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JP2006342361A - ポリ乳酸系重合体組成物及び成形品 - Google Patents

ポリ乳酸系重合体組成物及び成形品 Download PDF

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Jun Takagi
潤 高木
Shigenori Terada
滋憲 寺田
Hidekazu Koseki
英一 小関
Kenji Kanamori
健志 金森
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Toyota Motor Corp
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Mitsubishi Plastics Inc
Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】自然環境下で完全に分解可能であり、優れた耐衝撃性・透明性を持ち合わせ、かつ優れた弾性率を兼ね備えた生分解性ポリ乳酸系重合体組成物およびその成形品を提供すること。
【解決手段】(A)ホモポリ乳酸重合体および(B)ポリ乳酸と他の脂肪族ポリエステルの共重合体を、(A)/(B)の重量比で、30/70〜80/20の割合で配合した組成物であり、かつ該共重合体(B)は、そのガラス転移温度が−20〜40℃の範囲に一つだけあることを特徴とするポリ乳酸系重合体組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、繊維、フィルムおよびその他の成形品に適し、透明性・耐衝撃性等が改良された生分解性ポリ乳酸系重合体組成物およびその成形品に関する。
近年、自然環境保護の見地から、自然環境中で分解する生分解性重合体およびその成形品が求められ、脂肪族ポリエステル等の自然分解性樹脂の研究が活発に行われている。特に、乳酸系重合体は融点が170〜180℃と十分に高く、透明性に優れ、弾性率も高いため、包装材料等として大いに期待されている。しかし、ポリ乳酸は、その剛直な分子構造のために、耐衝撃性が劣り脆いという欠点があり、乳酸系重合体における本欠点の改良が望まれている。
特開平7−173266号公報には、ポリ乳酸と他の脂肪族ポリエステル等を共重合することで透明性・柔軟性に優れた重合体が得られると記載されているが、この方法ではブロック共重合およびエステル交換反応の制御が難しく、得られる共重合体中のポリ乳酸セグメントサイズおよびポリエステルセグメントサイズが保証できず、結果として得られる重合体の物性は安定しない。また、耐衝撃性については、共重合比率の増加により改善されるが、脂肪族ポリエステル自身の持つ結晶性の高さゆえ、透明性の優れた共重合体を得ることは難しい。
さらに、特開平8−157577号公報には、分岐鎖を持つ脂肪族ポリエステルと共重合することで、より透明性・柔軟性に優れた重合体が得られると記載されている。しかしながら、これら共重合体で耐衝撃性を向上させるには、数10%以上の共重合が必要であり、それによる顕著な弾性率の低下は避けられない。
すなわち、実際上、透明性・耐衝撃性に優れ、かつ弾性率に優れた生分解性ポリ乳酸系重合体組成物は、知られていないのが現状である。
特開平7−173266号公報 特開平8−157577号公報
本発明の目的は、自然環境下で完全に分解可能であり、優れた耐衝撃性・透明性を持ち合わせ、かつ優れた弾性率を兼ね備えた生分解性ポリ乳酸系重合体組成物およびその成形品を提供することにある。
このような課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討の結果、次に示される生分解性乳酸系共重合体組成物およびその成形品によって達成されることを見出した。
すなわち、本発明の本旨は、(A)ホモポリ乳酸重合体および(B)ポリ乳酸と他の脂肪族ポリエステルの共重合体を、(A)/(B)の重量比で、30/70〜80/20の割合で配合した組成物であり、かつ該共重合体(B)は、そのガラス転移温度が−20〜40℃の範囲に一つだけあること特徴とするポリ乳酸系重合体組成物である。
本発明の異なる本旨は、共重合体(B)が、脂肪族ポリエステルの存在下ラクチドを重合させて得られたポリ乳酸系重合体組成物である。
本発明のさらなる本旨は、フィルム、シート、プレート、パイプ、異型押出品、繊維、射出成形品およびブロー成形品からなる群から選ばれた成形品であり、かつポリ乳酸系重合体組成物を用いて成形された成形品である。
本発明により、自然環境下で完全に分解可能であり、優れた耐衝撃性・透明性を持ち合わせ、かつ優れた弾性率を兼ね備えた生分解性ポリ乳酸系重合体組成物およびその成形品を提供することが可能となった。
本発明組成物を構成するホモポリ乳酸重合体(A)は、実質的にL−乳酸および/またはD−乳酸由来のモノマー単位のみで構成されるポリマーである。ここで、「実質的に」とは、本発明の効果を損なわない範囲で、L−乳酸またはD−乳酸に由来しない、他のモノマー単位を含んでいてもよいという意味である。便宜的な尺度として、ホモポリ乳酸重合体(A)のガラス転移温度が採用できる。
すなわち、本発明においては、ホモポリ乳酸重合体が、50℃以上のガラス転移温度を有することが重要である。ガラス転移温度が50℃より低い場合には、該重合体の分子量、共重合モノマー、残存モノマー、添加剤、過度の吸水等の影響により、後記の共重合体(B)と配合して得られる組成物の弾性率が低下し、好ましくない。
本発明において、「ガラス転移温度」は、動的粘弾性測定を用い定義する。すなわち、(株)岩本製作所製動的粘弾性測定装置VES−F−III型機を用い、以下の条件で測定した動的粘弾性のスペクトル中、損失弾性率(E”)の主分散ピークの値を読みとり、ガラス転移温度とした。
測定条件
試料厚み : 400μm
試料幅 : 4.5mm
チャック間距離: 40mm
測定周波数 : 10Hz
歪み量 : 10μm
昇温速度 : 1℃/min
ホモポリ乳酸重合体としては、他に制限はなく、製造方法も既知の任意の重合方法を採用することができる。最も代表的に知られているのは、乳酸の無水環状二量体であるラクチドを開環重合する方法(ラクチド法)であるが、乳酸を直接縮合重合しても構わない。また、分子量としては、重量平均分子量で、50,000〜1,000,000の範囲が好ましい。かかる範囲を下回ると機械物性等が十分発現されず、上回る場合には加工性に劣る。
ホモポリ乳酸重合体が、L−乳酸および/またはD−乳酸に由来するモノマー単位だけからなる場合は、重合体は結晶性で高融点を有する。しかも、L−乳酸、D−乳酸由来のモノマー単位の比率(L/D比と略称する)を変化させることにより、結晶性・融点を自在に調節することができるので、用途に応じ、実用特性を制御することを可能にする。しかしながら、ホモポリ乳酸重合体のガラス転移温度は、分子量が十分に大きければ、L/D比に関わらず、ほとんど不変であり、測定法にもよるが、概ね55〜65℃、一般的には60℃である。
本発明の組成物を構成するもう一つの重合体(B)は、ポリ乳酸と他の脂肪族ポリエステルの共重合体である。
しかして、脂肪族ポリエステルは、重合設計の容易さ、工業上のコスト等を考慮し、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとの縮合体が望ましい。該縮合体には、少量の脂環族や芳香族モノマーが含まれても構わないが、完全生分解性や生分解速度を重視すれば、含有量は30mol%以下が望ましい。また、任意の割合でα−ヒドロキシカルボン酸やその環状無水物が共重合された縮合体でも良く、あるいは、α−ヒドロキシカルボン酸やその環状無水物の単独重合体を、該縮合体と共に使用しまたは該縮合体に代えたものでも構わない。いずれにしても、脂肪族ポリエステルは、ガラス転移温度が0℃以下であることが望ましい。0℃より高いと耐衝撃性の改良効果が得難い。
脂肪族ジカルボン酸としては、炭素数4〜20程度のアルキル基を持つものが好ましく、例えばコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等が挙げられる。脂肪族ジオールは、炭素数2〜12程度のアルキル基を持つものが好ましく、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール等が挙げられる。また、脂肪族ジオールは、エーテル結合を持つジオールおよびカーボネート結合を持つジオールを包含する。エーテル結合を持つジオールは、炭素数2〜8程度のアルキル基を持つものが好ましく、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヒドロキシエチル/ヒドロキシプロピルエーテル、ビスヒドロキシエトキシヘキサン等が挙げられる。カーボネート結合を持つジオールは、炭素数4〜8程度のアルキル基を持つものが好ましく、例えばビスヒドロキシブチレンカーボネート、ビスヒドロキシヘキサンカーボネート等が挙げられる。
特に好適な脂肪族ポリエステルとしては、例えばポリエチレンスベレート、ポリエチレンセバケート、ポリエチレンデカンジカルボキシレート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンセバケート、ポリブチレンサクシネートアジペート等が挙げられる。また、これらのポリマー分子鎖中に1個以上のウレタン結合を含むポリエステルポリウレタンも使用できる。また、脂肪族ポリエステルに分岐構造を導入することもできるが、分岐構造は、多価カルボン酸、多価アルコール、多価イソシアネート等の多官能化合物の添加によって得られる。
一方、上記の脂肪族ポリエステルとエステル結合するポリ乳酸は、通常、L−乳酸および/またはD−乳酸由来のモノマー単位のみで構成される。また、本発明の効果を損なわない範囲で、L−乳酸またはD−乳酸に由来しない、他のモノマー単位を含んでいてもよい。
本発明において、ポリ乳酸と脂肪族ポリエステルの共重合体(B)は、任意の方法で調製することができる。例えば、ポリ乳酸または脂肪族ポリエステルのいずれか一方を別途重合体として準備しておき、該重合体の存在下に他方の構成モノマーを重合させる。
通常は、予め準備した脂肪族ポリエステルの存在下でラクチドの重合を行うことにより、ポリ乳酸と脂肪族ポリエステルの共重合体(B)を得る。基本的には、脂肪族ポリエステルを共存させる点が相違するだけで、ラクチド法でホモポリ乳酸重合体(A)を得る場合と同様に重合を行うことができる。この時、ラクチドの重合が進行すると同時に、ポリ乳酸と脂肪族ポリエステルの間で適度なエステル交換反応が起こり、比較的ランダム性が高い共重合体(B)が得られる。出発物質として、ウレタン結合を有する脂肪族ポリエステルウレタンを用いた場合には、エステル−アミド交換も生成する。
本発明においては、共重合体(B)のガラス転移温度が−20〜40℃であることが必要である。かかる範囲を下回る場合には、目的とする組成物の透明性が良好でなく、逆に上回る場合には、耐衝撃性が良好でない。共重合体(B)のガラス転移温度は、出発物質である脂肪族ポリエステルの化学組成、ポリ乳酸との共重合比、共重合反応条件等により適宜制御される。ポリブチレンサクシネート等、上記の代表的な脂肪族ポリエステルの場合、ガラス転移温度は、概ね−30〜−10℃の範囲にあり、これらを用いた場合には、共重合比は、他の条件にも依存するが、ポリ乳酸/脂肪族ポリエステル=50/50〜90/10の範囲で調整される。
本発明のポリ乳酸系重合体組成物では、重合体(A)と共重合体(B)の配合比率は、共重合組成によっても異なるが、(A)/(B)の重量比で30/70〜80/20の範囲にすることが必要である。この重量比が、30/70を下回る場合には、引張り弾性率や透明性が乏しく、一方80/20を上回る場合には、耐衝撃性が十分でない。
本発明組成物の調製は、慣用の手段で行うことができる。すなわち、混合方法や混合装置は、特に限定されないが、連続的に処理できるものが、工業的には有利で好ましい。例えば、両重合体(A)、(B)のペレットを所定比率で混合し、1軸のスクリュー押出機や2軸の混練押出機等で溶融し、直ちに射出成形したり製膜または紡糸しても良い。同じく、両重合体をそれぞれ別の押出機等で溶融し、所定比率で静止混合器または/および機械的攪拌装置で混合し、直ちに成形しても良く、一旦ペレット化しても良い。押出機等の機械的撹拌による混合と静止混合器とを組み合わせても良い。溶剤を用いて、溶液状態で混合しても良い。
溶融混合法では、ポリマーの劣化、変質、エステル交換反応によるさらなる共重合体化を、実質的に防ぐことが必要で、出来るだけ低温で短時間内に混合することが好ましい。例えば、温度は、230℃以下、特に好ましくは210℃以下、最も好ましくは190℃以下、時間は30分以内、特に20分以内、最も好ましくは10分以内で混合することが好ましい。溶融による変質やエステル交換を防ぐには、分子末端の水酸基やカルボキシル基、残留モノマーや重合触媒を除去または低減しておくことが望ましい。
さらに、本発明の組成物には、副次的添加物を加えて色々な改質を行うことができる。副次的添加剤の例としては、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、着色剤、各種フィラー、静電剤、離型剤、可塑剤、香料、抗菌剤、核形成剤等その他の類似のものが挙げられる。
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。諸物性の測定は、実施例および比較例で得られたシートについて、次に示すような条件で行った。
(1)ガラス転移温度
本文記載の方法で行った。なお、共重合体(B)のE”のピークが、明らかに2つ以上存在する場合には、ホモポリ乳酸に近い側、すなわち高温側をガラス転移温度とした。
(2)耐衝撃性
島津製作所製ハイドロショット衝撃試験機を用い測定した。シートから100mm×100mmに切り出した試料をクランプで固定し、フィルム中央に落錘で衝撃を与え、そのエネルギー(単位Kgf・mm)を読みとる。測定温度は23℃、落錘の落下速度は3m/秒である。
(3)透明性
シートから切り出した試料を用い、JIS K−7105に準じてヘーズ(単位%)を測定した。
(4)引張り弾性率
JIS K−6732に準拠して、シートの押出し方向に平行に長く、5mm幅×50mmの短冊状に切り出した試料を、23℃で調湿された雰囲気に2日間静置後、東洋精機(株)製テンシロンII型機を用い、チャック間25mm、引張り速度5mm/minで引張試験を行い、得られた応力−ひずみ曲線の初期の傾きより引張り弾性率(単位Kgf/mm2 )を算出した。
(参考例1)
脂肪族ポリエステル(PE1)の合成コハク酸236g、1,4−ブタンジオール216gを210℃で窒素ガス雰囲気下混合、エステル化し酸価7.9とした後、混合物に対し触媒としてチタン酸テトラブチルを1.2g加え反応を進行させ、最終的には、0.05torrまで減圧し、約10時間脱グリコール反応を行い、重量平均分子量82,000の脂肪族ポリエステル(PE1)を合成した。ガラス転移温度は、−26℃であった。
また、他の脂肪族ポリエステル(PE2)として、市販品(昭和高分子(株)製:ビオノーレ3010)である、アジピン酸、コハク酸、1,4−ブタンジオール、およびヘキサメチレンジイソシアネートからなる脂肪族ポリエステルウレタン(PE2)を用いた。ガラス転移温度は、−30℃であった。
(参考例2)
結晶性脂肪族分岐ポリエステルポリウレタン(PE3)の合成1,4−ブタンジオール300g、無水コハク酸300g、トリメチロールプロパン7g(無水コハク酸に対して約1.5モル%)、テトライソプロピルチタネート0.6gを仕込み、205〜210℃で窒素ガス雰囲気下混合、エステル化し酸価7.1とした後、最終的には、0.5torrまで減圧し、215〜220℃で反応を進行させ、約5時間脱グリコール反応を行い、重量平均分子量70,000のポリエステルを合成した。その後引き続き温度205℃で、ヘキサメチレンジイソシアネートを4g加えウレタン架橋を行い、重量平均分子量176,000、多分散度(Mw/Mn)4.89の分岐構造を持つポリエステルポリウレタン(PE3)を得た。ガラス転移温度は、−28℃であった。
(参考例3)
各種脂肪族ポリエステル共重合体の合成(CP1〜CP6)
参考例1で得られた脂肪族ポリエステル(PE1)28重量部に、L−ラクチド72重量部を加え、不活性ガス雰囲気下溶融混合し、開環重合触媒としてオクチル酸錫を0.10重量部添加し、2軸混練機で攪拌しつつ190℃で15分間重合した後、直径2mmのノズルにより押し出し、水冷し切断することで脂肪族ポリエステル共重合体チップC1を得た。チップC1を、120℃、圧力1.5kg/cm2 の窒素中で12時間処理し、未反応モノマー(ラクチド)を除去し、チップCP1を得た。チップCP1の重量平均分子量は155,000。残存モノマー(ラクチド)は、0.1%であった。また、NMR分析より、ポリ乳酸成分は、70重量%、ポリ乳酸以外の脂肪族ポリエステル成分は30重量%であった。ガラス転移温度は、一つだけ観察され30℃であった。
また、上記の方法において、ラクチドの仕込量または脂肪族ポリエステルの種類を変化させ、表1に示すような脂肪族ポリエステル共重合体チップCP2〜CP6を得た。表中、ポリ乳酸成分量とは、NMR分析により、共重合体(B)中のポリ乳酸成分の量を測定し、その結果を重量%表示したものである。なお、チップCP5〜CP6の合成に際しては、カルバミン酸エステルに対するエステル交換および/またはエステルアミド交換触媒としてジ−n−ブチルスズジラウレート0.14重量部を、開環重合触媒とともに添加した。
実施例1〜6、比較例1〜7これらの実施例および比較例において、ホモポリ乳酸重合体(A)としては、重量平均分子量が210,000の(株)島津製作所製ポリL−乳酸「ラクティ1000」を用いた。ガラス転移温度は、60℃であった。この重合体(A)と前記各種の共重合体(B)を、次の表2または表3に示すような割合で、同方向2軸押出機(三菱重工社製、40mmφ)を用い回転数80rpm、温度210℃で混合し、ポリ乳酸系重合体組成物を得た。
この組成物を、フルフライトスクリュウを備えた単軸Tダイ押出機(三菱重工社製、30mmφ)を用い、押出温度200℃、厚さ400μmで押出し、水冷キャストロールで急冷してシートを得た。また、得られたシートについて、各種物性の測定および評価並びに総合判定を行い、その結果も同表に示した。表中、◎・○・△・×は、相対評価であり、この順で良好な物性を有していることを示している。用途にもよるが、○は概ね実用的な物性であることを意味する。
上記実施例で明らかなように、本発明のポリ乳酸系重合体組成物は、適切なガラス転移温度を有する共重合体(B)であるCP1,3,5,6を使用し、適切な(A)/(B)重量比の重合体組成とするときは、耐衝撃性・透明性・引張り弾性率が優れ、概ね実用的な物性であるとの総合判定のものが得られることがわかる。
一方、比較例にみられるように、不適切なガラス転移温度を有する共重合体(B)であるCP2,4を使用し、あるいは、不適切な(A)/(B)重量比とするときは、耐衝撃性・透明性・引張り弾性率のいずれかが著しく劣り、実用上問題となる。また、比較例4,6にみられるように、共重合体(B)単体のみで、ポリ乳酸の耐衝撃性を十分に改善するには、少なくとも20%、好ましくは30%以上の脂肪族ポリエステルの共重合が必要であるが、共重合比の上昇に伴い、共重合体の白濁や弾性率の顕著な低下が起こるため、実用上問題となる。

Claims (3)

  1. (A)ホモポリ乳酸重合体および(B)ポリ乳酸と他の脂肪族ポリエステルの共重合体を、(A)/(B)の重量比で、30/70〜80/20の割合で配合した組成物であり、かつ該共重合体(B)は、そのガラス転移温度が−20〜40℃の範囲に一つだけあることを特徴とするポリ乳酸系重合体組成物。
  2. 前項記載の共重合体(B)が、脂肪族ポリエステルの存在下ラクチドを重合させて得られたものであることを特徴とする請求項1記載のポリ乳酸系重合体組成物。
  3. フィルム、シート、プレート、パイプ、異型押出品、繊維、射出成形品およびブロー成形品からなる群から選ばれた成形品であり、かつ請求項1または2記載のポリ乳酸系重合体組成物を用いて成形されたものであることを特徴とする成形品。
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