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JP2006522778A - ステロールリッチ組成物を調製する方法 - Google Patents

ステロールリッチ組成物を調製する方法 Download PDF

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JP2006522778A JP2006505639A JP2006505639A JP2006522778A JP 2006522778 A JP2006522778 A JP 2006522778A JP 2006505639 A JP2006505639 A JP 2006505639A JP 2006505639 A JP2006505639 A JP 2006505639A JP 2006522778 A JP2006522778 A JP 2006522778A
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Abstract

本発明は、ステロールエステルリッチ組成物を生産するための方法に関連する。ステロール組成物、グリセリド組成物、脂肪酸アルキルエステル及びエステル化触媒が組み合わされて反応混合物が形成される。ステロールのエステル化は混合物中で行われ、ステロールエステルが提供される。新規方法は迅速であり且つ転換が高レベルである。本発明は、食品等級のステロール脂肪酸エステルを脂肪混合物から回収するための方法に関連する。

Description

本発明はステロール脂肪酸エステルリッチ組成物を生産するための方法に、そして食品等級のステロール脂肪酸エステルを、ステロール脂肪酸エステルを含有する脂肪混合物から回収する方法に関連する。本発明は、前記ステロール脂肪酸エステルリッチ組成物を使用すること及び当該ステロール脂肪酸エステルリッチ組成物を含んで成る製品に関連する。
本発明は特に、少なくともステロール組成物及び脂肪酸グリセリド組成物を含んで成る混合物の触媒エステルすることによって、ステロール脂肪酸エステルリッチ組成物を生産する方法に関連する。本発明はまた、脂肪酸グリセリド及びステロール脂肪酸エステルを含有する脂肪混合物から、食品等級のステロール脂肪酸エステルを回収するための方法に関連し、当該方法は、ステロール脂肪酸エステルリッチ組成物の生産をするための方法において使用されて良い。
背景
血清コレステロール値が高いことは、冠状動脈性疾患のリスクを示す単一の最も有意なものであると考えられている。血清コレステロール値は、食事的な手段によって、摂取される油又は脂肪の量と種類に、そして摂取されるコレステロールの量に注意を払うことによって下げることができうる。研究により、経口的に投与された植物ステロールの、例えば、シトステロール及びその水素化同族シトスタノールは、腸からの食事によるコレステロール及び胆汁コレステロールの両方の吸収を一部に阻害することによって、血清総コレステロール量及び低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールの値を減らすことが研究により示されている。シトスタノールは、コレステロール吸収の最も有力な阻害物質の1つであると考えられている。植物ステロールを食品中、特に、いわゆる機能性食品中、並びに医薬及び化粧品で使用することには、多数の注目が集まっている。
遊離結晶性植物ステロール及びそれらの脂肪酸エステルは、どちらもこれらの用途で使用されて良いが、脂肪酸エステルは、いくつかの理由により好適である。ステロールは、コレステロールの吸収を阻害することができるようにするため、生体利用形態になければならない。遊離植物ステロールの様々な製剤が様々な速度で食物消化物の脂肪層に溶け、そして様々な効果によりコレステロール吸収に対して影響を与えるだろう。
様々な食品は、脂肪酸エステル形態における植物ステロールを所望のレベルで、製品の知覚特性に対して負の効果を与えることなく容易にリッチにされて良い。更に、ステロール脂肪酸エステルの脂肪様物理特性により、それを技術的にもろくし、使用される食品マトリクスに関係なく、ステロールリッチ食品の生産においてそれらを使用する。食品に所望の量の植物ステロールを富ませることによって、食品のコレステロール低下効果が容易に最適化されて良い。
ステロール並びにスタノール、それらの水素化形態をエステル化するための様々な方法が提案されている。これらの多くは、食品用途で使用されるステロール脂肪酸エステルの生産において許容されえない化学試薬を使用する。かかる試薬は、例えば、食品等級不適合の成分の例えば、酸塩化物、無水物又は有機溶媒が挙げられる。
U.S.3,751,569号は、植物ステロール脂肪酸エステルをヒトにおける血清コレステロール量を下げるために、調理油に植物ステロール脂肪酸エステルを加えることを提案している。ステロール脂肪酸エステルは、遊離脂肪酸を、無水脂肪酸により、触媒として過塩素酸を伴い、エステル化することによって調製されている。触媒及び無水物試薬は、食品等級の方法においては許容されえない。
G.B.1,405,346は、透明な油を生産するために、植物油中の遊離ステロールをそれらの対応する脂肪酸エステルへと転換することを示唆している。それによって、一価脂肪族、アルコールC1〜4日の脂肪族エステルは油に混合されている。遊離ステロールと脂肪酸エステルの混合物は、アルカリ金属アルコレート触媒などの存在下、高温において油中でエステル化されていることを示唆する。一価アルコールのメタノールなどが発生しそしてエステル化反応を加速させるために連続的に除去されている。この方法は、過剰の脂肪族エステルを使用し、そして当該方法は、ステロールエステルを含有する相互エステル化(intenesterified)された油を生みだす。
US5,502,045、血清コレステロール量を下げるためにシトスタノール脂肪酸エステルの使用を提案する。エステルはそのようにして使用されるかあるいは、食品に対して加えられて良い。スタノール脂肪酸エステルは、遊離結晶性スタノール成分と脂肪酸エステルを含有する混合物の例えば、脂肪酸メチルエステル又は脂肪酸エステル混合成分のエステル化技術によって調製されている。触媒の例えば、Na−エチレートは、このエステル化反応のために必要とされている。触媒は、水を混合物に加えることによって、エステル化後に破壊されて良い。
WO02/055639は、トリグリセリドによるステロールのワンポット(one pot)直接エステル化において調製された。ステロールエステルを含有する脂肪組成物の調製のための方法を示唆する。従って、高温で、ステロール原材料はトリグリセリドと混合されて溶かされて良い。アルカリ触媒が加えられて、エステル化が行われる。触媒は、酸の添加によって中和され、そして獲得された脂肪組成物が精製される。調製された脂肪組成物は、明らかに、ステロール脂肪酸エステルに加えて幾分高量の他の成分の例えば、遊離ステロール、未反応のトリグリセリド、ジグリセリド及びモノグリセリドを含む。
WO02/060916は、アルカリ触媒の存在下で植物油から脂肪アシルグリセリドによるステロールのエステル化によってステロールエステルリッチ組成物を生産するための方法を提案する。エステル化後、反応混合物を蒸留して、グリセロールを除去し、ステロールエステルの形成を増強する。酸を反応混合物に対して加え、アルカリ触媒を不活性にする。この後ステロールリッチ画分を有機溶媒を使用することで、水性洗浄物と組み合わせて、反応混合物から単離している。この反応において、有意に化学量論的に過剰の脂肪酸アシル基が多くの場合に必要となる。完全な、100%の産物形成をねらいとしていない。生産されたステロールリッチ組成物は、加えて、ステロールエステル、多量のモノグリセリド、ジグリセリド、及びトリグリセリド並びに遊離ステロールを含む。
US2002/0082434は、部分グリセリド(partial glyceride)及び10〜12重量%のステロールエステルを典型的に含有する油蒸留残留物から遊離ステロールを生産するための方法を開示する。この刊行物は、ステロールを純粋な形態で獲得することができるように、それらはエステル化形態から遊離状態に転換されなければならないことを開示する。この方法は、部分グリセリドを低級アルコールにより、塩基性触媒の存在下でトランスエステル化し、脂肪酸アルキルエステル及びグリセロールを形成させ、過剰の低級アルコール、塩基性触媒、グリセロール及び脂肪酸アルキルエステルを除去し、ステロールエステルを含んで成る産物を形成させ、そしてステロールエステルをトランスエステル化して遊離ステロールを形成することを含んで成る。この刊行物によれば、ステロールの収率は、油蒸留残留物の総ステロール含量に基づいて約40%であり、そしてステロール収率は、母液をリサイクルすることによって50%を超えるように増やすことができうる。
ステロール脂肪酸エステルを生産するための公知の方法は、見掛け上転換過程において効率を欠くようだ。最適な結果のために1化学量論量超の脂肪酸トリグリセリド又は高価な予め調製された脂肪酸エステルがこのエステル化方法において使用されている。大部分の方法において最終産物が獲得され、それは、ステロール脂肪酸エステルに加えて、幾分高量の未反応成分の例えば、モノグリセリド、ジグリセリド及び/又はトリグリセリド並びに未反応の遊離ステロールを含む。これらは、純粋なステロール脂肪酸エステルを獲得するために、個別の方法において除去されなければならない。従来のいくつかの方法において、試薬又は触媒が使用されており、それは、食品生産方法においては許容されえない。
植物ステロール脂肪酸エステルにおける巨大な市場の注目により、ステロール脂肪酸エステルを植物油又は脂質から純粋なステロール脂肪酸エステルを効率に生産するために使用されて良い、コスト上有効なエステル化方法に関する明らかな要請がある。そしてまた、食用油及び脂肪のエステル化をするために使用される、既存の装置による方法が行われることが可能であるべきだ。
発明の概要
本発明は、ステロール脂肪酸エステルリッチ組成物を生産する方法に関係する。ステロール組成物、脂肪酸グリセリド組成物及びエステル化触媒は、反応混合物を形成させるために一緒にされる。ステロールのエステル化は、当該混合物中で行われ、ステロール脂肪酸エステル、グリセロール及びグリセリドが提供される。加水分解及びアルキル化組成物は、混合物に対して加えられ、そこに存在するグリセリドを加水分解し、そして対応する脂肪酸アルキルエステル及びグリセロールが生産される。グリセロールはこの方法から分離される。ステロール脂肪酸エステル含有混合物は、そこから、脂肪酸アルキルエステルを分離することによって精製され、それによってステロール脂肪酸エステルリッチ組成物が提供される。脂肪酸アルキルエステルは、当該方法の始まりにおいてエステル化段階にリサイクルされて入れられて良い。
本発明の目的は、ステロール脂肪酸エステルリッチ組成物を生産するための改良された方法を供し、当該方法では、上記の欠点が最小化されている。
従って、本発明の目的は、ステロール脂肪酸エステルリッチ組成物の生産のための効率的方法を供することであり、ここでその組成物は、遊離ステロール、並びにモノ、ジ及びトリグリセリドの含量は最小化されている。
本発明の更なる目的は、ステロール脂肪酸エステルリッチ組成物の生産のための効率的方法を供することであり、その組成物は、最小の、実際には、化学量論量の又はほぼ化学量論量のグリセリドが供給されている。
本発明の更なる目的は、ステロール脂肪酸エステルリッチ組成物の生産のための方法を供することであり、この方法において、副産物及び触媒は、ステロールエステルリッチ組成物から容易に分離されている。
本発明の更なる目的は、ステロール脂肪酸エステルリッチ組成物の生産のための迅速且つ効率的な方法を供することである。
本発明の目的は、少なくともグリセリド成分及びステロール脂肪酸エステル成分を含んで成る混合物において、脂肪酸アルキルエステル成分の調製をし、しかもステロール脂肪酸エステル成分の加水分解を予防又は最小化する改良された方法を供することでもある。
本発明の目的は、ステロール脂肪酸エステルリッチ組成物の生産をするための方法を供することでもあり、当該方法は、その内で、ステロールエステル化において沈澱させ脂肪酸アルキルエステル成分の調製を可能にする。
本発明の更なる目的は、ステロール脂肪酸エステルリッチ組成物の生産をする方法を供することであり、当該方法において、食品等級方法において許容されている。試薬及び触媒が使用されている。
本発明の更なる目的は、エマルションの形成により、反応物及び/又はステロール脂肪酸の損失増加をもたらすだろう油−水相系を形成する必要がない。方法を供することである。
本発明の更なる目的は、食品等級のステロールエステルを、脂肪混合物の例えば廃棄脂肪(waste fat)から、純粋な形態且つ高収率で回収するための方法を提供することである。
本発明の更なる目的を満たすために、本発明の方法及びプロセスは、添付の特許請求の範囲に開示されていることを特徴とする。
本発明の第一の観点において、ステロール脂肪酸エステルリッチ組成物を生産する典型的な方法は、以下の主たる2つの反応段階を含む。それは:
−第1の段階であって、ステロール脂肪酸エステルの形成をするため即ち、1又は複数のステロール脂肪酸エステルを形成するための、反応混合物中のステロール成分の例えば、グリセリド及び脂肪酸アルキルエステル成分のエステル化を含む段階、及び
−続く第2の段階であって、脂肪酸アルキルエステルの形成、即ち、1又は複数のアルキルを伴う1又は複数の脂肪酸のエステル形成のために、尚も反応混合物中に存在するグリセリドの加水分解及びこのようにして形成された脂肪酸成分のエステル化を含む段階であり
−もし所望されれば、形成された脂肪酸アルキルエステルの少なくとも一部を、第一反応段階にリサイクルすることを含む。
本発明の第2の観点において、食品等級のステロール脂肪酸を、脂肪酸グリセリド及びステロール脂肪酸エステルを含有する脂肪混合物から回収するための典型的な方法は:
(i)前記脂肪混合物に、加水分解触媒及びアルキル化成分を加え、ステロール脂肪酸エステルの有意な加水分解を伴うことなく、グリセリドを加水分解し、そして対応する脂肪酸アルキルエステルを生産し、
(ii)過剰のアルキル成分、加水分解触媒及びグリセロールを除去し、
(iii)獲得した産物を、水で洗浄することによって及び/もしくは吸着処理によって又は酸性水溶液で洗浄することによって及び/もしくは吸着処理によって精製し、そして
(iv)獲得した産物を脱臭によって精製し、脂肪酸アルキルエステル及び不純物を除去し、そして純粋なステロール脂肪酸エステルを生産する、
段階を含んで成る。
前記、脂肪混合物は、好適に、ステロール脂肪酸エステルを含有する食事製品の生産に由来する廃棄脂肪であり、例えば、脂肪産物の処理において獲得した副画分(side fraction)である。前記廃棄脂肪は、そのまま又は食産物の生産において獲得したW/O又はO/Wエマルションから分離されて良い。典型的な食品産物は、マーガリン、ドレッシング(例えばサラダドレッシング及びマヨネーズ)、植物油及び調理油である。これらの産物において、脂肪酸グリセリドは主にトリグリセリドであるが、モノグリセリド及びジグリセリドも存在して良い。
典型的に、前記廃棄脂肪は、エマルションを加熱し、そしてそこへ酸の例えばリン酸を加え、脂肪層及び水性層を形成させ、次いで脂肪相を中和するため、アルカリの例えばNaOHを加えることによって脂肪相を分離して精製して、その後水で洗浄して過剰のアルカリを除去して不純残留物を漂白過程において真空下で吸着物質上に吸着させることによって獲得されて良い。
脂肪混合物は、加水分解触媒及びアルキル化成分を加える前に、好適に1〜99重量%、一層好適に30〜97重量%、そして最も好適に70〜95重量%のグリセリドを、そして好適には1〜99重量%、一層好適には3〜70重量%、そして最も好適には5〜30重量%のステロール脂肪酸エステルを含む。
加水分解触媒は、典型的に、アルカリ水酸化物の例えば、KOH及び/又はNaOH並びにアルカリ酸化物を含んで成る塩基からなる群から選択されている。
アルキル化成分は、典型的に、C1〜4アルカノール、好適には、メタノール及び/又はエタノールを含んで成る低級アルコールの群から選択されている。
前記反応混合物は、典型的に0.01〜10重量%、好適には、0.05〜2重量%の加水分解触媒を含む。
前記反応混合物は、典型的に0.01〜75重量%、好適には0.1〜30重量%、一層好適には0.5〜30重量%のアルキル化成分を含む。
典型的に、加水分解触媒及びアルキル化成分は、予め調製された加水分解及びアルキル化組成物として混合物に対して加えられる。好適に、加水分解触媒はKOHであり、そしてアルキル化成分は、メタノールである。一層好適に、これらの成分は予め調製されたメタノールKOH組成物として加えられる。
加水分解及びアルキル化組成物又はその成分は、典型的に少なくとも50重量%のメタノール及び最大でも50重量%のKOH、好適に、65〜99.5重量%、一層好適には、80〜99%、最も好適には85〜95重量%のメタノール及び好適には、0.5〜35%、一層好適には1〜20重量%最も好適には、5〜15重量%のKOHを含んで成る。
混合物の反応温度は好適に60〜100℃の温度、一層好適には、60〜80℃の温度で1分〜6時間、好適には30分〜2時間に渡り維持されている。圧力は、最大でも100kPa、好適には最大でも7kPaの真空圧に維持されている。
段階(ii)において、過剰のアルキル化成分、加水分解触媒及びグリセロールの除去は、形成された2つの相を、例えばキレート化によって互いに分離することによって都合良く行われる。過剰のアルキル化成分(メタノールなど)を、触媒の分離後に蒸留することによって分離することも可能である。
段階(ii)の後、産物は、水で洗浄することによってそして/もしくは吸着処理によって又は酸溶液で洗浄することによってそして/もしくは吸着処理によって精製されている(段階(iii))。この処理は、触媒の任意の残留物を除去する。吸着処理には通常ろ過が続き、そしてこの処理は漂白とよばれている。
段階(iv)の脱臭は、160〜230℃、一層好適には190〜210℃の温度で、そして好適には1〜1000Pa、一層好適には50〜500Paの温度でのスチール蒸留によって行われている。この処理により、脂肪アルキルエステル及び不純物の例えば、風味及び臭気成分が除去される。
獲得されたステロイル脂肪酸エステルは純粋であり、典型的に90重量%以上、好適には94重量%以上、及び最も好適には97重量%以上の純度を有する。ステロール脂肪酸エステルの回収率は、脂肪混合物のステロール脂肪酸エステル含量に基づいて75重量%以上、好適には90重量%以上である。
本発明の方法によって回収されるステロール脂肪酸エステルは、もし所望されれば、更に精製され、そして食事又は他の産物の生産において再度使用されて良い。
脱臭段階において蒸留産物として獲得された脂肪酸アルキルエステルは、下において一層詳細に記載されたステロール脂肪酸エステルリッチ組成物を生産するための方法のFaMe補給の一部として使用されて良い。
本発明の記載及び請求項において「加水分解」とは、脂肪酸グリセリドを少なくとも部分的に対応する脂肪酸及びグリセロールに転換することを意味する。用語「加水分解」とは、当該分野において共通するように、水が存在しなくとも使用されている。
本発明のこの記載及び添付のクレームにおいて、用語「ステロール」とは、他で断わりがない限り、ステロール及びその水素化された同族体スタノール又はこれらの混合物である。用語ステロールとは、その最も広い形態において、様々な植物ステロール及び植物スタノールに加え、動物ステロールであり例えば化粧品用途において使用されて良いコレステロールを含む。好適に、本方法において使用されるステロール組成物は、4−デスメチルステロール、4−デスメチルスタノール、4−モノメチルスタノール、4−モノメチルスチノール、4,4−ジメチルステロール及び4,4−ジメチルスタノール及びこれらの混合物からなる群から選択されたステロール系材量に含む。最も典型的に4−デスメチルステロール及び/又は4−デスメチルスタノールが使用されている。
本発明の記載並びに、添付の特許請求の範囲において、本発明の新規方法によって生産された用語ステロール脂肪酸エステルリッチ組成物は、他で断わらない限り、90重量%以上、一層典型的には94重量%以上、最も典型的には97重量%以上のステロール脂肪酸エステルを含む。
本発明の記載において、ステロール成分の「エステル化」とは、反応混合物中に存在するグリセリドの脂肪酸成分によるステロール成分のエステル交換(interesterification)及び/又は反応混合物中に存在する脂肪酸誘導体によるステロール成分のエステル交換(transesterification)を意味する。
発明の詳細な説明
本発明の第一の観点を構成する典型的な方法において、第一段階、即ち、第一エステル化段階は、反応容器に入れられた以下の成分を含む反応混合物において行われるだろう。その成分は:
−ステロール組成物であって、1又は複数のステロールを含んで成るステロール組成物;
−グリセリド組成物であって、1〜3種の同じ又は異なる脂肪酸の1又は複数のグリセロール脂肪酸エステルを含んで成るグリセリド組成物
−脂肪酸アルキルエステル組成物であって、1又は複数の脂肪酸低級アルキルエステルを含んで成る脂肪酸アルキル組成物、
である。
典型的な混合物は、mol比において、約1molのステロール、約0.3〜0.7molのグリセリド及び約0.9〜2.1molの(リサイクルされた)脂肪酸アルキルエステルを含む。
後に示すように、前記プロセスにおける非常に最初の開始段階において、混合物中に脂肪酸アルキルエステル組成物を必ずしも含む必要はない。化学量論的過剰のグリセリドが、最初の段階で脂肪酸アルキルエステルの不在に対して補われて良い。前記プロセスの連続ランにおいて、脂肪酸アルキルエステルは、当該プロセス自体において形成されるだろうし、そして上記混合物を形成するためにプロセスの最初へとリサイクルされるだろう。
典型的に混合物は乾燥され、そしてステロール成分は混合物の温度を高めることによって溶かされる。容器中の圧力は混合物から分離された水の分離を可能にするように減らされて良い。代わりに又は加えて、混合物の組成物は乾燥されて、一緒にされて混合物される前に個別に溶かされて良い。
NaOCH3など触媒は、前記方法において第一のエステル化反応を起こすために、即ち、反応容器中に補給されたステロール組成物中に存在するステロール成分及びグリセリド中に存在する脂肪酸成分及び脂肪酸アルキルエステル組成物の間でエステル化反応を起こすために反応容器中に補給されて良い。従って、第一段階のエステル化反応において、ステロール脂肪酸エステル、部分グリセリド及びグリセロールが形成されている。
第一の段階において、エステル化反応の後、所望の転換レベルの例えば、90%以上、典型的には94%以上、一層典型的には98%以上の転換に到達し、従って、反応混合物は典型的に、形成されたステロール脂肪酸エステル及びグリセロールに加えて、考えられる未反応のステロール成分並びに部分及び/又は全体的に未反応のグリセリド、即ち、モノ、ジ及び/又はトリグリセリド、並びに脂肪酸アルキルエステル及び触媒を含む。
エステル化の後、反応混合物は典型的に最大でも50重量%、好適には1〜30重量%のグリセリド、及び50重量%以上、好適には70〜99重量%のステロール脂肪酸エステルを含む。
この後、本発明を使用する典型的な方法において、第二の段階、即ち、このようにして形成されたグリセリドの加水分解及び脂肪酸成分のエステル化は、同じ又は他の反応容器中、反応した混合物において行われる。
加水分解触媒、好適にアルカリ触媒の例えば、KOH又はNaOHは、そこにあるグリセリドの加水分解をもたらすために反応した混合物中へと供給される。
第二の段階において、加水分解触媒それ自体、使用された触媒の量及び反応条件の例えば、温度及び時間などは、反応した混合物中に存在するステロール脂肪酸エステルを、少なくとも有意に加水分解しないように、しかも適切な態様においてグリセリドを加水分解するように選択されている。条件は、モノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリドの加水分解ができる限り完全に達成され、しかも同時に遊離ステロールの形成を避けるように選択されている。
アルキル化成分は、エステル化、即ち、グリセリドの加水分解によって形成された脂肪酸成分のアルキル化のために必要とされるアルキル成分を提供するために反応容器中に加えられている。このアルキル化成分は、好適に加水分解触媒と同時に反応容器中に供給され、それにより触媒は、典型的に、アルキル化成分中に溶かされている。典型的に、アルキル化成分は、低級アルキルアルコールであり、例えば、脂肪酸成分のメチル化及びアルキル化をもたらすメタノール又はエタノールである。
従って、本発明の方法の第二の段階において、第一の段階で形成された反応混合物中に存在するグリセリドは、加水分解されて脂肪酸成分及びグリセロール形成する。そしてこのようにして形成された脂肪酸成分は、本発明の新たな方法の第二のエステル化反応において、エステル化されて対応する脂肪酸アルキルエステル形成する。
第一のエステル化反応及び加水分解反応において形成されたグリセロールは、典型的に個別のグリセロール層として反応容器の底に集められ、そしてそこから容易に取り出されて良い。第一段階におけるNaOCH3及び第二段階におけるKOH又はNaOHなどエステル化段階及び加水分解段階において使用された1又は複数の触媒は、典型的にグリセロール相中に集められそして効率的に当該方法からグリセロールと一緒に、例えば排出によって取り除かれる。
第二のエステル化、即ち、アルキル化後、反応は所望の転換レベルに至り、そしてグリセロール及び触媒が除去されており、残留混合物は、ステロール脂肪酸エステルに加え、主に脂肪酸アルキルエステル、並びに考えられる典型的に少量の未反応試薬、中間体産物及び不純物を含む。脂肪酸アルキルエステル及び未反応の試薬他の例えば、遊離ステロールは、例えば、蒸留によって、個別に、生産されたステロール脂肪酸エステル含有混合物から分離されている。脂肪酸アルキルエステルは典型的に、少なくとも部分的に方法の始まりへと、反応混合物中に含まれるように、リサイクルされる。
本発明は所定の発見を使用し、その発見とは、第一反応段階の後、即ち、ステロールとグリセリド成分の第一エステル化反応が選定の転換レベルに達した後も方法中に尚も存在する不完全に反応したモノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリド並びに未反応のトリグリセリドは、第二反応段階において、形成されたステロール脂肪酸を有意に加水分解することなく加水分解されうるという発見である。典型的に最大で20%、一層典型的に最大で10%、最も典型的に最大で5%のステロース脂肪酸エステルが加水分解されている。グリセリドの典型的に90%以上、一層典型的に95%以上、最も典型的に98%以上が加水分解されている。グリセリドの加水分解は、反応性脂肪酸を提供し、それは同時に、ステロールのエステル化段階中へと過剰の反応性脂肪酸誘導体を提供するために第一反応段階へリサイクルされて良い脂肪酸アルキルエステルを形成するように、低級アルコールによりエステル化される。過剰の脂肪酸エステルにより、連続方法又は反復バッチ方法において、およそ化学量論量の「未使用」又は「新たな」脂肪酸成分がグリセリド形態で提供されていてさえも、ステロールのエステル化における最適な転換レベルが可能になる。
ステロールを最適に転換することにより、最終ステロール脂肪酸エステル産物における遊離ステロール含量が最小になる。他方、グリセリドの加水分解により、最終ステロール脂肪酸エステル産物におけるモノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリドの量が最小になる。従って、純粋なステロール脂肪酸エステルリッチ生産が達成される。第一段階における反応容器中へと組成物を供給することにより比較的短い時間で高いステロール転換が可能になる。
従って、本発明によれば、ステロール脂肪酸エステルリッチ組成物の連続方法又は反復バッチ方法において、およそ化学量論量のみのステロール及びグリセリドの供給が典型的に必要になる。同時に、脂肪酸アルキルエステルは、上記のように、本方法内で、好適に連続的にリサイクルされている。
通常の定常状態条件の間、外部からの脂肪酸アルキルエステルの連続的な供給がないことが勧められている。しかし、前記方法の非常に最初の段階、即ち、任意の脂肪酸アルキルエステル成分が当該方法において形成される前において、個別に調製した脂肪酸アルキルエステルの外部からの投入が必要となる。代わりに、過剰のグリセリドが、第一エステル化反応において必要となる過剰量の脂肪酸誘導体及び加水分解/エステル化反応において必要となるグリセリドが提供されるように、当該方法の最初の段階の間に系中へと供給されて良い。
代わりに、先に説明したように、ステロール脂肪酸エステルを回収するための方法の脱臭段階から獲得された脂肪酸アルキルエステルが、上記方法中に供給されて良い。
本発明の方法は、1つの容器又は2以上の連続した容器においてバッチ方法として行われて良い。代わりに、前記方法は連続方法において行われて良い。
生産されたステロール脂肪酸エステル及び脂肪酸アルキルエステルの精製の例えば、漂白(即ち、吸着処理)及び/又はろ過は、当業者に公知の任意の方法において本質的にそれ自体公知の反応容器内で又は任意の個別の装置内で行われて良い。
好適に、混合物を含有するステロール脂肪酸エステルの精製には、漂白、ろ過及び/又は脱臭が挙げられる。
本発明の新規方法は、幅広く様々なステロールのエステル化において適用されて良い。植物ステロール及び動物ステロールのどちらも食品、医薬及び化粧品用途において使用するための所望のステロール脂肪酸エステルリッチ組成物を提供するためにエステル化されて良い。
本発明の方法において使用されたステロール組成物は従って、1又は複数の天然の油又は脂肪の例えば、植物、真菌もしくは動物油もしくは脂質、又はそれらの混合物から獲得されうる。典型的に、1もしくは複数の下記の植物油もしくは脂肪の処理された調製物から獲得されたステロール成分が使用されている。トール油、ナタネ油、ダイズ油、コムギ胚芽油、米ぬか油、コーンファイバー油、ヒマワリ油、ベニバナ油、コーン油及びオリーブ油。
本発明の方法において使用されるステロール組成物は典型的に、シトステロール、シトスタノール、カンペステロール、カンペスタノール、スチグマステロール、ブラシッカステロール、ジヒドロブラシッカステロール、タラキサステロール、クリオナステロール、コレステロール、これらの適切な誘導体及び還元産物、並びにこれらの混合物のからなる群から選択される1又は複数のステロール成分が挙げられる。
本発明は、様々な脂肪酸成分、例えば、通常は市場で入手できない、又は入手可能であってもむしろ高価な特定の脂肪酸成分の使用を可能にする。これら特定の脂肪酸成分は、しかしながら、市場で入手可能なグリセリド中に存在し、従って本発明の方法のために入手可能である。
本発明の方法において適用可能であるグリセリド組成物は、1〜3個の同じ又は異なる脂肪酸のグリセロール脂肪酸エステルを含んで成る。典型的に、グリセリド組成物は主トリグリセリド成分及び考えられる少量のモノグリセリド及び/又はジグリセリドを含んで成る。
グリセリド組成物は、グリセロールの飽和及び/又は未飽和のC4〜C28脂肪酸エステル、好適にはグリセロールのC16〜C22脂肪酸エステル、最も好適にはグリセロールのC16〜C18脂肪酸エステルを含んで成りうる。この酸は、飽和している又はモノ、ジもしくはポリ不飽和であって良い。
グリセリド成分は、様々な種類のグリセリドから選択されていて良く、例えば、植物、動物、合成もしくは真菌油もしくは脂肪、例えば、植物油及び魚油に由来するグリセリドであって良い。この油もしくは脂質は、特にもしくは完全に水素化されているかあるいは未来修飾された組成物を伴う脂肪酸が挙げられうる。
典型的に、しかしながら、植物油又は脂肪に由来するグリセリドの群から選択された1又は複数の脂肪酸グリセリド成分を含んで成るグリセリド組成物が使用されている。従って、ダイズ、ナタネ、ヒマワリ、コーン、コムギ、イネ、紅花、オリーブ、綿実、アマニ(linseed)、アマニ(flaxseed)、ゴマ、ピーナッツ、アーモンド、パーム及びココナッツ油又は脂肪、及びこれらの混合物が使用されて良い。
様々な公知の適切なエステル化触媒がステロール成分のエステル化において使用されて良い。エステル化触媒は好適に、金属アルコキシドの例えば、NaOCH3又はNaOC2H5、アルカリ水酸化物、金属酸化物、金属せっけん、合金、金属水素化物、金属アミド及び/又はそれらの混合物からなる群から選択されて良い。エステル化反応において必要となる触媒の量は、触媒組成物に、並びに方法の条件に依存する。ナトリウムメトキシドの即ち、NaOCH3は非常に適切な触媒であることが示されている。典型的に、ステロールの量により計算された約0.3〜1重量%、一層典型的には0.5〜0.8重量%のNaOCH3触媒が良好なエステル化結果のために必要とされている。触媒は、ステロール組成物及び/又はグリセリド組成物と一緒に反応容器中に導入されて良い、又は個別に容器に導入されて良い。ナトリウムメトキシドは、グリセロールと一緒に当該方法から除去されて良い。
様々な公知の加水分解触媒が、本発明の第二段階におけるグリセリドの加水分解を活性化するために使用されて良い。しかしながら、触媒及方法条件の選択によって、反応混合物中にも存在するステロール脂肪酸エステルの加水分解を活性化しないように注意が払われるべきである。様々な塩基の例えば、アルカリ水酸化物又はアルカリ酸化物も使用されて良い。有利に、KOH及び/又はNaOH、好適にはKOHが加水分解を活性化するために使用されて良い。
反応混合物の量に基づいて計算された約0.01〜10重量%の加水分解触媒が典型的に、加水分解を適切に活性化するために必要となる。好適に0.05〜2%の加水分解触媒が使用されている。
アルキル化成分は、加水分解によって形成された1又は複数の脂肪酸をエステル化するために反応混合物に対して加えられている。アルキル化成分は、好適に、低級アルコール(例えば、C1〜4アルカノール)、一層好適にはメタノール又はエタノール、最も典型的にはメタノールである。加水分解触媒は典型的に、触媒及びアルキル化成分を組合せた加水分解及びアルキル化成分として、最初の段階に由来する反応混合物に加える前に、アルキル化成分中に溶かされている。
反応混合物に基づいて計算した約0.01〜75重量%のアルキル化成分がアルキル化を促すために典型的に加えられている。好適に、加えられる量は0.1〜30%、一層好適には0.5〜30%である。
組み合わされた加水分解及びアルキル化組成物であって、KOH及びメタノールを含んで成る組成物は、メタノールを50重量%以上そして最大50重量%のKOH、好適に65〜99.5重量%、一層好適には80〜99重量%、最も好適には85〜95重量%のメタノール及び好適には0.5〜35重量%、一層好適には1〜20重量%、最も好適には5〜15重量%のKOHを含む。これらの成分は個別に対応する量で加えられて良い。
好適に、加水分解触媒及びアルキル化成分は、第一反応段階のエステル化反応が完了する又は大部分が完了する場合に、ステロール脂肪酸エステル含有混合物に対して加えられる。
方法条件の例えば、温度、真空、圧力及び/又は時間は、第一及び第二の方法段階において行われる反応をコントロールするために使用されて良い。
ステロール成分とグリセリド成分の間で実際のエステル化反応が行われる前に、試薬は好適に高温及び真空下で乾燥される。成分の温度は典型的に100℃超、典型的に110〜130℃である。好適に、7kPa未満の真空が水を除去するために使用される。
ステロール及びグリセリド/脂肪酸アルキルエステル成分の1日でのエステル化は実際に典型的に高温及び真空下で行われる。温度は100〜200℃、典型的に100〜160℃、一層典型的に115〜145℃で維持される。真空レベルは、2〜100kPa、典型的に7kPa未満で維持される。エステル化は通常0.1〜10時間、典型的に1〜3時間、最も典型的に約2時間で、使用される試薬及び触媒、並びに温度、真空レベル及び所望のレベルの反応転換レベルに依存して行われる。
グリセリドの加水分解は、ある温度で行われており、それは典型的に上記エステル化温度より下であり、典型的に60〜100℃、一層典型的に60〜80℃である。加水分解は、1分〜6時間に渡り、典型的に0.5〜2時間に渡り維持される。従って、80℃での加水分解は0.1〜2時間、典型的に30分に渡り続いて良い。
加水分解及びアルキル化の後、形成された脂肪酸アルキルエステルは、ステロール脂肪酸エステル含有混合物から、蒸留によって又はいわゆる脱臭段階において蒸留によって分離されて良い。脂肪酸アルキルエステルは、従って、典型的に、当該ステロールエステルから、温度160〜240℃、一層好適には190〜210℃で、そして好適に1〜1000Pa、一層好適には50〜500Paにおける高真空ストリッピングによって分離される。この処理は脂肪酸アルキルエステルを除去し、そして不純物の例えば、風味及び臭気成分を、特に脱臭を使用する場合に除去する。この方法は、方法条件に依存して、数分〜数時間を要しうる。
本発明は、方法段階を概略的に示す図1に見られるように、本発明を使用する方法の例示から一層容易に理解されるだろう。連続的反応段階は、個別に分かれた反応容器中で又は連続的に反応域に分けられており、反応混合物が容器を流れて通過するのを可能にする単一の細長い容器において行われて良い。図にはバッチ方法を示す。
グリセリド組成物の例えば、精製漂白され且つ脱臭されたトリグリセリド、並びにステロール組成物の例えば、4−デスメチルステロールに富むステロールの外部からの投入、並びに脂肪酸アルキルエステルFaMeのリサイクル投入が、第一ステージ、段階1へ投入され、本明細書中に記載の混合物が形成される。第一触媒、触媒1の例えば、NaOCH3が混合物中へと供給されて当該混合物温度は、ステロール組成物のエステル化を開始するために、反応温度レベルに高められる。
エステル化反応は、ステロール脂肪酸エステル、即ち、ステロール−エステル産物、及びグリセロール、並びにいくらかの部分的に反応したモノ及びジグリセリド及びメタノールの形成をもたらす。従って、段階1〜第二のステージの段階2に移動する反応した混合物は、通常、形成された有意な量のステロール脂肪酸エステル及びグリセロール及び考えられる少量の未反応遊離ステロール及びトリグリセリドに加えて、いくらかの部分的に反応したモノグリセリド及びジグリセリドを通常含むだろう。メタノールは真空によって除去されている。除去されたメタノールは、それを前記方法の第二ステージへとリサイクルすることによって再利用されて良い。
第二ステージ、段階2において、第二の触媒、触媒2の、例えば加水分解触媒の例えば、KOH、及びアルキル化成分の例えば、メタノールが反応混合物に対して加えられ、そして当該反応混合物の温度は、加水分解及びアルキル化を開始するために第二反応温度レベルに設定される。段階2において、反応混合物中のモノグリセリド、ジグリセリド、及びトリグリセリドが加水分解され、脂肪酸及び更なるグリセロールが形成される。触媒残留物並びに他の不純物を含有するグリセロールは、反応を促すために、段階2から連続的に排出されて良い。形成された遊離脂肪酸はアルキル化成分と反応し、脂肪酸アルキルエステルの形成をもたらす。
段階2に由来する、主としてステロール脂肪酸エステル及び脂肪酸アルキルエステルを含有する反応混合物は、各特定の場合において必須であると考えられる精製処理に運ばれる。精製とは例えば、図に示すように、本質的に知られている、漂白段階10、ろ過段階14及び脱臭段階16としてである。これらの段階は全て必ずしも必須であるとは限らない。いくつかの用途において、他の本質的に公知の洗浄段階も使用されて良い。洗浄段階は、いくつかの洗浄助剤の添加、例えば、漂白段階10で混合物中へと加えられている吸着剤12の添加を必要としうる。
脱臭段階16は、脂肪酸アルキルエステルをステロール脂肪酸エステルから160℃〜240℃で蒸留又はストリッピングし、ステロール脂肪酸エステルリッチ組成物を形成することを含みうる。当該脂肪酸エステルリッチ組成物は、高量のステロールエステルを、典型的に90重量%以上、一層典型的に94%重量以上、最も典型的に97重量%以上で、そして低量の遊離ステロールを、典型的に最大で10重量%、一層典型的には最大で6重量%、最も典型的には3重量%で遊離ステロールを含む。組成物は、低量の総グリセリド、典型的には2重量%未満のトリグリセリド、一層好適には1重量%未満のトリグリセリドを含む。
本発明は、下の例にから容易に理解されるだろう。この例は、本発明を説明することを意味しており、本発明を限定しない。この例は他に断らない限り、%は重量%として与えられている。
実施例1
ナタネ油、植物スタノール及びナタネ油ベースのメチルエステルを含んで成る混合物においてエステル化反応を行うことによってラボスケールで調製したスタノール脂肪酸エステル。
植物スタノール(68.2%のシトスタノール、28.3%のカンペスタノール、1.1%のシトステロール及び微量の不飽和ステロールの組成を有する)を、市販されて入手可能な植物スタノールの水素化によって調製した。このようにして調製した植物スタノールの1molを0.33molのナタネ油および1molのナタネ油ベースメチルエステルと混合した。この混合物を110〜120℃且つ7kPa未満の真空で乾燥させた。
この様にして乾燥させた混合物の温度を90〜95℃に下げた。総ステロール/スタノールの0.8重量%の量のナトリウムメトキシドをこの混合物に対して加えた。このようにして形成された反応混合物の温度を120℃に上げ、そしてエステル化を真空下、比較的短時間、即ち、2時間に渡り行った。過剰の脂肪酸メチルエステルの存在下でのスタノール脂肪酸エステル及びグリセロールへのスタノール及びグリセリドの転換をガスクロマトグラフィー(GC)分析によってモニタリングした。一度最終(>90%)転換を達成すれば、温度を80℃に下げた(段階1の産物)。
この後、5重量%の触媒(例えば、89gのメタノール中、11gのKOH)をエステル化した反応混合物に対して加え、グリセリド、即ち、尚も反応混合物中に存在するトリグリセリド、ジグリセリド及びモノグリセリドに加水分解化し、脂肪酸メチルエステル及び更にグリセロールを形成させる。
リアクターの底に沈殿したグリセロール及び残留触媒をリアクターからデカンテーションした。グリセリドの加水分解及び触媒の除去後、混合物を真空下95℃で乾燥させた。このように乾燥させた物質を、残留触媒、金属及び有色化合物を除去するために、95℃で7kPaの真空下、20分に渡り、1重量%の吸着助剤(Trisyl(登録商標),Gracce,Germany)を使用することで漂白した。吸着助剤のろ過による除去後、薄膜蒸留装置における標準的なラボスケールの蒸発によるろ過を行い、過剰の脂肪酸メチルエステルを除去し、そしてスタノール脂肪酸エステルリッチ産物を提供した。脂肪酸メチルエステル蒸留物を当該方法において原材料としてリサイクルして再利用した。獲得したスタノール脂肪酸エステル、遊離ステロール、グリセリド及び脂肪酸メチルエステルの濃度を段階1の後に中間産物において、そしてスタノール脂肪酸エステルリッチ産物において分析した。
結果は:
Figure 2006522778
である。
結果から、中間産物において約25%の未反応のグリセリドが示されたが最終産物においては極微量であった。
実施例2
スタノール脂肪酸エステルリッチ産物の、ラボスケールでの調製のための試験ランを2つ行った。従って、反応容器中、反応混合物(0.33molのナタネ油(RO)、1molのスタノール(STA)及び1molのナタネ油ベースメチルエステル(ROMe)を含有する)を、スタノールの量により計算した0.6〜0.8重量%のNaOCH3触媒と混合した。反応混合物をエステル化した。
この後、この混合物を、反応容器中へ5重量%の加水分解及びアルキル化組成物であって、89%のメタノール及び11%のKOHを含んで成る組成物を加えることによって加水分解してアルキル化した。加水分解を、大気圧及び80℃でおよそ30分に渡り行った。形成されたグリセロール相を反応容器の底に定着させて取り出した。脂肪酸メチルエステル(FaMe)を混合物から蒸留した。このようにして、最初のランにおいて混合物から分離した脂肪酸メチルエステルリサイクルして、第二の試験ランにおいてナタネ油(RoME)の代わりに脂肪酸メチルエステル供給物(FaMe)として使用した。本来、この第二ランを、第一ランと同じ様にして行った。スタノール脂肪酸エステル(STAEST)収量を測定した。
Figure 2006522778
生産されたスタノール脂肪酸エステルリッチ産物を分析した。結果は:
Figure 2006522778
である。
例では非連続方法を説明する。しかし、この方法は、連続方法において容易に利用されて良い。方法の最初において見掛けは1バッチの脂肪酸メチルエステル又は過剰のグリセリドの供給のみが必要である。この方法において、リサイクルされる脂肪酸メチルエステルの量は、方法の効果を更新することが理由で、良好なままであるとも考えられた。
本発明は、ステロール脂肪酸エステルリッチ組成物を提供するために、グリセリド組成物によるステロール組成物のエステル化するための単純且つコスト上有効な食物等級の方法を供する。ステロール脂肪酸エステルッチ組成物において、遊離ステロール、並びにモノグリセリド、ジグリセリド、及びトリグリセリドの含量は最小となっている。従って、本発明は、グリセリド中に存在する脂肪酸成分の意外な効率的使用を可能にし、実際には、およそ化学量論量の、最小化された、グリセリドの投与で十分である。本発明は、様々な脂肪酸成分の使用を可能にもし、例えば通常は市場で入手できない、又はもしグリセリド中に存在し市場で入手できたとしても幾分高価格であろう脂肪酸成分の使用を可能にする。本発明の方法において、脂肪酸もしくは脂肪酸アルキルエステル成分を購入もしくは個別に調製する必要はなく、何故なら当該方法において必要とされる脂肪酸アルキルエステル成分は、導入された対応するグリセリドから導かれて良いからである。
本発明を使用する方法において、エステル化反応において使用される触媒はグリセロール相に集められ、そして当該方法から容易に取り出される。従来の好適の方法において、他方、触媒は、反応混合物を水で洗浄することによって不活性化されてきた。かかる水での処理は、様々な方法上の問題につながる、方法液のエマルション化を生じる。これらの問題は新たな方法において回避されている。
実施例3
20重量%のステロールエステル及び80%のトリグリセリドを含有する20000gの脂肪混合物をパイロットリアクター中3200gのメタノールを伴い、400gの水酸化カリウムの存在下で加水分解して加水分解してアルキル化した。この反応を60℃及び通常の大気圧下で混合を行った。60分の反応時間の後、混合を止め、そしてグリセロール、触媒及び過剰のメタノールを含有する重相を、60分の分離時間の後デカンテーションした。重相分離の後、5000gの90℃水を残留ステロールエステルと脂肪酸メチルエステルの混合物に加え、そして30分の分離時間後、洗浄水相をデカンテーションによって除去した。この洗浄を2回繰り返した。洗浄後、混合物を加熱して50mbar(5kPa)の真空下、95℃で、0.4重量%の吸着体(Trisiyl)で処理して、残留触媒を除去した。15分の接触時間後、吸着剤をろ過によって除去し、そして混合物を1mbar(0.1kPa)の真空下200℃におけるスチーム蒸留によって脱臭して過剰のメチルエステル及び風味化合物及び臭気化合物を除去した。120分の脱臭時間後、残留するステロールエステルを冷却して60℃でろ過した。脱臭したステロール産物は透明であり且つ風味は乏しかった。
(原文記載なし)

Claims (29)

  1. ステロール脂肪酸エステルリッチ組成物の生産のための方法であって:
    (a)
    −1又は複数のステロールを含んで成るステロール組成物、
    −1又は複数の脂肪酸の脂肪酸エステルを含んで成る脂肪酸グリセリド組成物、及び
    −反応混合物を形成するためのエステル化触媒、
    を一緒にし、
    (b)前記反応混合物中のステロールのエステル化を行うことにより、ステロール脂肪酸エステル含有混合物を生産し、
    (c)加水分解触媒及びアルキル化成分を加え、そこに存在するモノグリセリド、ジグリセリド及び/又はトリグリセリドを加水分解し、そして対応する脂肪酸アルキルエステル及びグリセロールを生産させ、そして
    (d)ステロール脂肪酸エステル含有混合物を精製してステロール脂肪酸エステルリッチ組成物を形成させる、
    段階を含んで成る方法。
  2. 前記段階(a)における反応混合物又はその成分に1以上の脂肪酸アルキルエステルを加える、請求項1に記載の方法。
  3. 段階(d)が、前記混合物からグリセロールを除去することによって前記ステロール脂肪酸エステル含有混合物を精製することを含んで成る段階(d1)を含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記段階(d1)において、エステル化触媒及び/又は加水分解触媒を、ステロール脂肪酸エステル含有混合物からグリセロールと一緒に取り除く、請求項3に記載の方法。
  5. 前記段階(d)が、前記混合物から脂肪酸アルキルエステルを分離することによって前記ステロール脂肪酸エステル含有混合物を精製することを含んで成る段階(d2)を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 段階(d2)において分離した脂肪酸アルキルエステルを、ステロール組成物中、脂肪酸グリセリド組成物、エステル化触媒及び/又は段階(a)で形成された反応混合物に供給する段階を含んで成る、請求項5に記載の方法。
  7. 前記加水分解触媒及びアルキル化成分を、予め調製した加水分解及びアルキル化組成物として段階(c)において加える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記加水分解触媒がKOHでありそしてアルキル化成分がメタノールであり、好適には予め調製されたメタノールKOH組成物として加えている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 段階(d)において、前記エステル化触媒は、金属アルコキシドの例えば、NaOCH3及びNaOC2H5、金属酸化物、アルカリ水酸化物、金属せっけん、合金、金属水素化物、金属アミド及びそれらの混合物からなる群から選択されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記段階(c)における反応混合物が、0.01〜10重量%、好適には0.05〜2重量%の加水分解触媒である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記段階(c)における反応混合物が、0.01〜75重量%、好適には0.1〜30重量%の加水分解触媒である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記加水分解及びアルキル化組成物又はその分離成分が50重量%以上のメタノール及び最大で50重量%のKOH、好適には65〜99.5重量%、一層好適には80〜99重量%、最も好適には85〜95重量%のメタノール及び好適には0.5〜35重量%、一層好適には1〜20重量%、最も好適には5〜15重量%のKOHを含んで成る、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記段階(d)が、脂肪酸エステル含有混合物を漂白、ろ過及び/又は脱臭によって精製することを含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 段階(a)において、前記反応混合物を、mol比において1molの1又は複数のステロール、段階(d2)に由来する0.3〜0.7molの1又は複数の脂肪酸グリセリド及び0.9〜2.1molの1又は複数の脂肪酸メチルエステルによって形成する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記加水分解触媒及びアルキル化成分を、エステル化反応及が完了又は大部分完了した場合に、段階(c)におけるステロール脂肪酸エステル含有混合物に対して加える、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記生産されたステロール脂肪酸エステルリッチ組成物が90重量%以上、好適には94重量%以上、一層好適には97%以上のステロール脂肪酸エステルを含んで成る、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 食事、医薬及び/又は化粧品として又はまたはその調製における、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法によって生産されたステロール脂肪酸エステルリッチ組成物の使用。
  18. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法によって生産されたステロール脂肪酸エステルリッチ組成物。
  19. 脂肪酸グリセリド及びステロール脂肪酸エステルを含有する脂肪混合物から食品等級のステロール脂肪酸エステルを回収するための方法であって:
    (i)前記脂肪混合物に対して、加水分解触媒及びアルキル化成分を加え、グリセリドを加水分解しそして対応する脂肪酸アルキルエステルを、ステロール脂肪酸エステルの有意な加水分解を伴わずに生産し、
    (ii)過剰のアルキル成分、加水分解触媒及びグリセロールを除去し、
    (iii)獲得した産物を水による洗浄によって及び/もしくは吸着剤処理により又は洗浄もしくは酸水性溶液により及び/もしくは吸着剤処理により精製し、そして
    (iv)獲得した産物を脱臭により精製して脂肪酸アルキルエステル及び不純物を除去して純粋なステロール脂肪酸エステルを生産する、
    段階を含んで成る方法。
  20. 前記加水分解触媒が、アルカリ水酸化物の例えばKOH及び/又はNaOH、及びアルカリ酸化物を含んで成る塩基の群から選択される、請求項19に記載の方法。
  21. 前記アルキル化成分が、C1〜4アカノール、好適にはメタノール及び/又はエタノールを含んで成る低級アルコールの群から選択される、請求項19又は20に記載の方法。
  22. 前記脂肪混合物が、加水分解触媒及びアルキル化成分を添加する前に、1〜99重量%、好適には30〜97重量%、一層好適には70〜95重量%のグリセリド及び1〜99重量%、好適には3〜70重量%、そして一層好適には5〜30重量%のステロール脂肪酸エステルを含む、請求項19〜21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記脂肪混合物に、0.01〜10重量%、好適には0.05〜2重量%の加水分解触媒を加えることを含んで成る、請求項19〜22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記脂肪混合物に、0.01〜75重量%、好適には0.1〜30重量%、一層好適には0.5〜30重量%のアルキル化成分を加えることを含んで成る、請求項19〜23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記加水分解触媒及びアルキル化成分を予め調製した加水分解及びアルキル化組成物として加えることを含んで成る、請求項19〜24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記加水分解及びアルキル化組成物又はその成分が、50重量%のメタノール及び最大で50重量%のKOH、好適には65〜99.5重量%、一層好適には80〜99重量%、最も好適には85〜95重量%のメタノール及び好適には0.5〜35重量%、一層好適には1〜20重量%、最も好適には5〜15重量%のKOHを含む、請求項19〜25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 前記段階(i)を60〜100℃、好適には60〜80℃の温度で、最大で100kPa、好適には最大で7kPaの圧力において、そして1分〜6時間、好適には30分〜2時間の時間に渡り行っている、請求項19〜26のいずれか1項に記載の方法。
  28. 前記段階(iv)を160〜230℃、好適には190〜210℃の温度、及び1〜1000Paの圧力、好適には50〜500Paで行う、請求項19〜27のいずれか1項に記載の方法。
  29. 請求項19〜28のいずれか1項に記載の方法によって生産する、ステロール脂肪酸エステル。
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