しつつ短い固体重合処理時間でポリエステル樹脂を生成する、再加熱値に影響を与えることのない、実際、高速ブロー成形用に必要に応じて加熱値を向上させる方法を提供するものである。
従って、本発明はグリコール不溶性タングステン系添加剤を含むポリエステル樹脂を提供するものであり、グリコール不溶性タングステン系添加剤は共触媒として作用するだけではなく、生成品の性質も改善する。三酸化アンチモンを触媒として、グリコール不溶性タングステン化合物触媒を共触媒として使用することでポリエステル樹脂、特にはPET樹脂を生成する方法である。タングステン化合物、典型的には三酸化タングステンまたはタングステンカーバイドをポリマーマトリックスに分散させている。この方法の重要な特色は固体重合処理時間が短縮され、固体重合速度が上昇し、さらに生成品の色とヘイズが、どれも灰色がかったもしくは黒っぽい、または冴えない色合いであった従来のPET樹脂に比べて改善されている点である。
[本発明で使用した一部の原料および添加剤の仕様]
A.純粋テレフタル酸(PTA)
酸価(mg KOH/g) 675±2
水分(%Wt.) 最大0.5
灰分(%Wt.) 最大0.0015
鉄(ppm) 最大1.0
色(CIE Lab− b*) 最大+0.5
かさ密度(g/cc) 1.10±0.05
異物微粒子 Nil
平均粒径(ミクロン) 110±20

B. モノエチレングリコール
水分(%Wt.) 最大0.5
酸度(%Wt.)(酢酸として) 最大0.01
20℃での比重 1.115±0.001
塩化物(Clとして)ppm 最大5
鉄(Fe+++)ppm 最大0.15
残留物(%Wt.) 最大0.0015
色(HU) 最大10
外観 無色透明の液体
外部汚染なし
水との混和性 100%
DEG(%Wt.) 最大0.1
蒸留範囲(℃)
第1滴目 最低190
5 ml 最大196
95 ml 最大199
乾点 最大200
紫外線透過率(%)
350 nm 最低98
275 nm 最低95
250 nm 最低90
220 nm 最低70

C.純粋イソフタル酸(IPA)
酸価(mg KOH/g) 675±2
水分(%Wt.) 最大0.5
灰分(%Wt.) 最大0.0015
鉄(ppm) 最大1.0
色(CIE Lab− b*) 最大+0.5
かさ密度(g/cc) 1.10±0.05
異物微粒子 Nil
平均粒径(ミクロン) 110±20

D.三酸化アンチモン
純度(Sbとして%) 最低99.0
水分(%Wt.) 最大0.5
鉄(ppm) 最大30
塩化物(ppm) 最大100

E.酢酸コバルト
外観 バイオレットレッドまたはバラ色。結晶/粉末
純度(%)
コバルトとして 最低22
酢酸コバルトとして 最低92
水分(%Wt.) 28.0±2.0
温エチレン中での溶解性
80〜100℃のグリコール 可溶
異物微粒子 Nil
化学式 Co(CHCOO).4H

F.青色トナー
外観(目視検査):
クラリアント・インド社から調達したPOLYSYNTHRIN BLUE RBL、または同等の食品グレード認定された特殊な青色トナー。最大3ppm
G.赤色トナー
クラリアント・インド社から調達したPOLYSYNTHRIN RED GFP、または同等の食品グレード認定された特殊な赤色トナー。最大3ppm
H.オルトリン酸(OPA)
含有量 最低88%
20℃でのWt./ml 約1.75g
塩化物(Cl) 最大0.001%
硝酸塩(NO) 最大0.002%
硫酸塩(SO) 最大0.01%
カルシウムおよびマグネシウム 最大0.01%
マンガン 最大0.06%

I.トリエチルホスホノアセテート(TEPA
ロディア社のトリエチルホスホノアセテート
無色透明の液体
リン含有量(%) 13.8
J.タングステン化合物
三酸化タングステン (WO):レモンイエローまたは青色の粉末。純度99.98 % 。分子量231.85。比重7.2 g/cc。粒径1〜5ミクロン。タングステンカーバイドは分析グレードのもの。
本発明の態様を添付の図面の図1を参照して説明する。図1は本発明のプロセスフロー図であり、ポリエチレンテレフタレート(PET)の製造方法を説明している。
本発明の好適な態様は、その三酸化物およびカーバイドから成る群から選択されたタングステン系グリコール不溶性固体重合添加剤を含むポリエチレンテレフタレート(PET)を提供するものであり:
i 15〜30%向上した固体重合における反応性
ii 2〜4%向上したL*値
iii 1〜2%向上したb*値
を有する。
樹脂中のタングステン添加剤の量は0.5〜40ppmであり、好ましくは5.0〜30.0ppmであり、その粒径は1〜5ミクロンである。SSP樹脂の固有粘度は0.72〜1.20 dl/gである。本発明の樹脂は80〜82以上のL*値と、−1.0〜−2.0のb*値を有する。
また、本発明は2〜4%向上したL*値と1〜2%向上したb*値を有する予備成形物およびその予備成形物から作成した容器にも拡大して適用されるものとする。
本発明の別の態様は、上記記載のポリエステル樹脂の製造方法を提供するものであり、前記製造方法は
a. (i) テレフタル酸(TPA)から成る群から選択した二酸成分と
(ii) モノエチレングリコール(MEG)から成る群から選択されたジオール成分と;
(iii) 三酸化アンチモンまたは三酢酸アンチモンから成る群から選択された、触媒としてのアンチモン化合物と
(iv) トナーとしてコバルト化合物
から構成されるペーストを調製する工程と;
b. 工程(a)のペーストに、三酸化タングステンおよびタングステンカーバイドから選択され、エチレングリコール中に分散させた共触媒としてのグリコール不溶性タングステン化合物を添加してエステル化する工程と;
c. 任意で、上記反応の生成物を予備重合装置で予備重合する工程と;
d. 触媒としてのアンチモン化合物の存在下、工程(b)のエステル化物または工程(c)のプレポリマーを減圧下で、リン化合物を使用して熱を安定化させた状態で重合してペレットまたは引き続いてチップ状に注型してもよい不定形ポリマー溶融物を得る工程と;
e. ペレットまたは不定形ポリマー溶融物を固体重合してポリエステル樹脂に望ましいIVを付与する工程
から構成される。
本発明の製造方法は、PTAおよびMEGのほかに任意でイソフタル酸(IPA)を1〜5%、好ましくは2〜3%含んでいる。
エステル化は、約240〜275℃、圧力0.5〜3.0kg/cmで、窒素ガスを循環させて不活性雰囲気を保ちながら115〜145分行われる。
任意の予備重合工程(c)は、5〜15 mbarの減圧下、260〜285℃で約30分行われる。
工程(e)の重合は、0.1〜0.5 mbarの減圧下、280〜298℃で100〜155分、好ましくは105〜115分行われる。
二酸成分とジオール成分との比率は約70:30〜90:10重量%である。
使用するアンチモン化合物の量は100〜400ppmである。
本発明の製造方法はさらに赤色および/または青色トナーから選択した追加トナーを0.2〜3.0ppm含んでいる。
工程(b)のタングステン化合物は三酸化タングステンまたはタングステンカーバイドから選択される。
タングステン化合物の濃度は0.5〜40ppm、好ましくは5〜30ppmである。
本発明の別の特徴はタングステン化合物を添加することに関連する。タングステン化合物はペースト調製槽、エステル化槽、重合反応装置の3つの段階のいずれの時点で添加してもよい。
本発明の別の態様は
a.エステル化を約240〜275℃、圧力0.5〜3.0 kg/cmで、窒素ガスを循環させて不活性雰囲気を保ちながら115〜145分行い;
b.予備重合を、5〜15 mbarの減圧下、260〜285℃で約30分行い;
c.重合を0.1〜0.5 mbarの減圧下、280〜298℃で100〜155分、好ましくは105〜115分行い;
d.二酸成分とジオール成分との比率が約70:30〜90:10重量%であり;
e.使用するアンチモン化合物の量が100〜400ppmであり;
f.赤色および/または青色トナーから選択した追加トナーの量が0.2〜3.0ppmであり;
g.グリコール不溶性タングステン化合物が三酸化タングステンまたはタングステンカーバイドから選択され、タングステン化合物の濃度が0.5〜40ppm、好ましくは5〜30ppmであり;
h.タングステン化合物をエステル化の最中に原料のスラリーペーストに添加する、または重合中に別々に添加する
ことを特徴とする製造方法を提供するものである。
別の態様において、本発明の製造方法はバッチ工程であっても連続工程であってもよい。
本発明は、通常のリン系熱安定剤や色を改善するためのコバルト化合物およびトナーの存在下、黄色味を帯びた青色の三酸化タングステン(WO)または青みを帯びたタングステンカーバイド(WC)等のグリコール不溶性タングステン化合物を添加することにより固体重合の生産性を向上させる方法を提供するものである。
ポリエチレンテレフタレート(PET)の製造方法は以下の工程から構成される:
工程(a):
ポリマーに対しての量は約0.5〜4%である、必要なIPAとともにペースト調製槽で準備した、比率が70:30重量%のPTA/MEGスラリー。触媒である三酸化アンチモン(Sb) 100〜400ppm、好ましくは200〜300ppmを、カラートナーとしての酢酸コバルトと共にペースト調製槽に投入する。酢酸コバルトはさらに追加の赤色および/または青色のトナーと共に添加する。使用する酢酸コバルトの量は約10〜100ppm、好ましくは20〜50ppmであり、赤色および/または青色トナーの使用量は約0.2〜3ppm、好ましくは1〜2ppmである。三酸化タングステンまたはタングステンカーバイドから選択したグリコール不溶性タングステン化合物を、PET樹脂を生成するための共触媒として使用する。三酸化タングステンは黄色味を帯びた青色であり、タングステンカーバイドは青色である。黄青色のWOまたは青色を帯びたWCはEG(エチレングリコール)中に細かく分散され、最終的に得られるポリマーにおける濃度が約0.5〜40ppm、好ましくは5〜30ppmになるようにペーストに添加される。
工程(b):バッチ工程:
最初はエステル化装置には中身が入っておらず、温度は240〜270℃である。窒素を使用して反応装置を不活性空気下に維持する。反応装置の圧力は約0.5〜3.0 Kg/cmに保たれる。PTA/MEG/IPAの圧送を開始し、必要な量のペーストが反応装置に圧送されたら圧送を停止する。
エステル化装置内で、PTA/IPAはBHET(ビスヒドロキシエチルテレフタレート)、つまりプレポリマーまたはオリゴマーに転換される。こうして全ての原料がBHET、つまりプレポリマー/オリゴマーに約5〜10の重合度で転換される。
BHETに転換させた最初のバッチはエステル化装置内に留まり、プレポリマーヒールとして機能する。これにより上記単位工程すべてにおける続くバッチの処理が早くなる。
三酸化タングステンまたはタングステンカーバイドから選択した添加剤である共触媒は、ペースト調製槽の段階で添加する代わりに、プレポリマーを移動させた後にエステル化装置または重合装置の段階で添加することも可能である。図1の点線は本発明の上記の態様を示すものである。
255〜275℃である所望の終了時温度と〜90%のバッチ処理転換率に達したら、エステル化した材料を目の粗いフィルターでろ過し、3反応装置システムの場合は窒素圧を利用して予備重合装置に送る。2反応装置システムの場合は直接オートクレーブに送る。予備重合装置は攪拌機、内部加熱コイルおよび外部リンペットコイルを備えている。圧力を緩やかに5〜15 mbar (絶対圧)に下げ、温度を約260〜285℃に上昇させることでプレポリマーを処理する。予備重合に先立って行ったエステル化の残りがここで完了する。DPの上昇後、20ミクロンのフィルターでろ過した溶融物を重合装置に移す。重合装置は特殊な攪拌機、コンデンサー、ファイン真空システムを備えている。重合は触媒、つまり三酸化アンチモン(Sb) の存在下で行われる。ここで、開始DPの低いポリマー溶融物を、圧力を0.1〜0.5(絶対圧)まで、また温度を約280〜298℃、好ましくは280〜285℃まで下げることで必要とされる100〜110の高DPにまで上昇させる。ポリマー溶融物は熱安定剤つまりリン酸/オルトリン酸 (OPA)/トリエチルホスホノアセテート(TEPA)を単独または組み合わせて(1:1比) 20〜80ppm、好ましくは40〜70ppm使用することで安定させる。ポリマー溶融物は窒素圧下で押出成形し、2反応装置システムの場合はペレット状にする。3反応装置システムの場合は、ギアポンプで循環状態に保った不定形ポリマー溶融物を真空下で注型し、さらに高品質なポリマーとする。この不定形コポリマーFRH樹脂をさらに固形重合してIVを0.72〜1.20にする。同様に、連続処理は各種反応装置にて行う。
一般的な反応時間は以下のとおりである:
エステル化:115〜145分。予備重合:〜30分(3反応装置システム等、該当する場合)重合:125〜155分

粒径1〜5ミクロンのグリコール不溶性タングステン系添加剤を0.5〜40.00 ppm含有させた溶融重合後の不定形ポリエステル樹脂は
i. 73±1のL*値と
ii. −4.0〜−6.0のb*値と;
iii. 0.600±0.04 dl/gの固有粘度
を有する。
この不定形樹脂を固体重合に12〜16時間供する。
本発明は2工程法におけるエネルギー削減についても最大の効果を発揮するが、単一工程ボトルブロー成形においても、低温に関わらずエネルギー利得が明白である。
ポリマーの典型的な性質:
(グリコール不溶性タングステン添加剤含有不定形ポリエステル樹脂)
IV 0.600±0.04dl/g
COOH末端基 30±5meq/kg
DEG,wt.% 1.0±0.1
融点 246±2℃
L*(CIE) 73±1
「b*」 −4.0〜−6.0

(グリコール不溶性タングステン添加剤含有SSPポリエステル樹脂)
IV 0.840±0.02dl/g
COOH末端基 <30meq/kg
DEG,wt.% 1.0±0.1
融点 246±2℃
L*(CIE) 82±2
「b*」 −1.0〜−2.0
同様に高い反応性・色パフォーマンスが、最高1.20dl/gの高IVを有する樹脂で得られた。
本発明において触媒、特にSbは重合触媒として機能する。グリコール不溶性タングステン化合物は本来、固体重合速度を改善するために添加されるものでありSbの共触媒として機能するが、L*値およびb*値を向上させるという利点をさらに有する
上述のように、WOまたはWCを添加することで共触媒として機能してSSP速度が上昇するだけでなく、色値も改善される。
本発明を実施例を用いてさらに説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
2215kgのPTA、50kgのIPAおよび813kgのMEGから構成されるPTA/MEGペーストをエステル化装置に充填する。ペーストはさらに683 gmのSb (Sbとして230 ppm)、311 gm、230 gmの酢酸コバルト(Coとして22 ppm)、各4.5gmの赤色および青色トナー(各1.9 ppm)を含む。エステル化は240〜268℃、圧力2.2 bar (g)下で行った。この段階で、135gmのTEPA (50 ppm)と50 gmのOPA (50 ppm)を用いてポリマー溶融物を安定化した。エステル化の後、生成したプレポリマーを20ミクロンのフィルターでろ過して重合装置に移し、5リットルのエチレングリコールに三酸化タングステン(WO)60gmを分散させたものを添加した。圧力を緩やかに5〜15 mbarに下げ、温度を260〜285℃に上昇させることでプレポリマーを重合した。処理が終わりに近づくにつれ圧力をさらに<1.0 mbar (絶対圧) にまで下げ、温度を280〜285℃まで上げた。攪拌機のキロワットによりIVが要求のレベルに達したことを確認したら、ポリマー溶融物を窒素圧下で押出成形して不定形のペレットにする。この不定形ペレットを予備結晶化と固体重合に供して、バッチ反応装置内でIVを0.72〜1.20に上昇させる。
表1はこの実施例1で得られた不定形ポリマーおよびSSPポリマーの性質を記載したものである。

表I
よって、タングステン化合物WOは共触媒として機能し、表IIに詳述のように溶融重合処理時間を短縮し(≧15%)、SSP速度を上げ(≧25%)、結果としてIVが短時間で上昇する。

表II
溶融重合速度およびSSP速度の比較
WO等のタングステン化合物は、ボトルの透明度やヘイズに影響を与えることなくPET樹脂の生産性を向上させる。
L、a、b値を測定するために、プレミアカラースキャン社のスペクトラスキャンカロリメータ5100を以下の測定条件下で使用した:観察者 2度視野 カラースペースCIELAB D65光源。
共触媒として三酸化タングステンを使用した本発明の生成物の色をその他従来方法のものと比較した結果は表3に示すとおりであり、CIE「L*」「b*」値に反映されている。

表III
「L*」および「b*」値
*機器および分析手順の違いに加えて、サイズの異なるボトルの壁厚の違いにより、樹脂と予備成形物の色の比較には限界がある。
上述のように、タングステン化合物の添加はPET樹脂の生産性を向上させるだけではなく、L*値、b*値も改善する。
粒径2〜6ミクロンのタングステンカーバイド粉末60gmをエチレングリコールに分散させたものを重合装置に添加したこと以外は、実施例1と同じ工程を繰り返した。得られた結果は以下のとおりである:
SSP速度: 0.022 IV 上昇/時間
L*値: 79.8
b*値: −1.8
IV: 0.84.
粒径1〜5ミクロンの三酸化タングステン粉末60gmをエチレングリコールに分散させたものをペースト調製槽に添加したこと以外は、実施例1と同じ工程を繰り返した。得られた結果は以下のとおりである:
SSP速度: 0.0198 IV 上昇/時間
L*値: 79.6
b*値: −1.3
IV: 0.83
粒径2〜6ミクロンのタングステンカーバイド粉末60gmをエチレングリコールに分散させたものをペースト調製槽に添加したこと以外は、実施例1と同じ工程を繰り返した。得られた結果は以下のとおりである:
SSP速度: 0.022 IV 上昇/時間
L*値: 80.3
b*値: −1.5
IV: 0.81
粒径1〜5ミクロンの三酸化タングステン粉末60gmをエチレングリコールに分散させたものをエステル化反応槽に添加したこと以外は、実施例1と同じ工程を繰り返した。得られた結果は以下のとおりである:
SSP速度: 0.0196 IV 上昇/時間
L*値: 80.3
b*値: −1.6
IV: 0.87
粒径2〜6ミクロンのタングステンカーバイド粉末60gmをエチレングリコールに分散させたものをエステル化反応槽に添加したこと以外は、実施例1と同じ工程を繰り返した。得られた結果は以下のとおりである:
SSP速度: 0.024 IV 上昇/時間
L*値: 80.4
b*値: −1.4
IV: 0.83
粒径1〜5ミクロンの三酸化タングステン粉末30gmを2.5リットルのエチレングリコールに分散させたものをペースト槽に添加、また粒径1〜5ミクロンの三酸化タングステン粉末を2.5リットルのエチレングリコールに分散させたものをエステル化反応槽に添加したしたこと以外は、実施例1と同じ工程を繰り返した。得られた結果は以下のとおりである:
SSP速度: 0.022 IV 上昇/時間
L*値: 80.3
b*値: −1.5
IV: 0.81
粒径1〜5ミクロンの三酸化タングステン粉末30gmを2.5リットルのエチレングリコールに分散させたものをペースト槽に添加、また粒径2〜6ミクロンのタングステンカーバイド粉末30gmを2.5リットルのエチレングリコールに分散させたものを重合反応槽に添加したこと以外は、実施例1と同じ工程を繰り返した。得られた結果は以下のとおりである:
SSP速度: 0.028 IV 上昇/時間
L*値: 79.9
b*値: −1.6
IV: 0.85
粒径1〜6ミクロンの、タングステンカーバイド粉末と三酸化タングステン[50:50]との混合物60gmをエチレングリコールに分散させたものをエステル化反応槽に添加した以外は、実施例1と同じ工程を繰り返した。得られた結果は以下のとおりである:
SSP速度: 0.024 IV 上昇/時間
L*値: 80.4
b*値: −1.5
IV: 0.81
三酸化タングステンをグリコール可溶性タングステン酸に置き換えた以外は、実施例1と同じ工程を繰り返した。
この実施例に関しては、SbをSbとして240ppm、酢酸コバルトを40ppmに維持した。
共触媒であるタングステン酸は60ppm、リン系熱安定剤はPとして50ppmのレベルで維持した。
・ 三酸化タングステンを共触媒として使用した溶融重合では溶融重合時間が15%短縮されたの対し、タングステン酸では7%しか短縮されなかった。
・ SSPにおいて、三酸化タングステンにより速度が22%上昇した結果I.V.の上昇が加速したが、試験と比べて、タングステン酸の場合はSSP速度に顕著な上昇は見られなかった。
・ タングステン酸の場合のL値(〜74) は三酸化タングステンの場合のL値(〜80)よりも顕著に低かった。実際、タングステン酸の場合は共触媒の添加によってL値に顕著な変化は見られなかった。
上記の研究により、不溶性三酸化タングステンまたは不溶性タングステンカーバイドは、溶融重合時間の短縮、SSP速度の上昇と高L値という点で可溶性タングステン酸よりも優れていることがわかる。
本発明に従って生成した上記実施例の樹脂組成物を予備成形物に成形し、さらにボトルへと成形した。予備成形物およびボトルを透明度、L*値、「a*」値、「b*」値についてテストしたところ、従来技術による予備成形物およびボトルよりも少なくとも2〜3%優れていることが判明した。
本発明においては、WOまたはWCといったグリコール不溶性タングステン化合物の添加によりそれらが共触媒として機能することで溶融重合時間が短縮され、かつSSP速度が上がることでPET樹脂の生産性が上昇する。グリコール不溶性タングステン化合物の添加量は、それらを使用して製造したボトルの透明度とヘイズが改善され、かつ高いL*値をPET樹脂に付与する結果PET樹脂の透明度が改善されるようなものである。
本発明の特定の態様を詳述してきたが、より広い局面で見て本発明から外れることなく変更または改変を加えうることは当業者にとって自明である。ゆえに、添付の請求項は本発明の真髄と範囲でのそういった変更や改変全てをその範囲に包含するものとする。
ポリエチレンテレフタレート(PET)の製造方法を示す本発明のプロセスフロー図である。

Claims (16)

  1. 三酸化タングステンおよびタングステンカーバイドから選択された粒径0.1〜20ミクロン、好ましくは1〜10ミクロン、最も好ましくは1〜5ミクロンのグリコール不溶性タングステン化合物共触媒添加剤を樹脂の質量に対して0.1〜200ppm、好ましくは0.3〜100ppm、最も好ましくは0.5〜60ppm全体にわたって分散させたことを特徴とするポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂。
  2. 樹脂中のタングステン添加剤の量が5.0〜30.0ppmであることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂。
  3. エチレングリコールに分散させた添加剤を樹脂に混ぜ込むことを特徴とする、請求項1に記載の樹脂。
  4. L*値が>80%、b*値が−1.2〜1.9であることを特徴とする、先行の請求項のいずれかに記載の樹脂。
  5. 請求項1の樹脂から形成したことを特徴とする予備成形物。
  6. 請求項1の樹脂から形成したことを特徴とするボトル。
  7. a. (i) テレフタル酸(TPA)から成る群から選択したニ酸成分と
    (ii) モノエチレングリコール(MEG)から成る群から選択されたジオール成分と;
    (iii) 三酸化アンチモンまたは三酢酸アンチモンから成る群から選択された、触媒としてのアンチモン化合物と;
    (iv) トナーとしてコバルト化合物
    から構成されるペーストを調製する工程と;
    b. 工程(a)のペーストをエステル化する工程と;
    c. 任意で、上記反応の生成物を予備重合装置で予備重合する工程と;
    d. 触媒としてのアンチモン化合物の存在下、工程(b)のエステル化物または工程(c)のプレポリマーを減圧下で、リン化合物を使用して熱を安定化させたまま重合してペレットまたは引き続いてチップ状に注型してもよい不定形ポリマー溶融物を得る工程と;
    e. ペレットまたは不定形ポリマーチップを固体重合してポリエステル樹脂に望ましいIVを得る工程
    から構成される方法であり、
    f. エチレングリコールに分散させた、三酸化タングステンおよびタングステンカーバイドから成る群から選択された少なくとも一つのグリコール不溶性タングステン化合物を工程a、工程b、工程c、工程dの少なくとも1つで添加することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の樹脂の製造方法。
  8. エステル化を約240〜275℃、圧力約0.5〜3.0kg/cmで、窒素ガスを循環させて不活性雰囲気を保ちながら115〜145分行うことを特徴とする、請求項7に記載の製造方法。
  9. 予備重合工程(c)を約5〜15mbarの減圧下、約260〜285℃で約30分行うことを特徴とする、請求項7に記載の製造方法。
  10. 工程(d)の重合を約0.1〜0.5 mbarの減圧下、280〜298℃、好ましくは280〜285℃で100〜155分、好ましくは105〜115分行うことを特徴とする、請求項7に記載の製造方法。
  11. 工程(e)の固体重合を約12〜16時間行うことを特徴とする、請求項7に記載の製造方法。
  12. 二酸成分とジオール成分との比率が約70:30〜90:10重量%であることを特徴とする、請求項7に記載の製造方法。
  13. 使用するアンチモン化合物の量が100〜400ppmであることを特徴とする、請求項7に記載の製造方法。
  14. さらに赤色および/または青色トナーから選択された追加トナーを約0.2〜3.0ppm含むことを特徴とする、請求項7に記載の製造方法。又は、工程(b)において、タングステン化合物の濃度が0.1〜200ppm、好ましくは0.3〜100ppm、最も好ましくは0.5〜60ppmであることを特徴とする、請求項7に記載の製造方法。
  15. 製造方法がバッチ工程であることを特徴とする、請求項7に記載の製造方法。
  16. 製造方法が連続工程であることを特徴とする、請求項7に記載の製造方法。


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