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JP2007002044A - 半導体装置用接着剤組成物および半導体装置用接着シート - Google Patents

半導体装置用接着剤組成物および半導体装置用接着シート Download PDF

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JP2007002044A JP2005181711A JP2005181711A JP2007002044A JP 2007002044 A JP2007002044 A JP 2007002044A JP 2005181711 A JP2005181711 A JP 2005181711A JP 2005181711 A JP2005181711 A JP 2005181711A JP 2007002044 A JP2007002044 A JP 2007002044A
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Kazuhiro Takayanagi
一博 高柳
Yasuhiro Yoshii
康弘 吉井
Yosuke Momouchi
洋輔 桃内
Tomoaki Kamiya
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Abstract

【課題】 種々の優れた特性を有し、特に、接着力および耐熱劣化性に優れた半導体装置用接着剤組成物および半導体装置用接着シートを提供する。
【解決手段】 エポキシ樹脂(A)と、フェノール樹脂(B)と、モノマー成分として、エチレンと、前記エポキシ樹脂(A)と反応し得る官能基を有する不飽和カルボン酸またはその誘導体とを有するビニル共重合体(C)とを含有し、かつ硬化前の動的粘弾性測定における最低溶融粘度が400〜50000Pa.sの範囲内であることを特徴とする半導体装置用接着剤組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、各種の半導体を用いてなる半導体装置に好適に用いられる半導体装置用接着剤組成物および半導体装置用接着シートに関する。
携帯電話、ノートPC等の電子機器の小型・軽量化、高速・高機能化に伴い、ICチップも高集積・高速化し、実装技術もQFP(Quad Flat Package;リードがパッケージの4辺に設けられたタイプ)から、BGA(Ball GridArray)、CSP(Chip Scale Package)、MCP(Multi Chip Package)等の新たな実装形態へと発展してきた。
それに伴い、ICチップ等の半導体が搭載される側の基板についても、リードフレームからテープ基板、プリント基板と、微細化・高密度化が可能な構造に変化している。特に、配線を積層する方式であるビルトアップ基板の役割が重要になってきている。
これらの基板は、通常、支持体上に、配線と、該配線を電気的に絶縁する絶縁層とが設けられている。かかる絶縁層は電気的な絶縁性を保証することが重要であり、また、そのほかにも様々な特性が要求される。
たとえば、一般的に用いられている基板の製造方法として、表面に配線回路が形成された支持体と、未硬化の接着剤を主成分とする接着剤層を有する接着シートとを、配線と接着剤層とが接するように貼り合わせ、接着剤層が配線間に埋め込み、該接着剤層を熱等により硬化させる方法がある。ここでは、硬化した接着剤層が絶縁層として機能する。このとき、接着剤層内に発泡が生じたり、配線との間に隙間が残ったりすると絶縁性が良くないため、接着剤層には、配線の埋め込み時に、発泡したり隙間を生じたりすることなく配線間に埋め込まれる埋め込み性が求められる。かかる埋め込み性は、配線が微細化・高密度化するほど重要になってくる。
上述のような接着剤層に用いられる接着剤としては、通常、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノ−ル樹脂、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体等のジエンを有する重合体(ジオレフィン系樹脂)などの熱硬化性樹脂が用いられている。
接着剤には、さらに、耐熱性、耐熱温度サイクル性、応力変化に対する応力緩和性なども必要とされる。
たとえば、ICパッケージは、駆動時には、ICの発熱のため100℃以上の温度になる。つまり、ICパッケージは、室温〜高温(100℃以上)の温度変化に曝されることとなる。したがって、ICパッケージには、その場合に発生する高温に対する耐熱性、温度変化に対する耐熱温度サイクル性が求められている。
また、金属等の配線、該配線が形成された支持体、絶縁層など、熱膨張率の異なるもの同士が張り合わされるため、上述のような高温時や温度変化の際に、熱膨張率の違いによって生じる応力の変化に対応するために応力緩和性が求められる。特に近年、実装密度が上がり、金属等の配線が占める割合が増大するなか、応力緩和性の向上が重要となっている。
また、配線を積層するビルトアップ基板の場合、同時に、複数層の絶縁層を設けるため、接着剤の硬化のための加熱を積層枚数分行わなければならず、その時の耐熱性も必要となる。
しかしながら、上述したような従来の接着剤は、これらの特性を充分に満足するものではなかった。
具体的には、これらの接着剤層は、フロ−性が悪く、たとえば高密度に配された配線に接着剤層を埋め込む場合には、顕著な泡の巻き込みが発生する。そして、フロー性を高めるべく、接着剤層の粘度を下げると、上記張り合わせの際に、接着剤層のはみ出しが多くなりすぎて加工性が悪くなるなどの問題がある。
また、ICチップ等の半導体装置とされた後においては、室温〜高温(100℃以上)の温度変化が繰り返されて生じる応力によって、絶縁層とICチップとの間、もしくは該基板の内部で、絶縁層に起因する層間剥離や基板の反りを引き起こすことがあった。このような問題は、特に、配線および絶縁層が複数積層されるビルトアップ基板等の積層基板において顕著である。そして、層間剥離や反りは、半導体装置の電気的信頼性を低下させてしまうため、その改善が求められる。
さらに、上述のような積層型の高密度実装方法では、基板として、薄型にする目的で、絶縁フィルムに接着剤層を介して銅箔等の金属層を積層した、TAB(Tape Automated Bonding)基板、フレキシブル基板(FPC)等を使用する場合が多くなっており、絶縁フィルムとしては、ポリイミド樹脂等の樹脂フィルムが多く用いられている。
しかし、これまでの接着剤は、これらの絶縁フィルムや金属層に対する接着力が充分ではなかったり、その後の温度変化等により接着力が低下しやすい等の問題がある。特に、ポリイミドフィルムに対しては非常に接着しにくい。
この接着力には、支持体界面の状態が大きく影響するが、その他にも、接着剤の吸湿性なども影響し、たとえば吸湿性が低いほど接着力の変化が抑制される傾向があり、吸湿性の低い接着剤が望まれる。
さらに近年、鉛フリー化によりIRリフロー温度が高くなっている。そのため、接着剤層に含まれる水分がリフロー時に気化し、接着剤を押しのけて膨れ(ボイド)を生じるポップコーン現象が発生しやすくなっている。
現在、このポップコーン現象の原因となる水分を除去するため、リフロー前の半製品を防湿状態で管理することが行われている。
しかし、防湿状態での管理には多大な作業量とコストがかかるため、防湿状態の管理を必要とすることなくリフロー時のポップコーン現象の発生を抑制できる、耐リフロー性に優れた接着剤組成物が求められている。
また、接着剤は、配線に接触する材料であるため、過酷な環境下でも高い絶縁性が維持されるといった電気的な信頼性も重要であるが、従来、温度変化が繰り返されたり、長期間熱にさらされた場合に、絶縁性が低下し、電食等の不具合を生じやすいという問題もある。
このような要求に対して、本出願人は、たとえば特許文献1において、エポキシ化スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体を用いた接着剤組成物を提案している。
特開2002−241728号公報
しかし、かかる接着剤組成物は、種々の優れた特性を有しているものの、上述したようなポリイミドフィルム等の絶縁フィルムや銅箔等の金属層に対する接着力は充分ではなかった。
また、温度変化が繰り返されたり、長期間熱にさらされた場合に、接着力等の特性が劣化する場合があり、耐熱劣化性が充分ではないという問題もある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、種々の優れた特性を有し、特に、接着力および耐熱劣化性に優れた半導体装置用接着剤組成物および半導体装置用接着シートを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の第一の態様は、エポキシ樹脂(A)と、フェノール樹脂(B)と、モノマー成分として、エチレンと、エポキシ樹脂(A)と反応し得る官能基を有する不飽和カルボン酸またはその誘導体とを有するビニル共重合体(C)とを含有し、かつ硬化前の動的粘弾性測定における最低溶融粘度が400〜50000Pa.sの範囲内であることを特徴とする半導体装置用接着剤組成物である。
上記課題を解決する本発明の第二の態様は、支持体の少なくとも一面に、第一の態様の半導体装置用接着剤組成物からなる接着剤層が積層してなることを特徴とする半導体装置用接着シートである。
本発明の第三の態様は、金属層の少なくとも一面に、第一の態様の半導体装置用接着剤組成物からなる接着剤層と、絶縁性フィルムまたは剥離性フィルムとが順次積層してなることを特徴とする半導体装置用接着シートである。
本発明の第四の態様は、絶縁性フィルムの両面に、第一の態様の半導体装置用接着剤組成物からなる接着剤層と、絶縁性フィルムまたは剥離性フィルムとが順次積層してなることを特徴とする半導体装置用接着シートである。
本発明によれば、埋め込み性、耐熱性、耐熱温度サイクル性、応力緩和性、電気的信頼性、接着性、耐リフロー性等に優れ、吸湿性が低いなど、種々の特性に優れ、特に接着性および耐熱劣化性に優れた接着剤組成物および接着シートを提供することができる。
そのため、本発明の接着剤組成物および接着シートによれば、たとえば温度変化が繰り返されることによる層間剥離や反り等の不良を解決することができる。したがって、本発明の接着剤組成物および接着シートによって、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
また、耐湿性も高く、たとえば接着剤に含まれる水分がリフロー時に気化することによって発生するポップコーン現象を改善できるなど、耐リフロー性にも優れている。そのため、リフロー前の半製品を防湿状態で管理する手間が低減される。
さらに、本発明の接着シートは加工性にも優れており、工業的に提供することが容易である。
以下、本発明を詳細に説明する。
<半導体装置用接着剤組成物>
本発明の第一の態様の半導体装置用接着剤組成物(以下、単に接着剤組成物ということがある。)は、エポキシ樹脂(A)(以下、(A)成分という)と、フェノール樹脂(B)(以下、(B)成分という)、モノマー成分として少なくとも特定の2種を含有するビニル共重合体(C)(以下、(C)成分という)とを必須成分として含有する、熱硬化型の接着剤組成物である。
また、本発明の接着剤組成物は、硬化前の動的粘弾性測定における最低溶融粘度が400Pa.s〜50000Pa.sである必要がある。
硬化前の動的粘弾性測定における最低溶融粘度が400Pa.s以上であると、加工時の樹脂流れが小さく、また、50000Pa.s以下であると、配線が埋まり込みやすく、貼り合わせ面の凹凸に左右されにくい。つまり、最低溶融粘度が400〜50000Pa.sの範囲であることにより、本発明の接着剤組成物は、配線、特に高密度に配された配線への埋め込み性が良好なものとなる。また、加工も非常にし易いものとなる。
上記最低溶融粘度は、(A)成分、(B)成分、(C)成分等の種類や配合量等を調整する等によって調整できる。たとえば、後述するように、組成物中の(C)成分の配合量を全固形分の20〜80質量%の範囲内で調整する等により、該最低溶融粘度を調整できる。
なお、本発明において、硬化前の動的粘弾性測定における最低溶融粘度は、次の条件にて粘度変化を測定した際の粘度の最低値である。
[最低溶融粘度の測定条件]
・装置:剪断弾性率測定装置(HAAKE社製Rheo Stress RS75(製品名))
・測定温度範囲:−10℃〜300℃
・昇温速度:3℃/min
・測定周波数:1Hz
・加重:15N
・歪み率:0.01%±0.0025%
また、本発明の接着剤組成物は、硬化後の200〜280℃における動的弾性率が500Pa〜200Mpaの範囲内であることが好ましく、1MPa〜100Mpaの範囲内であることがより好ましい。
すなわち、本発明の接着剤組成物を用いて支持体上に接着剤層を形成して得られる接着シートは、被着体に貼付(仮接着)した後、加熱し、接着剤組成物を硬化させることにより被着体と接着される。そして、硬化した接着剤組成物は、BGA、積層基板などをメイン基板に、ハンダボールを介して実装させる際のリフロー工程(ハンダ付けの工程)時に、200〜280℃に加熱される。したがって、硬化後の200〜280℃における動的弾性率が500Pa〜200Mpaの範囲内であると、リフロー工程時のボイドの発生が抑制され、耐リフロー性が向上する。また、応力緩和性にも優れたものとなる。
なお、上記動的弾性率は、剥離性フィルム上に、当該接着剤組成物を用いて硬化後の厚さが100μmである接着剤層を設けた接着シートについて、接着剤組成物を硬化させた後、剥離性フィルムを取り除き、オリエンテック社製のレオバイブロンDDV−IIを用いて、周波数11Hz、昇温速度3℃/分で測定した値である。
本発明の接着剤組成物は、リフロー工程等においてボイドが発生し、ポップコーン現象を引き起こす主原因が水分であることから、耐リフロー性の向上のためには、硬化後の吸湿率が1%以下であることが好ましい。
吸湿率の下限としては特に制限はなく、吸湿率が小さいほど、上記効果に優れ、好ましい。
上記吸湿率は、(A)成分、(B)成分、(C)成分等の種類や配合量を調整する等によって調整できる。たとえば、後述するように、組成物中の(C)成分の配合量を全固形分の20〜80質量%の範囲内で調整する、(A)成分と(B)成分との比率を官能基当量比で1:0.6〜1:1.4の範囲内で調整する等により、吸湿率を調整できる。
本発明の接着剤組成物は、硬化後の引っ張り伸び率が30%以上であることが好ましい。引っ張り伸び率が30%以上であれば、応力緩和性が向上し、たとえば異種材料の貼り合わせた場合に、高温時や温度変化時における各材料間の熱膨張の差が緩和され、熱膨張の差による基板の反りや層間剥離を抑制できる。
上記引っ張り伸び率は、(A)成分、(B)成分、(C)成分等の種類や配合量等を調整する等によって調整できる。たとえば、後述するように、組成物中の(C)成分の配合量を全固形分の20〜80質量%の範囲内で調整する、(A)成分と(B)成分との比率を官能基当量比で1:0.6〜1:1.4の範囲内で調整する、(C)成分中の不飽和カルボン酸またはその誘導体の割合を0.1〜40質量%の範囲内で調整する、(C)成分の官能基当量を100〜2500の範囲内で調整する等により、引っ張り伸び率を調整できる。
さらに、本発明の接着剤組成物は、硬化後、さらに150℃の環境に24時間放置した後の200℃〜280℃における動的弾性率が500Pa〜500MPaの範囲内であることが好ましく、3MPa〜200MPaの範囲内であることがより好ましい。
たとえば、ビルトアップ工法により基板が製造される場合は、複数の接着剤層を積層するため、接着剤を硬化させるために、積層枚数分の硬化温度を掛けなければならない。その為、その時繰り返し曝される硬化温度に対する耐熱劣化性も重要となる。したがって、硬化後に150℃の24時間放置する加速試験を行った後にも、200℃〜280℃における動的弾性率が500Pa〜500MPaの範囲であると、耐熱劣化性が非常に優れている。
ここで、動的弾性率の測定は、接着剤組成物を硬化させた後、さらに150℃の環境に24時間放置する以外は、前記硬化後の200〜280℃における動的弾性率と同様にして測定できる。
上記動的弾性率は、(A)成分、(B)成分、(C)成分等の種類や配合量等を調整する等によって調整できる。たとえば、後述するように、(C)成分の官能基当量を100〜2500の範囲内で調整する等により、該動的弾性率を調整できる。
さらに、本発明の接着剤組成物は、硬化後の、ポリイミドフィルム(商品名:ユーピレックス50S,宇部興産社製)との間の接着力が、180°方向に引き剥がした場合において4.5N/cm以上であり、かつ硬化後、温度121℃、湿度100%の環境に300時間放置した後の前記ポリイミドフィルムとの間の接着力が、180°方向に引き剥がした場合において2N/cm以上であることが好ましい。これにより、応力緩和性、耐熱温度サイクル性、接着力等が向上し、吸湿性も低減できる。そのため、物理的衝撃、特にリフロー工程時の物理的衝撃等に対する耐性が向上し、また、BGA、積層基板などの基板を製造する際に水分等によるボイドの発生等に対する耐性が向上する。
以下、本発明の接着剤組成物の組成についてより詳細に説明する。
本発明の接着剤組成物において、(A)成分は、加熱により(B)成分および/または(C)成分と反応して3次元網状構造を形成する。そして、これらの成分と上記最低溶融粘度との組み合わせにより、本発明の効果が得られる。(A)成分および(B)成分は、特に、耐熱温度サイクル性、電気的信頼性、銅やポリイミドフィルム等に対する接着力、耐リフロー性等に対する寄与が大きい。また、(C)成分は、特に、応力緩和性、耐熱温度サイクル性、電気的信頼性、銅やポリイミドフィルム等に対する接着力、耐湿性等に対する寄与が大きい。
[(A)成分]
エポキシ樹脂は、分子内に2個以上のエポキシ基を有している樹脂である。
(A)成分としては、例えば、グリシジルエーテル、グリシジルエステル、グリシジルアミン、線状脂肪族エポキサイト、脂環族エポキサイトなどいずれの構造のものも用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用することもできる。
具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂などの二官能エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート型エポキシ樹脂、トリグリシジル−p−アミノフェノ−ル型エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラグリシジルメタキシレンジアミン型エポキシ樹脂、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロフェキサン型エポキシ樹脂などの多官能グリシジルアミン型エポキシ樹脂、テトラフェニルグリシジルエーテルエタン型エポキシ樹脂、トリフェニルグリシジルエーテルメタン型エポキシ樹脂などの多官能グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、フェノール型エポキシ樹脂、アルキルフェノール型エポキシ樹脂などの多官能レゾール型エポキシ樹脂、シクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノール型エポキシ樹脂、クレゾール型エポキシ樹脂などの多官能ノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。
これらの中でも、ビスフェノール型エポキシ樹脂は、安価であるため本発明において好適に用いられる。また、多官能エポキシ樹脂は、絶縁性および耐熱性に優れるため本発明において好適に用いられる。
本発明に好適に用いられる(A)成分として、具体的には、油化シェルエポキシ社製の、商品名:エピコート806、828、834、1001等のビスフェノール型、商品名:YX−4000、YX−4000H等のビフェニル型などの2官能エポキシ樹脂;油化シェルエポキシ社製の、商品名:エピコート152、154、180S65、1032H60、157S70等の多官能ノボラック型、商品名:604等のテトラグリシジルジフェニルメタン型、商品名:HP−7200、HP−7200H等のジシクロ型などの多官能エポキシ樹脂;日本化薬社製の、商品名:EOCNI02S、103S、104S、1020等のo−クレゾールノボラック型、商品名:EPPN501H、502H等のトリフェニルメタン型などの多官能エポキシ樹脂等を挙げることができる。
また、(A)成分として、ハロゲン化エポキシ樹脂、特に臭素化エポキシ樹脂を用いると、接着剤組成物に難燃性を付与するのに有効であるため好ましい。臭素化エポキシ樹脂の具体例としては、油化シェルエポキシ社製の、商品名:エピコート5045、5046、5050;日本化薬社製の、商品名:BREN−S、BREN−105、BREN−301などが挙げられる。また、ハロゲン化エポキシ樹脂に代えて、リン化エポキシ樹脂等を使用しても何ら問題はない。
(A)成分は、エポキシ当量(エポキシ基1個あたりの分子量)が100〜4000であることが好ましく、100〜2000がより好ましく、100〜1000が特に好ましい。エポキシ当量が100以上であると、硬化させたときに、未硬化の(A)成分が残りにくく、そのため発泡しにくくなる。エポキシ当量が4000以下であると、溶媒に溶けやすく、他の樹脂との相溶性が良好である。
本発明の接着剤組成物中、(A)成分の含有量は、当該接着剤組成物の全固形量の3〜45質量%が好ましく、5〜25質量%がより好ましい。
[(B)成分]
フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒドとの付加・縮合で得られる樹脂である。
(B)成分として、具体的には、レゾールフェノール樹脂、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、レゾールシノール樹脂、キシレン樹脂などのフェノール誘導体が挙げられる。中でもフェノールノボラック樹脂は、反応性に優れ、半導体装置用途において、優れた耐湿性および耐熱性を有するため好ましい。
(B)成分は、ヒドロキシル当量(ヒドロキシル基1個あたりの分子量)が50〜4000であることが好ましく、100〜2000がより好ましく、100〜1000が特に好ましい。ヒドロキシル当量が50未満の場合は硬化後の接着剤が脆くなりやすく、4000を越えた場合は有機溶剤に溶けにくいため製造上問題となりやすい。
本発明の接着剤組成物中、(B)成分の含有量は、当該接着剤組成物の全固形量の2〜30質量%が好ましく、5〜25質量%がより好ましい。
また、本発明の接着剤組成物中、(A)成分と(B)成分との比率は、官能基当量比で、1:0.6〜1:1.4の範囲内であることが好ましく、1:0.7〜1:1.1の範囲内であることがより好ましい。すなわち、(A)成分を1とした場合の(B)成分の含有量が0.6以上であると、硬化後の接着剤組成物が、脆さのない、強度に優れたものとなり、応力緩和性が良好である。また、(A)成分を1とした場合の(B)成分の含有量が1.4以下であると、接着力の劣化が抑制され、たとえば高温に曝された後の接着力の低下が抑制される。
また、(A)成分と(B)成分との比率が上記範囲内であることにより、硬化後の接着剤組成物の引っ張り伸び率も向上する。また、硬化後、さらに150℃の環境に24時間放置した後の200℃〜280℃における動的弾性率も、半導体装置用として好適な範囲となる。
ここで、(A)成分と(B)成分との官能基当量比とは、(A)成分中のエポキシ基((A)成分の官能基)の数と、(B)成分中の水酸基((A)成分の官能基)の数との比である。
[(C)成分]
(C)成分は、モノマー成分として、少なくとも、エチレンと、前記(A)成分と反応し得る官能基を有する不飽和カルボン酸またはその誘導体(以下、単に不飽和カルボン酸またはその誘導体ということがある)とを含有するビニル共重合体である。かかる(C)成分を含有することにより、本発明の接着剤組成物に可撓性が付与され、応力緩和性が向上する。また、耐湿性も向上する。さらに、上述したように、(A)成分および(B)成分との組み合わせにより、耐熱温度サイクル性、電気的信頼性、銅やポリイミドフィルム等に対する接着力も向上する。
ここで、「モノマー成分」とは、重合反応により重合して重合体を生成した際に、該重合体の繰り返し単位を形成する化合物を意味する。たとえばモノマー成分としてエチレンを含有する重合体は、エチレンの二重結合が開裂して形成される式−[CH−CH]−で表される繰り返し単位を含有する。
(C)成分中、エチレンおよび不飽和カルボン酸またはその誘導体の合計量は、全モノマー成分の合計に対し、40〜98質量%であることが好ましい。
(C)成分中、エチレンの割合は、全モノマー成分の合計に対し、40質量%以上であることが好ましく、50〜98質量%がより好ましい。
不飽和カルボン酸またはその誘導体の有する、前記(A)成分と反応し得る官能基としては、アミノ基、イソシアネート基、グリシジル基、カルボキシル基(無水物基を含む)、シラノール基、水酸基、ビニル基、メチロール基、メルカプト基、エステル基等が挙げられる。中でもアミノ基、カルボキシル基、グリシジル基、水酸基は、反応性に富むため好ましい。特に好ましい官能基はグリシジル基及びカルボキシル基である。
これらの基を有する不飽和カルボン酸またはその誘導体の具体例としては、例えば次のものが例示される。カルボキシル基を有するものとしては、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)マレイン酸、カルボキシル基を有するプロピレン等のオレフィン類が挙げられる。グリシジル基を有するものとしては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。水酸基を含むものとしては、ヒドロキシメチルアクリレート、ヒドロキシメチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等が挙げられる。
(C)成分中、不飽和カルボン酸またはその誘導体の割合は、全モノマー成分の合計に対し、0.1〜40質量%であることが好ましく、0.8〜20質量%がより好ましい。(C)成分中の不飽和カルボン酸またはその誘導体の割合が0.1質量%以上であると、(A)成分との反応性が高く、硬化後の引っ張り伸び率や、硬化後の基材との間の接着力が向上する。また、有機溶剤への溶解度も高く、塗料としやすい。また、該割合が40質量%以下であると、塗料状態での安定性が良好である。
(C)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、モノマー成分として、エチレンおよび不飽和カルボン酸またはその誘導体以外の他のモノマーを含有してもよい。
他のモノマーとしては、上記エチレン及び不飽和カルボン酸またはその誘導体と共重合可能なものであればよく、たとえばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸のアルキルエステル又はアリールエステル、酢酸ビニル等が挙げられる。
(C)成分が上記他のモノマーを含有する場合、その含有量は、全モノマー成分の合計に対し、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下がより好ましい。
本発明において、(C)成分としては、特に、モノマー成分としてエチレンおよび(メタ)アクリル酸エステルを含有するビニル共重合体が好ましい。かかるビニル共重合体は、主鎖にジエン結合を含まないため、高温放置時の熱劣化(弾性が無くなってしまう)が殆ど無く、長期にわたって応力緩和性を保持できる。また、エステル結合を側鎖に有しているため、比較的有機溶剤への溶解性が高く、かつ、加水分解しにくいため高温高湿環境下において接着剤組成物に接着させた電極の腐食が抑えられ、電気的信頼性が高い。
モノマー成分としてエチレンおよび(メタ)アクリル酸エステルを含有するビニル共重合体として、具体的には、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート−酢酸ビニル共重合体が挙げられる。中でも、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体が挙げられる。
これらのビニル共重合体は、いずれかを単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。本発明の接着剤組成物においては、上記ビニル共重合体を2種以上併用して用いることも好ましい。
モノマー成分としてエチレンおよび(メタ)アクリル酸エステルを含有する共重合体中のアクリル酸エステルの比率は、全モノマー成分の合計に対し、5〜40モル%が好ましい。5モル%以上であると有機溶剤への溶解度が良好で、塗工用溶液(塗料)としやすい。また40モル%以下であると、加水分解による電気特性の低下を抑制する効果が高い。
(C)成分の質量平均分子量は、1000〜2000000の範囲内であることが好ましく、100000〜1000000がより好ましい。なお、質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)にて、スチレンを標準として測定した値である。
特に、(C)成分の官能基当量(官能基1個あたりの分子量(質量平均分子量を官能基の数で割った値))が100〜2500の範囲内であると、硬化後の引っ張り伸び率や、硬化後の基材との間の接着力が良好である。
ここで、(C)成分の官能基とは、前記不飽和カルボン酸またはその誘導体が有する、前記(A)成分と反応し得る官能基を意味する。
本発明において、(C)成分の含有量は、当該接着剤組成物の全固形量の20〜80質量%であることが好ましく、30〜70質量%がより好ましい。(C)成分の含有量が上記範囲内であると、本発明の効果に優れ、特に応力緩和性、耐熱温度サイクル性、銅やポリイミドフィルム等との間の接着性、耐湿性等が良好である。
また、(C)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、20〜200質量部の範囲内であることが好ましく、50〜150質量部がより好ましい。含有量が200質量部以下であると接着剤層の成膜性が良好であり、20質量部以上であると、接着剤層の強度が高い。
[シロキサン化合物(D)]
本発明の接着剤組成物は、さらに、シロキサン化合物(D)(以下、(D)成分という)を含有することが好ましい。これにより、上記(A)〜(C)成分を有機溶剤に溶解して塗料とした際の各成分の相溶性が向上する。また、硬化後の吸湿率を低減できる等の利点がある。
(D)成分としては、エポキシ基に対する反応性を有する反応基を有しているものが好ましい。かかる反応基としては、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、メタクリル基、エポキシ基等が挙げられる。
(D)成分としては、両末端にアミノ基を有するシロキサン化合物が好ましく、特に、下記一般式(1)又は一般式(2)で示されるシロキサン化合物からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
Figure 2007002044
(式中のRはそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキレン基を表し、mおよびnはそれぞれ独立に0〜10の整数を示す。)
式(1)中、Rのアルキレン基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、特に、炭素数2〜5の直鎖状のアルキレン基が好ましい。
mとしては、3〜8の整数が好ましい。
nとしては、0〜8の整数が好ましい。
上記一般式(1)又は(2)で示される、両末端にアミノ基を有するシロキサン化合物としては、東芝シリコ−ン社製の商品名:TSL9306(ジアミノジシロキサン)、商品名:TSL9886(ジアミノポリシロキサン)、商品名:TSF4706(ジアミノジシロキサン)、商品名:XF42−A2645(ジアミノポリシロキサン)等を挙げることができる。
本発明の接着剤組成物中、(D)成分の含有量は、当該接着剤組成物の全固形量の0.05〜10質量%が好ましく、0.3〜5質量%がより好ましい。0.05質量%以上であると、本発明の接着剤組成物を塗料とした際の(A)〜(C)成分の相溶性が良好であり、また、硬化後の吸湿率も低い。10質量%以下であると、接着力の低下が抑制される。
[その他の任意成分]
また、本発明の接着剤組成物には、被着体との密着性を向上させるために、カップリング剤を添加することが好ましい。
カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤及びアルミニウムカップリング剤が好ましく使用される。
本発明の接着剤組成物は、上記(A)成分とともに、エポキシ硬化剤を含有することが好ましい。これにより、本発明の接着剤組成物の硬化反応が促進され、耐熱性が向上する。
エポキシ硬化剤としては、一般的に用いられているものが使用でき、具体的には、イミダゾール類、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン等のアミン系触媒、トリフェニルホスフィン等のリン系触媒等が例示できる。
本発明の接着剤組成物中、エポキシ硬化剤の含有量は、当該接着剤組成物の全固形量の0.1〜10質量%が好ましく、0.1〜3質量%がより好ましい。
本発明の接着剤組成物には、熱膨張係数、熱伝導率の調整或いは作業性の制御等の目的で、無機フィラー、有機フィラー等のフィラーを含有させることが好ましい。
無機フィラーとしては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、窒化チタン、窒化珪素、窒化硼素、硼化チタン、硼化タングステン、炭化珪素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化モリブデン、マイカ、クレイ、酸化亜鉛、カーボンブラック、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン又はこれ等の表面をトリメチルシロキシル基等で処理したもの等があげられる。
有機フィラーとしては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ナイロン、シリコーン等があげられる。
本発明の接着剤組成物中、フィラーの含有量は、前記(A)成分、(B)成分および(C)成分、並びに任意成分である(D)成分の総和100質量部に対して、2〜95質量部の範囲内であることが好ましく、5〜50質量部がより好ましい。
本発明の接着剤組成物は、必須成分である上記(A)〜(C)成分を有機溶剤に溶解させ、任意に(D)成分等を添加した塗料として接着剤層の形成に用いることができる。
好ましく使用される有機溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エタノール、メタノール、メチルセロソルブ等いくつかの種類と量を適宜選択して使用することができる。
塗料は、固形分濃度が5質量%以上となるよう調製されることが好ましく、10〜50質量%がより好ましい。固形分濃度が5質量%以上であると、接着剤層の厚さが均一な接着シートを容易に作製できる。
<半導体装置用接着シート>
本発明の第二の態様の半導体装置用接着シート(以下、接着シート(2)ということがある。)は、支持体の少なくとも一面に、前記本発明の接着剤組成物からなる接着剤層が積層してなることを特徴とする。
接着シート(2)において、支持体としては、銅やアルミニウム等の金属からなる金属層、剥離性フィルム、絶縁性フィルム、剥離紙等が使用でき、特に、金属層、剥離性フィルム及び絶縁性フィルムからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
絶縁性フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略す。)等のポリエステル類、ポリエチレン等のポリオレフィン類、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、トリアセチルセルロース等が好ましいものとして挙げられ、さらに好ましくは、ポリエステル類、ポリオレフィン類及びポリイミド等の材質のフィルムが挙げられる。
剥離性フィルムとしては、上記絶縁性フィルムとして挙げたものと同様の材質のフィルムに、シリコーン等の離型剤で剥離処理を施したものが好ましく使用される。
本発明の接着シート(2)は、たとえば、支持体の少なくとも一面に、上記接着剤組成物を含有する塗料を塗布し、乾燥する等により接着剤層を形成することによって製造できる。
該接着剤層は、加熱処理を行い、半硬化状態とすることが好ましい。特に、加工使用条件、例えば硬化時間の短縮、導体パターンの埋め込み等でフロー性や発泡を押さえる為、半硬化状態を適宜コントロールする。半硬化状態のコントロール方法は限定しないが、エージング等でコントロールすることが好ましい。
接着剤層の乾燥後の厚さは、3〜400μmの範囲内であることが好ましく、5〜100μmであることがより好ましい。
支持体の少なくとも一面に接着剤層を形成してなる本発明の接着シート(2)は、保管時において、該接着剤層上にさらに剥離性フィルムを貼着しておくと、接着剤層が汚染されないため好ましい。かかる接着シートは、使用時に、その剥離性フィルムを剥離して用いることができる。
また、接着剤層のみを半導体装置に用いる場合は、支持体についても剥離性フィルムとし、使用時において、接着剤層の両側の剥離性フィルムを剥がして用いることもできる。
次に、本発明の第三の態様の半導体装置用接着シート(以下、接着シート(3)ということがある。)は、金属層の少なくとも一面に、上記本発明の半導体装置用接着剤組成物からなる接着剤層と、絶縁性フィルムまたは剥離性フィルムとが順次積層してなることを特徴とする。
金属層、接着剤層、絶縁性フィルムおよび剥離性フィルムの説明については、上記接着シート(2)において、支持体として例示した金属層、接着剤層、絶縁性フィルムおよび剥離性フィルムの説明と同様である。
接着シート(3)は、かかる構成を有することにより、そのまま配線基板とすることができる。
次に、本発明の第四の態様の半導体装置用接着シート(以下、接着シート(4)ということがある。)は、絶縁性フィルムの両面に、上記本発明の半導体装置用接着剤組成物からなる接着剤層と、絶縁性フィルムまたは剥離性フィルムとが順次積層してなることを特徴とする。
接着剤層、絶縁性フィルムおよび剥離性フィルムの説明については、上記接着シート(2)における接着剤層、絶縁性フィルムおよび剥離性フィルムの説明と同様である。
接着シート(4)は、かかる構成を有することにより、優れた電気信頼性を有する。
本発明の接着剤組成物および接着シートは、種々の半導体装置において適用でき、特に、絶縁体層および導体回路を具備して構成されるIC用基板の回路面またはその裏面にICチップを積層した半導体装置に特に好適である。かかる半導体装置として、具体的には、TAB技術を利用したT−BGA、FPCやガラスエポキシ基板を用いたビルドアップ基板または面実装型のCSP半導体などが挙げられる。
本発明の接着剤組成物および接着シートのより具体的な用途としては、上記半導体装置において、そのICチップとIC用基板の絶縁体層および/または導体回路とを接着もしくは回路を形成する接着剤、回路基板同士の接着そしてそれを保護する保護フィルムとの接着剤として好適である。
以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1〜15,比較例1〜6
[接着剤組成物の塗料の調製]
表1に略号で示した(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、シランカップリング剤、エポキシ硬化剤、フィラー、及びジエンを有する共重合体を、それぞれ、表1に示す配合量(全固形分に対する質量%)となるように、常温〜80℃程度でトルエンに溶解して、接着剤組成物を含有する塗料(固形分濃度35質量%)を得た。
なお、フィラーの含有量は、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分の総和100質量部に対する部数(質量部)である。
また、実施例1〜15及び比較例1〜7において用いた各成分の種類を示す表1中の略号の意味は表2に示した。
Figure 2007002044
Figure 2007002044
次に、得られた塗料を用いて下記の評価を行った。
(1)硬化前評価
[最低溶融粘度]
得られた接着剤組成物の塗料を用いて、下記の手順で、硬化前の動的粘弾性測定における最低溶融粘度を測定した。その結果を表3に示した。
上記実施例1〜15および比較例1〜6の接着剤組成物の塗料を、乾燥後の厚さが25μmとなるように、剥離処理を施した厚さ38μmのポリエステルフィルム上に塗布し、熱風循環型乾燥機中にて130℃で5分間乾燥して接着剤層を形成した。次に、得られた接着剤層を、ポリエステルフィルムから剥離して単層とし、この単層の接着剤層を複数重ねた後、この積層体の両面に、ポリエステルフィルム上の接着剤層を更に重ね、全体の接着剤層の厚さが0.8mmとなるようにしてラミネーターで貼り合わせた。ラミネーター温度は、ポリイミドフィルム(商品名:ユーピレックス50S、宇部興産社製)に貼り合わせた場合に、反対から観て濡れて色が変わる温度+3℃〜+13℃以内とした。貼り合わせ速度1m/minとした。次に、両面のポリエステルフィルムを剥離して、接着剤層が複数積層された未硬化フィルムを得た。
得られた未硬化フィルムについて、動的測定機(HAAKE社製RS75)を用いて最低溶融粘度を測定した。
表3から明らかなように、実施例1〜15に基づく未硬化フィルムは、400Pa・s〜50000Pa・sの範囲に入り適正な最低溶融粘度を有していた。一方、比較例1,3,5,6に基づく未硬化フィルムは、最低溶融粘度が400〜50000Pa・sの範囲外であった。
[相容性]
上記実施例1〜15および比較例1〜6の接着剤組成物の塗料を、乾燥後の厚さが25μmとなるように、剥離処理を施した厚さ38μmのポリエステルフィルム上に塗布し、熱風循環型乾燥機中にて130℃で5分間乾燥した後、剥離処理を施した厚さ50μmのポリエチレンフィルムを貼り合わせた。その後、乾燥した接着剤層を顕微鏡により観察して(A)成分、(B)成分及び(C)成分の相容状態を確認した。その結果、班模様や縞模様等の分離が見られなかったものについては相容性が良好と判断し、班模様や縞模様等の分離が見られたものは相容性が悪いと判断した。その結果を、相容性が良好なものを○、悪いものを×として表3に示した。
表3から明らかなように、実施例1〜15に基づく本発明の接着剤組成物では相容状態が良好であった。これに対して、比較例4,6のものは相容状態が悪かった。
[埋め込み性(発泡及び充填状態)]
上記実施例1〜15および比較例1〜6の接着剤組成物の塗料を、乾燥後の厚さが25μmとなるように、剥離処理を施した厚さ38μmのポリエステルフィルム上に塗布し、熱風循環型乾燥機中にて130℃で5分間乾燥して接着剤層を形成した後、剥離処理を施し厚さ50μmのポリエチレンフィルムを貼り合わせ接着シートを作製した。
また、フレキシブル基板(商品名:エスパネックス、新日鐵化学社製)にフォトレジスト膜を熱圧着、エッチング、レジスト膜剥離を経て、導体/導体間距離25μm/25μmの梯子型回路を作製し、その回路上に、作製した接着シートを、ポリエチレンフィルムを剥離しながら熱圧着した。次いで、ポリエステルフィルムを剥がして160℃で1時間加熱して接着剤層を硬化させ、発泡及び埋め込み性評価試料とした。熱圧着温度はポリイミドフィルム(商品名:ユーピレックス50S、宇部興産社製)に貼り合わせた場合反対から観て濡れて色が変わる温度とした。
その後、顕微鏡により、発泡及び充填状態を下記の基準で判定し、その結果を表3に示した。発泡に関しては、発泡が無いものを○、発泡が生じたものを×とした。また、充填状態に関しては、回路に十分充填できたものを○、できなかったものを×とした。なお、表3において、回路との接着性が悪く、試料として問題があるものは「−」と記載した。
表3から明らかなように、実施例1〜15に基づく本発明の接着シートでは、発泡が生じず、回路への充填も良好で、埋め込み性が良好であった。これに対して、比較例1,2,4〜6では発泡および充填状態の少なくとも一方が悪く、半導体装置用としては、実用上、埋め込み性に問題のある結果であった。
(2)硬化後評価
[ポリイミドフィルムとの接着力(PI接着力)]
(初期状態のPI接着力)
実施例1〜15および比較例1〜6の接着剤組成物の塗料を、乾燥後の厚さが25μmとなるように、剥離処理を施した厚さ38μmのポリエステルフィルム上に塗布し、熱風循環型乾燥機中にて130℃で5分間乾燥して接着剤層を形成した後、該接着剤層の表面に剥離処理を施した厚さ50μmのポリエチレンフィルムを貼り合わせ接着シートを作製した。
その後、ポリエチレンフィルムを剥離しながら、この接着シートを厚さ50μmのポリイミドフィルム(商品名:ユーピレックス50S、宇部興産社製)に熱圧着した。熱圧着温度はポリイミドフィルム(商品名:ユーピレックス50S、宇部興産社製)に貼り合わせた場合に、反対から観て濡れて色が変わる温度以上とした。
次いで、ポリエステルフィルムを剥がして、厚さ50μmのポリイミドフィルム(商品名:ユーピレックス50S、宇部興産社製)に熱圧着し、さらに160℃で1時間加熱して接着剤層を硬化させた。接着力は、ポリイミドフィルム面を台に固定して、別のポリイミドフィルムの端をテンシロン(島津製作所社製)により180°方向に引き剥がして測定し、その結果を表4に示した。
(恒温恒湿試験(PCT)後のPI接着力)
また、上記と同様の評価用試料を用い、下記のPCT後の接着力を測定した。
PCTは、恒温恒湿槽を用いて、以下に示す条件で行った。温度:121℃、湿度:100%RH、時間:300時間。接着力は、ポリイミドフィルム面を台に固定して、別のポリイミドフィルムの端をテンシロン(島津製作所社製)により180°方向に引き剥がして測定し、その結果を表4に示した。
表4から明らかなように、実施例1〜15に基づく本発明の接着シートでは、初期状態及びPCT後の接着力が4.2(N/cm)以上あり、ポリイミドフィルムに対して十分な接着力を有していた。
これに対し、比較例1〜6のものでは、PCT後の接着力が0であり、半導体装置用としては使用に耐えうるものではなかった。
[銅箔との接着力(Cu接着力)]
(初期状態のCu接着力)
実施例1〜15および比較例1〜6の接着剤組成物の塗料を、乾燥後の厚さが25μmとなるように、剥離処理を施した厚さ38μmのポリエステルフィルム上に塗布し、熱風循環型乾燥機中にて130℃で5分間乾燥して接着剤層を形成した後、該接着剤層の表面に、剥離処理を施した厚さ50μmのポリエチレンフィルムを貼り合わせて接着シートを作製した。
その後、ポリエチレンフィルムを剥離しながら、この接着シートを厚さ18μmの銅箔(商品名:JTC−A、ジャパンエナジー社製)に熱圧着した。熱圧着温度は、先の評価でポリイミドフィルム(商品名:ユーピレックス50S、宇部興産社製)に貼り合わせた場合と同様、反対から観て濡れて色が変わる温度以上とする。
次いで、ポリエステルフィルムを剥がして、厚さ18μmの銅箔(商品名:JTC−A、ジャパンエナジー社製)に熱圧着し、さらに160℃で1時間加熱して接着剤層を硬化させた。接着力は、銅箔面を台に固定して、別の銅箔の端をテンシロン(島津製作所社製)により180°方向に引き剥がして測定し、その結果を表4に示した。
(PCT後のCu接着力)
また、同様の評価用試料を使いPCT後の接着力を測定した。
恒温恒湿試験は恒温恒湿槽を用いて、以下に示す条件で行った。温度:121℃、湿度:100%RH、時間:300時間。接着力は、銅箔面を台に固定して、別の銅箔の端をテンシロン(島津製作所社製)により180°方向に引き剥がして測定し、その結果を表4に示した。
表4から明らかなように、実施例1〜15に基づく本発明の接着シートでは、初期状態及びPCT後のCu接着力が5.1(N/cm)以上あり、銅箔に対して十分な接着力を有していた。
これに対し、比較例1〜6のものでは、PCT後の接着力が2.5(N/cm)以下であり、半導体装置用としては使用に耐えうるものではなかった。
[耐リフロー性]
実施例1〜15および比較例1〜6の接着剤組成物の塗料を、乾燥後の厚さが25μmとなるように、剥離処理を施した厚さ38μmのポリエステルフィルム上に塗布し、熱風循環型乾燥機中にて130℃で5分間乾燥して接着シートを作製した後、剥離処理を施した厚さ50μmのポリエチレンフィルムを貼り合わせた。
その後、ポリエチレンフィルムを剥離しながら、この接着シートを厚さ200μm、大きさ2.5cm×2.5cmの銅部分をエッチングしたガラスエポキシ基板(商品名;CCL−EL170、三菱瓦斯化学社製)に熱圧着した。熱圧着温度は、ガラスエポキシ基板(商品名;CCL−EL170、三菱瓦斯化学社製)に貼り合わせた場合に、反対から観て濡れて色が変わる温度以上とした。
次いで、ポリエステルフィルムを剥がして、0.9cm×0.7cmのガラスチップを、熱圧着温度で3分間、0.1MPaの圧力で熱圧着し、90℃で1時間、さらに160℃で1時間加熱して接着剤層を硬化させ、各実施例及び比較例共に5個の耐リフロー性評価試料を得た。
この評価試料を、恒温恒湿槽中に85℃、85%RHの条件で48時間曝露し、その後260℃に設定されたIRリフロー炉を通過させ、層間剥離、発泡の有無を観察して、結果を表4に示した。表4には5個の試料の中で層間剥離及び発泡が無いものの数(良好なものの個数/5個)を記した。
表4から明らかなように、実施例1〜15に基づく本発明の接着シートでは、層間剥離及び発泡が無く、5個全てが良好であった。
これに対して、比較例1〜6の接着シートでは、5個全てが良好なものはなく、少なくとも2個以上に、層間剥離および発泡のいずれかが生じていた。
[耐熱温度サイクル性(TCT性)]
上記実施例1〜15および比較例1〜6の接着剤組成物の塗料を、乾燥後の厚さが50μmとなるように、剥離処理を施した厚さ38μmのポリエステルフィルム上に塗布し、熱風循環型乾燥機中にて130℃で5分間乾燥して接着シートを作製した後、剥離処理を施した厚さ50μmのポリエチレンフィルムを貼り合わせた。
その後、ポリエチレンフィルムを剥離しながら、この接着シートを厚さ200μm、大きさ2.5cm×2.5cmの銅部分をエッチングしたガラスエポキシ基板(商品名:CCL−EL170、三菱瓦斯化学社製)に熱圧着した。熱圧着温度は、ガラスエポキシ基板(商品名;CCL−EL170、三菱瓦斯化学社製)に貼り合わせた場合に、反対から観て濡れて色が変わる温度以上とした。
次いで、ポリエステルフィルムを剥がして、0.9cm×0.7cmのガラスチップを、熱圧着温度で3分間、0.1MPaの圧力で熱圧着し、90℃で1時間、さらに160℃で1時間加熱して接着剤層を硬化させ、各実施例及び比較例共に5個の耐温度サイクル性評価試料を得た。
この評価試料を用いて、−65℃〜150℃の温度サイクル試験を行った。
但し、この場合、150℃および−65℃ではそれぞれ30分間の温度履歴を必須とし、[高温−低温]を1サイクルとして、1000サイクルの条件で実施した。
温度サイクル試験実施後、層間剥離、発泡の有無を観察し結果を表4に示した。表4には5個の試料の中で層間剥離及び発泡が無く良好なものの数(良好の個数/5個)を記した。
表4から明らかなように、実施例1〜15に基づく本発明の接着シートでは、層間剥離及び発泡が無く5個全てが良好であった。これに対して比較例1〜6の接着シートでは、層間剥離又は発泡のいずれかが生じて5個全てが良好なものはなかった。
[動的弾性率]
上記実施例1〜15および比較例1〜6の接着剤組成物の塗料を、乾燥後の厚さが25μmとなるように、剥離処理を施した厚さ38μmのポリエステルフィルム上に塗布し、熱風循環型乾燥機中にて130℃で5分間乾燥して接着剤層を形成した。次に、得られた接着剤層を、ポリエステルフィルムから剥離して単層とし、この単層の接着剤層を複数重ねた後、この積層体の両面に、ポリエステルフィルム上の接着剤層を更に重ね、全体の接着剤層の厚さが0.1mmとなるようにしてラミネーターで貼り合わせた。ラミネーター温度は、ポリイミドフィルム(商品名:ユーピレックス50S、宇部興産社製)に貼り合わせた場合に、反対から観て濡れて色が変わる温度+3℃〜+13℃以内とした。貼り合わせ速度1m/minとした。次に、両面のポリエステルフィルムを剥離して、接着剤層が複数積層された未硬化フィルムを得た。
その後、未硬化フィルムをさらに160℃で1時間加熱して接着剤層を硬化させ、4mm×5cmの動的弾性率評価用試料を作製し、硬化後の200℃〜280℃における動的弾性率(硬化後の動的弾性率)を評価した。
測定条件はオリエンテック社製のレオバイブロンDDV−IIを用いて周波数11Hz、昇温速度3℃/分で測定した値である。
また、同様の評価用試料を使い、硬化後、さらに150℃の環境に24時間放置した後の200℃〜280℃における動的弾性率(熱履歴後の動的弾性率)を測定した。
オーブンにて、温度:150℃、時間:24時間(H)後、オリエンテック社製のレオバイブロンDDV−IIを用いて周波数11Hz、昇温速度3℃/分で測定した。
これらの結果を表4に示した。
表4から明らかなように、実施例1〜15に基づく本発明の接着シートでは、硬化後の動的弾性率と熱履歴後の弾性率とを比較すると、その変化が少なかった。この結果から、耐熱劣化性が良好であったことがわかる。
一方、比較例1〜4に基づく接着シートでは、硬化後の動的弾性率と熱履歴後の弾性率との変化が大きく、耐熱劣化性が悪かった。
[吸湿率]
上記実施例1〜15および比較例1〜6の接着剤組成物の塗料を、乾燥後の厚さが60μmとなるように、剥離処理を施した厚さ38μmのポリエステルフィルム上に塗布し、熱風循環型乾燥機中にて130℃で5分間乾燥して接着剤層を形成し、接着シートを作製した後、剥離処理を施した厚さ50μmのポリエチレンフィルムを貼り合わせた。
その後、ポリエチレンフィルムとポリエステルフィルムを剥がして、さらに160℃で1時間加熱して接着剤層を硬化させ、5cm×5cmの吸湿率評価用試料を作製し吸湿率を測定した。吸湿条件は恒温恒湿槽を用いて、以下に示す条件で行った。温度:121℃、湿度:100%RH、時間:24時間。その後下記式により吸湿率を算出し結果を表4に示した。
吸湿率(%)=(吸湿後の試料重量−吸湿前の試料重量)/吸湿前の試料重量×100
表4から明らかなように、実施例1〜15に基づく本発明の接着シートでは、吸湿率が0.7%以下であって、実用上問題の無い結果であった。
これに対して比較例1、3では吸湿率が1.3%以上あり、半導体装置用として実用上問題のある結果であった。
[伸び率]
上記実施例1〜15および比較例1〜6の接着剤組成物の塗料を、乾燥後の厚さが60μmとなるように、剥離処理を施した厚さ38μmのポリエステルフィルム上に塗布し、熱風循環型乾燥機中にて130℃で5分間乾燥して接着剤層を形成し接着シートを作製した後、剥離処理を施した厚さ50μmのポリエチレンフィルムを貼り合わせた。
その後、ポリエチレンフィルムとポリエステルフィルムを剥がして、さらに160℃で1時間加熱して接着剤層を硬化させ、1cm×12cmの伸び率評価用試料を作製し伸び率を評価した。
伸び率の測定方法はテンシロン(島津製作所社製)により測定して下記式により伸び率を算出し結果を表4に示した。
伸び率(%)=(引張り後の試料長さ−引張り前の試料の長さ)/引張り前の試料の長さ×100
表4から明らかなように、実施例1〜15に基づく本発明の接着シートでは、伸び率が30%以上であって応力緩和性に優れていることが確認された。これに対して比較例1,3では伸び率が10%以下であり、応力緩和性に劣ることが確認された。
[電気特性]
上記実施例1〜15および比較例1〜6の接着剤組成物の塗料を、乾燥後の厚さが25μmとなるように、剥離処理を施した厚さ38μmのポリエステルフィルム上に塗布し、熱風循環型乾燥機中にて130℃で5分間乾燥して接着剤層を形成した後、剥離処理を施した厚さ50μmのポリエチレンフィルムを貼り合わせ接着シートを作製した。
またフレキシブル基板(商品名:エスパネックス、新日鐵化学社製)にフォトレジスト膜を熱圧着、エッチング、レジスト膜剥離を経て、導体/導体間距離25μm/25μmのくし型回路を作製し、その回路上にポリエチレンフィルムを剥離しながら、この接着シートを熱圧着した。次いで、ポリエステルフィルムを剥がして160℃で1時間加熱して接着剤層を硬化させ、電気特性評価試料とした。
次に、この試料を温度:130℃、湿度:85%RHの恒温恒湿槽に、直流電圧5Vを加えながら300時間曝した。その後、恒温恒湿槽から取り出して、くし型回路の導体(銅箔部)への電食の有無について観察し、くし型回路の導体(銅箔部)への電食が無いものを○、電食があるもの×とした。なお、表4において、回路との接着性が悪く、試料として問題があるものは「−」と記載した。その結果を表4に示した。
表4から明らかなように、実施例1〜15に基づく本発明の接着シートでは、くし型回路の導体(銅箔部)への電食が無く、実用上問題がないものであった。これに対して、比較例2〜6のものでは、電食が発生し半導体装置用としては実用上問題のある結果であった。
Figure 2007002044
Figure 2007002044
上記結果から明らかなように、本発明の接着剤組成物および接着シートは、埋め込み性、電気特性、接着力、耐リフロー性及びTCT性に優れ、吸湿率が小さく、伸び率が大きく、応力緩和性に優れ、かつ耐熱劣化性にも優れている。このことから、本発明の接着剤組成物および接着シートによれば、半導体装置における層間剥離、発泡、反り等の不具合の発生が抑制され、また加工性にも優れているため、半導体装置の信頼性を向上させることができる。

Claims (11)

  1. エポキシ樹脂(A)と、フェノール樹脂(B)と、モノマー成分として、エチレンと、前記エポキシ樹脂(A)と反応し得る官能基を有する不飽和カルボン酸またはその誘導体とを有するビニル共重合体(C)とを含有し、かつ
    硬化前の動的粘弾性測定における最低溶融粘度が400〜50000Pa.sの範囲内であることを特徴とする半導体装置用接着剤組成物。
  2. 硬化後の200℃〜280℃における動的弾性率が500Pa〜200MPaの範囲内である請求項1に記載の半導体装置用接着剤組成物。
  3. 硬化後の引っ張り伸び率が30%以上である請求項1に記載の半導体装置用接着剤組成物。
  4. 硬化後の吸湿率が1%以下である請求項1に記載の半導体装置用接着剤組成物。
  5. 硬化後の150℃の環境に24時間放置した後の200℃〜280℃における動的弾性率が500Pa〜500MPaの範囲内である請求項1に記載の半導体装置用接着剤組成物。
  6. 前記エポキシ樹脂(A)と前記フェノ−ル樹脂(B)との比率が、官能基当量比で、1:0.6〜1:1.4の範囲内である請求項1に記載の半導体装置用接着剤組成物。
  7. 前記ビニル共重合体(C)の含有量が、全固形量の20〜80質量%である請求項1に記載の半導体装置用接着剤組成物。
  8. 前記ビニル共重合体(C)の官能基当量が100〜2500である請求項1に記載の半導体装置用接着剤組成物。
  9. 支持体の少なくとも一面に、請求項1乃至8のいずれかに記載の半導体装置用接着剤組成物からなる接着剤層が積層してなることを特徴とする半導体装置用接着シート。
  10. 金属層の少なくとも一面に、請求項1乃至8のいずれかに記載の半導体装置用接着剤組成物からなる接着剤層と、絶縁性フィルムまたは剥離性フィルムとが順次積層してなることを特徴とする半導体装置用接着シート。
  11. 絶縁性フィルムの両面に、請求項1乃至8のいずれかに記載の半導体装置用接着剤組成物からなる接着剤層と、絶縁性フィルムまたは剥離性フィルムとが順次積層してなることを特徴とする半導体装置用接着シート。

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